ひとりごちるゆんず 2009年9月
銘板
2009.9.1 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090901
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ビジュアル比較: H-IIA 9号機 vs 11号機

まだ続くロケット話。なんかもう固体燃料ロケットみたいに、いったん火がついたら止めらんなくなっちゃって。

昨日のログのランキング表で H-IIA の9号機と11号機を選んだのは、YouTube に上がってた比較動画『H-IIAロケット比較 F9vsF11』を見たから。リフトオフ直後の加速度の違いがかなり分かりやすくて。

左側が9号機(H-IIA 2024)、右側が11号機(H-IIA 204)。昨日書いたように、11号機はカウントダウンゼロから全エンジン全開だけど、9号機は7個あるエンジンのうち3個だけ稼働させてある程度の高さまで行かなきゃなんないんで、はじめのうちは加速がトロいのよ。

ほんとこれだとはっきり分かるね。11号機、ここまで豪快な加速するんだもん、それ用の強化胴体を開発したというのもうなずけますな。けど昨日計算した通り、全開時の加速度は9号機の方が大きいから、むしろ胴体を強化すべきなのは9号機の方だった気もするんだけど。

あ、そうか、ブースターの燃焼末期がいちばん加速度が上がるからな。それか。

SRB-A が2基に SSB が4基の混成部隊な9号機は、加速度のピークの時期がずれる。11号機は SRB が4基だから、揃って燃焼終了寸前のあたりは加速度がかなり厳しそう。そうかそうか、打ち上げ直後じゃなく、ブースターの最終加速度を考えての強化胴体だったか。今ようやく理解したわ。

銘板
2009.9.2 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090902
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

いい国に住んで得られるはずの満足感の行方

経済関係の素人トークだけど。

別に国粋主義とかじゃないんだけど、日本に住んでるのってすごい幸せなことなんじゃないかとか考える時があったりしてさ。政権交代でこれからどうなるか分からんけどさ。もっと良くなるのか悪くなるのか、それとも大して変わんないのか。まぁなるようにしかなんないだろってことで。

政治のことじゃなく、世の中一般ってことで。特に一般消費者向けの技術的なところ。いや、国内でよく出回ってる電化製品や自動車のほとんどが自国産って国、あんましないでしょ。それを普通として暮らしてるけど、他の多くの国じゃそこらへんが外国産なのが普通だったりして。

そういうおいらはちょいと舶来ものを混ぜて使ってたりするんだけどさ。PC は Mac でクルマはローバーミニだし(どっちも中古だけど)、毎日コカコーラかペプシ飲んで、観る映画の4割くらいはハリウッド製(それでも前より国産化率が上がった)。舶来っつうよりクルマ以外はアメリカかぶれですがな。

んでもまぁ、ケータイは三菱電機(とっくに撤退したけど)、家デンはシャープ、スキャナはエプソン、最近じゃ全然使ってないけど、フルコンオーディオのアンプはソニー、カセットデッキはパイオニア、レコードプレイヤーはテクニクス(今、鼻の奥がツーンとしたよ)、スピーカーはケンウッドだったりする。ついでに冬場大活躍のファンヒーターはトヨトミw

このまえ DIY ショップに蛍光灯を買いに行ったら、電灯類は国産メーカーの独占状態だったよ。当たり前だと思ってたうちはそのことを見逃してたけど、それに気付いて、『本当にこんなでいいのか?』と、幸せすぎる新婚さんみたいな疑問を持ってしまったよ。

自分の国の物を、誰に強制もお願いもされることなく自然に選んで使ってるっての、案外すごいことなんじゃないかなぁ。しかもけっこう世界中の人たちも選んでくれてるみたいだし。まぁ農産物はそううまくは行ってないみたいだけど、そこらに完璧を求めるのは行き過ぎた贅沢かと。ていうか食材・食品でも日本製は高級ブランドだしな。高級すぎて毎日の食卓にはもったいないってわけで。

けどそこで疑問なのは、経済規模が大きい工業製品で、日本は支配的とも言える勢いを国内外で示してるくせに、なんでずっと不況なのかねぇ。80年代後半のバブル景気の原動力は土地価格の実態を伴わない高騰だったけど、結局はそういう幻のエンジンがないと好況になれない仕組みになってるってことなんですかね。で、リーマンショック前のアメリカと世界も、実態とは違う金融バブルの成せる技だったみたいだし。なんかそれっておかしいんじゃないかって気がする。

でさ、日本は高級製品をじゃんじゃん輸出してるわけ。原料とエネルギーを外から買い込む必要があるけど、付加価値の対価を充分に設定してるはずなわけで。韓国みたいに実情はほとんど組み立て工場で、外国(日本)から部品をごっそり買わなきゃなんないってわけでもなく、部品からして国産品が主流。中間利益も権利料も他国に流出しにくい構造が出来てる。てことで、世界からかき集めた利益は一体どこに消えてるのか、てなあたりが昔から疑問で疑問で。

まぁ想像するに、少し前までは、ケインズ理論に基づいた景気対策と称する無駄な公共投資に消えていってたような気がする。しかしあれも、狙った通りにはなかなかなんないみたいね。建前は「土木業者がまず潤うと、それが全国の経済に波及する」だけどさ。実際に土木業者が左うちわになったかっつうとそうじゃなく、市場がでかくなったぶんだけ業者の数も増えて仕事を奪い合って、結局低所得者の数を増やしただけって感じがしてるけどどうなんだろ。

海外に何かを売って利益を得るわけでもないし。間接的には、それで培った技術で海外の工事を受注するってのもあるにはあるけど、政府の投資に見合ってるかで考えると雀の涙級のような。てなわけでその方便は本当に無駄でしかなかったことが周知の事実になったもんだから、今はその方面の公共投資は控えめになった感じだね。予算消化目的がバレバレの年度末道路工事も目に見えて減ったし。

というわけで国の政策もだんだん賢くなってきてるはずなのに、相変わらずの不況。リーマンショックっつう外乱も確かにあるけど、もともとの不況体質はその前も後も別に変わってない気がする。

てことで、もっと根源的なところに目を向けてみようかと。ここであの便利な言葉の出番です。それは「そもそも」w

そもそも不況だったのか? 好況とまでは行かないまでも、実はそこそこ堅調だったんじゃないのか? 「失われた10年」「IT バブル崩壊」「リーマンショック」。ここらへんって、「今は不況」という初期設定を強化するための道具だったんじゃないのか?

実際に株価が低迷したり GDP が伸び悩んだりマイナスになったりっつう数字で語られると「景気悪いよな」と言いたくなるし、中国やインドの経済があんだけ伸びるとこれまた焦るんだけど、あそこらへんはコストが安いから伸びてるわけで、70年代までの日本と同じ。行き着くところまで行ってしまうと、そりゃあもう前みたいには伸びんでしょ。

どこが終着点になるのかは場合によって違うだろうけど、日本は今が極限のあたりなんじゃないかと。これ以上はいくら頑張ってもちょっとしか伸びない。頑張れば頑張るほど投資効果が落ちる。そんな状況なのに、グングン経済成長するのが普通っつう感覚をいまだに変えないから、現状が不況にしか見えないんじゃないか、とか思ったり。

企業それぞれが出す業績予測も、判で押したように拡大路線だし。あれは予測じゃなく願望だろうとか思ったり。あれはあれですか、とりあえずそう出さないと投資家の人たちが自社株を買ってくんないからっつうあれですかね。で、それが積もり積もって世の中全体の「事情に構わず上昇するのが当たり前」感になってるんだとしたら、事業をするなら株式市場から資金を調達しなさいっつう、この世の中の標準システム自体がユガミを生んでるってことになるあれですかな。だからって多くの外国で失敗済みな赤い社会になればいいとも思わんけどさ。

「じゃあどうすりゃいいってんだ」なんて聞かないでね。分かんないから(言うだけ言って丸投げ)。

「そもそも」って意外な破壊力を持つことに今気付いた気がするw

銘板
2009.9.3 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090903
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

その人: 佐々淳行

噂には聞いてたけどついに見つけてしまった。人工衛星の打ち上げ方を分かってないくせにその方面で偉い人。

面白いから MSN産経の当該記事を転載。

銘板左端銘板銘板右端

【正論】日米正念場の北ミサイル対応 初代内閣安全保障室長・佐々淳行 (2/3ページ)

2009.3.25 02:24

総理は事前に迎撃命令を

佐々淳行

しかし、日本のイージス艦の弾道ミサイル発射探知、軌道追尾の能力は世界一である。1998年8月31日、北朝鮮が無警告でテポドン1号を発射し、三沢上空で日本列島を飛び越し、アラスカ沖まで飛んだとき、米海軍はこれを捕捉できなかった。同月14日から夏休みを返上で緊急出動し、日本海上で忍耐強く約2週間、警戒配備に当たったイージス艦「みょうこう」のみがただ1隻、ミサイル発射の火の玉を捕捉した。それを追跡し、推力、射角をコンピューターで解析し、それが北のいうような人工衛星でなく、大陸間弾道弾であることを証明した。

今度は「撃墜」することだ。地球の引力に抗して垂直上昇する人工衛星ロケットの推力は、引力で放物線を描く大陸間弾道弾のそれとは比較にならないほど大きいといわれる。だが、その識別は難しい。「みょうこう」は、その至難の業を成し遂げたのだ。

米海軍は海自のこの貢献を高く評価し、賛辞とともに「ミヨコによろしく」といってきた。いうまでもなくそれは「みょうこう」のことだった。麻生総理の決意表明は高く評価するが、自衛隊法第82条の2による「ミサイル迎撃」は総理の権限である。だが、撃墜許可の総理=防衛大臣命令が現場のイージス艦長に届くまでに、海幕長↓護衛艦隊司令官↓群司令と、指揮命令系統を経たのでは絶対に迎撃に間に合わない。テポドンは、発射後7分で日本上空に達するとみられる。

垂直上昇を続ける人工衛星ロケットなのか、太平洋、アメリカに向かうミサイルなのかの判断は、時間どころか分秒を争う問題だ。従って、麻生総理は「ミサイルの場合は躊躇(ちゅうちょ)なく迎撃し、撃墜せよ。集団的自衛権云々(うんぬん)は論ずべからず、全責任は総理である私がとる」と、自衛隊法第82条の2第3項の「事前の権限委譲」に則(のっと)り、あらかじめ撃墜許可命令を下令しておかないといけない。さもないと超音速のテポドンの迎撃は不可能である。

銘板左端銘板銘板右端

ま〜たぶんこの人、このあと相当ツッコまれたかとは思うけどね。しかし一般の人が知らないなら「興味ないから」で済むけど、この役職でこれはひどい。ていうか偉い人の自分の役職に関する無知は露呈して欲しくないですな。外国の人たちも見てるだろうから。昔、田中眞紀子が科学技術庁長官になったのにもびっくりだったけどさ。

「地球の引力に抗して垂直上昇する人工衛星ロケットの推力は、引力で放物線を描く大陸間弾道弾のそれとは比較にならないほど大きいといわれる」

確かに衛星打ち上げのロケットは一般に弾道ミサイルより推力がでかいもんだけど、比較にならないほど差があるものでもなかったり。ていうかここらで既に「衛星打ち上げはひたすらまっすぐ上に飛ばすもの」という思い込みのニオイがする。けど ICBM だって引力に抗して上昇するもんなんですが。で、

「垂直上昇を続ける人工衛星ロケットなのか、太平洋、アメリカに向かうミサイルなのかの判断は……」

これですこれ。ははぁこの人が噂のあの人でしたか。内閣安全保障室長・佐々淳行さんですか。こんなんで有事に適切な指示を出せるつもりだったんだろか。政権交代で替わるんだろうけど、民主党の新しい人もここまで事情を分かってない人なのかなぁ。

とりあえずいやあの、日本の人工衛星打ち上げロケット、打ち上げごとにオーストラリアか南米に向かって飛びますが。上空を飛び越えるんだけどさ。打ち上げが予定通りならその頃には第一宇宙速度(水平速度が秒速7.9km)以上まで加速してて、もう地上に落ちる心配がない、という仕組みですが。打ち上げに失敗して衛星をアフリカに落として、核弾頭の不発弾かと思われたこともありますが何か。

銘板
2009.9.4 金曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090904
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

その人: ミン・キュンジュ

北朝鮮のテポドン2号の1段目エンジンの推力を探してるんだけど、なかなか出てこんなぁ。韓国の羅老1号と比較したいんだけど。全高が36mってのは Wikipedia の記事で分かった。

もっとググったら、あんまし信頼できん情報(非公式という意味で)なら出てきたわ。羅老宇宙センター所長 Min Kyung-ju 氏による見積もりで、8月19日の朝9時ってことは羅老1号打ち上げ直前(このあと延期して、25日に打ち上げた)。羅老1号のパワフルさ(笑)を語りつつ、テポドン2号を「時代遅れ」と見下してる。そういう心理状態で正確な読みは難しいでしょ。っつうかこれ聯合ニュースか。だったら日本語版を見てと。あれ? 同じ記事が見当たらない。ドメインいじってみたけど英語版しかないっぽい。なんで?? とりあえず後で消されてもいいように全文転載。

銘板左端銘板銘板右端

2009/08/19 09:00 KST

S. Korea's KSLV-1 more advanced than N. Korean rockets: experts

By Lee Joon-seung

NARO SPACE CENTER, South Korea, Aug. 19 (Yonhap) -- South Korea's first space rocket is technologically superior to those launched by North Korea, local experts said Wednesday.

Aerospace experts said that despite both South and North Korea using Russian designs for their respective rockets, those used on the North's so-called Unha-2 rocket launched in April are based on technology developed in the 1970s, while the Korea Space Launch Vehicle-1 (KSLV-1) is "brand new."

"North Korean rocket technology is outdated, while the KSLV-1 is world-class in terms of thrust and various features," said Min Kyung-ju, head of the Naro Space Center that will launch the country's first rocket later in the day.

He said that the KSLV-1 can generate 170 tons of trust using a single engine while Unha-2, which may be a modified Taepodong-2 missile probably uses four 30-ton thrust engines to lift off. The KSLV-1, standing 33 meters tall and weighing 140 tons is larger than the Tapodong-2, which is estimated to weigh 75 tons and stand 32 meters in height.

Larger number of engines generally translates into greater costs, more weight and smaller payloads.

The engineer added that the KSLV-1 compares well with existing rockets that have sent up satellites in the past like Japan's H2A and Ariane rockets made by France. The Japanese rocket can generate 100 tons of thrust, while the French model has been rated at 120 tons thrust.

This view was echoed by Paik Hong-yul a senior research fellow at state-run Korea Aerospace Research Institute (KARI).

He said that North Korea's rocket technology cannot be discounted because there has been concerted effort on the part of Pyongyang to develop long range missiles since the 1960s, but there is need to understand differences.

"North Korean satellites that Pyongyang said were on its rockets failed to gain orbit, but the launch vehicles themselves have secured adequate range that may permit these to be used as missiles to target the continental United States," he said.

He said that North Korea can be said to have the highest rocket technology level in the developing world, yet South Korea too has made strides.

"Because there are no available parts and components, South Korea had to make every part besides the first stage rocket of the KSLV-1 from scratch," the expert said. Paik stressed that the country can now make every part of a space rocket with the exception of a powerful rocket engine.

He pointed out that even in this field, Seoul effectively completed work on a 30-ton thrust rocket and was starting work on a 75-ton thrust model that could be used as the basis for the KSLV-2 indigenous rocket slated for launch in 2018.

At present, the largest locally-built engine could generate just 17-tons of thrust.

In addition to rockets, South Korean experts said that the South clearly led the North in terms of satellite technology.

The Science and Technology Satellite-2 (STSAT) that will be sent up on the KSLV-1 was made in the country while the Arirang-2 multipurpose satellite launched in July 2006 possesses a high resolution camera jointly developed by South Korea and Isreal.

More advanced satellites made in the country are slated to be launched this year and in 2010.

Reflecting the difference in skill, Chae Yeon-seok, vice president of the Young Astronauts Korea, said the North's Kwangmyongsong-2 satellite that was lost after it failed to reach orbit looked almost identical to the Dong Fang Hong-1 unit launched by China in 1970.

He said that while it is impossible to know for sure what machinery the North Korean satellite had, the expert speculated it was probably rudimentary.

In contrast, the STSAT has a set mission to use microwave radiometers to check energy levels in the atmosphere, the Earth's national radiation and utilize a ranging laser to measure the precise distance between the satellite and ground stations. The latter could help the country to make more advanced satellites down the line.

