ひとりごちるゆんず 2013年1月
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2013.1.1 火曜
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明けました

あけましておめでとうございまっす

今年は西暦2013年ですか。下2桁が13年っつうと、これからは「何月」と間違えずに済みますなぁ。この混同と混乱、元号じゃ平成13年になるまで続いたもんなぁ。これでようやくどっちともスッキリですな。食品製造業の皆さんなんか、賞味期限や製造年月日の表示なんかでここらへんのごちゃごちゃが減ってちょっと嬉しいんじゃないかと。

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2013.1.2 水曜
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シベリアの日本車は中間国から調達でどうか

正月だけどほんとどうでもいい話。

今冬も寒うござりますなぁ。てことでシベリアなんてもっと寒うござることでがしょうなぁ。

シベリアの街って日本車がよく走ってるそうでさ、かなり信頼されてるとか。ほんとかどうか分からんけど、真冬の天気予報で寒さを表すのに、「今日は日本車でも走らせてはいけません」と出るとかなんとか。

インドとかでも日本の中古車の人気が高いらしい。

インドなら日本の自動車会社の工場があったりするから、インド産の新車がそのままインドで中古になるのが多いかも。けどシベリアの場合、日本から直輸入の中古が多いそうな。てことでそういう中古車は当然右ハンドル。そんな日本車がバンバン走ってるらしい。けどロシアは左ハンドルの国なんで、行政としてはちょっと始末が悪い状況。

そしてもしかしたら欧米の自動車メーカーからの圧力があったのか、右ハンドル車を規制する法律ができたとか前に新聞で読んだわ。したら日本車を愛する現地の人たちが反対のデモ行進をしたとか。参加者たちは、(クルマに乗りながらではなく徒歩で)クルマのハンドル単体を右手で持って掲げたらしい。「右ハンドル車やその愛好者を迫害するな」という意思表示だったそうな。

まーおいら的には「大変だねー」程度のノリだったり。だって中古車がいくら売れたって、日本としては大した儲けになんないわけで。新車が売れればさ、そのぶん工場で働く人たちの給料になるからな。工場の設備投資も順調になって、設備や建設の業者も助かる。けど中古車だと関係業者の数も動く金額も少ないからなぁ。そしてそのぶん日本国内での中古車のタマ数が減るんで、相場が上がってしまうと。中古車ばっかし乗り継いでるおいらとしては、ちょっとツライというか。

けど日本車を愛してくれるのは嬉しい。

てことでさ、シベリアでの中古日本車は、主にヨーロッパから輸入したらどうかと。左ハンドルだから何の問題もないはず。東から入れた方が話が早いんであれば、韓国や中国でも日本車はそこそこ売れてるんで(中国の日本車不買運動、早くも下火になったらしいな)、そこらあたりからならどうかなと。

そういや韓国、アメリカとの FTA 締結でアメリカ産の車をくいねぇくいねぇと派手に売り込まれてるとかいうのは本当だろうか。

んで米政府の目論みとしては、カナダやメキシコで生産してるビッグ3よりも、アメリカ国内でアメリカ人を雇ってクルマを作ってる日本メーカーのクルマを「アメリカ産だから」という理由で韓国に売りつける気が満々とかいう話はほんとかいな。このくだりで登場する国はみんな左ハンドル。

もしそうなると、シベリアの中古車調達業者はこれからは、日本車の調達先として韓国が狙い目かもね。

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2013.1.3 木曜
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キャラもエンブレムも非和風で

J リーグが発足したのっていつだったっけ。1992年頃かな。

あの頃ってさ、その10年後、20年後の日本サッカーの輝かしい未来を、おいらはまったく信じてなかった(ファンの皆様、関係者の皆様、ごめん!)

んでまあ(おいらにとって)よくわからんプロスポーツリーグが新しくできるとか言ってもよーとかまあ「ケッ」なんてノリで。

んで当時のバカな「ケッ」で覚えてるのが、チーム名とマスコットキャラ。名前はなんだかよく分からんカタカナで、日本語とナントカ語を混ぜた造語だとかが多くてな。実はこれ今でも「なんだかなー」と思ってるわ。

もひとつのマスコットキャラってもしかしてもうほとんど使われてないかな。いやさ、あれってほぼ全部アメコミ風だったんだよな。ヨーロッパだの南米だのが中心地とか言っときながら、なんで絵柄だけ北米なんだよ的などうでもいいツッコミゴコロを持ってたの覚えてるわw

どのチームも揃って同じ画風ってのも、なんかちょっとどうなってんだと。個性ねーのかよと。

けどさ、アメコミ風って誰をも問わず好かれる絵柄な気もする。あの当時は J リーグの立ち上げ期だったわけで、サッカーに興味なかった人の1人でも多くに知ってもらって、「面白そうだな」と興味を持ってもらうのが肝要だったわけで、その意味でこれは正解だったのかも。

これがまかり間違えて日本のアニメ風だったとしたら、むしろ客が離れたりも考えられるような。古くからのサッカーファンなんかドン引きだったろうなと。当時は「アニメオタク=気持ち悪い」だったしな。今でもそういう雰囲気はあるけど、あのあたりは今よりもっとそんな感じだったもんな。

おいらはその時代の前からずっと非アニメオタクだもんで、いまだにちょっと抵抗あるわ。宇宙機オタクではあるけど、宇宙機/ロケットの萌え擬人化とかはなーおいらはちょっとなーって感じだったりして。

ゆるキャラはあの頃はまだ一般的じゃなかったし。

という多分に主観的な感覚を元に、J リーグのキャラはあれで良かったんだなーと。

てことで今 J1 チームの公式サイトをいくつか見てみたんだが、それ系のキャラってないね。これまたどのチームも紋章がマークだったり。欧州リーグのチームはきっとこうんなんだろうなぁ的な。インテルミラノとマン U のサイトを見たら、紋章ですな。アメコミ風の役目が終わったら、ここに合わせてきたんだな。それとも当初から紋章があったのかも。

日本なんだから家紋で行けよともちょっと思ったけど、家紋だと文字を入れないのが普通だしなぁ。しかもモノクロだし。西洋風の紋章がしっくり来るかなと。むしろアメコミ風よりヨーロッパ風で、サッカーっつう競技柄でもしっくりかなと。

あれだな、トヨタカップみたいなチームごとの世界大会だと、欧州の慣例に合わせたほうが分かりやすくもあるんだな。うむうむ、とオートマチック納得。

なんつう、年初からのどうでもいいグダグダですたー。

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2013.1.4 金曜
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別問題も解決か

そういやうちの iMac、有線マウスにしたらもうひとついいことあったわ。

よくスリープにするんだけどさ、電源ボタンをちょこんと押すアレ。前はときどき、直後に勝手にスリープ解除ってことがあってさ。何回やっても解除されて、結局は電源を落とさなきゃなんなくなってた。

それがなくなった。素直に嬉しい。

何なんだろうなぁおいらの iMac と無線マウスとの相性の悪さ。しかも勝手スリープ解除現象、なったりなんなかったりで発生条件が結局わからんまんまだったし。んで無線マウスのせいだとは正直いまだに確証を持てないんだけど、とりあえず有線にしたら全然 OK になってしまっただよ。意味が分からん。

中古だからなぁ。前の持ち主が変なことやらかしてこうなってしまったのかもだけど。

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2013.1.5 土曜
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突如思い出し映画

ふいと『ラストサムライ』を思い出してしまってさ。

あの映画って、日本の歴史物としちゃうのは「外国人が考えた日本」的なフィクション色があってアレなとこもあるけど、すげー好きな場面を思い出してさ。長いこと忘れてたわ。

主人公の敵方のアメリカン大将ってヤなやつだったじゃん。トム・クルーズの役は、確かそれが嫌で軍から飛び出した人だったんだよな。それが、クライマックスのさらに終盤で大どんでんでしたなぁ。敵の大将とトム・クルーズは日本の戦場で相対するわけで、トムさんは侍の一員として戦いますな。

敵の大将は相手のそんな古風な戦い方を最初は鼻で笑ってたのに、まさかの押され気味展開で焦りますな。映画の観客としては「いい気味だザマミロ」なわけで。

けど実は彼の焦りは、もうひとつ別のところにあったと。そしてついに彼は自分の殻を破って、侍たちと同じ古風な戦いのスタイルに身を投じるわけですな。あれは意外だったわー。その決断後の彼の運命は娯楽映画の定石な結果になるけど、あの展開の感動とコーフンって初体験だったかも。

自分の存在・人生・命・魂そこらへんぜんぶ背負ったまんま敵に突っ込んでいくってのは、幕末あたりはわざわざそうする必要がなくなりつつあった時代だったわけで、アメリカじゃそれがさらに進んでたわけで。そんな登場人物が敵の燃え盛る戦いぶりに魂をあぶられて、自らの命も爆燃させてしまったと。後悔したくなかったんだろうなぁ。旦那かっこよすぎるぜ。

観客によっては、あの行為を大将として軽率だと思う人もいたかも。それも理解できるけどさ、まあ娯楽フィクション映画だし、この演出に素直に乗れば観客として幸せになれるってわけでして。おいらはあの映画にうまいこと釣られたクチですなw

あの映画はトム・クルーズも渡辺謙も小雪も真田広之も福本清三もよかったけど、おいら的には敵方の大将がいちばんおいしいとこ全部持ってった映画って感じwww

あと原田眞人が演じた、ハラワタ腐れ切った日本人も素晴らしかったw 思い出すだに腹が立つww

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2013.1.6 日曜
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タウンミーティング

オタケンからお誘いをいただいて、三沢市に行ってまいりましたですよ。タウンミーティングなるものが開催されまして。

オタケンのコネでチケットをいただいて。

なんと。

ななんと。

JAXA がいろいろと仕事ぶりをプレゼンして、一般の方々からご意見を伺うという催しで。

初めて拝見いたしましたですよ。

ナマの川口淳一郎先生。

なんかもうおいらボーッとしちまって、お話の内容とかあんまし覚えてないwww

オタケンありがとう。

ってことで、お礼には全然足りないけど、このあとメシおごらさせていただいたですよ。

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2013.1.7 月曜
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昔の装束道楽

おととい『ラストサムライ』を思い出したのは、昔の戦争の様子をちょいと考えたもんで。昔の軍人の服装ってどんなだったかなと。

前にも書いたかもだけど、今の兵士の服装って迷彩服で、敵からなるべく目立たんようにしとりますな。生き延びることが大事なわけで、その服装は大変合理的なわけで。今の戦場って徴兵で狩り出された素人兵の数で勝負なんて時代じゃなくなって、コストと時間をかけて育て上げた職業軍人の割合が多いらしい。てことでどの兵士でも、簡単に死なれると自軍にとって大損害っつう計算があるらしくて。

ところがずーっと昔ってさ、とりあえず日本の戦国時代じゃ「戦場では目立ってこそ」とばかりに派手な格好しとりましたな。

きっとその転機ってさ、望遠鏡と銃と大砲が普及して、刀も槍も矢もかけ声も届かない、ロングレンジな戦い方が普通になったからなんじゃないかと。ここらへんから考えが『ラストサムライ』に脱線したのがおとといのネタ。

んでそうなる前の「戦場では目立ってこそ」は、普段は着飾るのが制限されてたからってのもあったんじゃないかなと。平時に着飾ったり住まいや調度品に豪華さを求めるのは、権力の象徴だったんじゃないかなと。てことでまぁ上の人の暮らしの豪華さの度合いを見て、その下の人は上を超えちゃいけないとかいうルールが存在したんじゃないかなと。んでまぁ江戸時代は偉いお役人が質素倹約を旨としてたんで、そのうえ公家にも貧乏暮らしを強いてたみたいなんで、昔の中国だのヨーロッパだのインカ帝国だのみたいな、これ以上ない贅沢ライフな王侯貴族ってのはなかった、んじゃないかと。

んで昔の戦場ではちょっと話が違ったと思って。

偉い立場ほど自分を派手に飾るってことは、敵にわざわざ「偉いのがここにいるぞ」と教えてるわけで、効非効率に見えるわな。けどさ、さて雑兵を束ねる立場の偉い人が雑兵たちよりしみったれた格好をしてたらさ、果たして部隊の志気が上がるかっつう問題がありそうで。雑兵は主に村や町から集められた素人の兵隊だから、偉さが分かりやすくないとついてこないだろと。みっともないリーダーだと、自軍のほかの武将に人気で負けて人手不足になったり、あまつさえ敵軍の募集に乗られたりしたかもしんないわけで。

それとさ、武将は強いから武将になったわけで。知略も必要だけど、贈費用から見た分かりやすさでいえば腕っ節や武術の強さですな。それを戦場で証明してみせるには、派手な格好でわざと敵を寄せ付けて、並みいる敵どもをちぎっては投げちぎっては投げしてみせないといかんわけで。それを実際に部下に披露するかはまた別として、その覚悟を見せる意味でも、派手な格好は必須だったんじゃないかなと。まぁ部下を納得させてまとめるためですな。んでいったんそうなると、同じ軍の武将同士で、派手さの張り合いっこなんてのもしてたんじゃないかな。

鉄砲や望遠鏡が出る前は、世界中どこでもだいたいこんな感じだったのかもな。まぁ鉄砲の時代になってもナポレオン軍が赤装束だったのは、フランス軍の兵隊は隙あらば自分だけ逃げようとするから、自軍の兵隊を監視するためだったとか聞いたことあるなww ほんとかどうか知らんけど。

とりあえず横山光輝の三国志はその考え方らしくて、どの武将も戦装束がかっこいいですな。劉備・曹操・呂布クラスはマント着用だし。ていうか孔明殿だけいつも殿中の礼服のままだけど、まぁあれはあれでないとって感じw 孔明殿といえばヒソヒソ話。ヒソヒソ話といえばジュリアナ扇子。ジュリアナ扇子に似合うといえば、甲冑よりあの礼服だもんな。

んで話を戻すと、古代のギリシャ・ローマやエジプトやオリエント、インドあたりでもその路線だったのかどうかと。おいらそこら知らんのよね。おいらは今はこの考え方が自然に思えるんで、きっとそうだったんじゃないかなーと思うんだけどさ、実際どうだったんだろうかと。もしそうだったとしたら、そのあたりの戦場での武将の着飾り方ってどんなだったんだろうかなと。

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2013.1.8 火曜
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♪全部ウソさ そんなもんさ アメの映画はマヤカシー(いい意味で)

『アベンジャーズ』の VFX のネタバラし動画を見つけたよ。

いやー参った。背景や効果はほぼ全部作り物だったのか。ここまでやってたとは。飛行空母はまぁそりゃフル CG だけどさ、ニューヨークの街なんて実写背景が基本だと思っとったわ。それをデジタル加工で細工してるもんだとばっかり。全部とはなぁ。

あと役者さんたちが屋外の設定でも合成スタジオでやってるんだろうなーってのは、別な動画で今のハリウッドの撮影スタイルとして知ったんだけどさ、それにしても簡単なセットくらいは組んでるもんだとばっかり思っとった。そういうのもたぶんあるんだろうけど、そこらへんも CG だったりしてたんだなぁ。こんなに徹底してたとは。

