ひとりごちるゆんず 2011年12月
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2011.12.1 木曜
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不買とか

おいら、日用品のメーカーや製品にはほとんどこだわりがないんだわ。まーできれば日本経済のために国産品かなーと。日用品ってほとんど日本のメーカーっぽいけどさ。ああでも生産は外国だったりするんだろうか。けどそこまで言ったらめんどくなるから、できる範囲、分かる範囲、手間にならない範囲でと。こだわりがないんでそれでよし。

この前、家のシャンプーとひげ剃りとひげ剃りクリームと歯磨きと歯ブラシが一斉に切れるという、大変珍しい現象が発生しまして。そこらへんまとめてスーパーに買いに行ったんだわ。

いくつかのメーカーが、本質的には同じような製品を出しとりますな。こまごましたところで個性を主張してるんだけど、ほんとこまごまでどれでもいい。てことでこんなテンション低い客にとっては、どのメーカーのどの製品でもまったく問題ないはずなのに、なぜか特定のあるメーカーを避けて選んでる自分を発見。

そのメーカー、最近なんか露骨に偏った放送内容のテレビ局の大口スポンサーなんだわ。で、その放送内容に腹を立ててる視聴者たちがネット上で、そのスポンサーの製品の不買運動を呼びかけてるんですな。

どっかのテレビ局がおかしな電波を垂れ流してても、正直おいらはテレビをほとんど見ないんで関係ない。だからそのスポンサーの製品を拒む理由がない。

なのに印象に左右されまくり。印象で決めるのはダメだと頭では分かってるつもりなのに。商品棚にダーティーなイメージのものと、そうじゃない同じようなものが並んでると、しかもポリシーないからどれでもいいやという心理が強いと、むしろ確実にイメージがマシなほうを選んでしまうんだな。

印象で決めちゃいけない理由は、それは製品の外箱と同じで、中身の性能を表してるとは限らないから。けどコマーシャルやまさしく商品パッケージってのは、いい印象を振りまくのに余念がないですな。それはもちろん、好感度を上げたほうが売れるからなんですな。スーパーや商店、コンビニでの販売方法じゃ店頭でいちいち試せないってのもあって、宣伝やパッケージでのイメージの効きがことさら強いと思う。まさか商品棚の前で歯ブラシと歯磨きの封を切って、それぞれの製品の使い心地と効果を、そこで実際に歯を磨いて確かめるなんて考えられんしなw

そうなると、不買運動をされてるメーカーってのは好感度が低くなりますわな。何らかの対策を取らなきゃなんないですわな。この場合、大口スポンサーやってるテレビ局に「偏向した内容の番組作りはやめてくれ。そうじゃないとうちはスポンサーから降りることになる」となるわけで。それを受けて、放送番組の方針をどうするかはテレビ局の判断だね。今の方針でそれ以上の大口のスポンサーがつくのなら、それまでのスポンサーに去られても問題ないわけで。

まーこれからここらへんがどんな展開になるのかおいらには分からんけど、関係ない身分の外野として、楽しく見させていただきますか。一応ここじゃ企業名は伏せといたし。おいらひとりが不買の流れに乗っても乗らなくても、大勢は変わりないだろうし(商品棚には各社の各製品がもっさり豊富にあって、その中からおいらがひとつずつ選んだ・選ばなかった、くらいの棚の見栄えの違いは出かったろうしさ)。

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しかしその商品棚、棚の占有幅も商品数も、件の不買されてるメーカーの製品が一番多かったよ。他メーカーに明らかな差を付けてた。これってメーカーや製品の売り上げ力を表してるんだろうか。それともそのスーパーが在庫処分してるってことだろうか。もう少し様子を見て、また同じ店の同じ商品棚を見に行くとするか。前者なら強いまんまのはずだし、後者なら激減してるはず。

覚えてたらやっとくってことで。基本おいらにとっちゃどうでもいい話だし。

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2011.12.2 金曜
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同時進行効果

日記の遅れになかなか効果のあるやり方みつけたった。

先月、もう11月も半ばなのに、まだ10月分を書いてたんだわ。んでまあ大したネタじゃないけど、リアルタイムで11月13日だったかのログを書き始めてみた。

そこからは、今までどおり順次のログと、リアルタイム的なログとの2面進行。これが思ったより効いたさ。それでも遅れが出てるけど、今は12月4日の早朝。は〜ずいぶん追いついた (^o^;A)

リアルタイムで書けるっての、なかなかいいね。日記が遅れてると「今日いいネタ思いついたけど、その前に遅れをこなさなきゃなー → ネタ帳に付けとこう → いざ書く段階になると、なんかそのネタは古くて or やる気がみなぎらなくて書く気がしない」てな感じなもんで。そこらへんに効いたんじゃないかなと。

遅れてる順次方面は連載もので凌いだりして。「自動車への道は馬車への道」シリーズがそれ。本来のダラダラ自動書記で、空いてる日付けをかなり埋めたわw

あと、このやり方ではかどるってのは文章の量が減るのかな。先月はまた 100KB 超えちゃったけど、110.8KB だと最近ではまあまあ少ないほう。歴代46位。いいですなぁ。トップ5に今年のログが5個も入ってるっての、おかしいってな。

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2011.12.3 土曜
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こんな日本にこいつがしてる

ニコニコニュースに出てた、なんじゃこりゃ的なニュース

こんな日本に誰がした? シューカツ生は「クローン人間」か

2011/12/ 1 14:21 J-CAST会社ウォッチ

駅に貼られたあるポスターの写真がネット上に投稿され、そこに並んだ就活生の画一的な姿に酷評が集まっている。このポスターは、日本最大級の就活情報サイト「マイナビ2013」のもの。新聞広告のほか、渋谷、恵比寿、青山一丁目、目白、高田馬場など都内の地下鉄の駅などに貼られている。

黒っぽいスーツに白いワイシャツやブラウスを着て、髪をきれいに整えた無表情の男女が、右手であごをつかんだポーズを取っている。添えられているのは「考えるすべての就活生に。」というコピーだ。

「そんな人生がお望みですか?」の呼びかけも

例年より2か月遅れで「解禁」される就活サイトをPRするポスターのようだ。被写体の若者たちは、いちおう「考える就活生」のポーズを取らされているのだが、あまりに同じような姿なので、逆に何も考えずに従っているだけのようにも見える。

これを見たネットユーザーからは、「気持ち悪い」「なんかの宗教みたい。背筋がゾゾゾってする」「こんな日本に誰がした?」といった批判があがっている。ある30代の男性社会人は「他人と違う行動を取れない就活生をバカにした趣味の悪いパロディだ」と憤っている。

クローン人間のように同じ服装をする就活生を、企業側から疑問視する声も上がっている。ライフネット生命の岩瀬大輔副社長(35歳)は12月1日未明、ツイッターで「就活生はもうリクルートスーツを脱ごうぜ」と呼びかけている。

「今だったらフロントランナーになれるよ。皆がやりはじめてからの後追いはカッコ悪いし。そういう服装を望む採用担当者はつまり、皆さんに没個性的な存在であることを求めているわけです。そんな人生がお望みですか?」

この投稿は180人以上にリツイートされた。ある大手テレビ局の部長は「僕は面接のとき、一度もスーツは着ませんでした。それでも入れてくれたいまの会社はなかなかのもんだと思いました」とコメントしている。

このような没個性的な服装をする「常識」は、日本企業の昔からの慣わしかと思いきや、実は意外と最近のことらしい。2010年9月16日付け日本経済新聞の記事「経済今昔物語」には、日本航空の入社式の様子が掲載されている。1986年時点の女性の服装は、紺スーツで決めている人もいるが、ブレザーにチェックのスカート、ワンピースなどの人もおり、まさに人それぞれだ。

「優等生タイプ」の要求は誰によるものか

それが2010年になると、紺のスーツに同じ長さのスカート、白いストッキングに黒いパンプスと、まるで制服のような格好をし、髪型まで似通っている。

記事では日航の採用担当者が、いまどきの新入社員に対し「能力は高いが、個性がなくなっている面もある」と嘆いている。

しかしその一方で、同じ記事で明治大学の就職キャリア支援部の担当者が、「最近は優等生タイプばかりに企業の目が向き、内定が集中する傾向がある」と反論のようなコメントを寄せている。

就職情報サイトも「優等生タイプ」の支援に余念がない。あるサイトの「恥をかかないための就活マナー」には、就活生が守るべき服装の決まりとして、

「(スーツは)黒・紺・グレーのような落ち着いた色のものが一般的」

「スカート丈は座った時、ひざにかかるくらい」

「(男性の)揉み上げが耳にかかるのも避ける」

「(女性は)厚化粧でもノーメイクでもなく健康的で自然なメイク」

といった注意書きが、公立中学校の校則なみの事細かで書かれている。

果たして、学生にこのような「仕様」を求めたのは誰なのか。企業なのか就職情報サイトなのか、それとも就職氷河期の空気を読んだ就活生自身なのか。

「これじゃ没個性」ってさ、別にこれでいいじゃん。就職活動の第一目的は就職することでしょ。見た目の個性を競うコンテストじゃないでしょ(それが必要な会社もあるだろうけど)。目的のためにそのときだけ表向きこういう揃った格好をしてるだけなわけで、これだけ見て一人一人が没個性だと断じるのはいかがかと思う。

個性の主張って相手に好かれるか嫌われるかのギャンブルだから、こういう外せない目的じゃできるだけ避けたいじゃないの。その、別に労なくどうにかできる1点を変にこだわったせいで今までの努力が全部台無しっての、怖すぎるよ。ていうか「ほかの人たちと見た目を揃える」たったこれだけで合格率が上がるなら、そりゃやるわ。

会社の人事担当にしても、面接のとき外見がなるべく揃ってたら揃ってるで、肝心の中身の違いがよく引き立って便利なんじゃね? 状況次第でそれに応じたやり方があるわけで。それを「これではいけない」とかまぁ人事の人の能力不足を露呈してますが。

まーこうやって記事で世相にツッコミ入れるのもまた自由だけど、これで刺激されちゃった企業なんかは「通り一遍じゃダメ」とかなっちゃいそうだね。となると、求職者にとっては「また無意味な要求かよ」てな感じじゃないですかね。かぐや姫と求婚者かよ。うまく就職できたところで、高待遇が約束されてるわけでもなし。それでもこうして「そちらの意向にこんなにも従えますよ」という姿勢と能力を示してる、とも取れるんじゃないかと。

ひとつ気付いたこと。この記事に出てるインタビュー先の人も、この記事を書いた記者さんも、みんな就職済みってこと。安全圏に既に入ってる人たちが、これから安全圏に入ろうと努力してる人たちをあげつらってるわけで。どんないじめだよ。

「今だったらフロントランナーになれるよ。皆がやりはじめてからの後追いはカッコ悪いし。そういう服装を望む採用担当者はつまり、皆さんに没個性的な存在であることを求めているわけです。そんな人生がお望みですか?」

じゃあ自分が率先して退職して、自分で言った方向で別の企業への就職活動を実践しろと。

ていうかこれトラップじゃね? ライフネット生命の副社長が対外向けにこう言ったからって、ライフネット生命の採用担当者が完全にその意を汲むとは限らない。そこは不一致でも、この会社はどうとでも言い訳できちゃう。立場の強いほうは、なんぼでもずるくなれるんですな。

たぶんこの記事は今、新卒就活生の間で話題になってることだろう。そのうちのある割合はこの記事を信じて、面接で個性的な格好をするだろう。んでこの記事、ほかの会社の人事担当者にも読まれてるかもしれない。今までどおり没個性を求める会社は、この記事に乗せられて個性的な格好をした求職者から先に切るでしょうな。就職活動のギャンブル性が増すでしょうな。

結局、就職面接時の服装なんつう職務能力とあまり関係のない部分で、また話が複雑になるだけですな。

そしてこの記者は、それで給料を得る。

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っつーか記事では日経からの引用として、1986年当時と2010年とを比べてるけどさ、画一的なリクルートスーツで誰が誰やら区別が付かないってのは、1990年代でもう言われてたんだが。

しかも1986年つったらバブルが始まりかけてた頃だよ。大卒がほぼ望みの会社に就職できて当たり前だった頃だよ。安易に現状と比べるのはまずいだろ。今は就活生がどうにもできない部分の状況が何もかも違ってるわけで、それでもできるところをできるだけ対処してたら、既に月給取りになってる連中にそこをあげつらわれた、という状況。

なんぞこれ。

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2011.12.4 日曜
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ハチロクに始まる日本車の逆襲

という名の個人的妄想

トヨタ、ようやく分かってくれたみたいだな。久々に FR スポーツカーをリリースだそうで。その名も「86」(正式名は "FT-86" らしい)。ハチロクかぁー。『頭文字 D』人気にあやかる魂胆まる見えですなw

ネーミングは商品を売るためのものだからどうでもいいわけで、商品そのものはというと、見栄えはこんな感じ。

FT-86

んー、元祖ハチロクに似ても似つかないというか。きっとクルマの開発が始まってから名前付けたんだね。

今風なのは別にいいけど、一般にのっぺりなクルマって、見た目で遅そうな気がする(空力的にはそれでいいんだけど)。このクルマはボディ側面はそんな感じだけど、ボンネットにはしっかり折り目を入れてる。乗ってる人から見える部分だよね。これは持ち主のテンション上がるかも。

ボディ側面の下部が絞られてないと、のっぺり感が強調されてしてまうかな。前から見たクルマの断面形が台形ってこと。楕円形なら精悍な感じ(個人的な感想ね)。で、このクルマは台形。うーん。おいらがラジコンカー世代ってのもあるかな。台形断面だとベラベラのポリカーボネートボディみたいでちょっとなー。

スバルとの共同開発なんで、水平対向エンジンが採用されてる。……その割にはボンネットがちょっと高いんじゃないかとか。トヨタのことだから、何か合理的な理由がありそうではあるな(コスト的な理由ならちょっとアレだな)。あるいは、実物を見ると意外と低いのかも。

あとデザインだと、リトラクタブルライトってもうやんないのかなぁ。あれってもとは70年代のスーパーカーがやってて、空気抵抗を減らすという理由付けだった。本当の狙いはスタイリングとギミックなんだけど、やっぱしあると面白いというか単純にカッコイイというか。けど最近は衝突安全ウンタラで採用しにくくなったみたいでな。すっかり廃れてしまった。

