ひとりごちるゆんず 2012年1月
銘板
2012.1.1 日曜
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あけまして

おめでとうごんすー。

今年もよろしくお願いいたしまーす。

年末年始は5連休なんだけど、既に昼夜逆転生活が始まっとります……。

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2012.1.2 月曜
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警報は正常だったのかも

去年の震災について、今頃気付いたことがあってさ。

3月11日の地震で、「緊急地震警報が間に合わなかった」「揺れてる最中に鳴ってた」とけっこうほかの人たちが言ってるのよ。あのときおいらの近辺には緊急地震警報がなくて、自分では分からん環境だったんだわ。んで、『へえーせっかくの装備だけど、肝心なときに役に立たなかったのか。これは残念ですなぁ』と思ってたんですわ。

単に、あの仕掛けは完全完璧ではなく、今できる最大限の努力の賜物なんで、うまく動かないときもあるんだわな、とか知ったかぶって捉えてた。

いやいやいや、もしかして……想定どおりに完全に作動した結果がそうだったんじゃね? なんつういい加減な説でも出してみるかというのが今日のネタ。

あれの原理は、「地震の初期微動(P 波)を捉えたら、次に来る大揺れ(S 波)が届く前に警報を発する」ですな。

あのときの地震、その P 波がいきなり震度3〜4あったぞ(八戸の場合。おいらの体感で)。その時点でおいら勘違いしてた。P 波に気付かなかったんだと思ってた。この震度3〜4が本揺れの S 波だと思ってた。んだからそのまますぐに止むと思ってた。したらそのあと大揺れ到来。八戸じゃ大揺れの方は震度5強だったよ(こっちは気象庁発表)。

てことで八戸では、震度3〜4程度という P 波として異常に大きな揺れの中で、「これから S 波が来ますよ!」の意味の警報が鳴ってたんじゃないかと。聞いた人はそれを、今まさに起きてるけっこう大きな揺れに対しての、遅い警報だと思ったんじゃないだろか。で、「警報、揺れが来てからが鳴りやがった」と思ったんじゃないだろか。

東京も震度5強だったよね。きっとあっちも同じ状況だったんじゃないかな。小さいはずの初期微動がいきなり震度4くらいで、揺られて不安になってる最中に緊急地震警報が鳴った、んじゃないかな。

しかしあの地震、宮城県北部で震度7を記録したよね。この考えでいくとその地域、何の前ぶれも警報もなく震度6前後の大揺れにさらされた、ってことかな。それが初期微動で、続いて本震の震度7。その地域にお住まいの皆様、ほんと怖かったろうなぁ。この震災は津波被害の印象が強烈だけど、地震そのものだけでも恐ろしかったもんなぁ。

初期微動継続時間によると、P 波と S 波との到来のタイムラグ(秒)に8をかけると、震源までのおおよその距離がわかるそうな。それで逆に計算すると、P 波で揺れた秒数が分かる。八戸は震源から約 300km。8で割ると37.5秒。けっこう長かったんだなぁ。ていうかそのくらいで揺れが止まると思ったのに、逆に強くなったんだもん。ビックリしたですよ。

そして震源に近い地域では、P 波の時間はずっと短かったはず。P 波でさえ強烈だったろうに、すぐさま超巨大地震が到来したってことか。本当に大変なことだったかと思うよ。

銘板
2012.1.3 火曜
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警報はダメだったのかも

昨日の続き(正月からめでたくない話題だけど)。

いやいや、もう少し考えると、P 波の発生から八戸が揺れるまで37秒くらいかかったのってさ、その間に緊急地震警報が解析・予測して八戸に警報を出すには充分な時間なんじゃないかって気もしてきた。

警報に繋がってる地震計ってどこにどれだけ設置してあるか、おいらはわかってないけど、地震多発地帯の宮城県にはさすがに何基もあったと思う。あとで相当数があの震災で壊れた、と聞いたけど、初期微動を検出した時点じゃ大丈夫だったはず。その間は震度5〜6だったろうから、地震計なら耐えられるだろうと。警報システム全般だって、本震が来る前までなら耐えて普通に稼働したはず。

電源はどうだったのかな。

東北電力の管制は仙台で集中的にやってるって聞いたことある(ヨタ話)。で、あそこの変電所が止まって八戸も停電した、とかいうヨタ話で。とりあえずその線だとしてみる。

八戸が停電したのは本揺れの最中。本揺れの時間が長かったんで、そのとき仙台では初期微動だったのか、それとも本揺れに入ってたのか、ちょっとわからん。Wikipedia「初期微動」だと、P 波の速度は秒速 5〜7km だそうで。

今、Wikipedia「東北地方太平洋沖地震」から震央の位置を見つけて(北緯38度6分12秒 , 東経142度51分36秒 → 38 6 12",142 51 36")、Google Earth にぶち込んでみた。「ツール → 定規」で震央から仙台、八戸までの距離を測った。

仙台まで: 173km

八戸まで: 293km

おお、意外と距離差が少なかったんだな。5倍はあるかと思ってた。深さは 24km だから、単純に三平方の定理で補正する(本当は地球の丸さがあるけど微量だろうから無視)。

仙台まで: √(173^2 + 24^2) = √(29929 + 576) = √30505 ≒ 175km

八戸まで: √(293^2 + 24^2) = √(85849 + 576) = √86425 ≒ 294km

ほぼ同じだったw

で、P 波、S 波の速度がそれぞれ秒速で 6km、3.5km だったとして(Wikipedia「初期微動」より)、仙台と八戸で各波が到達した時刻は(震央での地震発生を起点として)

  P 波 S 波 P → S
時間差
仙台 29秒 50秒 21秒
八戸 49秒 84秒 35秒

と出た。おお、仙台での S 波の到来と八戸での P 波の到来がほぼ同時刻だったとは。昨日のログで、八戸が P 波で揺れた時間は37.5秒と書いたけど、今回の計算だと35秒。両方とも大ざっぱな計算なんで、誤差の範囲内ってことでひとつ。

んで、もし東北電力の管制が本当に仙台集中で、もし仙台の変電所が本揺れの S 波を受けて35秒以内に止まったんなら、八戸では P 波の最中に停電してたはず。実際は八戸じゃ S 波のさなかに停電した。仙台の管制がそれ以上にわたって持ちこたえたのか、それとも仙台のほかにバックアップがあって、異常に長かった S 波の揺れでそこもやられて八戸が停電したのか、そもそも「仙台で集中管理」がガセだったのか。結局ここからじゃ結論は出ませなんだ。

ほかにわかったことは、震央に近い仙台でさえ P 波 → S 波の時間差が21秒取れてたわけで、緊急地震速報が震央の位置とマグニチュードを予測・各地の震度を解析して警報を出すには充分そうな時間だったってこと。確か P 波の感知から数秒で出せるのが売りだったはず。仙台での P 波は恐らく震度5〜6弱あたりだったと思う。このくらいじゃ緊急地震速報システムは不具合を起こすべきじゃないと思う。となると、このシステムはどうも触れ込みどおりに作動しなかったってことになる。肝心なときに不具合が出たと。

おいらは緊急地震警報の擁護派だったんだが、ちょっとこれは言い訳できないアレが出てきた感じですなぁ。もう初期不良を理由にできる時期は過ぎてそうだし。

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2012.1.4 水曜
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珍しく1年の計とか その1

今年のサイバー的な目標でも。「サイバー的」つうとなんかすげーかっちょいいけど、まぁこのサイトに出せればなーな新企画的なものってことで、別にカッチョよくなかったりして。まず、

立体写真はしばらくヤル気なし!

いきなり仕事しません宣言 (^_^;) 2007年以来だから、もう5年もサボることになるのか。いやさ、去年、Linux 入れてた COMPAQ 331MHz、廃品回収のトラックがうちの近くに来たもんだから慌てて呼び止めて、作りかけで放置して4年半以上の新立体写真シリーズのデータが入ったまんま、出しちゃったんですよアワワ……。気付いたときには後の祭りで。

なんかねぇもう Linux の使い方よく分かんなくて、331MHz じゃ画像のレタッチも遅いなんてもんじゃなくて、あんましつらくて投げてしまったってのが現状で。あの頃は Mac 以外の OS も使いこなせるようになるのだ、と志だけは高くてさ。けど根性が伴わなくてなぁ。元の画像データはあるからまた作り直せばいいんだけど、どうにもめんどくて。まー気が変わったらやるかもって感じ。

てことで、やる方の目標。

Art of Illusion マニュアル勝手日本語版リリース

Ver. 2.6.1 マニュアルの邦訳が大詰めを迎えた段階での ver. 2.9 発表は痛かった orz けどここをがんばろうと。まーさらにまる1年かかったりはしないだろうという、かなり甘めな読みをしつつ。んで3番目。

暗号ごっこプログラム『あんごあんご』計画の復活&完成

『あんごあんご』って何年前だろ。んとんと(検索中)、初出は2003年8月31日ってそんなに前だったのか……。あー当時はおいらでもすぐに Mac の Cocoa アプリを作れるもんだと幻想を抱いておった。嗚呼、8年以上経った今もあの時のまま、まったく作れん(汗)。それでも当時おいらが持ってた、限られた JavaScript 技術で行けるところまで行った。さーあとはこれから CGI を学ぶのだー! ってところで根性切れ。Perl で CGI やる教科書を買ったけど、まったくチンプンカンプンで。ていうか Mac のローカル環境で Perl を動かす設定のしかたとかなんとかがよく分かなんくて、それでイライラしてほとんど何も学べずに撤退したような気がする。

2007年3月19日のログで4年ぶりに思い出してるなw ははぁこのときはこの日記を CGI 化しようとして、そうだその前に あんごあんご の件があったじゃないか、とゆーノリだったのか。全然覚えとらんw その1回話題に出しただけで終わってるし。すごい久しぶりに思い出したなーって感じするわけだわー。あれからさらに5年だもんなー(無駄なしみじみ)

で、ここんとこの5年で開発環境的に何か変わったことはといえば、おいらに少しはプログラミングの力がついたかなってとこ。特にここ2〜3年は仕事で JavaScript を組んでてさ、少し凝ったものを作れるようになってはきたんで。まあ GUI 的には全然ダメなまんまだけど、中身的に。JavaScript と Perl は違うじゃんって言われそうだけど、ついこないだからまた Perl の教科書を読んで勉強し直してみたらですね、2003年時点より断然わかるんですわ。プログラミングの基本は同じなもんだから。

んで Perl の学習をザクザク進めてるとこで、「問題は何を作るかだよなー」と思案してたとこで。『難しすぎると挫折するし、簡単すぎるのはつまんないし、ちょうどいいとこ思いつかねーかなオレ』とか都合のいいこと考えてたけど、あんごあんご、いい題材じゃないですか。てことでこいつを押し進めることにいたしますしょうと。

ここらへんまでが今年の「押し」目標。

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2012.1.5 木曜
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珍しく1年の計とか その2

あとは、

Java を習得

JavaScript がなんぼかわかるようになった → なんか Perl にも手応えを感じられるようになった → Java もそろそろ行けるんじゃね? と。こっちは具体的な開発ネタは未定だけど、 Java の学習は今まで何度も何度も辛酸を嘗めてきてて、かなり負け癖がついてる言語だったりもして。前回の撤退は2009年頃だったかな。また挑戦してみますか。JavaScript は書類の書き換えや新規作成ができない。Perl はできる。ここらへんが自分の中での進化なんだけど(Perl の機能として可能って意味。おいらが Perl で「書類の書き換え/新規作成ができる」はまだ今後の予定。学習中なんで)、Perl って自分のウィンドウを持てないのよ(たぶん)。

そういうのはアプリケーションじゃないといかんわけで、そこで Java と。まー JavaScript でも極めれば、Mac だとダッシュボードウィジェットの形で自分のウィンドウを持てはするけど、そこまではかなり遠そうで。んでまぁ Java 技術も手に入れれば、かなり自由自在になれるんじゃないかなーと妄想する年の初め。

JavaScript で QR コード

この宿題を残してたわ。いいタイミングで思い出した。

JavaScript で QR コード作成プログラムを自作するという目標があっただよ。単に「そこに山があるからだ」な理由で。既に世の中には、タダで QR コードを作ってくれるサイトがいくつもある。だから今おいらが作る理由もなんもあったもんじゃないけど、やりかけで放置って状況が自分で悔しくて。JIS の規格書類はざっとだけど目を通した。あとはやるのみの状況なんだけど、今まで作ったことないほど工程が多くて複雑で。完全に飲み込まれてるのが現状。

と、こんな感じですなっ(あたかもやり切ったかのような爽やかさ)

と並べてみたら、これたったの1年でできるのかよ orz 最大9年間ずーっとやれてなかったものばっか、今年1年で決着つくのかよ……。

銘板左端銘板銘板右端

その中でのほぼ唯一の成果物『楔形文字ワープロ くりごはん』も、今まで JavaScript で学べたぶんを反映させたくなってきたなぁ。

銘板
2012.1.6 金曜
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1周忌

まだ正月だけど、ちょいとしめやかなやつ。

ニコニコ動画で見つけてしまって。探査機「はやぶさ」一周忌法要【雀草宗自須屁久派川倶寺】。もう1周忌から半年以上経ってしまってから見つけたよ。

こんな慈愛に満ちたうp主さんがいらっしゃったとは。まことにありがたいことです。

つーか……ちきしょー面白すぎる! 初笑いになっちまったよ!!