結局ここまでしたほうが、製作期間が安かったり、予算の割に映像の完成度が高かったりなんだろうなぁ。ハリウッドは役者の値段が高いからな。天気待ちを計算に入れたり、役者さん同士のスケジュールを合わせたりとかで拘束時間や撮影予定を長めに取るより、全部スタジオ内で個別に撮って合成するほうが安く早く上がるってことかな。

全部作り込みってことは画面内のすべてを制御できるってことで、「画面の隅っこで想定外のことが起きて映り込んでたのにリリースするまで気づきませんでした」ってこともないだろうし。そういや『ロボコップ』(1987)で、おいらは未確認だけど、悪役クラレンス・ボディガーの最期の場面、背景にスタッフが映ってしまってるらしい。そんなことフル CG じゃあり得ないもんなぁ。アニメ制作に近くなった感じなのかな。

んでまぁこんなに見事に騙されちゃうほどの圧倒的完成度の映像なわけで、日本映画の場合はどうか知らんけど、ハリウッド映像はここまで進化したと。

てことでさ、この手のハリウッド娯楽アクション大作がおしなべて脚本の掘り込みが浅かったり陳腐だったりするのも、デジタル技術を駆使してどうにかなんないもんですかねぇ。子供客や映画の一見客を喜ばせるのに分かりやすくするのはいいけど、そうねぇ、この前書いた『ラストサムライ』的なああいう、映画にスレたやつでもトキメいてしまうようなのを少しは混ぜてくんないもんですかねぇ。

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2013.1.9 水曜
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パワーなんとか その1

すっかり下火になりましたなぁ「パワーなんとか」っつう言葉。アメリカから来た言葉だと思う。初めて聞いたのは……ドラマ「ホテル」で「パワーランチ」というのだったような。

なんでも、ただ昼ご飯を食べるではなく、大事なお客様や要人と食べながら会話することで仕事をうまく回すとかそういう意味だったような。仕事時間の昼飯ぐらい、仕事を忘れてのんびり食いたいねぇと思ったおいらは、当時から負け組の道を約束されてたかw つかあの当時は「勝ち組」「負け組」って言葉はまだなかった気がする。

でさ、その後訪れたインターネット時代。みんなこぞってパソコンを買ったりどっかからもらってきたり(おいらはもらってきた派)、なんてなりましたな。

Apple はこの「パワーなんとか」を商品名なんかに使った。PowerPC に Power Mac に PowerBook と。Power Mac だけ間にスペースが入るのが当時から謎だったけど、もしかしたらマクドナルドあたりで "powermac" が商標登録済みだったのかも。

で、おいら Mac ユーザになったのはもらい物の LC575 でだったんだけど、その次は Macintosh Performa 6410 っつう製品を自分で買った(展示処分品だったっけなw)。Performa シリーズって初心者向けでさ、使用ガイドのビデオ CD-ROM が付いてきたんだわ。

それを再生すると画面に日本人(たぶん)のおねーちゃんが出てきて(歩き方がモデルさんだったなぁ)、音声と動画で使い方をいろいろ解説してくれると。パソコンの初心者を意識した OS 機能とかあったな。ランチャーとかいうやつとなんかほかにもあったような。どれもむしろ使いにくかったけどw

でさ、そのガイドツアーの最後、画面のおねーちゃんがこう言ったんだわ。「あなたもパワーユーザーになりましょう」。

「パワーユーザー」。

このとき初めて聞いた言葉ってわけでもないけど、まーおいらは自分の Mac の中の笑顔のおねーちゃんの言葉で、「そうだなーせっかくだからパワーユーザーを目指そっかな」と思ってしまった。そこが勘違いの始まり。

パソコンのパワーユーザーって今思うと、OS やらみんな使ってるようなソフトのあまり知られてない便利機能に詳しいとか、そこらへんを使いこなす人みたいな意味だったんじゃないかなと。

「よしパワーユーザーだな」と思い立ったおいらは何をしたか。

Java だの JavaScript だの HTML だのの学習を始めましたとさ。「ソースコードの読み書きができる人」だと思ってしまってww 「FORTRAN と BASIC なら少しやったことあるからきっと大丈夫」というあやふやな確信を元にww

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2013.1.10 木曜
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パワーなんとか その2

現状は結局、Java は長期挫折中。JavaScript は数年前に大幅に機能が増えたのについていけなくて置いてけぼり食らいっぱなし。HTML は XHTML も話題の HTML 5 もまったく分からんっつう状態。勘違いして驀進した方面でさえグダグダ。

みんな使ってるようなソフトって何だよ。んー Mac と Windows と共通のソフトでおいらが使ってるっつうと Firefox と Thunderbird くらいか。どっちも使いこなすとかいう域にまったく達してないわけだが。つか職場で Windows を触り始めて5年経ったわけだが、いまだに Windows わかんね。Office 系もいつも使ってる最低限の機能以外ろくに使えね。

まぁ惨状そのものですわ。そういやかつては FreeBSD をいじってツウぶってたりもしたけど、よく分かんなくて投げた。最近 Linux 環境を手に入れたけど、インストールしてから触ってない。あの頃のパワーユーザーへの誓いはどこへやら。

知らないうちに、Apple も製品に Power なんとかっつう言葉を使わなくなったしな(最近は「なんとか Pro」に置き換わってる)。その前に「パワーユーザー」なんて言葉、誰も使わなくなったしwww つかあの当時も心の隅でちょっとは思ってたんだ。『だっせー言葉だなー』と。

勘違いといえば、「ブログが流行ってる」と聞いて、「ブログ」の大まかな意味を聞いて、テキストエディタに HTML 形式で日記を書いて、自前の契約サーバにアップロードすることだと思い込んでしまったっつうのもあったなーww この日記なんだけどww 途中で勘違いに気づいたときには手遅れっつう状態のまんま、今年6月末まで続けば12周年wwww なんぞこれwwwwwww

一応ね、12年前のブログの定義の段階じゃ、たぶんおいらの解釈で合ってたと思うんだ。んでブログが流行り出したってなもんで、そこからウェブ系の業者さんたちが次々とブログサービスを始めたんだと思うんだ。テキストを書いて送るだけで簡単にブログになりますよ、わざわざ HTML やらサーバへのアップロードの方法やらを学ばなくていいんですよ、なんてコンセプトで(そういやこのサイトを作って初めてアップロードしようとしたらうまくできなくて、1週間ほど悪戦苦闘したわ)。

てなわけで完全に自分専用仕様なこの日記、ウェブ上の生きた化石なわけですよ。シーラカンスとかゴキブリとかそこらへんですよw ひっそりほそぼそこれからもずっとww

なんか自らのパソコンライフに関しては、っつうかもっと考えると自分の生活全般だけど、おいらいっつも豪快に勘違いしてるよなーってのがなんかちょっと自分でツボってしまったですよ。

「パワーユーザー」って言葉って漠然としてるもんな。今その意味の言葉だと、「パソコンに詳しい人」だよな。

ていうか「パソコンに詳しい人」ってのも困ったもんでして。おいら自分じゃ詳しい人だと思ってないし言ったこともないんだけど、ときどきそう言われるんですよ。んで「ゆんずさんパソコン詳しいよね。ちょっと教えてよ」とか「パソコン教えてほしい友達がいるから面倒見てほしいんだけど」とか言われてもさ、できないって。

「教えてよ」の人は大抵、こっちが何の返事もしないうちから質問してきやがる。「C ドライブが……」「プロパティが……」「アウトルックで……」。知らんよ Windows のことなんて。「ハードディスク調子悪いんだけど直してくんない?」ってこっちが直してもらいてーよ(←去年の5月にハードディスクぶっ飛んだ人)。

「教えてほしい友達がいる」もなぁ……。だから教えらんないって。全部独学してめちゃめちゃ偏ってるんだって(しかも行った道でさえペーペー)。おいらが言ってあげられるのは「教科書を買って自分でなんとかしてください」くらいかなぁ。

つーか前に、返事もしてないのにその線で話をどんどん言ってきた人がいてさ、どっちみちお断りしようと思ってたけど、そのお友達ってのがどうやら任侠なおかたらしくてさ、なおさら必死こいてお断り申し上げたってのもあったわwww

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2013.1.11 金曜
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木星圏探査 お先に脳内旅行

日本の宇宙科学研究所は将来計画として、木星圏探査を考えてるそうな。それに必要な技術要素の獲得のためにソーラー電力セイル実証機 "IKAROS" を運用してるわけですな。さらにイオンエンジンも必要で、それは小惑星探査機「はやぶさ」で実地試験済みと。

前はこれ、単なる木星フライバイ探査機だと思っとったんですわ。けど木星フライバイ探査はもう NASA が4回もやってて、周回探査機「ガリレオ」も相当な探査を成し遂げた。今さらフライバイ探査する意味あるんかと思っとった。けどその疑念はすぐに消えたですよ。木星は通過点。フライバイというかスイングバイ対象だったと。

だったら土星とか? てわけではなかったり。日本の探査機は原子力電池を使わない方針なんで、太陽電池をどっさり積んでも木星までがやっと。

じゃあどこに行くのか。何を探査するのか。どうもそこが木星「圏」探査機の由来らしい。

太陽−木星ラグランジュ点の L4 と L5 に、小惑星がたくさん吹きだまっとるそうな。してこの小惑星群、火星と木星の間のメインベルト小惑星よりさらに地球から遠いんで、地上からの観測ではよく分からないことが多いそうな(とりあえず普通の光学観測とスペクトル観測で分かることは押さえてると思うが)。謎という名の財宝がザクザク眠ってるってわけですよ。

L4 は木星の公転の進行方向ですな。公転の位相プラス60°の空域で、常に木星の公転に先行してる。

L5 は逆に位相マイナス60°で、常に木星を追いかける位置。

この L4 の小惑星群と L5 の小惑星群、区別する名前がちょいと紛らわしい。両方まとめて「トロヤ群小惑星」だそうだけど、区別するときは L4が「ギリシャ群」、L5 が「トロヤ群」なんだそうな。大昔のギリシャ・トロヤ(トロイ)戦争にちなんでこうなってるそうで、木星を挟んで両陣営がにらみ合ってると。両群の発見済みの小惑星の名前もそれに合わせて、両軍の人物の名前が付けられとるそうな。構図や発想的にかなり面白いというか。

だったら両方合わせた大まとめの名前を「トロヤ群」から別のものに変えればいいだけと思えるけど、まーなんでかこういうネーミングになってしまってると。

んで日本の木星圏探査機が狙う小惑星は L4 のギリシャ群なのか、L5 のトロヤ群なのか。と、そこらへんいろいろ想像してみたら、どっちなのかやっぱし分かんなくてww 両方の妄想軌道図を左にしたためてみましたですよ。

どっちにしても加速スイングバイするのは同じ。木星軌道に達したら派手に加速しないと、また地球軌道なんつう奈落の底に落ちてきてしまう。

L4 行きなら、スイングバイ後の速度は木星の公転速度よりちょっと遅くする(できるかどうか不明。逆行で木星を1周すればできるかな)。遅くすれば太陽中心の公転軌道半径が小さくなって、木星公転軌道の内側に食い込み始める。そうなるとむしろ加速される。公転の角速度が大きくなるわけで、木星より先行していく。探査機がちょうど浮き上がって木星公転軌道と交差するあたりに、都合よく L4 領域がある、という軌道設計と。

L4 に近くなったらソーラーセイルとイオンエンジンで加速してやると、L4 領域とランデブー状態になるってことで、できるだけ長くそこにとどまってられる、と。木星スイングバイでこれができるのか、L4 近くでの加速量はソーラー電力セイルで間に合うのか、とかは不明。

L5 に行くなら背面宙返りですな。かつて火星探査機「のぞみ」が地球の月を使ってやったやつ、に見た目は近い。今回の図(太陽−木星固定)では逆行してるけど、実際は木星圏は一定速度で公転してるわけで、それより高い順行軌道に入って公転速度を遅くして、木星に追い抜かせる& L5 領域に追いつかせる、ということ。てことで太陽系の絶対座標で見ると、木星の公転軌道に近日点を置く普通の楕円軌道だったりする。んで L5 に入るあたりではスピード超過状態に戻るんで、L4 のときとは逆に、ランデブーするにはその直前からひたすら減速ですな。

そしてこの探査機は、L4 か L5 かおいらは判断できんけど、木星トロヤ群小惑星を次々と歴訪してはフライバイ観測を繰り返す、となる。

木星でスイングバイするとき何もしないのはもったいないんで、とりあえずフライバイ観測はすると思う。さらに今の段階の計画では、子機を木星の衛星軌道に投入することになってる。それで何らかの木星観測をすると。この機体は小さいはず。そして木星−地球でデータリンクを確立するにはそれなりにごっつい通信装備が必要なんで、この子機でできる観測はかなり限られてるはず。しかも加速スイングバイのついでということは、全球観測に適した極軌道ではないはず。けど宇宙科学研究で世界的成果を叩き出すための組織 ISAS がわざわざそれをやる以上、何か前人未踏の観測を狙ってるのは確実なわけで。その狙いは何なのかおいらは想像もつかんけど、彼らはきっと何かすごいことを狙ってるんだろうってのは想像できますな。

ISAS 探査機ってけっこう子機が好きだよね。今まで月やもっと遠くに飛ばした宇宙機は、さきがけ、すいせい、ひてん、GEOTAIL、のぞみ、はやぶさ、かぐや、あかつき、IKAROS の計9機。そのうち ひてん、はやぶさ、かぐや、IKAROS の4機が子機を搭載してた。開発段階でポシャった月探査機 LUNAR-A も子機付きだったよ(むしろ子機が主役)。

はやぶさ と IKAROS の子機の通信は、本体が中継役をこなしてくれた。けど木星圏探査機の子機は自分で地球と通信しなきゃなんないですな。それだけでハードル高いですなぁ。もしかしたら科学的成果じゃなく、工学実証が目的なのかもね(ちょっと弱気な説も出してみた)。

はやぶさ で知られるようになった(と思う)小惑星探査の意義って、原始太陽系の情報がそこの岩石に残ってるってことでしたな。地球や月みたいなサイズの星では星まるごとで熱変成が起きたんで、太陽系が生まれた当時の様子はもう消えてしまってる。てことで小さな星の地質を漁れば、そこからいろいろと読み取れると。はやぶさ の小惑星イトカワ現地探査と微粒子の研究で、その一端だけど本当に垣間見えた。直径 20km くらいの、原始微惑星がかつて実在したことを証明できた(それが微惑星同士の衝突で砕けて、その破片が集まって全長 500m くらいのイトカワになった)。

イトカワは地球近傍小惑星ですな。地質学的に原初の様子をとどめてるとはいえ、太陽に近くて熱や紫外線であぶられ続けてきた星でもある。それは原始太陽系の情報を得る上でのノイズになったんじゃないかと思う。昼の領域の表面温度が100℃を超えるほど熱いんで、揮発性の物質はあらかた蒸発して失われた後だったとも思う。