んー、廃れてる今だからこそリトラクタブルをやってほしい気もしたり。スポーツカーはある程度の傾(かぶ)きやケレンが許されるジャンルだしさ(シルビア Q's はリアウイングが標準装備だった。翼断面形はあからさまにテキトーで、ほとんど飾りの意味しかなかった。つか翼型って後縁が鋭いのが普通なんだけど、安全基準の理由でそうできないのかもなーって気がしてきた。じゃあ付けるなよってことになるけど、ウイング付きは明らかにかっこよかった)。

まーでも昔、プレリュードに乗ってたやつが言ってたわ。「リトラクタブルはぶつけると修理代がキツイ」。そりゃそうだわな (^_^;)

お値段は200万円からってことらしくて、顧客ターゲットの今の若者にとって、ちょっと高い気がする。そこらへんネット上でも突っ込まれまくってるね。けどこのクルマが呼び水になって、各社で魅力的なスポーツカーを出すようになって……と恐らくトヨタとスバルが望んでる世の中になってくれれば、出荷台数がさばけるようになってくれれば、自然と安くなってもくるんじゃないかと。

とりあえずおいらが嬉しいのは、自動車屋さんが正気に返ってくれたってこと。

確かにエコカーの技術開発は大事。原油は高止まりしてるし、いまだに CO2 で地球温暖化で人類滅亡説を額面どおりに真に受けてる人もいるし(自分が儲けるためにそれを焚き付けてる人もいるし)。けどその手の人たちは、クルマを特に愛してる人たちではないわけで。エコカーを選ぶ人たちは、生活にクルマが必要で仕方なく買う人たちなわけで。そういう消極的なお客さんの数が増えてるわけで、自動車メーカーの商売上、その層への対応の重要度が増してはいるわけで。

んでこの層の客って一見さんなわけ。どのメーカーのどのクルマでも別によかったりする。昨日はあっちのスーパーの卵が安いからあっちに行った。今日はこっちのスーパーで魚が特売だからこっちに行く。そんなノリな客なんですわ。スーパーは便利だからみんな使ってるけど、特定のスーパー1社を愛してる一般客なんてそういないでしょ。クルマの購買客で「エコカー」という売りを第一にする人たちは、だいたいがこんな感じじゃないかと。

数が多いからって一見さんばかり重視してると、クルマ好きやそのメーカーの常連さんっつうご贔屓の上客への対応がどうしても手薄になる。この層から見ると、今は自動車メーカーがこぞって素人相手に「クルマとは言えない代物」ばかりせっせと作っては売ってるという、あんまし面白くない状況だったりして。そのうえ儲かってないってんだから、何やってんだとなったり。

「クルマが売れない」その理由は一般に、「若者の雇用が不安定になり、収入も減って、クルマに回せなくなってきた」というのが強いね。それも確かにそうだろうけど、若い男の子の目線で魅力的なクルマがなくなってきたってのもあると思うよ。業界がそこらへんを切り捨ててしまって、子供(近い未来の客)のうちにクルマに憧れる感性を育てるのを怠ってきたというか。

トヨタとスバル、ようやくそこに気付いてくれた気がする。てことでエコカーブームが続く今、ハチロクが出てきたんだと思う。別な見方をすると、エコカー開発・販売競争って商業的には意外と不毛ってことなのかも。実は売れば売るほど赤字なのかも(初代プリウスはそういうクルマだと公表してたよね)。

となるとエコカーってイメージ先行で売ってるけど、経営的には実際は儲けが薄そうだから、普通の普及車以上に台数を捌いてスケールメリットでギリギリどうにかする類いのものかも。てことは、ほどほどの性能をさもものすごいかのように派手に宣伝してるだけなのかも。素人客騙しの要素があったりはしないだろうか。コストパフォーマンスの面で、本当に買う価値があるんだろうか。

ハイブリッド車なんかメカが複雑になるぶんどうしたって高価になる。低燃費効果で元を取るには、相当走り込まなきゃなんないはず。大まかに計算してみよう。

ガソリンがリッター140円として、ハイブリッド車で燃料消費量が半分になるとする。差額は70円。エコカー減税込みで車両代が同クラスのガソリン車より50万円高いとしたら、500,000÷70≒7,143リットル。これだけのガソリンを消費して、ようやく元を取れる。距離にすると、リッターあたり 30km として、21万4,286km 走る必要がある。クルマの一応の寿命って10万 km だよ(10万いくと中古買い取り相場が激落ち)。その倍以上走らないとペイできないと出ましたです。アバウトな見積もりとはいえ、こんなにひどいとは。今初めて自分で計算してビックリだわ。

ただし最近はハリアーとかの大型乗用車のハイブリッドが出てるね。来年はシーマがハイブリッドで復活するそうだし。ここらへんはもともと車重があって燃費が悪いから、ハイブリッド化で効率が倍増しても、リッターあたりの走行距離はそんなでもない。となると、走行距離で見た黒字ノルマのラインはそれだけ低くなる。ハイブリッド車の効果は、皮肉にも燃費の悪い大型車で有効、となるね。そんな豪気なクルマを買えない人が環境と経済の両立を考えるなら、第三のエコカーですかねぇ。あるいは特にエコを売りにしてるわけじゃない普通の小型車を買って、必要なとき以外は極力乗らないと。間違ってもプリウスやインサイトの選択肢はないと。

当の売り手のトヨタやホンダにしても、「本当は顧客に損を掴ませちゃうんだけど、高いカネかけて開発しちゃったし人気も出ちゃったから、とりあえずこのまま行くことにしよう。どうかバレませんように」って感じなんじゃないかと。環境ウンヌンでもいいけど、限りある石油を大事に使う意味でもエコ対応は大事ではあるけどさ、こういうウソやりながら売るってのは、一抹の罪悪感を覚えてしまいそうですな。ていうかどうせいずれバレるでしょ。

そしてエコカーの顧客は、クルマやそのメーカーを特に愛してるわけじゃない人たち。本来は安さが第一の人たち。バレたらガッカリして疑り深くなって、もう宣伝に乗らなくなる。最大顧客層を失うことになる。老舗の看板を背負った店なら、そんな結末くらいすぐに分かる。こんな精神衛生上よろしくない商売なんて長くは続かんわ。となると、今のうちに上客相手の商売に軸足を戻すのが正道。自社や自社マシンの熱狂的なファンを作って育てて買っていただいてご満足いただくと。

「熱狂」がキーワードなら、ジャンルとしての盛り上がりが欲しいですな。

これ、数で勝負の面もあると思う。各社が競って「ウチのコはどうです!?」とズラッと並べた中から、「ああーあのコもいいなーこのコはここんとこがたまんないなーあーもうどうしようどうしよう」とよりどりみどりしてる間が、そしてその中からひとつを選び出した瞬間が、世の男の子の至福の時だと思う。

江戸の昔なら郭、最近はケータイの機種とか、オタクな人なら萌えなアニメキャラやアイドルがその対象じゃないかな。AKB48 なんかモロにそれで商売してるし。

1970〜80年代はこの意味で、クルマがアツかった。ついでにアイドルもアツかった。一時期下火になったアイドルが今また派手なビジネスを展開してるんだから、クルマの時代がまた来てもいいと思う。そのためには、このジャンルの新車が1, 2車種くらいじゃ厳しいんじゃないかと。1社で何車種も、というのはエコカーや高級車をやりながらじゃ限界があるから、やっぱし各社がノッてくれるかどうかにかかってそうだね。

とりあえずハチロクはトヨタ版とスバル版が出るそうな。スバルの名車といえばインプレッサ。そして『頭文字 D』の拓海くんの2台目がこれだったりもして。んー、新型ハチロクってクルマのコンセプトを作ってから『頭文字 D』を意識したのかと思ってたら、実はあの漫画がこの新車の始まりだったのかもw

ほかにすぐノッてくれそうなところといえば、マツダ以外かな。マツダはロータリーエンジン開発を中止してまで低燃費技術の開発に集中する決断をしたばかりなんで。この決断はこの決断で尊重しなきゃな。

三菱はこういうノリが好きそう。ランエボみたいに、外見も中身も凶暴そうなクルマを喜んで出してきそう。

日産はやる気になればすぐにでも、速さと品を兼ね備えたクルマを作ってくれそう。……けどゴーン社長のソロバンのはじき方次第かな。

ホンダは宗一郎氏の亡き後は優等生路線な感じだから、どう出るかな。仮にノッてきたとして、ここがダサいクルマを出せばブームは本格化前に終了、すげークルマならブーム大爆発。そんなふうに流れを決めるカギになりそうな予感。つーかバブル期から続けてる全車4輪ダブルウィッシュボーンの蓄積、まさにここで開花させるためのものでしょ。

スズキとダイハツは軽ですごいマシンいけるはず。普通車でスポーツカーブームが来れば、軽でのニーズも発生するはず。おいらの中の欲しいクルマランキングでかつて、アルトワークスがダントツ首位だったことあったよ。代車で乗ったミラの操縦感覚が気持ちよすぎて参ったこともあったよ。

あとまぁ盛り上がったとしても、ターゲット層が昔以上にペーペーな現実は消えてない。ここをどうするかだね。せっかく超低金利の時代なんだから、銀行の融資をもっとうまく利用でるような工夫ですかねぇ。これはディーラー側が知恵を絞る、と。それとクルマ関連の税金や納車・車検関連、免許取得も煩雑すぎ・カネかかりすぎだよ。ここらの縛りも減らしてほしいですよ。

てことでメーカーとしてはその車種で黒字を確保できれば一安心なんで、はじめから世界市場相手でいけばいいんじゃないかと。販売を日本国内のみにこだわっちゃうと、若手が減りつつある社会で商業的にキツいだろうけど、トータルで世界人口は70億を越えたわけでして。そこも視野に入れれば行けるっしょ。

日本のスポーツカーって世界中で受け入れられるだけじゃなく愛されてたりするからな。『ワイルド・スピード X2』で、右ハンドルのままのスカイライン GT-R が出てた。あれで確信できるわ。あと YouTube で "japanese car" で検索すると、日本車に寄せる愛に溢れた動画がいろいろ出てくるよ(ここらへんすごいよ。日本車フリークなオーストラリア人が、日本に中古車を買いにきてるw で、そんな人のためにオークションを代行してくれる、プロの日本人もいるんだもんなぁ)。

ただ、海外の意見にはあんまし振り回されないほうがいいかな。いちいち真に受けると日本車としての特徴がなくなってしまうんで。そこらはエコカーや街乗り車に任せるってことで。この手の日本車好きの客が求めてるのは「できるだけそちらのお国柄とニーズに合わせました」なんて恭順っぽくて実はあやふやな姿勢じゃなく、きっと「これが最新最強の日本車だ!」なんつうある意味傲岸不遜な態度だと思うよ。しかもその態度以上に速くてカッチョいいと。しかも欧米の傲岸不遜系のクルマ(セレブ向けスポーツカー)より安いとw 世界のオスガキどもはこれでメロメロですぜww

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まーなんてーか、思いかげずハイブリッド車の裏側を暴露してしまう結果になってしまって、ドヤ顔しつつもなんだか申し訳ない気分ですわ。

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トヨタとホンダは2008年まで F-1 やってたよね。リーマンショックを理由に撤退したけど、ほんとはその前からやめるつもりだったのかも。だってプリウス・インサイト以降、スポーツカー販売を控えめにして、エコカーで押してたじゃん。これ F-1 活動で期待する宣伝効果「速くて強いクルマのメーカー」とは噛み合わないわけで。

持てる技術と英知のすべてを注ぎ込むカーレースからは、エコカー開発に使える新技術も相当得られるはずなんだけど、メディアに露出しての宣伝効果として考えると、最近のエコ路線と F-1 はやっぱしイメージが合わないような。

ホンダの撤退発表は早かった。メディア上で専門家たちは「さすがホンダ。非常時の決断が早い」と絶賛。で、今それを思うと、F-1 から足抜けする方針はリーマンショックの前からとっくにできあがってて、あとはもっともらしい理由をひねり出すだけだったんじゃないかって気がしてきたよ。

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2011.12.5 月曜
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デコボコの謎

今の今まで気付かなかった。

漢字表記での「デコボコ」(凸凹)と「おうとつ」(凹凸)って、字の順番が逆だったんだな。

まー確かに、「デコ」は出っ張り、「ボコ」は穴って感じですな。対して「おうとつ」のほうは「凹面鏡」「凸レンズ」なんかで、それはそれで間違いなさそう。関係ないかもだけど、「突起」「突端」「突堤」の「突」のイメージと重なるね。

んでまぁ和語的な「でこぼこ」は「凸凹」、漢語的な「おうとつ」は「凹凸」だったんですなぁ。同じだとばっかり思ってましたですよ。

中国じゃ「凹凸」ってことなのかな。けどこれ、なんか和製漢字っぽい気もするし。

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2011.12.6 火曜
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新拳法

太極拳ってエクササイズであると同時に、拳法でもあるわけで。

てことでさ、こういうのねーかなーとアホなこと考えてしまって。その名も

「ラジオ体操拳」

いやーあったら面白いだろうなーと。具体的にどんなのだかまったく分からんけどw

映画とかで、架空のマーシャルアーツとしてやってみてくんねーかなとか。爽やかにやったりして見ててイライラするかもしんないけど。それで強かったら、やられたほうは確実にイラつくな。うん。

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2011.12.7 水曜
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映像的リアルさ

YouTube で「落雷」を検索して動画を見てみると、稲妻が伸びる速度って動画の1フレームぶんで、端から端まで行っちゃうんだなーってのが分かる。そのくらい速いわけで。普通に光速なのかも。

昔、1984年の『ゴジラ』だったかのパンフでさ、特撮監督が稲妻の表現についてのコダワリをひとくさりしてた。稲妻は奇数コマで表さなければならない気がしている、みたいな。確か5コマか7コマかってあたりだったと思った。

間を取って6コマとすると、映画のコマ送り速度は秒速24コマなんで、5〜7コマは 1/4 秒で 0.25 秒前後なわけだ。

ところが実際は1コマ。特撮監督ともなると、雷のリアル映像をコマ単位で確かめ済みのはず。残像まで表現すると数コマだけど、稲妻が走る速度は実質1コマ以内と分かってるはずなのに。んー、それでも映画的には数コマで表現したほうがそれっぽい、という判断だった、てことか。

実世界で目に見える現象と劇場のスクリーンで見る再現が違ってるのは、劇映画じゃ OK だからな。観客は本物のありようを正確に記憶してるわけじゃない。思い込みの要素が必ず入る。視覚芸術ってのは、客観的事実よりも観客の記憶(つまり主観)の再現を利用するものだからな。

