ひとりごちるゆんず 2010年4月
銘板
2010.4.1 木曜
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昭和唱和

エイプリルフールだけど例年のごとく特に関係なく。ていうかこれ書いてるの4月18日だったりしてw

ほんとどうでもいい昭和の昔話を思い出してさ。『線路は続くよ』の歌って別な歌詞があるんだよね。それは『ご飯の歌』。歌い出しが「ご飯だご飯だ さー食べよう」となってるやつ。お、歌詞を見つけた

で、おいら、この歌というか歌詞というか、ちょっと好きになれんくて。詩自体は内容はステキなんだけど、それを覚えるに至ったプロセスがちょっと。話はおいらが小学校の頃に遡る。担任はこの先生だった。

もう既になんてーか、先生と生徒との心が離れつつあってさ、「この先生、なんかなー」的な雰囲気でさ。まぁでも言ってる内容は正しいことがよくあって。そこは大人だから。けど、そうは分かっちゃいてもついていけなかったり。

そうさなぁあれは、初めて出てきたのは修学旅行前の学年集会のはずだから6年生のときか。先生、旅行先でご飯の前にこの歌を歌おうと切り出してきて。とりあえず各担任の了解は取り付けてたらしい。まぁ問題なく修学旅行の本番でも、毎食前に『ご飯の歌』だったわけです。わくわくしながらって雰囲気じゃ決してなく。義務というか。

で、どうもこの先生、この歌に妙な執着を見せて。修学旅行から帰ってからほどなくのある日、給食の直前、突然こんな宣言が出て。

「そうだみんな、『ご飯の歌』を歌おう! おお、これからは給食の前に毎回みんなで歌うことにしよう!」

ええー何すかそれ。そのぶん昼休みが減るじゃねーか。という皆の思いは完全にシカトされ、給食を食べる前にこういうよく分からん行事をすることになって。卒業まで。歌うときはもちろん全員テンションだだ下がり。で、はじめは学年全部が我慢してこの無駄な義務をこなしてるもんだと思ってたのに、ほどなくほかのクラスのやつからこのことでばかにされて。屈辱だったですよ。おれらだってやりたくねー!!

先生、戦前・戦中派だったんで、食べることができるありがたさを身にしみて分かってる世代ではあったんだけど、その思い、さすがに高度経済成長後のニッポンの子供たちにはダイレクトには伝わらんくて。ていうかぶっちゃけ人格的にもっと説得力ある先生ならもっと行けたのかもしんない。それに、どんなステキな歌だろうと、むりやり歌わされるのはなぁ。

てことで、いまだにこの『ご飯の歌』に対して素直な気持ちになれないのさ。

「食い物の恨みは恐ろしい」とゆーまとめでいいのかな。

銘板
2010.4.2 金曜
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『川の底からこんにちは』

タイミング的にナイスなネタを思いついてさ。

5月1日から全国順次ロードショーの『川の底からこんにちは』とゆー映画がある。満島ひかりの最新作だね。んでリンクに行けば分かるけど、つないだ瞬間から『木村水産 社歌』が流れ出すんですよ。これが素晴らしくて。どうせみんなで毎日歌うなら、ここまでイッちゃった歌がいいかも。

上がる上がるよ消費税
金持ちの友達一人もいない
来るなら来てみろ大不況 その時ゃ政府を倒すまで
倒せ倒せ政府
シジミのパック詰め シジミのパック詰め
川の底からこんにちは
銘板左端銘板銘板右端

満島ひかり、ええねー。去年『愛のむきだし』『クヒオ大佐』でおいらすっかりやられちったよ。どっちの映画でも共演の安藤サクラもすげーよかった。おいら、観る映画は特に役者で決めない人なんだと自分で思ってたけど、この2人のどっちかが出るなら絶対行くって感じさー。

銘板
2010.4.3 土曜
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ザ・似てる

たぬき と はぐき

銘板
2010.4.4 日曜
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執着@等張力バネ 1

去年の12月29日のログでブツクサ言ってた「垂直方向の移動で重力損失をキャンセルする機構」だけど、ひとつ思い出してさ。「等張力バネ(スプリング)」というもの。バネのストロークの範囲内だけだけど、重力損失はバネに預けて、荷物を動かす人はそれ以外のエネルギーだけ支払えばいいってことになるかと。

普通のバネだと変位に比例した反発力が出てしまうんで、位置が違うと反発力が変わってしまって、結局釣り合い点近辺のわずかな範囲でしかこの用途に適さない。けど等張力バネだと、ストローク全部で同じ張力(反発力)になるんで、荷物の上げ下げに便利なんじゃないかと。

けどこれ検索かけてもろくな情報が出てこなくて。確かにこの世に存在する機構のはずなんだけどな。

実はずっと前、等張力バネの仕組みを自分で考案してはいたんですわ。1993年あたり。で、その腹案を何年も温めつつ、もしかして特許申請したら取れるか? とか甘いこと考えたりして。で、後で知ったところだと、そういうバネ機構はとっくの昔から存在してるらしい、と。それが90年代後半。少しずつ設計計算してたら、なんだかめんどくなって途中で放棄してしまったしさ。それが2000年あたり。

仕組みは、コイルスプリングでもゼンマイでもいいけど、動く方の端をカムに取り付ける。リンクロッドにでもいい。そのリンクロッドの支点は同軸で、渦巻き型のスプロケットとつながってる。このスプロケットがチェーンを引く。これが出力。渦巻きの形をうまく設計すれば、変位によってテコの原理の力が変わって、ストロークのどの位置でも同じ大きさの反発力が得られる、と。

んでまぁ相当忘却してた2004年、松浦晋也の『国産ロケットはなぜ墜ちるのか - H-IIA 開発と失敗の真相』(当時の日本の宇宙開発はなぜかいろんな失敗が重なって凹みまくりな時期だった)を買って読んだらあんた、58ページの図の隅っこに等張力バネが出とるじゃないですか。びっくりしたなー。図の出どころは JAXA の公式文書ですな。

等張力バネ

右側の、赤い矢印で示してる巻貝みたいな装置ね。自分の考案の原理が合ってたのは嬉しかったけど、こうして具体的に見せられると、やっぱそうだよなー的ながっかりを感じてしまったりして、ちょいと複雑な気分でしたわ。

ちなみにこの本に出てたのは、地球観測衛星 みどり の故障原因を追及するくだり。太陽電池パネルが破断したんだけど、高度500km近辺の円軌道だと自転周期は1時間40分。昼と夜が50分ごとに来る。宇宙は太陽が照ってるかどうかで寒暖の差が激しい。材料がそれだけ伸び縮みする。この衛星の長い太陽電池マストもそうなる。

で、そのマストの伸縮で太陽電池パネルが破断しないよう、その差を吸収すべく、等張力バネが仕組まれてた。バネの伸び量に関わらず太陽電池パネルに常に一定の張力を与えるのがこの機構の役目だったってことで。そしてまさにこの部分の設計にミスがあって、太陽電池パネルが破れて電力供給が止まってしまった、という流れ。

やっぱ等張力バネって需要あるよなぁ。おいらが考えつくってことはつまり、世の中のあまたの専門家はとっくの昔に考えついてとっくに実用化もしてたってことだわなぁ orz ま、そういう需要のある装置を自力で原理だけでも思いつけた、その原理は間違いじゃなかったってことをちっぽけな誇りにしますか。

で、それもまた忘却すること数年。去年の年末あたりに「鉛直車輪」なんてのを考えてたときにはまだ脳内でつながってなくて。で、最近になって『おお、鉛直車輪は等張力バネのことではないか』とようやく結びついたってことで。

銘板
2010.4.5 月曜
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執着@等張力バネ 2

この渦巻き型等張力バネってさ、別の目的で考案したんだわ。1993年あたり、天啓のように閃いたのがあって。

それは羽ばたき人力飛行機。

ときどきテレビで、昔の人が空を飛ぼうとしたフィルムって出てくるじゃないの。背中にしょった羽根を腕で羽ばたかせようってやつ。まぁ全然浮かび上がらないか、可哀想な例だと高いところからそのまま墜落して亡くなってしまったり。聞いた話では、家族の反対を押し切ってエッフェル塔からそれをやってしまって、地面に何センチかの深さの穴ボコを作って魂だけ昇天してしまった人がいるとか。なんでもっと低いところから試さなかったのか謎。

今は飛行機があるから、そんなチャチな仕掛けじゃ人は飛べないことは誰にでも分かる。それと、レシプロやジェットの強力なエンジンで飛ぶスタイルが成功してるから、人力程度じゃ自由に飛ぶなんて夢のまた夢ってことも分かってる。まぁペダルを踏んでプロペラを回す人力飛行機が実際に飛んでるから、それで頑強なパイロットがヨタヨタ飛ぶ程度ならギリギリいけるのも実例で分かってますな。

てことで、「羽ばたき式の人力飛行機は無理!」というのがなかば世の中の常識となっとるわけです。「分かり切ってるんだから、今さらそんなことをやろうとするやつは阿呆!」というわけです。

けど、なぜかおいらにその天啓的なものが来てしまって。ま、結局今に至るまでなんもせんで放置してるんですけどね。

きっかけのひとつは、山口美江が司会の『世界まるごと2001年』っつう番組。放送期間は1990〜1991年だったらしい。オープニングで毎回、例の空を飛ぼうとした先人たちのフィルムが出るんですよ。「バカなこと真面目にやっとるなー」と笑いを取る意図だったと思う。おいらもそう思っちゃ失笑してたんだけどさ、とりあえずこれが記憶にあっての1993年。お金を貯めてようやく念願のビデオデッキを買ってさ、レンタルビデオで映画を観まくってたんだわ。

『バーディ』(1985)

これ観ちゃったんですわ。おお、若き日のニコラス・ケイジが出とるではないか。

引きこもりがちな主人公バーディ(マシュー・モディーン)はいつも鳥になることを夢想してる。友達(ニコラス・ケイジ)はその夢を叶えてやりたくて手伝いを申し出る。そんで、飛ぶにはまず体力が必要だ、と2人して鍛え始める、というお話。ラストのオチはしっかり思い出せるけど、ストーリーはもうこの程度しか覚えてないや。

観賞中にふと気付いたのは、そのトレーニング方法は間違いではないのか、ということ。バーディは台の上でうつぶせになって、両手を左右に伸ばした状態でダンベルを上げ下げしてた。羽ばたき飛行って翼を振り下ろす力こそ重要なわけで、翼を振り上げる方向の力は別に要らないよね。揚力で勝手に上がるわけだし。むしろその揚力に抗って翼の角度を維持する&振り下ろすのが難しいわけで。

「パイロットの体重+主翼以外の機体の重量」が下向きの力。水平飛行の場合、それと同じ大きさの揚力が発生してる。胸や腕の筋力でそれを維持する……やっぱ難しそう。

お手本の鳥はどうなのかっつうと、胸の筋肉が発達しとりますな。これで揚力を受け止めつつ、推力も作り出す。そのうえ骨が中空構造で軽くできてる。あと、翼を除いた体のサイズも人間よりずっと小さいよね。2乗3乗の法則で、空を飛ぶにはガタイが小さい方が有利なんで。昆虫サイズまで小さくなると、カブトムシなんつう一見飛ばなさそうな格好のやつでも立派に羽ばたいて飛べるわけで、サイズとゆーのは飛ぶことに関してはハードルなんだよね。実際、空を飛べる最大の鳥ってアホウドリあたりだと思うんだけど、大きくて体長1メートル、体重7kgだよ。

ちなみに「アホウドリ」という名前は研究者から反対意見が出てて、「オキノタユウ」にしてはどうかと提案されてるらしい。「アホウドリ」の名前は狩猟者がつけたみたいでさ。人を恐れずに寄ってくるから捕るのが簡単で、そう呼ばれるようになったとか。それが本当だとしたら、早いとこ改名してあげた方がいいような。

