ひとりごちるゆんず 2018年9月
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2018.9.1 土曜
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御大

「御大」の読み方って「おんたい」だったんだな。

脳内で「ごだい」「ぎょだい」「おんだい」とか候補に挙げつつ自信ないんで確定しないっつう状態を、かれこれ20年ほど続けてきたろうか。もっとか。

読み方がわかってスッキリといえばスッキリだけど、不確定時代があまりにも長くて、正しい読みに違和感がどうも。

てなことで、どうにも素直には「おんたい」とは読めない自分がいる……。

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2018.9.2 日曜
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酢味噌なんとか

そういや子供の頃に「スミソアニン博物館」と覚えてしまって、いや本当は「スミソニアン博物館」らしいんだわ。

って今こう書いてる状態でもうどっちだかわかんなくなっちまってる自分がいる……。

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2018.9.3 月曜
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PAAP

米国ゼロックスのパロアルト研究所。

Mac の歴史で欠かせない場所。この中にあった試作型コンピュータが世界で初めて GUI を実現したそうな。若き2人のスティーブ、ジョブスとウォズニアックが見学させてもらって、その見栄えと操作感覚をその場で必死に記憶して、つまりアイデアを盗んで、自らのアップルコンピュータに実装して発売した、という伝説にまつわる地。

ずーっと前の職場でさ、富士ゼロックスの代理店のセールスさんがよく出入りしてたんだわ。んでその職場じゃ Mac を使ってるってことで、そこらへんのうろ覚えの話を出してきてさ。うちの職場と仲良くなって注文をいただこうってやつで。

セールスさん「アロパルト研究所」で覚えてたわwww

何かと出してくるんですよアロパルト。「うちゼロックス扱ってますから。いやーアロパルトのことはバッチシ習わされましたよ」「Mac といえば GUI ですよ。その GUI はアロパルト研究所で」「そこはアロパルトですよ」……。

おいらが訂正してあげなかったのは、野暮だからでも遠慮したからでも、めんどかったからでもなく。

聞いてるうちにどっちがどっちだか、おいらもわけわからんくなったからwwww

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2018.9.4 火曜
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いいとこ取りしたらどうですか 1

日本スポーツ界のパワハラ騒動、ジャンルを問わずに発火・炎上しまくっとりますな。

そりゃまぁ世の中がそういう流れだからってのもあるけど、けどなーそれにしてもなーって感じもしたり。

いやさ、「パワハラは悪」っつう合意で今の世の中は回るようになってるわけだけどさ、じゃあパワハラする人、してる人、した人は悪そのものなのか、その人は悪でしかないのか、追放したり業界的に抹殺すればいいのかっつうと、そんな単純でもないだろと。

悪いところと同時に功績や見どころもある人の、良い部分も一緒くたに捨ててしまうのはもったいないと思うが。いいとこ取りの発想はないのかと。

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2018.9.5 水曜
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いいとこ取りしたらどうですか 2

そういう人や予備軍の人の、ハラスメントにつながる部分は教育や実習で矯正すればいい話じゃないのかと。

マスコミも商売なもんで、魔女狩り体質なとこあるわな。人間関係のトラブルがあれば、売れる話に編集し直して売るわけで。売れる話ってのは客にウケる話なわけで、つまり醜聞ですな。んで「誰が悪いのか」の話に持って行って、「一番悪い人」を叩くと商売になるわけで。

トラブルシューティングや品質管理での原因究明・再発防止と相性が悪い考え方が「責任追及」でして。「あいつのせい」「お前のせい」「自分のせい」っつう感じで、特定の人間の性格だとか至らなさだとかに原因を求めると、本来の原因究明(構造や仕組みに原因を求める)が進まなくなってしまう。

「原因究明・再発防止」ってくらいだから、解決や改善が目的なわけで。特定の人のせいにしてその人を叩いて追い出せば解決・改善になるのかっつうと、そうでもない。後釜さんがマシな人とは限らんし、もし環境に原因があるのなら、後釜さんもまた同じ色に染まって元の木阿弥なわけで。

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2018.9.6 木曜
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今夏の災害

昨日の関西での台風禍に続いて、今日は北海道で震災ですか。亡くなられた方々へ冥福を、被害に遭われている方々へお見舞いを申し上げます。

今夏は西日本・大阪近辺に辛い天災が多ですな。大阪北部地震に大雨被害に台風。落ち着く暇もないんじゃないかって感じで。今の台風災害じゃ関空の被災が大きな話題になってるわな。報道の関係上、話題が関空に集中してしまうのはしょうがないけどさ、このことで隠れてしまってる被害も相当なんじゃないかと。

おいらの地元は関西から遠いんで、土地勘が全然ないくせにあーだこーだ書くと野次馬にしかならないんで、このくらいで失礼させていただきますです。

そして北海道の震災ですよ。

八戸も揺れたですよ。震度3と発表があったけど、震度4に近いくらいの揺れで。P 波・S 波での揺れ方で、若干遠いところで大きめな地震があったなーって感じはしてた。また三陸沖かなーとか思いつつ。

したら北海道で震度6強ってんだもんなー。そしたら後で訂正で震度7とか。一番揺れがひどかった地点の震度計、停電でデータを出せなかったんだね。

全域停電で完全復旧まで1週間かかりそうとか。場所ごとに復旧が進んでいくんだろうけど、不安な日々を過ごさなきゃいけないのはつらいだろうな。東日本大震災でうちの地元は広域停電が2回あったけど、どっちも2日以内に復旧したよ。それでもやっぱし不安でな。

北海道電力が謝罪してるけど、主力の火力発電所のすぐ近くが震源なんだもん、想定を超えた事態でもうどうしようもない感じかと。この点は人災寄りに持って行ったり責任追及したりはあまり意味がないんじゃないかと。それよりも早い復旧をサポートする方向がいいんではないかと。

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2018.9.7 金曜
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大震災の影響なのかどうか

東日本大震災以降、日本じゃ大地震がけっこう頻発するようになった気がする。熊本・大阪北部・今回の北海道。同じく北海道で、函館でも少し前に大きな地震があったよな。おお、内浦湾地震 だ。函館で震度6弱。

いったん大きな地震があると、周辺の地殻の圧力分布やらひずみ量やらが変わってきそうなわけで。その影響で、大地震の震源の周辺でまた大地震が連鎖するんじゃないかって気がする。とりあえず東日本大震災の場合、最初の震源がまだ揺れてる間に近辺2カ所でひずみ解放が連鎖してしまってな。合計3つの大地震を一度に経験したことになってしまってな。揺れてる時間、異常に長かったもんなぁ。

そういやあのとき職場で仕事中でさ、でっかい揺れが来たとき悲鳴が上がったりしてさ、皆を落ち着かせようと、「地震ってのは30秒か40秒で収まるもんですよー」と大声で言おうかと思ったんだわ。けどうろ覚えの知識なんで、万が一ハズれたらなおさらパニックになると思って黙ってたんだわ。P 波がいきなり震度4(@八戸)っつう常識外れの地震だったし。したら3分も持続しやがった。知ったかしないでほんとよかった(汗)

んで、東日本大震災以降に大地震が頻発の傾向は本当かどうか。もしかして最近のは記憶に新しいんで、そう感じるっつうだけなのか。

「最近の大きな地震」でググったら、最近の日本の主な地震のまとめ 様に出てた。今の北海道の地震も書いてある。

結果から言うと、半分だけ当たりというか。

東日本大震災に限らず、大きめの地震があると連鎖する感じ。けどそんなにはっきりもしてない感じ。なぜか兵庫県の地震で一区切りで、そこから何年が静かだったりする。たぶん偶然。で、2011年の東日本大震災の後は 三陸沖地震_(2012年12月) があって、淡路島地震 があって、そこから3年間は平穏だったりする。その次が 2016年の熊本地震。表に出てないけど同じ年、上に書いた内浦湾地震が起きてる。

んで2年空けて、今年の大阪北部と北海道。

やっぱしはっきりしない。

つか四国と東海と関東。もともと大地震が来る来るな場所。

ここ何十年も至近弾を受けてないっつう、これはこれでヤバげな兆候なような結果。

なんていうか最近は「裏をかかれる」「想定を上回られる」的な場合が多いような。

地震のこと、人類はまだまだわかってないことばかりなんだな。

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2018.9.8 土曜
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夢のガセネタ 1

2014年2月27日のログ で「酸水素ガス」というものを出してみた。「OHMASA ガス」という商品として出回ってもいるらしい、というのがそのときの話題。

その関連で、ちょいと香ばしい歴史というかを見つけてさ。

1970アメリカでかつて、水を燃料にして走る自動車を作った発明家、スタンリー・マイヤー(またはメイヤー)という方がいらしたそうで。水1リットルあたり 100km 超の超絶低燃費だったとか。だもんで原理を調べたら、水を電気分解して酸水素ガスを発生させて、それで燃料電池を駆動して走らせたというだけの話でして。

んでこのマイヤー氏、何者かに毒を盛られて死去したらしくて。んでまぁ犯人は石油メジャー企業だろうとか。

しかしそれって確かに水が燃料なんだけどさ、本当の燃料は酸水素ガスなわけでさ。正確には、水は燃料の原料なわけでさ。

じゃあ水から酸水素ガスを生成するエネルギーはどこから持ってきてるんだと。もしかしてそこを考えてない、あるいは伏せてる発明なんじゃないかと。

水を電気分解すれば酸水素ガスが得られるけど、「電気分解に投入したエネルギー>酸水素ガスが持つ化学エネルギー>燃料電池で取り出せる電気エネルギー」なわけで。それぞれの変換工程で熱が発生するぶんエネルギー損失があるんだからさ。最上流の電気分解に使われたエネルギー源が何なのか。それと、電気分解に投入したエネルギー量と、実験車両で使われたエネルギー量との比率を明らかにしてくんないとなーという感じ。

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2018.9.9 日曜
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夢のガセネタ 2

問題は、いまだにこんなヨタ話を間に受けてる人たちがいらっしゃるってことでして。「スタンリー・マイヤー」で検索すると、その方面のロマンチストさんたちがいろいろと情報を出しとりますですよ。

