ひとりごちるゆんず 2005年6月
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2005.6.1 水曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 番外 1: かけもちずんだもち 〜

5月16日のドキモエメドゥーサ『車の空腹・人の空腹』でご紹介申し上げた ずんだもち のキャラ ずんだくんもちこちゃん って、なんか「前にどこかで見たことあるよな〜」と思ってたんだけど、

彼ら、似てない?

ずんだもちの方もやなせたかし先生の作なんだろうか。もし万が一パクリだとしたら、ずんぶん大胆なところから持ってきたというか (^^;)

まぁ、こういうのは「この路線で行こう」という大もとの着想が同じだった場合、仕上がりも自然と似てくるもんなんだろうけど。

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2005.6.2 木曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第三章 1: 上野の星 〜

11:09 米沢発の山形新幹線つばさに乗車して、無事走り出したところでメール打ち開始。昨日一緒に飲んだ2人(スカGと花屋の嫁)と、これから会う2人(オタケンとレイコ)に。

と思ったらおもっきし圏外なんですが。列車は山形−福島県境に向けて登坂中。こりゃ福島に出るまでずっと圏外っぽいですな。

実際、峠を越えて福島県に入ったらいきなりアンテナ3本立ったぐらいにして。山形県サイド、沿線にいくつか集落もあることだし、どうにか圏内にならんのかねぇ。もしかしたら地上は実は圏内なんだけど、トンネルが多いせいでずっと圏外表示なのかもな。

福島駅で Max やまびこと連結。ここからはトバすぜ〜。でもさ、山形新幹線に使われてる 400 系や E3 系の車両って性能的にはほんとはかなりのスピードを出せるんだけど、単独走行時は在来線で最高 130km/h しか出しちゃいけない。東北新幹線のレールを走る時は最高 240km/h の遅い車両と連結されて、そっちに合わせて 240km/h しか出せない。客としてなんか損してる気がするんだよなぁ。そこらへんどうにかなんないもんなんでしょか JR 東日本さん。ていうか相方の E4 Max がいまどき最高 240km/h という、東北新幹線開業当時のままってのが納得いかないんすけど。260km/h くらいにでもならんですかね。

移動中、東京での仲間をもう少し募ってみることにした。そうだあいつとは3年くらい会ってないぞ。ハンドルネームは「愛娘」ってことにしとくか。八戸出身のくせに八戸じゃ会えないというなかなかもどかしいやつなのだ。なんで八戸で会えないかっつうと、とりあえずこの愛娘、東京在住で、八戸に帰省するとお父様が溺愛するあまり自宅軟禁状態に持ち込まれてしまい、外に遊びに出られないってやつで。んで、結局おいらが東京に行くほうが会える確率が高くなる、っつうわけ。

それからそれから、ぶんのおやどぶんちゃんにもメールで連絡入れるべ。

……、

……、

……!

おおっ! ソッコーで返信@愛娘キタ━━━(・∀・)━━━!! 晩メシ参加 OK 出たぞヤター!

そんなやり取りしてる間に上野に着いたけど、ぶんちゃんの方からはまだ連絡なし。仕事かな? みんなが休むときは忙しい系の職種だしな。

オタケンとは2時に秋葉原の電気街口で待ち合わせ。山手線に乗るべく新幹線改札を出て、常磐線・上越線特急改札口前を通りかかったとき、心に浮かんだ曲は『星の王子様』。

♪頭の真上に 星がある

上野駅が改装した折にでも、このお星様はこの場所で輝きだしたんだろうなぁ。でも背景が殺風景気味なのがちょっと…… (^^;)

秋葉原到着は13時30分頃。しかしこの迷路みたいな駅、どう行けば行きたいところに出られるのかいまだによく分からん。山手線ホームから電気街口に出るのに、案内表示に従ったつもりで、いったん上の階の総武線ホームに出てから階段をひたすら降りて1階に出て、そこから電気街口に向かったんだけど、ちゃんとした近道があるような気がして。それにしてもアキバの駅の1階の工事、ようやく終わったんだね。明るくて広々してて快適快適。

オタケンとの集合時間の14時までは、秋葉原デパートのところの、電気系の小さいバーツ屋さんがずらーっと並んだあの通りを散策。しかし、というかやっぱし、買えるものがない。電気・電子の素材屋だもんな。何か買っていろいろ作ったりしたい、という願望はあってもなぁ……知識もないし、学ぶにしてもどこからどう手をつけていいやら。この中に1軒だけ本屋さんがあるんだよね。そこで電気回路に関する本でも買うか、と訪れたら、

「5月4日、5日は休ませて頂きます」

うむー。

さてそろそろ落ち合う時間だ。おお、オタケン、ここだここだおーい! よしではオタケンがオタの能力をフルに発揮して探り当てたオススメのメイド喫茶に、いざ出陣!

つづく

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2005.6.3 金曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第三章 2: アキバの深部へ 〜

いざ出陣! の前に、景気付けに この人たち の演奏聴いてくべ。アキバの駅前にいっつもいるよなこのペルーバンド "Rupay"。ずずずいいいいっと前の方に行って『コンドルは飛んで行く』を堪能してたら、売り子のおねーちゃんが CD を何枚か持って近づいてきた。いや、今日はいいですよ。前に秋葉原に来たときそれ全部まとめて買ったから(笑)。いやマジで。

ほんじゃあらためて、メイド喫茶に出陣!

ほほう、ホコ天の大通りを渡って、さらにその先にあるのかね。そういやこの大通りより向こうのエリアって行ったこと一度もなかったわ。初体験。いや、東北の片田舎の市街地ってのは大抵、メインストリート1本で完結してるもんだから、秋葉原に来ても駅周辺と大通り沿いのみで満足してしまって、そこから先のディープなエリアに気が向くことがなかったわ。

ここらへんにもいろいろパソコン関連の店が多いんだね。なんか露店でも中古 PC 売ってるし(笑) ちょっと覗いて行こうよ。ちょっとだけ。うん。時間もまだあるしさ。さっきさ、Rupay が演ってた近くの店で Celeron 450MHz の中古ノートが2万くらいで出てたけど、八戸で買うより絶対安いよ。おお、ここらへんの店も、軒並みそういうマシンを揃えとるではないですか。中古 iMac も表通りや駅周辺より少しお安いでごんす。ん〜今まで東京に来る度になるべくアキバに寄ってたんだが、こういう区域があるとは不覚にも知らなんだ。今度来る時はこの地区を徹底的に探検するべ。

それにしても「萌える趣都・アキバ」って言うけど、おいらの目から見ると、やっぱし電化製品・コンピュータ・電子部品の街にしか見えない。ほんとにこの街に「萌え」が根付いてんのか? ほんとにここでメイド喫茶が人気絶頂なんか? どうも今ひとつピンと来ない。でもそっち系の人間の目から見るとこの街は、そっち系に見えるのかもしれんなぁ。

いろんな PC 屋の前を通りすがりざまに覗き込んだりしつつ、我々は進んだ。オタケンの片手にある、メイド喫茶攻略本に従って。

んでその攻略本を一晩で完全読破したオタケンによると、まず、店内での写真撮影は原則禁止がほとんど(ガビーン!)。この手の店は平日は暇だけど、祝祭日・休日は行列ができてけっこう待たされるから覚悟しとけ(ガビガビーン!)。それと、「お帰りなさいませご主人様」は別系統の店(フーゾク系?)らしい(ガビガビガビーン!)とのこと。

……、

……、

……。

まぁよい。そうそう自分の都合通りいくとは思ってはいなかったよ。いや、そこまで外れるとも思ってなかったけど(汗)。けどとにかくどんなところなのか、それを見に行くだけでも価値がありそうじゃあないか。せっかく来たんだしさ、物見遊山の気分で気楽に行きますか。と口ではそう言いつつ、萌える情熱はまだ消えてはいなかったりした (^^;)

しかしやっぱしどう見ても、おいらの目にはここは電機・電子の街にしか……。どうもイメージ合わんのよなメイド喫茶とは。しかれどもこの地は我が未踏のディープアキバ。先入観は捨てるべし。でもやっぱどうしても……。

つづく

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2005.6.4 土曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第三章 3: 指の悔恨 〜

「ゆんずここだ。とりあえず第1候補」

その店は、大通りから向こうのごみごみした妙に魅惑的な路地を突き抜けて、さらに別な大通り沿いを少し歩いたところにあった。

ほほう、階段を上った2階にあるのか。……って、

すげぇ並んでやがる!

とりわけクソあちぃ日でもなかったけど、こんな日なたに、いつ入れるのか分からんまま並び続ける堪え性なし。八戸人は並んで待つのが大嫌い。次行こ次。しかし、こういうせっかちな性分って江戸っ子が本家だったんじゃないのかねぇ。現代っ子の江戸っ子さんたち、よくこんなに並んで待ってられるなぁほんと。

オタケンの案内した次なる候補店は、駅方向へ少し戻ったゴミゴミ系ストリートの中にあった。さっきの店と同じくビルの2階なんだけど、向きが逆だから日陰で楽そう。ここも待ち客が階段にけっこう並んでるけど、さっきの店より少ないし、

よしゃ。ここにすっか。

なんとなく店名は伏せさせて頂きます。

待ち客を眺めてみると、そんなオタクオタクした人たちばっかじゃないのね。普通のあんちゃんって感じのが多くて。女性グループもいるし。路線はあくまでも「キュート萌え」で、お色気はそんな狙ってないってことかもな。まぁそこらはおいらたちも納得済みさね。

で、ダベって待つこと数分、上でドアが開いて、予約伺いのメイド(服のウェイトレス)さんのおな〜り〜。おおお、ほんとにメイドさんの格好してるっすよ! このウェイトレスさんが待ち客に伺う内容は、待ち客グループの代表者の名前・人数・それと喫煙席か禁煙席か、あるいはどっちでもいいのか。で、それを訊いては手持ちのボードに書き込み、帰る客が出たらちょうどいい条件のグループを招き入れるという、まぁ整理係だな。

このときのこのメイド服ウェイトレスさんとおいらたちとの位置関係がまた微妙で。相手は2階。階段は180°の踊り場がひとつあって、おいらたちは階段の一番下。つまり彼女のほぼ真下なわけで。彼女のメイド服ってフレアのミニなんですな。いや、なんか、「見ちゃいかん」とか思ってさ、それでも目が行っちまうわけで、軟弱なおいらはその辺の接点を探り、「中身を見ちゃいかん」と自分ルールを変更してみた。そこに見たものは、ガーターベルト吊りの白い網ストッキングに包まれた見事なおみ足。

正直すげぇグラッと来た。

撮影しちゃおうかと思ったけど、アングルがアングルなんでモロにパンチラ隠し撮りなわけで、激しく卑屈な気がしてやめた。おいらが女の子を撮る時は、原則として相手の了承を得ることにしておる。そこらには誇りを持っとるだよ。それにオタケンの攻略本によると、この店は撮影禁止だしな。

そんな葛藤の間にも彼女は待ち客を整理して、店内からは先客がパラパラと出て行く。その度に列は少しずつ進む。少しでも速く歩を進めるコツは、「禁煙席か喫煙席か」と訊かれたら「どっちでもいい」と答えることにあった。まあ当たり前だけどさ。「喫煙席」と答えた人たち、けっこう待たされてたもんな。ということで、おいらたちもとうとう2階の床に上がった時点で彼女に質問され、答えは当然「どっちでもいいです」。

その瞬間、やっばしおいらは我慢できなかった。

撮りたい!

わざわざ東北の最果ての地から来た以上、なんか記念に撮りたい!

だって、だって、かわいかったんで(笑)

こういうのって意外と「訊いてみるもんだ」ってことがあるからな。一応訊いてみた。自分のケータイを指差しながら。「あの〜写真撮っていいですか?」。

「申し訳ございません。店内は撮影禁止となっておりますので……」

あり? いやあの、おいらとしては「あなたを今ここで撮ってもいいですか?」のつもりだったんだが (^^;) ……いや待て!「店内撮影禁止」ということは、

店外でなら撮っても問題ないのでは!?

よしゃ。「ここ(店の入り口の前)でなら OK」なんだな!? もうこれ撮影許可と見なすぞ。訊いてみるもんだ〜(←ご都合主義)。誇りとか男らしくないとかそういうのどうでも良くなっただよ。卑屈でも何でもいいや。

シパターン!!(我がケータイが開く音) ポチットナポチットナ!!(我がケータイをカメラモードにする音) カメラの起動を待って……、

今だ!!!

ヤター撮ったり〜!! ……って、あの……、例のステキなおみ足を微妙に隠すこの邪魔な物体は一体……

あ、自分の指だこれ _| ̄|○

我が心の葛藤が見事に反映された一枚と相成りましたとさ。

つづく

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2005.6.5 日曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第三章 4: 店の旬・客の旬 〜

我々探検隊は、ついに伝説の地へと足を踏み入れた(故・川口浩風)。その瞬間、あの歌がまた頭をよぎった。

  ♪私の青春を返せ!
   輝くときめきを戻せ!
   捧げて尽くした月日をさぁよこせ!
   「45歳の地図」/ 爆風スランプ

サンプラザさん、おいら、おいらとうとう(涙目)。そして、メイド姿のウェイトレスさんを先頭に、一列縦隊で席に案内されるまではこの歌。

  ♪若い力と 感激に
   萌えよ若人 胸を張れ 「萌えよ」…… (^^;)

ちゃくせ〜き。向かい合わせの2人用のテーブルなのだ。店内がよく見える向きの席は、この度のメイド喫茶ガイドをまっことよく務めて下すったオタケン殿にお譲りいたし申した。隣の4人がけテーブルにも、別の4人グループが同時にちゃくせ〜き。

……、

……、

……あの、

……、

……、

……満員で大忙しなのは分かるけど、

……、

……、

……全然注文取りに来てくれないんすけど。

……、

……、

……お冷やさえ来る気配ないんすけど。

10分くらい待ったかな。でも店内で待たされるのって外で待たされるより長く感じちゃうような。そろそろ強引に呼ぼうか、とオタケンと相談してた頃合いに、隣の4人様の方であんちゃんが1人が立ち上がった。

「すいませーん! 注文取りにきてくれませんかぁ〜? ここと、それからこちらも〜!」

おお、おいらたちのテーブルまで含めてくれたぞ。あんちゃんどうもありがとうな。2人して隣のテーブルの英雄に礼を述べつつ頭を下げると、彼ら一同は「なぁにお互い様よ」みたいな頼もしい笑顔を返してくれた。なんか、こういう場所って仲間意識みたいのが芽生えるのな。初めて知ったよ。後ろめたさの分かち合いがそうさせるんすかね。とはいえ女性や男女混成の客もいたから、そこまでディープな後ろめたさでもないんだけど、まぁ我々6人は全部男なわけで、やっぱある程度の後ろめたさによる結束みたいなものが、確かにそこに存在したね。うん。

そうしてようやくお冷やとお品書きがやってきた。客数に対して明らかに人手不足なこの喫茶店、メイド服姿の可憐なウェイトレスさんは我々の注文を待つ間もなく、別な客の待つテーブルへと急いで行った。んではゆっくりメニューを決めますか。ここはひとつ、普段は何となく恥ずかしくて頼めないパフェ〜をいってみるのだ。目にいいというブルーベリーのパフェ〜に決めたっ。ちなみにオタケンも何らかのパフェ〜(笑) すまん、何のパフェ〜だったか忘れたよ。別に教えてくれなくてもいいぞよ。それは君の心にしまっておき給え。まぁいったんウェイトレスさんが来たから、じきに「ご注文はお決まりですか」と来るだろ。