けど確かその『ゴジラ』で稲妻のカットを見たとき、おいらはこう感じてしまった。「そういう風にはなんないだろ」と。

映像表現って難しいもんですなぁ。

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2011.12.8 木曜
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うざどび

Adobe のソフトの更新、うざいんですけど。なんでこのためにいちいちブラウザを落とさなきゃなんないんだろ。そんなん対象ソフトの更新だけ先にやっといて、反映させるのはあとでブラウザを再起動したときでいいだろ。

おいらよくブラウザで、気になるサイトやページを出しっぱなしにしてるんだわ。PC は使わないときはスリープで、いつでもそのページを見れるようにしてるんだわ。いちいちブックマークしたりとかめんどくて。そんな使い方を Adobe が許してくれない。貴様にそこまで口出しされる筋合いないわと。

つーかこのまえ騙された。更新で「ブラウザを終了させなくていい」みたいなこと書いてあったからそそくさと更新ボタンを押したら、ダウンロードして更新が始まるや、「更新には、以下のソフトを終了させてください」とか言ってきて、立ち上げてたブラウザを列挙しやがった。さすがにこれはちょっとなーって思ったわ。途中でやめると半端な作業されるような気がして怖かったんで、やむなくブラウザ落としましたですよ。

利用者の持ち物の中でこんな身勝手な振る舞いができて嬉しいですか。支配者気分満喫ですか。

独自技術で独占的な地位を占めてきたのはいい。その技術がパソコンとインターネットの発展に大きく貢献してきたのは認める。で、そこまでできるんなら、このウザさも是非解消してくれ。Apple が iOS で Flash を避け続けるのも分かる気がするわ。

銘板左端銘板銘板右端

ただ、以前 PDF 規格を解放したのを知ったときは、Adobe ってすげーなーと思ったですよ。JIS に規格文書が出てたと思った。まー悪いことばかりあげつらうのものなんなんで、こんな話も出してみようかなと。

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2011.12.9 金曜
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合掌 フォボス・グルント

フォボス・グルント、だめだったか…… orz

サーチナより

ロシア、火星探査機「フォボス・グルント」との交信を断念か

2011/12/09(金) 06:55

ロシア連邦宇宙局は12月7日、先月9日に打ち上げられ、エンジンの噴射に失敗し、コントロールを失った火星探査ミッション「フォボス・グルント(Phobos−Grunt)=フォボス・ソイル」との交信をほぼ断念したようだ。

ロシア側からの要請を受け、これまで欧州宇宙機関(ESA)はオーストラリアやカナリア諸島の制御局を使って、「フォボス・グルント」との交信を続けてきたが、信号を数回受信できたものの、通信確保には至らず、交信できる可能性が低くなったことから、12月3日に交信を断念した。

インタファクス通信によると、ロシア側からの再要請を受け、ESAは12月5日から「フォボス・グルント」との最後の交信が実施されているが、これまで全て失敗に終わっているという。この最後の交信は12月9日まで続けられる予定となっている。

「フォボス・グルント」を乗せたゼニット・ロケットは11月9日に打ち上げられたが、「フォボス・グルント」のメインエンジン(MDU)が点火せず、予定されている火星に向かう軌道へ遷移できず、地球周回軌道に投入された。

「フォボス・グルント」は現在、地球周回軌道を周回しているが、高度が下がりつつあり、早ければ今月中にも地球に落下する見込みとなっている。

なお、「フォボス・グルント」には中国初の火星探査機「蛍火1号」も搭載されている。

「フォボス・グルント」はロシアの火星探査のサンプルリターンミッションで、火星の衛星フォボスに着陸した後、フォボス表面の土壌サンプルを採取し、地球に持ち帰る計画だった。一方、「蛍火1号」は重さ約115kg、カメラや磁力計などを搭載し、火星の近くで「フォボス・グルント」から分離し、火星周回軌道に投入された後、約1年間にわたって火星と衛星のフォボスを観測する予定だった。

■ESArespondstoPhobos−Grunttrackingrequest http://www.esa.int/export/SPECIALS/Operations/SEM3T55XPVG_0.html(情報提供:sorae.jp)

ロシアはほんと火星に縁がないよな。実力はあるのに結果が出ない。ここまでとなると同情を禁じ得ないっす。日本も今まで1回のみだけどトライしてダメだっただけに。

ついでにと言っちゃなんだけど、フォボス・グルントに同乗してた中国初の火星探査機 蛍火1号も失敗になってしまったね。中国にとっては火星どころか、記念すべき深宇宙デビューの船だったのにな。打ち上げ・火星遷移軌道投入、自力での失敗なら納得できるところもあるだろうけど、今回の場合の悔しさはまた違うものなんじゃないかな。

その一方、アメリカは今期の打ち上げ窓(火星に探査機を飛ばすタイミングは2年2カ月ごとにやってくる)で、新型探査ローバー キュリオシティの打ち上げ成功。羨ましいなぁ。アメリカも火星探査で相当やられてきたけど、それを上回る根性とカネで、あの赤い星でほぼ独壇場の活躍だもんなぁ。

ヨーロッパは日本と同じく1回だけやって、日本と違って見事に火星周回軌道に入って観測データを送ってきた。けど一緒に持ってった着陸機は失敗(クレーターの傾斜に降りてしまって転がった、という説をどこかで読んだことがある)。まぁほかの国に比べれば軽微なほうだけど、それでもただじゃ済まないって感じ。そんなわけで、火星探査じゃどこの国も辛酸をなめてる。「火星の呪い」なんて呼ばれてたりもして。

アメリカはうなるほどのカネ+根性で経験と技術を獲得して「呪い」をはじき返してるわけ。となるとロシアも日本もやっぱし、火星に手が届くにはお布施と精進が足りないんですかねぇ。

銘板
2011.12.10 土曜
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実は色付きなイトカワ その1

探査機 はやぶさ と小惑星イトカワの映像、いくつか出てますな。ニコニコ動画に上がってるアマチュアのものはいいとして、宇宙科学研究所(ISAS)公式や商用の映像で、前々からちょっと「それでいいのかなぁ」とギモンに感じてたものがあって。

イトカワ、本当は白塗りじゃないだろ。

んでも映像作品中のイトカワは、まるで石膏でできてるみたいに白&灰色で統一されてしまってる。はやぶさ が積んでたカメラは白黒だったんで、イトカワの画像として広く知られてるのも白黒なんですわ。たぶんそれで白塗りってことになってしまったんだと思う。

はやぶさ が観測したイトカワのサイエンスデータは、2007年にネット上で一般公開された。世界中の はやぶさ ファンたちは狂喜して、みんなしていろいろ遊んだんだわ。おいらはイトカワの実画像から立体写真を作ったよ。

その中で、イトカワのカラー画像を作った方がいらしたんだわ。白黒写真でどうやってカラーを作るかっつうと、はやぶさの白黒カメラってカラーフィルターとセットになってたんですな。んで、3原色のフィルターを取り替えつつ3回撮る、それをあとで合成するとカラー画像になる、というカラクリ。

記憶で語ってしまうけど、その色あいは確かに白ベースだったけど、ちょっと黄色がかってたような。まーでも映像のほうもまた記憶をもとに語ってるんで、実はちょっとは色がついてたかも。そこらを確かめてみるす。

下の画像は、そこらへんで一番最初の映像、ISAS 公式ビデオ『祈り』から。

イトカワ CG_祈り1
イトカワ CG_祈り2

完全に白。

次にリリースされたのは、プラネタリウム用 IMAX で人気のあまり、一般の映画館で全国公開を果たした "HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-"。これは『祈り』の製作を ISAS から依頼された映像プロダクションが、今度は大阪市立博物館に依頼されて作った(映画館版は角川とワーナーが配給)。当然データを使い回すわけでして。大阪市立博物館からの依頼内容も恐らく、『祈り』の発展版を作ってくれ、という形だったんじゃないかと。そしたらイトカワが白塗りのままなのも分かるわ。

下の画像がそれ。この場面、相模原のプラネタリウムで手に汗握ったっけな。正直、イトカワが白塗りだとかそんなことどうでもよかったわ。

イトカワ CG_BTTE

この前、この映画の主題歌『宙よ』を iTunes ストアからダウンロード購入したですよ。上坂浩光監督自らの作詞。あまりにも はやぶさ を表しててこれが……。聴くごとに目汁が止まらぬですよ。歌詞はこちらのブログ様に載っとります。短い詞だけど、はやぶさ から はやぶさファンへの心情とも取れるし、その逆にも取れる形になってるなぁ。

ここまでは はやぶさ が地球に帰ってくる前の話。その直前から、世の中は はやぶさ で盛り上がった。というわけで映画会社3社が はやぶさ 映画を競作することになった。

今のとこ公開済みなのは、20世紀 FOX の『はやぶさ/ HAYABUSA』。イトカワの映像はこんな感じ。

イトカワ CG_FOX

白塗りですな。この作品の CG、見せ方やアングルが『祈り』"HAYABUSA- BACK TO THE EARTH-" を意識してるというか、もしかしたらけっこうモロにデータ提供を受けたのかも。パンフのクレジットタイトルで VFX のところを見ても、そういう雰囲気はないけど。

この作品、人間ドラマとしてテーマをはっきり出してたのがよかったよ。

私、何のためにやってんだか……。
終わりが見えない過程で苦しむのが嫌なら、科学者なんて仕事は辞めたほうがいい。
続くか続かんかは、そん人の中に、ほんとに面白か、楽しかっちゅうもんがあるかないかよ。

やべっ予告編見てたら……ううっ(涙) 「続くか続かんかは……」については主人公は別の場面で、プロジェクトマネージャーに答えてもらってるんだよね。

あのときは無我夢中で、その後のことなんて考えてもいませんでした。

そして主人公はウーメラ行きを決意。そのアツい意気込みに触れた担当者は「サソリは……噛まない」ww

笑いと涙と感動の、いい映画だった。また劇場で観たいよ。

お次は2月公開予定の『はやぶさ 遥かなる帰還』。渡辺謙、出陣。んでこの予告編が出てるけど、そこにはイトカワの映像はナシ。どんな色のイトカワなんだろうねぇ。おっと飛不動の場面がある。へへへ、震災の5日前、そこ行ってきたんだ。そこでリポビタン D を一気飲みしてきたw

トリの『おかえり、はやぶさ』は3月公開予定。藤原竜也主演ですな。こっちは子供向けの要素が強そうだけど、唯一の 3D 映画。はやぶさ 映像を立体で楽しみたいぞ。んで注目のイトカワの見栄えはどうかっつうと、

イトカワ CG_松竹1

やっぱし白。まーここまでやっちゃったら世の中的には、「イトカワは石膏の色なんです。どうせ次にイトカワを現地探査するのはずーっとずーっと先だし、もしかしたら永遠にないかもしんないし、これでもういいでしょう」ってことになっちまうのかなぁ。

っつーか『おかえり、はやぶさ』の予告編の最後、

イトカワ CG_松竹2

何度見ても、はやぶさ に子供が乗ってるように見えるんだが……。おまえ誰? おいら最近、疲れが目に来てるんかなぁ。

銘板
2011.12.11 日曜
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実は色付きなイトカワ その2

ちうわけで、「イトカワには色があるはずだ。ソースはオレの記憶」と言い張るのもなんなんで、その証拠を探してみた。サイエンスデータのファンによる成果は当時、『はやぶさまとめニュース』様が列挙されてた。そこを頼りに探したですよ。お、このページの最後、コメントでおいらが参戦表明してるわw んでその下のコメントに、目的のブツがあった(コチラ)。すみませんが勝手にいただいちゃいました。

イトカワ実物_カラー1
イトカワ実物_カラー2

全体も近接も、カラーだと印象がずいぶん違う気がする。イトカワはところどころ白い(明るい)部分がある、ていうのは ISAS の公式発表で知ってはいたけど、それが見たまんまはっきり分かるね。「白い部分がある」というより、「表面が全体的に黒ずんでいる」が正解らしい。太陽風に長いこと曝されて「日焼け」してしまったそうな。んで比較的最近、隕石の衝突で掘っくり返された部分は、まだ日焼けしてない内部物質が露出&近くに飛び散って白く見える、ということらしい。

この画像は色合いを強調したものかもしれないけど(実際の白黒画像に比べて明暗があまりにもクッキリなんで、そういうレタッチが入ってるような気がする)、白黒そのままよりは正解に近いんじゃないかな。

映像で宇宙の神秘さ・荘厳さを演出するには無彩色のほうがいいのかもしんないね。んでも探査機には色がついてる。映像としてのバランス的にちょっとどうなのかなって気もしたり。商用映画としては、重箱の隅ではあるけどさ。

銘板
2011.12.12 月曜
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ダッシュの頃合い

そろそろ急進展の頃合いかもね。何の?って TPP の。

「それは違う。だって新聞とかでほとんど騒がなくなったじゃないか」と思うかも。

けど進める方としては、世間がこの話題に飽きて無関心になったこの状態が、一番進めやすいんじゃないのかな。

銘板
2011.12.13 火曜
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無駄に大掛かりな近眼根絶の方法

近眼の治療で、ひとつ思いついた。かなり大掛かりだけど。

今さっき思いついたんで、もしかしたらすごい落とし穴があるかも。

その道ならもうレーシックがあるけど、なんかときどき問題が出るじゃないの。あれっておいらもド近眼なもんだから魅力を覚えたりもしたんだけど、角膜を削るっての、なんか怖くてねぇ。

んで、どうせ怖いんならもっとヘヴィなやり方もアリかなと(強引)。

どうでしょ、水晶体を人工物に取り替えるってのは。手術自体は、白内障の治療でかなり前から普及してる。あれと同じ。

近眼は眼球が前後方向に延びちゃってて、水晶体を通った光が網膜上じゃなく、その手前で結像することで起きるそうな。網膜に届く頃にはもうぼやけちゃってると。すごく近くの物を見る場合のみ、焦点がちょうど網膜上に来るからよく見える、と。

てことはレンズを薄くすれば、あるいはレンズの屈折率を下げればいいってことになる。近眼の度合いに合わせた人工水晶体を用意すれば、あとは白内障と同じ手術で事は成ってしまうんじゃないかと。

ほかにこの方法のメリットはといえば、老眼からの回復や予防になるかも。老眼の原因は、主に加齢が原因で水晶体が固くなっていって、焦点に合わせた水晶体の厚み変化がしにくくなることらしい。人工水晶体ならその問題もクリアできそうな……。