んで人間。パイロットを小柄な細マッチョだとして体重は55kgくらいかな。人力羽ばたき飛行機を超軽く作ったとして、パイロットの体重と合わせて70kgとすると、アホウドリの10倍の重量。地球の生き物で空を飛ぶ存在としては異常にでかい。成り立たない。

けど機械動力の飛行機は飛んでる。大きいものだとアントノフ An-225 の離陸重量 600t てのがあったりする。生き物の体じゃなきゃここまで行けるわけで。

てことで、空を飛ぶにはふさわしくない人体に、人類だけが持つ技術というやつを駆使した補助器具を組み合わせてみてはどうか、となるわけです。例えば競技用の自転車に乗れば、水平な舗装路面じゃ馬より速く走れるよね。そういう、人間の体力を目的に最適化させる道具ですな。

ずいぶん引っ張っちゃったんでそろそろ結論を言うと、「揚力は等張力バネが受け持つ」ということ。ぶっちゃけ飛行中に手を離しても、主翼の上半角はその時の状態に保たれて飛び続ける。じゃあ羽ばたく意味は何なのかっつうと、推力を作るため。パイロットの筋力を推力のためだけに使うってのは、プロペラ式の人力飛行機と同じこと。プロペラ式ならもう飛んでる。だったらこの線で人力羽ばたき飛行が成り立つんじゃないか、と。

問題は、飛行機ってのは推力が向かい風を作って、その向かい風が主翼で揚力を作って機体を宙に浮かせることになるんだけど、それに値するだけの推力を主翼の羽ばたき運動で作れるか、というところ。羽ばたきはプロペラよりエネルギー変換効率が悪そうなんで。けどこれで、不可能な理由が「なんとなく無理そう」から数字の量の問題にまで進んだ。

銘板
2010.4.6 火曜
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執着@等張力バネ 3

別な観点だと、主翼の羽ばたきで推力を得るんなら、振り下ろしと振り上げの両方の動作でそれをやると効率がいいわけで。てことは、胸の筋肉だけでなく肩甲骨のあたりの筋肉(広背筋とか菱形筋とかかな)も飛行行為に動員できるってこと。飛ぶのに使う筋肉の割合が増えるってことで、鳥に一歩近付く、ということにもなる。そんなこんなで「無理に決まってっだろw ばかじゃねーのww」から「計算だけでもやってみなきゃ結論が出ない」になったわけ。

当時、周りの何人かにこのアイディアを話してみたけど、やっぱしというか笑われましたですよ。工学系の学生や教授も含めて。

リリエンタール兄弟もライト兄弟もこうして笑われたんだと屈折した強制納得をしつつ、ちょっと気を取り直して考察を進めてみた。

鳥と全く同じ仕組みじゃ飛べないから技術的な発想を導入するわけで、その線で行くと、複葉っていいんじゃないかと。仕組みだけじゃなく外見も鳥から離れてしまうけど、とりあえず羽ばたきで飛ぶことが目的なんで。鳥と同じく単葉でいくとなると、揚力と推力の両方の機能をいっぺんに主翼に求めるわけで、どっちも中途半端なことになりかねない。そしたら固定翼をもう1枚追加して、こっちは揚力発生専門にしたらいいのではないかと。羽ばたき翼の方は揚力の要求は程々にして、主に推力発生を重視。

けどこの考えを推し進めていくと、普通の固定翼機と変わらなくなっちゃうんだよね。行くとこまで行っちゃって「揚力は固定翼で、推進は羽ばたき翼で」と完全分業にしちゃうと、「推進専用の羽ばたき翼なんて、普通の人力飛行機のプロペラを置き換えただけじゃんか」→「それは羽ばたき飛行と呼べるのか」っつう根本的な問題になってしまうわけで。揚力用の固定翼を追加するにしても、「羽ばたき飛行」っつう大義名分を保つには、「主翼」と呼べるだけの揚力を羽ばたき翼が担わなきゃいかんよなぁ。

ついでに固定主翼には上反角を付けて、ロール安定の役割も持ってもらうといいかも。羽ばたき主翼の上半角は羽ばたき運動で刻々と変わるから、こいつにロール安定を求めるのは無理がある。てことで固定主翼で一定量のロール安定を常に生み出してれば、パイロットはそのぶん羽ばたき主翼を安心して稼働させられるだろう、と。

まーそんなわけで、この案が成り立つかどうか計算だけでも、と思ってたんですけどね、やっぱ期限を設けないってのはいつまでもやんないってことでして。やりはじめたばかりのインターネットでまさにこの研究をされてる大学を探し出して、先生にメル凸してみたりもしたんだけど(まさかこの日本で、京都大学でこんな研究がなされてたとは)、なんかそれで満足してしまったというか。自説の甘さを悟って放置状態というか。ていうか先生、長らくご連絡せずに大変申し訳ありません。私はとりあえず生きていますです。

話はそう単純じゃなくてさ。人力の最大パワーを引き出す方式の吟味、それに合わせた羽ばたきの周期、それに合わせた全体設計などなど。思いつきでどうにかなるかもなんてレベルの自分の考えが甘かったっつう意味じゃ、エッフェル塔から飛び降りたあの男と同じだよなーなんていささかガックシ落ち込んだりとか。

落ち込んだといえば、人力羽ばたき飛行にしても等張力バネにしても、もう他の人がとっくに考えついてたってのがなぁ。世間知らずもいいとこ。上記のサイト様によると、1849年に既にジョージ・ケーリー卿というお方が「固定翼で揚力を担当、羽ばたき翼で推力を担当」の形で一定の成功を納めてたようで。

てことでここらへんのアイディアはもったいぶる意味も価値もなかったってわけで、こうして公開しちゃったり。

銘板
2010.4.7 水曜
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執着@等張力バネ 4

てことで当時、こんな感じかなぁと六角大王で作ったイメージ図があったのを思い出してさ。これ↓。

人力羽ばたき飛行機的な画像・旧

画像の作成日は「01/06/26 0:18」。当時から深夜帯が活動時間ですな (^_^;)

上の主翼は固定翼。下のは羽ばたき翼。尾翼が V 字なのは、離着陸で水平尾翼をぶつけないためと、重量軽減が狙い。尾翼に操舵機能を仕込まないんならこれでいいかなと思ってさ。けどメールでお伺いした大学の先生のお話だと、羽ばたき機は激しくピッチングするから、V 字尾翼は適さないんだそうで。言われるまでまったく気付かなかったわー。上下の動きそれぞれで抗力が変わるからね。そりゃそうだわ。

あと不適そうな点と言えば、羽ばたき翼が下に付いてるってとこもかなぁ。振り下ろしたとき地面を叩いてしまいそう。地面効果を狙ったつもりだったけど、だったら羽ばたき翼を上に、固定翼を下にしてみるとか。その方がより安定して地面効果をゲットできそうだし。

もう少し考える。

離着陸で上向きになるとき、胴体が後ろに長く張り出してるのはどうかと。激しくピッチングする羽ばたき飛行でそれはいわゆる、しりもち事故の可能性があるんじゃないかと。それに V 尾翼をやめて普通の「┻」型の尾翼にすると、羽ばたき主翼からの変動しまくりな後流をモロかぶりではないのかと。となると機体の形はカナード型がいいのではないかと。水平尾翼が羽ばたき後流から逃れられるわけで。垂直尾翼は 震電 風に固定主翼の中ほどに取り付けるとすると、やっぱりどうしても羽ばたき後流を受けてしまう。っつうか普通型の垂直尾翼の方がよっぽど後流の影響が少ないんじゃないかと。でもまぁ胴体側にできるだけ寄せれば、その影響は少なくなるかな。

あとカナード型だと垂直尾翼面積を大きくしなきゃなんないけど、胴体を多少短くできる。重量的に有利になるかも。ピッチ安定は主翼が兼任するんだけど、羽ばたき翼は羽ばたきの位相で迎え角が変わるからそれは期待できない。だったらその機能は固定主翼で賄えばいいんじゃないかと。あとカナードだと前翼でも揚力を作るから、主翼をそのぶん小さくできるね。これも軽量化に一役買えるかな。

カナード機の難点のひとつとして、「離着陸の滑走距離が長い」とゆーのがあるらしいけど、これはまぁ普通型の飛行機で使ってるフラップがないからってことだと理解してる(違うかも)。もしそうだとしたら、人力飛行機にはもともとフラップがないからこのデメリットは関係ないかと。

で、今しがた作りましたよその画像。5時間かけて。六角大王の Mac OS X 向けは持ってないんで、フリーソフト Art of Illusion (AoI) で。すげーめんどかったですよ。何をどうすればどうなるのか思い出しつつ、あるいは新たに習得しつつ、比較的根性出しましたですよ。

人力羽ばたき飛行機的な画像・新

震電を 羽ばたかせたら X ウイング(五七五 字余り)

別に意識しなかったのに…… (^_^;)

一応、感覚で「こうした方が性能上がるかなぁ」「ここはこうまとめたらバランスがよくなるかなぁ」みたいな妄想で調整かけながら作ったんだけど、それでできた見た目が思いのほかかっこよく仕上がったですよ。そんなどうでもいいとこで満足してたぐらいにしてw 力学計算してないから(「できないから」とは口が裂けても言わない)、目安にもなんない程度のポンチ絵だけどさ。とりあえず胴体前部はもっと細身にした方が空気抵抗が少なくなりそうなんだけど、節点を増やしてメッシュの切り方をウンヌンしてとか、そうゆー行程を考えるだけでもめんどそうでさw

前翼+固定翼と羽ばたき翼の面積比は4:6くらいかな。揚力の分担もそのくらいだとすると、まぁギリギリ「羽ばたき飛行機ですよ」と言えるくらいじゃないかと。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

今まで数年に1度のペースで AoI に触ったり触らなかったりだったけど(つまりほとんどまったく触ってない)、今までで一番凝ったもの作った気がする。しかしこの程度の1枚絵で5時間か。次は2時間くらいでいけるかなぁ。

銘板
2010.4.8 木曜
前日に飛ぶ
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執着@等張力バネ 5

人力羽ばたき飛行機の最近の実物と言えば、2008年の鳥人間コンテストで1機だけ出場してたんだわ。

足でペダルを踏む方式で、ペダルというか、記憶だと機内で踏み板か踏み棒を両足同時にドンカドンカ踏み続ける、という独創的な方式だったと思う。腕はコクピット両脇の握り(胴内壁に固定)を掴んでた、と思う。

この飛びっぷりで、羽ばたき周期の概念の大切さを実感したわ。この運動、周期は1秒以内だったと思う。秒速2回くらいいってたかもしんない。で、これだとどうなるかっつうと、羽ばたき翼の付け根から始まった変位が翼の端まで伝播する前に、付け根じゃもう次の変位が始まってる、という具合。振動に「節(ふし)」ができてしまってて(ここで『少林寺三十六房』を思い出したあなたは古株の香港映画マニアw)。これは感覚的な「羽ばたき」とは違いますわな。けどそれで推進力なり揚力が充分に出れば問題ないわけ。でもどうもそううまくいってるように見えなくて。

節のある羽ばたき振動の良し悪しはおいらの浅学じゃ評価しきれんけど、とりあえず節近辺じゃ羽ばたき効果がないことは分かる。推力発生で考えると、振り上げ時の主翼は迎え角がプラス(上向き)、振り下ろし時は迎え角がマイナス(下向き)となるはずなわけで、これ、おいらは翼のねじれでこうなるべきと考えてる。けど片方の主翼で、翼の付け根から翼端までの距離によって上下動の方向が違うなら、ねじれ方も複雑になるわけで、それで各部が常に最適なねじれを出すような設計って可能なのかどうか……かなり難しそうな気がする。

