ひとりごちるゆんず 2011年7月
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2011.7.1 金曜
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犯人は塩かよ……

昨日の新聞に速報が出てたけど、金星探査機 あかつき の事故原因が特定できたみたいだよ(公式発表 [PDF])。抜粋はその10ページ目から。

想定事象

  1. 酸化剤蒸気が上流へ移動
  2. 燃料・酸化剤反応による塩(えん)形成
  3. 塩形成による燃料側逆止弁動作阻害
あかつき配管_塩形成

原因はいくつか考えられるけど、地上試験でこの現象が確認されて、この線が一番濃いってことらしい。現物は誰の手にも届かないところにあるんで、こういうやり方で結論するしかないわな。一応、これから現物の動作試験してもっとデータを集めて検証するそうな。貴重な推進剤を消費するんで、どれくらいやるかを検討中なんじゃないかと。

しかしまーヒドラジン(燃料)と四酸化二窒素(酸化剤)って混じるとそのまま火が点くだけかと思ってたら、塩を作って結晶化することもあるとは。蒸気の状態だと振る舞いが違うんだろうか。

おいらはヒドラジンが液体のまま逆流防止弁のあたりで凍結したんじゃないかと踏んでたけど、そんな単純なもんじゃなかったってことで。そのくらいなら温度管理の範囲なんで、設計・検証段階で完全対策済みだったってことかな。

報告書によると、酸化剤蒸気の上流側への漏れも想定して事前に解析して設計に織り込んでたけど、その方法が適切じゃなかったことが判明したそうな。設計時は

  1. 弁上下流の推薬(酸化剤・燃料)蒸気の移動速度を測定しやすい基準気体を用い,フライトを想定した常温環境で評価することとした
  2. 実際に弁上下流に差圧を立てて基準気体(ヘリウム)移動速度を測定.孔を仮定し,基準気体の移動速度からその孔を通過する等価な孔径(等価オリフィス径)を計算
  3. ヘリウムによる計測に基づく等価オリフィス径を用いて推薬のリーク速度を計算.設計時には,これを推薬移動速度と想定していた
バルブリーク模式図

設計時の評価ではヘリウムで調べて当てはめたけど、事故後の地上試験ではそこを疑って、実際の燃料と酸化剤で再試験してみたわけだ。その結果が報告書の12ページ目。大事なことなので HTML 化してみましたw

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2.2.1 弁上下流間の推薬移動速度の推定(再解析)

不具合を受け弁上下流間の移動速度を実推薬を用いて実測し,以下の知見を得た.

逆止弁について,実測した推薬移動速度は,そこを通過する推薬量をすべてリーク量とした(リークモデル)場合よりも大きいものであった(下表AとCの比較).(遮断弁については,両者は同程度であった)

⇒ 逆止弁の透過による推薬移動速度が想定以上である可能性が示唆され,推薬移動が全て透過のみによる(透過モデル)として透過量を評価(下表のB)

推薬移動速度のモデル値と実測値の比較
逆止弁A) 設計
(リークモデル)
B) 再解析
透過モデル※1
C) 実測
酸化剤
@飽和蒸気圧
2×10-8mg/s3×10-5mg/s0.8×10-5mg/s
燃料
@飽和蒸気圧
2×10-10mg/s1×10-10mg/s7×10-8mg/s※2
 
※1:各モデルによる算出法は§B 5を参照
※2:燃料移動速度は供試体数の制限により,類似弁にて実測した

酸化剤について,実測された移動速度(C)は,設計時使用モデルによる推定値(A)よりも大きく,透過モデルによる再解析結果(B) と同じオーダであった.

燃料については,(A)も(B)も同じオーダーであり,類似弁にて計測した(C)よりも1ケタ小さい値である.ただし,燃料移動量の推定は,(C)の値を使っても十分小さい(§B.6).

このことより,今回のケースでは,酸化剤については透過の効果が支配的であることが明らかとなった.

