ひとりごちるゆんず 2006年12月
銘板
2006.12.1 金曜
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仕事の昼、説教の夜

昨日(11月30日・木曜)は、仕事でいろいろと決定しなきゃいけないことがあって、次々とお得意先様にお電話の日。その中のお得意先様の一人に、話の最中に飲みに誘われた。なんかこの人、すごく説教が好きなんだよね。イヤな予感がしたんだけど立場上断るわけにもいかなくてさ。

で、夜8時から飲み始めたら、案の定9時に説教モードに入って、11時30分にお開きになるまで、ずっと説教を受け続けたよ。なんかもうおいらの人格にまで踏み込んだ凄まじい説教でさ。捕まえたらもう離さないぞって感じ。

つか、自慢話を誰かに聞いてほしかったんだろうなぁ、と今になってようやく気付いたぐらいにして。んでもさぁ、この人、苦労に苦労を重ねてついに大成した人なのは素晴らしいことなんだけどさぁ、その自分の生き方・やり方以外を全く認めない人なのよね。だから、そういう系統から外れてるおいらみたいのには、いっちょ喝を入れてやらなきゃ気が済まないみたいなのよね。そういやこの前もいたなぁ。あっちの方がもっとひどかったけど。やっぱしおいらは「からまれ屋」という宿命から逃れられない運命にあるのか orz

いや実際、話の流れに乗る形でおいらが語り始めると、必ずそれを槍玉に挙げておいらをやり込めようとするのよ自分の哲学に沿って。つまり待ち構えてるのよね。相手をひっ捕まえるタイミングを。いやまぁおいらはそこらへん打たれ強いから胸を貸してやるけどさ、こういう人たちってほんと鈍いんだよね。知らないというか、ある意味純粋無垢というか。何を知らないかというと、「自分の哲学は基本的に自分にしか通用しない」ってこと。押し付けられた方はいい迷惑だったりするんだわ。

それでも、今日もおいらは最後まで耐え抜いてうちに帰った。彼のはけ口としておいらは役に立ったということで強制納得しつつ、布団に入って枕を濡らしたおいらであった。

そして、シネサロンの原稿作りはまたしても1日の延期を余儀なくされた。ってもう金曜の夜しか残っとらん。収録は土曜日の夜。土曜の昼は仕事。さぁ久しぶりのケツカッチンだ。どうなるんだ一体。

銘板
2006.12.2 土曜
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シネサロン収録日

で、金曜夜、とうとうシネサロンの準備開始。当初のマニアルームネタは「『ロボコップ』20周年記念大特集」にするはずだったけど、水曜日(11月29日)に実相寺昭雄監督が逝去されたんで、急遽予定を変えて、「『帝都物語』大特集」に変更。当時のパンフを見つけ出して、いろいろ思い出しながらひたすら原稿書き。でも実際、パンフや関連サイトから転写したような内容はなくて、あくまでもおいらの視点による『帝都物語』の感想。

ていうか、『帝都物語』を「日本のアナログ SFX の最高峰」としてとらえて、その魅力をひたすら解説。当時は CG なんて実写映画じゃほとんど使い物になんなかったもんなぁ(ジョージ・ルーカスの SFX 工房、ILM では実現してたけど。『ヤング・シャーロック ビラミッドの謎』(1985)で出てきた「ステンドグラスの騎士」が、世界初のフル CG キャラなのだ)。ましてや資金も人材も技術も厳しかった日本映画じゃ、CG が導入されたのは90年代も後半に入ってから(今でこそ CG は安上がりで完成度の高い特撮の手段だけど、昔はコンピュータもそれを扱える人の雇い賃もべらぼうに高かった)。そんなアナログ特撮独特の味わいについて語ってきましたですぅ。

遅れに遅れてた原稿が仕上がったのは、土曜午前2時。読みの練習して布団に入ったのが午前3時半。今週はいろいろあった。珍しく仕事をバリバリこなしたり、青森市に高校の同期生の個展を観に行ったり、プロレスを観たり、ワガママなお得意先様の自分勝手なお説教の聞き役になったり。

そして残るは今日、土曜夜のシネサロン収録で全部終わりだ〜ッ! 気合い入れるぜ今日はァァァッ! と思ったら気力切れ。朝からもう全然ダメダメ。で、普段は土曜の職場はヒマだから、その間に原稿を煮詰めよう……と目論んでたのに、こんな時に限って大忙し。外回り外回り外回り。3回まわってワン! いやー運転には格別に気を付けたよ。ボーッとして事故起こしちゃ洒落になんない。でもクルマに乗ってる間を利用して発声練習したりして。

昼メシ食ったらますますだるくなってしまって、スクワットしたりリポビタン飲んだりして、自分の体を騙し騙し仕事を終えて、収録に臨んだよ。

収録は大過なく終わった。これにて、おいら単独のシネサロン出演はもうなくなった。結局最後まで、原稿読みという素人的スタイルを手放せなかったなぁ。

放送は BeFM(76.5MHz)にて12月5日(火曜)夜7時半から。再放送は12月8日朝9時半から。あと、19日と26日に、出演者総出の今年の総集編があって、それにも参加させて頂く予定。だだ、今年は観た映画があまり多くなかったから、出番は少ないと思う。

銘板
2006.12.3 日曜
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寝てる間に徒労を頑張ってた人

いんやーもぉ先週のハードワークがこたえて、爆睡しただよ午後5時まで。んで起きたら奥歯(左上)が痛くてさ。

今、治療中なんだよね。その歯、真ん中に穴を開けて金属の詰め物してるんだけど、しばらく前からその周囲の自分の歯が細かく欠け初めてきてさ、先週の火曜、とうとうかなり大きな断片が打製石器みたいにパキッと剥がれちゃったもんだから、ついに次の日に歯医者に行く運びとなったのよ。

金曜にも治療を受けて、かなり大胆に削られて、なんか電気で焼くみたいなやつをバチバチやられて悶絶して、セメント詰められておしまい。あと、前回取ったフルスケール歯形で衝撃の事実発覚! 奥歯がポロポロ欠けた原因は、なんと歯ぎしり。しかも両側の犬歯周辺上下も、歯ぎしりのせいで変な形に成型されているということも判明。

手っ取り早く歯ぎしりの被害を抑えるには、寝るときに専用マウスピースを口にはめるという手もあるんだけど、なんかマメに洗わないとツバの臭いが付いて口に入れたくなくなりそうだから、とりあえず別な対症療法、つまり起きて生活してるときに気を付けることにした。

なんでも、昼間、車の運転やデスクワークやパソコンの操作なんかで緊張してるときってのは、思わず歯を食いしばってるもんなんだそうで。それをなくすといいらしい。無意識にやってしまうものなんで、気がついたらすぐにやめる、という方針でとりあえずはいいらしい。できれば常に口を半開きにしてるといいそうで、人目が気になるなら唇だけ閉じても構わないんだってさ。あと、舌を上顎にくっつけないようにするんだと。

それを終日気遣ったつもりだったのに、歯ぎしりしてしまったらしい。なんでだよぉ。それを気にしすぎてストレスになってしまったか?

左側でほとんど噛めなくなっちまった。次の診察予定は6日(水曜)。それまで耐えられるかなぁ……。

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2006.12.4 月曜
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SCIM-Anthy

今日になったらますます歯が痛くなってる。診察予定は2日後だったけど我慢できなくて、歯医者さんに電話して、緊急で診てもらうことにしたよ。

んで、先週、歯周ポケットのチェックもしてもらったんで、その結果発表もしてもらった。まぁ普通くらいに健康な歯茎だそうですハイ。

今日は患部のセメントを取っ払って薬を入れ直して、またセメントで埋めた。セメントを低くしてもらったんで、治療前よりは幾分痛みが薄まったなぁ。でもまだ違和感があるし、左の奥歯で噛むと痛くてたまんない。

早く治らんかなぁほんと(泣)。

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FreeBSD の日本語 IM に、SCIM-Anthy っつう比較的新しいのを導入してみた。今までの kinput2 + Canna という歴史と伝統(だけ)の IM より数段いいわこれ。カナ入力にもデフォルトで対応してるしさ、カナ入力なのにきちんと全角スペース打てるしさ、単語登録も格段に進歩してるしさ。辞書に既にかなりの単語が入ってるしさ。Firefox のテキストボックスに入力してても IM が落ちないしさ。いやーもっと早くこいつに切り換えるんだったよ。

まだこいつの癖をよく飲み込めてないんで、いろいろ手間取っちゃってるけど、慣れればかなり便利になりそげな予感。UNIX 風無料 OS の無料ソフトウェア文化ってやつぁ、日本語の扱いでもとうとうここまで使えるようになってきたか〜(感慨)。

Windows や Mac に比べて遅れてたデータベースソフトも、OpenOffice.org や KOffice の最新バージョンで常備されるようになったしなぁ。まだまだダイアログが英語だったりして使い勝手が悪いけど、追い追い良くなっていくでしょう。なんたってタダだもん、こりゃたまんないって。

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2006.12.5 火曜
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担当終了!!

さて、今週の『八戸フォーラム シネサロン』の放送が無事に終わった。あと再放送が金曜の朝にあるんだけど、とにかく本放送が終わった。これにておいらが担当するラジオ番組はなくなってしまったわけだ。シネサロン、今年一杯で番組終了なもんだから。

けんど、とりあえず大した感慨もないのよね。いつも通りの、「無事に終えられて自分にお疲れさん」程度で。あ、そうか、月末の2週間で今年の総集編をやるんだわ。それにも出るから、まだ「全部終わっちまった」感がないのかも。

ああでも、収録直後はさすがにちょっとグッと来るものがあってさ、帰り際、パーソナリティさんに見送られるとき、思わずひとつお願いしちゃっただよ。「ホッペにチューしていい?」なんて。

返事は「だめです!」ソッコー… orz まぁいいや、いいんだ、分かってたから、うん。おれ、よく言った。自分を褒めてつかわす。

ほんとおいら、いい場面で何やってんだろ(今となっては笑)

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2006.12.6 水曜
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年末進行

しごとたいへん。やることいっぱい。ねむい。

ていうか、この前の説教酒がまだ効いてる…… (-_-;)

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2006.12.7 木曜
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いちいち突っかからなきゃ気が済まない人

ちょっとどう相手していいかよく分から人がいるんですが。本来は mixi の日記に書くべきことかもしんないんだけど、その人(恐らく粘着質)に見つかりたくないんで、こっちに書いてウサ晴らし。

映画関係のコミュニティなんだわ問題の場所は。数十個のトピが立ってて、そのどれもがきちんと動いてる状態。でね、問題の人、そのどれにも、誰かがコメント入れると、必ずすぐさま返事を書いてくるのよ。それだけで既にウザい。そのコミュの題材に傾倒してて、どのトピックに関してもやたら細かいところまで詳しくてさこれが。もう有無を言わさない雰囲気があるのよ。

んで、その内容が微妙に批判的でさこれが。相手の考えをそのまま受け入れることなんかまずない。一部では同意しても、必ず「そこはどうですかね。私はこう思いますが」とツッコミを入れるのを忘れない。映画をどうとらえるかは人それぞれだから、受け止め方や感じ方が違ってて当たり前なんだけど、それをそういう場で見せ合うことにも意義はないんだけど、なんか腑に落ちない。確かに、その人は意見を言うときは常に、個人的意見であることを断ってるんだけどさ、なぜにこんなにも腑に落ちないのだ? 理由が4つ浮かんだ。

  1. 反応が圧倒的に速すぎる。
  2. 相手に対する敬意が見られない。
  3. 文章がいちいち長くてくどい。
  4. 書き込み多すぎ。

この人、このコミュに常駐状態なんだろうなぁ。で、誰かが何かを書くのを虎視眈々と待ってるんだろうなぁ。で、書き込みを見つけた途端、脳内データベースを素早く検索してその話題に該当する部分をチェックすると同時に、相手を超えようという意識が作動して、膨大な反論を一気に書き上げてはアップしてるんだろうなぁ。

それと、ずいぶんヒマなんだなぁこの人 (・m・) プッ

いや、ほんとね、一生懸命考えに考え抜いて、「どぉだ〜!!」ってな内容を出したのにソッコーでいちいち揚げ足を取られるんだもん、面白くないのよ。で、ここまでやらかしといて、やつは「個人的考え」という逃げ道を常に用意してるから、もう付いていく気が起きなくてね。彼は、そのコミュを思いっきり白けさせてるという考えは全くないんだろうな。ていうか、自分が盛り上げてやってると思ってる(断言)。

よーするにおいらが面白くない理由ってのは、この人は他人が苦労して素材を見つけて丹精込めて料理して持ち寄ったネタを「いただきます」も言わずにただ食い散らかしては味や調理法について文句を言うだけで、自分からは何も提供しない。そのくせその場を仕切って威張ってる。これだわ。うん。

こうしてここに書きながらおいらの不快感の原因が分かったわけだが、さてこれからどうすべか。それが問題だ。

実は今日、仕事しながら思いついた、そのコミュのネタがあって、仕事の合間にいろいろ呻吟してアップしたのよ。その映画に関する新しい切り口なんじゃないかと思って。んでソッコーその人にやられたわけ。やられることは分かっちゃいたけど、それでも自分の考えに対して Res 入れてくれたわけだから、何らかの反応を返すのが礼儀じゃないのか、と思う。できれば礼儀と見せかけて激烈なる反撃の狼煙を上げたい。でもそんな高度な真似はできそうにない。ハズせば単なる荒らしになっちゃうし。ううむ、そう考えると、やつは「荒らし」寸前のところで絶妙なバランスを取っておったのだな。なかなかやりよる。