毒殺されたとされるマイヤー氏の側も、毒殺したとされる側も、素人ゆえに無駄なことしたんじゃないかなーって気がするが。

黙って様子を見てりゃ、原理的におかしいことがいずれ明らかになるに決まってんじゃん。ほっときゃ勝手に自滅したはずの発明だったんだから、わざわざ暗殺するほどのことじゃなかったのに。

そういやバブルのあたり、日本でも世の中が色めき立った「夢の発明」ってのがあったな。「エネルギー問題がこれで解決」とか。

永久磁石を特定の角度で筒に並べたもの2本で1対。これが互いの反発力でくるくる回り、そこから無限にエネルギーを取り出せるとかいうやつ。テレビのニュースなんかでも紹介された。科学系雑誌でも特集を組んでた。いずれクルマや船に搭載されて……とか、巨大な発電所なんて要らなくなって……、なんてイラスト付きで未来予想をしてた。

結局は、システムの始動にだけはエネルギーが必要で、それで始動すると、まー磁力によるものかどうか知らんけど、たぶんただの慣性力だけで、1対の筒がしばらく回り続けるっつうだけのものだったらしい。たぶん軸受けに精度のいいベアリングを入れてたんだろ。

なんてエラソーに過去のガセニュースを語るおいらだけど、当時はまんまと騙されたww

夢のエネルギーがとうとう……とか希望を見出してたwwww

銘板
2018.9.10 月曜
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歓喜の再来 1

大坂なおみさん、おめでとうございます。日本人初の グランドスラム シングルス優勝とか(おいらスポーツよくわからないっすごめんなさい)

なんか日本が大災害で辛いとき、女子スポーツ選手が大金星を挙げて精神的に支えてくれるなぁ。ありがたいことです。

東日本大震災の時分はサッカーがそうだった。

今回は時期がたまたま重なった感じではあるけど、たとえ今回でなくともきっと近々栄冠を勝ち取る運命だったんだろうけど、明るいニュースを作ってくれたのが嬉しいですなぁ。

銘板
2018.9.11 火曜
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歓喜の再来 2

荒れた試合模様だったそうだけど、なんかちょっとアメリカのスポーツへの感覚ってどうなのよっつうのが。

セリーナが大坂との全米OP決勝で激怒した審判の罰則判断に批判の声! - THE PAGE

記事中での、ニューズデイ紙からの転載だけどさ、

「ウィリアムズに1ゲームのペナルティをグランドスラム決勝の第2セットで科すことは、NBAファイナルの第7戦の残り10秒でマイケル・ジョーダンにトラベリングの反則の笛を吹くようなものだ」

「審判は、そうする権利を持っているかもしれないが、本当に、そのようにして優勝を決めさせたいだろうか。このペナルティは本当にテニスで最も偉大な選手が受けるに値するものだろうか。これが本当に素晴らしいトーナメントを送っていた大坂が受けるに値するものだろうか。私はそうは思わない」

アメリカじゃ審判はスター選手を贔屓するもんなのかい?

バスケの試合の土壇場で、スター選手がトラベリングしたら審判は見逃すべきなのかい?

偉大な選手ならペナルティを免れられるもんなのかい?

転載だし、ニューズデイ紙のソースも確認できんかったしさ(公式サイトで記事検索したけど見つけられんかった)。てことでけっこう信頼性が薄いネタをサカナにしちまってアレだけど。その内容だと「私は」と書いてあるんで、コラム記事っぽいな。記者さんなのか外部のコメンテーターさんなのかはわからんけど、とりあえず THE PAGE の総意ってわけではない形だね。

しかし、バランスを取ってるつもりかとは思うが、

「これが本当に素晴らしいトーナメントを送っていた大坂が受けるに値するものだろうか」

ってそれは余計なお世話じゃないですかね。

んじゃこっちも余計かもしれんがバランスを取ることにして。

荒れた試合、観客のブーイングとかなんとかいろいろ言われてるけど、試合会場はセリーナ・ウィリアムズの優勝を見たい人たちで満杯だったそうだけど、試合結果そのものにはマスコミ含めて誰一人として物言いつけてないっぽいね。そこは素直に受け入れてるっぽいね。

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2018.9.12 水曜
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うぉん津ー

なんだって!? 津市って三重県だったのか!

なんとなく日本海側だと思ってた。津の皆様ほんとごめんなさい。

てことでレ・ロマネスクが津くったこの曲をどーぞ。

フルコーラスはコチラ↓

めっさ覚えやすい曲だな。津うか地方の普通の風景にレ・ロマネスクのお二人って、イイ感じだよなー。案外どこの景色でも、浮き具合がよくハマるような気がする。

どう考えてもふざけて作った歌謡曲なのに、ガチの演歌歌手が持ち歌にしてるってのがなんかこう、いいのか?wwwwwww

銘板
2018.9.13 木曜
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接ぎ木ロケットのフツー 津ぎ木ロケットのフ津ー

今イプシロンと呼ばれてるロケットの生い立ちはいささかアレだった。けどおいら、そこらへん少し誤解してた気もしてきて。

かつて日本の宇宙機関は3つあった。宇宙開発事業団(NASDA)、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)。この3つが2003年10月に統合されたのが宇宙航空研究開発機構(JAXA)

統合した途端、一番規模が大きくて主導権を握った旧 NASDA 系が JAXA の内部機関になった ISAS に仕掛けたのが、M-V ロケットの廃止。それまで NASDA と ISAS はそれぞれ独自にロケット開発をしてきたんだけど、後発だった NASDA の中の人たちの中には、ISAS ロケットを潰したくてたまらん人たちもいたらしく。そして NASDA の中ではそのとき GX という中型ロケットを開発中で。

GX の開発当初の目標スペック(低軌道打ち上げ能力4.4トン)は、NASDA 系の大型ロケット H-II(同10トン)と ISAS 系の小型の M-V(同1.8トン)とのちょうど間あたりだった。ところが GX の開発は難航。徐々にスペックダウンしてきて、低軌道3トンと、M-V と性能がかぶりそうになってきた。

M-V がまたマイナーチェンジで性能を2.2〜2.3トンあたりまで上げてきてしまって。しかもこれ標準の3段仕様で、はやぶさ 打ち上げのために開発したキックモーター KM-V2 を4段目にするとさらに上がる状況で。倍くらいになるんじゃないかと。倍だと4.4〜4.6トン。完全に GX とかぶってしまうというか、超えてしまう。ていうか GX の当初目標に一致してしまう。

てことがあったのか、JAXA というか旧 NASDA 系は M-V を強引に潰してしまった。GX を守るためって感じ。GX はその後、開発中止になってしまうけど。

その代わりに JAXA が ISAS に与えたのが、次期固体燃料ロケットの開発。H-IIA の固体燃料ブースターを1段目に、M-V の3段目の M-34 モーターを2段目にした2段式ロケットとして。この低軌道打ち上げ能力がたったの 500kg。当時の JAXA 理事長はそこに需要があることを強弁してたけど、どう見ても足りない。

結局 ISAS 側の主張を呑んで、3段目に KM-V2 を足すことで低軌道打ち上げ能力1.2トンのロケットとして開発を始めることになった。それが後のイプシロンロケット。2号機で既に強化改造されて、能力1.6トンにまでなった。あともうちょっとの強化で、M-V 前期型と同じ性能に追いつく。

で、最初の次期固体燃料ロケットの構想って、松浦晋也氏の言う「接ぎ木ロケット」なわけで。彼がその構造から真っ先に思い出したのが、旧 NASDA が開発した失敗ロケット J-I。1段目は H-II ロケットの固体燃料ブースター、2, 3段目は M-V の先代の M-3SII の2, 3段目。

高価な割にあまり性能を稼げなくて、1回打っただけで会計監査院にツッコまれて姿を消してしまった。

ポシャった時点で J-I は2号機の準備をしてたんだけど、ちょうど大型ロケットの方が H-II から H-IIA に切り替わったあたりで、2号機の1段目(H-IIA の固体ブースターの流用)はより太短くなってて、J-I 2号機は見るからにバランスが悪い、おかしな格好になってた。

で、M-V 廃止と次期固体の仕様から、次期固体の構想を出してきた人たちって GX の開発を守るのもあったろうけど、むしろ J-I でホゾを噛んだ人たちの怨念もあったんじゃないかって気もしてた。意地でも J-I のコンセプトを復活させてやるぞというか。

それがどうも、もう少し違う何かがあるんじゃないかって気もしてきて。接ぎ木ロケットへの執着がなんだか異常に思えてたけど、旧 NASDA 系の人たちにとっては、案外それがフツーの感覚だったんじゃないかと。

GX の構造が既に接ぎ木。独自開発なのは2段目のみで、1段目はアメリカのアトラスロケットの1段目を使う2段式ってことになってた。

1段目はアメリカ製の既存品。2段目は日本製の新規開発品。

NASDA ロケットというと H-II 以降の大型路線の印象が強いけど、それ以前に手がけてきた N-I, N-II, H-I ロケットは、共通して1段目にアメリカ製のデルタロケットを使ってた。

となると、旧 NASDA 系は次期固体ロケットを考えるにあたって、別に意地張って接ぎ木仕様を押し通したわけじゃなく、それが彼らにとって最も自然な感覚だったんじゃないか、てな気もしてきてさ。

ロケットの1段目って最初に切り離されるパーツなもんだから、性能アップに血道を上げても、全体の効率化への貢献度が低いわけで。そして最大のパーツなもんだから、とにかくお金がかかるわけで。だったら1段目は性能の確保にお金をかけるのはほどほどにして、むしろコストダウンに力を入れたほうがいいわけで。

となると、別なロケットから流用すれば話が早いわけで。

接ぎ木ロケットってその設計思想なんだわな。それはそれで合理的ではあるけど、供給元の都合で振り回されるってのはあるな。J-I はそれで1号機と2号機で似ても似つかぬロケットになったし、GX が開発中止に追い込まれたのは1段目が生産終了したせいだし。