銘板左端銘板銘板右端

んむー、"...the KSLV-1 is world-class in terms of thrust..."(...KSLV-1 は推力の点でワールドクラスで...)ってあんた、確かにエンジン単体で推力170トンは立派だけど、全体の重量超過で打ち上げ直後の加速度が異常に小さいのは棚上げかい。

羅老1号の高さが33mでテポドン2号の32mより大きいとか。いやいやテポドン2号は36mらしいぞ。実際、映像を見てどんぶり勘定するしかないから、計算する人によってこのくらいの開きが出るのはしょうがないか。っつうかあやふやな元データに基づいての1mぽっちの差で「うちのが大きい」と自慢するのはいかがなものかと。そのくらいならフェアリングのサイズである程度どうにかできちゃいそうだし。

てことでミン所長はテポドン2号のサイズを小さめに見積もってるっぽいんで、質量見積もりの75トンもなんだか怪しい。確かにこれも精度よく出せるはずないわな。けど他に資料が見当たらないんで、ミン所長説をそのまま使わせていただきます。

そんでこの記事では、所長はテポドン2号の1段目エンジンは30トンの4基クラスターで推力120トンと推測してて、韓国の羅老1号の1段目の推力が170トンなのを誇ってる感じ。ついでに日本のロケットの1段目推力が100トン、フランスのが120トンなのも例に出して、羅老1号の優位を説いてる。そう来ましたか。

日本の(H-IIA ロケット)とフランスの(というかヨーロッパ連合。アリアン V ロケット)はどっちも打ち上げ時は固体燃料ブースターを付けてるんで、それも合わせて、リフトオフ直後の実効加速度を計算してみるよ。んでその結果を 2009.8.31 のランキング表に入れてみるよ。果たしてミン所長の自慢通りになりますかどうか。

機種名 仕様 質量 推力 質量推力比 実効
加速度
備考
M-V 1号機 -- 139.8t 387t 2.77 1.77G --
M-V 5号機 -- 143.8t 345.31t 2.40 1.40G 4号機の失敗を受けて
パワーを落とした機体
H-IIA 9号機 2024 354.3t 790.07t 2.23 1.23G SSB 点火後
H-IIA 11号機 204 450.8t 931.96t 2.07 1.07G --
H-IIB 1号機 -- 541.5t 1048.41t 1.94 0.94G --
H-IIA 4号機 202 292.8t 516.40t 1.76 0.76G --
アリアン V V-188 782.2t 1311.43t 1.68 0.68G --
テポドン2号 -- 75t 120t 1.60 0.60G 改良型
2009年4月打ち上げ
H-IIA 9号機 2024 354.3t 516.40t 1.46 0.46G SSB 点火前
羅老1号 -- 140t 170t 1.21 0.21G --

ミン所長 大変です! 所長のデータを入力したら、にっくきテポドン2号の実効加速度、我が羅老1号の3倍近くありました! 大型のアリアン V にも全然負けてますよ。一体どういうことですかこれ!?

アリアン V は巨大だから(質量が H-IIA 標準型の約2.7倍)初期加速度はこんなもんですかね。それでも実効加速度が羅老1号の3倍以上。ちなみに Wikipedia の情報だと、アリアン V の推力値は真空中のか大気圧中のかよく分からなかった。そんで厳しめに真空中推力値として、大気圧中じゃ数値は9がけってことにして算出したよ。もし資料の数値が大気圧中のだったら、実効加速度は0.86Gで H-IIA 4号機(標準型)を追い抜くことになるっす。

今さっき「アリアン V は巨大だから(質量が H-IIA 標準型の約2.7倍)初期加速度はこんなもんですかね」と書いたばかりだけど、そういえばアリアン V は固体ブースターへの依存度が高いから、H-IIA 標準型より加速度が若干大きいとしても、それならそれでおかしくない気がする(日和見)。

ていうかミン所長、記事中に羅老1号とテポドン2号の数字を全部出しちゃってるから、こうして実際に計算すると発言のデタラメぶりがバレバレですがな。っつうか衛星打ち上げ基地の所長なんなら、自分が言ってることがおかしいことくらい暗算でその場で分かれよ。

瞬時に正確に出せなくても、メカ関係のエンジニアならこの程度の大まかな当たりくらいすぐつけられるはず。計算自体は義務教育レベルだし。そして、そのまんま記事に書いて出す聯合ニュースも聯合ニュースだわw イ・ジュンセン(Lee Joon-seung)記者ですね。了解しました。

実効加速度が H-IIA やアリアン V より低いのは、羅老1号の1段目が完全な液体燃料ロケットだからしょうがない部分があるかも(H-IIA もアリアン V も1段目推進系は液体ロケットと固体ブースターのタッグ)。でも、それにしても羅老1号の数値は低すぎ。てことで、テポドンの方がロケットとしてまともだってことが分かり申した。見た目のバランスも、テポドンは各段のサイズの均整が取れてるし。

時代遅れ呼ばわりしたくなるのも分からんでもないけどね。ヒドラジンはロケット燃料としては今どき野暮だからねぇ。エンジンの開発は一番ラクなんだけどさ。対する羅老1号の1段目燃料はケロシン(灯油)系。確かにヒドラジンよりずっと進んでる。「パワー>燃費」な1段目用として液体水素より有利だし。とりあえず日本はまだケロシン燃料技術を保有してないし(小型の試作機ならあるらしい。あと、その上を行く液化天然ガス燃料技術を開発中だけど、めちゃめちゃ難航してる)。

でもテポドン2号は、北朝鮮が大昔に旧ソビエトから買った弾道ミサイルから基礎技術を学び取って、試行錯誤しながら自力で作り上げたもの。「自分のものにした技術」と言っていいと思う。対する羅老1号の1段目はロシア製を丸まんま買っただけ。しかも向こうから技術者も付いてきてるらしい。ブラックボックス技術ですな。韓国、「うちに比べて向こうは時代遅れだ」なんて威張れる立場じゃないと思うなぁ。加速度でも大負けしてるし。あとテポドンは打ち上げ直後にふらつかないね。それが世界の普通だと思うが。

エンジンが1発かクラスターかの違いでも、一般例としてまずコストを例に取って羅老1号の優位性を挙げてるなぁ。それは場合によるでしょ。テポドンで使ってるヒドラジン燃料エンジンは構造が単純だから、もともと開発・製造コストが安い。もし量産するとなれば、同じものをたくさん作るんで単価が下がる。作業者の熟練による信頼性と性能の向上も期待できる。そのうえ北朝鮮は製造コスト(特に人件費)があってないようなもんだし。

てことで、高性能なエンジン1基のみの方が必ずしも安く上がるってわけでもない。羅老1号の1段目エンジンは性能重視で複雑な構造の二段燃焼サイクルってこともあって、コストでの勝敗は付きにくいかと。

あとクラスターは重くなって貨物の搭載量が減る点も挙げてるけど、1段目はとにかくパワーが大事だし、打ち上げ途中で捨てられた後は件のエンジン重量なんてどうでもよくなるしで、場合によってはそうまでしてパワーを稼いだ方が結局は重いものを運べたりする。

っつうかさ、ロケットのサイズ(総質量)がでかけりゃ偉いってわけじゃないし。性能の一番の目安は軌道投入能力。そしてどのくらい無駄のないサイズのロケットでその投入能力を出せるのかっつう効率も大事。サイズは打ち上げ1回あたりの費用の目安になるんで。で、羅老1号は総質量170トンで投入能力たったの100kgってあんた、処女作とはいえ恥ずべきレベルだぞ。どんだけ高コスト体質よ。

ロシアの ICBM を衛星打ち上げに転用した「ロコット」ロケットなんか、総質量107トンで羅老1号の63%しかないのに、低軌道投入能力は1950kgだから19.5倍の重さの衛星を運べるよ。設計が衛星打ち上げに特化してないってのに、「衛星質量÷ロケット総質量」は羅老1号の約31倍の高効率だよ。これが特化しちゃうとどうなるかっつうと、H-IIA 標準型は総質量289トンで低軌道投入能力10トン。羅老1号の約59倍ですな。まー H-IIA はその計算方法での世界最高効率を誇ってるんで、ちょっと相手が悪いっちゃ悪いけど。

と言いつつ、究極に特化してたはずの M-V の効率が、実は羅老1号の28倍くらいしかなかったり。ロコットより1割低いんだけど、これは燃料と構造の違い。液体燃料に比べて、固体燃料は排気の分子量がでかいんで噴射速度を稼げない。胴体内部が丸ごと燃焼室になるから燃焼圧力を上げるのが難しい。てことで原理的に比推力(燃費の良さ的な数値)を稼げないのですよ(液体燃料エンジンの60〜75%程度)。逆に言えば、全段固体燃料でここまでの高効率ってのが売りだったりして。

ていうか韓国ロケット技術の本家ロシアで昔も今も大活躍のソユーズロケットの1段目って、本体(これが2段目)の周りに4本配置された実質的なクラスターなんですがこれはこれで、「飛行中にエンジンが1基や2基いかれても大丈夫」っつう豪快な安全思想の賜物だったりする。燃焼室4個セットで1基のエンジンという構造で、これが4本という構成ですな(←読者様からご指摘をいただいて修正しました。ありがとうございます)。

だからね、ロケットに限らずどんな機械でもそうだけど、大事なのは全体のバランスでどんだけの能力を出せるかってことなのよ。個々の要素だけ比べてもあんまし意味ないのよ。それだとなんぼでも自分の有利なように話を持っていけるし。

てことで今日の一番大きい収穫は、羅老宇宙センターのミン・キュンジュ(Min Kyung-ju)所長が実は素人らしいと判明したことだな。簡単な計算できねーし(筆算でも電卓でもいいんだけど、その場で計算して確かめる発想がないっぽい)、自分のロケットの特徴も分かってねーし(立派でパワフルなんだと信じてるっぽい)、自前技術の貴重さも分かってねーし(外国から買えば威張れると思ってるっぽい)。

韓国の宇宙計画、こんな輩に責任持たせてマジ大丈夫か? それとも諸々を分かった上で、お偉いさんみんなグルで韓国の納税者を騙してるんか? 韓国国内で韓国語版も出してる新聞社の英語版しかない記事なんて、わざわざ読みたがる人はあんましいなさそうだしな。それでもこっちはロケット好きとして、次の打ち上げまでにロケットが見違えるくらい改良されてることを期待するよ。とりあえず基本は現状のままで不具合だけ直すはずだから、外見で見違えはしないだろうけどさ。けど外見でダメさを予想できてしまうってのも哀しい。

もし同じエンジン使うなら、1段目は2基でクラスターだと思うなぁ。そうすりゃリフトオフ時の実効加速度は1.43Gで M-V 5号機並み。空気抵抗が増えるけど重力損失はそれ以上にガタ減りじゃないかな。ロケットの構成上、1段目の最終加速度がとんでもないことになりそうだけどさ。てことで今どんぶり勘定で暗算したら、おおよそ5〜6G。行ける行ける。ってこの所長じゃ判断は無理か。

銘板
2009.9.5 土曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090905
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ちゃぶ台返しの可能性

ちょいと気になったんだ。韓国の衛星打ち上げ、来年の5月2日にリターンマッチが予定されてるんだわ。

そんで、これが成功したらさ、まぁ喜ばしいことなんだけど、そうなると2011年予定の、日本の H-IIA ロケットでの韓国衛星アリラン3号の打ち上げ、ちゃぶ台返しされたりしない? もう契約は終わってるはず。けどあの国はそういうのをけっこう簡単に反古にするからな。「自国の誇らしいロケット技術で打ち上げずに、日本なんぞに打ち上げてもらうとは何事か」なんて言って政府に詰め寄る人たちがけっこう出そうな気がする。

アリラン3号の質量は800〜900kgくらいらしい。羅老ロケットの現時点での低軌道投入能力が100kg。次世代ロケットで1,500kgになるらしいけど、今から2年じゃ無理かと。全部増強が必須なんで、結局新規開発と同じってことで。

データと経験の蓄積を考えると、今のロケットと同型のをあと5回は打たんといかんだろうしな。

銘板
2009.9.6 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090906
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ソニカ(販売部)の本気

ちょ、ソニカ暴走し過ぎだw Twitter で GUMI にケンカ売ってやがった!

ソニカ Twitter1

「私がブスの GUMI に似てるとか言ってる人がいるみたい。ひどい! 私の方がずっとずっと綺麗だし、ずっとずっとかわいく歌えるのに」

この Twitter、ソニカの公式だよな。とんでもねえことしやがる女だw 本物の芸能人だったらソッコー謝罪会見ものだな。

で、反響の大きさにビビッたのか、後でフォロー入れてた。

ソニカ Twitter2

「GUMI も美人よね。この前のはちょっとしたジョーク。ただ、私たちが見た目で区別付かないとか言う人がいたから一瞬イラッと来ただけ。どっちも髪が緑だけど、それが何?」

相変わらずイラついとりますがな (^_^;) 「キレやすい高飛車女」っつうデフォ設定ができてしまいそう。まぁそれはそれでリスナーとしては楽しいけどさ。

つかソニカ名義で Twitter やるなんて、ZERO-G もかなりプロモーションに気合い入れてるよな。しかもピアプロを意識してそうな CGM な公式サイトまで立ち上げちゃった。クリプトンの成功を研究して、パッケージデザインや声質を売れ線にするだけじゃなく、キャラクターとして育てていくことも学んだってことかな。まだ盛り上がってるってほどじゃないけど、日本語対応すればもっといけるんじゃないかとか。で、日本語の人と英語の人とが少しでも交流できるように持っていければ、とか考えたりして。

あとさ、先輩を立てる形で旧来商品に触れるのはいいんだ、うん。宣伝になるしさ。けど、

ソニカ Twitter3

「レオンとローラとミリアム大好き! 私のお兄さんお姉さんって感じ。他のボーカロイドもほとんど好き。いとこみたいで」

「おっと、Prima 叔母様を忘れてた。ごめんね」

PRIMA はきょうだいじゃなく叔母扱いか。なんでそこ微妙に疎遠なんだ? しかも忘れてたってあんた……。あと「他のボーカロイドもほとんど」って、なんで「全部」じゃないんだろ。やっぱ GUMI はハブなのか?w 深読みすると、最大のターゲット市場・日本でソニカを代理販売するのはクリプトン社。てことでクリプトン製のボカロとは仲良くしたいけど、インターネット製は敵って意識なのかな。だとするとちょいと了見狭いかなぁ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

ソニカの CGM 公式サイトにデモソングがいくつか出てるんだけど、いやーびっくり。"99 Red Balloons"(邦題『ロックバルーンは99』)だなんてやってくれるわ。1983年だったかなぁ。西ドイツ出身のロックバンド NENA の世界的ヒット曲だよ(人気が落ちてからのアルバム曲だけど "Mont Zong" [邦題『ムーンソング』] は宇宙機好き必聴。ルノホートを歌った曲だと、ライナーノーツに書いてあった)。ていうか生まれて初めて買ったアルバムが NENA の "FIRST AMERICA" だったわ。当時はベルリンの壁に象徴された東西冷戦の時代。ドイツは東西に分断されて2つの国家になってた。

詩の内容は「街で赤い風船を99個買って飛ばしたら、『壁』を越えて向こうの世界へ。その国の防空システムが発動して上を下への大騒ぎ」って感じ。SONIKA ボーカルですんごい久しぶりに聴いて、鼻の奥がツーンとしたよ。NENA のボーカル、ネーナ・ケルナーの美貌と独特なハスキーボイスに夢中になってたあの頃、冷戦はこれからもずっとずっと終わりなく続くもんだと信じてた。「日本人は平和ボケ」とみんなで自嘲してたけど、それは他の国に比べて緊張感が少し緩かったって程度。

毎朝起きるごとに、自分たちじゃどうにもできないヤバい日常に直面して(当時の日本の国際的な発言力は今よりずっと小さかった)、平和なふりでもしなきゃやっていけない狂気の時代だったよ。今日が大丈夫でも、もしかしたら明日かあさって、ソ連からミサイルが飛んで来るかも。

『明るい性格じゃなきゃ。ネクラはダメダメ』と表面上は楽しげに暮らしてても、心の隅っこには全面核戦争の恐怖が、ちょびっとだけどいつも確かに存在してたよ。『おれらがいくら一生懸命に生きていろんなことを考えたりやったりしても、偉い人が赤いボタンを押せばみんなオジャン。何したって無駄』。そんな虚無感と刹那感もあったりして。そしてこの曲からほんの6年くらい後、テレビでベルリンの壁崩壊の生中継を見て泣いたっけ。もうあの恐怖に怯えなくていい。これは泣かずにはいらんなかった。ていうか東西冷戦がなくなった直後、嬉しさに聞き流してたけど、どっかの識者が指摘してた「これからは民族紛争の時代になる」は本当にそうなっちゃったな。

ああ、時が見える……。

朝鮮半島もいつか、もしかしたらあの時と同じに意外と早くまともな姿になってくれるかも。そう思い続けてかれこれ20年。ドイツの場合は、ソビエト連邦が弱体化したから実現したよね。朝鮮半島だと中国の弱体化待ちになるのかな。今の中国にそれを期待するのは無理っぽいなぁ。