銘板
2012.1.7 土曜
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はたらくあかつき

金星探査機 あかつき、金星周回軌道への再挑戦はハテ2015年と2016年のどっちになったんだっけか? とりあえず去年の大規模な軌道変換が成功裏に終わったところまではフォローできた。その前にメインエンジンの試験結果が思わしくなくて、もうメインエンジンは使わないことになったんだよな。となるとこれから使うのは姿勢制御エンジン(RCS)のみ。こっちで使う推進剤は燃料だけで、酸化剤は使わない(液体燃料を触媒で気化させて噴射する形式なんで)。てことで酸化剤がお払い箱になってしまって、軽量化のため、軌道変換の前に全部捨てたんだよな。もったいないといえばもったいないけど、もう使いようがないものだからな。これで機体が何十 kg か軽くなったから、燃費効率が少しはマシになったわけで。

で、軌道変換の前後で、2015年と2016年の到着時期の吟味の話が出てたような。探査機の寿命を考えると、1年早い2015年に到着させたいとこだけど、2016年コースの方が燃料残量に余裕が出るとか。

どっちにしてもまだあと何年か先。それまで あかつき チームはけっこうヒマなわけで。特に、目的地に到着してからが本番のサイエンスチームは。そんなわけで12月に一仕事したみたいだよ(記事)。太陽観測探査機のお仕事。

そういえば あかつき の観測項目の中に、電波掩蔽(えんぺい)実験ってのがあった。地球から見て あかつき が金星の背後に隠れる時や金星の背後から出る瞬間の あかつき からのビーコン電波を地上で捉えると、その周波数や強度の揺らぎ方で、金星の上層大気の様子が分かる、というもの。たぶんそれと似たことを、太陽を対象にやってみた、ということらしい。

これって特に観測機器は要らないから、あかつき でも太陽で実験できるわけで、そう考えたら はやぶさ だって往路で太陽の向こう側を通ったことがあったんだよな。イトカワ到着のちょっと前に。はやぶさ でもできたはずなんだけど、なんでやんなかったんだろ。ってあのとき既に はやぶさ は余裕なかったもんなぁ。太陽の向こうにいったん隠れて、出てきたらセーフホールドモードに入ってて焦った、なんて話を何かの本で読んだような。

けど あかつき で今回の実験ができたのは、実は はやぶさ の貢献もあったからかも。上に書いたとおり、はやぶさ がかつて太陽の向こうを通る、というのをやってたわけ。んでそのとき、通信の限界に挑んでたんだわ。太陽って光や熱のほかに、通信に使う帯域の電波も出してる(ていうかあらゆる帯域の電磁波を出してる)。てことで、地球から見て探査機があまりにも太陽に近いと、太陽電波に妨害されて通信できなくなる。電波の帯域で「まぶしい」ってこと。NASA はそんなわけで、自分の探査機じゃルールを決めてる。地球から太陽を見て、太陽を中心にしてある視角度から内側に探査機があるときは通信しない、と。んで はやぶさ はその NASA の基準のはるか内側で通信を確立できた、と。こんな実績があるからこそ、今回の あかつき での「太陽での電波掩蔽実験」ができたんじゃないかなと。

太陽学のなにがしかを読むごとに、必ずと言っていいほど出てくる謎。それが「コロナ加熱のエネルギー源が不明」というやつ。太陽表面の温度が 6,000℃ なのに、その上層大気のコロナの温度が 10万℃ という、一見明らかな矛盾。矛盾に見えるけど、実際にそうなってしまってる。そこには何か未知の要素があるんだと。何かで「ねじれた磁場のつなぎかえ現象が犯人か?」とか読んだことある気がするけど、確定には至ってないっぽい。なんか、太陽なんて身近っぽい天体なのに、そんな単純そうなことがわかってないってのが意外で。あかつき の今回の実験、そこらの研究に何らかの示唆を与えそうだね。

しかし発表した学会の様子も、読んでて面白かったよ。惑星科学と太陽科学って、学者さんたちの顔ぶれが全然違うんだね。同じ太陽系の天体を扱うんだから同じ人たちだろとなんとなく思ってたんだけど、よく考えると惑星と恒星って、つながりがないわけじゃないとはいえかなり違うもんなぁ。惑星屋さんにしても、木星型ガス惑星の専門家ならある程度恒星に近いとは思うけど、あかつき チームの研究対象は金星。地球型岩石惑星だもん。太陽学とはかなり遠そうだわ。

同じ宇宙物理学者同士でも、畑違いの学会で、ストレンジャーさんたちばかりの聴衆を前に発表するってのは、そりゃ緊張されたことでしょうなぁ。ここらへん、垣根を越えてどの辺りまで話が通じるんだろう。恒星屋さんだって惑星の知識はいくらでも欲しいだろうし、ましてや惑星屋さんは恒星のことを知らずにいられるはずがないし。

あかつき の2010年の金星周回軌道投入失敗は痛かった。でもそのおかげで「お隣さん学界にお邪魔」なんてこんな面白い事態が起きたよ。ひとつの道を究めるのはいいことだけど、たまに分野をまたいだりつないだりって、何か新しいものが生まれそうな感じがイイね。

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2012.1.8 日曜
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あかり にかける言葉

赤外線天文衛星 あかり の運用は、去年の11月24日に無事に完了したそうな。5月、バッテリーのあたりにトラブルが出て、地球の日陰から日なたに出るごとに初期化されてしまう、という半死半生の状況になってしまって。この時点でもう衛星として用を成さなくなった。そしてどうにか あかり をしっかり停波させる算段ができて、ついにそれが実行された、と。それはまぁ地球周回軌道を利用する者としての責任なんだろうけど、おいらとしては、あんな状況の あかり が可哀想で、早く楽にしてあげたいっつう気持ちで。

んで、こういうのを見つけた(記事)。停波コマンドの直前に、担当者が あかり に送ったメッセージ。コメントアウトされてるんで、あかり の電子の頭脳がそれを読んで理解することはない。ないんだけど……。なんだが泣げで泣げで……。思わず勝手にいただいてきましたですよ。あかり の形見に。

ラストメッセージ

あかり はその生涯で、とんでもなく膨大なデータを送ってきてくれた。観測不能になってからかなり経つのに(5月のトラブルより前から観測できる状態じゃなくなってて、復旧をがんばっていたところだったらしい)、しかももう停まってしまったのに、いまだに あかり の観測データを使った最新の研究成果がときどき新聞に載るよ。これからも、次の赤外線全天観測衛星が飛ぶ時まで、成果が出続けると思う。

次世代の赤外線天文衛星 "SPiCA" は他国の衛星と同じく指向観測専門らしいんで(ちゃんと確認できなかったけど)、全天の赤外線地図の更新はまだまだ先のことになると思う。これからもかなり長い間、天文学は あかり のお世話になり続けそうだよ。

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2012.1.9 月曜
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走破2周

Art of Illusion マニュアル勝手和訳、2周目ようやくオワタ(脱力)。年末年始休みもこの3連休も存分にぶち込んだ。

けどあと丸っこ1周残ってる orz

出しちまおうかなぁ。一応、この前まで出てた ver. 2.6.1 用のやつがこのたび落成なんだわ。まーけど、やっぱし ver. 2.9 用に直してからかなぁ。ちまちま違うとこあるからなぁ。

銘板
2012.1.10 火曜
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無駄がないけど無理っぽい感じの妄想理想エネルギー

アインシュタインが導いた E = mc2 という数式がありまして。

「質量(m)とはエネルギー(E)である」という意味になる(これが導き出される過程はおいらまったく分かってないけど)。もう少し具体的にはどういうことかっつうと、ウラン235だのプルトニウム239だのが核分裂すると、熱なり中性子の加速なりのエネルギーが発生しますな。それが原爆や原発のエネルギーなわけで。その引き換えで、反応後は物質の質量が少し減るんだそうで。減ったぶんがエネルギーとして発散されると。

んでここから話が激しく飛躍。

すべての物質の正体がエネルギーなんなら、あらゆる物質をエネルギーに変換できれば、エネルギー問題ってなくなりますわなと。まーそう簡単にできないから、核分裂しやすい物質のみが対象の、かなり限定的な条件でしか実現してないわけで。

核融合の方も、恒星はそれで光ってるわけで。人間の技術で言えば、水爆の形で実現はしてはいる。持続的な制御はまだまだだね。

んでもし万物を残らずエネルギーに変換できるなら、と考えてしまってさ。そうなるとさ、放射性物質とかいう面倒なものが出ないわけですよ。すべてがエネルギーになっちゃうんだから(放射線は出るかもだけど、遮蔽すれば OK)。となると、ギンギンに放射化してしまった原発の廃炉や使用済み燃料も、そのプラントにぶち込むとキレイさっぱり消滅させられちゃう、と。しかも膨大なエネルギーが生まれて利用し放題、と。

宇宙船に使うと、燃料は最も効率のいい物質を使うとして、その燃料が尽きると、燃料タンクそのものをバラしてエンジンにぶち込んだりとか。一部をエネルギー源に、ほかを推進剤にしちゃうといいんじゃないかと。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン(タイムマシン)、はじめは電力源にプルトニウムを使ってたけど、未来から帰ってきたら何でもエネルギー源にしてた。バナナの皮と飲みかけの缶飲料の中身を突っ込んだ後、その缶まで入れてた。ノリとしてはあんな感じかな。ここまでお手軽じゃなくてもいいんだけど、どうにか実現できんもんですかな。

そういえばあの映画の未来って2015年だったよ。あと3年ぽっち。現実の21世紀は全然あんなふうになってないなぁ。

銘板
2012.1.11 水曜
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核融合はどうなっておるのか

昨日のログで「核融合」と書いて、そういやちょっと前になんかニュースあったなーと思い出して。調べ直してみたら、このこと(日刊工業新聞)だったわ。

核融合研、イオン8000万度Cの高温プラズマ生成に成功

掲載日 2011年11月04日

【名古屋】核融合科学研究所はイオン温度が8000万度Cの高温プラズマの生成に成功した。プラズマ周辺部の密度を下げることで従来の最高温度より500万度C高めた。常に高温状態を維持できる方式としては世界最高記録という。核融合発電に必要な1億度Cに少し近づいた。

同研究所は超電導核融合実験装置の大型ヘリカル装置(LHD)で高温プラズマを発生させている。今回、LHDを洗浄した際に壁に付着した水素ガスを、電磁波で生成したプラズマで取り除くことでプラズマ周辺の密度を下げた。これによりプラズマ中心部のイオン温度が上昇した。

今後は2012年3月末をめどに高性能排気装置を設置し、プラズマ周辺密度を制御しやすくする予定で、さらなる温度上昇が見込めるという。

日本の核融合技術は世界的にかなりのレベルを行ってると聞いたことあったなぁ。どうも本当にそうらしいな。まー発電に使える1億℃にはまだまだ届いてないけど、着々と進んでる感じ。

ちなみに記事中の「従来の最高温度」って引き算すると7500万℃なわけで、たぶんこれじゃないかな。同じ自然科学研究機構・核融合科学研究所だね。こっちは去年の4月。7カ月で記録更新で、今年の3月にもまた新記録を狙ってる、と。

核融合研究は「永遠の『あと50年』」とかで、まぁそんな「科学者のおもちゃ」的な意味であんまし評判が芳しくないんだけど、進むぶんには進んどりますなぁ。

核融合発電っつうと国際共同研究で "ITER"(国際熱核融合実験炉。「イーター」と読むらしい)というのが既に建設を始めてるんだけど、これが完成してもまだ発電できる状態じゃないらしい。核融合発電って反応を持続させるのに多量の電力が必要で、それを上回る発電ができなきゃ発電機として意味がないわけ。ITER はそこに持っていくための技術的中継ぎなんで、結局は電力を食うばっかりのもの。イーターって "eater" のダジャレなんじゃないかとも思ったりして。

んでどうも、ITER と今回の記録更新した装置とは形式が違うものらしい。ITER は「トカマク型」、核融合研の装置は「ヘリカル型」だそうで。構造的に何が同違うのか、効率や実現性はどうなのかってのは、おいらにはちょっと分からん。状況から、ヘリカル型のほうが実現性が高いんだろうなぁ。1国で研究を進めてるし、モノがもうできかけてるし。んできっと、将来性からするとトカマク型なんだろうな。てことで ITER が進められてる、と。

震災以降、現行の原発(核分裂炉)に替わるさまざまな新エネルギーが取り沙汰されてるけど、本命のはずだった核融合の話をあんまし聞かないなーと思ってたんだわ。技術的にまだまだモノになってないからってのがあるけど、「核」だからひとくくりにされて嫌われてるのかもな。確かに、放射能フリーじゃないから根本的な解決にならない、とも取れるけどさ、核分裂炉よりよっぽどマシなものではあると思うよ。

放射能フリーになれないのは、炉内で発生した中性子に周辺の材料が叩かれて放射性物質に変わってしまう、というのがあるらしい。けど炉の材料のままってことで、万が一爆発しても、福島第一原発みたいにヨウ素131だのセシウム137だのを大量にまき散らすってのは考えにくい。あと原理的に暴走しないってのもイイところかと。

福島第一原発の件でなぜか言われないけど、あれって「暴走」なわけで(「冷温停止」が、その暴走が止まったよという目安)。核分裂炉は常にその心配がある。けど核融合炉だと、反応を続けるには大量の電力が必要で、発電した電力の一部を自分で食う形になる。そのループを切れば核反応が即座に止まる。暴走させようにも、原理的にできないわけ。あとは「余熱で爆発」という事態を想定して対策できれば、だいたいオッケーなんじゃないかと。