けど旧 NASDA 系にとっては、そのリスクもまたフツーのことだったんじゃないかと。

銘板
2018.9.14 金曜
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土地から流れ出ていくお金

4年ちょい前、京都観光したんですよ。そのことを不意に思い出してしまって。

主に観光だったけど、街をプラカラ歩いて気づいたのは、個人商店とか零細企業商店が多いってこと。んなもん八戸じゃとっくに死に絶えてるよ、てなお店が、フツーに商売を営んでた。

京都市の人口は147万人だそうで。我が八戸市の23万人の6.4倍。しかも任天堂とか菱六もやしとかの、産業の鍵になる企業があったりもする。世界的な観光都市でもあるんで、金回りもいいんだろうなぁ。

てのもあるけど、そういう個人商店が今も成り立ってられるのは、人口規模の大きさなんじゃないかと。その店のニーズが、八戸よりも6.3倍もある。てことで黒字を維持できてきる店がまだまだ多いんだろうと。

これが東京の人口となるとまた、都内で1000万人、首都圏内で3000万人とかだからな。土地代の高さは黒字ラインの下げ要素だけど、人口の多さは利用客の多さってことで、都会ってのは零細企業が生き残りやすさなんだろうなってことで。

東京とかの大都市の商業っつうと、大企業のイメージが強いような。けどむしろ中小・零細企業が生き延びやすい環境なんだだなーと。

大企業・巨大企業も中小・零細企業が併存してられるってのが新鮮で。つか不思議で。

んでわかったのは、大企業・巨大企業はその都市ででかい商売してる一方、全国を相手にもしてるわけで。んでこれが地方の中小・零細企業の仕事を奪っては赤字に落としてるんだなーとわかってきた。

自由競争社会なんでそこに不満を持っちゃいけないんだけど、構造として、そうだったのかーと。

フランチャイズ料とか仕入れ代とか技術料とかで、地方が持ってるお金は中央にどんどん吸い上げられていく。そういう構造だったのか。

ってさ、八戸周辺に限っても同じような構造でな。

八戸の周辺町村って人口も人口密度も八戸市よりずっと低いんで、八戸と同じくらいの業種がその町村内に全部揃うはずがないわけで。てことで、何かと八戸に店を構える業者を使うことになる。それやるごとに、その町村は八戸にお金を吸い上げられるわけで。けど八戸に店を構える業者も、稼ぎの多くを東京に持って行かれてるって有様で。

はたらけどはたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざりぢっと手を見る 石川啄木

地方がいつまでもうだつが上がらないのは、そういう経済構造だからってことですなぁ。

てことは、どうせ東京とかに持って行かれるお金なんなら、最終的に持って行かれる前に少しでも長く域内を回すっつうことですな。工業生産なんなら、サプライチェーンの充実ですな。

けどそれやっても、あんまし決定打になんないような気もする。最終的によそにお金が流れていくっつう構造自体をどうにかできんのかと。

「地場産品優先で買ってください」ってのは、八戸じゃ「BUY はちのへ」っつう運動やってるしな。どこでもやってると思うけど、目覚ましい成果は上がってない感じで。農産品ならまだしも、スマホやクルマを「地場産品で」ってどだい無理だしな。

地方都市が全国や世界を相手にブレイクするには、何が必要なんだろう。

銘板
2018.9.15 土曜
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エイリアン VS ターミネーター 1

映画『ターミネーター』(1984)のオープニングの音楽がどうだったか覚えてない。けど『ターミネーター2』(1991)だとかの有名な「だだんだんだだん」だったですな。

いやあの、『七人の侍』(1954)のオープニングの「でーんでんでんでーんでんでん」と似てるなーと今しがた気づいたっつうだけの話。

イモヅルで。T2 は罪作りだったなーってのがあって。その次の年公開の『エイリアン3』が偶然から、ちょっととんでもない被害を受けてしまったっつうのが。

オチが同じだったww

E3 のパンフだと(記憶でスマンす)、ロンドンで E3 を撮影中だったところで T2 が公開されて、関係者全員がショックを受けてミーティング。「この展開以外はない」を確認した上で、撮影済みだったその場面を練り直したとか。

てことで E3 は公開後、前年の超メガヒットだった T2 をパクった感じが出てしまって、世の中的にかなりネタにされた。けど後々、作品としては駄作扱いにはならなくて、監督デビッド・フィンチャーのデビュー作として堂々としたイメージを持たれてたりする。1作目、2作目と、監督の個性全開が売りなエイリアンシリーズ、3作目もその評判を見事に守った形。むしろフィンチャー監督のその後の作品群との比較で、「デビュー作から既にその才能が開花していた」てな感じかと。

って E2 の監督はジェームズ・キャメロンだよな。E3 はキャメロンはたぶんノータッチだったと思うけど、キャメロンが監督した T2 とオチがかぶったってのがなんかな。すごい偶然だったわな。

E3 って1作目への原点回帰と言われてるけど、基本設定が、っつう話で、E3 独特の雰囲気・要素がかなりあったと思う。てことで1作目の焼き直しにはならなくて、独自の個性をちゃんと持った作品になったかと。

全体的に黄色っぽいとか。E1 は黒っぽかった(リドリー・スコットの色)。E2 は青っぽかった(ジェームズ・キャメロンの色)。フィンチャー監督のその後の『セブン』『ファイト・クラブ』なんて観るに、やっぱし黄色使いの監督なんだなーと。

宗教っぽい演出とか。犬を宿主にしたエイリアンが人知れず誕生するところとか。問題のオチの場面とか。

オチの展開は T2 と同じではあったけど、落ちていく最中にリプリーの体から生まれるエイリアンと、それを抱きしめるリプリー。「再発生した敵を逃さないため」「母性本能」「道連れ心中」。複数の解釈ができると思うけど、1場面でまとめて表現しきったってのが印象深くて。「最後に敵を抱きしめる」という展開もまた驚愕で。

あとまぁ壁に大書きの「鉄」は、日本人としてはびっくりというか。今の時代ならアリかもだけど、当時は違和感の方が強かった。

E4 の監督ジャン=ピエール・ジュネは、おいらがこの監督の作品で観たことあるのは『デリカテッセン』(1991)のみだったけど、色合いというか、被写体の立体感をふわっと強調する逆光気味の照明が E4 でもそのままで、作品に個性を与えてた。

このときも作品独自のテーマカラーとして青緑を設定してたっぽい。ジュネ監督の得意な色かどうかは不明だけど、エイリアンシリーズは作品ごとにテーマカラーを変えてくるっつうブランド醸成の方針(おいらの勝手な妄想だけど)をきちんと守ったというか。

たまたまそうなっただけかもだけど、作品ごとに違うビジュアルの美しさを見せてくれたり、思い出すときにきちんと区別して思い出しやすい、なんてメリットがあったり。

銘板
2018.9.16 日曜
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エイリアン VS ターミネーター 2

その後のエイリアンシリーズは、いったん『エイリアン VS プレデター』(AVP)路線に行きましたですな。企画の内容から言って、作品の個性、監督の個性ウンヌンを語るべきものじゃなくなった。と書くと否定的だけど、E1 がもともと定番の娯楽映画として作られたのが、異常に出来が良くて高く評価されちゃってのシリーズ化だったわけで。

AVP の1作目のラストはモロになんてーか、モロでな。密室モンスターサスペンス映画の定番中の定番な終わり方で、おいら劇場のスクリーンを指差して笑っちまったですよ。

だがそれがいいww

その意味でまさに原点回帰だったんじゃないかと。ずっと娯楽の扱いなプレデターの側に合わせて、エイリアンのキャラの立ちっぷりだけ使い回すことにして無理しないようにしたというか。E4 までで、単体キャラとしては作り込めるとこまで作り込んじゃったんだろうな。

けど映画会社としてはエイリアンのキャラがあまりにも魅力的で、過去作品のみで死蔵させとくにはもったいない、もっと安定的に稼げるはず(映画製作はビジネスとして多分にギャンブル的らしく、新しいトレンドを作るのも大事だけど、過去の資産の再利用で安定して稼ぐのもまた重要らしい)、なんてたぶんそんな読みで、設定を整理し直した上で再始動させたのが『プロメテウス』(2012)だったんじゃないかと。

今度は「人類はどこから来たのか」なんつう重いテーマまで背負うことになった。んで、E1〜E4 までのストーリー構造が「人間 VS エイリアン」「エイリアンの存在を利用しようとする企業 VS それを阻止しようとする人々」だったのが、「人類とその元になった者達との関係」っつう構造になって、怪物としてのエイリアンは脇役になった。てことで、E4 まで続けてきた、エイリアンキャラの設定や解釈の追加・変更は特になしな感じ。

『プロメテウス』の絵の色合いっつうと、監督が E1 と同じリドリー・スコットだったけど、黒のイメージがそんなになく。屋内場面は黒っぽかったけど、それは E1 と同じ場所だから、単に雰囲気を整合させるべく、ということだったかも。んで屋外場面や最後の方の宇宙船内の場面は、白っぽさが強調されてたような。

撮影の時代も変わって、媒体が銀塩フィルムからデジタルになって、黒い場面は黒ツブレすることなく、白い場面は白トビすることなく。よく制御された端正な見映えなんだけど、そのぶん、色で個性を狙っても、フィルム時代ほど作品としての個性が出ないというか。

つかおいら続編の『エイリアン: コヴェナント』(2017)を観てないんで、これ以上は何も言えん状態。

とりあえず『プロメテウス』までの流れで、エイリアンシリーズは E4 で単体シリーズを一旦終了。プレデターとの共演期で人気と知名度を保って、新章突入でまた息を吹き返した感じ。

対するターミネーターはというと、T2 が超特大ヒットした後はどうもパッとしないというか。映画版、テレビ版、小説版のそれぞれが互いに無関係な話を綴ってるみたいで、収拾つかなくなっちゃってるというか。

映画シリーズなんだから映画版が正統なんだろうけど、T3、T4 とも、そんなにそんなじゃなくてな。世の中で共通の話題として定着するほどじゃなかったって意味で。T2 がその方面で行き過ぎたからかな。

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しかしキャメロン監督ってすごいよなーと思うのが、E2 でシリーズで一番の娯楽超大作に仕上げたってとこ。大ヒット映画の2作目ってことで、前作の大括りを踏襲しつつ、より派手に、より大規模に、という定石を踏みつつ、これがめちゃめちゃ面白くて。「2作目は駄作」ってのはよく聞くけど、E2 はいい意味で裏切った。まさに「ビショップの裏切り者ぉぉぉ!!」

「あー全部片付いたー。あとは地球へ退散するのみだー」とホッとしたら、帰りの宇宙船内にまだいた。しかも一番やっかいなのが。あーそうだった1作目もそうだった。これで終わるわけなかった。そういう映画だった。と観客は、疲れ果てた主人公リプリーと共に絶望しつつ、リプリーと共に最凶最悪の敵と戦う決意をさせられると。

大乱闘のあとに主人公と親玉が一騎打ちってのは定番だけど、普通はあんまし間を置かずに一気に進めるもんなんじゃないかと。ここで一息ついちゃうとダレるパターンになりがちかと。『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)がそうだった。

けど E2 だと、そこで序盤にちょいと出てきたパワーローダー投入。おお、それがあったか! スモーク焚いての逆光浴びてのヒーロー演出で再登場ですよ。

ガイーン!!

