(はるか)
のぞみ と はやぶさ で「経験不足」と出したけど、全般的にそういう雰囲気ですなぁ。とりあえず終盤ではトラブルの規模と影響が小さくなってきてるところに改善ぶりを感じたり。
M-3SII → M-V でロケットの能力が一気に2.4倍になって、衛星も探査機も大型化・複雑化したし。探査機のほうは軌道力学を積極利用することになって、質量が3.8倍(140kg → 540kg)にまでなった。
ロケットの出力も激増して、1段目点火時の地面からの反射衝撃波の振動もまた強力になったのに、地上設備側であまり有効な対策を打てなかったのも痛かったか。はるか の 22GHz 帯域の観測機器と はやぶさ のイオンエンジン1基(最後にニコイチ運用で役に立った、エンジン A のこと)が、その影響を受けてしまったらしい。
今のイプシロンロケットはそこらへん万全だもんな。煙道完備だし(反射衝撃波対策)、ロケットと衛星の接続部にダンパーが付いてる(固体燃料の燃焼振動からの防御)そうな。オプションの PBS を載せれば、衛星が何もしなくても最終的な軌道に精密に届けてくれるようにもなった。小型固体燃料ロケットなんで加速度は相変わらずキツいけど、衛星にとってはずいぶんとラクな環境になったんじゃないかな。
M-V は、限られた予算をとにかく機体本体の高性能化に振ったロケットだったと思う。んで、衛星への優しさはちょっと後回しというか、そこは衛星側が自分でどうにかしてくれって感じだった気がする。軌道投入精度も固体ロケットにしては正確というレベルで、予定の軌道に入るには衛星自身でスラスタ噴射をする必要があったし。M-V はなにぶん余裕がなかったと。
イプシロンでようやくそこらの対策がうまく出来上がった。打ち上げ単価も額面はいくぶん下がったんで(M-V の公称コスパを意図的に悪くする方向でごまかした数字だけど)、やっと海外の打ち上げ市場にも打って出られる環境が整った、とも言えるかも。
とはいえ、M-V 時代の血まみれの歴史があってこそなのかもね。血まみれではあっても成果はかなり挙がったしな。すざく と ひので は今も観測活動を続けてるし。特に ひので の成果はアレだな、太陽活動の様子から、JAXA は地球寒冷化説を堂々と語るようになったってあたり。温暖化説は政治的な力さえ持ってしまって、妙にうさん臭くなったしな。唯一絶対性を獲得しそうな勢いだったんで、それに釘を刺したってのは素晴らしい仕事ではないかと。
2010年に H-IIA ロケットで打ち上げた金星探査機 あかつき もまたトラブルから逃れられなかった。あのエンジントラブルはあたかも新規開発のセラミックスラスタに問題があったかのように言われたりもしたけど、実は配管部分での問題だったね。燃焼室に燃料を押し込むための高圧ヘリウムの管内で、燃料タンクから逆流してきた微量の燃料蒸気と、これまた酸化剤タンクから逆流してきた微量の酸化剤蒸気が化合して塩(えん)を生成、これが管を詰まらせた。
その結果を受けて、今年打ち上げ予定の はやぶさ2では加圧用ヘリウムタンクを2つにして、それぞれ燃料タンク専用、酸化剤タンク専用にするそうな。ヘリウム管内で両者が混ざりようがなくなるわけで。こうやって技術は完成度と信頼性を上げていくのですな。
はやぶさ2ではまた H-IIA の能力余りまくりなんで、たぶん IKAROS みたいな低予算ミッションを抱き合わせるんじゃないかと思うが。どうなるんだろ。
「コモディティ化」という言葉を初めて知った今日この頃。「所定の製品カテゴリー中の製品において、製造メーカーや販社ごとの機能・品質などの差・違いが不明瞭化したり、あるいは均質化することを指す」のだそうで。
結局どういうことかっつうと、モノを買う側にとってはどのメーカーのどの製品でも性能や品質に有意な差を見出せなくなって、「安いよ安いよ」しかアピールポイントがなくなるってこと。
安さで売るしかないのって性能競争の果てなのもそうだろうけど、その商品ジャンルの市場が飽和してしまってるってのもあると思うが。
コアなマニア層はどこまで行ってもやっぱし性能にこだわると思う。けど人数はそんなに多くないから、すぐに飽和してしまう。売るほうは生産コストを抑えるのに、大量生産ラインを用意する。そのせいでたくさん売らなきゃいかんもんだから、コアなマニア層の外側の、ライトなマニア層にアピールし始める。んでそこも飽和してまた外側の層を狙う。
だんだん外側に行くにつれ、顧客ターゲットの数は増えるけど、その商品ジャンルに特に興味も知識もない醒めた人たちに無理に売りつける感じになっていく。で、そこまで行くと「安いよ安いよ」しか効かなくなる、と。
つまり商売の規模がでっかくなってしまって、話の分かる客だけじゃ足りないっつうことなんじゃないかと。だとすると完全に売り手側だけの都合ってことになる。そこで「コモディティ化」という都合のいい概念を持ってきては、「仕方のないこと。自分のせいではない」と自分や世の中を騙してるようにも見えるが。
まーそこも「コモディティ化」という言葉の範疇に含めるとして。
一般家庭での光ファイバ回線サービスはおととしまで NTT が実質独占的にやってた。料金が高かった。au が参入して競争が始まった。んでも光回線サービスの性能差なんて一般人には分からんわけで。どうせ超巨大な回線容量を持て余しまくりなのは分かってるんで、細かいところで差をつけられてもやっぱし分からんし興味もない。競争状態になった時点でもうコモディティ化は末期症状。
そうなると営業さん同士の勧誘合戦なわけです。対象世帯の袖引き合戦なわけです。基本的に「うちのが安いよ」だけど、それだけじゃ簡単に動かないほど、客から見ればコモディティな商品なわけです。てことで営業さんたち、性能とも安さとも関係ないところを凝り始めた。
一方がお涙頂戴の直接訪問路線をやれば、もう一方はしつこく電話をかけまくって詐欺まがいの騙し技をやる、と。消費者の迷惑とかもうどうでもいいらしい。仁義なき戦いすなぁ。ていうか商品自体のテクノロジーが進むほど、売り方は昭和っぽくなるんだなww
昭和の昔は押し売りってのがあったそうで。アポなし訪問販売で、玄関先に居座って、パンツのゴムひもとか歯ブラシとかを法外な値段で売ったそうな。断わろうとすると「オレは昨日ムショから出たばっかりだぞ」なんて凄まれて、無理矢理買わされたとか。聞いたことしかない話だけど。客の迷惑をまったく考えない発想は同じだな。
コモディティ化って「行き着く果て」のイメージがあるなぁ。そこに達すると、何をどうあがいてもどうにもならない感というか。それを避ける方法はいろいろあれど、行き着くところに行き着くまでの時間稼ぎでしかないというか。熱的死に似てるというか。
「胃袋を掴む」。
「主に女性が、手料理で意中の異性を虜にする」という意味らしい。
言葉ヅラだけは知っててさ、その意味はつい最近知ったですよ。
それまでは、ミゾオチにアイアンクローのことだとばっかりwwww
海上自衛隊の輸送艦と釣り船との接触事故で亡くなられた方々へ、ご冥福をお祈り申し上げます。
今も事故の原因やそのときの状況がはっきり確定してないけど、記事で並走してた可能性が出てるね。もしそうなら、ベンチュリー効果が発生して、2隻が引き寄せ合って衝突してしまったのかなと。一応その可能性を思いついたんで書いとこうと思ってさ。関連用語はベルヌーイの定理。
もしこれが本当だった場合の仕組み。2隻が接近状態で並走すると、2隻の間の水の流速が、そのほかの領域より速くなる。2隻の間の領域だけ水圧が下がる。たぶん見た感じ、そこだけ水面が下がって見えるんじゃないかな。2隻は引き寄せ合って衝突。というか、小さいほうの船が大きいほうに突っ込んでいく形で衝突。小さいほうの船としては、相手の船との間の水面が下がって、自分の船が勝手に、坂を降りるように相手のほうに流れていった、となるかな。
船乗りの間でこのことがどれだけ知られてるかは分からん。あまり直感的な現象ではない気がするんで、知ってなきゃ・教えられてなきゃなかなか気づけないことのような。おいらはベンチュリー効果の工学的利用法はいくつか知ってたけど(ピトー管やキャブレターなど)、海上事故原因としては、あとで別な何かで読んで初めて知ったす。
海上自衛隊は知識として知ってるはず。艦隊が必ず斜めに並んでるのは、真横だとこの現象が起きるし、真っすぐ縦並びだとスクリュー後流の影響が出てしまうからなんだろう。てことは、斜め並びの角度も論理的に決められてるはず。
けど輸送艦は釣り船より質量がはるかに大きいんで小回りが利かない。そしてこの現象の影響を強く受けるのは質量の小さいほう。てことで、主に小さいほうの船が状況を読んで、自分でこの現象を予防・回避しなきゃなんないわけで。もし事故原因がベンチュリー効果絡みの場合、釣り船のほうがそのことを知ってたかどうか、が焦点になるかと。