んじゃまぁしょうがないから、一番当たり障りのないアレでいきますか。

シカト。

銘板左端銘板銘板右端

そうだ、後で、恐らくマニアな彼もまだ気づいていないであろう、あの映画に関しておいらが独自に発見した爆弾ネタを披露してやろう。さてさてどんな Res が来るかな。ぬふふふふふん。

とりあえず今回のおいらのスレが忘れ去られるまで、しばらく様子見するとするべ。

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2006.12.8 金曜
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商用 OS の業(ごう)

Microsoft と Apple の新型 OS の発売時期がバッティングしてますですな。しかしどーも、今回は Windows Vista の方がマスコミ受けがいいようで。とりあえず常に問題になってきたセキュリティに関して、かなり進歩したみたいね。それと、起動が数秒で終わるっての、いいなぁそれ。Intel プロセッサ搭載の最近の Mac だと、それでも改善されて30秒程度らしい。おいらの PowerPC G4 1.25GHz マシンだと50秒くらい。FreeBSD をもとにした OS ってのはこのくらいなもんだと諦めてるけど。

モノホンの FreeBSD だと、Celeron 400MHz で、コマンドラインが起動するのに1分くらい。そこからユーザ名を入れてパスワード打ってユーザ環境に入って(ここは一瞬)、GUI (KDE)を立ち上げるのにまた1分て感じ。起動に時間がかかるのは、PC UNIX の宿命かと。UNIX の基本アーキテクチャ自体が60年代以来で既に枯れてるんで、これ以上の大幅な変化はなさそう。2GHz くらいのマシンだとどの程度速くなるのかなぁ。素直に5倍速なんて調子のいいことにはならなそうだけど。

で、Windows Vista の高性能さは宣伝されてるとおりだけど、サードパーティーあたりはなんか、その内部構造の複雑さを恐がってたりするみたいで、結局今回の新製品も、宣伝やマスコミの提灯記事とは裏腹に、予断を許さない状況らしい。

対する Mac OS X ver. 10.5 Leopard は特に今のところ、不安や不満は出てないっぽい。まぁ今まで少しずつ改良してきた OS X をまた改良して新機能を追加したってだけだから、安定性や使い勝手に関する不安はないでしょうな。ベースがオープンソースの FreeBSD なのはそのまんまだし、ていうか最新の FreeBSD 6.x は 5.x より安定性やスピードの面でかなり改良されてるらしくて(実際使ってて実感ないけど)、そこらへんも導入されてるとなると、Leopard の商品価値もまた上がるってもんでしょう。OS 10.4 Tiger を買わずに 10.3 Panther で今まで過ごしたおいらも、今度は買ってやってもいいかなとか思ってる。

けどさ、FreeBSD みたいな無料 OS も使ってる身としては、Windows や Mac OS みたいな有償商品に対して、不満を覚える点があったりするのよ。つまり、

余計な機能を初めから付けてよこすな!!

と。実際3年前に Panther をインストールしてからこのかた、まったく使ってない機能、まだまだたくさんあるんだわ。写真を整理するソフトウェアとか、DVD オーサリングソフトウェアとか(どっちも使ってないんで名前忘れた)、FileVault(名前は知ってるけど、何のためのどういう機能なのか知らない)とか。

こういう、ユーザにとって使うかどうか分からない機能やソフトウェアってのは、ただただハードディスクを食いつぶす穀潰しになる可能性があるんだから、OS インストール時に勝手に一緒にインストールしないで頂きたい。FreeBSD のように、最初は最低限のインストールを手早く済ませ、使いたいソフトウェアは後から同じインストールメディアから別口でインストールできるようにするとかさ。ダウンロードでインストールできるようにもすれば、いきなり最新版が手に入って便利だと思うぞ。

でもなぁ、気持ちは分かるんだよ。商品だからさ、初めから全部盛り込みたいんだよね。使われないかもしれないけど、何かの拍子で使ってもらえるかもしれない、使ってもらったら便利さが分かってもらえるかもしれない、そしたらこの商品への満足度が上がるかもしれない、という希望が込もってるんだよね。

だから、商用 OS は新型が出るとともに、マシンへの要求スペックがどんどん上がっていくんだよね。特にハードディスク容量。今うちの Power Mac G4 には 80GB が載ってるんだけど手狭になってきたんで、Leopard 導入の暁には 120GB に換装しようと思ってる。2万円オーバー必至ですな。

悩みですなぁ。東芝 DynaBook のバッテリー代1万円を出し渋ってる身としては。

はっ! よく考えたら、Mac OS X をおいらが更新する理由なんて、現状じゃ特にないんじゃないのか? いかんいかん、宣伝におもいっきし乗せられてるじゃん。もし将来、Mac OS X ver. 10.6 が Intel プロセッサのみに対応する(PowerPC 機を切る)なんて発表があったとしたら、その時点で 10.5 を買っても別に何の問題もない気がする。

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2006.12.9 土曜
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モーダルシフトはどうなっておるのか

90年代後半、「モーダルシフト」という言葉を聞いたことがあった。なんでも現在、長距離トラックに担わせてる貨物輸送の一部を貨物列車や内航海運に置き換えることで、劇的に二酸化炭素(CO2)の排出を減らすことができる、という発想のことらしい(発送元から貨物駅や貨物港または駅や港から発送先まではトラックを使う)。

1997年5月24日付の朝日新聞の記事だと、モーダルシフトという言葉こそ載ってないけど、通産省(当時)の試算で、「鉄道料金などの規制緩和を進め、貨物輸送のトラック輸送から鉄道・内航海運への移行を図れば、貨物分野の二酸化炭素(CO2)排出量を、二〇一〇年までに現在量(一九九四年時点)から約三六%、炭素換算で約七百七十万トン減らせる」と出してる。

「モーダルシフト」でググったら真っ先に出てきたページだとこれをはるかに上回る「CO2 排出量削減56%」という見事な数字を挙げてて、所要時間が36%増えるという点以外は全て、トラックに依存した場合に比べてかなり有利になるってことが述べられてる。でもこのページは内航海運に関してのみ話題に出してる。貨物鉄道はどうなんだね。日本には貨物港より貨物駅の方が多そうだが。それに、貨物船の速度はせいぜい時速40km程度だけど、貨物列車だとその倍速以上で走れそうだぞ。所要時間の面でも長距離トラックに匹敵できそうだぞ。

貨物鉄道のモーダルシフトへの具体的対応は、Wikipedia に載ってた。ほほう、もう動き出しておるのだね。まだ地域限定っぽいけど。佐川急便は昔っから荷物の扱いが荒いので有名だが、やるときゃやるもんだね。まぁもっと荷物の扱いが荒い会社もあるけどね。国鉄貨物から発祥したあのバカチン通運ね。ほんとあいつらにゃひどい目に遭わされた。バカチンも国鉄貨物がその前進なんだから、モーダルシフトに寄与してそうだな。実際あいつらを使ったときは、八戸貨物駅にモノを運んだからな。

しかし2006年末現在、相変わらず長距離トラックが多い気がするんだが、モーダルシフトはほんとに進んでるんかいな。長距離輸送の鉄道・海運シェアを1994年時点の約40%から50%に引き上げれば、運輸部門の CO2 排出量が36%も減るという試算、こいつは本当に現実になりつつあるのかね。なんでも国内の CO2 排出の約2割が運輸部門で、そのうち9割が自動車だってんだから、単純計算で、これだけで CO2 の国内排出量の6.5%がカットできる計算になるんだが(2006.12.18補足:乗用車や短距離貨物輸送のことを忘れてた。ので、ここまでの数字にはならないはず)。

京都議定書で日本は、2010年の温室効果ガス(主に CO2)排出量を、1990年時点のマイナス6%とすることを義務付けられたのは知っての通り。あれから CO2 排出量は減るどころか逆に8%以上増えてしまったんだが、モーダルシフト計画がうまく運べば、増えた分の多くを帳消しにできることになる。でも別に考えれば、モーダルシフトが少しずつ普及してるにも関わらず CO2 排出量が現実に増えてるとも取れるわけで、そう考えるとかなり絶望的な気分になっちゃうんだが。まぁそれでもやらないよりはずっとましってことで、モーダルシフトは推進していくべきなんですな。しかしまたここで問題が発生したりする。

道路行政ってやつ。道路ってのは今じゃすっかり、生活必需品というより政治の道具と化してるんですが。高速道路建設とかなんとか、どうもモーダルシフトに反するところにばっかりカネが流れる仕組みが出来上がっちゃってるんですが。どうせ土建にバラまくなら、貨物駅と貨物港の整備でしょうが。なんかそこらへんよく分かってない国会議員さんが多すぎるんじゃないかと。これはあれですかね、建設族議員の仕業というより、長距離トラック業界の差し金なんですかね。

よく、ある法律ができそうになると、それで不利益を被りそうな業界が反対の声を上げるよね。決まり文句は「オレたちに死ねと言うのか!」。

はい。死んでください。それが国や世界のためになるなら。

世の中のために死ねるということは名誉なことだとは思いませんか。そう思ってください。そして、死にたかったら死んでください。

ていうか、世の中が変われば古臭い物が切り捨てられるのは昔からの道理。その代わりに新しい産業が立ち上がるんだから、雇用の受け皿自体はそんなに変わらないと思うぞ(モーダルシフトの売りの一つが労働力削減であることはとりあえず置いとく)。転職すればいいだけの話じゃん。死ぬことないない。あるいは自分達自身が生まれ変わるって手もあるだろ。とりあえず「死ねということか」なんて子供みたいな極論振り回して周りを困らせる前に『フラガール』でも観なさいよ。

つうことで国土交通省御中には、旧来産業や政治の圧力に屈せず、「世界の環境保全」という錦の御旗のもと、堂々とモーダルシフトを遂行していただきたい。

んでひとつ、我が地元八戸の事情について前向きな提案があるんだが。

八戸の沿岸には、ポートアイランドというこまっしゃくれた名前の人工島がある。バブル期に建設が始まって、1994年に FAZ (Foreign Access Zone) 指定を国から受けて、そこから一気に国際貨物流通の拠点となるはずだったんだけど、なぜか実際にはそこから離れた八太郎(はったろう)埠頭にガントリークレーンが設置されて、そっちでばっかしコンテナを扱うようになってしまってる。で、計画の4割が完成した時点で暫定開業したポートアイランドにはほぼ全く客が寄り付かず、いまだに閑古鳥状態。後から知った話だと、全部完成しないとガントリークレーンの設置ができないんだそうだ。ということで、残りの工事を細々とやってる最中。現状じゃ地元の釣りキチさんとドリフト屋さんにのみ愛されてる、これといったものが何もない、コンクリート製の荒野みたいな島。

んで、おいらの見立てたところ、ここは完成後、ガントリー付近と島への入口近くをちょっと改修するだけで、究極のモーダルシフト拠点になりうるんだがね。

本土と島とを繋ぐ橋は4車線。でも取付道路はどっち側も2車線。それと、本土の橋近くまで、八戸貨物駅から続く貨物専用の線路(石油備蓄基地線)が通ってる。つうことはだ、この線路を橋まで引っ張って、橋の余ってる2車線を線路にすることで、貨物列車をポートアイランドに引き込めるはず。こうなるとどうなるか。

貨物列車←→貨物船でコンテナを直接受け渡しできる。

外洋・内航海路と東北本線を直結できる。

ものすごく効率のいいモーダルシフトいっちょ上がり。これこそ経済発展を伴う環境対策。

いっぺん、うちの職場にアンケート依頼が郵送で来てさ。八戸港の有効利用に関することで。それで「最後に、ご意見・ご感想などお好きなことをお書き下さい」で、アンケート用紙の裏にまでわたってこのことを力説したんだが、その後、そういった動きはない。その数年後、同じところ(だと思う)から直接人が来て、同じようなアンケートを取り始めたんでまた同じことを彼らに説明したら、彼ら(若手だったなぁ)、おいらのオリジナルアイディアにものすごく感激してくれて「是非上に伝えて検討してもらいます!!」と約束してくれたんだが、その後、そういった動きはない。

我が国よ。我が青森県よ。そして我が八戸市よ。

……、

……、

……。

一体何やっとんのじゃボケが!!

銘板左端銘板銘板右端

今現在ガントリークレーンがある八太郎埠頭の近くにも、県の貨物専用線(八戸臨海鉄道(株)が利用)が通ってるんだが、そこからガントリーがあるコンテナ置き場まで引き込み線を作ろうなんて動きもないしなぁ。何考えてんだか……。

銘板
2006.12.10 日曜
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KDE の罠

今日は別にオチもアイディアもない、ただの記録のための日記。

我が自慢の FreeBSD 機の挙動が一時的におかしくなっちゃってさ。信頼してただけにかなり焦っちまったよ。たぶん OS 本体じゃなく GUI に使ってる KDE の罠だと思うんだけど。

いやね、昨日、日記を書いたわけですよ東芝 Dynabook で。で、おいらの癖として、レンタルサーバ(ハッスルサーバー)にアップロードしては推敲して、っつう繰り返しが多いんだわ。したら途中で、ドラッグドロップでの FTP アップロードが極端に遅くなりやがってさ。 GUI 上でコンソール開いてコマンドラインで FTP やってもダメ。サイトを見てみたら表示がやたら遅い。頑健さを誇るハッスルサーバー(FreeBSD 使用)、とうとう落ちたか!?