となると、付け根で加えた変位が余裕を持って翼端にまで伝わるには、もっと遅い周期じゃないといかんことになる。翼幅、ストローク角、主翼の強度も関係してくるはずだけど、雰囲気としてはボート競技のあのリズムくらいかなぁ、もっと遅いかなぁ、と。鳥だって、スズメの羽ばたきは目で追えないほど速いけど(飛んでるのを横から見たら翼端の残像が波打ってたのは認識したことある)、ウミネコくらいのサイズになると、羽ばたく様子は肉眼でだいたい観察できるくらい遅いわけで。もっと大きな人力飛行機だと、もっともっと遅くなるだろうなってくらいは予想がつくわけで。

動かし方としては、パイロットの操作の方でいったん下死点まで振り下ろしたなら、その動作で発生した翼全体の上向きのしなりがなくなるまで静止して、そこから振り上げ。上死点まで振り上げ切ったら、これまたしなりの解放まで待ち。そして振り下ろし開始、という具合かと。1周期に2秒かかるかなぁ。羽ばたき主翼の強度材をできるだけ強く軽いものにして、翼幅をできるだけ縮めて、ストロークは大きめ、にする方向でかんばるって感じですか。そうなると張線かなぁ。これ空気抵抗が大きいんだよね。ただでさえ複葉化で支柱の空気抵抗が不利なのに。

羽ばたきの周期が実在の鳥に比べてかなり遅いというのは、京大の先生が既に理論を作り上げてる。こちらはもちろん精緻な計算とデータを元に割り出した数字で、周期は1.2秒。おいらの感覚からすると意外と速い感じ。

また感覚の話だけど(「ちょっとは計算しやがれ」は禁句)、振り上げ時は推力発生できない気がしてきた。推力を出すほどの速度で振り上げたら翼の上面の気圧が上がる→揚力がなくなる、という流れで。振り上げはゆっくりやらんと危険じゃ〜。したら振り下ろしでしか推力を稼げないのか。そっと振り上げる=微妙に揚力が減った状態でただ滑空してるだけの時間が半分。その間は高度も落ちる。そのぶんをもう半分の振り下ろし行程だけで埋め合わせなきゃなんないのか。きついなぁ。とりあえず上死点で羽ばたき翼のしなりが戻るのを待つ必要はなくなったっぽいけどさ。

「鳥よ、鳥よ」なんつーと無駄に詩人っぽいけど、あいつらこんな高度なことを「サイズ規制+骨の軽量化+ガタイに似合わぬ強力な胸筋」でとっくにクリア済みかよ。こっちは特殊なバネ機構と固定翼を動員してもこんな体たらく。くやしいのう。くやしいのう。

銘板
2010.4.9 金曜
前日に飛ぶ
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Art of Illusion 2010年の陣

おとといのログで出てきた 3D モデリング/レンダリングのフリーソフト Art of Illusion の感想でも。

今回初めて「目的のあるオブジェクト」を作ったわ。それまでは試しでテキトーにオブジェクト生成のまんまの円柱や立方体を並べたりヘンな波板みたいなのを作ったりで済ましてて。これで「3D やってます」だなんて恥ずかしくてとても言えない状態で。今のレベルでも恥ずかしいわけだけど(汗)。

その前に Mac OS 9 時代に六角大王を少しいじってたことがあってさ。けど OS X に乗り換えたときにアップデートしそこねた上、今は Mac 用はバージョンアップを4で止められてしまってて(Windows 用は5がある)、面白くないんでもう六角は使わない方針で。

けど六角の素晴らしく感覚的な操作法しか知らん体には、AoI はチト厳しくて。初めて触ったのが……2004年12月か。その次は2007年7月。で、2010年4月。ほんとに3年に1回ずつしか触っとらん orz

けど AoI はボーン(骨)と IK があるわアニメーション機能もあるわで、フリーウェアなのに相当凝ってるんですなぁ。しかも公式サイトの "Art Gallery" ページには美麗な画像がいっぱい。正直、ほかの有料 3D ソフトのギャラリーの方が綺麗なのが多いんだけど、無料でこのクオリティはむしろもったいないくらいかと。それにアートギャラリーの作品、何年か前からほとんど変わってないしさ。最新バージョンを使ったものなら、もしかしたらさらに綺麗かも(まさか汚くなることはないだろうし)。

使ってみた感じは、ちょっとめんどいところが多い感じ。感覚とそぐってないところがあるというか。六角大王の操作感が素晴らしすぎたってのがあるんだけどさ。

オブジェクトの形状をいじるのは、大まかな変形はそのままできるんだけど、細かいところはオブジェクトをダブルクリック(または右クリックで「編集」を選択)で編集画面を出して、その画面じゃないといじれない。オブジェクト形状の試し打ちを確定しては全体像を見てまた「編集」モードにして、て感じでチト煩わしい。

その編集モードでも、節点や辺の追加や削除がどうも面倒なルールで成り立ってるみたいで、好きなように節点や辺を追加したり消したりってのがなかなかできなくて(2013.9.7 補足: マニュアルにやり方が書いてありますた。けど六角のほうがラク)。六角はそこもいいかげんでよくてラクだったなぁ。四角いポリゴンがオッケーだったもん。けど世の中の標準は、ポリゴンと言えば三角形。

で、六角はおいらが使ってた当時はレンダリング機能があんまし充実してなくてさ、代わりに POV-Ray っつうほとんどレンダリングに特化したフリーソフトを勧めてた。で、六角の書類は POV で使えるデータに変換できて、そうするとポリゴンのメッシュが三角形に切られてる、となるわけ。(2013.4.19 補足: AoI にも四角形のモードがありますです)

あとさ、鏡対称の操作って AoI じゃできないのかなぁ。六角の売りのこの機能、すげー便利だったよ。おとといのはまさに鏡対称のモデルだったから、この機能があれば手間が相当省けたのになぁ。あるかもしんないけど呼び出し方が分からんくて。

AoI もレンダリング単体の機能は POV の方が上らしくて、データを POV 形式の書類に変換する装備があるんだけどさ、これがちょっとクセモノで。なぜか色データが消えるのよ。だからその書類を POV に読み込むと、勝手に白黒になっちゃうんだわ。使い道がかなり限定されちゃうわけで。AoI になくて POV にあるラジオシティのレンダリングなんかどうすりゃいいんだろ(←腕はないのに半端な知識だけはある)。

レンダリングが若干弱いといえば、「シーン→レンダー」のオプション設定でアンチエイリアスを選ぶと、「ソフトな影」のチェックボックスが使えるんだけど、これを選んでレンダリングするとね、その「ソフトな影」がチリチリしちゃうんだわ。我慢できる程度だけどさ。おとといの絵だと、固定翼の左右全体と左の羽ばたき翼、その付け根のあたりの胴体、このあたりがそうなったよ。解決法は……無駄といえば無駄だけど、でっかくレンダリングしてから GIMP やプレビューで縮小をかければ綺麗になるかも。てことで画角3倍サイズでレンダリングしてから元のサイズに縮小してみた。上がそのまんまのやつ。下が解決法トライアル版。

そのまんま出力
↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
解決法トライアル

おおおースッキリ!! 全体的にキレイキレイのお肌スベスベになっちゃってまぁまぁまぁ。でもやっぱし元からタダレがひどかったところは跡が少し残ってるね。そしてレンダリング時間はタテ3倍×ヨコ3倍=9倍なわけで。この手間暇をちょっとと見られるかどうかが勝敗の別れどころかと。フリーソフトでここまでできるってこと自体が既にすごいことなんだけども。さっきから何かと噛ませ犬にしてる六角大王は有料だもんね。

いろいろ言っちゃったけど、使い方やクセを少しずつでも覚えていくと AoI はかなり使えるんじゃないかと。このくらいの絵なら、操作に慣れさえすればサクサク作れるようになりそう。今回も後半はかなりペースを上げられたし。

この手のソフトをサクサク使いこなすには、キーボードショートカットを覚えまくるのが肝要かと思う。で、見つけましたですよその公式ページを。っつうか環境設定(Windows だとプロバティ?)に全部載ってたw けどその割には少ないような。自分で設定を増やしていくもんなのかもしれんな。

すげーいいとこもあるのよ。それは Java なのに全然トロくないってとこ。同じ Java のフリーソフトだと OpenOffice.org をたまに使うんだけど、こいつの反応がトロいのトロくないのって。「Java だからなー」と諦めてたんだけど、AoI の方は反応シャキシャキ。Java でもやればできるんだなぁ。

ついでに、Mac 完全対応版があるのが嬉しいよ。「まったく Java を分かっとらんなー。ナントカ向けもあるとかじゃなく、Java なんだから全 OS 対応なんだろが」なんて言わんで。分かっとらんのはそのとおりだけどさ(汗)。Mac に対応ってのはつまりアイコンが付いてくるってことでして。OS X 上でアイコンをダブルクリックだけで起動してくれるってことでして。そういう Java 以外のスクリプトが一緒に付いてくるってことでして。ナマの Java プログラムだけなら、起動ごとにターミナルからコマンド "java (AoI の起動コマンド) (使用メモリ領域を拡大する呪文)" を打たんといかんのでして。

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2010.4.10 土曜
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経済気分な支離滅裂妄想 1

不況、不況とゆーのが世の中のフツーになって、もう相当経ちますな。バブル後の90年代を「失われた10年」と呼んでみたり、2000年あたりのアメリカバブルでちょっとあっためてもらったのは東京あたりだけだったとか(何もないよりずっとマシだったと思うけど)、同時多発テロでそれもすぐに消えちゃったりとか。で、何年もかけて少しずつ持ち直してきたつもりがリーマンショックで全部ぶっ飛んで、「日本はまだ被害が軽い方」とか言われつつも、やっぱし厳しかったり。

結局、日本って不況体質なんだね、というあたりで話が落ち着くかと。

んでまぁ別に新しい意見でもなんでもないんだけど、ちょっと思い出して今さら実感してる論があって。

「失われた10年」のあたりでよく言われてた「産業の空洞化」。これ、今モロかぶりなんじゃないのかなーって思ってさ。

デフレ経済下で安くなきゃ売れないってことで、コストダウンの大号令がかかりまくりましたな。製造業の下請け仕事はそれで、中国や東南アジアにかなり流れたとか。てことで日本の下請け企業は今までも相当買い叩かれてきた挙げ句に、仕事がなくなるという踏んだり蹴ったり。それがその産業にどの程度の影響があったのか分からんけど、それまで国内で循環してたはずのカネが、海外にただ流れていくようになったわけで。

農業もそうだね。コメだけは相変わらず自給率100%だけど、全体だと今はバブル前の1980年代よりだいぶ輸入が増えたんじゃないかと。

輸出総額の方は輸入の伸びより増えてないんじゃないのかねぇ。となると、そりゃぁあの頃より景気が悪くなるわな。国外への支払いが増えてるってことで。データを持ってないんで全部憶測だけどさ。

んでまぁどうも最近、うさん臭い気がしてた論理というのを思い出して。

不況ってことで90年代から、どこの会社も「生き残り」って言葉を使い始めましたな。生き残るために知恵を絞って努力すること自体は正しいことだと思う。んでその策のひとつがコストダウンで、ここも間違ってないと思う。ただ、今までのやり方から日本全国一斉にコストダウン至上主義になったってのはさ、世の中にとっては経済的な衝撃だったんじゃないかと。世の中は時代とともに変わるものだし、その変化のスピードはどのくらいが適当なのかも分からんけど、バブル崩壊がほとんど突然だった煽りか、このケチケチ路線への転換もかなり急激だったと思う。その激変に世の中全体が付いていけなかった面もあったんじゃないかと。企業は基本、自社の変化が世間に与えるインパクトなんか、宣伝効果以外は考えないからな。仕方ないっちゃ仕方ないんだけど。そんなの考える暇があったら自分とこの経営に専念すべきだし。