木星圏トロヤ群小惑星。ここで得られる太陽エネルギーは、地球公転軌道のそれのたった 4% でしかない。熱や紫外線での変成が少ないに違いない。揮発性物質も相当残ってるに違いない。事実、木星の衛星ガニメデなんて水の氷を多量に含んでたりする。同じくエウロパも表面が氷で覆われてる。寒くて水が蒸発しない環境ってわけで、水より揮発しにくい物質ならなおさら残ってるだろうと。

残念ながらというか、木星圏探査機はサンプルリターンはしないはず。巨大で骨なしの薄膜太陽電池兼ソーラーセイルを広げたまんま着陸・離陸ってちょっと考えられんし、地球に帰るにはもういっぺん木星スイングバイして減速しないといかんからな。仮にそこまでできたとしても、大気圏再突入速度は はやぶさカプセルの比じゃないほど速い。遠すぎて片道がやっとってことなんですわ。てことで現地探査が命の計画ですな。もともと謎だらけの小惑星群の中に入り込むってことで、1個でも多くの小惑星のデータを得られれば、片道でもすごい成果が挙がりそうですなぁ。

木星圏っつうと公転軌道半径が地球の5倍ってことで、もともとがめちゃめちゃ広大なんだけどさ、トロヤ群小惑星って比較的狭い領域にギッチリ詰まってる感じがする。ひとたびそこに踏み込むと、もう入れ食い状態で次から次へと歴訪できそうな気がする。

ギッチリとは言ってもそこらへんの軌道空間の莫大なサイズに対してのこと。普通の感覚で言えばスカスカだろうから、そこまで都合のいいもんでもないだろうけど、でも何個の小惑星を探査できるかねぇ。小惑星って形だけでも面白いしさ。あと小さくて地上からは見つけられなかった小惑星もドカドカ新発見できるんじゃないかと。

銘板
2013.1.12 土曜
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意外と近い小惑星

小惑星 "2010 TK7"。これ、地球のトロヤ群小惑星なんだそうで。すぐ近くじゃん。ギリシャ群のほうか。へぇー L4 と L3 の間を400年かけて往復するんか。今どこらへんにあるんだろ。

この手の小惑星ってサンプルリターンの対象天体になんないもんだろうか。昨日の図の軌道とかで、けっこう簡単に行けるんじゃないかって気がするが。

小惑星探査は、近い星ほど遠いわけでして。地球と公転周期が近いと会合周期が長くなるってことでして。例えば初代 はやぶさ の当初ミッション期間は、小惑星イトカワとの往復で4年だった。で、はやぶさ2 の対象天体はイトカワより地球に近いにもかかわらず、ミッション期間は6年に設定されてる。そういうことなわけで。

復路で何かトラブルがあって地球帰還が計画に間に合わなくなるとどうなるか。初代はそれで3年遅れた。2代目はそうなると4年遅れることが分かってる。そんな感じで。

けど地球と 1:1 の軌道共鳴の関係にある星だと、会合周期の考え方からして役に立たない。公転軌道の選び方によっては、意外と短い期間で往復できたりするんじゃないかと思ってさ。太陽−地球の成す直線から1日に1°ずつずれていくと、トロヤ群の位置まで60日で着く計算になる。そこで速度を揃えてランデブーできるか、できたとしても復路で同じくらいのペースで動けるか問題だけど、もしできるとすれば60日で帰って来られる。往復わずか4カ月。

いやいや、1日1°ずつって地球の公転がだいたいその角速度なわけで、倍速ですか。そんな簡単じゃないぽいぞなもし。まーそこらへんおいらは何も分かっちゃいないと。

2010 TK7 って名前からしてつい最近見つかったやつだね。おお2010年10月発見、地球トロヤ群小惑星だと発表があったのが翌2011年7月か。はやぶさ が地球に帰ってきた後のことだったんだね。

この小惑星が地球トロヤ群小惑星の発見第1号なのかな。うほほ、NASA 公式ページでそう言ってるわ

そういえば はやぶさ の成功で、NASA も地球近傍小惑星でのサンプルリターン計画「オシリス・レックス」を動かし始めたんですな。これがまぁパクリ的な内容で。けど NASA としてはそれもまた悔しかろうって気がしてたですよ。

ちなみにオシリス・レックスの対象天体は C 型小惑星。はやぶさ が訪れた小惑星イトカワは S 型。てことでオシリス・レックスは「C 型で世界初のサンプルリターン」の称号が得られるかと思いきや、はやぶさ2が別の C 型小惑星を狙ってて、今のところの予定では、出発も到着もオシリス・レックスより早いことになってるw

両者とも完全成功したとして、違いはサンプルの量。はやぶさ2は多くても 1g 程度。オシリス・レックスは 50g。初代 はやぶさ はサンプル量が公表されないくらい少なくてもあれだけの大成果が挙がったってことで、1つの星から50g も取ってどうすんのかって気がするが。「オレのおごりだ。みんなじゃんじゃん食え」と大盤振る舞いできる量ではあるな。

はやぶさ2の採取料は少ないけど、2カ所からサンプルをそれぞれ採ることになってる。そのうちひとつは発破で穴を掘ってから採取。つまり表面と土中との違いを見いだす目論み。一方オシリス・レックスはというと、50g を1カ所かららしい。うーん。

方法は、はやぶさ2 は初代と基本的に同じ。円筒を表面に押し付けて内部で弾丸を発射。飛び散ったカケラが奥のサンプルコンテナに勝手に入ってくると。今度は弾丸の形をさらに工夫して、予定採取料を少し増やせそうだそうな。この利点は、サンプルを採る場所が一枚岩だろうが砂地だろうが砂利敷きだろうが、必ず一定量が取れるってこと。

オシリス・レックスの採取方法はどうか。フタが開いたサバ缶みたいな浅い円筒状の容器を、ロボットアームで小惑星表面に押し付ける。てことは、砂や粉が厚く積もってる表面じゃないともっさりと取れないと思う。イトカワみたいに砂利状の場所しかなかったらどうするんだろ。まさかロボットアームの指先で1個ずつつまんではサバ缶に入れるわけでもないだろうと。

とはいえ NASA は小惑星・彗星の片道探査なら日本より場数を踏んでるしな。C 型の表面が粉っぽい確証とかあるのかも。おいら分からんけど。

てことでさ、オシリス・レックス計画ってこれからも続くんだろうか。今のところオシリス・レックス計画は、9年かけて対象天体と地球を往復することになってる。もし地球トロヤ群小惑星に行くのがかなり簡単なら、対象天体を 2010 TK7 に乗り換えて計画縮小したほうがいいってことになる。ていうか今までのタイミングがまた絶妙で。この計画、常に はやぶさ を意識してきたニオイがする。なんかこう iPS 森口さんの山中先生に寄せる暗い思いに似てるっぽい何か。そのうえ 2010 TK7 の発見が何か計画に影響を与えたりとかあるかなと思ってさ。だとしたら意外と踏んだり蹴ったりなのかなと。

さてそうなると、2010 TK7 が行きやすい星なのかどうかってのが気になってくる(ちょっと意地悪な意味でw)。したら英語版 Wikipidia "2010 TK7" に、まさにそのことが書いてあった。

地球からの行きやすさ

地球トロヤ群小惑星は地球と軌道を共有しており、その重力は小さい。そのためそこへ到達するエネルギーコストは、場合によっては何十倍も近い月に行くより小さくなる。しかし 2010 TK7 は宇宙ミッションの観点では、軌道傾斜角があるためエネルギー的に魅力のあるターゲットではない。2010 TK7 は地球の軌道の上下をかなり大きく移動する。地球から 2010 TK7 に届く遷移軌道において、宇宙機に要求される軌道変換速度は 9.4km/s である。ほかの地球近傍小惑星の場合、要求量が 4km/s 以下のものもある。

2012年12月5日に地球に最接近し、そのときの距離は 0.197AU(29,500,000 km)だった。2010 TK7 の明るさは21等級でしかなかった。

軌道傾斜角か。これがきつすぎて現実的には無理と。イトカワと地球の軌道傾斜角の差は少なかったはず。はやぶさ の軌道変換総量は 2.1km/s ほどで、そのうちいくぶんかはスイングバイのための加速だった。往復旅行でも 2km/s を切ってたと。2010 TK7 は片道でその6倍以上の軌道変換量が必要ってことで、はやぶさ じゃ無理ですな。一期一会のフライバイだけなら月に行くよりエネルギー的に安く済むんだろうけど、ランデブーして長期滞在するには実はかなり遠い星だったと。

てことでオシリス・レックスの行き先が 2010 TK7 に替わって計画縮小って具合にはなりませんな。オシリス・レックス計画はたぶんそのまま進むと。しかし計画進行が遅いはずの日本の はやぶさ の後を追ってたらついに追いつけず、それどころかいつの間にか はやぶさ2の後追いになってしまってますわな。小惑星サンプルリターンはリスクが大きいんで、両方やってどっちかだけでも成功すれば万々歳って考え方もあるけどさ。

2010 TK7 のほかにも、地球トロヤ群小惑星は存在するのかもしんない。L5 領域では未発見だし。もしかしたら L4, L5 あたりを探査機でうろうろすると、何個か見つかったりして。1個あったってことは、ほかにもあるかもしんないしさ。その中には軌道傾斜角があんまし地球と変わらないのもあるかも。そしたら月探査に行くより簡単に行けるってことですよ。

そういやオバマさん、地球近傍小惑星の有人探査がどーたらとか言ってたな。おいらはイトカワみたいな軌道の星を想像してたけど、地球のトロヤ群で都合のいいのが見つかったら、そっちのほうが実現性が高そうですがな。火星より簡単そうだし。ってまぁおいらは今思いついたんだけど、NASA じゃとっくにその検討を始めてるだろうなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

火星の衛星フォボスのサンプルリターンを目指した、ロシアの「フォボス・グルント」というのがあった。打ち上げが2011年11月にあったけど、地球周回軌道から離脱できずに終わってしまった。探査機は地球の大気に再突入済み。あれはサンプルリターンのリスクに負けたというより、その前の段階でコケてしまったんだわな。はやぶさ越えの野心的なミッションに、おいらは期待してたんだが。ロシア、リベンジ計画をやってくんないかなぁ。

銘板
2013.1.13 日曜
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超長距離便がわざわざ直送なのはなぜか

(2014.4.2 追記: 直送ではなく木星スイングバイで 4km/s ほど増速したそうです。Wikipedia 記事。完全に勘違いでした。すみません。以下は笑って読んでやってください)

NASA の冥王星探査機ニュー・ホライズンズは今も対象天体に向かって飛んでる最中ですな。最接近予定は2015年7月14日。まだまだあと2年半。

目的地がめちゃめちゃ遠いもんだから、打ち上げ時には人工物として史上最速をマークしたそうな。アトラス V ロケットにブースターを5本もくくり付けて、2段目で既に第2宇宙速度を突破。その燃え殻は人工惑星に。3段目は第3宇宙速度を獲得。ニュー・ホライズンズからちょっとずつ離れつつも、一緒に冥王星に向かってるそうな。

日本の H-IIA ロケットの2段目も、金星探査機 あかつき とソーラー電力セイル実証機 "IKAROS" の打ち上げで第2宇宙速度を獲得したけど、金星って地球に一番近い惑星なんだよね。それどころか太陽系の(一応の)最果て・冥王星にダイレクト送球とはメリケンさんはめっさ力技ですなぁ。

NASA の惑星スイングバイ技術は世界最高のはず。なのになんでまたこんな力任せの直送方式を使うのかギモンに思ってたけど、たぶんこれかなぁってのを思いついたってのが今日のネタ。

米ソ宇宙競争時代には普通だった直送方式って、隣の惑星2つかせいぜい木星までだったんだよね。水星なり土星以遠はスイングバイ併用が普通。

日本の場合は H-IIA が使えるようになるまではロケットがあんまし大きくなかったんで、火星に行くには 月−月−地球のスイングバイ、地球近傍小惑星行きでもイオンエンジン併用での地球スイングバイ(EDVEGA)を使った。あかつき も計画当初は H-IIA の5分の1の能力の M-V ロケットを使うはずだったんで、EDVEGA に似た地球スイングバイをするはずだった。ていうか飛ばずにポシャったけど月探査計画 "LUNAR-A" なんて、月に行くのに月スイングバイをすることになってたりもして(2回目の会合時に相対速度を減らして、周回軌道投入に必要な推進剤を節約する作戦だった。そのぶん探査機に観測機器を多く積めると)。

で、スイングバイ航法の元祖の NASA の今。火星に行くには変わらず直送だけど、水星・木星・土星探査機じゃ地球と金星を使ったスイングバイを駆使してたりする。往年のパイオニア10号・11号にボイジャー1号・2号じゃ打ち上げ時の初速は木星にようやく届くくらい。木星を観測がてらにスイングバイ、土星に届く速度を獲得して、土星を観測がてらにスイングバイ……とゆー水切り遊びみたいな航法と観測をやってのけて、ボイジャー2号に至ってはその要領で海王星まで観測できた。

その世代より後の、木星周回探査機ガリレオに土星周回探査機カッシーニは、いったん金星に飛んで、金星−地球を往復してスイングバイを重ねて加速して対象天体に飛んでいった。おととし打ち上げた木星探査機ジュノーは、いったん地球近傍小惑星イトカワに似た軌道にダイレクトで飛んで、地球で加速スイングバイを1回して木星に向かう。水星探査機メッセンジャーに至っては、地球−金星−金星−水星−水星−水星−水星周回軌道に到着、というしつこさw どの探査機もスイングバイしまくり。

んでまたなんでニュー・ホライズンズに限って、しかもかつてなく超遠方の星を探査するのに直送なのかと。

考えられる理由のひとつは、パイオニア・ボイジャーの時代はそれぞれの惑星がベストな配置になってたってこと。なんか百ウン十年に一度のスペシャルステージだったらしくて、そのチャンスを逃さずに利用したと。あれから30年も過ぎますとですな、もうフォーメーションが崩れとるわけですよ。それでうまいこと利用できなかったんじゃないかと。

あと、探査機を小型軽量にできたんで(465kg。はやぶさ より軽い)、手持ちのロケットをフルアーマー化すれば直送できたというか、フルアーマー化した手持ちのロケットで直送できる程度に探査機を小さくまとめたというか。ああでもこれは直送の直接の理由にはなんないか。まーとにかく物理的に可能だったってことで。

けどさ、いくら惑星の配置が崩れてるからってもさ、どれかは使えただろと。なんで使わなかったのかと。

とりあえず地球より外の惑星だとさ、火星は重力が小さいから、スイングバイの効果が弱そうですな。あと木星〜海王星って公転角速度が遅いからさ、じりじりとしか動かんわけで。冥王星に探査機を送るにしてはどの星も、ベストな状態から微妙に、あるいはおもっきし崩れっぱなしの状態のまんまだったから、なのかもね。

となると、ガリレオやカッシーニの金星−地球スイングバイが使えるではないかと。地球型惑星の大どころ2つの力を何回もしつこく貰いまくったら、けっこう稼げたんじゃないかと。