手を替えて、Mac で FTP 接続しようとしたら拒否されるし。だったらついでにと、DynaBook で原稿の推敲を続けようとしたら、日本語 IM の SCIM が機能しないし。で、さっきからハッスルサーバーの個人アカウントに接続しようと躍起になってる Firefox をアクティブにした時だけ、SCIM が復活するというわけわかんなさ。どうもこっちのマシンがハッスルサーバーに悪さを仕掛けてるらしい。ハッスルサーバーのホームページは問題なく表示されて、おいらのアカウントに入ろうとすると、そこで足踏みしてしまってるのがその根拠。そんでおいら、テンパッたあまりミスを犯しちまった。それは DynaBook のシャットダウン。

KDE が怪しかったんだから、KDE だけ再起動かければよかったのに、OS ごと落としちまった。で、再起動したら綺麗に直ってた。ん〜原因の在り処を絞り込むチャンスを逃してしまっただよ。

オチもなんもない話で申し訳ないけど、FreeBSD が調子悪くなったなんて初めてなもんだからさ。でもやっぱ FreeBSD 本体の異常じゃなく、GUI の KDE のせいのような気がするんだよなぁ。KDE って、その上で走ってるアプリを終了させてもメモリを解放してくれないっぽいしな。おいらの DynaBook はメモリ最大搭載量がたった 192MB でさ、PC UNIX にゴージャスな GUI を立ち上げて、あといくつか書類を開くと、すぐにメモリが満杯になっちゃうんだわ。そこから先は仮想メモリの出番で、動作がやたら遅くなるのよね。で、開いてる書類をガンガン閉じまくっても、やっぱり仮想メモリが生きてて、動作が遅いのは変わらないのよ。これってメモリ解放をしてないってことだわね。そこらへんの機能的限界が引き起こしたトラブルなんじゃないかと。

KDE っていろいろ至れり尽くせりで超便利なんだから、メモリ解放っつう UNIX の利点もちゃんと利用できるようにしてほしいっすよ。まぁ3年前は今よりまだまだ未熟だったしなぁ。ボランティアが作ってるやつだしなぁ。いつかはメモリ解放をきちんとできるようになると信じてるよ。

てか、設定でどうにかなるもんなのかもしれん。今度もう少し調べてみるべ。

銘板左端銘板銘板右端

そういやこの前はおいら、「商用 OS の余計な機能をどうにかしてくれ」だなんて言っときながら、KDE の何でもあり状態は好きなんだな……。

銘板
2006.12.11 月曜
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暖機の間の凍え追放装置

また来ましたですなぁクルマ乗りにとって厳しい冬が。ていうか、おいら寒い車内で震えながらエンジンが充分あったまるのを待ち切れない人なんで、ローバーミニちゃんの水温計が一番下のライン上に乗った瞬間から走り出しちゃう。なりに似合わず 1300cc という大排気量だもんなぁ。軽自動車より小さいくせに排気量2倍。そりゃなかなか暖まらないって。しかも家から出勤する道すがらってけっこうすぐに4車線の大通りに出ちゃって、信号のタイミングの関係もあって、長い直線をぶっ飛ばさなきゃいかんのよね。ああミニちゃん、この時期は毎朝ご迷惑をおかけいたしておりますです。ていうか寒い。

職場の担当車・日産アベニールも、なりに似合わず 2000cc の大排気量でさ、しかもディーゼルだからなかなかエンジンあったまらなくてさ(ガソリンエンジンよりエネルギー変換効率がいいのと、エンジンブロック容量が大きいため)、30秒くらい暖機して見切り発車。幸い職場は住宅地の真ん中にあるんでスピードを出したくても出せなくて、ゆっくり走りながらの暖機ができるのだ。という理由を半ば無理矢理つけて、アベニール君にもいつも辛い思いをさせておるよ。ディーゼル排ガス規制前のやつだから排ガス汚いし音うるさいしで、暖機運転はご近所迷惑でもあるし。ていうか寒い。

ほんと、前にも書いたけど(2004.2.92005.3.3)、クルマの暖機待ちの間の凍え問題、どうにかならんもんかね。エンジンの排熱を暖房に使ってるという構造的なところが原因なんでどうにもならないっちゃならなそう。でさ、究極的には、2004.2.9 に書いたように、クルマが電気自動車(燃料電池車なりバッテリー車なり)になると暖機運転が不要になって、しかも暖房専用装置がクルマに装備されなきゃいかんくなるのだよ。で、2004.2.9 時点じゃ「電気自動車に FF 式石油ファンヒータを搭載する」考えを書いたんだけど、あれから少しは知恵がついた。この案も捨てがたいものがあるけど、もう少し頭のいい感じの解決法を見出したのだよ。それは、

可逆式ヒートポンプを搭載する。

これでどうにかいけるんじゃないかと。デメリットとしては、ヒートポンプの動力源を電源から取るんで、特にエネルギー容量に余裕がないバッテリー車だと走行距離にもろに影響するってのがあるけど、いずれにせよそれは避けては通れぬ道なのだよ。理由は後述。

「可逆式ヒートポンプ」ってのはつまり、夏場は冷房として稼働し、冬場は逆回転させて暖房として稼働させる機械のこと。「避けては通れぬ道」ってのはさ、ほら、今どき冷房がないクルマなんて売れないじゃない(例外的に、ローバーミニの冷房無しの車種の中古がフツーに売れてるけど。おいらの愛車もそう)。そのこと。ということで、電気自動車の時代になっても、冷房装置が必需品なのは確実。だったらその装置をそのまんま使って、冬場は暖房にしちゃえ、と。

できるのか? できる。はず。

エンジン車用の冷房の場合、コンプレッサーの動力はエンジンから直接取るから、逆回転はできない。でも電気自動車の場合、コンプレッサーの動力源は独立したモーターになるんで逆回転は可能。家庭用エアコンと全く同じになるわけだ。

家庭用エアコンってのは、冷房の場合は、コンプレッサーを正回転させて、部屋の中の空気の熱を汲み出して、もっと暑い外の空気に排出する。暖房の場合は、外気の熱(寒くても絶対零度ってわけじゃないんで、熱を含んでる)を汲み出して、もっと暖かい部屋の中に送り込む。うまく設計すれば、ニクロムヒーターなんかの電熱器を使うよりもずっと少ない消費電力で、ニクロムヒーター以上に室内を暖かくできる。

暖房専用の話だけど、電力会社がオール電化住宅用に最近売り出してるエコキュートっつう製品だと、投入電力の3倍もの熱量を室内に流せるそうだ。普通の電気暖房(ニクロムヒーターとかセラミックヒーターとかホットカーペットとか)の3分の1の消費電力で同じだけ暖を取れるってわけ。

でもまぁこいつは暖房専用に特化してるからここまでの性能が稼げてるわけで、冷暖房兼用となるとそこまでの効率は期待できないだろうけど、実際、家庭用エアコンは夏も冬も、上に書いた原理で作動してるんで、投入した電力以上の熱量を確保できることは確実。一度にため込めるエネルギーに限りがある電気自動車の暖房にはもってこいのシステムかと。しかも冷暖房兼用だから夏でも冬でも稼働してるわけで、無駄なお荷物である期間が短くなる(今のエンジン自動車の冷房装備って、夏場以外はもろに無駄なお荷物だよね)。

しかも最近は家庭用エアコンの効率化競争が激しくて、スクロール圧縮だのインバータ制御だので、早い話が機械としての新発想と設計の洗練で、汲み上げる熱量あたりの消費電力がどんどん減ってきてる。電気自動車で問題なく使えるレベルにどんどん近づいてる。ていうか今すぐ使えるところまでもうとっくに来てるかもしんない。

自動車技術は自動車技術で、車内と車外との断熱性を上げてきてるんで、冷暖房の効きが良くなってきてる。これも、より少ない投入エネルギーで快適な空調を実現する方向に向かってるってこと。

いつか、近未来のクルマは、電気自動車じゃなくても、冷房のコンプレッサーをエンジンで直接回すのをやめて、ダイナモからの電力で可逆式エアコンを駆動するようになるかもしれんなぁ。理想を言えばダイナモからの電力での駆動じゃなく、今の車内冷房と同じようにエンジンから直接動力を取り出して、スイッチひとつで機械的に逆回転に切り換えられるようになれば、発電ロスが減るぶんだけ、燃料を無駄に食わなくなるわけだが。

で、電動だろうがエンジン直結だろうが、そうなると、エンジンの暖機が済むまでの間、寒い車内で凍えてガタガタ震えるあの苦痛から開放されるのだよなぁ。そして、エンジンが充分暖まったら自動で暖房エアコンが止まって、従来通り、エンジンの排熱で車内を暖める、と。

なんだ、書き出してみたら、何の苦もなくできそうじゃんこんなの。

自動車メーカー各社御中、寒冷地に住む自動車ユーザーのために、家電メーカーと協力して、いっちょこの方式を開発しておくれでないかい? 特に日本の寒冷地は移動手段として自動車の依存度が高い地域ばっかしなんだから、こいつを搭載したクルマは売れると思うぞ。それに世界の主要都市ってなぜか冬場はやたら寒いところが多いから、この冷暖房システムは世界中で歓迎されると思うぞ。仕組み的には今あるエアコンを改良するだけだから、コストアップも大したことないはず。

そしてこれが、来るべき電気自動車社会(バッテリーだろうが燃料電池だろうが)に必須の技術となるのだよ(たぶん)。発光ダイオードや HID による灯火類の省電力化がもう始まってるように、今からやっておくに越したことはないと思うんだが。

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日本の工業メーカーは一般に、社外から持ち込まれた新しい発想を受け入れるのに変に保守的だし現状で経営状態がウハウハみたいだから、今崖っぷちに立たされてる GM あたりに売り込んでみるか!! とちょっと世間様を煽ってみるw

銘板
2006.12.12 火曜
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あの人は今……ドサ回り中?

忘れてたけど、今年の11月にもやったんだよね『六戸町メイプルタウンフェスタ』。おいら都合が付かなくて参加しなかったんだわ今年は。だから、何レンジャーショウがあったのか分からんのよね。マエセツのおねーさんが可愛かったかどうかも分からん。ちなみに来年以降も不参加予定。もう卒業しちゃったのよおいら。

あ、そういや波田陽区はどうなったんだっけ!?(おお、かな漢字変換サーバ Anthy すげぇ!「波田陽区」が一発で出てきた!!) ええと、んとんと……(過去ログ検索中) あれ? 来たのおととしか。んで、おととしの時点で彼のステージがイマイチだったんで、「次の年はリベンジしに来いよな!」と書いたんだった。で、去年は彼は来たんか? んとんと……(去年の過去ログ検索中)

ああそーか! 去年のメイプルタウンフェスタじゃ彼のことを完全に忘れてて、しかもそのあたりでおいら人間関係的に大失敗を犯してしまって、そのうえ中学の同級生から謎の呼び出しがあったりして、波田陽区どころじゃなかったんだわ。おおー、そういうことだったのか。あれから1年経ったか……。つらかったなぁあの頃は。

して、波田陽区は去年のメイプルタウンフェスタには来なかった。でもその前に、2月頃に六戸町に仕事しに来てたらしいから、それで許してやったんだったな。

んでさ、彼、今どうしてるんだろ。なんか全く彼の消息を聞かなくなった気がするんだが。やっぱし彼は使い捨てテレビ芸人だったのか。つうことはあれだね、テレビから干されたんだとしたら、今頃はドサ回りの最中なのかな。そしたらまた彼は青森県は八戸近郊に流れて来るかもしれんなぁ。きっとそのときは、全国各地のライブで客の厳しいリアクションに鍛えられて、一回りも二回りも大きくなって帰って来てくれそうな気がする。

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2006.12.13 水曜
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さらに年末進行

マジで仕事いっぱいいっぱい。商談が決まったときはうれしいんだけど、それでもまだまだ年内にやんなきゃなんいこと山の如し。

「このまんまじゃ年を越せない」って言い方があるけど、実感したのは今年が生まれて初めてかも。「何言ってんだか。時間が来れば年なんて自動的に越せるじゃん」とほざいてた去年までの自分が恨めしいこと山の如し。

で、あんまり疲れてなんもやる気起きなくて、職場にいてもどうにもならん状態だったから、クソ忙しいってのにわがまま言って、午後に早退して家で寝たよ。それでも疲れが全く取れん。

銘板
2006.12.14 木曜
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『L』。

たまりたまってる疲れを取るにはまず超長風呂が効きそうだけど(たまに2時間くらい風呂に入ってることがある)、その前に、映画のレイトショウでも観ようかと。そそ、今度の日曜、『八戸フォーラム シネサロン』の最後の収録があるのよ。「今年最後」の意味じゃなく、オーラス。メンバーはオールスター勢揃い。今年話題になった、または印象に残った映画をワイワイ語る。年の最後の2回分を一気に収録する。というのは毎年末恒例なんだけど、番組自体が今年一杯で終了することになったもんだから。なんでも局の方針としての番組構成大改造計画が持ち上がって、それに見事に引っかかってしまった、ということ。

微力ながらおいらも番組存続のためにがんばったんだけど(スポンサーが多く付けば文句を言えないだろう、ということで、つてに頼みまくった)、番組の人気はまあまあだったにも関わらず新規のスポンサーがなかなか決まらなくてね。我が青森県は依然として有効求人倍率が0.5未満の不況ど真ん中なもんで。それでまぁ、局の意向を受け入れざるをえなくなった、という顛末。いいのかなぁこんな裏事情を暴露しちゃって (^_^;)

んで、その最後の収録に向けて、1本でも多く映画を観ておかにゃならんな、ということで。ほんとは昨日観る予定だったんだけど、あんまし疲れてたもんで行かなかった。で、今日がんばって行くことにしたよ。

さて何を観るか。狙いは『デスノート the Last name』と『硫黄島からの手紙』。どっちも二部作の二作目だね。んでまぁ疲れてるときに戦争ものは重いんで、デスノートにしてきたよ。いやー面白かった〜。

金子修介監督、観せ方をよく心得ていらっしゃる。さすが平成ガメラシリーズを、「今どき怪獣映画!? しかも今どきガメラ!?」という世間の声をはねのけて作品的成功に導いただけのことはある。

