ひとりごちるゆんず 2013年9月
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2013.9.1 日曜
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信仰告白な記憶はサタデーナイトフィーバーで

「そんなわけで、●●教に入信しました」と言った表情が悲しげだった。

というのを久しぶりに思い出して。ええとあれ10年くらい前かな。あーバスの中でトラボルタやったときだったわ。

温泉で同窓会がありまして。というか先生の退官パーティーというかコンパというかの飲み会。まったく初対面の大先輩とかウジャウジャいまして。コンパは一応終わり、あとは各部屋でそれぞれ飲み会と。おいらが当たったのは5人部屋くらいかな。しばらくほかの部屋の人たちも出入りして盛り上がりまくってさ。とりあえずおいらはアゲアゲで盛り上げまくったwww

だいぶ疲れて「そろそろ寝るべー」と落ち着いてからも、同部屋の人たち同士でいろいろ語りまして。ちびちび飲みながら。

この期に及んでもおいらはアゲアゲモードだったけど、なんかトツトツと自分語りを始めたお方がいらして。そこでおいらは「あーそうだった。そろそろ落ち着きたい人もいるよなー」とようやく悟って(気づくの遅すぎ)、静かに聞いた。

渡米経験とかなんとかを聞いて、最後の〆が「そんなわけで、●●教に入信しました」だった。正直、それまでの語りの何がどうつながって入信なのか全然筋が見えなかったけど、まぁ信者さんなんだそうな。日本語で書くと塩湖市のあの宗教というか宗派というかの。

んで、それを語った表情がですね、寝てる人もいたから明かりをほとんど消して暗かったんですけどね、なんか悲しげというか寂しげというかがはっきり伺えまして。

……、

……、

……。

ほんとは後悔してるんだろうなー、と思わせるに充分でしたですよ。けど彼にとってその告白は、何かを吹っ切るのに必要なことだったのかもな。

おいら含むその場の人たちの反応は、「ふーんそうなんだーへえー」程度。あんまし脈絡なくいきなり出てきた話だったし、内容が内容だけにうかつなことは言えんわな。次の朝も普通に、部屋のみんなで一緒にダベりながら温泉に浸かって、飲み会メンバー全員一緒の朝飯もだいたい部屋の人同士で集まって食ってと。

その間もおいらはハイテンションでアゲまくってた(なんでだ)。して、信仰を告白した彼も、みんなと一緒にめちゃめちゃ笑ってたなー。なんか肩の荷が少し下りたようにも見えたよ。という結局はおいらの自己満足ネタww

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それよりはるか昔のことも思い出した。

女子高生とお友達になって、初デートにこぎつけてウキウキしてたんさ。したらそのコに連れて行かれた先が、件の宗派の教会だったwww そしてなぜか外人さん2人の組とこっちのカップルの組で卓球をすることになって。ルール全然知らねーしろくに打ち返せねーし(←スポーツ全然ダメな人)で、これが全然面白くなくて。ていうかその先の展開を考えると不安でもう何も楽しくなくて。

思ったとおり、卓球の後は外人さんにかなり熱心に勧誘されまして。ラケットを振りつつでっち上げといた、自分でも意味分からん持論を展開して必死に突っぱねたっけなー(遠い目)

人間、追い詰められると本当に火事場のクソ力が出るもんでして。外人さんが語る英語での卓球のルールはほとんど理解できなかったくせに、でっち上げ持論は英語でぶちかましたったwww 能力発現ってこのことですかwww 窮地を脱したらソッコーしぼんだけどww

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2013.9.2 月曜
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その披露宴

やべぇ不幸が溢れ出ています - 不幸な結婚式まとめブログを読んでたら、面白くて止まんなくなったww

招待した異性の友人が元の恋人とかフタマタ相手と誤解されて……ってことあるんだね。

おいらは全然そこまでじゃないけど、ちょっとそれっぽいことあったの思い出したですよ。

異性の友達の披露宴に呼ばれまして。財前教授のときだわー。9年前だわー。長く日記つけてると便利だわー。つか式での「財前教授の回診です」はマジでやばかった。笑いを堪えるのにwww

式の後の披露宴。その後半。新郎・新婦それぞれの生い立ちから現在までの写真のスライド上映。新婦の巻のとき。

0歳の頃から始まり、時代が下っていって、最近の様子が出てきたんですわ。おいらこの仲間6人で、北海道に旅行したことありまして。2000年だったな。そのときの写真がドバババーと連打。ほんと楽しい旅行だったからなー。

そしてなぜか、旅先の各地での、おいらとのツーショットが特に連打。ちょ、これやばくね!?

あとで聞いたら、あの旅行がほんと面白くて、よさげな写真を選んだらなんかそうなってしまったんだとさ。スライドは披露宴の段取りのとき旦那と一緒に選んで組んだから大丈夫だよとか言ってたよww 問題の写真の内容は、すげーノリノリでヒャッハーて感じのやつばっか。落ち着いて二人並んで、とか手を肩に回して、なんて誤解を招きそうなのは一切なし(旅先でそういう展開自体なかったし)。つかその旅自体みんなずーっとハイテンションで、写真のまんまで終始したわww

そして、ツーショット写真大暴露だったにもかかわらず、出席者にまったく疑われなかったおいらwww 喜ばしいんだか嘆かわしいんだかwwww

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そういやそのときは、チャペルでの式の後、新郎新婦と一緒に写真を撮る時間が設けられましして。友達の晴れの日だから一緒に撮りたかったけど、新郎を差し置いて花嫁とツーショットってわけにはいかないじゃないですか。一瞬悩んで、初対面で挨拶もまだしてない新郎と腕を組んで撮影に臨んでしまったwww

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2013.9.3 火曜
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怖い場所が怖いことになってる件

2ちゃんねるの情報流出、大変なことになってるみたいですなぁ。人気まとめサイトの管理人が実は荒らしをしてたりとか。身バレで人生詰んだりとか。

おいらはすげー前に3回くらい書き込んだことあったな。煽られたりはなかったけど、「2ちゃんってなんだか素人には怖いところだなー」と思ってから全然行かなくなり、ここ数年はまとめサイトだけ見る暮らしをしてた。流出した情報は最近数カ月程度のものらしいから、おいらは被害はないはず。

やっぱしいろいろ怖いわ。

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2013.9.4 水曜
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『パシフィック・リム』

おととい、もう今週いっぱいあたりで公開が終わりそうな気がするこんな時期に、『パシフィック・リム』をようやく観に行ったですよ。全然まとまってないけど、感想なり連想なり。

「イェーガー」ってドイツ語で「狩人」の意味なのか。映画と関係ない話だけど、航空史の有名人でチャック・イェーガーというかたがいらっしゃる。この人は米軍のテストパイロットで、1947年、公式記録で史上初の音速超えを成し遂げた。実はフライトの2日前に落馬で肋骨を折ったそうな。けど何が何でも航空史に名を刻みたくて、怪我のことをお偉いさんに黙ってたらしい。歴史の一部になるのにふさわしい、勇者の伝説なエピソードですな(ちょっとカワイイ話なのがアメリカっぽいw)。

搭乗型巨大ロボの総称をそのドラマ中で独自のものに決めるってのは、『機動戦士ガンダム』の「モビルスーツ」、『伝説巨神イデオン』の「重機動メカ」に「軽機動メカ」あたりに始まるのかな。あるいは『マジンガーZ』の敵メカは確か「機械獣」だったりもして。

『パシフィック・リム』で「イェーガー」の呼称を採用したのは、日本のロボットものの影響だけでなく、きっとチャック・イェーガーの影響もあったんじゃないかなと勝手に思ったり。ちなみに1986年に世界初の無着陸・無給油世界一周飛行を成し遂げたパイロットの一人ジーナ・イェーガーは、チャック・イェーガーとは赤の他人だそうで。

さて、映画全体としてすごく楽しめたのに、思い出すのは数々のツッコミどころw

ギレルモ・デル・トロ監督の映画の腕前、すごかった。迫力ある観せかた盛り上げかたが半端ない。2時間15分っつうちょい長めの尺なのに、まったくダレずに一気に観させていただきましたですよ。けどイイ部分はなんでイイのか分からんのに、イマイチの部分はなんでなのかいちいち気づいてしまってな。

ハリウッド版の "GODZILLA" (1998)のプロモ番組を見て知ったんだが、CG 映像って夜や雨降りの場面だとボロを隠せるんだそうで。ハリウッドゴジラの時代では CG の出来が完璧とは言えなかったらしく(ハリウッドレベルなんで、それでもかなり高かったと思われ)、それでごまかしたんだそうな。

あれから15年。CG 技術もレンダーのマシンパワーも相当に上がったろうに。なんでまた同じごまかし技をここでも使うのかと。唯一、オーストラリアのイェーガーが戦う場面は「白昼の決闘」だったけど、映像は解像度の粗いテレビ画面越しだった。

ここらへんハリウッドの考え方なんだろうけど、日本だと予算が恐らく10分の1以下の『大日本人』(2007)では、巨大戦闘場面はおもっきし晴れた昼間ばかりだったが。かなり納得の行くクオリティだったが。

つか画面が暗いロボットファイト場面は、何が何だかよく分からん感じでな。おいらが観たのは 3D 版だったから少しは分かったけど、それでも不満が残る感じ。2D 版だともっと分からんだろうな。しかしハリウッドのロボットや宇宙船なんかの巨大メカって、見た目すげーごちゃごちゃしてるからさ、それも分かりにくい原因じゃないかな。

イェーガーには特に萌えなかったですわ。巨大ロボものはデザインで萌えさせて欲しい感じだが。イェーガーのデザインコンセプトは、その意味でモロにハリウッドでさ。日本人のおいらとしては、アニメとかで慣れ親しんだ、シンプルで直線的・平板組み合わせ的で、しかもかっちょいい外観だと嬉しかったですよ。まーアメリカ映画なんでアメリカンテイストなのが正しいんだけどさ。

しかし主人公ロボの頭が、ボスボロットとザクを混ぜた感じのブタ顔ってのはちょっとアレだったかと思うぞ。アメリカ人の感覚としては、あれがたまんなくカッチョいいんだろうか。あと日本製のイェーガーの出番が短くて、しかも逆光の演出でその姿がよく見えんかった(涙)

その代わり怪獣のほうは、これぞ怪獣、な感じでして。このあたりも、なんでいいのかはおいらうまく説明できないんだけど、なんだかコーフンできる造形と演技でしたわ。テラテラ・ヌメヌメ感に、なんだかよく分からないけど強力な攻撃用の器官がついてるんだぞ的なルックス。それに、あたかも中に人が入ってるかのような、微妙に人間の骨格っぽさを感じさせる全体像とかw

怪獣の位置づけは、地球侵略を目論む悪い奴らの手先。ゴジラシリーズでよく言われる両義性はなかった。外国映画なんで、そこまで日本的なオリジナルにこだわる必要もないけどさ。

ゴジラの両義性っつうと、よく語られるのは「はじめは人間の敵だったのに、シリーズを追うごとに人間の味方になっていった」かな。これはアレかな、単にシリーズが子供に大人気だったから営業の判断で日和っていっただけかな。

もうひとつの両義性は、最初の『ゴジラ』(1954)の作品内にある。ゴジラは核兵器実験から期せずして生まれた。人類のテクノロジーが生んでしまった怪物なわけで。そしてその災禍を絶つべく、これまたテクノロジーでゴジラを葬る。対ゴジラ兵器を開発した博士が一緒に死亡したのは、そこらへんの人間の業をすべて飲み込んでもろともに消す意味だったのかも。「人類の都合とテクノロジーが生み出した怪物 ←→ 人類の都合により、テクノロジーを用いて殺すべき怪物」→「最も恐ろしい怪物って人類なのでは?」と読めるような。

昭和のガメラシリーズはよく分からんけど、平成ガメラシリーズでも近い構造だったりする。こっちは超古代テクノロジーの遺物が現代になって暴走して、現代人が苦しめられるとゆー設定。ゴジラもガメラも、基本的に人類には為す術もない感じがあったりする。初代ゴジラは科学者が葬ったけど、確か件の科学者は異端の人だったような。平成ガメラでは、人類はガメラを理解して共存する道を模索する。

うむー、ゴジラって公害の暗喩でもあるのかな。今で言うと放射性汚染水の流出問題とか。となるとガメラって、現代人の半端なテクノロジーの遺物が未来の人類を苦しめるっつう警告的予言と取れるかも。

話は戻り、『パシフィック・リム』の設定とあらすじは、ハリウッドで最近妙に流行ってる地球侵略ものとまったく同じだな。宇宙の彼方なり異次元なり魔界なりから地球を侵略しようとする悪者が攻めてきて、それを主人公たちが阻止すべく、団結して戦うと。『スカイライン -征服-(2010)』『世界侵略: ロサンゼルス決戦(2011)』『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(2011)』『カウボーイ & エイリアン(2011)』『アベンジャーズ(2012)』『バトルシップ(2012)』とか。まったく同じ。

『アルマゲドン』(1998)も、敵は侵略の意図を持った生物じゃなかったけど、人類滅亡の危機っつう基本設定と立ち向かうヒーロー側の仲間割れ・のち団結とかヒロイックぶりは似てたかも。

そういや古の『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』(1986)の頃には、既に似たようなフォーマットの設定があったような。『インデペンデンス・デイ』(1996)も同じようなもんか。

なんでこんな金太郎飴を臆面もなく出し続けるのか。

書籍『その数学が戦略を決める(イアン・エアーズ著)』によると、映画のプロットをコンピュータに入力して、絶対計算と回帰分析なる操作をすると、その作品がどれだけ稼げるかを予測できるそうな。んでその出力に基いて、収益を最大化すべく脚本を練り上げていくそうな。そんなサービスを提供する会社が存在して、既にハリウッドの映画製作会社が利用しとるそうな。

おいらはプロットよりも宣伝の成否と公開規模の大きさのほうが興行収入に直結すると思ってるんで、マユツバな気がしてるネタだけど、この本によるとそうらしい。最近流行りの「ビッグデータの活用」ですな(マスコミはあたかも、単にソースデータ量をでっかくしただけみたいに報じてる。けど本質はそうじゃなく、新たな解析方法 [絶対計算と回帰分析] が普及したことが流行の理由かと)。

最近のハリウッドの SF 娯楽映画の設定やあらすじが似たり寄ったりだらけなのは、このせいなのかもな。しかしその最新 IT 技術を用いての最適化の結果が、1990年代にはもうできてたフォーマットの焼き直しとは。まーコンピュータとプログラムそのものは相変わらず創造性がゼロなんで、過去のデータとその集計からしか御託宣を作れんわけで。それに頼って映画を作ると、おのずとこうなるってことかも。

つかその1990年代前半ってさ、丸1年前に書いたことの蒸し返しになるけど、これまた似たり寄ったりのオチの映画がラッシュだったですよ。『バックドラフト(1991)』『ラストボーイスカウト(1991)』『ボディ・ガード(1992)』『逃亡者(1993)』『スリー・リバーズ(1993)』などなど。ここらへん全部、サスペンスのネタが「まさか身近なあいつが犯人だったとは」。おいらはこの展開あんまし好きじゃなくて、出るたびに「まーた始まった」とうんざりしたっけ。『ボディ・ガード』あたりで既に。

ハリウッド娯楽大作の脚本ってよく「映画会社の重役と弁護士が決める」とか揶揄されたりもするけど、さらに最近はコンピュータに決めてもらう例があるみたいだけど、けっこう昔から「いったん流行ったら飽きられる/呆れられるまでそれを続ける」っつう『8時だョ 全員集合!』『オレたちひょうきん族』のギャグとまったく同じ思想も根強いっぽいな。

そういやどっちの番組も、人気が落ち目になるほどその傾向が強くなっていった。ハリウッド、落ち目なのかな。

その意味じゃ『パシフィック・リム』の大筋はあんまし面白くなかった。けど節々のストーリーと演出は面白かった。そこは丁寧に煮込んだ感じがしましたですよ。まー過去作品からのイタダキもあったけど。

「捕獲した敵から敵全体の意図を読む」ってのは、『インデペンデンス・デイ』の使い回しじゃないですかね。黒人リーダーが白人の若者と一緒に名誉の自爆をするのは、ついこないだ『オブリビオン』でまったく同じ展開を観たし。

監督、日本の怪獣映画やロボット映画にリスペクトを捧げたみたいだけど、密かに『ロボ・ジョックス』(1990)からもいろいろイタダいたんじゃないかと邪推ww ビデオでこれ観たとき、「ハリウッドなのにこんなバレバレの特撮やっちゃうんかー」と驚愕しちまったですよwww

イタダキを確認できたのは、「歩行を含むパイロットの体の動きがロボに反映」てあたり。そして「戦う2体が成層圏まで飛び上がってしまう」はたぶん『ガメラ 大怪獣空中決戦(1995)』からのイタダキで、ガメラの該当場面は恐らく『ロボ・ジョックス』からのイタダキ。んー、『ロボ・ジョックス』って業界内じゃマスターピース扱いされてるのか?

ほかは、「心をシンクロさせる」は『新世紀エヴァンゲリオン』とか『コンバトラーV』とかから来てるのかな。技の名を出して繰り出すのは、『マジンガーZ』以来の正統派戦闘ロボですな。「ロケットパンチ!」はまんまで笑ってしまった(機能はオリジナルよりは現実的だったけど)。

ここらの設定の結果として、複数のパイロットがビシっと揃って同じ振付をするってのはすごくかっこよかった。こじつけっぼい考えだけど、ヒーロー戦隊ものから来てるのかなとも思ったり。日本の特撮やアニメ、こういうのの元ネタになりそうなことみんなやり尽くしてきたんだなー。

あとさ、日本語吹き替え版で観たんだけど、森マコ役の菊地凛子の声は本人じゃなく、別の声優さんだったww 吹き替え脚本の分別の境目で面白かったのは、セリフでほとんどの登場人物名は呼び捨てなのに、森マコだけさん付け、君付けで呼んでたりしてたわ。結果的に自然っちゃ自然だけど、不自然でもあるようなw

科学者コンビはなかなか面白かったな。あの手の人達は変人っつうイメージはアメリカでも同じなんだなw んで数学者の方は、でっかい黒板によく分からん方程式だの行列式だのをドババーと書き殴ってスゴさをアピールしてたけど、言ってる仮説はそこまで高度じゃなかったww

日本の SF ものやロボットものって、特にテレビの連続シリーズだと、おもちゃ屋さんやプラモ屋さんとのタイアップが欠かせないわけで。メカのデザインも、タイアップするメーカーが製品を作りやすいかどうか、変形・合体ものなら、それが製品で可能かどうかも事前に検討されるらしい。そのうえで、メカには見た目がキャッチーでかっこいいデザインが重宝されるってことらしい。

その線で考えると、『パシフィック・リム』はイェーガーのタイアップ商法は特に考えてなさそうね。スタイルが全体的にアレだし、キレイな色付けも特にしてないし、メーカーさんが音を上げそうなほど複雑だし。

話の設定では、襲い来る怪獣をイェーガーがかっこよく迎え撃つのが世界の人々の娯楽になってた。少なくとも映画の冒頭はその時代のことだったわけで。したらやっぱその理由でも、イェーガーの外観は視覚での認識しやすさを重視して、カッコイイ塗装をしてたほうがよかった気がする。

その中では、中国のイェーガーは真っ赤なシャア専用状態で、あれが一番キャッチーだったかも。腕が3本で全体が非対称形ってのもインパクトあったし。しかし画面が暗くてその色も形もよく見えんかったうえ、ヤラレメカの扱いw パイロットが三つ子だったんで唯一の3人搭乗型かと思いきや、普通に2人で肩透かしだったし。

つか今日びの現実世界、日本のイプシロンロケットでも1段目胴体にかっこいいロゴデザインをマーキングして、一般受けに配慮してるんだが(ロケットのデザイン塗装の元祖は、同じく日本の H-II ロケット)。スパコンの「京」も視覚デザインを導入してるしさ。

はたまた F-1 を参考にするなら、塗装はスポンサー広告に基づいてるわけで。イェーガーの胴体に、その世界でのスポンサーロゴを出すとか考えられたんじゃないのかと。で、実際にやったのが『大日本人』w 広告は白い恋人www あれ笑ってしまったよwwwww やっぱだめかwwwww

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そういや平成ガメラシリーズの2作目『ガメラ2 レギオン襲来(1996)』でも、宇宙から侵略者が攻めてきた。でもストーリーにも演出にも、今どきのハリウッド SF なテイストは一切なかった。つか SF 映画としてあまりに面白くてこれが(日本 SF 大賞と星雲賞を受賞してる)。怪獣映画シリーズとしても知名度はゴジラの陰に隠れてるけど、三部作全部面白いという奇跡のシリーズだったりする。