まーこれにしたって金星まで飛ぶとなると、それだけのために耐熱性を上げなきゃなんないわけで(金星の公転軌道上での太陽からの輻射熱量は、地球のそれの約2倍)、太陽からめちゃめちゃ遠い辺境の星に飛ぶんだからむしろ耐寒性が大事なんで、設計がめんどくてあああってなるってのもあったのかな。

んで今日思いついた理由ってのはまた別。

「うるさい連中に騒がれたくなかったから」

かなーと思って。

カッシーニのときのスイングバイ経路って、金星−金星−地球−木星だったんだわ(木星を使ってようやく土星に着いたんだから、冥王星に行くのに金星と地球だけってのは無理かもなって、ここまで前振りした今になってそんな気がしてきた(汗))。んでこれがまた唯一の地球スイングバイのタイミングがさ、1999年8月だったんだわ。そしてカッシーニには、プルトニウムを熱源にした電池が載ってまして。

事前にちょっとした騒ぎになったんですわ。ノストラダムスのアレと絡めた話が出回って。予言は「7の月」だったけど、そこらはどっかから適当に文献を拾って補正して、「暗黒大魔王が空から降って人類滅亡」とは、それはつまりカッシーニに搭載されたプルトニウム電池だったのであーる! というまぁそういうやつ。全部終わったことなんでどうでもいいっちゃどうでもいいんだけど、2回目の金星スイングバイが正常に終わった時点で、カッシーニが勝手に地球に直撃っつう線はなくなった。

探査機に積んであった推進剤を使えば、地球にぶつけるように軌道修正もできたかもしんないけど、そんな事態にもまったくならなかった。そしてカッシーニは地球と木星でのスイングバイも完璧にこなして土星に無事到着。今も元気に観測データを送ってきてる。

地球って地球型惑星の中じゃ最大で重力も強力。そしてそこそこ太陽から遠い位置にあるんで、外惑星に向かうスイングバイには絶好ですな。金星スイングバイでぶんぶん振り回して加速して、仕上げにでっかい地球でどーんとぶっ飛ばせるってわけで都合がいい。けどその星にはその探査機を生み出した人類が住んでるわけで。プルトニウムを担いで万が一突っ込まれると、その探査機の生みの親の皆さんが困るわけで。NASA はさすがにそんなヘマはしなかったと。

ちなみに1996年打ち上げのロシアの火星探査機マルス '96は打ち上げに失敗して、プルトニウム電池を積んだまんま太平洋南東部の海中に墜落した、と公式発表があった。けど後に NASA が再計算したには、ペルーのアンデス山脈に落ちた公算が大きい、と出てしまった。当のロシアは「水没したから大丈夫」説を採り続けてるし、ペルーでは現物がまだ発見されてないしで、真相は薮の中だか山の中だか海の中だかのウヤムヤ状態のまま今に至ってしまってる。これもカッシーニの空騒ぎの前振りになったのかもしんない。

んでカッシーニ、なりなりに騒ぎになったわけですよ。てことで地球スイングバイの少し前、NASA がわざわざ安全宣言を出したりもして。てことで NASA は外野の余計な騒ぎに巻き込まれてしまったと。とはいえプルトニウムは本当に積んでるからな(原発用ではなく、半減期87年の 238Pu)。何かと騒動の火種になりやすいわけで。

冥王星探査機ニュー・ホライズンズもプルトニウムの原子力電池を積んでる。木星より遠くは太陽電池が使い物にならないんで(木星でも太陽光の強さは地球の 4% でしかないから、太陽電池はかなり厳しい)、原子力電池以外に選択肢がないわけで。

てことで、もしかしたらニュー・ホライズンズは金星・地球・木星か土星経由あたりでスイングバイしながら行く手もあったかもだけど、敢えて直送を選んだのは、そこらの騒ぎを避けたかったから、てのもけっこう大きかったんじゃないのかって気がしてさ。

打ち上げは完璧だったってことで、もうあの探査機は二度と地球に近づくことはない。この手の騒ぎが起きるかどうかになる前に、さっさと決着つけてしまったっつうことかなと。

そういや去年の夏に火星に着いた NASA の探査ローバーのキュリオシティもプルトニウム電池を積んでるんだよな。打ち上げのときに問題にさえなんなかったような。騒ぐほうも、カッシーニでの空騒ぎで懲りたのかもねぇ。一応、打ち上げ時にはマルス '96 みたいになる可能性もないわけじゃないけどね。

銘板左端銘板銘板右端

冥王星ってそういや今は、けっこう太陽に近いところにいるはずだね。海王星軌道の内側に入り込む時期を終えたばかりで。だとしたら太陽に比較的近くて、写真はそれだけ明るい環境下で撮影できますな。ええと海王星軌道と内側→外側で交差したのが1999年2月か。あれから14年ほど。公転周期が247年ってことは、まだまだ太陽に近いほうかと。

冥王星の平均公転半径は 35AU ほど。冥王星が受ける太陽光の明るさは、35のマイナス2乗で地球での1225分の1しかない。パーセントで言うと 0.08% ですな。地球上での満月の明るさは太陽の40万分の1だそうだから、それよりは327倍ほど明るいんだけどさ、まぁけっこう暗いんじゃないかと。

写真を撮るには光量が必要ですな。シャッターが開いている間の累積の光量ですな。てことで暗い被写体をまともに撮るには、高感度の撮像素子を用意して、シャッター時間を長く取ると。

探査機のカメラは、モノクロカメラに何種類かのフィルタを仕込むことが多い。さまざまな波長で撮ると、表面の物性が分かるんだそうな。はやぶさ ではフィルターは7枚だった。たぶんニュー・ホライズンズのカメラもそんな感じなんじゃないかな。これで人間の目で見えるようなカラー画像を撮るとなると、3原色のフィルタで3回撮影しなきゃなんない。ただでさえめんどそう。そのうえ露光時間を取らなきゃなんないとなると、スケジュールがかなりキツくなりそう。ニュー・ホライズンズはフライバイ観測なんで、短時間のワンチャンスにすべてを賭けなきゃなんないし。

となりますと、冥王星が比較的太陽に近くてそれなりに光量を稼げる今の時期って、ベストではないにしてもけっこうラッキーなんじゃないかなと。ちなみに次に訪れる冥王星観測のベストシーズンは西暦2246年ですなぁ。ドラえもんが生まれるあたりですかねw

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2013.1.14 月曜
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似てる同士でつながったかも

ヨーロッパでかなり前から議論になってるらしい移民問題って、何かに似てるなぁと思ってさ。

別件で、会社とかで人を雇うのって、労働者の権利を守るための規制がいろいろあったり、実際は思った通りに働いてくれなかったりある日突然辞められたりで、とってもめんどいことだよなぁと思ってた。

この両者が似てる気がしてさ。

90年代、落合信彦の本でトルコからのドイツへの移民のことが書いてあった。なんでも、安い労働力を確保したくてトルコ移民を認めたら、ゲットーができたりドイツの暮らしに慣れようとしない移民も多くてまぁ「こんなはずじゃなかった」になったとか。「ドイツは労働力を輸入したつもりが、来たのは人間たちだった。その思慮が足りなかった」とか。

トルコの暮らしをドイツで続けようと、だって人間なんだもん、ジャーマンなライフスタイルをあんましキリキリとは強制するわけにもいかんわな。線引きするったってそうそうできるもんでもないだろうし(日常生活レベルのドイツ語くらいは習えよって感じではあるが)。おもっきし受け売りで申し訳ないけど、受け売りでしか知らんもんで。

んでドイツだけでなく、ヨーロッパのほかの国々でも競うように移民を受け入れ続けたら、各国で今「こんなはずでは」になってしまってたりらしい。

一方、日本の労働者っていろいろ恩恵ありますな。話題のブラック企業はちょっと置いといて、健康保険に自動加入だったり、労働基準法が会社側にとってかなり厳しく設定されてたり、クビにするにも会社都合じゃなかなかできないようになってたり(てことでクビにしたい人材は自己都合退職するよう仕向けるのが流行りらしいが)。まー会社を立ち上げたての経営者さんが軽い気持ちで人を雇うと、ここらへんにドはまりして稼ぐどころでなくなったりしてね。何のために会社を作ったやらってことにもなりかねないと。

ドイツの悔恨の弁、「労働力を輸入したら、彼らは人間だった」てのと、なんかかぶるような。

人間の労働力であるが故に、彼らを保護するルールもいろいろとついてくる。そうゆーめんどくさい制限がかかりまくりの労働力をルールすべてを満たしつつ使って、黒字を出さなきゃなんないわけで。経営に求められる雇用に関するエキスパート性は、労働者保護の規制ができればできるほど上がっていくと。

雇う側からすれば、こんなめんどくさいうえに高価な国内労働力を無理に使うくらいなら、海外のもっとラクで安い労働力に、と考えてしまうのもしょうがない面があるのかも。あるいはわざわざ海外に行きたくもないなら、自動化を進めて人間を極力雇わんで済むようにしたりとか。

てなことで、日本だと自動化と海外進出で、労働者の権利への対処のめんどくささを回避してきた面はあるかなと(それで国内の雇用が失われたとかは置いといて)。

ヨーロッパの移民大量導入政策って結局、いわゆる 3K 仕事を安くやらせる人手が手っ取り早く欲しかったってことなんですかねぇ。だとしたら、地元生まれの国民の失業率が上がるだけのような気がするが。それとも 3K 仕事ってあっちじゃ日本の比でなくおもっきし忌み嫌われてるんだろうか。ここらへん考えるほどよく分からんくて。

日本でも都会じゃ 3K 仕事は人気ないみたいだけどさ、おいらの地元じゃ普通の仕事ですな。かつて青森県は出稼ぎ労働力を大量に提供してたしなw

農家は冬は比較的ヒマなんで、その間は東京とかで建設関係のバイトをしてた。あー今は「ドカタ」って言葉は使っちゃいけないんだっけか。んでそれが青森県の貴重な「外貨」獲得手段でもあったと。地元のオッサンからそういう季節労働の話をときどきお伺いすることがあるけど、ご本人がたは別に気後れすることだなんて微塵にも思ってない。むしろ真っ当な仕事でよく働いたこと、それで家族を食べさせてきたことを誇りに思ってらっしゃる。

てなことで話してくれる内容も、東京から見た「辛くて悲しくて苦しくて、それでも一心にがんばって耐えて耐えて耐え抜いて……」なんて野麦峠な展開ではまったくなくて、笑っちゃったり、「えぇぇーっ!?」と場が盛り上がるようなのばっかり。なもんで聞いてるほうも、今は珍しくなった話をナマで聞けて素直に楽しいって感じ。つかあまりにも面白そうで、むしろやってみたくなるww

ヨーロッパの現状をそれに置き換えると、東京が青森県民だらけになってきて大変だよーってことかな。県民としては愉快だけどw ただ東京都と青森県との人口比はだいたい 10:1 だから、青森県の労働力が 3K 仕事を求めてこぞって東京になだれ込んでも大した影響はないわな。それに出稼ぎは冬だけで、春〜秋は地元で本業をするのに帰るしな。よく考えたら全然当てはまらんかったw

いやほんと、日本は移民の受け入れをほとんどやってないそうだからおいらがその状況に慣れてるだけかもだけど、なんでヨーロッパは移民の大量受け入れなんてやっちまったんだろ。資本主義で企業を立ち上げるのってヨーロッパが元祖なわけでさ、労働者を雇うと、雇い主にとっては正直邪魔な権利ってものがウジャウジャついてくるじゃないの。んでヨーロッパの人たちって、はじめは無に等しかった労働者の権利が発生しては一意に増えてくるのを目の当たりにしてきたはず。

なのに、外国人労働者を導入するってときに、その応用が利かなかった、ように見える。つうことはあれかい、3K 業種とかで安い労働力を大量に雇いたい企業としては、自国の自国民向け労働基準法から合法的にはみ出してる、「法外に安い労働力」を確保したかったってことかな。それで国に働きかけて移民受け入れを大々的にさせたってことかな。

ところが移民の人たちは労働基準法の外や特例ではあっても、そこで人として暮らす社会的権利は当然持っとりますな。それが一緒についてくることまでは、彼らについてきた権利がその国の社会をどう変えるかまでは、想像しなかった、あるいは知ってる人たちが自分の利益のために黙ってた、てことなのかな。

憶測ではあるけど、仮説っぽいものが1個できたぞと。以降はこれと比較して考えられるぞと。

日本も外国人労働者の受け入れの推進派がときどき弁を振るってるけど、おいらはヨーロッパの状況を見るに、ちょっとどうかなって気がしてる。やるにしても、日本社会に影響を与えない程度の小規模かなーと。

つかブラジルから工員を雇ったりってのはかなり進んでますわな。インドネシアやフィリピンから介護士を導入したりとか。現状で日本人社会との軋轢が特にあるわけでもないみたいだし、規模拡大はこのくらいで止めといたほうがいいんじゃないかって気がするが。

ていうか、外国人をわざわざ連れてくるくらいなら青森県民を使ってくれw 教えなくても日本語がいけるよww 喋りだけは訛りが外国語並みに凄まじいけど、聞くほうと読み書きは大丈夫だからww あと青森県民は温泉・銭湯好きが多いんで、風呂のマナーも(たぶん)いいぞwww

銘板左端銘板銘板右端

実はヨーロッパ諸国は、もっと深い考えをもとに移民受け入れをしてきたのかもな。結果はおいらの知る限りではあまり芳しくないような感じだけど、実はうまくいってる部分もあるのかもな。おいらが知らないってだけでさ。そこらへんの含みも一応持たせて逃げを打ってみるテストw

銘板
2013.1.15 火曜
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北欧の夕べの娯楽

めっさ面白い(とおいらは思う)スウェーデン発の動画みつけたですよ。

(2013.1.26 補足: 1/15 に入れた動画はなくなってたんで、同じ内容で違う投稿に差し替えました)

wwwwwwスウェーデンって最高wwwwwwwwwww

あの国といえば、おいらが思いつくのはノーベル賞と POWER FX 社と、ノキアってノルウェーだったっけ? ああフィンランドなのか。あとはあとは、料理がなんかうまそうな気がするのと、ボルボとサーブ。あと人口が東北地方と同じくらいとか。

てことで人となりがよく分かってなかったんだけどさ、いやーこれでちょっといいイメージつきましたですよ。

おおー、あと『ニルスのふしぎな旅』だぁー!!