あとさ、出演陣じゃやっぱ、主役を食ってしまった準主役の「L」こと松山ケンイチが見事だったですなぁ。青森県出身だからって贔屓目に見てるわけじゃないけど、やっぱ良かった。なんか前作の時点で既に若い女性の間に「L萌え現象」を巻き起こしてたけど、今作でも女子高生客のウケが良かったぞ。

まぁそこらへん、どこがどう萌えなのかはおいらは分からんけど、おいらが「いいなぁ」と思ったのは、「L」の鬱屈天才ぶりを見事に表したセリフ回し。これは原作マンガじゃ表現されてないんで、原作を読み込んだ上で、金子監督と松山ケンイチが共同で「映画のL」を作り込んだ結果かと思う。セリフの間の空け方・詰め方でのリズム作りがもう絶妙でこれが。これだけでも観に行った価値があったってもんだ。

『デスノート』の話は今日観た『the Last name』で完結だけど、「L」人気に応えて、製作者側では、松山ケンイチを主役にした、現時点で謎に包まれてる「L」の物語を製作することに決まったそうだ。たぶん「キラ事件」の解決を依頼される直前までの、子供の頃の様子とか、ワタリと出会ったときのエピソードとかが語られるんじゃないかと。

ああーそれにしても早く観たいよぉ〜。

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けどさ、若い女の子って流行に敏感じゃん。つまり興味を失うのも早いわけで。なるべく熱が冷めないうちに市場に投入してくる戦略を取るんじゃないかと。来年7月公開予定だと思ったけど、その間はデスノートシリーズやメイキング映像なんかの DVD 発売を盛り上げて忘れられないようにするとか、同時に新作のキャンペーンを張るとか、かなりの営業努力を強いられそうだなぁ。まぁ『ゲド戦記』を大ヒットに導いた日テレがバックに付いてるから、そこらは抜かりないとは思うけど。

原作を提供してる集英社としては、昔『シティーハンター』の映画化で作品的に大コケしたリベンジの意味合いもあったんだったりして(すごい古い話だけど)。

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2006.12.15 金曜
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大黒柱エンジンを強化すべき時

2006.12.30 追記: 以下の文章の「LE-7A エンジンは前身の LE-7A エンジンより性能が低い」というような記述は間違いでした。より正しくは 2002.12.30 をお読みください。

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さてさて通信実験衛星 きく8号の打ち上げ、いよいよ明日だね。打ち上げ機材は H-IIAロケット11号機。今回は初の、固体ロケットブースター(SRB-A2)4連装の最強モデル「204型」。H-IIA の基本の「202型」は SRB-A2 の2連装。これが最小の構成で、さらに SRB-A2 より細い固体補助ブースター(SSB)を2本(2022型)とか4本(2024型)を付け足して打ち上げるってのが今までの増強策だった。

けんど、6号機が SRB-A 分離失敗で打ち上げ失敗になったのを受けていろいろ改良したんだけど、基本的には、それまで開発中だった、出力を1割ほど落とした SRB-A2 を予定より早めに投入することで決着としたんだな。だけどそうしたら問題が出てきた。きく8号は日本が打ち上げる、今までで最も重い衛星。しかもこれを低軌道じゃなく、高度35,800kmの静止軌道に打ち上げなきゃならない。6号機事故の前の予定じゃ、今まで打ち上げたことがあった2024型で大丈夫なはずだったんだけど、パワーが足りなくなってしまったんで、もっと将来のために準備されてた204型が今回とうとう起用されることになった、という顛末。

出力を1割落したとは言え固体ブースター4機がけといったらかなりのパワーになるんで、それに合わせた強化型の胴体も今回投入(初投入は前々回の9号機[2024型]。これで異常がないことを確認した)。そろそろ安定性が出てきた H-IIA が、久しぶりに新たなる挑戦をするってわけですな。来年度から H-IIA の運用は三菱重工に完全に移管されることになってるんで、開発元の文部科学省宇宙航空研究開発機構(JAXA)としては、図らずも H-IIA の全バリエーションを打ち上げてから三菱に手渡すことになったわけで、今回の打ち上げがきちんと成功すれば、幸先がいいことになる。

で三菱からは早速、移管後の H-IIA 運用に関するコメントが出てる。なんでも SSB を廃止して、202型と204型だけ残して、製造ラインを簡略化してコストダウンするんだそうで。実用運用が始まった頃の H-IIA は1発あたりの費用が計画目標通り85億円だったのに(202型)、失敗を乗り越えて改良を加えていくうちに、前回の情報収集衛星打ち上げ(同じく202型)でいつの間にか95億円もかかるようになってしまったもんな。同水準の海外のロケットの相場が70億円程度らしいから、営利企業であり、世界の民間衛星打ち上げ市場参入を狙う三菱重工にとって、コストダウンは必要不可欠なんですな。

簡略化でコストダウンする方針ってことは、1段目の胴体も204型に合わせた強化型のみにするってことなのかな。となると重くなっちゃうんで、202型の打ち上げ性能が、SRB-A の性能低下もあってさらに落ちてしまうと思うんだけど、そこらへんどうなんでしょ三菱さん。鉛筆作ってる場合じゃないんじゃない? (そう言われても鉛筆屋さんも困るだろうけど (^^;))

で、ちょっと考えたんだけど、そろそろ1段目エンジンの LE-7A の改良版開発に着手すべき頃合いなんじゃないかと。これをやるのが三菱重工なのか JAXA なのかは知らないけど、製造コストと比推力(簡単に言うと燃費の良さのこと)据え置きで、パワーを上げてもいい頃合いなんじゃないかと。そのためのアイディアもそろそろたまってきた頃合いなんじゃないかと。

とりあえずは、前身の LE-7 並の性能に戻して欲しいですな。比推力もパワーも LE-7 並を獲得すると、1段目を4m短くできる。エンジンの製造コストが据え置きだと、それだけで1段目胴体の製造コストが下がる上に、搭載する高価な推進剤(液体水素と液体酸素)の使用量も減るんでこれまたコストダウンになる。

さらに、LE-7 が最初の開発目標に掲げてた「燃焼室気圧150気圧」が達成できると、1段目はさらに1m短くなる。つまりそのまんま、第1段エンジンの開発進行に伴ってパワーダウンしてきた経緯を逆行させる、という道筋。

なんかさ、LE-7 → LE-7A のバージョンアップって、ちょっと納得いかないものがあったんだよね。確かに最大の命題がコストダウンなのは分かってた。で、コストダウンの方法として簡略化を選んだのも、機械設計の基本思想をきっちり踏まえた見事な回答として喝采を送ったもんだった。でもたったひとつ、性能ダウンってのが気に食わなかった。開発者側もそこらへんに忸怩たる思いを抱いてたんじゃないだろうか。「2段燃焼サイクル」っつう高性能と苦難の開発の抱き合わせを敢えて選んだ結果が、性能ダウンかい。なんでも噂によると、そのくらいの性能だったら何もわざわざ複雑で高価で面倒な2段燃焼サイクルじゃなくてもいいっつう話もあるぞ。

ネックになってるは、このサイクルに必要な副燃焼室の圧力らしい。この部分にはどうしても主燃焼室の2倍の圧力がかかる。副燃焼室自体は単純に強度を上げればいいらしいんだけど、その圧力に打ち勝って燃料を副燃焼室にぶち込むターボポンプ(特に液体水素側)の開発が厳しいみたいなんだよね。で、これでちょっと逆転の発想をすれば、うまいこといきそうな気がするんだけど。

LE-7 系の2段燃焼サイクルの仕組みは、まず副燃焼室に水素全量と酸素ちょびっとを流し込んで不完全燃焼させる。で、発生した水素過多のガスで液体水素・液体酸素吸入用のポンプを駆動する。そのあと、ほとんど水素でちょっとだけ水分子(副燃焼室で燃えたぶん)が混じったガスは主燃焼室に入って、そこで酸素を存分に与えられて完全燃焼する、という流れ。もっと単純なガスジェネレータサイクルだと、副燃焼室で完全燃焼して出来たガスはターボポンプを駆動した後はエネルギーを失って、エンジン外にゆるやかに排出される。このぶんの燃料・酸化剤を消費した行程は、推進力にはほとんど寄与しない。

これが2段燃焼サイクルだと、ガスを全量とも推進力に変換させて、無駄が発生しない。「排出ガスの量×排出速度」が性能を決定するロケットエンジンにとってこの差は大きい。でも LE-7A だと液体水素吸入用のターボポンプが設計的に厳しくて、結果、2段燃焼サイクルのエンジンとしてはかなりおとなしい性能に落ち着いてしまってる。

これ、酸素と水素の役割を逆にすればいいんでないの?

副燃焼室には酸素全量と液体水素ちょびっとを入れて、酸素過多の不完全燃焼ガスでターボポンプを回す形にすれば、設計がラクになると思うんだが。ひいては燃焼圧力を高められて、エンジンのパワーアップができると思うんだが。

水素は分子量がこの宇宙で一番小さい物質。そんなもんでターボポンプを回すより、水素の16倍も質量がある酸素で回した方がよっぽど能率が上がると思うんだが。

さらに、圧力条件が厳しい副燃焼室には水素を少ししか入れなくていい。ほとんどの水素は、副燃焼室の半分の圧力しか出さない主燃焼室に押し込むだけでいい。もともと設計条件が厳しい液体水素ターボポンプにとって、これほどいい条件はないんじゃないのかね。一応ネックになりそうな点を挙げると、水素の配管が二股に分かれて、しかもそれぞれで圧力が異なるという複雑な構成になるわけで(といっても今現在、酸素でそれをやってるわけだが)、水素はちょっとした隙間から簡単に漏れてしまうというやっかいな性質があるんで、水素で複雑な配管は気が進まないってあたりか。

もちろん、現場のエンジン開発担当の人たちはきっとこのアイディアも吟味した上で、現在の方式を採ってる可能性が高いんだけど、H-II ロケットの開発物語なんかを読んでると、意外と単純なことに気づかなかったってこともあったみたいだし(LE-7 エンジンの開発中、配管に組み込むオリフィス[流量を制限する「仕切り」みたいなもの]の位置が悪かったというだけのせいで性能を落としていたことにしばらく誰も気がつかなかったとか)。

ここまで大胆な改造をするとなると、もう新規のエンジンと言っていいくらいなんで、「LE-7B」ってことになっちゃいそうだなぁ。そうなると結構大がかりな開発になってしまうなぁ。開発予算の申請も大変そうだなぁ。ただでさえ GX ロケット用の LNG(液化天然ガス)エンジンの開発に難航して追加予算を申請してるくらいだもん、こいつはちょいと厳しいかもしれんなぁ。

ということで、この大胆なアイディアは後々のこととして、今は現場に蓄積された改善案をもとに、基本設計を変えない程度の小改造で LE-7A のパワーアップを幾分か図るという方針でどうですかねぇ。

銘板
2006.12.16 土曜
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打ち上げ延期だそうで

H-IIA 11号機(初の204型)の打ち上げ、天候不良に付き打ち上げ延期なんだってさ(飛行中のロケットに雷が落ちる可能性があったんだそうで)。天気が悪いんじゃしょうがないわなあ。

昔、ロケットの打ち上げを医療に無理矢理例えて、「急患が運び込まれたのに延期なんてやっていたら患者が死んでしまう」として日本のロケット開発を本に書いてやり玉に挙げてた、医学博士の称号を持つバカが10年くらい前にいたっけなぁ。瀕死の人の命を救う作業と、無人の衛星や、普通の人以上に健康体な宇宙飛行士を扱うロケットの打ち上げ作業とは根本的に違うわけで、実際、天候の状況が基準を超えていて打ち上げすべきじゃないのに無理して打ち上げて、むざむざ7人もの乗組員を殺したのが1986年のスペースシャトル・チャレンジャー号事故だったわけで、あの医学博士がいかにバカだったか、思い出すたびに失笑しちまうよ。

つうことで、次回の打ち上げ予定は19日(月曜)なんだそうだ。待ち遠しいですなぁ。

今日の打ち上げ中止で7〜8000万円の損失が出たそうだけど、推進剤注入前だったんで、まぁこの程度で済んでよかったですなって感じ。今後は、今日みたいな中止はこれからも十分ありうるんで、その時の損失をいかに減らすかが課題になりそうですな。打ち上げ2日延期で、損失分には人件費がけっこうかかってそうなんで、そこらへんの削減が主な課題になるかな。

銘板
2006.12.17 日曜
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シネサロン最終総集編と、これから

今日はおいらのラジオ出演歴最後の収録日。ここ3年、2カ月に1回くらい出演してた BeFM の『八戸フォーラム シネサロン』は今年一杯で終了。最後出演での単独での収録・放送はこのまえ終えた(2002.12.2, 2002.12.5)けど、最後の仕上げに、毎年恒例・メンバー総出の『年末総決算特集』ってのがあるんですな。この収録が終わると、晴れて「シネサロンから卒業」ってことになるんですわ。で、おいらはこの他に番組を持ってないんで、ラジオ出演の最終日でもあるのだな。

各四半期ごとに、各人が気に入った作品を語るっつう趣向だけど、放送時間はいつもと同じ30分枠なんで、出番はちょびっとずつなのだね。まぁ横槍入れまくって自分の出演時間を稼いでしまったけど。

んでさ、なんか収録前の打ち合わせ中にいきなりサンタのおじさんが現れてさ、みんなにプレゼント置いてってくれたよ。おいらがもらったのはなんと、

「百式」ストラップ!!

