ひとりごちるゆんず 2010年3月
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2010.3.1 月曜
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高速 Thunderbird

去年の今頃だったかなぁ。当時のメイン機 Power Mac G4 AGP をまたパワーアップしようと思ってね、アメリカの販売会社にサードパーティー製の CPU ドータカードを発注したんですよ。PowerPC G4 2.0GHz。シングルコア 2GHz なんて遅い部類だけど、マシン自体がロートルなもんで、このあたりが上限なんですよ。Mac の CPU は今は Intel だしさ。

けど今回もまた変なモノ掴まされて。7年前に 1.25GHz にしたときみたいに。アメリカに返品したら向こうのベンチテストじゃ問題ないとか言われて。それでもお願いして交換したやつもまた別な症状でダメ。発送するだけでかなりカネかかるしなんかもう面倒になったしで、結局代金と発送料とチェックする手間をドブに捨てた形で不本意決着。

その間 PMG4 は使い物ならないもんだから、メールは iBook G4 1.2GHz でしてたんですよ。PMG4 とスピードが同じくらいだから何とも思ってなかったんですよ。ずっと。6月に中古の Intel iMac デュアルコア 2.66GHz を買ってさ、それからもデータの引っ越しが面倒だからメールは iBook で。

けど iBook はたまにしか使わないから、メールもほとんどチェックしない。そしたら先月、契約サーバの契約更新のメールが来てたのを見てなくて、期限が切れてアカウントを停止されちまった(泣)。「停止しました」のメールを読んで、慌てて指示に従ってカネを振り込んだら即日復活。マジで焦ったわ。

「これじゃいかん」てことでようやく iMac に Thunderbird をインスコして、iBook からデータを移して使ってますわ。してこれがもう反応速くて。Thunderbird のバージョンが上がって速くなったとかもあるかもだけど、普通に考えて、マシンパワーが上がったのが主な理由かなと。

こんなに快適になるんなら、もっと早くやってりゃよかったよ。

Power PC は Intel に比べて、クロックあたりの処理速度が2〜10倍速いとか、G4 に搭載の Velocity Engine でさらに速くなったとか Apple がほざいてたのはもう10年も前だけどさ、数年前まで真に受けてたよ。おいらお人好しだよな。

今考えると、PowerPC って G3 が一番完成度が高かったような気がする。消費電力がやたら小さいことだし、8個くらい束にするとかなりいけたんじゃないかと今でも思うよ。32bit だけどね。

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2010.3.2 火曜
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反米と神

『アバター』って超話題作なもんだから、本国アメリカじゃ意外なところから叩かれてるっぽい。

Wikipedia 記事の最後の「備考」にこんなことが書いてある↓。

アメリカの保守派や軍部が反米・反軍の映画だと批判している。アフガニスタンやイラクでの長期化する戦争から人心が離れている現状への焦りも反発の原因となっている。更に、キリスト教などの一神教とは相容れない「自然の中に神が宿る」というナヴィの信仰に対してもカトリック教会の一部から、汎神論の思想が広まるのではと反発している。

反米・反軍についてはまぁそうだと思うわ。アメリカに住んでて軍に守られてるのに批判するとは何事だ的な見解かと。けどまぁアメリカにいればどう感じるのか知らんけど、外から見れば米軍ってけっこう悪役テイスト出してる気がする。

ていうかこの映画は気遣ってると思うよ。悪役は国軍じゃなく、企業にカネで雇われた傭兵・私兵の設定だから。まあアメリカの海兵隊 OB がけっこういるって感じだけど、それでも軍としての行動じゃないんだからさ、いちいち目くじら立てなくてもって気がする。

ただ、映画を観終わると確かになんぼか反米・反軍っぽい気分にさせられますわな (-▽-;) 当然というかアメリカには米軍関係者が一定数いるから、その人たちがこの映画で素直に楽しめるかってところが焦点ですかね。

もうひとつの「汎神論の思想が広まるのでは」は、んー、どうなんだろ。普通な日本人からすると、汎神論の何がそんなに問題なのかよく分からんかったり。「カトリック教会の一部から」だそうなんで、世論的には大したことないのかもだけどさ。

汎神論ってけっこうどの文化にもあるんだよね。一神教のキリスト教にユダヤ教にイスラム教の信者は多いけど、宗教の数で比べればむしろ多神教のほうがメジャーなわけで。たぶん、多神教は「そういう気がする」っつう感性で生まれたっつう背景があるんじゃないかと。人間は恐らく、自然の恵みの中で代々暮らしてると、自然のいろんなもの対して畏敬の念を持つようにはじめからできてるんだと思う。てことで、世界中の至る所で自然崇拝をもとにした汎神論が自然発生して今に至る、んじゃないかと。

キリスト教の建前は純粋な一神教だけど、欧米の人たちは、ギリシア神話を信じてないにしても忌み嫌ったりもしないよね。むしろ教養として覚えが良かったりして。アメリカでもケルト系の人たちはけっこう自然崇拝の感覚のままだし、その中にはキリスト教との付き合い方が日本人に近い人たちもいる。クリスマスは楽しむけど、別に教会に行かないし聖書も読まない。信者じゃないんで、という感じ。アメリカじゃそんな人たちが別に排斥されるわけでもなく、普通に暮らしてたりする。むしろ一神教仲間のはずのイスラム教徒が迫害されたり(どっちも旧約聖書がベースなんだから、信じてる神様は同じはずだと思うんだけど)。

ときどき思う。汎神論的な考えって一神論と矛盾しないんじゃないのかなぁ。

一神論の神様はこの世(とそれ以外)の全てを司ってるわけ。宇宙全体を対象に含む。に対して汎神論の方の神々の守備範囲は、地球の自然の中だけで、自分の担当だけ。ていうか文明を持たない人間でも認識できるものだけ。それと人の想像力の賜物と。これ、キリスト教で言えば「神」より「精霊」に近いんじゃないかと。

てことで、自然崇拝系の汎神論には一神論が定義する神は認識されてない。と考えると、一神論の神の下に、この世の諸々とともに汎神論の神々も所属してるっつう形でも矛盾はなさそうなわけで。てことで両者は二律背反じゃないと思うんだけど。

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2010.3.3 水曜
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意味変遷

ちょいとだけ気になったもんだから。

最近、美人やかわいい女の子の褒め言葉で「お人形さんみたい」てのをよく聞いたり目にしたりするんだけどさ、これいつから褒め言葉になったんだろ。

おいらの印象としてはさ、人形っぽいってのは、あんまし人間っぽくない的な否定的な意味合いに感じてて。無表情で体温を感じさせない取り繕った美しさというか、そんな感じかと思ってた。

けどまぁ最近のメイクやファッションって、人形っぽい美を狙ってるっちゃ狙ってるような気もする。主にギャル系で。「盛り」とか。ギャルじゃなくてもヤセ指向とか。となるとこれは褒め言葉だよなぁ。

とりあえずおいらは短絡的に「だから最近の風潮はおかしいのだ」とか持っていきたくないわけで。てのは、その場合の「正しい」はおいらが今まで暮らしてきた限定的な常識に基づいてるってだけの話で、そこを絶対化しちゃうと、客観的に見ておいらの方こそおかしい、となるからでして。

時代が変わると言葉の意味合いも変わりますなぁ。そこらへんをダイナミックに実感させてくれた表現ってことでひとつ。

銘板左端銘板銘板右端

ギャルの方々ってそんな感じで見栄えはお人形さん指向っぽいけど、無表情とかじゃ全然ないよね。むしろ表情豊かだし、話すとすげー面白いし、仕事も生活も一生懸命だし。

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2010.3.4 木曜
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墜つ巨星2つ

遅ればせながら。

藤田まことさんと南方英二さんのご冥福をお祈りいたします。

藤田まことはなー。中村主水と安浦刑事ですか。『剣客商売』も。古い方々は『てなもんや三度笠』とか。愛されまくりだろ。おいらとしてはリメイク版『椿三十郎』の城代家老役がよかったよ。オリジナルの伊藤雄之助に全く引けを取ってなかった。特にウマヅラがww 「乗った人より馬は丸顔」の名セリフ、分かってても藤田まことが言ったときは笑っちまったよ。藤田まことが出てる DVD を何か借りようかなぁ。

南方英二はチャンバラトリオのリーダーだね。本当にお疲れさまでした。チャンバラトリオ、子供のときから大好きだったよ。しかし南方の面構えって本気出すとものすげー殺気を出せるんだなーと思ったのが、北野武監督の『ソナチネ』。ヒットマンとして登場。セリフ皆無。釣り人の格好だけど、殺気ですげー怖い。たぶん監督は芸人つながりでオファーをお願いしたんだろうけど、その隠れた特技を監督が見抜いてたってのが真相だと信じてるよ。殺陣もきっちりできるから、そのあたりの雰囲気が身に付いてたのかも。

本職の演芸だとはしゃぎ役はほかのメンバーに任せて、南方は落ち着き払ったまま笑わしてくれたよ。これは芸だねぇ。そういえばチャンバラトリオは弟子に厳しいって噂を聞いたことがある。南方のヒットマン役を観ちゃうと、それものすごく説得力あるなぁなんて。

あーまたチャンバラトリオ見たくなっちまった。トリオなのにメンバーが4人いたっつうテキトーさもまたナイスだったよ。

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2010.3.5 金曜
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人類的おためごかし

環境意識ってなんかどうも変な方向に行ってしまってる気がして。

「地球にやさしい」という言葉が出てからのような。あたかも地球の生物環境を保全することが目的であるかのような風潮になってきてる気がして。

違うんじゃないかと。

ほんとは地球のためなんかじゃないでしょ。

自然や野生生物のためでもないでしょ。

人間が自分の生活を続けるための、自分が絶滅しないための環境保全なんであって、自然環境を守れたから OK とはならないはず。あくまで自分自身のためってことで。てことで、「地球のため」「自然のため」「環境のため」っつう大義名分ってさ、子供に対しては分かりやすくていいんだけど、そのあたり、意味分かんないところに恩を売りたがる輩が増えましたな。

地球や生態系そのものにとっては、人類なんて特定の種の生物のひとつやふたつ、いてもいなくても別にどうでもいいことなんじゃないかと。仮に地球上に生命がなくなって、並みいる死の星のひとつになってしまっても、地球は変わらず太陽の周りを公転し続ける。太陽系全体だと特に何も変わらない時間が、人類発生以前と同じく過ぎていくだけ。ていうか全ての植物や菌までも完全に地上から抹殺するってのは人類にはできんでしょ。そこまでの力はないでしょ。

勘違いのひとつがここに見えるような。人類滅亡と地球や自然環境の崩壊とはイコールじゃないってこと。人類が死滅しても、それまでにある程度の環境破壊があっても、生き物は残るものは残る。で、人類やその道連れ抜きの、新たな生態系が生まれて発展する。けど環境派の一部の人たちはどうも、人類の存亡と自然環境の存亡との区別がついてないように思えて。

似てる事象をひとつ思い出したよ。

1999年に病気で亡くなったある人、自らの死期を知ってどうなったかっつうと、ノストラダムス関係のネタを集めだした。で、ほかの人たちに広め始めた。もうだいぶ知られてたネタではあったけど。この人にとっては、自分の消滅と世界の消滅は同義だったわけで。あるいは、世界を襲う大災害に自分が巻き込まれて死んでしまうなんてファンタジーを想像してたのかも。「自分はこれで死ぬけど、皆さんは気をつけて乗り切って」というメッセージだったのかなぁ、と。

話だけだとアホみたいだけど、目の当たりにしてしまうと、「おいらも自分が死ぬとなればこうなりそう」なんて真剣に考えたわ。死の恐怖は人をこんなところにまで駆り立てるってことで。ちなみにその人は生きてるうちに我に返ってばかばかしいと気付いたのか、周りに何も言われなくても、ノストラダムス啓蒙活動を自然とやめたわ。

で、地球を守れ的な先鋭的な人たちを見るだに、この人の記憶が重なってしまって。

ちょっと整理すると、

  1. 環境破壊が人類滅亡をもたらす
  2. 人類が滅亡すると地球の何もかもが終わる

この2つのテーゼがごっちゃになってるんじゃないかと。A は分かるけど、B はどう考えても違うよね。別に人類が生態系を管理し続けなきゃ地球の自然が保てないってわけじゃないから。むしろいない方が保全できる。けどこの B がノイズとして A に混じってるっぽいのが気になるところ、てわけ。さっきも書いたけど、人類が環境を破壊しつつ消滅しても、地球は太陽系の惑星として変わらず存続する。そして人類には、地球を物理的に破壊するほどの力もなけりゃ、地球の生態系を破壊し尽くす(すべての生物を殺し尽くす)ほどの力もない。

てことで、地球や宇宙としては、人類が生態系や自然環境を破壊したけりゃすればいいってこと。それで人類が滅亡しても一向に構わないってこと。太陽系や惑星の形成、生物の発生と進化は今まで成り行きで来てるんで、その成り行きで生まれた生き物がこの惑星の環境に激変をもたらして、その結果、自分自身が絶滅してしまったとしても、それもまた成り行きってことで。自然はその結果を受けて、新環境に合った生態系をまたなりなりに形成することでしょう、と。ほら、人類以外誰も困らない。

そうなると、「地球が痛がってる。苦しんでる。助けてあげなきゃ」って理屈は、いい大人が真に受けちゃいかんってことですな。自然環境保護の目的は、人間が自分を生存させるためのもの。正体はよくある人類的エゴのひとつだったってことで。