ただ、白内障手術はレーシックとは比べ物にならんほど難易度が高い気もする。しかも保険が効かないだろうしな。メガネなりコンタクトレンズなりで、手術なしで矯正できるし。最近はメガネっ子が流行ってるし。世間的には、そこまでやる必要を感じないってあたりですかね。是非必要なんだとしたら、スポーツ選手や軍人限定かなこりゃ。近眼の度合いに合わせた人工水晶体を各種取り揃えるってのも、コスト的に厳しそうだしな。

銘板左端銘板銘板右端

人工水晶体の耐用年数はどのくらいなんだろ。例えば30年くらいでヘタレるようじゃ、人生80年の日本人だと50歳以上限定ですな。白内障は普通、60歳以上で顕著に現れそうだから、そこからの余生一杯には充分に使えるってことは分かる。つーか中には100歳オーバーでもお元気でおられる方々もいらっしゃるから、若くして人工水晶体を使う場合、耐久性はまさに「一生もの」じゃないといかんよなぁ。

銘板
2011.12.14 水曜
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不信感、極まる

いやさ、なんかもうさ、いろいろ信じられなくなったですよ。あんなことやこんなことそんなこと、みんなみんなみんなウソなんですよ。偽りなんですよ。

とにかくこれ見てくださいよ。

てなわけでー。

動画の合成ってすごいよなー。昔、こういう合成が「特撮」と呼ばれてた頃ってさ、どうしても不自然さが出ちゃってたよね。継ぎ目が見えちゃったり、被写体と背景の画質が違ってたり。ボロが出てバレちゃうわけで、だからほとんど特撮映画にしか使えなかった。それならあり得ない映像ってのが最初から分かるから、そのぶん観客の善意フィルターを通してその映画を楽しんだもんでして。おいらみたいに意地悪な観客だと、出てしまってるボロから、どうやって撮影したのか推測して遊んだりもして。

連綿と続いたアナログ合成技術の積み重ねと、最近のデジタル技術の進歩との合わせ技ですなぁ。ここらへんってやっぱし、両方の経験を豊富に持つハリウッドが一番強いんじゃないかな。ルーカス・スピルバーグの二人は要求水準がともかく高くてな。んで自力でどうにかできたしな。アナログ時代で既に完璧の一歩手前まで来てた(シーンによっては完璧でないものもあった、という意味で)。

てなわけで、最近の映画は特撮ものじゃなくてもこんな合成まみれが普通らしい。全然違和感ないもんなぁ。わざわざ合成するってことは、その方が早く安くできるってことでもあるわけで。天候にもあんまし左右されないしな。背景はその天候のときに撮影チームだけ派遣して撮ればいいし。なんなら出来合いの静止画像でもいいかも。静止ならレタッチもラクだし。

この動画の中には、グリーン/ブルーバックを使ってない合成もあるなぁ。あの被写体の抽出ってどうやるんだろう。「背景の静止画像を設定 → それじゃないものを抽出」て技術かな。

ていうかそれ映画以外で実用化されてたわ。しかもリアルタイム処理でできる。自分ではやったことないけど、Mac の AIM でさ、相手方に出る映像の背景を好きなものに設定できるって機能があって。通信を始める前に、自分が映ってない背景を撮っておく。通信を始めると、取得した映像から事前撮影の背景に一致した部分を引き算する。これで自分の姿だけが映った映像を作る。んで、先に選んでおいた背景画像に自分の姿だけが映ってる映像を重ね合わせて送信する、という仕組み(らしい。事前の段取りからするとそうなる)。

カメラがパンやドリーしてるカットの合成だと、テレビのニュースやバラエティ番組を見るに、カメラ自体にセンサーが付いてるね。カメラの位置や向きのデータを取得して、それに合わせて CG の位置や向きを変える、ですな(推測。未確認)。けど振動で微妙なブレが出てしまうんだよね。映画の合成の場合、その微妙なブレは命取り。んでたぶん補正をかけるんだと思う。どうやるかを妄想すると、グリーン/ブルーバック上に等間隔で十字が描かれてるときがあるね。あれで背景の絶対位置をより正確に把握するんじゃないかな。んで、センサーとの合わせ技で自動補正するんじゃないかな。

そんなわけで合成技術はとうとう完成の域に達したってことで、特撮 SF 映画じゃなくても、コストダウン目的でじゃんじゃん使われるようになった、という流れかなーと。ロケ撮影は天気に泣かされることが多いらしくて、そのリスクを回避できるのも魅力かも。現場の状況で妥協せずに、監督の狙った絵柄を正確に作れるってのもありそうだね。黒澤明の『隠し砦の三悪人』は天気待ちで撮影が大幅に延びて、そのせいで黒澤は黒澤プロ設立で東宝から独立させられる羽目になったしな(配給網は東宝が握ってたんで、東宝側にかなり有利な条件を呑まされたらしい)。

黒澤明は特撮や新技術に興味があったそうだ。『夢』でハイビジョン合成とルーカスの SFX 製作会社 ILM を使ってるしな。けど『夢』より前は特撮の完成度が監督の要求水準に届かなくて、自作品にはなかなか使わなかったそうだ。だったらきっと今、黒澤明が現役の監督だったなら、デジタル合成をバンバン使ってたろうな。「カネかけすぎ」という批判を気にしてた節もあるし。したら「完璧で安上がり」なデジタル合成を使わんはずないだろうと。

しかしこれを完璧に仕上げるには、セット撮影の見栄えがロケと見分けがつかないってのが必要になるわけで。そこは撮影スタッフの地力ですな。特に照明がカギになると思う。ハリウッドはそこらへん昔からすごかった。『フルメタル・ジャケット』の兵舎内、あれってセットだったんだもんなぁ。鬼軍曹が新兵を並ばせて、汚い言葉をドバーッと浴びせまくるとこ。

窓から差し込んだ太陽光が壁に当たってる描写、『フルメタル・ジャケット』じゃ平行四辺形だった。どう見ても本物の太陽光。『太陽にほえろ』だとその形が台形になってて、近くからライトを当ててるなーセットだなーと読めたわけで。『フルメタル……』はセットでどうやってそれを作ったのか、おいらにはいまだに謎(本当に太陽光なのかも)。

日本映画は、最近はそういう水準に達してると思う。てことで、たぶん合成もかなりやってるんじゃないかな。90年代あたりまでは、セット臭さがどうしても抜けなくてなぁ。それはそれで味にはなってたけど、ロケ映像との整合性に難があってな。整合しない2カットを1カットに合成するの、ちょっとまずいだろ。デジタル撮影なら画質調整の自由度がフィルムと比べ物にならないくらい大きいんで、そこで調整すればいいんだけど、完全に自在なわけでもないしね。もともとがすり合ってればそれだけ調整の手間が省けるし、より自然な絵にもできるわけで。

日本映画の場合、役者のギャラがアメリカほどじゃないんで、製作コストの兼ね合いでハリウッド映画より合成の使用頻度が少なさそうではあるけど。それに最近の日本の地方じゃ、映画のロケが来てくれるのが町おこしになってて、地元の協力を前提に映画を作る形が多くなってる。そこで「撮影隊は来るけどスターは来ません」ってのは、地元としてはいささか盛り上がりに欠けますなぁ。

そんでもデジタル化ってのはコストダウンが魅力なわけで、これからも「ロケ背景+セット撮影」の合成はどんどん安くなっていくかも。予算がハリウッドの10分の1程度がザラな日本映画でも、どんどん増えていくかも。その上で地元の協力を取り付ける方法が開発されるのか、それとも地元協力を仰がない形になるのか、ちょっと先行きを見させていただきますか。

そういや小泉堯史監督のデビュー作『雨あがる』で、オープンセットの向こう側の背景に合成が使われてたそうな。パンフに書いてあった。時代劇で SFX って意外な感じがしたけど、時代劇って前々から、背景に現代のものが映ってしまうっつう問題があったんだよね。ここまでの合成技術があれば、問題は一気に解決ですな。しかも『雨あがる』で合成を使った理由はコストダウン。んー、時代劇映画が最近隆盛なのは、藤沢周平の時代小説人気だけでなく、ここらへんも噛んでるのかも。とはいえテレビ時代劇のコストダウンにはまだ届かないのかな。『水戸黄門』でお茶の間の時代劇は終了っぽいからなぁ(テレビ東京でくノ一ものが始まるらしいが)。

銘板左端銘板銘板右端

この動画の中に、旅客機が不時着する場面があるね。カメラを被写体に寄せて、被写体と同じ速度でドリーして迫力満点なんだけど、今じゃそのカメラワークで CG 合成だってバレるわけ。てことでこれからは、このクサさが飽きられるというか、「特撮臭い」と取られる時代になる気がする。別の星から来た宇宙船ならまぁ被写体自体が架空のものだからそれでもいいだろうけど、旅客機なんつう実在する被写体の場合、現地で場当たりで撮りました的な映像のほうが、かえってウケるんじゃないかなと。

んでまた最近の流行が、疑似ドキュメンタリーなカメラワークでリアル感を出すことだったりもして。SF 作品じゃ既に、『アバター』で場当たり風なズームを使ってたな。

銘板
2011.12.15 木曜
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見える! 私にもアラが見えるぞ!

昨日のネタの続き。このまえ『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』を観たんだわ。そこでね、宇宙船が月面に不時着するカットがあったんだわ。3D ですげー迫力だったんだわ。

けど元・特撮のアラを見破る気マンマンの意地悪観客なおいら、ツッコミどころを見つけちまって。

飛び散る砂埃のシミュレーション、大気圏内のやつ使ったろ。

月面はほぼ真空。飛び散った物体は放物線を描くんですよ。砂煙がモクモクと巻き上がる、とはならないんですよ。

気付かずにやらかしたのか、分かってて絵的な説得力を重視したのか、そこらは不明。けど放物線でも絵的な迫力は充分に出ると思うが。むしろ地球と別の星での出来事っぽい味付けになったと思うが。

ハリウッドの SF、90年代からそこらへんの詰めが甘くなってる気がするんだよな。特定の監督以外はどうもそんな気がする。特定の監督ってのは、スピルバーグ、ルーカス以降だと、ロバート・ゼメキス、ロン・ハワード、ポール・バーホーベン、ジョン・ファヴローあたり。工学・理学の学位の有無にかかわらず、彼らの作品にはその道のセンスを感じる。んでこの人たち以外の SF ってどうも、異世界ファンタジーの理屈(つまり何でもアリのご都合主義)が臆面もなく混じり込んでてな(センスある人たちは臆面しながらうまく混ぜ込んでる)。

日本のアナログ SF 映画(怪獣ものも含め)は白黒時代には幅広い層の観客を集めたそうだけど、次第に飽きられて、いつしか子供とマニアだけのものになってしまった。カラー化でチャチさが目立ってきたのも理由のひとつかも。そんなジリ貧を招いた理由は複数あるだろうけど、『首都消失』『漂流教室』『孔雀王』"ZIPANG" あたりを思い出すに、まず脚本やドラマ演出がテキトーだった。そして特撮の説得力の難。さらにハリウッドの高品質 SFX 映画が同じ料金で観れるという矛盾。すべてにおいてチャチさがついて回ってしまって。どんな客に向けて作ってるのかも全然分かんなかったしな。

例外的に、『竹取物語』『帝都物語』は話題になったし稼ぎもした。けど話題先行というか宣伝戦略で成功というか、中身は腑抜けた部分がいろいろあったですよ。

つーか『竹取物語』、クライマックスが『未知との遭遇』のモロパクリってのはちょっとあり得なかった。しかも模型がオリジナルよりだいぶ小さくてチャチかった(がんばってる感は出てたけど、それが感じられることそのものが悲しかった)。そして、UFO のパーツの動きをディゾルブでごまかしてるのもバレバレだった。だったらそんな小細工自体やるなよ。

『帝都物語』は脚本がひどすぎた。それでも驚愕のビジュアルで強引に持ってくのに成功してはいた。けどやっぱし日本のアナログ特撮の限界が見えててな。しかもセット撮影でときどき照明がテキトーでな。当時の日本映画特有の「やっつけ仕事感」が見えまくってたよ。ミニチュア撮影であの映画独特のテイストを味わえたものの(おいらはそこにはすごい魅力を感じてるよ)、作品全体の見映えの統一コンセプトが存在しなくてなぁ。クリーチャーのデザインを H. R. ギーガーに発注したなら、1体だけでなく全部揃えなきゃダメだろ。

銘板左端銘板銘板右端

今分かった。『帝都物語』の原作小説でおかしなとこ。

映画版で、巨大な満月のカットがあるね。それとは別に、護法童子という単なる殺人マシンなクリーチャーが登場する場面がある。映画はここらへんおもっきし端折ってしまってるけど、10巻もある原作小説じゃちゃんとつながりがある(10巻ぶんをわずか136分の映画シナリオに収めたのが、当時1本の自主制作映画だけで名前が売れ始めた駆け出しの映画人・林海象。時間もろくに与えられなかったみたいだし、そりゃ無理が出るわ。目安ではあの時代でいうと、あまり厚くない小説1冊ぶんの『敦煌』を143分の映画にして、「ストーリーが大味」と言われてた)。

んで『帝都物語』の原作小説ではこんな感じ。

魔人・加藤保憲は関東大震災から復興しつつある帝都東京をさらに破壊すべく、月の引力を利用しようとする(その理屈は忘れた。地震の誘発かな)。そのために依童(よりわら)の辰宮雪子に、ラグランジュ点の計算をひたすらさせる。ついに算出された月の位置は、今よりはるかに地球に近いところ。月がそこに来ると、地上からは夜ごと巨大な満月が見えることになる。小説では「永遠の満月」と呼んでた。そして加藤は護法童子(式神? Wikipedia によると、仏法および仏教徒を守護する神のひとつらしい)を召還。護法童子は月に鎖を投げかけ、持てる怪力で月を引き寄せ始める。

……、

……、

……。

「永遠の満月」のためには、太陽−地球の L2 ラグランジュ点に月を持っていく必要がある。そこは地球から見て太陽の反対方向に約150万km の空域。地球−月の距離の約4倍。実は月を引き下げるんじゃなく、押し上げなきゃなんない。月の見かけの直径は巨大になるどころかわずか4分の1に、月の明るさも引力の影響も16分の1程度に小さくなってしまう。

恐らく作者の荒俣宏、太陽−地球の L2 と地球−月の L2 とを混同したんじゃないかと。これなら今の月軌道より地球に近くなる。けど月が今の軌道にあればこそ、そこが地球−月の L2 ラグランジュ点になるわけで。月そのものをそこに持ってきたら、そこはもはや地球−月のラグランジュ点じゃなくなる。しかも地球を主星とした系のラグランジュ点は地球の周りを公転するから、太陽−地球−その天体の成す角度は日ごとに変わる。てことで「永遠の満月」とはならない。