ソビエトはそれを皮切りに衛星国家群を見捨てて、親方のスネをかじってた東ヨーロッパ諸国は激変の波に襲われたね。ルーマニアの独裁者チャウシェスクは処刑されて、死体の映像が世界中に公開されたりして。そのあとついにソビエトも倒れた。そこからバルト三国とウクライナの独立。あの時代はマジすごかった。一方当時の日本といえば、バブル景気とバブル崩壊に踊って踊らされてたw

そうか、日本のバブル経済はソビエトとともに崩壊したのか……。日露戦争が、帝政ロシアを壊してソビエト連邦を作るきっかけのひとつになったらしい。そして日本経済の自滅と同時期にソビエトも舞台を降りて、ロシア共和国が発足。なんか知らんけど今のロシアは日本ブームとか。関係あったりなかったりだけど、この国と彼の国は妙な具合にリンクしとるなぁ。

銘板
2009.9.7 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090907
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

翻訳言葉からの脱出

昨日、ソニカの Twitter を和訳したあと、ちょいと『やっちまったなぁ』てのがあって。

いやあの、もう今日のネタにするから昨日のログは直さないけどさ、日本語訳した女言葉って、日本のリアルな女言葉とはかけ離れてるなぁ、といつも思うんすよ。なんつーか、洋画の吹き替え風になってしまうというか。

あの吹き替えの言葉ってホント、リアルさに欠けるよね。どういうところがリアルじゃないかっつうと、一言で言うと「女っぽすぎ」ということかと。「……だわ」「……するわ」「……なの」「ねえ……かしら?」。これを低めの声でシナ作って言うんだよね。

60年代や70年代ならいざ知らず、最近の日本の女性はロリっぽいカワイさを追求してるから、女言葉より子供言葉寄りで、字面で見ると男の子言葉とあんまし変わんないんだよね。用言の言葉遣いは中性的でも、固い言い方やエグい単語を避けて間接的に女性らしさを出す方針というか。

おいらはもう今風に慣れちまってるんで、トラディショナルな女言葉をふと聞いてしまうと違和感を覚えたりしてな。新鮮な時もあるけどさ。どっちにしろ非日常的ってやつで。そういや高校の頃、女子を含む同級生数人とダベってたら、女子のひとりが不意に「……だわ」って言ったんだわ。そのコかわいかったもんだから、いやーなんかこう、爽やかな風が吹き抜けてった感じがしたわ(←これは女言葉ではない)

んでまぁ今や洋画の吹き替えくらいでしか聞けない女言葉だけど、確かに洋画のおねーちゃんたち、大人な魅力のお色気ムンムン(死語)系がいまだに多いからね。悩ましげな言葉遣いが合ってるっちゃ合ってるかも。今の日本の若い女性みたいな高音舌足らず系で吹き替えしてみたら、どんなキャラになるんだろ。かえって違和感ありまくりかな。

そういや何年か前、あるアーケードゲームにハマってたんだわ。"House of the Dead" とかそういうタイトルだったかな(ちゃんと覚えてない)。下水道やら寂れた洋館やら列車内やら廃工場やらでゾンビを撃ちまくるやつ。で、それに出て来る女性たちの声、英語だったんだけどさ、日本人好みの高くてカワイイ声でこれが。いやいやいや日本語吹き替えの設定ならまだしも、英語でそのトーンはないだろ、と。あれはあれで、やっぱし違和感あったな。

そうか洋画の吹き替えの声優さん、声の高さを現物の女優に合わせてるんだね。で、その勢いで女言葉? いやいや翻訳する人は別だからな。日本語の台本を起こす段階でその言葉遣いになってるってことか。翻訳する人、もうちっと現状に合わせた感じにしてくれんもんかねぇ。けど「〜だわ」が「〜だよ」になると、やっぱヘンかなぁ……。邦画の若手女優さんたちは、ちゃんと今風の言葉遣いの脚本をあてがわれてるのにね。

ソニカの翻訳に話を戻すと、あれでもそこらへんのクサみを取ったつもりだったんだけどな。けど吹き替えフレーバーが残ってしまっただよ。そんじゃもぉちっとがんばってみるか。

Before:
「私がブスの GUMI に似てるとか言ってる人がいるみたい。ひどい! 私の方がずっとずっと綺麗だし、ずっとずっとかわいく歌えるのに」
 
After:
「ウチのことブサ GUMI に似てるとか言うやついてー。ひどいよねー! ウチのが断然イケてるし。歌い方もかなりカワイイし」

イイ歳した野郎が一人で自室で書いてるのは考えんでくだされ (^_^;)

まぁ自分では「正しい訳を追求する系の真面目っぽさが抜けて、こんな感じかなぁ」と思うんだけど、「翻訳した言葉」としては恣意的な演出を感じさせてしまうなぁ。それと「ウチ」は狙い過ぎか?

続けてみる。

Before:
「GUMI も美人よね。この前のはちょっとしたジョーク。ただ、私たちが見た目で区別付かないとか言う人がいたから一瞬イラッと来ただけ。どっちも髪が緑だけど、それが何?」
 
After:
「GUMI ちゃんも美人だってば。この前のはシャレですシャレ。ちょっとね、お前ら見た目おんなじ言われて思わずイラッと来てね。髪がどっちも緑だからってそんなの別にどーでもいーよね?」

調子掴めてきた気がするけど、やっぱしバイアスかかってるなぁ。なんだかこの抵抗感、「ガイジンがそんな達者な日本語なんか話せるわけねー」という思い込みの成せる技のような気がしてきた。てか、この英語は非英語圏の人向けの易しい英語ですな。だったらやっぱし訳は、非日本語圏の人向けの単純な文と表現がいいような……。けどここまで来たんだから最後までやってみる。

Before:
「レオンとローラとミリアム大好き! 私のお兄さんお姉さんって感じ。他のボーカロイドもほとんど好き。いとこみたいで」
「おっと、Prima 叔母様を忘れてた。ごめんね」
 
After:
「レオンもローラもミリアムも超イイよね! あたしのお兄ちゃんお姉ちゃんてとこだねエヘヘ。他のボーカロイドもいとこみたいで大体好きだなっ」
「やばっ Prima おば様 忘れててゴメンっ」

ま〜こんな感じでいかがでしょ? だいぶ安定してきたっぽいけど。それでもわざとらしさが残るなぁ。

ていうか普通のリアルな日本語の再現って意外と難しいもんだな。結局おいらの腕前と感性じゃ、何をどうやっても不自然にしかなんなかったですわ(←女言葉ではない)

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

吹き替えといえば、男の言葉もちょいとヘンじゃないかと。例えばクルマやバイクのレースの後のインタビューをよくテレビで吹き替えするけど、馴れ馴れしいほどのタメ語設定なんだよね外国人は。日本のドライバーやライダーだと、日本語でのインタビューの受け答えは、タメ語も入るけど基本は丁寧語だったり丁寧口調だったり。あと、そういう人たちの肉声って声優さんみたいな腹式呼吸で響かす過剰な美声じゃないしさ。

香港映画で『アゲイン/男たちの挽歌 III』(1990) ってあってさ、チョウ・ユンファの敵役で時任三郎が出てたのよ。で、レンタルビデオはデフォが吹き替え版でさ、時任三郎の役は本人がアテレコしたんだわ。他の役者は声優がアテレコ。したら時任だけ浮いちゃって。他はみんな様式的な「声優喋り」なのに、一人だけ現実感アリアリの「映画俳優喋り」だったもんで。声優喋りが独自の特殊進化の果てにあることに、あれで気付いたっけ。アニメだと映像がデフォルメ&省略しまくりだから、演劇と同じく、リアルさを捨ててでもクッキリ滑舌&オーバーアクション抑揚がしっくり来るんだけどね。

宮崎駿が自作品の声の出演に俳優・女優を使いたがるのは、ビッグネームでのアニメファン以外の幅広い集客効果もさることながら、声優っぽさを薄めてリアル寄りに持っていく意図があるんじゃないかとか思ったり。

ちなみに時任三郎の良さのひとつはあの声質と口調だけど、広東語版の『アゲイン/男たちの挽歌 III』では時任の役、香港の俳優か声優が吹き替えてた。声が全然違ってて、これまたすげえ違和感だったよ。

ちなみに邦題に「アゲイン」が付いたのは、当時、時任三郎が出てたリゲインの CM が大人気だったからだそうだw ああそうそう、歌は時任三郎とは無関係の謎の人物「牛若丸三郎太」ってことになってたなww

黄色と黒は勇気の印
24時間 戦えますか
ビジネスマーン
ビジネスマーン
ジャパニーズ ビジネスマーン

今でも歌えるよ。嗚呼、バブルは遠くなりにけり ( ̄- ̄ ) 遠い目

お、動画めっけ(YouTube)

フルバージョンも出てきた。バブル戦士・牛若丸三郎太かっけー!w 男前だー!!ww つうか時任三郎、役者だねぇ (-▽-) 最初から最後まで一瞬たりともスイッチ切れてない。この3分ちょい1発のために、かなり稽古積んだんじゃないかな。それともプロの俳優って、ちょいとリハーサルすればこのくらいできちゃうんだろか。どっちにしろ、おいらはすげー演技だと思う。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

ソニカの "99 Red Balloons" で今宵も涙。ヤバい。MEIKO 親衛隊から鞍替えしてしまいそうかも。意識の底に沈んでた記憶をくすぐられるのはクるなぁ。時代の香りが甦るよ。あああ狂おしい……。

銘板
2009.9.8 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090908
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

赤い霧は毒の霧

2009.9.22 補足:読者様のご指摘により、このログにはゆんずの誤解が多く含まれていたことが判明したので、いろいろ書き直しました。今出ているのは修正版です。

主な修正内容は、「赤い色の元は燃料のヒドラジンではなく、酸化剤の四酸化二窒素のもの」「現行の長征ロケットのブースターの燃料はヒドラジン」の2点です。ご指摘ありがとうございます。

っつうタイトルからすると、なんかミステリー・サスペンス劇場みたいだけどそういうわけじゃなく。いやもっとヤバいかもw

またロケット話なんだけど、旧共産圏のロケットって、燃料にヒドラジンを使う例が多くてさ。ってヒドラジンにも種類があるらしい。ヒドラジン非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)モノメチルヒドラジン(MMH)ですと。用途に合わせて使い分けたり、混ぜて使ったりするらしい。燃料とペアになる酸化剤は四酸化二窒素という物質。ここいらの推進剤を使ったロケットって、噴射の煙が妙に赤いからすぐ分かったりする。

この赤い色、酸化剤の四酸化二窒素の色らしい。ヒドラジン類と四酸化二窒素は混ぜ合わせるだけで発火するんで、エンジンの構造をシンプルにできる。だもんでエンジン開発の難易度が低い。しかも値段がけっこうお手頃らしい。てことで、資金や技術、経験が潤沢じゃない開発元が選ぶ燃料だったりする。ていうかヒドラジン類も四酸化二窒素も猛毒物質なんで、なんてーか、全体主義で人命が軽い国のロケットの御用達だったり。

ロケット用の燃料は他にも、固体燃料とかケロシン(灯油みたいなもの)とか液体水素なんてのがあるけど、衛星とか探査機の推進剤としては実質ヒドラジン類しかない。日本の小惑星探査機 はやぶさ や静止衛星 きく8号は電気推進式のイオンエンジンを採用してるけど、これは先進的な例。ていうかイオンエンジンは出力がかなり小さいんで(1基の推力0.8グラムとか1グラムとかそのあたり。キログラムの間違いじゃなく、本当にグラム)、どっちの宇宙機もここぞという瞬発的な姿勢制御のために、やっぱしヒドラジン燃料の制御系も搭載してる。

っつうかスペースシャトルでも軌道上じゃヒドラジン燃料に頼ってるなぁ。っつうか今月11日打ち上げ予定の日本の宇宙貨物船 HTV もたぶんそう。

かつてはアメリカのロケットでも1段目用の燃料として大量に使われてたみたいだけど(公開中のドキュメンタリー映画『宇宙へ。』で、アメリカの初期のロケットの煙が赤かった)、ケロシンや液体水素燃料の技術が確立されてお払い箱になった。ロシアが今でもプロトンロケットやロコットロケットにヒドラジンを使ってるのは、そこらの機種は旧ソビエトが作ったものをそのまま受け継いだってこと。

ロケットは最先端技術の印象が強いけど、信頼性が大事なんで、昔から使われてる筋のいい機種が長いこと重宝されてたりする。そこらへん、燃料を変えると全部作り直しになっちゃうからね。その開発費もべらぼうにかかっちゃうし。

てことで、各国はいったん選んだ燃料にこだわって、そこをベースにロケットを改良したり大型化したりするわけ。日本の旧宇宙科学研究所(ISAS。のちに省庁再編で宇宙航空研究開発機構 [JAXA] 内の1部門「宇宙科学研究本部」になったけど、略称は相変わらず ISAS)はその理由でずっと固体燃料派。ああでも再使用ロケット用の液体水素エンジンが研究段階だわ。

旧宇宙開発事業団(NASDA)の H シリーズもヨーロッパのアリアンシリーズもはじめのうちは、条件が出力が小さくていい上段エンジンの燃料として液体水素を選んだ。そのノウハウを利用して、今は大出力の1段目エンジンの燃料も液体水素。この燃料は燃費がいいんだけど、それだけじゃ出力がまだ足りないんで、リフトオフ直後は燃費が悪いけど力持ちな固体燃料ブースターに助けてもらう。

とゆーことで中国の場合、昔っからずっとメインエンジンにもブースターにも、燃料がヒドラジンに酸化剤が四酸化二窒素。今開発中の長征5号はブースターがケロシン + 液体酸素で、1段目が液体水素 + 液体酸素らしい。いきなりのジャンプアップ。いや、それなら1段目も出力が稼げるケロシンにしちゃった方がいいんじゃないかって気もする。液体水素よりケロシンの方がよっぽど安いだろうし。てゆーか燃料が今までと違うエンジンを2種類一気に新規開発って豪気すぎる気がするけどどうなんでしょ。

でさ、現行型の長征ロケットで前からヤバいんじゃないかと思ってたのが、宇宙飛行士が乗ってる宇宙船の下に、ロケット燃料として猛毒のヒドラジンと四酸化二窒素をあんだけ大量に仕込むってやつ(どっちも猛毒。ついでに燃焼ガスも猛毒らしい)。宇宙船単体の姿勢制御にこの推進剤コンビは必須だから、対策は十分してるはずだけど、ロケット燃料じゃ量が桁違いだし。飛行士だけでなく、飛行士が乗り込むまで付き添う人たちもそのあたりにいるはずだから、万が一ちょっとでも漏れたらひどいことになりそう。

ロシアもヒドラジン派だけど、有人ロケットの燃料はケロシン。中国も実はそれをよく分かってるってことか。それで今度の新型ロケットでヒドラジンをやめることにしたんじゃないかと。そうなると、中国はロシアと並んで「非固体燃料派」になるかな。ふむふむ。

んでまぁここからは感覚的な話。四酸化二窒素の色は鮮やかな赤だそうで。気体になると「二酸化窒素」という形になるけど、やっぱし赤い色だそうで。それで、最近たまたま長征ロケットの打ち上げ画像がニュースに出ててさ(珍しく衛星の軌道投入に失敗したらしい。けど衛星自体は自力で軌道にたどり着けたとか)、そこに凄まじいものが映り込んでて。

長征ロケット_1
長征ロケット_2
長征ロケット_3
長征ロケット_4

各写真の真ん中に出てるワインレッドの煙、ナマの四酸化二窒素(二酸化窒素)じゃありませんこと?