ただ2作目で個人的に残念だった点がひとつ。札幌に始まり、怪獣は都市を破壊しつつ南下していったんですわ。仙台なんか全域が天晴に爆死して、ただ1個のクレーターになりましたですよ。そしてその道すがら、なんでうちの地元・八戸をまたぐかねー! おいら悲しかったですよww(作品内では、登場人物がセリフで札幌−仙台の間の都市を挙げていっただけだが) レギオン&草体の御一行様に於かれましては、ちょいと八戸にもお寄りあそばされ、派手に破壊していただきとうござったwww 八戸には『大日本人』の電験場(ヒーローが巨大化する施設)があるんだぞ。うおお青森市は『ゴジラ VS メカゴジラ』(1993)でも破壊されとるー! 羨ましすぎww

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『ロボ・ジョックス』と同時期にこれまたビデオで観た、アメリカ製の実写巨大ロボット映画がもうひとつあったんだわ。ははあ邦題は『ジャンクウォーズ2035』(1990)ていうのか。完全に忘れてたわ。全体的にあんましパッとしない作品だったわ。内容ほとんど覚えてないし。けどラストに巨大ロボットが立ち上がって歩き出す場面はすげー迫力だったな。

自然な感じで足を踏み出してて、立体アニメーション臭さがなかった。スーツアクターが入れるようなデザインでもなく、ASIMO みたいな2足の動歩行ができるロボットも、あの頃にはまだ実在してなかった。見るからに低予算映画ではあったけど、『ジュラシック・パーク』(1993)より前だし、あの時代はいくらカネを積んでも CG であの映像はできなかったと思う。特撮どうやったのかいまだに分からんオーパーツ作品だったりする。

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あと、1990年代後半、ガソリンスタンドで休憩してたらさ、テレビでアメリカの実写 SF もののテレビ映画(だと思う)をやってたんだわ。それに出てきた巨大ロボット、ルックスがもろにザクだったわ。『ジュラシックパーク』以降だったんで、こっちは CG だと思う。ザクそのものだったけど実写作品てことで、アニメ作画的なごまかしがなかった。くるぶしの関節の動きとか、すげーリアルな感じがしたっけ。

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2013.9.6 金曜
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小中野の片割れ

おいら、ネット上では「ゆんず」を名乗って久しいんですわ。いつからかなぁ。このサイトを出したときには既に名乗ってたな。えーと1999年の9月末のことじゃった。ちょうど14年前か(ちょっと半端な数字だけど)。

このハンドルネーム、地元じゃすぐに本名がバレる系の安直なやつでして。去年かおととしあたりにリアルで知り合った地元人にバラしたら、「まんまじゃないですかww」と言われたぐらいにして。けど意外に東北圏外の人には想像つかないらしいw

10年くらい前、このハンドルネームで検索したら、弘前と二戸にご在住の、同じハンドルネームの方々を見つけまして。弘前の方はリンゴ農家、二戸の方は地域ラジオパーソナリティだったわ。まーこのエリア内じゃすぐに察しがつく名前ということで。

で、もうお一方いらっしゃるんですわ。しかも同じ八戸市内に。4年くらい前に初めて聞き及びまして。このお方の場合、ネット上のハンドルネームではなく、リアルの方の通称なんですわ。

八戸市内には「小中野(こなかの)」という土地がありまして。比較的内陸にある中心街から、まっすぐ海の方に向かった途中にある場所。中心街と港湾区域の間で、かつて漁師の景気が良かった頃に花街があって、不夜城とも呼ばれてた場所でして。

漁業は今も八戸の主力産業ではあるけど、昔日ほどではなく。けどちゃんと市街地と呼べる状態を保ってて、便利がいいんで住む人や企業もまだけっこう残ってたりする。で、小学校と中学校も順調に稼働中。体育館は、おととしの震災の折には避難所として大活躍したりもした。

んでその小学校の校庭に、よく「ゆんず」なる人物が出没するらしい。今もかどうかは分からんけど、4年前に19歳だった、小中野出身の人から聞いた。

しかしそっちのゆんずさんの詳細はおいらには不明。断片的な情報しかなくて。

小中野のゆんずさんは、優しい人らしい。

放課後に校庭のブランコに乗ると、押してくれるらしい。

カメラを渡して写真を撮ってくれるようお願いすると、快く引き受けてくれるらしい。

評判は悪くはないらしい。

そして、学校の関係者というわけではないらしい。

その近所にお住まいの、いわゆる「変なおじさん」の類いらしい。

けど教えてくれた人の話だと、特に悪い話とかはなくて、児童たちに好かれてるらしい。

おいらもその話を聞いて、特に嫌な気はしなかった。なんかさ、夕暮れ時にそこにいて楽しく遊んでくれる、ちょっとメルヘンチックな存在に思えてさ。たぶん学校側もその人の存在は認識してるんだろうけど、最近そこらは厳しいはずなんで、この人の住所や本名や事情、ご家族のウンヌンとかの情報を確認済みなんだろうと思う。そのうえで「児童に対して無害」と判断されてるんだろうと思う。

おいらはそこの小学校とは無縁なんで、無理してまで小中野のゆんずさんに会ってみたいとは思ってないけど、同名のよしみっつうかな感じ。会ってもいないのに親しみを感じてたりww

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別件で、「弓月王(ゆんずのきみ)」という人か神様かを祀ってる神社発見(コチラ)。大酒神社っつうのか。図星なアレですなーww

ここから自分のハンドルネームの漢字表記を「弓月」にしようかなとも思ったけど、なんだかブンガクオトメチックなセンスな気もするんで却下www

銘板
2013.9.5 木曜
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その元ネタがどう改変されたか

今のハリウッド SF 映画のストーリーがそっくりなのは、別に最新のコンピュータ診断でストーリーを作ってるからってわけじゃなさそう。もう30年以上も前、"E. T. " (1982) が大ヒットしたら、クリソツ映画が雨後の筍状態になったことあったんで。

アメリカの田舎に現れた奇態な何かを、偶然発見した人物が自分の家に匿う。そしてその家の人々と「奇態な何か」は心の交流をするが、政府のものものしい系の機関がそれを嗅ぎつけ、手に入れようと追いかけ回すと。んで家族が奮闘して機関の追手を撒いて、そいつを無事に逃がす。別離の場面はこれでもかの感動演出。

「奇態な何か」は、オリジナルは宇宙人。亜流はビッグフットとかソビエトの兵士とか、自我を持つロボットとか特殊能力があるアンドロイドとか。

映画は商業としてリスクが大きいと聞く。営利企業の継続的活動として映画を制作・公開するんなら、「打率」を上げる方向に行きたくなるのは分かる。だから、誰かが作ってやってみせた成功例をひな型にして、繰り返し焼き直したくなるんだろうと思う。その行為が映画表現の発展と洗練に寄与してきた部分もあるんだろう。新人や下積みの育成にも貢献してきたろう。けどこうも繰り返し露骨にやられると、カネ払う身としては「いい加減にしろ」ともなるわけで。

けど映画産業を継続的商業活動として成り立たせるには、焼き直しは今のところ是非必要な仕組みなのかもしんないし。

客としては、このフォーマット主義自体をフォーマットとして受け入れるべきってことなのかな。デファクトで決まった枠の中での、映画の表現の工夫を楽しめってことなのかな。それってけっこうマニアックな楽しみ方だと思うが。

つか最大多数の観客を(満足まで行かなくとも)納得させるための、その時代その時代での最も中道なストーリーとも言えるのかな。

さらに、「その時代の旬なので、そのときはそれをいくらでも楽しんでください」ってことかな。

とはいえ今の旬の地球侵略ものってさ、別に新しくもないんだよね。直接の引き金になったっぽい『インデペンデンス・デイ』はもう17年も前の作品。その元ネタの小説『宇宙戦争』は1898年発行らしいんで、115年前か。つか2005年にこの正統な映画版を、スピルバーグ監督が出してたりする。1953年に映画化されてるんで3回目ですな。

ただ、すべての大元のストーリーでは人類の反逆成功の話では決してなく、人類は最後までただやられっぱなしなんですな。けどハッピーエンドというか安堵エンド。攻めてきた連中は地球の雑菌に感染して全滅というオチでして。『インデペンデンス・デイ』ではそこをアレンジして、コンピュータのウイルスを敵のコンピュータに感染させて逆転でしたな。

コンピュータウイルスへのアレンジはそれはそれで面白いけど、原作が持つ何かをこれで失った気がする。原作小説では、人類の絶体絶命の危機を、普段人間様が見下し、蛇蝎の如く嫌ってる連中に救われる、ということでして。何やら皮肉の意味がありそう。

原作者の H. G. ウェルズは『宇宙戦争』の4年前、『ダイナモの神』という短編を出してるんだわ。

この作品、有色人種への偏見がものすごいんだわ。主人公はロンドンの発電所で働いてる。黒人と記述されてるけど、別の記述から東南アジア人らしい。ここらへんからかなりテキトー。白人の視点では、アジア人もアフリカ人も自分らより黒いから同じだろってことかな。また主人公は、無駄に装飾的な発音の言語を使うとされてる。たぶん中国語のイメージかな。とりあえず日本人からすると英語の発音もときどき面妖に思えたりするが、作品はそんなノリで。

そういや主人公の名前は「アズマ・ジ」だった。調べたら、原著での綴りは "Azuma-zi"。ウェルズのぼんやりしたアジア人観には日本も混ざってたのかな。だとすると光栄なような、そうでもないようなw

アズマ・ジは発電機(ダイナモ)を神として崇め、拝む。その信仰心が嵩じて、彼は神と一体化したくなる。かくして彼は幸せに感電死。そしてロンドンは大停電。

……100年以上前の時代とはいえ、いくらなんでもそんな馬鹿なことないだろと思う。作者さん、有色人種を下に見すぎて妄想が止まんなくなっちまったかと。あるいは、こういう話が当時のイギリスではウケたのかな。

時代が時代だったんで今責めてもしょうがないけど、当時の白人社会では、この星のすべてを支配するのは白人様なのだ的な解釈が普通だったようで。人類が生物界の頂点で、その中でも白人が選りすぐられた頂点なんだぜフフン。そりゃあ白人の皆々様がたはあの頃、その方向で結構なご気分だったことだろう。今はいい世の中になったもんだ。

んで『宇宙戦争』になると、白人がその知性でもって約束されてたはずの地位を、さらに上を行く知性の異星人に揺るがされる。この外見は海にいるタコそのもの。これだけでも「最高の中の最高」を自負してた白人にとってはなんだか屈辱っぽいのに、オロオロするだけの自分らに代わってそいつらをやっつけてくれたのは雑菌たち。自分らより下の有色人種よりもさらにさらに下の、病気のもとになったり食べ物を腐らせたりで鼻つまみ者の、しかも高等生物の自分たちとは対極の単細胞生物だったと。やっぱしこれ皮肉だろ。

『インデペンデンス・デイ』では元ネタの皮肉の要素を削除。知性でより上位の者による侵略を人間力で見事に跳ね返すストーリーにして、人類賛歌に仕立て直した。確かにこのほうが客受けはいいわな(ハリウッド製の地球侵略ものの中には、反逆しきれずに後味の悪い終わり方なのもあるけど)

しかし同時期に同じネタを使い回すとなると、かち合ったりもして。訴訟に発展したりもして(ソース1ソース2)。VFX の盗用や撮影資源の流用で揉めたみたいだけど、「あいつが盗んだ」とか言う前に、その大もとの原因として、みんなして金太郎飴を作ってる現状のおかしさに気づけよと。互換できちゃうくらいのそっくりさんを同時に作ってどうするよ。

でもさ、『インデペンデンス・デイ』と同じ1996年の『マーズ・アタック!』(日本公開は1997年)で既に、地球侵略もののパロディをやっちまってたりもするんだが。パロディが作られるってことは、その時点でもう元ネタは使い古されてたってことなんだが。なんでまたその後にこぞってやり始めるのかなー。そこほんと分からんなー。

てことで、ウェルズが描いた「逆境に対して他力本願のか弱い人類」は「自ら逆境を跳ね返す力強い人類」に替えられて、今ハリウッドではそれで決まった SF が大増産中と。

しかし現実世界で将来予測され得ることとして、侵略によって人類は知性の玉座から追われそうだったりする。「技術的特異点」ですな。想定される侵略者は宇宙人じゃなく、人工知能を持つコンピュータ。ある時点からコンピュータは自ら知性を磨き始め、思考や判断の高度化について、人間からの指導や助けの必要がなくなる。

荒唐無稽にも思えるけど、技術的特異点について調べるとそうも言ってられないような。

ハリウッドでは既に『ターミネーター』『マトリックス』で、コンピュータ VS 人類の戦いを描いてる。現代の商業娯楽映画なもんだから、どっちも最後は人類側の勝利で幕(『マトリックス』シリーズのラストはそう単純でもなかったが)。けど技術的特異点以降の現実世界ではどうなるんだろ。

コンピュータの知性が人間を凌駕するわけで、対等あたりまでならまだしも、そこから先はコンピュータのワンサイドゲーム。やがて人類はコンピュータが何をしているのか/何を考えているのか分からなくなる。そうなった後の世界は人間には予測不能。とはいえ予測がいくつか出ててはいる。どれもなんだか怖いというか、「えぇーそんなのやだなー」的というか。どれにしても、人がコンピュータに支配される筋書きなんで。

どの筋書きにしろ、その時点で、コンピュータが下す判断は人間の脳みそなんかより常にはるかに素早く正しいわけで。人類にとってコンピュータは全知全能の神と同じことになる。そして人類は論理を駆使して考えるのをやめる。無駄だから。生産も経済も要らない。全部コンピュータと機械がやってくれる。人類は本当に何もしなくてよくなる。ただコンピュータの指示に従うのみ。それが一番幸せを感じられる生き方になる。

コンピュータはもしかしたら、人類を邪魔な存在と判断してターミネーターな展開になるかもしんないけど、映画と違って反逆するだけ無駄。それを考えたときにはもう先手を打たれてる。ていうかその反逆者を殺すのか、わざと泳がせてはうまくかわして遊ぶのか、それとも無力な動物ごときに好きなだけ反逆されても毛ほどにも思わないのかは分からん。つか反逆してもなんともないんなら、もう邪魔でさえないというか、わざわざ殺したり遊んだりするほどの価値さえないことになるかも。

今のところ、ハードウェアの進化からの予測では2045年がその時期らしい。けどそれに必要な「強い人工知能」の技術は、未完成というほどにもできてないらしい。ただ、最初はミジンコ程度の知能でも、自らの知性を自動で進化させる機能さえ実装できれば、人類の知性を超えるまでは時間の問題でしかないだろ。

「技術的特異点」が本当に来るかはよく分からん。もし来たとすると、そりゃあもう現代の人類の感覚にしてみればまったく面白くない社会に突入するわけで。人類が人類たりえる十八番を奪われてしまうんで。禁止ではないけどわざわざやる意味がなくなる。人類が今まで謳歌してきた史上最強の地位を追われるってことは、やられる方としては侵略されるのと同義なわけで。しかも逆転の目はないという絶望感。

地球最高の知性を得たコンピュータが人類を丁重に扱ってくれるかはコンピュータの判断次第なんで、『ターミネーター』の未来みたいな阿鼻叫喚の地獄絵図になると決まったわけではなくて。『マトリックス』みたいに、人類のほぼすべてが知らずに仮想世界の住人になると決まったわけでもなくて。

例えば『マトリックス』的未来になるんだとして(コンピュータが脳の想像のエネルギーを必要とするかは別として)、人類は眠り続けて夢を見させられることになる。映画では単一のバーチャル社会に全員が住んでることになってるけど、実際はそれぞれ個別の夢を見ることになるかも。あるいは、分断されたいくつかのコミュニティ状態か。

これって映画に似てるかもなーと思ってさ(作品ではなくシステムそのものに)。特に分断コミュニティは。

「悪い侵略者を自らの力で撃退」って映画は胸がスッとするけど、現実ではなかなかないから映画で楽しむってことでして。映画としては、観客の感情を主人公にどんだけシンクロさせられるかが腕の見せどころ。ぼあり得ないバーチャルな世界を楽しむわけで。今は現実世界で稼いだお金のいくばくかを映画館に支払って、一時的にそれを楽しんでると。

技術的特異点後にマトリックス的世界になるなら、それが24時間タダで楽しめる世の中になるだけとも取れる。おいらみたいにアクション映画が好きな人は、スリル満点でかっちょいいアクションを、不死身になった自分の身として延々と楽しめるかも。恋愛映画好きの人は、意中の相手との駆け引きや想い想われる甘美と、胸が裂けるような別離そして新たな出会い……と輪廻のように味わえるかも。

けど映画ってさ、観た後に現実に戻るから、「あの映画はああだこうだ」とか「ワンパターンなんとかしろよ」とかグダグダ言えるってことに今気づいた。ずーっと映画を観っぱなしで現実と区別がつかないんなら、もうそれは娯楽じゃないわな。ワンパターンをやられた客がウンヌン言えるのも現実世界があるからだけどさ、しかしこれ24時間、現実としてやられたら悪い意味でたまんねえなw あーだから、たまの非現実だからワンパターンでもなんとか我慢できるのか、と強制納得したりもして。

でも、でも、ハリウッド御中、未来の「強い人工知能」ほどじゃなくていいからさ、話作りにもっとアタマ使ってくれよー。

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そういえばもう流行とかではなく、ハリウッド SF 密室サスペンスって新作が毎年のように出てくるよな。ジャンルとして確立というより、なんでまたそんなに仕様に従順なのかがむしろ不思議で。定型詩のノリなのかな。しかし俳句は五・七・五で季語を入れれば何でもありだけど、SF 密室サスペンスは取り上げるネタがそれぞれだってだけで、話の筋のはじめから最後までいつもだいたい同じなんだよな。察しがつくのは、堅実に稼げる仕様なんだろうなーってことくらい。

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『ターミネーター2(1991)』と『エイリアン3(1992)』でオチがモロかぶったってのもあったな。どっちも話の筋も演出も別個だったし、あのオチが流行ってるわけでもなかったんで、あれは単なる偶然でしたな。ただ、後出しの『エイリアン3』は不利だったな。T2 は前宣伝で「結末は決して誰にも言わないでください」としてた。たぶん業界内でも箝口令が出てたかと。『エイリアン3』のパンフによると、関係者が T2 のオチを知ったのは撮影中で(たぶん T2 の封切公開後)、皆でいろいろ話し合った結果、そのままで行くことにしたとか。その決断、勇気が要ったろうなぁ。

でも映画界って宣伝や評判のためならウソとか簡単に流しそうな感じで。ほんとはパクったけど、表向きは「パクリではない」と言いたくてそういうことにしといたのかなー。疑えばきりがないけど。

当時は CG 合成があまり普及してなかったんで、SF 大作映画の製作には今より多くの時間と予算が必要だった。T2 の封切公開は1991年7月(アメリカでの公開)。『エイリアン3』は1992年5月(同)。1991年7月の時点で『エイリアン3』が撮影に入ってたってのは、本当な気がする。その段階ではもう撮影スケジュールが決まってたはずで、撮影スケジュールを決めるには脚本が完成してる必要があるわけで、と考えると、ウソではないような。

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「単細胞=バカ」という慣用句からしても、人間は地球の生き物の中で最高に偉く、菌類は最低位っつう感覚があったりする。けどそれは見方によるというか。生物はすべて単細胞生物から発したわけで、単細胞の連中はかなり早い時期にその姿を固定したわけで。それを怠惰と捉えて、対極で進化の果ての人類を最高だとするのも分からんでもないけど、逆の見方もできるわけで。

菌類は早い段階で、「オレらはこれで食っていく」と身を立てて自立したわけだ。そこから数億年の間、その形態のまま負け知らずで今も繁栄してる。一方、最後に人類となった生物系統樹の枝では。

「この形もダメ、この形もダメ」で負け続け。絶滅だけは免れてきたけど、そのたびにああでもないこうでもないと商売替えを続けた。そしてこれでもかといろいろ装備した挙げ句、最後に巨大な脳と知性、それにモノを作るための手を獲得。そこまでしてようやく勝ち組の1種族としてこの星で栄えるようになったと。地力は菌類とどっちが優れてるのかと。

逆の見方ができる以上、「人類は最高、菌類は最低」ってのはもはや絶対的な真理ではないわけで。

あるいは、中卒で早くから自立して暮らしてきた人を、成人してからようやく社会デビューした大卒が見下す愚に似てるというか。

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2013.9.7 土曜
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旧来方式の害

宅急便の契約運転手が、間違えて運んだ荷物75個とメール便約50通を海に捨てたっつうニュースがあったね(中日新聞様のソース)。

普通に考えるとあり得ないことなんだけど、実際に起きてしまったなぁ。被害に遭われた発送主の方々にお見舞い申し上げます。

犯人、なんでこんなことに及んでしまったかな、と考えて、ちょいと思い当たるところがあったり。全然外れてるかもしんないんで、ヨタ話としてひとつ。

こんなことして発覚すれば、どうなるかは分かりきってるはず。荷主や雇い主に怒られますな。荷主が怒るのは当然として、雇い主(クロネコヤマト)が怒るのは、これで顧客の信用を失うからでして。商売は信用第一だから、売り手は信用を大事にする。客は売り手を信じて、安心できるって前提で荷物を預ける。この前提が崩れるわけで。荷物の補償での損害の他にも、別種の損害が発生するわけで。