おおおおおーーーーーッ!! すげぇッ!! この写真撮った後、ソッコー袋ひっちゃぶってケータイに取り付けたよ。サンタさんありがとぉ〜 (^▽^)/ そしてサンタのおじさん(「おじさん」と言いつつおいらより年下だが)は、そのままのコスプレで番組に参加して映画話をトクトクと語ってた (^o^;) しかし、紅白サンタ服の上にハッピ着てるサンタさん初めて見たよ(←街なかで本業のセールス活動やってる最中に抜け出してきた模様)

ん〜それにしても、「シャア」の綴りって "CHAR" だったのか。ミュージシャンの CHAR は「チャー」だったよな確か。つうかゼータガンダムなんだから、キャスバル兄さんの通り名は「シャア・アズナブル」じゃなく「クワトロ・バジーナ」なんじゃないかとかチョー細かいチェック入れてみたりして。

んで収録は滞りなく済んで、ていうか主においらの横槍のせいで収録時間を大幅にオーバーして、編集で泣きを見ることは火を見るより明らかな状態にディレクターさんを陥れて、我々は意気揚々と打ち上げ会場へと赴いたのだった。

いや〜飲んだ。

いやぁ〜飲んだ飲んだ。

日曜の夜だってのに、次の日仕事だってのに三次会まで突き進んじゃって、最後はもうぐでぐででござりました。

それにしても、番組の歴史3年半の間で、おいらが関わらせて頂いたのがそのうち3年。初めのうちはどうしていいか分からなくて、ほとんど何の準備もしないでやったらグダグダでなぁ。先輩に一緒に出てもらったからどうにかなったものの、思い出すだけで冷や汗もんだぜ。ピンで(というかパーソナリティさんとサシで)出るようになってからというもの、初出演の失敗が薬として効きすぎて、常に原稿をガッチリ書き上げてそれを読み上げるスタイルを確立してしまった。そんなめんどくさいことするメンバー、他にいなかったよ。

そのスタイルも、始めはなるべくフツーに喋ってる風に読むのに精一杯(それでも棒読み調だったけど)。少しずつこなれてきて、2代目パーソナリティさんの頃になってようやく、アドリブとか原稿から逸脱した話を折り込められるようになったぐらいにして。でも結局最後の単独出演まで、「ガッチリ原稿」スタイルから離れられなかったよ。ああ〜みんなみたいに原稿なしでスラスラ言えるようになりたかったなぁ。

これからの「八戸フォーラム市民企画スタッフ」の仕事の方針は、八戸フォーラムに置いてある『かわら版(スタッフ自らの手で新作映画や特集を紹介したり感想を書いたりする、一枚ものの無料配布プリント)』により重点を置くことになりそう。でもおいら、かわら版には今まで一切参加したことないのよね。そっちへの参加をこれからは求められそうなんだけど、どうにも自信がなくてなぁ。的外れなとんでもないこと書いてしまうんじゃないかと考えちゃって。

どーも、責任が発生しそうなことからは逃げちまいがちなおいらさ。

シネサロンの『マニアルーム』のコーナーみたいに、自分の好みやその時の気分で好き勝手やれればよさげなんだけど、そうもいかないだろうしなぁ。あとさ、かわら版を読んでると、皆さん俳優やスタッフ、関連事項に関する知識がおいらなんかと比べものになんないほど豊富でさ、あれ読んじゃうと、「今度からお前書け」と言われても、ちょっと怖じ気づいてしまうものがあったりして。

ちうことで、おいらのこれからの映画活動そのものが不透明なのよね。まぁ観客としてのおいらは、「何を観ても楽しめない」というスランプ状態をようやく脱し切ったみたいなんで、今まで以上にガンガン観ようとは思ってるけど。

銘板
2006.12.18 月曜
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宇宙開発は実直に。ときに大胆に。

夜6時55分。おいらは普段滅多に見ないテレビの前に陣取っていた。狙いは NHK 7時のニュース。あのニュースが見たい。結果はもうネットで知ってるけど、動画がまだアップされてない。それにマスメディアによるコメントも聞きたい。

そのニュースとは、今日打ち上げに成功した H-IIA ロケット11号機と、その積み荷である世界最大級の通信実験衛星 きく8号のことさ。

順番として後ろの方に回されるであろうことは覚悟してた。前回の情報収集衛星光学2号機の打ち上げの報がかなり短くておざなりだったからな。日本のロケット・衛星の打ち上げ成功が日常茶飯事になりつつあるのは嬉しいことなんだけど、今回はロケットの構成が新しい。衛星も今まで日本が打ち上げた中じゃ最重量級。しかもそれを静止軌道に打ち上げるという。H-IIA の前身、H-II の時代、静止軌道ははるかに遠かった。「H-II は2トンの静止衛星を打ち上げられる」のが触れ込みだったのに、結局静止軌道に届いたのは500kg級の衛星だけだった(あとは打ち上げに失敗したり、衛星側の不具合で静止軌道投入に失敗したり)。H-IIA の時代になり、悲願の2トン級の打ち上げはついに成功した。

そして今回、超重量級の静止衛星(5.8トンで、H-IIA はこれを静止遷移軌道まで運ぶ。静止軌道までは衛星が自前の推進剤[燃料と酸化剤]を使って飛んでいく。静止軌道投入後の衛星の質量は約3トン)を載せて、日本の宇宙開発史上最大のロケットが飛ぶ。これなら前回とは比べものにならないほど話題性に富んでいるはず。あとは、今日、あまり大きな他のニュースがないことを祈る、という一縷の望みを托して、ワタクシはテレビの前で、7時のニュースを待った。そして始まった。

「六ヵ国協議再開」。そう来たかぁ〜。こいつは重大ニュースだわなぁ。そりゃあ時間を割くわなぁ。

「松坂大輔100億円プレイヤーに」。それもあったかぁ〜。国民の関心は宇宙開発よりスポーツだもんなぁ。こいつも時間を割きますわなぁ。

「全国知事会開催」。そっかぁ〜。最近県知事の汚職が続発してるもんなぁ〜。外せんよなぁ〜。

「欠陥ファンヒーターの回収進まず」。いや、それ何も今日言わなくてもいいじゃん。ずいぶん前から回収作業やってるみたいだし。

「一部上場証券会社の粉飾決算発覚」。いや、ひとの財布の中身なんかこの際どうでもいいって。報道されてる暇あったら関係者間でとっとと折り合い付けてよ。で、ここから先、ニュースの長さは順を追って短くなっていき、とうとう1分ニュースの羅列コーナーに突入。

そのうちのひとつとして、今回の打ち上げがようやく出てきた。前回と同じくすげぇあっさり。いやあの、国費を何百億と投入して、10年以上の歳月をかけて開発してきた国家プロジェクトのひとつが、ようやく最大の山場を越えたんだよ? まだこれからも難しい局面はあるんだけど、通信実験が始まるのは確かにまだまだ先だけど、計画の一番クリティカルな段階を今日、とうとう乗り越えたんだよ? もっとなんか言ってあげてもいいんでないの?

こりゃあ明日の新聞もあんまし期待できんなぁ。

これはマスコミの気まぐれウンヌンというより、日本の世論が、日本の宇宙開発に対してマンネリを感じ始めてるってことなんだろうなぁ。でも今は、現状をなるべく維持してひたすら実績を積み上げる時期なんだよね。ニュースになりづらい時期なんだよね。分かっちゃいるんだけど、もどかしすぎる。現状で世間の注目を集める打開策は何かないのか。となると、将来計画としてでっかいアドバルーンをぶち上げるしかないですなぁ。

そろそろ言っちゃおうよ。

「日本は10年以内に独力で有人宇宙飛行をする」

と。このくらい言わないと世間の耳目を集めないってば。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の外での話だけど、松浦晋也氏や笹本祐一氏その他が、日本オリジナルな有人宇宙船の研究を既に始めていて、かなり具体的なところまで計画は煮締まってきてる。あとは細かい設計と試験のみで行けちゃうぞほんとに。日本の景気もようやく上り坂になりつつあるんだし、ここを逃すとこんなビッグプロジェクトを立ち上げる好機を逸してしまうぞ。

国民に夢と希望に満ちた未来絵巻を見せるのが政治の役割だとは思わんかね。それを見せたからには、見せた政治家に責任がかかることになるわけで、巨額の資金が必要なだけに失敗を考えると腰が引けてしまうのは分かる。でもここはひとつ、失敗を恐れずに未来を切り開く実力と度胸のある政治家よ、「我こそは」と出てこんかい。未来絵巻自体は有志の人たちの力で、もう8割方出来上がってるんだぞ。

今まで有人宇宙飛行を自力で成し遂げた3ヵ国(旧ソ連/ロシア・アメリカ・中国)はいずれも、その開発や運用で何人もの死者を出してる(特に中国は何百人死なせたか分からない)。日本が独力で有人宇宙飛行をするにしても、同じ修羅場をくぐらなきゃならない。けど、この国は「技術立国」という看板を背負ってるのを忘れちゃいけない。究極の「技術」が必要な有人宇宙飛行に対して、自分の足で立って向かっていくのは妥当なことだと思うが。たとえその途中に、何人かの犠牲者が出たとしても(実は日本も、H-II ロケット開発途上でエンジニア一人を事故で死なせてるけど。ただしその後はこの事故を重く見て安全対策を徹底してるようで、現場では挨拶がわりに「ご安全に」という言葉が作られ、使われているらしい)。

究極の技術に挑戦し続け、茨の道を切り開いて成果を挙げ続けることで、世界は日本の技術をより信頼し、日本の技術製品に今まで以上の敬意を持って喜んで買ってくれる。そう考えると、技術立国としての日本の有人宇宙開発に投資することは無駄にはならない。それどころか国に利益をもたらす金看板になりうる。そのくらい大局的な視点で物を考えて国を動かせる政治家はおらんのか。

銘板左端銘板銘板右端

まぁ、「美しい日本」とかなんとか、在りし日の「ふるさと創成」と大して変わらん無意味なスローガンを掲げて自己満足してるような状況じゃ言うだけ無駄か……誰か「そうじゃない」と言ってくれぇ〜。

銘板
2006.12.19 火曜
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やっぱり大黒柱エンジン強化

2006.12.30 追記: 以下の文章の「LE-7A エンジンは前身の LE-7A エンジンより性能が低い」というような記述は間違いでした。より正しくは 2002.12.30 をお読みください。

銘板左端銘板銘板右端

やっぱ読売新聞は相変わらず読売新聞だねぇ。

いや、昨日の H-IIA ロケット11号機と情報通信試験衛星 きく8号の打ち上げの記事、1面にカラー写真付きで入れたのは他の新聞(おいらがチェックしたのは他に、朝日新聞とデーリー東北[青森県南の地方紙])と同じなのはいいとして、記事の内容が一番短くて薄かったぞ。国費数百億円と開発期間10年と今までにない新機軸を多々ぶち込んだ国家プロジェクトの一番の見せ場の報道が、たったそれだけかい。昨日の NHK ニュースの態度と同じだな。

前にいつだったか、前日に衛星の打ち上げがあった事実を完全にシカトしたときもあったしなぁ。この技術立国で一番読まれてる新聞がそう来たか。まぁ今に始まったことじゃないから驚かないけど、もう少しどうにかなんないもんですかねこれ。

でも見比べた3紙の中で、写真が一番見事だったな。そこは認める。よくやった。絵的にもバランスが綺麗だったし、今回の打ち上げの目玉である固体ロケットブースター4機がけ(普段は2機がけ)による、尋常じゃなく膨大な量の噴煙をうまくとらえてたよ。固体燃料って燃焼温度を上げるためにアルミ粉末を混ぜ込んであるから、あれだけのもうもうたる煙が出るんだよね。しかも今回はいつもの倍の量が噴射されたわけで、そのド迫力の噴煙をきっちり見せてくれてた(宇宙作家クラブのニュース掲示版によると、あまりの火力に、打ち上げ場所で火災が発生したらしい)。読売のカメラマンに拍手。

固体ブースターか。

H-IIA のコストダウンのもうひとつのカギは、この固体ブースター(SRB-A2)にあると思う。実際、先代の H-II ロケットのブースター(SRB)よりかなりコストダウンが進んでるんだけど、それは胴体部分の話で、燃料自体のコストダウンは全く進んでいないと思われ。なんでも笹本祐一の『宇宙へのパスポート3』によると、固体燃料はキロあたり数万円もするそうで。液体水素はキロ数千円だそうで。4日前に書いたコストダウン案は液体水素・液体酸素及び1段目胴体の値段を安くする方法だったけど、キロ数万の固体燃料を削減できれば、かなり安くなるんじゃないかと。

ちなみに今回打ち上げた11号機だと260トンもの固体燃料を消費してる。キロ1万と安く見積もっても26億円もかかってる。11号機にかかった費用の約4分の1〜5分の1。実際の固体燃料代は恐らくもっとかかってるわけで(たぶん倍額以上)、ここを安く上げることが、H-IIA の低価格化に大きく影響を与えることが分かる。固体ロケットは構造があまりにも単純なんで、工学的に改善すべくいじる場所はあまりない。ということで、

「固体燃料の使用量を減らす」。これが答え。

固体ブースターの役割は、打ち上げ初期で推進剤満載でロケット本体が重たい状態なのを力ずくで引っ張り上げること。ということで、本体を軽くする & 本体のエンジンの性能を上げる、そうするとそれだけブースターの負担が減る。ブースターの固体燃料を減らせてコストダウンできる。ならば本体を軽くする & 本体エンジンの性能を上げるにはどうすればいいか。

そこで議論は4日前の 2006.12.15 に立ち帰る。1段目エンジン LE-7A の価格を据え置きで、燃費を良くしてパワーも上げてやる。これで行ける。できれば2段目エンジンも今より高効率になれば、2段目も軽量化が図れてまたブースターの固体燃料を減らせる。つまり H-IIA ロケット全体を小型軽量化させるんですな。そのためには本体の液体燃料エンジンのパワーアップが不可欠。

JAXA さん及び三菱重工さん、どうですかこういう考えは。今 H-IIB という、H-IIA の部品を最大限に利用した、さらに大型のロケットの開発が進んでるけど、それのコストダウンにも有効な考え方ですぞこれは。ブツがでかいだけに、価格改善効果はより大きくなりますぞ。

……、

……、

……。

え? 「そんなこと分かり切ってる。やれるんならとっくにやってる」って?(笑)

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2006.12.20 水曜
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夢いっぱい

これ書いてるの木曜の夜ね。木曜(20日)はなんだかもう寝不足がたまりたまって、布団で横になりながら『宇宙へのパスポート3』を読んでるうちに寝てしまっただよ。起きたら朝の4時。タオルケット1枚しかかけてなかったから、寒くて起きただよ。

ファンヒーターのタイマーをセットして、ちゃんと布団かけて寝直し。面白い夢をたくさん見たけど、断片的にしか覚えてない。こういうのもったいないよなぁ。夢を録画する装置って発想までは誰でも思いつくと思うけど、具体的なメカまでは現代の科学技術じゃ難しいか?