燃料の重水素や三重水素にしても、確かに水素爆弾の燃料なんだけどさ、そのままじゃ何の役にも立たないからテロの標的にはなりにくい。水爆の起爆装置ってウランやプルトニウムの原爆らしい。核融合発電は自分で作った電気を食うわけで、水爆だと隣の原爆の熱と圧力の膨大なエネルギーを食わないと発火してくれないってこと。結局は核分裂型の爆弾を調達しないと作れないわけで(2013.5.16 補足: ここ間違えたかも。実は火薬でもできるらしいです。すみません)。

だったらテロリストとしては、重水素や三重水素よりは素直にウランやプルトニウムを狙った方がいいわけで。

「放射性物質をばらまくぞ」タイプのテロでも、確かに三重水素は放射性物質だけど、それを盗んでもなぁ。水素だから密度が低くてかさばる。分子が小さいから、小さな隙間からどんどん漏れる。漏れると、軽い分子だからどんどん空に立ち昇ってしまう。保存性が悪すぎるわけで。その手のテロを企てるなら、もっと扱いやすいものにするだろ。少なくとも常温で固体か液体じゃないとな。

そんなわけで、核融合発電がもし実現したら、今までの核分裂発電よりはずっとマシだろうってことで。

銘板左端銘板銘板右端

核融合もいいことずくめってほど都合がいいわけでもないだろうけど。発電した電力の一部を自分で食うってことは、実質的な発電効率が悪いってこと。てことで、今の原発みたいに海辺に建てるとしたら、温排水の量が半端じゃなくなると思う。発電効率を上げるために大規模化もするだろうし(発電はボイラーの蒸気でタービンを回す熱機関なんで、大型化すると効率も上がる)。その海域の生態系や漁業にどんな影響が出るんだか。

銘板左端銘板銘板右端

90年代から2000年代の前半まで、ITER の誘致で日本とフランスが綱引き状態だったんだわ。勝てば研究の主導権を握れるからね。んで日本の候補地が青森県六ヶ所村でさ、実現すると、地域に一大産業が立ち上がるわけですよ。てことで近隣としてうちの地元・八戸市の商工会議所も「がんばって ITER を誘致しよう」モードだったんですわ。

結局フランスが勝った。けど「がんばったで賞」的に、六ヶ所村には ITER 関連の研究施設が作られることになった。まーその点は良かったね。

てことで八戸市内には綱引きの当時、そこらへんを促進しよう、なプリントが出回った。どうもそれがちょっとうさん臭くて。「地上に人工の太陽を作る」まではまぁ間違いじゃないけど、「放射能が出ない」とかモロに書いてて。温排水の話も一切ナシ。大丈夫かなーって気がしたわ。実現したあとに「話が違う」ってなっちゃうでしょと。こういうの、「後の祭りにしてしまえばこっちもの」ってやり方ですわな。それを学ばせていただきましたよ。どっちにしろ ITER 誘致で負けたから、話が違ってても大したことないけどさ。

銘板
2012.1.12 木曜
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実際にやってる人たち

「後の祭りにしてしまえばこっちもの」といえば、調子のいい公約を出しまくって念願の与党になったものの、「状況が変わった」とうそぶいて何ひとつやらない不誠実な政党がありまして。やるのは公約にないことばかりで、しかもろくに説明できないまま進めたりしてまして。自分でも自分が何をやってるのか理解できていないようでして。何かほかのものに指図されてる感じだったりもして。

指図してるものがあるんなら、それは何なんだろね。一番考えやすいのは官僚かな。とすると「政治主導」と豪語してた割には、という間抜けさ。はたまた隣国に動かされてるって見方もできることをちょくちょくやらかしてるわけで、だったら与党として論外ですな。あの人たち、なんだかな、どうなんでしょ。

あ、誰か来たみたい……。

銘板
2012.1.13 金曜
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ヴェガロケット その1

ESA(欧州宇宙機関)の新型ロケット ヴェガ、今月末ようやくデビューみたいですな(記事)。2006年時点では2010年の初打ち上げを予定してたと思ったけど、2年遅れか。まーこのくらいの遅れはロケット開発じゃ普通だけど。むしろスケジュールどおりにデビューできたロケットってめったにないと思う(日本じゃ H-IIB が日程も性能も完全に計画どおりにできたけど、実績のある H-IIA の部品の組み直しで、新規開発要素がほとんどなかったから)。ヨーロッパにとって、全段固体燃料ロケットの開発はたぶん初だったろうし。

ヴェガのスペック、日本のかつてのロケット "M-V" に近いんだわ。固体燃料ロケットだし(ヴェガは最終段のみ液体燃料で、軌道投入精度の向上を図ってる)。なんか M-V を参考に作ったらしくて。けど本家の M-V は意味不明な圧力で潰されてしまってなぁ。本来なら、今頃は M-V とヴェガとで同クラスの競争をしてた頃だろうに。

ヴェガと日本のもうひとつの縁は はやぶさ2の打ち上げに関すること。

はやぶさ2 はその計画が出始めたとき(2005年あたりの時点で)は恐らく、初代 はやぶさ と同じく M-V で打ち上げることになってたかと思う。けど M-V は2006年に引退させられた。しかも JAXA 自身からは「はやぶさ2 の打ち上げロケットの費用は出しません。タダで打ち上げてくれるところを自力で探してください」という難題をふっかけられた(松浦晋也氏のブログからの情報)。

んで候補に挙がったのが、2010年打ち上げ予定のヴェガロケット初号機。ロケットの初号機ってどんなトラブルが潜んでるか分からんから、リスク覚悟なわけで、そのぶん荷主から定価なんて取れない。てことで格安だったり無料だったりなわけで、さらに はやぶさ2 にイタリアの観測機器(ヴェガはイタリアが開発を主導)を載せたり、探査で取得できたデータや小惑星の試料はイタリアが優先的に使えたり、という条件を盛って、その線で話が進められたとかまぁ記憶に頼って語ってしまってるww

条件はともかく、はやぶさ2 をヴェガに載せる話はあったらしい。けど立ち消えになった感じだね。今の計画では、 H-IIA で打つことになってるらしい。打ち上げ予算を付けることになったってことかな。

まーこれでよかったんじゃないかな。ヴェガだと初号機ってのでいきなり不安だし、探査機を外国に運び出さなくて済むなら、手続きやスケジュール調整、現地調達材料の品定めや手配がずいぶんラクだろうし。あとは、はやぶさ2 の来年度の予算要求の半分しか認められなかったってとこが問題ですなぁ。

んで、はやぶさ2 とは物別れになったヴェガ初号機では、メインのペイロードとして "LARES" という衛星を、ほかにピギーバックでマイクロサットをいくつか上げるらしい。

銘板
2012.1.14 土曜
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ヴェガロケット その2

"LARES" ってどんな衛星かなーと調べたら、おっ、打ち上げ予定は2月9日か。1月末じゃないんだ。ふむふむ。んでその機能は、いわゆるミラーボール衛星らしい。レーザーを当てるとその方向にレーザーを反射する、というやつ。

H-IIA の初号機で似たようなの(LRE)を打ち上げたっけな。このときはビーコン発信機能さえなくて、その衛星があるべき位置にレーザーを放ったけど反射がなくて、結局どうなったのか分からなかったんだよな。打ち上げには成功したから、分離に失敗したのかも。と思ったら、「ドイツ応用物理学研究所(FGAN)の電波レーダと美星スペースガードセンターの光学観測によるLREの観測が成功しており」だったのか。目的のレーザー測距だけがうまくいかなかったってことか。

LARES もビーコン発信機能がないのかな。"completely passive" とか書いてあるし。

しかし LRE の質量 87kg に対して、LARES は 400kg もあるのか。だったらビーコンくらい載せててもおかしくない気がする。つか近地点が 1,400km ってずいぶん高いな。近地点をそこまで上げるのって、けっこう面倒な操作が必要だと思うが。初号機の試験衛星でそこまでするか?

この英語版 Wikipedia 記事のデータ、大丈夫かな。公式サイトを見つけたから、ちょいと見てみるか……。

……、

……。

近地点 1,400km は本当らしいな。大きさや質量の記述はないけど、Wikipedia 記事では直径 36.4cm で 400kg となってる。ちょっとこれはないべ。体積が約 25,252cm3 だから、同じ体積の水なら 25kg ほど。同じ体積の鉄なら197kg ほど。いくらなんでも鉄の倍の密度ってどうなんだと。鉛でもこの体積で 288kg だよ。ああでも金なら 487.5kg と出ましたよ。金でできてるとは思えんけど、ほんとに 400kg なのかもって気がしてた。

そこらはまぁそんなもんとして、これって LRE みたいにロケットの軌道投入の精度を測るためのもんだと思ったら、その目的もあるのかもだけど、主に科学調査が目的らしい。このミラーボール衛星で何を調べるのかっつうと、2つあるそうで。

ひとつは重力波の検出。なるほどそう来ましたか。重力波はまだ誰も検出できてないと思った。日本を含めて世界のいくつかの機関で初検出を競ってる状態。その検出方法の基本はどこも同じらしい。超長距離でレーザーを走らせて、その走った距離を調べ続ける。んで重力波を検知するとその距離が揺らぐらしい。重力波って空間そのもののゆらぎだから、ということらしい。これ以上詳しい理屈はおいら分からん。てことで、日本だと TAMA300 っつう装置が稼働中。これ三鷹市の地下にあるんだよね。ほかの国も同じような設備で、日本のは基線が若干短いんでちょっと不利らしい。アメリカは衛星を使って距離を稼ぐ方法を検討中らしい。地球−月だったか太陽−地球だったかのラグランジュ点の L3 か L4 に機材を置くらしい。しかし距離を稼げはするものの、あまりにも遠大な計画なわけで。

てことで、LARES だと地上設備よりは長くてアメリカよりは実現可能性が高いっつうあたりですな。ほんで直径 34cm 程度の単純な構造の衛星でできると。なんか目の付けどころがいいような気がするよ。

もうひとつの目的は、アインシュタインの一般相対性理論で導かれる「Lense-Thirring 摂動」というものの検証らしい。訳すと、地球みたいな巨大質量で回転するものの近くのジャイロスコープ(物体の角度や角速度を検出する計測器)の摂動を、相対論的に補正するものらしい。自分で書いてて何のこっちゃだなこりゃ。

おいらが今理解してるのは、ジャイロって衛星に搭載されてるわけで、それで自らの姿勢を知るわけで。衛星の三半規管ですな。これが地球が自転してるせいで相対論的なズレが生じて、この補正をかけないとだんだんその誤差がたまってくる。ということでその補正値を探ろうとしてる、んじゃないかなと。たぶん相対論的な誤差ってことは超微量なんだよね。だから、超正確な測距でどうにか検出できないだろうかって話じゃないかと。

小さな、受動的な機能の衛星だけど、狙いはでっかいですなぁ。うまくいくといいですなぁ。日本の LRE はレーザー測距ができなかったから、たぶんそこらへんの対策も設計に織り込んでるんじゃないかな。

銘板
2012.1.15 日曜
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ヴェガロケット その3

ヴェガで来年以降に打ち上げ予定の無人宇宙機で、なかなかのものがあるね。シャトル型の再突入試験機 "IXV" だよ。

IXV

これって ESA じゃまだやってなかったのかな。んで、この型の宇宙機の開発をこれからやるってことなのかな。打ち上げは2014年予定らしい(記事)。

ちなみに日本じゃ1996年にもうやってる。当時は HOPE という無人シャトル計画があって、その予備実験機 "HYFLEX" というのを打ち上げた。

HYFLEX

見た目けっこう似てるね。日本の HOPE 研究はこの後、自動着陸実験(ALFLEX)と遷音速実験(HSFD)と駒を進めた。その先に HOPE-X(HOPE 実験機)が見え始めてきたんだけど、HOPE 計画自体が凍結されてしまってなあ(ていうか HSFD を飛ばした頃にはもう止まってた)。「開発凍結」となってるけど、ほとんど「開発放棄」の扱いらしい。で、最近はアプローチを変えた "LIFLEX" というのが持ち上がってるみたいだけど(翼の小型化&リフティングボディを採用するらしい)、たぶん基礎研究で止まってると思う。ま、細々なんですわ。

一方 ESA の有翼宇宙往還機開発のほうはというと、1980年代、日本の HOPE と競うような形で、アリアン 5 で打ち上げる有人型の "HERMES"(エルメス)計画というのがあった。宇宙のエルメスといえば、ガンプラになったら商標の問題で「ララァ専用モビルアーマー」になってしまったアレを思い出すけど、別に関係ないっすw

んで、なんかいろいろ迷走した挙げ句、HOPE より先にポシャってしまった。ちなみに両方とも、国際宇宙ステーションへの使い捨て型貨物船が優先採用されて追い出されたって感じ。どっちの貨物船も見事に完成して活躍中。スペースシャトルの引退にも間に合った。選択は正しかったってことになるね。技術的な到達点は往還機のほうが高いけど、いつできるか分からんものよりは、今できる技術でブツを作って実際に運用した方がいいしさ。使い捨て型は再突入・回収を考えない片道限定なもんで制約が少なくて、荷物をより多く積めて効率的だし。

てことでヨーロッパの有翼往還機も日本みたいに最初っからやり直しで、しばらくは日の目を見ないんじゃないかなと思ってたら、来ましたなー。

まーどこまで本気か分からんけど。HSFD みたいに、本体の開発放棄後の消化試合かもしんないし、もしかしたら結果によっては開発に本腰を入れるのかもしんないし。

銘板左端銘板銘板右端

ロシアの次世代の有人宇宙船クリーペルは有翼機になりそげな気配だったな(そのプランは日欧に開発費を出させるための単なる見せ玉っつう説もあるけど)。そこらへんの共同開発をする場合に、IXV はロシアから有利な条件を引き出すためのものなのかも。

だとしたら、日本は HYFLEX で IXV に匹敵するデータをもう持ってるわけで。さらに OREX と ALFLEX と HSFD のデータもあるわけで。むしろロシアが有翼往還機を国際協力で開発するなら、日本も積極的に引き入れた方がよくね?