現状では公開されてる情報が少ないんで、これではないことも充分にあり得るわけで。何とも言えない状態でもあるけど。
南スーダンで自衛隊が韓国軍に渡した銃弾、返ってきたみたいだね。「国連を通じて自衛隊に寄付」の形になったとか。なんじゃこりゃww
銃弾ってロケット部品で言うところの火工品と同じだよな。使い切りの火薬もので、その部品の出番は1回しかないけど、やり直しのきかないその出番で確実に作動してくれないと困るもの。いったん自分の管理下から離れて戻ってきたブツって、火工品の信頼性としてどうなんだろ。
非常時・緊急時なら別の国籍の部隊同士での融通し合いはあっていいと思うけど、そうじゃない場合はエンガチョするものなんじゃないかな。だって向こうでどう管理されてたか分かんないじゃん。「寄付」を受け取った自衛隊の側は非常時・緊急時ってわけじゃないだろうし、1万発を1発ずつ非破壊検査で点検するのもなんかアレだし、抜き取り検査で何発か撃ってみる、というのもなんだか不完全な気もするし。いったんよそ様にあげたんだから、帳簿上は損失計上したものだろうし、やっぱし全量エンガチョが無難なんじゃないかと。
現地の韓国軍の隊長は大変感謝してくれたそうだけど、本国の政府は日本に対して感謝の意をまったく表してないみたいだね。これもどうなんだろう。
おととい久々にカラオケしたですよ。
居酒屋のカウンターで、隣に居合わせた関西弁の凛々しいスーツ姿のおかたと語ってたら、話の流れで急にアレを歌いたくなったさ。
♪ビジネスマァァァン ビジネスマァァァン ジャーパニーズ ビジネスマァァァン
そりゃもう元歌どおり、男らしく歌いきりましたですよ。
曲目検索は歌手で「うしわかまる」で出てきたww
セリフパートがあってさー。字幕で出てたんだわ。「話が違うじゃないか。ルールを無視した商談の進め方、私には許せんウンヌン」と(今は YouTube 見ながら転写すますた)。字幕をパッと見て、雰囲気だけ掴んで今風に替えてみた。しかもセリフパートの画像は天安門広場。
「何? レアアースを売らないだと!? よろしい。こんなこともあろうかと、他の国から調達できるようにしておいた。吠え面かくのはどっちかな? よーし日本企業よ! 中国から総撤退せよー! 東南アジアにシフトせよー!」
ウケたwww ごっつぁんですwwww
映像は映像で、最後は画面いっぱいにでっかく日の丸が出てくるし。これは盛り上がるはww
したら隣の席のおかた、何やら感じるところがあったらしい。そして彼の選曲は『ガッチャマンのうた』。接待で替え歌を歌ったりするそうで。それをご披露してくださるとのこと。リアルジャパニーズビジネスマンの神髄を拝聴できるのでございますか! うおおおおおおお!!
……、
……、
……。
下ネタ (^_^;) エグくてしょーもない、中学生っぽいエロ替え歌wwww
でもおいらもウケてしまって、「♪おー○○○マーン ○○○マーン」(←伏せ字はここに書けない単語)と一緒に歌ったり。いやー盛り上がった盛り上がったww
そのあと「初めて聞きましたよ」と言ったら、「これ宴会用に自分で作ったんです」とのこと。ジャパニーズビジネスマン、ほんとくだらないとこでも創造性を発揮しまくりw
年末に毛ガニをいただきまして。かなりでっかいやつ。すげー食い応えありまして。あーうまかった。
でさ、カニさんのお体をバキバキと解体しながら、誤解してたことにひとつ気づきまして。
ここ10年くらい、エビやカニって昆虫の海版だと思ってたんだわ。エビとカニが意外と近縁だったと気づいたときから(エビミソとカニミソの味が似てることから気づいたww)、同じ外骨格の節足動物ってことで、昆虫も近いんだろうなと。
まー確かに脊椎動物グループよりは近縁同士なんだろうけどさ、棲む場所の違いと足の数の違いくらいならアリかなとは思っとったけどさ、決定的に違うところを見つけまして。
エビカニって頭と胴体とが一体なんだよな。一体というか、胴体に顔のパーツが直接付いてるっつう、ゆるキャラみたいな構造になってる。ふなっしーってほんとは甲殻類なのかなww
つかリアルでこういうのって、考えるほどになんだかアバルギャルドな形態の気もする。
昆虫の場合、胴体と頭の造型は別体で、関節でつながってるわけで。てことで、昆虫は胴体とは別に頭を振り動かせるけど、エビカニは頭がないんでそうはいかない。
エビのカブトは頭に見えるけど、内蔵があそこに全部詰まってるんで、あの部分は胴体なんだよね。胴体に見える部分は、人間で言うと四肢に当たるもの。生物学を専攻した人によると、そういうのの総称は「駆動部」なんだそうな。まー四肢に当たるものからまた四肢にあたるものがびっしり生えてるのが、エビさんの面妖なところではあるが。
てことで、おいら的には胴とは別の頭のあるなしってかなり大きい気がしてさ。進化の順として、「エビカニ →(なんかいろいろ職種替えしながら上陸)→ 昆虫」と思ってた。けど今は、かなり前に海の中で枝分かれして、それぞれに進化していったって気がする。
そこらの貧弱な知識を駆使するに、枝分かれしたときはエビカニ型の頭部なしだったんじゃないかと。カンブリア爆発のあたりの三葉虫やアノマロカリスってエビカニと近いと思うんだが、そこらへんが頭部なしっぽいんで。
てことは頭部ありってのは昆虫独自の特徴ってことですかね。いやいやほかに陸上の節足動物いるし。と、クモやサソリの画像を漁ってみたらば。頭がないぞなもし(気持ち悪く思う人もいそうなんで、ここでの画像掲載なし)。そうかー頭部ありって昆虫の特徴なんだな。クモやサソリと昆虫との間がどうなのかは不明だけど。ムカデは頭っぽいのがあるけど、体節を追加しただけな感じでもある。
てことは進化の順番としては「クモ・サソリ → ムカデ → 昆虫」なのかな。途中で足や体節がめっさ増えてまた減ってるけど。なんかこの安易な説は違うんじゃないか。
一方、脊椎動物の頭部はどうなのか。魚類だと「エラより前」だけど、胴との一体化が著しいわけで。これが両生類になると境目がはっきりしてくるような。サンショウウオやイモリだとなんとなく分かるな。でもカエルだと分かりづらい。
爬虫類になると、カメ・トカゲ・イグアナ・ワニ・コモドドラゴン・恐竜ははっきり分かるね。ヘビは微妙かな。哺乳類はもう全部首付きとしていいかと。
昆虫と爬虫類以降の脊椎動物。可動な首関節はそれぞれ独自に獲得したってことですか。そういうこと、あるんだなぁ(なんだか感慨)。
昆虫って気持ち悪いもんだけど、妙に親近感を覚えるときがあるのって、このせいなのかもな。人間は昆虫を見たり想像したりしたとき、脳内で無意識に擬人化してたりするかもなぁ。
しかし昆虫の頭ってのもまた人間とは似て非なるもんだよな。
だいたいにして昆虫のアゴってさ、なんであんなハサミ状の機構をアゴと呼ぶのかと、おいらのアゴとは動く向きが90°違うし。と納得いかないものがあったり。たぶんこの場合、「食べ物を最初に噛む場所と機構」ってことかな。ってまた人間とかのアゴの仕組み自体、生物界で普遍的ってわけじゃないしな。魚類だった頃に獲得したものらしくて、以降の脊椎動物はみんな共通なメカニズムではある。けど魚類に似てるけどその範疇外のヤツメウナギとかアゴないもんな。ホースをぶった切った感じで。
人間は鼻で匂いを嗅ぐわけだが、昆虫は触覚で嗅ぐらしい。まー頭部の感覚器でってのは共通ではあるけど。そして鼻はないけど口はある、のに、呼吸には頭部を使わないし。
昆虫は音は聞けるんだろうか。ってセミやコオロギはそれで異性を引きつけるんだったな。耳あるんだな。でも頭部に付いてるのかな。コオロギの尾部には空気の微妙な流れを感じ取るセンサー器官があるそうな。それで音を聞いてるのかな。
でも目が左右で1個ずつってのは、昆虫でも人間でも共通。目の構造が違うにせよ。てことで昆虫の顔の近接写真を見ると、頭部がはっきりしないうえに目がいっぱいあるクモなんかよりずっと親近感あったり。
てなことでまったく収集つかなくなったwww こういうネタは面白すぎるうえに、おいらの知識が浅いんで妄想が捗るのだww
じゃあエビカニと昆虫は他人と言えるほど縁遠くなったのかっつうとそうでもなく。カイコのサナギは天ぷらにするといけるらしい。そのお味はエビミソ・カニミソっぽいらしい。てなことがあったり。
カイコの天ぷらって単なるゲテモノ食いの話じゃなく、将来の宇宙食の食材候補として、JAXA が研究してるんだそうな。
火星有人探査とかは、地球に帰ることも考えると、1往復で何年もかかることがはっきりしてる。今の国際宇宙ステーションみたいに出来合いの宇宙食をそのぶん持っていくとなると、宇宙船は非現実的なまでに巨大化してしまう。