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「オーダ」てのは数字の桁数のこと。「10の●乗」の●の部分の数字のことですな。今回は「マイナス●乗」なんで、数字が小さい方がリーク量が多くなりますな。

酸化剤も燃料も、実測したらリーク量は設計を上回ってた。そんで、酸化剤の上回り方が1桁多いんで、リークとしては酸化剤が支配的と思われ、という結論ですな。

しかし表の読み方にちょっと疑問を感じる。C) 実測の燃料は「7×10-8mg/s」となってるけど、すぐ上の酸化剤「0.8×10-5mg/s」と表記を合わせると「0.7×10-7mg/s」となりそうなんだけどどうなんだろ。学界にはこういうとき、数値 0.75 の上下でオーダーを変える習慣とかあるんだろうか。おいらは聞いたことないけど。

ここの表記が「7×10-8mg/s」だと何が変わってくるか。

報告だと「リーク量の設計と実測では、燃料は2桁多いが酸化剤は3桁多い」と持って行ってるのが、「……燃料、酸化剤ともに3桁多い」となる。設計時の予測と同じく実際も酸化剤のリーク量の方が2桁多いから、わざわざこんな数字のトリックをしなくても酸化剤リークの方が100対1で支配的だと思うんだが。てことで、当初から予測されてた酸化剤リークがその予測より3桁も多かったのが問題だった、としたほうが自然な気がする。結論は変わらんけど、これ、ぶっちゃけごまかしじゃないのか?

……、

……、

……。

んー、報告先の文部科学省宇宙開発委員会の調査部会って、こんな印象操作に引っかかるほどヤワな連中だってことになるのかな。それを見越してこういうことやってるのかな。この調査部会のメンバーが意外と工学のセンスがなさそうなことは、前にもそういうことがあってアレだったけどさ(2010.12.21)。

なんか話が意外な方向に転がっちまったな。まぁそういう報告文書での何らかの疑問がありそうななのがちょいと気になるけど、結論は同じだし、当事者がこの原因説を一番に押してることは分かる。軌道上で噴射試験をして様子を探るのは9月。そのときもっと詳しいことが判明するね。

金星周回軌道投入の予定は2015年。失敗直後での予測より1年早まることになったけど、あと4年。酸化剤蒸気のリークと燃料側逆止弁での塩の形成がますます進みそうですなぁ……。

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2011.7.2 土曜
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節制は あかつき を救うか

6月30日のログで書いたとおり、スイングバイ航法は探査機に搭載された推進剤を節約する効果があるわけで。

あかつき の金星周回軌道投入失敗は、金星で減速スイングバイしたのと同じ結果になったよね。これって今度金星に近づいたとき、前回より速度差が小さくなる方向になってるはずでさ、今度の軌道投入ってあんまし推進剤を使わなくて済むんじゃないかって気がするんだわ。

前回の軌道投入は去年の12月7日だったね。あのときの逆噴射予定時間は12分だったけど、エンジンは2分半程度しか稼働しなかった。しかも出力がその2分半の間にだんだん落ちていった。結果、金星の周回軌道に乗れなくて、また惑星間空間にはじき出されてしまった。その時点で、今度の再会合はその時点から6年後の2016年だったけど、これからエンジンの試験も兼ねた軌道変換をやって、どうにか1年削って2015年の到着に持って行く予定らしいね。

これはたぶん、金星の公転軌道より外側にはみ出してる遠日点を低くする方向で調整すると思う。こうすれば、再会合のタイミングが早くなるうえに、会合したときの速度差がさらに減る……と思うんで。

スイングバイしたぶんだけ推進剤消費を節約できた形になってるはずだけど、あかつき の中の人たちは慎重なまま。あかつき は当初の予定だと、12分の逆噴射でかなり細長い楕円軌道に入ってから、徐々に遠金点を落としていく行程になってた。まあ軌道投入は第1段階でしかないわけで、そこから最適の軌道にゆっくり直していくことになってた。んでどうも現状だと、最適の軌道にまでは燃料が持たないだろうと予測されてて。