んでまぁ一段落ついたところで客層を見回してみると、おいらたちも含め、みんなグループで来てる、ということに気づいた。

オタケンと共に達した結論:

「ここに1人で来れる客はサムライ」

例えばさっきの階段で待ってるときなんか、待ち客グループの代表者の名前・人数なんかを伺うわけよ。そのときウェイトレスさんに「松平様お一人様ですね」なんて確認されて、列に並んでる他の客たちからの驚きの視線と押し殺したドヨメキを意識せずにいることなどできようか。いやできない(古語直訳風)。

ほどなく注文伺いが来たんで注文したけど、あくまでも普通の喫茶店な言葉遣いでさ、別にメイドさん的じゃないのな。メイドさん的な言葉遣いってのがどんなもんなのか具体的にはよくわからんけど、何かそういう新鮮さを期待してた割にはあまりにもあっけなくて、肩透かしって感じでしたわ。

店の内装もなぁ、照明が白熱灯主体なのはいい趣味だけど、壁が全面アイボリー一色ってどうよ。奥の方の壁に、「メイド服姿のアニメっぽい絵」なんつう萌えオタなパネルが3枚並べて掲げてあったな。それと別の壁には黒板。「二周年感謝祭」とかいろいろカワイく書かれてたけど、その他はのっぺりアイボリー。白熱灯の照明も、天井に備え付けのレール配線(デパートの催事場によくあるやつ)に取り付ける形のやつで、内装にカネかけた形跡がない。

「旬が過ぎたらいつでも撤収しまっせ」という店側の算段がそこに見えちゃって、さっきのフツーの喫茶店的応対といい、なんだかちょいと心にすきま風が吹いてきた。それと、本物のメイドさんってきっと忙しい仕事なんだろうから、テキパキが命だと思うのよ。状況に応じた適切な段取りと遂行。そこらへんまでバイトの若い女の子に表現できるわけでもなく、どうもその点も、おいらの中でメイドさん気分があんまし盛り上がらない原因のひとつっぽい。

でもさ、八戸でよく昼飯を食いにいく喫茶店があってさ、客席数はこのメイド喫茶の半分くらいで、昼メシ時の満員の中、料理人さん1人のウェイトレスさん2人で余裕で切り盛りしてるんだわ。このメイド喫茶、ウェイトレスさん4人はいた。もっといたかも。やっぱメイドはただのコスプレか。米沢の上杉まつりの後に、鉄砲足軽が信号を待ちながらケータイいじってたのを思い出したよ(笑) あれは一仕事終わった後だから OK か (^^;)

……そうだよな。要はメイド姿に「萌え」ならそれでいいんだよな。それがメイド喫茶の役割なんだよな。この時はなんでなのかよく分からんかったけど、そんな理由で醒めてしまってる自分。『あずまんが大王』好きなオタケンでさえそう感じてるらしい(ちなみにやつのカノジョもあずまんがファンらしい)。

メイドの衣装ってのも、数分間で見慣れてしまったら特にどうってことなかったりして。2人して語り合った。

「学生の頃だったら、あのメイド服姿だけで萌えてたよな」

「絶対萌えてた。ていうか『萌え』」って言葉、当時なかったけど」

「あと、おねーちゃんたちみんなオレらには若過ぎ」

「……うん」

スプーンですくったパフェ〜を口に運んではため息をつく我々は、その場では「もう旬が過ぎた人たち」そのものだった。「『旬が過ぎたらいつでも撤収できまっせ』という店側の算段」どころか、自分たちが既にそうだったとは。

『45歳の地図』の歌詞は上述の後、こう続く。

  ♪朝日のように現れて
   夕日のように消えて行く
   青春よそれじゃあんまりだぜ!

つづく

銘板
2005.6.6 月曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 番外 2: 次の旬 〜

というわけでメイド喫茶に今ひとつなじめなかったおいらだったが、それをヒントにこういうのを考えてみた。

執事喫茶

ウェイターさんが執事コスプレ(もちろん初老の男性)。そういうのだったらなじめそうな気がする。お約束として、ウェイターを呼ぶ時は、テーブル備え付けの呼び鈴を振って鳴らしながら「ジェイムズ! ジェイムズ!」(チャップリン派)あるいは「アルフレッド! アルフレッド!」(バットマン派)。そしたら背筋を伸ばした初老のウェイターがツカツカやって来て、「お呼びでございますか旦那様」(女性なら「お嬢様」)。

設定は「その家に、自分(喫茶店の客)が生まれる前からいる執事」っつうことで、時々、余計なお世話なことを言ったりもする。

「旦那様、そのようなお召し物では庶民と同じに見られますぞ」

「先代の大旦那様は、お連れの女性にはもっとお優しゅうございましたぞ。嘆かわしや」

うむ、なんかいいなぁこれ(とりあえず企画に自己満足)。

客側の実質的メリットとしては、普通の喫茶店じゃ紅茶はなんとなく「女の飲み物」的で、男の客は頼むのにちょっと気が引けるけど、執事喫茶だと遠慮なく紅茶を飲める。紅茶党の男性にウケることこの上なしだ。

そこまではいいとして、場所はやっぱ秋葉原? (^^;)

あと、内装にとんでもなくカネかかりそう (-o-;) いや、背景はもろに書き割りとかハリボテにしちまうと「なんちゃって感」の演出になって、かえっていいかも。

銘板
2005.6.7 火曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第三章 5: 棲息域限定居酒屋 〜

会計のメイド服ウェイトレスさんには笑顔を見せながらも敗北感を胸に秘め、我々はメイド喫茶を後にした。で、階段を下りきったところで、来るときに見過ごした、同じビル内の別の店の看板が目に入った。

コスプレ居酒屋 LittleBSD

これ、メイド喫茶以上にアキバじゃないと成立しない企画だよな。ていうかアキバの中でもごく一部の人にしか通じないだろ。

野暮だけど一応解説すると、"BSD" ってのは "Berkeley Software Distribution" の略。"Berkeley" はカリフォルニア大バークリー校。この大学が Unix の開発ライセンスを取得して作り上げて、仕様を無料公開したのが 4.3 BSD だか 4.4 BSD だかいう OS で、それをもとに、おいらが知る限りでは4つの BSD 系 OS プロジェクトが開発・無料配布されてる。

この中での代表格、FreeBSD のマスコットキャラが「デーモン君」っつう悪魔なんですわ。写真の上の方、読みにくいけど「小悪魔の宴」って書いてあるしさ、看板のデザインもそこらへんを意識してる。下の方のシルエット画から想像するに、たぶんデーモン君のコスプレしたおねーちゃんが酒やつまみを運んでたりするんだろう。

FreeBSD が代表格っつったって、Mac はおろか Linux よりずっと知名度・普及度が低いわけで、まして世の大半を占める Windows オンリーのユーザの方々にとっては、何のことやらさっぱりなんじゃないだろうか。

そこらへんを分かった上で楽しめる客って、やっぱこういう店が出てる以上、秋葉原に一定数以上いるんだろうなぁ。電脳の都・アキバって懐深いわほんと。ていうかデーモンコスプレのウェイトレスさんが、自分の格好がどういう由来の何なのかを理解してるかどうかの方が気になったりする。

ていうか Linux マスコットキャラ(ペンギン)の方がどっちかつったらかわいいし、客候補(ユーザ&Linux の名前くらいは知ってる人)の数も多いような気がするんだが。もうとっくにあるのかもしれんな。

探せばもっとすごいのあったりして。

  おふくろの味 BeOS

とか、

  ナイトクラブ 超漢字

とか。いや、あっても別に行かないけど(笑) ああでも LittleBSD はちょっと興味あったりする。そんなおいらは FreeBSD ユーザなのさ(全然わかってないけど)。今度また泊まりがけでアキバに来ることがあったら、ちょっと寄ってみようかな。そのときまだあれば (^^;)

またいろんな PC 屋を徘徊しながら、オタケンと今後の予定を相談した。とりあえずこのあと新宿で、レイコと愛娘とともに飲むことは決定。そんで、またアキバに戻ってカプセルホテルで寝る、というのがそれまでに話し合ってたことだったんだが、どうもオタケンにとってはあまり都合のいいものじゃないらしい。

おいらがアキバのカプセルホテルを提案したのは、東京の宿はそこしか知らないってだけのことで、そこにこだわる理由はなかった。それなら宿は新宿近くにするべぇ、となった。メシ食って飲んだらすぐ帰って寝るって方が効率的だし。

でも今から宿探しするの、めんどくね? 歩き回ってかえって膝に悪いんじゃね?

オタケンは、それに対する回答をしっかり持っていた。

つづく

次回は6月9日だす。

銘板
2005.6.8 水曜
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Intel Mac

『ドキモエメドゥーサ』はちょっと待ってね。今日の読売新聞で気になるニュースを読んだんで、今日はそれについて。

来年のモデルから、Mac の CPU が PowerPC から Intel に切り替わるんだって? 出荷品の完全切り替え完了は再来年とか。

とりあえずアプリ屋さんたちどうするんだべ。1からソースコード書き直しっすか? まぁ Photoshop みたいに Windows 用と Mac 用をそれぞれ出してるんなら Windows 用のコードを一部流用できるだろうから、かえって楽になるか。ちょうどその中間に位置することになっちゃう Linux 用も作って売り込めるかもしんないし。

で、Mac 専用のアプリ屋さんたち、ヤバくない? Mac OS X 付属の Xcode っつう開発支援ツールは後で当然のごとく Intel Mac に対応するんだろうけど、Xcode そのものが商用アプリ開発のプロユースに耐え得るものなのかどうかは不明。そうかプロにはプロ用の開発支援ツールがサードパーティから出そうだな。

ユーザの方はどうなるんだ? 再来年以降も何年間かは PowerPC Mac と Intel Mac が共存するからなぁ。その間にアプリは Intel Mac 専用化がどんどん進んで、今の Mac はそうそう長くは使えないっつうことになりそうなんすけど。それとも後の Mac OS X(あるいは後継 OS)は、昔の 680x0 CPU → PowerPC 移行期みたいな、「どっち対応のアプリだろうが全然気にしないでまとめて使えます。ソフトの移行はごゆっくりどうぞ」という天晴なエミュレータが入ることになるんか?

この方針変更についての Apple からの説明によると、理由は、

  1. PowerPC のロードマップに不満
  2. コスト削減

だそうで。1. はなぁ、PowerPC の開発初期には Apple 自身も参画していたとはいえ、「RISC 型 CPU である PowerPC は、いずれ行き詰まる CISC 型の Pentium なんかと違ってクロックをどんどん上げられる!」「RISC だから原理的にチップサイズが CISC 型の半分になり、製造コストも消費電力も半分!」なんて触れ込みとは裏腹に、思ったほど化けなかったもんなぁ。それどころかモトローラが G4 の設計ミスやらかしてクロック競争で大差をつけられたわ、主力機の CPU 製造元を IBM に切り替えてもその差は埋めきれなかったわ(G5 デビュー時に「2004年夏には3GHz」と言いつついまだに最高 2.7GHz)、いろいろ頑張っていろんな機能を追加していくうちに「低コスト・低消費電力」もいつの間にか消えてなくなったわで、あの時のあの言葉は一体……って感じ。アメリカンジョークってこんなだったっけ? (-o-;)

別に「化けの皮がはがれた」ってわけでもないんだけどね。PowerPC G3 は順調にクロックアップと低消費電力化が進んでたけど、その上位機種の G4 がクロックアップに蹴つまずいたせいで下位の G3 はそれを上回るわけにいかなくて、足踏みさせられてる間に上位機種優遇策の陰で消えていった。そのうえ G4 で新搭載の AltiVec(特定の仕事&環境限定での加速装置)が電気バカ食いでなぁ。クロックアップ問題は後でどうにかなったけど、AltiVec の電気バカ食い問題は、根本的な解決がないまま今まで来てしまってる。それでも Intel CPU の7割程度の消費電力だったのに、G5 で 64bit 化したら、とうとう同じくらい電気を食う(発熱する)ようになってしまった。今や Power Mac G5 の最上位機種は CPU を水冷してたりする。

PowerPC の売りがなくなってしまったってわけですなぁ。ついでに言うと、「RISC は同じクロック数の CISC の2〜10倍速」の宣伝文句も誇大表現だったってことが、SETI@home でバレちまったしな。

2. のコスト削減は、単に「Intel の方が生産量が断然多いから、スケールメリットで単価が安い」という以上に、OS の開発コスト削減を狙ってるんではないかと思われ。

Mac OS X の正体は、FreeBSD に Apple が改造を加えた、"Darwin" と名付けられたコマンドライン OS。これに独自開発の GUI "Aqua" をかぶせて Mac OS X の出来上がり。FreeBSD 自体は元々「よく普及しているハードウェアで動く」つまり「Windows パソコンで動く」がコンセプトなんで、Intel や AMD の CPU と相性がいい。

これを Apple ではわざわざ PowerPC で動くように、手間暇カネかけて作り直してるってわけ。そこで Mac の CPU が Intel になれば、OS アップデート&バージョンアップごとの開発コストがガバチョと減る、ということじゃないのかねぇ。

しかし、なんで AMD じゃなくて Intel なんだろ。一時期、Mac の AMD 化の噂が出てたんだけどな。Apple と Intel は仲が悪いなんて噂も昔からよく聞いたし。最新の PowerPC G5 は 64bit。64bit なら Intel よりも AMD の方が先行してるみたいだけど。ほんとなんで AMD じゃなくて Intel なのだ?

ともあれ Mac に Intel が載ってしまったら、Mac はまたひとつ個性を失うわけだわな。Apple は昔は何が何でも独自の規格でガッチリ固めてたんだが 。それが行き過ぎてしまったんで、少しずつ一般同化路線になってきてた。戦略としては、「普及してる規格や部品を利用してコスト削減を図りつつ、デザインと使い勝手の良さで付加価値を上げて、収益を上げる」。今回の決断もその方針に乗っ取ってはいるけど、CPU なんつう大物部品の入れ替えだもんな。OS X 開発で FreeBSD を採用(正確には「NeXTSTEP を採用」。NeXTSTEP は FreeBSD をベースにした OS)して、純血 OS 路線を捨てたのに続く大転換っぽい。

Mac って一番最初のキャッチコピーが "Macintosh: The Computer for the Rest of Us." で、そのココロは「コンピュータ化の波に乗り切れない人たち(つまり一般人)でも使えるコンピュータ」だったわけで、その思想は、ハードウェアじゃキーボードによく現れてた。最低限のキーしかついてなかった。ファンクションキーがないのな。その代わり起動ボタンがキーボードについてて、かなり便利だった。日本向けも ASCII 配列のままだったけど、カナ文字をなかば無理矢理配置して、少数派のカナ入力ユーザにもちゃんと対応してた(慣れたら不自由なかったよ)。

んでも、日本の官公庁のコンピュータ入札基準が新 JIS 配列必須だってんで、95年頃から日本向けのキーボードはキーが6個くらい増えてしまった。まだファンクションキー抜きだったけど。そこらが潮目だったかと。98年に iMac が出たとき、さらにファンクションだのページアップ&ダウンキーだのヘルプだのホームだののキーが追加されてゴチャゴチャしてきた。「普通のキーボード」に近付いたってわけだ。それでもまだ一般のキーボードより小振りだったし起動ボタンも付いてた。今やもう Apple のキーボード、Windows 印のキーが Apple 印のキーになったくらいの違いしかなくなってしまった。サイズもでっかくなったし起動ボタンも消えた(本体のボタンで起動するようになった)。ほとんど完全互換。

それどころか、最新モデルの Mac mini なんか本体のみで、キーボードとマウスが付いてこない。「Apple 純正もあるけど別売だから、一般のやつを使ってくれていい」ということだそうで。

Mac の個性は確実に薄くなってきてる。今は iPod がウハウハだからいいけど、これから先を考えると、何かでっかい隠し球を今のうちに仕込んでないとまずいんじゃないだろうか。まさか「Intel がその隠し球でした」とか?(笑)

Mac はその孤高さが良かったんだがな。しかし、箱に Intel 積んで他のハードウェア屋と大差なくなっちまったら、Apple は OS を含むソフトウェア主体の会社になるっつうことなんですかね。そうなるとまたマイクロソフトの商売とかぶってしまうんだが。「勝つまでやめない」「勝つためならどんな汚い手でも使う」あの会社相手に、今さらシェア競争のリターンマッチですかい?