戦いの構図は「敵対生物の群れ VS 武装した人類の集団」から「大型怪獣 VS 搭乗型ロボット」へ。けど操縦者リプリーの表情は全然ヒロイックじゃなく、前作の同じ場面とやっぱし同じ。恐怖でこわばってる。これが一番ふさわしい表情かと。

エイリアンシリーズは途中参加のジェームズ・キャメロンが盛り上げて、キャメロンが去った後もうまいことシリーズをつなげてる。一方、ターミネーターシリーズは、創始者のキャメロンが T3 準備中に離脱した途端にグタグダ。酷評だった T3 に続く T4 の出来は悪くなかったし、その後に続ける終わり方だったのに、製作会社が倒産して話が流れたとか。いやもうなんだか、ジェームズ・キャメロンっつう座敷童子との付き合い方での明暗が分かれた感じだな。

話を E2 に戻しますです。

ラストの一騎打ち発動で、観客はとっくに満腹にもかかわらず強制的に気分を改めさせられ、それまでなかった超接近戦に「行けー! 行けー!」と戦意むき出しにさせられ、映画が終わると「助けてもう食べらんないほんとおなかいっぱい」ってとこまで持って行かれると。

しかし画像検索でパワーローダーをいろいろ見てみると、搭乗者の体モロ出しなんだな。

その割に後ろ姿はやたらかっこいいという逆びんぼっちゃま状態。

こんなんでバカでっかいクイーンエイリアンとタイマンとか。リプリーの根性すげえな。

銘板
2018.9.17 月曜
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のんびり彼氏とおてんば彼女 / Coda x Usachii

ほぼじゅびふぉ 久々の入荷は1作品のみ。

Usachii さんの歌声と発音が好きなんです。好きなんです(思わず連呼)

弱虫モンブラン ~Snowy Frosting Remix~』で惚れちゃって。

『弱虫〜』のときはなんかもうグダグダになりかけなカップルの女性側。今回はラブラブカップルの男声パートですな。どっちもイイ。どっちもイイ(やっぱし連呼)

銘板左端銘板銘板右端

今回の日本語訳の作業には新兵器投入というか。

Google 翻訳www

完全にズルwwww

歌詞の翻訳としてはそのままじゃ使い物にならんのはわかりきってるけど、いくらかでもラクになるんじゃないかと思ってさ。

結果、ラクだった。単語・熟語・言い回しの意味を調べる回数が減ったってことで。

ただ今回の場合、英訳詞が日本語原詞にかなり忠実だったし、難しい表現もあまりなくて。Google 翻訳を使わんでもあんまし変わらなかったかもといえば、あんまし変わらんかったかも。けど「念のため調べてみる」が最初からだいたい終わってるってのはやっぱしラクだった。

なのに実は、そんなにラクできた気がしてなくもあったり。

……ああそうか、英訳詞のテキストデータが見当たらなくて、YouTube を一時停止しながら手入力で英訳詞をテキスト化したからか。

しかも久しぶりだったもんで、自分で作った下ごしらえツールの使い方というか、下ごしらえツール(JavaScript)に流し込む原稿(LibreOffice Calc)の作り方を忘れててww間違いまくりwwww

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つか Google 翻訳の導入、(非英語圏の人にとって)文体が難解な JubyPhonic 作品で使い物になるかどうかってあたりが、今のとこかなり不安というか。

銘板
2018.9.18 火曜
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ギザギザハートのチビトガリ 1

何らかのタイトルとかでかっこいいのってさ、「東京」って付けたりするじゃないですか。とにかくキマるというかトンガるというか。『東京テディベア』なんかそうだね。

これが「大阪」だとまったりほっこりな感じだったりして。やっぱしキマるトンガるは「東京」だなーと。

てなことで、動物の名前でキマりまくってトガりまくってるやつがあってさ。

トウキョウトガリネズミ

東京ですぜ尖ってますぜ。

しかしこのネズミ、北海道にいるらしく。東京にはいないらしく。

じゃあなんでこんな名前なのか。Wikipedia に書いてある。

「胆振管内鵡川町周辺で新種として1903年に発見されたが、発見者であるホーカーが標本ラベルにYezo(蝦夷)と書くべきところを誤ってYedo(江戸)と表記してしまったのが名前の由来となっている」

ひでえwww ホーカーさん何やってんすかwwwww

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2018.9.19 水曜
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ギザギザハートのチビトガリ 2

んでまぁその実物のほうはどんだけかっこいいのかと思ったら、

「世界最小の哺乳類の1つとされている。ユーラシア大陸北部に広く分布するチビトガリネズミの亜種である」

チビでトガりって……。粋がってる中学生みたいじゃないですか。ナイフみたいにちっちゃくて 触るものみなちっちゃくて。

ってさ、北海道って冬はめっさ寒いじゃないですか。

小さい生き物の体温って環境の温度にめっさ影響されるじゃないですか。

哺乳類は恒温動物だから、環境に抗って体温を保たなきゃなんないじゃないですか。

よく生きてられるな。

逆に、恒温動物だから生きてられるってのはあるかもな。爬虫類みたいな変温動物なら、体が芯まで凍結してしまうんじゃないかと。

青森県でさえトカゲは生きられないしな。ヘビは冬眠でやり過ごしてるけど。

トウキョウトガリネズミの小ささとその生息地は、哺乳類の生息条件の限界を示してるのかもな。

しかし、ネズミって冬眠しないと思う。それに脂肪を体に蓄えられないらしくて、常に食べ続けてなきゃいかんはずだったと思う。冬場の食料事情はどうなってるんだろ。

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2018.9.20 木曜
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とりあえず因縁つけてみた巨匠 1

【画像】宮崎駿さん「火星を住めるようにするよりもサハラ砂漠を住めるようにすればいいじゃん」 - 【2ch】ニュー速クオリティ

宮崎駿氏のことはもちろん尊敬してますよ。ええ。

でさ、こういうこと言うのってなんかこう、自分の言ってることがが屁理屈だと気づいてないのかなーとか思ったり。

サハラ砂漠を住めるようにしろよなんてことを、なんでわざわざ火星移住したい人に言うのかなーと。サハラ砂漠を住めるようにするのは、サハラ砂漠を住めるようにしたい人がすればいい話でしょがと。火星移住したい人にとっては、サハラ砂漠よりも火星に住むことに魅力を感じてるんだからさ、そんなこと言われても「はぁ?」で終わるだけじゃないかと。

ターゲットはアメリカの火星有人探査のことみたいだけど、外国が何しようと、こっちの国に迷惑かけなきゃ文句言う筋合いじゃないのではないかと。

自分が住む国の税金の使い道の話題ならまだわからんでもない。「国家は宇宙開発なんかより……」って主張はアポロ計画の時代にはもうあって、今も宇宙開発やってる国々で言われてることでして。税金は国民の共有財産っつう見方ができるから、どの方向にどれだけ使うかは国民同士の議論があるべきだしな。

けど火星移住って(怪しい感じだけど)民間プロジェクトもあるし、国家の将来戦略として今から投資しておくっつう判断の国もあるし。投資者が納得してるなら、外野が何言ってもたわごとでしかないわけで。

仮に日本が国として火星移住計画を立ててるんだとして、主に税金を投入するんだとして、有名国民の一人として宮崎駿が意見するんならわかるけどさ、どうもそういうことではないっぽく。日本の国家としての宇宙政策は火星移住どころか、火星に比べて超近場の国際宇宙ステーション(ISS)にさえ、自前の宇宙船で人を送り込む計画が皆無だし。

なんてーか、この手の人に言うべき言葉としては、

「じゃあ自分がサハラ砂漠を住めるようにして自分が住めば?」

あたりですかね。

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2018.9.21 金曜
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とりあえず因縁つけてみた巨匠 2

って仮に宮崎駿が巨費を投じてサハラ砂漠の可住化をやるんだとして、火を見るより明らかなのは、別な人が「そんなことより……」と別なことを言いだすだろってこと。

世界中にはびこる貧困・飢餓問題の解決が先だとか、地球をこのサイズに例えると淡水はスプーン1杯分しかないんだぞとか、地球温暖化対策がどうたらとか、いやいや逆に寒冷化の兆しがとか、世界同時株安のリスクがフンダララとか。そんなことよりデング熱がヤバいとか、そんなことより南海トラフ地震が起きたらどうするんだとか。

関心の対象は個人によるんですよ。

火星移住が最重要の人もいれば、サハラ砂漠の可住化をもっと重く見る人もいれば、世界経済の行方が最も気になってしょうがない人もいれば、自分が住む土地での巨大地震・巨大津波への備えが一番な人もいれば、我が子の高校受験が最大の関心事の人もいれば、宮崎駿の映画監督復帰を心から望む人もいる。そこはまさに人それぞれ。

雑多な欲求・希望のうちの一つ一つが、火星移住だったりサハラ砂漠の可住化だったりする。

そんなら、よその人のやりたいことに対して自分のやりたいことをぶつけて潰そうとするのは野暮でしかないんじゃないかと。

って今おいら宮崎氏の意見に口出ししてる野暮の骨頂なんだけどさ、サハラ砂漠の可住化の話はどうも、宮崎氏が単に火星移住に因縁つけるために出しただけで、自分じゃそこまで真剣に考えてるわけじゃないって感じもしたり。

けど有名ってのは影響力でかいんだな。こんなあからさまな屁理屈でも、同調する人たちが出てくる出てくる。

「肝心なのはそれが正しいかどうかであって、誰がそれを言ったかではない」

とは言うもののってやつですか。

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2018.9.22 土曜
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雪辱のミネルバ II はドキュメンタリー芸術の道を拓くか 1

2機のミネルバ II 1 から画像キターーーーーー!!