おいらの中でスウェーデン株が爆騰中ww

銘板左端銘板銘板右端

昔『ニルスのふしぎな旅』のマンガ版をさ、一気読みで読破したことあるんだわ。本屋で。立ち読みで(オイ)。

んでなんか足りねーなぁと思ったら、ハムスターのキャロットがいなくて。ニルスの大事な旅の仲間だったろうがー勝手に端折りやがってとか思って。

今思うと、もしかしてキャロットって原作にない、アニメ版だけのオリジナルキャラなのかな。

北欧の話なのに、なんか「キャロット」って言葉ヅラは英語っぽい感じだしなぁ。あのキャラの、ニンジンにまつわるエピソードがあったのかどうか知らんけど、なんかそんな感じがしてきた。

そういう追加キャラかもしんないけど、キャロットの声は好きだったな。おっとその声優さんのお名前を知ろうってことで Wikipedia 記事を見たらば、やっぱしキャロットは「※アニメ版のオリジナルキャラクター。原作には存在しない」だそうな。そしてその声優の山崎唯さんってトッポジージョの声もされてたのかー。あのお声は他の人と取り替え効かんわなー。けど残念ながら、1990年に他界されてた(合掌)。

しかしまたなんでネズミ系ばっかし……。

銘板
2013.1.16 水曜
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激減の一因

昨日のニュースで2012年の交通事故死者数があってさ、4411人だったそうで。減りましたなー(記事)。2001年あたりで9000人台だったと思うよ。半減ですか。

半減とはいえ亡くなられた4411人の方々がいらっしゃるわけで、ご本人にとってもご遺族にとっても、総数の減りとは関係なく悲しいことのはずで、そこを考えると手放しで喜ぶわけにはいかんけど、交通事故で命を失わずに済んだ方々が増えた点ではいいことかと。

これ、どういう仕組みでここまで減らせたんだろ。とりあえず警察の取り締まりでは、飲酒・酒気帯び運転の厳罰化がある程度効いてるとは思うけど、それだけでここまではなんないような気もする。

自動車メーカーの衝突安全対策もあるかな。トヨタの GOA とかなんとか、10年くらい前によく CM を打ってたと思う。今じゃ衝突安全設計は普通になったから、わざわざ宣伝するほどでもないとかかな。あとエアバッグと ABS の搭載車がほぼ普及しきったとかあるかもな。エアバッグ・ABS は、これがあると任意保険の料金が若干安くなるからな。このあたりのサポートも普及を後押ししましたな。

あとさ、少子高齢化が進んだのもあると思うよ。若者が減って、クルマをぶっ飛ばす連中が減ったと。その層向けの車種も、採算が合わなくなって下火になったと。

それ言ったら若者のクルマ離れもですか。そりゃしょうがないわ。10年前より稼げる職の口が減ったしいつ無職になるかも分からんのに、クルマなんて初期費用も維持費も高いもんそうそう新品で買えんわ。月々48回払いローンなんて、来年自分がどうなってるか分からん身分じゃなかなか組めんというか、よしんば組みたくても組ませてももらえないんじゃないかとか。

そういやケータイの支払いってクルマに比べれば大したことなさそうだけど、月々何千円となるとさ、「それじゃローンしてクルマ買うのやめよう」と思うのに充分な理由かも。そしてスマホ化。通信料、ガラケーより高いよね。ここらへんも効いてきてるかも。

若者がクルマを買わないってのだとほんと、さっきも書いたけど、オスガキが欲しくなりそうなクルマってほんと減ったよなー。トヨタの 86 とスバルの BRZ が久しぶりにそういうクルマだけど、客層は50代が意外と多いとか。トヨタの社長は「狙いどおり」みたいなコメントしてるみたいだけど、いや若者が買わんかったらやっぱしそれはどうかなって面があるかと思うぞ。

つかこの話でちょっと嬉しいというか笑ってしまうのが、 86 と BRZ はまったく同じクルマでメーカーが違うってだけなはずなのに、BRZ のほうが売れてるらしいってあたり。どの世代で特にそうなのかは知らんけど、買う人たちはそこにこだわる人たちが多いんだなーと。おいらも買うんだったら BRZ かなー(買えないけど)。つかこれスポーツカーでエンジンが水平対向でしょ。だったら、どっちも同じ仕様ならスバルブランドで、という向きが多いんじゃないか、とおいらは思う(←おいらの主観をそのまんま基準にしてしまってるが)。

今やってるデトロイトのモーターショー、今年のトレンドはスポーツ指向らしい。この10年間エコカーエコカーうるさかったけどそこらが一段落で、クルマに乗る楽しみに回帰してきてるのかも。エコカーの技術発展は凄まじかったけど、あれって基本的に持ち主に節制を強いるものだから、乗っててあんまし楽しくなさそうでさ。あの動きでメーカー各社は自分らでクルマ好きな顧客を遠ざけてしまった面もあったかもな。

エコカーもさ、衝突安全ボディ・エアバック・ABS みたいに当たり前になって宣伝効果がなくなったとき、メーカーも顧客も初めてエコの呪縛から逃れて、自分の好きなタイプのクルマを自由に選べるようになるのかもね。

てことは、エコカーだらけで若者視点じゃつまんないクルマだらけになったってのも、若者のクルマ離れの原因だったんじゃないかと。エコカーって女性客狙いが多そうだしなぁ。そんなもん粋がったオスガキは恥ずかしくて乗ってられるかってな。そんなオスガキの数自体も減って、その層は数が売れないからとメーカーが見限って切り捨てて……。

んでそれが結局は、交通事故死者数が激減した一因だったりするじゃないかとかさ。

銘板
2013.1.17 木曜
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改善それは負担増

てことで交通事故の死者が減ったからには、クルマ乗りを取り巻く環境はさぞかし過ごしやすくなったんだろうと思いきや。時事ドットコム様の記事より。

ドライバー負担、じわり増加=4月に自賠責も値上げ

金融庁は17日、自動車やバイクに加入が義務付けられている自動車損害賠償責任(自賠責)保険を4月から平均13.5%値上げすることを決めた。任意加入の自動車保険では、事故を起こしたドライバーに割高な料金体系を適用する制度が導入済み。ドライバーによっては負担増が相次ぐことになりそうだ。

自動車保険には強制保険の自賠責と民間の任意保険がある。自賠責は損保各社が集めた保険料を政府の特別会計で一括運用する仕組み。金融庁は2008年度に約24%値下げし、運用益を5年程度かけてドライバーに還元する計画だった。

しかし、後遺障害が残る事故の増加などで想定よりも保険金支払いが膨らみ、11年度と13年度の2段階で保険料を引き上げることを決定。今回の値上げにより、自家用乗用車で2年契約の場合(沖縄県と離島を除く)、保険料は2万7840円と現行より2890円高くなる。08年度に比べれば5370円も高い。

さらに任意保険でも事故を起こしたドライバーの保険料負担が増す。年間保険料5万円のドライバー(20等級)が事故を起こした場合、保険の等級は契約更新時に3段階下がる。12年10月導入の新料金体系では、保険料は8万3790円と従来制度(5万8110円)よりも4割以上高くなる。(2013/01/17-20:07)

何ですかこれ。保険料の負担増ってあんた……。去年、事故で任意保険を使うと料率が前より激しく上がるっつうことにされた時点でイラッとしたけど、自賠責よお前もか。てか今度は事故起こしてなくても一方的に値上げですか。ほんと何なんだこれ。事故死者数が減ったんなら保険料は値下げが筋だろが。

その理由として「後遺障害が残る事故の増加などで想定よりも保険金支払いが膨らみ」て出てるね。信じるとして、死なずに障害が残ったほうが、保険屋の支払いとしては高く付くってことですか。

なんだかなぁ。

何かが間違ってる気がしてしょうがない。

銘板
2013.1.18 金曜
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ひといきくりごはん

楔形文字ワープロ くりごはん のアップデートできますた。ていうか文字変換ルールを書いた部分の読みにくかった部分を、ちょっと書き直したってだけー。

我ながら、こんなめんどくさい変換ルールをよく全部表現できたななんて変な感心したりもしてw まーバグも今まで見つけたのは全部取れてるし、この状態が一応の完成形かもな。

あとは限定符か。どう作っていいやら皆目見当つかん……。

銘板
2013.1.19 土曜
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2年経過の AoI 和訳

AoI (Art of Illusion) 文書の勝手日本語訳、ようやく新リリースできたす。今回はチュートリアルの6〜8番目。チュートリアルあと2個か。長いなぁ。けどここまで来たらもう引っ込みがつかずってやつですかー。

チュートリアルあと2個が終われば確かに一区切りだけど、さらに Scripting が2個に Programming documentation が件もあるという罠。ここまで来ると文章を理解できるのかどうかさえ怪しいんだが。まだ見てないけどさ(怖くて)。

AoI マニュアルの和訳をやろうと思い立ったのは、2011年の正月休みの最中だったっけ。ここまでで丸2年かかってますですよ。ばかじゃねーの>自分 しかもまだ途中 orz

だらだらやってるからこうなんだけどさ。おととしも去年も、トータルで半年以上は止まってた気がするよ。

裏理由の「英語和訳の技術向上」は、さすがにこんだけやったらそれなりにいけてきたかも。技術文書なんで基本は逐語訳なんだけど、それだと日本語としておかしくなるときがあるわけで。んでいったん英文で理解したものを、さらに非言語ななにがしかに置き換えて、その非言語ななにがしかを日本語文で書き出すというような、そんなことが少しできるようになったというか。

しかしさー文書の和訳とは関係ないけど、FM ラジオ番組のパーソナリティさんって、1つの文中で日本語と英語を混ぜて繰り出すよね。言語モードの切り替え、おいらはどうしてもタイムラグが出るんだわ(一息の発話で両言語を混ぜては言えない)、あの道のプロたちの脳内はどうなってるんだと。

銘板
2013.1.20 日曜
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超絶美声ひとみ様

石川ひとみやべー。歌声にハマっちまったかも。

なんかこの前の『ニルスのふしぎな旅』→ 昭和の NHK の子供向け番組 → 『プリンプリン物語』とゆー流れで、どんなんだったかなーと懐かしくなってさ、つかピンポイントでアクタ共和国の国歌を聞きたかったんだけど見つからなくて、ほかに知ってる曲は……と YouTube 検索結果を見たら、『わたしのそこく』と出まして。ああなんかちょっと覚えてるかもーと軽い気持ちでポチットナ。

ハマった。

懐かしいとか以上に、石川ひとみ様の超絶美声と見事な歌唱。

昔の歌謡曲だの歌手だのってさ、ろくに覚えてないけどなんだか古臭い気がしてあんまし聴き直そうとも思ってなかったんだけどさ、ゆえなく侮ってました本当にごめんなさい。

今流行ってるアーティストでここまで歌える人っているんだろうか。音楽業界はここんとこ「売れない困った」と嘆き節みたいだけど、どこから売り方がおかしくなったのか、石川ひとみ様の歌を聴きながら考えると答えが出るかもね。

このお方が J-POP を歌ったらどんな感じになるんだろね。

銘板
2013.1.21 月曜
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もとはインド叙事詩

Wikipedia で「プリンプリン物語」を見ると、「古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』をモチーフにしていることが伺える」ってこれ読んで初めて知ったわ。ラーマーヤナ自体、いまだおいら世界史の授業でタイトルだけ知った状態のまんまだけどさ。放送時にはその世界史の授業さえまだ受けてないしさ。

番組の雰囲気全体が独特な感じでもあったね。インド趣味だったんだ。昨日の『わたしのそこく』もイントロはシタールだし。

子供向けの番組でも、コンセプトをそういうところから取ったりするもんなんだなぁ。

「主要キャラクターたちの造形とパーティの構成から、『西遊記』を意識しているとの指摘もある」てのもあったりして。おいらそのときは西遊記は知ってたと思うが(堺正章とドリフの番組で)、それでも連想を働かせられんかったですわ。

放送は3年間に及んだそうで。おいらは途中で見なくなっちまった。なりなりに成長して、対象ターゲットから外れてしまったってあたりかな。女の子向けの要素が若干強くて、ついていけなくなったのかも。てことでおいらはその後、男の子なんで順当にガンダムにハマっていったとw

銘板
2013.1.22 火曜
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もとは中華ファンタジー

昨日の続き。

女の子ってのはヨーロッパ趣味が多いかと思いきや、意外とインド趣味にピンと来るものなんかね。さくらももこもインド指向な気がする。

その一方、鳥山明は『Dr. スランプ』の頃から中国趣味だよね。摘さん一家なんかもろに中国だったしさ。つか『ドラゴンボール』の元ネタは明らかに『西遊記』だし、ビジュアルも中国っぽいわな。悟空は亀仙人の弟子ってんで「亀」のバックプリントの衣装で、その衣装がもろに中国趣味だわな。悟飯か悟天の小さい頃の服は清朝っぽいわな。チチのいでたちが中国っぽいから(名古屋弁だけど)、その影響なんて設定もあるのかな。

んでそのドラゴンボールが世界のマンガブームをいまだに引っ張り続けてるってのはさ、特に西洋の人たちに混乱をもたらしてやしないかと思ってさ。マンガといえば日本ってのは分かってるだろうし、日本と中国は別の国ってのも分かってるだろうし。そこへきてドラゴンボールのあの中国風のビジュアルってのは……という気がして。

まぁ連載当初の鳥山先生も、よもや後に世界で大ブレイクなんて思っても見なかったろうし、日本人の読者からすれば先生独特のカワイイ中国趣味は鳥山作品の特徴だったから、それで誤解や混乱は起きようがなかったわけで。つかほんとに世界でこんな混乱が起きてるかどうかは分からんが。

当の中国のマンガ好きの人たちはどう思ってるんだろ。まぁ好意的なんじゃないかって気がするけど。人気があって知名度も高いみたいだし。

だってさぁ、

これやらかしたの中国人だって話じゃねーのwww 見るたびに笑っちまうよwwww

銘板
2013.1.23 水曜
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蛇の道は的な道から GIMP

GIMP 2.8.2 の日本語 Mac 対応版キターーーーー!

GIMP は 2.8.2 から Mac 版が登場したんですわ。それまでも Mac 向けはあったんだけど UNIX 寄りでさ、Mac 上で X11(Mac で UNIX ソフトを使うための GUI)を起動してから Mac GIMP を起動、という段取りだった。ていうかアイコンから起動できるんだけど、自動でまず X11 が立ち上がって、その上で GIMP が立ち上がる、という形だったですよ。

これはこれで使えたからよかったんだけど、Mac OS X についてくる日本語フォントが使えなくて。デフォで X11 に入ってるのは、あんまし綺麗じゃないやつでさ。あと X11 での日本語/半角アルファベット入力の切り替え方がどうにも分からんくて。ファイルを探したりファイル名を書き込んだりがちょっと面倒で。そして画像に文字入力がなかなかできないと。できてもあまり綺麗じゃないフォントだったと。

それが、2.8.2 で晴れて Mac 用のフォントが使えそうな気配だったですよ。だって Mac ネイティブだもんなー。これまではどうしてたかっつうと、GIMP プロジェクト本体とは別に Seashore っつう GIMP ベースのフリーソフトがありまして。GIMP の機能の一部を Mac ネイティブに置き換えたもの。Mac のフォントがそのまま使える。けど Seashore そのものの機能はあまり多くなくて、いろいろやるには GIMP でやりたいと。

てことで文字画像は Seashore で背景透明で作って、それをコピーして GIMP のほうで貼ると。けっこうめんどいと。これがついに解消されるということで。オラ、ワクワクしてきたぞ!