となると、宇宙船内じゃ限りある物質をできるだけリサイクルして、食材を自分で調達しなきゃなんないわけで。その中でタンパク源をどうするか、てな課題があった。そんで狭い宇宙船内で簡単かつ効率的に飼育できる食用の生き物として、昆虫に白羽の矢が立ったと。
ただし有毒だったり味が死ぬほどまずかったりじゃ宇宙飛行士はたまんないわけで。昆虫を食うって時点で既に気持ち悪いし。んでいろいろ調理方法を研究したり栄養価を分析したり味を見たりして、まずはカイコのサナギの天ぷらというのがいけそう、となったらしい。まーそれを閉鎖空間で何年も食い続けるのは気分的に耐えられるのかは未検証だとは思うが。とりあえずメニューを増やしていけばごまかしは効きそうだね。
あと無重力や低重力の環境でカイコが問題なく生活環を回せるのかってのも未検証かと。それに地球磁気圏の外の宇宙は放射線が凄まじいらしいんだが。ある程度の防護策は用意するらしいけど、地上環境ほど穏やかではなさそう。そこに何年も滞在して、人もカイコも大丈夫なんかねぇ。受精・産卵・成長のあたりって、遺伝子への放射線の影響が特に大きそうだが。
宇宙カイコは飛行士のタンパク源なわけで、これは飛行士の便になって体外に排出される。それがまたカイコになるまでのサイクルも確立しなきゃなんないしな。カイコの幼虫のエサは桑の葉だね。宇宙船に桑の木を積んでいくんだろうか。なんか考えにくいような。
桑の葉っぽい何かを合成して、カイコを騙してそれを食わせるってことだろうなぁ。飛行士の便からそれを作る合成プラント、小さく軽くできればいいですなぁ。
ていうか便を植物の肥料にすればいいのか。野菜や果物も摂りたいだろうしな。そしたら宇宙船内、ニオイ大丈夫か? 確かアメリカのジェミニ宇宙船の頃だったか、飛行士の一人が排泄物を船内にぶちまけるという大失態を犯したらしいw 彼らは超巨額プロジェクトの超巨大な責任をよく自覚してて、とにかく我慢して無事にミッションを完遂したらしいが。せっかくの宇宙旅行だったのに、なんかちょっとかわいそうだなww
何年もそういう環境で暮らしてれば意外と慣れるもんなのかもな。ていうか慣れる慣れないの話ではなく、ちゃんと火星に行ってミッションをこなして帰ってこなきゃその計画は大損害なわけで。そこは上に書いた事件と同じか。ヤケを起こしたって、問題から解放されるには無事に地球に帰る以外にないわけで。火星旅行だと途中で引き返すっつう選択肢はないわけで。それどころか延長戦に突入してしまうと、地球と火星の会合周期の関係で2年2カ月は待たされる。かなり過酷というか。
オバマ政権での宇宙開発長期計画だと、火星有の人探査の前に、地球近傍小惑星の有人探査をしようって話も出てる。まー確かに火星より近いし、離着陸の条件も緩い。けど公転周期の同期を考えると、火星行きより長旅になるんだが。
地球と小惑星イトカワ(火星より近い)の会合周期は3年。探査機 はやぶさ は復路のスタートが遅れて、地球への帰還はまさにそれで3年遅れた。はやぶさ2 が訪れる予定の小惑星 1999 JU3(まだ記号の名前しかない)はもっと地球に近い。そして会合周期は4年。ミッションの予定は6年間なんで、初代みたいに帰りが遅れると10年プロジェクトになってしまう。オバマさん、どうもそこを NASA から説明されてないような気がする。
というのを昔、自力で開発したんですよ。今日はそれをドヤ顔で紹介しようと。したら……、
とっくに出されてたww
ゆで卵は中まで固体だから、指で止めれば全部止まる。生卵の中身は液体なんで、一瞬だけ回転を止めると、中身ば急ブレーキについていけない。てことですぐに指を離すと、ジワーッと回るんですな。
なんか先にやられて悔しくて、強制解説しちまったwww
しかしさー卵料理っつーか、目玉焼きってさ、よくよく考えるとけっこうアバンギャルドな命名だよな。
あーあもうほんとなんで日本なんだろ。
いやさ、1990年代、落合信彦は著書で、「21世紀の覇権争いは米中」と書いてたんだわ。んでそのとおりになってきたなーと思っとったんですよ。5年くらい前までは。
けどそこからなぜか中国は、アメリカにじゃなく日本に因縁つけてきてるんですが。いいかげんにしてほしいんですが。世界の覇権を握りたいなら、冷戦で勝ち残った唯一の超大国アメリカに直接ケンカ売ってくれ。
Mac 標準の日本語 IM「ことえり」、バカすぐる。
Baidu IME の アレで、この前まで使ってた Google 日本語入力が何となく怖くなって ことえり に戻したんだけど、ここまでバカだったかーというのをしみじみ実感中。Google の前は ことえり をフツーに使ってたのにな。便利なのにいったん慣れると戻るの辛いですなぁ。
って「もどるのつらい」を変換したら「も$のツライ」って……一体どんな感覚でそういう変換候補を選べるかなww とりあえず区切りかたは「も」「どるの」「つらい」だった。最初を助詞だと思ったんだろうな。その直前も助詞の「と」なのにな。日本語としてあり得ないわけじゃないけど、そのつなぎかたはそんなに出番が多いわけじゃない気もするが。
つか変換中の部分の直前の文字列の型って、Windows の IME でも気にしないような。そこまでは解析しないのが普通なのかな。ATOK じゃどうなんだろ。有料ソフトあんまし使いたくない派なんで、確かめようもないが。有料ソフトは性能いいけど、バージョンアップがめんどくてな。
まー Mac OS Classic の頃の ことえり なんてもっとひどかったからなw ATOK 必須だったわ。OS X の ことえり が評判どおり、使えなくもない程度まで改善された(あくまでも使えなくもない程度)んで、スペックダウンを受け入れて ATOK には別れを告げたわけで。性能よりも、やっぱしバージョンアップのめんどさが大きかったw
けどさすがに OS X は無料バージョンアップとはいかんわけで。けどめんどい。てことでうちはいまだに 10.6.8 だったりする。10.7 以降はダウンロード販売でさらに安くなったんだけど、ダウンロード販売ってのがどうもなじめなくてな。これ最新の OS X で最新の ことえり にすると、改良されてたりするんだろうか。ことえり 自体は 10.1 から 10.6 まで、さして性能が変わってないような気もするが。
久しぶりに ことえり単語登録を開いてみたが、なぜか動詞を登録できないのは 10.6 時点で相変わらずなんだな。デフォ辞書に「日和」はあるのに、「日和る」はないんだよな。んで登録しようとしてもできないと。
そういや改良されたのもあったな。OS X ははじめの頃、ユーザーからフィードバックを集めてたんだわ。それに出したおいらから出した3件。
1. は要望した後のバージョンで早速改良してくれた。嬉しかったなぁ。それまでは、せっかくそこでカナ入力を選んでも、操作時にはローマ字入力モードにされててさ。ただでさえマイナーなカナ入力派がないがしろにされてる感もあったり。
2. はどうだっけ。ここしばらく OS インストールやってないんで忘れたわ。住所入力と分かりきってる場所でこれはほんとないよなーと。
3. は…… 10.6 の時点で改良され済み。けどデフォで候補1番目が相変わらず「桜蘭」。2番目が「楼蘭」。何これこだわる意味分かんないんですがw 表記のゆらぎか何かで「ろうらん」の漢字は「桜蘭」もアリなのかなーと今ググってみた。
「桜蘭高校ホスト部」ばっかし出てきやがりますが。しかもホスト部のほうは「おうらん」だし。ほんとなんで「ろうらん」で「桜蘭」なのかまったくわからんww
何かヒントがあるかと「おうらん」で変換したら、「お売らん」 orz
Apple のせいではないけど、「キーボードのカナ表示は不要」とか「カナ入力モードって要らなくね?」って人に、ときどきお目にかかることがある。いやあのドヤ顔で語るあんたの目の前で引きつり笑いしてるおいらはカナ入力派ですが。途中でローマ字入力も学んでどっちもスラスラできるようになってから、便利さと快適さで迷わずカナ入力を選び直しましたが。
中国の月探査機「嫦娥(じょうが)3号」の探査車、止まってしまったみたいだな。初のローバーだからしょうがないかも。他の星でローバーを走らせたのは、米ロに続いて3カ国目ですな。なかなかやりますな。3番目の椅子は はやぶさ に載ってたミネルバが取るはずだったけど、うまくいかなくてな。まー はやぶさ2の新型ミネルバで4番目を狙うとしますか。