分かったからってどうってことないんだけど、ていうか無駄に興ざめしてしまったわ。似たようなのだと『ドグラ・マグラ』だな。(たぶん)当時不確かだった遺伝の仕組みがストーリーのカギで、現代じゃそれは否定されてしまっててな。おととし読み返してみたんだけど、どうしてもそこで引っかかって、読み続けられなくなってしまったよ。

そこらへん、読者としての度量のなさですなぁ。主題は別なんだから、フィクション小説のパラレルワールドの出来事とでも捉えて気にしなきゃいいってだけなのに……でも気になる orz

ちなみに映画版の護法童子は単に、全身凶器の殺人マシンだったよ。大きさは両腕で抱えられるくらいの設定だったけど、パンフを見ると実相寺監督が護法童子のモデルに寄りかかってた。サーカスの玉乗りの玉くらいあるの。すげー巨大なの。カネのかけかたがあの映画はどうもよく分からんかった。けど明治の銀座の町並みをオープンセットで完全再現ってのはいいカネの使い方だったわ。路面電車は(たぶん動体保存されてた実物を)バッテリーで本当に自走させたそうな。

銘板
2011.12.16 金曜
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元の木阿弥

韓国ウォン、日韓スワップで一息ついたと思ってたら、なんかまた急に下がってるなぁ(ソース)。

米ドル_韓国ウォン

いつの間にか $1=W1,160 水準にまた来てしまってるわ。まー10月危機説(Oct 3 のあたり)のときよりはマシではあるけど。

先月28日に 1,160 を一瞬突破で腰が引けたのか、いったん 1,130 にまで後退。でも今月13日あたりに再び 1,160 越えしてしまって、これまた慌てて揺り戻した感じではあるけど、ちょっと戻しただけで止まってるわ。1,160 を挟んでの攻防が激しいですな。けど実勢としては、この線をウォン安側にずーっと越した数字で安定したがってる感じがするような。

彼の国は輸出依存度が高いみたいなんで、まぁこの状態は有利かもだけどさ、燃料の輸入はどうなってるんだろ。

10月、電力需要が供給を上回ったとかで、首都が大停電したりとかしてたっけ(ソース)。秋でこの様子じゃこの冬どうなるのか。

原因はどうなんだろ。単に発電施設が足りないのか、それともウォン安で燃料の輸入が高くついてフル稼働できないのか。

攻防といえばタイの洪水も一進一退が続いてヤキモキだったけど、あの国は進出企業がとどまろうとがんばってる感じだからな(国策の優遇政策がしっかり機能してるんだろうなぁ)。国としての信用がきちんとありそうで、経済への影響はあまり心配しなくてもいい感じ。韓国は最近そこらへんの馬脚がちょっとアレなように思えて、端で見ててハラハラするぐらいにして。

銘板
2011.12.17 土曜
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電力的後遺症がまだ続いている件

昨日は韓国をネタにしたけど、日本もそれまで頼みにしてた原発がほぼ止まってて、今年の冬は夏に引き続いて節電モードらしい。韓国みたいになっちまうんだろうか。

ときどき「東京電力は実は発電容量に余裕があった → 騙された」てな意見が出るね。まー東京電力はどうにも信用ならんから、その件でも騙されたって感じがするけど、実際はもうちょっと事情が複雑かもしんない。てのも、東北電力が東京電力から電気を買ってるから。

東北電力が持つ発電所のでかいやつってさ、火力も原子力も、津波をかぶったあたりに並んでるんだわ。

発電所 被災前のフル
発電量 [kW]
現状の
発電量 [kW]
備考
女川原発
(宮城県)
217.4万 0 停止中
仙台火力
(宮城県)
34万 0 停止中
新仙台火力
(宮城県)
94万 35万 1号機のみ今月から
稼動予定
原町火力
(福島県)
200万 0 停止中
合計 545.4万 34万  

この一帯の総発電能力、今は震災前の最大値の 6% しかない。今年一杯は増量はなさそうだし。

うちの地元・八戸にも火力があるんだわ。津波にやられたけど、かなり早くに復旧済み。けどもともと 25万kW でしかなくて。震災を受けて1基増設されることになったけど、これまた 27.4万kW。しかも稼動は来年7月。新設分は軽油ガスタービンで、コンバインド蒸気タービン(約15万kW)が後付けされる発表がついこないだあったよ。てことで今動いてるのと合わせて 67万 kW。「そんなもん」ですなぁ。宮城・福島の停止分を補うにはほど遠い。つか今年の冬には全然間に合わんね。

八戸じゃメガソーラーがそろそろ稼働する頃だけど、1,500kW だしな。「万kW」でさえない。しかもその数字はたぶん、快晴の日のお昼の瞬間最大値(電力需要ピーク狙い撃ちが目的)。てことで、質・量ともにベース電力の戦力にはならないわけで。

んで東北地方は今、東京電力に電気を融通してもらってるわけでして。どれだけの量か分からんけど、余裕があんましない電力会社が、もっと余裕がないところに電力を供給してるってことで、危ない橋を渡ってるって現状は本当なんじゃないかなと。

東北電力管区各所の新設火力が動き出すのが来年か再来年てことは、電力的にしばらくひもじい暮らしが続きそうですな。それまで関東の方々にも、すんませんがご不便をおかけいたしますです。

銘板
2011.12.18 日曜
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日本にバブル再来中 ただし国内に恩恵なし

日本の GDP の成長って、今年は米ドルベースで 5% 台とか何かで読んでさ。そんなアホなと思ったんだわ。

けど、今年も順調に円高が進んでしまったからな。

USD_JPY20111111

そのぶん米ドルから見れば、日本の国内総生産はそのぶん膨れ上がって見えてることだろうよ。

海外から見て、円そのものがバブル状態だもんなぁ。

かつての土地バブルの時代、日本の GDP は円ベースで恐ろしい勢いで上がった。と同時に、対ドルの円相場も上がっていってブーストをかけた。あのときの日本経済の上昇率は、ドルベースで見てた人にとっては、思わずちびってしまうほどぶっちぎりに見えたはず。

最近だと中国がそれですな。ていうか人民元は米ドルとの半固定制だそうだから、為替相場でのブーストはかかってない。こりゃ土地バブル時代の日本、海外から見たら恐怖ですわな。

今の中国は外国企業を積極的に受け入れてるけど、当時の日本国内は製造業・サービス業ともほとんど日本企業が賄ってたってことで、外国企業が付け入る隙があまりなかったと思う。そりゃ外国からすると面白くないわな。叩きたくもなるわけだわ。

と勝手に納得したぐらいにして。

銘板
2011.12.19 月曜
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スープラ回顧懐古

AOL につないだんですわ。確か「アメリカオンライン」の略だったと思ったけど、日本語ページが充実してるんだねぇ。んでまぁ日本じゃ最近下火っぽい、「新車情報」というものがあって。次世代スープラが出てたわ。コンセプトのみだけど。その画像を少しがめさせていただいた。

次世代スープラ1
次世代スープラ2
次世代スープラ3

かっこいい。そして、なぜだろうこの懐かしい感じ。

うーん うーん うーん。

……、

……、

……。

これだ。

ハートロック1
『激突!ラジコンロック』の
主人公・轟心(とどろきしん)の愛車
「ハートロック1」

まさか21世紀に実車で作られるなんて、轟心もライバルの笹原育也も想像だにしなかったろうなぁ。ラジコンロックについてはこのブログ様がお詳しいです。

結局、冒頭に謎の登場をした秘技・親指立ちスティックは謎のまんまだったっけなぁ。スティック式のプロポを下に置いて、その2本のスティックの上に親指で逆立ちするという技なんですよ。RC カーを走らせながら。それやるとね、マシンがジャンプしてライバルのクルマに襲いかかるという、どんな原理なんだかさっぱり分からん必殺技で。

この技、主人公の心(しん)が小さかった頃、小さなラジコンメーカーをやってたお父さんに伝授されたんだわ。お父さんが1回だけやってみせくれたんだわ。けどその結果がよく分からんくて。コマにはセリフと書き文字だけ。「うわわーーーー!」「グワシャーッ」「と、父ちゃん!」みたいな。お父さんはそれがもとで亡くなったらしい。お父さんの骨壺を抱える心の前で、お父さんの工場がブルドーザーで壊されていく。

そして数年後、心はなぜかラジコン大手メーカー・富士模型に恨みを抱いてる。「父ちゃんの会社を潰された」とか。設定を端折りすぎで全然分からん。んでこの富士模型の御曹司がライバルの笹原育也。はじめは汚い手を使う悪役だったけど(顔もマ・クベに似てた)、心君とのレースを重ねるうちに友情が芽生え……この展開はよかったなー。日本の漫画の正しい姿ですな。

そして世界選手権になると、サイドストーリーが回り出す。イギリス帰りの孤独な天才・天馬流一郎とイギリス人男女ドライバーとの三角関係ですなぁ。いやーあのグダグダ話はほんとどうでもよかったw しかしまーあの時代、おいらはイギリス人は日本人を人種差別的に見下してるもんだと思ってて、恋愛はおろか、イギリスの現地なんぞで日本人がイギリス人と対等のお付き合いなんてできんもんだと思っとったよ。そこは新鮮だったわ。

んで天馬流一郎の駆るオリジナルマシンがかっこよくてなぁ。主人公マシンのハートロック1よりかっこいいのってどうなのよって思ったわ。んー、んー、ペガサス X だわ。画像が見つからん orz

けど主人公マシンのハートロック1は、のっぺりデザインを見慣れるとなかなかよくてさ。思わず味方したくなっちゃう感じで。心臓部のハートパワーアンプの仕組みがよく分からんかったけど、スピードコントロールのサーボが巻線抵抗のアームを機械的に動かすんじゃなく、電気的にいきなり全開に入れてスタートダッシュのタイムラグをなくすってのは分かった。当時はスピコン用アンプの普及前だったんで、なかなか先見の明があったかと。けど静止状態から全開だとどっちみちホイールスピンしてしまって、実際はレスポンスが速いサーボを使うのとあんまし変わんないんだよねw

主人公マシンならではの強引な展開もあってさ。世界選手権レースで、敵の策にハマったハートロック1が、バンクの外縁から派手に飛び出しちゃうんだわ。うわーもうだめだー! という展開でその話が終了。コミックもその巻が終了。どうなるんだどうなるんだとハラハラしつつ次巻のページを繰ると、なんかハートロック1、空中を旋回してコースに戻って、バンクの外側一杯を派手にドリフトしてレースに復帰してたわ。そこらへんの物理的な説明一切なし。勢いでごまかしてたなぁ。ドリフトの音が「バンバンバンバン」というわけ分かんなさだったりもして。たぶん作者さん、そのとき展開に行き詰まってたんだと思うw

作者さんのポテンシャル自体はかなりすごかった。アンプの導入もそうだけど、当時の F-1 で実際にあったサクションカー(ブラバム)も登場してたわ。ダウンフォースを稼げる上に敵はそのマシンのスリップストリームを利用できないという、あな恐ろしいメカでしたなぁ。ドライバーはいなせなイタリア人で、なぜか「〜ぜよ」の坂本龍馬口調だったよ。

そしてサブリミナル走法ww 心理学と錯覚まで動員。オウム真理教の報道でサブリミナル効果が有名になる何年前だろ。衆人環視の中、サブリミナル効果で、前を行くマシンをすり抜けて追い抜いて行ったですよ。これやったのはテキサス出身のトリックスター的なキャラ。そしてそのレース中、我らが轟心はそのカラクリを見抜いて意趣返しと。現実じゃあり得ないトンデモ技の応酬。これこそが昭和漫画の醍醐味なのですww

ヤバい。スープラの話だったのに、前にもいっぺん「ラジコンロックまた読みたい病」の発作が出てようやく抑えたのに、またぶり返して来たですよ。どうすべ Amazon で古本を買っちゃおっかなぁ。ああどうしようどうしよう(重症)。

銘板左端銘板銘板右端

笹原育也の愛車・リジェ JS9 は世界選手権の準決勝でクラッシュするんだけど(不可抗力的な展開の末だった気がした)、マシンが決定的なダメージを負っても、自らのプライドを賭けて勝負を諦めない、そんな悲壮な展開がすげーかっこよかったんだな。

んで後の現実の F-1、1989年の日本グランプリ(鈴鹿サーキット)でアイルトン・セナがまさにそのまんま再現してたわ。シケインでアラン・プロストと接触したあのクラッシュ。セナはレースに復帰して、その後まさに鬼神の追い上げでトップを奪還してゴールしたんだけど、あとでレギュレーション違反で失格になったっけな。あのレースでのセナの速さはほんと異常でしたわ。テレビで見ながら、「お前は笹原育也か」となかなか分かる人がいないツッコミしたですよ。

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2011.12.20 火曜
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変動期

世の中すごいことになってたのに、昨日しょうもないこと書いてしまってもう何やってんだか>自分

ということで北の将軍様、お亡くなりになり申したなぁ。故人をあんまし悪くは言わないのが日本の文化ってことで、ご冥福をお祈りいたしますですよ。

んでまぁどうなるんだろうねぇ。日本・韓国とも、通貨と株が安くなってるみたいですな。これはあれですか、北朝鮮が暴発するかもしんないリスクからですかねぇ。まーほんとどうなるか分からんから。とりあえず日本にとっては円がちょっと安くなったのは一服かもね。韓国の通貨安は……どうなんだろ。この冬、燃料をまともに調達できるんだろうか。

とまた YAHOO! Finance を見てみるに(これ書いてるの12月21日)、

USD_KRW20111221

今日(12月21日)はむしろウォン高に振れとりますな。韓国企業、これ幸いとばかりに今日の午前中は、日本への素材・部品代をドバッと支払ったんじゃないでしょうか。日本の企業にとっては契約した金額をちゃんと頂ければそれでいいはずだから、まーこういうのも売り掛けの現金化のチャンスなんじゃないかと。

しかしさー北朝鮮って衛星打ち上げ実験やったり、打ち上げに失敗したのに成功と言い張ったりとか、核暖冬の爆発実験やって、うまくいかなかったっぽいのに成功と言い張ったりとか、あのあたりは「危ねー国だなぁ」と度肝を抜かされてきたんだわ。少なくともおいらは。

けどここ数年は南の同胞さんがたの暴走が目立って、相対的に北はそんなすごく異常でもないような気がしてきてて。こういう慣れって危険な気がする。そんなふうに見えるってだけで、実際は何も変わってないだろうからなぁ。