そうじゃないかもしんないけど、そう思ってみるとそうにしか見えない。それが人類の脳の恐怖回路。

怖い。怖すぎるっす……。

90年代、長征ロケットがヤバかった頃の映像を見ると、リフトオフ直前らしきタイミングに機体のほぼ全体が濃い赤の霧に包まれてたりする。動画で30秒あたりのところ。

たぶん燃料注入のホースか継手から漏れてたんだろなぁ(2009.9.22 訂正:ご指摘いただいた情報を要約すると、「酸化剤タンクの加圧に使った二酸化窒素を調圧のために放出しているのでしょう」とのこと。だとすると注入ホースからでもないし、意図的なんで「漏れ」でもないですな)。で、これ、2009年現在でも相変わらず毎回こんな感じなんすかね? だとしたら、宇宙飛行士は完全気密の環境にいるからまだいいとして、現場の作業員は新型の長征5号のデビューまで毎回命懸けですなぁ。

早いとこ新型ロケットを完成させんといかんのじゃないのかねぇ。こういう「次ので改善しますから」っての、けっこう間に合わなかったりするからね。H-IIA ロケットの固体燃料ブースターのノズルがヤバかったのはかなり前から認識されてて、改良版の開発を進めてる最中に6号機でぶっ壊れちゃったからなぁ。

銘板
2009.9.9 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090909
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

リアル爆発炎上スペクタクル

いやいやいやいや、素晴らしい特集動画ありますた。『ロケット爆発炎上』。勇ましさで『隠し砦の三悪人』と双璧のサンダーバードのマーチに乗って、どんなスペクタクル映画でも及ばぬド迫力なドキュメンタリー映像のオンパレード(さすがに人が死んでる事故は出てないっす)。

初めて見るロケットもあったよ。妙にずんぐりしたやつとか。胴体にお洒落な斜め線が描かれてるなのは、やっぱしというかフランスの初期のロケット・ディアマン(たぶん「ダイアモンド」の意味)。動画で初めて見たわ。(←2009.9.22 訂正:と思ったら、アメリカの「ソー」"Thor" という IRBM でした。ご指摘ありがとうございます。ちなみに誤解してしまったのは、昔読んだこの本のうろ覚えからでした)

おお、0:40 に出てるのはアメリカの単段再利用ロケット実験機デルタクリッパーじゃまいか。実験中に事故が起きてお蔵入りになったと聞いてたけど、これだったのか。普通のロケットだと打ち上げ失敗は織り込み済みの上に、成功したって1回で使い捨てなんで機体の各部がコストダウンされてる。けど再利用機となると機体に相当のカネをぶち込んでるはず。大破のショックは桁違いなんだろうなぁ。しかし射座でぶっ倒れるってのは、どういう案配でこうなってしまったんだろ。

こうしてアメリカのロケット屋たちは鍛えられていったわけだけど、幸か不幸か、日本はいまだに「みんなが見てる前で大爆発」を経験してないのよね。H-II ロケット8号機と H-IIA ロケット6号機を指令破壊したことはあるけど、どっちも見えないところまで飛んでから。見えるところでの失敗というと、H-II の2号機で1段目エンジンの始動に失敗してシステム緊急停止ってのがあった。

機体にも衛星にも損傷がなかったんで、エンジンを修理して打ち上げをやり直して成功。そんな事態のためにリフトオフ数秒前からエンジンを始動させて動作チェックをするわけで、最悪の事態をうまく回避した例だね。ロケット技術者の間ではこれは「居座り」と呼ばれて格好悪いこととされてるらしいけど、爆発や墜落で機体と衛星を失うよりずっとマシ。

けど打ち上げ直後に公衆の面前で爆発や墜落なんつうハードな体験をしてきた組織って、どこかしら強いような気がする。まあ日本の宇宙関係も、一向に勉強しない上に露骨に失敗待ちなマスコミにいつも変な叩かれ方してて、そのぶんは打たれ強いのかも知んない。

ああでも H-II の1段目エンジン LE-7 の開発時、何回か爆発事故を起こしたことはあったな。ロケット本体に取り付けてない、エンジン単体の運転試験中のことだったんで、ビジュアル的な衝撃度がそんなに大きくなかったってことで。

2009.11.8 追記:いやいや、けっこうなのあったぞ。オーストラリアの砂漠で日本の航空宇宙技術研究所(NAL)が2002年7月に行った、次世代超音速旅客機の基礎実験ですごいのあったわ(公式記事)。小型の無人の機体を固体ロケットにくくりつけて、高度20kmまで打ち上げてからロケットを分離して滑空実験っつう段取りだったんだけど、打ち上げ時の点火とほぼ同時に機体がロケットから脱落&大破。確かロケット部分は爆発。映像じゃカンガルーがびっくりして走り回ってたわ。そういやそんなのあったわ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

今回紹介した動画で扱ってなかった、人死にが出た打ち上げ事故。宇宙開発にはこういう辛い歴史もあるわけで。一番すごいのが、昨日のログで出した「長征ロケット打ち上げの黒歴史」で付近の住民500人を巻き込んだ墜落事故。突然の災厄に見舞われた、宇宙事業と無関係だった方々が本当にかわいそうだよ。ていうかそんな人が多い地域に打ち上げ基地を作るセンスがよく分からん。中国なら国家事業最優先の名目で、住民の強制退去なんて簡単にできそうなのに。

インパクトでいえば1986年のスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故だね。現地の大勢の観客とテレビ中継で世界中が見てる前で、7人の宇宙飛行士を乗せた機体が木っ端みじん。ご遺族の方々のお気持ち、お察しいたします。

日本の H-II ロケット(現行のH-IIA ロケットの先代。スペックはほぼ同じ)は本体の燃料が液体水素。この燃料は一気に大爆発というのは考えにくい、と五代富文(H-II の開発責任者)の著書に書いてあった。ブースターの固体燃料も、高気圧下じゃなきゃブスブスとくすぶるだけらしいんで安全性が高そう。けど同じ燃料のチャレンジャー号があれだったからなぁ。何が起こるかは起こってみないとよく分からんってのが現実かと。

旧ソ連とロシアじゃ、不思議と打ち上げ時の人身事故がなさそうなんだよね。初期の頃は、あのガガーリンより先に飛ぶはずだった飛行士が訓練中に事故死したらしいけど。そういえば一度だけ、緊急脱出ロケットが稼働したことがあるらしい。この緊急脱出ロケットって、フェアリングの先端に付いてる固体燃料式のもの。本体のロケット部分で飛行中にトラブルが出て危険と判断されたとき、人が乗ってる宇宙船部分をロケットから切り離して、こいつで引っ張り上げてロケットから引き離すんですな。そんでパラシュートで着地、と。そのケースじゃ打ち上げロケットはダメになったけど飛行士は無事で、この装置の有用性が実証されたんだそうで。

銘板
2009.9.10 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090910
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

H-IIB 前日

明日はいよいよ日本最大のロケット H-IIB 初号機の打ち上げでござるよ。予定時刻は午前2時1分。

ニコニコ動画で生中継するそうだから、このまま夜更かしして是非拝見せねばっwktk

銘板
2009.9.11 金曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090911
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ミステリアス「ヒューン」

いやいやいや、危なげなく全て順調に成功でござったよ H-IIB ロケット初号機打ち上げ。よかったよかった。初期加速度を目で見て確かめたかったんだけど、夜中の打ち上げなもんでリフトオフ直後に画面が白トビしちゃって、そこは分からんかったわ。

実はこのログは9月14日未明に書いてたりする。夜中の2時台って新聞原稿の締め切り時間を過ぎてるらしく、次の日(11日)の朝刊にはなんも載ってなかったわ。夕刊とその次の日(12日)の朝刊には打ち上げ成功の記事が出たけど。

マスコミ受けもだいぶよくなってきたね。H-IIA 7号機以来ずっと連続で成功してるから、やっと信用が出てきたのかも。前は成功を報じつつも、記事の最後の方で「ただし……」なんて問題点を知ったかぶって挙げつつファンのテンションをいたずらに下げるのが普通だったんだけど、今回はそういう野暮はない感じ。

あれは結局、マスコミが自分の存在感を示すために、完成度がまだ低いプロジェクトにケチつけてた、ということなんだろか。で、完成度が上がったら提灯記事でまた存在感を示したがる、ということなのかな。なんかこう、将来を読むというより、単に「勝ち馬に乗る」的な行動原理に基づいてるような気がしてきた。

生中継映像で面白かったのが、打ち上げ数秒前のメインエンジン点火のあたり。そのタイミングで固体ロケットブースター(SRB-A)のノズルがウニーンと動いてた。動作チェックだと思う。で、動く方向がロール軸方向じゃないのがちょっと意外で。ヨー軸かピッチ軸の方向で動いてた。その姿勢制御はメインエンジンのみの仕事だと思ってたよ。SRB-A での姿勢制御はロール軸のみだとばっかり。けどまぁ自在に動いた方がいいよね。何かの不具合で推力が不均一になったとき、程度によってはそれでフォローできるかもしんないし。

あと謎だったのが、打ち上げからしばらくして聞こえてきた「ヒューン」て音。今まで聞いたことがなかったんで、ニコニコ動画のコメントで質問してみた。したら他の人からの回答で、「エンジンのタービンの音だよ」とのこと。ありがとう。そうなのかー LE-7A エンジンのタービン音ってこんななんだー知らなんだー。

そのときはそれで納得したんだけど、しばらくしてから疑問発生。その音、ロケットが飛び去って噴射音が小さくなってから響き出したんだわ。で、噴射音がほとんど聞こえなくなってもしばらく鳴ってた。それと、時間とともに音程が上がっていってた。

これ、エンジンのタービン音だったらおかしくね?

エンジンから出る音だったら、起動と同時に大音量で鳴り響いてもおかしくない。音源が噴射音と同じ場所のはずなのに、聞こえてくるのに時間差がある点もよく分からない。そして、エンジンが全開(タービンが一定回転数)のまま加速しながら遠ざかるから、地上に固定されてるマイクが拾う音の波長はドップラー効果でだんだん長くなっていくはず。つまり音程は下がっていくはず。でもその逆に音程は上がってた。そこらのつじつまが合わない気がする。

けどロケットは順調に飛行して打ち上げに成功してるから、特に問題があったわけじゃない。それで思うんだけど、あの「ヒューン」、実は地上設備の何らかの音だったんじゃないかなぁ。今の時点じゃよく分からんけど、ちょっと気になったもんだから。あとで JAXA の人に会う機会があったら是非質問してみようっと。コネまったくないんで機会ないけどw

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

画面右側に、真っ赤な色して泡立ってたプールがあったね。あれは恐らく、余った液体水素を燃焼処分するための施設じゃないかな。コメントでその質問を誰かがしてたんで、(自信なさげに)そう答えといたわ。もしかしたらその施設が出した音が「ヒューン」の正体だったりして。やっぱ分からんけど。

あとは積み荷の HTV が無事に国際宇宙ステーションに届くかだね。それが分かるのは次の金曜あたりらしい。

銘板
2009.9.12 土曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090912
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

チャップリン特集

八戸フォーラムのチャップリン特集に行ってきたー \(^o^)/

昼間に『モダン・タイムス』、レイトで『街の灯』。

うぐおおお、おいらずっとずっとチャップリン様に劇場のスクリーンで拝謁したかったのよー (T▽T)

『モダン・タイムズ』観終わったとき、感無量でマジ泣きしただよ。

っつうか一緒に行ってくれた人にティッシュ渡されて鼻かみまくり。泣き顔おもっきし見られただよ……。

レイトの方は一人で行って、心置きなく涙してきますた。っつうか『モダン・タイムス』でもそこらへんの見栄なんかどうでもよくなって、心置きなくだったけど。

『モダン・タイムス』はねぇ、若い頃にレンタルビデオで1回観ただけでさ、内容ほとんど忘れてた。そのときはあんましピンと来るものがなかったんだ。けど今はあの頃よりずっと挫折の味を知ったせいか、当時「取って付けたようなメッセージだなぁ」とネガティブ目に下した評価、今回でひっくり返りましたわ。だって話の〆に至るまでに、全編使ってそこに至る過程を克明に表してるじゃないですか。若きみぎりのゆんず、この作品の何を見とったんかいの〜。

おいら夢を果たした感激もあったけど、このメッセージにも痛く感動いたしましたですよ。打ちのめされては立ち上がる。何度も何度も。そして最後にまた希望を胸に歩いていく姿に心を震わされるよ。

出色のギャグはまず共産党のデモ行進。アイディアと展開見事すぎw それとシャブを食ってしまったときのリアクションww あと二番目の工場で、体育座りでベルコンに乗ってる親方がすげーいい味出してたww もうこれ理屈を超越してるよww

『街の灯』は今回一番観たかった作品。最高だよ。ほんと最高。「至芸」ってこのこと。ギャグを芸術に昇華させたチャップリンの功績を堪能したよ。ああもうラストの神展開はスクリーンだと感動も倍増だよ。何度も観て分かってるのになんでこんなに泣けるかね。

この作品の最強ギャグはやっぱしボクシング場面でしょ。他のお客さんもクスクス笑いじゃ収まんなくて爆笑モード。もちろんおいらも。これも何回観ても毎回笑っちまう。チャップリンギャグはチャーリー単独のもいいけど、他の登場人物も動員するとさらに破壊力が増すんだね。

水野晴郎じゃないけどさ、映画って本当にすごい。何十年も前の、もうとっくにこの世を去った天才の一世一代の芸を、公開当時のまま今でも未来でも楽しめるんだもんなー。

『独裁者』観たいよ。あの演説を聴きたいよ。劇場で。

銘板
2009.9.13 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090913
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ハンドルとかドアとか

チャップリンの『街の灯』にロールスロイスが出てくるんだけどさ、イギリス本国仕様らしくて、右ハンドルなんだよね。今はアメリカで右ハンドル車を見かけることなんてほとんどないけど、あれって法規制でもあるのかな?(特例?で郵便配達のクルマが右ハンドルだったりする。運転手が乗ったまま郵便受けに手紙を入れられるんで)

アメリカで売られる日本車の場合はほとんど大衆車だから、ステイタスの演出目的での右ハンドルはあんまし効き目がなさそう。けど日本じゃ左ハンドルは効き目あるよね(もしくは販売戦略で問題ないよね)。ホンダがアメリカ工場で生産したアコードか何かを日本に逆輸入したってことがあったね。当時元気だった本田宗一郎が、その第1号車を自分で運転して船から降ろしてた。で、『おー、左ハンドルの日本車かぁ』と感心したのを覚えてるよ。

ああでも法規制はないかも。単にアメリカじゃ右ハンドルは不便そうだから普及してないってだけかも。『ワイルド・スピード X2』(2003) の冒頭でスカイライン GT-R が出てた。あれ右ハンドルだったわ。スカイラインはなぜか日本国内限定販売なもんだから、右ハンドル仕様しかないっぽい。てことで、アメリカであのクルマを乗り回すには個人輸入の手しかないか。ナンバー取得はどうなんだろ。

そういやジャッキー・チェンの『デッドヒート』(1995) でも香港の高速道路をスカ G がぶっ飛ばしてたなぁ。あの土地は当時イギリス統治下だったんで、右ハンドルなのは問題なかったと思う。ていうか世界のスポーツカーマニアには、スカイラインって激レアな憧れの的なのかもなぁ。

いやいや、意外とシベリアのいろんな街でフツーに走ってるかも。あそこ日本の中古車がひしめいてるそうだから。日本に木材を運んだ船で、中古車を大量に積み込んで帰るんだよね。最近、ロシアは右ハンドル車を法規制で排除しようとしてるそうで、シベリアの人たちが猛反対中とか。日本車って中古でも、彼の地では不便なはずの右ハンドルでも人気あるんだなぁ。

『街の灯』のロールスロイスの話に戻るけど、あのロールス、ドアが前開きだったよ。昔はいろんなスタイルが試されたってことなんだろうけど、今生き残ってるのはほとんど全部後ろ開き。かスライドドアかガルウイング。しかしガルウイング、カウンタックやジゴロ次五郎のシルビア(笑)のタイプは正式にはガルウイングじゃないと思うんだけど、じゃあ何て呼ぶんだろ??

前開きのドアといえば、馬車はそういうスタイルが多い気がする。となると貴族の風習の影響? 前開きだと、従者とかが外からドアを開けてあげたとき、乗る人の後ろに立つ形になるね。そっちの方が後ろ開きより礼儀に敵ってるとか、そういうノリなのかも。で、現代は自分でドアを開けるのが普通だから、ということかな。

そしたら「後ろ開きの方がなんでいいのか」っつうギモン。

物理的には、テコの原理でラクに開け閉めできるってあたりかな。いやいや、後ろ開きだと車内の取っ手はヒンジの近くだから、ドアの開け閉めにやたら力が要るぞ。おいらはヒジで押し開けたりするけどさ。そしたら他に何だろ。心理的要因?