日本の月探査じゃ かぐや2 が着陸とローバーを狙ってるらしい。けど全然具体化しない感じで。そういや初代 かぐや の計画も、もともとは着陸機とセットだったんだわ。ところが当時はまだロケットが安定してなかった。リスク分散で別々に打ち上げることになり、続く予算削減の流れで着陸機はキャンセル。軌道周回機のみになって、そのぶん観測機器を充実させた。それが実際に飛んだ かぐや。一般広報を重視してハイビジョンカメラを積んだのはよかった。スポンサーは納税者だもんな。そして、着陸計画は振り出しに戻った。
あの国の宇宙探査計画、月を軸にけっこうなスピードで進んでるな。総花的じゃないのがコツなのかな。
確か中国初の探査機嫦娥1号は、日本の かぐや の先を越そうとして開発されたんだっけ。結果で言えば月到達は かぐや のほうがわずかに早かったけど、インド初の探査機「チャンドラヤーン」とも一緒に、3機で月の周りを飛び回ったのはいい思い出。
嫦娥2号はあまり話題にならなかった感じだけど、けっこうすごいことをやってた。月の周回軌道に入るまでは1号と同じ。というか1号の半分の高度まで降りて詳細に探査。3号の着陸点探しのデータを取得。
タイミングを見て月の引力圏を脱出(月周回軌道から地球以外に向けて発進はたぶん世界初)。太陽−地球のラグランジュ点 L2 に滞在(これまだ日本でできてない)。そして L2 をあとにして、地球近傍小惑星トータティスをフライバイ観測ときたもんだ。かなり面白いことをやってのけたというか、中国は宇宙技術はこの1機でかなりの経験を積めたんじゃないかと。それがあったのは1号があったからで、3号でまったく違う技術開発と実証を成したところってあたりですか。
3号のローバー「玉兎号」は今、復旧作業中らしいね。着陸地点は夜に入ったんで、あと2週間は稼働できないはず。てことは今までの運用データから「何が起きているのか」の解析を進めて、可能性があるものそれぞれで対策を練り込んでるってあたりですかね。設計寿命3カ月ってことは、月の夜の極低温環境に3回は耐えられることになってるってことで、技術者はそこに望みを託してる状態かと。
ローバーの目的は地質調査で、たぶん今はあまりデータを取れてないとは思う。けど初の着陸・ローバーミッションでここまでやれたのは、技術的な自信になったんじゃないかな。
中国の宇宙開発について、有人飛行や船外活動、月探査なんかをウソだと決めてしまってる人たちもいるが。発表された情報を見るに、おいらは本物だと思ってるよ。トータティスの近接画像なんてウソつけないだろ。
対日政策の関係で中国を悪く思う向きも理解できるが、そのせいで目を曇らせるのはかえって危険なんじゃないですかね。
日本の宇宙科学探査は総花的なのが特徴でして。予算不足でスピードが遅くて、経験不足でなかなかうまくいかないんで、総花指向が良くも悪くも作用してしまってる。日本初の火星探査計画は2003年に失敗が確定してしまったんだが、次の火星探査計画はまだ構想段階だったりする。そしてその構想は、今の日本の実力を考えると多分に冒険的だったり(つまり失敗の要素がかなりある)。はじめと同じような計画をさっさとやり直せばいいのに。
X 線天文衛星は今までで2回、打ち上げに失敗してる。2回ともすぐさま同じ衛星を作り直して打ち上げ直した。なぜ探査機でそれができないのかと。成功した探査についても、継続計画を立ち上げにくいっぽいし。かぐや は成功裏に2009年に活動を終えた。でも かぐや2は今から詳細を詰めるとかそんな段階。はやぶさ2は早ければ2010年に打ち上げできたはずなのに、よくわからんすったもんだが続きに続いて、ようやく今年の末に打ち上げ決定。どうなんだろこれ。分野同士で足を引っ張り合ってるんだろうか。
じゃあ中国みたいに1つの拠点に的を絞ったほうがいいのか、というと、日本はその段階は過ぎたような気もする。
進みかたが遅いとはいえ技術の完成度がだんだん上がってきてはいるんで、そこらの不安が充分薄くなれば、総花指向のいいところがようやく機能し始める……のだと信じたいw
総花ってことはジェネラリスト的なわけで、それでもある探査の成果はその分野で世界最先端が期待されるわけで。日本の宇宙科学研究所(ISAS)は完全に JAXA に呑まれて消化されたわけではなく、半独立くらいの状態は保ってる。てことは「形を揃えれば JAXA の体面的に OK」よりも、実質上で世界的な成果を求める指向が強いかと。この性格とジェネラリスト的なやり方ってさ、矛盾とまではいかなくとも、茨の道を保証されてる感じだな。そのうえ予算が雀の涙って……。
最近の J-POP の歌詞って英語のフレーズをあんまし使わなくなった気がする。いい傾向だと思う。カッコイイ/しみじみな曲のここぞというときの英語が文法ミスとか変な言い回しとか痛恨過ぎてな。昔、サザンの歌でときどきそういうことがあって、英語圏の人をアドバイザーに入れたりしたらしい。"Tarako" 以来かな。あの曲はあんまし売れなかったけど、日本人が全編英語の曲を日本でリリースってのは衝撃だったわ。ただし歌詞自体は(英語ネイティブの作詞家に書いてもらったらしい)正直そんなに面白い内容ではなかったww
KUWATA BAND 唯一のスタジオアルバム "NIPPON NO ROCK BAND" もまた全曲英語だったな。あの時代は英語フレーズで格好付けるのがとにかく流行ってたんで、どうせやるなら的なノリだったのかもな。しかし多くの日本人にとって、歌詞の意味がまったく分からないってのは行き過ぎだったらしい。
とはいえ当時の桑田佳祐の洋楽再現指向は強くて、このあとソロ活動期に入ったらホール&オーツとコラボしたりて。コカコーラが持った企画で、それぞれ自前の1曲ずつに、互いにゲスト出演の形だったな。
ホール&オーツ側の曲 "Real Love" で桑田の出番は最後のほうにちょっとだけだったけど、ホール&オーツの整った声をずーっと楽しんだあとの桑田のしゃがれ声はよかった。あと PV ではなりなりに出番があった。
桑田側の曲 "She's a Big Teaser" はゾンビホラー系の歌詞。元歌詞は桑田が日本語で書いて、翻訳してもらったらしい。その元歌詞を見たことあるが、「あの娘恋しやホトトギス」ってもう英訳者のことまったく考えてないだろww
こっちの曲はサビでホール&オーツをバックで使い倒し。けど正直、この場合は桑田の当時の歌いかたとのシンクロぶりはそんなでもなかったような。そのサビメロもイマイチ盛り上がらん曲だったしな。そこを往年の桑田ボーカルで盛り上げる形だったのかな。けどホール&オーツの端正な声はそのベクトルではなかった感じか。
桑田はオールラウンダーとはいえ、ほんとなんであの曲とあのアレンジだったんだろ。ちゃんと選曲してりゃアメリカでもっと注目されたかもしんないのに。当時の桑田はハードロックをやりたいみたいな時期ではあったけどさ、ホール&オーツと組むんなら、それっぽいポップスも行けたろうに。つかハードロックならもっとリフを作り込んでくれよ。
PV のロケーションは、湿地に建つ廃屋の庭。裸電球がいっぱい吊られてる。映像は全編モノクロ。歌い手3人(桑田がセンターで両脇にあのホール&オーツを従えるという夢のような配置)がノリノリで歌う周りで、黒人ダンサー数十人がこれまたノリノリで踊り狂う。ビデオのほうはよかったな。そういや本編前にストーリー的なものがしばらく出るけど、何の意味だかよく分からんかった。
しょうない妄想: おいらがアメリカの音楽プロデューサーで、この2曲のビデオで桑田を売り込まれたら。"Real Love" で「お、最後にちょっとだけ歌ってるやつ、イケる歌いかただな! 曲も作るのか? もっと聴かせてくれ! 早く!」。そして "She's a Big Teaser"。「あ……そうだね、うん、悪くないんじゃないかな(苦笑)。そうだ、僕よりふさわしいプロデューサーがいると思うよ」。
このコラボ企画の、その後への影響。
全米デビューで世界進出するかに見えた桑田は、国内に戻ってソロ活動を継続。『悲しい気持ち』や今もけっこうそこらでよく流れてる名曲『いつか何処かで』をリリース。ここから、歌いかたがホール&オーツ風のキレイな感じになった。その前からのファンとしてはちょっとアレレーな感じだったり。
『悲しい気持ち』c/w の "LADY LUCK" って隠れた名曲だと思う。全編英語シリーズとしても一番完成度が高いような。"She's a Big Teaser" とこの曲が、桑田ボーカルの旧スタイルの最後かなと。つか "LADY LUCK" をアメリカの音楽界に売り込んでれば……とかもうどうでもいいことを今さら考えたりして。静かで上品なバラードに旧桑田ボーカルってすげーミスマッチだけど、妙にしっくりしてたよ。