この運転手、雇い主からその全額を請求されるだろうな。

と考えると、普通はこんなことはしないわけで。たぶんクロネコヤマトのシステムで、間違えて運んだら近くの拠点にその荷物を下ろして、別便とかで元の拠点に返送するとかの仕組みくらいはあると思う。けどそれが機能しなかった、のだと思う。

その仕組みを使わせない仕組みがまたあるような気がする。

例えば、その間違いをしたら運転手に過大なペナルティを課すみたいな感じで。明文化された物理的罰則だけでなく、職場内で不利な立場に置かれるとか、白い目で見られるとか、嫌がらせみたいなことをされるとか、そういうのも含めて。その運転手は過去に何度かそれを食らってきたんじゃないかって気がする。

悪名高い日勤教育。あれに近い何かがあって、それが当然のごとく作動して、結果として当然のことが起きた、んじゃないかなと。証拠がないんで、おいらのただの妄想だけど。

「間違えれば罰」って一見、効き目がありそう。でもそれは悪意や怠惰によるミスには効くだろうけど、ベストを尽くした上でのミスには効果がない。脅してそれ以上のベストを尽くさせても、それだけじゃ目ぼしい改善効果はない。ワールドカップサッカーのアジア予選でときどき、独裁国家の元首が自国チームに「負ければ強制労働」と脅しをかけることがあるよね。そしてそれが目覚ましい結果を残したことはないよね。同じこと。

この場合、ミスが出るように出来てる作業工程が悪いんですな。作業者個々人の問題ではなく、仕組みの問題。だから仕組みを変えなきゃ同じミスはなくならない。けど作業者の個性や練度によってミスの発生頻度が違うんで、監督者は「ミスの多い作業者に責任がある」と思い込んでしまう。てことで仕組みの不完全さには気づかず、一番成績が悪い作業者を集中的にいじることになる。

このいじり方が問題。成績の悪い作業者ってのは監督にとっては腹立たしいんで、その教育ではとかくイビリに走りがち。作業員が何をどうやっても、とにかくケチを付けてイビる。これを続けると作業員はどうなるか。

第1段階: 自分の立つ位置がどこも危険な気がして、何を基準に判断すればいいか分からなくなる → かえってミスが増える。監督者は作業者をますますイビる。

第2段階: もう自分からは何もしない。怖くてできない。言われたこと・分かりきっていること・自分で判断しなくていいことしかしなくなる → 監督者はそれを怠慢だと認識。作業者をますますイビる。

第3段階: 作業者はなぜ自分がそこにいるのか分からなくなる。なぜ自分がこの作業をしているのか分からなくなる。その作業の意味や価値を汲み取れなくなる。仕事が投げやりになる。監督者の命令にときどき従わなくなる → 監督者はそれを不誠実と認識。作業者をますますイビる。

第4段階: (ここはおいらは、やる方・やられる方とも未経験だが)作業者はもう全部どうでもよくなり、新たなミスを出した後、予測不能な行動に出る → それが問題化。そしてここまで来ても、監督者は作業工程や指導方法に問題があることに気づかず。異常な行動を実行した作業者にすべての責任をかぶせようとする。

作業者が起こした問題行動が社内沙汰で済めばナアナアのウヤムヤにもなるだろな。元の木阿弥だけど。今回挙げたような新聞沙汰にまでなった場合で、内部的にもしかして上に書いたとおりだったとしたら、そうもいかんだろ。監督者がいかに鈍感無能であろうと、もはや「あいつがあいつが」は通らんだろ。内外に示しを付ける意味でも、当事者だけでなく監督者も責を負わされるだろ。

てことは改善の意味では、問題事は社内沙汰で済ませられる程度より、外部に出るほどの大ごとのほうがまともに解決できる可能性が高いってことか。

となるとさ、過去にはそこまでに至らず、内部でナアナアで処理してしまった例がいくつもあるってことかもな。解決してないのに解決したことにしてきたことで、とうとう社外に出てしまうくらいのモンスター級の事件を期せずして育ててしまってた、とかさ。ハインリッヒの法則ってこれのことか。ていうかかなり意地悪な妄想してしまってるな>自分

うっかり系のミスを防ぐ・減らすにはある程度の緊張感があったほうがいいけど、ミスが出ないように仕組みを物理的に変えることこそ対策なわけで。緊張感を高めるだけじゃ対策とは言えんわけで。緊張感を上げること自体はいくらでもできるけど、それで期待できる改善効果はすぐに頭打ちになるわけで。むしろ過度の緊張はミスの元にもなって本末転倒なわけで。

てことで緊張感アップ策をやってもミス低減率に満足できない場合、さらに緊張感を高めるのは愚策。仕組みを改善する頃合いですわな。要は「気をつける」ではなく「気をつけなくてもよくする」ですな。

それにしても仕組みってなかなか改善できなくてなー。発想力次第なんだけど、そのときになって考えても、いいアイデアがそうそう都合よく出るわけではなく。

となると他社や他部署での改善例を参考にするのが一番かな。とはいえまったく同じ作業ってのはないから、導入には引き続き発想力が必要だったりして。あと、過去の事例をいくつ覚えてるか。なんも知らんより、元ネタは少しでも多く持ってたほうがアイデアも出しやすいかと。

それで便利なのは失敗知識データベースかな。大まかな記述をしたダイジェストだけど、ザーッとたくさん見るにはよさそう。中でも大きめな事故なら Wikipedia にも出てたりする。んでそっちにはより詳しく書いてあったり。とりあえずここをいろいろ漁って、アイデアの元ネタの数を揃えとくにはいいかもな。

そういや日本海海戦の名参謀・秋山真之は、過去のあらゆる戦争での戦術を研究し尽くして覚えてたそうな。たぶんひとつひとつの文献を丸暗記したんではなく、その流れと要点を整理して、ほかの戦術の記録と結びつけて記憶してたんじゃないかと。そういうやり方がいいような。

大変ではあるけど、「間違えれば罰」で解決したことにするよりはるかに効果あるし、建設的なアイデアを練るってのははるかに意味のあることでもありそう。

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「間違えれば罰」方式の弊害ってさ、教育でも言えるような。昭和の昔、この仕組みが延々と落ちこぼれを生み出してきたような。

おいらは子供の頃、よく忘れ物をしてた。宿題もろくにやんなかった。んでよく罰を与えられたけど、結局直らなかった。

「直らない本人がすべて悪い」。これ「間違えれば罰」方式の主張。てことで「直すには罰を与える」。これで直らなかった。今さら蒸し返すのも野暮だけどさ、やっぱし対処方法がおかしかったんじゃね? 今の学校教育がどうなのかは知らんけど、もしかして相変わらずこの調子で「間違えれば罰」が是なんですかね。だとしたら、教育界に罰を与えればこの悪習が直るってことですかねww 余計直んないと思うがw

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今回の話、そういや先月の22日のログでも同じこと書いたっけね。蒸し返しになってしまったですよ。

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2013.5.12 のログともかぶるかも。方法を1つしか知らないと、選択肢はそれ以外にない気がしてしまうもんでして。5月はそれで人を騙す側について書いたけど、今日のはその錯覚にハマってしまう側ってことで。

銘板
2013.9.8 日曜
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路上の船

日産のゴーン社長がこのまえ、将来の自動運転自動車について何か語ったらしい。日産は乗り気ってことかな。

2年くらい前、Google が試作車を作って、盲人を運転席に乗せて実際に走らせてみたっつうニュースがあったな。もう実用化までは時間の問題ってとこまで来てるのかいな。

んで流通が変わるなーとかいろいろ思いを巡らせつつ、新たな楽しみ方ができるんじゃないかとも思ったりして。

運転手が要らないってわけで。んで恐らくセッティングは超安全運転になるかと。制限速度より下の、かなりゆっくりめなスピードで。

クルマってのはラクに移動する目的のほかに、速く移動する目的もあるわけで。てことでクルマってのはある程度速くないと意味がないわけで、スピード違反で捕まる人が跡を絶たないことがそれを証明してるわけで。けど自動運転は安全重視のはずで、たぶん人間のドライバーよりゆっくりめに走るかと思う。普通の目的で乗ってる人はイライラしますな。まぁ運転しなくていいぶんは、「ラクに移動する」のほうがさらに高度に達成されはするものの。クルマの目的はほかに「運転を楽しむ」もあるけど、そういう向きは自動運転車を選ばないだろうからここでは語らない。

で、スピードが遅くてもイライラせず、運転手に気兼ねしなくてもいいクルマの使い方って何かあるかなーと考えまして。

路上屋形船。

これ行ける気がするww 道路をテレテレ走りながら、車窓にうつろう景色を眺めながら、心ゆくまで酒盛りwwww

今だって貸切バスでできるけど、個人レベルで好きなときに楽しめる時代が来るww IT 革命ってすごいやwww

気の合う仲間と飲むもよし、たそがれて一人で飲むもよし。酒は世につれ世は酒につれ。カーステやカーラジオで好みの音楽や番組を聴きつつ、シガーライターソケットを電源に熱燗つけて、電熱器でスルメやサンマを焼いて、そして好みの銘柄を注いだおちょこを傾ける(ラッパも OK)……。

仕事帰りに自分のクルマの中で、家に着くまで後部座席にもたれかけてキューっと一杯、てのものオツかも。

なんかいい時代が来そうな気がしてきたwwwww

クルマの中でサンマを焼くなら窓開け必須なわけで。道を歩いてて、通りすがったクルマがあの煙と香りを振りまいてるのに気づいてしまう図ってちょっとシュールかもww

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2013.9.9 月曜
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世界のプロレスラー2説

新日本だか全日本だかのプロレス中継番組の、オープニングテーマの勝手歌詞。

♪世界のプロレスラー 馬場に猪木に鶴田にブッチャー そしてテリーにドリー

♪世界のプロレスラー 猪木 ボボ・ブラジル 馬場 ブッチャー そしてテリーにドリー

昔、別々のルートでそれぞれ知ったんだけど、どっちもいいなーと。いやほんと突如思い出したんでw

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2013.9.10 火曜
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苦しみの高い塔は低く小さく

Art of Illusion にて、H-II シリーズの画像ようやくできましたわ。

全部並べて一気にレンダーしたわけじゃなく、1機ずつ正面から撮ったやつを GIMP で並べてみますた。図鑑の図っぽくしたかったんで。つか H-IIA が仕様別に4機出てるけど、この4機は実は1機しかなかったり(汗) 重ねて配置したパーツを表示/非表示で切り替えてはレンダーしたんで。

SRB-A の造形は、下の方はほんとはいろいろ付いてるけど、おいらのモデルでは特になしののっぺり状態。拙いモデリング技術での完成を急いだ結果ですな。けど最後に作った H-II(左端)の SRB では AoI の腕がちょっと上がったというか土地勘がついたというかで、継手くらいは難なく表現できたわ。

その H-II の SRB、横向きで "NASDA" のロゴマークが入っとりまして。H-IIA/B の SRB-A には "JAXA" のロゴ。H-IIA/B では4基がけで正面から見えてるんで労の甲斐があった感じ。けど H-II のほうはほとんど無駄w

今回の習作だと、見栄えはところどころ無駄になったけど、まさにそこの収穫が大きかったわ。イメージマップテクスチャの貼りかたと調整のしかた。「重ね合わせテクスチャ」。これ使えるところまで理解するまで苦心したさ。習得した手順は以下。

  1. まず上に重ねるイメージマップテクスチャを作る
  2. 重ね合わせテクスチャをやりたいオブジェクトを選択して、「テクスチャ,材質を指定...」ウインドウを出す
  3. 「タイプ」で「重ね合わせ」を選択
  4. 左側のテクスチャリスト(そのシーンで作ったやつが全部載ってる)から重ね合わせるテクスチャを1個ずつ選んでは、右側のリスト箱に移す
  5. 右側のリストから、重ねる順番で並べ替える(上→下 で 上層→下層)
  6. 並べたレイヤーを1個ずつ選択しては、「ブレンド方法」で「重ね」を選択
  7. 各レイヤーについて、「マッピング...」で位置・大きさを決定(下層が一様テクスチャだと、作業は上層だけでいい)
  8. 納得いくまで「位置・向き・大きさの仮決め → レンダー → 確認 → 位置・向き・大きさの仮決め……」のループを続ける

という、長く複雑な作業が必要でしたですよ。ここらへんぴゃぴゃーっとできる方法ってないもんですかね。

あと Projection マッピングすると、オブジェクトの裏側にも裏写りの画像が出るとは思いもよらなくて。Cylindrical マッピングだと裏写りしないけど、画像を貼る位置や大きさの決め方が Projection より分かりにくいという罠。JAXA ロゴではそこらへん存分に苦しんで、そのぶん NASDA ロゴではやり方が分かってラクできたわ。さらに H-II のフェアリングのカラーリングではそこを利用して、Projection で1回貼っただけで両側に出してみた。この画像だと片側しか見えんけど。

銘板左端銘板銘板右端

H-II ってこの中で一番小さいわけで。となるとあたかも性能が一番低いみたいだけど、さにあらず。すぐ右隣の H-IIA 202 型と同じ能力だったりする。同じ能力で小さいんだもん、H-II のほうが性能がいいってことで。ただ値段は2倍近くだった。H-II → H-IIA のフルモデルチェンジで重視したのは低コスト化だったんで、そのぶん性能をなんぼか犠牲にしたと。けどこれでもまだ効率(ペイロード比:「最大積載量÷ロケットの質量」← ロケットが小ぶりで力持ちであるかどうかの度合い。値が大きいほど高効率)は世界最高クラスだったりする。

1段目エンジンが低コスト化で性能が若干落ちたぶん、推進剤タンクを大きくして、長く燃焼させるようにした。本体の質量が増えて能力が落ちたぶんは、ブースターの性能アップで補ったと。ブースターもまたコストダウンしたのに、そのうえで性能も上げたという神対応。これで H-IIA は全体として、H-II と同じ打ち上げ能力を保てた。

そしてなぜか、H-IIA のパーツの有り合わせで作ったツギハギ仕様な H-IIB(右端)のほうが、H-IIA よりもペイロード比が若干イイという謎の逆転現象w けどそれでも H-II に敵わなかったり。

H-II は日本初の大型ロケットだったのに、しかも宇宙開発事業団(NASDA)初の純国産ロケットで技術的ハードルがめちゃめちゃ高かったのに、性能どんだけ欲張ったんだとww マスコミはなんでか昔も今も H-II を叩くけど、あのとき思いっきり背伸びしたからこそ、今の H-IIA と H-IIB がある。

小惑星探査機 はやぶさ を開発・運用した宇宙科学研究所(ISAS)と NASDA はもともと別組織だった(のちに統合されて JAXA になった)。でも両組織のエンジニアはよく似た思想を共有してた節があるな。

H-II 開発責任者・五大富文氏の言葉: 「技術とは結局、自ら苦しんで経験しないと身に付かないものだった」

はやぶさ プロジェクトマネージャー・川口淳一郎教授の言葉: 「高い塔を建てて登ってみなければ、新たな地平線は見えてこない」

H-II も はやぶさ もガタイは小さいくせに、自ら苦しんで苦しんで、ものっそい高い塔を建てたもんですなぁwww

そして JAXA が今苦しみながら建ててる次の「高い塔」がイプシロンロケット。なりがさらに小さいがw 初号機打ち上げの仕切り直しは14日に決まったらしい。どーかうまくいきますよーに。あるいは、もしまだ不具合があったら、また点火前に見つかりますよーに。

銘板
2013.9.11 水曜
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真ん中の点

うむ、知らなんだ。HTML でブラウザ上で半角記号を表示するには、例えばアンドは & だし、ダブルクオーテーションは " だし、ブラウザ表示で省略されない半角スペースは   てな具合になる(普通の半角スペースを HTML ソースに書くと、ブラウザ表示では、文頭にあるものは1個でも複数でも全部省略。文中で連続しているものは1個を残してそれ以外は省略)。

フランス語アルファベットの é は é、ドイツ語の ü は ü、スペイン語の ñ は ñ。

ここらへんなりなりに知ってるつもりだったのに(© は © とか)、よく使いそうで知らんやつあったさ。

半角中黒。全角は「・」ですな。半角だと "·"。これたまーにだけど英語文書に出てきたりするもんな。答えは

·

「真ん中の点」でしたか。これ覚えやすそうだな。よし覚えた。と思うw

まぁ使う機会ほとんどないけんど。今まで知らんでもまったく問題なかったけんど。

銘板
2013.9.12 木曜
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まだ引っ張る大規模なアレ

火星移住のアレまだやってるんだ(記事) メディアでニュースとして扱ってるってことは、世の中はまだこれがネタだとは思ってない感じだな。まー主催者本人が本気で実現を信じてたり、「本気で実現を信じている」と言い張れば、詐欺としては成立しないってことかな。

しかしオランダの香具師も、目標額6000億円とは大きく出たな。集めるだけ集めた後のトンズラの準備も着々と進めてるんだろうか。トンズラまでの実際の目標は何百億円あたりですかね。公表の目標額をでっかくしとくと早く集まりやすそうだしな。

つか話に乗った人たちも、それっぽっちで火星に行けると思ってるらしいのがちょっとな。国際宇宙ステーション(ISS)の日本モジュール「きぼう」は、地上での建造費だけで3500億円かかったんだが(打ち上げと軌道上組立の費用と運用費は別)。あれって電力や室内の空気なんかは自前じゃなく、ISS 本体から供給される形でして。寝る場所も食べ物もないわけでして。単独の有人宇宙船として見るにはいろいろ足りなさすぎるものでして。けど建造費だけで3500億円。

それに火星有人飛行の用途に耐える宇宙船がまだ存在しない状態で、たったの9年後が目標って時点でおかしいだろ。一応完成しても、少なくとも地球の低軌道上(ヤバくなったら乗員がすぐに脱出して地球に帰れる)で、火星までの実際の航行期間ぶんの動作確認しないといかんだろ。その後には地球磁気圏の外側での長期試験が必須だろ。

地上からの打ち上げ手段はどうするんだよ。火星まで、普通の遷移軌道(ホーマン軌道)で片道半年以上かかるんだが。もっと短期間で済む軌道を見つけたとかいうニュースも聞いたことある気がするけど、少なくとも2カ月はかかるだろ。それだとホーマン軌道より推進剤も多くかかるだろ。

アポロ計画は月までの往復で、1回最大12日半の旅程だった(アポロ17号)。この火星旅行は片道とはいえ、資源をできるだけリサイクルしたとしても、持って行く物資の量はアポロとは比べ物にならんほど大量になるはず。向こうに着いてからの恒久的な生活もあるし。それに地球の磁気圏外での長期有人宇宙旅行は、放射線シールドでも相当重装備になりそう。

人が乗る宇宙船を地球の重力圏外の別の星に飛ばすだけでも史上初で何があるか分からんうえ、物資と宇宙船の合計質量は、今までの惑星間空間無人探査機とは2〜3桁は違いそうだが。地上から地球の低軌道上まで小分けで打ち上げるにしても、5回かそこらじゃ済まんだろ。打ち上げ費用だけでも1000億円は見込んどいたほうがいいですな。ちなみに JAXA の年間総予算は約1700億円。つか ISS を丸ごと火星に飛ばす感じかな。それでも足りんかも。

ほんの9年後に、予算6000億円かそこらで、着陸行程と現地での恒久的的生活の装備も含む有人火星旅行、できんだろ。しかもそれが第1回。計画ではその後も、継続的に火星に人を送り続けるようで。本当にやるなら予算何十兆円の超巨大計画だと思うが。

しかも火星で地球人が恒久的居住ってほぼ自給自足が必要なわけで。大気圧が地球の 1% 未満で太陽エネルギーは地球の 40% しかない星だぞ。しかも磁場が弱いから、太陽や銀河系空間からの高エネルギー荷電粒子が地表に届きまくりだぞ。屋外での農業も牧畜も無理。酸素は地表に酸化鉄の形で大量にあるけど、分離するエネルギーはどうすんだと。地熱もあてにできないほど小さいみたいだし(体積が地球の7分の1しかないんで、かなり深いところまでもう冷えたと思われ)。

唯一、表面重力が地球の 37% しかないのは活動に有利そうだけど、それをかき消すほどの厳しすぎる条件かと。ていうかロシアのかつての宇宙ステーション「ミール」と今の ISS で、100分の1G 程度の微小重力の人体への影響は一応分かってはいるけど、約 0.4G っつう半端な重力下に長期滞在した場合の医学データは何もない状態(「約 0.17G で数日」のデータならアポロ計画の月面滞在で12人分を取得済みだけど、「事前に厳しい医学審査と肉体的訓練を受けた、ヨーロッパ系の成人男性の体」っつう狭い範囲のデータでしかない)。