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2011.12.21 水曜
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プロトンです

プロトンロケットかっけープロトンまじかっけー。

横倒しで全部組み立てて、鉄道で運んで発射台に立てるっつうロシアン純正スタイル、いいですなー。

かつてパリの航空ショーだかで、ソビエトが鉄のカーテンの向こうからロケットを持ってきて出品したことがあったそうな。そして横倒しのロケットに鳶職がロープを取り付けて、ウインチでエイヤッとばかりにロケットを立てたのを NASA の技術者が見て、えらく肝をつぶしたとか。アメリカのロケットは軽量化重視で強度がギリギリで、そんなことしたら折れてしまうものが多かったらしくて(なかには、推進剤がないときはガスを充填して内圧をかけてないと形を保てないものもあったらしい)。五代富文氏の著書にそんな記述があったと思った。

んで、冬のプロトンもええですなー。ヒュールリー ヒュールリーララー。

フェアリングがブラックジャックなツギハギ模様なのはなんでだろ。ほかのロシアのロケットでもこういうのはなさそうだけど。なんでなんだろね。

打ち上げの様子は下の動画で。こっちのフェアリングはすっきりしてるね。

UDMH + 四酸化二窒素は煙の色が汚いなーw

1段目の設計で、ブースターに見えるのが実はメインエンジンで、胴体の底にはエンジンがないってのはまぁ上の動画でも分かるね。んで、ブースターに見える部分と本体の役割分担はどうなってるんだろと思ってたんだ。したら Wikipedia 「プロトン (ロケット)」によれば、本体は酸化剤のみ、ブースター風の筒には燃料のみが入るんだそうな。なるほどなー完全に別体の構造なんですなー。混ぜるだけで発火する燃料&酸化剤の組み合わせだから、安全確保の目的でこうなったのかもね。

てことでエンジンは6基のクラスターなんだけど、それぞれ燃料タンクと一体で、同じものを量産できるわけで。組み立ての最後に本体に取り付ける形かと思う。巨大な1段目胴体の中身は、恐らく1槽のみの酸化剤タンクそのもの。エンジンの首振り機構も、見た感じ各基1自由度だけで済んでるね。プロトン独特のこの構造、コストダウンのための匠のアイデアって気がしてきた。チェロメイ同志、やりよる。ってロール制御はどうやってるんだろ(謎)

ソビエトの宇宙開発のリーダーは、ソビエト崩壊後にコロリョフの名前が出てきた(それまで極秘人物扱いで、西側は存在すら掴めなかったらしい。存在がバレたら、CIA が拉致か暗殺に動いてたろうからな)。アポロ計画のリーダー、フォン・ブラウンのライバルの正体として、冷戦後この人が一躍ヒーロー扱いされ始めたもんだから、ソビエトの組織内でコロリョフと対立してたらしいチェロメイは何かと悪者扱いされてる感じがするんですわ。けどプロトンを作った人なんだもん、おいらはコロリョフを悪くするつもりはないけど、チェロメイの名誉もまた重んじたいでござるよ。

性能的には、日本の H-IIB とかぶるね。ライバルですな。ただ、低軌道打ち上げの能力は H-IIB の 16% 増しなのに、静止遷移軌道だと7割程度に落ちる。これはなんでだろ。H-IIB の1ランク下の、H-IIA 204型より若干低いなー。

  低軌道 静止遷移
軌道
プロトン M
Enhanced
22t 5.5t
H-IIB 19t 8t
H-IIA
204
15t 6t

燃料の差かなぁ。H-II シリーズはブースター以外は全段液体水素なわけで、効率がいいんですな。そこだろうか。ああでもそれは低軌道の能力で同じだけ出るはずだから、それは違うか。軌道傾斜角の不利さも影響してるのかな。ロシアの静止軌道打ち上げは、静止遷移軌道にいったん入ってから、上段が何回も再着火して軌道傾斜角をゼロに近づけるそうな(LH2 様からの受け売り)。やっぱしそこがロスなのかもな。

有人宇宙船の打ち上げに使われるかどうかは……んー1段目がこれだからこそのプロトンだと思う。そしてその推進剤は UDMH と四酸化二窒素。猛毒物質ですな。この点で有人は難しいような。中国の有人計画はこれに近い猛毒燃料を使ってるけど、ケロシン(灯油みたいなもの)と液体水素の燃料の研究開発も進めてるそうで。効率アップもさることながら、たぶん毒性が気になってきてのことだと思う。

まーそれでもいいんですプロトンは。だってかっこいいんだもんよー。つか2段目か3段目の燃料が液体水素かケロシンにでもなれば、順調に足が伸びそうな気がする。つか、できるかどうかは分からんけど、1段目のエンジンを取り替えればケロシンくらいは行けるかも。ロシアのことだから、有り合わせでちょうどいいのあるかもw

するってーと酸化剤が液体酸素になるから、本体全部の保冷対策が必要になるな。燃料側と違って体積あたりの表面積が小さいから、意外と簡単で済むかも。ターボポンプと配管も再設計と。ほとんど新型ロケットだけど、1段目の形(おいらが勝手に感じてる格好良さ)を保ってくれればそれでいいかなと。

銘板
2011.12.22 木曜
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実は色付きなイトカワ その3

小惑星イトカワは白塗りな石膏の色じゃなく、本当は色がついてるはずだ! と主張しても、検証できなきゃしょうがないわけで。今月11日のログに載せさせていただいた画像は、どうも色を強調してるっぽい風味があって。色がやっぱりついているというのは分かるけど、肉眼で見た場合とは異なってそうな気がして。

てなわけで、自分でやってみた。はやぶさ に搭載された白黒カメラが赤・緑・青のカラーフィルタを通して撮影した画像3枚を合成してみた。

元の画像データは、公式の公開データ集 "Hayabusa Project Science Data Archive" の AMICA(観測用カメラの名前。FOX 版の はやぶさ 映画で、高嶋政宏が演じたエンジニアが開発してたもの)から、ナマのデータを使わせていただきましたですよ。

ページトップに書いてあるとおり、AMICA のカラーフィルタは7色ある(波長別に 380 [ul], 430 [b], 550 [v], 700 [w], 860 [x], 960 [p], 1010 nm [zs])。このうち、b, v, w がそれぞれ青・緑・赤に対応する波長。GIMP でRGB 合成する方法を探したら、プルダウンメニューで「色 → 色要素 → チャンネル合成」でできることが判明。

ちなみにそれぞれの白黒画像は、グレースケールモードじゃないと使えない。画像のモードをグレースケールにするには、「画像 → モード → グレースケール」で OK。はやぶさ サイエンスデータアーカイブからデータを落とした状態のままだと RGB のカラーモードなんで、いちいちここを直さんといかんかった。

んでとりあえず、もったいぶって地球スイングバイ時にテスト撮影した画像でも。まずはお月様。左から、2004年5月16日撮影、同17日撮影。

月_20040516月_20040517

ほとんど色が分かりませんな。お月様ってもともとそうだしね。もうちょっと黄色っぽい絵柄を期待してたんだけど。

火星探査機 のぞみ が撮影したお月様はコチラ↓。月スイングバイ時だから、けっこう大きめの画像でして。

月_のぞみ

ちゃんと色がついて見えるね。こういう画像をイトカワにも期待してるわけで。露出が低めだとカラー合成で都合がいいらしいってのが分かる。まー当たり前っちゃ当たり前か。画像が明るいと、3原色が飽和していって白っぽくなって、色味が淡くなっていくからな。

次はスイングバイ寸前の地球全景。

地球_20040518

すげーキレイ(うっとり)。ほかの画像ってさ、合成するとき位置の補正が大変だったんだわ。はやぶさ は移動しながらカラーフィルタを替えつつ撮影したわけで、大抵はピクセル単位でズレてたわけで。ところがこの組み合わせだけは補正ゼロでしたですよ。試しに合成したら、一発で超美しい地球画像ができあがってて。被写体が巨大なぶん、かなり遠くから撮ったから、そのぶん移動でのアングルのズレが出なかったのかも。

真ん中は北大西洋。右下にアフリカ北部のサハラ砂漠。その上にイベリア半島が見える。左の陸地は南米大陸。上のが北米大陸。たぶん。とするとその間の海の上の方は、原油まみれになる前のメキシコ湾か。右上のめっさ白い部分は北極海の氷ですな。

大陸の像のゆがみ具合で、地球の丸みが分かるね。おいらそこにちょいと新鮮な感覚を覚えてる。普段は平面の地図ばっかで世界の地形を理解してたんだなぁ。

公式発表での、はやぶさ が撮った月と地球の画像を見たことは前にもある。これとまったく同じだったわ。見栄えを良くするためとかの加工は特にしてなかった、てのも分かった。ここでもカメラの露出は低め。色がくっきり出やすいわけですな。

見かけで地軸が右に 45° ほど傾いてるっぽいね。そこらも考えての目分量で、スペイン・ポルトガルあたりの緯度から、はやぶさ は地球に接近したってことになりそう。Google Earth で見ると、スペインの真ん中あたりの北緯は 40°。けっこうな角度ですなぁ。スイングバイの最接近時は、きっと夜の南半球上空を飛んだんですなぁ。

ってこれ、最後の地球帰還と似たようなルートだよね。あのときもたしか北緯 30〜40° あたりで地球に接近して(公式 Twitter で「日本上空を凱旋飛行中です!」のあたり)、カプセルは真夜中のオーストラリアに着陸した。そうか。地球帰還はその6年前のスイングバイの再演でもあったんだ。今頃気付いたわ。イトカワの楕円軌道の傾斜角と長軸の向き。これに合わせるべく、出発も帰還も同じルートをなぞったんだねぇ(しみじみ)。

銘板
2011.12.23 金曜
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実は色付きなイトカワ その4

してとうとう公開。自力で再現した、色付きイトカワ。

とはいえ、ひとつのアングルから撮った画像で赤・緑・青が揃ったのってなかなかなくてさ。あってもやたら小さい画像が多かったりして。ようやく7組を見つけてカラー合成したですよ。とりあえずはじめに4枚。ここいらは1辺が 101〜201px しかなかったんで、HTML の設定で 300px くらいにブローアップしますです。

カラーイトカワ1 カラーイトカワ2
カラーイトカワ3 カラーイトカワ4

色、まーこんなもんでしたわ。左上の画像がうっすらと赤みがかってるけど、もとは3原色がバラバラのデータだから誤差が出たのかもしんない。そんな程度。ほかも、完全な白黒とはちょっと違うかもなって程度の色具合。右下なんかは白黒と区別つかんなぁ。

お次の2枚はもーちょっと大きい画像。相変わらず画角が小さいんで、2倍サイズだす。

カラーイトカワ5
カラーイトカワ6

白黒だのぉ……。今まで見てきたイトカワのカラー写真って、色を無理やり強調したものだったのかなぁ。下の画像はそれでも、薄く赤みがかった地肌に、真っ白というか明るい灰色の斑点が出てるのはわかるな。感覚的には単なる明るさの違いじゃなく、本当に色の違いがあるんじゃないかって感じ。

んでまぁここまでの6枚は「ほぼ白黒」で決着ってことになるんだけど、ちょっと7枚目の画像見てもらえますかね。これは横幅 401px あるんで、拡大率は1.5倍ってとこ。

カラーイトカワ7

めっさ色ついとる!!

こんな画像もあったんですわ。イトカワのどの部分だかちょっとわからんけど。画像加工は3原色のカラー合成以外してないっす。どれも はやぶさ が見たままの画像ってことで。

てことでね、同じ探査機が同じ時期に同じ小惑星を撮影したはずなのに、色の付き具合を自分で確認したら、結果が2つ出てきてしまったよ。どっちを信用したらいいもんだかよく分からんくて。

んでまぁ思ったんだけど、はやぶさ でのイトカワのカメラ撮影って、学術用途だったんだよね。だから各波長を調べるために、カラーフィルタが7枚もあった。んでその学術目的で、1枚ずつが独立して、研究に最適になる露光時間(画像の明るさ)で撮られてたはずなわけで。それって必ずしも3原色合成での色の再現には向かないのかもなーと思って。各色とも露光オーバー気味で撮ったのかなーとも思って。7枚目はちょっと暗めで、それで余裕を持って色を再現できたんじゃないかって気もして。結局おいらにはわからんけど。

はやぶさ のカメラ機構の色再現性って、昨日のログでも出たとおり、お月様画像の比較で、かなり白っぽく出たりしてたしな。

結論できないのがもどかしいけど、イトカワの見栄え、今まで公開された はやぶさ 映画に出てきたような石膏みたいな見栄えとは限らんってことだけはわかった。モノトーンでもあんまし問題ないかもだけど、全体的には、薄く赤みがかった感じがベストなような気がするよ。んで、場所によってその色の強さ微妙に違う、というのが正体なんじゃないかな。と無責任にあてずっぽ。

銘板左端銘板銘板右端

はやぶさ 映画の中で、2月公開の『はやぶさ 遥かなる帰還』(渡辺謙のやつ)って、予告編にイトカワの姿が出てないわけで、もしかしてスクリーン初の「色付きイトカワ」が出るんじゃないかとちょっと期待してるよ。

前売りを買ったら、おまけで「はやぶさタッチダウンペン」てのを貰ったんだわ。それがね、ちょっと色付きイトカワだったりもして。

今ちょっとその写真を撮ってみた。

タッチダウンペン

この実物だとイトカワの画像は微妙に茶色がかってるんだけど、それを撮ってみたらほとんど再現できんかった orz イトカワの顔色はいつも気まぐれですなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

2013.6.4 補足: Hayabusa Project Science Data Archive からもうひとつ別の写真組を見つけて、RGB 合成してみましたですよ。今回は FITS 形式そのままから加工(前は JPEG 形式からだった)。例によって画像が小さかったんで、3倍にブローアップ。

キターーーーー!!