銘板
2012.1.16 月曜
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宇宙開発鈍化考

日本の宇宙開発って、JAXA になってからパッとしなくなったと思うんだけどどうなんだろ。まぁ JAXA になってからというより、予算がしょぼくなったからってのが正解かも。

宇宙開発事業団(NASDA)と宇宙科学研究所(ISAS)と航空宇宙技術研究所(NAL)に別れてた頃は、お互いに適度な距離を保って、ときには協力してさまざまなことをやってたと思うんだ。んで、いろいろ激しく開発してた。

NASDA は国際宇宙ステーション(ISS)への参画とゆー大目標があって、そのために H-II ロケットに日本実験棟 きぼう に HOPE の研究開発を進めてた。H-II はその後、H-IIA / H-IIB に順調に発展。きぼう は見事に完成して ISS に設置された。HOPE はポシャったけど、代わりに こうのとり が完成して運用されてる。そこから再突入機能を持たせ、有人化、という将来性も見えてきた。ほかに大型多機能衛星の製作と運用というのがあったけど、今は中型で頑丈な衛星の路線に移った。これは、やってみたらいろいろ分かったことがあっての結果ですな。

まー自前の有人宇宙船の開発と保有が目標ってことになるんだけど、なんかあんまし進んでなさそうで。ロケットの開発もいまひとつ華がない感じで。200億くらいかけて H-IIA を小改良する話はあるけどね。一桁少ないねぇ。

衛星の方は、陸域観測衛星 だいち が去年止まってしまった。後継衛星2機のうちの1機の開発がやっと決定。もう1機は未定の状態。んでこれ、低軌道衛星でデータが膨大なもんだから、静止軌道上の中継衛星を通さないとデータを全部拾いきれない。そのデータ中継衛星 こだま の設計寿命はとっくの昔に切れてて、いつ逝ってもおかしくない。けど後継衛星の話はまだないらしい。日本が構築してきた宇宙インフラが、たったの1世代でガタガタになりつつある。

ISAS のほうも、深宇宙探査機は あかつき& IKAROS が2010年打ち上げだったね。その前は、その3年前の かぐや。その前はその4年前の はやぶさ。相変わらずスローペースでして。次の具体的な計画は、日欧共同の水星探査計画ベピ・コロンボ。打ち上げから現地での軌道投入までは、ヨーロッパに全部おまかせ。それぞれ周回衛星を用意するんだけど、日本の方は小型のスピン安定型というシンプルなもの。はやぶさ2 はようやくまともに動き出したあたり。けど予算が妙に渋い。

天文観測衛星は、今は あかり の後継の赤外線天文衛星 SPiCA に注力らしい。してその前に、電波天文衛星 ASTRO-G がかなり根本的なところで開発に躓いて、ポシャってしまった。「なんでそんなこと事前に分からんかったの?」な感じで、ちょっと不可解だったりして。

ISAS の固体燃料ロケットは、M-V がよく分からん殺され方をして、今はより小型のイプシロンロケットを開発中。計画どおりだと M-V に比べて相当なコストダウンができる、という触れ込みだけど、1発30億円が目標だと、性能の割にはそんな安くはない感じ。資料によっては20億円というのもあって、それだと理解できるけど、さてそううまくいくのかなと。H-IIA だって当初は1発85億円って話だったのに、90億円を下回ったことがほとんどない。ていうかときどき100億円の大台に乗ってる。

イプシロンでも 200kg 級の深宇宙探査機を打ち上げ可能らしいけど、のぞみ、はやぶさ、あかつき が 500kg 級で、そのうち観測機器は 30kg かその程度。残り 470kg は宇宙機として成り立つための機材なわけで、その半分以下の体格でできる深宇宙探査ってどれほどなのかと。ちなみに欧米露の深宇宙探査機では、500kg いかないのもたまにあるけど、1トン超がけっこうある。このまえ打ち上げに失敗したロシアのフォボス・グルントは2トン。500kg って時点で既に無理してたのに、それさえろくにできなくなってきた、という感じ。

こんなにしょぼくなった一因は、ただでさえしょぼかった予算がますます削られてるから。けど10年前の1割減かそこらでここまで沈滞してしまうのかってのもなぁ。

ぶっちゃけ ISS の運用がかなりのしかかってるんじゃないかと。年1回の使い捨て型輸送船 こうのとり の値段が200億円として、専用ロケット H-IIB が今たぶん1発140億円くらい。あと管制で数億かかってそうだな。こうのとり は空っぽで打ち上げるわけじゃなく、中に物資や機器を詰めますな。食糧も衣料も機材も、宇宙活動専用品とか専用規格を通ったもののみ。そりゃ高価になりますわ。そして日本人宇宙飛行士のトレーニングと打ち上げとステーション滞在と帰還のコスト。もちろん給料も。全部で年間500億円くらいはかかってるんじゃないかと。JAXA の年間予算は、最近は1800億円ほどらしい。主力ロケットが H-IIA になって、H-II の時代より打ち上げ費用は確かに60億円ほど下がった。年間2基の打ち上げとして120億円のコストダウン。んー、とてもカバーしきれてなさそうですなぁ。

まー前は ISS に行くための機材開発に予算をぶち込んでたからどんどん進んでるように見えた、今は当時の目標が見事に成って、予算の振り分けが開発重視から運用重視に移ったから停滞してるように見える、てだけのことですかねぇ。

それにしても、大活躍した だいち が寿命を超えて停止しても後継機はまだ開発中で、だいち 後継に必要な中継衛星の交代は(たぶん)ゴーサインさえ出てないって状況、明らかに「足りてない」と思うぞ。

予算の胴元の JAXA 本体がこれだもん、下部組織の ISAS の状況は推して知るべしですなぁ。つーか旧 NAL なんてほんと存在感ないんですけど。統合前から影が薄かったけどさ。

おととしの9月、はやぶさ カプセルの展示を見に、宮城県の JAXA 角田(かくだ)宇宙センターに行ったんですよ。はやぶさ カプセルに対面できてほんと嬉しかったけど、そのほかの展示を見れたのも良かったよ。ここ、JAXA 設立前は NAL と NASDA が同居してる施設だったらしい。てことで NAL の研究分野の極超音速航空機の開発の様子とか紹介しててさ。いやーほとんど知らなくて、すげー興味深かったですよ。んでも実際に飛ばす実験機なんてめったに作らないらしくて、風洞モデルの規模で研究を続けてるらしい。その極超音速風洞を作ること自体が技術的に大変なんだそうだ。そうだよなぁ。

常設展示館は両組織の展示があるんだけど、NASDA 側の展示の方がまぁすごいわけですよ。

で、NAL のほうは航空機研究がほとんど風洞模型の規模なのに、NASDA 側では H-II ロケットの第1段エンジン LE-7 と、その先代 H-I の第2段エンジン LE-5 の実物常設展示がありまして(試験モデル)。実はここで、国産大型ロケットの核心技術のターボポンプを開発したんですな。そんなわけで、打ち上げに失敗した8号機のエンジンの実物を拝見いたしましたですよ。不具合の原因究明のため、深海の底に沈んでるのを根性で発見・回収したやつ。見れたのはノズルスカートのみだったけど。問題のターボポンプ部分もこの研究所の所蔵品だけど、その日はほかの場所に出張展示に行ってたそうな。ええ、ノズルスカートの写真撮ってきましたですよ。下のほうの写真は、JAXA デジタルアーカイブから勝手に今いただいてきた新品状態の LE-7。参考用に。

LE-7 F8
LE-7 新品

うう、こんな姿になって……。けどこのエンジンは歴代の LE-7 の中で最も役に立ってる。あれ以来、原因究明と対策が徹底的に施されて、現行の LE-7A エンジンは H-IIA で通算20基、H-IIB で同じく4基使われて、まったくのミスなし。充分な信頼性と安定感だよ。

説明してくださった職員様の解説によると、あの失敗を忘れず、常に糧にし続けるようこうしてしっかりと保存して、出資者である国民の皆様に隠すことなく展示している、とのこと。

その心意気はまさしく感動的。

そのエンジンの開発拠点だったから当然といえば当然だけど、旧 NAL の本所以外の2つある拠点のうちのひとつが、同居の NASDA に押されまくってるってのはなーとか考えてしまって……。結局は宇宙3機関が分かれてたときから、一番カネと力を持ってる NASDA が、弱いところに土地を間借りして本家を圧迫してたんじゃないかなと邪推したりして。同じ科学技術庁の機関同士だから、そんなに問題じゃなかったのかもだけど。

なんか日本の航空機産業って、宇宙産業なんつう予算不足でただでさえ一般に浸透してなさそうな分野より、さらにマイナーな感じがするわけで。角田でその原因を見たような気がする。

で、宇宙3機関統合の前は、(恐らく)規模最小の NAL はともかく NASDA と ISAS は縦割りだった。専門分野は宇宙実利用と宇宙科学で別れてたけど、やってること(ロケットと衛星の開発)は大まかには同じだった。良くも悪くもライバル関係にあったわけで。てことで双方とも少ない予算ながらも内心は競争して、切磋琢磨してきたんだと思うんだ。予算の出どころも、NASDA は科技庁、ISAS は文部省で別々だったし。ロケットと衛星の主担当企業もまた別々だったし(NASDA: ロケット=三菱重工業、衛星=三菱電機 ISAS: ロケット=日産自動車 → IHI、衛星: NEC)。

んで2001年に科技庁+文部省=文部科学省が誕生。その流れで2003年に JAXA が発足。組織運営は実質、規模が最大だった旧 NASDA 組が仕切ることになった。横に並んでた組織が縦並びになったわけで、競争し得なくなった。代わりに暗闘が生まれたっぽい。

JAXA になってから日本の宇宙開発の勢いが落ちたように見えるのは、宇宙関係予算の削減とか、開発から運用にシフトしたからとか考えてみたけど、主因はこの、「統合で競争が消滅した」のような気もしてきたよ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

2012.2.1 補足: 角田宇宙センターについて、あたかも旧 NAL 専用施設に旧 NASDA が仕事を押し付けてたみたいに書いてしまってたけど、実際は違ってました。同じ土地を2分割してそれぞれの研究開発をしてたようで、それに合わせて書き直しました。

銘板
2012.1.17 火曜
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呼称問題

おいらボカロファンなんですわ。カミングアウトでもなく、前々からこの日記でボカロの話題を出してるからまぁいいとして。

んでも萌え関係の感性がなくて、主に楽曲や動画のファンなんですわ。特にキャラというわけでもなく。MEIKO 親衛隊を名乗ったりもするけど、そこは声が好きってことで、それもまぁいいとして。

ボカロといえば、最も認知度が高いのは「初音ミク」ですな。ちょっとここらへんに個人的な問題をおいら抱えてて。

ボカロファン歴はもう3年を超えた。作業用 BGM は普通のアーティストのも聴くけど、Vocaloid 曲が多い。「初音ミク」を使った曲が最も多い。発表されてる楽曲のシェアがそうだから、まぁそれはそうだとして。

んで、例えばこの日記で、このソフトウェアの名前をどう呼ぶべきか、という、ほんとどうでもいいところでちょっと迷うところがあって。

正式名称の「初音ミク」といちいち書く段階はとっくに過ぎてる。んでまぁ長らく「ミク」と書いてきたんだわな。

んでもしばらく前から、2ちゃんだのニコニコだのでは「ミクさん」なんですわ。ボカロファンの皆さんが「さん」付けするぶんには何とも思わないんだけど、おいらが「ミクさん」と言うのは、なんか自分でしっくり来なくて。だって人物じゃないしさ。キャラとしては絵だし。関西人なんならモノに対して「さん」付けは不自然じゃないかもだけど、おいら東北人だし。

かといって「ミク」というのも、なんか「ミクさん」派の人々からすれば「『さん』を付けろよデコ助!」なんじゃないのかなぁって気もして。ファン度のディープさから見て、彼らの足元にも及ばないわけでもあって。彼らを差し置いての呼び捨ては、いささかまずいんじゃないのかとか。

MEIKO、KAITO にリンレンルカ、がくぽ、GUMI、MIKI その他は呼び捨てでも全然違和感ないのになぁ。みんな呼び捨てしてるし。

悩むってほどでもない話ですな。

んでもどうも自分ではっきりしないってのは、据わりが悪いというか。

銘板
2012.1.18 水曜
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先代と同じ正念場 その1

IKAROS が大変なことになってた。逆回転モードの成功のあと、ちょっとままならない事態に陥ってるらしい(AstroArts 様の記事)。この記事では、

2010年5月に打ち上げられたJAXAの太陽セイル実証機イカロスが、1月6日までに発生電力低下による冬眠モードへ移行したことが確認された。これは予期どおりのことで、太陽光を受けやすくなる春以降に通信が復活する可能性もある。

とある。んでまぁきっと「予期どおり」なんだろうけど、突然そうなったわけではないんだろうけど、IKAROS が少しずつその状態に向かっていって、止められなかったってことなんだろうと思う。

IKAROS blog の 2011/12/23 付では、

一方,太陽角の増加は,主に風車効果によって引き起こされました.

IKAROSでは風車効果によって,太陽側から見て時計回りにトルクが加わるため,時計回りのスピン(逆スピン)時には,スピンの速度が増加します.