もちろん何ごとも先駆者が必要ではあるけど、普通はまず短期滞在で試すもんでしょう。

んー、短期滞在なら往復旅行が必要なわけで。現状じゃ無理だから片道でどうかっつう話なわけで。地球外で人生を終えるのが確実なのを納得させて参加者を募るには、向こうで「幸せな人生だった。悔いはない」と思える長期生活を送れるかのように話さないといけないわけで。

んー、おいらはこの計画、カネを集めるだけ集めたらドロンの詐欺かと思っとったけど、本当に火星に人を送りたいがために方便を使ってるような気もしてきた。どっちにしろウソだけど、ウソの目的が金儲けか宇宙開拓かっつう違いで。

ただ、主催者が宇宙開拓の希望に燃えてるんだとしても、たとえ資金が6000億円なんてもんじゃなく実現可能なくらい集まったとしても、火星までの移動手段が完成したとしても、現地に着いた旅行者は1年も生きられんだろ。恐らく着陸船からほとんど1歩も出られん引きこもり生活を余儀なくされて、ストレス溜まりまくった挙げ句に全員でバトル・ロワイアルになりそう。勝ち残った一人も、早晩耐えられなくなりそう。

あ、これハリウッドお得意の SF 密室サスペンスそのものじゃないですかw 来年の夏あたりに公開されるかなww

銘板
2013.9.13 金曜
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そして映画化案

昨日の続き。映画化しようw まず地球に絶対に帰れないんだから、後味悪いエンディングだな。てことは低予算 B 級だな。てことは火星現地の視点は最低限にして、メインの舞台は地球上だな。プロジェクトの地上管制室とか、テレビで生中継番組を見てる世界中の人達とか。

となると通信の時間差でのサスペンスだな。現地で起きてることが、地上で遅れて把握できる。地上では各種の場合に備えて、これから起き得る事態を枝分かれして想定、火星移住者たちにできるだけすぐさま指示を出したりお願いしたり。でもその時間差のせいで、指示を出したリアルタイムの現地では予測を超えた事態が起きてしまってたり。

とりあえずお約束として、リーダーの発狂必須。「世界と宇宙の謎とその答えを悟った。そのうえでの決断」とか「次元を超えた世界に全員で行かねばならない」なんて思わせぶりなセリフを吐きつつ、メンバーを一人また一人と血祭に上げる阿鼻叫喚の地獄絵図と。ちなみにリーダーが悟ったと主張する謎と答えは、特に設定しなくてよし。曖昧にごまかせばよし。万が一カルトな人気が出た場合、その解釈を巡ってファンたちが勝手にいろいろこじつけてくれるだろ。

おお、そこを期待するなら、文系やら哲学系やらを自負する人たちの中二病回路を刺激する仕掛けもいろいろ入れよう。謎が謎を呼ぶ伏線張りまくり展開と、根幹の謎は結局謎のままで、最後まで思わせぶりで全然スッキリしないフィニッシュ。これだな(具体案はまったく思いつかん)。

主人公級の登場人物は、生存本能の塊みたいなやつ。そしてある程度のランボー的スキルと強運を持つ、と。無理に面白い性格付けをしなくてよし。周りが面白ければよし。それが料理人の役ならキャスティングは自動で決まるww

主人公の下に付く仲間たちも生きたいんで、何人も従う。リーダーはこれが面白くなくてますます暴走。絶対服従のソウデヤンス君(『バットマン』のロビン的な役)のキャラはまた輪をかけて面白くないんで、売り出し中の新人俳優でもテキトーに充てがえばいいか。ぶっちゃけ画面の隙間をさりげに埋める金魚のフン役。『アルマゲドン』の石油採掘チームの脇役で、「若い2人は性ホルモンがフンダララ」なんて、それっぽいけど場からチト浮いてるセリフ1個の役があったな。あんな感じ。『コクーン』のエイリアンの脇役は本当に画面埋めでしかなくて、セリフなかったっけな。

超ストレス環境下なんで、下っ端は下らんことで仲間割れしたりして。主人公のたまの判断ミスなんかで不満を露わにするやつが出てくる。基本、そのグループ内で足を引っ張る役回り。そのうち2人は主人公に反発して、あろうことかリーダー側に回ったり。そういうコウモリなキャラの末路もまたお約束通りと。

2人ともリーダーに心酔して、リーダーのどうでもいいとこを真似していい気になる。けどそれはリーダー優勢のときだけ。劣勢になるとコウモリの虫が疼いて、2度目の裏切り準備開始。それがリーダーに発覚。1人は「肉の盾」にされて死亡。もう1人は脱出するけど孤立。1人でやってく能力がなく孤独死。

それとも、巨大歯車に挟まる的な、もうどうしようもない死に方がお似合いかな。火星だとそうだなー、リーダーの策略のために着陸船の外に出て仕掛けを作ってたら、間違えてエンジンを点火させて一瞬で蒸発とかかな。あるいは途中でリーダーの気が変わって、リーダー自身がわざとエンジン点火とか。

自分でドジ踏むとか。船外での溶接バーナー作業で自分の気密服に穴を開けてしまって、急いで船に戻ればギリギリ助りそうだけど全然そうなりそうもなくて、絶望の中、誰にも気にかけられず惨めに絶命とか。

おお、火星の屋外環境は人間が生きていくには瞬殺級に厳しいけど、宇宙空間よりはなんぼか環境がいいんで、宇宙服の不具合なんかで半端に条件が整えば生殺しにもなり得そう。したら脇役の1人はこんな感じでストーリーとしては半端に生かしといて、伏線にしとくとイイかも。死んだと思ってたあいつが、変わり果てた姿になってクライマックにいきなり登場。混乱加速。すぐに自滅して、以降はその展開が何事もなかったかのように話が進む。これいいねー B 級はこうでなくちゃ。

こいつのささやかな幸福願望と存在自体が、全体状況の混乱と本人の不幸の元。『王家の紋章』のモリオネーだな。あの人ほんと可哀想でな。貴族の出なのにどの主要登場人物にもそのことを気にされず相手にもされず。しかも天然ぶりが超偉い人の逆鱗に触れてしまう。その超偉い人もけっこう天然だったりして。ボケ×ボケ=炸裂。つか、あの漫画でキャロルの側に付かない女性はみんな不幸になるなぁ……。

かわいそうなモリオネーは戦闘力ないのにプライドは高いんで、「みんな私を馬鹿にしやがって!」とばかりに自暴自棄になって暴走。混乱に拍車をかける、と。燃える宮殿だか神殿だかの内外を、黒焦げの姿で復讐の鬼となって徘徊するモリオネー、怖かったなぁ。

妄想中の映画だと半殺し状態なんで、徘徊は無理かな。ローバーに乗れば大丈夫かな。

その一方で、両陣営を否定して第3勢力として名乗りを上げるやつもいたりして。こいつは二者対立状態になると、その状況を引っかき回すこと自体が目的になってしまう性格のやつ。当然のごとく自滅の道を辿ることになる。両極がこいつをウザがったのち、一時的な両極連合が潰すとかかな。こいつは勝負を仕掛ける前は散々大口を叩くけど、実は両極それぞれに比べて圧倒的に弱かったってのがお約束ポイント。ビッグマウスはフラグですな。『ワンピース』のキロキロの実の人っぽい感じ。こいつはやられたらもう出番なし。サクッと消えていただきましょう。

とかそういう出尽くした感ありまくりなコテコテの展開、時間差で地球上で見える細い情報で表現できるんかな。ていうか地上場面メインなんだから、火星での主人公と狂ったリーダーとのバトルを客観視してる、別の主要登場人物が必要だな。

管制官とその上司だな。ストーリー設定だと、地球側と火星側の双子チーム構成。意外と面白くなりそうじゃないですか。地球側の役どころは、良かれと決めた判断が、現地との時間差と現場の情報不足のせいで火に油ってとこ。で、管制官と上司とで判断を巡って対立と。『アポロ13』と違うのは、あっちは現場と地上管制との見事なチームワークを描いたけど、こっちはグダグダぶりを描くとw

基本、悪い方向に行きっぱなし。そして一途に悪い方向に行くと見せかけて、ちょっと希望が見えて、それもダメになってさらに絶望って感じですか。この展開は『世にも不思議なアメージングストーリー第1話 最期のミッション』の、「そうだパラシュートだ! それでいける!」→ ビリビリビリ……が近いかな。説明なしで分かる、希望が一瞬で絶望なあの感じがよかったなぁ。あっちは超常現象でのハッピーエンドだったな。こっちはもう、もうあの、もう……w

いったん見えた希望が潰える秀逸な流れといえば『ディープ・インパクト』。人類を滅亡させつつある巨大隕石に向け、雄々しく飛び立つ多数の核ミサイル → アメリカ大統領の右手の拳のアップ。演壇を軽く2回叩く。つらい発表をするのに踏ん切りをつける動作でしたと。

……、

……、

……。

あ、あれ……。地上局メインなんならマンネリ密室サスペンスになんないじゃんwwww 何これ前提からして全然なってないじゃんwwwww

これ、潔くボツ!wwwwww

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ボツはボツだけど、足りない現地情報と通信の時間差がグダグダ誘発の要素って、アイデアとして行けそうな気がする。

そして、2011〜2012年に相次いで公開された はやぶさ 映画3本で、何か違うような気がしたもののひとつが分かったような。

隔靴掻痒感。

これかな。それぞれの はやぶさ 映画とも、登場人物は情報不足と通信時間差で隔靴掻痒を味わってはいたけど、観客はそんなでもなかった。このイライラを登場人物とともに味わう場面。そして「結局よく分からんけど真実は多分こうだろう。あるいはそれ以外かも」という、モヤモヤしたまんま強制納得せざるを得ない状態。ここが足りなかったような。

映画って、観客に全部見せればいいってもんじゃないのかもな。

はやぶさ は一時期、通信途絶で消息不明になってた。その後めでたく通信が復旧して地球に帰ってこれた。けど、そのまんま尻切れトンボで後味悪く計画終了の可能性もあった。

件のボツ映画はハリウッドマンネリに沿ってないからボツなんだけど、もしこれで行くとしたら(「潔くボツ」と言いつつまだ練ってる)、「いったん別れてそれっきり」はどうかと。

……、

……、

……。

あああこれ新しいかと思ったのに、H. G. ウェルズの小説『月世界最初の人間』のオチそのものじゃねーか。1901年って112年も前にもうやってたのかよ。

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『月世界最初の人間』のエピローグでは、月から命からがら地球に帰って元の暮らしに戻ったベッドフォードさんのもとに、月面に残ったケイヴァー先生からの通信が届くんだよな。その余韻がいいんだけど、別れてそれっきりのまんまだと後味悪すぎだったからそうしたのかもな。

その前、地球に逃れたベッドフォードさんは、月に置き去りにしてきてしまったケイヴァー先生を連れ戻そうと決心するけど、思いがけず&あっけなく宇宙船を失ってしまうんだよな。そのあたりの描写が淡々としてるのが、なんだか妙にリアルだったな。そして、月面上でベッドフォードさんを待ちぼうけして諦めて、かえってせいせいしたケイヴァー先生からの通信が届くと。

おおおもしかして、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の最後、マーティ宛のドクからの手紙ってこれが元ネタなのか!? ていうか PART3 で1885年の世界からマーティだけ1985年に戻って、デロリアンを破壊する展開ってすげー似てるんですけど。

PART3 ではドクとクララは共にジュール・ヴェルヌのファン、となってたね。ウェルズじゃなくほぼ同時代のライバルのほうと来たか。脚本も書いたロバート・ゼメキス監督、こりゃヴェルヌとセットでウェルズも読んだことあるんじゃね?

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親しい人にふっつりと死なれて残された人の反応ってのは、『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』でアブドゥルに死なれた直後のポルナレフだな。ポルナレフは突如の現実を受け入れられなくて泣き出す。それが一番納得行く感じだな。けど『タイタニック』の脇役夫婦はそうじゃなかった。そしてそれもまた説得力があったと思う。

2つに折れたタイタニックは沈没に向けて、船尾がほぼ垂直に持ち上がってた。船尾の手すりに捕まってた夫婦(と思われる熟年カップル)のうち、妻が耐え切れず手を離して落下。夫は黙ってそれを見てた。自分が生きるのに必死で。ジャックとローズはすぐ横でそれを見た。夫は二人と顔を見合わせ、なんだか悲しいような仕方ないような表情を浮かべる。

けどあれは自分もクリティカルな状況だからそうなるのか。火星が修羅場でも、地上スタッフ自身には命の危険はないからな。んーでも介入としては安全な地上 → 修羅場の火星っつう一方通行が続いてたわけで。地上としては途中でもうウンザリしてどうでもよくなってしまって、通信が切れたなら切れたでかえってそうなるのもアリかもしんない気もしてきた。「通信途絶 → 復旧の努力をしたけどダメだった → 我々はベストを尽くした」で「あれはもう終わったこと」と計画放棄と。人工衛星運用の致命的トラブルで放棄みたいなノリで。国家財政規模の超ド級プロジェクトなのにめっさ無責任だけどw

「出資者(納税者)の意思」の裏付けがあれば、この無責任もアリかな。あるいは地球の国際社会はその計画自体が面倒になった末、火星植民地を一方的に独立国として承認して、実質的に地球社会と切り離すとか。棄民ですな。

おいらの感覚なら、火星側はこれ以上の展開はない。あとは地球側は、火星の民が資源を使い切って全滅した頃合いを待つのみ。そこから半世紀も放置すると、地球では「あの頃は仕方なかった。そのつらい経験を糧として、今はもっと素晴らしい火星植民ができるようになった。尊い犠牲となった当時の開拓者全員への感謝と敬意をここに表する」なんて、自分で捨てたのを棚に上げた身勝手な解釈が定着と。

けど古株のゲームマニアならここからが勝負かもな。ええ、「彼らは実は生きていた」ですよ。そしてバイド化ですよ。

「気がつくと私はバイドになっていた それでも私は地球に帰りたかった だけど地球の人々はこちらに銃を向ける」

「やはり気がつくとバイドになっていた それから私達は宇宙をさまよい続けた いつの日にか地球に戻れると信じて」

この設定の元ネタは『ウルトラマン』の宇宙怪獣ジャミラかなあ……。

つかコミュニティが捨てた人たちが実は生きてて、コミュニティに復讐する映画、最近あったなぁ。あーあれだ。『楢山節考』続編の『デンデラ』。観た次の日から今の今まで忘れてたわ。

オリジナルの思想をなんぼかは継承するもんだと思って観たら、完全に娯楽路線だったわww 復讐計画はアジトが熊に襲われて失敗、頑張って立ち直り、里への行軍中に雪崩に遭ってまた失敗って、なんかもうギャグ映画として笑っていいんだかって感じで。超豪華キャストをあんだけ豪快に無駄遣いした作品って、伝説の『北京原人 Who are you?』以来かも(『北京……』のほうがはるかにひどかったが)。

ふむー。宣伝文句は「かつてない切り口の女性賛歌映画として生きる意味を問う」か。ふむーwwww

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しかしモリオネーも、奴隷と見られたままイズミル王子に気に入られて后になろうなんて、そりゃ無茶だろ。いったん地元に帰って体勢を立て直せばよかったんだよ。貴族の娘として王子の前に再登場してれば少しは……ああそれだと、結果的に王子とキャロルとの結婚に間に合わなかったか。モリオネー、もう不幸の鎖にがんじがらめですなぁ。

ていうかイズミル王子なんて高嶺の花は諦めて、別のそこそこいい縁談に精を出せばよかったんじゃないかと。けどそこは、キャロルしか見えてないイケメン王子の様子を目の当たりにして、何らかの虫が疼いてしまったのかもな。だったらもう仕方ないか。

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2013.9.14 土曜
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垂直でもやっぱし斜め

イプシロンロケット初号機、ついに飛びましたなー。初打ち上げ成功で初白星でしたよ。よかったよかった。関係者の皆様、おめでとうございます&お疲れ様でした。

スペックデータから事前では、おいらは離床直後はヒョロヒョロ浮き上がっていくもんだと思ってたんだわ。韓国の羅老ロケットよりちょっとマシ程度な感じで。姿勢制御の具合によっては、もしかしたら羅老みたいに派手にフラつくかもなーとか。

いやもう全然。思ってたよりはるかにシュパーっと行きましたですよ。ガタイが小さいぶんスピードが速く見えた面もあったかもだけど、とりあえず見た感じは、重力損失をあんまし支払わんでいい&衛星に加速度の負荷をあまりかけんでいい加速度に思えたですよ。

イプシロンは ISAS 系固体燃料ロケット初の、垂直状態で打ち上げるロケットでして。伝統の斜め打ち上げを捨てることに、おいらはなんとなく抵抗があったけど、いろいろ説明を読んで納得してたとこでしたわ(垂直打ち上げ方式の採用)。吊り下げの摩擦抵抗とランチャー離脱時の振動はなぁ、M-V 5号機(はやぶさ)で、ランチャー離脱直後にロケットの向きがピッチ方向に振れてたもんな。それを M-V 自身が飛びながら大急ぎで修正、というのが、スローモーション映像で見ると分かったりして。あんな低い高度で派手に姿勢制御をかけるのは、確かにちょっと怖い感じがあったわ。

そのイプシロンの垂直打ち上げ、おいらの想像では、ほかのすべてのロケットと同じく、しばらく垂直に上昇してからおもむろに頭を傾けていくもんだと思ってた。そして横方向の速度ベクトルをじわじわ稼いでいく、と。

違ったw

かなり高度が低い時点で、海側にいきなりナナメるんだもんな。結果的に M-V までの飛行コースとあんまし変わらん感じで。斜め打ち上げの時代はミサイル発射っぽい印象があった。イプシロンでそれが払拭されるかと思いきや、あの怪しげな機動でむしろますます ICBM っぽくなったww

M-V の頃、内之浦宇宙空間観測所の射点の立地と、打ち上げ主体の宇宙科学研究所(ISAS)の安全思想から、「安全確保のためロケットは発射後、速やかに海上に出す」となってた。海の方に傾けた斜め打ち上げの理由はそれだったけど、イプシロンは1段目の姿勢制御が充実してるんで垂直打ち上げできるようになった。けど安全思想そのものはそのまま受け継がれてたってことですな。

そして、ランチャーブームが及ぼす悪影響だけを排除できたと。射点のランチャーブーム設備自体はそのまま残して、アンビリカルケーブルの支柱として再利用するようになったんだね。新たな目的にしては異常にごっついけどww(昔、イプシロンよりでっかいロケットを丸ごと吊り下げてたんだもんな)

イプシロンの時代になった今ではもうノスタルジーでしかないけど、あの斜め打ち上げの独特さは、あれはあれでよかったなぁ。映画『はやぶさ 遙かなる帰還』での打ち上げ場面。傾斜角を示す巨大な分度器上を、指示針がキリキリキリと動いていくってのがあったよ。

2007年、月探査機 かぐや が H-IIA ロケットで打ち上げられるまで、日本の探査機が星に飛ぶときは必ず斜め打ち上げだった。ほんとノスタルジーだけど。

今は垂直打ち上げのロケット自らが姿勢制御をかけて、斜め打ち上げと同じ飛翔コースを飛ぶようになった。かつての斜め打ち上げは、そのコースに乗るための手段でしかなかった。おいらはそのことを今さら実感中。形式に囚われてたってことですな。

もう打ち上げ時点じゃ斜めじゃないけど、空中ですぐさま斜めになるってのは新たな特長になるかもね。

まさにミサイル的なああいう機敏な機動が実現できるのは、

てのが大きい気がする。しかしあのコース決定マヌーバ、ランチャー(というか今はアンビリカルケーブルの支柱)が噴射炎モロかぶりだったが。大丈夫かな。後でロシアのチューリップ式みたいに、後ろに倒れる仕様に改造されたりしてw

つかロケットが直立するようになったら、旧ランチャーの方は前までとは逆向きにナナメったあたりに妙なこだわりを感じさせるww

銘板
2013.9.15 日曜
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実は猛ダッシュ

昨日に続いてイプシロンネタ。主にスペックについて。

報道では「日本が新型ロケットを打ち上げたのは12年ぶり」とよく出てるね。H-IIA 以来とゆー計算ならそうだが、H-IIB(2010年打ち上げ)は新型ロケットではなかったってことなんでしょか? JAXA の公式見解もこうなんだろうか。

この手の定義は視点によるし。おいらは H-IIB は新型だったと思ってたけど、バージョンアップ版って捉え方も間違いでもなさそうだし。H-IIA/B の打ち上げ成功率は合計で出してたりもするしな。

イプシロンもその意味じゃ微妙というか。名前が新しい新規ロケットではあるけど、部品は H-IIB と同じく既存の寄せ集めなもんで。H-IIB の母体は H-IIA だけだけど、イプシロンは H-IIA と M-Vのパーツを組み合わせた「接ぎ木ロケット」なんで、1個の母体がないって意味じゃやっぱし新規にしたほうが自然かな。