そしてサザンオールスターズ復活。直後、桑田が監督する映画『稲村ジェーン』製作発表。
映画のクライマックスでは、楽器をモチーフにした魑魅魍魎たちが主人公とヒロインを取り囲んで踊り狂う。コカコーラの PV からモロに持ってきたなーとバレバレだったりww ていうか PV のほうが映像も編集もダンサーの技術も上を行ってたw
以降、サザンと桑田は前にも増して不動のドル箱アーティストの地位を固めていくんだが、きっと裏側はいろいろな葛藤があったんだろうな。
80年代のサザン活動休止直後からの桑田の洋楽指向って、世界デビューを狙ってたと思われるわけで。けど本人が挑戦したいのに事務所は難色って感じだったんじゃないかな。田中のマー君がメジャーに行きたくても、楽天は自チームで活躍してほしくてなかなか首を縦に振らなかったのと同じ流れというか。
ピッチャー田中は巨額の移籍金でヤンキース入りがめでたく決まったけど、当時の桑田は日本に残る決断をした(させられたのかも)。正直、興行的にはそれが正解だった。桑田は腹をくくったのか、とにかく日本でウケる曲を次々に作っては精力的に活動しましたな。世界進出のことはまったく忘れたかのように、ひたすら日本市場でがんばった。1980年代前半には既にビクター内にサザン専用のレーベル(TAISHITA)が作られて、専属の企画スタッフがついてたそうだけど、中の人たちもまさかここまでビッグに育つとは思わんかったろ。
そして最近。何度目かの復活で盛り上がってたが。歌詞の内容がいろいろ問題視されたりしてな。けど彼は前からそこらへん、わざとかどうか知らんけど無頓着なとこあったような。"TSUNAMI" っておいらはタイトルでもう「これヤバくね?」と思っとったら現実になってしまったし。スタンダードナンバー級の名曲になってしまったのがまたこの曲の不幸なところだったり。インド洋津波と東日本大震災はリリース(2000年)よりも後だけど、1993年に奥尻島津波(死者202人、行方不明者28人)ってあったのにな。
チェルノブイリ事故からわずか4年後にリリースした『希望の轍』(『稲村ジェーン』のサントラ曲)で、放射線がステキなものであるかのような表現もしてたしな(物理学者にとってはステキな場合もあるんだろうが)。あと別な曲で長渕剛に文句言われてたりもしてたな。
その線で言うと、おいら昔は桑田ファンだったんだが、本当にちょっとしたことで気持ちが微妙に醒めてしまって。そこから立ち直りきれてないというか、立ち直りきる必要をあまり感じなくなったというか。
著書『ただの歌詩じゃねえかこんなもん』(インタビュー形式のエッセイ)でアルバム "NUDE MAN" について、「東北か四国の人向けにみたいになってしまった」てな内容があってさ。田舎っぽくて不本意な出来、という意味で。東北のファンなおいらはちょいとがっかりしまして。当時おいらはまだ NUDE MAN は買ってなくてさ。それでも NUDE MAN を買おうかなと思うたびに「買ったら負け」な気分にもなったり。ほんと理由にもならんくだらないことだけどさ。
お、アルバム "KAMAKURA" のラストナンバー「悲しみはメリーゴーランド」って、そういう意味を込めてあったのかよ(『悲しみはメリーゴーランド 意味』で調べるとすぐ出てくるよ)。サザンは政治ネタの曲はその前からやってたけど、この曲は何か意味を持ってるなーとは思ってたけど、そうだったか。まー最近、そこらへん向こう側のウソがもろもろバレてきてはいるけどw、当時は信じられてたんだよな(2014.9.2 追記: 朝日新聞が従軍慰安婦報道の誤報を認めて、この歌詞の一部が無意味化してしまいましたな……)。
J-POP 一般の傾向について、主観的なことをチョロっと書こうと思っただけなのに、すげー誤爆になっちまったww
ていうか「英米・英語=無条件にかっこいい」っつう昭和感覚、だいぶ廃れてきてるなー。
日本人アーティストのアメリカ進出って、デビューできたとしてもなかなかうまくいかないよな。古くは『上を向いて歩こう』が向こうでも大ヒットしたけど、歌手の坂本九がというよりあのメロディーがウケた感じでな。ピンクレディーはテレビ番組を持てたけど扱いがひどかったとか。布施明も挑戦したと聞いたことあるけど、恐らく結果は残せず。ラウドネスはツアー先の各地に熱狂的なファンを作ったらしいけど、メジャー化にまでは行けなかった。ドリカムも敢えなく敗退。パフィーは音楽より番組とキャラがウケた感じかな。宇多田ヒカルは……どうなんだろ。
これってアメリカの音楽業界と客が織りなす独特な構造があるんじゃないかと。白人向けと黒人向け、男性向けと女性向けがけっこうはっきり分かれてて、ポップス業界はほぼその4相だけで出来上がってて、散発的に渡米する日本人アーティストが違和感なくキチッと入れて成功できるカテゴリや市場が存在しない感じでな。
たぶん30年前も今もそう。桑田が「アメリカから世界進出」を諦めたのは、結果で言うと正解だったかもな。じゃあヨーロッパは……とか今は考えちゃったり。きゃりーぱみゅぱみゅが彼の地でウケてる現実もあるし。けど当時はなぁ……日本は欧米に嫌われてたし。日本はというとアメリカ一辺倒だったし。
じゃあ日本のアーティストや事務所が結託してアメリカに大挙して乗り込んで、マスコミも抱き込んで派手にプロモーションしまくればよかったのか。
2〜3年前、日本に対して国ぐるみでそれやったところがあったっけな。震災直後っつう状況おかまいなしのゴリ押しと本国大統領のおイタのダメ押しで、日本人にすっかり嫌がられてしまってな……。
アメリカのポップス史でおいらよく分からんことあって。
1950年代、ブルースを元にロックンロールを創始したのはチャック・ベリーだわな。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でネタにしてたアレ。あの頃まで、ブルースもロックンロールも、演奏するのは黒人だった。けど時代が10年も下ると、どっちも白人が演るようになっていった。プレスリーが転換点なのかな。
で、ジミヘンやジェームス・ブラウンは実力に見合った熱狂と尊敬をきちんと得たけど、結局メジャーシーンではブルースもロック系も、ほとんど白人のものになった。ロックンロールから派生したハードロック・ヘヴィメタルはヨーロッパでも育ったせいか、例えば黒人メンバーがいるヘヴィメタルのバンドって想像しがたいものがあったり。黒人はロック系ジャンルから締め出されたように見えるというか。
アメリカの黒人は黒人で、ラップやヒップホップを新たに創始したわけで。それはそれで素晴らしいことだけど、もともと彼らのものだったロックはどうなんだろ、もう黒人の手に戻ってくることはないのかな。彼ら自身が興味を失ってしまったのかな。
いまだによく聴いては涙してる、いわゆる初期のボカロ曲『アキアカネ』。ていうかこれでボカロ曲にハマったは。
この曲の歌詞は主観視点なんだけど、一人称が場面によって「僕」だったり「僕ら」だったりするんですよ。ここが謎だった。気にしないようにしたり気になってまた気にしないようにしたりで何年もかかっちまったが、ようやく理解できたような。
「僕ら」のうちの一人は、別の時間の、主に過去の「僕」なんじゃないかと。今の「僕」とまとめて「僕ら」なんじゃないかと。そして、いつまでもしょげてる過去の僕に、「もう大丈夫だから、一緒に未来の僕になっていこうよ」と寄り添う、てな解釈だと矛盾ないかもなーとか思ってさ。
人によって解釈はさまざまなんで、どれが間違いでどれが正しいってこともないだろうけど、とりあえずひとつ見つけた気分。
このまえドキュメンタリー映画『ベニシアさんの四季の庭』を観たんだわ。そこで『アキアカネ』と同じテーマのまた別の切り口での考え方を学んだですよ。
2つの対処はまったく逆に見える。けど矛盾してないようにも思える。
……、
……、
……。
あ、ベニシアさんのほうは、許しを与える対象は他者だったわ。そこかな。
……、
……、
……。
あ、でもベニシアさんが手放したものは、相手の過去の過ちとゆー事象のことだった。そこを手放すけど、相手そのものは受け入れたんだった。それが「許し」だった。なんだ、『アキアカネ』の今の自分が、過去の自分を受け入れるのと同じじゃないですか。
そういうことか。今日はなんか一気に理解が進んだ日のような。
この時期よくコンビニでホットの缶コーヒーを買って飲むんだけどさ、夜に飲むと眠れなくなるんで、そんな時間帯には別なホット系飲料を買ったりする。風邪気味ってのもあって、ユズとかレモンとかのそういうのを買って飲んでたときに気づいた。
熱くしたらビタミン C って壊れるんだよな、と。ビタミン C 補給なり風邪予防なりには効果ないんじゃね?