ま〜結局 Apple は何考えてるんだかよく分からんのだけど、ますます分からなくさせてることがもうひとつあったりする。ていうか今日の〆は、その件で Apple 御中にお願い:

  本体もキーボードも一般化させるんなら、1ボタンマウスなんかもう意味ないからやめてくれ。無意味どころか OS X で X11(Unix 純正の GUI。Mac OS X を買うと付いてくるんで、それで Unix 用のソフトが使える)やってるとかえって不便なんだよ。X11 は3ボタンマウスが基本なんだからさ。
  2ボタンマウスなら「同時押し」で中ボタンの代用ができるけど、1ボタンだと空いてる手でキーバインドしないと操作できないんだよ。これがめんどくてめんどくて。お願いだからこの矛盾をそろそろどうにかしてくれ。
  OS X 自体、スクロールホイール付き3ボタンマウスをつなげばそのまま使えるようにまでしておきながら、いまだに1ボタンマウスを付けて Mac を出荷し続けてるのは理解できんです。

ていうか、Intel に乗り換えるなんて大冒険しなくても、あの名 CPU、PowerPC 750 FX(PowerPC G3 の最終形。IBM 製)の 1GHz を8連装くらいで対称型マルチプロセッシングやったらいいのに。ひょっとしたら G5 2.7GHz デュアルと同じくらいの性能で、まだ消費電力が少ないかもよ。PowerPC のまんまなんだからアーキテクチャ変える必要もないし。まぁ 32bit なのがアレだけど。

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追伸:メイド喫茶関連でイモヅル記憶

特にメイド喫茶を謳ってるわけじゃないけど、盛岡のチャップリンマニアな喫茶店「モダンタイムス」のウェイトレスさんの衣装がメイドさん風だった気がする。

最後に訪れたのは3年くらい前だけど、そのウェイトレスさん、もともとがかわいい上に惜しみなく見せてくれる「このお店にいらしてくださって嬉しいです」な笑顔がほんとステキでな〜。それがまた衣装とよく似合って、とっても感じが良うござんしたな〜 ( ̄▽ ̄ )

きっとそれが本物の「愛想」ってやつなんだろうなぁ。

例のメイド喫茶で醒めてしまった理由のひとつに、笑顔がもう少しばかり足りなかったというのがあったことが、今になってようやく分かった(基本的に笑顔ではあったけど、もうひとつ越えて欲しかった)。忙しすぎってのが大きかったかと。

秋葉原で働く君たちに会う前に、僕は既に、盛岡で真実を知ってしまっていたのだよ。なんちて。

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2005.6.9 木曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第三章 6: 式神 〜

自信ありげなオタケンの後についていくと、そこはネットカフェだった。ネットで宿を探して予約を入れるということだそうで。おお、アキバ的。

おいらそういうの全然できないんだよね。iモードでの電車の時刻表調べも、先々週あたりにようやくできるようになったぐらいにして。しかも他にiモードの使い方知らないし。

ネットカフェをそういう風に利用できない最大の理由は、Windows の使い方をろくすっぽ知らないってことなんだよな。店内は思った通り Windows のみだったし。やっぱ常識として Windows を少しくらいは使えた方がいいのかねぇ。でもここまで来たら「Windows を使えない」ということに意地がかかってたりする(笑)

んでまぁどうせおいらのぶんの入場料もカウントされてるんで、せっかくだからオタケンの隣で Windows マシンをいじって遊ぶことにした。といっても出来るのは、IE 立ち上げて自分のサイトを表示するくらいなもんだけど (^_^;)> やっぱし PNG 画像の透明・半透明設定が死んでるわ IE。完全に透明な部分は黒く表示されちゃってるし、半透明は白地と認識されるらしい。これ、どうゆーことなんですかね IE。で、なぜか Mac 用の IE だと PNG 画像の透明・半透明設定はまったく問題なく表示されたりする。マイクロソフト、わけ分からん。

デスクトップを見ると、IE の他に Netscape 7.1 のアイコンもあったんで、そっちも立ち上げて自サイトを表示してみた。もしかして IE じゃなく Windows のせいなのかもと思って。そしたら PNG が完璧に表示されてやんの。やっぱ IE のバグだわこれ。ああ、マイクロソフト語じゃバグのことを「仕様」って呼ぶんだったっけ? (^^;)

そんなことをしながらオタケンの仕事を端から見てたら、サクサクとそして粛々と進んでいくんですわ。ホテル探しと予約の作業が。こいつとは人生の半分以上の付き合いだけど、このとき初めて尊敬したよ(断言)。

最後に作業の履歴を消しておしまい。池袋駅から徒歩5分のホテルに決まったよ。いや〜おいら一人じゃこういう芸当マジでできんかったよ。Mac か FreeBSD でならなんとかできたかもしれんけど、とりあえず「ネットカフェでホテル検索&予約」という発想自体がなかったしな。

しかし Mac はともかく、ネットカフェで稼働してる FreeBSD 端末なんて全世界にどのくらいあるんだべ。たぶんゼロだろうけど(そういや『ザ・ビーチ』(1999)の最後に出てきたネットカフェ、Power Mac G3 がズラーッと並んでたなぁ)。でもさ〜、例えばまぁ FreeBSD は日本語入力環境がちょっとヤワだから厳しいけど、ネットカフェの半分くらいのマシンに Linux でも入れたら、初期投資や運営の手間がずいぶん楽になると思うんだが(Linux の日本語入力環境はどうなのは知らんけど)。ウイルスだのセキュリティパッチインストールで失敗するんじゃないかなんて心配だのもほとんどないしさ。

Linux 入れるとしたら、GUI は KDE の最新版の 3.4.x だと、3.3.x までのより反応速度が上がってて、しかも細かいところもけっこう気が利くようになって、使い心地もなかなかだぞ。操作感覚は Windows と似てるそうだし(Lindows の標準 GUI だったりする)。

あと、あんなにたくさん PC が並んでるんだから、1台くらいは遊びで FreeBSD 入れてほしい。あるいは、どうせ OS にカネ払うんなら超漢字も。遊びで。

無理な相談かなぁ (^^;)

ネットカフェを出たところでレイコと電話で打ち合わせ。なぜか30秒くらい話してるとブチブチ切れるんすけど。そんな♪途切れ途切れ No, no, baby(©キヨシロー)な通話でとりあえず決まったことは、

店はまぁ、レイコが食い物の好き嫌いが一番多いというのを盾に、レイコに決めてもらうことにしたよ。旅先だと人をガンガン使いまくるおいらであった。

さてさて、池袋でのホテルのチェックインを考えても、1時間くらい時間が余ってしまった。オタケンはアキバで何か買いたい物があるらしい。おいらはまぁ、気になるノート PC でもまた物色して大いに悩むとするか。つうことで、1時間後に秋葉原駅に集合ってことにして別行動を取ることにした。

その前に、朝からメールだ電話だ立体写真撮影だで、ケータイのバッテリーが不安になってきた。この1時間は充電に費やすというのも手だな。充電器を持ってきてはいるんだけど、コンセントを差させてくれるところってあるんかいな。そこらの電気屋にでも入って、チップ200円くらいあげれば充電させてくれるかな? いや、大通りの SEGA のゲーセンの空きコンセントでこっそりやれそうな気も……って確かそれ犯罪なんだよな。

とかまぁそういう悩みをオタケンに話すと、素晴らしい解答が返ってきた。

「DoCoMo ショップ行けば充電タダだぞ。そこだよ。看板出てるだろ」

知らなんだ〜!

生涯で2度目にオタケンを尊敬した。貴重な情報を残してから雑踏の中に消えていくオタケンが、生まれて初めて頼もしく見えた。

つづく

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追伸:今思い出した。オタケンは仲間内じゃ「みんなの便利な式神」との異名を取る男だということを。いや、おいらが名付けたんだけど。それにしてもほんと便利なやつだな〜(失礼! とは微塵も思ってない)。

2002.8.12 で盛岡までの緊急出動でクルマを出したのもオタケンだった。ちなみにこのとき盛岡駅で足止めを食ったのがレイコ。

ああ、当時の日記、なんかすげぇしょーもねぇこと書いてるな(恥)

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2005.6.10 金曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第三章 7: 我が愛する秋葉原への忠告 〜

DoCoMo ショップにケータイを預けての充電中、駅近くで売ってるの店の中古ノート PC の前で、おいらは唸ってた。絶対安いよな〜。でも FreeBSD はマスターしたとはまだとても言えん状況だしな〜。しかもけっこうこの旅行でカネ使っちゃってるしな〜。今晩飲むしな〜。今晩の宿代もあるしな〜。明日おみやげ買わなきゃいかんしな〜。帰りの旅費もあるしな〜。欲しいんだけどな〜。ん〜。

悩んでるうちに時間切れ。充電タイムは30分ほど。レイコからメール来るはずだし、決まったことを愛娘に知らせなきゃいかんし。結局、充電後の時間は、駅前でまた Rupay を聴きながら連絡作業に充てることにした。

レイコからメールが来てた。晩メシは沖縄料理が第一候補で、

> 新宿駅東口改札集合。もし(店の席が)空いてなくてもなんとかなるだろ(;^_^A

だそうだ。了解の旨、返信してから愛娘に転送。ソッコーで返信が来た。

> 時間は?

おお、すまんすまん6時だよ。時間はレイコと電話で決めたからメールに書いてなかったわ。それを送って、これでよし。

で、オタケンが集合時間から遅れてるんだが。けっこう時間には正確なやつなんだが。そうだホテルのある池袋までの切符を買っておこう。オタケンは Suica を持ってるんで、おいらもすぐ乗れるようにするべ。しかしアキバの切符売り場ってなんでこんないっつも混んでるんだろ。自販機あんなにたくさん並んでるのに、それでもあの混雑だもんな。Suica が普及するわけだわ。

そんで池袋へはどういうルートだと効率的なのだ? 路線図からすると山手線内回りでそのまま行けるけど、「秋葉原 →(総武線)→ お茶の水 →(中央特快)→ 新宿 → (山手線外回り)→ 池袋」の方が早く着きそうだね。それにするか。

と、切符自販機に並びながら電光掲示板の情報を見てたら、

「中央線は人身事故により遅れ」

遅れてるのか中央線……ていうかそんなことより、「中央線の人身事故」っつったらアレかい。人生テンパッたサラリーマンとかが、どっかの駅からナイスタイミングで人間トスバッティングかいカキーン。どこまで飛んでったんだろ。おおいやだいやだ。ていうか JR さん、ホームが崖状になってるのって本質的に危険なんだからさ、お客の安全を真面目に考えてるんなら、柵なり壁なり、ホームと線路の間に早く装備しやがれってんだ。

そんなことを考えてる間にも、列は少しずつ進む。ほどなく電光掲示板の中央線情報が変わった。

「架線に付着した異物の除去作業により遅れ」

ぐおおお…… (T□T;;;) 「異物」って人体のどのパーツだよ。考えたくない考えたくないと思いつつも、あれこれといろんなケースを想像してしまうんだが(蒼顔)。そういや少年マガジンで『GTO』やってたとき、そういう「異物」の除去作業のバイトの場面があったっけな。なんか「マグロ取り」とだったか呼ばれるお仕事だそうで。給料はけっこういいらしいが……。おおいやだいやだ。

ちょうど切符を買い終えた頃にオタケン参上。探し物がなかなか見つからなかったんだったかな。忘れた。まぁ忘れる程度の理由だったんで特に問題あったわけでもなし、そのまま池袋へと向かうことになった。中央線はもうすぐ復旧しそうな感じだったけど、電光掲示板の無機質な表現に大いにビビったおいらの強い要望により、山手線内回りで行くことにした。

秋葉原は次の日の朝も寄るかもしんないけど、寄らないかもしれん。名残り惜しいけど、ここでアキバとは一応お別れですな。別れに際して、秋葉原の街にひとつ忠告しておきたいことがあった。どうかこれ↓を忘れないでくれ。

アニメオタクが去った後の業界には大恐慌がやってくる

ラジコンカーがそれやられたことがあって。

昔から、ラジコンブームってのが何回かあった。で、80年代の中盤は電動オフロードカーがブームの牽引役だった。そのあたりってちょうど『うる星やつら』が流行っててさ。主人公のラムちゃんに萌えた野郎たちが世間で急増してたのよ。オタクの先駆けだな。「オタク」って言葉はまだなかったけど、そんな人々のアヤシさは世の人々に既に知られていた。

実はおいらも萌えかけてたんだけど、彼らの容赦ないノリに恐れをなしてしまって、結局は世間体を選んだ。そんなわけでおいらはオタク脱落者なんですわ。

で、アニメよりも先にラジコンカーにハマってて、その道で平和に暮らしてた。そのラジコン界に、後にアニメオタクと呼ばれる人々がはびこるようになってしまってから、ラジコンカーの世界はなんだか様子がおかしくなってきた。

ラジコンカーのボディってのは、大抵はポリカーボネイトという透明な樹脂の一体成型品なんだわ。安価で頑丈で軽量なところがラジコンカーにピッタリ。真っ透明なんで塗装は裏側から。

そして奴らはラジコンカーのボディで、セル塗りの腕前を競い合い始めた。『うる星』のラムちゃんだの『マクロス』のリン・ミンメイちゃんだの、当時の萌え系アニメキャラがひしめき合うレース場。旧来のラジコンフリークの目には異常事態にしか見えなんだ。

ラジコン界がそうなってしまったあたり、おいらの方は映画に興味が移ったり、部活を2つ掛け持ちしてたり(当然というか授業そっちのけ。部活に行くために学校に行ってた)、年頃柄、同じ学校の女の子を好きになってふられたり、別な学校の女の子とデートしたけど最悪な雰囲気になってしまったり とかいろいろ忙しくなったうえ(後半やたらトホホだな)、ラジコン界がアニオタに占拠されたってのもあって、そっちから足を洗ってしまった。

他の仲間たちもおいらと同じく、後から来たやつらに好き放題にされたのがなんだか面白くなかったらしく、なんとなく散り散りになってしまった。多分全国的にそうだったんじゃないかな。あれだけ盛り上がってたラジコンブームは次第にしぼんでいってしまった。