スピン速度が小さい場合,太陽光圧トルクによってソーラーセイルは太陽に近い方向を向きます.

しかし,スピン速度が大きくなると,姿勢は変化しにくくなり,いわゆる慣性指向となります.

このため,太陽角が徐々に大きくなっているのです.

とのこと。逆回転モード+風車効果で、スピンが速くなっていったってことか。んで自転軸の安定性が過剰になってしまって、公転が進むほど、自転軸の向きが太陽からズレていったってことらしい。

別の日のログによると、セイルの状況をカメラで撮ったそうだけど、テレメトリが確立できなくて、地上に転送できないでいるらしい。これ、膜に何かあったかもしれない、という読みなのかなぁ。その一方で、順回転でも回転速度は最大で 2.5rpm で、今は逆回転で倍速の 5.1rpm で回ってる。画像取得は単に「それだけ速い回転で、膜がどうなっているのか確かめたい」ってことなのかもしんない。とりあえず逆回転モードへの移行時に懸念されてた「ギョーザ状態」や「シュウマイ状態」は起きなかったはずだから、今そうなってるわけではないと思う。

記事では、今年の春以降に再起動できそうってことらしい。んー、なんとなく、スピン安定のまま太陽角が開いていってるのなら、いったん裏返しになってしまう気がするんだが。んで表の面が再び太陽に向き始めるのって、半年近い時間が必要な気がするんだけどな。公転軌道が地球−金星の遷移軌道だから、公転周期はその間の300日くらいかと思う。その半分の150日として、5カ月ですな。それで半回転。もう1カ月くらいないと発電できるほどまで来ないかも。6カ月。今から。7月か。記事じゃ「春以降」としてるけど、実際どうなんだろ。

映画『はやぶさ/HAYABUSA』で、財務省の人がこんなこと言ってた「探査機の通信がいったん途切れて復活した例はないそうじゃないですか」。断続状態や意図的にシャットダウン→再起動をかけた例を除くと、たぶん世界的にそうだったと思う。はやぶさ は、完全に電源が落ちきった状態から運用可能な状態にまで復活した、今までで唯一の例ってことで。

工学実証機として はやぶさ 直系の IKAROS もまた、同じ試練を今受けてる。さーて同じく電源 OFF からの復旧運用とはいえ、状況が何が何だか分からなかった はやぶさ のときよりずっとマシな状態だし、はやぶさ の経験もあるし(その場合の「こんなこともあろうかと」が IKAROS に実装済みらしい)、チームは落ち着いてるみたいだね。ここはひとつ果報は寝て待つとしますか。

銘板
2012.1.19 木曜
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先代と同じ正念場 その2

IKAROS の通信が復旧したとして、そこから操縦できるようにまでなるんだろうか。ちょいと心配。

逆回転になって以来、風車効果でスピン速度が上がってきたわけだ。定格の 2.5rpm の倍速まで上がったわけだ。とすると、まだ日の光を浴びてるとスピンが加速してそう。

IKAROS は推進も姿勢制御も太陽光圧を利用するんだけど、唯一それができないのがスピン速度の制御。ここだけはスラスタを使って、推進剤を消費しながら制御する。てことで、スピン速度を落とすにはスラスタ噴射しかない。ところがスラスタの推進剤はもうほとんど残ってないはず。逆回転モードへの移行は推進剤を大量に使う&逆回転に移る瞬間のリスクが大きいってことで、その前にできる実験は全部やって、いつ死んでもいい状況に持ち込んでからの挑戦だった。てことでほんとに推進剤の残量は余裕がないはず。IKAROS のシステムを再起動させても、もう制御できないかも。

あの宇宙機は、すべての使命をとっくに成し終えてる。今はボーナスミッションの段階だから、損得勘定じゃいつ失っても惜しくはない。けどやっぱし、ずーっと生きててほしいなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

IKAROS の帆の裏側も、一応光を反射するんだよね。帆はポリイミドという樹脂の超薄い膜でできていて、表の面にはアルミを蒸着してある。ポリイミド膜は超薄いもんだから、裏側から見るとポリイミド自体の黄色を透かして、その反対側の蒸着アルミで光を反射するようになってる、と思う(個人的妄想込み)。

何を言いたいかっつうと、IKAROS が太陽に裏側を向けてるときも、ある程度の光子加速効果がありそうってこと。

「通信も制御もできない有様で加速したところで何になる」とか言わんでw この効果がある程度出るってことは、風車効果もある程度出るってことですがな。

風車効果は、ソーラーセイルの帆の折り目とかの非対称性から生まれる、機体をスピンさせる力のことだそうな。通信途絶前の IKAROS は、この加速がたまりすぎてしまったわけで。てことで今は 5rpm 以上でブンブン回ってるわけで。

風車効果が帆の形状から来るんなら、裏から太陽光が当たれば、逆向きの風車効果が発生するんじゃないかと。回転が落ち始めるんではないかと。

てことでおいらは IKAROS の通信復旧は夏以降だと思うんだけど、そのとき IKAROS は、ある程度制御しやすい回転数に落ち着いてるんじゃないかと思って。

ただ、ソーラーセイルの帆は太陽光圧を受けて幾らかたわむわけで、裏側に太陽光を受ければ逆向きにたわむわけ。単純にプロペラに逆に風を当てたようにはいかんかも。これがどう出るかが分からんところですな。

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2012.1.20 金曜
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先代と同じ正念場 その3

予算の壁もあったな。通信途絶のタイミング、ここも はやぶさ と同じですなぁ。

はやぶさ は2005年の12月に通信途絶した。で、その状態から立ち直った探査機はないってことで、4月に2006年度の運用予算を切られる恐れが出てきた。川口プロジェクトマネージャーはちょっと姑息な手を使って、ブロジェクトの打ち切りを防いだ(「はやぶさ 復旧の見込み」を匂わせて、実は「通信復旧の条件が揃う見込み」の計算結果を提出。条件が揃っても、探査機が受けたダメージによっては、通信復旧しない可能性も、通信だけ復旧しても手も足も出せない可能性もあった)。

IKAROS も同じ時期に同じような境遇になったね。運用予算、どうか無事に確保できますように。

銘板左端銘板銘板右端

おいらの予想じゃ復活は夏以降のはずだけど、AstroArts の記事で「春以降に通信が復活する可能性もある」と出てる意味が見えてきた気がする。3月〜4月が予算関係のヤマ場なのかも。だとしたら、関係者の皆様、その線でがんばってくだされー。

今日の作業用 BGM は当然、キセノンPの "IKAROS"。

漆黒の海 帆を広げて
その身に光浴びて
風吹くままに 進む帆船のように
そこにある力を受けて
 
遥か空高く 輝く太陽
光を力にして
自分の姿 この目に焼き付けて
まだ見ぬ新天地へ
 
今 あかつき追いかけて
宇宙(そら)を航海(セイル)する IKAROS
遠く遠く手を伸ばして
光届く限り

IKAROS、お前の子孫は木星まで飛ぶんだぞ。もう少しだけ踏ん張って、あとちょっとだけでいいから道を照らしてやってくれよ。

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2012.1.21 土曜
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カネの縛り ON/OFF その1

ボカロの曲って主にアマチュアミュージシャンの皆様が作ってるわけで、質的には大抵、プロミュージシャンやサウンドエンジニアの仕事のほうが上なわけです。

なんでまたおいらはそれなのに、プロよりボカロを取ってしまうのか、自分でもギモンだったですよ。タダだからってのは確かに大きいんだけど、それだけじゃなくてさ、んで「それだけじゃない何か」って何なんだろと思ってて。

昨日キセノンPの楽曲 "IKAROS" を貼っ付けたわけで。

これでひとつ見つけた気がする。

アマチュアは小回りが効くんだわ。プロなら商売にならんようなネタだろうが、アマチュアには関係ないんですな。てことで、プロが採算割れを気にするほどの少数の聞き手しか期待できないネタでも、それがあれば、あるいは単に作り手が出したいネタが見つかれば、それをドンピシャで表現したものが作られて公開される。このジャストミート感がイイんですなぁ。

J-POP といえば泣ける切ないラブソングが主流だったりするけど("J-POP" という呼び名はハイカラだけど、内容的には昭和歌謡曲のノリがバッチリ受け継がれてるなぁ)、なんでこのベクトルの曲が多いかっつうと、恐らくそれが最も多数の客に共感されるから、最も利益が出るから、なんじゃないのかな。多数決を狙って最大効率で利益を確保ってとこじゃないのかな。大衆に合わせるのがその方向性なのは分かるけどさ、どうなんだろ。

J-POP アーティストがたくさん活動してても、採算を取りつつ、利益を上げつつで表現の方向性すべてをカバーできるわけじゃない。採算ラインから外れてる客層・ニーズは置き去り・切り捨てなわけで。

んで若者層は仕掛けられた宣伝に乗せられやすいってことで、ポップミュージックシーンは常に若者層をターゲットにしてきた。同時に、それ以外の層を切り捨ててきた、とも言えるわけで。して少子化で若者市場そのものが縮小してきてる。それでもこの方向性をやめられないのは、まだ利益が出てるからなんだろうと思う。縮んでいく市場の中でのこと、大衆狙いで照準をなるべく広げていってるつもりでも、年齢層の面で全体から見ると、マーケティングターゲットの狙いは細ってきてる。プロモーションに振り向く客の数は減る。その一方、切り落とす客はどんどん増える。

てな流れだと思うけど、おいらは早々に切り捨てられたクチ。"J-POP" って言葉が出てきた頃にはもう蚊帳の外だったわ。ZZ TOP とディープ・パープルと CCR を聴いてるうちに、気がついたらそうなってた。J-POP 風に言うと、

どうしてあなたはそうなの? どうして僕はこうなんだろう? どうして? どうして? どうして? 理由(わけ)を聞かせて

しらんがな (´・ω・`)

それより J-POP アーティストの多くの方々に於かれましては、どうして J-POP の歌詞が「どうして」ばっかの教えて君なのか、安易に人に訊く前に創造的に悩んでいただきたい。

てことで、かつてニッチだった「桜ソング」がジャンルとして確立されたりもして、毎年多くのアーティストたちが一攫千金を狙って曲を出すようになりましたな。あわよくスタンダードナンバーになれば、毎年の季節商品として長いこと稼げるもんなぁ。店屋の普通の商売と変わらんなぁ。

プロはその道でカネを稼ぐからプロなわけで、プロのミュージシャンや関係各社が技術と才能で好きなだけ儲けるのにはおいらは異存がないんだけど、どうも連中が勝手にターゲットを絞って、それが細っていくにつれて、利益確保重視でカネのニオイが強くなってギスギスしてきた感じがして。華やかなステージの向こうに、ネクタイ締めて Excel や電卓で利益を計算してるオッサンたちの姿が透けて見えるとさ、どうも素直に盛り上がれなくて。

アーティストやスタジオミュージシャンの取り分のほかに、事務所の運営ぶんと宣伝費の回収ぶんが重そうだしなぁ。まあ営利活動だから利益・採算を重視するのは当たり前なんだけどさ、なんかその意向が露骨に見えてきてるっぽくてなぁ。

そこらへんあんまし関係ないのがアマチュアの強み(プロ指向の強いアマチュアさんなら気になるところだろうけど)。趣味だから赤字は当たり前。てことで、あとは自分が手間・暇・カネを投入できる範囲で好き放題やれる。自費で楽曲を作って演奏して録音して PV を付けて全国配信なんて、昔は10人程度の集まりなんかじゃとてもできないほど大変だったはず。今は最小で1人の一般人が余暇で全部できちゃう。

それはそれで重労働だろうけど、目的の中に「採算・儲け」という項目がないぶんだけ、作品が世に出るまでのハードルが低くなる。てことで小回りが効く。いろんなテーマの楽曲が世の中に(主にネット上に)溢れる。商業音楽市場に切って捨てられた潜在顧客がそこで、自分の好みの曲を見つけては確保。濡れ手で粟。楽しくてたまんない。

商業主義に縛られたプロ曲をわざわざ聴く理由がなくなりますな。いくら音楽的にハイクオリティだろうと、自分を切り捨てたものに自分からまたすり寄ろうって根性、おいらは持ち合わせてないしさ。

まーでも最近は映画『はやぶさ/HAYABUSA』の主題歌『たいせつな光』がイイ曲だなーと思ってて。映画の予告編も本編もよかったもんだから、耳になじむまで聴いてしまったですよ。プロ曲に関しては、無視というより受動的なんですな。

ていうかこの曲、iTunes Store にないんだわ。おいら買いたいのに、売りたいのか売りたくないのか。商用楽曲販売の仁義がよく分からんのだけど、新譜は iTunes Store に一定期間は出さんことにでもなってるんだろか。新譜のうちは CD や着うたで稼ぎたいのかな。着うたは iTunes Store より高いしな。

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2012.1.22 日曜
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カネの縛り ON/OFF その2

てことで、カネの縛りのないアマチュア音楽がどこまで小回りが効くのかとゆーと、おいらこんな作品を見つけて聴いてるよ。

ミネルバ……今どうしているのかな(滂沱)

友だちの はやぶさ が立派に本懐を遂げたことを、壮絶で圧倒的に美しかったその最期を、当時は想像もつかなかったこの大人気を、どうしたらミネルバに伝えられるだろう。

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2012.1.23 月曜
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最後の1個は根性あった

はやぶさ のリアクションホイール(RW)って、2連続の故障であの絶体絶命ドラマを作り出した張本人なわけで、良く言う意見ってあんましないんだわね。「肝心なところで」「アメリカ製はこれだから」とかまぁそんなノリで、ファンの間ではときどきに怨嗟の対象になったりもしてw