けどなぜか GIMP 公式サイトから 2.8.2 を落とすと、日本語環境下では起動に失敗するという謎。GIMP はもともとマルチリンガルで、自分で言語環境を探知して表示言語を判定するんですわ。んでどうも 2.8.2 の Mac 版は起動時に日本語フォントをうまく処理できないらしい。

しょうがないから 2.6.12 に戻して、我慢して使い続けてきた。

んでそろそろどーかなと公式情報を漁ったら、今もまだ 2.8.2 で、日本語環境での問題は未解決だったですよ。けどコチラのブログ様が重要情報を提供してくだすった。公式の 2.8.2 は相変わらずダメだけど、GIMP on OS X でバイナリをダウンロードすれば OK、なる情報をゲット。なんだかよく分からんがやってみるべぇ。その前に、Ahn Dal-Sooの日記 様、貴重な情報をどうもありがとうございました。

うほほほ起動したですよー。んで文字の扱いも気になるけど、dropshadow の Script-Fu は動くのかと。Art of Illusion 文書の勝手日本語訳で必要なんだが。2.6.12 からそのまま受け継いでくれるといいんだが。ってやっぱダメだったか。初期化状態かよ。過去ログで導入方法を記録してたような……あったあった。って自分で書いた文なんだけど、すげー分かりにくいw インスコ手順の記録じゃなく、何が起きたかを順に書いてっただけかよww けどその全14ステップをようやく思い出して理解して、これでいかがですかー!

できた。よしゃー。そして本題の日本語の扱いはいかがですかー!

……、

……、

……。

だめだ使えねぇ orz

Mac にあるフォントは使えるんだけどさ、入力ボックスへの日本語入力・変換ができんとは。いや、できるんだけどさ、ひらがなオンリーとは。しかも 2.6.12 までと同じく、日本語/英数の切り替えができないっす。たぶん普通のキーボードの左上の切り替えキーでやるんだろうけど、Mac のキーボードにはそのキーがないんですわ。あとさ、ひらがなが出た瞬間に確定されて、漢字に変換できんす。

テキストエディタでいったん書いてからコピペはどうだー。できん。貼り付けできん。

……、

……、

……。

お、右クリックでメニュー出して「貼り付け」なら行ける。環境設定のキーボードショートカットを見ると、貼り付けは「command V」となってるけど効かない。てことは GIMP 2.8.2 for Mac ってもしかしてキーボードショートカットができないんじゃ……。

いったん GIMP を落として、Mac を英数モードにして再起動してみるべ。って command Q 効かねーし。メニューから終了と。

んで文字を英数にして GIMP 再起動。ははぁやっぱしこれか。今度はキーボードショートカットが効くわ。と思ったら、今度は何でございましょう。貼ったらいきなりフローティング画像になったんですが。入力ボックスに出てくれよ。しかもテキストエディタの文言じゃなく 、その前に GIMP 上でコピった文言だし。そして GIMP の文字入力ボックスでコピった文言はテキストエディタに貼れない。クリップボードが Mac OS X のと別なんかい。うーん。Mac のフォントが使えるようになっただけで、日本語対応は基本的なところができてないんだな。

あれ? てことはあれかい、Seashore で作ってコピーした文字画像も GIMP 2.8.2 で開いてる画像に貼れないんですかい?

……、

……、

……。

だめだわ orz

こいつはあれだ、GIMP 2.8.2 for Mac はおいらにとってはまだ使いにくい。日本語の扱いとクリップボードの共有化がこの状態のうちは、今までの 2.6.12 を使い続けることにするわ。たぶんこれからこなれてくるんだと思う。特にクリップボードの問題は日本語とは関係なさそうなんで、けっこう早い時期に解決してくれるような気がする。ここが解決すれば、おいらとしては 2.6.12 を捨てて最新版に移るメリットがある。あとはゴマカシ技でどうにかできそうだし。

結局 2.8.2 for Mac の要点は、X11 を不要にしたってところだけなんですな。Mac ネイティブの GUI で表示できるようにしたと。んで機能の部分のネイティブ化・最適化はたぶんこれからと。

フリーソフトなんで現状までやってくれるだけでありがたいんだけど、今は待ちと。

今回はそこらを確認できただけでよしとしますか。前は 2.8.2 の起動からしてアウトだったんで、その確認さえできんかったよ。

銘板
2013.1.24 木曜
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タイミングの問題では?

さすが産経! おれらにできないことをやってのけるッ! そこにシビレる憧れるゥ! てことで記事: 小惑星探査機「はやぶさ2」予算4倍増 文科省が予算重要政策原案

「民主党政権で30億円に削られた小惑星探査機『はやぶさ2』の事業費を約4倍に拡充する」

落ち目の民主を便乗叩きですなぁ。

はやぶさ2って自民党政権の2006年から予算要求してたんだけど、そのとき初年度数十億の要求で認められたのはたった3000万。トータルで200億は必要なのに、これで何をしろとってな額。民主党政権でもそれを続けてたってだけ。したら2010年に初代はやぶさが派手に話題になって、政府は手のひらを返したと。まぁ弊害も特にないし、そうしたほうが国民に支持されそうなら当然そうするわな。

順番が逆だけどさ。誰も見向きもしないうちに事業を始めて、うまくいったら「国民の皆さんどうです!」と胸を張るってのが本来の順番かなと。てことは、リスクまみれな計画だったのに初代はやぶさ の予算のほうは承認した自民のほうが1歩リードってことかな。

「同省は前年度比7.2%増となる6兆455億円の概算要求をすでに財務省に提出。安倍政権の発足を受け、民主党政権時代の政策の見直しを進めていた」

そういや自民党政権時代の はやぶさ2 の予算折衝って、JAXA が謎の動きを見せたんだよな。財務省の側から「はやぶさ2 の予算を付けましょうか」と言ってきてくれたのに、JAXA のほうが「要らない」と打診したらしい。科学探査機を管轄する宇宙科学研究所(ISAS)は今は JAXA の一部だけど、かつては文部省直属の組織だった。科学技術庁の下にあった宇宙開発事業団(NASDA)とはオフィシャルでは特に接点がなくて、NASDA としては ISAS が目の上のタンコブだったらしい。

して世紀をまたいだ省庁統合で、文部省+科技庁=文部科学省 となって、宇宙機関も NASDA+ISAS+NAL(航空技術研究所)=JAXA となった。んで元の組織が一番大きい旧 NASDA 勢力が順当に JAXA の実権を握ったと。ちなみに NAL は科技庁だったんで、たぶん NASDA との合併はあまり軋轢がなかったんじゃないかと。NAL は NASDA とも ISAS とも共同研究をよくやってたから、現状でもそんなに問題を感じてないような気がする。

して新生 JAXA の中で、ISAS は何かと不遇を囲ったと。JAXA が はやぶさ2 予算を「要らない」としたのはまあ単に ISAS をいじめたかったわけじゃないとは思う。そのぶんを旧 NASDA 系の研究開発に回すってことだったんじゃないかと。あの頃の旧 NASDA 系の研究開発というと、国際宇宙ステーション(ISS)関連で必死だったからな。 ISS に飛行士を派遣しつつ、 ISS 貨物船の HTV とそれを運ぶ H-IIB ロケットの同時開発、ISS 日本実験棟「きぼう」の打ち上げ・軌道上組み立て準備に、軌道上大型実験設備「セントリフュージ」の開発(完成したが、アメリカ側の都合で打ち上げと ISS への取り付けは見送られた)と。たぶん はやぶさ2に回ってもよかった予算をそっちに回しちゃったんじゃないかなと。

この前までの民主党政権の頃、はやぶさ2の開発が正式承認されたのに予算が要求よりだいぶ低く絞られたってのは本当だけど、はやぶさ2のカネの苦難はそのはるか前から続いてたんですな。2006年頃の はやぶさ2といえば、JAXA の上のほうから「はやぶさ2の打ち上げ予算は認められないから、タダで打ち上げてくれる外国のロケットを自分で探してこい」なんて無茶そのものな注文を出されてたしな。

はやぶさ のプロジェクトマネージャーの川口教授はそのあたり、初代はやぶさ の小惑星イトカワでの現地探査成功と、機体喪失と小惑星サンプルリターン計画破棄の危機という、熱いんだか寒いんだかの大変な状況だったってのに、本当に外国にロケットを探し回りに行ったらしい。

一時期は、ヨーロッパで開発中だった全段固体燃料ロケット「ヴェガ」初号機で行けるか? って噂も上がったっけ。まっさらの新型ロケットは水物なんで、おっかなくて基本、誰も荷物を預けたくない。てことで運賃は超破格値になったりする、という流れで。結局そんな都合のいいロケットは見つからなかったけど、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は はやぶさ の活躍で小惑星探査に興味を持って、ISAS と共同で小惑星サンプルリターンをやる「マルコ・ポーロ計画」もこの頃にできた。はやぶさ は当時から外国ウケはよかったんだよな。

おととしの大震災って はやぶさ2には関係ないかと思いきや、間接的にはあったと思う。あのとき旧 NASDA 系の実用衛星3機が活躍して、その価値が認められたんですよ。陸域観測衛星「だいち」に、通信技術試験衛星「きく8号」(災害現場との衛星中継が想定に入ってた。まさに「こんなこともあろうかと」)、超高速インターネット衛星「きずな」ですな。さらに準天頂衛星も災害対策に有効とされて、開発が進むことになった。けど JAXA の総予算は厳しいまま。実用性のない はやぶさ2の立場が再び不透明に(「この国に生まれてよかった」「税金払ってよかった」と国民に喜んでもらう意味では充分実用的だと思うが)。ということで。

はやぶさ2計画は政治にも上部組織にも時代の流れにも翻弄され続けてきたと。で、おととしから募金したりしてな。はやぶさ2だけでなく、JAXA 内の研究・開発テーマ数件で募金を始めて、そのうち1つが はやぶさ2という形で。明らかに はやぶさ2のために始めたことだけど、JAXA としてはバランスを保たなきゃなんないしな。して今まで集まった額の半分が はやぶさ2宛なんだそうな。

この流れをダイジェストで。

  1. 2006年頃: JAXA は「はやぶさ2は ISS に比べてあまり重要ではない」と判断したらしく、承認された予算は雀の涙ほど。そして「タダで乗せてくれる外国のロケットを自分で探してこい」
  2. 2010年前半: はやぶさブーム(地球帰還前の時点)発生。「はやぶさ2計画、すぐさま始動せよ!」
  3. 2010年5月: 「2番じゃダメですか?」「物がないなら外国から買ってくればいい」で国が予算を認めない空気。
  4. 2010年6月: はやぶさ地球帰還成功でブームが過熱。菅政権は人気取りのため「予算を付けますよ」(ちなみにこの時点で、読売新聞が政府のあまりの節操のなさにツッコんでる。読売としても世間に人気のある はやぶさ後継機の開発スタートをきっと望んでたろうが、これはこれで「民主党政権、大丈夫か?」と指摘を入れる、なかなかいいツッコミだと思ったよ)。
  5. 2011年3月: 東日本大震災発生で旧 NASDA 系の実用衛星3機が活躍。実用衛星計画のほうは開発が進むことに。はやぶさ2 はその意味では実用性がなく蚊帳の外。
  6. 2011年後半: はやぶさ2の予算が認められ、JAXA としても押せ押せでいくことにしたが、国が認めた予算は要求の半額程度。国民から寄付を募ることに(2006年時点で外部から寄付のアイデアが出ていたが、ISAS は「研究の処遇を人気のあるなしで決めてしまうわけにはいかない」との正論で、そのときは寄付を拒んだ。背に腹をかえられなくなったということか)。
  7. 2012年12月: 公共事業費の増額を謳った自民党政権が復活。ただし宇宙関連自体への影響は不明のまま。
  8. 2013年1月: 自民党政権は民主党政権との違いを強調するため、7年前と違って知名度が高くなった はやぶさ2の予算を大幅増。そして、落ち目の民主党を叩けば売れることに気づいたマスコミが食いついた←今ココ

てな感じですか。ていうか探査機の開発って複数年にわたるわけでさ、どうも日本の予算要求の仕組みとして、その年度ごとに分けて要求する仕組みらしい。はやぶさ2の場合は打ち上げ費用も込みで、総額250億円くらいらしい。んで初年度に認められたのが30億円だったと。

いったん作り始めた探査機って、完成させて運用までしないともったいないわけで。はやぶさ2は対象の小惑星と地球との位置関係が大事なんで、打ち上げに適した時期が限られてる。2014年か2015年。できれば2014年のほうが軌道の条件がいいそうな。もう来年ですよ。してこのあたりを逃すと今後10年くらい無理になるそうな。もう探査機を作り始めた以上、何が何でも完成させて来年か再来年に打つしかないんですわ。

となると、今年というか来年度というかは予算をガッツリ与えるしかないわけで。ここで予算を増やさないと、それまでの国の投資がパアになるわけで、「血税を無駄にしやがって」な展開なわけです。そのくらいは民主党でも分かったろうと思うわけです。

記事の肝は「予算4倍増」ですな。120億円。今回はどうしたってそのくらいは盛らんと。それでも今までの合計は150億。あと100億は必要ですよと。

自業自得で落ちぶれた民主党を叩いて、自民党に世直しを期待して盛り上がるのが今の世の中の流れではあるけど、この案件は実は関係ないんじゃね?

銘板
2013.1.25 金曜
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進めチュートリアル

AoI 文書翻訳、歩行チュートリアル1周目できた (=▽=) チュートリアル9個めですな。10個めは "Animating Vehicles" で、クルマのアニメーション作りですな。おもちゃのクルマが8の字コースを走るやつで、完成 GIF チュートリアルはなかったけど、完成 .mov ムービーがあったわ。ふおお、GIF アニメとは違うのだよ GIF アニメとは!