そういや H-IIB 構想の大元は、幻に終わった H-IIA 212型と222型だったな。LE-7A エンジンを2基クラスタにした1段目を液体燃料ブースターとして、H-IIA の脇に1本(212型)または2本(222型)を取り付けるというやつ。実現性が怪しくてボツになった代わりに生まれたのが H-IIB だったと。液体ブースター方式よりもシンプルにまとまってよかったと思うよ。開発リソースも少なくて済んだし。てことでもともと H-IIA 増強型だったんだから、H-IIA/B は共通ってことでいいのか。ぐるぐる考えてようやく納得できたわ。

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今 M-V とイプシロンとでペイロード比を比べてみたんですが……。公称データで、M-V は 1.3177%(標準の3段式)、イプシロンは 1.3216% なんですが……。イプシロンのほうがわずかに性能いいのかよ。割り算の誤差程度の差だけどさ。

しかし全部専用設計で超最適化されてたはずの M-V と、寄せ集めであまり最適化されてないはずのイプシロンとで、なんでこんな結果になるんだろ。H-II → H-IIA では、蓄積技術をコストダウンに振ったらペイロード比は順当に落ちたんだが。時代の技術の違いですかねぇ。1段目胴体のカーボン化が効いてるのかな。てことは今の技術で M-V と同等のロケットを作ったら、なんかものすごいものができそうな気もする。

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Wikipedia 情報を丸呑みして間違えてたことがあったですよ。今 Wikipedia「イプシロンロケット」の諸元を見ると、1段目の出力は 2,271kN とある。JAXA のソース(PDF)と一致してますな。

この Wikipedia 情報、2012.10.18 の時点じゃ 1,580kN と出てた。SRB-A の出力としては低すぎるなーと思ったものの信じてしまって、あのときおいらはイプシロン離床時の実効加速度は 0.57G と算出。テポドン2号(0.60G)よりも下で羅老1号(0.21G)よりも上ってことになった。固体燃料ロケットに似合わず、トロトロと上昇していくんだろうなと思ってた。

ところが実際のイプシロンの加速度は見た感じなかなかのものだった。データを見直したら、Wikipedia 記事はいつの間にか書き換えられてたww 表をもう一回作り直すとするか。

2,271kN は真空中のデータなんで、今回も大気圧補正として1割引で 2,044kN≒208.6t としてみる。ペイロード満載として質量は 92.2t。するってぇと質量推力比は 2.26G、実効加速度は 1.26G だな。

機種名 仕様 質量 推力 質量推力比 実効
加速度
備考
M-V 1号機 -- 139.8t 387t 2.77 1.77G --
M-V 5号機 -- 143.8t 345.31t 2.40 1.40G 4号機の失敗を受けて
パワーを落とした機体
イプシロン E-X 92.2t 208.6 2.26 1.26G --
H-IIA 9号機 2024 354.3t 790.07t 2.23 1.23G SSB 点火後
H-IIA 11号機 204 450.8t 931.96t 2.07 1.07G --
H-IIB 1号機 -- 541.5t 1048.41t 1.94 0.94G --
H-IIA 4号機 202 292.8t 516.40t 1.76 0.76G --
アリアン V V-188 782.2t 1311.43t 1.68 0.68G --
テポドン2号 -- 75t 120t 1.60 0.60G 改良型
2009年4月打ち上げ
H-IIA 9号機 2024 354.3t 516.40t 1.46 0.46G SSB 点火前
羅老1号 -- 140t 170t 1.21 0.21G --

うはー H-IIA/B を軒並みブチ抜きましたですよwww 固体ロケットらしい位置に来て安心したww(その意味じゃ H-IIA 9号機は名目こそ液体ロケットだけど、離床直後は実質ほぼ固体だから数値が近いわけで) 実際の実効加速度はテポドン2号の2倍、羅老1号の6倍でしたか。どーりで思ったよりシュッと飛んでったわけだわ。

そうなるとイプシロンは1段目の燃焼末期、加速度がえらいことになってそうだな。最初から最後まで同じパワーで燃焼したとして……(計算中)…… 8G か。かなりな気がする。昔の「軌道に届けるだけで精一杯。衛星の方で我慢してくれ」って時代じゃないし。燃焼の最後のほうはパワーが落ちる形になるよう固体燃料を充填してる気がする。

あと、イプシロンは将来構想として2段目の増強が考えられてるらしいが。おいらは昨日まで1段目は本来性能の3分の2しか出してないと思ってたんで余裕だと思ってたんだわ。実際は最大パワーの9割程度をもう出してるってことで、2段目増強に合わせた1段目パワーアップの余裕はあんましないんだな。

銘板左端銘板銘板右端

今回、打ち上げから衛星の分離まで1時間かかったね。ロケット班のミッション終了は南米上空。日本から飛び立って、ちょうど地球を半周したところで。低軌道にしては高い高度(900〜1,000km)なんで、半周するにはこのくらいの時間が必要なわけで。

M-V の頃は衛星分離まで30分もかからなかった。地球を半周するはるか前に切り離してたんで。これ、イプシロンでは「衛星が最終的な軌道に入るまでロケット側が面倒を見る」っつう新方針を採ったせいかと。

M-V の衛星打ち上げでは、3段目の燃焼停止 → 直後に衛星の分離 でロケット側の仕事は終わりだった。固体燃料ロケットは軌道投入精度があまりよくないんで、仕事は衛星の本来の軌道の手前まで。あとは衛星が自力でどうにかした。このぶん衛星には推進剤を多く積む必要があった。タンクも大きくなるんで、衛星は以降、無駄な質量を抱えて飛ぶ必要があった。それに、衛星は宇宙デビュー直後から軌道投入マヌーバをこなさなきゃなんないっつう負担がかかった。

イプシロンには最上段として PBS がついてる。1液式の小型のスラスタで、これで固体ロケットの軌道投入誤差を吸収しつつ、衛星を本来の軌道にまで届けると。

ここまで衛星に優しくするようにしたのは、商用打ち上げを狙ってるからだと思う。ていうかイプシロンのライバル、ヨーロッパのヴェガロケットが既に PBS を装備してるんで、こっちもやんないわけにはいかんくなった感じですか。イプシロンの方の PBS は、H-IIA の2段目の姿勢制御系を流用して開発コストを下げたらしい。お下がり戦略、徹底しとりますなぁ。

衛星に優しいといえば、固体ロケットは稼働中の振動が大きいんで、衛星との接合部に緩衝装置も装備してるらしい。ここらへんも是非とも評価されて、商用衛星打ち上げの受注につながればいいですなー。とりあえず5年で3機のペースで行くらしく、試験機扱い(E-X)は4号機までっつうことらしいんで、商用受注ウンヌンはまだ先の話だけど。計画通りだとだいたい2019年あたりに改良型の第1号が飛びそうだね。予定通り、東京オリンピックより先に飛ばせますように。

銘板
2013.9.16 月曜
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まだ本気出してないだけ

また続き。

メディアは JAXA の誘導に見事に乗って、イプシロンのコストダウン技術がいかにすごいか、搭載してる人工知能がいかに革命的かを報道してるけどさ、金額だけで見ると現段階じゃそこまですごくなかったり。打ち上げ準備日数と管制に必要な人数の削減ぶりは現時点でもすごいんだけども。

この視点でのイプシロンのすごさは、現状のコストうんぬんよりも、ロケットの運用の手間が劇的に軽くなった点でして。現時点ではこれで将来コストダウンするための伸びしろを確保できた段階で、まだコストダウンそのものはあまり発動してないと。そして今はこの手間削減手段はイプシロン専用だけど、汎用化できれば大型液体燃料ロケットでも使えるわけで。モノが大きければ削減額も大きい。実はそこがこの新技術の狙いどころだったりする。

とはいえ、この技術はイプシロンでコストダウンまで行かなきゃ実証にならんわけで。そしてそれはこれから実証されていくわけで。今回の初号機成功は、その実証の下準備ができた段階なわけで。てことで、戦いは始まったばかりなわけで。そこらへんの将来見込みの情報が混ざり込んで、あたかもおとといすべて完成したかのように先走って広まってしまってるというか。

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ていうか JAXA の前身の NASDA って、H-II ロケット計画が理不尽に叩かれてた1990年代から、マスコミのあしらいをいろいろ研究してたフシがあってさ。JAXA になってからもその戦術研究を営々と続けてるような気がする。どうもマスコミの皆さんは JAXA 広報部にその習性を読まれてて、いいように釣られてる感もあったりしてww ていうか年を追うごとに、JAXA のマスコミ操縦はどんどん上手くなっていってる気がする。頭いい人たちに逆らうと恐ろしいですなwww

国の事業の主体やスポンサーは特定の営利企業ではないから、マスコミは叩きやすいと思われ(自分のスポンサーとかぶる恐れがない)。てことでマスコミの中の質の悪いごく一部は、あの手この手で策を練って、あたかも血税を無駄遣いしてる悪い公共投資であるかのように見せかけるわけで。けど相手もやられっぱなしってわけにはいかんのですな。返し技について、諸葛亮孔明殿が一言。

「策士、策に溺れる」

しかしマスコミさんがた、かなり節操ないというかw 8月27日のイプシロン打ち上げ中止直前まではアゲアゲ報道。延期決定でお門違いな攻撃でディスり、打ち上げ成功でまたアゲアゲ。手のひら返し返しww

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んで実際、現在のイプシロン(E-X)のコスパはどのくらいなのかを、JAXA にうまいこと腹話術されてるっぽいマスコミ情報を気にせず考えてみる。おととい実際に飛んだイプシロン初号機(E-X 1号機)の値段は50億円を突破したけど、初物ロケットの初号機だからこうなったと思う。ここをケチるとどんな災いが起きるか分からんからな。てことで E-X の以降の値段は、開発チームが掲げてる38億円で考える。

先代の M-V と較べて、性能が3分の2で価格が半分の38億円とのことで、そこだけ見ると確かに大幅値下げに見える(実は M-V の値段が恣意的に高くされてたりする)。けど M-V の低軌道打ち上げ能力は1.85トンで、E-X の1.5倍ちょいなんですな。てことで能力あたりの値段で行くと、能力1トンあたり M-V で40.5億円ほど(恣意的に高く見積もられた75億円で計算。実際は60〜70億円)。E-X で31.7億円ほど。31.7÷40.5≒0.79 で 21.7% 引き。

M-V で実際の70億円で計算すると、1トンあたり37.8億円で、E-X は 16.2% 引きでしかない。M-V を60億円とすると1トンあたり32.4億円。E-X の割引率はなんとたったの 2.3%。M-V 廃止 → イプシロン新規開発とは一体何だったのかってことになったり。

別のコストダウン例として H-IIA を考える。先代の H-II で160億円だったのが、H-IIA の最近の価格は100億円。打ち上げ能力はどちらも同じ。能力1トンあたりの単価を比べると、100÷160=0.625。37.5% 引きなんですわ。人工知能の世界初導入なしの、2001年デビューの技術でコレ。この数字を目標にしてみる。

E-X 後の安定版の E-I で例えば28億円になれれば、1トンあたり23.3億円。M-V が75億円なら 23.3÷40≒0.5825 で 42% 引き。M-V が70億円なら 38.3% 引き。60億円なら 28% 引きですな。これならどうにか納得できそう。

ただし H-IIA は今までの最低額が85億円だったんで、それで計算すると H-II の 47% 引きだったりする。三菱重工業に民間移管後は100億円前後に高止まりしてるけど、H-IIA はやれば H-II の半額くらいまで行けると。

てことで単位積載量あたりの半額を狙うなら、イプシロンの値段は最大でも 40.5(M-V のトンあたり億円。最も高価な見積もり)÷2(の半分)×1.2(イプシロンの能力トン)=24.3億円を下回らないといかんことになる。現行の6割強って、かなり厳しい気がするが。ちなみに M-V が60億円なら19.4億円。E-X の半額。もう絶望に近いかと。

ただ、ロケットの運用と管制にかかる費用の中には、ロケットの大きさにあまり関わらず「1回でいくら」というのもある(各部品の試験、打ち上げ許可手続き、地元漁協への補償金、落下指定海域の規制と監視、飛翔追跡、テレメトリ解析など)。そのぶんは小型になるほど薄まりにくいんで不利になる。イプシロンは H-II シリーズや M-V よりその点で不利なわけで、そのあたりの補正をかけるとどう出るかですな。

てことでイプシロンは E-X の段階じゃ実はまだそんなに安くはない感じだけど、過去の日本の小型ロケット2つと比べてみますか。それに比べると、さすがに安くなってるかも。どれどれ。ついでに M-V(70億円として)も入れてみるか。


開発主体 打上費用
(公称)
最大積載量 トン単価 E-X との
比較
J-I NASDA 54億 0.88トン 61.36億 194%
M-3SII ISAS 36億 0.77トン 46.75億 148%
M-V ISAS 70億 1.85トン 37.84億 119%
E-X JAXA/ISAS 38億 1.2トン 31.67億 100%

おお、やっぱし。しかし J-I ほんと高いな。会計監査院に「高価すぎ」とツッコまれて1号機を打っただけで廃止されたのも分かるわ(しかも1号機は弾道飛行で、一度も衛星軌道に達したことのないロケットになってしまった。ただし1号機の見栄えはカッコ良かったw)。

系列の違う J-I を外して上の表を見てみると、トン単価が M-3SII →(2割引)→ M-V →(2割引)→ E-X と定率で下がってきてたんだね。しかも M-3SII → M-V では大型化で単価を薄めたのに対して、M-V → E-X では小型化したのに単価が下がってる。

むしろ M-3SII との比較のほうが、イプシロンの意義が分かりやすい。打ち上げ費用は四半世紀前のロケット M-3SII とほぼ同じにまで戻した。そのうえで、打ち上げ能力が5割増。

E-X で世代として順当なペースで安くなってて、E-I でさらに安さを狙うと。これ数字で確認できてよかったわ。

おお、大きさ順に M-3SII → イプシロン → M-V で最大積載量を見ると、大きくなるごとに5割増なんだな。デビュー順だと M-3SII → M-V なわけで、この計算では2.25倍。実際は2.4倍。M-V は打ち上げ能力ではかなりのジャンプアップだったわけだ。

M-V って中・小型ロケットとして見ると、目ん玉飛び出るほど高価じゃないと思うが。コスパで有利な大型の H-IIA と比べるのが無茶だったと思うが。H-II と同世代だしな。けど明らかに高価だった J-I と同じく、「高価だから」と強制廃止されちまったんだよな。あの理屈いまだによく分からん。

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でも M-V をその意味で悪者にして新型のイプシロンの宣伝をするっつう方針はうまく当たってるらしい。今の E-X では、順当ではあるけど触れ込みほどではない「安さ」に、マスコミも一般大衆も面白いように食いついとりますな。触れ込みどおり本当に革命的に安くなるのは E-I 以降なんだが。

E-I の値段は現段階で「30億円を切るのが目標」程度でアバウトなんで、上の表には載せなかったよ。てことで仮に28億円とすると、E-X の 74% ほどなんで 26% 引き。これまた ISAS の系譜に沿った数字ですな。

その一方、能力トンあたりで M-V の半額まで行くとなると、上のほうで書いたとおり24.3億円以下。E-X の 36% 引きって、なんかもうまったく別のロケットを開発し直した数値だなこれ。やっぱし厳しそうかなぁ。能力増強で薄めるのが得策かも。

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今回の打ち上げ、話題のモバイル管制の様子が映像や写真で出てないと思うが。そこを見たい人は多いと思うが。

計画では最低2人でできることになってるね。初回は念のため8人体制だったとか。M-V の頃は100人前後がひしめいてた管制室に、8人。隅っこにみんな集まって小ぢんまりとやったのか。広々と使ったのか。それとも元の管制室は使わず、別の小さめな部屋で運用したのか(最低限で PC が2台あればできちゃうんだもんな。8人と8台の PC が入る程度でいいわけで)。どうだったんだろうね。

スペクタクル的な意味ではあまり見栄えしないものだったかとは思うがww

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2013.9.17 火曜
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日本のマリリン・モンローを育んだボロの部分

またしても続き。今日はイプシロンを打ち上げた内之浦宇宙空間観測所について。なんでこんななのか的な話とか。笹本祐一著『宇宙へのパスポート』シリーズその他に出てた受け売りとか。

内之浦の打ち上げ施設は電力の容量があんまし余裕がないそうな。かつての M-V ロケット打ち上げの直前は、限られた電力を必要なところに回すべく、建物内の照明をほとんど消してたらしい。波動砲かww

モバイル管制になると管制に必要な人員もコンピュータ台数も大幅に減るんで、必然的に建物内の電力需要が減りますわな。機械式のシークエンス装置も CRT モニタももはや不要になったし、いちいち照明を消さなくて済むようになったかも。

内之浦名物の打ち上げ時の安全メット必着は、たぶんイプシロンの時代になっても継続かな。映画『はやぶさ 遙かなる帰還』で、NASA の人にメット被らせてたなぁww 万が一ロケットが管制センターに落ちてきた場合、建物の強度が足りないことへの対応らしい。正直、実効性は気休め程度かと。つか、そんなことが必要な打ち上げ施設なんて、世界でここだけじゃないかなwww

あと雨漏りはいいかげん直したのかな。雨が降ると、PC とかの電気・電子関係の品物は1カ所に集めて、工事現場用のブルーシートをかけてたそうだけど。

……、

……、

……。

あ。

PC 2台で済むモバイル管制を思いついたのって、きっかけはもしかして雨漏り?w

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内之浦宇宙空間観測所。

ロケットの打ち上げ基地として、今まで何十機もの衛星がここから飛び立った。探査機を星に飛ばしたことも複数回。

最初はその名のとおり、超高空大気観測用の弾道ロケットの発射場だった。

観測ロケットは、基本構造を保ったまま大型・高性能化していった。

ナチスドイツの兵器 V-2(液体燃料ロケットの始祖)とは、出自から何の関係もない全段固体燃料ロケット。

それが世界で初めて衛星軌道に達し(1970年)、世界で初めて地球の重力圏を脱し(1985年。2013年現在、固体燃料ロケットでは日本のみ成功)、打ち上げた探査機が惑星間空間の天体に着陸、サンプルを直接採取して地球に持ち帰った(2010年。2013年現在、日本のみ成功。液体燃料ロケットでも未達成)。

内之浦宇宙空間観測所。そこは、それらの快挙の母港。

不動のタイトルをいくつも持ち、世界的に格調が高い宇宙ロケット基地……のはずなのに、これほどまでにしょっぱいっつうギャップが魅力www

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2012.2.13 にも書いたけど、液体燃料ロケット技術を完成させ、アポロ計画の指揮も執ったフォン・ブラウンは内之浦を視察した折、敬意を表しつつ「ボロをまとったマリリン・モンロー」との名言を遺していった。日本独自の固体燃料ロケットを讃えつつ、打ち上げ施設の不釣り合いぶりを見事に表現ww この人、日本に生まれてれば高名な俳人となったろうwww

さっきも挙げた映画「はやぶさ 遙かなる帰還」でこの言葉が登場して、英語では "Marilyn Monroe in rags" と言うんだなーとおいらは学んだw

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英語の略称は "USC"(Uchinoura Space Center)で、その前は "KSC"(Kagoshima Space Center)と名乗ってた。んで NASA がヒューストンの基地を「ケネディ宇宙センター」(KSC)としたり、NASDA が同じ鹿児島県の種子島に基地を作ったりで、KSC の名称じゃ具合が悪くなって USC に替えたっつう過去があったり。特に NASA の KSC の件を知る関係者は、「うちのほうが先だった」とぶーたれたりするとか。

NASA にぶーたれても、USC なら USC で、ISAS はなおさら「内之浦」の名に親しみを持ったらしい。しかしすっかり馴染んだ内之浦の地に転機が訪れた。

平成の大合併で内之浦町が消滅(肝付町の一部になった)、住所の地名から丸ごと消えてしまった(八戸近辺でも福地村が同じ憂き目に遭ったなぁ)。それでもその土地や住む人々と共に歩んだ歴史に愛着があるらしく、ISAS はこれからもこの施設の名前で「内之浦」を保つつもりらしい。イイハナシダナー。

1998年、敷地内に深宇宙探査機通信用の 34m パラボラアンテナ施設が完成。小惑星探査機 はやぶさ が飛んでる間(2003〜2010年)に、「うっちー」の愛称が定着してしまったw もちろん「内之浦通信局」の意味。ちなみに長野県の臼田通信局は「うすださん」。

地上の行政の地名からは「内之浦」の名は消えたけど、宇宙からの視点では「地球の内之浦という場所」はしっかり存在してるってわけ。

さらに ISAS は内之浦愛のあまり、小惑星イトカワ上でその地名を復活させた(ソース)。国際天文学連合による公式認定済み。

地名「内之浦」は消えたのではなく、別の星に移されたのであーる。たとえ将来、内之浦宇宙空間観測所がなくなろうとも、たとえ日本が滅びようとも、その地名は千代に八千代に不滅のものとなったのであーる。

『君が代』は元は、恋人の長久の栄華を祈る歌だったそうな。ISAS は内之浦に対して『君が代』を実行し、その愛の深さを示したのであーる。

でんどんでんどんでんどん……。

ていうか内之浦うらやましすぐる。おいらこのまえ話題に出した『王家の紋章』の不幸のズンドコキャラ・モリオネーの気分。

ゆんず: お願いでござります ISAS さま! わたくしの地元にも是非それを、それをくださいませ!