何かそこらのヒントがないかと Wikipdia「ビタミンC」を調べたら、焦点がちょっと違うけど面白いこと書いてあった。
「酸素と接する加熱過程を有する果汁100%の加熱型濃縮還元ジュースのビタミンCの大半は壊れてしまうことになる。しかし、現在は超音波による果汁濃縮が主流である。これは、超音波加湿器の原理で、果汁液の水分のみを飛ばすことによって果汁を濃縮するシステムである。加熱式にくらべ、エネルギー効率が良く、工場の冷房費用もかからないため、現在は超音波式濃縮が主流である。加熱型濃縮還元はほぼ絶滅しており、探すことが困難である。 しかし加熱殺菌を行うため、やはりビタミンCは壊れてしまう。そのため高栄養価を謳う野菜ジュースは別途ビタミン類が添加されている」
まず、濃縮果汁の方法ってそうなんだなーと。確かに加熱はエネルギーコストがかかりそう。んで非加熱の超音波式なんですな。これって同じ原理が加湿器で使われてるとかだろうか。分からんけど。
そして、やっぱし加熱はしてあるんだね。殺菌目的で。濃縮してからだとエネルギーコストが安く済むってことかな。
さらに、最後には別途ビタミン類を添加なんだね。熱でいったん壊れてしまうから。
そしたらやっぱし、柑橘系のホット飲料じゃビタミン C 補給は絶望的ですかね。なんかいかにもそれでビタミン C を採れるみたいな誘導で売ってるような気もするが……。
お、韓国のロケット開発のロードマップが出てた(中央日報様の 記事)。
そうかー75トン級エンジンを開発したら、あとはひたすら使い回して、クラスターの数を増やして大型化なんだな。最終的には9基クラスター×3=27基と来たもんだ。いやはや豪勢というか。
注目の2020年代の月探査に使うロケットは4基クラスター。出力は合計300トン。これで月サンプルリターンも狙うらしい。
……、
……、
……。
少なくね?
燃料は何を使うんだ? ケロシンかな。ケロシンならギリギリ行けるのかなぁ。どうだろ。
日本の例で言うと、初めて月に行ったときの宇宙機は ひてん。そのときのロケット M-3SII の1段目の推力は174トンほど。宇宙機の質量は 200kg 弱だった。
幻の月探査機 LUNAR-A(質量 540kg)を打ち上げるはずだった M-V ロケットの1段目推力は430トン。
これを参考にすると、韓国の4機クラスターの推力300トンは M-3SII の約1.7倍かつ M-V の約0.7倍。月探査機の質量は 340〜380kg ってところですかね。ちなみに LUNAR-A は月スイングバイを利用して、推進剤を節約することになってた。月の周回軌道に直接入るなら逆噴射用の推進剤がもっと必要になって、本体質量はもっと落ちる。ああでもケロシンなら固体燃料より燃費がいいんで、そこは有利か。
だいたい 400kg ってとこですか。
けど着陸するには、月の周回軌道から減速して降下しなきゃなんないわけで、そこでまた逆噴射が必要。着陸寸前にもまた逆噴射。そのぶんの推進剤をたっぷり積んでないといかんわけで。そして月から離陸するのにまた推進剤。まー過去の月往復ミッションに倣って、探査機の下のほうの半分以上を発射台座にして月面に残せば軽くなるな。
それはいいけど、サンプル回収装置は帰還モジュールに積むと重くなるんで、台座側に取り付けることになる。となると台座側の装置で帰還モジュールの再突入カプセル内にサンプルを入れる必要がある。面倒な機構が必要になるわけで。ていうかそこはどのサンプルリターン計画でも同じか。
はやぶさ はそこらへんシンプルにまとめたよな。サンプルのほうから勝手に機体内に飛び込んでくる仕組みってうまいわ。てことで、サンプルが入った容器は、再突入カプセルの真後ろに真っすぐ突っ込むだけでよくなった。それでも真空パッキンやロック機構とか、いろいろクリティカルな機構があったけど。
軌道周回と着陸はいけるかもしらんが、サンプルリターンは無理っぽいかな。地球の6分の1とはいえ月にも重力があるんで、それに逆らって着陸、さらにそれに逆らって地球に帰ってくるとなると、やっぱしある程度のサイズの装備と推進剤容量は必要かなと。
無人だとソビエトが40年くらい前に実際にやったことあるね。今の技術だと 400kg に収まるかもなー。でも、うーんどうだろ。今調べたら、月サンプルリターンをやってのけたソビエトのルナ24号、質量4.8トンだったわw ちょーでげえww 現代の技術を持ってしても、はたして10分の1以下に小型化できるんかいな。
はやぶさ は質量約 500kg で月よりはるかに遠い小惑星のサンプルリターンをしたけど、あれは参考にならん。現場はほとんど重力がなかったんで、着陸の逆噴射にも離陸の噴射にも推進剤があんまし要らなくてな。おかげでリハーサルや途中中止込みで、何回も着陸行程ができたくらいで。しかも本体丸ごとで離着陸を2セット完遂w
なんかなー韓国のロケット計画、見積もりが甘い気がするが。
図をよく見たら、9基クラスターでやる形にもなってるのか。ちなみに2030年を予定。図が細かいんでよく見てなかったところをよく見たら、月サンプルリターンも2030年だわ。ああそういうことか。なんかちょっと安心したw けどエンジン数で単純にアップした能力でも、月サンプルリターン機の質量は1トン程度なんだが。足りるんか?
しかし9基と27基のクラスター、こっちはこっちで大丈夫かよ。9基はアメリカの民間企業のロケットがもう実用化してるけど、エンジンの数が多いとそれだけ故障率も増えるんだが。
って「静止軌道ロケット」とか書いてあるんですが。
韓国の打ち上げ基地からは極軌道にしか打てないんですが。
極軌道から静止軌道に遷移って完全に無理ではないだろうけど、かなり無茶ですが。チャレンジャーすなぁ。
とりあえず独立したエンジン27基はさすがにアレじゃないですかね。推力が倍の150トン級のエンジン開発も視野に入れてみてはと思うが。燃料がケロシンなら、液体水素より大出力化がラクだろうし。部品点数も減って故障率も下がるし。2030年以降の大型化はそれをベースにしてはどうかと。半分の13〜14基でもかなり過剰な気がするが。
推力75トンが27基で合計2,025トン。日本最大の H-IIB ロケットの推力は約1,000トンなんで、その倍ですがな。豪勢ですなー。ただ H-IIB の主な燃料は液体水素で燃費がいい。打ち上げ性能の割に機体が軽いんで、そのぶん推力もなりなりで済んでる。韓国ロケットの燃料はケロシン。最終形態の性能は H-IIB と同じくらいかな。そして打ち上げ基地の立地の関係で、静止衛星の打ち上げは他国より格段に不利。実際の静止衛星打ち上げ性能は H-IIA(H-IIB の半分強)と同じ程度かも。
ロケットの開発は計画どおりにいかないのが常。国産初挑戦ならなおさら。開発費はケチらずにどーんと用意しといたほうがいいぞ。日本じゃ H-IIA も H-IIB も少なめの予算で順調に開発できたけど、H-II の開発・運用で地獄の悶絶期を乗り越えたからこそだったりする。韓国の開発陣、覚悟はできとりますかな?