22日23時現在、発表済みなのは3枚。はやぶさ2の Twitter から早速がめてきたですよ。以下は(たぶん)時系列順。

©JAXA

ひゃっはーやったー!!

銘板
2018.9.23 日曜
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雪辱のミネルバ II はドキュメンタリー芸術の道を拓くか 2

昨日のミネルバ画像、最初のはミネルバ II 1B が撮影。

©JAXA

公式 Twitter によると、

「探査機から分離直後に撮影されたもので、右下にリュウグウ表面が映っています。左上の薄くモヤがかかっている部分は撮影時の太陽光の写り込みによるものです。1Bは分離時に回転速度が遅かったようであまりぶれていません」

なるほど。しかしリュウグウの表面が異様に黒いのは発表済みだったけど、まともなカラー画像でってのはなくてな。はやぶさ2本体のカメラはスペクトル観測用なんで、基本的に白黒画像だからな。いくつもあるカラーフィルタのうち赤・緑・青を入れ替えて3回撮影したデータを地上で合成するとやっとカラーになる、という仕様なもんで。リュウグウの表面のカラーでの見栄えがどんなもんなのか想像できんかったけど、こんな感じだったのかー。焦げ茶色の彩度をいくらか落としたような。

探査機って学術用途なんで、光学カメラの目的っつうとスペクトル調査なんですな。てことでカラー画像の取得は二の次になってしまってな。探査機からの対象天体の近接画像が軒並み白黒なのって、こういう事情があるわけでして。

けど宇宙探査のスポンサーって納税者なんだからさ、一般人受けも大事だと思うのよ。一般人にとっては観光旅行に送り出してやったのと同じノリなんだからさ、今時、現地からの観光写真が白黒で満足する人っていないでしょ。その意味で月探査機 かぐや がハイビジョンカメラを積んだのは嬉しかった。映像の一般受けもすごくよかった。ただ、一般用途向けのカメラの映像はスペクトル精度がユルすぎて学術じゃ役に立たんらしく、かぐや のハイビジョン映像は宣伝・広報のみで有用だったらしい。

はやぶさ2本体のカメラは学術用なんで、白黒画像ばっかし公開されるってのはわかってた。初代 はやぶさ の小惑星イトカワ画像もそうだったし。しかしおいらはわかってた。ミネルバ II は恐らく最初からカラー CCD を積んでるってことを。送られてくる画像は恐らく基本的にカラー画像だってことを。そして見事に期待と欲求に応えてくれましたですよ。

銘板
2018.9.24 月曜
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雪辱のミネルバ II はドキュメンタリー芸術の道を拓くか 3

初代ミネルバから送られてきた唯一の画像ってのがあって、それがカラーだったんですよ。最小限の機能しかない超小型ローバーのミネルバがなんでそこだけ(一般人感覚で)豪華なことになってるのかっつうと、ミネルバのカメラ、ソニーの VAIO 内蔵のデジカメを取り外したやつだったからwww

初代ミネルバは はやぶさ のミッションの中であくまでオプションというかオマケというかな存在で、正式なものじゃなかった。開発・製造費の3000万円(ローバーとして異常に破格)も計画予算に入ってなくて、宇宙科学研究所や担当メーカーのヘソクリっぽいどこかから拠出したらしいwwww

ちなみにミネルバのプロジェクトが動き出す前は、NASA がローバーを作って、それを はやぶさ に載せてイトカワに持ってくはずだった。手のひらに載るサイズで胴体が箱型でホイールが4個ついてるそのローバーはどうにも開発がうまくいかず、予算超過を繰り返した挙句にキャンセルになってしまった。

その時点までで NASA がそのローバーの開発にぶち込んだ金額は20億円ほど。その顛末を受けて、はやぶさチームが急いで自前のローバーを用意すべくミネルバが開発に入った、という流れ。がっちり予算かけたブツがものになんなくて、まともに動くものは67分の1の金額でできたって何なんだよww

ミネルバの開発チームはもちろん必死で開発したろうけど、計画全体の観点では「ダメでもともと。うまくいったら『日本初のローバー』『世界初の小惑星ローバー』『世界初の小天体ローバー』『新方式のホイールなしローバー』の称号を一挙にゲットでラッキー」程度でしかなかったらしい。

今の報道だと「初代ミネルバは失敗した」が強調されてるけど、初代 はやぶさ の計画中でミネルバの立ち位置ってそんなもんで。しかも超低予算だし、日本でローバーの前例もなければ、ホップ式っつうやり方も世界で前例なしっつう状況。そんなわけで、本体からの分離後に、撮影した画像データと機内のテレメトリデータを はやぶさ 本体経由で地球に送信できた、というだけで大成果だったりした。

そもそも地上用途の市販品を多用して異常な低予算で作ったブツが、宇宙空間で2年も過ごした後にまともに動作するかどうか。そんなあたりがミネルバチームにとっては不安だったらしいし。

ちなみに初代ミネルバに使うはずだったソニーのカメラ、当たり前だけど、ちゃんと宇宙で使えるかどうかを事前に地上での模擬試験で確認したそうで。ソニーからも了承を得たそうで(市販品なんで勝手に使ってもいいとは思うけど)。それで「よし行ける」となって開発を進めてたら、途中で仕様が変更になって、ソニーに訊いても旧仕様の在庫がないとか。ミネルバ開発陣は秋葉原で中古の VAIO を漁ってどうにかしたらしい。

てことは、ミネルバに搭載されて実際にイトカワ空域で はやぶさ 本体を撮影したカメラ、その前にどっかの誰かが使ってたお下がりだったんかい……。

はやぶさ2だとミネルバ II は正式に計画に組み込まれたんで、ちゃんと予算がついてるはず。じゃあカメラ部分も最初から宇宙対応を謳った製品を装備してるんだろうな。けどカラー仕様のままにしてくれたのが嬉しい。

まーホップしながらのカラー撮影だと、はやぶさ2本体のカメラと同じ仕様だと、いちいちカラーフィルタを取り替えて3回撮らなきゃなんないわけで。その間にカメラに見える景色はどんどん変わっていく。てことで、そのやり方でカラー撮影は成り立たない。だったらワンショットでカラー画像取得、のほうが合理的かと。

けど市販の CCD の色感覚だと分光の精度が低くて、学術用途には使えないっぽいわけで。じゃあ白黒ならいいのか。ってカラーフィルタとセットだから分光精度が高いわけで、カラーフィルタなしの白黒映像ってなおさら意味ないだろ、と思う。結局、分光の精度は低くても RGB 3色まとめて取得するほうが一番効率的、となったんじゃないかと。一般受けが考慮されたのかはわからんけど。

つか今のミネルバ II のカメラも、やっぱし市販品を使ってるんだろうか。

銘板
2018.9.25 火曜
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雪辱のミネルバ II はドキュメンタリー芸術の道を拓くか 4

話を戻すです。

気になったのが、画面中央ちょい上の楕円形の何か。この画像の左側に太陽光のレンズフレアが出てるけど、これもレンズフレアなんだろうか。それにしては唐突な位置にあるような。

もしかして同時に投下された僚機のミネルバ II 1A のお姿ではないのか、なんて考えちゃったり。はやぶさ2チームからは特にそんなコメントは出てないけど。見てたらなんかそれなような気がしてきた。はやぶさ2本体だったら楕円形には写らんだろうし。てことで、アップの画像を作ってみたら暗くてよくわからんくて、ガンマ値をいじって明るくしてみた。

©JAXA

ミネルバ II 1 それぞれの画像(現地想像図)は以下。上の方が A、下の方が B。写真に写ってるとしたら上の方の A。

これやっぱし僚機じゃないですかね。

と思ったら、問題のブツの左上にも暗く、似たようなのがもう1個あった。2個だとおかしいだろ。やっぱしレンズフレアかな。

……かな。

……、

……、

……。

ミネルバ II のカバー? ミネルバ II と一緒に分離・放出された、ミネルバ2を保護してた入れ物?