それでも、どこか全体の中の一部が局地的に急変したってんならほかの部分で吸収できもするだろうけど、みんな一斉に、というのはやっぱきついよね。倒幕と明治政府樹立ほどの激変でもないんだろうけど、明治維新を親の世代ででも知ってる人なんてもういないだろうしさ。

んで、「自社の生き残りに専念」がなんとなくうさん臭く感じた理由ってさ、「自社の生き残りのためなら同じ国のほかのやつを殺してもいいんだ」っつうところなんじゃないかなーと今になって思う。つまり、今まで自分だけに尽くすように要求してきた下請けを切っちゃうってこと。で、海外に発注しちゃうってこと。「自分が殺されないためにほかのやつを殺しましたがそれが何か」というジャングルの掟的な開き直りというか。

それでもこれって健全な経済行為だよね。値段の安さは商品価値のひとつだから、売り手は負けたくなかったら、値段の高さ以上の品質やサービスを提供するなり、ライバルと同じ品質なら安さで勝負するなりしなさいってことで。

それが分かっちゃいても、うさん臭い感じがどうにも抜けなくて。

自分が死ぬのがイヤだからほかのやつを殺してもいいってのは、一見筋が通ってるようだけど、「それを言っちゃおしまいよ」的な感じもあるよね。そうは言っても「みんなやってる」「だから自分もやらないとやられる」とかそういう勢いで押し切っちゃったり。

あ、今気付いた。「死にたくない」は企業の存在目的じゃないよ。本来の企業の存在目的は社会に良質な製品やサービスを提供することと、その対価から利益を得ること。だから自己保存は目的じゃなく、自分が目的を遂行するための条件のはず。例えばこの条件を外しても目的を遂げられるなら、例えばそういう仕組みを作れたなら、その企業がなくなっても誰も困らない。条件ってのはそういうこと。

人の命と違って、企業が存在する意味ってそんなもん。だから企業は存続を第一目的に据えるべきじゃない。人の命を例えにしての自己正当化も悪くないけど、違うところは決定的に違うからそこは区別しなきゃなんない。この混同はその企業の行き先を見誤らせる。

そこの区別が世の中の雰囲気としてごっちゃになってる気もする。これ危ないんじゃないの? 組織が自己目的化すると暴走が始まるよ(←小室直樹の受け売り)。今ってもしかして、もう暴走が始まってる状況なのかもね。それで生き残るだの殺されるだののパニックな心理になってるってことなのかも。

結局そういうよくわかんない世の中の勢いみたいなもんに駆られて輸入が増えて、それがますます殺伐さを加速させてる、という気がしてきた。

てことはあれですか、この「殺伐な気分 → 殺伐な状況 → 殺伐な気分 → 殺伐な状況 → ...」のスパイラルを手っ取り早く止めるには、「気分を変える」となりますか。簡単そうではあるけど、気分を変えるのって個人レベルでも大変だったりするよねw

銘板左端銘板銘板右端

この逆で「気分が良くなる → 景気拡大 → 気分が良くなる → 景気拡大 → ...」のスパイラルも実在したけど、まさにそれがバブルだった (^_^;)

バブルの行く末ってなんでどこでもいっつもハードランディングなのかねぇ。

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2010.4.11 日曜
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経済気分な支離滅裂妄想 2

海外への下請け発注だと、90年代あたりはアニメ産業がそこらへん派手にやってたと思った。たぶん主にセル画の色塗り。完成された段取りに従って、指定通りに色を塗る。単純労働なわけで、人件費の安い中国や韓国に発注してたとか。でも今は IT 化で、パソコン上でやっちゃうんじゃないかと。絵の具もセルも要らんから、とりあえず消耗品代がかからんよね。

電気代は確かにかかるけど、ブツの値段より大したもんじゃないだろうし。一人の作業者が一定時間こなせる仕事も、手塗りの頃の数倍は行ってるんじゃないかと。撮影済みのセルの保管も、デジタルデータなら場所を取らない。失敗してもロスなしでやり直しが効く。色ムラがなくて仕上がりが超美麗。

その前の線画行程は相変わらず手書きかもしんないけど、その次の色塗り行程から全部パソコンでやるとなると、色塗りの後は撮影行程が要らなくなって、いきなり動画を作ってチェック作業ができますな。そして編集もデジタル。人件費が大きい行程の労働総量そのものを大幅圧縮したわけで。こうなると海外の労働力との価格格差も薄まる。アニメ製作のデジタル化で、実写の映画やテレビドラマの製作よりも劇的にコストダウンが進んだんじゃないかな。

文化の違いでの意思伝達ロスのリスクを負ってまで、わざわざ海外に発注する必要もなくなるわけで。けど90年代と違って今はブロードバンドインターネットがあるから、外国への発注もずいぶんとハードルが低くなってもいるだろうし。どうなんでしょね実際。

2001年公開のアニメ映画『メトロポリス』だと最後のクレジットタイトルで、中国か韓国の人のお名前がどどーっと出てきてた。あの頃はまだ手塗りの時代だったろうからな。

もし今は色塗り作業が IT 化の恩恵で国内に戻ってきてるんなら、これが産業空洞化対策としてナイスな実例になるんじゃないかなー。

ただ、海外の安い労働力に勝ったってことなら、発注の金額規模は国内で手塗りしてた頃よりかなり小さくなってるはずで。けど効率化は発注者の側からすれば正義だよね。それまで資金面でも技術面でもできなかったことができるようになるわけだから。

安くて速くて高品質な PC 色塗り。これを今さら手塗りに戻す意味ってあんましないしね。あえてその風味を狙ったらしいポニョみたいな作品は除いて。てことで、海外の労働力に勝てば勝ったで、結局は労働市場の大幅縮小ってことですわなぁ。かつての造船もそうだったしね。韓国に勝つためにロボット化を進めたとか。日本製の石油タンカーって外板の溶接はフル自動らしい。どの業界もそうだね。醸造業も、昔は仕込みの時期に何十人も季節労働者を雇ってたのが、実は労働の多くが運搬なんかの単純労働だったもんで、ベルトコンベアやら空気圧送機やらでそのあたりをだいぶ置き換えたら、雇う人数が何分の1かで済んでしまった。蔵によっては10分の1くらいまでなったぐらいにして。

そういえば、90年代での IT 化の弊害を憂う声にこんなのもあったよ。ある自動車メーカーは、手書きの設計図から CAD に移行したら、設計部の責任者が図面の確認をしっかりできなくなくなったとか。なんでもその設計管理者、手書き図面の線の微妙な細い太い・薄い濃いで製図した人の気持ちを読み取ってたんだそうで。それで、「ははあこいつここ自信ないんだな」なんて悟ってはやり直させたりしてたのが、確かに CAD じゃそれは分からんよなぁ。きっと結構な数の機械メーカーが、こんな職人技を持つ人たちを抱えてたんだろうなぁ。

アナログ時代ならではの裏技が効かなくなったってことですかね。

てなことで、海外の安い労働力に勝って仕事を国内に呼び戻すには徹底的な省力化だってことで、どの業界もそれをやってるわけで。そうなると、パソコンでできちゃう程度の単純労働の稼ぎ口が目減りするってことで、結局は失業率はあんまし下がらないってことか。

それに対する解答は、日本で暮らすからには、機械じゃできない高度な頭脳労働に耐える人材になれってことか。こりゃまた競争社会ってやつですなぁ。ていうかほんと ゆとり教育なんてやってる場合じゃないんじゃないかと。インドなんかそういう路線のすごい人材を使った商品やサービス、あるいはそんな人材そのものを世界に続々輸出して稼ぎまくってるらしいぞ。

銘板左端銘板銘板右端

機械設計の CAD 化は時代の流れ。設計管理者はそれならそれでさらに別な方法で、設計者の気持ちを汲む努力をするしかないんじゃないかと。

けど現状の CAD も良し悪しだと思うよ。だってさ、製図用紙に比べてパソコンのモニタなんてちっさいもんだから。モニタのサイズは少しずつ大きくなってはきてるけど、やっぱし製図用紙全部フルスケールで出すわけにはいかないじゃないの。解像度もまだまだ粗いし。それをはるかに上回る利点があるってことなんだろうけど。ときどきプリントアウトして全部を見渡せばいいってことか。

つうか Mac と Windows ってモニタの性能は同じなのに、とりあえず Windows XP って粗いよね。Mac より字が大きく出るのにドットが見えてたり、罫線がピクセルをまたぐかまたがないかで太さが違って表示されたり。なんでそうなるんだろ。Vista 以降は改善されてるのかなぁ。

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2010.4.12 月曜
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経済気分な支離滅裂妄想 3

西洋でロボットのイメージが日本ほどよくない理由のひとつに、人間の雇用を奪うから、というのがあるらしい。それを聞いた80年代や90年代にはおいらはピンと来なかったけど、こうして21世紀初頭の現実社会を考えると、あながち間違いでもないような。

けど、教育水準が上がって頭のいい人が増えると、ますます人件費を切り詰める仕組みを発明するだろうなぁ。で、人はますます職を持ちにくくなって、じゃあ雇用情勢が安定するよう教育水準を上げよう……といういたちごっこが続くような。ま、教育レベルは高いに越したことはないけどね。

んで思い出したのが、昨日のログでアニメ業界の例として出した『メトロポリス』。あれってまさにそういう未来社会を描いてたわ。象徴的ですなぁ。

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2010.4.13 火曜
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経済気分な支離滅裂妄想 フォロー編

いや別に今さら IT は害ばかりだとか言うわけじゃなくて。前まで人がやってた膨大な単純労働を、コンピュータという奴隷に任せて省力化すればそれだけ事業の金額規模が小さくなるから、リスクも小さくなって起業しやすくなるわけだし。資金も調達しやすいだろうし。採算が合わなくて捨てられてた事業がこれで生き返った、なんてのもきっといくつもあると思う。

あとすごいよなーと思うのは、ごっつい性能のコンピュータを個人で持てる時代ってことで、個人が趣味でできることが大がかりになったよね。

何日か前、3D モデリングソフトで簡単なモデルを作ってレンダリング出力したわけですよ。

手書きであのレベルの絵を描くのって、それなりに鍛錬が必要だぞ。今は素人がたった5時間できちゃうんだもんなぁ。ニコニコ動画や YouTube にはもっともっと凝った 3D 画像の、しかもアニメーションの作品が出てる(Miku Miku Dance がその流れを決定づけたよなぁ)。

3D モデリングのアニメーションてのは40年くらい前に既にこの世に存在したけど、満足なもの(ワイヤーフレーム映像じゃない写実的な CG)は NASA ほどの巨大科学技術組織じゃなきゃ作れなかった。ボイジャー計画のプレゼンテーション CG 映像がそれ。アメリカの国会でボイジャー計画の予算を認めてもらうために作られたもの。

案の定、議員さんたちその映像に感動して、見事に予算をゲットしたんだそうな。仕掛人は、当時世界で最も有名だった天文学者、カール・セーガン博士。ものごとは一般に図解にすると分かりやすい。動画にするともっと分かりやすい。このプレゼン CG は世界に向けても公表されて、ボイジャー計画の素晴らしさと有意義さを雄弁に語った。ていうかカール・セーガンが監修した名作科学番組『コスモス』で当然のごとく使われて、世界中がこの CG アニメを見て感動したわけで。頑張っていいものを作ると余録も大きいですなぁ。