とりあえず言えるのは、はやぶさ を打ち上げた M-V ロケットって振動がキツくて、それに耐えられる RW ってあの製品しかなかったらしいってこと。それでもノーマルだとやっぱし無理で、その仕様に合わせた改造を引き受けてくれた唯一のメーカー、という言い方のほうが合ってるかも。

結果的には運用段階でその改造箇所が裏目に出て故障の原因になってしまったけど、その部分は打ち上げのときは狙いどおりに機能して RW を守った。となると、その改造 RW を調達できなかったら、そもそも はやぶさ そのものが成り立たなかったかも。

はたまた別な運の要素もあったりして。打ち上げから地球スイングバイの間に、はやぶさ は観測史上最大の太陽フレアにぶち当たって、太陽電池が劣化。電気で駆動するイオンエンジンの出力が落ちて、小惑星イトカワへの到着が予定より3カ月遅れた。その到着直前に X 軸の RW が故障。そこまでは想定内。かまわず観測を続けてたら、途中で Y 軸の RW も逝った。

てことは、もし太陽フレアに当たらなきゃ、あるいはその太陽フレアが はやぶさ から見て太陽の反対側の面で起きてて影響がなきゃ、観測開始は実際の3カ月前倒しだった。観測の大部分は RW が3個とも完調のままいけたかもしんないわけで。もしかして RW 故障で支障が出まくった着陸ミッションも、もっといい状態で臨めたかも。そしたら不時着しなくてよくて、スラスタの燃料漏れもなかったかも。姿勢制御で燃料をあまり使わなくて済んで、着陸を3回こなせたかも。着陸時の機体の挙動が安定して、探査ローバーのミネルバが成功してたかも。試料採取のプログラムの確認をゆっくりできて弾丸が問題なく発射されて、試料をごっそり採れてたかも。

実際は、太陽フレアに遭遇 → イトカワ到着と観測開始が3カ月遅れ → 到着直前と観測途中で RW が計2個故障 → 着陸ミッションで苦戦&ミネルバの放出失敗 → 不時着 → 燃料漏れ → 通信途絶とバッテリー損傷 → 地球帰還が3年遅れ → 電子回路の劣化が進んでエラー出まくり再起動かけまくり、っつう致命的ドミノ倒しが起きた。ほんとそんな状況でよく帰ってきたよ。

それと忘れがちなのが、3個あったうちの最後の1個、Z 軸は最後まで完調のまま生きてたってこと。Z 軸は使用条件が一番緩かった&最後に残った虎の子だけど3個とも同じロットの製品だったからいつ逝くか分からない、ってことで腫れ物に触るように大事に扱ってたのもあるけど、あれがあるのとないのとじゃ運用は雲泥の差だったと思う(一応、Z 軸も死んだ場合の運用プランを作ってあったそうだけど)。

地球帰還の直前の再突入カプセル切り離しのとき、この Z 軸 RW を全開で回して、スピン安定をがっちり確保したそうな。カプセルの投入精度を高めるためですな。そしてカプセルは見事、予定地域のど真ん中に着陸。

もしこのタイミングで Z 軸 RW がやられて、その回転が意図せず急停止してたら、はやぶさ の機体は Z 軸周りに、 RW の回転方向と同じ方向に回転を始めてた。残る姿勢制御はキセノン生ガスの噴射のみ。これは非力。切り離しのタイミングまでの短い時間内で、機体の回転を止めきれなかったかも。だったとしたら、カプセルはあらぬ方向を向いて切り離されて、変な姿勢で再突入。イトカワのサンプルが台無しになるとこだったよ。

X 軸と Y 軸の RW が故障したときって予兆があったらしい。変な温度上昇が出たらしくて。たぶん Z 軸は最後までその予兆が出なかったから、安心して全開に持っていけたんだと思う。

まー何かと悪役になりがちなこの部品、3個あるうち最後の1個だけはきっちり職務を全うしたわけで、そこは評価されてもいいんじゃないかなと。

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2012.1.24 火曜
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自殺考 その1

「日本は自殺者数が多い」ってさ、騒ぎすぎじゃね? それがかえって自殺志願者を焚き付けてるんでね?

「ストレス社会だから」「未来に希望を持てない世相だから」って理由はまぁ確かに大きそうだけどさ、あんましそういう世相を煽って、それとつなげて自殺を語るのって、自殺したい人に「自分じゃなく世の中が悪いんだ。今の日本が悪いんだ」と口実を与えることになってるんじゃね?

自殺者が多いことをあまりにも強調すると、自殺したい人たちの論理として「確かに自殺はよくないことだけど、みんなやってるからいいんだ」が説得力を持ってしまうんじゃね? それが実行への心理的ハードルを下げてることってあるんじゃね? まー、ただおいらがそう感じてるってだけで、客観的でも定量的でもないけんど。

日本の社会自体が現状で別に悲惨じゃないってのは、自分の身の回りの状況と、そこから肌身で伝わってくる感じでなんとなく分かる。おいらが住んでる青森県の経済状況なんて、国内で下から5指に入るほどのしょぼさだと思う。それでも社会はがっちり機能してて、治安もいいままだし、平和に暮らせてる。まーカネ回りが悪いのがツラいとこだけど、トータルで考えて、世の中を悲観するほどじゃない。てことで、実は日本のほかの都道府県はきっともっと余裕あるだろうから、社会状況はさらにマシなんだろうなと予想できる。

けどマスコミはどうも「日本はダメだ。もう衰退しかない」の大合唱なわけで。いまだにバブル時代が基準のようですな。衰退論を語るときは、きちんと「バブル期に比べて」という但し書きを書いた方がええですよ。

バブルなんて、もうあんな特殊な時代は来ないよ。その感覚は忘れた方がいい。けど彼らはどうにも忘れられないみたいで、縛られてるなーって気がする。

てなことで、彼らは日本社会を手当り次第に叩く。何がそんなに気に食わないんだってなほど、あたかもこの国には絶望しかないかのように書く。競うようにバッドニュースを書く。まーバッドニュースをたくさん出した方が売れるんだろうなぁ。そこら考えると、まぁ世の中がバッドニュースを欲してるって面もあるんだろうなぁ。

で、そういう「作られた悲惨さ」がね、日本の世の中を要らなく不安にしてる部分ってあるんじゃないかと思って。「自殺者が多いし出生数が少ない。これから老人ばかり増えて閉塞感にさいなまされるだけ」と、こんな気分の悪くなる話ばかり毎日聞かされてりゃ、「これでいいのだ!」(©赤塚)とは思えんわな。老人が多いことだけでお先真っ暗ってのも短絡的だけどね。確かに人を不愉快にさせるバカな老人ってけっこういるけどさ、そうでない老人はもっといるだろ。

けど自殺する人も、子を持つことに積極的になれない人も、「これでいいのだ!」とどうしても思えないからってのがありそうで。

バッドニュースをせっせと出し続ける人たちって、問題提起をして世の中をもっと良くしなきゃ、という使命感に燃えてるのかもしんないけど、それが世の中を腐らせてるかも、とは考えないのかねぇ。

んでまぁ、自殺者が自殺をする理由はその人数のぶんだけあると思うけど、そのうちのある割合は、マスコミの商売上の都合と、その方向を求める客たちがなんとなく作り上げた、実在しない「何もかもダメダメな日本社会」像を馬鹿正直に信じてしまった可哀想な人たちなんじゃないかって気がして。「なんとなく」ででっち上げられた虚像を信じて自殺って、なんだかなぁ。可哀想というより間抜けなわけだが。

自殺ってさ、本人は「死にたいから、死んだ方がマシだから死ぬ」ってことなわけで。まぁ思い詰めてる最中にナンだけど、もうちょっと周りのことを慮ってほしいわけですよ。病死や事故死でさえ、ほんと周りはただツラい気持ちになるのに、自殺だともっとイヤな気分になるだけだぞ。日本人なら、思い詰めてようが何だろうが、死んで自分だけ楽になるよりも、生き恥晒し続けてでも周りの人々を気遣っていただきたいですよ。そう考えると、自殺なんて究極の野暮ですなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

別に今おいらの近くに自殺したいやつがいるわけじゃないんだけんど、なんとなく、思考が自殺に至る世の中的なカラクリみたいなのを思いついたもんだから、ちょいとドヤ顔で書いておこうかなとw つか数年前、親戚で首吊った人がいて。親族全体に与える精神的ダメージ、ほんときつい。おいらはある程度遠い筋だったけど、近しい親族はマジでつらそうだったよ。

たまたまこの日記を読んでしまった自殺志願の方々へ。自分に対してでも世の中に対してでも「まったく希望を持てない」「ていうか希望とはどんなものなのかさえ分からない」その気持ち、もしかして誰かに植え付けられたのかもよ? 世の中のテキトーな雰囲気に流されて自殺したくなるんなら、おいらの言うことにも同じ重みで流されてみてくださいな。自殺は野暮。自分以外の人を不幸に叩き落とすっつうみっともないだけのことだから、やめときなさいな。

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2012.1.25 水曜
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自殺考 その2

「死んでやる!」型の自殺ってさ、どう考えても「勢いでやってしまった」というか、なんかこう、モロに「早まった」って感じがして。だって全然割に合わないもん。

「死んでやる」ってのは当てつけだから、憎悪の対象が存在するわけで。特定の個人や集団かもしんないし、世の中全体かもしんないんだけどさ、まーその対象にダメージを与えたいってわけですな。そこまでは分かる。けどさ、自分が死んだからってどれほどのダメージを与えられるか分かんないよ(相手が世の中全体ならノーダメージに終わる。ほかにも年間で万単位で自殺してるから、1人増えようと関係ない)。確かめようにも、死んでしまっちゃ確かめらんない。「化けて出てやる!」も今どき流行らないしな。

何より、それで相手がどんだけダメージを受けようとも、たぶん死ぬほどではないわけで。けど自殺した方は死んだわけで。どう考えても自殺攻撃を仕掛けた側の方がダメージがでかい。相手はキツかったとしても、生きてる限り、いつかそのツラさをポジティブに克服して元の木阿弥かもよ。挙げ句、自殺者に対して「ありがとう。あなたのおかげで強くなれました」とか思われちゃうかも。これじゃ自殺した意味がない。

しかも、もし相手が敵対してる人物ならなおさら、敵にとってはその人が死んでくれたら願ったらかなったり。

てことで「死んでやる!」型の自殺志願者は考える方向を改めた方がいいですな。とりあえず「殺してやる!」に。

これはまたこれで物騒だけど、戦術としては自殺というトンチンカンな方法よりは少しマシかも。けど、それで無差別殺人しちまうような輩はこの話には含めないでおくよ。この手合いは話が通じなくてどうしようもなさそうなんで。

で、「殺してやる!」と強く思ったところで、憎いアンチキショウを自らの手を汚してまで殺す価値ありますかと。クズ野郎を殺すことに、自分が刑務所に長期間ぶち込まれてもいいほどの価値がありますかと。

復讐はあくまで合法でやるのがクールですよ。そして、こっちの受けるダメージより相手の受けるダメージのが圧倒的にでかくて初めて、復讐達成というやつじゃないですか。復讐の達成は随喜だよ。んで、その快感を味わえるのは生きててこそでしょ。となると、例えば相手を社会的に殺すにしても、一緒に自分の社会的体面も傷ついちゃったらあんまし意味がないね。そこらへんの「社会的完全殺人」のプラン練るだけでも楽しげだったりww

てなわけで、やっぱしどこをどう考えても、「死んでやる!」で自殺するのは自分が一番損をしますですな。

復讐のためだけに生きるってのもまたどうだかなーって気もしないでもないけど、何にもならん自殺をやらかすよりはるかにマシ。ほら、虎視眈々とあるいは悶々とでも陰々滅々とでも生きてる間、毎日メシ食うでしょ。たまにでも服を買うでしょ。家賃や電話代、水道代や光熱費を払ったりするでしょ。自分が直接じゃなくても、ご家族とかが払ったりするでしょ。その度に消費税も払うでしょ。そんな支払いのために働いたりもするでしょ(これも自分が直接じゃなくても)。そのぶん世の中の経済が回るわけですよ。そのぶん世の中の役に立つわけですよ。

「自分は生きる価値なんてない」? ご冗談を。あなたが気を引きたい人が、あなたの人生に特別な価値を見いだしてくれてるかどうかはちょっと置いといて、そんなわけで、あなたが生きる意味と価値は一般社会の中に勝手に発生していますが。あなたが生き続けるだけで、自動的に世の中の役に立ってしまっていますがww

銘板
2012.1.26 木曜
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自殺考 その3

昨日の続き。自殺志願者は、黒澤明の『悪い奴ほどよく眠る』を観てみるといいよ。まー志願者にはいろいろあるだろうからまったく関係ない人もいるだろうけど、関係ある人もいると思うよ。

自殺した人物の葬式を、実は本人が生きててこっそり覗く場面があるんだ。いやーあの場面はほんとよくできててなー。笑いが止まんなくなるよ。自分がやられたら腹立たしいことこの上ないんだけどw

「思い詰めて自殺」ってさ、結局、誰かか何かに踊らされてるだけなんだよな。

しかしそんな黒澤も後年に1度、大作映画の企画が次々とポシャって自殺未遂やらかしてるからな。

黒澤明がもしあのとき死んでれば、『デルス・ウザーラ』『影武者』『乱』『夢』『八月の狂詩曲』がなかったと思うと、ここらの作品を愛する者としてほんとツラくなる(遺作『まあだだよ』はおいらはちょっと、うーん、て感じ (^_^;))。