つまり80年代のラジコンブームは、アニメオタクが終わらせた。おいらはそう思ってる。原因は他にもあったろうけど。

もともと奴らにとってはラジコンカーとはアニメ絵の腕前の表現素材でしかなく、本質(メカニズム・セッティングそしてドラテク。人が乗って運転するカーレースと変わらない)は二の次だったわけで、奴らがラジコンに飽きて、マイコン(後のパソコン)に軸足を移してからしばらくして、ラジコン界におずおずと人が戻ってきた。しかしアニオタが来る前までの栄華を誇ることはもうなかった。元の客が戻るまでの空白期間に耐えられなかったメーカーもあったし。AYK とか。

現在、萌え関連への依存度が上がってるアキバ、このまま行けば旧来の客の足が遠のいてしまうんじゃないのか? アニオタが次の居場所を見つけたその時、アキバはどうなる? 巨大土木プロジェクト完工後の現地繁華街みたいな状態に陥るんじゃないのか?(実例:青函トンネル完成後の竜飛崎) まぁラジコンと電気・電子の部品・製品じゃ市場規模が桁がいくつも違ってそうだから、ラジコン業界が受けたほどの打撃はないかもしれんけどさ。

でもま〜アキバ様にはそこらへんに一応気をつけていていただきたいっす。

つづく

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2005.6.11 土曜
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睡眠休暇

すんませんまた眠らして下さい。

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最近、また Java を1から勉強し直してるっす。Barcodia 計画は、ある方針を考えついて頑張ってきたけど半年くらい行き詰まってました。最近突破口を見つけて試作が出来上がったら、GHz マシンじゃないとまともに動かないほどトロくなってしまったんで、方針変更することにしたっす。そんなこともあって、1から Java の勉強し直し。

今度の教科書は『やさしい Java』高橋麻奈 著。アプレットの学習は最後の最後で、それまではコマンドライン操作のみでひたすら Java の基礎の基礎から学ぶというやつ。良書の予感。

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『ドキモエメドゥーサ』は、次回から池袋・新宿編だよ (^^)

銘板
2005.6.12 日曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第四章 1: みそぎの宿 〜

池袋の、シングル前払い5,250円のホテルの部屋はこんな感じ。フツーの間取りだけど、液晶テレビを装備したビジネスホテルなんて初めてだよ。奥行きを取らないぶんだけ画面を大きくしてくれてる。今回はそうじゃなかったけど、画面サイズはブラウン管の時のままで室内空間を広げてくれてもどっちでもヨシだ。

最近の旅館業界も太っ腹だよな。昔は1時間100円だったんだが、今は普通の放送ならいくら見てもタダだし(ペイチャンネル普及のおかげか?)、しかもシャープの液晶と来たもんだ。これで宿代5,250円。奥さんどうです。しかも部屋に入ると、机には「お客様へのプレゼント」として美肌フェイシャルパックが置かれてたよ。……いや、おいらがもらってもほんとどうしようもないんだが (^^;) まぁせっかくだからうちに持って帰って母親にあげたけど。

隣の部屋のオタケンとは、30分後に部屋のドアを出たとこで待ち合わせっつうことで、軽くシャワーでも浴びとくか。お湯を出して づどどどどとどど……。どぷん。ほぁ〜ええ湯じゃ〜。っていきなりディープに入浴。いや、せっかく風呂入るんだし (^^;) なんか今日は既にメイド喫茶探訪という大業を成し遂げたしな。

ビジネスホテルの風呂といえばさ、いっぺんかなりキョーレツなとこに泊まったことがあるよ。去年のゴールデンウィーク紀行の番外『The Yads(ザ・宿ズ)』で書き忘れたネタ。

昔、宮城県のある工場で1週間の短期バイトをしたことがあってさ、屋内勤務で3食 + 酒付き宿付き肉体労働なしで時給1000円という結構な条件でさ、泊まりもビジネスホテルの個室が当てがわれてさ、そのぶん1日14時間くらいの頭脳労働だったんだけどさ (-o-;)

通訳。ドイツ人&シンガポール人技師と、その工場の日本人技師との間の。英語で。結局専門用語が分からなくてほとんど役立たずだったけど (^▽^;) アハハ それで自分で勝手に作り出した仕事は、「慣れぬ外国で仕事する人たちの緊張をほぐすギャグ屋」だったりしてさ。

ドイツ人って案外ノリいいのな。ドイツ訛りの英語って、慣れると聞き取りやすいし。対してシンガポール人の「シングリッシュ」は噂通り理解困難だったなあ。中国イントネーションきつ過ぎ。文法グダグダ。まぁガチガチのカタカナ英語も、日本語圏以外の人にとっては同じ理由で理解に苦しむ発音なんだろうけど。

んでそのビジネスホテル、名前がすごいのよ。その名も

ゴールデン・パレス

いや〜どんなスゥイ〜トなホゥテェ〜ルを用意してくれたかと思ったら、めちゃめちゃただのビジネスホテルでこれが(笑)

ある夜中、フロントから電話がかかってきてさ。「502号室(ドイツ人技師の部屋)のお客様の通訳の方でいらっしゃいますか?」と訊かれてさ。「はいそうですけど、何か」と返事したら、「503号室のお客様から『テレビの音がうるさい』と苦情が来てまして、それを伝えて頂きたいのですが……」。って、こっちももう寝るとこでめんどくてさ、「そちら(フロント)から直接言えばいいんじゃないですか?」と言ったら、「あいにく私共の中に英語を喋れる者がおりませんので、よろしくお願いいたします」。……あいにくも何も、

だったらゴールデン・パレスなんて

ご大層な横文字名乗ってんじゃねー!

と心でツッコミ入れつつも、了解してドイツ人に内線電話でそのことを伝えたよ。その答え。「は? 本読んでたからテレビつけてないけど?」。もう何がなんだか分からんから、フロントにはその通りに報告して「あともう知りません」と言って寝たよ。完全に時間外&雇用外労働だったから、ホテルに何か要求すりゃよかったかも。

そういう、名前だけ素晴らしいホテルでさ〜そこ。で、何の話だったっけ……あ、風呂。この風呂がすごくて。今までビジネスホテルには20軒くらいは泊まったと思うけど、あそこの個室風呂、ダントツ最小。上から見た湯舟が、角が丸まった正方形で、大きさは全自動洗濯機の穴を少し大きくしたくらい。体育座りじゃないと入れない。ていうか体育座りとしゃがむのの中間くらいの不自然な姿勢じゃないと、肩までお湯に浸かれない。ぶっちゃけシャワー専用。

んでやっぱ日本人としては、仕事した後は湯船で「ウィ〜」とフランス語っぽいかけ声のひとつも言ってくつろぎたいじゃないの。

くつろぐどころか、いやあの、そういう風呂、入ったことある? 五右衛門風呂みたいだけどそれよりずっと浅いしさ、いや絶対ドラム缶の方が広いって。この「ゴーパレ風呂」、無理に入ってると、なんかこう、太古のうずきを感じるわけよその姿勢で。何だろな〜とその姿勢のまま考えたら、

甕棺(弥生)

屈葬(縄文)

  ♪エキゾチィ〜イイ〜ック

   ジャピャォン!!

   ……、

   ……、

   ……、

   ジャピャォン!!

そんな思い出に耽りつつ、足を体育座り以上に伸ばせる今回のビジネスホテル風呂の有り難みを噛み締めたよ。

あ、風呂上がったら顔をもう少し念入りに洗っておくか。だってほら、もしかしたらあんた、これからホッペチューしてもらえるかもしんないじゃん。「八戸の喫茶店のマスターにチューを伝える」という無茶な口実でセッティングしたアレ。その運命の瞬間が刻々と迫っておるのだよ!おっとそれならヒゲを剃るのも忘れちゃいかんよ。今朝も米沢のスカGハウスで剃ったけど、もっぺんジョリジョリ空条ジョリーン。

でもビンタの可能性という「虎穴に入らずんば」的リスクも当初から全く減ってないんだが、結果はどう出ようと、それでも全力を尽くしてやるだけやってみよう。ええ! ここの読者さんがお喜びになることなら、ヒゲ剃りクリームのアブクの立たせようにも気合いがこもろうというもんです、ええ!!(とまた責任転嫁) というより、

どうせビンタ張られるんなら、

潔く身を清めてから。_| ̄|○

そして我々は事前に決めた定刻にホテルを出た。……はずなのに、なんかこのまま行くと10分くらい遅れそうなんすけど。何をどう間違ったかな〜。まぁいいや、とにかく池袋駅へ、新宿に向かってダッシュだ! ふはははははははは見よこの心肺能力。最近ジョギングで鍛えてるから余裕かましまくりだぜベイベって、ああそうかオタケン、膝が痛いんだもんな。そういえば 池袋駅じゃおいらも足を引きずったことあったぜ(ていうか慣れない松葉杖でヒイコラ言ってた)。うん、お前のペースに合わせるよ。何、いいってことよ。

あのときいろいろ教訓を学んだからな。こういうときの付き合い方は心得とるつもりだよ。それにしてもほんとこの駅、階段多過ぎ。足がツライ人には不親切な駅なんだよな。

だから何なんだよこのおよそ20段にも及ぶ下り階段は。エスカレーターくらい付けろよな。ほんっとアッタマ来るよな〜。それよりオタケン何モタモタやってんだお前、時間押してんだからとっととその階段下りろや(←学んだことを忘れ去ってる人)。

つづく

銘板
2005.6.13 月曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第四章 2: 寸止め交番前大道芸 〜

池袋駅でレイコに「ごめん、10分くらい遅れる」とメールしたら、「空気が悪いので地上にいます。マイシティ地上1階スタバ前あたり」とのこと。しまったな〜。レイコと愛娘が先に合流すると想定して、レイコにしか情報を送らんかったわ。愛娘の方は10分くらい待たせて、改札前で拾おう。うん。

電車に乗ってから気付いた。池袋→新宿って間に3個も駅があるんだね。早く着けよ。あああ風呂もっと早く切り上げるんだった。着いたら着いたで、新宿駅東口改札ってケータイの電波状況がすごく悪い。改札口、半地下なんだもん。愛娘と電話がなかなかつながらない。とにかく地上に出よう。

場所を提案したレイコは我々の中で唯一の PHS ユーザだから、地下でもけっこうつながるんだよな。それでそこらへんのケータイ特有の事情に気づかなかったんだろう。とにかく地上だ。どうせレイコも地上にいることだし。今は電波状況がいい場所に出て愛娘を確保せねばならん。東京で数年暮らしたことのあるオタケンに相談したら、「東口交番前なら分かりやすいぞ」。そうかそれで行こう。それなら東京音痴なおいらでもどうにかできそうだ。で、愛娘には途切れ途切れ&ノイズ越しで、「交番前!」と言ったらなんか通じた気がする。そういう語調の返事が返ってきた。返事の言葉自体は

「あjcpmgんx9p0う゛ぃうg」

としか聞こえなかったけど (^^;) よしオタケンの旦那、交番まで案内してくんな!

新宿駅東口交番前。

なんかすげぇ人出なんすけど。ここから探すのかよ。とりあえずオタケンと手分け。オタケンはスタバに行ってレイコと合流。おいらはここにとどまって愛娘と合流してからスタバ前に行って最終合流。そこから目的の沖縄居酒屋へ行く、と。一気にスタバ前合流でもよかったけど、愛娘を振り回すことになるからな。これ以上の混乱は避けんと。

で、交番前。お巡りさんがお1人、ビシッと直立不動で周囲に目を光らしていらした。これなら何らかの非常事態発生に対して迅速に行動できますなぁ。防犯効果もかなりありそう。混雑してるとはいえ、皆さんお巡りさんのお邪魔にならないよう、お巡りさんからは少し距離を置いてる。

ということで、愛娘から「東口交番前に来ましたけど、どこですかぁ〜?」と電話が来たとき、みんなが気を遣って空けてるお巡りさん結界に飛び込んで、「今ね〜交番前のお巡りさんのすぐ前だよ〜」。おもくそ公務の邪魔。

「え〜どこ〜?」。んー、お互い背が高い方じゃないから、人混みに完全に埋没してるんだよな。何とか目立たなくては。かくなる上はアレを……。

「壁」のパントマイム。

ちょ、ちょっと勇気いるな(汗)。でもここでやったら注目浴びれそうだな。通りすがりの一般人からおひねりもらえるかな(笑) でも交番のお巡りさんの目の前で、小技とはいえ無認可の素人が勝手に大道芸しちゃまずいか。いやこここはひとつ儲かった暁には、稼ぎは警察と山分けってことで交渉しよう(ォィ) よし、んじゃ愛娘との電話で「お巡りさんの前でパントマイム始めるよ〜」と言おうと思ったところで「見つけた!」

……、

……、

……。

なんかほっとしたような、惜しかったような (^▽^;) とりあえず見つけてもらったからにはそこを動いちゃいかん。グルーッと見回したら、愛娘の肉声が聞こえた。「ここです〜」。そっちを向くと、駆け寄ってくる愛娘発見(しかしおいら、共同作業は何でも相手にやってもらっちゃってるな〜)。久しぶり久しぶり久しぶり久しぶり〜!! それにしてもこいつ、

カワイイ!(はぁと)

3年ぶりに会ったんだが、前にも増して、イイ! (・∀・)

気がついたら、おいらこのコをとっ捕まえて頭にチューしちゃってただよ。誰にこの情動を止められようか(旅立ち前からチューの亡者)。って……後から考えたら、交番、そしてお巡りさんの真ん前だぞ (-_^;) ピクピク

世が世なら「貴様、婦女子に何を破廉恥なことをしておるかッ! この色魔めが!」と問答無用で警棒でタコ殴りの挙げ句に投獄もんだなこりゃ。今がこういう時代でほんとよかった (==) ウム それと、愛娘のお父上、すみませなんだ (-人-)

でさでさ愛娘さ、レイコは「改札口は空気が悪いからスタバ前にいる」んだってさ。連れてって〜(←やっぱしやってもらう人)。あっちは「背が高い組」だから、きっとすぐお互いを見つけられただろ。んでスタバ前に着くと、歩道にいたのはオタケンのみ。「いた?」。「いや」。

そのとき横から「お〜いここだよぉ〜」。とレイコの声。ガードレールに座ってた。

いるじゃねぇか。くノ一か貴様。何故にこんなときに気配を消す!? フリーザ様のスカウターでも恐らく検出できんかったぞ。

愛娘とレイコも3年ぶりの再会。喜んでたなぁ2人とも。愛娘に声かけてよかった。ていうかいいもんだねぇ女の子たちがキャピキャピする光景ってのは (^〜^ )(←ヒヒオヤジ化?)。

今宵の宴の4人が揃ったんで、レイコが選んだ沖縄料理屋に行こうとしたら、オタケンが「ちょっと待ってくれ。スタバに用がある」と。何なんだよお前はこの期に及んで。やつが戻ってきてからキリキリ問い質したところ、地元に残してきたカノジョからの指令を思い出したんだそうで。スタバには各店独自のタンブラーがあって、それをゲットして来いとのことだったそうで。

タンブラーって何なのか知らんかったからオタケンに訊いたら、どうやら昔で言えば、酒屋の量り売り用トックリのコーヒー版みたいなもんらしい。自分の容器を店に持っていくと、コーヒーを詰めてくれる、と。ふ〜ん、そういうサービスもあるんか〜。面白いことやってるんだねスタバ。

まぁ八戸やその近郊にはスタバがないから、タンブラーを持ってても正規な使い方ができないことについては、彼らも充分承知だろうから何も言わないでおこう。つうか盛岡の勝鬨橋のたもとのスタバ、いつの間にか閉めてしまってたな。もはや北東北にはスタバは存在しないんすかね。

さてそれじゃ今度こそ沖縄料理屋さんに行こうか。レイコに案内を頼むと、すぐ目の前のビルの上階にあるそうな。近くていいなこりゃ。レイコ、ナイス場所選び! 腹減ったから早く行くべ〜。ゴーヤチャンプル〜!