まだ全然早いけど、NASA もロシア宇宙庁も JAXA も共通のことがあってさ。ライバルを横目に見ながらの競争状態や、坂の上の雲を目指す状態ならどんなに苦しくてもがんばれるんだよな。けど悲願を達成してしまうと、それから先どうするかで一気に迷走期に突入しちまうんだよな。韓国も成功の暁にはそのトラップが待ってるかもね。
米ソ宇宙競争時代、両国の宇宙機関は派手に争ってた。有人月探査とゆー一番派手な勝負でアメリカに軍配が上がった途端、その後の負けが確定したのはむしろアメリカだった。ソビエトは有人月探査競争の負けを認めるや、月探査よりはるかに実用的な宇宙ステーション開発にさっさと乗り換えた。全米が泣いて喜んだ勝利のほうには、その道の将来という副賞がついてなかった。
勝利の美酒の酔いが醒めてようやくそのことに気づいたアメリカ、あんだけご執心だった月探査は無人計画さえかなぐり捨てて、慌てて宇宙ステーションに切り替えた。それまでの打ち上げロケットがあまりにも高価だったんで、スペースシャトルもセットで開発開始。けどアポロの成功体験があまりに強烈だったのか、大風呂敷を広げすぎ。予算承認された計画はシャトルのみ。ステーションはアポロ計画の余り資材を利用して作って打ち上げ済み&使用済みの、試験的なものを使い回すことに。
そしてシャトル開発は難航に次ぐ難航。やっとできたらものすごくバカ高くて危ない代物だった。しかも初打ち上げが遅れに遅れる間に、使い回しステーションのほうは待ちきれずに大気圏に再突入&消滅。シャトルが飛んだときにはもうシャトルの到着先がなくなってた。何やってんだか状態。
シャトルは宇宙ステーションという行き先があって初めて真価を発揮できる。けどステーション建造なんて、バカ高く膨らんでしまったシャトルの運用費だけでヒーヒー言ってるアメリカ単独では無理。てことで西側陣営に声をかけて、国際宇宙ステーション計画発動(後の ISS)。これでソビエトのステーション・ミールに対抗しようと。
ところがそれでもカネかかりすぎってことでアメリカの議会で毎年のようにツッコまれ、設計は縮小方向で二転三転。いつまでも始まらない。付き合わされてる日欧はそのたびに半ギレ。そのうちソビエトが体制崩壊。今度は政治的に対抗する相手がいなくなって、ステーション計画の意義が揺らぎ始めた。でもシャトルの行き先は作ってやりたい。「シャトルのためにステーションを」の時点でもう本末転倒だけど、日欧との約束もあるしな。
けど実はアメリカだってまともなステーションを作るのは初めてで、最初から開発しなきゃなんない要素がいっぱい。そのぶん時間もカネもかかる。てなわけでレンホー理論炸裂。「いちいち自分で作るからお金がかかる。ないなら外国から買えばいい」。
新生ロシア共和国を拝み倒し、新型のミール2用に設計が出来上がってたモジュールを発注することになった。ついでにロシアにも参加してもらおう、となった。資金難でステーションの更新をどうしようか悩んでたロシアにとって渡りに船。交渉上手なロシアは自分が計画成否のカギを握ってることを充分に理解してて、次から次へと要求出しまくり。
そして全部呑まざるを得ない日米欧(あとでシャトル計画の自滅で本当にロシア頼みになったんで、ロシアの都合に合わせたのは正解になるが)。この時点で宇宙技術面でもライバルが消滅。アメリカはもう義務だけで計画を進めることになった。
それでも遅れながらもステーションの建造は進む。そんな折にスペースシャトル・コロンビア号空中分解事故。これを受けて、当時のブッシュ大統領はシャトルを2010年に退役させるよう命令(実際は2011年まで運用)。自前の宇宙ステーションという、シャトルの相棒の完成前にシャトルが終わってしまった。思えばシャトルが「ステーション往復便」の肩書きを持てたのは、ドッキング相手がロシアのミール(ISS はこれに対抗するはずだった)のときだけだった。皮肉というか。
当の米政府と NASA は、スペースシャトルをやめることにしたらもはやステーションへの興味まで露骨に失って、火星有人探査計画を発表。「アポロの夢よもう一度」臭がプンプン。ていうか付き合わされた諸外国パーペキおいてけぼり。
しかし火星は途方もなく遠い。それ用のロケットと宇宙船の新規開発が始まったものの、構想があまりに甘くて国内外からツッコまれまくり。しかもシャトルの部品を利用したロケットは、1段目(シャトルのブースターそのまんま)の飛行試験1回を終えると同時にお蔵入りする始末。もう迷走どころの話じゃない。
オバマ政権になってようやく火星有人探査の無謀さに気づいたのか、「火星周回軌道まで行って、降りずに帰ってくる」(何しに行くんだよ)とか「地球近傍小惑星の有人探査のほうがハードルが低い」(はやぶさ のパクリ。そして火星往復より長期間の旅になることをたぶん分かってない)とかシュール方面にブレてきた。NASA 幹部にはそこらへんを考慮・判断できる人材がいないことが丸わかり。もう何でもいいらしい。
ていうか太陽−地球ラグランジュ点での有人長期滞在って、将来への布石の意味がすごくあると思うんだが。今はまだ一般社会で通じないマニアックな場所ではある。けど5つあるラグランジュ点のうちの L1 と L2 は、日本の宇宙科学研究所が掲げてる「宇宙大航海時代」構想の重要拠点だったりする。アメリカはそれより一般納税者のウケを選んでるってことかな。もしくはその価値を理解する人物が NASA の幹部にいないか。NASA ってもう過去の栄光を切り売りするしかないかのような状態に思えるよ。現場や現場寄りの管理職には優秀な人材が掃いて捨てるほどいそうだけど、上のほうがな……。
一方、ロシアはどうだったか。ってこっちはこっちで、アメリカとは別な意味で過去の惰性に生きてたり。成功体験や名誉ではなく、技術面で。
今ロシアで運用してるロケットも有人宇宙船も無人貨物船も、全部ソビエト時代に設計されたものを延々と使い回してる状態。さすがに細かい改良は進めてるけど、基本設計は昔のまま。出来がいいし枯れてるから無理に替える必要がないってのもあるが、それでもよろしくなくなってきてる面もあったり。
大型のプロトンロケットの燃料が発ガン性物質のヒドラジンで、長い運用歴があるんでときどき墜落するわけで。そのたびにヒドラジンを盛大にぶちまけるわけで、飛翔コース直下の地域の住民のガン発症率が高くなったなんつう不穏な話もあったり(個人的にはプロトンはカッチョイイんで好きだけど)。
そんな問題があるんでプロトンの引退は既定なんだけど、後継のアンガラロケットの開発が資金難で遅れまくってたり。まだ飛んでないし。エンジン開発にようやくメドがついたけど(韓国を騙して羅老ロケットに試作エンジンを採用させて、飛翔データをタダで3回も取ったw)、今度は打ち上げ基地の建設資金が足りないらしい。
10年近く前に、新型の有人宇宙船クリーペルの開発話が出てたけど、それっきり。たぶん凍結かな。現行のソユーズ宇宙船の定員3人から倍増の6人ってことで、飛行士の打ち上げ単価ダウンが期待できたんだが。カネもそうだろうけど、開発能力も怪しくなってきてそう。開発を続けてないと技術能力を保てないしな。
ここ数年、ロシア保有の数あるロケットが相次いでまんべんなく打ち上げに失敗した。アメリカと違って、こっちは現場にガタが来てるっぽい。給料をはずめなくて、有能な技術者は欧米にドンドコ引き抜かれたらしい。これまた10年くらい前に何かで読んだには、現場技術者の平均年齢が50歳の大台に乗ってたとか。そんな地元愛の技術者も、今は多くが60歳台ですな。持てる技術を後進に伝えきれずに引退された方々も多いだろう。そりゃロケット落ちるわ。
さて最後は JAXA の場合。NASDA 時代からの大目標は ISS 計画への参画。完成の目処が立った途端、あとは何したらいいのか急に不透明になったりしてな。月面で二足歩行ロボットを歩かせるなんつうあからさまに子供騙しなアイデアを政治レベルで検討とかもう。その月面有人探査計画も、アメリカの火星有人探査計画の前段階として発表したもの。
このときアメリカは特に国際協力を呼びかけなかったと思ったが、ISS 参画にまんまと成功した日本は二匹目のドジョウモード。今はもう、ただアメリカについていけばどうにかなる時代でもないだろに。
ていうかアメリカが月有人をやると言えば「カネを出すから日本人も連れて行ってくれ」と来る志の低さが問題。そのメリケン先生が月有人を保留にしたら、日本のお偉いさんたちはなんだか引っ込みがつかなくなったらしい。とはいえ日本だけじゃ今のところ、月面はおろか地球周回の有人技術もできてない。んで出てきたのが「月面で二足歩行ロボット」。意味わからん。
とかなんとかグダグダしてるうちに、中国が無人機で月面軟着陸とローバー稼働をさっさと済ませちまったとさ。
JAXA のもうひとつの問題は考え方。「予算が少なくてチャンスがなかなかない。でも世界的な成果を挙げなければ意味がない。だったらどうせやるなら」と1つの計画にあれもこれもと盛りすぎて、ますます回転を遅くしてしまうってとこww
STAP 細胞すごい騒ぎになってるなー。科学ニュースがこんなに大きく扱われるのってめったにないんで嬉しいったらもう。
そして iPS 細胞がノーベル賞を取ったときみたいに、将来、自称ライバルが現れるのを心待ちにしてるおいらさw
今回のこの盛り上がりぶりを見て、嫉妬の炎を暗く燃え上がらせる人が発生するんじゃないかと。そしてあとで小保方博士がさらなる栄誉を勝ち取ったとき、「実は自分の功績」とか「自分はもうここまで研究を進めている」とか主張する人物、出てきてくんないかなーww