「思い詰める」って怖いんだな。そこはナメないように気をつけるようにしよう(←ここは自分に言ってる)。

銘板
2012.1.27 金曜
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自殺考 その4

日本人があまりにも「日本は自殺者が多くて多くて」と言いまくるせいだと思うけど、世界的にも「日本人は自殺が多い」と思われてる節がある。

この手の話って思い込みのときがあるからね。ほんとにそうなのか、ちょっと調べてみた。したらコチラのサイト様にブチ当たった。国別での人口10万人あたりの自殺者数の割合で、グラフをがめさせていただいた。

自殺率グラフ

日本の自殺率って伝統的に本当に高めなんだね。けど戦前はフランスやスウェーデン、アメリカとだいたい同じくらい。戦後の15年間くらいにピークがあるね。社会の激変の影響だと思う。1960年から1980年代はじめまでは低下してて、経済成長と製品の世界進出での好景気の様子をうかがわせますな。

80年代半ばあたりにまたピークが来たのは、急に円高が進んだせいで不況になったあたりだね。同時にそのせいでアメリカとの賃金格差が減って、自動車メーカーがアメリカに現地工場を作ったりとかあったな。日本中、これまた激変に対応すべく試行錯誤してて、先が見えにくい時代だったかと。

んで80年代後半にバブル到来で、人生が楽しくてしかたなくて自殺率はガタ減り。ただ、外国でこのあたりでコンスタントに自殺率を減らし続けたところもあって、依然として日本の自殺率は高く見えた。そして「失われた10年20年」で数字が戦後の混乱期のあたりまでまた上がってしまって、高止まりのまま今に至ると。

最近15年ほどで見てみる。確かに日本の自殺率は釣り上がっとりますな。イギリスとイタリアの3倍ですか。けどハンガリーと同程度で、ロシアと韓国より低い。てっきりぶっちぎりで1位かと思ってたんだが。

その上昇・下降の傾向でいえば、日本は1998年以来ずーっと高いまんま。景気低迷の影響っぽいね。けど増えてるわけじゃなく、一定してる(この言い方はちょっと適切じゃないかもだけど)。対してロシアとハンガリーは絶賛激減中。もうすぐ日本を下回りそう。

アメリカは下位グループの中で、数字はほぼ一定。ヨーロッパは一般的に低落傾向。

で、問題は近年ぶっちぎりで1位の韓国ですよ。もともとイギリス・イタリア並みに低かったのに、ものすごい勢いで増えてる。これからももっと伸びるんじゃないのかって勢い。1998年のピークは、前年のアジア経済危機をモロかぶりした影響だね。IMF の支援を受けたアレ。そこは分かるけど、そこから先の韓国経済は V 字回復したはずじゃなかったのかと。

だいたいどこの国でも、自殺率は景気低迷と連動してるっぽい。ドイツなんて第一次大戦に負けてからナチスが支配するまでの間、経済が崩壊してたそうな。で、このグラフからもその様子を見て取れますな。

てことで韓国。最近ヘンに国際経済の勝者ぶって鼻息粗いけどさ、韓流が世界で大人気!と不自然なほど必死にアピールしてるけどさ、なんかすごくうさん臭いなーって気がしてたけどさ、やっぱウソじゃね? 国内経済、この調子じゃ相当荒れてるだろ。しかもここ10年で一気におかしくなってるだろ。ちょうど FIFA ワールドカップ日韓大会の2002年が境目だな。何があったんだろ。まー普通に考えて、1997年の経済危機からの立て直しに失敗したってことなのかな。

他国で同じくらいの伸び率を記録してるのは、ロシアの1990年代前半。この頃ってソビエト連邦の崩壊でゴタゴタしてたんだよな。クーデターもあったし、周辺の属国が独立戦争を仕掛けて独立しまくったし。外から見ても、ものすごい激変期だったのが分かった。このとき、夜だとマシンガンの弾道が光って見えるんだなーと初めて知ったよ。ロシア発のニュースでガチの銃撃戦の映像を見たから。クーデター軍がオスタンキノテレビというテレビ局を占拠したとか、生々しい報道が飛び交ってたわ。

んで、今の韓国ってそのくらいの社会の激動期にある、のかもしんないけど、日本からはいつもどおりに暮らせてるようにしか見えない。どうもそこがすっきりしない。ロシアみたいな10年後の経済好転と自殺率低下の予兆なのか、ただ悪くなってるだけなのかは分からんし。

日本じゃ韓国のこういう姿はほとんど報道されない。「韓国経済は停滞中の日本と違ってどんどん躍進しているから、日本は韓国を見習うべき」という、なんだかマヤカシ臭い話ばかり。むしろ韓国の新聞社の日本語サイトを読んだ方が、まだマシな情報を拾えるってほど。あの国の社会のオモテヅラは平常っぽいけど、経済状況が実はものすごく悲惨なことになってる、てことかな。そしてそれが普通になってしまって、もう誰も今さら気にしてないとか?

原因から結果への時間の遅れはどうなんだろう。日本の例でいうと、バブル崩壊が言われてからも、1996年までは平均所得は拡大し続けてたそうな(藻谷浩介 著『デフレの正体 経済は『人口の波』で動く」より)。で、自殺率が上がったのは1998年から。その間に何かがあったと思われ。この場合、平均所得拡大が止まったのが1997年ってことで、自殺率上昇の遅れは1年。

韓国でも原因 → 結果の遅れが1年くらいとすると(向こうでも1997年経済危機の応答が次の年に出てるし)、かの国では2001年あたりに国内的に大きな方針変更か何かがあったってことか。あのあたりは……当時の金大中大統領がノーベル平和賞をもらったのが2000年の10月。受賞理由は、北朝鮮との和平に向けた対話でしたな。関係なさそうだな。グッドニュースだし。和平の進展も受賞も、それからずっと続いたんじゃなくあれっきりの話題だったし。んー、何があったんだろ。まったく分からんところがどうにも気持ち悪いんだが。

銘板左端銘板銘板右端

そういえば1997年って、日本じゃ消費税率が 3% → 5% になった年じゃなかったっけ? 今、日本政府は消費税増税に躍起になってるとこだね。けど景気低迷状態での消費税率アップって、さらなる景気の押し下げ、ひいては自殺率の上昇を呼び込むんじゃないの? このグラフからはそう読めもするんだけど。

ほかに、1997年はアジア経済危機の年でもあったわけで。あの直前まで、アジア諸国は経済の急成長を謳歌してた。現地に進出してた日本企業も多かったはず。その後に突如訪れた大混乱をモロかぶりした日本企業の社長さんや出資者たちが早まったりしたんだろうか。

銘板
2012.1.28 土曜
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陰謀説的な何か

消費税率アップって財務省の長年の悲願らしい。

10年近く前に納税関係の講演会に出席したらさ、税務署からプリントを何枚か貰ってさ、そのクリアファイルには消費税率で見た世界地図が載ってて。まー「どこの国も消費税率は日本よりずーっと高いんですよー」と言いたげな内容で、そのときその悲願を察したんだわ。

2004年の4月からは、商品・サービスの消費税表示の内税化が義務になった。税率が上がっても、表面上はそのことを目立たなくさせたわけだ。増税に向けての準備が着々と進んでるなーと感じたですよ。同時に、売値からの税金の取り分を増やしたぶんを、売り手が実質値下げで合わせろってことでもあるわけで。1997年の 3% → 5% のときは、「消費者を守るため、便乗値上げを監視する」とか言って、結局は増税分さえ上乗せしちゃいけない空気まで作ってた。事業者は虎の子の利益を、税務署に問答無用で横取りされるという構図。価格破壊競争で急に数が増えた薄利多売の業者にとって、致命的なダメージでしたな。国ってジャイアンだなーと思ったもんだわ。

んでまぁ最近、IMF からも「日本は消費税率を上げるべき」というご意見が来てるね。消費税率増の賛成派にお墨付きを与えたわけ。けどこれを、「日本の役人が IMF に言わせていること」と読む考えもあったり。IMF には日本から相当な額が出資されてるんで、あの組織はけっこう日本の担当省庁の言いなり、という主張。

その真偽はおいらには分からんけど、財務省の悲願と一致してはいる。まーそれでも証拠を持ってないから何とも言えん。

けどおいらにも分かることがひとつあるよ。それは、

「日本より消費税率が高い先進国(ヨーロッパ諸国とか)は、今みんな財政難と不況で苦しんでる」

ということ。

消費税率アップは国家財政の改善に効き目がありませんですな。日本での1997年の例もあるし。

つーか失敗の先例が次々と出てくる中で、なんてまた今そんな先例を真似する気なのかわけが分からん。

そのうえ民間経済に冷や水を浴びせて不況をもたらし、トータルでの税収を下げ、そして自殺者を増やす、ってどうなんだろ。財務省の悲願って結局、真の目的は何なんだろ。国の財政立て直しじゃないことは確かだね。

だったらむしろ、逆に消費税を 3% に戻せばすべて好転するんじゃね? とりあえず 4% に下げるだけでも、世間の気分的な改善(=好況感そのもの)の効果が出ると思うが。

5% → 4% だと、消費税収が単純計算で 20% 減になる。けどほかにも税の財源はある。そして薄利多売の企業にとっては、これだけで利益が数割アップしたりもするわけだが。利益率が単価の 3% の商品の場合、利益は 33% アップですな。しかも薄利多売製品は流通量も関連産業も多い。これ、やったら好影響がかなりでっかくないですか? 消費量・流通量の拡大でトータルの税収額を上げる、つまり消費税の徴収も薄利多売方式で、ってわけにはいかないもんでしょうか。

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2012.1.29 日曜
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勢いでごまかすための言葉 その1

このまえ映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」を観たんですよ。それでちょっと、今の世相と重なる面白い展開があって。

映画だと、陸軍を中心に「ナチスドイツと同盟を結ぶべし」てな世論が強いわけですよ。海軍内でもその派がいたりして。世間、というか世間を煽ってる新聞社もノリノリで、そのとき出てきた表現が、

「バスに乗り遅れるな」。

ついこないだまで TPP 推進派がまったく同じことを言っとったわけで。そんで現代日本は TPP のバスに乗ってしまった。

映画内での「バスに乗り遅れるな!」ははたして当時実際に使われた表現なのか、それとも今の TPP 問題に揺れる世相に合わせた創作なのかは不明。

映画ではそれに反対の山本五十六が、ナチスドイツと組むべきではない説明として、強大な軍事力のアメリカを刺激すべきではないから、と言ってた。あと、ヒトラーは心の内では日本人を蔑視してるから、というのもあった。対して日独同盟推進派は、とにかくアメリカと戦争をするのが前提。それには強国の後ろ盾が是非欲しい、ということで、ドイツと同盟を結べる可能性があるからには「バスに乗り遅れるな」と。

んで、作られた世論とそれにノリノリの国民に押し切られる形で日本はドイツと同盟を結んで、アメリカに宣戦布告。五十六は「バスに乗り遅れるな」と煽ってた新聞社の記者に対して、「バスはどこに向かっているのでしょうか」と問う。ここも実話か創作か不明だけど、TPP に絡めたのかも不明だけど、演出の意図として「こういう煽動に乗ってはいけない」ということは読み取れる。

この映画の脚本、このくらいの大作だと公開の1年前にはできあがってたと思う。丸1年前には TPP って世の中でほとんど話題になってなかったと思う。てことで TPP で「バスに乗り遅れるな」もなかったと思う。ということは偶然一致の可能性が高いわけで。

しかしまぁ偶然とすると怖いくらいの一致度ですなぁ。ていうかおいらが知らんだけで、こんなときの常套句なんだろうか。

「こんなとき」ってどんなときなのかをちょっと考えてみると、TPP でもこの映画でも、どうも推進派がとにかく世の中を煽って焦らせて、勢いで自分の思いどおりにしようと操作するとき、なんじゃないかって感じ。TPP じゃ具体的なメリットが全然出てこなかったね。具体的なデメリットは、反対派からじゃんじゃん上がってたけどスルーというか。「そのデメリットよりメリットのほうが大きい、その金額は……」とか金額を言えば具体的になると思ったんだろうねぇ。その金額が算出される過程が漠然としてて具体性がなかったわけですが。

んで普通は一番気になるそこらへんに答えず、ただ「バスに乗り遅れるな!」で押し通しましたな。

昭和10年代の日本で「バスに乗り遅れるな!」と本当に言ってなかったとしても、ナチスドイツとの同盟推進派が、そんなノリで世の中を焚き付けて反対意見を圧殺して押し切ったのは本当だろうと思う(根拠ないけど、映画がこの部分でまったくのウソを言ってるとも思えんので)。陸軍ならやりそうだし。

昔、元・帝国陸軍軍曹殿との付き合いがあってさ。論理思考も客観視もその概念さえない人間でさ。自分の見栄と体面がすべての人間でさ。どうもそれが「軍隊式」という考え方から来てたみたいで、それでおいらは旧日本陸軍不信なんですわ。しかしなんでまたあの人たちは、軍隊モード入ると鼻が詰まるんだろ。「グッジッ(軍人)」「グッタイ(軍隊)」「ダイジッポッテーコッ(大日本帝国)」「テッドーヘーカバッザーイ(天皇陛下万歳)」ってダッダッダヨ(何なんだよ)。

陸軍と海軍って仲が悪かったみたいだし、おいらは元・海軍軍人との付き合いはないんで、海軍の気質については伝聞以外は不明。

しかしまぁ「バスに乗り遅れるな!」以外にも、同じ目的で使われる表現ややり方っていろいろあるんだろうなぁ。気をつけようとは思うけど、どうやって気をつけたらいいもんかねぇ。