つづく

銘板
2005.6.14 火曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第四章 3: シャア専用マグロ 〜

満員だった。お目当ての沖縄料理屋。すごい人気店らしくて、外で並んで待ってる客までいた。30分はかかりそう。列に並ぶのが大嫌いな我ら八戸人軍団は、ビルの同じ階に他に飲食店が何店も出てるから、そこらへんから探すことにした(特においらとオタケンは、この日は昼間にメイド喫茶で充分待ったしな)。

隣の和食の店を窓越しに覗くと、客は誰もいなかった。開店前なのか? 6時半で、5月4日で明日も休みなんだからまさに稼ぎ時じゃないかと思うんだが。実際、沖縄料理屋の方はあの繁盛ぶり。その窓を通り過ぎるとその店の入り口。おばちゃんが一生懸命客引きしてた。なんだ開いてるのか。え? 「今ならマグロ刺身の突き出し(お通し)サービス」ですと? みんなどうする? おいら本格的に腹が減ってきてるんだけど。暴れていい?(薄笑)

階を1周して他の店を物色してる間にこの店まで埋まっちゃシャレになんないんで、おばちゃんの熱意も買って、この店に決めた。

他に客のいないフロアのど真ん中に通され、お品書きが渡された。

……、

……、

……。

あの……、

……、

……、

……。

ほとんどの料理……、

……、

……、

……。

お値段が……、

……、

……、

……。

4桁台なんですけど……、

……、

……、

……。

そのとき判明。

……、

……、

……。

日本全国から直送された厳選食材で勝負する、

……、

……、

……。

けっこう高級指向な店だった。

……、

……、

……。

やられた。

……、

……、

……。

いや、まぁいいんだけどさ。とりあえず飲み物と、すぐに出せるつまみを頼んでダベりながら待つこと1分30秒。準備ヨーシ。

そんじゃカンパァイ! ( ^▽^)/C日

ほどなくつまみが来てそのとき料理を頼んだのはいいとして、あのよ、さっきおばちゃんが言ってた「マグロ刺の突き出しサービス」ってまだ来ないの? サービス券は席に案内されたときにとっくに渡してあるのに……って、これ? さっきからなんだか置いてあった小鉢の、これ!? 全然気付かなかったわ。

ああさっきおしぼりと一緒に来てたのか。存在感ねぇよなぁ。その名の通り「小鉢」だし。それじゃあこの脂のアの字も乗ってない、果てしなく鮮やかな真紅の赤身2切れが、例のサービス品なの? マジでサービス専用だなこれじゃ。ここまで鮮烈にシャア専用な色したマグロの赤身、ほんと久しぶりにお目にかかったよ。

でも注文した料理と酒は、値段並みにうまくて満足満足。それと、おいらたちが呼び水になったかそれとも表のおばちゃんのがんばりが効いたか、客がパラパラと入り始めた(ほどなく満席になってしまった。他の店を物色しなくて正解だったかも)。ダベりの最中にぶんちゃんの話が出てきた。

愛娘情報によると、どうもベトナムかそこらにいるらしい。それじゃ今晩の飲み会は参加できないよな(笑) 今朝出したぶんちゃんへの参加要請メール、どこ行ったんだべ。日本国内に置き去りにされたケータイの中に、寂しくたたずんでるのかねぇ。あ、ちょっと待ってね、なんかメール来たみたい。ケータイがプルプルしてるよ。さぁだーれだ? ってオイ! 噂をすればだぞ!

> ええと…参加したいのですがただ今バンコク赴任中でして(笑)六月末までこっちです。国際ローミングで受信しました。

タイからネット参加。こっちの現場はもうそれで大盛り上がり。しかしすげぇよなぁタイと日本で、ここまで気軽に連絡ついちゃうんだもんなぁ。今回の集合もメールとケータイ使いまくりだったし。技術の進歩ってのはすごいもんだねぇまったく。

おっとっとそだそだ。忘れる前に、レイコに渡すものがあっただよ。受験がんばれよ。例のお守り持ってきたからな。今年もちゃんと、レイコの産土神の神社の、宮司宅兼社務所に出向いて買ってきたぞよ。で、今年の首尾はどうだったかって? うむ。「もし今年のお守りも金銀2つ出されたら、『鉄のお守りを下さい』と本当に言ってみる話」(参照:2005.5.12, 2004.5.7)のことでござるな?

よろすぃ〜。ならば話してしんぜよう。

つづく

銘板
2005.6.15 水曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第四章 4: 顛末「鉄のお守り」 〜

包みを開けてみてくれ。ほら、お守りが2つ入ってるだろ? 金と銀の。つまりだ、今年も『金のと銀のとがありますけど、どちらにしますか?』と訊かれた、ってことと、「鉄のお守り」はゲットできなかったってことだ。

じゃあおいらは今年もひるんでしまって、「鉄のお守り」の存在を訊けなかったのかって? ちょっと待ってくれ。それは違う。今年はね、訊きましたよちゃんと。両の手に金銀それぞれのお守りを持つ宮司さんの目を見つめて、

「金でも銀でもなく、鉄のお守りはありませんか?」

と。いやマジで!もう恥ずかしったらありゃしない。けど本当に訊いたよ。そこまでする目的は、レイコにお守りを渡す時の話題作りはもちろん、最大の理由は、

この日記のネタ作りのためだ!(咆哮)

で、あの、いやもうグダグダでした。

宮司さん:金のと銀のとがありますが、どちらにしますか?
ゆ ん ず:あの〜、金でも銀でもなく、鉄のお守りはありませんか?
宮司さん:は? え? 何ですか?(曖昧スマイル)
ゆ ん ず:ですからね、ほら、あるじゃないですかおとぎ話で。木こりが泉に鉄の斧を落としたらですね、泉から女神が出てきてですね……(あの話を全部解説)
宮司さん:は? はぁ?(曖昧スマイル)
ゆ ん ず:ですからね、その線で「鉄のお守り」なんて実はあるんじゃないかな〜と(曖昧スマイル。実は宮司さんがウケるのを期待中)
宮司さん:いや〜そういうのはちょっと……(相変わらず曖昧スマイル)
ゆ ん ず:………… (;^^^)
宮司さん:………… (^^^;)
ゆ ん ず:じゃあ金と銀、両方下さい。変なこと訊いてすみませんでした。
宮司さん:…… は? はぁ。ええ、いや……(曖昧スマイル)はいどうぞ。

おもくそブルースなノリの会話になっちまっただよ (^_^;) とにかくまぁ、旅立ち前にレイコに誓ったことは実行したのだよ。で、ほんとにこんなんでホッペチューゲットに近づけたのか? _| ̄|○

一応、飲みながら顛末を語ったら、努力を評価してはくれたみたいだけど。

話題は京都にいる友達(人妻)のことへと移っていった。じゃあちょっと電話してみるべ、とケータイにかけても出ない。レイコが自宅の番号を知ってたから、そっちにかけたら出てきた。レイコの PHS をみんなでぐるぐる回して楽しく会話。京都の人妻は、夏に八戸に帰ってくるらしい。うむ。夏には今日よりさらに大勢で飲むべぇ。

そうなると、夏休みに愛娘をどうやって飲みに呼び出すかが問題になるよな。なんたって帰省すれば自宅軟禁状態だからな。どうもケータイで呼び出すのはまずくて、家デンにかけてお父様と語らないと外出OKが出ないらしい。そしてお父様のお話し相手は、男じゃほぼ 100% アウト。女だと成功率が比較的高いそうで。

つうことで、レイコ? んーお前ちょっと声のトーン低めだからな〜。京都の人妻? あいつも低いしな〜。ていうか「あたしノドボトケあるんだよ〜」って自慢されたことさえあるぞ。今日来てないけど yk-m は? あいつもさらに輪をかけて低いぞ。転勤族のエッちゃんは? 低い上にハスキーじゃん(笑) なんかもうみんなだめだな。

よし愛娘、お前自分で親父さんに電話しろよ声色で。ということで愛娘連れ出し作戦会議は無事決着した(もうめちゃめちゃ)。

そんなあたりでそろそろ河岸を替えますか。ここお値段高めだし。もう少し話したいし。おいらとオタケンは、もういっちょなんか食いたいし。

下の階のフードコートにしようってことになった。移動中、壁にアートが仕組んであるのを発見。アクリルの切れ端をちりばめたやつ。なんとなく都市のミニチュアを上から見下ろしてるっぽい。その様子を

立体撮影。

作者・作品名なんかが近くに書いてなかったかどうか確かめるんだったな〜。

つづく

銘板
2005.6.16 木曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第四章 5: 「テケイユ」と書くとフランス語っぽい何か 〜

フードコートにて、ご婦人方は何か飲み物をお飲みになってたけど、おいらとオタケンは食い物! ラーメンみたいのを注文しただよ(詳細失念)。だってよ〜さっきの店よ〜、高いくせに皿にちょこっとずつしか乗っけて来ないんだもんよ〜気取りやがってよ〜(←質が分からない人)。

んでまぁお値段なら断然お安いフードコートでまた飲み食いしながらダベってたら、あら、ちょっと待ってね、電話かかってきてるみたい。プルプルのし方が電話なんすけど、誰じゃろな〜って、名前の表示が出ない。従って電話番号が出てるんだけど、なんか「6」から始まってるんですわ。何じゃこりゃどっからかかってきてんだ!?

露骨にビビりながら電話に出ると、バンコクのぶんちゃん。うっわ〜マジかよ! で、今度はおいらの電話がみんなの耳をぐるぐる周遊する羽目になったのだった。任期は6月いっぱいまでなんで、夏休みには八戸に帰省できるのかな? それともまた別なとこに飛ばされたりして(笑) って(笑)かよ。

盛り上がった飲み会も、終電が近くなってきたんでお開き。

帰りの新宿駅構内。

とうとうやってきましたこの時が。

今回の旅の最大の目的、レイコにホッペチューを迫る時が。ぐもももももももも(←萌え上がる下心の音)

とりあえず話を切り出してみよう。改札へと歩きながら、「でよ〜、前に電話で話したホッペチューだけどよ〜。してくれよ〜。ちゃんとマスターに渡すからよ〜」。

「マスターには愛をテレパシーで送ってるんだってば〜」

してくれる気配なし。もう一押ししてみるか。いやしかしビ……ビンタはちょっと……でももう一押しだけ。うん。「でもよ〜でもよ〜 してくれよ〜 してちょーだーい」とレイコを見ると、

めちゃめちゃシブってる!

だ、だめか。だめだったか…… _| ̄|○ しゃあない。これ以上押せばビンタだしな。うん(強制納得)。おいらのレイコ内での位置付けはこんなところさ。さて山手線はどっちじゃい。と前を向いた瞬間、レイコの右手の指先数本がおいらの左頬に当たった。

ガビーン!

ビ、ビンタ来た!? (T□T;)

にしては弱い。

……、

……、

……こ、これは、

……、

……、

「手経由ホッペチュー」?

思わず「ええ〜っ?」と不満気に言っちゃったけど、ま、まぁいい。いいんだ。ともかくホッペチューだ。うん(強制納得)。でも、でも、レイコが自分の指先にチューする瞬間を見逃した。「もっぺんちゃんとやってくれー!」と頼んだけどそれでおしまい。大人なおいらは彼女の気持ちを察して、それ以上は踏み込まなかったのさ。フッ。

ていうか、

読者の皆さんすんません!!

ビンタの恐怖に屈しました!(泣)

レイコは山手線ホームまでおいらとオタケンを見送ってくれた。電車に乗ったはいいが、走り出すまでまだ間がある。窓越しにバーイバーイキ〜ンとやったけどまだ間がある。

間が持たない。

大声で話するわけにもいかない。

間の持たせはオタケンに丸投げすることにして、車内を見てみた。いや、けっこう広告とか面白いんだよね。吊り広告もそうだけど、液晶画面で何と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が PR 広告打ってるし。

そして列車が動き出したとき、おいらレイコに返しましたよええ。

投げキッス。

カ〜ッ たまんないねおいらダンディ?(笑) レイコの反応どうよ! よしウケてる! 笑顔だ。笑ってる。腹抱えて笑ってる! よっしゃやったー! ……ってそういうもんか? (^^;) まぁそういうもんなのだ。

なんかずいぶんいろいろあった1日だったんで、オタケンとおいらはそこから飲み直すこともせず、「明日の朝は8時半チェックアウト」ということだけ決めて、そのまま池袋のホテルの部屋にて爆睡モードに入ったのだった。

つづく

銘板左端銘板銘板右端

手経由だったとはいえ、ほんとのとこ嬉しかったりした (^_^;)> 達成感で(笑)

銘板
2005.6.17 金曜
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睡眠休暇中

白ネコ

   ZZZZZZ......

銘板左端銘板銘板右端

次回からの『ドキモエメドゥーサ』は、第五章「帰途・嵐の前の静けさ」編だよん。

旅の前に設定してたテーマ、

以上の3点は見事に……でもないけどとりあえず消化したわけだが、旅の本当のクライマックス(ハプニング)はこれから始まるのだった!(いやマジで)

銘板
2005.6.18 土曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第五章 1: 忘却の寺 〜

池袋のホテルでぐっすり寝て、起きたのが朝8時。窓を開けると、すぐそこは向かいのビルの壁だった。なんか視界が悪くてさ。でも横を向くと、壁の間から外が見える。

それを立体撮影。

雨樋の立体感が出た感じだね。

08:20 に、昨日電話参加した京都の人妻からモーニングコールのメール。ふむふむ。

> 遠足は、お家に着くまでが遠足です。今日も道中お気を付けて^o^/

りょ〜かいっすありがとー (^^) オタケンとの集合時間が近いから、返事は後でゆっくり書こっと。

ホテルをチェックアウトして、オタケンと池袋駅に歩きながら予定を相談。米沢の友達の家に置かせてもらってるおいらのクルマで八戸行きなんで、山形新幹線つばさに乗らにゃいかん。オタケンがiモードで調べて、11:36 東京発で行くことにした(今はおいらも自分で調べられるようになったぜ)。切符は、池袋駅で調べたら、連休最終日の下り線だってのに予想外に指定席が空いてて、その場で並びの席を調達できたよ。ラッキー v(^o^)v

発車時刻までは各自自由行動。オタケンはどっかでカノジョへの貢ぎ物の買い込み。おいらは、ん〜、秋葉原でまたノート PC とにらめっこしますか。ああでも資金が心細くなってきたな。ノート PC 買ったとして、おみやげも買わなきゃいかんし。帰りのガス代・高速代も考えとかんと。

山手線で秋葉原に行く途中に巣鴨がある。巣鴨には信用金庫がある。そこでおいらの八戸信用金庫キャッシュカードが使える(2003.5.14, 2003.5.15)。つうことで、巣鴨経由でアキバですな。

やっぱせっかく巣鴨なんだもん、カネ下ろしただけじゃなく、ちょっと寄ってきました

とげ抜き地蔵尊。

おととし友達(今回不参加)に連れられていっぺん来たことあるから、土地勘は分かってる。この日は山門のところに托鉢のお坊さんが3人いらしてた。そのうちのお1人の笊にお布施を入れて、なんとなく頭を垂れたらお坊さん、指をおいらの頭に付けて、「うんにゃかほにゃほにゃ〜」と何語だか不明の言語で拝んでくれた。せっかくだからってんで、今回の旅でお世話になった友達みんなの幸せを心に願ったらお坊さん、最後に日本語で「あなたの暮らしに幸あるように」と〆てくれた。おお、ナイスバランス。なんだか嬉しくて「ありがとうございました」とまた頭を下げたですよ。

で、おととしここを訪れたとき、何かやること忘れたんだよな〜といろいろ考えて思い出した。うん、あれだ。前回は 建物の裏側しか撮らなくて 後悔したんだよな。ということで、今年は 正面から撮ってみました〜

お寺を出て、通り沿いのせんべい屋さんでおみやげを買ってと。クルマを置かせて頂いてる、米沢のスカGのご実家にも。ここはこれでよし。残りのおみやげは東京駅で買うべ。

と、電車に乗って秋葉原に向かった頃に気付いた。

あ、また とげ抜き地蔵を

拝むの忘れた! ( ̄□ ̄!!)