そうは言っても、「いや違う。環境保護は慈しみの気持ちから来ている崇高なものなのだ」という意見もあるかと。

それはそうだろうし、事実として環境意識を高く保つことが世界的にここまで長く続いてるのは、きっとそういう考えが支えてるからだと思う。

けどまぁその慈しみがどうにも怪しいときがあって。人間、愛玩動物や人間の役に立つ生物にはとことん甘いけど、そうじゃない生き物には冷たいよね。無視ならともかく(←これが一番いい保護活動)、駆除に躍起になったりして。かわいいか邪魔かは人間の感性や利益の問題。自然環境内じゃそういう保護の優先順位なんて存在しないから。

生態系や自然環境の保護を謳うなら、全ての生き物の価値を等しいとするのが大前提のはず。その線で考えると、いてほしい生き物があるのなら、いなくていい生き物もないはず。生態系は複雑に絡まってるから、どこかがほつれればそれがどこに影響するか分からない。その考えで、ターゲットを守りたければ、ほかの全部も同じくらい大事にしなきゃいかんのよね。

そんなほつれができると生態系の耐性が弱くなるから、だから保護しなきゃ、という意見もあるけど、このほつれってさ、放っておけば自然に穴埋めされるんだよね。何万年もかかるし、前と同じ形にはならないけどさ。この意見が言いたいのは「生態系はいったんガタが来るとますます壊れやすくなってどんどん悪化しますよ」という警告なんじゃないかと思うけど、どうも伝わりにくくてな。分かりにくいからここを端折る人が出てきて、そんな人たちが偏向した動物愛護に走るような気がする。

てことで例えば、「自分は自然保護第一の環境派だから生き物を慈しんでいる」と本気で考えてるなら、ネコやクジラだけじゃなく、トカゲもフナムシも蛆もサルモネラ菌も同じように慈しんでくれ、と。とりあえず害虫、害獣には罪はないよ。

けど野生動物をむやみに殺さないように大事にする一方、病原菌の撲滅とか国際規模でやってるよね。なんだかんだありがたいお題目を唱えながら、やってることは結局自分本位なんだな、と。

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生き物に関して、大ざっぱな情報が誤解を定着させる例として、ゴキブリが挙げられるかと。

  1. ゴキブリは3億年前から生きているほど生命力・繁殖力が旺盛
  2. そのしぶとさのせいで、家の中のやつを殺しても殺しても湧いて出てくる
  3. だから か弱い人類が滅亡しても、関係なくうじゃうじゃ生きているだろう

これがどうも、日頃目にする家の中のゴキブリって、人類が死ぬと一緒に死ぬらしいよ。ほかの野生のゴキブリは知らんけど、建物内で見かけるやつらは都市暮らしに特化しちゃったみたいで。たぶん人間の生活で出る熱と湿気と有機物のカス(エサ)に依存してると思うんで、人がいなくなった廃墟じゃ生きていけないんじゃないかと。

そういえば、八戸の中心街に住んでた頃はゴキブリがよくいたけど、郊外に引っ越したら全然見なくなったわ。

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2010.3.6 土曜
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超高速ゴキ

東海道新幹線の車内にゴキブリが棲んでるっつう話、かなり前に週刊誌で読んだことがあるけど今はどうなったろ。まだ のぞみ デビュー前だった気がする。

その記事によると、こだま に目撃例が多かったとか。ひかり は長距離客が多くてビュッフェで食べる人が多い。対する こだま の乗客は弁当派が多い。で、ゴミ箱やら床に落ちた残飯で繁殖するらしい、とか。JR 東海は取材に対して当然否定。定期的に消毒してるから大丈夫、というコメントが出てたっけ。

それ言うとさ、JR 東日本の方だけど、東北新幹線って今はビュッフェがないんだよね。200系の初期にはあったんだけどね。しかも はやて は2時間、3時間乗る客が多いんで、途中で腹が減って弁当を食べる人の数も多いはず。おいらは東京を往復するときは確実に弁当食うなぁ。仙台まででも食うかも。けどまぁ今まで一度もゴキちゃんに遭遇したことないから大丈夫だと思うけど。

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2010.3.7 日曜
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待遇改善してみてはどうか

ゴキブリネタが続くけどカンベンね。

あのさ、ゴキブリって言わずと知れた全人類的嫌われ者だけど、もしかして、カワイイキャラが作られれば一気に人気者になれるんじゃないかって気がしてきて。

熊ってさ、テディベアとかリラックマとかでカワイイ動物のひとつになってしまってるけど、ほんとは怖い動物なわけで。ときには人間を殺しちまう大型の猛獣なわけで。けど、

リラックマ
カワエエ……。

けど、

熊
やっぱこえぇ……。

カピバラさんはまだしも、熊がこんなにかわいく改造されちゃうんだから、ゴキブリだって強引にやれば人気が出るかもしんないじゃないか! やってみなきゃわからんじゃないか!(なぜか鼻息)

けどおいらは画力ないからやんなくていいんだもーん(言い逃げ)

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そういえば、昭和の傑作アニメ『おじゃまんが山田くん』で各エピソードの最後、ゴキブリキャラが3匹出てきて歌を歌ってたっけ。あのゴキキャラはかわいかったと思うんだけど、今風のカタカナの「カワイイ」とはちょっと違ってたんだよなぁ。

おじゃまんがゴキ

んー、おいらは好きだけど……。

この番組のテイストは『ちびまる子ちゃん』に近いものがあったのに、それどころかギャグの切れは上を行ってたと思うのに、国民的アニメにはなれなんだ(密かなファンは多いと思う [おいら含む])。あれって結局、いしいひさいちのタッチがそういうものだったからなのかなぁ。あの作家は描線そのものがいい意味でゴキブリっぽいwから、その段階で好き嫌いが出るのかもなぁ。

床の間の掛け軸に「かけぢく」と書いてあったのは見事だったww とりあえず派生映画『ホーホケキョ となりの山田くん』はジブリ黒歴史ってことでひとつ。あれは完全に鬱病映画。

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2010.3.8 月曜
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『一発寛太くん』

『おじゃまんが山田くん』を YouTube で漁ってたら、『一発寛太くん』っつうタツノコプロ製の野球アニメが出てきた。

おいらこの番組はあんまし好きじゃなかったなぁ。なんで見てたんだろ。裏番組がよっぽどつまんなかったんだろうなぁ。そうか当時はおいらにチャンネル権がなくて、野球アニメがあればどんなにつまんないのでも強制的にそれを見させられたんだった。ほんとはロボットアニメが見たかったのに。

今見ても至る所にツッコミどころありすぐる。ていうか動画がすげえカクカクなんだけど、当時はそこにギモンを持たなかった。てことはほかのも同じくらいカクカクだったってことか。

なんかこう、いろんな端々節々が微妙にムカつくというか。タツノコは絵柄も演出も、常にそういうコテコテなギリギリさがあったなぁ。で、この番組はおいらの中じゃギリギリでダメな方に振れていた、と。

一家の8人兄弟が野球チームでさ(残りの1人は飼い犬)、おかあちゃんが監督なんだね。おとうちゃんは早死にしたのかいないらしい。そういえば第1話で死んだような(重いなぁ)。で、家計の稼ぎはおかあちゃんの屋台ラーメン。で、この屋台、デザインが野球のボールをモチーフにしたいかにもなタツノコメカなタッチ。動画の最後に出てくるよ。気持ちは分からんでもないけど、申し訳ないけど、この屋台でラーメン食いたいとは特に思わん。

ああ、なんか思い出してきた。おとうちゃんは普通の屋台でラーメン屋をやってたんだけど、ある夜、クルマに轢かれておとうちゃん死んじゃって屋台も大破して、主人公一家、いきなり存続のピンチに立たされたんじゃなかったっけかなぁ。めがっさ重い。

で、この主題歌映像を見てると、今ならアウトな描写が出てくるね。乞食に頭を下げてものを乞うって場面、笑いを取る意図のみで悪意なんかないのは分かってるけど、今は非難が怖くて放送できんだろうなぁ。ていうか日本じゃもうそんな状況の人はほとんどいなくなったね。ホームレスの人たちも「右や左の旦那様」なんてお金をせがんだりはしないし。ほんと豊かになりましたですよこの国は。

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2010.3.9 火曜
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『てんとう虫の歌』

『一発寛太くん』の YouTube の関連動画に『てんとう虫の歌』があった。これも見てた。小さい女の子が下駄でこっちに歩いてくるオープニングは記憶にあるわ。しかし大人数の兄弟が貧乏生活に耐えて強く明るく生きていくってテーマ、一発寛太くんとかぶってるなぁ。タツノコのもうひとつの得意ジャンルだったんだろか。

けどこいつもそんなに好きじゃなかった。このディズニー的な明るさがどうも苦手で。けどディズニーは影のない明るさだけど、当時のマンガやアニメの主人公、中流よりちょっと下めの生活層が多かった気がする。『巨人の星』も『あしたのジョー』もそうだったし。そこらへんがどうしても影の要素になるわけ。だからこそ小さな幸せでもすごく輝いて感じられるんだよ、お金じゃ買えない幸せがあるんだよってメッセージなんだろうけど、どうしても何不自由ない生活の方に憧れてしまう、了見の狭い幼少のおいらだったのさ(今でもそうだけど)。

『てんとう虫の歌』は好きじゃなかったと言いつつ、7人兄弟の名前が曜日にちなんでるとか、あしたのジョーみたいなやつがいるとか(原作がちばてつやならしょうがないか)、なんだか断片的に覚えてたりして。なんだかんだ言ってかなりハマってた様子が伺えますなぁ。

この YouTube 動画でのタツノコなギリギリなコテコテと言えば、幼児のパンツの旗ですなぁ。このセンスが当時からどうもアレだった。そのベタさに見てる方が恥ずかしくなる系というか。ていうか子供向けだからってここまで程度の低いネタでウケを取れると高をくくられてる気がして。

けど毎週見てた。なんでだろ。『一発寛太くん』は強制視聴だったけど、こっちは理由不明。ま、きっとトータルで面白かったんだろな。結局好きで見てたんだろな。うん。

しかしこれ『一発寛太くん』の秒速数コマのカクカク動画と違って、恐ろしく滑らかなんですけど。もしかしてディズニーばりのフルアニメーション!? ジブリアニメ(見せ場以外は秒速12コマに落ちるよね)よりスムーズな気がする。スポンサーが太っ腹だったんだろか。それとも主題歌だけ気合い入れて、本編はやっぱしカクカクだったのかな。

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2010.3.10 水曜
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何らかのブレイクスルーはジャパニメーションの夜明け前

そこからロボットアニメに飛んで、『超電磁ロボ コンバトラーV(ブイ)』→『超電磁マシーン ボルテスV(ファイブ)』→『伝説巨神イデオン』とオープニング映像を見たらさ、ボルテスV からイデオンまで公開がほんの2,3年ほどしか違わないはずなのに、アニメ表現の技術が恐ろしく進化しとりますなぁ。一体何があったんだ。

コンバトラーV やボルテスV はアングルも演出も、今の目で見ると明らかに稚拙なのに、イデオンじゃ今のジャパニメーションにつながる独特のかっちょいいアングルや演出手法がもう堂々と使われてる。同じ頃に『機動戦士ガンダム』も作られたね。そこらへんの技術開発って、タツノコプロのタイムボカンシリーズやガッチャマンみたいなヒーローものが先行してた気がする。で、タツノコから分家した日本サンライズがさらに押し進めたってことなのかも。

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2010.3.11 木曜
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落ち着く先

そのまんまの勢いで、ようつべで昔のアニソンを行脚してたら、結局行き着いたのはルパンとラピュタだったよ。

あまりにも普通でアレだけど、昭和のアニメの主題歌ってインストがしょぼいのが多くてさ。そこへいくとルパン三世のテーマの完成度は異常。やっぱダントツかっちょえー。ビッグバンドの威力まざまざ。

フルバージョンなんでサックスソロも楽しめるよ。これは酔う。ソロからメインへの復帰もシビレる〜。あとジャズアレンジも聴きたかったんだけど、そいつは見つけられなんだ。

そしてラピュタの『君をのせて』。

もうなんも言えん(感涙)。「冒険とは何か」。それを教えてくれた映画と主題歌でしたよ。

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2010.3.12 金曜
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ちょっとだけ短絡を直して考えてみる生態系

また環境関係のウンタラ。

地球の生物史を少しでも知ると、特定の種類の生き物がときどき環境を激変させることが何度かあったことが分かったり。葉緑体を持った微生物が増えたせいで、海水中が酸素だらけになった。元々の生物にとっては酸素は毒物なんで、大量死を招いたはず。けどその後、酸素を利用する生き物が多数派になって、♪酸素パワーのトーップ!(それは酵素)で生き物は活動的になりましたな。

しかし、地球初の生物=嫌気性生物って海底の熱水噴出孔まわりで生まれたって説が有力でさ、この熱水噴出孔、水深何百mに存在するみたいでさ、けど葉緑体を持つ生物ってのは水面の近く、たぶん深くても水深100mいかないあたりじゃないと光合成できないわけで。この説じゃそこのギャップはどう埋められてるんだろ。

このギモンは今日は脇に置いといて、まず海中が酸素だらけになって、それに適応したどころか利用する生き物が支配的になりましたな。このころの生物学的繁華街は、太陽光がより多く得られる水面近く。植物プランクトンがどんどん増えて、それを追って動物プランクトンもそのあたりで商売を始める。それを追ってもっと大きな水棲動物も来る。植物の方も多細胞化して、波のすぐ下でどんどん繁殖。そんでベンチャー的な植物が陸に上がって、地上の環境を開拓し始めた。海に次いで大気も酸素を多く含むようになって、動物も上陸してきた。