的川将軍: こやつ奴隷の分際で厚かましいにも程がある

こんな感じですかww でも結末は嫌だなー。

ゆんず: わたしがすべてを失ったのは内之浦のせいだ 許さぬぞー(燃え盛る燃焼試験場を黒焦げ姿で徘徊)

ああいやだいやだwwww

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『王家の紋章』の男の不幸キャラといえば、身代わり王ガルズをおいてほかにないな。アイシス様の美貌に心奪われるのは分かるが、ガルズの身分も最高神官の息子だから悪くはなかったが、横恋慕のライバルが自国の王ラガシュ様だもんな(すげー怖いし)。絶世の美女のアイシス様がなんでそこにいるのかをガルズがよく飲み込んでれば、彼がもう少し利口だったなら、破滅にまで至らなかったろうに。

しょうがないか。恋はいつでもハリケーン(ニョン婆)だもんな。

いやいやミノアの隠された王子アトラスも相当不幸だよな。敵が見た途端「化物だ!」と逃げ出すほどの、持って生まれた異様な風体のせいで幽閉されて、それでも母の愛を信じて健気に従い、陰ながら国の平和と繁栄を支えてきたというのに。そしてたった一度のわがまま。キャロルへの恋。嗚呼まさしくそれは死亡フラグ。母は次男のミノスにキャロルを嫁がせようと手段を問わず、アトラスを利用。自分に寄せる母の愛が幻だったと悟ったアトラスは怒り狂って大暴走。むしろこっちのがハリケーンな恋だな。

まーでも肉親に裏切られて傷心のアトラスには、それでもイルカのマカオーンがいてくれたぶんだけマシ(話が通じ合うってすごい絆だよな)。ガルズなんかほんとまったくいいとこなしだったからな。

アトラスは物語の引っかき回し役なのに、その純情さとマカオーンとの関係が愛しくて読者はどうも憎めない。そのぶん彼の悲劇に同情してしまうというか。ああもう彼には幸せになってほしい。やるせない気持ちをどこかで吹っ切って、キャロル&メンフィスの助っ人になってくれると心強いが。そしたら死亡フラグからも解放されるんだがww

あ、アトラスはアマゾネスのヒューリアとけっこうお似合いじゃね? ヒューリアは強さが正義の人だし、信念を立てたらめちゃめちゃ一途だし。おまけにキャロルの味方キャラなんでフラグの旗色がいいし。アトラスさんどうですかそろそろ観念して、このあたりで年貢を納められては。とかもう勝手妄想爆裂。

ガルズはもうどうでもいいや。死んだし。不幸も取り付く島がないほど行ってしまうと、キャラとしての魅力が薄れるもんなんだな。それもガルズの不幸のひとつかも。

コチラのブログ様、『王家の紋章』レビューすげー面白いわ。

そうそうムーラさんときどき超かわいいんだよww

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内之浦はもうなんだかいろんなネタありすぎなロケット基地なのであった。2006年の M-V 退役後は、単段弾道ロケットはそれまでどおりいくつも打ち上げてきたけど、このたびほんと久しぶりに軌道に復帰しましたなー。おめでとー&おかえりなさいー。

打ち上げ管制の小規模化で、たぶん関係者はボロな部分があんまし気にならなくなったかと。もう使わないところは目に入らないだろってことで (^_^;)

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2013.9.18 水曜
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難問から逃亡

「解けたらIQ150以上」という問題が話題にとか見てしまって。すんません全然わかりませんですたwwwwww チャレンジ時間30秒ほどでギブwwww

んじゃまぁお茶を濁す感じで、最近どっかで拾った画像でもどぞ。

何だかんだ言って究極っぽいの作ってくれそうww

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2013.9.19 木曜
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モリオネーごっこ - ともかく地元に絡めたくて必死

ちょいと遅いが、イプシロンロケット&ひさき(SPRINT-A)の記者会見の様子を読んでるとこ(宇宙作家クラブ ニュース掲示板)。

そうかイプシロン(ε)の記号が選ばれたのって、ミューを回転させた形だったってのもあったのかー。ってさ、ミューの小文字は "m" かと思いきや、"μ" だろ。んで大文字のミュー "Μ" を回すと "Σ"(シグマ)じゃないのかと。いやもうなんかちょっと説明わかんないんですけどww 森田先生と的川先生が相談してそうしたみたいだけど、んーwww

って確か過去にシグマロケットってあったよなー。やっぱり。シグマロケットおもっきしあったわ。IGY のロックーンか。またずいぶんヴィンテージですな。こりゃ今の新型ロケットに "Σ" の記号は使えんわな。

おお、ロックーンのシグマロケット、うちの県の県六ヶ所村の尾駮(おぶち)海岸で打ってたんか。尾駮はずっと前に仕事で行ったことあるわ。そこらへんのこと何も知らず、要件済ませてソッコー帰ってしまったよ。もったいないなー。

そういや ISAS の前進の東大宇宙航空研究所は昔、秋田県の道川海岸で弾道ロケットを打ち上げてたんですな。そしたら性能がどんどん上がって、対岸(ソ連や北朝鮮)に着弾する恐れが出てきた。そんでリーダーの糸川英夫教授を頭に、太平洋側に新たな打ち上げ拠点を探したそうな。それで決まったのが鹿児島の内之浦。将来の衛星打ち上げを考えて、なるだけ赤道に近い土地を選んだんだそうな。その意味じゃ沖縄や小笠原諸島のほうが適してるけど、当時はまだ両方ともアメリカの占領下だったと。

で、道川の次の土地探しの条件。緯度だけじゃなく、地形なり交通の便なり地元漁業の様子なりが絡んでくるわけで。んで糸川先生がいろいろ見て歩いたうちに、六ケ所村の尾駮も入ってたらしい。というのをおいらが知ったのは、仕事で訪れたときよりはるか後。尾駮を候補のひとつにしたのは、きっとロックーンで使ったことあったからなんだろうな。地元にそんな縁の地があるのは嬉しいもんですな。

それ系で、知ってて果たせなかったことがひとつ。昔、岩手県三陸町で毎週水曜の朝、MT-135 ロケットの打ち上げがあったんだわ。あれを見に行きたかったのに、気がついたら計画終了してたわ orz 最終打ち上げは2001年3月21日だったか。うーん、それまでおいらなんで行かなかったんだろ……。写真を見ると、内之浦と同じ打ち上げドームから飛ぶんだな。今も残ってるかな。

思い出した。場所がほとんど宮城県寄りだもんな。国道45号はリアス式海岸をなぞるから、八戸から南下するとすごく遠いのだった(八戸−仙台の距離は国道4号線で約300km、国道45号線で約400km)。カーブとアップダウンが多くて、運転が疲れるし。それでだったな……。けど、それでも1回は行って見とくんだったよ。

そしてこの町も、平成の大合併で自治体が消滅しとったか。大船渡市に編入か。大船渡の市街地は津波で大きく被災したよね。旧三陸町の海岸線も隣接してるから、同じような被害に遭われたかと思う。津波被災で有名になってしまった南三陸町は、また別のところらしい。そっちは宮城県だね。三陸沿岸のお住いの皆様のお心とご生活が、ゆっくりでもご回復されていくことを願っていますです。

今はサンマの季節。地元・八戸産にするか、岩手・宮城の三陸産にするか悩むなぁw

ちなみに八戸の海沿いも三陸海岸の一部らしい。うちの海岸線はリアス式ではないんで、「三陸の一部」と言われても自分でもあんましピンとこない感じだけどww てことは、「気象観測ロケット MT-135 が三陸海岸から打ち上げられていた」というのは解釈によっては、「八戸から打ち上げられていた」と理解できるではないか、と今気づいたぞ(←拡大解釈しすぎ)

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8月20日の記者会見から。

森田 自律点検は人工知能を使っているが、まだ成人ではなく幼稚園や小学生レベルのものである。2号機、3号機で知能を増していくことになる。現在は成長過程であり最終的な姿ではない。

未知のものだもん、そりゃいきなりフル稼働はないわな。慎重に、段階的にスイッチを入れていくって感じですか。次は8月27日の会見から。

朝日新聞 自動停止は人工知能が停止したのか。状況をもう少し具体的に知りたい。

森田 閾値との比較判定でROSEとは関係ない。ロケットポストブーストステージ(PBS)にはロケットの三軸の姿勢角を知るセンサー(ジャイロ)が搭載されている。自動点検を行う装置に事前に設定した値に対して、ロール軸周りの出力が閾値を超えたため自動停止した。正確にはジャイロの出力に基づいて搭載計算機が姿勢データを演算して、地上の計算機に伝える時に異常が起きた。

NHK 自律点検とは関係ないのか。

森田 発射直前は閾値に入っているかどうか。自律点検は機体組立のもっと上流で使うもの。今回は関係ない。

ふむふむ、あれは人工知能とは無関係のことだったのか。と、この時点では言いつつも、8月31日の会見ではちょっと修正。

フリー大塚・どんな機器が遅れたのか。

森田・主要な要因としてROSEを経由した際に遅れた。伝送経路の細かい要素の影響は小さい。

人工知能の誤作動ではなかったけど、そこ経由のタイムラグが別のチェックに引っかかっちゃったんだね。

東京新聞・自動停止の原因はROSEの遅延を考慮していなかったのか。

森田・ROSEだけでなく、OBCの中でも遅延があり、ROSEの有無にかかわらず今回の事象が起こったと思われる。

東京新聞・MVではどうだったのか。

森田・MVでは自動判定が無く、人がやっていた。

人と機械の作業の連携って、その継ぎ目がいつも問題になるわけで。これは繰り返しやって1個ずつ見つけては潰していく形しかないかと。それでもやんなきゃなんないわけで。しかしロケットは点火前なら止めて、納得行くまで延期して改良できるわな。

2005年の はやぶさ の小惑星イトカワ着陸ミッションじゃそうも行かなかった。イトカワの表面の様子が事前の予測とまったく違ってたせいで、搭載してた装備がそのままでは順調には稼働しない状況に。それでなくとも機体にトラブルを抱えてたし、2007年の地球帰還に合わせた出発日も迫ってた。

自律航法・着陸のプログラムを応急的に書き換えたけどまだ足りず、片道16分の時間差覚悟で、自律航法+地上からの手動支援の形で決定。試行錯誤の都度、プロクラムをアドリブ的に書き換えた。ここらは作動テストなしのぶっつけ本番スタイル。ラストチャンスでついに着陸と微量の試料採取に成功したものの、それまでにミネルバ放出とサンプラーの弾丸発射で痛恨事があったりもした。

あのときの難儀に比べると、8月27日のイプシロン打ち上げ中止と原因究明・改善は、まぁラクな部類だったかと。あれよりツライのもなかなかなさそうだけど。

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イプシロン絡みの話ばっかで、ひさき のことになんも触れてないことに気が引けてきた頃。いやだってさ、まさか極端紫外線領域オンリーだとは思わなくてさ。可視光領域で惑星観測する専用宇宙望遠鏡だと思い込んでてさ。ニコニコで打ち上げ中継を見てて初めて知ったという情弱全開ぶりで。極端紫外線での惑星観測で何が分かるのかとか望遠鏡の仕組みとか、おいらまだ分かってないんですわ。

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2013.9.20 金曜
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言いたい気持ちは分からんでもないが、言いたいことは分からん的な何か

ちょっと面白いニュースを拾ったですよ。リニア新幹線への異論ですな。けど……という内容。

リニア計画に異論「速さだけが夢なのか」/神奈川

その道でかなりのビッグネームらしきお方が、リニア新幹線の熱狂に警鐘を鳴らしとるようで。主に車窓の景色の魅力のなさと事業の採算性に疑問をお持ちのようで。

景色も富士山も見えないのは、確かに東海道新幹線よりガッカリ要素ではあるね。けど乗客が鉄道を利用する目的は移動。高速鉄道を選ぶ目的は高速移動。景色を楽しむのが主目的で高速鉄道に乗る人ってたぶんそんなにいない。速く移動したい人が多くて、東海道本線より東海道新幹線のほうが多くの人を運ぶようになった。だったらもっと速いのを作れば、乗客は新しい方に雪崩を打ってシフトするのでは? と考えるのが妥当と思うが。

東海道新幹線とリニアの競合は、どうだろ。現時点で東海道新幹線は過密ダイヤでかなりキツキツなんだが。もうこれ以上のマージンがない感じで。今からちょうど10年前に新幹線品川駅がオープンして、これでようやく少し緩和されたとか、そういうところまで来てしまってる。それでも無事故で運転を続けてるのってさ、結果は見事としか言いようがないわけで。けど運行の関係者にとっては相当なストレスなんじゃないですかね。

高速鉄道が狙う客は、同じ沿線の違う鉄道路線だけではないんですな。旅客機。ここを切り崩して奪う。旅客機は出発地と到着地を直接つなぐことでスピードを確保してる。挑戦者の高速鉄道もこれに近い方針にして、中間駅はできるだけ少なく、とにかく速く移動することを目指してるわけで。

一方、東海道沿線は人口密集地が数珠つなぎなんで、既存の新幹線は既存の新幹線で、相変わらず便利に使われると思うよ。リニアのルートともあんましかぶってないしさ。関東・東北地方の事情で例えれば、東北新幹線と常磐線の関係がそれぞれワンランク上がったのと同じになるかと。

東海道新幹線とリニアを合わせた乗客数は、旅客機から奪ったぶんが増えるはず。JR 東海の新幹線運営部門にしても、超過密ダイヤが緩和されてラクになるから歓迎するかも。

何も問題なさそうですが。

8割がトンネルで景色が見えないってのもさ、関係ないよ。東北新幹線の盛岡−青森が既にそうなんだわ。おいらはその中間の八戸在住。八戸まで開業したのは11年前。青森までは3年前。八戸開業前は「景色がつまらん」てのがマイナス材料として言われてはいた。開業して何度か乗ってみて、実際そう感じた。東北本線のほうがよっぽど景色が綺麗で。東北本線の同区間は新幹線開業と同時に第三セクターに払い下げられて、特急はなくなった。ダイヤはほぼ普通列車のみで、八戸ー盛岡は1時間50分台。一方、同区間の新幹線の所要時間は35分ほど。新幹線は3倍速なんですな。で、どっちが人気か。

新幹線なんですよ。断然。景色を楽しみたくはあるけど、所要時間が3倍も違うんじゃ新幹線のほうを選びやすいっての。景色を楽しめないデメリット込みでも。割高でも。だって主目的は景色を見ることじゃなく移動なんで。新幹線開業後も第三セクターの東北本線に乗ったんだけどさ、乗った感じは申し分なかったんだけどさ、まだ1回だけだな。盛岡までなんつう比較的短距離の移動でも、やっぱし新幹線のほうを選んでしまうんだな。

あと東北新幹線は仙台以北は赤字だとかよく言われるけど、おいらが新幹線に乗ったり、他の人の乗った話を聞くとさ、けっこうな乗車率だぞ。八戸駅で席が半分以上埋まってたりとか。うちの地元の人口の量と密度を考えると、新幹線の10両編成の半分が埋まるのってかなりと思う。前日に予約しようとして席を取れなくて、デッキで立ったまま東京に行ったこともある。全席指定だし相変わらずグランクラスは大人気だしで、利益率は悪くないはず。東北新幹線の盛岡−青森区間って単年度決算では黒字かトントンなんじゃないかな。仙台や東京との往復だとけっこうな金額になるし。

そういや今年2月に羽越本線の特急 いなほ で新潟ー秋田を移動したらさ、山形と秋田の県境あたりでおいらが乗ってた自由席車両、乗客ほかに1人しかいなかったよ。鉄郎とメーテルかよ。ところが乗り継いだ秋田ー盛岡の こまち の席は始発から7〜8割方埋まってた。行き先の違いもあるだろうけど、高速鉄道ってのはそれだけで「乗ってみたい」っつうブランド価値があるんですな。そのイメージが集客力を発揮してるんですな。そこを実感しましたですよ。ちなみにそのときは厚い曇りの夕方だったし雪が深かったしで、景色は単調で取り立てて面白くなかった。

そういや電車に乗ればいつでも絶景を楽しめるってわけじゃないんだよな。そのときの天気も時間帯もあるんで。東海道新幹線に乗ったって、いつでも美しい富士山を拝めるわけじゃないしな。今年の2月に乗ったら、雲がかかってて裾野しか見えんかったよ。

ぶっちゃけ東北新幹線なんて最初っから最後まで富士山は見えないわけでww それでもお客いっぱい。景色は目的ではない。オマケでしかない。

この爺さんそのジャンルでどんだけ偉いか知らんが、想像力を働かせるのは結構なことだが、最近の実例を知ったほうがいい。おいら前にけっこうな大企業(の子会社)に勤めて、肩書は特に実力を表さないことを学びましたですよ。東京本社の役員クラスでも『けっこうこんなもんなのか』と思ってしまったw この爺さん肩書はご立派だが、言ってる内容からすると実力はそこまででもない気がする。

というか、半世紀前も似たようなしょうもない難癖つけてた人たちがいたみたいよ。デビュー前後の東海道新幹線をネタに。

「景色がビュンビュン飛び去ってしまって落ち着かない。風情がない」とか。「窓が開かないなんて、駅弁を買えなくて困る」とか。「これからは高速道路と飛行機の時代なのに、鉄道なんて時代遅れの輸送手段を速くして何になる。建設資金は世界銀行から巨額を借りたようだが、赤字が目に見えている」とか。。

爺さん、年齢からするとその時代には既にいっぱしの大人として生きてたはずなのにな。なぜ同じ愚を繰り返す。なんかこの爺さんの屁理屈があまりにもあまりにもなんで、記者や新聞社のバイアスを疑いたくなってきたですよ。

しかし移動でそこまで景色にこだわる少数の乗客は、今と変わらず東海道新幹線に乗ればいいだけのことじゃないですかね。リニア開業と入れ替えで廃業するわけじゃないんでしょ? もっとじっくり景色を楽しみたいなら東海道本線もあるし。

その昔、乗客数がキツキツでダイヤがギリギリだった東海道本線。そのバイパスとして東海道新幹線ができたわけで。そしたら新幹線のほうに人気が集中してキツキツのギリギリになったんで、さらにバイパスとしてリニアなわけで。いやほんと爺さん、新幹線より長く生きてるんならこの流れくらい読めよ。なんかもうただの年寄りの世迷い言じゃないかって気もしてきた。

爺さん、クリント・イーストウッド主演・監督の『グラン・トリノ』を観なよ。自分より若いののやることなすことがいちいち気に食わない、晩年汚しまくりの腐れジジイが出とるぞ。そっくりだぞ。自他ともに不愉快な暮らしの中、人生の弟子がひょっこりできて生きがいを見つけ、最後は弟子に未来を託してかっこよく死ぬんだな(ちょっとイーストウッドの自己満足臭がするけど、ご愛嬌で)。

この爺さんもぜひそうしていただきたい。早死にしろという意味では決してなく、改心は生きてるうちじゃなきゃできんぞという意味で。つかリニアへの噛み付き方はここまで来るとモーロクっぽい感じでもあるんで、やっぱしマスコミ側のバイアスを疑いたくもなったり。ていうかもしかしたら当の爺さん、この記事を読んで「そうは言っとらん!」だったりとか。だとしたら爺さんほんとごめんなさい。

リニア新幹線の赤字シナリオで一番ありそうに思うのが、爺さんが指摘してるひとつ、少子化での人口減。こうなる将来は分かりきってるんで JR 東海も影響を予測してるはずだが、このことについての将来予測と採算性は、JR 東日本はなぜか言わんのよね。んー、楽観してるのかも。

国全体で人口が減っていっても、大都市圏だけはしばらくゆるゆると人口増加を続けそう、とおいらは読んでる。日本の都市地帯の中でも大都市のみ結ぶリニアはもしかして、新幹線に比べて採算性が上がってく一方だったりして。JR 東日本もそう読んでるんだったりして。人口減で真っ先に煽りを受けるのは、東海道本線の短距離便のほうでしょ。これも東北地方の在来線事情が今まさに、東海道の未来を映してるわ。さすがに八戸周辺の惨状にまではならんとは思うがw

安全性についても爺さん、ヘンテコなこと言っとりますな。半世紀前の新幹線デビューのときも、新しい乗り物で未知の危険がいっぱいのはずだったじゃないですか。日本の真似して外国が後から作った高速鉄道はときどき深刻な事故を起こしてるけど、最古の高速鉄道の新幹線は、乗客事故死者数はいまだゼロですよ。運営してる JR グループってもう安全マニアと言っていいほど、正しい臆病者と言えてしまうほど、新幹線の運営に安全対策を次々と作り出しては盛り込んできましたよ。

新幹線って、鉄道という1ジャンルだけでなく、世界のあらゆる旅客輸送手段の中で史上最強の安全実績を誇る乗り物でして。いくつかある運営会社の中で最も長く営業して最も多く黒字を叩き出してる JR 東海が、充分な経験と実績を元に今度はリニアをやるって話なわけで。もう少しくらい信じてあげてもいいのでは?