で、現在。あのくらいの映像作品なら個人が趣味で作れるぞ。さすがに今のおいらには無理だけど、鍛えればできそうな気がするくらい小規模な作業になったわけで。そこを考えると IT の恩恵をしみじみ感じられますですよ。ボーカロイドもできたしな。

銘板左端銘板銘板右端

んでまあコンピュータの進歩と普及はこの40年で、超大国の国家機関(NASA)→ 個人ってほど凄まじかったんだけど、太陽系の端っこの星に探査機を飛ばすなんて、相変わらず NASA にしかできん芸当なのよね。技術の進歩は激しくムラがあるってことでひとつ。

銘板左端銘板銘板右端

日本映画が最近元気なのも、IT の恩恵なんじゃないかと。CG VFX の映像ってものすごい完成度を誇るわけだけど、90年代前半あたりまで、日本映画の予算規模じゃなかなか手を出せなかった。けど安く速く作る生産体制が確立されて、満足できる映像に手が届くようになったわけで。

さらに撮影現場のデジタル化も低コスト化にかなり寄与してるらしい。フィルムカメラから映画撮影用ビデオカメラに替えると、フィルム代と現像代がまるまる浮くわけで。

そのうえ NG を出しても媒体は上書き可能だからそのぶんの無駄が出ないし(役者やスタッフ、スタジオの拘束時間が増えるのはそのままだけど、予定時間内なら)。その場で映像をチェックできるから、後で「変なの映ってたー」なんてことが減る。もし変なのが映ってたことに後から気付いても、CG で比較的手軽に修正できる。

黒澤明の大型時代劇映画『影武者』(1980) だったか『乱』(1985) だったかのある場面を撮影したときのこと。フィルムを現像してしまってから背景の山に登山者が映ってるのに気付いて、その修正に500万円くらいかかったとか。たぶん Photoshop 的な画像修正工程を、手作業で1コマ1コマやったんじゃないかと。映画の1分って1440コマだよ。あのあたりの黒澤映画は1カットが長いからなぁ。大変だったろうなぁ。

とかそうゆーモロモロの状況がデジタル化で改善された結果、「もうどうしようもないからこのまんま行こう」というヤケクソな妥協も減って、結果的に作品の品質を上げたんじゃないかと。色合いも好きなだけトライ&エラーできるしね。それに特定の工程のコストが大幅圧縮されたってことで、ほかの部分にカネかけられるようにもなったろうし。以前より1段上のキャストやスタッフを起用するとか、宣伝費に回すとか。あるいはそのまま経費を減らして黒字幅アップとか。

あと最近、ドキュメンタリー映画が増えてる気がするよ。もともと劇映画に比べて役者やスタッフの人件費もセット代も桁違いに小さいから、フィルム代と現像代が予算に占める割合が高かったと思う。それがデジタル化でほとんどまるまる浮いて、製作費がどどーんと減ったはず。ものによっては家庭用ハイビジョンデジタルビデオカメラで撮ってたりするね。パソコンと映像編集ソフトがあればスプライサー(フィルム編集専用の機械)も要らないしで、機材代もガッツリ削れてるんじゃないかな。そんな理由で、近頃はドキュメンタリー映画製作のハードルがずいぶんと下がってるんじゃないかな。

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2010.4.14 水曜
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そこらにある私的サイエンス謎 1

近くにニワトリを飼ってる人がいるらしくてさ、早朝にやたら鳴くんですわ。眠れない夜や夜更かしした日とか、これ聞こえてくると「おれ何やってんだろ」なんて存分に空しい気分にさせてくれるさ。早起きで聞いた記憶は特になかったりする (-_-) つか「近く」といっても田舎なもんで、200m くらい離れてたりw

んで前々からときどきギモンに思っては忘れてたことあってさ、今ちょうど思い出したんで、忘れないうちに書いとくべ。

ニワトリは何を検知して「朝だ」と知るんだろ。

まだ暗いんだよね。やつらが鳴き始める時間帯ってさ。気温も、たぶん空が明るくなりだしてから上がり始めるんじゃないかと。あるいは日の出の後からかも。てことで、視覚説も気温説もどうも当てになんない気がする。

体内時計?

単純にそうだとして、季節変動はどうなっておるのかと。例えばニワトリの体内時計の起点を仮に日没としたら、冬はやたら早い時間、夜中の12時頃に鳴くんじゃないかと。反対に夏はもうとっくに明るくなってからとか。てことは体内時計だとしたらそれだけじゃなく、季節による調整がかかってるってことになる。

ニワトリにとっては「ある設定時間から何時間くらい経ったから鳴く」というより、やっぱし「朝が来たから鳴く」という感じじゃないかと。となると、やつらはなんで朝になると鳴くのか、その必要性を知らなきゃ答えが出ないってことですかね。まああんましその行為には意味がなさそうだから、昔、何かの理由でそうしなきゃなんなかったときの名残ってことですか。

動物の行動理由は主に生存と繁殖らしい。生存、つまり食うことと敵から逃げること。それと朝おもっきし大声出すことって、あんまし関係ないような気がする。てことは繁殖目的か。異性へのアピールかな。これもなんかイマイチ想像がつかんけど、分からんから違うってのもいかんよな。世の中、自分の想像を超える現実ってやたらあるからな。そこは灰色判断ってことで。

結局なんでやつらがまだ暗いうちの早朝に鳴くのか、ひいてはどうやって早朝を察知するのか、考えても結論が出なかったですよ。なんだか気持ち悪いですなぁ。

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2010.4.15 木曜
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そこらにある私的サイエンス謎 2

そういやそういうギモンをもうひとつ思い出したわ。

高校生物に出てきた藻の一種。植物性プランクトンの仲間だったかな。細胞が電車みたいに1個ずつ一直線につながったナリをしてたと思った。この生き物、自分の仲間を見つけると、近寄っていってくっつくとかなんとかそういうのがあって、あれってどういう仕組みで自分の仲間が近くにいるか分かるんかと。授業中そこが謎に思えたんだけど、どうにも質問の文章をうまく考えられなくて黙ったまんまで、そのまんま今に至ってるなぁ。授業って質問しづらい空気だしさ。あれって少人数制クラスになれば質問しやすくなると思うんだけどどうなんでしょ。

で、どうなんだろ。あの頃から特に生物学の知識が増えたわけでもないけど、同族の体から出てる独自の体臭みたいなものを感じ取るんじゃないかな、と。どういう感覚器でどんな物質を検知するのか知らんけど、寄っていってくっつくってことは、どの方向にいるかも分かるってことで。それってけっこうすごいんじゃないかと。

例えば電波の検出ってさ、特定の周波数の電波が出てるかどうかを検出する装置って比較的ラクに作れると思う(おいらにはできんけど)。ラジオやラジコンの受信機だね。強度もまぁついでにって感じで分かるとは思う。件の植物で言うと、体臭を感じる/感じない は、近くに仲間がいる/いない のデジタルな情報。臭いの強度は近さを表すわけ。

して、方向の検知なわけです。電波の場合はおいら実物がどうなってるのかよく分からんけど、2つ考えついた。ひとつは、正三角形状に配置した3本の受信アンテナに電波が到着した時間差で方向が分かるはず。けど電波の速さは光と同じだからね。その時間差を検出するのってものすごい精度が必要なのは分かる。

もうちょっと簡単そうなのは、パラボラみたいな指向性の強い受信アンテナをくるくる回す方法。受信強度が一番強い方向に発信源がある。おお、これパッシブレーダーじゃないですか。何十年も昔から実用化されとりますな。で、例の藻はどっちに近そうかっつうと、検知器をぐるぐる回してそうもないから、3本アンテナのノリかなぁ。複数の感覚器が胴体にばらけて配置されてるのかな。ここも灰色判断でひとつ。すっきりしないけど (^_^;)

これでもうひとつすごいのがさ、はじめの仮定が正しいとして、自分でも体臭を放ってるわけじゃないですか。相手に自分の存在を分かってほしくて。自分の周りは自分の臭いだらけなのに、それをさっ引いて別の仲間の臭いを検出して方向まで分かるってさ、すごくね? 同族なんだから基本的な臭いの成分は同じはず。けど自分と同族他者とを判別できちゃうってことは、それぞれがニオイ成分として別々の個性的な配合を持ってるってことで。

個性なんてないかと思ってた単細胞生物がつながっただけみたいなやつのくせして、すごい凝ったことするなぁなんてさ。おいらなりの乏しい知識で仮定を積み上げた話だから、実はもっと単純な仕組みで実現してるのかもだけど。

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2010.4.16 金曜
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そこらにある私的サイエンス謎 3

ついでにもうひとつ。「原子は回転する」もまたこれが分からんくて。これも高校の化学の授業の時に感じたギモン。

教育実習の先生がこう言ったんだわ。分子で、原子が1個ずつでつながってる部分、そこは回転する、と。

その回転はどういう意味の回転なのか。それが分からんくて。これも、当時ギモンをうまく質問の言葉にできんかった。それにその先生ちょっとムラっ気で、もしかして変な質問したら怒られたりバカにされたりするんじゃないかとか感じて、その意味でも質問できんかった。

今なら少しは言葉にできる。

銘板左端銘板銘板右端

自由回転説

 

定速回転説

 

総合

銘板左端銘板銘板右端

いざ書き出してみたら、やたら項目が多いですなー(汗)

この先生にとってはそれはもう「原子は回転する」と一言言えばもう素人にもソッコー理解できるはずっつう感覚だったんだろうけど、おいらなんかにゃ全然。化学に詳しい人なら「そんな常識も知らんとはこいつバカだー」なんて思うんだろうけど、そう思われても仕方ないっす。あれからすごい時間が経ったのに勉強がまったく足りなくて、いまだに分かんないんだからさ orz

「『原子は回転する』。彼の残したその謎を追ってワタクシめはこうして化学の門を叩き、そしてついに極めたのです。ワタクシめの研究の今度の新成果を、世界が首を長くして待っております」。なんてことも、まず化学の道に入らんかった時点で終わっとります(滝汗)

銘板
2010.4.17 土曜
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そこらにある私的サイエンス謎 番外

なんだか昨日までのテーマにちょうどいいっぽい歌詞を見つけてしまったですよ。ていうかまさにそれ聴きながら3日分まとめて書いてたんだけどさ。それは Baker(ウイイレP)様の名曲 "celluloid"。問題の部分(笑)の抜き書き↓

...
また朝が来るけど 何も見えないのは
何故だろう
 
何一つ変わらない 待ち続けてても
誰も救われないけれど
希望なんてなくても 僕は生きてくから
そんな強がり 虚しく響いていた

何も解決できてないおいら……(笑)じゃなくてさ、限りなく orz なんですが。

別にこんなギモン、解決できなくってもいいじゃないか。それでもおいらはこうして生きてる。これからもこうして生きてく。

……、

……、

……。

♪そんな強がり 虚しく響いていた(涙)

銘板
2010.4.18 日曜
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試食希望

ちょっとあの、ちょっとあの、生物関係というかもしかしたら食い物関係で、すんごい写真記事を見つけちゃったよ。

時事ドットコムの『巨大海洋生物 ダイオウイカとその仲間 写真特集』

ダイオウイカでげぇ!! これは素直に気持ち悪いですなぁ。ていうか素で赤いんだダイオウイカ。もうなんだか茹だっちゃったみたいな。んーこんなに赤いと、天敵に狙われやすいんじゃないのかとか。ここまででかい生き物に天敵がいるのかどうか怪しいけど。

海に浸かった状態で既に赤いから気持ち悪く見えるのかもしんない。鍋から上がったばかりの紅色のタラバガニってうまそうじゃないの。そのノリで、スーパーの鮮魚コーナーにあったらけっこう食欲をそそるかも。アカイカに近いとか?