高層大気にオゾン層がしっかり形成される前は、太陽からの紫外線が強烈だったと思う。だから上陸した動物ははじめは脊椎動物じゃなく、昆虫の祖先とかの節足動物だったんじゃないかな。カニとかエビとかそこらへんに近いやつ。外骨格ってなんかそこらへんに強そうな気がする。昆虫を料理して食べると、カニとかに近いもんだからそんな感じの味がするみたいだし。はたまた昆虫の目って紫外線に対する感度があるそうな。その時代の名残りなのかもね。

そして節足動物に次いで、脊椎動物も上陸開始。なんでも海の魚 → 淡水魚 → 肺のようなものを獲得 → 一部は海に帰り、肺のようなものを浮き袋に進化させて海の支配者に。海に帰らなかった一群は両生類に進化、という流れらしい(異説もあり)。

人間の視点からすると、おお、ようやく陸に来たか、そしたら両生類から爬虫類が生まれて恐竜が栄えて滅んでついに哺乳類の時代だー……なんて親しみを持てる展開になるんだけど、それぞれ自体の生き物の常識からすると、いちいちとんでもない大変化だったんじゃないかと。

生態系はそれぞれの生物の生態が複雑に絡まり合ってるから、何か新しいことをする生き物の生存ビジネスが成功すると、旧来の生き物の暮らしにも影響を与えるわけ。みんなそのままじゃいられなくて、新たな環境に適応すべく進化する。またそれが環境の変化を起こして……と。そんな競争にも共存にも移住にも失敗して破産したやつは絶滅。その空白はうまく進化した別な生き物が埋める。またそれが環境の変化を起こして、そこでもついていけないやつは脱落……。

生態系は常に変化してる。「ずっと変わらない」ってのは、人の一生とかひとつの文明の興亡の間とかの短い時間だとそう見えるっつう、言ってしまえばマヤカシ。だから、「変わらないのが正しいのだから変わっちゃいけないんだ」というのもちょっと短絡的なんじゃないかな、と。

より正しくは、「生態系は環境の変化に合わせて常に変わってる。けどその変化が目に見えるくらいになるには何万年もかかる。人間が成す環境変化は何十年や何百年の短い時間単位で、これだと生態系の変化にとっては急すぎて、ついていけない生物が多く脱落する。こうなると回り回って人間にとって不都合なことが起きうる。だから人間がこれからも生きていくために、環境保全に気を遣わなくちゃいけない」てあたりかと。

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人間が引き起こす環境変化は10年や100年オーダーだけど、自然というか宇宙というかはたまに、もっとすさまじく急な大変化を起こしたり。火山の大噴火とか隕石の衝突とかね。その近くの場所がこの影響を受けるまでの猶予時間は長くても数日。一瞬の場合もあるかと。いったんこうなると、しかも全地球規模まで影響するほどのでかいものだと、気候が元に戻るまで何年も、何十年もかかったり。あるいはもう戻らなかったり。

で、そのときの生態系の頂点あたりが一気に絶滅しちゃうわけで。この階層の生き物は世代交代の期間が長くて(環境適応のスピードが遅い)、一生の間で産む子供の数も少ない(生き延びる確率が下がる)んで、環境の大変化には弱そう。個体のサイズも大きいんで、1匹が生きるのに大量の食料が必要。確保できる食料の量が減れば、ただでさえ少ない個体数が簡単に激減。

恐竜が滅んだのは巨大隕石のせいって説が有力。これってつまり、恐竜は生態系の頂点であったがゆえに、隕石が落ちて激変してしまった環境への適応が間に合わなかったってことなんじゃないかと。ほかの小型動物はなんとか生き残れたのに、なんで恐竜ばかりが、あたかも神様の怒りに触れたかのように選択的に死滅したのか、の答えになるんじゃないかなと。

生態系の階層ピラミッドを上に行けばいくほど滅びやすいっての、なんかうまくできてるなぁとか思ったり。下に行けば行くほど絶滅しにくいってことで。もし下の方が滅びやすいと、大絶滅のたびにいちいち上も連鎖的に滅びるわけで、被害が大きくなりそうだよね。で、微生物や植物、プランクトンあたりの底辺階層はガタイとライフサイクルが小さい順から環境に適応した種が生き残って、新環境に合った新たな生態系の基盤になる、と。そこが成熟したあたりに、また新しく頂点に君臨する動物が現れる、と。恐竜のあとを哺乳類が取って代わったみたいに。

銘板
2010.3.13 土曜
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カンブリアンニュータイプ

昨日は光合成が作り出す酸素が生態系を変えたネタを出したけど、動物の方でもなかなかすごいことがあったらしい。

カンブリア爆発で有名なカンブリア紀。動物はまだ海の中にしかいなかったみたいだけど、このころ、生物進化史に残るのものすごい大発明があったそうな。それは「目」。恐らくはじめは明るさや明るい方向を感知する程度だったんだろうけど、どんどん性能アップしてついに光学情報を像として認識するようになって、捕食率アップに貢献した、と。像を認識するってことは、神経系統もそのくらいの情報処理ができるくらいに高速大容量化したってことかと。

で、以下それで何が起こったかはおいらの妄想。ていうかもうそれしかないって感じ。高性能な目を得た生物は生存商売でボロ儲け。ガンガン食ってガンガン子孫を増やす。生態系ピラミッドの頂点ですな。んでエサにされてるやつらは昔ながらの商売を続けるしかないんで、世の中のルールが変わったのをよく分からないままジリ貧か絶滅。なんか地方の商店街の哀愁を感じさせる。

人間の経済活動とは違って、形勢が完全にそうなるまでは進化論的なほど時間がかかる。目なんて複雑で精巧な器官を進化させながらだとなおさら。そして一大革命を成した目のある動物は、地球上のいろんな海域ではそれぞれの環境に適応しつつ、幅を利かせる。そして多様化。で、最終的には目が付いてる動物優位の形で生態系が再構築された。

光を感知する器官は、たったひとつの生物種から始まって目にまで発展したのか、それとも複数の生物種で独立して開発されたのか、そこはよく分からんけど大体そういうことがあって、複雑な構造の動物にはほとんどもれなく目が付くようになった、と。

いやいや、目は比較的最近のものらしい。となると、その前にできあがってた味覚や嗅覚、聴覚にあたるものを何らかの生き物が獲得するたび、似たような市場の独占・寡占が起きたんじゃないかって気がする。水中だから、味覚はともかく、嗅覚と聴覚の感覚器は陸上の動物のものとは別物かもしんないけど。

てことで人間様にもモンゴウイカにも似たような目があるわけ。ここらを考えると、目が左右対称に2個付いてるっつう設計規格は、かなり古い時代、人の先祖とイカの先祖の分化より前に決まったってことかと(それぞれの祖先が独立に目を獲得したならまた別だけど)。なんなら体の両側面に前から後ろまで目がずらっと並んでるとか、体の上下か前後に1個ずつでもよかったと思う。あるいはイージス艦のアクティブアレイアンテナみたいに、斜め方向にぐるっと4個並べて、1個の視野角90°ずつで360°の視界を確保とかでも。けどきっと左右に1個ずつ、というのが、目が出来上がった当時一番都合が良かったんだろなー。で、どの生き物もその基本規格を踏襲しつつ、魚や馬や雀みたいにできるだけ広い視野を確保したり、人や猫やフクロウみたいに後方視界を捨てる代わりに立体視できるようにしたり。

そういう、進化の順番を妄想しながら生き物の仕組みを考えるのもまた面白いなとか適当にまとめてみたり。

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イカの目って人間の目に劣らないくらい、あるいはもしかしたら人間の目以上に性能がいいらしい。これちょっと意外。人間より目がいいってのはほかには鳥がそうだね。あんだけ小さい目だから受光量が少ないはずなのに、エサの発見をほとんど全部視覚に頼る都合上やたら高性能化されてて、鷹とかは1km離れたネズミを発見しちゃうとか。おいらにゃ無理。けど鳥は鳥目だよね。ここ、受光量の少なさがネックになってるんじゃないかと。フクロウは目を大きくしてそれをカバーして、夜でも見えるってことかな。あ……フクロウの目が顔の前面に並んでるのは、さっきまで立体視のためだと思ってたけど、2個の目で同じものを見て、よりよく見えるようにするのが主な目的なんじゃないかって気もしてきた。同じ視野の受光量が2倍になるんで。

イカの目のすごいところはどうも、その性能もさることながら、構造の見事さにもあるらしい。人間(つまり哺乳類)の目は、網膜の真ん中近くの裏側で、ぶっとくまとめられた視神経の束と接続してる。ここは網膜表面じゃ視覚細胞を置けないんで盲点になって、実はモノが見えてない。視覚情報が抜け落ちてるわけ。けどイカの視神経は網膜の裏側の至る所に少しずつつながってて、盲点が存在しない造りになってるらしい。

進化の順番を考えると、人の祖先とイカの祖先が分化したのは、レンズや網膜とかの目の基本構造はできてたけど、視神経の接続様式のあたりは模索段階だったころかと。で、それぞれがそれぞれの様式で目を発達させてきた、となりますな。ここでも単一起源説を採っとります。

実生活上、人間は人間の目の構造で不自由はないわけだけど、もっといいものが世の中にあることが分かってしまうとちょいと羨ましく感じてみたり。

銘板
2010.3.14 日曜
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ユリシーズをつぐもの

おっ、2006年打ち上げの太陽観測衛星 ひので が比較的わかりやすい観測成果を発表してるわ。毎日.jp に載りましたなー

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太陽:黒点の「たね」発見 両極に強い磁場、数増減の指標に

太陽の南極と北極に黒点並みに強い磁場が斑点状に散らばっていることを、国立天文台などが太陽観測衛星「ひので」を使って発見した。黒点のもとになる「たね」と考えられるという。国立天文台の常田佐久教授(太陽物理学)は「極域の磁場は将来の黒点数の重要な指標。地球の気候変動を予測する材料にもなるかもしれない」と話している。

国立天文台野辺山太陽電波観測所(長野県南牧村)の下条圭美助教(同)らは、ひのでで極域付近の磁場を観測。両極に黒点とほぼ同じ1000ガウス程度の磁場が数十個点在することが分かった。直径約4000キロと黒点の10分の1以下、平均寿命は約10時間で、黒点(数日から数カ月)より短かった。

極域付近の磁場は、太陽の自転や対流によって内部で増幅され、約11年後に赤道付近の表面で一部が飛び出すと黒点になる。従来考えられていた極域の磁場は黒点のたねとなるには弱すぎたが、今回の磁場は十分な強度を持つという。

黒点の数は11年ごとで増減し、現在は数が減る「極小期」。07年以降はほとんど現れず、黒点がまったくない日は通常の極小期より多いうえ、周期も延びている。過去には数百年から1000年の間隔で、50〜100年にわたり黒点がない時期があり、その多くは地球の寒冷期と一致する。【須田桃子】

毎日新聞 2010年3月9日 東京朝刊

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てことで。もう少し探したら公式サイトに載ってたわ。んーおいらの能力じゃ公式サイトの方はうまく理解できぬ orz

日本の宇宙科学観測衛星はほかに X 線天文衛星 すざく と赤外線天文衛星 あかり が稼働中なんだけど、どの発表もおいらのレベルじゃ解説なしだと理解がきつくて。小惑星探査機 はやぶさ の成果だと、表面が思ってたよりゴツゴツしてたよとか、どんな種類の岩でできてたよとか、密度がどのくらいだったよとか、場所による重力勾配がこんな感じだよってあたりで、はじめから分かりやすかったり、高校物理まで分かってれば理解できたりが多かったんだけどな(当然ながらその程度の見識じゃ分かんないのもまた多かったけど。公転軌道の進化とか)。

てことで毎日新聞の力をお借りして理解したですよ。

太陽黒点の発生が予想できるとなれば、記事の関係者コメントにある通り、地球の気候変動をある程度予測できるようになる。今って太陽の活動が今までの周期と違ってるのが問題になってるんだよね。太陽活動の極大期が来るのは11年間隔。前回は2000年あたり。てことで今度は2011年のはずで、今はそれに向けてだんだん活動が活発になってきてなきゃいかんのに、活動の活発さを示す黒点が思ったより出てないらしい。まったく観測されないときさえあるそうで。

これって世界経済からするとあんましよろしくない事態なのよね。太陽活動が活発だと、弊害としては磁気嵐が起きやすくて衛星や地上の電子機器がよく壊れるようになるってのがよろしくないけど、それを差し引いても、農産物が世界中で豊作になって景気全体を刺激するメリットの方が大きいんですな。世界経済はリーマンショックとドバイショックの後遺症をまだ引きずってるから、恐らく今度の極大期は世界中が待望してると思うんだけど、どうも不発らしくて。

予測として、太陽活動はこれからどんどん盛り上がっていって、予想より遅い時期に極大期が来るのか、それとも今回の極大期は不発なのか、それともこれからどんどん太陽活動は弱まる一方なのか、それとももしかして太陽は何らかの理由で今はエネルギーをどんどん溜め込んでて、映画『2012』みたいなことをしでかしちゃうのか、データがなくて誰にも分からん状態。

だからこそ太陽観測は大事なわけで。けど太陽ってまだまだ分からないことだらけらしくて、衛星を使った精密観測をこれから何十年も続けて、データを積み上げて初めて分かることとかがあるわけ。てことで今はひたすらデータ取得の時期ってことらしい。観測したからすぐに答えが出る、というものじゃないってことで。

地球温暖化問題は最近スキャンダル続出でなんだかわけ分かんなくなってるしさ、太陽の方は今の状態だけ見ると、どうも地球全体が寒冷期に入りそうな雰囲気だし。こいつは目が離せませんですなぁ。なんてちょっと他人事感覚なのってまずいかな。