とりあえずおいらもそれ欲しい。誰か作ってくれ。必要は発明の母ではないか。とりあえずみんなもそう願ってくれ。そうすりゃ誰かが発明してくれるだろ。

開発元は……タカラかなぁ。バウリンガルを発明した実績からいって(笑)

銘板
2006.12.21 木曜
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一次会で切り上げ

今日はうちの職場の忘年会。毎年のことながら全然盛り上がんない (^_^;)

いわゆる「隠し芸」とか称する、芸だなんてとても呼べない下劣なだけで全く面白くない出し物を無理に見させられるよりはマシか。で、ただただひたすら食って飲んでちょっと喋って、一次会だけで帰ってきたよ。いやもうだって腹いっぱいでさ、どう頑張ったってそれ以上入らなかったんで。

んで、前の晩よく寝たのに、うちに帰ったらめちゃめちゃ眠くなったんで、水曜の分の日記をささっと書いてソッコー寝たよ(これ書いてるの金曜 [22日])。

「ささっと」とか言いつつ、いったん書き上げた直後に夢録画マシンなんてのに考えが至っちゃって、そこらへん書いたり推敲したりして、結局40分くらいかかってんのな (-▽-;)

銘板
2006.12.22 金曜
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その装置が創る未来

おとといの夢録画装置を元ネタにしたアイディアでも。人が何かについて感じたものを直接外部装置に記録して、別な人にそれを体感させる、という装置が生まれたら、人類文明社会は大きく変容(進化を希望)するんじゃないかと。この機械は既に、鴻上尚史の『もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ』という21年前の戯曲で登場してる。でも内容をかなり忘れてしまったんで、これで世の中がどうなるのかをおいらなりに(かなり勝手に)予想してみる。そういえば、『マトリックス』もそういう装置を利用してるよね。

とりあえずこの装置がどんなものになるのかっつうと、情報発信者の脳から脳波などを利用して、具体的・抽象的を問わずにその発信者が得た五感の情報やそれによって引き起こされた感情を検出・記録する。そして何らかの方法で、受け手側の感覚器に頼らず、受け手の脳に直接その情報を送り込み、疑似体験させる。リアルタイムで生放送でもいいけど、発信者側が自分より外側に知られたくない部分というのが必ず出てくるんで、いったん記録して、発信者が自分で編集してそういう部分をカットする余地を残す必要がありそう。メッセージ性をより強くするためにその情報の加工もできそうだけど、そこから新たな表現が開発されて新たな芸術や娯楽が生まれそうだけど、そうなると話が一気にめんどくなるね。とりあえずその線は棚上げにしとく。

脳と装置との情報伝達方法は、『もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ』だと延髄にビデオの電極をいきなり差し込むというかなり乱暴なサイバーパンクだった。『マトリックス』だともう少し現実味がある感じだったけど(『甲殻機動隊』のパクりか?)、それでも見ててかなり痛い。非接触方式で行こうよ。ソフト路線で。発信者がかぶったヘルメットが脳の各部の脳波・脳の温度・血流量・神経伝達物質の分泌の具合を超精密に測定して、それらの情報から外部電脳に、発信者の心理状態を再構築するみたいな。できれば外部からの薬品や電磁波等の投入なしで、ヘルメットはただありのままの脳を受動的に観測するだけにとどめたい。技術的に可能かどうかはかなり怪しいけど。

もっと怪しいのは受け手側の装置だね。脳に非接触で直接「知覚・感覚」を送り込むにはどうしたいいのか。全く思いつかん。思いつかんけど、そういうのが存在すると強引に仮定しちゃう。そこらを定義してようやく本題。

自分と他人との主観的感覚の客観的共有。今も芸術・表現が追求してやまないテーマではあるんだけど、伝統的な五感に頼った伝達方法だと、発信者から受信者への伝達の齟齬があったり、受信者同士での受け止め方が食い違ったりの問題があるんだよね(そうなることをみんな無意識で折り込み済みで生活してるわけだが)。だからうまく伝わるかどうかは、送り手側の腕前次第であり、受け手側の感性次第でもあり、運次第でもある。

例えば、相手への気遣いのつもりで言った言葉がたまたま相手の NG ワードに引っかかってしまって、思いがけずムッとされてしまったり。誰かと一緒にテレビドラマを見てて、いい場面で涙をこらえてるすぐ横で、もう一人はあくびを噛み殺してたり。この装置だと、情報とともに感情まで伝達する。んで発信者が五感で何を感じて、それでどんな感情を持ったかを、受信者はまさに肌身で実感できる。

この装置の出始めで予測される反対意見。「人と人との考えの行き違いや感じ方の違いがあるからこそ人生は不確定であり、面白いのだ。感情まで画一化された世界なんてつまらないだけだ。それどころか恐ろしささえ覚える」。

でもさ、この装置が一般社会に普及した途端、そういう意見は一気に吹っ飛んでしまうと思うなぁ。昔はきっと確かにいたと思うんだ。「近頃、自動車などといううるさくて臭いものに天下の往来を走られてたまったものじゃない。乗り物なら馬車も汽車もあるのだから自動車なんて不必要だ」と言ってた人。

案の定というか、インターネットブームに乗ってパソコンが爆発的に普及するが早いか、パソコン不要論ってのが早速出てきたしなぁ。これの場合はまだ時間がそんなに経ってないんで、今の世の中でも一部通用する部分があるけど、あの当時でさえ「?」な記述があったぞ。曰く「辞書を見るのに1分間も起動を待っていなければならないなんてナンセンスだ(その通り。PC が起動してないときは紙の辞書を使えばいいだけの話。ていうかそもそも辞書専用にパソコンを買う人などいない)」。曰く「24ビットフルカラー1670万色なんて要らない。人間が一度に認識できる色数はせいぜい2万色かそこらなので、15ビット3万2千色もあれば十分お釣りが来る(リオのカーニバルや熱帯魚のカラー画像を見るならその通り。で、モノトーン画像のことを完全に忘れてる。15ビットカラーのモノトーンのグラデーションは大変汚い)」

話ずれまくり(汗)。で、この装置を使うことで感情が画一化されるかというと、おいらはそうは思わない。ある外部からの情報によりある特定の感情が引き起こされるという現象は、その人の歩んできた人生の節々での、その人の感じ方、考え方によって、時間をかけて形成された「心」の動き方によるところが大きいと思う。ところがこの装置は、その人の感情のある瞬間的な断片を切り取って他者に体感させるだけ。受け手側にもその人なりの人生の歴史があるんで、あまりやり過ぎない限り(1日24時間体制で何日もの間、その装置で特定の誰かの情報を受け続けるというマインドコントロール状態にでもしない限り)、送り手側の感情に受け手側の心が侵蝕されるというのは考えにくい。この感情を体感するのであれば、せいぜい数分もあれば充分かと。

むしろ他者の気持ちをナマで分かり合えるというメリットが生まれると思う。そこで、ファーストガンダムの「ニュータイプ理論」が目指したことと全く同じだということに今気付いたぐらいにして(笑)。

この国じゃもう長いこと、教育現場でのいじめが大問題になっておりますな。で、いじめっ子がなんでいじめをやめないかというと、いじめられる気持ちが自分のものとして分からないからなんですな。ということで、教育の現場じゃ今、いじめられる気持ちを理解しよう、理解させようという動きが出てきてる。この装置、こういう場面で劇的に効果を発揮すると思う。発信者がいじめられっ子、受信者がいじめっ子。

想像するだにこれは効くぞ。なんたって、自分にいじめられるとどう感じるかをいじめっ子自身が体感するんだから。いじめっ子、初体験の嫌な感覚に、泣き出すかゲロ吐くかすると思うぞ。そしてもう二度といじめようとは思わんだろうなぁ。勝手な想像だけどさ。

さて今度は情報通信分野の予想でもしてみますか。今やインターネットで世界中の人類が情報網で結ばれ、各インターネット利用者を1個ずつの脳細胞に見立てると、地球はひとつの巨大な脳みそを持ったことになる。でも基本的な伝達手段は、このサイトもそうだけど画像と文字。最近はブロードバンドの普及で音声や動画映像も流通し出してきたけど、旧来の伝達手段を超えるものじゃない。単に、手紙とか電話とかビデオテープや CD が入った小包みとか口コミとかが、安く超高速で世界中どこへでも伝わりやすくなったってだけだったりする。情報社会に量的変化をもたらしただけで、質的変化にまでは及んでない。巨大な脳みそが生まれたものの、いまだ知性が発現してない状態。

それで、この装置で得た心的情報がネットに流通したとする。なんか面白いことが起こりそうな気がする。例えば、同じスパゲティを食べても、イタリア人と日本人じゃ感じ方が全く違うと思う。そこまでは今でも分かる。でもどう違うのか、これを体感的に知ることができる。まぁちょっとつまんない例だったけど (^_^;)、こんな風に、世界のいろんな人たちが何をどう感じてるのかがナマで分かるようになる。このとき、いわゆる高度情報化社会は名実共に高度情報化社会に生まれ変わるんじゃないかと。インターネットが基盤を完成させた「地球の脳」がとうとう質的に進化して、「巨大な知性」として動き出すんじゃないかと。もちろん、こんな一歩間違えればマインドコントロールにつながりかねないものをそう簡単にネットに垂れ流すべきじゃないんで、がっちりした規制やプロテクトが必要だろうけど、この途方もない可能性を考えるとわくわくしてきちゃうよ。

んでも、一番重宝がられるのは、意外と小規模な使われ方だったりして。いやあの、この日記らしからぬことをこれから書くけど、あんまし笑わんでね (^^;) いや笑ってくれて構わんけど(どっちだ)

恋してる時ってさ、片想いでも両想いでも、よく「ああ〜この気持ちをこの人に、胸を切り開いてでも見てもらいたいッ!! もどかしーッ!! もどかしすぎるぞ JOJO ォォォッ!!!」って思わない? (いや JOJO は別として)

できるんですよこの装置で。自分の想いに自信があるなら、情報を修正する必要がないなら、リアルタイムで相手に見せてあげることができるんですよ。(ここから先、状況説明をいろいろ書いたけどグダグダな文章にしかならなかったんで、潔く削除)

銘板
2006.12.23 土曜
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昨日の補足

昨日のあの装置のことだけど、そういう願望は別に新しいものじゃないんだよね。昨日の時点で『もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ』『マトリックス』を挙げたけど、あとキューブリック原作、スピルバーグ監督の『A. I.』の蛇足のシーン(←もろだなオイ)で、主人公のロボットを原型に進化した未来のロボットたちが手をつないで意識を共有するってのがあった。あれなんかそのまんまだよね。

とゆーことで、近い未来か遠い未来、必ずこの装置はできると思うんだ(実現するかどうかは分からないけど、いざとなれば実現できるだけの技術基盤くらいはできるだろう、ということ)。非接触式でできるかどうかは不明だけど、あんまし考えたくないけど、接触式ならそんなに突拍子もないものでもない。科学的論理と技術的メドが全く立ってないタイムマシンなんかよりはずっと現実的。

とりあえず10年くらい前アメリカで、CCD カメラで撮った映像を信号変換して、盲人の脳の視覚野に直接その電気信号を送り込むことで目が見えるようにする実験に成功したらしいし(いったん視覚野が形成された後に目が見えなくなった人限定だそうだけど)。そこらへんは人間の意識とは無関係の、機械的な自動処理部門だから電子技術と相性がいいんだけど、意識に触れるとなると、なんかやっぱし反対論が出てきそうだなぁ。神の領域っぽいもんなぁ(既に「神の領域」と言われてきた部分がどんどん科学で解明され、技術として利用されてきてるけどさ)。

銘板
2006.12.24 日曜
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その萌えの原点

そうかそういえば今日はクリスマスイブか。まぁどーでもいいや。ちょっと思いついたことがあったんでそっち優先。

あのさ、そろそろネコ耳萌えって下火になってきた? ような気がするんだけど。そこらへんおいらはどこらへんに萌えるのかよく分からんのが歯がゆいんだけど、とりあえずあのルーツってバニーガールだと思うんだけどどうよ。まぁ「どうよ」って投げっ放しで何のオチもないんだけど、そう思い付いちゃったもんだから。

せっかくこの話題を書いたんで、もう少し探求してみるか。バニーガールの発祥とか。何がどうなってああいう服装が生まれたのか。なんでウサギなのか。なんで黒いのか。別に困っちゃいないんだけど、困ったときには Wikipedia。おお、あった!! すげぇよ Wikipedia。こんなのも載せてるんだ〜。ふむふむははーん、発祥はプレイボーイだったのか。一発納得。