あーわからん。これが僚機やカバーだったら、確定した時点で はやぶさ2チームから発表があるだろ。それまで待つとするか。やっぱしただのレンズフレアかもしんないし。

とりあえず不明ってことで。

さてさて2番目の画像はミネルバ II 1A が撮影。

©JAXA

最初の画像から1分後。同じく、はやぶさ2から放出されて降下中に撮ったやつ。上に写ってるのがはやぶさ2本体で、下が小惑星リュウグウの表面だそうで。ブレまくってるのは、回転しながら落下してるからだそう。「黒すぎる星」で名高いリュウグウが真っ白に見えるってことは、露光時間がかなり長かったってことですな。画像全体としては黒い空がガバッと大きくフレームに入ってしまったんで、露出時間を長くしてしまったんじゃないかと。

これ露出時間が適正だったなら、こんなにブレもしないで撮れたろうな。けどミネルバ II にそこまで求めるのはワガママ。超小型・超低予算のくせに自律型だからな。あんまし頭が良くないのはしょうがないことでして。

これ、画像加工でモーションブラーをキャンセルできんもんかな。そしたら はやぶさ2の姿がきちんと見られると思うが。初代 はやぶさ でもミネルバからの画像でファンはこれを期待してたんだよな。

当時、期待に近い画像が送られてきたんですよ。

初代ミネルバが送ってきた、初代 はやぶさ の太陽電池の裏側。胴体ではなかったけど。初代ミネルバが送ってきたのはこの1枚のみ。見事な写真ってわけじゃないけど、はやぶさ とミネルバが小惑星イトカワという「現地」にいること、宇宙にいることが実感できた写真だったですよ。イトカワは写ってないけど、黒い空と、太陽電池の裏側なのに(つまり太陽に照らされてないのに)妙に明るいのはイトカワやミネルバ自身からの照り返しだろうというので。

当時は本体から分離した「子機」が写した探査機本体というのが斬新だったですよ。5年後、IKAROS に自撮り用の分離カメラ "DCAM1, 2" を搭載することにしたのは、ミネルバが写したこの画像が発想の元になったとか、何かで読んだことあるよ。その成果が下の写真。

分離カメラの目的は、太陽帆が設計どおりきちんと展開されてるかチェックすることだった。けど一般向けには「ソーラーセイルの雄姿を現地からお届けしました」という状況がものすごくわかりやすくて、インパクト絶大だったですよ。海外のニュースでも、この画像が「史上初のソーラーセイル」の証拠写真としてよく取り上げられてたらしいし。

IKAROS で DCAM1, 2 を開発した責任者が、はやぶさ2計画でその名も "DCAM3" を担当してたりもして。名前は、この責任者の強い希望でこうしてもらったそう。けど今度の任務は探査機の自撮りじゃなく、リュウグウの表面をインパクタで爆破する決定的瞬間の映像をゲットという、かなり野心的なものだったりする。

リュウグウ表面を爆破すると石つぶてが超高速で飛び散るんで、はやぶさ2がそのあたりの上空をうろうろしてると危ない。てことではやぶさ2は、インパクタ1式(砲弾と火薬入り薬莢と発火装置のセット)をリュウグウ低空にそっと放り出したら、爆破地点から見てリュウグウの地平線の向こうへ急いで退避(たぶんインパクタの発火は時限式だから)。その道すがらの空中に、DCAM3 をこれまたそっと置いてくっつう形で。

急がないと爆発の破片が探査機に当たるっつうんなら、時限式なんならタイマーの時間を長く取ればいい、ように思える。けどリュウグウにも重力があるからな。もたもたしてるとインパクタと DCAM3 がリュウグウ表面に落下してしまう。あと DCAM3 は内蔵バッテリーのみで動作するんで、これまたもたもたしてると電池が切れてしまう。てことで、インパクタを放出したら はやぶさ2 はさっさと DCAM3 放出と退避行動を完了させないといかん、というわけで。

IKAROS の DCAM は工学目的のみだったんで、低解像度カラーで問題なかった。てことで昔のテレビで使われてた NTSC 規格で映像信号をただ垂れ流すだけでよかったらしい。けど はやぶさ2の DCAM3 は科学用途なんで、NTSC のカラーカメラのほかに、白黒だけど高解像度デジタル規格のカメラも載せてるそうな。NTSC って横方向が525ピクセルしかないからな。

銘板
2018.9.26 水曜
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雪辱のミネルバ II はドキュメンタリー芸術の道を拓くか 5

コーフンしすぎてまた話が逸れたww

3番目の画像。これが世の中を一番賑わしとりますな。着陸後、ホップしながら撮影したもの。

©JAXA

宇宙画像なのに、この躍動感。

すげー新鮮な感じ。探査機からの画像がいつも絵的に退屈なのは、学術目的の撮影だから。アングルや画質とかにゲージュツ的なセンスは不要だし、スペクトル分析のために大抵は白黒だし、ブレると学術価値が落ちるし。静的なんですな。

そこはわかるんだけど、納税者としては宇宙探査に娯楽を求めてるわけで。たまには即物的に面白いものも見たいわけで。

小惑星って、実際に行ってみないとわからない未踏の星ではあるけど、リュウグウに行ってみたらば表面の様子は全体的に一様な感じでな。あの土地はこうだけどこの土地は……っつう、小惑星イトカワみたいな「そこに降り立ったらどんな景色だろ」みたいな観光な想像力を沸かせるにはなかなかそうはいかん感じだわな。んでまぁ言っちゃなんだけど、はやぶさ2からの白黒の全球画像だと、おいらの想像力は「あーだいたい予想できる」止まりだった感じで。

いやいやそれがこの画像で、おいら完全にやられちまったですよ。

逆光のもと、太陽を追って低空ジャンプしてますよーな画像(ミネルバシリーズは基本的に、活動時間をできるだけ長く保つために、太陽を追いかける方向に移動する仕様らしい)。おもっきしブレてるから学術的価値はないだろうけど、レンズフレアのカラーの輝きとリュウグウのゴツゴツの岩くれ表面との対照と、ブレ具合の動的な感じがね、絵的にすごくイイ感じに思うよ。

つか はやぶさ2本体に積んである太陽電池と望遠カメラとの位置関係は、太陽を背にした順光での撮影しか許さない。真俯瞰限定なわけで。着陸した瞬間用の横向きの広角カメラはついてるけど、まだ出番が来てない。てことで、リュウグウの表面上から横方向を見たのも、太陽を向いたアングルも、これが初めてですな。そこも新鮮さを感じさせる要素かも。

あくまで観光な感覚で、着陸機やローバーからの画像ってすごい価値があると思う。これで実感できたよ。対象天体の周回軌道や上空から撮った画像ってのは、「到着した」とはいえなんだかまだ距離を感じるわけで。

その星の表面から横向きに、地平線方向を見た画像で、ようやく「そこに着いた」感じになるんだな。ようやく「光景・景色を見た」ことになるんだな。

初代 はやぶさ のイトカワ探査では、そこが欠けてた。ミネルバはイトカワ表面にたどり着けなかった。本体の着陸と同時に横向きの広角カメラでイトカワの景色を撮影するはずが、そんな余裕はなかった(横向きのカメラの最初で最後の出番が、地球の大気圏再突入直前のラストショットだった)

ちょいと深読みしたりもして。

たぶん はやぶさ2チームは、もっともっと多くのミネルバ II 画像を既に手に入れてるはず。なんで公開をもったいぶるのかっつうと、何か科学的・学術的に意味・価値のあるモノが写ってる写真の発表を、今は控えてるんじゃないのかと。小惑星表面の接写画像なんて前代未聞なんで、そりゃもう何から何まで学術的に価値ありまくりのはずなわけで。

そういう画像を見てササっと論文を書いちゃう海外の科学者さんたちってけっこういるらしく。先を越されてしまうわけで。その予防として、価値がありそうな画像は今のとこ公表しないでおくってことじゃないのかと。初代 はやぶさ のときそうだったし。

つかミネルバ II 放出のために高度何十メートルまで降下したときの、はやぶさ2が撮ったリュウグウ表面の画像ってさ、公開されてるけど一部黒塗りになってるよね。この黒塗りの部分が「学術的に価値あるものが写っている」ってことなんじゃないかと。

てことで、そんなことまで考えないといかんくらいすごいことやってるのが はやぶさ シリーズだったりする。

てことで、ミネルバ II の着陸後に撮った初期画像の中からこの画像を公開することにしたのは、見栄えがする&ブレブレで精査できないものをわざわざ選んだんじゃないかと。

銘板
2018.9.27 木曜
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雪辱のミネルバ II はドキュメンタリー芸術の道を拓くか 6

今回の3枚の画像とも、人間による制御をあまり受けず(人間が仕込んだのは初期設定のみ)、放出と同時にスイッチオンの自律行動でたまたま撮れたものなわけで。だからブレブレだったり露光オーバーだったり太陽光でレンズフレアを起こしたりな、奔放感たっぷりな絵になったわけで。

んでそれがまた今までにない新鮮な宇宙探査画像になってるわけで。画角が今時 640×480 っつう明らかな低スペックなのに、インパクトすごすぎだろ。

ミネルバ II が送ってきた圧倒的な迫力の画像をきっかけに、これからの宇宙探査って、こういう感覚も追求されるようになるといいなと思ったり。探査機チームに広報担当として画家や写真家や映画監督なんかの芸術家が加わって、どんな画像を狙うかを組み立てるとかさ。科学者の写真術は、学術面じゃプロだけど芸術面じゃ素人だからな。

いやさ、SF ものの映画ってわざわざレンズフレアとかの視覚効果を使うじゃないですか。どうせ VFX や CG なんだから、絵的な見事さを作るためにわざとやってるのがわかるわけで。けど本物の宇宙画像じゃこういうのはほとんどなかった。画像取得はあくまで学術目的だから、そういうことに頓着しなかった。

そういや縄文土器や縄文土偶のよく見る写真って、かっこいいじゃないですか。あれって岡本太郎が一枚噛んでるらしいよ。それまでの縄文土器・土偶の写真って、学者が研究するのにきちんとわかればいいってことで、その条件を満たした、芸術的には素人写真なのが普通だったらしい。けど岡本太郎は芸術家なわけで、縄文土器・土偶の芸術性に着目。芸術作品としてふさわしい演出が必要だと主張した。

んで彼がやってみせたのが、黒背景で、電球色の硬い照明で照らして、作品の色味と立体感を強調する演出。たぶん普通の芸術作品がこういう方向でかっこいい展示をするからってことじゃないかと。

シンプルで使い勝手が良くて、あらゆるオブジェに対してほぼ万能で、しかも見事な見栄えを保証するこの演出が今じゃ普通になって、縄文土器じゃなくても、戦国時代の茶碗とかマヤ文明や四川文明の遺物とかも、この演出で展示・写真撮影されるようになった。

これとは別に、表現方法が発達していろいろできるようになったってのだと、SF 映画の VFX なんかそうだね。クリント・イーストウッドの『スペース カウボーイ』(2000)を観たとき、『これからの特撮は CG でどんな映像でも作れるようになったぶん、表現のセンスが問われるようになるんだなー』と実感したですよ。