……、

……、

……。

そそらんだろなぁ。子供、泣き出すぞ。親だって逃げ出すだろ。

けど、

でも、

ちょっとだけ食ってみたいと思うのが、イカが名産の八戸の人。スルメイカや真イカだけどね。普通の。モンゴウも取れるのかな。

青果でも精肉でも、身がでかいのって大味でうまくないとか言うけどさ、おいらそこは実際に試したことあるわけじゃないんで、どうせならこのダイオウイカで豪勢に試してみたいもんなんですよ。

ただ、捌くのはどこぞの勇者にお願いしたいと存じまするー。

つうかイカって目が怖いよね。すごく性能のいい目らしいけど。

銘板
2010.4.19 月曜
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メガロドン

勢いでまた同じ時事ドットコムのシリーズ記事。『巨大海洋生物 ホオジロザメとその仲間 写真特集』

凶悪すぎ(ガクブル)。

もう見るからにですなぁ。おいらジョーズシリーズをろくに観たことないんだけど、それでも素で恐怖心をそそる身なりですなぁ。こっちもこっちで、イカとはまた違った意味で目が怖い。イカの目は別種の知性に見つめられてる的な得体の知れなさがあるけど、こっちはもう殺し屋の目だよ。

んでさ、もっと怖いやつの話。この写真記事にも出るけど、大昔、メガロドンとゆーサメの仲間がいたんだそうな。Wikipedia 記事はコチラ。がめてきたイラストはイカじゃなくて以下。

メガロドン

でげーよ! ちょーでげーよ! これダメだろどーすんだこれ!!

絵じゃダイバーが並んで泳いでる図式だけどさ(サイズ比較用だからね)、この状況で正気でいられる人って、普段から正気を失ってる人だと思う今日この頃。けど普通、社会で狂気のふりして粋がってる人のほとんどって、こういうマジでクリティカルな状況だときっとフツーにビビるんだろうなぁ。関係ない話ですな (^^;)

ついでにもっと関係ない話。

フカヒレうまいしってことでさ、なりが大きいから大味なのかもだけど、食べるとしたらどんぶりものなんかどうですかね。メガロ丼とか。

それ言ったらプテラノ丼もイグアノ丼もアリですか。ちょっと食ってみたいかもw

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

昔の生き物でよく名前に「ドン」がつくやつがあるけど、あれの由来はこういうことだそうで。

ほほぅ「歯」の意味なのか。メガロドンも歯の化石が出てきて新種として発見ってことになったみたいだし。なるほどねー。

銘板
2010.4.20 火曜
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ウバザメ

でっかいサメってことで、ウバザメジンベエザメもついでに Wikipedia で調べてみたよ。

ウバザメのほうは5年くらい前のベストセラー『へんないきもの』で紹介されてたね。サメだけどエサはプランクトンのみ。サメだから四六時中泳いでないと死んでしまうわけで、その現状を利用して効率よくエサを取ろうってことで、↓こうなったらしい。

ウバザメ

天晴なまでのポカグチですなぁw 一生閉じることがないのかなこれ。そんなら生まれたときからこんななのかなぁ。けど稚魚はいくら口を大きく広げても、取り分はたかが知れてる気がする。ああでもいいのか。もし相似形で育って大きくなるんだとしたら、2乗3乗の法則で、むしろ小さい頃の方がエサ取りの効率がいいことになりますな。体の体積分のエネルギーや栄養を充分に摂取するには代表長さの3乗のエサが必要だけど、エサを取る口の開口面積は代表長さの2乗でしかないから。

大きく育てば育つほど必死にエサを取らなきゃいかんくなるわけだ。それとも、成長するにつれて口のサイズは体全体より激しく大きくなっていくってことなのかな。

少ない開口面積で海水の流入量を稼ぐとなれば、泳ぐスピードを上げるしかない。流体抵抗は流速の2乗に比例して増えるそうだから(ちょっと自信ない)、例えば流入量を2倍にしようとすれば消費エネルギーは4倍になる。流入量1.41倍なら消費エネルギー2倍。「取り込む燃料を4割増やすために、今持ってる燃料を2倍使う」ってのは合理的な解決方法ではないですな。

けど生物種のひとつとしてとしてちゃんと成り立ってるわけで。実際の泳ぐスピードは時速6.5km程度だそうだから、やっぱ低速で出力を抑えて、あの口のサイズ&そのスピードでちょうど釣り合いつつも、成長できるくらいの黒字を出してるってことで。

銘板左端銘板銘板右端

てゆーかさ、ウバザメの写真をつらつら眺めてたら、こうゆーの思い出しちゃったよw

アンドロメダと主力戦艦

波動砲……。

っつうか発射じゃなく、エネルギーを取り込むために前方に口を大きく開けるっつう原理面に注目すると、まぁ今んとこ発想だけの代物なんだけど、恒星間ラムジェット宇宙船 というのがあったりして。

恒星間ラムジェット宇宙船

めっさ巨大なダイヤモンドが必要だったりして(原料は炭素だから、工業用ダイヤモンドを安く大量生産できる技術が開発されればいけるか?)、なんかまぁあんまし現実的じゃない感じだけどね。それでも「今のところは」ってことで、未来に夢を託すとしますか。

銘板
2010.4.21 水曜
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ジンベエザメ

ウバザメのネタがけっこうな長さになってしまったんで、日を分けて今日はジンベエザメの日ってことでひとつ。こいつ、今生きてるうちのサメの仲間というか、魚類全部の中で一番大きいらしい。で、ウバザメと同じくプランクトンを食べるらしい。小魚も食べるみたいだけど。てことはウバザメより体がでかくてプランクトンを食うってことはさぞかし口がでかいのかと思いきや、

ジンベエザメ
むしろおちょぼぐち気味

これは一体……昨日ウバザメの体と口とのサイズの関係についていろいろ考えたアレはなんだったのかと。体型からしてウバザメより活発に泳ぎ回るかと思ったら、ウバザメ(時速6.5km)よりさらに遅い時速5km。んー、プランクトン専門じゃなく小魚も食うとエネルギー摂取の効率が上がるんだろうなぁ。それで口が比較的小さいんだろうなぁ。けどエネルギー事情が芳しくなさそうなのは同じかも。

でも魚類は変温動物だから、単位体積(単位重量)あたりのエネルギー消費はイルカやクジラより小さいはず。あ、体温が低いから緩慢な動きしかできないんじゃないかって気もしてきた。でもメガロドンはすげー派手にエサに食いついてたみたいだし。なんだかよく分からんなぁ。とりあえずジンベエちゃんもこの程度の速度でちゃんとやっていけてるってのは確実なわけで。

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2010.4.22 木曜
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ヤツメウナギ 1

ウバザメが主力戦艦やアンドロメダなら、主役のヤマトはヤツメウナギかなぁ。ヤツメウナギの口は半端なくキモイっつうかたはよくいらっしゃるけど、おいらもあれにはかなりクるものがあるけど、画像を出さなきゃ何とも言えん話題になっちまったんで、容赦なく出しますよ。ええ。西崎さんこれ読んじゃったらお怒りになるかなぁ (^▽^;) あの人カネと権利にうるさそうだなぁ。難癖付けられないよう祈るばかりですハイ。で、

ヤツメウナギ 1
こんな感じ。
 
うじゃ今度はヤマト。
宇宙戦艦ヤマト
なんかね、もうね、口のあたりのギザギザがね、
ヤツメウナギ 2
妙にシ★ン★ク★ロ…… (-▽-;)

いやなんかもうほんとすんませんです m(_ _)m

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2010.4.23 金曜
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ヤツメウナギ 2

悪ノリついでに、ホンダの新型ハイブリッド車で CR-Z ってあるじゃないの。

ホンダ CR-Z

かなり人気らしいけど、あれもなんかこう、フロントグリルが口をニュ〜っと伸ばしたたたずまいがさ、

ヤツメウナギ 3
ヤツメさんっぽい気がする……。

じゃあ CR-Z のフロントグリルは波動砲なのかっつうとそうでもないところがまた不思議。とか言ってごまかしてみたりw

銘板左端銘板銘板右端

ほほう Wikipedia「ヤツメウナギ」によると、この生き物は厳密には魚類じゃないんだ。ふむふむ。魚類の定義はてっきり水棲のエラ呼吸の、ヒレが付いてて背骨が横方向に曲がって泳ぐやつらだと思ってたけど、さらにアゴを持つことが条件だったのかー。なるほどなるほど。てかヤツメさん、成長過程で変態するんか。ますます面妖な生き物じゃのー。

あと、食うとけっこういけるらしいってのも気に入ったw

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2010.4.24 土曜
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心臓部

すごくどうでもいい話。まぁ表現上のアヤってやつなんだけどさ。

「エンジンは自動車の心臓部」なんて言葉を目にするたびに思うんだ。

「クルマの心臓って燃料ポンプじゃねーの?」と。「エンジンって筋肉なんじゃねーの?」と。

意図は分かるんですけどね、ええ。なんかそう考えちゃうと、語り手が格好付ければ付けるほどお間抜けに感じられたりして。

ほんとしょうもない話だけんど。

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2010.4.25 日曜
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首の皮

そういう表現だと「首の皮一枚でつながった」ってのもあるね。もう死んでるだろ (^_^;)

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2010.4.26 月曜
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キャラ熟語の試み

またすごくどうでもいいことなんだけどさ、このまえ字を手書きしてるときにね、「奥」って漢字を書いたらさ、ちょっと思うところあって。

とりあえずあらためてざっと手書きした「奥」をケータイカメラで撮ってみた。

「奥」

ほんとしょうもないんだけどさ、あのさ、これさ、こいつ↓にかなり似てない?

インベーダー

そんでさ、前にこんなことがあったわけよ。てことはですね、漢字熟語ができるわけですよ……。

奥寺さん

熟語っつうより人名ってあたりで。

いやもうなんてーか、まさに漢字は絵文字ですなぁw この象形文字のモデルがインベーダーとビグ・ザムじゃないのは確かだけどさ (^o^:A)

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2010.4.27 火曜
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旧世代の出番だったか

もう2週間近く経ってだいぶ状況も安定してきたけど、アイスランドの火山噴火でさ、ヨーロッパのほぼ全域で飛行機が飛べなくなったじゃないの。あの対策的なものを今さら考えついて。

なんで飛べなかったのかっつうと、エンジンが火山の粉塵を吸っちゃうと壊れるかもしんないから。無理して飛んでの墜落は避けたいよなぁ。てことで F-16 戦闘機で試験飛行して安全を確認したみたいだけど、いくら軍人さんとはいえ、戦闘でもないのにそんな危ない飛行なんてやりたくなかったんじゃないかと。つかなんで単発の F-16 なんだよ。1基しかないエンジンが火山灰を吸って止まったら即座にアウトだべが。双発でやれよ。

そんで、なんでエンジンが壊れるのかっつうと、ジェットエンジンだから。前方の穴から大量の空気を吸い込んで、エンジンの中で燃料を燃やしてさらに大量・高速の燃焼ガスを後方に噴き出す。その反動で前に進む。中には大抵、タービンが付いてる。燃焼ガスのパワーの一部でタービンを回して、その軸でエンジン前方にある巨大なファンを回す。それで空気をかき込む。ジェット旅客機のほとんどが使ってる、ターボファンジェットという形式もその一派。

ターボファンジェットのファンはほかの種類のジェットエンジンのファンに比べて大きい。最近のターボファンだと、燃焼室に送り込まれる空気は吸入総量の半分以下。燃焼に使われない吸入空気はそのまま後ろに排出されて、直に推進力になる。この部分は昔のプロペラ機と同じ原理ですな。こうすると燃費がよくなって騒音も減る、といいことづくめ。けど今みたいな事態だと困ったことになり得る。