1周目ができた歩行チュートリアルは、既成の人型オブジェクトを使って「歩く」動作を作っていくというもの。なかなか奥が深かったですよ。しかし AoI ってモデルのポーズの左右反転機能とかないんだろうか。右足で1歩ぶん動作を作ったら、コピーして左右反転すれば左足ぶんもいけるんじゃないかと思うんだが。つかもうモデリングの時点で左右を別個にいじるのがめんどいような。鏡対称で一気に作業できるのって六角大王のみなんかねぇ。

そういうのはスクリプトで自作とか? てことは先達がお作りなったスクリプトがもうあるとか? だといいですなぁ。

つかクルマのアニメーション、前半でもうおいらヘタレ気味ですが。タイヤの回転がさ、なんかほんとめんどくて。ただ回すだけなのに。回転の設定が4つ組だと180°までしかサポートしないのまでは分かった。だから4つ組のチェックを外してオイラー系にしてと。したらなんかもう車軸とタイヤが、堺マチャアキが如意棒をふるうみたいに動きやがる。

これもチュートリアルの想定内なんだけど、いろいろ解説があって、オイラー系の回転は X 軸 → Z 軸 → Y 軸の順に適用されるとかで、最後の Y 軸だけで設定すれば、軸がブリリンブリリンと荒ぶることはなくなると。けどそしたら車軸とタイヤが横倒しですがなと。

てことで Null オブジェクトを親にして、車軸とタイヤをその子に設定するんだそうな。車軸とタイヤの向きを変えるのは Null オブジェクトの向きを変えることで対応すればいい、そうすればすべて問題なくなる、のだそうで。

めんどい。

軸を回すってだけで、けっこうな理解力と労働力が必要ですなぁ。

んー、AoI って何をやるにもなにかと間接的だったり回りくどかったりってなところがあるような。ほかの 3D ソフトもけっこうこんなもんなんだろうか。

とりあえずオブジェクトをいじるのに新規にオブジェクト編集ウインドウが開いて、メインウインドウのままじゃ細かい造作ができないってのは……たぶんこれ AoI の特徴として、どうにもなんないだろうなぁ。このオブジェクト編集ウインドウが開いた状態じゃ保存できんから、途中で保存するにはオブジェクトの編集をやりかけだろうが、いったんオブジェクト編集ウインドウを閉じないといかんわけで、んでまたオブジェクト編集ウインドウを開くと、表示設定が共通の初期状態に戻ってるってのがどうも……。

けど開発者も作業工程の多さの問題に気づいてるのかも。ver. 2.9 になったらテクスチャと材質の設定ダイアログが統合されて、そこらへん「あの場合はあっち、この場合はこっち」と分別しなくてよくなったしな。こういう統合や簡略化での改善って小さいことかもしんないけど、1日何十回もその工程を踏むとなると、その改善のありがたみが分かるわな。

銘板
2013.1.26 土曜
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北欧の夕べの娯楽の由来

1月15日のスウェーデンの夜の雄叫び動画、もとの Youtube 動画が削除されてたんで、同じ内容で別の人からの投稿に差し替えましたです。んでこの新しいほうの投稿者コメントで、この由来が書かれてたですよ。英語版 Wikipedia "Flogsta" からの引用で。ちょいと訳してみるですよ。

Every evening at 10 p.m. the "Flogsta scream" may be heard, when students scream collectively from windows, balconies and roof tops. There is controversy over how the tradition started. Some locals say it was simply a stress reliever, which started during exam times and then became a daily occurrence. Others say it started in remembrance of a student who committed suicide in the 1970s. A similar tradition exists in one of the student dormitory neighbourhoods in Lund, as well as in the student area of Lappkärrsberget in Stockholm.

毎晩10時、"Flogsta scream" を聞けることがある。これは学生たち集団が、窓辺やバルコニー、屋根の上などで叫び声を上げるものである。この由来には議論がある。地元の一部の意見では、試験期間中に始まった単なるストレス解消法で、後に日常のこととなった、とのこと。別の意見では、1970年代に自殺したある学生への追悼("remembrance" を意訳しました)だという。類似の伝統が Lund 街区の学生寮の1つや、ストックホルムの Lappkärrsberget 学生地域に残っている。

てことでどっちもありそうだけど、やってる人たちはなんだか楽しそうでいいわw

銘板
2013.1.27 日曜
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布陣完成だそうな

H-IIA ロケット22号機、フツーに打ち上げ成功しましたな。情報収集衛星打ち上げなんで事前の盛り上げとかなかったけど(たぶんライブ中継もなかったんじゃないかと)、なんかもう気がついたら上がってたw 今さら成功おめでとうって感じでもないけど、成功したんでやっぱしおめでとうございますー。

 \●/ ←日の丸扇子のつもり
  ×

2003年だからもう10年前か。H-IIA 6号機の打ち上げ失敗で、情報収集衛星2機が一度にパアになってしまった。その後の対策として、リスク分散で1機ずつ打ち上げることになった。んで、あのとき成功してれば、光学衛星2機+レーダー衛星2機の当初予定がさっさと実現してたはずだったのに、1機ずつの打ち上げのうえにレーダー衛星が次々と故障っつうのもあったらしい。

てことで10年越しで、ようやく光学衛星2機+レーダー衛星2機の布陣が完成なんだそうな。

しかしこれで充分かっつうとさ、地上のどこでもいいけど、ある定点を最低1日1回の頻度で監視できるとゆー、まーそれだけといえばそれだけだったりして。極軌道だから地球全部を範囲にできるってのはいいけど、例えば北極・南極に近い部分は何回もよく見れるけど、赤道あたりはちょっとスカスカって感じかな。

この計画が持ち上がるきっかけになったあの国は中緯度なんで、まぁ問題ないっちゃないか。1日1回だと思わせとけばいいか。赤道で1日1回なんで、中緯度はもう少し頻繁に見れそうだが。

解像度は今回のレーダー衛星で 1m くらいっつう発表ですな。んでまぁマスコミさんたち、欧米の商用衛星は解像度 50cm を切ってると言っとりますな。民生用より性能が低いから意味ないだろというツッコミのつもりだろうか。今回打ち上げたのはレーダー衛星で、光学衛星の解像度と直接比較する時点でおかしいと思うが。

ていうか合成開口レーダーで解像度 1m ってすごくないか? 初代のレーダー衛星はたぶん旧 NASDA の地球観測衛星「ふよう1号」や JAXA の陸域観測衛星「だいち」の技術ほぼそのままだったろうから、解像度は 10m くらいだったと思う。その10倍ですよ。画像だから、同じ面積を撮影するとデータ量100倍ですよ。だいち でも 10m の解像度が、林野への不法投棄の監視に使えるくらい役立ったってのに。

偵察衛星の解像度が 10m だと、5トンクラスのトラックが1ピクセルでギリギリ見えるか見えないかですな。しかもそれが何なのかがはっきりとは分からない状態。「もっさり野積みした資材が昨日あったけど今日なくなってた」とかならいけるね。あと北朝鮮のロケットは全長で 35m くらいだけど直径は 2.5m 程度っぽいんで、真上から見てもこの発射台に立ってるかどうかはよく分からなさそう。光学衛星だと、影が長く伸びてれば間接的に分かるかどうかってとこ。そしてレーダーだとこの手が使えない。

解像度が 1m だと、乗用車サイズのものが余裕で分かる。しかもそれがそのサイズの自動車だってことくらいまでは分かる。まぁ乗用車かワゴンかライトバンかの判別までできるかは分からんけど。とりあえず発射台に直径 2.5m 級のロケットが載ってるかどうかなんて余裕で分かりそうですなぁ。

あ、おいら勘違いしてるかもってのがあったわ。レーダーって測距なわけで、解像度といえば3次元になりそうな気がする。見た目での縦横の解像度は光学と同じとして、レーダーで奥行き方向の解像度も例えば 10m とすると、3階建てビルくらいの高さがないと認識できないってことになる。長さ 10m を超えるトラックやトレーラーがどでーんとそこにあっても、高さが 5m もない状態だと情報を拾えないんじゃないかなって気がしてきた。

そこらへんの定義がおいらは分かっとらんけど、もし今回打ち上げたレーダー衛星の奥行き方向の解像度も 1m 程度だとすると、偵察したいくらいのサイズの被写体が一気に見えてくることになる。あと人が複数人集まって、面積として1平米を取ってるなんて状況まで感知できるかもね。

だいち は、東日本大震災の津波被害でのっぺりになってしまった被災地の様子を克明に伝えてきた。合成開口レーダーの奥行き方向の解像度って、縦横の解像度よりずっと高いのかもな。

今回打ち上げたのは偵察衛星なもんだから、公表した「解像度 1m」というのがどこまで本当かも分からんけど、たぶんそれより劣るってことはないと思う。実際は 50cm くらい行ってたりして。

その可能性が高いのはむしろ光学のほうか。光学1号機の解像度は公称で 1m で、あの当時、松浦晋也氏は三菱電機のそのときの衛星技術からして本当は 2〜3m くらいじゃないのか、と読んでた。あれからずいぶん代替わりしたからなぁ。リスク分散で1機ずつ上げる方針にしてから、ロケットの打ち上げ余力がもったいないからとばかりに、技術試験衛星を作っては一緒に打ち上げてきたし。海外の商用衛星やそれを超えるくらいの解像度はもう実現してるかも。

そしてレーダー、光学ともども軌道の高さが 500km 程度で、けっこう高いんですな。それでこのくらいの解像度って、かなりすごいような。軌道の都合の関係でどうしてもこの高さになるらしいけど、被写体からけっこう遠い。もしその制限がなければ、この半分の高度までは衛星として成り立つわけで。そうなるとそれだけで解像度が倍になる。

日本の場合、少ない衛星でできるだけ多くの場面でできるだけ長く使いたくて、この制限を受け入れてる形かと思う。米ロあたりじゃ効率の悪さを数で埋めるんじゃとばかりに、特に冷戦時代は低高度の偵察衛星をバンバン運用してたらしい。てことで、大気圏に一時的に突入して被写体に肉薄する衛星(DAS とかいう略称だったような。何の略だったか忘れた)の開発までしてたそうな。実用化したかも知らんけど、なんか日本の宇宙開発事業団の高機能衛星構想で、DAS 研究じゃないのかとアメリカに疑われてしまったのがあったとか。

そういや偵察衛星の初期ってカメラがデジカメじゃなくフィルム式で、必要な分を撮ったらいちいち大気圏再突入させて回収してたらしい。小型の再突入カプセルを切り離したのか(ムサイ・コムサイ型)、衛星本体が丸ごと再突入したのか(ホワイトベース型)、はたまた分離した再突入カプセルと用済みの本体がそれぞれに再突入したのか(はやぶさ型)。

どの方式にしても、コストや手間がとんでもなくかかるわけで。しかもリアルタイムな情報じゃないし。デジカメを実用に使ったのは宇宙分野が最初じゃないかな。その需要って偵察衛星から始まったのかもな。

銘板左端銘板銘板右端

日本の情報収集衛星構想の発端は、北朝鮮が1998年にテポドンで衛星打ち上げに挑戦したことでしたな。ある日突然、事前通告なしに日本の国土を飛び越えて、日本中があばばばばばとなってしまったあの一件。「あれはミサイルか衛星か」っつう、クルマに例えると「あれはトラックか荷物か」なんつう意味をなさない論議はいまだに継続中ですな。

あれから15年。北朝鮮は4回目のチャレンジで衛星打ち上げについに成功しましたな。3回目からは打ち上げ場所を替えて、本州またぎはしなくなった(沖縄またぎされてしまってるけど)。たぶん韓国の衛星打ち上げに対抗して、わざわざ不利な極軌道を選んだんじゃないかなと。と同時に、日本の本土を2回またいでみたら、世界中から非難されたわ、それを口実に日本が衛星で監視するようになったわ、国交を結ぶっつうエサに釣られて拉致被害を認めさせられて存分に叩かれたわでいいことなかった、というのもあったからじゃないかなと。

てことで実はあの頃よりも、北朝鮮って日本に対して露骨に敵意を向けてはいない気がする。かの国の最近の恫喝対象はアメリカと韓国に絞られてるような。

じゃあ情報収集衛星はもう重要じゃないのか、となると、まだ使いでがあるというか。北朝鮮に取って代わったかのように、別の近隣国2つが露骨に反日の狼煙を上げて挑発してくるようになったからなぁ。ということは2カ国ともよっぽど内政に矛盾がたまって、国民の不満をごまかすのに必死なんだろな。この2国との軍事衝突はあんまし考えられんけど(向こうにとってリスクだけが大きすぎる)、装備するもんをしとけば、そう簡単に手出し口出しできんでしょうと。

最近思うこと。状況分析チームがいくら優秀でも、それを聞いて判断する立場がダメダメだと全部ダメダメなんだなーと。先の大震災発生直後から、米軍は日本政府に福島沿岸の詳細な放射性物質拡散状況の実測データを提供してくれてたらしい。そして政府はこれを利用しなかったとか。それとは別に、まさにそのシミュレーションをする SPEEDI っつう装置を日本は自前で持ちながら、パニックや利害発生での混乱を恐れてデータを公表しなかったりとか。そして日本の一般人はそんな体たらくの自国政府に呆れて、ドイツ気象庁が公表してた放射性物質拡散シミュレーションを見てたり。そしてそれは SPEEDI のデータを元に作られてたとか。

日本の情報収集衛星の性能は非公表だけど、海外のその手のプロは蛇の道は蛇ってことで、状況分析からけっこういい見当をつけてるはず。けどその情報を得て判断する連中がヘボなら、そんな情報はないのと同じってわけで。どうでしょう件の反日国でいろいろ判断する立場の人たち。なりなりに正確な情報を得ても、なんか別の思惑で反日を煽ってる感じだからな。正確な判断とかとはまた別な基準に基づいて変な判断をしてそうな気がする。まぁそうであってくれると、こっちとしては助かるけど。

銘板
2013.1.28 月曜
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無用の長物、ついに実戦投入

H-IIA ロケットの改修・高性能化が進んでますな。その改修メニューのひとつで、「静止衛星打ち上げで、衛星側の負担を減らす」というのがある。

今のところのこの負担、どうして発生するのか。どうやってその負担を減らすのか。

北緯29°の種子島から H-IIA を打つと、静止遷移軌道の傾斜角が29°になる。静止衛星の軌道傾斜角は0°なんで、静止遷移軌道で最もスピードが落ちる遠地点で衛星は、赤道に平行の方向に加速するのと同時に、軌道傾斜角を相殺すべく、南北方向に逆噴射もしなきゃなんない。ベクトル合成なんで斜めに噴射するわけ。

これがヨーロッパみたいに赤道直下(正確には北緯5°)から打ち上げると、南北方向の逆噴射がほとんど要らなくなる。そのぶん衛星の推進剤に余裕ができる。

1機の静止衛星の打ち上げ・運用は何百億円とかかる超巨大プロジェクトなんで、衛星はできるだけ長く使いたい。静止衛星の寿命は一般に、推進剤の残量で決まる。てことで静止衛星は、日本のロケットで打ち上げるよりもヨーロッパのロケットで打ち上げるほうが長生きできる。

そんなわけで H-IIA の改修ではこの不利な条件をどうにかしようってのが大きなテーマで。種子島から打ち上げながらも、軌道傾斜角の問題をクリアするにはどうするか。

んで採用になったのが、「静止遷移軌道の遠地点近くまでロケット上段と衛星をつないでおいて、切り離し直前にロケット上段を再着火、軌道傾斜角を20°まで減らす。同時に赤道方向にも加速。結果的にその軌道の近地点高度は 2000km まで上がる」という案。

おいらこれが不満で。

近地点高度が上がるってことは、遠地点での速度が上がるってことでして。軌道傾斜角がまだ20°も残ってるのに遠地点速度が上がると、消したいはずの南北方向の速度ベクトルで、せっかく消したぶんがなんぼか相殺されてしまう。そして切り離した後のロケット上段はその軌道に残るわけで、近地点高度が 2000km なんつう高さだと、大気圏再突入は半永久的に起きない。スペースデブリになってしまう。

おいらはこれよりかは、「ロケット上段の残存推進剤を南北方向の速度ベクトルを殺すことのみに使えばいいんじゃないかと思っとった。遠地点で真北か真南を向いてスロットル全開。それで軌道傾斜角が0°になればいいけど、ならなきゃロケット上段にできるところまで。そこで分離して、あとは衛星が自力で静止軌道に飛んでくと。