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今回の成果で、太陽の極域が注目ってことになったと思う。ここを観測する探査機って、NASA/ESA 共同開発の ユリシーズ があった。打ち上げは1990年。どうやって太陽の北極と南極を直接観測する軌道に入ったか。地球の公転軌道面の傾斜は、太陽の赤道面とだいたい一致(7.25°だそうで)。惑星空間を飛ぶ探査機は打ち上げるとき、地球の公転速度を利用するから、基本的に探査機の公転軌道面の傾きは地球のそれと同じ。このままじゃ太陽の横っ腹しか見られない。ひので が今回極域を見たわけだけど、かなり浅い角度でしか見えないわけ。地球の近くから太陽を観測すると、どうしてもそうなってしまう。で、スイングバイという宇宙航行技術の出番。

スイングバイってのは、惑星や衛星の引力と公転の運動エネルギーを利用して、探査機の進行方向やスピードを変える技術。推進剤を節約できる代わり、かなりの軌道精度が要求される。あと、そのときの天体の位置に左右されるんで、いつでも好きにできるわけじゃなくて、タイミングを合わせるために遠回りもするんで時間もかかる。で、ユリシーズは木星を利用した。木星の引力で軌道傾斜角を80.2°にまで曲げて、太陽の北極と南極を世界で初めて直接覗いたわけ。軌道は遠日点が木星の軌道、近日点が地球の軌道にそれぞれ接する形(実際の近日点は地球軌道よりちょっと外側)。こうなると周期が長くなっちゃうんだよね。そうそう頻繁に観測できるわけじゃない。

今ユリシーズの公転周期を計算したら(近日点が地球の公転軌道半径と同じとして)、5年2カ月ちょい。ユリシーズの寿命は打ち上げから18年と9カ月だった。軌道を3周半してるはず。最後の半周は太陽から遠かったと思う。てことで両極域を3回ずつ、計6回観測できたかと。

これスイングバイ相手をもっと近い天体で選ぶと、公転周期が短くなって探査機の寿命まで何回も観測できるし、太陽に近づいて詳細に観測できるしでいいことずくめな気がして。それでもユリシーズが木星を選んだってことはちゃんとした理由があるんだろうけど、思いついたんでその線で考えてみる。

ユリシーズに似た、太陽の極軌道を取った探査機といえば我が日本の火星探査機 のぞみ。この軌道は当初の予定になくて、トラブルで火星に行けなくなりかけたのをこんなアクロバットでしのごうとしたんですな。のぞみ のこのときのスイングバイ相手は地球。太陽系の北の方を半周飛んだ。傾斜角はどのくらい行ったのか分からんけど、解説用の模式図を見ると30°くらいかな。まーかなり大ざっぱな図ではあるけど。

のぞみ後期スイングバイ

このときは目的が別だったからこの傾斜角だったけど、スイングバイのときもっと地球に寄せれば、角度の変更ももっとえぐくできるかも。とりあえず50°かそれ以上行ければ御の字ってことで、のぞみ で得た技術の応用ってことで、日本でやってみてはいかがですかねぇ。ひので(あるいは後継衛星)と同時観測すると、かなり有意義なデータが取れそうな気がする。

のぞみ のこのときのスイングバイ前の軌道は、地球と火星の軌道を往復するような楕円軌道だった。この軌道なら、打ち上げは木星に行くよりだいぶ小さなロケットで間に合う。軌道の全域で太陽電池が使えるから原子力電池も要らない。ほかにも小惑星探査機 はやぶさ でやった EDVEGA 航法とか、金星と地球で2回スイングバイして深い角度を狙うとか、いろいろな元ネタを応用できるかも。

ていうか のぞみ のスイングバイで行くなら、2回目の地球スイングバイのルートを、地球の前を回る形にすると、60°くらい行けるんじゃないかと。さらに半年後にもういっぺん地球スイングバイで90°でどうかなとか。

そしたら、最終的な周期を地球と同じ1年になるようにして、探査機が太陽の南極圏を観測するあたりを6〜7月に設定すると、地上の通信局は臼田の64mアンテナだけで間に合うかも。この条件でざっと計算したら、臼田のパラポラの仰角は夏至のあたりで仰角15°くらい。これ行けそうだなぁ。軌道が同期してるから探査機が常に地球の北半球の、臼田の緯度から見えるし。

地球と探査機との最大距離は 1.41AU。はやぶさ のイトカワ観測/着陸ミッションのときは 2AU だった。はやぶさ と同じ通信機器なら、距離が0.7倍なんで通信速度は2倍(「通信速度∝電波強度」として)。探査機側にフェイズドアレイアンテナを積めば、今年の5月18日打ち上げ予定の金星探査機 あかつき と同じ程度の通信速度が稼げる。はやぶさ の3〜4倍。あかつき の最遠距離より多少近いからもっと速くなるな。

スイングバイ全部完了の後イオンエンジンで軌道の焦点をちょっとずらして、今後の地球との会合のとき地球の重力圏に入らないようにすると、長いこと安定運用できそう。太陽観測に適してる軌道位置を太陽の自転軸から±30°として、南極直上(というか直下)通過が地球の北半球の夏至の時期とすると、太陽の南極圏観測は6月〜7月、北極圏観測は12月〜1月のそれぞれ2カ月間。それ以外の2月〜5月と8月〜11月はメンテナンス期。このときは半年ごとの地球との接近の時期だから、高速通信で効率よくメンテナンスできる。ついでにここでも太陽を観測すると、太陽の全球調査データが得られますな。同じ機器での観測データだから互換性が高いわけで、より詳しい知見が得られるはず。

お、金星スイングバイで金星の公転軌道と直交する形だともっといいかも。金星軌道との同期なんで地球の季節での探査機との位置関係はバラバラだけど、いいことけっこうあるよ。地球軌道に比べて太陽に近いから、同じ望遠鏡で分解能が1.4倍。太陽電池のサイズは半分でいい。周期も短いから観測頻度は1.6倍。臼田局のアンテナの仰角も、一番条件が悪いときでも(北半球が冬至で、探査機が軌道の最南端にあるとき)7〜8°。太陽に近いぶん熱や太陽風での探査機の劣化が気になるとこではあるけど。

なんだかこのプラン行けそうな気がする。ていうかそこまでして調べる意味があればの話。もしかしたらユリシーズの頃と違って今は、太陽の極域は真上や真下から覗かなくても、ひので とかで地球の周辺から充分に観測できるのかもしんないし。

銘板
2010.3.16 火曜
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はやぶさ の精密誘導でグタグダ考える日

来たよ はやぶさ。地球から13万km を通過する軌道まで。

はやぶさ軌道2010.3.10

はやぶさ の軌道はもう地球の引力圏の深くまで入り込んでるから、このまま通過しちゃうと地球の引力でスイングバイして軌道が変わってしまう。それがこのグラフで見える。そんなところまで帰ってきましたなぁ。

今は精密誘導の段階に入ったんで、これからは今までみたいにざくざく進んでは行かないそうな。

んー、大まかに地球への衝突コースに入ってから精密誘導を始めるもんだと思ってたよ。このグラフでいうと、「目標軌道」に重なるくらいまで来てから。けど13万kmもあるこの段階から始めるんだね。

今は3月。地球への到着は6月。あと3カ月。4分の1年。地球が太陽の周りをあと90°回れば、というところ。はやぶさ の軌道と位置ではどうなのか考える。今は地球と はやぶさ はほとんど並走してるとして、はやぶさ の位置はもう、はやぶさ の公転軌道の近日点寄りのところに来てるかと。

となると、今から加速しても火星軌道より向こうの遠地点高度ばかり上がって、近地点あたりの軌道はそんなに変わらない、つまり軌道変換の効率があまりよくないところまで来てると思う。そうなると、けっこうガバガバと大胆に軌道変更をかけないといかんってこと。逆に言えば、大ざっぱな操作でも自動的に精密な制御になる、ということ。運用チームはそのあたりを計算に入れてるんじゃないかと。

前からギモンだったのが、これから地球にかなり近付いてからの制御方法。

松浦晋也氏の日経 BP の記事 に分かりやすく出てるけど、軌道上の天体に正確に近付いてドッキングなり衝突なりするには、ちょっと特殊な操縦をしなきゃなんない。普通の感覚とは逆方向の操作をするということ。ドッキング対象から離れたければ、普通感覚では近付くように噴射。近付きたければ逆噴射をしないといかん。

これ、周期が1年やそれ以上の惑星間空間で、その軌道のサイズに比べたら微々たる距離の差でもそうなんだろうか。

松浦氏の記事で挙げてたのは、周期90分程度の小さな地球周回軌道。ランデブー/ドッキングの姿勢制御してるうちに、両者は軌道をどんどん回っていく。

噴射での軌道変更は、その場所での軌道を変えない。その反対側の軌道の高さを変える。で、周期が変わってきて、それが操縦してる乗り物の、ランデブー/ドッキング対象との相対的な前進や後退を引き起こす。けっこう回りくどい力学なのよね。

して今回の話題は、ついに精密誘導段階に入った、地球への衝突コースにある はやぶさ。公転軌道で考えると、正確に地球にぶつかる精密誘導は、軌道の反対側、つまり遠地点あたりでやらないといかんってことになる。けど軌道があまりにもでかいんで、その位置じゃそこまで正確な誘導は難しそう。

てことでこれから帰還寸前まで、さらに精密な誘導制御をすると思うんだ。けど、軌道変換は、軌道の反対側に影響を与えて、今いるところのコースはあまり変わらない。ただスピードは変わるけど。加速したらしたなりに、その場での探査機のスピードは速くなる(そのぶん軌道の反対側が膨れて、1周したときの周期で見ると遅くなる)。地球低軌道だと操作をして結果を確認してるうちにどんどん軌道を回っていくから、軌道周回全体の行程を逆操作をかけなきゃなんない。

けど はやぶさ の今回の精密誘導の最終段階の場合、もう太陽の引力は外乱程度ってことにして、ほとんど地球と はやぶさ との2体問題ってことで計算するんじゃないかと。もちろん「精密」なんで、やっぱ太陽引力というか惑星軌道も考慮に入れるんだろうけどさ、このあたりの操作の概観は基本的には2体問題として、逆操作じゃなく、一般的な感覚に近い操縦がなされんじゃないかなーと。

加速でスピードが変わるってのは、地球に落ちるタイミングを調整できるってことだね。オーストラリアのウーメラ砂漠にピンポイントで落とすことになってるからね。地球の公転軌道全部が載った図を見ると、地球そのものは点でしかない。その点に はやぶさ を正確にぶつけようとしてる。しかも特定の砂漠っつう、これまたさらに世界地図で見てほとんど点でしかない場所を狙ってる。どんだけ高精度が要求されるんだと。恐らくこれから世界中の電波天文台に協力してもらって、VLBI で、探査機の精密な位置決定を何回もするんじゃないかな。

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2010.3.15 月曜
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BIG AL

POWER-FX 社の Vocaloid "BIG AL"、去年の12月からダウンロード販売されとったですよ。DVD パッケージ版もクリプトンが日本国内での販売代理ってことで、もう出てた

びっくりだったのが、パッケージイラストはともかく、中の人まで変わってしまってたってこと。2007年の製作発表以来なかなか出てこなかったから、製品の形をいろいろと練り直してるんだろうなーとは思ってた。けどここまで全取っ替えしちゃうとは。同じのは製品名だけですか。

まずパッケージ絵。市場の状況に合わせてきたなぁ。先行の "Sweet Ann" と整合させる意味でも、こだわりを持って敢えて路線を変えないってやり方もあったろうとは思う。けど市場の意向に合わせてきた。まあどんなに自分の理想を掲げても、まずは売れなきゃ意味ないからな。

下は2007年時点で発表されたパッケ絵(左側)と、実際に採用された絵(右側)。

BIG AL 新旧

商品の化粧箱の見栄えってどの業界でも売り上げを大きく左右する大事な要素だけど、Vocaloid はそのあたり特殊だからなぁ。パッケ絵が普通の商品よりずっと重要。ていうかその絵柄も製品本体の必要不可欠な一部だからなぁ。Sweet Ann が出た頃にはそうでもなかったんだろうけど、直後に発売された初音ミクがすべてを変えてしまった。で、はじめは「オタクがまた騒いでるだけ」と見ることもできたけど、ユーザやファンが作った曲、画像、映像その他の作品の投稿とそのリアクションがいつまでも盛り上がってるっつうことで、新市場の形成が誰の目から見ても明らかになった。

BIG AL の絵が差し替えになったのはきっとこういう流れかと。コスチュームもクリプトンのキャラクター・ボーカルシリーズをかなり意識してるね。で、なんでもちょいワルP の LEON↓との差別化を図ったとかいう話w

LEON /ちょいワルP

いやあのちょっと調べたら、ちょいワル LEON のこの衣装、アニメ『金色のガッシュベル』のフォルゴレのやつなんだね。

フォルゴレ

んでもまぁ ZERO-G の委託を受けたイラストレーターさん(ソニカの公式コミックを描いておられるらしい)、そのあたりを気遣った、ということらしい。このイラストレーターさんも相当なボカロファンみたいだからなぁ。たぶん日本人かな。ソニカコミック、もともと日本語ベースで描かれてるみたいだし。

で、BIG AL、声の主まで差し替えになってしまって。変更前はこうだった。

コーラスというかかけ声というかが PowerFX なんだね。Ann とのデュエットはこんな感じ↓。

この個性的なバフバフ声に魅力を感じてたよ。オッサン的なしわがれ声というか。「♪うえ"あ"っ」て感じの。で、この声は歌声ライブラリ作成に適してなかったから人を替えたらしい。で、製品になったのはこんな声。

同じ系統でちょっと大人しくなった感じかなぁ。まぁ LEON、KAITO、がくぽ、氷山キヨテル先生のどれとも似てないからいいか。けどちょっとノイズと籠りが目立つかも。低音だからしょうがないのかもなぁ。けどやっぱ前の声もよかったなぁ。別な製品ででも、BIG AL のオプションとしてででも復活してくんないかな。