走行中にドアが開いてしまう、なんて状況を想像すると、前開きだとものすごく怖い気がする。ドアが電柱か何かにぶつかったときに破壊力も大きそうだし。そういうことなのかな。やっぱしよく分からんけど。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

スカイラインのサスペンションって今もフロントがストラットのリアがセミトレーリングアームなのかな。あれってシンプルさはいいけど、スポーツモデルとしてはいささか時代遅れな気がする。どうなんでしょ。それともそこらは、スカイラインがスカイラインであるための必須要素だったりするのかな。

ちなみに6代目スカイラインの "TI" っつう下の方のグレードのリアサス形式は、トラックと同じリジッドアクスルだった。しかもリーフスプリングだったような(これは自信なし)。スポーツカーとか以前に、セダンでそれはねーだろと思ったよ。ああでもあのグレードのテールランプは丸くなかったから、まぁホンモノとは一線を画すもの、という設定だったのかも。業務用のバン仕様もあったしなw

銘板
2009.9.14 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090914
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

謎の江戸風呂テクノロジー 疑問編

昔からのギモンをひとつ思い出したんで、また忘れっちまう前にと思って。

「風呂を炊く」方法について。

今の内風呂は西洋式に、排水口しかないバスタブにお湯をドバーッと入れるだけ、という単純な形が主流なんじゃないかな。ホテルなんか昔からそうだよね。

昭和の内風呂は「内釜方式」が主流だったよ。風呂桶の横にそれ用の簡易的なボイラーが付いてるやつ。風呂桶には側面に穴が縦に2個並んでてさ、下が取水用、上が排水用で。穴に付いてるパイプは「U」字を横倒しにした感じ。で、Uのベント部を火であぶるとですな、温められた水は軽いんで上の排水口から出る。そのぶん冷たい水が下の取水口から入ってきて温められる、という仕組み。なかなかうまい仕組みだと今でも思う。たぶんパイプは単純なUの字じゃなく、熱交換の効率を上げるために工夫された形になってたかとは思うけど、分解したことないからよく分からん。

もっと単純な「五右衛門風呂」ってのもあるね。映画『天国にいちばん近い島』(1984)に出てたなぁ。主演の原田知世ちゃん超カワイかったけど、この映画じゃほぼ全編でシケた顔ばっかだったなぁ。この手の風呂、ドラム缶に水を張って、下面を火であぶるってやつ。そのまま人が入ると底が熱いんで、ドラム缶の内径に合わせた形のスノコを浮かべて、人がその上に乗るとスーッと沈んでいく……らしい。いや、やったことないんだけどさ、これすごくバランス感覚を要すると思うんだ。慣れるまで足の裏ヤケドしまくりのような気がする。はじめから何かそういうのが底に沈んでてくれると助かるんだけど実際どうなんでしょ。

でだ。ここまではまだいい。火と水の間に金属が介在してる。なるほどこれで熱が水に伝わるんだね。うんうん。でさ、時代劇の風呂ってそこらへんどういうカラクリになってたんだ? そこがおいら的にはまったくの謎で。

由美かおるが六一〇ハップ入りのお湯にゆったり浸かってる風呂場の壁の向こうで、うっかり八兵衛が「もう少し炊きやしょうか?」と竹筒で一生懸命息を吹いて火を煽ってるみたいなシチュエーション。由美かおるのお肌のツヤ具合も鎖骨の浮き出方も今は別にどうでもいいや。それより彼女と八兵衛の間にあるはずの謎の熱交換メカニズム、それを是非に知りたい。

まさか木の風呂桶の底をいきなりあぶるわけでもないだろうし。かといって内釜方式の金属製U字パイプというのも、江戸時代の庶民に許されたテクノロジーとしては考えにくい気がする。壁面が木で底だけ全面金属張りの疑似五右衛門風呂でもなさそうだし。

いやほんと今日のネタはギモンだけで、これといったアイディアもない状態なんだわ。全っ然思い浮かばん。でもこれ実際の仕組みを知ると、きっとあまりの単純さに地団駄踏むんだろなぁ。

銘板
2009.9.15 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090915
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

謎の江戸風呂テクノロジー 解答編

で、今日は解答編。

とりあえず「江戸時代 風呂」でググったら「お風呂の歴史」様でいきなりおおかたの答えを見つけてしまいましたですよ。ページ中程の「慶長年間発祥の据え風呂」で、

暫くして、桶の中に鉄の筒を入れて、下から加熱する方法が取られ、近世の風呂に近づいたのであります。この風呂は、鉄砲風呂と呼ばれていました。

あったのかよ内釜方式。意外や意外〜。

さらに Wikipedia 「木桶風呂(鉄砲風呂)」にもうちょっと詳しい記述が。画像もあったよ。

鉄砲風呂

画像に出てるのはさすがに近現代のものだと思うけど、このシステム、まさか江戸時代からあったとはなぁ。パイプの成形は鋳物か。なるほど。考えてみればU字型である必要はないのよね。2本の直管の端を鉄箱に収めればいいんで。けどその鉄箱とパイプは溶接しなきゃなんないんだよね。てことは江戸時代の冶金でそこまでできたってことか。日本の伝統的な金属加工技術、日本刀を作るための鍛造と鉄砲を作るための鋳造に特化してたもんだとばっかし思ってたら、意外と進んでたんだなぁ。

ていうか鋳造なら、ロウを使うなりして工夫すれば、比較的簡単にU字のパイプを作れるんじゃないかって気もしてきた。

まあそれでも実際はその時代にはあんまし一般に普及しなかったらしいってことで、「水戸黄門」のあの旅の先々での入浴シーン、けっこうマユツバなのかもしんない。正確な時代考証を求める番組でもないんだけどさ。

おいらそんなもん信じてずっとギモンに思ってただよ…… orz

まぁすっきりしたからいいっちゃいいけどさ。でもやっぱクヤスィー (T▽T)

銘板
2009.9.16 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090916
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ネタ! それネタ!

(2019.7.6: 世の中のウソを暴いてやったぜ系のドヤな話題を掲載していましたが、言いがかりな気がして削除しました)

銘板
2009.9.17 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090917
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

襲来力士シール

あとまぁ去年あたりからですね、なんでも東京都内で「力士シール」というのがちょいと話題らしいんですよ。太めの男性の顔が左右にだぶったデザインで、東京の街のあちこちに貼られてるんだそうで。ホンジャマカの太い方に似てるとおいらは思うよ。「力士シール」で画像検索するといっぱい出てくるよ。けど作者も目的も不明。てことでこの呼び名も便宜的なもの。

とりあえずこんなの↓

力士シール

デザインはいろいろ微妙に違うらしい。同じものがまったくないのかどうかは、おいらは分からん。

普通に検索かけてみると、いろんな人たちのいろんな見解が読めるけど、どれも証拠が乏しくてはっきりしない。「判明した」みたいなブログもあったけど、読んでみたら別に何も判明してなかったり。

「このアーティストの作品ではないか」っつう意見が複数出てるけど確認取れてないみたいだし、そのうちのどなたかのものだとしても、本人が街角でせっせと貼ってるかどうかってのはまた別だし。

でさでさ、東京だけかと思ったらさ、ありましたですよ我が青森県八戸市にも。いやいやいや見つけたときにはそりゃあもうびっくりしましたですよハイ〜。

てことで、そいつを撮影したんで出してみるよ。ははぁ黒幕はこいつだったのかー、と目からウロコ落ちまくり。こうなったらもう「八戸にも」じゃなく全国規模じゃないですか。世の中これからどうなっちゃうんでしょ。

これなんですけどね、ええ(ヒソヒソ)。

いやほんとごめんなさい (^_^;)>

銘板
2009.9.18 金曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090918
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

無人宇宙貨物船三羽がらす

9月11日に H-IIB ロケットで打ち上げた日本の宇宙貨物船 HTV、無事に目的地の国際宇宙ステーション(ISS)に着いたね。これからは搭載物の搬入と ISS から出た不要物の収容、分離と大気圏再突入ですな。最後までうまくいきますよーに。

HTV 画像1
HTV 画像2

新聞記事を読んでてちょいと気になったことがあってさ。ISS 用の無人貨物船はロシアもヨーロッパも持ってるんだけど、あたかも HTV だけが飛び抜けて優れてるかのような書き方をしてる感じがして。実際はそうでもないんだよね。それぞれ売り物が違うってのがより正しいかと。

HTV のいいところは、スペースシャトル用の間口の大きなドッキングポートを使うんで、ISS 基地内用の大型の荷物を運べるってとこ。スペースシャトルはブッシュ政権の頃に2010年に退役する命令が出されたけど、今のオバマ政権だと2011年までの方針になりつつあるらしい。で、ISS は少なくとも2015年まで運用する計画で、アメリカのスペースシャトルの後がまの ISS への輸送手段は2011年には間に合わなそう。てことで、ISS への大型貨物の輸送は HTV に頼ることになりそう。てあたりが強みかな。

噂で「アメリカの物資輸送の空白期間中、NASA が日本から HTV を買って使うことを検討している」なんてのがあったり。関係筋は否定してるけど、けっこう現実的にあり得そうな気がする。

写真を見ると、 HTV は軌道上でもかなり単純な円筒形。宇宙機の外形の基本は単純な形であることなんで、その基本をよく踏まえてるってことになりそう。三軸安定方式なのに太陽電池がパドル式じゃなく外壁に貼り付けてあるのは、いろいろ状況を考えた結果らしけど、やっぱし発電も本体の放熱も効率が悪かったりで、改良を検討中らしい。上の写真の一番下に写ってる白いものは、HTV を捕獲した ISS のロボットアーム(カナダ製でスペースシャトル用に続く2作目なんで、「カナダアーム2」と呼ばれてる)ですな。これからこのアームを操作してドッキングさせるってあたりの1枚。

ATV

ヨーロッパの貨物船 ATV は去年初打ち上げと初ミッションが成功。ドッキングポートはロシアの無人貨物船プログレスと共有なんで、シャトルや HTV ほど大型の基地内向け荷物は運べない。けど ISS 用の推進剤を運べたりする。あとこのドッキングポートは ISS の一番後ろにドッキングするんで、その状態でメインエンジンを運転して、ISS の高度を上げたりもできる。ここらは HTV にはできない技。

ISS は高度400kmくらいの軌道を回ってるんだけど、その高さだと空気抵抗がちょびっとだけあるんだよね。で、少しずつ高度が落ちてしまうから、この高度維持作業はすごく大事。でも推進剤の補給も ISS の高度維持も、プログレスでもできるんですな。ていうか ATV のデビューまで、その仕事はプログレスが引き受けてきた。てことで、ATV のここらの機能はバックアップ的な位置付けなのかも。

ATV だけの特徴と言えば、運べる貨物の量が3つの無人貨物船の中で一番多いってとこ。打ち上げ用ロケットが強力なアリアン V だからこそですなぁ。1回でドカッと運べるのは大事ですよ。スペースシャトルの退役後は輸送量不足になるっつう見積もりが出てるしさ。

それに ATV は前後にドッキング装置があって、ISS とつながってる最中でも、その後ろにプログレスやソユーズ宇宙船を電車みたいに連結できる。これは便利ですな。

さらに、ATV 自体が単体の無人宇宙実験室として運用できるらしい。ヨーロッパ独自の宇宙ステーションのパーツにもなるように考えられてるみたいだし。応用が利くのは将来性が広くなっていいね。

ATV の軌道上での写真を見ると、HTV にはない太陽電池パドルが4枚もある。しかも X ウイング形式。いやーこれスターウォーズ以外で初めて見たわー。かっけー。本体の外形はこっちも円筒形だね。確実性のために単純な形ってのもあるだろうけど、きっと荷物を目一杯詰める無駄のない形ってことでもあるんだと思う。

プログレス

無人宇宙貨物船三羽がらすの中でのダントツの古株。それはロシアのプログレス。70年代から改良されながらずっと使われてて、今となっては輸送量は一番小さいし、できることは ATV とけっこうかぶってしまった。けどこれ、やっぱし重要なんですよ。

なんでって、経験豊富なことが宇宙技術じゃ最も重視されるんで。HTV も ATV もまだ1回飛んだだけ。細心の設計・製作・運用をしてはいるけど、どんな予想外なことが起きるかまだまだ分からない。その点プログレスは安心できるってことで。仕えてきた宇宙ステーションも ISS で4つめだから、開発・運用チームは「このステーションの場合は……」と相対的に物事をとらえる感覚が付いてるかも。

今のとこプログレスだけができる必殺技もあるし。それは物資の地球への持ち帰り。HTV も ATV も再突入向けの耐熱機能はなくて、不要品を積み込んだら大気圏で焼却処分される。けどプログレスは必要があれば再突入カプセルを積んでいって、150kg までの荷物を地球に届けることができるそうだ。物資の回収は ATV でも HTV でも将来計画としてあるらしいけど、「もうやったことがある」っつう実績は大きいですな。

プログレスの外形って有人のソユーズ宇宙船と大体同じだね。設計を流用したんだろうなぁ。そこは手抜きじゃなく、うまくいってる設計を極力使えばトラブルが起きにくいっつう安全面での方針。開発コストも抑えられるしで一石二鳥。で、単純な円筒形じゃないんで、これはこれで個性があってカッコ良かったり。

設計の母体になったソユーズ宇宙船も通して、この形の宇宙機は60年代から運用されてる。いつから太陽電池を装備するようになったか知らんけど(1975年のアポロ宇宙船とのドッキング時にはもう装備してた)、今までに太陽電池は長足の進歩を遂げた。発電量は運用初期よりずっと増えたんじゃないかな。

そんなわけで、HTV だけがすごいんじゃなく、それぞれの船がそれぞれの得意技を持ってて、ISS 計画にとってどれも重要なものなんだよってことでひとつ。

今回の写真、地球を背景にしたものを選んでみましたです。雲海をはるか下に見つつ、エアロダイナミクス完全無視なフォルムのメカが空を飛ぶって構図もオツなもんです。てゆーか『背景が宇宙空間だと、宇宙船が星空を背負ってもっとかっこいいだろ』っつう妄想が存分に膨らむけど、実際はカメラの露出の関係で、ただの真っ黒背景にしかなんないんだわ。てことで、

ATV 2

実際に宇宙空間を背景にした ATV の写真はこんな感じ↑。無機質というか殺風景というか…… (^_^;)

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

ATV 初号機には「ジュール・ヴェルヌ」というありがたい愛称が冠せられた。けど HTV 初号機にはこれといった愛称はなし。日本の宇宙機は情緒のある一般名詞を愛称にするっつう慣習があるんだけど、今回はなんで発動しなかったんだろ。ナイスな慣習だと思うんだけど。まぁ SFUUSERS も愛称なしだったけどさ。

てゆーか HTV の行き先の国際宇宙ステーションにも名前がないんだよね。「フリーダム」→「アルファ」→ 名無し という、なんだかよく分からん経緯でしたなぁ。まあ「フリーダム」は今となっては、日本のネット用語じゃ「ワガママ」「やりたい放題」の意味だしなw やたらフリーダムフリーダムうるさいあの超大国が国際社会でやりたい放題なんで、すごくナイスな皮肉になってると思うww 実際、国際宇宙ステーション計画でメリケンさんフリーダムぶり発揮しまくりで、他の参加国はこの四半世紀、うんざりするほど振り回され続けたわけで。

「アルファ」は、計画の3案「アルファ」「ベータ」「ガンマ」のうちアルファ案が選ばれたってだけらしいし。で、その後また計画変更になってアルファ案でさえなくなったらしい。で、もう面倒になったからかどうか知らんけど、最終的に名無しで決定、と。ほんとどうでもよくなってきたw

銘板
2009.9.19 土曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090919
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

スペースシャトルの功罪を振り返る日

昨日のログでちょいと SFU のことを思い出してみたらば、いやいやいやアメリカのスペースシャトルもなんだかんだ言って必殺技すごいですなぁ。大気圏再突入機能を持たない3.5トンもの宇宙機を軌道上で回収して地球に持ち帰るなんて、後にも先にもスペースシャトルにしかできんて。

これ、機体にでっかい貨物室があって、さらにそこに人が乗って回収作業しなきゃいけんのよね。有人宇宙飛行技術を持ってる国は他にロシアと中国だけど、この2カ国の宇宙船じゃこんな真似はできん。ソビエトが昔、ブランというスペースシャトル級の有翼宇宙往還機を開発して1回だけ無人で飛ばしたことがある。あれに宇宙飛行士を乗せればきっとできたんだろうけど、計画中止になっちゃったよ。

開発に莫大な資金を投入したなら運用で元を取らにゃならんのに、結局運用コストも高過ぎて、すぐにやめた方がマシだと判断されたかと。それ用の打ち上げロケットのエネルギヤもキョーレツにでかかった。下の写真は、左がスペースシャトル。右がエネルギヤ+ブラン。

スペースシャトルは全部セットで「スペースシャトル」だけど、エネルギヤは単体で使い捨てロケットだった(ブースターは回収・再利用できたけど)。そこらへん応用が利くようになってたんだけど、焼け石に水だったのかな。ていうかエネルギヤの低軌道投入能力88トンって、でかすぎてろくに使い道がなかったんじゃないかと(日本最大のロケット H-IIB の低軌道投入能力は19トン)。

スペースシャトルとエネルギヤ=ブラン

噂では、エネルギヤ=ブランの開発費がかさんだのがソ連崩壊の引き金のひとつになったとか。ほんとかどうか知らんけど、宇宙開発力は国力だからね。アメリカと張り合うのはそりゃあ大変なもんだったろうってのは分かるわ。

今となっちゃどうでもいい話だけど、エネルギヤ=ブランって見栄えはどう見ても元祖からのパクリだなぁ(特にオービター)。けどシステム全体はまったく違うオリジナルな構成。この写真じゃ見えないけど、液体燃料ブースターが向こうに側にももう1組付いてたりする。ノズルがずらっと並んだケツなんかヨダレが出ますですよ。そしてその液体ブースターの肩の辺りの造形、めちゃめちゃガンダムチック。ロシアの宇宙メカのデザインってなんでいちいちイカシてるんだろ(ほれぼれ)。