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つか、3年前にいきなりヘンテコなことを押し付けようとされて、勢いでそのまま認めさせようとされたことがあったわ。その場で「それはおかしい」と意見して、なぜおかしいかの説明したけど、こっちの言い分を論理的にひっくり返すようなまともな展開はなくて(それならそれで、納得できれば喜んで受け入れようと思ってたんだが)、思いどおりにならなかったからって逆ギレ。おいら面罵されたですよ。結局おいらの言い分が通って、ヘンテコなことにならずに済んだが。

その人、おいらより若いのに自分の体面至上主義でさ。逆ギレのとき、「体面を傷つけられた」とわめいてたわ。体面が大事なら、ツッコミどころだらけのうえに自分で説明さえできない、あからさまにヘンテコなことしなきゃいいだけのに。そして判断結果が出て、その人の最高の宝物、自らの体面を自分で丸つぶし。

実はそれ、その人の上の人間から押し付けられた汚れ仕事だったらしい。「上には絶対服従」という飼い犬として最適な性格を見抜かれて、わずかばかりのエサで手なずけられて、引き受けるとかでなくもう呑むしかなかったらしい。そこまで分かって、「こいつ陸軍体質だなー」と判断したですよ。

なんでまた旧日本軍解体のはるか後の世代で陸軍体質なのかっつうと、それをいまだに保存してるのがあるからですな。体育会系というやつ。体育会系の人の全部が全部そうだとは思わんし、時間を重ねていい方向に洗練されてきてるはずだと思うけど、その中の一部は確実に件の体質に染まってしまうわけで。考えなくていい、従ってればいい、てのはラクだからねぇ。上の人にはかわいがられるだろうけど、下の立場から見て、思考を放棄した怠け者を尊敬しろってのは無理。ただ、理由もなく場をギスギスさせるのはマイナスでしかないんで、表面上はそういう輩に対してでも敬意を持った態度で接しとるつもりですよ。

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2012.1.30 月曜
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勢いでごまかすための言葉 その2

勢いでごまかして思いどおりに物事を進めるのってさ、何かほかにもあったよなーと思ったら、流行りのステマじゃないですかw

「韓流が大流行!」なんてウソついてまでやりすぎたうえに仕掛けがどんどんバレたもんだから、知れ渡ったのはむしろ、韓流よりもステマの概念とその手口だったというオチ。手品のタネを自分でバラして商売になるのは、ダーク大和一門とマギー司郎一門とナポレオンズだけですよ。下手に真似しちゃかえって鼻で嗤われるだけだってのに。

いやいやいや、そういうことでしたかww

あれがひどかった時分には「これがこのまま続いたら、日本は一体どうなるんだろ」とめちゃめちゃ不安だったよ。けど今はなんかこう、「とっくにバレてんのにまだやってやがる」と笑って流せるようになってきたよ。

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韓流ステマではないけど、テレホンショッキングに出る人、「お友だちを紹介」とか言いながら、フジテレビ関連のドラマや映画の関係者さんばっかだよね。宣伝ではない形に擬態してるんで、これもステマのひとつなんじゃないかと思うが。

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2012.1.31 火曜
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勢いでごまかすための言葉 その3

韓流芸能の対日輸出ビジネスは去年大攻勢をかけてきたけど、結果は大赤字らしい。

去年の日本は震災直後で娯楽どころじゃなかったのに、その状況にまったくお構いなしにしつこく売り込んできて、反感を買っただけって面もあったかと思う。震災を何らかのチャンスと判断して、狙って仕掛けたのかもなーとも思ってたけど、今は、前々から計画されてた路線を予定どおりやっただけだったのかもなーって気もしてる。

向こうのアイドル歌手はスクールで何年もの修行を積んで、完成してからようやくデビューするらしい。てことは、今この場の状況を見てアドリブで予定を変える、というのは難しいような。実際は、何年も前から2011年に日本で派手に売り込む準備を進めてて、日本のそのときの事情がどうだろうが、それまでの投資を予定の時期に回収しなきゃいけないからそのまんまやった、というだけのこと、だったんじゃないのかと。

フジテレビその他の韓流ステマも、震災前からもうやってたしさ。恥ずかしながらおいら去年の今頃はまだ、韓流がブームなんだなーすげー人気なんだなーと思ってたわ。

チャン・グンソクとかいうののブームだとかがいきなり不自然に降って沸いたあたりで、ようやくおかしいことが分かり始めてきてさ。初来日前から「グンちゃんと呼んで」とかさ、その前にお前は誰だとw まだ日本でなんもしてないのに、来日で大勢のファンが空港に詰めかけるという不自然な流れ。そして次の日にはそれがサクラだったことが発覚、集まった人数もかなりサバ読んでたとかバレて。それでも日本の芸能界は大事に扱ってるのかと思いきや、SMAP に相手にされてないらしいってあたりで(本人は来日でそれを大いに期待してたっぽい)、何らかの乖離を存分に感じたよ。

んで、この1年の韓流芸能の日本での業績はひどかったらしい。東日本大震災という超巨大突発事象のせいなのか、来日騒ぎごとに日本のマスコミを抱き込んだステマだといちいちバレてトンマなイメージがついたせいなのか、はたまた執拗なゴリ押しでうんざりされたのか、あるいはもともと大した内容じゃなかったのか、それともその全部だったのか。けど基本これからもその路線で行く方針は変えないみたいで、今後は国家予算を動員するとか(今までも国費をこっそり投入してたのを、公に認めるようになったってだけかも)。この現状でさらにぶち込みますか。韓国語には「潮時」にあたる言葉はあるんだろうか。

韓国の商売のやり方って、アイドルでも家電や自動車でも、「どんな手を使ってでも大赤字をぶっこいてでも体力・物量勝負でシェアだけはほぼ独占まで確保して、プライスリーダーになったら値を吊り上げて儲けよう」というのを地でやってる気がする。マーケティング戦略の代表的手段として、10年くらい前に日本で猛威を振るってたアレ。2002年に日本マクドナルドが59円バーガーを出したのがその例。見事に失敗しましたな(つーかおいらマーケティング学をきちんと学んだことないんで、誤解してる面が多々あると思う。その学問の本質は核心的なのかもしんない。学問として成り立ってる以上、きっとそうなんだと思う。けどよく事業者向け講習会なんかで外に出回る簡易版は、かなり粗っぽいんですわ。とりあえずここじゃ「劣化マーケティング学」とでもしとくか)。

(2013.5.16 補足: この事業展開方法、「焼畑商法」というらしいです。マーケティング学の発祥以前から存在する、古典的な手法らしいです)

理屈じゃそれで行けそうなんだけど、実際にやるとそうはいかないらしくて。あのときマクドナルドが目の敵にしてたモスバーガー、しっかり今も営業中だしな。

つか大安売りの体力勝負を仕掛けると、「質の悪い客ばかり常連になって、カネ払いがよかったりファンだったりの、質のいい客がどんどん逃げていく」っつう弊害があってな。マクドナルドで言うと、「安くて腹が膨れれば何でもいい」というムサいオッサンばかり集まってしまって、若い客層が店に近寄りにくくなってしまったと思われ。

そうまでしてゲットした大量の赤字客は別にマックのファンになるわけじゃなく、もっとコストパフォーマンスがいい牛丼屋だのコンビニのおにぎりだのがあれば、簡単にそっちに流れていく。いったん逃げた上客はなかなか戻らない。てことで自分の首を絞めただけだったと。もともと単価が安い&他社と競合しやすい商品は固定ファンを掴みにくいし。

つーかあのときマックから逃げた上客って、単にモスやロッテリアに流れたんじゃないのかなぁ。だとしたらほんと間抜けでしかない。もっと弱いハンバーガー屋はたくさん潰せたのかもしんないけど、肝心の目の上のタンコブなライバルはしっかり生き延びて、マクドナルドはプライスリーダーにはなれなかったのかも。大赤字商売のリスクを踏んで、結局損失を丸ごとかぶっただけだったかも。しかも自分の上客をライバルに差し上げるという大失態を演じてしまったのかも。やる前から分かりそうなもんなのに、本当にやっちゃったというのがね。

おいら最近、マクドナルドをときどき食うようになったんだわ。クオーターパウンダーあたりから大型&高単価路線に入ってると思うけど(もともとビッグマックがあったから、ここまでは自然な流れかと)、年末あたりかな、その頃から出てるグランドキャニオンバーガー、1回食ったらソースがうまくなくてこれが。しかも具の上半分の量を目玉焼きみたいなのでごまかしてる。あの商品の原価すげー安そう。けど確か、クオーターパウンダーより若干高いと思った。商売だから利益確保は当たり前だけど、あんなあからさまな安物を高く売るっつう手口がちょいとアコギじゃないかと。

話を戻す(汗)。結果が出てるんですよ。劣化マーケティング学の教えを信じて安売りの体力勝負したって、あとでプライスリーダーになって好きなだけ値を吊り上げてボロ儲けなんてオイシイ話にはなんないんですよ。多くの学者が調査し尽くして考え尽くして見つけ出した概念の、もっさりある枝葉を全部切り落とした超単純化モデルなんだから、実際やってみるとそうそううまくはいかんのですよ、と。

学者さんや劣化マーケティングの講演者はマスコミと同じで、言うだけ。自分で実践したりはしないからリスクを負わない。そして発言・発表の責任を取らなくていい。そこがカギですな。ていうか本当にそこまで完全無欠にオイシイ話なら、発表しないでこっそり自分でやってるって。

で、韓国企業はなぜか数年前から、対外的に急にこれをやり始めた。真っ当な広告ならまだしも、ステマを動員してまで市場の印象を操作して、赤字を出しながら安売り攻勢を仕掛けて、シェアを取った取ったと豪語してる。クルマでも家電でも芸能でも。

本当にプライスリーダーになりたいのなら、1995年にマイクロソフトがやったくらいの、まともな広告もステマも両方とも打ちまくって(駆け出しの Mac ユーザだったおいら、Mac に Windows 95 を入れないといけないのかと思ったよ)、なりふり構わず独占的シェアを取らんといかんと思うよ。そうしないと、もう何もせんでも飛び続けてられる軌道速度には達しないと思うよ。

あと日本の芸能界をはっきりと敵と認識して潰すと。そのくらいしないといかんと思うよ。パソコンの OS で言えば、日本に対してマイクロソフトは、Windows 95 発売の2年くらい前、日本産 OS の TRON を政府レベルの外圧で排除してたりする。

そういう社会を既に経験済みの人としては、気付いてしまうと今さら感が漂ってて、ちょっと哀れに見えたりもして。安全軌道に達するサイン=独禁法マジックが点灯するほどのシェア に全然届いてなさそうだし。

んー、もしかして独禁法寸前 → プライスリーダー狙いじゃなく、一定割合の人は引っかかるだろうから、その人たち相手のニッチ商売でいいよってことなのかな。

それはそれで、かつての羽毛布団詐欺に似てるかも。一時期街頭ですげーやってたよね。八戸の街なかでもやってたわ。分かってる人たちは冷めた目で周りから見つめてるのに、お構いなしにあからさまなサクラを動員して、詐欺商売にいそしんでたっけ。けどあの詐欺はあの詐欺で、安く仕入れてボッタクリで荒稼ぎだったよね。後先考えない安売りに力を入れた挙げ句に大赤字で自滅、というのは違うよね。むしろグランドキャニオンバーガーのほうが羽毛布団詐欺に似てるわ。

韓国企業、国際市場で一体何がしたいんだろ。おいらごときの浅知恵なんぞ及ばぬ高度な戦略があるのかな。こっちは素人、向こうはプロだから、それも考えられるかなと。

芸能でこの戦略を仕掛けるとまた違う結果が出るのかもしんないけど、同じ結果が出るとしたら、仕掛け側がただカネと客を失うという悲惨なことになるはずだが。

さてさて韓流の日本市場支配への恐怖も一段落したことだし、2012年の韓流押しはどう出るのか、市場からどんな反応があるのか、お手並み拝見といきますか。とりあえず常識で考えて、何らかの方針の修正か新規要素の追加、陳腐な要素の削除があると思う。去年のまんまステマとゴリ押しを続けたら、間抜けどころか阿呆だからな。

大胆な方針転換として、赤字を理由に日本市場から撤退してくれると嬉しいんだが。おいら韓国が嫌いなんじゃなく、汚い手口が嫌いなんで。

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おいらは嫌韓ではないと自分では思ってるけど、最近の韓国のいろいろは、ちょっと常軌を逸してる部分が目立つ気がする。ヒステリックになってきたというか。てことで警戒ってほどでもないけど、なんとなくそのまま受け入れるのは怖くて。この10年間での、韓国の自殺率の異常な急増も気になるし。あの国の中で、日本からは見えない何かとんでもない事態が進行中っぽいような……。外国に隠してるのか、自覚してないだけなのかも不明だし。単においらが何も分かってないだけってのもあるだろうけど。

日本の新聞は「韓国経済が絶好調だから日本は官も民も見習え」という論調なのに、韓国の新聞の日本語版はその逆を言ってたりする。これとかさ、どうも何かがおかしいんだよなぁ。

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マクドナルドを悪く書いてしまったんで、フォローでも。

前に、徹夜した未明に食いに行ったんだわ。クオーターパウンダーを。ドカーンと食えば気持ちよく眠れるだろうと。したら5時をちょっと回ってて、朝メニューになっててさ。「勝手にメニュー変えてんじゃねー! クオーターパウンダー出しやがれグヌヤルー!」と心でこっそり雄叫びつつ、我慢してマフィンを頼んだんだわ。

……、

……、

……。

うまかったw むしろ朝しか食えないのが残念ww

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