しかしさ、Wikipedia でも書いてるけど、『欽ちゃんの仮装大賞』でのバニーガールは子供心に変だと思ってたよ。ていうか欽ちゃんの雰囲気に合ってないしさ。そうかそうか、最近じゃ露出度控え目なんだ。そりゃそうだよなぁ。だって変だもんなぁ。大体にしてバニーガールの格好ってお色気路線なんだから、ゴールデンタイム向きじゃないと思うぞ。ていうか審査員がコスプレしてるんだから、案内の人たちも、目立っちゃいけないのはやまやまだけど、それなりにバニーガールなんつう使い古されたものよりもっと気の利いたコスプレすべきなんじゃないかと思うんだが。具体的にどんなのかまでは思いつかんけどさ。

銘板
2006.12.25 月曜
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列車横転事故予防策 前編

羽越線の突風による脱線事故から1年。現場には突風よけの頑丈そうな柵を線路の両脇に立てて、再発防止完了としたらしい。

でも、ここを直しただけじゃ、また別な場所で同じような事故が再発するのは目に見えてるんすけど。つか、これで本当にあの現場の対策完了なのかも疑問。とりあえず、日本で在来線の列車が突風で脱線・転覆しやすい根本的理由は2つある。

  1. 盛り土の上に線路を敷いているところがある。
  2. 線路の幅が狭い(「狭軌」という規格を採用してる)。

1. は何がまずいのかっつうと、土手状の地形に横から風が吹くと、土手のてっぺんで風速が急に上がるんですな。つまり、平地よりずっと強い風を、列車は横から受けることになる。そして 2. の線路の幅が狭いせいで、横方向の踏ん張りが効かない。以上の2つの要因が重なって、日本の列車は横風で横転してしまうんですな。12年前に三陸鉄道南リアス線の列車が横転したときも、盛り土路線を走ってるときの強風が原因だった。そのときは死者が出なかったせいか、単に「強風が原因」と片付けられた(資料)けど、その時点で盛り土による風の加速をもきちんと認識して、似たような状況を想定して有効な対策を打っていれば、去年のあの死亡事故は起こり得なかったと思うはず。

今日の新聞で対策後の羽越線の現場写真を見たけど、なんか場当たり的で頼りなく見えるんですが。

防風柵自体は頑丈そうなんだけど、柵と線路との間に何もない空間がありすぎ。柵を越えた後、風の威力が復活してしまいそう。それと、防風柵が盛り土より下に立ってるんで、実際、真横から吹いてきた風はそのまま防風柵の上を通って列車を直撃するんじゃないかって気がする。確かに盛り土の斜面から集まって来る風のぶんは防風柵が和らげてくれるから、列車の受ける風は総合的にはなんぼか弱くなることを期待できる。でも風下側の線路を支点に、風上側の列車の側面を力点にしてテコの原理で考えると、列車の下部が受ける風よりも、上部が受ける風の方が横転に大きく貢献することが分かる。この防風柵による対策、問題の本質である「列車の側面上部に当たる風」に関してはほとんどノーガード状態なんですが。

この対策、やらないよりはましだろうけど、ほんとにこれで大丈夫なのかな。

まぁ「盛り土のてっぺん」みたいな局部的な最大風力の設定はなんぼでも上げられるんで、完全な横風対策と言ったら、盛り土路線の部分は壁と屋根をかけてトンネル状態にするって感じですか。それに、風の強さをハリケーン並に設定したら盛り土部分でなくとも横転する危険性があるわけで、野外を走る列車には自ずと横風による横転に対する限界が存在するのが分かる。それと、よくよく考えたら、上記の 2. に起因する事故でもうひとつ大きいのがあった。それはあの有名な JR西日本 福知山線脱線事故

カーブへの速度超過進入が一因となって横転・脱線を招いたとされるけど、もしこの線路の幅が狭軌じゃなく標準軌だったら、もしかしたらあんな悲惨な事故を免れてヒヤリハットで済んでたかもしれない。死ななくていい命がたくさん助かったかもしれない。

横風じゃなくても、速度超過というヒューマンエラーと線路幅の狭さの組み合わせでも、横転事故は起こるってわけ(Wikipedia では「理論的に速度超過だけで脱線する可能性は低く複合的によるものと考えられている」と書きつつ、「カーブによる遠心力そのものによって横転が発生したとされるようになった」と、速度超過が最大の要因だったことを支持してる)。つうことで、日本の列車の横転(転覆)事故の最も根本的な原因は、狭軌レールを採用してる点にあるわけで。

日本の国鉄が狭軌を採用したのは、財政難にあえぐ明治政府が、少しでも安く早く鉄道を全国に行き渡らせるための選択だったんだそうで、当時は狭軌のまま現在ほどの高速で列車を走らせる事は想定してなかったと思われるんで、文句は言えない(でも日韓併合下の朝鮮半島には、シベリア鉄道との接続を考えて、無理して標準軌を採用した。半島の方々には、その点くらいは日本統治下における日本の判断を評価していただきたいと思う。特に北朝鮮は隣国貿易でその恩恵を直接受けてるんだし。それに横転事故の確率も狭軌より少ないし)。

けど、今さら在来線の線路を全部標準軌に直すのも現実的じゃない。線路の敷き替えだけで相当なコストがかかるだけじゃなく、貨物も含めた列車の台車も全とっかえになっちゃうしね。つうことで、線路は狭軌に保ったまま、列車の側で横転対策をするのが賢明、つうことになる。

その具体的対策については次号を待てとか言ってみるテスト。

銘板
2006.12.26 火曜
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列車横転事故予防策 後編

「列車の側で横転対策をするのが賢明」とは昨日言ったものの、よくよく考えたら在来線の列車って、20年とか30年とか、直したり小改造したりしながら平気で使うよね。横転対策済みの新車を開発したって、全部行き渡るまで30年もかかるのか……。しかも、都会の電車なら酷使されるから更新も早いだろうけど、盛り土による強風地帯が多い田舎の方じゃ赤字路線が多いってことで、列車の更新はなかなかはかどらなさそう。

それでも、今ある在来線の線路を全部標準軌に敷き替えるとなると、過渡期の運用に問題が出るしなぁ。どうせ列車の台車も直さにゃいかんくなるし。まぁそんな逆境の中、列車デザインでの横転対策を発表させていただきますです(なんか景気悪いなぁ (^^;))。

  1. 重心を低くする。
  2. 屋根を低くする。
  3. 屋根上の突起物を減らす。
  4. 屋根と外壁との角を丸める。
  5. 4.で丸めた角の部分にディンプル加工を施す。

以上、根本度が高い順に並べてみた。そしたら改造度が高い順にもなった。下に行くほど小改良で済む、ということ。んではまず 1. の「重心を低くする」から。

これはもう、左右の車輪の間(トレッド)を広げられない場合の横転対策の基本でしょう。列車ってのは天井裏にいろんな装置が組み込まれてるのが多いと思うんだけど、床下や、外壁と内壁との間に、降ろせるものをできるだけ降ろす。さらに天井の材質をプラスチックに、屋根の材質をアルミ合金にする(在来線列車は大抵はコストの関係上、構造材は鋼板を使ってる)。これで、横風を受けた時も、カーブで速度超過しても、ノーマル仕様の列車より横転しにくくなる。

2. の「屋根を低くする」は、1. と関連してる部分あり。でも基本的には横風対策。昨日書いた通り、横風が列車を横転させるとき、列車上部に当たる横風が大きな役割を担う。それは、風下側のレールを支点にしたとき、列車上部の方がテコの原理が大きく働くから。ということで、列車の高さを抑えるとテコの原理の効きが鈍って、横転しにくくなる。

ただ、これを単純にやると室内の居住スペースがもろに減ってしまって、快適性が損なわれる。ところがどっこい、盛り土路線が多いローカル線の列車ってのは、なぜかホームより床が高いものが多い。これ、非常に使い心地が悪い。つうことで、屋根を下げると同時に床も下げて、新幹線みたいにホームと床の高さを同じにしていただきたい。これで快適さとバリアフリーを同時に確保できる。

んでもまぁ、床が高いのにはそれなりの理由があると思うんだけど、そこをなんとか頑張っていただきたい。1. と組み合わせるとさらに厳しい状況だけど、それでも横転事故予防のために、設計者には気を吐いていただきたい。ディーゼル列車なんか、ただでさえモーターよりかさばるエンジン & トランスミッションを搭載して、さらに燃料まで床下に積んでるせいで、床下スペースに余裕がないのは分かってるけど、それでもどうにかしていただきたい。

で、そういう列車を駅で眺めながら思うんだけど、車輪の小径化ってどんなもんでしょ。なんか台車を見てると、車輪が一番高さを食ってるように見えるんだけど。例えば車輪の半径が今より5cm小さくなれば、車輪の高さは10cm低くなる。そのぶん、車両を低くできると思うんだけど。動力部分のスペースが厳しくなるけど、そこは設計でカバーってやつです。ひとつよろしくお願いいたします(でも、あんまし車輪を小径化するとフランジのレールへの引っかかり面積も小さくなるから、せり上がり脱線の可能性が高くなってしまうかもなぁ、とか余計なことを考えてみたり)。

3. は「屋根上の突起物を減らす」。これも、その位置に空気抵抗物があるとテコの原理で横風の影響が増幅されてしまうんで、なるべく取っ払ってしまえ、と。例えば電車の集電器は、従来の、箱の骨だけみたいなパンタグラフ型じゃなく、最近の新幹線で使ってる一本足の片持ち型にしたらどうですかね。骨が少なくなる分だけ余計な空気抵抗が減るよ。使用環境がやたら厳しい東北新幹線で使ってるくらいだから、在来線に使うぶんには強度も耐久性も問題ないでしょ。

4. の「屋根と外壁との角を丸める」はねぇ、まぁ古い列車で実践してるのもあるけど、新しいやつで、なんかものすごく角張ってるのも結構あるよね。製造コストを下げつつ車内スペースを確保するための方策というのは分かるが。JR 東日本の大湊線(青森県の陸奥半島を走るやつ。始発駅は野辺地)で使われてる車両とか。

これ、盛り土地帯での斜め下からの横風を受けたとき、すごくやばい形じゃないかな。流体力学で言う「鋭い角を回る流れ」ってやつ。角を回った流れは表面から剥離して、大きな渦を伴った乱流となって下流(屋根の上)に流れる。

この、流れが剥離してしまった面の圧力は極端に低い。角を回る前の流れは列車の側面に当たってるんで圧力が高い。この圧力差で、車体を風下側に倒す力が倍増された形で発生する。しかもこの風上側の屋根の端ってのは、横転の支点である風下側の線路までの距離が長いんでテコの原理がやたら働く。やばいっての。

でもこの豆腐みたいなカクカクシェイプの列車は、室内空間を広く取れる。角をあんまり大胆に丸めてしまうと、乗客は圧迫感を覚えてしまうんだよね。それに実用問題として、網棚に置ける荷物の量も変わってくるし。

ということで折衷案的に、外壁と屋根との角の丸みを小さく抑えた形、という案が浮かんでくる。でもこれだと、弱い横風では剥離が起きないけど、いざ強い横風となると剥離が発生して、角を丸めた意味がなくなってしまう。そこで 5. の「4.で丸めた角の部分にディンプル加工を施す」。

ゴルフボール表面のディンプル加工(ブツブツした多数の小さなくぼみ)。あの目的は空気抵抗の軽減。普通に考えると、表面がツルツルの方が空気抵抗が小さいような気がする。でも実際はそうでもなかったり。

ボールが流れの中にあるとき、風下側では流れの剥離が発生して、流れをもろに受け止めてる風上側との圧力差で空気抵抗が発生する。

で、なんだか逆説的だけど、表面をある程度デコボコにして小さな乱流を作ってやるとあら不思議、その小さな乱流はかなり風下側に回ってもなかなか剥離しないで、ボールのけっこう後ろの方まで食いつくようになる。つまり流れが剥離して圧力が下がる面積が減るわけで、圧力差による空気抵抗が減る。これでゴルフボールは、使い古されてツルツルになったやつより、新品のデコボコしたやつの方がよく飛ぶってなわけ。これを列車の横風対策に応用してはどうか、と。

ちなみにこの乱流を作るためのデコボコは、流体工学では vortex generator (渦発生器) と呼ばれてる、とりわけ斬新でもないアイディア。ゴルフボールの他にも、航空機の空気抵抗の軽減対策にも使われてる。こっちはディンプルじゃなくてとんがったツノみたいなやつだけど、列車に応用するなら安全対策上、突起物は控えたいんで、ディンプルの方がいいかと。

角を丸めた曲面に渦発生器としてディンプル加工をすると、横風の剥離が発生しにくくなる。ということは、丸め具合をある程度きつめにできるってこと。それだけ室内空間を多めに取れるってこと。平面部分が増えるんで、(ディンプル加工分を除くと)製造費が安く収まるってこと。そして、横転事故に直結する「横風 + テコの原理」っつう最悪コンビの悪さを阻止・軽減できるってこと。

てなわけで、在来線列車を新規に設計するときは、なるべく低重心で、屋根と床を低くして、外壁と屋根との角を丸めて、丸めた部分にディンプル加工。この方針を盛り込んでいただきたい。それで乗客を殺さずに済むんだから、是非に検討していただきたい所存にござる。

銘板左端銘板銘板右端

けどディンプル加工、ひとつ弱点があったり。

「ディンプルの穴ぼこに雪が詰まると効き目がなくなる」。

去年の羽越線の事故のときの天候は、突風が吹いたという以外、雪が降ってたかどうかは忘れてしまった。けど12月で日本海側ということで、吹雪だった可能性は大いにあったと思う。そんなときに肝心のディンプルが雪で目詰まりを起こしてしまうと困るんですな。