壊れた宇宙ステーションに逆噴射をかけると、周囲に浮いてるデブリがドドーッと前に流れてくんですわ。その場面が印象深くて。

CG VFX が話題の映画っつうと『ジュラシック・パーク』(1993)が既にそうだった。けどそのときは「CG はあれもできます、これもできます、何でもできます」っつうアピールとして受け止めた気がする。んで『スペース カウボーイ』のその場面のとき、「CG は何でもできる」は既にただの手段・道具として使いこなすのは当たり前で、そこに芸術的センスを織り込むと、こんなすごい映像を作れるんだなー、という感じというか。

岡本太郎の縄文土器・土偶の演出の発想。CG という手段の確立で表現の自由度を大幅に増やした SF 映画。

ミネルバ II からの画像はそこらのイノベーションを想起させますなぁ。

はやぶさ2の津田雄一プロジェクトマネージャーのコメントが、またそれを支持してるようにも思えるような。

「世界初の小惑星表面での移動探査活動を実現できたことは、嬉しいの一言に尽きます。小天体上の表面移動という新たな宇宙探査の手段を手に入れたこと、その技術の実現に『はやぶさ2』が貢献できたことを誇りに思います」

おいらが上に書いた意味で言ったんじゃ決してないことはわかってるけど、なんだか宇宙探査の一般向け広報活動にこれから来そうなトレンドの予言になってるような気がする。

銘板
2018.9.28 金曜
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雪辱のミネルバ II はドキュメンタリー芸術の道を拓くか 7

とかウダウダ書いてるうちに、ミネルバ II の新画像キテターーーーー!

もう はやぶさ2公式サイト から画像がめまくったはww 最後の動画さえもトッツァンアバヨーしちまったw

また時系列順に、

©JAXA
 
©JAXA

はじめの2枚はミネルバ II A から。最初のは特徴的な岩が写ってますな。カラー撮影のはずなのに、色が全然見えないね。順光だとこの星の表面の見栄えはこんなもんってことで。けど降下中に II B が撮ったやつは、リュウグウ表面の色合いがよく見えてた。接写すると露光オーバーで色がよく見えんってのは、カメラの設定の関係なわけで。これ、今さら設定し直しとかできないだろうな。

ミネルバ II 自身が、内蔵のメモリからデータを消去できるのは、はやぶさ2本体が送信済みデータを受信できたことを確認してからだろう、ってことで、通信は ミネルバ II → はやぶさ2 方向のみじゃなく、逆の はやぶさ2 → ミネルバ II 方向もあると思われ。けど設定の書き換えまでできるかどうか。

つか太陽光が当たってるところは露光オーバーだけど、影になってるところは何も見えないんだな。近くの岩からの照り返しもあるはずだから、何か見えないかと画像のガンマ値をいじってみた。けど黒い部分は真っ暗じゃないってだけで、ただ灰色になってしまった。いじってみた画像は以下。

©JAXA

んー、HDR 撮影モードはないんか。

2枚目も画質は似たようなものだね。もうちっと露出を少なめにしてくれるといいんだが。

んでこの画像、自身の影が写ってるってのが売りで。はやぶさ シリーズはなんかこう、探査機自身の影が写ってる写真ってのに妙に価値を感じてしまうっつうのがあったり。

いやもう臨場感がね、ほんともうすごくて。画面中央右寄りの棒状の影は、ミネルバ II のフチに生えてるトゲトゲ。ホップするときの蹴り足であり、このうち何本かには温度センサーがついてて、その場の温度を測定したりもする。この温度データは はやぶさ2経由で地球まで送信されて、科学探査データとして使われる。それだけじゃなく、ミネルバ II が自己を管理するのにも使われるらしい。

んでトゲトゲの影の右隣にある三角の影はアンテナだそうな。

「現地にいる」感。ああそれが臨場感だよな。けど「臨場感」っつうと「あたかも現地にいるかのよう」ってやつで、ぶっちゃけ作り物の CG だってそれっぽければ「臨場感」だけどさ、実際に現地で撮られた画像。それに写り込んでる撮影者自身の存在ってさ、いややっぱし「臨場感」っつう言葉そのものではないような。そりゃまぁ写真を見てウンヌンするのは人間なわけで、人間は現地にいないんで、その意味じゃ「臨場感」という表現はアリだと思うけど、その一言ではくくれない何かを感じてしまうですよ。

3〜7枚目の撮影者はミネルバ II B。この5枚は5〜10分おきに撮った連続写真なんですな。跳ぶ前(1枚)、跳んでる最中(3枚)、着地後(1枚)という構成で。

本家 はやぶさ2公式サイトの「トピックス」だと時系列じゃないけど、こうして時系列で並べると、ミネルバ II B の活動の様子がわかるね。

微小重力下で飛び跳ねて移動ってのは、脱出速度に達しちゃいかんので、蹴る力もまた微小じゃないといかんわけで。そして跳んでるローバーを星に引き戻す重力もまた微小なんで、1回のジャンプ行程が終わるまで何十分もかかると。

接地状態の画像と跳んでる最中の画像を見比べると、ミネルバ II がけっこうな高さまで跳び上がってるのがわかるね。

画質については、跳ぶ直前の画像は若干逆光なんで、画像全体としてはレンズフレアの色で、カラー写真なんだとよくわかる。けどそれ以降は順光なんで、白黒画像と大して変わらんというか。

あと、たぶんレンズの関係だと思うけど、静止状態でも画像の端の方はブレてるのな。だもんでミネルバ II が止まってようが動いてようが、まるで画像の中心に向かって突進してるかのような画像になってしまってる。迫力を出す演出には一役買ってるけどw

あまり精度の良くない広角レンズを使ってるんだな。やっぱし市販品なのかな。

けどそこまでケチるもんなのか。市販品だとして、空気中と真空中との屈折率の違いが出てるのかもな。

しかし跳ぶ前も着地後も、リュウグウ表面ってこんなにまでゴツゴツしてんのかよっつうのがな。地球上でもこういう地面なところってありふれてると思うけど、悪路すぎて歩く気しないって感じだな。

初代 はやぶさ のかなり初期の計画だと、NASA が開発したローバー "MUSES-CN" を小惑星イトカワに持ってく予定だった。このまえ書いた、開発に20億円もかけてポシャったアレ。画像は以下。

確かにこれリュウグウ用じゃなくイトカワ用に開発されたんだけどさ、イトカワだって当時は表面状態がどんなだか未知だったわけで。つか直径数百 m 程度の両惑星も、直径数 km の小惑星と同じく、表面は砂地でのっぺりと平らでなだらかだと思われてたんだよな。それが、そこまで小さい小惑星の表面がゴツゴツしてる場合があるのが初めてわかった例がイトカワ。

リュウグウは はやぶさ2の上空からの撮影で、砂地に岩がゴロゴロしてるのかと思ってたら、ミネルバ II の接写画像で判明したとおり、表面全部が岩でゴツゴツだった。

今年中に NASA の小惑星サンプルリターン探査機オシリス・レックスが、対象の小惑星ベンヌへ着く予定。ベンヌのサイズはイトカワとリュウグウの間くらい。この星の表面もゴツゴツだったなら、もう「直径数百メートルオーダーの小惑星の表面は基本的にゴツゴツ」は定説でいいんじゃないかと。

イトカワにはそれでも(地球外天体上の地名としての)「海」があった。砂じゃないけど玉砂利サイズの石が集まってる平原で、そこに着陸できた。初代ミネルバもそこへ降りて活動するはずだった。MUSES-CN も、イトカワの「海」でなら活動できたかも。

けどリュウグウ表面は荒れ地すぎて、MUSES-CN みたいな超小型ホイールをつけた超小型ローバーなんてなおさら使い物にならない気がする。上の MUSES-CN の紹介画像で、砂地に石ころっつう火星みたいな路面を想定してるのがわかる。

中国は日本に先駆けて、月面でのローバーの運用実績がある。あのローバーのサイズ(たぶん RC カーくらい)でも、リュウグウほど荒れ放題の表面じゃ使い物にならんだろうな。じゃあ古のルノホートのサイズなら?

ホイール式って、岩場に腹がつかえて亀の子になったときがネックでな。リュウグウじゃ車高調整機能がないと無理っぽい。通常は車高を低めにして走って、亀の子になったら車高を高くして脱出、って設計がかなり複雑になってしまう。MUSES-CN はそこをできるだけ単純化した形だけど、やっぱしこのタイプはリュウグウじゃ用を成さんだろうな。

だったらむしろ車高調整を関節で、として多足歩行型とか。けど足を岩の間に突っ込んじゃって抜けなくなったらとか、転倒したらとか考えると、これまためんどくさいような。

ホイールも多足も、レゴリスまみれの環境に軸と軸受けを露出させないといかんってのがな。レゴリスってのは「月や小惑星の表面にある砂や塵」と表現されるけど、地球の普通の砂塵と違ってて、顕微鏡で見るとカドが全然取れてないギザギザトゲトゲな微粒子なわけで。地球でいうと火山灰がそれ。風化してない状態のツブツブ。これが軸受けに噛み込むと始末が悪いわけで。

火星の砂は嵐や竜巻で適度に風化してるだろうけど、月面ローバーはそこらへんどういう対策をしてるんだろ。

初代ミネルバがホイールじゃなくホップを採用した狙いは、表向きは「ホイール式は微小重力下だとグリップが稼げなくて空回りしてしまう」「それでも力任せに走ると簡単に脱出速度に達してしまい、小惑星表面に戻れなくなってしまう」「露出した可動部がないからレゴリスを噛み込んで劣化する恐れがない」あたりらしい。

けどきっと最重要だったのは「シンプルで、壊れにくく、低予算で、短期間で開発できる」だったんじゃないかと。初代 はやぶさのときは、ミネルバはミッション項目にさえ入ってないオマケでしかなかったし。

開発当時は、小さな小惑星でも表面は砂地のはずだと思われてたから、「ホップ式は(ずっと後に判明するリュウグウ表面みたいな)ひどい荒れ地でも関係なく移動できるから」とはあまり考えられてなかったんじゃないかと。