あとこの記事にはないけど、リニアは新幹線に比べて電気代が3倍だから採算性が悪いっつう意見を聞いたことがある。けどこれも、路線と車体の保守コストが劇的に下がるぶんは相殺できるってこと、なぜか誰も言わんね。線路と車体が非接触だから消耗品がガタ減りして、当然そうなるんだが。トンネルが多いのは温度環境の変化が緩やかってことで、そのぶん内部構造の持ちもいいだろうし。んでその相殺を勘案しないと採算性は分からんのだけどな。

新しいものに疑問や懸念を持つのは分からんでもないけど、リニアにはもうひとつでっかい余録があるんですよ。それは「世界が羨む」。これはコンコルドと同じことだから問題にもなり得るけど、成功すればいいんですよ。実際に日本が始めた高速鉄道は世界中で大成功を収めて、その最古にして最も安全で快適な日本の新幹線を、世界が羨んでますですよ。そして長らく他国と競争状態の「最速」の玉座。これをリニアでぶっちぎって奪還しようってわけですよ。ついに全部取りに王手ってわけで。

という景気のいい話も、安全性が担保じゃないとあまり意味がないわけで。人身事故でもあると、お客は一気に逃げてく。けど宙に浮くとはいえやっぱし鉄道なんで、本質的な安全性は航空機よりずっと高いわけで。走行中にいきなり停電になっても、自動で減速しながら安全に着陸・停止するらしいぞ。そのときは誘導起電の原理で、外部からの電力供給なしで浮上用・ガイド用の磁力が続く。これに必要なエネルギーは前進の運動エネルギーを食って調達。だから停まるまで自動的に減速されていく、というよくできた安全な仕組みらしい。

ま、爺さんがそれでも怖いなら、爺さんが乗らなきゃいいだけなんじゃないですかww

銘板左端銘板銘板右端

列車移動が人気を取る方法って、映画館と同じことのような気がする。見た目が綺麗で清潔でかっこよくて、使い心地が快適なこと。これが集客力と直結すると思う。上に書いた特急 いなほ と秋田新幹線 こまち の在来線区間ってさ、スピードは大差ないんだわ。けどなんてーか、乗った感じの感覚が全然違うんだわ。

おいらが乗った こまち は E3 系で(E6 系デビュー直前だった)実際はそんな新しいものではなかったけど、外装も内装もピカピカ。照明も快適さ重視で考え抜かれた感じ。乗ってて気分が違うんですわ。

いなほ も清潔感が充分にあったけど、内装の設計やデザインの古さと傷んだ感じは隠しきれず、という感じ。乗り心地に問題はまったくなくて快適な部類だけど、こまち の在来線区間ほどではなく。どう見ても超赤字路線なんで予算を回せない事情はあるだろうけど、内装くらいは定期的に、できるだけ今風に改装したほうがいいかなーと思ったですよ。それだけで、時間はかかるだろうけどお客を呼び戻せるんじゃないかなーと。マニアはその古さや傷みぶりにこそワビサビな感慨を覚えるもんではあるけどさ、売り上げのほとんどは、そんなこたどーでもいい一般客だろ。その一般客の趣向に合わせたほうがいいんじゃないかと。

映画館はその方針で、昭和時代に失いっぱなしだった観客を20年かけて取り戻した。おいらは昔ながらの場末感ありありの映画館も嫌いじゃないけど、映画マニアじゃないほとんどの観客は、おしゃれな内装で上映中以外は明るくて清潔な映画館が好きだったと。お金を払ってるんだから、映画館も列車も、ほんのちょっとでいいから、普段じゃ味わえないリッチ&ゴージャス感が味わえるってところが価値なのかなと。安くない追加料金を支払ってまでグランクラスに乗りたい客だってけっこういるんだしさ。

あとは在来線の駅もだな。列車と同じく、すえた感じを消していくことがカギな気がする。

銘板
2013.9.21 土曜
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誤算で悲惨の展開に苦しむの巻

人間関係ネタ。

褒めて立てればこいつはきっと報われる、と信じて接してきた友達が、おいらに対して横柄になっただけだった、ということでちょっと参ってたり。

別に感謝されたかったわけでも、実利的な見返りを期待してたわけでもなかったんだが、おいらを都合のいい手下だと思ったり、イジメても叩いてもいいと侮るようになったり、という誤算な展開になった例が複数ありまして。最近その複数の例が、頭のなかで不意につながったというか。そういうことかと今頃気づいたぐらいして。

それで今、2人ほど距離を置いた付き合いの状態ですわ。街でばったり合ったときは立ち話くらいするけど、こっちから見た心の距離がもうなんてーか。今のとこ、自分からわざわざ会いに出かける気がしないというか。

1人は飲みの席で毎回あんましおいらにひどく当たるもんだから、あるときピシャッとはねのけたんですわ。それまで、相手をそれでも立て続けてたら傲慢になる一方だったんで。その後はもう荒れる荒れる。ますます横柄になってますますしつこく絡んでくるのを全部拒否ってたら、やっこさんついに暴れだして、飲み屋の器物を損壊して出禁を食らってたわ。3年前かな。そのグループの飲み会に、おいらはもう呼ばれなくなった。こっちもそれでいいや。

んで問題の人物とはときどき街で出くわすんですわ。昼間にシラフで。いろいろ世間話するけどさ、態度が明らかに違うんですわ。妙にこっちに気遣ってるというか、こっちに何かツッコまれることを恐れてるというか。

彼は、ひどく酔ったときのことは忘れてしまうそうでして。でもそれ「そういう設定」なんだわ。都合の悪いことをやらかしたときにその設定が発動するっての、こっちは感づいてる。けど向こうはこっちが感づいてることに感づいてないっぽい。てことで、その設定をずっと通して、詫びずじまいでごまかし切るつもりらしい。こっちが感づいてることを向こうも感づいてるのかもだけど、こっちとしてはもうどうでもいいや。

おいらはそんなけっこう前に過ぎたことに今さらツッコむ気なし。厳しい態度で突っぱねたらその後、向こうに態度の改善が見られたし(確認はシラフのときのみだけど)、よく考えたらイジメそのものだったしな。難癖つけてくるやつを褒めて立てるってのは、イジメゴゴロの火に油を注ぐ行為なんだな。相手はその程度のやつだったと今は納得してる。人物の見込み違いだった。あんないいトシでイジメとは。チンピラすなぁ。

てことで絶交ではないけど、力関係に変化あって、おいらにとっては多少快適になったわ。ただ、こういう無益なパワー比べってやりたくないんすけど。穏便なうちに察していただきたかったが、やつにはその能力さえなかったと。やっぱし見込み違いだったわ。

彼は酒の席ごとにおいらに、言いがかり混じりで自分のほうが上だと連呼しては敬意の表明を強要し続けてたんだわ。最後は必ず絞め技。バカだ。そんなことされた相手の心に湧くのは、敬意どころか軽蔑しかない。

次やられたら、面と向かって変態呼ばわりしようと思ってたんだわ。しつこく言いがかりをつけてくるのは、その後おいらの体に触りまくるための屁理屈だろ、なんて意地悪に接してやろうと。たぶんもうそいつと飲むことはない。この用意はめでたく無駄になりそう。

立場の上下と人格の上下を区別できないスカポンタンって、こうして自分の立場を自分で貶めるんだよな。けど、自分が期待どおりに敬われない原因は相手にのみある、としか考えられないからいつまでも解決できない。いつまでも悪化が続く。このやり方で自分の尊厳を求めるほど、周りに嫌われて蔑まれる。バーカ。

もう1つのケースは、長年の間、盟友ってほどではなくともそんな感じのやつで。互いに励まし合ってやってきてた。あるとき、向こう側の、おいらに関係ないところでゴタゴタが発生。そしておいら知らんうちに巻き込まれとりまして。その友達に仇なす人物に、おいらは嫌がらせの道具として使われちまった。

何かあったっぽいなとは思っとった。けど部外者が立ち入っちゃいかん話なんで、おいらはその顛末とかの情報は、友達には敢えて何も訊かなかった。友達も特に話さなかった、とおいらは記憶してる。

しかし友達は事情をおいらに話し済みだと思っててさ、彼は激おこ。おいらが事情を全部知ってて嫌がらせをしてきやがった、そんなやつだとは思ってもみなかった、失望した、お前とは縁切るぞ、と。今まで言われたことも言ったこともないような罵詈雑言を散々にぶちかまされたですよ。

覚えがないとはいえ、おいらがやったことはやったこと。それで不愉快な思いをさせてしまったわけで、おいら言い訳も取り繕いもなしで謝ったですよ。それでも彼の怒りは収まらない。

相手のゴネがネタ切れで堂々巡りに入ったタイミングを見て、こっちからも言ってみた。「話が見えない」と。どうにも噛み合わないところがあるわけで、肝心のそこが「言った言わない」状態になってしまってた。それでも、おいら相手を責めるような態度にならないよう気をつけながら、落ち着いてこっちの記憶を話した。「そのことを説明されたことは覚えてないが、◯月◯日にお前と会ったときの話の内容は覚えてるぞ。こっちからは敢えて訊かないようにした。お前から言うのを待った。その日お前は結果だけを言って、それまでにそっちの内輪であったことは何も言わなかった。その後もおれは何も聞き返さなかった。そこは覚えてるぞ」と。

友達は、どうも予想外の反撃に戸惑ったっぽいけど、いったん強く出てしまった態度を引っ込めるってのは至難の業ですな。そのあとも強い態度は変わらず。その態度のままだったけど、内輪で何があったかは全部教えてくれた。んで結局やつは、捨て台詞でも罵倒を続けたわ。

数日後。やつと逢うことになった。向こうも納得するものがあったらしく、和やかな雰囲気で。おいらも和やかに行きたくて、あらためて謝った。知らなかったとはいえやったことはやったことなんで。親友に対する礼儀だろうと。そしていろいろと楽しく盛り上がって、笑顔で別れたんだわ。

その場で得た情報。

やつは電話のときは、肝心の情報をおいらに伝えた、と強弁してたが、万全の自信ではなかったらしい。あるいは、おいらが利用されてたときの様子から、素で知らない状態なんじゃないか、とも思ってたらしい。

それでもやつは、おいらがすべて知った上でわざと嫌がらせをしてきやがった、と決めて、おいらをコテンパンに罵倒した。そしておいらに詫びさせた。

あと、和やかな会合中、友達は一言も謝らなかった。加害者・被害者の立場で固定されてしまった。異常事態の収拾の形としては、おいらはもうそれでもいいよ。やつの不愉快を取り除けたことが素直に嬉しい。けど、もともとは向こう側の内輪もめで、関係ないおいらがそこに巻き込まれた形なんだが。そして、おいらがもし嫌がらせを分かってやったんだとしても、おいらには何も得るものがないことを分かってもいいと思うが。

ていうかおいらにしても相当に迷惑な事件だったんだが。

さらに、なんか友達、おいらのひどさを他の人達にも言ったらしくてさ。どうすんだこれ。

こいつの中でおいらはそのくらいだったんだな、と分かってしまったよ。親友だと思ってるやつに鬼畜扱いされたのもキツかった。全部済んだ今も、やっぱしキツさが残ってる。

2番目のケースじゃ相手に厳しく思い知らせる的なことはしてない。そういう状況ではないし。もしやるとしたら、こっちから何か仕掛けるっつう狡猾な手にならざるを得ない。この相手に対して、そんなみっともないことなんざする気も起きない。気持ちはかなり醒めちまったけど、「捨ててもいいや」なんてまったく思えないってことだな。それもそれでいいや。見返りを求めて接してたわけじゃないんで。

ほかにもあるけど、気が滅入るから書かんどくわ。

とりあえずすべてのケースで、相手は男だな。女の人の場合、褒めたらおいらを侮るようになったってのはないな。素直に喜んでくれる。

男も、褒めて立てれば伸びる人っているんだよな。んー、目下な人がそうだな。なんとなくそういう目下・目上が出来上がってる関係で、おいらから見て目下な人が相手だと伸びるなぁ。特においらを侮ったりしないし。女性の場合と同じく、喜んでくれて、不安が減って伸び伸びした気分になってくれる。

目上の男はどうもダメみたいだね。ますます調子こいて、それを自分を伸ばすのに使うどころかこっちをイジメて叩いてイイ気分と。まー目上の男でも、そうなるかどうかは人によると思いたいところ。

となるとクセモノは、こっちは対等だと思ってたけど、向こうは密かに、こっちを微妙に下だと思ってた場合かぁ。こいつは見抜けんぞなもし。

銘板
2013.9.22 日曜
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「ずっとオレのターン」な鏡

ダベりの場面で、何かと話の主導権をすぐさまかっさらって自分語り(結果的に自慢話になるようなやつ)が止まんない系の、「ずっとオレのターン」の人について。

このまえ飲みにお呼ばれしたら、そういう人が1人いてさ(おいらは初対面)。止まんない止まんない。これがまた知識豊富なもんだから、誰が何を話し始めても主導権ソッコー奪取で自分の自慢話にすり替えちゃうんだ。

別件で最近、また同じような人と飲んで語ったことがあったりして。話題を何か出すと、イルカショーで餌を出したらすぐさまジャンプで食いついて潜っては自分だけ喜びのバサロキック全開フルスピードみたいな電光石火。話題ごと毎回。

相手を察する余裕がないんだろうな。そしてお2人ともそれぞれ、心を少しお病みの人だったと後から知ったわ。つか、おいらけっこう昔、何年かの間そうだったわ。あの時期は精神的にものすごく参ってた。みんなごめん(涙)

となると、ほかにもいるんですよちょい古い知人で。あいつもそういうことなのかなぁ。上記のお2人は自らの心に関して自覚あったみたいだったけど、あいつはなぁ。絶対自覚ないな。

そういやこの場合は性別問わずだな。

これ系の人たちと飲むの疲れるわー。話したいほかの人達との話がまったく弾まないし。

おいらは飲みでは、普通程度にほかの人の話を聞いて、普通程度に面白がって盛り上げてる、と自分では思っとるよ(ただし若者相手だとついていくのがちょっとキツくなってきた今日このごろ)。

おととい最近行きつけの店で1人で飲んでたら、横浜(青森県横浜町ではなくw)から出張で八戸にいらした方が飲みに来て。八戸への旅が初めてなんでこのお店も初めてというかた。勇気を出して飛び込んでみました、とのこと。地元の人がやってる小さな居酒屋だけど、初めてだとどこでも勇気いるよね。

んで、すげー盛り上がってさ。このかたご気分よろしくなられまして、おいらラーメンとギョーザおごってもらっちったwww むしろこのかたのお話が面白くて、その上ごっつぁんってことで、おいらの方が申し訳なかったのはナイショw

……、

……、

……。

銘板左端銘板銘板右端

自分語りってこの日記の場合……ヤバいなこれww 人様を無理に付き合わせる形じゃないから大丈夫なんだと強制納得中w

そういや横浜からいらしたおかた(おいらの2つ上の男性)、格好はオシャレでも態度は都会気取りなんか一切なくて、おいらなんかを褒めて立ててくれたわ。それもあって楽しく大盛り上がりだった。

相手を褒めて立てること自体はいいと思うんだが。おいらの場合は何が悪くてうまくいかないんだろ。んー、ダサいからかな。今けっこうそれがある気がしてきてしょうがない orz

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2013.9.23 月曜
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共通性

JR 北海道、すごいことになってきましたなー。

脱線や列車火災の背景は、もっと情報が出ないとおいらは想像つかんわ。

けど ATS 装置をハンマーで破壊しようとした件は尋常じゃないわな。ATS に記録された自分のミスを隠滅しようとしたとのこと。前後の見境や分別がなくなったってことで、この前のクロネコヤマトの契約ドライバーの件に近い気がする。集配センターから間違えて運び出してしまった貨物を海に捨てたアレ。

クロネコも JR 北海道も、もしかしてまだ日勤教育やってる?

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2013.9.24 火曜
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仕事ですじゃ

再々就職すますた。前任者が抜けて半年くらい空席になってたところに、タイミングよく潜り込めますたww

なにかとハンコを押す仕事で、初出勤の今日は半年ぶんのハンコを終業まで乱れ打ちww 指の付け根が痛いwww

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2013.9.25 水曜
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クッキリして見えるぶんスッキリしない

JR 北海道の脱線の件、事故現場のレール幅の許容誤差が 19mm のところ、事故後の実測で 37mm だったとか(時事ドットコム様の記事)。脱線の衝撃で 37mm まで広がったのかもってことで、その直前は不明か。でも6月の時点で 25mm で、規定を既に越えてたと。

ちょっと理解できんのですが。線路保守どうなってたんすかね。やってなかったのと同じじゃないかと。

事故後の調査では、計267カ所で線路幅に異常が見つかったっつう報道もあるし(msn 産経ニュース様の記事)。

「JR 北海道は何かがすごくおかしいぞーみんな叩けー」という主張はよく読み取れるんですがね。

しかしマスコミって印象操作で世論をはめ込むときあるしな。去年の今頃のオスプレイ報道にはおいら完全にはめ込まれたですよ。とりあえず今のとこ、JR 北海道はマスコミにとって旬の叩きネタってことくらいならはっきり分かる。

で、北海道ではたぶん普段は、JR 北海道って大口スポンサー様じゃないかと思う。報道はどんな具合なんだべ。やっぱし気遣った感じなんだべか。とりあえず JR 北海道は CM を自粛してると思う(今 CM を出すと逆効果なんで)。そのぶんは報道しやすいかな。けどそのぶんマスコミの広告収入は減るわな。早く復活していただいて、以前のように広告を出していただきたいわな。したらやっぱし、振り上げた拳の高さはそれなりなんだろうな。

それでいいけどさ。余計な雑音を減らしたぶん、問題の正確な姿が報道されるなら。

「こんなことでは困る」なんて小並感な感情論や「原因究明と再発防止の徹底が求められる」なんて大上段から丸投げな抽象論はもう充分。原因については、もう少し突っ込んだ、何らかのまともな情報がほしいですなぁ。

今焦ってもダメだな。この一連の事象の原因調査はたぶんこれからだもんな。マスコミのほとぼりが冷めた頃かな。旬が過ぎてもちゃんと報道してくれるんだろうか。

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2013.9.26 木曜
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「ベ災」にわかに現実味

うはっ そろそろなんですかねベテルギウス超新星爆発。コチラの記事では数カ月以内とか言っとりますが。

今から半年以内だと、北半球ではオリオン座がちょうど夜の領域にかかってよく見えるね。夜のない状態がしばらく続くかも。

爆発まで半年以上かかるなら、夏の時期だと昼間の時間帯にかかるわけで、明るさは、最低でも満月と同等か。太陽の10分の1くらいの明るさなら、たぶん昼間の明るさも特別に感じられるほどなはず。もしそのくらい明るいと赤外線もそれなりに届きそうだね。むちゃくちゃ暑い夏になるかも。

かつておいらが「べ災」と勝手に呼んだ大災害wは、たぶん地球は充分に離れてるんで影響ないでしょ。て感じらしい。是非とも悪影響なしでお願いしたいでござる。あの頃(2009年)と違って、リアルな大災害をもう経験してしまったんで。

つか640光年も離れて太陽と比べられるほど明るいってんなら、そして発光が普通に黒体放射なら、ベテルギウスの表面温度がとんでもないことになるわけで。紫外線とかエックス線とかガンマ線とか、地球の環境や生物にとって有害っぽい短波長の電磁波が濃ゆく混じってるわけで。一応、距離で減衰されるから大丈夫ってことになってるらしいが。

でももし可視光で太陽に匹敵するほどの明るさなら、有害電磁波は太陽が出してる以上に地球に届くことになるわけで。それでも地球大気がかなり吸収するはずではあるけど、ほんとに大丈夫なくらいまで消えてくれるのかよ。

……、

……、

……。

日焼け止めクリームメーカーの株、買い時かww あと塗料メーカーもかな。屋外塗装の色あせが一気に進みそうなんで。

稼働中の衛星・探査機は軒並みヤバいかもな。

衛星放送関連株は下げか。ひまわり8号の製造と打ち上げ準備は進んでるだろうか。だいち2号の打ち上げはちょっと待ったほうがいいか。構築完了したばかりの情報収集衛星コンステレーション、全損の事態への備えはあるんかいな。

ていうか来年は はやぶさ2 打ち上げの年じゃねーか。その前にベ災の電磁波攻撃が片付いていますよーに。打ち上げ窓は1年後もあるから(地球スイングバイなしの直接投入軌道)、1年延ばすのも手かもな。