アメリカがスペースシャトルの後継として今開発中のロケットと宇宙船、どうも先祖帰りするらしく、2種類考えられてる両方が使い捨て型。ひとつは有人宇宙船用の中型ロケット。もうひとつは貨物用の大型ロケット。こうなるともう人と貨物を同時に打ち上げたり、軌道上からでかい荷物を人手で回収して持ち帰るって芸当はできなくなってしまいますなぁ。そういやスペースシャトルは、2週間程度の短期の有人宇宙実験室としてもかなり使えたんだよねぇ。

けどものすごく打ち上げ費用がかかる上に、形式が複雑だからトラブルが怖くてね。必ず人が乗らなきゃ運用できない仕組みにしちゃったから、そのぶんの生命維持と安全確保、それに飛行士の養成コストもかかっちゃってるっしょ。運用が始まった頃はそれでも、打ち上げ単価が使い捨て型ロケットよりダントツに安くなるはずだったのに。何をどう間違えてしまったんだか。

低軌道投入能力は24.4トン。日本最大の H-IIB ロケットの約1.3倍。H-IIB 初号機の打ち上げコストは147億円。てことはシャトルを単純な衛星打ち上げに使う場合、191億円程度じゃないと H-IIB との競争に負けるってことになる。実際大負けらしい。けど7人もの飛行士と大量の貨物との混載はシャトルにしかできない強み。そんならシャトルにしかできない高度な用途に特化すればいいじゃないか、と誰でも思う。打ち上げるだけで帰りの心配も要らない単純労働なんか、自動操縦の使い捨てロボットにやらしときゃいいのさ。と誰でも思う。

けど80年代、そうはならなかった。レーガン大統領はアメリカでの宇宙活動は全てスペースシャトルに一本化、使い捨て型ロケットは全廃、というわけわかんない政策を打ち立てた。このとき既にシャトルは予定してた頻度での飛行スケジュールをこなすことができてなくて、しかもコストも公表の目標値に全然届いてなかった。NASA が自分で言いふらしてたような夢の乗り物じゃ全然なかったことがバレそうな状態だった。これって本来ならこの時点で、発覚すれば NASA の偉い誰かが責任を取らされる事態だったかと。

で、スペースシャトル計画発表時からウソ付き続けてきた手前、引っ込みが付かなくなってしまって、無理してできるだけやりくりするしかなくなった。素直にその時点で間違いを認めてればよかったものを、そうできなかったのが偉い人のプライド意識の成せる技。で、恐らく無人ロケットが邪魔になって、政治家にお願いして潰しにかかったってことなのかも。あああそういや日本でもつい数年前、似たようなことがあったよ。こういう政治的なアレってほんとイヤですなぁ。

チャレンジャー号爆発事故

それでもシャトル一本化で NASA はもっと忙しくなって、必死にスケジュールを強行してるうちに、事実発覚のきっかけとして最悪のことが起きた。1986年のチャレンジャー号爆発事故(左の写真)。アメリカのみが持つ夢の再利用型有人宇宙船4機のうち1機大破。乗組員7名全員死亡。それから2年半に渡っての運用停止。

そしてこのときアメリカの無人ロケットの生産ラインは死に絶えてたんで、衛星打ち上げの顧客はこぞってヨーロッパのアリアンロケットに流れてしまった。それを機に、今に至るまで商用衛星打ち上げビジネスではアリアンが世界のナンバーワンブランド。んー、政治ってのは事の背景を無視して強引に物事を決めてしまう力があるだけに、おかしな情報を元にしたヘンテコな判断をすると、こんな取り返しのつかないことになりますなぁ。

橋本政権のときの政府の財政再建策も、官僚が出したウソデータを信じてあんな無茶をやらかしたってことらしい。官僚が政治家にウソ付く理由としては、そこの偉い人の責任問題になりそうだったってことかな。分からんけど。

でもあの頃は政府が発表したその財政再建プランを見て、「それどう見ても無理」と誰でも思ったはずなんだけどなぁ。とりあえずおいらは思った。データを鵜呑みに信じてしまうと、常識的なセンスが麻痺するってことなのかも。それとも時の政権が失敗の責任を官僚に押し付けたのかもね。真相は知らんけどさ。

スペースシャトルはもう相応の評価を受けて、馬脚が現れた形で来年か再来年には舞台から降りることになってるけど、ステージには代わりになる大物スターがいないってのが現実なんだよね。

まぁアポロ計画に続いての空前説後級の大スターだったけど、スキャンダルまみれの上にギャラが高過ぎる手合いはもう面倒見切れる時代じゃなくなったって感じかな。

シャトルとアメリカの宇宙政策はあのチャレンジャー号事故の後、ウソ(というか矛盾というか)とその隠蔽工作が次々と明るみに出てきたせいもあって、国際的な信用を大きく落とした。けどそれでも義理堅く付き合い続けたのが日本。有人飛行にしても、宇宙飛行士を選抜した後にあの事故があっておあずけを食ったけど、それでもソビエトに流れるようなことはしなかった。とにかく夫唱婦随的にアメリカに従ったわけですよ。結果的にその間に TBS 職員がソビエトのソユーズ宇宙船に乗ったんで、日本人初の宇宙飛行士の称号を私企業の民間人に横取りされた形になったわけ。

NASA だって日本の旧宇宙開発事業団が喫したその屈辱は知ってるはず。自分とこを一途に頼ったせいでそうなったんだもんな。てことでさ、ハリウッド映画みたいに没落ルートに乗ってしまった感があるアメリカの宇宙政策をいまだに立ててくれてる日本の宇宙政策に対して(日本の公的宇宙機関の飛行士は、今まで全員がスペースシャトルで飛んでる)、ちょっとは恩を感じてくれてるんじゃないかなぁとか希望的観測してみたり。

結局、スペースシャトルは躓きつつもそれでしかできない仕事をこなし続けて、世界が宇宙開発の未来を垣間見ることができた。その点はすごいんだけど、それで無理しすぎて母屋が傾いてしまったってのがつらいところでしたなぁ。今になって、エネルギヤロケットを2回、ブラン宇宙船を1回の運用で中止したソビエトの政治家の判断、なかなかだったんじゃないかと思うよ。

っつうかエネルギヤ=ブランが唯一飛んだ時期ってちょうどチャレンジャー号爆発事故後の、アメリカにとって失意と忍耐のスペースシャトル空白期間まっただ中でさ、ものすごくキョーレツな当てつけとして機能しとったですよw コロンビア号の空中分解事故(2003年)のときも、ソユーズは関係なくホイホイ飛んでたっけ。

っつうか当時のソビエト連邦の経済状況、エネルギヤ=ブランが存続できないほどマジでアレだったんだろうなぁ。

銘板
2009.9.20 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090920
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

続・もう何度目か分からない目標設定

気を抜いたらまた……。

歴代ファイル容量2009年9月

先月ぶんのログの容量、堂々の歴代2位に食い込んでやがりました。いやあの 2009.8.9 で、今年の6月分が歴代6位にまでなっちまったもんで、

「今月の目標はデータフォーク容量100KB未満でひとつ」

とか書いたくせに…… orz

後半がちょっとアレだったよな。だって羅老1号、ツッコミどころありまくりなんだもん。ていうかその勢いが今月にまで及んで、しかも H-IIB と HTV の打ち上げ成功で燃料投下されて、ロケットネタ尽くしのまんま現時点で既に111.8KB。おかしいだろこれ。

っつーか不可解なのが、先月の日記のはかどりぶりが凄まじくてさ、7月末時点で2,3週間くらい遅れてたのが、8月末にはリアル日付にほぼ追いついてしまってて。書きすぎなのに。で、今月はほとんど遅れのない素晴らしいスタートを切ったのに、今日は9月30日。10日遅れまでぶり返してしまってる。

書く量が多いからって、進み具合とはあんまし関係ないらしいことが判明。まぁ遅れるのがデフォルトになってしまってること自体がよろしくないんだけどさ。

あぁそうだあれだ。最近また嫌なことがあってさ。それで何事にもやる気が落ちてしまってて。自分の無力さを痛感するここ毎日ですじゃよ。

銘板
2009.9.21 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090921
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

赤い衝撃

「この苦労が分かるか。歯ぁ食いしばってよぉ、血のションベンしてよぉ……」

ってまぁ、苦労しさえすれば血尿ってほんとに出るんか? 苦労ウンヌンよりとっとと病院に行った方がいいんでないのか? 苦労や心労とは特に関係ない、身体的な病気や体調不良なんじゃないのか? とか疑問に思ってたここ数年。

けど思い出した。

あれは苦労っつうかストレスで出るわ。実際に血尿したことあったわ。かなり昔だったもんで忘れてたわ。

いやー便器が赤く染まって、そりゃぁもうビビりまくったもんじゃった。ああそうじゃったそうじゃった。

いやいやいや、そうだったなぁー。過ぎ去った昔日の苦労を思い出したらなんだか泣けてきた。あのあたりマジきつかった。

けど我が人生でその後、それを超えるストレスを受け続けた時期があったんだけど、そのときは血尿は出なかったよ。なんでだろ。我慢強くなったのかな。ストレスの種類とかにもよるんかな。いやもうそんな思い金輪際イヤだけど。

おいらの血尿期はどうやって解決したかっつうと、ストレスの原因をおいらの近くから追ん出したんだわ。もう我慢できなくて、実力行使させていただきましたわ。

ストレス源は人間だったんで、まぁちょっと非道だったけどさ。やらなきゃやられるって状況で。相手はもう正常な精神状態じゃなかったんで、いざやってみたら赤子の手をひねるかのようなラクなミッションだったけど。まともに付き合うだけ無駄だったしさ。

なんでこんな理不尽な境遇に毎日耐えなきゃなんないのかって思ったら、躊躇なく行動できちゃったわ。単に、ツンデレならぬデレツンで追い詰めて自分から出て行くように仕向けたってだけなんだけども。あんなにうまくいくとは。状況も味方してたしな。

あの馬鹿、今何やってやがんのかなぁ。もう死んでるかもな。それならそれで結構なことだけども。ほんとどうでもいいや。

血尿にビビったことが決心を促したんだったわ。もう耐えらんないってことで。

デレツンを開めた途端に相手がひるんで、こっちは血尿が直ったw けどピークが過ぎたってだけでそのままじゃ相変わらず不快だったから、最後までやらしていただきましたですよ。

想定より3カ月も早くミッションコンプリートできて、一人でこっそり万歳三唱したわ。空の青さがマジで目に染みた。やってよかった。やつに対して悪いことしたなんて、今まで一度もこれっぽっちも思ったことない。きっとこれからもそうだろう。

その数年後においらを襲ってきた、それを超える方はというとこっちはパッとしなくて、単に状況が変わるのをじっと待ってただけだったよ。おいら自身も精神的ダメージでかすぎで、その間はずーっと何もする気が起きなくて。時間と心をただただ空費・消耗しましたなぁ。これも血尿が出てりゃ少しは変わってたのかもね。

接する人に無駄なストレスを与えるような人間にはなりたくないもんですな。けど知らないうちにそうやっちゃってたりするんだよね。そこが怖いところだね。

銘板
2009.9.22 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090922
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

火ギツネに化かされた話

なんかねえ最近どうも動画がカクカクで。どーしたんだろと思ってたんですよ。6月に Intel iMac 買って、カクカクとついにおさらばしたはずだったのに。

で、最近起こったこととは言え OS のせいのような気がしてさ、とりあえず再起動かけてみた。使ってない時はいつもスリープなもんだから。けど効果なし。ひとつ思い立って Apple のサイトを覗いてみたらば、いつの間にか Mac OS X 10.6 Snow Leopard が発売されてた。あれれ9月だと思ってたら、8月中にもう売り始めてたらしい。

この Snow Leopard、新機能は大してないけど OS 10.5 のトロさを解消したやつだそうで。それは素晴らしい。使わん新機能よりスピードアップの方がずっと大事。値段を見たらなんと破格の3,300円也。今まではメジャーバージョンアップは14,800円だったのに。これからも是非、中身も値段もの方針でバージョンアップを進めていただきたい。

これで PowerPC にも対応してればファミリーパック買ったのにな。けどもしかしたらこのリーズナブル価格、CPU を Intel に絞ったのも実現の理由なのかも。

近くの PC 屋はもう閉店の時間だったんで、ヤマダ電機に行ってみた。なかった。取り寄せになるそうで。そんなわけでその近くのケーズデンキはどぉじゃ。

おおおお、あったよありましたよ1個だけ。もう1個はファミリーパック(5台にまでインストール可能)。うちに Intel Mac は1台しかないから普通のパックでおk。そんでインスコしたけど効果なし。相変わらずカクカク。

でさ、ようやく気付いたんだわ。動作がトロいの Firefox だけなんじゃね? と。そういやちょっと前に ver.3.5 に上げたっけ。あれからおかしくなったんじゃね? と。

試しに、YouTube を Safari で開いてみた。いやー Safari 使うの超久々だわー。したっけ何ともねーでやんの。すげー滑らかでやんの。はいこれで犯人は Firefox と断定。いや、もっと早くに気付けたはずなのになぁ。まさか信じ切ってた Firefox の犯行だったとは。思い込みって怖いですなぁ。

そんなわけで、Firefox for Mac さんにおかれましては一刻もお早いご快復をお祈りいたしますよ、と。マジこのまんまじゃ不便。Safari じゃ mitter ツールバー使えんしさ。タブの挙動がイマイチ好きになれんしさ。けど Safari ズバズバ速いな。なんかこの前のバージョンアップで JavaScript が速くなったらしいしな。

このまんま Safari 派になってしまうのも悪くないかも。

銘板
2009.9.23 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090923
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

Apple USB Keyboard

そんでまぁ勢いに乗って(何の勢いか不明)、買ってきちゃったよ。

Appe USB Keyboard 画像1
Apple USB Keyboard

ワイヤレスはやっぱし違うねイイねイイねみたいなこと前に書いといて(2009.7.15, 2009.7.29)、結局ワイヤ付き買っちゃったよ。だってやっぱしテンキー欲しかったんだもんよー。それに GIMP の数値入力、なぜかテンキーじゃなきゃ受け付けねんだもんよー(泣)。←数値をいったんテキストエディタに書いてコピペしたらできたけどさ。PowerPC Mac(OS 10.4)じゃちゃんと入力できたのに。X11 の設定が違うのかな。

んで、テンキーだぁ〜。

Appe USB Keyboard 画像2

これですこれ。

キータッチは相変わらずペチペチ。けどワイヤレスよりちょいと高級感が出てるかな。チープならチープなまんまでも、それが魅力だったんだけども。

とりあえずそうゆーことで、今はテンキー付きのキーボードですわ。ワイヤレス + テンキーのやつがあればそっちがよかったんだけどさ。

銘板
2009.9.24 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090924
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

フロンティアな水問題

国際宇宙ステーション(ISS)での暮らしを妄想しててさ、ちょっと考えたことがあって。まぁあそこの特殊さと言えば、現地調達できるのは電力と宇宙環境(それが目当てでわざわざそこにある)と研究成果(これを出すための施設だ)だけで、あとは水も空気も食料も、なんもかんも地上からの補給頼みってあたりですな。

国際宇宙ステーション

んでさ、まず思いついたのが電力と水の現地調達。太陽電池で電力は間に合ってるってことなんだろうけど、バックアップ用として、とかで、燃料電池はいかがかと。貨物船に搭載する水を減らして、そのぶん水素と酸素を持っていく。液体にするとたくさん積めるけど冷却装置がめんどそうなんで、ボンベに圧縮して持っていく方が現実的かも。酸素だけなら無理してでも液体酸素で持っていった方がいいのかも。液体酸素は液体水素より冷却の手間が少なくていい(液酸の沸点>液水の沸点)ってのと、乗組員の呼吸用にも必要なんで。実際の ISS への酸素運搬はどうやってるんだろ。

で、燃料電池で発電するとですね、廃棄物として純水ができるんですよ。この水を飲用や実験用に回せば無駄がないんじゃないかとか。

実はこれ、アポロ計画でもう使われてる伝統的な技術だったりして。もしかしたらスペースシャトルでもやってるかも。っていうかもしかしたらおいらが知らないってだけで、ISS でとっくにやってることなのかも。なんてーか、最近の ISS じゃ尿から水分だけ分離して飲用に回してるって話でさ。現地での資源リサイクル率を上げれば、補給機の限られた容量から水が減るぶんだけ他のものを積めていいんだけど、ちょっと心理的に負担な気がして。