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前の声、狙いすぎてポシャったってことなのかもなー。おいら最近、仕事でそういうことあったもんだから。こっちはゼロや全部やり直しの事態にはなんなかったけど、不本意な出来になってしまって。見かねた別の人が代わりにやってみてやっぱしダメでさ、見た目以上に難しいてことってあるんだな、と。そのあたりの事前見積もりって、経験を相当積まんとできん気がする。

銘板
2010.3.17 水曜
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『私が愛したゲイシャガール』

BIG AL、アニメ風の絵にしたせいかけっこう人気出てるっぽい。kihirohitoP 作の『私が愛したゲイシャガール』がニコニコ動画での週刊ランキングで最高25位まで行ったぞ。下のリンクは YouTube だけど。

おもしろすぐる! この人 引き出し多すぐるw

色は匂へどCherry Bloom World
仕事帰りのOn The Roadで
Very PrettyなGeisha Girlを
NinjaがAbduction
 
Coltは俺のPassport
そこで一人のLonsome Samurai
クセモノ共をFanning Shotで
次々Bump Off Chicken
 
あなたがArchaicなSmileを見せるとき
私のHeartにHoryu Templeの鐘が鳴り響く
 
「お礼にいいとこお連れしますわ」
彼女と共にChiba Cityから
さらりまんらとTrainに乗って
花のTokyoへGO
 
そこはClub Ryugu Castle
タイやヒラメが舞い踊る中
知らぬ同士が小皿をたたいて
I'm A Stranger In Paradise
 
あなたがOrientalなDancingを見せるとき
私のHeartにシシオドシの音がこだまする
 
あなたがArchaicなSmileを見せるとき
私のHeartにHoryu Templeの鐘が鳴り響く

こんなすげーネタ曲を次々と作ってしまえる kihirohitoP の才能にはもう嫉妬する気も起きんよ。AL の声が合いすぎw けど主人公の絵柄は AL とは関係ないのな。

つうか英語 Vocaloid 関係雑誌 "Engloid" のブログで 紹介されちまった

In this weeks Vocaloid Ranking Big Al's The Geisha Girl, which was produced by kihirohito-P, was ranked #79. Here's hoping that this weird song makes it to the top 30s next week.
今週のボーカロイドランキングで、kihirohito-P プロデュースの "THE GEISHA GIRL" by BIG AL が79位に入りました。来週はこのヘンテコな歌がトップ30台に入ってくれるといいな。

うーん、やっぱ外人さんにもヘンテコだとバレてたかw

銘板左端銘板銘板右端

あ、今気付いた。「さらりまんらと」って聞いたことない言葉だなーと思ってたら、「サラリーマン等と」なのかな。

銘板
2010.3.18 木曜
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新型ソニカ絵

んでまぁ海外ボカロ組はやっぱしというか日本市場に的を絞ってるみたいで、ZERO-G 社のソニカもパッケージイラストを差し替えたですよ。上が修正前。下が修正後ね。もう完全に別人(笑)

ソニカ
 
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
 
ソニカ After

Mario Wibisono という世界的に高名な 3D CG アーティストに発注して作ったらしい。確かに前の絵はアマチュアの手つきが残ってたというか。詰めの甘さというか。衣装もしょぼかったし。それが今回のリニューアルで相当ゴージャスになりましたな。

Wibisono 氏の美人画は、公式サイトのほかの作品も拝見するに、日本のゲームやアニメ、アイドルのメイクとかそこらへんテイストを感じさせますな。あどけなさを残した顔つきとか。日本のボカロファンにはこれでだいぶ受けが良くなったんじゃないかと。ただ、ここまで繊細で美麗な絵にされると、アマチュアの絵師さんたちにとってはますますいじりにくい素材になったかもって気もする……。

日本はオタクの流れと DTM の流れが Vocaloid + ニコニコ動画で融合してこんなに面白い事態になったわけだけど、海外はこんなふうには盛り上がってなさそうですなぁ。ミクがシンガポールでライブやって大盛況だったらしい。でもどうも日本のボカロムーブメントの成果物だけを、海外の人たちは受動的に楽しんでるって感じのようですな。

受動的といえばおいらも何も参加できない受け身のファンだから、海外の人の楽しみ方と大して変わりないわな。けどまぁ自作の作品を見せあい聴かせあいして盛り上がるノリをすぐそばで楽しんでられるっつう利点があったり。海外でもボカロで自発的に盛り上がれば、日本と触発しあってもっと面白いことになると思うんだけどな。

となると、もうひとつのオタク国家・フランスの動きがあまり見られないのがちょっと不思議といえば不思議。これって例えば、ミクのフランス語版がもしできたりすると一瞬で大爆発したりするんだろうか。

Vocaloid キャラってアニメのキャラに近い成り立ち方だから、ほかの言語には、同じキャラ絵のまま、声質が似てる現地の声の主でも成り立つ気がするよ。どうでしょ、ソニカと BIG AL とミクリンレンルカあたり、その路線でフランスで展開してみては。それにはまずヤマハが、Vocaloid のフランス語版ライブラリを作る段取りを確立しないといかんか。

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欧米センスのファンタジー系 3D CG 美人画というと、

指輪物語ゲーム

こんなだもんなぁ。新型ソニカの顔、日本テイスト寄りで正解な気がする。それともおいらが日本人だからこれがいいように思えるってだけか? 欧米じゃやっぱしゴリ系の濃ゆい顔の方がウケるんだろか。

銘板
2010.3.19 金曜
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フクロウの目を再考察

3月13のログ「フクロウの目が顔の前面に並んでるのは、さっきまで立体視のためだと思ってたけど、2個の目で同じものを見て、よりよく見えるようにするのが主な目的なんじゃないかって気もしてきた。同じ視野の受光量が2倍になるんで」と書いてはみたものの、本当にそうなのかちょっと自信なくて。

網膜の受光をする細胞って「錐体」と「捍体」の2つがある(4年前、色彩検定2級を取るのに勉強したっけなぁ)。たぶん鳥の目も同じ仕組みかと。錐体は色が分かる代わりに暗いところが苦手。捍体はその逆で、白黒情報しか出力できないけど暗いところでも稼働する。

で、こういう感覚器細胞の反応って、個別では閾値以上か以下かでの、0か1かのデジタルな出力しか出さないような気がする。そうだとして、あるひとつの映像を見てる目が捍体の閾値以下の光量しか得られない場合、その目の数が2つになろうがそれ以上になろうが、より暗いものが見えるということにはならないんじゃないかと。受光量が2倍になっても網膜の面積も2倍になるんで、捍体が受ける光量は結局同じってことで。

環境が充分に明るいときを考えると、人間やフクロウの目の配置には、2つの映像情報を脳内で合成・補完して分解能を上げるのと同じ働きがあるはず。視力検査の表って両目で見ると、片目よりもうちょっと細かいところまで分かるよね。それと同じ。一方、暗くて捍体の閾値ギリギリかそれ以下とかの環境だと、脳に出力できる情報量を増やす上で最重要なのは、光量確保でちょっとでも捍体の閾値以上に持っていくこと。でも「2つの目で同じものを見る」はその役には立たない。

それとも、取得映像のところどころが捍体の閾値以下で不鮮明な2つの映像情報を脳内でかけあわせて補完しあって、それでより詳しい認識ができるってことなんだろか。まあ明るいときの分解能アップと同じやり方と効果になりますな。仕組みは分かるけど、本当にそれでより詳しい視覚情報取得になるんだろか。結局「見えんもんは見えん」で落ち着いてしまいそうな気もして。フクロウさんどうなんですか一体。ていうか人間と同じ仕組みなんだから、自分の目でなんとか実験すれば証明できるような気もしてきた。

銘板
2010.3.20 土曜
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ドキュ番オンデマンドの遠い夜明け

科学ドキュメンタリー番組にハマっとります。

ぶっちゃけニコニコ動画にうpされたディスカバリーチャンネルなんだけどさ。

こういうので済ましちゃうのはいかん思って。ちゃんと契約してカネ払って直接視聴しようかと。

皆さんのナイスなコメントが付かないのは物足りないけどしゃあないよな。

てことで「ディスカバリーチャンネル」でググったら、スカパーの番組だった。そうなのかそうなのか。有線テレビだの衛星放送だのってとんと縁がないもんだから、どういうものなのかも今もってよく分からん。

で、サイトを見ていろいろ知ったのは、なんかこう、そういえばテレビ番組だったよなこれってあたり。パソコンで見れるらしいってのは便利なんだけど、決められた放送時間じゃないと見れないってのがなぁ。テレビってこれだからイヤなんだよ。例えば映画も時間が決められてるけど、期間中は毎日、しかも1日何回も上映するからね。けどテレビ番組はその一発を逃すといつ再放送するんだか分かんねーし。録画すりゃいいんだけど、パソコンでどうやって録画すんのかめんどくて調べたくねーし。なんか録画してまでって気もするし。いっぺん見て面白けりゃ録画してまた見るっつうスタイルで行きたいんだが。

いやてっきりオンデマンド方式でやってるもんだとばっかし思っててさ。ニコニコ動画や YouTube や zoome のノリで、過去の番組でも新作でも、契約してりゃ見たいときにいつでも見れるもんだと。なんだ違うのかよ。

てことで動画投稿/閲覧サービスの恩恵にすっかり浴してしまった身としては、この旧態依然とした配給スタイルはどうもなーって感じなんですよ。

そういやこの前 NHK の科学番組やらドキュメンタリーやらを新旧かまわずいろいろ漁ってみたくなって、オンデマンドサービスを探したんですわ。公式であるにはあったんだけど、なんか番組数が全然充実してなくて。過去の番組一覧だけはさすがに、ある時期以降の全作品を網羅してるみたいだけど、オンデマンドで用意されてるやつと来たらほんのひとつまみ程度。まだまだ未整備。

ほんとなー、テレビ局って自分が持ってる番組を見てほしくねーのかよ。そりゃ新作を見てほしいんだろうけどさ。おいらだって面白そうなら新作は見たいよ。で、前に見た旧作でもまだ見てない旧作でも、やっぱし見たいものは見たい。そういうのをちゃんと見せてくれるのってリピーターの確保手段になるんじゃないかと思うんだけど、この惨状からすると、やっこさんたちはそうは考えてないみたいね。21世紀に入って10年も経とうとしてる、バソコンとネット環境がここまで充実したこのご時世に、テレビジョン受像機という前世紀の媒体での配信にこだわり続ける理由もよく分からん。

放送法の規制とかあるのかもしんないけど、立ちふさがる壁をどうにか突破していただきたいと願う今日この頃。一般の人が投稿した動画も面白いけど、深海探査だの歴史検証だののドキュメンタリーなんてプロの映像屋じゃないと作れんから。そういうのの視聴には喜んで料金を払いたいけど、一緒についてくる「そっちの側の都合」が煩わしくてイヤ、ということ。

おいらがテレビを見なくなった理由って、そうだ、この「放送日時に自分の時間を合わせるのがたまんなくめんどくなった」ってのもあった。てことで、テレビを必需品としてる人ってまだまだ多いと思うけど、何かのはずみでいったん見なくなると、テレビなしでも案外何の問題もないことに気付くかと思う。やめてみるとけっこう快適だよ。そんな感じでテレビの束縛から開放されちまうと、「オレ様が決めてやった放送日時なんだからお前が全力で合わせろ」なんつう殿様商売にはどうしても付き合いきれなくて。

あとブランクあると、番組と視聴者の間の内輪ネタ的なノリを学び直すの大変だしさ。「一見さんお断り」なら京都限定でやってくれよ。けどその中でもドキュメンタリー番組は独立性が高いから、おいらみたいな及び腰な視聴者でも気兼ねなく観賞できるんだよな。けど地味だからなぁ。放送局内での扱いもそれなりな気がする。

銘板
2010.3.21 日曜
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今シーズンもお疲れさん的な意味で

そろそろ夏タイヤへの履き替えの時期かー。めんどいからスタンドでやってもらおうかなぁ。

スタッドレスタイヤの普及し始めの頃って、なんかよくわからん製品がひとつあったぞ。愛称「タコ」で売り出してたはず。アイスバーン対策で、タイヤの表面が、吸盤が2列か3列に並んでる的に成形されてた。いやほんとあったんだよ。当時テレビの特番で見たから間違いないw 一応 Wikipedia 記事「スタッドレスタイヤ」にも、かつてそんな製品があったって記述があるよ。

しかしこれ、タイヤ表面の摩耗とか損傷とか考えてなかったの丸わかりだな。摩耗すればもちろん吸盤のくぼみがなくなっていくわけで、どんどん効かなくなるはず。それに石を踏んだりして吸盤の縁が切れてしまうと、気密を保てずに路面に吸着しなくなりますわな。ていうかこれミラーバーン専用だよね。実際に北国に住んでる身からすると、道路の氷はデコボコしてるときもけっこう多いんだよね。そんなとき全く役に立たなかったかと。

確かにスタッドレスタイヤ初期だから考えが全方位にまで及ばないのは理解できるけど、ちょっと考えればこのアイディアがろくでもないことくらい、企画の段階で誰でも読めたはず。あるいは開発陣に北国出身者がいなかったか。後知恵だろ、ですと? いやいやおいら、当時テレビでこの商品を見た瞬間「これダメだろ」と思ったよ。運転免許もまだ持ってない若造にさえ一瞬で見抜かれるこんなガセ発想が、よく経営会議を通って、投資の上で製品化までいけたもんだと。