忘れてたのってこのことだったよ……。

次回訪問時、ハットトリック達成なるか…… _| ̄|○

銘板
2005.6.19 日曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第五章 2: Give and Take 〜

東京を発つまで時間がまだあるな。やっぱ秋葉原に寄ってくべ。山手線で Go!

ノート PC 漁りもいいけどまず腹減ったな。朝飯食ってなかったわ。アキバ駅前のカレー屋で腹ごしらえするか。腹ごしらえついでに、モニーングコールくれた京都の人妻に返信入れとくべ。

>> 遠足は、お家に着くまでが遠足です。今日も道中お気を付けて^o^/

> (前略)ありがとう。実は今回の旅、列車は東京から米沢までで、あとは俺の車で帰るんだ。一層に気をつけるよ

いくら気をつけても、どうにもならない事態がある。

昨日までのトキメキ色に染まった思い出を胸に、今日の最終日は来た時と同じく、女っ気なしの男のみちのく2人旅。しかしそこからの奥の細道はまさに「ヲトコの旅路」になろうとはつゆ知らず、カレー屋で上機嫌でメールを送った頃にはもう10時50分。そろそろ東京駅に移動しなきゃな。山形新幹線つばさ11:36分発に乗るのだからして。

ノート PC は諦めた。でもせっかくはるばる(ある意味)世界の中心、アキバまで来たんだもん、何かそれっぽいものを買ってかないと気が済まん。お伊勢参りでお札を買っていくようなものなのだ。

で、あの駅横ビル内の細路地電気通りをぶらついていろいろ物色して、とりあえず電圧・電流テスター買っといた。別に八戸の DIY 店でだってテスターくらい買えるけど、田舎者には「秋葉原で買った」というのの方が有り難いのです(マジでもったいなくて、今も未開封状態)。

東京駅着11:05。おみやげのお菓子を買い漁りながら、ちょっと後悔したことがひとつ。いや、ほんとちょっとしたことなんだけどさ、朝一番で買った米沢行きの切符、東京都区内のどこから乗ってもよかったんだよね。だから秋葉原からこの切符を使えばよかったのに、秋葉原→東京の切符を買って東京駅まで来ちゃった。

たかだか130円が惜しいわけじゃなく、その機転を思いつかなかった自分が許せぬ。ウムムムムと唸ってたら、東京ばな奈の売店のおねーちゃんに怪訝な目で見られた。

東北新幹線の改札をくぐると、そこは テロ警戒中。お米の国の藪大統領、次のターゲットとして北朝鮮と中国を警戒するのは結構だけど、あんたが混乱のるつぼに陥れた中東情勢の方を早いとこ自分でお片付けしてくれんと、同盟国の日本もいつまでもこんな物々しい状態が続いてしまうんだが。そんなのがなかった10年前あたりにでも戻りたくなる光景ですなぁ。それはそれとして、勤務中のお巡りさん、ご苦労様です。

東北新幹線ホームの指定席車両近くで列車が来るのを待ってたところにオタケン登場。昨日から待ち合わせに何かと遅れて来るのは、やっぱし膝の痛みが相当きついからなんだろう。と思ってたら今度はキヨスクに何か買いに行くつもりらしい。その後ろ姿に、『スター・ウォーズ EP I』で張り切りすぎたせいで『EP II』でおとなしくさせられたジャージャー・ビンクスのような哀愁を感じてしまって(どんな哀愁だよ)あまりにも見てらんなかったんで、荷物は預かってやることにした。

それにしてもお互い、相当買い込みましたですな(笑) 青森県で稼いだ金をこうして中央経済に上納して、そして地方経済はまた廃れていくのだな。ウムウム (==) いや「ウムウム (==)」じゃなくてさ (^^;)

そんなわけで、東京の皆様方も一度八戸においでませ。海産物マジでうまいよ。夏、海辺は特に涼しいよ。寒い寒い冬の夜に飲む地酒の熱燗は格別だよ。新幹線でサクッと遊びにいらっしゃいませ〜 (^▽^)

とちょっと地元をセールスしてみるテスト。

つづく

銘板
2005.6.20 月曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第五章 3: 嵐の前の静けさ 〜

山形新幹線つばさ車内で、オタケンは寝ていた。前の晩はよく眠れなかったんだそうで。寝とけ寝とけ。ちなみにおいらはぐっすり寝たんで何ともないぞ。トランヴェール読んで時間を潰しながら到着しました福島駅。ここでつばさは、連結されていた東北新幹線 Max やまびこと切り離され、単独で奥羽路へと向かう。

……、

……、

はずが、

……、

……、

切り離し直後に緊急停止。この頃起きてたオタケンは「通常の一時停止だべ」。いや、切り離しの時は普通、いったん離れたらそのまま走っていっちゃうもんなんだが。車内放送。

「16号車で異常を知らせる警報が出ましたので、一時停止して点検いたします」

大丈夫かよ。とりあえずおいらたちが乗ってるのは15号車なんで、おいらたちのせいじゃないぞ。あと1回発車&緊急停止した後、

「異常は走行には支障がないと判断いたしましたので、発車いたします」

おいマジで大丈夫かよ。つい何日か前、JR 西日本があんな大事故を起こしたんだが。まぁそれだからこそ点検も慎重にしてくれてるんだろうけど。おいらたちとしてはとりあえず、次の停車駅の米沢まで持ってくれりゃそれでいいんだけどね。あとは野となれ山となれ(ォィ)

絶景かな。山形線の山越えは景色が最高だねぇ。どうせケータイの電波が届かないんでケータイはしまって、ただただ窓辺から景色を眺めてたよ。っつうかケータイカメラで撮っておくんだった。

山形新幹線つばさは無事に米沢に到着。車両故障の心配は杞憂に終わった(山越えの絶景に見とれて心配を忘れてたのは内緒)。スカGは所用で山形市に行ってて不在。タクシーでスカGのご実家へと向かい、我が愛車と2日ぶりに再会。スカGのお母様に、巣鴨のせんべいセットをお礼として差し上げたら喜んで頂けた。いえいえ、車をまる2日も置かせて頂いたんですから、このくらいお安いもんです。

さ〜てここからは車の旅だぜ。これからの行程は、混雑が予想される仙台を避けて、国道13号線を新庄まで北上して右折(もちろん高速代を浮かすという魂胆入り)。国道47号線で古川(ふるかわ)に出て、そこからは東北自動車道で一気に八戸直行だ! エンジンは今日も調子いいし、うまくいきゃ夜8時台にはうちに帰れるぜ〜。

しかし道の行く手には、魔物が2匹、潜んでいた。

> 遠足は、お家に着くまでが遠足です。今日も道中お気を付けて^o^/

この言葉の意味を嫌というほど味わわされるまで、まずあと2時間。そしてさらにあと2時間。「気をつけて」いるつもりで実はお気楽な我々一行は、米沢市のすぐ北隣の高畠町にて、少し遅い昼食のラーメンを楽しんだ。

「おっ、このスープ、癖になりそ〜(笑)」

つづく

銘板
2005.6.21 火曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 番外3: 今さらメートル法に物言い 〜

クルマで東北地方を縦断してると必ず考えることが、昔からあった。メートル法に関する不満。そもそもメートル法は、「地球の極(北極か南極)から赤道までの最短の道のりを 10,000,000 メートル(1万キロメートル)とする」という定義で提唱された。つまり地球1周で4万キロ。

これはこれで分かりやすいんだけど、これを提唱した人(たぶんフランス人の学者さんか誰か)、もうひとひねり欲しかったですなぁ。ていうかもう少し常識人の考えを取り入れたりして、ワーキンググループとかで充分検討してから制定してほしかった。

もし地球1周が3万6千キロだったら、

緯度1°で丁度100キロになったのに。

現行のメートル法だと、緯度1°で 111.111...km。

すごい半端なんだよ。南北方向を旅するとき、つまり今回みたいな東北縦断の旅みたいな時、けっこう「北緯○°」って看板が目に入るわけで、どれだけ走ったか、とか、あとどれだけ走ればいいのか、を見積もるのに面倒なことになる。

経度の場合は、緯度によって1°の距離が違うから直感では掴みにくいけど、三角関数を使って計算する時も、やっぱ基準の数字(赤道上での経度1°の距離)が 100km で切れがいいと、計算がずいぶん楽になるんだが。

日本の道路なら緯度情報よりも「八戸まであと○○km」の看板の方が頼りになるから大した不便はないんだけど、シリア砂漠とか南太平洋上とか、そういうところを星の位置を見ながら天測して旅する人たちにとっては、「緯度1°で100キロ」の方が断然有り難かったんじゃないかと思うが。

アメリカだって内陸は砂漠の国なんだから、もしこれで「メートル法は便利だぞ」となってたら、もうとっくにインチだのマイルだのヤードだのを捨てて、メートル法に移行してたかもしんないじゃん。

例えば、航空分野はライト兄弟以来アメリカがずっと主導権を握ってきてるんで、いまだに世界の航空業界は「高度3万フィート(約9km)」とか言ってるもんな。世の中をややこしくしてる要因のひとつであり、航空機事故があったときに、原因調査チームに無駄な労働を与える要因のひとつ。もしメートル法が変わるとなれば、これを機会にアメリカも重い腰を上げるきっかけになるかもしれんぞ。

けど「もっと便利になるよう、1メートルの長さを変える」なんて今さらもう無理だろうなあ。「地球1周4万キロのメートル法」を基準に作られた技術文明がここまで発展してしまった以上、移行期にあの Y2K 対策を遥かに上回る大混乱が起こるのは必至。ネジだの歯車だの鉄板だのの、工業部品の規格は全部作り直し。交通機関や工場なんかでの、新メートル・旧メートルの単位の取り違えによる不測の事故での死傷者だって世界中でドバドバ出ちゃうだろうし。まぁアメリカだけは、メートル法が普及してないから茅の外で安全か(笑)

「1メートル」ってその他の単位の基準でもあるから、全部変わってしまうことにもなるしな。「1グラム」は1cc(1辺0.01メートルの立方体の容積)の水の質量から来てる。「1ワット」は1秒あたり「1ジュール」というエネルギー量から来てる。1ジュールは 1kg の質量を「1ニュートン」の力に逆らって移動させた時の投入エネルギー量。1ニュートンは、1kg の質量を加速度1m/s2 で加速するときに必要な力のこと。

こうなると、1メートルの長さが変わっても影響を受けない科学的単位は、温度・角度・時間・個数くらいなもんだ(相対論まで考慮に入れると、時間の単位も、長さの単位が変わると影響を受けてしまうっぽい)。

ちなみに「緯度1°で100kmの新メートル法」での1メートルは、現行基準で言えば1.111...メートルになるっす。

……、

……、

……。

よくよく考えたら、日本国内でも二重基準ってまだけっこう生きてるよね。「新メートル法」導入にはここらへんにヒントがあるかも。例えば、土地の登記は「平方メートル(平米)」だけど、民間じゃ「坪」が健在だよね。坪は畳2枚ぶんの面積で、畳の短い方の辺の長さは1間(けん・約90cm)。これ、部屋の間取りやドアのサイズにいまだに使われてる(余談:国内での演劇の舞台裏でも普通に使われてる)。

工学分野でも2重基準が使いこなされてる。世界的に「SI 単位」というのを導入していきましょうというのが20年くらい前に決まって、例えば気象庁の気圧の表現は「バール」から「パスカル」に変わった(「ヘクト」は「10の2乗」のこと)。でも工業製品のコンプレッサーだのポンプだのの使用現場だと、圧力単位は昔ながらの「kgf/cm2(単に『キロ』と呼ばれる)」「気圧(kgf/cm2 と同じ)」が堂々と使われてたりする。けど製品の諸元表は SI 単位に乗っ取ってパスカル(Pa)表記だったりして()、現場じゃけっこう普通に換算作業をこなしてるものと思われる。あと、配管やタイヤの直径なんかじゃインチがいまだに主流だしね。

ということは、「1°で100kmの新メートル法」の世の中へのねじ込み、やればけっこうできるんじゃないのか? 混乱を避ける決め手はどうも、

単位の名前を変えること

にある気がする。例えば「新1メートル」を「1ユンズ」と呼ぶことにしちゃうと、地球1周で36,000キロユンズだ。これを度量衡の世界基準に設定し直す(別にどなたのお名前でも構わないです (^^;)。

これから派生する、現行メートル法で言えば「グラム」。これを例えば「オタケン」と呼ぶ。あなたの体重は40.1キロオタケン(≒55キログラム)ですか? 同様に「バスカル」に当たるのは「レイコ」、「ワット」に当たるのは「マナムスメ」とかまぁ、対応する単位名をどんどん新しく付けていっちゃう。「台風11号の中心気圧は791ヘクトレイコ(≒975ヘクトパスカル)です」。「デロリアンがタイムスリップするには、時速126キロユンズ(≒時速140キロメートル)の速度と0.794ギガマナムスメ(≒1.21ギガワット)のエネルギーが必要」。

そして、そこまで世界を変革して得られるメリットは、

「天測での旅が少し楽になる」。

「旅の計画が少し立てやすくなる」。

……、

……、

……。

いや、今もう GPS カーナビあるし……。

……、

……、

……。

だから最初っから「地球1周 = 36,000km」にすりゃよかったんだよ。安易に 40,000km に決めちまったウスラトンカチどもの顔を見てみたいよまったく。

銘板
2005.6.22 水曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第五章 4: 第一の魔物 〜

山形県の高畠町を過ぎて南陽市に入った頃、おいらの CD が1回りし終えた。次はオタケンの番。

取り出だしたるは、東京で仕入れてきたばっかの『あずまんが大王』CD(爆) よし行け! おいらのカーステじゃもう二度とかかんないんだからガンガン行け! 大音量でかけたら、なんかこれがまたやたら笑える内容で大ウケ。

そんな陽気でアヤシ気な我がミニちゃん(かっちょいい自作ハイマウントストップランプ付き)は、山形県を快調に縦断しつつあった。しかし道路は昔より良くなったけど、交通量が増えたんかねぇ。それとも信号が増えたんかねぇ。思ったよりペースが上がりませんですなぁ。このままだと8時台の到着は無理っぽいけど、まだ余裕余裕。

山形市を過ぎて交通量が減り始めたあたりから、第一の魔物は既にスタンバっていた(「スタンバる」って言葉、ガンダムで覚えたっけなぁ。ブライト艦長が言ってた)。それは

睡魔。

『あずまんが』に続けておいらの CD をかけて、その頃が大体、山形市を通過した頃。オタケン CD の番になって、これまた東京で仕入れてきたという怪獣映画のサントラがかかり始めたら、なんかもうやたら眠くなってきてしまって。前日はよく寝たはずなのにな。ラーメンに睡眠導入剤でも入ってたか?(笑)

怪獣映画の主題曲ってクラシック系で、曲の雰囲気も格調高いのが多いんだね。でも睡魔と戦ってる真っ最中にこれはかなりキツい。ロッテブラックブラックガムを噛みまくるも効果なし。運転は代わってもらうわけにはいかない。なんでって任意保険の条件が、運転者がおいら本人限定だから。

とにかくおいらが運転しないことにはどうにもならない。コンビニに寄ってストレッチしてコーラがぶ飲みして、ちょっとは眠気が抜けたっぽい。さて少しでも前に向かって走っとかないといつまでも家に帰れないしな、自分を騙しつつ再出発。

山形市から離れるにつれて道路上からはクルマも減ってきたことだし、意外に上品だった怪獣映画サントラは引っ込めてもらったし、けっこう快調になってきた感じがするぞ。よしよしこの調子この調子。

……、

……、

……、

「……んず、ゆんず、ゆんず!」

( ゜□ ゜!) ハッ!