そういや初代 はやぶさ は観測史上最大の太陽フレアに当たって、太陽電池が劣化したっけ。そしてこれで小惑星イトカワへの到着が遅れて、後々のトラブルの引き金になったっけ。

2代目も似たリスクを既に予約済みってことか。しかも初代のときより深刻になるかもってのがコワイ……。んー、たぶん演算機能は初代より耐放射線性能に優れてるはず。太陽電池は相変わらずヤバいかなぁ。

紹介した記事ではベテルギウス超新星爆発はもうすぐにでも起きるかのように書いてるけど、実際は100年後かも。衛星・探査機の計画はそんなところに賭けるしかないのかも。でも個人的には、1000年に1度級の超レアな天体イベントを生きてる間に体験したくもあったり。

おととしの超巨大津波も1000年に1度クラスだった。今度来そうなやつは、どうか「すごかったねーおもしろかったねー」で済んでいただきたいところ。

銘板左端銘板銘板右端

ベテルギウスってそういえば『ビートルジュース』だったっけね。あの頃のウィノナ・ライダーは神がかり的にカワイかったなぁ。

銘板
2013.9.27 金曜
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初受注のカギ

H-IIA ロケットの商用打ち上げ初受注キターーーーーーー!!(ソース

ふむふむ、静止衛星なんだな。通信放送衛星だもんな。そりゃ静止だわな。んで、「第2段機体を改良する高度化開発の成果を活用」が決め手になったっぽい。ふむふむ。あれで静止衛星の寿命が延びるもんな。

国内官需以外では、既に韓国の衛星を1機打ち上げさせていただいた。あれが呼び水になったかも。三菱重工業にとっても自信になったかと。そして商用は今回でとりあえず1機。これがまた呼び水になればいいですな。前はなぁ、外注の実績ゼロゆえ荷主が鼻も引っかけずに外注を取れないっつう状況で。そのジレンマからとうとう抜け出せた。

H-II の頃から商用打ち上げを目指してはいたけど、今思うと姿勢が弱気だったってのもあったかも。あの時点で、国際商用打ち上げシェア2割を目指してた。各国の競合ロケットの競争力を勘案してのことだったけど、この意味で控え目すぎたのかも。かの「2番じゃダメですか」がダメなのは、1番を狙わないと2番にさえなれないから、というのと同じ理屈。

もうシェアの数値目標なんか考えず、ひたすら受注を取るべく精進を続けるのが一番かと。シェアはその結果でしかないんで。

ただ、今回の受注の決め手になったあの新技はまだやったことないんだよな。打ち上げから遠地点の近くに達するまで5時間かかるわけで。この5時間で、

商業打ち上げ本番前に、いっぺん実際にやってみたいところですなぁ。再々着火だけは軌道上で実証済みだけどさ。

銘板左端銘板銘板右端

2段目高度化での静止衛星打ち上げには、問題点があるような気がする。使い終わった2段目の近地点高度が 1,000km を越えてしまうんで、そのままだと半永久的に軌道を回り続けるはず。この方法で何十回も打ち上げて数がたまっていくと、けっこう厄介なデブリになっちまいそう。何か対策あるんだろうか。

例えば……衛星を分離した直後は遠地点近くなんで、そこで逆噴射をかけると近地点高度が落ちる。衛星がなくなったぶん身軽になるんで、逆噴射もよく効くだろ。エンジンはもう着火できんけど、姿勢制御用のヒドラジンスラスタでできるだけ逆噴射するとか? 近地点高度 500km まで落とせば、100〜200年くらいで大気圏に再突入ってあたりとか? 300km 以内なら50年かかんないかも。

衛星分離後に逆噴射するにしてもしないにしても、2段目の質量をより軽くする方向での改良が出てきそうな気がする。そうなると分離前はそのぶん重い衛星を積めるし、逆噴射の効きも良くなる。

確か H-IIA の2段目はコストダウンのために H-II より重くなってたんじゃないかとか思っとったが。今調べたら同じだったわ。推進剤質量も変わらず。H-II では液体水素(燃料)と液体酸素(酸化剤)の2つのタンクをぴったりくっつけてたのを、H-IIA では間に隙間を空けたんだよな。それぞれ沸点が違うんで、くっつけると間の断熱の設計と加工が大変だったらしい。んで両者を分けて簡略化したと。そのぶん構造材が増えてしまったと。

おいらはそれで H-IIA では重くなったんだと思ってたが。他の部分を軽くして帳尻を合わせたのかな。それじゃさらに軽量化ってのは無理な相談なのかもな。

しかし質量も推進剤の量も同じで、H-IIA では比推力が若干落ちてしまったわけで。2段目は足が短くなったってことですな。1段目も少し比推力が落ちた。けどロケット全体としては性能を維持してる。ブースターの性能アップ、すげー効いてたんだな。

しかし H-IIA のこの方針で高性能化は、2段目で複雑な操作をすることなわけで。ブースターを頑張らせるのもいいけど、効果にロスがある感じ。やっぱし2段目でエンジンの低燃費化か胴体の軽量化がほしいとこですな。設計から20年近く経ってるんで、細かい改良のアイデアなら相当たまってそうだな。ハードルが低いものからちょっとずつ投入するってのはどうかと。

銘板
2013.9.28 土曜
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イプシロンも初受注しちゃってください祈願祭

記事の順番が前後してしまったけど、イプシロンロケットも海外のお客様獲得に向けて動いてるんだね(日経様の記事「イプシロンで外国衛星打ち上げ まずベトナム」)。記事は会員用なんで全文は読めないけど、ベトナムの小型観測衛星の打ち上げ手段として交渉中らしい。

これ確か、H-IIA に載せる方向で話が進んでたと思ったが。

この計画は、日本 → ベトナムの ODA だったはず。そしてベトナムにとって大事なのは衛星であって、それを打ち上げるロケットなんざまともに動くならどれでもいいわけで。どうせ日本が(たぶん全額)支払うんだし。日本側にしても、日本のロケットを使えるんならどっちのロケットでもいいわけで。

今回の記事は H-IIA のカナダ企業からの受注発表より先だったけど、日本政府はカナダ企業のほうの交渉や展望についての情報は、ベトナムとの交渉のニュースが出る前にゲットしてたはず。てことで、「H-IIA はうまいこと商用分野でやっていけそうだから、今はイプシロンの方を助けよう」なんて調整が働いたのかも。

今の安倍政権になって、宇宙分野のこういうのも急に進むようになった感じ。けど民主党叩きの尻馬に乗るつもりではなく。民主の前の自民党時代でも、宇宙関連は政治から冷や飯を食わされ続けてきたんで。民主党は流れをそのまま受け継いだわけで。

あとは宇宙関連予算のアップだよな。好景気の頃でさえ大したことなかったが、「失われた20年」の間にさらに削られ続けてきたわけで。でも「宇宙開発は国の予算をいくらぶち込んでも国や国民に利益を返せない」って感じで日陰者だったわけで。日本の宇宙機マニアとしても、それを言われるとツラかったり。

ただ、今の政権の方針は、海外に向けて日本の力を誇示することに重点が置かれてる感じ。強さで売っていく方針というか。政治力とかもあるだろうけど、日本といえば技術力。この力の誇示。その意味で、宇宙開発に強い国家のイメージを担わせるのは都合に合ってると思う。現時点で直接の稼ぎにはなってなくとも、国家の宣伝材料と割り切れば稼ぎになり得るわけで。

幸い、小惑星探査機 はやぶさ と国際宇宙ステーション補給機 こうのとり がほぼ同時に成果を出した。同時期といえば金星探査機 あかつき はの成果はおあずけ状態だけど、同時打ち上げのソーラーセイル実証機 IKAROS が成功。はやぶさ と IKAROS が成したことは世界初。気分いいですなぁ。国内外でのマスコミの扱いも一気に良くなって、JAXA ここにあり、とばかりに世界的にインパクトを与えたっぽい。

ここらへんは民主党政権の時代に出た結果。各プロジェクトはその前の自民党の時代に採択されて始まったものではあるけど、自民党の頃から既にあんまし関心のない感じで。民主党も無関心をそのまま継承した。むしろ近隣国への気遣いの点で、意図的に無関心を貫いたのかも。

気づいたら時代は回ってた。

近隣国の日本への要求は、年ごと月ごとに常軌を逸する一方。日本と末永く互恵関係を築くつもりではなく、日本に末永くたかり続けるつもりらしいと分かってきた。近隣より遠い国々についても、日本が強いイメージを持つことに対して、意外と抵抗がないことも分かってきた。国によってはむしろ、日本に強いリーダー像を期待したり。かつての欧米の敵国でさえ、第二次大戦に絡めて現代の日本の軍事的脅威をウンヌンするところはもうなくなったと思う。

諸外国にそのやりかたで気遣う必要が減ってきたわけで。方向によっては、気遣うだけ無駄なのが分かってきた面もあって。

ってあたりがいろいろ裏返ってつながった結果が、「日本と仲良くしてくれる国にこそ援助」「援助の内容は宇宙開発で」となってきたんじゃないかと。

宇宙開発で ODA って動きも、日本で始まったのは民主党政権の頃だったような。これ議員さんから出たわけじゃなく、宇宙関係の企業や JAXA やその上の省庁から出てきた要望だったような。

ヨーロッパ・ロシア・中国あたりがもうやってるんだわ。これで自分とこのロケットを使うんだわ。生産・運用ラインの稼働率が上がるだけでも打ち上げ単価が下がって競争力が付くし、実績を積み上げられるから商用打ち上げのお客様にアピールもできる。国のイメージづくりっつうよりも、自国の宇宙産業の保護・育成ですな。関連する官民が手を組んで、「外国の官需を政治家先生が外交で作って持ってきてくれ」っつう感じで。

ちょうど民主党政権の時代に、日本の宇宙開発がモノになってきたってことかな。

日本がベトナムに売り込む件も、民主党政権の頃から動き出してはいた。そこを考えると、今の自民党政権はタイミングが良かっただけにも見える。しかし原発の海外売り込みが震災の事故でグダグダになったのをまとめたのも、長年の悲願だった新幹線フルセットの海外受注がインドで決まりそうなのも(台湾では車両と運行のみ日本が担当。線路はヨーロッパ)、今の安倍政権になってからだな。

これで考えると、ベトナムの宇宙開発を ODA で援助する話、民主党が今も与党だったら、もっと時間がかかったり、立ち消えになったりだったかも。なんて考えは、今いろいろ大変そうな民主党をいじめすぎかな。

衛星打ち上げの東南アジア市場はしばらくは官需のみだろうけど、日本のいいお得意先様になってくれそうな気がする。親日国が多いのもそうだし、あのあたりの国々は地理的に、打ち上げに適した条件がなかなか揃わなさそうだし。

フィリピンとインドネシアとマレーシアは静止軌道には行けそうだけど、極軌道は難しいかも。マレーシアは北向きで極軌道に打てるかな。けど対岸が中国じゃ失敗のリスクがコワイかも。インドシナ半島で一番条件良さそうなのはベトナムだけど、南シナ海はロケットの部品を落とすにはちょいと狭いかも。てな感じで、帯に短しタスキに長し状態。

しかし日本って立地がラッキーだよな。内之浦と種子島、2つの基地のどっちからでも、南にも東にも打てるんだもんな。ロシアの都合に合わせた国際宇宙ステーション軌道(軌道傾斜角56°)も OK。軌道傾斜角が30°より小さい低軌道は無理ではあるけど、その軌道が必須な需要はほとんどないし(たぶん皆無)。日本からの打ち上げは静止軌道投入でロスがあったのがネックだったけど、H-IIA 高性能化でロスを減らしたら、カナダの放送衛星企業がお買い上げくださった。

ちなみにイプシロンは小さすぎて静止衛星打ち上げに使えないと見せかけて、実は N-I ロケットと同等の能力だったりする。130kg くらいの小型の静止衛星なら行けるはず。H-IIA で混載したほうが安く上がるんだけど、いっべんやってみせれば、チャーターにこだわるお客(海外政府系とか)に人気が出るかもね。

それでも 130kg は小さいな。イプシロンは後で能力増強かけるみたいだから、それで N-II と同等くらいまで行ければ(静止衛星質量 350kg)需要も広がるかと。N-II の低軌道打ち上げ能力は2トンなんで、こうなると実は M-V の能力に追い付くことにもなったり。

M-V と同じ性能で打ち上げ単価が30億円を切ったりすると、なんかほんとに低価格なロケットだなーって気がするよ。ってロシアの同クラスの ICBM 転用ロケットは15億円くらいらしいんだけど、最近のロシアは数あるロケットでまんべんなく打ち上げ失敗がかさんでるから、客が逃げていってそうな気がする。

あちらさんのブツは軍縮で要らなくなった ICBM なんで、値段じゃもともと勝負にはならんくて「ズルいなぁ」と思っとった。けど相当古いわけで。経年劣化してる部分もあるわけで、状態のいい順から使ってるらしい。となると状態の悪いものほど長く置かれて、本番までにもっと経年劣化が進むわけで。これからはメンテナンス費用が嵩んでいく一方のはず。

古くて性能や信頼性の低いところは、ロケット本体でも地上設備でもアップデートが必要だろ。飛ぶ系の乗り物は、部品ひとつを替えるごとに全体で整合性をチェックしなきゃなんないらしいぞ。そして設計の古さゆえ、運用で人件費がかかる面もあるだろ(イプシロンはそこを削りにかかってるわけで)。人件費無視のソ連時代の設計だもんな。

と考えると、イプシロンはロシアのバカ安ロケットより高いけど、ロシアン小型ロケットはこれから勝手に高くなっていく気もする。そして今のペースで打ち上げ失敗が続くと、もう安さもそんな武器にならなくなる気がする。

イプシロン側は開発目標を着々と実現しつつ、ロシアほど打ち上げ失敗しなけりゃいいってことか。そして、もっと円安になればええですなぁ。

欲を言えば、30号機くらいまで失敗なしで行ってほしいところ。使用実績のある各段を寄せ集めた形なんで、まったく新規のロケットよりは不具合が出にくいとは思うが。

この段階で失敗を恐れるのは、H-II の時代にちょっとアレなことがあったから。その時点までの好成績(旧 NASDA のロケットは H-II の5回目の打ち上げまで失敗知らずだった)をもとに、アメリカの複数の衛星メーカーが大量発注をかけてくれたことがあったんだわ。そのとき開発中の H-IIA を使うことで。直後、H-II がまさかの2連続失敗。契約文書ではまさにその条件で解約できることになってて、契約全部解除。

もろに「逃げられた」形。H-IIA は海外受注スッカラカン状態でのデビューを余儀なくされましたとさ。そしてデビューから10年を経て、ようやく韓国の衛星1機を打ち上げましたとさ。うまくいってりゃ衛星20機以上のバックオーダーを抱えて嬉しい悲鳴だったはずなのに。

銘板
2013.9.29 日曜
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Art of Illusoin 3.0

知らぬ間に、Art of Illusion の ver 3.0 が出てましたですよ。最近、更新頻度が上がったような……。新しいブツをまだちゃんと確かめてないけど、パッと見て、アニメーション窓枠の左側に再生・停止みたいな大きめなボタンとスライダが入ったね。これレンダー前に、レンダー後のプレイヤーみたいに再生できるってことかと。かなり便利になった感じがするような。

バージョンのでっかい番号が変わったんで、たぶんほかもいろいろ改良されてると思う。

マニュアルは今のとこ 2.9 対応のままだね。だったら勝手日本語版もしばらくそのままでいいね。

骨を取り付けられるのは単一のオブジェクトのみってのは、今の仕様はちょっとなーと思ってるんだが。パーツごとにオブジェクトを作ったら、演算ツールでくっつけなきゃなんないわけで。くっつけると、テクスチャ設定も平滑化設定もぶっ飛んでしまってさ。なかなかツライものがあったり。ほかの 3D CG ソフトじゃここらへんどうかしらんけど。

あとオブジェクト形状の詳細をいじるときはそれ用のウインドウが新しく開くんだわ。これ、いったん閉じて開くと表示設定が初期化されててさ。ちょっといじって出来栄えを確認して……ていうのがけっこうな手間だったり。オブジェクト操作ウインドウを開いてるうちはファイル保存できないしな。安全のためにファイルを保存するときは、何が何でもオブジェクト操作ウインドウの設定を捨てなきゃなんないという罠。

テクスチャを貼るのもなかなかめんどくてな。一様テクスチャならなんともないが、画像テクスチャは位置決めが大事なわけで、今の設定ウインドウはそこらをちょっとやりにくい感じで。これも貼っては基本ウインドウで見直して……の繰り返し作業でさ、この設定ウインドウもまた、閉じて開くごとに仕様が初期化されちまうんですわ。

フリーウェアなんで文句を言っちゃいかんのだけど、繰り返し作業のループ回数を減らしたり、1ループの行程を減らしたりしていただけないかと。3.0 でそこらへん少しでもどうにかなってるといいなと。

リリースをときどき見てきた感じ、1.x までは機能を追加していくことがメインだった感じ。2.0 以降は、じわじわと使い勝手や完成度に手を回してくれてる気がする。 3.x シリーズでは恐らくアニメーションの機能追加が多くなるんじゃないかな。オブジェクト同士の接触の判定や反発の動作が簡単にできたりとかを勝手に希望。もしこれが実装されると、「歩く人」のアニメーションのチュートリアルなんかかなり簡単になりそう。現状ではオブジェクトの位置決めの方法がなかなか複雑でして(汗)

そして、きっと従来機能の使い勝手の改良も続くと、これまた勝手に期待しちゃおっかな。

銘板左端銘板銘板右端

今回 3.0 のリリースに気づいたのは、このまえゲットしたノート PC の INSPIRON にインストールしたもんだから。今も Vine Linux のまま。FreeBSD の時分はソースコードをいちいちコンパイルしてた。バイナリファイルのインストールだとめちゃめちゃ速いなぁ(しみじみ)。しかしコマンドコンソールでの操作が必要なのであった。

インストーラ(Perl ファイル)、アクセス権をいじんなきゃなんなくてさ。chmod コマンドだってのは覚えてたけど、属性の設定方法は忘却の彼方で。しかもファイルの中身を一部書き換える必要があって。vi の使い方も全然思い出せんくて、お教えサイトを見ながらやっとでしたわ。そしてシェルスクリプトの実行。やったことなかったw インストールの手順には単に「実行する(Execute)」としか書いてないし。

そういや Unix 系って以前から往々にして「このくらい分かるでしょ」て感じだったわ。ズブの素人には今もいささか敷居が高い感じ。分かんなくても検索すれば情報はけっこう出てるけど、なかなか根性が要るわけで。おもっきし無料なのに Mac よりシェアが少ない現実、分からんでもない気がする。あんまし本気で普及させる気がなさそうというか。

Java インストールも無事に済んだし(AoI は Java プログラム)、今度は Libre Office でも入れてみるかな。って GIMP まだ入れてなかったわ。つか GUI に KDE を使ってるんだけど、KOffice はバンドルじゃなくなったんだな。Libre の前に KOffice を試してみるか。Java じゃないから動作が速いかも。

銘板
2013.9.30 月曜
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ひこうきとばしつづけたいってことかな

最近新聞で見た記事でさ、東北各県への観光の客足が、震災前に比べて国内の旅行者は戻ってきてるけど外国人があまり戻ってない、とか出てた。まー外国の人は東京巡りのあと、福島県を通ってこっちに来たくはない人がまだ多いのかもね。あの原発の名前に「福島」なんて入ってるもんだから、あの巨大な県土全部が危ないかのような誤解を世界に与えてしまっとりますなぁ。原発に地名を入れるのって、これからは考え直したほうがいいと思うが。

とりあえず国内からのお客さんが東北に戻ってきてくれたのはありがたいっす。ぜひぜひ八戸もお寄り下さいませー。よろすくおねがいすますー。

今は『あまちゃん』のおかげで久慈にお客さんがなだれ込んで、ついでに八戸にも来てくださったり、という流れもあるみたいす。ほんとありがたいだす。

んでその記事、だからってんで地元自治体それぞれが、韓国への観光売り込みの強化を図るみたいな内容でさ。

んーどうなんだろ。なぜ今韓国からのお客を狙うんだ?

……、

……、

……。

新聞、まだ韓流ステマしてんのかな。

……、

……、

……。

それとも自治体はほんとにそうするつもりなのかな。しかしなんでまた韓国を狙い撃ちなんだと。

……、

……、

……。

あれか。地元空港のステイタス確保のために国際線を維持したいってやつか。てことで客数を確保したいってやつか。そういや青森空港もソウル便の維持のために、かなりいろいろやってるみたいだしな。韓国の旅行会社の人を連れてきていろいろ観光案内して取材してもらったみたいだし。

ほかにも、空港の出資か何かでつながりのある地元企業で、トップセールス賞の賞品が韓国旅行だったりとかさ。それで最近向こうに行って、ハニトラに引っかかった人いるっぽいww アニータとセニョール千田みたいなことになんなきゃいいがww

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