とは言うものの、スタッドレスタイヤっていまだにアイスバーンが苦手。この路面状況だとスパイクタイヤの足元にも及ばないと思う。おいらが今使ってるのはメーカー失念したけどもう何年もだから、型は古いし摩耗してるしで性能が落ちてるんだけど、言っちゃなんだけど新品のときも滑りまくってたよ。てことで吸盤スタッドレスの開発元は、アイスバーン対策が最難関って認識が大きかったと思われ。それでああいう極端な方策に出たんじゃないかと。その方向性は適切だったわけですな。

ていうかもしかして、営業戦略的に吸盤を採用したのかも。なんかその方があり得るような。

吸盤自体が大した効き目がないことは、作る側のエンジニアが分かってないってのはちょっと不自然。てことは「実際の効き目なんかどうでもよくて、消費者が分かりやすいアピールということで吸盤が採用された」だったのかも。けどこれもまぁ消費者をバカにした話と言えばそれまでですな。消費者もあんまし深く考えない人って一定数いるから、そこらへんに訴求したかったのかなぁ。

でも1シーズンで消えたってことは、消費者はそこまでバカじゃなかったってこと。

しかしおいらもだけど、怪しい怪しいと思ってはいても、信頼できそうな情報筋に勧められたりすると、思わず「本当かも」「ちょっと試してみようかな」くらいまで行っちゃうんだよな。危ない危ない。雑誌の提灯記事とか。あれってメーカーが雑誌にカネ払って書かせてるからなぁ。

ただの広告より説得力が断然あるんだよね。営業努力の賜物って性能差をひっくり返すからね。ベータを負かした VHS とか。80年代のタミヤの RC カーは画期的なメカが売りの割には全日本選手権じゃほとんどからっきしだったとか(バギーブーム終盤ではついにタミヤ製マシンが何台か出場、そこそこ活躍したらしい)。封切公開前なのになぜか既に大絶賛の嵐だった『ハリー・ポッター』映画版1作目とか。

似たようなまやかしで、吸気口や排気口の近くに貼るだけでエンジンの効率が上がるっつう触れ込みの、ステッカーみたいなのがあったね。第三者機関の調査で効果が全くないことが証明されるまで相当売れたらしい。何年前だっけ。ケータイの普及期に出てきた電磁波防止ステッカーと同じでしたな。

この手のゴマカシといえば、まさにスタッドレスのアイスバーン性能ってそのまんまだわ。スパイクタイヤより全然効かないってのみんな分かってるんだけど、宣伝があんまり「効く効く」と自信満々なもんだから、なんか言い出しにくいのな。自分のスタッドレスがそれほど効かないのは自分の運転の腕前が悪いんじゃないかとかお人好しモード入ったりして。

テレビのスタッドレスタイヤの CM の見事な止まりっぷり、あれ絶対ウソだよ。アイスバーンであんなにザクッと止まるクルマ、実際には見たことねーし。画面でアップで映してるタイヤ以外はスパイクタイヤなんじゃねーの?

そんな現状を鑑みてか、市町村合併で今は八戸市の一部になって旧・青森県三戸郡南郷村の企業が、マカロニタイヤというものを作って売ってたはずだけど、どうなったかな。タイヤ表面からマカロニ状のピンスパイクが路面温度によって出たり引っ込んだりするやつ。スパイクタイヤは昭和と平成の境目あたりに多くの自治体で使用禁止になったけど(一般車両のみ NG。緊急車両は OK。てことでやっぱしスパイクの方が効くわけだ)、こいつはスパイクタイヤの定義から外れるらしく、今でも販売と使用は OK のはず。ちょいと調べてみるか。

こちらのページ様に情報ちょっとだけ。メーカー名は南部テック(株)。90年代の情報だな。最近はどうなんだろ。ていうか地元情報に疎いおいらさ。

評判は2ちゃんねるで見つけた。そうかぁホイールスピンの摩擦でタイヤがあったまるとピンが引っ込んでますますホイールスピンしてしまうのか。しかもタイヤのゴムが柔らかいとピンが抜けるから、硬めのゴムのタイヤじゃないといかんってことで、タイヤ自体のグリップ力は期待できないのか。どうもなかなかうまくいかんようですなぁ。かといってゴムのピンは滑って話になんないみたいだし。まぁここらへんの話の信頼性は噂レベルってことでひとつ。

前々から思ってて今まで忘れてたんだけど、ピンの材質を、氷より固くてアスファルトより柔らかい何かにすればいいのでは? それならピンの出し入れを考えなくてもいいような。

ってそれやったスタッドレスがトーヨータイヤのガリットだったわ。スパイクはゴムに練り込んだクルミの殻。これアイディアが秀逸だよな。環境負荷がないし、食品加工の廃棄物の有効利用だし。今度の買い替えのとき試してみようかな。効果はそんなに信じてないけど(笑)

銘板
2010.3.22 月曜
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やっぱスパイク

そんでおいらが今使ってるスタッドレスタイヤって何だったっけかなーと見てみたら、トーヨーのガリットだったわ。クルミの殻の。いやー全然意識したことなかったw

やっぱさ、評判の「引っ掻き効果」ってこんなもんなんだな。正直「効く」とかいうレベルじゃない。きっとどこのスタッドレスも似たり寄ったりなんだろうなぁ。その「効かなさ」を、ついこのまえ実感しましたですよ。

3月10日、八戸地方は47年ぶりとかいう豪雪に見舞われてさ、下の写真はお昼ちょっと前。

大雪 3月10日 その1

実はまだ序の口。それでもすげーすげー言ってたんだわ。東京の友達にこの写真を送ったぐらいにして。で、その日の帰り。

大雪 3月10日 その2
このクルマで家へ帰れと!?

覚悟してたつもりだったけど、さすがに愕然としたわ。写真で、おいらがケータイカメラ構えて立ってるとこは除雪済み。ここからあのクルマまで地獄の雪中行軍。

スノーダンプで掘り出すのに2時間弱。やっぱりというかそのまんまじゃホイールスピンして動き出せなくて。朝、クルマをここに停めた時点で、車高がギリギリだったもんな。てことでスコップでクルマの腹の下の雪をできるだけかき出して、タイヤの前後の雪もできるだけ取り払って、クラッチ ON/OFF で前後にユサユサゆすってようやく動いてくれたわ。

して駐車場内で転回してたらまたハマって。その脱出にまた30分。タイヤがグリップしないってのはキツいっす。

圧雪状態って、いったんホイールスピンするとその駆動輪の下は磨かれてアイスバーンになるんだよね。そこでタイヤメーカー各社の工夫に期待なんだけど、やっぱしこの程度でしかない。まぁこのあたりの性能より上はないから強制納得しろってことなんだけどさ。で、やっぱし吸盤タイヤはこんな状況にも効かなさそうw

こんな路面でグリップするタイヤっつったら、もうゴムじゃなく、ピンスパイクが突き出しまくりのウニみたいなタイヤじゃないとダメな気がしてきた。てことで、下の写真は Wikipedia「スパイクタイヤ」に出てた、氷上バイク競技用のごっついタイヤ。

超スパイクタイヤ

こんなタイヤを付けたバイクが走るレース、前にテレビで見たことあるよ。ソ連かロシア発のコラムニュース的なやつで。もうそのグリップ力は普通路面のゴムタイヤを軽く凌駕(突き刺さってるからな)。バンク角が確か50°を超えてたような。乗る方はこれはこれで命懸けですなぁ。しかもコケたら後続車のこんなサディスティックなタイヤにいたぶられまくり。おおこわいこわい。

ていうか周回が進むとコース上の氷はザクザクに砕かれてしまうと思うんだけど、レース終盤はどういう走りになるんだろ。それでもたぶんスパイクが効いて、何もないタイヤよりずっと走れると思うんだけど、ドラテクは序盤とはかなり違うものを要求されそう。

でまぁこんなタイヤにとっても魅力を感じる今日この頃だけど、普通のアスファルト路面じゃ金属スパイクの先っぽしか接地しないもんだから滑ってかえって危ないという罠。

銘板
2010.3.23 火曜
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不都合な真実の不都合な真実

なんかさ、今年の冬はやたら寒いわけですよ。ここ3年くらい寒い冬が続いてる気がする。2006〜2007年の冬は比較的暖かくて、一度も雪かきしないで済んだのを覚えてるけどさ。

なんでこんなに寒いのかというと、なんでも地球温暖化の影響だとか。うちの母親が言ってたわ。テレビでそう言ってたんだとさ。また聞きだからしょうもないヨタ話なんだけど、テレビの偉いコメンテーターとかほんとに言い出しそう。もう何でもかんでも温暖化のせいだもんな。なんだったらもう少子化問題も赤字国債もカワイイあのコがあんたにつれないのも、全部まとめて温暖化のせいにしちゃえよ。

温暖化に関するスキャンダル、けっこう最近話題になったからね。それまでほとんど鵜呑みに信じてた自分が情けないわ。Wikipedia『クライメイトゲート事件』だとなるだけ中立かつ慎重な姿勢を取ってるね。けどマスコミは最近、たまにこのあたりの話が出ると食いついてるね。マスコミも一緒に踊らされてきたわけだから、ちょっとは責任を感じてるんだろか。センセーショナルだから=商売になるからってのが一番大きいんだろうけど。

信頼してたデータが捏造を含んでたってんだからしょうがないかと。国家が受け売りしてたくらいだもん。まぁ当事者は「捏造じゃなくミス」と主張してるみたいだけどその違いは政治的・法的なものだよね。故意か過失かの違いってだけで、やらかした本質は同じ。科学者が人類の未来を握る数字を実際と違うものとして発表して世界を従わせて、その間違いを最近指摘されるまで長いこと訂正しなかった。確認もしなかった。これ科学者の態度としてどうなのかと。アマチュアですか。ていうか第三者による追試や検証ってやってなかったんだね。どんな特権階級だよ。

まぁ全否定じゃなく部分否定だけどね。「地球温暖化はたぶん人為で本当に進行中だけど、その研究してる科学者がこの前までやかましく言ってたほど急なペースじゃなかった」という弁明をしとるらしい。ついでに言うと、今回の件で「温暖化は人為」の可能性も幾分かは下がったかと。んでも研究機関のお偉いさんがエコを看板に掲げた企業からカネ貰ってたってのはかなりアレですな。環境派の人たちを相当がっかりさせたんじゃないかと。

真相はどうなんだろ。定点に住んでる人間の体感ベースでアレだけど、おいらは冬の寒さは四半世紀前からあんまし変わらん気がする。年による変動はあるにしても。地元の八戸の夏は暑くなったと思うけど、市街地でアスファルト舗装とエアコンが普及してヒートアイランド現象が起こってるせいとも言えそう。街を囲む田んぼも消滅したしな。

今年の冬は世界でも特に寒かった土地が多かったみたいで(オリンピック会場は記録的な暖冬だったらしいけど)、温暖化論はじり貧な情勢っぽい。やっば今までかなり強い論調で来てたからなぁ。そりゃ叩かれるときは相当来ますわな。

けど今回のスキャンダルは温暖化が起こってないことを証明するものじゃないわけで。起こってるかどうか、それが人為なのかどうか、そこらの考察がふりだしに戻ったってことで。あと肯定派と懐疑派の溝が深まったかもね。

この手の長期の地球規模の気候変動で怖いのは、正のフィードバックが働いてしまうってこと。これ、状態がある方向に振れるとそっちにどんどん傾いていくってこと。自律安定の逆。暴走ですな。

例えば、雪や氷の光や熱の反射率は高い。真っ白なもんだから。てことで、もし寒くなって地表や海に氷の部分が増えると、太陽熱を反射しまくってますます冷える。何のブレーキもかからなかった場合、行き着く先は地球の 全球凍結。仮説だから実際にそうなるのか/なったことがあるのかははっきり言えんらしいけんど。

反対に暑くなっていくと、極圏の氷が溶けて土が露出。太陽熱の反射率が落ちるんで温暖化が進んで、ひたすら暑くなっていく。こっちの行き着く果ては、隣の軌道に実例がある。それは金星。大気は二酸化炭素(CO2)が支配的で、平均気温は400℃以上。気圧は地球の90倍。雲のすぐ下には硫酸の雨が降ってるけど、あまりに高い気温で、途中で蒸発して地表に届かない。まさに灼熱地獄。

過去の地球で全球凍結があったとする派によると、それでも火山の噴火で大気中の CO2 が増えたせいで温室効果が発生。気温が上がってその状態を脱して、今の地球環境があるのだそうな。金星みたいになったことはまだないらしい。

てことでとりあえず温暖化が進んでると仮定して、兆候やデータがはっきり出てから対策をしてももう遅いわけですよ。その頃にはおいらたちは確実に来る大クラッシュにただ怯えるだけの、暴走機関車の乗客なわけですよ。だから今から対策しとくのが大事ってことになるわけ。

京都議定書って13年前か。先進各国は CO2 削減を数字を出して約束をしたけど、アメリカはブッシュ政権になったら逃げ出した。日本は削減どころか増えた(排出権の取引で帳尻を合わせようとしてるけど)。ヨーロッパもどうなんだろ。結局うやむやな感じ。ぶっちゃけ今のままじゃ CO2 の排出削減なんてできんことを証明してしまいましたな。

鳩山政権は CO2 排出量の 25% 減を国際公約にしてしまったけど、具体的に何をどうやるのかは何も言わなかったよね。ここまでだと排出削減が産業として成り立つのが前提なんだと思う。で、エコ関係の大規模産業がどうにもうさん臭そうってことで。研究者におカネあげて、温暖化のデータを危機的な方向にいじってもらってた疑惑が出てるからなぁ。新聞記事じゃトヨタの名が出てたけどどうなんだろ。