なんでそうしないのか、よく理解できんかった。

けど最近はちょっと理解できるような。

遠地点での軌道変換が一番効率がいいってことで、だったらそれは衛星分離後の衛星の自力噴射に譲るつもりなんではないかと。てことはロケット上段はその前に軌道変換を済ませる必要がある。そのベストじゃない位置での軌道変換でベストを尽くすと、結果的に「軌道傾斜角20°、近地点高度 2000km」になってしまうんじゃないかな。

デブリの件はどうだろう。おいらは分からんが、きっと問題ないという結論に達したんじゃないかと。国際社会を説得できる言い分を確保してるんだろうと。そこは JAXA を信用するしかないですなぁ。

と、ここまでは考えた。正解がこれだとして、やっぱしヨーロッパの静止遷移軌道傾斜角5°に遠く及ばんのよね。赤道方向の速度をいくぶん稼げるとはいえ、ここはそれより傾斜角なんじゃないかと思う。けどこれが、今できる目一杯の対策なのかもな。まー打ち上げる静止衛星の寿命は、現状より確実に延びそうだし。

H-IIA の2段目エンジン LE-5B は、設計段階から再々着火までできるようになってる。これ、「まず低軌道に入るために最初の着火、いったん停止して静止遷移軌道に入るタイミングを合わせて、再着火で静止遷移軌道に、その遠地点で再々着火して静止衛星を静止軌道に直接投入」という芸当ができるようにすべく、この機能が盛り込まれた。

ところが実際はそこまでする機会がなかった。たぶん開発途中に、「ペイロード比が悪くて実用的ではない」という判断が出たんだと思う。けど、たぶん将来性を見込まれたんだと思う。再々着火機能そのものは実装された。てことで長らく無用の長物だったけど、今回の改修でようやく日の目を見ることになると。衛星は何もせず、ロケットだけで静止軌道まで持っていくところまでは無理っぽいけど、軌道傾斜角を減らして衛星の負担を軽くするために、再々着火が役に立つと。

しかしこれほんと、今までほんとに無用の長物でしたなぁ。というのも、打ち上げから静止遷移軌道の遠地点にたどり着くまで5時間かかるんですわ。けど H-IIA の2段目のバッテリーは50分程度しか持たないらしい。てことで今の段取りだと、静止遷移軌道への投入が成功し次第(30分以内に決着がつく)、急いで衛星を切り離す。あとは衛星自身でどうにかしなきゃなんない。せっかく再々着火できるのに、バッテリーがそのタイミングまで持たない。だから再々着火機能は無用の長物だった。

して今回の改修で件のバッテリー、晴れて5時間持つようになるそうな。

この再々着火+5時間バッテリー、静止衛星打ち上げのほかにも、極軌道の低軌道っつう最近の JAXA がよくやる打ち上げで、複数の衛星を異なる高度に投入するのにも使えるそうな。なるほどなー。それで相乗りさせると、1機あたりの運賃が下がるわけで。今は50分制限があるから同時打ち上げで取れる軌道の幅が狭くて、双方の衛星の都合を調整するのが難儀なわけで。

2つの極軌道がどっちも円軌道として、段取りは、着火1回目で低いほうの円軌道、2回目で高いほうへの遷移軌道、3回目で高いほうの円軌道となるね。静止軌道とは軌道の性格が違うけど、段取りの本質は同じですな。

地球観測系の極軌道の周期は約100分。現状の H-IIA の2段目だと半周でバッテリーが切れちゃう。高度を変えて2機を軌道投入となると、最短でも1周はかかる。H-IIA の2段目は最低100分は生きてないといかん。高いほうの円軌道までなら150分。てことで強化バッテリー、早く実装されるといいですな。

それについてもちょいと素人アイデアがあったり。燃料電池が行けるんではないかと。

H-IIA の2段目の推進剤は水素と酸素。燃料電池の燃料とまったく同じ。タンク内の液体水素は沸点が低いんで、時間が経つごとにどんどん気化する。たぶん内圧が上がりすぎないよう、水素ガスをときどき機体の外に捨ててると思う。この無駄になってる水素ガスを燃料電池の燃料にすれば、あとはそのぶんちょいと多めに液体酸素を積むだけで、軽量・長持ちな電源になるんじゃないかな。電力需要量と燃料供給量の計算まったくやってないけどw

現状の50分未満のフライトじゃ水素の排出量は大したことないだろうけど、5時間となるとけっこうな量になってしまいそう。それを有効に使うってのはいかがでしょ。

ちなみに宇宙用の燃料電池は、40年以上前に既にアポロ宇宙船で使われてたりする。これで電力と水を賄ったそうだ。乗組員は月への往復旅行の間、純水を飲んでたってことですなぁ。純水って言葉づらがキレイだし実際に清潔だけど、飲むと全然うまくないんだよなぁw 水道水のほうがよっぽどうまいぞww

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2013.1.29 火曜
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サトリングサトリ

今さっき酔っぱらいつつ考えたことなんでアレだけどさ、

おいら宗教家でも哲学者でもないけどさ、

「悟り」

って、

「客観的理解」

のことじゃね?

いやまあ一般的な意味での「悟る」は「察する」の意味だけどさ、

そうじゃない一見意味ありげで難解そうな「悟り」ってさ、

意外と単純にそう言うことなんじゃないかと思ってさ。

銘板左端銘板銘板右端

さて明日は韓国ロケットの打ち上げ日ですよ。羅老ロケットは今回で泣いても笑っても最後らしい。以降はロシアの技術支援を得ない、新シリーズの独自技術ロケットの開発に移行するそうで。

今度こそ延期せずに打ち上げできるといいですなぁ。あとロケット好きとして、今度こそ成功すればいいですなぁ。正直、羅老(KSLV-1)計画で1度も成功しないってのは悲しすぎるんで。

まぁ成功しても、韓国で得られる技術的成果はあまりな誘うってのがアレだけど。けどロシア側の担当企業クルニチェフとしては、1段目に使ってる新型エンジンの実地テストをこれで3回もできるってことでして。2009年の1回目で成功してればそのときしかテストできなかったわけで、クルニチェフとしては意外とおいしい企画かも。

つか朝鮮半島だって今は1年で一番寒い時期だと思うんだ。こんな厳しい時期にわざわざ打ち上げるのってさ、やっぱし北朝鮮が先んじてしまった焦りがあるんかねぇ。

銘板
2013.1.30 水曜
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成功とこれから

韓国ロケットついに成功しましたな。おめでとうございます。

関係者は成すことを成して胸を撫で下ろしたってとこでしょうか。(恐らく)目的のひとつだった北朝鮮に先んじるっつうのはならなかったけど、とりあえずはハッピーエンドってことで。

つかほんとに、羅老ロケットというか計画名 "KSLV-1" ってエンドなんだよね。んでこれとはまったく違うロケットの開発が始まってるらしくて。

今度のは純国産液体燃料ロケットだそうで。羅老は自国が担当したのは2段目部分で、その2段目の燃料は固体燃料だった。てことで、技術が継承されないと。ああでもフェアリングと三軸安定の装置は継承されるかな。

んで新型デビューの予定は2022年らしい。去年からスタートしたとしてあと10年。新型ロケットの開発期間としては妥当かな。けどほとんど初心者の状態ってことは、開発中にわけわからんトラブルが続出するってことでして。彼らにとってたぶん救いなのは、最難関の1段目エンジンにクラスターを採用したってことかと。1基の出力75トンのエンジンを開発して、それを4基束ねるってことで。エンジン単体の開発難度はそのぶん下がるでしょうと。クラスターならではの問題点はどうか分からんけど。共振とかの振動系のトラブルは厄介そうだよな。

日本初の純国産大型ロケット "H-II" は研究段階では1段目メインエンジンのクラスター化も検討したそうだけど、未経験ってことで、慎重を期して推力100トンの単発エンジンにしたそうな。推力10トンまでしか作ったことがなくて、そこから先は未知の領域。そのうえクラスターっつうこれまた未知の方法を追加ってのはキツい。一気にジャンプアップするなら開発要素をできるだけ省いて単純にしたい、という考え方だったらしい。

ただその単発用の大型エンジンの開発で塗炭の苦しみを味わったと。経験済みの10トン級エンジンの10倍だもんな。

して H-II ロケットの発展型の発展型、"H-IIB" で100トン級の2基クラスターを初めてやってみたら意外とすんなりできちゃって、若手技術者への技術継承としてあまり役に立たなかったとか。H-II 開発チームに今の視点でツッコむのは簡単だけど、あの当時は100トン級の液体水素エンジン開発はターボポンプに魔物が潜んでるとか、クラスターが意外とラクだとか全然分からん状態だったからな。技術開発ってやってみなきゃ分からんってことで。

H-IIB でのクラスターが意外と簡単だったのは、エンジンそのものができ上がってたってのが大きかったかも。だとしたら H-II 開発チームの当時の判断は、妥当な面もあったってことですな。

韓国のこれから開発するロケットの仕様は、たぶんそのあたりの過去の海外の開発物語も見て決めたんだと思う。んで中出力クラスターを選んだと。

これが動き出す前は、韓国でも単発高出力エンジン派だった。ロシアから買ってきた羅老の1段目がそうだったからってだけかもしんないけど、羅老宇宙センターの所長は北朝鮮のロケットの1段目が4基クラスターなのを見て、単発高出力エンジンの優位性を説いてたっけ。けど純国産では北朝鮮の後追いで行くことになってしまったと。

クラスターってエンジンの基数が増えるわけで、部品点数がそのぶんだけ増えるわけで、信頼性というか頑丈さというかが一層大事になるはず。てことは設計思想は「効率を多少落としてでも単純さ重視」になるかな。技術蓄積があまりない開発状況に向いてるってことか。その意味では韓国の選択は正しいのかも。

世の中的にもどうなんだろ、もう大型高出力エンジンの時代ではなくなったのかな。日本の将来計画の H-III ロケット用のエンジンは、二段燃焼サイクルをやめて(性能を捨てて)爆発の危険性をなくして、それをクラスター化するらしい。アメリカのスペース X 社のロケット・ファルコン9は安価な中出力エンジン9基のクラスター。

けどロシアで開発中のアンガラロケットのエンジンはまさに羅老が使ったあのエンジンで、1基で170トンの大出力を叩き出すと。このあたりまだ結論は出てないというか、過渡期なんですかねぇ。

つーかスペースシャトルのメインエンジンって1基の出力が200トン級で、最初から3基クラスターだったわけで。1段目エンジンとして液体水素燃料の二段燃焼サイクルっつうのも世界初挑戦だったはず。メリケンさんの技術蓄積の凄まじさを物語っとりますなぁ。この開発も難航したみたいだけど、日本とはその打点の高さが違ってたと。

韓国みたいな後発組は、そこらへんの歴史を見ながら判断できるってのは有利ですな。

しかしここで、H-II ロケット開発責任者の五代富文氏の言葉。

「技術とは結局、自分で苦しまないと手に入らないものだった」

H-II のエンジン開発は、スペースシャトルの開発例を参考にしたそうで。シャトル開発で難航した部分は同じ轍を踏まないようにしたはずだった。それでも自分たちにとって未知の領域で次から次へと魔物が現れては、これでもかと苦しめられたと(結局それで初打ち上げが2年遅れた)。韓国が開発する中型エンジンの燃料はたぶんケロシンですな。日本では持ってない技術ですな。米・中・ロの先例を学ぶことになるだろうけど、自分で苦しむ覚悟もまた必要かと。

銘板
2013.1.31 木曜
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順位にまつわるそこらへん

読売新聞のロケット報道、相変わらず政治的ななにがしかでねじ曲げとりますなー(記事)。11年前、H-IIA ロケット2号機の打ち上げ成功を無理に「失敗」にしようとしたあの頃と変わっとらんですなー。

韓国、人工衛星打ち上げに初成功…3回目挑戦で

【ソウル=門間順平】韓国は30日、人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号」を同国南部・全羅南道(チョルラナムド)高興(コフン)の宇宙センターから打ち上げ、衛星の軌道投入に成功した。

国際社会が認める形で国産ロケットの開発から打ち上げまでを成功させたのは、米露、日本などに続き10か国目。

韓国は2009年8月と10年6月の2回、打ち上げに失敗しており、3回目の挑戦での成功となった。

羅老号は、打ち上げから約9分後に宇宙放射線などを測定する科学衛星(約100キロ・グラム)を軌道に投入し、約1時間半後には地上局が衛星からの信号を受信した。

羅老号は2段式。1段目はロシアの技術支援で製作され、2段目は韓国が独自開発した。

ロシアとの契約では打ち上げは3回までで、今回が最後のチャンスだった。今後は搭載可能重量の拡大が課題となる。

問題は「国際社会が認める形で国産ロケットの開発から打ち上げまでを成功させたのは、米露、日本などに続き10か国目」の部分。技術到達の順番を、政治が認めるか認めないか程度で勝手にいじったらダメだろ。

これで外されたのは北朝鮮ですな。けどその基準を使ったら、9位のイランも外れてしまうがな。てことは読売基準では韓国は9番目ってことになる。

ほら、こんなヘンテコなお手盛りやるとかえってめんどくなるうえ、実態が見えなくもなる。

韓国はイランと北朝鮮に続いて11番目。

これが一番シンプルで分かりやすいってことで。

けど韓国のロケット自体がわかりにくくしてる事態もあるわけで。本来の1〜10番目はみんな独自に技術を磨いて、すべて自分たちでやってのけて成功にこぎ着けた。技術のベースが海外製だったとしても、あくまで自力で学んで自力のみで作り上げた。けど韓国の場合、明らかにロシアにお金を払って買ってきてる部分がある。ていうか機体の8割ほどがロシア製でしたな。あと打ち上げ管制はロシア人が指揮権を握ってたらしいが。

てことで「自国にとってのブラックボックス技術なしでの衛星打ち上げに成功したか否か」の観点では、韓国はまだ成功してない。11番目として成功したのは、「自国領土から」「自前技術を一部使った」ロケットでの衛星打ち上げですな。

となると、読売新聞の「国産ロケットの開発から打ち上げまでを成功させた」定義が苦しくないかと。

ちなみに「日本の初成功だってアメリカの1段目を使った」というツッコミは無視してよし。それは1975年打ち上げの宇宙開発事業団のロケット "N-I" の話。その5年前の1970年、宇宙科学研究所が日本フルオリジナルのロケット "L-4S" で成功してるんで(ロケットの構造からして世界のどこもやってない形式だった)。てことで N-I 初成功は件のリストには最初から載ってないと。

……、

……、

……。

となると、このランキングに羅老を入れると、N-I も入ってしまうのではないかと。7位も日本ってことになる。国別じゃなく団体別となるとそうなったり。アメリカも NASA のほかに国防省も成功してそうだし、民間のスペース X 社も羅老より先に成功してる。ヨーロッパはフランスとイギリスが成功した後、EU 名義でも成功してる。この基準だと韓国は15位だね。

読売新聞の意味不明な数え方以外では、どの切り口から見ても韓国は10番目に入らんと思うが。

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