どうでもいいけどゴッドハンド藤村さんと iPS 森口さん、別人ではあるけどなんとなく顔つきが似てる気がする。
あとさ、STAP 細胞のニュースは朝、新聞で読んだんだわ。そんで勘違いしてしまって。前日あたり、別な iPS 関連の画期的なニュースが出てたよね。その続報だと思って。けど全然違うネタだったわ。
STAP に完全にかすんでしまったそのニュースも、かなり画期的だったが。これだな『皮膚に化合物加えiPSに似た細胞 京大チーム作製』(MSN産経ニュース様)
とお目当てを探し当てつつ、実はもうひとつあったんだな。こっちは今しがた知ったは。『新培養法で安全なiPS作る 動物成分使わず、広島大』(47NEWS 様)
どっちも iPS の新成果。世の中 STAP に気を取られてるんで、今日は同日発表で運が悪かったほうを取り上げてみるか。
京大の研究のほうは、iPS 的な細胞を、遺伝子を混入っつう山中方式とは違うやり方で作れたってことらしい。たぶん山中方式よりこっちのほうが簡単かと。遺伝子を操作してなさそうなんで、山中 iPS で問題のガン化も起きにくいかも。その意味では STAP 的な方向性の成果ですな。
STAP はまだマウス実験の段階。こっちはもうヒト細胞で成果を挙げた。ただ、本当に iPS 細胞と言えるがどうかはこれから検証が必要っぽいね。てことで記事の見出しも「iPS に似た細胞」となってる。まー山中 iPS とまったく同一なものでなくても、再生医療に役立つ機能を持つなら充分以上に価値があると思う。むしろ山中式よりこっちが主流になったりしてな。
広島大のほうは、本流の iPS 細胞研究の問題点をひとつ潰せたって内容かと。知らなんだよ。iPS って牛とかマウスとかの動物由来のブツを使って培養してたんだね。それで拒絶反応が起きてたんだね。iPS は拒絶反応がないもんだと思ってたよ。
そしてこのたびの広島大チームの研究で、iPS 細胞研究はその問題をブレイクスルーした、と。これもまた紛れもなく画期的な成果じゃないですか。
STAP 細胞の記事を読むに、「もうiPS は時代遅れ」みたいな雰囲気を感じてしまうんだけどさ、そうじゃないでしょ。
iPS のほうがはるかに実用に近い位置にある。今年、世界初の臨床試験が予定されてるみたいだし(iPS で作った網膜を、もとの細胞を提供した患者自身に移植するらしい)。
STAP は今のところ、生後1週間以内のマウスの細胞でしか作れてないそうな。大人の人間の細胞でも成功するかどうかは未知の状態。成功するにしても、臨床試験をクリアするまでまだまだ時間がかかりそう。少なくともその間は、再生医療の実用の道は iPS が開いていくのですよ。
iPS でも STAP でも、医療での目的は未分化のヒト多能性細胞を作ることなわけで。それを作れれば、もう一度分化させて目的の組織や器官を作れる、そして患者に健常な新品の組織・器官を移植できる、てなわけで。多能性細胞を自在に分化させていく制御方法の研究もまた大事でしょ。んでその方面の研究って今も、たぶんこれからしばらくも iPS が担うことになるわけで(ES 細胞で研究してる研究者もいるらしいけど、iPS 以後はかなり下火になったらしい。ES はどうしても倫理問題がついて回るもんな)。STAP は後発なんで、先行の iPS が出した研究成果を流用させてもらう形になるんじゃないですかね。
そんなわけで、iPS の重要性は変わらんと思うぞ。ライバル出現でかえって iPS の研究に弾みがつくかも。再生医療の実現を心待ちにしてる患者は多いはず。患者にとってはどっちの方法でも構わんわけだし。
パソコン用 CPU の開発話。かつて IBM とモトローラと Apple が共同開発した、PowerPC っつう新形式の CPU があった。これを Mac に採用して市場に投入した途端、危機感を覚えたインテルと AMD それぞれが、自社 CPU の処理能力を恐ろしい勢いで上げまくったってのがあった。結局 PowerPC は競争についていけず、ついに開発メンバー兼最大消費者の Apple 自ら、Mac 用の CPU をインテルに切り替えてしまったw というのがあったよ。開発競争の効果のすごさですな。
ただし PowerPC がヘタレた後、ほどなくして AMD も脱落。実質的にインテルの独占状態になったら、クロック数の伸びは露骨なほど一気に停滞しましたとさ。「熱処理のウンヌンが理論限界に達した」とか言い訳してるっぽいけど、タイミングを見るに、本当の理由は競争しなくてよくなったからだろw
iPS と STAP が本当に競争になるかどうかはおいらはわからんけど、もしそうなってくれれば開発が加速する。再生医療の新技術が怒濤の如く次々と実用化されていく。健康保険で承認されるのも、個々の新技術のデビューが早いぶんだけ早くなる。てことで、その競争で利益を最も得るのは患者さんなんですわ。そこらへん期待したいところですな。
それにしても京大と広島大の発表はほんとタイミング悪すぎww むしろ来週あたりの発表なら、「iPS の逆襲」的な取られかたで盛り上がったろうに。
STAP 細胞の報道、日本だけはゴシップ的だとかで、証拠を挙げつつ義憤に燃えておられる方々がいらっしゃるようで。そういう方が既にいらっしゃる以上、おいらはそれには乗らないでおくかw
ていうか日本はお膝元だからね。いろんな形の情報が溢れててもいいんではないかと。つーか開発者の小保方博士の「若い女性」としてのマスコミの扱いがいかにもだってところが義憤の元みたいだが。これはこれで、あんまし度を超してなきゃアリな気がする。女性じゃないけど正統派じゃない系のノーベル賞受賞者の田中耕一先生のときもさ、研究内容よりもその人柄や生い立ちを派手に報道してたし。
今回も、若い女性だからウンヌンの記事も多く出てるけど、過去の苦労話を強調して同情を煽る記事が多いね。ご本人や周りに迷惑をかけない範囲なら、その人なり研究ジャンルなりに親しみを持てるぶんにはまぁいいんじゃないかと思うが。
そういや下村脩博士のノーベル賞受賞の折も、GFP がどんな役に立ってるか、何が画期的だったのかはあまり多くなくて、お若い頃に研究用に毎日クラゲを捕りまくった話だとか、ある水族館が保有する発光クラゲがなかなか光らなくてアドバイスを求められた話だとか、そういうのを強調してたな。
注目の研究成果は、後で Wikipedia でも調べればけっこう詳しく載ってるだろ。マスコミの記者さんたちってどうも科学オンチが多いみたいだし、紙面や放送時間に限りがあるしで、報道じゃヘンテコな端折り方でかえっておかしな伝え方になったりもするしな。Wikipedia は表向きは素人編集とされてるけど、知識は学界のプロ並みの人が編集してたりするからな。報道よりも詳しくて正確だったり。科学系の情報はその傾向が特に強いような(政治絡みの情報は誘導や偏りが多くて当てになんないけど)。
日本のマスコミは科学ネタの本質を語るのは苦手だけど、人情話やプライバシーをウンヌンするのは得意なんですよ。ていうか読者ウケがいい方向に特化してきたというか。
ガチの科学ネタはそのまま記事にしても、あまり読まれないっつう分析もあると思う。
新聞各紙がネット版も出すようになってしばらくしたら、科学欄が一斉に縮小・廃止になってしまってな。たぶん紙媒体のみのときにはわからなかった、ジャンル別の記事の人気度に従った結果じゃないかな。てなことで、一般向けマスコミが重大な科学ネタを扱うときは、こういう邪道な売り方に持っていくもんなんですよ。
邪道と言ってしまったが、科学界そのものの一般社会への宣伝と割り切れば、今のところはこれでいいような気もする。ただでさえ先端的な科学研究は意味も内容も理解されにくい。自分に理解できないものは排除したくなるのが人の常。てことで「こんなものカネの無駄だ。そんなのよりも……」と言われやすかったり。科学分野は税金もけっこう投入されてることだし、たまには世間に媚びてアピールと人気取りをするのもいいんじゃないかと。
科学ネタを何が何でもお涙頂戴の人情話に仕立てるのってさ、日本映画界もそうなんだよね。小惑星探査機 はやぶさ のメジャー系映画って3本競作になったんだわ。1本はアメリカ資本(20世紀フォックス)だったけど体制は完全に日本映画。あとの2本は東映と松竹。言っちゃなんだけどどれも似たり寄ったり。中の人たちの葛藤や友情の泣かせ系感動ドラマでして。おいらはそれぞれ単体では好きなんだけどさ、全体を見渡すと、「雁首並べて、ほかの切り口は誰も思いつかなかったんか」って感じもしてさ。
たぶん3社ともそれぞれで、観客に最もウケそうな形を選んだらああなったんだろうと思う。てことで、まー日本人はもともとそういう話が好きなんでしょうと。マスコミもそこらを心得てて、科学系の大型報道がああなってしまうんでしょうと。
2014.2.1 追記: てな感じでマスコミをフォローしてみたつもりだったが、なんか小保方博士側からマスコミに対して、「いいかげんしてくれ」的なコメントが出ましたな。押しかけ取材やプライバシー報道が度を超してきて、いろいろ迷惑が発生してきたってことらしい。ご本人の意向が出た以上、おいらはこれ以上はマスコミ側のフォローはできんぞなもし。
マスコミ同士も商売だし競争だから、情報源からいろいろ話を聞き出してライバルを出し抜きたいのはわかる。けどそのせいで情報源に迷惑をかけてもいいんだ、拒否されるまでは押しまくって大丈夫、という姿勢ってどうなんだろ。情報源って各社共通で最も大切なメシの種のはずなのにな。なんですぐそれを忘れるんだろ。
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