タービンの軸やらファンと外周との隙間やらに粉塵が詰まると、摩擦で異常な発熱が起きたり摩耗で軸がぶれたりで振動発生→ターボファンの巨大なブレードの1枚がまずもげてぶっ飛んで、回転のバランスが崩れて振動が増大→残りのブレードもみんなぶっ飛ぶ→ちぎれたファンはエンジンの囲いを突き抜けて客席に踊り込んで、乗客を殺戮するかも。ああこわいこわい。

ていうか上に書いたファンブレード全破断なんつう最高級に派手なぶっ壊れ方よりも、「燃焼室に粉塵が入り込んで異常燃焼→エンスト→墜落か不時着」を恐れてるのかもだけど。

まぁとにかく危ないわけです。

でさ、これさ、もしかして昔ながらのレシプロエンジンの飛行機なら比較的安全なんじゃないかとか思って。クルマのエンジンと同じ仕組みでプロペラを回すやつ。ちなみに最近のプロペラ機はジェットエンジンの一種のターボプロップというやつが主で、まぁ上に書いたターボファンの、ファンの代わりにプロペラが付いてるっつう仕組み。

なんでレシプロが安全そうかっつうと、吸気口にエアフィルターを付けられる(だろう)から。飛行機用のレシプロエンジンに標準でエアフィルターが付いてるかどうか分からんけど、クルマのエンジンにはどれにも付いてる。これでエンジンが直接壊れる事態は防げる。飛行中にフィルターが目詰まりするとどっちみちエンストしちゃうんだけどさ。まぁ乗客が即死したり火災が発生したりなんて事態には、ジェットエンジンよりなりにくいんじゃないかと。エンストの頻度も低くなりそうだし。

ほんとにエアフィルターを付けられるのか、その状態で充分なパワーを出せるのかってのは分からんけど。ラジコンだとさ、クルマだとフィルターが付いてるんだわ。目の細かいスポンジみたいなやつ。紙製のフィルターもあるな。けどラジコン飛行機はキャプレターの吸入口がむき出しだったりする。離着陸のときヤバいんじゃないかと思うけど、それで問題ないらしい。けど基本、どっちも同じ構造のエンジンなんだよね(2ストロークが主。4ストもロータリーもあるけど)。模型とそれに比べて巨大な実機とをいきなり比べるのも乱暴な話だけど、一応、例として。

んじゃなんで、かつて飛行機のエンジンはみんなレプロエンジンだったのに、今はほとんどみんなジェット一族(いろんな種類があるんで)に取って代わられたのか。性能がいいから、パワーがあるから、使い勝手が飛行機に向いてるからってのもあったんだろうけど、一番の理由は経済性らしい。

飛行機には常に墜落のリスクがある。クルマみたいにエンストしたら手で押して路肩に寄せて、ケータイで JAF かなんかを呼んで待つみたいなわけにはいかない。てことでトラブル予防のため、整備の頻度と規模はクルマの比じゃない。で、ジェットエンジンってレシプロエンジンより部品点数がはるかに少ないんだそうで。そんなわけで、整備にかかる時間も費用もずっと少ないんだそうで。しかもレシプロの燃料はガソリンだけどジェット燃料は軽油の一種。安いわけです。そのうえ、レシプロより仕組みが単純で部品も少ないってことは原理的に故障しにくい、ってのも買いだったらしい。

そんなわけで、旅客機のエンジンは完全にジェット一族に取って代わられた。あと連続燃焼だし高速で動く部品は回転運動のみで、ピストン運動がない→不快な振動が少なくて快適、というのもあるかと。ただ、エアロスバルみたいな軽飛行機クラスはいまだにレシプロの天下だと思う。もしかしたらジェットエンジンは、実用機用としては小型化が難しいのかもしんない。ラジコン飛行機用のジェットエンジンは商品として存在してるから、発動機としてはその程度のサイズでも成り立つんだな。小さくしていくと採算性が悪くなるのかな。

ともかく、かつては B-29 なんつう結構なサイズの飛行機もレシプロエンジンで飛んでたけど、今はジェット。で、大規模な火山噴火があるとこのとおりの有様。

レシプロ機を飛ばせるんなら飛ばせばよかったのかもねぇ。話はそんな単純じゃないんだろうけど。可能性として。整備費と燃料代で運行コストがかかるけど、ほかに誰も飛べないけど客は殺到してる非常時だもん、事情を説明すれば好きなだけ割増料金を取れたんじゃないかと。

ていうか火山灰の中を飛ぶとさ、エンジンが心配なのも分かるけどさ、操縦席の窓ガラスに火山灰がついて視界が効かなくなるのも怖いんじゃないのかと。旅客機にはワイパーが付いてるのは見えるけど、ウインドウウォッシャー液なんてあるのかね。ていうか時速500km以上でワイパーなんか動かしても、空気力でガラス面から浮いてしまって何の役にも立たんと思う。あのワイパーは空港内の連絡道路をゆるゆる走ってるときのためのもんじゃないかと。

銘板左端銘板銘板右端

お、火山灰が出るとジェット機を飛ばさなくなったのは、前にこういうことがあったかららしい。エンジンもヤバいけど、窓ガラスもやっぱり曇るんだね。エアフィルター付きのレシプロ機ならいいんじゃないかなんて、そんな簡単な話じゃなかったってことで。

銘板
2010.4.28 水曜
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あの異常気象からお米を思う

アイスランドの噴火ってもしかして地球の温暖化か寒冷化の引き金になるのかいなとちょっと調べてみたら、まぁ何とも言えないっつう感じ。ただ、一時的な寒冷化をもたらすことになるかも。

火山の大噴火が起きてそうなったと思われる過去の例がいくつかあるそうで。気象に影響が出るまで1,2年くらい時間差があるらしいんで、予想される災厄の年は2012年ってことか。去年の映画『2012』はマヤ文明の予言が元ネタで(予言というほどはっきりしたものじゃないけど)、原因は太陽活動の異常が原因って設定だったけど、現実の引き金はこの噴火だったりしてね。

最近の実例だと1991年のピナトゥボ山(フィリピン。「ピナツボ山」とも)の噴火。Wikipedia「冷夏」によると、1993年の日本の冷夏の原因はこれだったらしい。

ピナトゥボ山

ギャートルズチックなド派手な大噴火ですなー。

あの年はコメが凶作でなぁ。それまで日本はコメは1粒たりとも輸入しない方針だったのに急転直下で大量に輸入して、ミニマムアクセス米を受け入れるきっかけになったっけ(遠い目)。台湾・韓国からの輸入は同じジャポニカ米だったからいいとして、タイからも輸入ってのはちょっと慌てすぎだったんじゃないかと。向こうはインディカ米で性質が違って人気が出なくてな。人気とかウンヌンするくらい余裕があるんなら、別に無理にインディカ米を入れんでもよかったと思うぞ。

ていうか政府だか農水省だかが出した方針がまた奇怪で。輸入米同士を混ぜて販売するってんだもん。インディカとジャポニカを混ぜるってか。性質の揃わないもの無理に合わせてどーすんだってな。自宅で食うぶんにはまだいいけど、飲食店や弁当屋さんや仕出し屋さんみたいに、商売でコメを扱う需要じゃとても使い物になんない。政治的判断ってやつだったんだろうけど、食品・飲食業界からすると素人丸出しのひどい判断ですな。混合米なんて飾りです。偉い人には分からんのです。

けど抜け道は必ずあるもんで。おいらが当時バイトしてた寿司屋じゃ、いつも使ってるお米屋さんに頼んで、タイ米が混じらないものを融通してもらってたよ。なんでも米屋が仕入れる時点じゃ別々の袋入りで来て、米屋で混合してから販売するよう公的な指示が出てたんだそうで。てことでお米屋さんはこの指示を華麗にスルー。たぶんどこの飲食店もそうしてもらってたんじゃないかと。

そうなると、せっかく国が国際市場に無理を言って買ったタイ米が大量に余ることになったんだけど(日本がいきなり大量輸入したもんだから、その年は米の国際相場が混乱したらしい)、その貴重な物資の行方はどうなったろう。タダ同然で買い付けた人が第3国に横流しとかしてたりして。

ていうかあの当時はまだ食管法が生きてて、コメは米屋の水晶米がメインで、それ以外のルートのコメは「ヤミ米」と呼ばれてたわ。農家の票で成り立ってた自民党政権と農水省と農協の三頭政治が、終戦直後の食糧不足時代にできたそんな仕組みをガッチリ守っちゃってて。

あれって各地のコメを混合して売ってたんだよね。国は何かにつけコメを混ぜたがるっつう、意味不明な癖が昔からあったってことですな。けどさ、あの米騒動よりずっと前に NHK の『ウルトラアイ』っつう科学番組でやってた実験だと、高級米と低級米とを混ぜて炊くと、低級米のみのときよりまずくなるっつう衝撃の結果でさ、国は何をやっとるんじゃと思ったわ(当時の NHK よくやった)。政治的判断は時として、その力で扱われる関係者の努力を無に帰しますなぁ。頑張ってうまいコメを作っても、結局はその味を台無しにされちゃうんだもん。

てことでピナトゥボ火山の噴火が日本に異常気象をもたらしたらしいんだけど、確かあの年、コメの凶作は日本だけだったような。アジア諸国はむしろ豊作だったような。だから日本に売るほどコメが穫れた、てことだったような。つうことはあの異常気象、世界的に見ると局地的なものだったってことですか。

ていうかさ、この異常気象は面白いところがあって。おいら当時は山形県米沢市に住んでたんだわ。で、仙台在住の人と夏場に話したら、「梅雨からずーっと雨が毎日ザンザカ降ってて、蒸し暑いどころかむしろ寒い」だそうで。おいらの地元の八戸は「毎日ほとんど雨か曇りで単純に寒い。冷夏だよ」とのこと。

そんで米沢。これが毎日気持ちいいくらい晴れが続いてさ。あんな爽やかな米沢の夏はないんじゃないかってくらい。あの土地って普段はそんなに天気がよくないのよ。通年で太平洋側の土地より曇りや雨の日が多くて、夏場は盆地なもんでめっさ蒸し暑い。ところがその夏だけは、暑すぎないくらいのちょうどいい気温でカラッとした快晴続き。いい意味で異常気象でしたわ。山の向こうの福島市に映画を観に行ったら、いつもは米沢より確実に天気がいいのに、その夏だけは逆だったよ。

そんなわけで全国的にコメが凶作の年だったのに、米沢や北隣の南陽は平年並みかそれ以上の収穫。当時は農家が作ったコメは政府が全量買い取るって建前だったんで、表向きは定額の収入しかなかったろうけど、収穫量をごまかして幾分かをヤミに回した農家はかなり儲けたんじゃないかなw 「ヤミ」と終戦直後みたいな呼ばれ方をされてても、1993年時点で食管法に沿ったコメの供給方法はもはや時代に合わないと言われてて、ヤミ米、つまり農協を通さないコメは確実に広まりつつあったっけ。

で、今のコメの流通体制につながっていったわけで。つまりコメはもう米屋だけが扱える特別な商品じゃなく、スーパーでほかの雑多な商品と一緒くたで売られる時代になったわけで。これはこれで便利なんだけどさ、いろんな銘柄のコメを意味なく混ぜてまずくするっつう、消費者も生産者もなめきった暴力もなくなったんだけどさ、意味も理由も特にない「2割引」の値札を問答無用に貼られてるコメを見るにつけ、「こいつもスーパー様の餌食になっちまったか」(ライバル同士、店構えも品揃えもサービスも似たり寄ったりで値引き以外に出し抜く方法がなくなって、各商品は結局安売り勝負の材料にされる)とちょっと寂しい気分になったり。