あと、京都議定書のときにktkrと思ったのがあったよ。時の橋本政権、日本の削減量 6% 達成のための具体策として原発の大増設を提案してさ。その数字をクリアするって意味だけじゃ一番実効的そうなんだけど、あの首相ってどう見ても科学技術に疎そうでさ。日本の有名な政治家先生はみんなそんな感じだけどさ。で、そういう人が温暖化防止の切り札として原発を推すってのは、自分の判断じゃなく、どっかから吹き込まれた入れ知恵なんじゃないかと。んで、素人なら荒唐無稽なのも無理そうなのも含めていろいろ検討できそうなのに、なんでまたここでピンポイントで原発なのか、と考えると、やっぱあれなんじゃないですかね。原発関連の企業や団体から相当強烈なプッシュがあったんじゃないですかね。

まぁ狙い自体は悪くないってことになってるらしくて、日本だけじゃなく世界中で CO2 排出削減のためとして原発建設が進んでる。これって考え方を変えるとさ、スキャンダル渦中の科学者グループに、世界中の原発関係者がおこづかいをぶち込んできた結果ってことだったりするのかなーと。

んでどうなんでしょ。温暖化データの一部がデタラメ(揃って危機的な方向にずれてるから、捏造の意図を感じてしまうなぁ)なことが発覚してしまって、事態がそこまで緊急じゃないこと程度はバレてしまった。さらに資金の流れが解明・公表されちゃうと、データ捏造と世界の煽動を画策してた企業がどどーんと公になってしまうとか、そういう野次馬的に楽しい事態に発展してくれるんじゃないかとか。

てことで、チェルノブイリ以来原発は白い目で見られてきたけど、最近は温暖化防止の流れに乗って原発が見直されてきてた矢先でしたな。今回のスキャンダル、昇竜の勢いだった原発業界にどう影響を及ぼしますかね。

ていうか地球社会全体がどうなるんだろね。

しかしまぁ正のフィードバックは寒冷化に向かっても起きるわけで、もしも太陽活動がこれから何十年間とか何百年間とか低調になるんだとして、地球じゃ温暖化防止策がドカドカ成功してしまうと、今度は全球凍結のリスクが心配になりますなぁ。太陽活動の長期予測ってまだ確立してないらしい。どーすんだろ。

ちなみに太陽活動そのものを人為でいじるのは現段階じゃ完全に無理。だって太陽の直径って地球の109倍もあるんだぜ。体積で言ったらその3乗で1,295,029倍(約130万倍)だよ。でかすぎ。どうにもなんねっす。

映画じゃ『クライシス2050』(1990) 『サンシャイン2057』(2007) っつう似たような映画で太陽を操作しようとしてたけどさ(邦題のそっくりさんぶりからしてもう……)、娯楽映画だからそれでどうにかなってたけどさ、やっぱ無理ありすぎだったぞ。

銘板
2010.3.24 水曜
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氷河期はどうだ

寒冷化の最盛期と言えば氷河期。こいつはどうなっておるのかと。

ずーっと前、そうねぇ20年以上前だと思うけど、NHK スペシャルで氷河期のこと特集してたのよ。このメカニズムがなかなか興味深くて。氷河期と呼べるほど長期的に地球全体が寒くなるのって、地球と太陽との距離によるんだそうで。

全ての星の公転軌道って楕円軌道なんですな。地球のはけっこう真円に近いんだけど、それでも楕円。Wikipedia 「地球」を見ると、この楕円軌道の離心率は 0.01671022。太陽に近い時と遠い時で、平均値に比べてプラマイ 1.7% くらいの誤差があるわけ。

地球が受ける太陽の輻射熱量は、太陽からの距離の2乗に反比例する。てことで、近日点だと平均より 3.37% ほど日差しが強い。遠いとこれまた 3.37% ほど日差しが弱い。日差しの強さは1年間で最大と最小じゃ 6.74% くらい違う、というわけ。

その NHK スペシャルが言ったには、

とのことだった。「ええー断定しちゃっていいのかよー」とちょっとひるんだのを覚えてる。たぶん氷河期が来た周期と歳差運動の周期が綺麗に一致してたんだろうなぁ。てことで Wikipedia 「氷河期」から気温のグラフをパクってきたよ。年代は一番左が45万年前。だいたい10万年くらいの周期だね。

地球の気温

いやあの、これ見るとさ、今の時代(一番右側)はあったかい時期だね。でさ、今までの周期の状態を見るとさ、あったかいのは毎回一瞬でさ、あとはすんげー寒さのどん底って感じなんですが。つうかこの平均値(0℃)の取り方がいささかおかしい気がするんだけどどうなんでしょ。あ、今理解した。青と緑の折れ線グラフの「0℃」は地球全体の平均気温じゃなく、南極のサンプルを取った地点での気温だね。そういうことか。分かってよかった。んで Wikipedia 記事だと

「地球軌道要素に対するより最新の研究は、人間活動の影響が無いとしても、現在の間氷期は少なくとも5万年は続くだろうとも示唆している」

だそうだけど、グラフからすると明日にも氷河期に落ち込んでも別におかしくないような。目盛り1つが5万年てことは、いや、なんかこのコメントおかしくない? どう見てもこの間氷期はそんなに長く続かないんじゃないかと。あ、「あと5万年」じゃなく「間氷期全部で5万年」かな。とすると今もう2万年経ってるから、あと3万年? いやいやいや、グラフはそうは言ってないように見えるぞ。

ちょ、これどーなるんですか一体。

銘板左端銘板銘板右端

お、そのすぐ下に面白いこと書いてる。

「氷期と間氷期の変動に関連して、アメリカ国防総省が専門家に依頼して作成した地球温暖化の影響による大規模な気候変動を想定した安全保障についての報告書(Schwartz, P. and Randell, D. 2003)の存在が明るみに出て注目を集めた。それによると、地球温暖化による海流の変化が原因で、北半球では2010年から平均気温が下がり始め、2017年には平均気温が7〜8℃下がるという。逆に南半球では、急激に温度が上がり、降水量は減り、干ばつなどの自然災害が起こるという」

今年あたりからってことで、うちの地元の冬が寒かったのはとりあえず当たってるなぁ。夏はどうなるんだろ。で、今、夏を過ぎたばっかの南米やオーストラリアって干ばつや熱波に見舞われたっけ?

しかし「温暖化の影響で局地的に寒くなる」ってどうなんだろね。これも問題の温暖化研究機関が仕掛けた怪しげな理論武装のひとつにも思えなくもないような。北半球で7〜8℃下がるけど全体で温暖化ってことは、南半球は10℃くらい上がるってことなのか? 感覚的に、なんかあんまし現実的じゃない気もする。ほんとどーなんだ?

銘板左端銘板銘板右端

てかさ、秋田県の沿岸近くが北限だった、松の木を食い荒らす昆虫が最近青森県の日本海側沿岸部で確認されたってことで、新聞で「温暖化の影響」って言ってた。あったかくなったからこうなったって意味みたいですな。なんだかもう何が何やら。情報錯綜しすぎ。

銘板
2010.3.25 木曜
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デタラメ地球温暖化予報

昨日の

「氷期と間氷期の変動に関連して、アメリカ国防総省が専門家に依頼して作成した地球温暖化の影響による大規模な気候変動を想定した安全保障についての報告書(Schwartz, P. and Randell, D. 2003)の存在が明るみに出て注目を集めた。それによると、地球温暖化による海流の変化が原因で、北半球では2010年から平均気温が下がり始め、2017年には平均気温が7〜8℃下がるという。逆に南半球では、急激に温度が上がり、降水量は減り、干ばつなどの自然災害が起こるという」

だけど、どうも数字が1桁違ってる気がして。北半球の気温低下、0.7〜0.8℃なんじゃね? 確か、地球温暖化は+0.6℃(地球全体の平均)くらいで目に見える影響が出るとか、各国は温暖化対策をして100年後の気温上昇を+2℃(同上)に抑えるとか、そんな話だったはず。てことで、今からたった7年で7℃も8℃も変化するってのはちょっと考えにくい気がして。

てことで、Wikipedia 「氷河期」で上の文章の出典とされるものを実際に見てみた。タイトルを邦訳すると「ある急激な気候変動と合衆国の安全保障におけるその影響」

そんでざっとだけど目を通してみたらさ、なんだか Wikipedia の記述が違う点がいくつかあったわ。原文の関係部分らしきところを以下に抜粋。

... This abrupt change scenario is characterized by the following conditions:

そしてツッコミ。

  1. 「2017年」を表す箇所は全編を通じてまったくない
  2. 気温の単位は摂氏(℃)じゃなく華氏(°F)
  3. 2010〜2020年あたりでの北半球の気温下降は「7〜8℃」じゃなく「5〜6°F」(2. と 3. をまとめて摂氏に換算すると、北半球の気温変動はおよそ−2.8℃〜−3.3℃)
  4. そもそもこの論文の趣旨は「温暖化でこうなる」というシミュレーションではなく、「もしこの気温設定になったら世界はどうなるか」

ものすごい斜め読みだから自分の理解が怪しいところも多々あるんだけど、ま、どうもそういうことらしくて。Wikipedia に書いてる記述、デタラメらしいわ。それと、気になる南半球の気温変動は+4°F(摂氏ではおよそ+2.2℃)。「地球温暖化の影響による大規模な気候変動」ってあんたこれじゃ地球全体で見たら寒冷化ですがな。温暖化すればそれはすなわち寒冷化なのですだなんてこれ禅問答ですか。とんちですか。

とどめにこれは気候変動シミュレーションの結果の数字じゃなく、別な考察のための初期設定値(この条件では世界の軍事情勢はどうなるか、のシミュレーション。アメリカの国防総省が作らせたものなんで)だった。

こ れ は ひ ど い

「Wikipedia の記事は誰が書いたか分からんから頼りにしちゃいかん」というのを聞いたことがあるけど、初めてその実例に遭遇したわ。今までかなり頼ってきたけど、これからはその信頼をそれなりに割り引くことにするわ。まあ自分の憶測や曖昧な記憶だけよりずっとましなのは確かだけどさ。

いやほんと、話の出どころを見て内容を確かめるのって大事なんだなぁ。かつて中国と韓国が「日本の社会科の教科書は『侵略』を『進出』と書き換えた」と主張して大騒ぎになったけど、渡辺昇一が社会科の教科書を全部調べたらそんなものは一切なかったことが判明した、なんてことあったなぁ。

てなわけで昨日書いたことをまた考え直すと、

「今年の冬が寒かったのは地球温暖化のせい」は意味不明。依然変わりなくッ!(JOJO)

てことでひとつ。

銘板左端銘板銘板右端

この件、

ってさ、手口がもろに温暖化スキャンダルにかぶるね。これ、そういう人たちの常套手段なのかなぁ。ていうかデマの作り方そのものですなぁ。暴いちゃったのまずかったかなぁ。おいら何者かに暗殺されるのかなぁw

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Wikipedia のいいとこは、根拠不明なことを書くと「要出典」のツッコミが入るとこ。今回はそれを避けるべく出典が明示されてた → 実は特に関係ないものをソースとしてた → やっぱし主張は根拠不明だった、と。

悪質ですなー。

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2010.3.26 金曜
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エスパニョールなマジンガー

最近ハマってる動画↓

いやー衝撃だったよ。マジンガーZ、スペインでここまですごい人気があったとは。こんなでかい像が建っちゃうんだもん。こっちの動画を見ると、1976年に建立されたらしい。後ろの木立の大きさの違いが歳月を物語ってるよ。んでもう30年以上経ってるのに、こんなに綺麗。マメな掃除がずーっと続けられてるんだろうなぁ。それにときどきペンキを塗り替えたりもしてるはず。ほんと愛されてるなぁ。

んでこの同じ動画を飽きずに毎日のように見てるのは、音楽がカッチョいいから。

確かにマジンガーっぽい雰囲気の曲だけど、おいらはこのメロディは記憶にあるようなないような、7対3で、ない方。オープニングテーマでもエンディングテーマでもないよね。劇中曲だったのかな。西部劇風というか。ていうかこれ西部劇でそのまんま使えるだろ。

古い方の動画の本物のテーマソングを聴くと、イントロでトランペットの音が一瞬揃ってないのが分かってしまう。当時の子供向け番組は音楽もこのくらいの完成度でよしとされてたのかな。それに比べると新しい動画の方のサウンド、完成度が圧倒的ですがな。てことはたぶん同じ時代の同じミュージシャンの演奏じゃないのかな。

曲の素性はよく分からんけど、とにかくかっこいええなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

あと、こちらはペルーの方の作品。スペイン語圏で愛されてるんだなぁ。

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2010.3.27 土曜
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ヘヴィメタルなエスパニョールマジンガー

つうかスペインの都市 Tarragona のマジンガーZ 像の映像、YouTube にガンガン上がってるわ。

↑こちらではスペイン語(?)版の主題歌が聴けるよ。ヘヴィメタル風味だから、日本で言うとアニメタルみたいなノリでカバーされたかと。ほんとみんな大好きなんだな。かつてマジンガーZ に夢中になった日本人として涙出るくらい嬉しい。

てゆーかおまいら愛しすぎw

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2010.3.28 日曜
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グレンダイザーはどうだ

一方フランスじゃマジンガーシリーズの3作目、『UFO ロボ グレンダイザー』が「ゴルドラック」というタイトルで凄まじい人気を誇ったらしい。Wikipedia によると最高視聴率100%とか。数字が嘘くさすぎるww イタリアでも80%をマークか。グレンダイザーって日本じゃマジンガーZ やグレートマジンガーほどの人気は出なかったと思うけど、あちらのお国の感性によく合ったってことなのかもな。主人公は異星人(見た目は地球人と変わらない)って設定だけど、西洋の貴族をイメージしてたからな。そこらへんに親しみを覚えたのかもしんない。

そういやコンバトラーV に1回だけ、フランス製の巨大ロボットが出てきたと思ったよ。騎士の甲冑のデザインで。てことはモビルスーツだとギャンに似てたのかな。もう記憶がおぼろげ。敵の攻撃からコンバトラーを守って破壊されるんだったような。アメリカじゃなくフランスってとこがその年代っぽいなぁ。ウルトラマンの科学特捜隊も本部はフランスだったしさ(日本のは極東支部)。てことはもしフランスで巨大ロボットアニメが作られて日本のロボがゲスト出演したら、鎧武者ルックなんだろうか。日本の鎧は機動性重視で隙だらけだぞw

んでまぁ YouTube で "Goldrake" で検索すると、まぁ出るわ出るわ。こっちは 3D モデリング/レンダリングのアニメーション作品がやたら多いですな。

いやあの、あれ!? 向こうで映画化されてんの? けど CG 映像はハリウッド並みのところもあるけど、肝心のグレンダイザーの完成度はそこまでじゃなかったり。役者の演技が微妙に素人臭かったり。けど個人の趣味映像よりはるかに完成度が高い。どーいう素性なんだ? と調べたら、こちらのサイト様にたどり着いた。ファンが集まって非営利で作ってるらしい。てことはやっぱ手弁当ですか。それでこの出来映えの良さは異常だろ。サイトに何が書いてあるのか、というより何語かさえ分からんけど(英語が混じってるのはさすがに分かるけど)、ここにも巨大な愛を感じまくりですよ。

こちらの人たちがお作りになった動画のうち、短いけどかなりシビレるやつを貼っとくよ。

なんかこう、人型ロボットに人が乗って操縦するってことに、今までになかった「実感」を覚えさせてくれる新感覚映像ですよ。

ていうかグレンダイザーに乗りてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!