ISS への物資運搬の運賃をちょっと計算してみる。まず費用。打ち上げた H-IIB は初号期で147億円。将来的に110億円にする予定だそうだけど、先のことはどうなるか分からんので、実際にかかった147億円を採る。同じノリで輸送船 HTV 初号期の値段は200億円。合計347億円。HTV が運べる荷物は最大6トン。初号期は4.6トンだったけど、コストダウン見積もりとは違って6トンまで積める設計をちゃんとしてるだろってことで、ここは6トンを採用。てことで、1kgあたりの運賃は578,333円と出ましたですよ。

水1リットルの運賃58万円ですよ。おいらが今乗ってる中古車、手続き代行料とか整備費とか込みでちょうどこのくらいの値段だったよ。こりゃぁちょっとの節約でも貴重だわ。H-IIB と HTV のコストダウンが計画通りに行けば、3割引くらいになって416,667円とはいえ、やっぱし高価。

けど確か90年代あたりじゃ、それやると確かに衛生基準はクリアできるけど、どうしても臭いが取れなくて無理っす飲めないっすって話だったと思った。ついにブレイクスルー技術が確立されたんだろか。

ステーション暮らしは狭い閉鎖空間に複数人が何カ月も顔を突き合わせてストレス溜まりまくりらしいんで、せめて生活の質から非人間的な部分を取り除ければなぁと考えてさ。いくら科学的な意味で完全に水に戻ったとしても、日課のフィジカルトレーニング(無重力環境じゃ毎日これをやらないと骨粗鬆症になる)の後にそれをゴクゴク飲んだり毎朝顔を拭いたり、唯一の楽しみの食事の調理に使ったりっての、それを毎日繰り返すっての、気分的にどうかと思って。んでまぁせめて、発電で発生した純水で薄められればいいんじゃないかと。

その発展版。尿から取った水分をいったん電気分解して水素と酸素に分けて、そいつらをまた燃料電池を通して発電して、そうして得た水分なら気分的にはオッケーなんじゃないかって気がしてきた。

けどまぁ突き詰めると、気分の改善のためだけにわざわざ電気分解して燃料電池を通して水を生成するってのも、なんかすごく無駄な気もする。要は、そこを割り切れる飛行士を選別するなり、我慢できるよう精神的に鍛えられた/慣れさせられた飛行士を打ち上げればいいわけで。

そういえば、シンガポールは数年前まで飲用水の全量を隣国のマレーシアから輸入してたそうで、どうもマレーシアとの外交交渉でその弱点を突かれて困ったことがあったらしくて、下水を浄化して「ニューウォーター」と命名して売り始めたそうな。ゴー・チョクトンが首相時代にそれを飲んでみせてる写真を新聞で見たような。ははぁ日本製の逆浸透膜を使ってるのか。で、水の輸出額が減る&対シンガポールの切り札が減ることになったマレーシア側が、「汚水を飲むなんて」とか馬鹿にしたとか。ていうかどうせ逆浸透膜を使うなら、国土の周囲に有り余る海水を淡水化したほうが清潔感があるような気がするけど、下水浄化の方がコストが低いのかな?(資料映像(YouTube)

いや、まぁそういう話では、大阪市民は取水する川の上流・下流の関係で、「僕ら京都の舞子はんの小便を飲んどる」と自嘲することがあるそうな。

川の上流・下流で言ったら、おいらも馬淵川の下流に住んでて、青森県は下水道があんまし普及してないから、三戸町民の小便を飲んどることになりますな。今年の正月はその浄水場がぶっ壊れたおかげで、思いがけずミネラルウォーター三昧のリッチな暮らしを強いられたけどw

まぁ要はイメージの問題なんだよね。

っつうか飛行士の生活の質の向上だなんてエラソーに言ってしまったけど、実はまぁ自分側のイメージの話だったってことに今気付いたわ。いや、宇宙飛行士なんて選ばれた存在じゃないですか。国民的スターじゃないですか。彼の地じゃ切り詰めた生活が必要だとは分かってはいるけど、そんな人たちが、まぁできるだけ惨めさから遠い暮らしをしてほしいなっつう願望ってことですか。血税使ってゴージャスライフを満喫してほしいわけでもないんだけどさ。

けど宇宙飛行士って、昔で言ったら辺境の探検者だよね。人跡未踏のジャングルや砂漠、極地に挑む人たちと同じ扱いだよね。その線で考えると、まぁそういう人たちってさ、無責任なギャラリーとしてはやっぱ極限の暮らしをしてくれてなんぼっつうのもあったりしてね。

ただ昔と違って今はテレビ中継があるからね。国家に選ばれたエリートたちが世界のお茶の間に悲惨な姿を晒す、てのもまたアレだったりして。そのバランスが大事というか。それじゃああれですか、テレビに決して映らない ISS の暗部なんてのがあって、地上の一般人ライフ並みにフツーにエグかったりするんだろか。キャリア別とか国別とかで差別があったりして、雑務やら寝る場所やら睡眠時間やら食事の順番と質やらが、地上に報告してるのとはまた別のルールで動いてたりしてw いやーこればっかりは現地に行ってみんことにゃ分からんねww

そういやバイオスフィア2計画じゃ最終的に参加者たちが2組に分かれていがみ合って、計画終了後もその気まずさが続いたって話を聞いたことがあったわ。まぁ ISS の乗組員は数カ月単位での順次入れ替え制だから、そういうのは起こりにくそうだけどさ。

銘板左端銘板銘板右端

上で紹介した YouTube 映像でさ、海水淡水化の従来方法として「蒸発法」が出てる。火力発電の熱で海水を蒸発させて蒸留する方式だそうで、そのデメリットとして、エネルギーを多く消費するってことらしいんだけどさ、いやいや、発電の廃熱だけでやるんなら加熱のエネルギー代はタダでしょ。そこらへんどうもよく理解できんのですが。水蒸気の液化は、熱交換器なんてわざわざしつらえなくても、蒸気管の外側に海水でもぶち当てて冷やすだけでいいような気がする。

生産量に対して需要量が圧倒的に大きかったのかもね。そうしたら発電廃熱だけじゃ足りなくて、淡水精製のためだけにボイラー沸かすことになるよね。っつうかそれだったら足りないぶんは他で工面することにして、蒸発法は補助的な位置付けにすればいいわけで、否定されるほどのことじゃないのよね。っつうかそれだったら海水淡水化の手法としての蒸発法の問題点は、必要エネルギーが過大なことじゃなく、需要を支えきれないことの方になるわけで。ここらへんよく分からんなぁ。

なんかこう、番組にものすごく大事なところを端折られた気がする。正規の放送じゃないタダ見だから文句言っちゃいけないんだけどさ。

銘板
2009.9.25 金曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090925
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

フロンティアな酸素問題

それでですね、国際宇宙ステーション(ISS)でできそうな自給自足をもうひとつ考えてみた。いや、できるかどうか分からんのだけど、関係者はもちろんそれを検討したはずなんで、やってないってことは現実的な解答じゃないってことなんだけど。

それは人工光合成。

ISS 内の乗組員の呼吸で発生した二酸化炭素を回収して、太陽エネルギーで炭素と酸素に分解する装置があるといいんではないかと。炭素はどうにもなんないとしても、酸素は呼吸用に使い回しできますな。って、そうか「リサイクル」って単語は「エコ」の大事な要素としてナイスイメージが定着してるけど、日本語にすると「使い回し」だー。そうかそうか。いやいやいや、なんかすごく「リサイクル」が身近になった気がするw

まぁ ISS の居住区域に観葉植物を置けばそれでいいような気もするけどさ、生き物だから管理や制御が難しそうで。放射線被爆があるから、病気になったり異常が出たりするかもしんないし。それはそれで研究対象になるだろうけど、実用と同時じゃちょっと荒っぽいかな、と。その世話に飛行士たちの貴重な労働力を割かれるのは損失だろうし。

ああでも、植物の世話は心が荒みがちっぽい宇宙ステーション生活での、心のオアシスになるかもしんない。ロシア(かソビエト)で、大型宇宙ステーション運用の準備として、それ用に地上にしつらえた閉鎖空間での多人数での長期居住実験をしたときのドキュメンタリー映画があったそうで、そのレビューを読んだことあるわ。それによると、定期ミーティングごとに居室内の植物の状態や世話の話が出てきて、毎回全員で熱っぽく盛り上がったとか。

で、まぁそういうのもあるけど、室内での光合成ってあんまし効率良さそうじゃないのよね。まず ISS 外部の太陽電池で発電。バッテリーで充放電。その電力で蛍光灯を灯す。それぞれの段階でロスが出るからね。ISS 内部の設置スペースにも制限があるはずだし。だったら太陽光でいきなり光合成ができればいいわけだ。植物だとそれは無理。オゾン層を通さないナマの太陽光は有害紫外線が強過ぎ。45分おきの昼と夜との寒暖差も問題。それに気圧。植物用の宇宙服が必要になっちゃう。てことは、宇宙環境に耐えられるように作られた機械で人工光合成をするってのが考えられるわけで。

見た目は太陽電池パネルそっくりで、根元には電線じゃなくパイプが4本繋がってる。供給方向の2本はそれぞれ二酸化炭素と、光合成に必要なその他の物質(植物で言えば養分と水に当たるもの)。排出方向の2本は酸素と炭素化合物(デンプン溶液とか? だとしたら食料をそのぶん同時生産できることになるね)。で、パネル内じゃ太陽光が当たってる間、人工葉緑体がひたすら光合成を行う、と。サイズがどのくらい必要か分からんけど、ISS 内での呼吸による「酸素→二酸化炭素」の一方的な流れを一部でも逆流させて使い回しできれば、地球から持っていく補給分を減らせるわけで。昨日の計算で、貨物1kgあたり58万円っつう運賃があった。これを減らしたり、限りある輸送量をもっと価値のあるものに振って有効に使ったり、と。

考えてみれば、乗組員の生命維持用の物資供給って ISS の存在意義からすると補佐的なものであって、本題である研究・開発の成果を出すための「仕方のない支出」なんだよね。貨物からこういうのをできるだけ減らして、そのぶん研究・開発に直接関係ある機材や試料の割合を増やす、というのは理にかなったことかと。まぁ外部光合成パネルの開発・製造コスト、それに輸送と設置の手間にもよるけどさ。

んでまぁキーワード「人工光合成」でいろいろググってみたけど、どうも芳しくない感じ。一応できるにはできるみたいだけど、現状じゃものすごく効率が低いっぽい。まあ本家の生体光合成自体、かなり複雑なプロセスだしなぁ。80年代中頃じゃまだ全容が解明されてなかったはずだけど、四半世紀経った今はそこらへん全部分かったんだろか。

植物の光合成プロセスをそのままなぞらなくても、要は二酸化炭素を酸素と炭素に戻せれば何でもいいんだけどさ。エネルギー源は太陽の可視光じゃなくても、紫外線でも赤外線でも、ISS からの廃熱でも。

そこらをどうにかできるようになると、ISS 運営の地球への依存率が下がりますな。となると、人類が宇宙のますます深部に行けるようになる技術的な足がかりになりそう。

おいらが考えついたってことは、その道の研究者の間じゃとっくに研究されてることなんだろうけどさ。でも技術的にまだまだ使い物になってないっぽい気がする。

銘板
2009.9.26 土曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090926
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

幻の short ver.

見つけた。幻の『アキアカネ short ver.』

2007.12.23 のログを久しぶりに自分で読んでさ、問題の中国語サイトをクリックしてみたらあんた、今度はちゃんとつながるじゃないですか。回線が細くて途切れ途切れだけど、2回目からはキャッシュができてちゃんと続けて聴けたよ。

そうかー short ver. は Ann なしでミク単独だったのか。"with Sweet Ann" に慣れた耳にはちょいと物足りない感じ。そしてその後に Ann 付きの long ver. が出て、怒濤の快進撃が始まったわけです。

ていうか人気的には相変わらずなんで、怒濤の快進撃はおいらをはじめとする少数のファンの脳内にとどまっとるわけですが(汗)

もう少しでこの曲のシーズンだわ。また聴き込むことになりそう。ていうか通年で聴いてたりw

銘板
2009.9.27 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090927
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

結局は水が全てを解決する話

3日前のログの解答を見つけたよ。

国際宇宙ステーション(ISS)で水のリサイクルはどうなっておるのか、という問題。

この記事によると、「緊急時には、廃水や凝縮された水を飲むこともできるが、通常は地球から運んできた真水を飲んでいる」だそうで。結局、それが一番効率がいいってことなんですかね。

あと、この「廃水や凝集された水」を電気分解して酸素を作り出す エレクトロン とゆー装置があるんだそうで。ロシア製のこの装置は故障がちみたいで、今はアメリカ製の同じ機能の装置が ISS に運び込まれてるらしい。とりあえずアメリカ製は名前が不明なんで、乱暴だけどここでの呼び名は「エレクトロン」にしちゃう。

で、エレクトロンの稼働でできちゃった水素は船外に放出。んー、なんかもったいない気もするけど、水素って酸素とセットじゃないとあんまし使い道なさそうだしなぁ。科学の実験の資料としては使えそうだけど、その需要はきっと少量だよね。電気分解での生成量は酸素分子1個に対して水素分子2個ってことで、乗組員の呼吸用の酸素を作るとその倍の量の水素ができちゃうわけで。パートナーの酸素が呼吸に使われるんなら、やっぱ水素は余り物ですな。

「凝集された水」は恐らく、乗組員の呼気や汗とかで、空気中にたまっていく水分なんだと思う。クルマの空調だって、内気循環にすると窓の内側がどんどん曇っていくもんね。てことは宇宙ステーション内は積極的に除湿しないといかんわけ。押し入れ用なんかに実用化されてる化学的な湿気取りは電源要らずで便利だけど、そこから水を取り出すのは手間っぽい。水を吸った高分子吸収体か何かの取り替えと廃棄も必要だし。てことで、ISS には電気で動く機械式の除湿器があると思われ。それなら水は液体の水として取り出せる。で、それがエレクトロンで電気分解されて、ISS 内に酸素が供給される、と。

エレクトロンが扱う廃水にはたぶん、尿も含まれるかと。実験で使った後の純度の高い廃水もあるんだろうけど、定常的に出る廃水と言ったら尿が一番多いかと。これもエレクトロンは酸素にできちゃうんだろか。不純物が相当混じってそうだけど。そう考えると、単純な電気分解装置ってわけでもなさそう。そこがこの手の装置の開発の難しいところなのかも。

水1リットルでどのくらいの酸素を作れるかを考えてみたくなった。こちらのページ様 によれば、人間が1時間に吐き出す二酸化炭素は約20リットルらしい。二酸化炭素 の分子式は CO2酸素のは O2。酸素分子1個から二酸化炭素分子1個ができる勘定。次は二酸化炭素20リットルが何グラムかってとこですか。ええと、二酸化炭素は1気圧の0℃で0.001977 g/cm3 ですか。1リットルで1.977g。20リットルで39.54g。面倒だから40gにしちゃう。元の数字からしてかなり変動し得るアバウトな数値だし。てことで、モル質量比が酸素:二酸化炭素で 32:44 だから、人1人が1時間あたりに呼吸する酸素量は 40×(32/44)≒29.1g。

意外と少ない感じ。一方、水分子の分子式は H2O。分子量18で、そのうち酸素のぶんは16。純水のうち18分の16が酸素の重量。てことで、ISS の宇宙飛行士が1時間に必要な酸素を水で供給するには、29.1×(18/16)≒32.7グラムの水があればいいってことか。1日だと785.7グラム。1リットルも要らないんだね。ああでも1日2時間はエクササイズしなきゃなんないから(無重力暮らしでこれをやらないと骨粗鬆症になる)、そのぶん酸素を食いますな。するってぇと酸素供給量は水換算で1人1日1リットルってあたりですか。なんか妙に分かりやすい数字だなこれ (^^;) 人はたぶん、それに近い量の尿を排出すると思う。その半分だとしても、電気分解して酸素として使い回せれば、相当の物資の節約になるんじゃないかと。

この前のログで、酸素と水素を別々に地上から持ち込んで、燃料電池を稼働させてからその排水を飲料水にすればいいんじゃないかとか書いたけど、なんだか液体の水の状態で持ち込んだ方がずっといいような気がしてきた。電力は太陽電池で間に合ってるみたいだし。

液体水素の沸点はマイナス253℃。液体酸素だとマイナス183℃。それ以下の温度に保たなきゃなんない。輸送中の温度管理が大変。水が液体でいられるのは、1気圧だと0℃〜100℃だから断然ラク(融点が近い他の液体と比べて、「かなり沸点が高い→液体でいられる温度範囲が広い」という特性があるらしい)。

低圧にしたらしたで融点と沸点が下がるから、それに合わせた温度管理をすればいいわけで。落としどころを探れば輸送コストを圧縮できそう。これ、温度管理用の機材や装備が軽くていいってことで、そのぶんブツをたくさん積めるってことかと。しかも水の重量の89%は酸素だから、純水を運ぶってのは、飲料用としてもいいし酸素用としても充分に元が取れるような気がしてきた。