透明ステッカーみたいな樹脂シート素材で、どんなに寒くても着氷させないものがあると聞いたことがある。それをディンプル部に、デコボコにもきっちり沿わせる形で貼り付ければいいんじゃないかと。その素材名が何なのか失念してしまって申し訳ないが (-_-;)

車の窓ガラスに貼る用途で売られてるらしいよ。ワイパーが拭かない部分に貼ると、そこだけ面白いように雪が落ちるそうで。あるいは、ディンプルにぴったり貼れる樹脂シートってちょっと想像しにくいものがあるんで、着氷しない塗料やコーティング剤なんてのがあったらそっちの方が良さげ。

銘板
2006.12.27 水曜
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過激派は案外小心者

動物愛護者の愛護対象ってどのあたりまでなんだろ。日本じゃ彼らは一般人とうまくやっていこうという意識が強いのか、あまり過激な行動は取らないみたいだけど、10年以上前だけど、アメリカのフィラディフィアってところの市街地を歩いてたら、毛皮専門店(たぶん個人経営)の前でプラカード振り回して激しくシュプレヒコールしてる動物愛護活動家の一団を目撃したよ。

弱い者いじめしてるようにしか見えなくて。毛皮産業で一番弱い末端の人間を吊るし上げる前に、その毛皮屋さんに、収入面とやりがいで現職に劣らない別な職を根気よく紹介してやった方が、よっぽど紳士的かつ建設的だと今でも思う。

欧米系の動物愛護の偏執ぶりには日本もクジラで、韓国も食用犬(そこらの犬を捕まえて殺してるわけじゃなく、ちゃんと畜産業として成り立ってるらしい)で言いがかり付けられてるわけだけど、なんかこう、ほんと偏ってる気がしてしょうがないんだよなぁ。

動物愛護の対象って、とりあえず昆虫や微生物、プランクトンの類いは外れてるんだろうなぁ。そこまで入れちゃうと、醸造業なんて、1回仕込む毎に何億兆匹という生き物を利用するだけ利用しといて最後にまとめて全部ぶっ殺すという、最悪の職業ってことになるもんな。酒や味噌醤油どころか、パンさえ食えなくなっちゃうよ。

あと食品製造現場では、侵入してきた昆虫を容赦なくぶっ殺してたりする。まだ侵入してない無実の昆虫を、工場の外で殺しまくったりもしてる。

となると愛護対象は魚類・鳥類・哺乳類・爬虫類ってことになるかな。で、この中でも哺乳類が一番愛護の中心に近い気がするんだわ。でもさ、ミッキーマウスとハムスター以外のネズミって、西洋でもほとんどゴキブリ同然の扱いを受けてるよね。哺乳類なのに。フツーに殺鼠剤が流通してるし。そういやリスもげっ歯類だからネズミの仲間なのに、みんなに可愛がられてるよなぁ。一体何なんだこの差別は。

動物愛護の精神を掲げる人々は、普通のネズミ色のネズミもきちんと愛しているのか。これが第1の疑問。

そして2つ目の疑問。彼らは肉屋の食肉や魚屋の魚、それにファーストフードの動物性原料をどう思っているのか。

毛皮屋さんよりドナルドピエロやカーネルサンダースの方がよっぽどたくさん動物を殺してるだろ。フィラデルフィアにはマクドナルド以外にもハンバーガー屋が多かったけど、ついに一度も、そういうところに動物愛護団体が殺到して抗議する姿を見なかった。スーパーの食肉・鮮魚コーナーにも彼らはいなかった。やっぱ基本は弱い者いじめなんですかね。

疑問3つ目。彼らは野球をどう思ってるのか。

野球のグローブやミットや硬球って、もろに革製品なんだが。動物を殺して剥いだ皮を、大リーグの全てのスタープレイヤーたちが、手にはめたり力一杯ぶん投げたり、木の棒でぶっ叩いたりしてるんだが。んで、大リーグの試合中に動物愛護団体がプラカード掲げて乱入なんて、聞いたことないんだが。その一方でスペインの闘牛には乱入してたりするからなぁ。ここでも弱い者いじめ、ていうか営業妨害の賠償金を考えて弱い方に流れましたみたいな計算が読み取れてしまうんだが。

動物愛護者は野球好きであってはいけないのだよね。原理的には、毛皮屋を襲撃するなら、スーパーや野球場にも襲撃かけなきゃいかんのだよね。ご都合主義な気がするが。

ああいう人たちは声が大きいから「たまにはちゃんと聞いてやらないとな」とか思ってしまいがちだけど、中身は実際そんなもんなんじゃないかな。

銘板左端銘板銘板右端

もっと古い情報だけど、落合信彦によれば、カネをかけた派手な活動で世界的に超有名なのに、資金源が一切不明という謎の自然保護団体「緑平和」。あそこの幹部、キャデラック乗り回してるらしいよ。

銘板
2006.12.28 木曜
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少年マンガ vs レディコミ

最近はそうねぇ、読んでるマンガと言えば、マンキツで『ドラゴンボール』だな。あと2巻で読破。魔人ブウが純粋に邪悪になったとこあたりまで。

やっぱさ、地球人として外せないのが『スター・ウォーズ』シリーズだとしたら、日本人として外せないのが『ドラゴンボール』でしょ。ここしっかり押さえとかないと、もし外国行くとき恥ずかしい思いをするかもしらんからね。

昼間はそうねぇ、昼飯をいつも食いにいく喫茶店のマンガをほとんど読破しちゃったから、ここ数日レディコミ読んでるよ。ミステリーもの。なんだかやっぱしイマイチ乗り切れんのなミステリーは。んでもハードな性描写のやつとかだと周りが気になって困っちゃうしなw

つかレディコミ自体、普通のマンガよりちょびっと質が低くない? いや、男性向けエロ本のマンガよりずっとよく出来てるけど、なんかこう、何かしらが物足りないというか、展開や雰囲気が淡白すぎるというか。まぁそこらへんに価値を見いだせる人のためのものなんでしょうなぁ。

いや、女性向けを男が読んだるからだろ。

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2006.12.29 金曜
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張り合い上戸

周りに、何かと対抗意識を燃やす人っているんだけど(複数)、何の気なしの言動に対していきなりそうされると正直ウザいんすけど。

誰でもそういう面があるのかもしんないけど、やっぱその傾向が強い人ってのがいたりするんだわ。そういや酒の席でよくそんな展開になるなぁ。「張り合い上戸」ってあるんか? っつってもこっちは飲んでても張り合う気が全くないから、話がそこで途切れちゃうのよね。座が白けちゃうのよね。責任を感じちゃうのよね。こっちのせいじゃないのにさ。

ああでも、おいらも前にはそうだったんじゃないかって気がしてきた。

『この人とだけは張り合っちゃだめだ。際限ないから先に負けちゃったほうがいい』と心に強く思って自制した記憶がある。そうなんだよ、相手が妙に挑発的だったんだよ。誘ってたんだよ。

つうことは、おいらも知らず知らずに挑発的だったりするんかい。誘ったりしてるんかい。そうゆー意識はないんだが、そうなっちまってるのかもしらんなぁ。そして相変わらず特定の人間(複数)だけがそのお誘いビームに乗るってことですかな。気を付けんといかんなぁ。と気を付ける今日この頃。

……、

……、

……。

ということで、最近すっかり飲み方がおとなしくなった(はずの)ゆんずどした。

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2006.12.30 土曜
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さらに大黒柱エンジン強化

いんや〜すっかり空回りしちまいやした。数字で裏を取るのが大事だと分かっていても、思わずやらかしちまいますなぁ思い込みで。

2006.12.15, 2006.12.19 でさんざん書いた「H-IIA ロケットの第1段エンジン LE-7A の性能を前身の LE-7 並に戻してくれ〜」っての、数字を調べたらもうほとんどそうなってました。

エンジン真空中推力比推力
LE-71,079kN445.6秒
LE-7A1,098kN440秒

LE-7 と比べると、LE-7A の長ノズル版で推力は完全に追い越して(プラス1.76%)、比推力(燃費の良さを示す数値)もマイナス1.3%弱のところまで盛り返してました(参照: LE-7 [Wikipedia], LE-7A [Wikipedia])。つうことで、単純に考えるとほぼこのまんまの状態で、標準型の H-IIA 202型の打ち上げ性能は、第1段の推進剤タンクが大きい分だけ、先代の H-II を超えてしまってるってことになりますな(実際、静止軌道への打ち上げ能力が H-II で2.2トンだったのが H-IIA で2.5トンになってる)。

でもやっぱし最新型のロケットなんだもん、多少打ち上げ性能が上がったけどそれ以上に前のより重くてでかい(=効率が落ちてる)ってのは、やっぱしどうも納得が行かん(コストは半減したけど)。打ち上げ性能を H-II 並に抑えたとしても、やっぱり H-IIA より幾分大きくて重い、ということになる。そんなわけでおいらとしては依然として、第1段エンジンの性能アップを所望する所存にござる。各配管の圧力損失を下げて燃焼室圧力を上げ、推力・比推力ともに LE-7 を凌駕するようになると、打ち上げ性能を H-II 並に抑えた場合、かなりの小型軽量化が実現する。これは高価な推進剤(特に固体燃料が高い)の搭載量を減らせることを意味する。それこそ三菱重工業が目指すコストダウンにつながるってわけ。

配管設計の最適化で圧力損失を最低限にする努力は LE-7A の設計段階で相当やり込んでるはずだけど、実際に11回ものフライトをこなして使用現場からのデータの蓄積が進んだ今、さらなる最適化ができるんじゃないかと思うんだが。液体酸素・液体水素各ターボポンプより下流の配管で最適化をやったら、強度的に一番のボトルネックなターボポンプへの負荷はそのままに、主燃焼室・副燃焼室の燃焼圧を幾分か上げられるはず。液体酸素と液体水素との役割の交代なんて大改造なしに性能アップを狙えるぞ。

ていうかこれ常識的な考え方なんで、おいらなんかに言われんでもとっくに検討くらいはやってるような気がする。実際にやってないってことは、現状でもうかなり最適化されてて、あらためていじるには費用対効果が薄いってあたりなのかな。

銘板
2006.12.31 日曜
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来年の実用新技術はドイツから

なんか端から見るとちょっと無謀な技術に挑もうとしてる勇敢な自動車メーカーがある。それはドイツの BMW。クルマの名前は「ハイドロジェン7」だそうで。この液体水素とガソリンの両方の燃料で走れる、「ある意味ハイブリッド車」を、欧米で来年の3月、日本で同年夏に売り出す予定らしい。

ネタ元は朝日新聞 2006.11.14 付の記事。液体水素とガソリンのタンクを別々に持ってて、水素で200km、ガソリンで 500km 走れるんだそうで。すごいのは、全く素性が違う燃料だってのに同一のエンジンを使うってとこ。しかも走行中にボタンひとつで燃料を切り換えられるんだと。なんか神業に思えるんですが。

走行中に燃料を切り換えるってのはマジすごい。いったん停車してエンジンを切ってボタンで燃料モードを切り換えて……というのなら想像がつくんだが。

でも燃料に液体水素ってのは、ちょっと飛躍しすぎな気がする。だからこそガソリン併用なんだろうけど、それにしても液体水素なんて超扱いにくい燃料を、よく一般ユーザ用途に使おうなんて思い切ったよなぁ BMW 御中は。記事の写真じゃ液体水素をクルマに注入する様子を、おっさんが笑顔で実演して見せてたけど、なんかそのホースすんごくぶっとくてさ。素手で掴んでたから、きっと分厚い断熱材でくるんであるんだろうなぁ(液体水素の沸点はマイナス253度)。

ほんとにこの液体水素車、メーカーが言うほど環境にいいんだろうか。水素を液体に保つために、高性能な冷却装置が積んであるのよね。これって停車してる間も、タンク内に液体水素が存在する限り常に作動してなきゃなんないわけで、それで相当エネルギーを食うと思うんだ。そうしないと水素はどんどん気化して、分子量が宇宙最小なもんだからどんなに小さなすき間からもバシバシ漏れ出ちゃう。

密閉しても冷却なしだとタンク内圧が上がって危険だから、調圧弁で水素を外に逃がさなきゃいけない。みすみす燃料を捨てなきゃなんないわけ。てなわけで、燃料の量を保つために燃料を消費してダイナモを回しっぱなしという、本末転倒なことが起こり得ると思うんだが。

となると、燃料タンクに液体水素を残したままクルマを一晩家に置いとくなんてのは無駄の極致ですな。普段から液体水素タンクは空っぽにしてガソリンだけで走っていて、遠乗りするときだけその直前に液体水素を詰め込んで、休むことなく一気に 200km 走って液体水素を使い切るのが最も環境にいいという、かなり限定された使い方しかできない気がする。つうことで、普段はガソリンだけで走る普通のクルマなんだけど、液体水素タンクと高性能冷却装置を無駄に積んでるぶん燃費が悪くなりますわな。

新技術に挑戦する意気込みは素晴らしいと思うけどさ、この技術が未来につながるのかもしんないけどさ、とりあえず来年出るハイドロジェン7の状況のままじゃ、環境負荷軽減には全く貢献しないと思うぞ。

BMW 御中におかれましては、BMW 信者や新し物好きや論理に基づかない環境保護主義者の皆さん相手に、せいぜいいい商売してくださいな。こいつが商業的に成功しないことには、次以降のまともに環境対策になってるモデルを作れないだろうから。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

てなわけで、今年の日記はこれでおしまい。皆さん、今年もこの日記に付き合ってくれてありがとう。来年からおいらの生活環境が激変するんで、もしかしたらこの日記も毎日は続けられなくなるかもしんないけど、とりあえずそれまでは、来年もよろしくお願いいたしますぅ m(__)m

それでは皆さん、良いお年を!! (^▽^)/

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