銘板左端銘板銘板右端

イラクでも大人気だったのも嬉しいなぁ。いろんな立場の人たちが対立してるあの国に、みんなが共通で楽しめる話題を提供したんだな。グレンダイザーすげえ。ノーベル平和賞をあげたいよ。

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2010.3.29 月曜
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"The End of Asia" / Yellow Magic Orchestra

話題が70年代ってことで、今日は YMO でも。まぁアルバム3枚くらいしか知らんけど。

で、もしやと思って YouTube で探したらザクザク出てきたですよ。なじみの曲も知らん曲も。おいらが聴いたことあるのはファーストアルバムの "Yellow Magic Orchestra" と "Solid State Survivor" と "Public Pressure (公的抑圧)" と、あとスネークマンショーに入ってた『開け心』、シングルで売れた『君に、胸キュン。』くらい。あ、もうひとつ、何てアルバムか忘れたけど、"Prologue" と "Epilogue" とゆーナンバーが入ってるアルバム(これはなんかすごくマニア向けっぽくてついていけなかった)。そのくらい。

さすがに30年も経つと音色がチープに感じたりするけど、カーステで聴くにはちょっと恥ずかしいかもしんないんだけど(シンセドラムの「トゥーン」とか SE とか)、でも曲やアレンジ自体の魅力は色あせないね。

でさ、まぁお気に入りの曲ってのがあるわけで。曲目は "The End of Asia" 。

タイトルの意味は「アジアの終わり」じゃなく「アジアの果て」だというのを、コチラ の投稿者コメで初めて知ったわ。

しかしこれ、どうも昔聴いてたのとちょっと細かいところが違うような。YMO って超マニアックなファンが多いよね。で、シンセで自分でライブの音を再現してる人たちけっこう投稿してて。あまりにもリアルなもんだから、本物の音源から取った動画なのか、投稿者が自分で打ち込んで再現した動画なのかよく区別できんくて。こっちも遠い記憶が頼りだから、「これは違うな」と確信しつつ思い違いかもだし。

音源が本物かどうかはよく分からんけども、まぁどっちでもいいや。YMO ってライブごとにいろいろアレンジを替えてたみたいで、それでいろんなライブのバージョンが残ってるね。で、おいらとしては「公的抑圧」のバージョンがなじみで。

その "The End of Asia"、んーなんでこんなにステキなんだろ(惚)。はじめに発表されたのは坂本龍一の『千のナイフ』の中でだね。メロディは中国風味だけど、リズムはときどきレゲエっぽい。これ毎日聴いてた当時は中国的かとか分かんなかったし、レゲエもジャンルそのものを知らなかったし聴いたこともなかったよ。でも大好きだったよ。あと安いラジカセで聴いてたから、細野晴臣のベースは完全に埋もれてたw 細野さんゴメン。

そういえば『開け心』は単純な構成の曲だったけど、この曲で、2つのメロディが同時に重なり合う面白さに初めて目覚めたよ。そのことを構成で分かりやすく示した曲でさ、それで気付かさせていただいたと。きっとクラシックじゃ昔から当たり前にやってたんだろうけど、おいらにとっては衝撃で。その影響からか、後でハードロックとかにそれを求めて楽しむようになったですよ。メロとリフの絡み具合のこと。これは今でも病みつき。このときの教育の成果ですなぁw

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2010.3.30 火曜
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遠き日のそういうものを検証する日

YMO の名曲と言えば "Behind the Mask" も見逃せませんなぁ。んで、なんてーか、どうしてなのか自分でも分からんのだけど、時代はもうちょっと下ってカルチャークラブの "Time" と相通じるものを勝手に感じてしまってて。なんだろ。曲の雰囲気は似てるというほど似てるもんでもないし、意味分かんないままの歌詞が実は似てるのかなぁとか。無意識にそこらのニュアンスを汲み取ってたとか? そんな現象、あり得ないファンタジーみたいな気もするけど。

んで、せっかくだから邦訳してみた。訳が下手なのと日本語詩のセンスがないのはカンベンしてね。

Behind the Mask / YMOTime / Culture Club
Now the mask you're wearing
Is stoney and staring
Lines and tears
Age and fears
Growing old
Passions cold
Is it me
Is it you
Behind the mask, I ask
Is it me
Is it you
Who wears another face

There's nothing in your eyes
That marks where you cried
All is blank
All is blind
Dead inside
The inner mind
Is it me
Is it you
Behind this mask, I ask
Is it me
Is it you
Who wears another face.
Don't put your head on my shoulder
Sink me in a river of tears
This could be the best place yet
But you must overcome your fears
In time we could've been so much more
But time is precious I know
In time we could've been so much more
The time has nothing to show
because
Time won't give me time
And time makes lovers feel
Like they've got something real
But you and me we know
We got nothing
but time
And time won't give me time
Won't give me time

Don't make me feel any colder
Time is like a clock in my heart
Touch we touch was the heat too much
I felt I lost you from the start
In time we could've been so much more
But time is precious I know
In time we could've been so much more
The time has nothing to show because
Time won't give me time
And time makes lovers feel
Like they've got something real
But you and me we know
We've got nothing but time
And time won't give me time
Won't give me time
君の被っている仮面
今まさに石のよう
皺と涙
年齢と恐れ
老いに進み
冷める情熱
これは僕か
これは君か
仮面の下はどうなんだ
僕のことか
君のことか
ほかの顔は被れない

君が泣いた跡なんて
その目には宿らない
何もかも虚ろ
何もかも不可視
心の内には
死が宿る
これは僕か
これは君か
仮面の下はどうなんだ
僕のことか
君のことか
ほかの顔は被れない
僕の肩に頭を置かないで
涙の川に僕を沈めて
そこは最高の場所かもしれないけど
君は恐れを我慢しないと
そのうち僕らはそうなれるかも
けど時間は貴重だよね
そのうち僕らはそうなれるかも
時は何も見せてはくれない
だって
時間は時間を与えてはくれない
時間は恋人たちに確かな何かを与える
かのようだ
僕ら以外にはね
僕らには時間しかない
そして時間は時間を与えてはくれない
与えようともしない

これ以上僕を寒がらせないで
時間は僕の心の中の時計みたいだ
互いに触れあえば過熱もする
スタートから君を失ってた気もする
そのうち僕らはそうなれるかも
けど時間は貴重だよね
そのうち僕らはそうなれるかも
時は何も見せてはくれない
だって
時間は時間を与えてはくれない
時間は恋人たちに確かな何かを与える
かのようだ
僕ら以外にはね
僕らには時間しかない
そして時間は時間を与えてはくれない
与えようともしない

んむー、"Time" の方は雰囲気程度なら分かる気がするけどちょいと意味不明。"Behind the Mask" は難解なのかと思いきや、意外とすんなり飲み込める内容でしたわ(ポップミュージックの歌詞としてはいささか渋すぎだけど (^_^;)

で、どうも共通なものは今回の試みでも見つかんなかった。なんとなく感じてた「相通じるもの」は今でも感じてるんだけど、説明不能な個人的感覚らしいですな。

しかしカルチャークラブなんつう当時の世界的超売れっ子な、ほとんどアイドル的な存在がこんな深い歌詞を歌ってたとは。リードボーカルなんて女装だぞ。芸術性より技巧より娯楽を前面に出した人気取りが第一のバンドだぞ。それがこんな大技を繰り出してやがった。YMO もエッジな音楽センスとファッションでいちいち世間の度肝を抜いてたっけ(サウンドは言わずもがな。人民服でカッコイイってのはもうあれが最初で最後かと)。70〜80年代、恐るべし。

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2010.3.31 水曜
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最終軌道変換完了

来たよ来たよ来ましたですよ小惑星探査機 はやぶさ。ついに地球帰還軌道に入ったですよ。

はやぶさ軌道 20100331

このグラフからだと、なんかちょっとオーバーラン気味のところを通過する軌道なんだね。けど目標軌道と一致してる。たぶん、グラフのとおりに近日点をいったんわずかに膨らませて(地球の夜側上空を通るようにして)、そこから軌道を地球に下ろしていく合わせ方が、運用にいちばん余裕ができるってことかと。

27日にイオンエンジンの連続運転が完了。31日の計測で、予定軌道に入ったことが確認できたんだそうな。とりあえずこれで「エンジンパワーがまた足りなくなったらもう間に合わない」段階を越えたね。けっこうギリギリだったもんだからやきもきさせられましたですよ。

これから6月まで、何回かに分けて軌道の微調整ですな。

しかし、今の はやぶさ ってそのままの姿勢で上下左右に動くことはできんのだよね。姿勢制御スラスタ(ガンダム用語で「バーニア」)全損&推進剤ゼロなもんで。てことで、尾部に後ろ向きについてるメインのイオンエンジンで姿勢制御をしなきゃなんない。これジンバルに乗ってるから推力の方向を微妙に動かせるんで、それで機体の向きを変えられる。あるいはイオン化しないナマのキセノンガスを中和器から吹き出させて機体の向きを変える手もある。どっちにしろ、進行方向に対して直角方向に速度ベクトルを変えるには、いったん機体全体をベクトルの向きを持っていきたい方向に回して、それからエンジンを運転させる、という段取りが必要。

それでちょっとギモンがあって。

はやぶさ は今、地球にドンピシャで追突するコースをちょっとだけ過ぎて、地球の夜側上空約1万4000km を通過してしまう軌道にあるわけです。夜中のオーストラリアに到着すべく大気圏再突入をするには、もうちょっと内側に戻る必要があるわけ。で、上に書いたような段取りを踏むと思うんだけど、これ、機首が太陽を向くってことなんですわ。

正直にそうするとどうなるか。「太陽電池パドルに太陽光が真横から当たる → 全く発電できない → イオンエンジンを運転できない」てなことになる。はやぶさ の太陽電池パドルは機体に固定されてるから、太陽を向くようにパドルだけ回転させることはできない。

はやぶさ は往路で地球スイングバイをしたとき、地球の影の中を30分くらいかけて通過した。その間、バッテリーに蓄えた電力だけでイオンエンジンを運転した実績がある。けど今回はそれが使えない。バッテリーも使用禁止状態なもんで。無理に使うとしても1回だけ。いったん放電してしまうと、充電するのに何カ月もかかってしまう状況なんで、2発目の姿勢制御が間に合わない。

考えられるのは、「機首を太陽に正対させない」ということかと。首振り角を45°にするとか。

これだと太陽電池の最大発電量の 70% を確保できる。近日点の近くだから日射量もあるし。で、エンジンの加速度も 70% を狙った方向の速度に振り向けられる。ロスがあるけど一応できるはず。ただ余計な速度変化が同時に発生しちゃう。前後方向か、もうひとつの軸方向に。で、余計な速度変化を相殺するのにまた別な方向に噴射して、それでできたまた余計な速度変化を相殺して……ってまぁこの方法だとしても、最もロスが少ない最適解はもう出来上がってると思うけど。

でも川口プロジェクトマネージャーの心配のひとつ、もし機体内にヒドラジンや四酸化二窒素なんつう推進剤がまだ残ってて、太陽に近いからあぶられて今さら噴出して姿勢が乱れたり軌道が外れてしまったら……イオンエンジンの弱っちい出力じゃどうしようもなくなるかもしんない。ここはもうそうならないことを祈るしかないよなぁ。調べようがないし。

スラスタ推進剤が機体内部に漏出したトラブルから4年半。その間、事故が起きたときを除いても はやぶさ は近日点を2回通過してる。近日点での熱さで推進剤が噴出するんなら、もうとっくに出尽くしてると考えるのが妥当かも。機体内部の温度を上げてガスを追い出す「ベーキング」っつう作業も1回やってるしさ。

そこまでウダウダ考えたら、その点は大丈夫な気がしてきた (^_^;A)

さてさてヤマ場のひとつは無事に(いろいろあったけど)越したけど、前人未到の冒険の旅はまだ続くよ。6月にすべての決着がつくまで。

銘板
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