たぶんここらあたりが、実物のイトカワの色なんじゃないかな。

銘板
2011.12.24 土曜
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このゴールは妙に逃げ水っぽい

めりくりー! けど関係ないしょぼいネタの日。

ついこないだ、ちょっと個人的に見過ごせない事態になってたのに気付いて。

今年のはじめから、3D モデリング・レンダリングのフリーソフト "Art of Illusion" のマニュアルを勝手和訳し始めたんですわ。まー今は、全体の進捗の8割方が終わったとこなんですよ。あともう少しなんですよ。はじめは快調に飛ばしてたのが、2月頃からあまりの膨大さにだんだんやんなくなってきて、3月は震災が来て、気分的にますますそれどころじゃなくなって、夏場もそのまま何カ月も休んで、たまーにちょっとやってはすぐ心が折れて、ようやく9月か10月に本格再開、というまぁダラダラモードだったんですわ。けど最近は「1年以内に仕上げる!」と目標を決めたらドカドカ進んでて。

2周すれば完成と。1周目はとにかく英文和訳。精度はともかくひたすら訳す。これで10月後半までかかった。そのまま2周目に突入。今度は翻訳チェック。精度を上げるわけですな。いい加減な訳なり訳し忘れが出るわ出るわ。

ウオリャーと2周目スタートしてからちょっとして、それまで迷ってたことを決めた。画像関係。画像に出てる解説だの、ウィンドウの単語だのが英語のままってのは、和訳としていかがなものかと。けど量が多いからめんどい。

で、「やっぱしなぁ……」とやることにした。テキストの和訳チェックと同時に、画像も和訳開始。手順を確立するまでは大変だったわ。Mac 版の GIMP って UNIX 用なもんだから、日本語フォントや表示が貧弱でさ。そこは Mac 用の X11 をいろいろ設定すればいいんだけど、なんかやり方がよく分からんくて。

そこで登場したのが、Mac に特化した 2D ペイントのフリーソフト "Seashore"。GIMP を元にして作られたソフトだから相性がいいだろうと。今まであんまし使ったことなくてさ。機能は少ないけど、Mac 用のフォントのまま、日本語表示が綺麗に出るなーと使ってたんですわ。したら落とし穴があって。

画像ファイルを読み込むと、画像がなぜか微妙に明るくなってしまうという謎の仕様。加工して保存 → 閉じる → 開く → 加工して保存……と繰り返すごとに、だんだん画像が白んでくる。背景色も勝手に変わるからいろいろ都合が悪い orz

はじめは騙し騙し使ってたけど、その問題も撲滅したくなった。てことで開発した方法。Seashore は開きっぱなしで、背景色は AoI マニュアルの標準背景色に揃える。画像の加工は基本 GIMP で、日本語入力が必要なときは Seashore で。それをコピって GIMP で開いてる画像に貼る、と。Aqua と X11 のクリップボードが共通でよかったよ。

てなわけで工程を確立しての爆走のさなか、時は12月13日。赤穂浪士討ち入りからウン百年とかのその夜、気付いてしまったんですよ。

AoI、アップデートしてやがった…… orz

久々に公式サイトにつないだら、12月11日、ver. 2.9 と新マニュアルが同時リリース OTZ

やられた……。

おいらが訳してるのは ver.2.6.1 のマニュアル。おいらの環境にあるのは ver.2.8.1。内容にほとんど違いがないから作業上の問題はなくてさ。けど作業中は常にバージョンアップ/アップデートの心配があった。んでももう何年もマニュアルが変わってないんなら、これからもしばらくはソフト本体がアップデートしても変わらなさそうな気もしてて。んで、わかんないけどとにかくがんばろーっつうノリで、まぁ力ずくで進めてたんですわ。

こんなこともあろうかと、原文 HTML と画像は全部ローカルに落としてあったから作業は混乱がないんだけどさ、さてどうすべぇかと。作戦立て直しですよ。何より、もうすぐゴールのタイミングで追加作業到来ってのが心理的にかなりアレで。

てなわけで、 2.9 版マニュアルをサラッと見た上での新計画は、とりあえず ver 2.6.1 版マニュアルを完成させる。そこから 2.9 での変更部分を書き換えていく、という流れ。

てなわけで、悪夢の3周目がまるまる追加されましたとさ。進捗率、8割超から6割未満に一気にダウン(落涙)

銘板
2011.12.25 日曜
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懐古サウンド

香ばしさがたまんないサウンド発見。

はぁーこんな時代もあったですなー。おいらがブロードバンドで常時接続(この言い回しも香ばしいなぁ)を始めたのは、確か2001年だったと思う。そういやこの日記を書き始めたあたりだったな。読み返すのはめんどいからやめとこw その前までは 56Kbps モデムでしたですよ。さらにその前は 28.8K。当時の職場じゃ 14.4K も使ったことあったわw 遅いなんてもんじゃなくてこれがww

夜更かししちゃいかんと思ってテレホーダイの契約しなくて、ネットに用があるたびいちいちダイアルアップ。1ページ読むのに3分かかりそうかなと思えば接続をこまめに切って。そしてつなげるたびに、あのピーヒャラ音を聞いてたですよ。ガビーガビー……。最後のドジャーーーーが聞こえると、ああもうそろそろ無事に繋がるんだなと。んでサイトの続きのページをめくってフムフム、3分経ってないからもっと飛んで……いろいろ回って……おっとここは時間かかりそうだから切るか、と。

んであらかた見回ってさぁ寝るぞってタイミングで、出すはずだったメールを放置してたことに気付いたぐらいにしてw あの頃はすげーメールマメだったっけな。そこからいきなしメール無精になったんだけど、ブロードバンド化でネットの使い方がガラッと変わったせいなのか、この日記を書き始めたせいなのか、それよりちょっと前に PC を入れ替えたからなのか謎。なんかいろいろガチャガチャしてた時期ではあったな。何を焦ってたんだか。

常時接続ブロードバンドの便利さも、慣れてしまったらちっともありがたくないw そこらへん技術進歩の宿命ですなぁ。別な技術で言うと、八戸に新幹線が開通したのは2002年12月。東京や仙台に行くのに1時間も縮まっちゃって。盛岡までなんか所要時間が半分以下になっちゃって。そりゃもう感激したもんじゃった。

あれから9年。ブロードバンドとともに、こっちも別にフツーになったw

ついでに、新幹線が来るのに先だって、その年の7月に八戸駅が大幅リニューアルされてオープン。立派な姿に生まれ変わって、地元民の多くは感動したんだわ(不満の意見もあったけどおいらは無視。あとでその人ちょっと頭おかしい人だと判明したし)。

あのときの新駅、新幹線が来たとき以上にすげーって思ったんだ。その前があまりにもしょぼかったんで。なんせ築110年の木造駅舎でさ、新駅舎がそこに引っかかるから取り壊してから新築なわけで、少し離れたところにプレハブの仮駅舎が建った。したら仮駅舎を使った市民みんなして「こんな立派なんならもっと早くプレハブにしろっての。JR どんだけケチなんだよ」とブーたれたほどww まーそのぶん JR 東日本様に於かれましては新しい八戸駅で気張っていただいて、手のひら返しを忘れなかったおいらさ。正直、あそこまでかっこよくなるとは思ってなくて。

あれから9年と5カ月。もうこれも何とも思わん。慣れって怖いわー。

玄人ぶるには、相手が知らないだろうってな話題をわざわざ振るに限りますな。その点で、ネットに親しんでる人たちでモデム時代を知らない人ってもうけっこういらっしゃるけど、これからどんどん増えてく一方ですな。てなことで、そんな時代を知る者にとっては玄人ぶるいっぱしのネタ確保なわけですな。けどこのとき必要で学んだ知識なんてほとんど忘却の彼方だし、辛うじて覚えてる小ネタなんて今のネット環境じゃ「懐かしむ」以外に何の役にも立たんし(通信ノイズを減らすために、電話線にアルミホイルを巻き付けたもんさ。今振り返ってしみじみ思う。ガセネタだったよ)。

実際、物心ついた頃からデジタル製品に親しんでる人の方が、コンピュータやネットをはるかに使いこなせるだろうし。まーこの手の話でドヤ顔するロートル連中の話なんて、なんの意味もないってやつですな。

こうゆーのってよく「古き良き時代」とか言い回されるけど、あの当時の接続環境に戻りたいかっつうと、おいらはイヤだw 戻りたくないww

銘板
2011.12.26 月曜
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ものすごくどうでもいい葛藤

昨日のログで思い出した「ちょっと頭おかしい人」について、なんかいろいろイモヅルしちゃってさ。

今すげーここに書き出したいッ!

けど怖くてできないッ!

遠く離れた土地の人ならまだしも、同じ地元だからさ。それにあの人アレだしソレだし……とまぁ……ぁぁぁああああああ!

すごく書きたいけど、この人物に関して知り得たことを思い出せば思い出すほど、ちょっとでもウカツなこと口走ったのを察知されると場合によっては……ぁぁぁああああああ!

書きてー! 書いてすっきりしてー! でも最悪の事態が怖ええー!(その人の名誉のために書くと、暴力団との関わりはなさそうな感じです。あと、おいらとのつながりもありません)

つかもうそのスリル自体に魅力を感じ始めている自分ガイル……いかんいかんいかーん!!

とゆーことでここはひとつ心を鬼にして、口から出かかってるネタをグモモモと飲み込みますですすんません。

王様の耳はロバの耳ーーーーーーー!!

ちっともすっきりしねーーー!!

銘板
2011.12.27 火曜
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緑色の使者について、はやぶさ で知る日

今日もサビ残。

んでうちに帰る途中、すげーもの見てしまって。泡食って帰宅して、久しぶりに mixi につないで日記書いたですよ。なんとなく「仲良しに公開」限定だけど。

ここにそれ書いとくべ。

午後8時54分頃、西の空にでっかい流星。

緑色の発光はたしか酸素のプラズマ(その意味するところは不明)

飛跡は見た目でほぼ垂直(わずかに左上→右下)

前後で目立った光度変化なし

→急角度で大気に突入

→衛星の残骸じゃなく、たぶん天然の隕石

光りはじめの見かけの高さから、日本海ではなく青森県の上空かと

明日、県内のどこかで隕石発見のニュースが出ないかなー

てなところ。

流星の緑色について調べたら、酸素のプラズマ発光なことは確認できたけど、それが隕石のどんな組成や状態を示すのか、そもそも隕石の組成や状態を示してるのかさえ分からんかった。まー大気中の酸素がプラズマになったんだろうから、示されるのは隕石じゃなく大気の組成と状態なのかもしんない。前にオレンジ色の流星も見たことあるしさ、どういう条件で色が決まるのかも、結局分からずじまい。

前にこの日記で、同じことで同じ疑問を持ったことがあったと思ったけど、調べるのめんどいからいいや。どうせあのときも分かんなかったし。

今(23時15分頃)、buzztter で「隕石」で検索したら、1時間ほど前に新潟でもでっかい緑色の流星が目撃されたらしい。もともとひとつの石だったのが、ロシュ限界でぶっ壊れて落ちて来たのかな。けど1時間も時間差が出るもんなんだろうか。

そして今、地球に落ちる隕石のロシュ限界を計算中(剛体として計算)。隕石の密度によるんだね。てことで算出してみた。

隕石の密度
[kg/m^3]
ロシュ限界
半径 [km]
ロシュ限界
高度 [km]
2,000 11,248.36 4,882.16
3,000 9,826.35 3,460.15
4,000 8,927.83 2,561.63
5,000 8,287.86 1,921.66
6,000 7,799.18 1,432.98
7,000 7,408.55 1,042.35
8,000 7,086.02 719.82

地球の平均密度は Wikipedia「地球」から 5.515 g/cm^3(=5,515kg/m^3)、地球の半径は周長 40,000km から計算。んでまぁ地球の密度の前後の数値で出してみた。ちなみに鉄の密度は約 7,800kg/m^3 なんで、上の表の一番下は「鉄より重い」ってことで、あんまし現実的ではない感じ。

表の一番上の 2,000kg/m^3 は、だいたい小惑星イトカワと同じくらいに軽い。イトカワは隕石のふるさとの典型とされる。けどイトカワは岩がゆるく集まった構造で、中身は隙間だらけと考えられてる。それであんなに密度が低いわけで、岩単体だともっと重いはず。てことで、 2,000kg/m^3 もちょっと考えにくかったりする(軽石と同じ構造だとこれも考えられるけど、そういう実例があるかどうかおいら分からん)。

地球は中心核近くの密度が半端なさそうなんで、そこで平均の数字を稼いでると思われ。となると、隕石の密度はだいたい 3,000〜4,000kg/m^3 あたりですかね。

それで出てくるロシュ限界の高度は 2,560〜3,460km くらい。だいぶ地球に近い気がする。そこを突破してから隕石が割れても、1時間の時間差を稼げない気がする。

小惑星探査機 はやぶさ と再突入カプセルの例で考えてみる。

はやぶさ が再突入カプセルを切り離したのは、再突入の3時間前。地球との相対速度が秒速 12km だったんで、地球からの距離は約 129,600 km(地球の重力に引かれて加速してたんで、実際はもう少し近かったと思うけど)。上で想定したロシュ限界の38〜50倍ほど。はやぶさ 本体とカプセルの速度差は秒速 10cm くらい。

ロシュ限界で壊れる断片同士の速度差って、せいぜいこのくらいなんじゃないかな。今日の隕石の速度が はやぶさ と同じくらいだとしたら(夜中より前の夜間地域に来たんで、条件は はやぶさ とけっこううまくかぶるかと)、ロシュ限界から大気圏突入までに要する時間は、3時間の38分の1〜50分の1=4分44秒〜3分36秒。1時間の到達時間差はまったく稼げませんな。

となると、おいらが目撃した流星と新潟で目撃された流星、地球に落ちるずっと前から別々だったってことになるね。このだだっ広い太陽系空間を考えると(地球の公転軌道の円を 1680×1050 の20インチモニタにすっぽり収めると、地球の大きさは1ピクセルにもならない)、ほんの1時間ほどの時間差で、地球上のほぼ同じ場所に降ったというのは、たぶん赤の他人がたまたま居合わせたのではないってこと。かといって地球の潮汐力で大気圏突入の直前に引き裂かれたのでもない。

ひとつの小惑星から同時にはじき出された隕石2個が一緒に旅してたのか、もともとひとつの隕石だったのが何かの拍子で割れて、ランデブー飛行をし続けてたのか、どっちかじゃないかなーと。

はやぶさ、ありがとよ。はやぶさ が教えてくれたたくさんの知識のおかげで、こんな推理を楽しめるようになったよ。

銘板左端銘板銘板右端

推理については、おいらがまだ知らない要素が核心ってことも相当あり得るんで、事実はまったく違うのかもだけどさ(イトカワの母天体のサイズを推定したときは大外れだったし)。それでも、推測することさえ思い至らなかった頃とは質的に違うんですよ。

銘板
2011.12.28 水曜
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次世代以降が型遅れになるまで待つ話

今年、お盆のすぐ後にケータイを買い替えたんですわ。前のケータイ、こっちから話す声が相手に届きにくくなってしまって。何回も地面とかに落としてるうちに、とうとう来るものが来たって感じ。まる4年使ったからな。