安売り米

それが「特別じゃなくなる」ってことなんだけど、晴れてそうなったらなったで別な理不尽を受けとりますな。過当競争の流通業を太らすために、なんで生産業が痩せなきゃなんないんだろ。

つか扱いがひどいね。生産者はちゃんとブランド名を化粧袋に出してるのに、タグに書かれた商品名が「お米」って……。そして理由もない「2割引」って……。生産者や商品をなめてるとしか思えんなぁ。

混ぜて売らないぶんだけ世の中進歩したけど、売り手側の意識としては、ブランドなんか区別がつかなくて「お米」としか認識できてなくて、混ざってようが別にどうでもいいというか。わざわざ混ぜる手間をかけたくないから混ざってないってだけっぽい。量販店って品数が多いのはいいけど、各商品への愛やコダワリはそのぶん薄まるよなぁ。

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2010.4.29 木曜
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なぜに円高

話がずれたまんま次の日に突入〜。

結局、今はカネ回りが悪くなったからってことなのかな。日本経済は基本的に輸出依存なんだそうな。地下資源が少なくて、平地も少なくて農業も大規模にできないから。と義務教育で習いましたな。だから原材料を外国から安く買って、加工して付加価値を付けて外国に高く売って利益を上げるって話でしたな。

バブルまではそれで行けてたわけで、以降は全然。政府が財政赤字を増やしまくって景気対策をいくらやっても、のれんに腕押し状態。

バブル前と後で何が違うかっつうと、そのうちのひとつは円高なんじゃないかと。1986年あたりは1ドル200円とか、バブルの最中でも140円とか130円とかだった気がする。一時的に90円台に行ったこともあったかな。けど基本的に100円以上(「以上」ってのはこの場合110円とか120円とか)。けど円高がそれからもどんどん進んで、1995年に78円をマークして以来、100円を切る時が多くなったね。これじゃバブルのときと同じくらい仕事を頑張っても儲けが出んわな。

しかもあの頃はヨーロッパから「日本人は働きすぎ」と文句言われてそれを受け入れて、週休2日制が定着したし祝日も増えたね。これって会社目線だと、同じ給料を払うにしても生産能力が落ちるわけで。なんかそこらが主因のような気がする。けどこいつは条件がヨーロッパと同等になったと考えるとまぁフェアな競争になったってことで、しょうがないか(それでも日本人が取る休み/取れる休みはヨーロッパ人より少ないみたいだけど)。

……やっぱり円高が大きいのかな。

円高なら同時に輸入品も安くなるんだけど、もともと安い資源を買い込んでガッツリ利益を上乗せして売ってきたんだから、買う方の値下げメリットは薄かったんじゃないかと。やっぱ売り値の方がガバッとぶっ飛んでしまったのが今もキツいんじゃないかと。しかも外国のすべてが安くなったからってんで輸入も海外旅行も増えて、そりゃカネが日本から出て行きますわな。そのぶん国内の生産業も観光業も打撃を受けたと思う。

……なんで円高なんだろ。

円高が進んだのはプラザ合意が転換点だったそうだけど、それから円高に歯止めがかかんなかったのはまた別な要因のような気がする。分からんけどもさ。

ていうか前は「レギュラーガソリン1リットル≒1ドル」っつう感じで連動してたのに、今はガソリンだけやたら高いんですけど。一時期の狂乱価格じゃないにしても、やっぱし高止まり。これなんなんですかね。エコカーが増えてガソリンの消費が減ったはずだと思うんだけど。そしたら需要も減って、ガソリンは値下がりするはずなんだけど。

円高だと海外からの観光客も来にくいだろうしさ、ほんとどうにかなんないもんですかねって、きっと日銀も日夜その打開策を考えてるんだろうなぁ。

「日夜」はないよな。8時間労働の週休2日制だからしてw 建前はww

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けど円高のおかげで日本人が小遣いで海外にバンバン遊びに行けるようになって、そこでいろいろ学んで、ようやく国際社会に認められるようにもなったね。プラザ合意前だと、農協が企画した海外旅行(客は主に農家)が欧米の現地から恐れと嘲りの対象になってたみたいだよ。ちょうど今の中国からのツアー客みたいに。筒井康隆の小説「農協、月へ行く」はその現象のパロディだったらしい。

「昔の日本人は他者への思いやりがあった」なんてしみじみうそぶく年寄りがいたりするよね。けどその時代、日本人同士はそうだったかもしらんけど、外国や外国人に対する思いやりは今よりかなり薄かったと思うぞ。国際的田舎者感覚というか。で、いまだにズレてるとか自嘲したりするけど、それでも日本人はかなり国際社会人として洗練されてきたと思うよ。それに合わせて諸外国の人たちからも受け入れられてきてる感じだしさ。

とりあえずそうなる前、日本国内じゃあまりにも外国の情報が少なかったもんで、誰かが流したデタラメが広く信じられてたりしてな。西洋のテーブルマナーという触れ込みで、「ごはんはフォークの背中に乗せて食べる」とかさw ひどいもんだ。当時おいら本気で信じてたww 正解は「炊いたコメは西洋食ではあまり一般的ではないので、食べ方のマナーは特に決まっていない。周りの人を不愉快にしない形なら何でもいい」らしい(てことはテーブルマナー全般を学ばにゃいかんってことか orz)。椎名誠の海外紀行エッセイで「スプーンの背に乗せて……」はウソッパチだぞコノヤロウみたいに書いてあって、ようやく真実を知ったですよ。

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2010.4.30 金曜
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世界の中の日本刀

ちょいとガンダムにハマってた若かりし頃を思い出して。まぁ今でもハマってるっちゃハマってるけどさ。

なんてーか、どう考えてもビームサーベルは『スター・ウォーズ』のライトセイバーなわけですよ。そこらへんでちょっとなんかこう、ガッカリというほどでもないけど、引け目を感じる部分があったわけで。

ライトセイバーの持ち方

けどそれを覆す新事実を何年か前に知っちゃって。別に日本人として引け目を感じることはなかったのよね。だってスターウォーズでのビームサーベルの使い方ってさ、日本の剣術から来てるって言うんだもん。まぁそれなら行ってこいですな。ていうかガンダムも初回放送時は不人気で打ち切りになったってくらいで、製作側もまさかこんなに深く長く愛されるなんて夢にも思いもしなかったろう。そんなわけで、作ってる最中はいつも通りに消費されては埋もれて忘れられる作品として、けっこう軽いノリでライトセイバーをパクったんじゃないかと。

日本刀の持ち方

日本の剣術の最大の特徴は、1本の刀を両手持ちで扱うことらしい。日本に住んでるとそれが普通でなかなか気付かないかもだけど、例えば中国は片手。ヨーロッパも中東も。たぶんインドも。左手に盾を持つスタイルからそうなるらしい。中国は剣舞のイメージで盾なしみたいに思えるけど、「矛盾」のエピソードを思い出すと、少なくとも古代は盾を普通に使ってたんじゃないかと。けど日本の武士はなぜか盾を持たなかった。さすがに古墳時代は大陸の影響が強かったはずだから盾を使ってたんじゃないかと思ったら、埴輪の写真見ると、その頃からもう盾なしだったらしい。

埴輪と剣

埴輪、手持ちの武具は剣のみですなぁ。

で、たぶん殺傷力や瞬発力を高めるため、1本の刀を両手で持つようになった。防御は刀で兼用、あるいは鎧兜でってことですな。けど宮本武蔵が活躍したあたりやそれ以降の剣術ってさ、防具なしだよね。額の部分に鉄板を付けたハチマキとかあったけど、あんなの気休めなんじゃないかと(っつーかあれって激しく動いてると重さでずり下がって視界の邪魔になる気がする)。防御は刀のみか。すげー思い切りの良さじゃないですか。

てことでスターウォーズを日本人が観ると、ライトセイバーの作法がフツーに自分たちの地元方式なもんだから見逃してしまいがちだけど、きっと海外の人がその場面を観ると、「これ日本風だなー」とすぐにピンと来るようになってるんじゃないかな。侍の大まかなイメージはかなり昔から世界に定着してるはずだし。

そこまで意識して真似したのかどうか不明だけど、ガンダムも両手でビームサーベルを持つ場面があったよ。ガンダムはデフォルトじゃ盾を持ってるんで片手の剣なんだけど、ランバ・ラルが乗るグフに追い詰められたアムロとガンダム、「ええい、どうせあと○回ぐらいしか撃てないんだ」とビームライフルを投げ捨て、ビームサーベルを両手持ち。ラルは「ほう、思い切りのいいパイロットだ」なんてつぶやいたり。ラルのグフも両手でヒートサーベルを持ってたね。こんな感じ↓

ガンダムでの刀剣の持ち方

いやーこれは名勝負だったですよw

まぁあとガンダムとハリウッド SF でパクったパクられたで言えば、宙に浮く自動車のタイヤが下を向くっつう演出、数年後に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でもやってたしな。ガンダムからパクったのか、それともそれぞれ独自に考えついたのか不明だけどさ。

ガンダムではないけど、BTTF のデロリアンってタイヤが通った跡の路上で火が燃え上がるじゃないですか。まさにあの頃、日本車の国内 CM でまったく同じ演出したのがあっだんだわ。案の定 BTTF 側からクレームが入ったらしい。あれは完全にパクリだったなー。少ししたらその CM、画面の隅に「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のイメージ」って文字が入るようになったよww

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日本刀の特徴のもうひとつって、刃物の武器として異常なほどの切れ味らしい。世界的には力任せに叩き斬るのが普通で(むしろブン殴るのがメインかも)、切れ味よりも、ちょっとやそっとじゃ折れない頑丈さが重視されるそうで。けど日本刀ってさ、時代劇じゃ一気に何十人も斬るけど、実際は数人斬ると使い物にならなくなるような繊細さだったらしい。

エッジ部分は焼き入れ鋼なんで、硬いけどもろい。しかも研ぎに研いでものすごい切れ味を実現(さすがに映画『ボディ・ガード』でやってた、上を向けて固定した日本刀に絹のスカーフをふわっと落としただけでまっぷたつってのはないと思うけどw)。

これは刃こぼれしますな。あと刀身はエッジより柔らかい鋼で粘りを出して、対衝撃性を高めてるらしい。けど外国の刀より細身なんで、原理的に折れやすそうですな。ってそのあたりの特徴、『七人の侍』のクライマックスで利用してたよね。

馬に乗って突っ込んでくる野武士に、待ち構えてた菊千代は野球のバッターみたいに刀を思い切り振って斬りつける。刀は野武士の鎧に当たって折れちゃうけど、事前に「1本の刀じゃ3人と斬れん」と近くの塚に刺し立ててた予備の刀を取りに、菊千代は猛ダッシュ。という場面。けど同じ黒澤映画でも、その後の『椿三十郎』じゃ主人公1人で30人からの敵をズバババッと一瞬で皆殺しにしたりして。クロさんどっちなんだよw

んでまぁ日本刀、武具としてそんなヤワなものを両腕のパワーで扱うというクリティカルさに今さら気付いて、ちょいとシビレてたりするおいらさ。日本刀は強度は比較的弱そう。それでも切れ味+両腕パワーで、クリーンヒット時の破壊力は、片手で持った外国の剣の比じゃなさそうですなぁ。

戦闘中に刀の切れ味が落ちても、達人なら峰打ちでしのげるんじゃないかって気もする。斬れはしないけど、鋼の棍棒と考えれば、骨折させたりでその戦の間は再起不能にするくらいのダメージは与えられるかと。日本の鎧って運動性重視のせいか完全防御じゃなく、覆い切れてない部分がけっこうありそうだしさ。つーか素の頭にジャストミートしたら即死だろうしな。兜をかぶってる相手でも、顔面に突きが一発入ると終わるかと。

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