して現在。リュウグウの表面状態を見るに、そこじゃもうホップ式しか使えない感じ。その意味で、イトカワ探査の頃からホップ式を開発してたってのが、今になってすごく役に立ってる気がする。

たまたまそういう形になっただけにしか思えんけどww この運の良さもまた はやぶさ シリーズっぽいなーとかwwww

銘板左端銘板銘板右端

動画は「Rover-1Bが動画撮影に成功。 2018年9月23日10時34分から11時48分(日本時間)まで15枚取得した画像による動画」だそう。

74分間で15枚だから、5分おきに撮ったんだね。「リュウグウの自転周期は7時間台」というのは はやぶさ2打ち上げ前から判明してた。そんで「ふーん」とか「イトカワの12時間よりだいぶ短いなー」なんて感想しか持ってなかった。

表面に降り立った立場だと、ほんとどんどん太陽が動いていくんだな。もたもたしてるとすぐ日が暮れちまう。つか夜もあんまし長いこと続かないけど。上空からの はやぶさ2目線だと、リュウグウがグリグリ回っていくっつう見栄えで。けど表面の1地域っつうミネルバ2目線だとほんと「その星の1日」なんだな。これまた新鮮な感覚というか。

この動画だと太陽を見つめてるんで、レンズフレアが派手で華やかではあるけど邪魔でもある。

現時点で2機のミネルバ II から届いた画像は100枚以上あるらしい。じゃあフレームに太陽が入ってなくて、風景の影の動きをじっくり見られる写真組ってのも、公開してないだけできっとあると思う。

とりあえず全部見たいとこだけど、レンズフレアだけでなんだかよくわからんものとか、学術的価値が高くて、論文を発表するまで公開できないものとかいっぱいあるんだろうな。

銘板左端銘板銘板右端

今回公開の画像は、よりはっきりとリュウグウの表面の様子が見えるね。その物理的な様子も、絵としての雰囲気も、きっと後の SF 映画に影響を与えると思うよ。

ミネルバ II が表面にとどまってる画像で、遠景がまったくないってのに気づいた。すぐそこの岩が地平線ってわけで。跳び上がってもやっぱし地平線がすごく近い。はやぶさ2やミネルバ II がいる星の小ささが、ここからも実感できちゃうんだね。

銘板
2018.9.29 土曜
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雪辱のミネルバ II はドキュメンタリー芸術の道を拓くか 8

はやぶさ2プロジェクト全体での、今後のローバー・着陸機の予定だと、国内の4つの大学が共同で作ったミネルバ II 2 の放出、独仏が作った着陸機の MASCOT の放出があるね。

とりあえずミネルバ II 2 は、II 1 が成功してるんで、基本的な問題はないことがわかったわけで。柱は、4つの大学で試作したそれぞれのホップシステムの検証らしく。ホップ式ローバーのこれからの進化を担ってるわけですな。どうかうまくいきますように。

そして、ミネルバ II からの画像を見て今たぶん頭を抱えてるのが MASCOT チームかと。事前の紹介動画からすると、星の表面が平らなのを期待してたのがわかる。箱型ボディを平らな表面にペタッと着陸させて、その条件で表面を接写する腹づもりだったろうと思う。

ミネルバ II の主目的が独自のホップ移動システムの実証なんで、観測としては写真撮影と温度計測のみ。工学目的なんですな。レンズや画像の品質がけっこうテキトーなのも、たぶんその目的で「このくらいでオッケー」ってことな気もする。

対して MASCOT の場合、顕微鏡なんて洒落たモノを載せてて、リュウグウの土壌を詳細に分析するっつうガチの科学目的。

けどここまでデコボコな荒れ地だと、センサー部が都合よくリュウグウ表面に近づく確率はかなり低いんじゃないかと。

ミネルバと似た仕組みでポジション換えできるんだけど(その意味で「ローバー」を名乗ってもいいと思うけど、なぜか MASCOT チームは「着陸機」としか呼ばない。ポジション換えをするかどうかが現場判断で未定だからかな)、電源が内蔵一次電池のみなんで、ポジション換えできるのは1回だけらしい。

荒れ地で1回しかできんのって、ギャンブルの要素が強いような。もっといいポジションを取れるとは限らんし、状況によっては位置も姿勢も全然変わらんかもだし。

欧州宇宙機関(ESA)は深宇宙探査での着陸ミッションに熱心だけど、完全にうまくいったのは土星の衛星タイタンのときだけ(それが大殊勲だったわけだが)。リュウグウのケースはその中でもかなり楽勝な部類に思われてたかと。だからこそ箱型のシンプルさなわけで。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸したフィラエにはあった正噴射スラスタも「銛」もない。太陽電池さえない。

初代 はやぶさ は工学実証試験機だったんで、同じく工学実証が目的のミネルバが載ってるのは自然だった。けど はやぶさ2は科学探査機なんで、ローバーが工学実証主体っつうとなんかちょっと浮いてる感じ。ていうかホップしてるけど。そういう意味じゃなく。

てことで MASCOT は はやぶさ2の目的に完全に合致する着陸機なわけで、はやぶさ2計画の価値を上げるものとして、かなりの成果が期待されてるはず。と思うけど、ここへきて MASCOT の成否は運の要素が爆増な感じ。

はやぶさ2ローバー・着陸機3チームの現在を勝手に想像。

「やったー!やったー!」と大喜びなミネルバ II 1 チーム
「よし、いけそうだぞ!」と希望に燃えるミネルバ II 2 チーム
「ちょ、いや、ちょ……」とお通夜状態な MASCOT チーム

なんじゃないかと。

はやぶさ2本体でのリュウグウ近接撮影で既に不穏な空気が漂い、ミネルバ II 1A, B からの偵察画像で絶望、なんて勝手に想像してしまったり。

まぁフィラエのときはダブル必殺着陸技の正噴射スラスタと「銛」がどっちも不発だったけど、着陸探査成功を堂々と誇れるとこまで持ってったからな。MASCOT が運に多少恵まれなくても、彼らは経験と根性でどうにかするかも。むしろ経験の蓄積があるからこそ、MASCOT の外見があそこまでシンプルでも、リュウグウの荒れ地をものともしない自信があるんだったりして。

銘板左端銘板銘板右端

今回の日記ネタ用に、ミネルバ II 画像を はやぶさ2ツイッターから取得しようとしたんですよ。

ブラウザで画像を右クリックしてコンテキストメニューから「名前を付けて画像を保存...」でそのまま保存したら、拡張子が ".jpg_large" とかいう見慣れんものでさ、そのまま保存かけたら「開くために設定しているアプリケーションがありません」とか何じゃそら。無理にプレビューで開こうとしたら拒否られたし。

GIMP だとアイコンにドラドロだと拒否、アプリの「開く」からだとリストに表示されない、けど空白作業画面にドラドロしたら開けた。とかやって道を探り当てたけど、保存するとき手入力で ".jpg" に書き換えて、ダイアログの一番下で「形式」を「すべてのファイル」にしたら JPG で保存できたですよ。

つかそうしてやっと保存してから、もっと普通に、ブラウザ上の画像をフォルダウィンドウにドラドロしたら、フツーに JPG で保存できた。意味わかんね。

銘板
2018.9.30 日曜
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逆襲の民間人

ミネルバ II に先を越されて、日本初のローバーになりそびれたのは iSpace 社の HAKUTO。ちょっとかわいそうだなーと思ってたら、もしかして iSpace は JAXA に先駆けて日本初の月面軟着陸と月面ローバー探査を成せるかも。

「HAKUTO」再び、ispaceが“史上初”の民間月面探査プログラムとして再起動 - MONOist

日本の宇宙企業 2021年に月面着陸へ 民間で一番乗りを目指し - FNN PRIME

JAXA 初の月面軟着陸は SLIM がやることになってる。もともとは今年打ち上げのはずだったのがいろいろあって(X 線天文衛星 ひとみ が初期運用中に全損事故 → 代替機計画が急遽スタート で JAXA の宇宙科学分野の予算が逼迫。ひとみ 代替機は H3 ロケット試験機で打つことに。当初イプシロンロケットで打つはずだった SLIM も節約のため、同じ H3 に相乗りすることになった)、今のとこ3年遅れの2021年度打ち上げってことになってる。国の計画なんで「年」じゃなく「年度」なのがミソ。「2022年3月まで」なわけで。

んで iSpace の計画だと2021年打ち上げ予定。「年度」じゃなく「年」。今のとこタッチの差で iSpace がお月様での日本初を2個もゲットしそうな感じ。

なんか「日本人初の宇宙飛行士」の顛末みたいになってきたな。

1980年代当時、JAXA の前身の宇宙開発事業団(NASDA)がスペースシャトルに乗せる日本人飛行士を選抜・育成してる最中に チャレンジャー号爆発事故 発生。計画は何年も足止めを食ってしまった。

そしたらその間に、バブルでお金が余ってた TBS がソユーズ宇宙船の席を1つ買って(ソ連が経済の行き詰まりから崩壊した直後で、新生ロシア共和国はとにかくお金が必要だった)、自分とこの社員を乗せて「日本人初の宇宙飛行士」のタイトルをかっさらってしまった。

あの一件を思い出してしまうな。

ちなみに今も億万長者なんかがソユーズの席を買って宇宙に行ってるけど、「宇宙飛行士」ではなく「宇宙旅行関係者」のくくりになるそうで。けど TBS がやった当時は「宇宙飛行士」の定義しかなかった。てことで、TBS の宇宙特派員・秋山豊寛氏は宇宙飛行士の称号を手にした。

どうでもいいっちゃどうでもいいけど、日本語じゃ同じ「宇宙飛行士」でも、ロシアの船で飛ぶかアメリカの船で飛ぶかで英語表記が違うらしい。ロシアだと "cosmonaut"、アメリカだと "astronaut" だそうで。てことで TBS の秋山さんは日本初の cosmonaut で、NASDA の毛利さんは日本初の astronaut ってことにはなるな。

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