オタケンの呼びかけで我に返ったときには、思いっきり路肩を走ってた。パーペキ眠ってて歩道の縁石にヒット寸前。あ・ぶ・ね〜。

「ゆんず、歌っていいぞ」

眠気覚ましに、という意味だな。分かったありがとう。そしたら歌うんならやっぱしアレだよな。

『魂』(ロボットアニメソング集)

声も枯れよと歌った歌った。まだ眠気が抜けきらないけど、正気を保ってはいられるようにはなったな。もう少しすれば眠気ももっと収まるかもしれん。おいら夜型だし。

つづく

銘板
2005.6.23 木曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第五章 5: 第二の魔物 〜

趣味色の強いメカは往々にして「何もこんなときに」な頃合いを狙ったかのようにだだをこねる。おいらのミニちゃんもけっこうご多分に漏れなかったりする。

2晩も知らない土地にほったらかしにされてすねたかな? それとも眠気でシンクロ率が今ひとつなおいらを戒めるためだったのかな、あのトラブルが起きたのは。だとしてもちとやり過ぎだったぞミニちゃん。ともかく、第一の魔物(睡魔)とは比べ物にならないくらい強烈な第二の魔物は、虎視眈々とその出番を待っていた。

しかし我々はそんなことに気付くべくもなく、第一の魔物との格闘をひたすら繰り広げ続けていた。歌の力で(笑)

山形県新庄市にて予定通り、国道13号線から国道47号線に右折。ここからは東北自動車道古川(ふるかわ)インターを目指して山越え。

不意に我が鼻を襲う異様な臭気。げ、マシントラブル? でも鳴子温泉が近いからな。外からのニオイかも知れん。でも心配。

「なんか臭くね?」

「すまんスカした」

お前か! でもほっとしたよ。いいってことよ。おいらもこのクルマでよくやるし。しかも遠慮なくサウンド付きだし。でもこのクルマ、キャビンの容積が普通のクルマの半分もないから、ガス出すと結構こもる(笑)

そうこうする間に鳴子温泉のバイパスに到達。こけしで有名な鳴子温泉といえば、すげぇかわいかったよなぁ2003年の ミスこけし。おお、今見てもやっぱ萌え〜。そういやこの写真からだったなぁ。ケータイカメラで女性の写真を撮り始めるようになったのは。このときあんまりうまく撮れたもんだからさ。でもいまだにこの時を超える出来の写真を撮れないのはなんで?(モデルさん方は皆さんステキなんだけど、おいらの腕前の問題がなぁ……) まぐれってやつですな。

そんなことを考えつつ鳴子温泉を通過してもまだ眠気が抜けないんで、今度はハードロックでノろうとなった。Deep Purple の名盤中の名盤 "Machine Head" だ。有名曲てんこ盛り。"Highway Star", "Pictures of Home", "Smoke on the Water", "Lazy", "Space Trackin'" ……素晴らしすぎ。

そして日没とともに古川インターに滑り込んだ。ライトを点灯して高速に合流して、あとは八戸までの一本道。ときどき休み休み行こうや。そんじゃ早速、長者原サービスエリアで休むべ(早っ)。

エンジン切ってライト消して、クルマを降りようとした時、オタケンから1コ指摘。

「スモールランプ点きっぱなしだぞ」

ああほんとだご指摘サンキュ。やっぱまだ眠気でボケてるな……。ライトのスイッチを動かすと、

……、

……、

スモールランプが消えない!?(汗)

……、

……、

しかもヘッドライトが点かない!!?(滝汗)

……、

……、

なんかスイッチがプラプラしてる!!(ナイアガラ汗)

つづく

銘板
2005.6.24 金曜
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睡眠休暇

せっかくだから、ずっと前に撮ったのに出すタイミングを逸して、長らく冷や飯を食わされてたケータイ立体写真の蔵出しでもしますか。

変電所シリーズ

変電所・夏の陣

変電所・冬の陣

近所のジョギングコース脇にある変電所↑。夏は直接光を入れてちょうどいい露出だったけど、光源に近い被写体は白飛びしちゃった。冬は雪明かりで柔らかく照らし出された感じ。いかんせんカメラの性能が低かった上に、小さめに撮ってしまった画像をブローアップしたものなんで、画像単体は荒いっす。立体視すると脳内で各画像の情報を補完し合って、少しマシに見えるっす。

八戸駅シリーズ

八戸駅の通路

ツインマスト

在来線ホーム

八戸駅に新幹線が来たあたり(2002年12月)に撮ったやつ。人がいると、立体写真の右目用、左目用と1枚ずつ撮ってるうちに動かれてしまうんで、深夜帯を狙って撮りました。ということで、とみに1つめは、なんだかガランとして寂しい感じになっちまいました (^^;)

2つめの「ツインマスト」、根元のところに由来が書かれたプレートが貼られてるんだけど、書いてる内容は忘れたっす。覚えてるのは、アルファベットで "TWIN MAST" と書かれてたことくらいかな。

2本なんだから "MASTS" じゃないと間違いなのでは?

3番目のは、駅舎から在来線のホームを撮ってみたやつ。橋上駅なんで、在来線ホームをまたいでいるのだ。で、窓が開いている側(下り方面)から撮ってみたよ。彼方のオレンジの明かりと、鉄路がそれを反射してるのがなかなか気に入ってるよ。

銘板左端銘板銘板右端

次回からの『ドキモエメドゥーサ』は、第六章の『トラブル悪戦苦闘編』だよ。そして、それに続く終章(『序章』で始めちゃったんで、『終章』で〆ないとカッコつかないのだ)で、なりなりに感動できる仕上がりになるんじゃないかと自分では思ってるけど、はてさて狙い通りにいきますかどーか。

てーか、ここまでだけで序章5回 + 第一章6回 + 第二章6回 + 第三章7回 + 第四章5回 + 第五章5回 + 番外3回 = 計37回。今まででぶっちぎり最長の超巨編になっちまってる……。50回突破前に終わらしたいと切に願う今日この頃。

銘板
2005.6.25 土曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第六章 1: 予備実験 〜

夜間走行なのにライトが点かない。

まずい。

非常にまずい。

チョベリバ(死)。

なんか、ライトのスイッチ、中で骨折したらしい。何もこんなときに……って、故障ってのは常に「何もこんなときに」なんだよな。

こんなこともあったしなぁ……。ていうかアレ(燃料ポンプ臨終)が今起こってたらもうお手上げだったよな。それに比べたらまだまだマシなんだが、どうしていいかよく分からん(パニック中)。

これからスモールランプのみで、夜の高速を古川から八戸まで走り切ろうなんて無謀過ぎ。距離あと 250km はある。何とかしてライトを点灯させるか、もしくは夜明けまで待つか。夜明けまで待って帰ったとして、ライトをどうやって消す? 最悪、バッテリーの端子を外せば一応消せるけど、カーステのチューナーや時計のセッティングまで一緒に消えてしまうのがヤだな〜。いや、そんなこと以前に

明日から仕事 (-_-;)

何が何でもライトのスイッチを応急処置して今日中に帰らんとまずい。何か考え出さねば。オタケンちょっと先にサービスエリアに行って休んでてくんない? すまんけど1人で考えたいから。

……、

……、

……で、何ができる?

このライトのスイッチ、以前取り替えたことがある。その前の純正のスイッチの入りが悪くなったんで、付け替えてもらったやつだったな。あのとき見せてもらったプロの作業を思い出そう。マイナスドライバーをテコにして、スイッチのユニットごとほじくり出してたっけな。うむ。

それじゃとりあえずスイッチをバラして構造の理解に努めよう。こんな時のために、けっこうごっつい車載工具セット を常備してあるのだよ。レンチはミリとインチの両方が揃ってて、まさにミニにうってつけ(ミニのネジはミリとインチが混在してる)。

スイッチのユニットは簡単に引っ張り出せた。スイッチからカバーを外したら、小さな破片が床に落ちた。音からしてプラスチック。折れたパーツかと思われ。もうそのまんまにしとくわ。暗い中、頑張って拾ったところで使い道なさそう。で、スイッチの中身は、

こんな感じ。

上から見ると千鳥足状に、横から見るとまっすぐに並んだ3個の接点上を、銅製のスライダが動いてスイッチングする仕組みになってた。どうやら下の2個がつながると、スモールランプ・計器パネル・テールランプ等の小物類が点くらしい。3個全部がつながるとヘッドライトも点く、と。そのスイッチユニットは、ナイロン樹脂製コネクタに差し込まれてる、と。コネクタからスイッチのユニットを引っこ抜いたら、点きっぱなしだったスモールランプが消えた。ちょっと安心。

つらつら考えるに、壊れてしまったスイッチに頼らなくても、コネクタの3つの穴全部を直結してしまえば、ライトが全部点くはず。とりあえずそれを確かめねばなるまい。

車載工具セットには、電工修理用の端子 まで入ってる。このうちの U 字端子2個でコネクタの穴3個を橋渡しして実験してみるか。

……、

……、

……。

ついた〜!! (T▽T;) (『さよなら人類』by たま)

これ、そのとき実際に使った U 字端子。端子を突っ込んだ瞬間に火花が散ってすげぇ恐いんだけど、とりあえず配線の理解に間違いがないのは確認できた。ただ、こんなんじゃ走ってる最中に振動で端子がポロッと落ちてしまうのは目に見えてる。

手持ちでセロテープとビニールテープがあるけど、そんなもんで固定したって、火花が散るくらいの電力だったら発熱ですぐ溶けちまうかもしれんし、基本的にグラグラだから信用できん。3接点をもっと確実につなげる方法を考えんことには……帰れん(悲壮)。

とりあえず休むべ。脳みそ回すのに糖分摂るべ糖分。眠気退治も併せて甘口缶コーシーだなこりゃ。自販機で一番甘ったるそうな缶コーシー買ってベンチで飲みながら思案してたら、オタケンがそんなおいらを発見して歩いてきた。

「クルマ、どうだ?」カローン。

「カローン」てお前ケータイ落ちたぞ。とりあえずライトのスイッチは仕組みを理解したよ。アイディアはあともう1つ何か足りないってとこだ。って聞いてる?

「やべぇ。ケータイのカーソルボタン効かねぇ。相方に現状報告しようと思ってたのに」

オタケンよお前もか。頼りにしてる機械って、いかれる時は立て続けにいかれるのな。伝染してるぞ(半ば自嘲)。おれのケータイ使えや。ほれ。

コーシーすすっては深呼吸してたら、気分がだんだん暗黒面から蘇り始めてきた。気がついたら、この第二の魔物が現れたおかげで、第一の魔物・睡魔はサックリぶっ飛んでしまってた。いいんだか悪いんだか。気分は好転しつつあるものの、客観的状況は相変わらず「悪い」だよな。うん。

事態を打開する案が頭の中でまとまるまで、缶コーシーの残り半分を飲み干すまでの時間が必要だった。と今日はカッチョつけて〆てみるテスト。

つづく

銘板
2005.6.26 日曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第六章 2: メガネシステム 〜

よしやってみよう。

さっきの実験よりずっと信頼できる方法を思いついた。ぶっ壊れたスイッチの基底部のみを、着脱式プラグスイッチとして再利用する。ただ、そのまま差し込んだだけじゃ3接点がつながらない。スライダをハンダ付けできれば申し分ないんだけど、さすがの車載工具セットもハンダとハンダゴテは用意してない。

スイッチ基底部からはプラグのオス型が出てるから、このオス型の根元に、被覆を剥いて裸にしたリード線を巻き付けてお互いをつなぐってのでどーだ。千鳥足の配置になってるから各節点で一巻きずつ、全体で「く」の字型でつなぐ。スイッチ基底部とコネクタに挟まれて、リード線も固定される。これでうまくいくはず。おお、我ながらエクセレントな考え(笑)

しかし、車載工具セットって、電工用の端末はついてきてるくせにリード線はないのな。いや、一応コードはあるけど、電圧テスターのやつだしそれ。おいそれとは使えん。さてどこでリード線を手に入れるか。ここのサービスエリア付きのガソリンスタンドで分けてもらおうか。

……、

……、

……。

あ! そういえば!

自作ハイマウントストップランプの配線、けっこう余ってたぞ!

ということで 10cm ほど切り出すことにした。ミニのトランクルームには照明なんて気の利いたものはない。そこで活躍したのが キーホルダー型 LED ライト2005.5.24 で事前紹介しといたアレ。これをオタケンに持ってもらって手元を照らし、虎の子のリード線を切り出した。短くなったハイマウント(略)側のリード線は、また 15mm ほど皮を剥いて元の場所に結びつけて、ビニールテープを巻いて絶縁。おいらは運転席に戻ってブレーキを踏む。ストップランプが3個とも無事に点灯してるのをオタケンに見てもらって確認して、リード線摘出作業は終了。

さて、ちょいと長く切り出しすぎた気がする。半分の長さに切り直してから、端っこを 20mm ほど皮剥きしてよじる。髪の毛の太さほどで並行に走ってるだけの銅線が、これで1本の銅線になる。皮をどんどん剥きながらよじりよじりしていって、全部皮が剥けたらいっちょ上がり。で、プラグのオス型の根元に巻き付けながら、両端と真ん中を輪っかにした、上から見ると「く」の字型になる(プラグの3端子が千鳥足状の配置なので)ブリッジをかけてやる、と。

……、

……、

……。

長さ、足りなかった _| ̄|○

よじったことで短くなるぶんを計算に入れてなかった……。

いや、まだ希望はある。今のやつで、プラグ(下)−プラグ(中)をつなぐメガネ状のブリッジを作り、さっき「長過ぎる」と半分に切った残りのぶんで、プラグ(中)−プラグ(上)をつなぐメガネ状ブリッジを作る。実用上は同じことになる。そうして、できた。

「メガネシステム」

メガネ配線のセット完了。原理的にはこれでいいはず。これで八戸に帰れるはず。あとはこのプラグをコネクタに差し込んで確かめればいい。うまく作動したら、これ以上変なことが起きる前にノンストップで八戸行きだ。どうか、どうか、

「点けぇぇぇぇぇぇぇ!!」。

気合いと共にプラグを押し込むと、暗い車内にスパークが閃くとともに、おいらの頭の中には、さっき眠気覚ましに歌いまくった『伝説巨神イデオン』の主題歌。

  ♪雄叫びが電光石火の一撃を呼ぶ

   震えるな 瞳凝らせよ 復活の時

ヤッタ! 点いた…… o(T□To) いやもう絶叫したですよ。「オレすげぇ!」「オレ最高!」「オレ天才!」。だろ? だろ? オタケンお前も感動したろ? うんうん。よしこのまま行くぜ!