なんかこの前は余計な思案しちまったなって感じだけど、こういうのって計算しないとはっきり分からんからな。前回は定性的考察(つまりヒラメキ)、今回は定量的考察(論理思考)ってことでひとつ。

銘板左端銘板銘板右端

あ、大便の方の水分を忘れてた。量的には大したことないかもしんないけど、水分を回収できるかな……。これの処理ってスペースシャトルじゃ、低圧環境で一気に水分を抜いてカラカラの固形になるんだそうで。考えてみりゃ低圧環境は真空っつう理想のものが機体の周りに有り余ってるわけで、なかなかうまい発想かと。てことは ISS でも同じ作業をすると、うまくやると水分だけ分離できるってことですな。これも酸素に回せるかも。ニオイの元も混じった状態で回収しちゃうかもしんないけど、電気分解すりゃ酸素だけ出てくるはずだから大丈夫でしょう、と。

ちなみに残った固形は、無人貨物船の帰りの便(「びん」です。念のため (^_^;))に積んで、大気圏再突入で燃え尽きるらしい。確かに、固形をそのまま外に排出するのも手だろうけど、カラカラの固形とはいえ周囲に人糞が漂う宇宙ステーションってのもカッコ悪すぎだしねw

銘板
2009.9.28 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090928
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

『ロシア宇宙開発史』

ちょ、これヤバッ。『ロシア宇宙開発史』なる素晴らしいサイト様を発見してしまったよ。Wikipedia の「ソユーズ11号」(大気圏と再突入時のトラブルで乗組員が全員死亡)の記事を読んでたら、リンクに出てたんだわ。

ソビエト連邦時代の鉄のカーテンの向こうでの独自性溢れる宇宙開発、確かにアメリカのに比べておいらはそこはろくに知らんなぁ。双璧だってのに。冷戦時代の宇宙競争の勝者はアメリカって印象が強いけど、国際宇宙ステーション時代の勝者は、ソ連の優れた遺産を綺麗に受け継いだロシアのような気がするし。

冷戦時の決着は、アメリカがアポロ計画で月に人を送った時点でついたわけで。ソビエトもその方向で頑張ったけど、有人月探査計画は専用ロケットの失敗続きでついに頓挫。代わりに初の宇宙ステーション運用に成功したら、アメリカはそっちでも負けてはならじと、アポロで余った資材を活用してスカイラブ計画を発動。ソビエトはこの時点じゃぶっちぎりとかダントツを許してもらえなかった。

スカイラブは急場しのぎだったせいで、ソ連のサリュート宇宙ステーションと違って発展性がなかったらしい。サリュートはその後、ミールにまで系譜が受け継がれるんだけどね。しかしミールの見栄えのごちゃごちゃ感ときたら。この禍々しきビジュアル、人気が大事な西側じゃ絶対に受け入れられんなあ。けど80年代からサイバーパンクが勃興したから、かえってウケたのかも。ロシアの宇宙機のデザインの独特さはいつも(いろんな意味で)すごいナイスなんだけど、けっこう共通してるのは「黄ばみ」。素材そのものの色なんだろうけどさ、クタビレ感の演出に一役買ってしまってたりして。それが風格に見える時もあればダメダメっぽく見える時もあるという、なかなかクリティカルな諸刃の剣だったりして。

スカイラブって、スペースシャトルの価値を高めるアイテムとして再利用するつもりだったらしい。ところがシャトルは開発が難航して初飛行が遅れに遅れて、その間にスカイラブは軌道上の微小な空気抵抗で徐々に高度が落ちて、ついに再び訪れる人がないまま大気圏に再突入してしまった。他の国が持ってるものは何が何でも自分でも持たなきゃ気が済まない国、それがアメリカ。てことでソ連のミールみたいのが欲しくなって、2009.9.18 のログの最後に最近になってこっそり書き足した、フリーダム計画が発動。宇宙ステーション分野で米ソの宇宙競争再度勃発かと思われた。

ところがフリーダムはカネがかかりすぎるってことで計画は二転三転。そんなこと最初から分かってたから日本とヨーロッパにも声をかけたのに、それでもやっぱし米議会に無駄遣いだとツッコまれまくって NASA 七転八倒。その頃ソ連は体制崩壊でロシア共和国になってて、経済危機に見舞われてた。それでもミールは存続してて、ミール2計画が動き出してて、実際にモジュールが作られ始めてた。そこに目を付けたアメリカ、宇宙ステーション計画にロシアを引き入れることを画策。自力だけじゃ経済的に不安だったロシアもその話に乗った。

んでまぁ、ミール2のモジュールを利用することで経費を浮かせる算段が立ったんだけど、ロシアは交渉上手なお国柄。条件として、軌道傾斜角を自国に有利に設定することと、ロシア人飛行士を常駐させることをアメリカに呑ませた。自分が窮地に陥ってる時こそ、落ち着いて相手の足元を見るのがいかに大事かってことですなぁ。実はアメリカのステーション計画の方がもっと窮地に陥ってたってことで。しかも経済危機を理由にモジュール「ザーリャ」の製造費用をアメリカに出させるっつう離れ業までやってのけたw 日本じゃとてもできん……。1994年から製造が始まったってことは、ミール2用に設計されたってことかな。

ISS 計画に入ってきたロシアに対してアメリカが付けた注文は、「ISS が始まったらミールは引退させてくれ」なんて程度。ところが ISS 建設は遅れに遅れた。ロシアもそこを分かってたのかも。だって宇宙開発の双璧のひとつだもん。ミールは延命措置を受けて軌道を飛び続けた。あとスペースシャトルの相手にもなったしね。シャトルはついにデビュー当初の悲願「宇宙ステーションとの連絡船」になれた。いやこうなったらこうなったで、ミールもおいそれとは引退できんでしょ。ISS を早くデビューさせる世論を作るにはミールが邪魔。でもスペースシャトルにとってはミールが必要。90年代の NASA のジレンマが手に取るように分かるよ。

しかしまぁ、宇宙ステーション フリーダムは当初、ソ連のステーションに対抗するためのものだったはずなのに、いつの間にか双方とも力をなくして、一緒にステーションを作って運営する羽目になったわけで。そんでまぁどっちがリーダーかっつうと表向きはアメリカなんだけど、いっつも方針ブレブレで頼りになんなくてな。その点、宇宙ステーションの技術もノウハウも有人往復手段も全部持ってるロシアは強い。70年代から2001年まで、自前のステーションずっとやってたんだからなぁ。だから、最近は経済危機を乗り越えはしたもののまだカネに余裕がない状態なのに、偉そうなアメリカ相手に一歩も引かない。我らが日本も少しはこうなってほしいよ。

実際、アメリカは2010年か2011年にスペースシャトルが退役した後は、少なくとも2015年の新型ロケット&宇宙船のデビューまで、ISS に自力で往来する手段がなくなる。有人宇宙船より先に企業による無人貨物船が飛ぶ予定だけど、まだ1度も運用されたことがないんで現時点じゃ水物だし。無人貨物船は日欧露がそれぞれ持ってるとして、人の出入りはロシアのソユーズ宇宙船に頼るしかない。ロシア様様。

結局、第二次宇宙競争とも言える宇宙ステーション開発競争は、現在に至るまでソビエト/ロシアの独壇場ってことですかね。アメリカはときどきいいとこまで行くけどいちいち自滅ってことで、月到達競争の意趣返しになってしまいましたな。まぁスカイラブも ISS の主役争いも、結局どっちもスペースシャトルが足を引っ張ったことになるかね。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

あとまぁ日本の宇宙開発史は日本語の著書でたくさん出てるからいろいろ分かるとして、ヨーロッパのはなかなか知る機会というか調べる根性というかがなくてな。

銘板
2009.9.29 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090929
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

火ギツネを退化させた話

2009.9.22 の続報。

不本意だけどダウングレードしたよ Firefox。3.5.3 → 3.0.14 だよ。だってよ動画がカクカクだったんだもんよ。3.0.14 にしたらとたんに直りやがったよ。すげー滑らかだよ。3.0.x →3.5 で倍速って、Mac 向けじゃウソなんじゃないかとか。同じ不具合が出てる人っていないんだろか。

代用に Safari 使ってきたんだけどさ、やっぱ長年慣れ親しんだ Mozilla 系は手放せなくて。インターネット始めて10年以上だよこちとら。あの頃からずっと Netscape/Mozilla 信者だよ。まぁ一時期 Netscape が不甲斐なかった頃に IE & OE に浮気したこともあったけどね。

そういやさ、一番シアワセ噛みしめたのって、Netscape 6 と 7 あたりだったよ。ブラウザとメーラが一体のやつ。んでまぁ Firefox が出てそっちの方がアップグレードされて便利になったもんだから泣く泣く乗り換えたんだった。Netscape も 8 でブラウザに特化しちゃったし、そもそも Mac 版が出なかったし。9 で Mac 版は出たけどやっぱブラウザのみ。そのあとメーラと統合のやつが復活するってウワサだったのに、結局まるごと流れてしまった。

まぁブラウザとメーラは機能が別々なんだから、ソフトウェアとして一体である意味も必要もないんだけどさ、なんてーか、「インターネットはこのソフト1本あれば大丈夫」っつう90年代的な分かりやすさで生まれたネスケの恩恵を受けまくったもんだからさ、体がもうそれで順応しちゃってるんだわ。他に HTML エディタ機能もあったっけ。おいらはテキストエディタに手で直接打ち込む人だから使ったことないけどさ。あと AIM も使えたな。AIM 自体やったことないからこれも無駄だったわ。

そういやブラウザが落ちると書きかけのメールも一緒に落ちるとか、全部の機能がいっぺんに起動するから貧弱な環境だと使えるまでやたら時間かかるとか、考えてみると何もいいことなかったんだけどさ、なんてーか、かっこよかったのよデザインが。特に Netscape 6.x は。その中でも特に 6.0 と 6.0.1 が(ちなみに 6.0 は重いわ落ちまくるわで使い物になんなかった)。サイト見るのもメール書くのも同じデザインでってのがね、気持ちよかったんですよ。中でも "Toy Factory" ってのがかわいくてさ、けどこれ Firefox 2 以降から適用外になっちゃったっぽい。また見たくなったんで、ちょいと画像検索で探してみるわ。

Toy Factory

いやーん相変わらずカワイー! ってなんだかもうあられもない感じでひとつ (^^;)

これ復活してくれんかのー。ていうかテーマのアドオンってさ、本体のバージョンが上がるごとに対応させないといかんらしいのよね。開発者がバージョンアップにいちいち追従しないといかんらしいのよ。そこがなぁ、開発者とユーザを置き去りにしてるんじゃないかって感じで。こういう仕組みだから Toy Factory みたいな事態が発生するわけで。今回 Firefox を 3.0.x にダウングレードしたわけだけど、めぼしいテーマは 3.5 対応ってことで、おいらのバージョンには非対応のやつばっかし。

けどきっと、3.5から見ると前々から使ってたおなじみのテーマが対応前で使えなかったり、なんてこともあったりするんじゃないかと。これ、ほんと不便だと思う。せっかく気軽にスキンを入れ替えられる便利機能があるってのに。合わせれば種類がめちゃめちゃたくさんあるってのに。この Firefox/Thunderbird の「テーマ」ってすごくイイ機能なのになぁ。どうにかしていただきたい所存のココロ。とにかく何でもいいから Toy Factory 使わせてクレー。

銘板
2009.9.30 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0909.html#LOG20090930
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

気がつけば記念日

いやあの、

どうでもいいことなんだけどさ、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

今日でこのサイト「さんでー立体写真館」10周年だわ。

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

だからどうだってわけでもないんだけど(テンション低っ)

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

……、

っつうかもう2年半くらい、メインコンテンツのはずの立体写真出してないしな。

始めてからしばらくはデジカメ持ってなくて、手持ちのフィルムカメラ(70年代のニコン製一眼レフ&フィルム付きレンズに限りなく近い超安物カメラ [コジマで700円で買った] でやってたっけ)。で、待望のデジカメを買った途端、なんだかめんどくなってあんましやんなくなったりして。いや逆だろ。

今もそうだけど、当時(20世紀末)のデジカメはどんどん性能が上がっていってさ、買えばすぐに出るニューモデルを見てなんだか損した気分になるのが目に見えててさ。で、これならしばらく大丈夫、と3メガピクセルのを型落ちで買ったんだわ。いやもうおいらが今使ってる3年落ちのケータイが3.3メガピクセルなんですが(汗)。まぁ CCD 自体とレンズの性能が違うみたいで、本物のデジカメの方がまだ綺麗に写るけどね。

で、写真を撮る用途にしか使えないデジカメより、スキャナを買っといた方がいろいろ潰しが効くと思ってさ、そんで 360dpi のキャノスキャン買ったんだわ。けどこれフィルムスキャン機能がなくてさ、現像と一緒に作ってもらったプリントをスキャンする形で、けっこうコストかかったんだよね。

で、サービスサイズを 360dpi で取り込みってのにも性能的限界を感じて、結局 EPSON のスキャナに替えちゃった。それに初代スキャナ、SCSI 接続だったしねw いやもうあれだよ。職場で昼飯食いながら若い人たちと話してるとさ、SCSI 知らない人けっこう多くて。まぁ知らなくても別に何の支障もないんだけどさ。あんな不便なだけの規格なんてさ。80〜90年代の終わった技術って感じだしな。

技術方面のスラング「枯れている」はいいニュアンスを持ってて、「もう他に手の付けどころがないくらい完成されている」ってあたりの意味なんだわ。まぁ SCSI も枯れた技術ではあったけど、いかんせん不便すぎましたな。で、その点でもやんなってスキャナの買い替え(SCSI の他に USB でもつなげた)。今度はフィルムスキャン機能も付いてたりして。ちょっとおざなりだったんでこれまた不便ではあったけど、とにかく高解像度でスキャンできるようになったですよ。

ただ、フィルムはどうやってもコントラストが浅くてなぁ。デジカメ画像に比べると決定的にのっぺりだったわ。レタッチでそこをいじるとかえって不自然になるし。デジカメ画像だってプリントアウトするとそれなりのコントラストしか出ないから、要はいったんフィルムや紙みたいな物理的な媒体に出しちゃうと、そのあたりの情報が相当欠落するってことですな。

これって映画でもそうなんだよね。伝統的なフィルム撮影と最近のデジタル撮影の違い。ただ、映画の場合は長い年月かけて映像のプロ同士が切磋琢磨してきたから、フィルムでの情報欠落の癖を利用した、独特の美学が出来上がってた。特にハリウッドはどんな安物映画でも、そこはしっかりハリウッド風味を出して来てた。ブランドのこだわりというか。その点デジタル撮影はテレビドラマっぽい仕上がりになりがち。これからはデジタル撮影が幅を利かせてくだろうから、それに合わせた美学ができていくんだろうけど、完成するまではフィルムの味が相変わらずありがたがられるんだろうなぁ。

で、おいらは映画業界が培ったフィルム表現の美学を自前写真じゃどうにも再現できなくて、結局はデジカメ画質の方がよっぽどキレイっつう素人丸出しな状況でしたわ(恥)。ていうか映画のあのゴージャスなビジュアルって、人を使って照明をセッティングしないと基本的にどうにもなんないんじゃないかって気がしてきた。

しかしまぁ、このサイトをやり始める前からたまーに写真を撮ってて、サイトを始めてからはもうちょっと撮るようになった。で、最近は立体写真はあんまし撮ってないけど、ケータイのカメラで気軽にいろいろな風景を撮ったりしてる。で、特に立体写真にする場合、被写体と背景の配分って大事で。それって構図の組み立てなわけで。芸術性は特に追わないとして、少しでも分かりやすく、少しでも整った感じでって方向だけなんだけどさ。撮った後も、レタッチで構図をいろいろ試して決め直したりしてきたし。映画を観てきてるから、その真似をしたりもして。それで構図を少しは鍛えられたらしい。

そんなこともあってここ数年、ケータイで撮った風景写真を他の人にメールで送ったりすると、リップサービスもあるんだろうけどけっこう褒めてもらえて嬉しくて (^_^)>

ほんじゃしばらくやってなかった立体写真、またロケ地を考えてやってみようかなぁ。けど実際問題としてなんでやんなくなったかっつうと、1シリーズの完成までの行程があまりにもめんどくて。しかも前に「脱 Mac 計画」とかやってて、超遅い中古 PC に FreeBSD やら Linux やら載せて、OS の勉強しながら立体写真作成の作業をするっつうドM環境に本格的に力尽きてしまって。GIMP の反応超トロくてもうイライラでこれが。

そういや2007年3月に撮ったやつ、やりかけのまんまずっと放置だわ。作業プラットフォームは、最近買って爆速な iMac かドM環境復活か。いや iMac だろどう考えても。そんな感じでやりかけの続きやろうかなぁ。それともそれボツにして新たに撮った写真で新作やろうかなぁ。

銘板
銘板