そんなわけで、4年前にはなかったスマホを買う機会が来たんですよ。

んでまあ泥縄で、電器店に行っていろいろ物色したんですよ。ケータイの新機種情報とか興味なくて、予備知識はほとんどなしでさ。そういや今まで4年以上前は1〜2年程度で買い替えてたけど、そのときもその場で機種を選んでたっけな。今回もそういうノリで。んで結局ガラケーを買った。

んでまぁ周りで iPhone を使う人が増えて、楽しそうにゲームやってたりして、YouTube もサクッと出せて、ガラケーでは無理なでっかい画面で見せてくれたりもして。

けど、確かに周りがスマホで遊んでて楽しそうなのには惹かれたんだけど、なんか自分では選ぶ気が起きなくて。

なんでなんだろうねぇとけっこう自問してた。

んでまぁ少し分かってきたような。

スマホといえば iPhone が代表だとおいらは思う。世の中、スマホと言えば iPhone を連想する感じなんじゃないかと思ってる。Android のほうはちょっと分からんけど、サムスンのやつは iPhone のパクリらしいからな。まー「スマホ = iPhone」とゆー印象を強化してしまってるんじゃないのかなと。

でさ、iPhone てのはまた、故スティーブ・ジョブスの「作品」としてもよく知られてるわけでさ。

Mac ユーザのおいらなら飛びつきそうなもんだと自分でも思うのに、なんか飛びつく気がしないのはなんでかと。自問する必要はないのに、なんかちょっと自分で「それおかしくね?>自分」て気がしてて。やっぱし自問モードに入ってて。

んで最近思うのは、『スマホ(iPhone)って、楽しそうではあるけど使いやすそうではないなー』とゆー感じ。

使ったことないから実際の使い心地は分からんのだけど、端から見るに、なんだか使いにくそうに見えて。

「左手を機器の底に回して持って、右手の指で上から上面をなぞる」というスタイルがどーにもやりにくそうで。メカのデザインとしては究極のシンプルさってことで、ジョブスならではっぽい気がするんだけど、はたしてそのかっこよさは使いやすさにもなってるんだろうか、と考えると、そういうわけではない気がしてしまって。

把持は側面を指で挟むわけで、ちょっと不安定に見えるし(底も手のひらで押さえてはいるけど)。んで、把持と別の手で操作ってどうなんだろう。両手が塞がるし、どうもその意味でも安定してるように見えんくて。

世の中あたかも、スマホは iPhone の形が基本にして王道みたいな感じだけど、もっと機能的な形、もっとがっちりと手になじむような、使ってると手と一体化してるように錯覚してしまうほどのフィット感をもたらす形ってのが、まだまだあり得るような気がしてしまって。

おいら70年代のニコンの一眼レフを持ってる(最近ずっと使ってないなぁ)。当時は人間工学がそんなに洗練されてなかったらしくて、今どきの一眼レフに比べて、あんまし手になじまないんですわ。手指の方で機械の外形に合わせるって感じで。気にならないといえばならないんだけど、その後の一眼レフはそこらへんを考えて作られるようになったわけで。そっちを触ってから昔のカメラを手に持つと、その違いが歴然と分かるわけ。カメラだとホールド感は特に大事だし。

iPhone のあの設計と操作仕様って、なんとなく70年代のカメラのあたりにいる気がしてしまって。

道具との一体感体験といえば、おいら子供の頃、自転車に乗っててそれを感じたことがある。自分の自転車をすごく気に入ってて、毎日毎日乗り倒してたんだわ。そのチャリで自分の体が慣れたってのが多分にあったはずだけど、サドルにまたがって手を自然に前に伸ばした位置にちょうどハンドルがある、という心地よさにある日、唐突に気付いたんだわ。ハンドルのパイプの曲げ具合も、両手首をまったくひねらずに置けるように作ってあってさ。なんかそれが新鮮な驚きだったよ。今の自転車(軽快車というやつ)のハンドルは見た目重視で一文字型が多いけど、昭和時代のママチャリの方が、ハンドルの実用的な形として完成されてたと思うよ。

スマホというか iPhone というか、はそんな一体感を無視した造りのように見えてしまって。ガラケーだってそこを考え抜いてるとは言えないけど、こっちは慣れてるからね。わざわざ慣れないものに乗り換える気がしなかった、しかも一体感はガラケーより薄くて、さらにスマホは機材代も通信料金プランも高かった、ってあたりかも。

おいら的にはスマホへの移行は、今は「待ち」ですわ。少なくとも一体感で満足できそうなのが出たら、ですな。しかもそれが型遅れになって安くなったら、となるかもww

かといって、無駄に人間工学を駆使しすぎるのもまたなーって感じでな。一部の、見るからにものすごく手指になじみそうな外形のマウス、おいらはやりすぎだと思うわ。だいたい手のサイズが人によって違うからな、出来合いのデザイン1種類でカバーしきれんでしょ。凝るのはいいけど、そこらへんが片手落ちな気がして。

「使ったことないやつに、そんなこと言う権利はない」とゆーツッコミはごもっとも。けどどうしても使いたくない理由があるんですよ。そりゃなんだって、おいら左手でマウスを使うんですわ。おいらにとっては右手専用マウスなんて無用以外の何物でもないってこと。

銘板
2011.12.29 木曜
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またの墜落

23日打ち上げのソユーズロケット、失敗しましたな。今年だけで2回目じゃないかな。うーん。時事ドットコムより

打ち上げ失敗衛星の破片、「宇宙飛行士通り」の民家直撃=ロシア

【モスクワ24日AFP=時事】ロシア当局者は24日、前日に打ち上げたものの地球周回軌道投入に失敗した通信衛星「メリディアン(子午線)」の破片がシベリアの村に落下し、「宇宙飛行士通り」の民家を直撃したことを明らかにした。(写真はロシアのロケット)

破片が落ちたのはノボシビルスク州の州都ノボシビルスクから約100キロ南のオルディンスク地区。地元治安当局者がインタファクス通信に語ったところでは、破片は直径50センチほどの球体で、同地区のワガイツェボ村にある民家の屋根を直撃した。

同当局者は、皮肉なことに民家は、旧ソ連やロシアの宇宙計画で活躍した飛行士たちをたたえて「宇宙飛行士通り」と名付けられた通りにあると述べた。

同地区の地区長によれば、民家には男性とその妻がいたが、けがなどはなかった。男性は、物音を聞いた後に衝撃があり、外に出て屋根が損壊しているのを見つけたと話しているという。専門家が被害程度を調査中で、男性は損害賠償を受け取る予定だ。 〔AFP=時事〕(2011/12/24-20:05)

幸い、今回のペイロードは無人衛星。けどその直前に、国際宇宙ステーション行きの有人打ち上げがあったばかり。けっこう危なかったのかも。あーでも、ロケットの不調で打ち上げに失敗しても、有人の場合は緊急脱出装置が付いてて、打ち上げ失敗が即座に飛行士の生命を奪うことにはならんわけで。この緊急脱出装置、松浦晋也氏によると過去に一度本当に稼働したことがあって、有用性が証明されてるそうな。

「打ち上げ失敗=乗組員死亡」の実例だと、1986年のスペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故は大惨事だった。7名全員が殉職。けどその後の調査と解析で、乗組員に死をもたらしたのは爆発そのものではなかったらしい、となってる。機体が四散した後も船室の構造は保たれてて、彼らが生存してた可能性が高いそうな。それが正しいとすると、死因は高高度から海面に叩き付けられた衝撃だった、となる。それまでの間、乗組員たちの意識があったかどうかまでは不明と。船室の気密が破れてれば意識を失ってたろうなぁ。できればその方が、恐怖を味わわずに済んだはずなだけ、そうであってほしいよ。

てことはチャレンジャー号事故の場合、緊急脱出装置があればどうにかなってたかも、てことなんだろうか。結局シャトルには最後まで、まともに機能しそうなそういう装備は付かなかったみたいだけど(大気圏再突入時、熱の壁をクリアした後に脱出する装備はあったけど、あまり実用的ではなかったらしい。コロンビア号はその前段階の熱の壁でやられたし)。

シャトル引退後の今、地球と国際宇宙ステーション(ISS)を人間が往復する手段はソユーズ宇宙船しかない。ソユーズ宇宙船はソユーズロケットのみで打ち上げられる。宇宙船のほうにはもう長いこと致命的トラブルが出てないのがまた幸いだけど(打ち上げ成功後からは安全そうですな)、こりゃ ISS 運用はまだまだ綱渡りが続きますなぁ。

ライバル不在で気が抜けてるんだろうか。

銘板左端銘板銘板右端

事故で被害に遭った男性、なんでもストーブの薪を取りにちょっと家の外に出た途端、ロケットの部品が家を直撃、九死に一生を得たらしい(記事)。危なかったなー。死者を出すとこだったよ。事故ったのが有人打ち上げ直後の無人機だったしで。ソユーズロケットは失敗頻発のこんな状況でもツイてると思う。そのぶんの運の代償はフォボス・グルントで前払い済みだった、てことですかねぇ。

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2011.12.30 金曜
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謎の年末進行

円高がまたちょっと予断を許さなくなってるんですが。いやまあすっかり慢性病で、今さら驚くに値しないけど。

USD_JPY20111230

なんかこのグラフの最後の方、ダキューンと来てるね。今朝の新聞では、ユーロの信用不安が響いた影響で、ユーロに比べて「安全資産」な日本円に逃避してるらしい。今朝の新聞ってことは昨日までの情報だね。

このグラフ、23日でいったん円安方向でピークを打ってるね。んでそこから29日までの円高の進行ペースは、4日で60銭だから1日で15銭ほど。それがニュースになるほどだったのに、30日になるや半日で70銭ですよ。なんでまた今日の午後になっていきなりこんなことになったんだか。

まーでもその前も含めると大勢に変わりなしって感じか。もっと長期で見ないと分からんてことか。

銘板
2011.12.31 土曜
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プレデターの国

おとといの続き。

そういや経済分野でソビエトに打ち勝ったアメリカはあの当時、「唯一の超大国」となったわけだけど、その瞬間から社会問題が続々と表面化した印象があるな。問題自体はその前から存在してて、それが大きく語られるようになった。てことで、敵の存在は内部の問題を隠したり、問題意識を緩和する効能があるんだね。ソビエトだってきっとそうやって、内政がうまくいってないところをごまかし続けてきたんだろうなぁ。外敵は内政の最大の味方なんですな。

アメリカはソビエトとまだ張り合ってた80年代前半あたりから、日本を敵として見なすようになってきた。ソビエト崩壊後、日本は完全にロックオン状態。今思うと、アメリカの政府や社会って共産圏の凋落を感じ取ってたのかも。今の敵がもう長続きしないのを見抜いてたのかも。それで次の外敵を探してたのかも。

90年代中頃になると、アメリカの敵対対象はイスラム圏に移っていった。それが進むたび、日本への警戒も無茶振りも減っていった(久々の無茶振りが TPP)。そういう政治的なジャイアン攻撃で日本経済が順調に無力化していったのも、標的をイスラムに移した動機なのかも。てことはソビエトと同じく日本も、アメリカの内政の使い捨て道具にされたってことかな。

こういうのはけっこう普通の手段みたいで、中国・韓国・北朝鮮もまた揃って日本をターゲットにして、政権への民衆の不満をごまかしてますな。ここらへんは発言力の面でローカル国家だからまだいい。現状では彼らの日本叩きキャンペーンよりも、日本の文化や製品への好印象なり、日本と日本人の信用なりのほうがはるかに強いみたいだし。

んでも超大国アメリカにそれをやられたときはキツかった。アメリカはさらに信用があるから世界中が同調して、勝手に標的にされた方は世界中で嫌われて大迷惑だったよ。ていうか日本の国内でも「日本人なんて」という自虐・自嘲が普通だったし。んで今、アメリカが一人でやってるトランプ遊びのババはイスラムに回ってる、と。世界がそれを見てイスラムを叩いてる、と。

アメリカの敵設定が日本からイスラム圏に移りつつあった90年代中頃、落合信彦は「21世紀はアメリカと中国が覇権を競うようになる」と予測した。軍事面ではそれは正しかったと思うけど、アメリカ政府の国民の誘導の意味では、中国は今のとこ除外かもしんない。なんでって、アメリカ国際の買い取り手は、今は日本を抜いて中国が最大らしいんで。それに今の中国は80年代の日本と違って、先進国の企業を国内市場にじゃんじゃん受け入れてる(かつての日本も外資を受け入れてはいたけど、国内にそれより強い企業がウヨウヨいたんで、実質の参入障壁になってたと思う)。

アメリカは中国に財布を握られてるんですな。日本が米国債買い取りの最大手の頃は、かつて戦争で負かした国の日本を見下しつつの押し売りでよかったろうけど、中国の場合は勝ち組同士。「買っていただいている大得意様」って感じなんじゃないかな。いじりにくい相手ですなぁ。

アメリカにとって、イスラムいじめの捗り具合はどうだろう。イスラム世界は貧しい人たちが多そうだけど広大。地下資源を含めた富の総額はものすごいわけで、実質的に屈服させるのは簡単じゃないはず。けどなんとなく、アフガニスタンとイラクでドンパチしたアメリカとしては、もうやることやった感が漂ってるような。ぶっちゃけ飽きて足抜けしたがってるというか、そんな空気があるような。

てなわけでイスラムの次はどこかっつうと、韓国なんじゃないかなーって気がする。最近の米韓 FTA の内容がそういう雰囲気なんで。ただ韓国ってアメリカの国家の敵とするにはちょっと小さい感じ。あの国の経済規模もアメリカ国内への影響も。無力化までそんなに長くは持たなさそうに思うが。

それを見越して、もしかして TPP で日本を引きずり出そうとしてるんかねぇ。

つか今まさに、イランが締め上げられてるんだったね。もうここ何年もだったわ。いったん目を付けるとしつこいですなぁ。ていうかそろそろ追い込みっぽい状態になってきてる。

これしかしどうなんだろ、もしかしてアメリカって、相手がドッタンバッタン暴れもがいて抵抗するのを期待してるような気もする。そこを追い詰めて仕留めることにプレデター的な快感を覚えるっつうめんどくさい国なのかもしんない。「うははは、オレどーよ」と、自らの強さを常に確認し続けてないと安心できないだけだったりして。

銘板左端銘板銘板右端

てなことで、今年もお付き合いくださってどうもありがとね。来年もまたかしこみかしこみよろしくお願いいたし申すー m(_ _)m

銘板
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