いや待て、現状はスイッチ部分を手前に引きずり出した状態なんだけど、スイッチの上部パーツが全部なくなったぶんユニットが小型化しちゃってるんで、何かの拍子にコードで引っ張られて、パネル上の、本来スイッチが引っかかって固定されるべき穴の向こう側に落ち込んでしまいそう。そうなったら取り出すのは至難の業っぽいぞ。オタケン発案。

「穴、コードだけ出してあとはセロテープで塞いだら?」

おっ、それナイス! その案イタダキッ!(…作業中…)そんじゃ行くか!

いや待て、あとノンストップだとしたらガソリン量がヤバい。ということで長者原サービスエリア内のガソリンスタンドで給油。「高速のガソリンは高いから一般道に降りてから」とかそんな悠長なこと言ってられる状態じゃない。やれるうちにやっとかないとな。

給油中もライト点けっぱなし。下手にいじって点かなくなくなると恐いもんね。

長いピットインの後、我々はついに高速道路上に復帰した。

が、第二の魔物はその程度で退治されてはくれなかった。それどころか、半端な反撃は魔物のさらなる凶悪化を促し、ゆんず金属工業 略して SNACK ゆきこ 出張謹製メガネシステムを蝕み始めていた。

つづく

銘板
2005.6.27 月曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第六章 3: 熱病 〜

行け! 突き進め!

応急処置で復活したライトの明かりをたどり、我々を乗せたミニは東北自動車道をひた走る。しかしあれだね、高速って郊外を通るから、基本的に真っ暗なのな。スモールランプのみじゃ絶対無茶だったよなぁ。でもこの我が技術力の結晶・メガネシステムでこの窮地から脱したのじゃよ。

と、ダッシュボードから飛び出した可愛いメガネシステムをなでなでした瞬間、

自動消灯。

うっわー!うっわー! 慌ててまたなでたら点いた。すごい不安定なシステムらしい(脂汗)。リード線の巻き付け方が甘かったかな。

とにかく腫れ物に触るように、ていうか触らないようにしつつ、クルマは快調に北に向かってひた走り、ついに岩手県に突入。でもここからが長いんだよな〜。岩手県って巨大だもんな〜。しかも縦長。どうか、どうか、なにとぞ、なにとぞ、これ以上トラブルが発生しませんように、と祈りつつ、クルマは走る。

ほどなく、

「なんか臭くね?」

「俺じゃねーぞ」

スンスン、クンクン……。

……、

……、

こ、これは!

焦げ臭ぇ!

焦げてる焦げてる!

焦げ臭の元は、やっぱりというかメガネシステム。こんなんで八戸まで持つんだろうか いや持たない(古文直訳風)。

前沢サービスエリアが近くだ。そこでクルマを停めて現状確認して、対策を練ろう。もしなんだったらガソリンスタンドの助けを借りて、もっとマシな応急処置をしてやれるかもしれん。それに腹も減ってきたしな。前沢牛でも食えばもっといい案が浮かぶかもしれん。

前沢サービスエリアの駐車場の、街灯近くの明るいところに停めた。少しでも作業をしやすくしようってことで。SNACK ゆきこ の心はまだ折れてはおらんのだよ。

メガネシステムのプラグを外してライトを消して、街灯の明かりと室内灯と、キーホルダー型 LED ライトの光のもとに浮かび上がったは、部分的に焼けただれたナイロン樹脂製コネクタ。もともとは純白の素材なんだが、接点の周辺が真っ黒。これ、放っとけばコネクタ融解だよな。それどころから悪くすると

出火(ガクブル)。

プラグ側は ABS 樹脂製だから大丈夫(灰皿に使われるほど耐熱性が高い)だろうけど、ナイロン樹脂のコネクタ側はどうにかしないといかん。さてどうしたもんか。

とりあえず飯を食いながら考えることにした。こういうときはいっそ豪勢に前沢牛ステーキ定食あたりを行っちゃった方が良かった気もしたけど、食う方に集中できそうになかったんで、牛丼で我慢我慢。

食いながら考える。メガネシステムだとコネクタが溶ける。スイッチが健全なら溶けない。基本的に通常状態と同じ配線なのに。違いは何か。モグモグ(牛丼)。健全なスイッチは配線がスイッチユニットの中を通ってるけど、メガネシステムだと配線がコネクタに触れてる。

ということは、メガネシステム自体が発熱してることになる。健全な状態だと、 ABS 樹脂製のスイッチユニット(現在はプラグとして利用)が断熱材の役割を果たしてきてたんだろう。ズビズビ(味噌汁)。

メガネシステムをやめて、標準状態通りにプラグの内側で電気を通せば問題ないんだけど、そこはスライダ式スイッチの接点なんでツンツルリン状態。リード線を巻き付けるのは不可。「取りつく島もない」って感じ。ハンダ付けすれば接続できるけど、さすがの車載工具キットにもハンダの用意まではない。相変わらずメガネシステムに頼らざるを得ない。ボリボリ(漬け物)。

結論:「メガネシステムを冷やす」

……、

……、

……。

有り合わせでヒートシンクを自作するしかない、と腹を決めたところで、牛丼定食をちょうど平らげた。ゴクゴク(お冷や)タン!(コップを置く音)。

オタケンは膝の件もあるし、こっちも少し時間がかかりそうだから、お前はこのまましばらくレストランで休んで、来たいときに来てくれや。

さ〜て、ゆんず金属工業 略して SNACK ゆきこ は夜更けが稼ぎ時だぜ!

それにしても、旅の中盤までは「『萌え』でドキドキ」で、終盤は「『燃え』でドキドキ」かい……。

つづく

銘板
2005.6.28 火曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第六章 4: SNACK ゆきこは夜稼ぐ 〜

何を以てメガネシステムのヒートシンクと成すべきか。

そりゃもう、自作ハイマウントストップランプのリード線をまた少し頂いて利用するのがいい。材質は銅だから、ヒートシンクとしての素質は充分。リード線てのは、髪の毛くらいの太さの銅線の束。メガネシステムのときはそれをよじって1本の太い銅線に仕立てたけど、ヒートシンクに使うリード線では、よじるのは中央部分のみ。バラけさせないため。そしてそこはメガネシステムのリード線からの吸熱部。ヒートシンク線の両端部分何センチかはザンバラのままで、クジャクの羽根みたいに広げてやると、空気に触れる放熱面積を稼げてヒートシンクとして機能する、という算段。我ながら素晴らしいアイディアだといまだに思う。

そこまではいい。次なる問題は、それをどこに、どうやって取り付けるか。

コネクタの焦げ方をつらつら見るに、プラグ(上)とプラグ(中)をつなぐメガネブリッジが特に発熱してるらしい。ここから熱を吸い出したい。ということは、元スイッチの一部だった ABS 樹脂製のプラグ基底部の、問題のメガネブリッジにあたる部分に穴を開けて、ヒートシンク用のリード線を通す。そいつをメガネブリッジに直交させるように半巻きして同じ穴から出す。

穴から出たぶんのリード線は、「クジャク広げ」でヒートシンクの出来上がり。よしこれでやってみよう。

車載工具セットに穴を開けるキリがないんすけど。今度から8本入りドライバーセットも搭載しようかな。そういえば工具セットにペン型の電圧計らしき工具がある(使い方不明)。先が尖ってるからこいつでやってみよう。

しかし ABS 樹脂って加工性が悪いんだよね。耐熱性と硬さは買いだけど、もろい。割れやすい。身近な実用例だと、ん〜と、ビデオのカセット。あの黒いプラスチックの箱。あれが ABS 樹脂。ほら、硬くて形をきっちり保ってるけど、思いっきり踏んづけたらバキッといきそうでしょ? あの材質に、大して鋭くない偽物のキリで穴が開くのか? 今はとりあえず穴が開かないことには先に進めないんで、やってみた。

しかしほんと硬いプラスチックだよな。ちょっと凹むだけでなかなかはかどらないよ。んしょ、んしょ……。

……、

……、

……って今かすかに「ピキッ」って音がしなかった? ……気のせい気のせい。時間押してるんだからどんどん行くよ〜。

……、

……、

……。

いや、今絶対「ペキッ」と鳴った! 手にも感触が残ってる。あ〜あヒビ入っちゃってるよ。でも被害が出たのが側壁の面でよかった。プラグが生えてる面だったらヤバかった。亀裂はセロテープ貼って止めて、と。ABS 樹脂は表面がツルツルだから、ティッシュなんかで拭いて油を取ってからだと、セロテープがやたらガッチリくっつくのだ。

セロテープの食い付きっぷりなんかどうでもいいとして、もうこの「穴開けヒートシンク線通し案」ボツ。どうすべ……。しかしそのくらいじゃ SNACK ゆきこの心は折れはせんのだよ。そうだもう一組、メガネシステムを作るべ。

はじめのやつはリード線の端っこは邪魔だから切ってしまったけど、その端っこを伸ばして「クジャク広げ」すればいいのでは? それまでのメガネシステムに重ねる形で併用すれば、その部分の電気抵抗が減って発熱自体も少しは緩和されるのでは?

こんな感じで。

よしそれ行ってみよぉ〜。

つづく

銘板
2005.6.29 水曜
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ドキドキモエチュー メドゥーサ紀行

〜 第六章 5: 魔物には魔物を 〜

人間、事態が切迫すると無表情になるもんだよね。ていうかそこから本気モードに入るとかえってナゴみっぽくなったりして。不可解な気がするけど、いざそういう状況になると、けっこうそうなっちゃうもんなのだ。そういや『シティーハンター』の冴羽のリョーちゃんが、マジでやる気になるとポヤ〜ンとした表情になってたのも、同じ観察から来てるかと。

ヒートシンクを作るべく、再びハイマウントストップランプの配線を切り出してる最中もそんな感じで。

オタケンにキーホルダー型 LED ライトで手元を照らしてもらいながらの作業中、なんか世間話状態になってしまって、それが妙にうまくハマってて。

「へぇ〜、久米田康治先生、今はマガジンで連載してんのか〜」
「ああ、この前見かけてよ」
「そっか〜最近マンガ雑誌読んでないから気付かなかったよ。でもチャンピオンで復活するもんだと勝手に思ってた」
「サンデーの編集長と大喧嘩して辞めたっつうけど……」
「なんかそういう噂出てたよな。やっぱそれ信憑性高そうだな」

手はちゃんと作業してるんすよ (^^;)

そうしてリード線を切り出し終えて、ハイマウントストップランプの配線をし直し終えて、ストップランプ計3個の点灯の確認をし終えて(ここで旅立ち前と同じく、オタケンは嫌と言うほどストップランプのクレナイの二等辺三角形を見させられたのだった)、いよいよヒートシンクの作成ですな。

メガネシステムの時より長めに部材を切り出して、被覆を剥いて、真ん中あたりだけをよじってバラけないようにして、既設のメガネシステムの上からまたプラグのオス型の根元に巻き付ける。

そして新しいメガネ配線の両端を広げる。クジャクの羽根のように……。

……、

……、

……。

むむむ、なかなか綺麗に広がらんもんですな。その見た目で、作業しながら思わずつぶやいたよ。

「メッドゥ〜サァ〜」

(なぜかジャン・レノ風に)

なんかこう、メドゥーサの髪風というかイソギンチャク風というかそういう出来になっちゃったよ。その瞬間に命名。「メドゥーサシステム」(序章から掲げてきたタイトルの由来、ようやく出てきたな (-▽-;))。

第一の魔物(睡魔)は第二の魔物(ライトのトラブル)が追い払った。そんならこのタチの悪い第二の魔物は、自ら召還した第三の魔物・メドゥーサ様に退治して頂こうじゃありませんか。

約1時間半ぶりに、我がミニちゃんはライトを点灯させた。ここからはもう何か起きない限り八戸まで直行だぜ。ていうか急げ! これ以上の何かが起きる前に八戸に着くのだ! で、もし何かが起きた場合の異音を察知するため、カーステは OFF。メドゥーサシステムの放熱効率を上げるため、暖房も OFF。行きのノリノリの高速道路巡航とは打って変わって、かなりストイックな状況での帰り道になってしまった。

口ではオタケンと軽口を叩きながらも、ハンドルをおもっきし握りしめてる自分に気付いた。手を緩めようにも緩まない。プリエンプティブマルチタスキング機能(1台のコンピュータで、複数の作業を同時進行でこなす仕組み)は人間にも備わってることがこれで判明(そうか?)。

走行中、メドゥーサの上に手をかざすと、思惑通り「メドゥーサの髪」から熱気がボワボワ立ち昇ってる。効いてる効いてる。ふふふはははははは。オタケン君どうだね、ゆんず金属工業 略して SNACK ゆきこ の技術力は! 尊敬したかね? 感動したかね? そうだろうそうだろうぬはははははははははははは(おいらに少しでも心の余裕を持たせるために相槌を打って配慮してくれていた、という線は敢えて考えないでおく)。

して、ヒートシンク自体の温度はどのくらいになっとるのかね、と「メドゥーサの髪」に触れるや否や、

ヘッドライト消灯。

視界真っ暗。

頭の中真っ白。

つづく

銘板
2005.6.30 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0506.html#LOG20050630
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ドキドキモエチュー

メドゥーサ紀行

〜 番外 4: 我が愛車の歌 〜

『ドキモエメドゥーサ』連載中にすんませんけど、また『八戸フォーラム シネサロン』の収録の予定(土曜・7月2日)が入ったんで、そっちが落ち着くまでは連載はお休みを頂いて、小ネタで埋めるっす。放送は7月5日午後7時半。76.5MHz の BeFM だよ。

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どうにか帰って来れたからこそこうして日記を書いてられるわけで、今はもうあの帰り道の緊迫感から解放されて久しい。で、最近何となく思いついた、我が愛車ローバミニの歌でも。

『グレートマジンガー』の替え歌っす。

ラーンプ! ラーンプ! ダンダンダダン!
ラーンプ! ラーンプ! ダンダンダダン!
ラーンプ! ラーンプ! ダンダンダダン!
ハイマウントォ〜 ランプ!
俺は涙を流さない ダダッダー!
クルマだから マシンだから ダダッダー!
だけど分かるぜ 燃える友情
君と一緒に 故障を直す
必殺パワー メガネシステム
悪い熱さを吹き飛ばす メドゥーサシステム 放熱するぜ
俺はミニちゃん ゆんずのミニちゃん〜

めちゃめちゃしょうもないけど、せっかく思いついたんで (^^;)

銘板
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