エンジンのノズルが破損してる可能性があるからな。そのぶん燃費が落ちるだろうし。5年の航行の間、姿勢制御スラスタを定期的に使う必要があるから、そのぶんでも燃料が減るし。前回の軌道投入時は燃料の供給量が落ちたけど酸化剤は予定通り供給されちゃったから、酸化剤は既に不足だろうし。

まーそういう悪条件がいくつもあるんで慎重なんだと思うけど、本当にそれはスイングバイで偶然稼いでしまった推進剤の節約量で埋められないものなのかなぁ。それともそこに期待しないようにしてるだけなのかなぁ。

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2011.7.3 日曜
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小惑星探査機になってほしくない金星探査機

金星探査機 あかつき が、これからの新たなミッションとして金星近傍小惑星を観測するかも、という話があった。

一応、故障後のエンジンの試験がまだなんでそこらへんは未定なのかもしんないけど、この小惑星探査が実現しないことを祈ってるよ。

だってさ、そういう都合のいい小惑星を発見できたのはいいことだけど、そのための軌道変換をまったくしないでその小惑星をフライバイできるほど太陽系は狭くない。そこまで都合のいいことは起こり得ない。てことでこれをやるってことは、軌道変換にそれなりの量の推進剤を消費するってこと。つまり推進剤の余裕がないはずの あかつき が小惑星を探査するってことは、あかつき が金星周回軌道に再トライすることなく「金星探査機」の看板を下ろすことを意味してるから。

この選択肢を採るとしたら、その時期はたぶん今年の9月。予定してるエンジン試験の結果次第かと。もしエンジンが次回の金星軌道投入の任務に耐えられないとの判断が出たら、そしてそのときには姿勢制御エンジン(RCS)だけを使った軌道投入も検討結果が出てる頃だろうから、それも無理となったら、きっと小惑星探査機に鞍替えするんだろうなと。

ただのこの小惑星探査、恐らくフライバイ探査になるんですよ。通り過ぎざまの限られた時間にできるだけ多くデータを取るという原始的な方法ですな。はやぶさ がやったみたいな、現地にとどまっての詳細な探査は無理かと。しかもセンサー類は金星探査に特化してるから、あまり精度の高いデータは期待できない。

あかつき が、小惑星探査という残念賞を手にする羽目にくれぐれもなりませんように。

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2011.7.4 月曜
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意外と絶好のチャンス到来かも

原発が年単位で止まると、浅瀬の海中生態系への原発温排水の影響が明らかになるんじゃないかと。

今や日本中ですっかり引っ張りだこになってしまった反原発ドキュメンタリー映画『ミツバチの羽音と地球の回転』で、中国電力の原発計画が扱われてるんだわ。地元の漁民が反対してる中、建設を強行してる様子が映し出されるんですな。んでこの映画内だと、放射能汚染より原発が出す温排水が問題視されてる。放射能は原発が安全に稼働してればそう出るもんじゃないけど、温排水は安全稼働してると大量に出てくるからね。周辺の海の生態系に悪影響を与える可能性大なんですな。福島原発事故より前の時点だと、原発の一番の問題点はそこにあった。

んでまぁ映画じゃ京都大学の先生が具体的に、どういう生き物が死に絶えるのかの解説をしてくれてたわ。

この映画に出てくる山口県の原発はたぶんまだ完成してないだろうから、今の状況で建設工事は凍結状態なんじゃないかなと思う。てことでその場の海の生態系はまだ影響を受けてないはず。

んで、今止まってる原発の特に古いやつってさ、環境アセスメントが今よりずっと目が粗かったはずで、現場の海の生態系の調査もかなり大ざっぱだったと思われるわけで。てことで、現状の生態系がもともとからどれだけ変わってしまったのかというのははっきり分かってなさそうな気がする。

ところがここで原発が何年も止まると、生態系がある程度元の姿に戻るかもしんない。んでそこから元の状態を推測すると、原発温排水が周辺の海の生態系に与える影響が詳しく分かるわけで。あるいは、もう元に戻らない部分も判明してくるだろうし。

今の原発が海に与えてきた影響について原発側にツッコミを入れても、「稼動前の環境のデータが粗いから参考にならない」と相手にされないかもしんない。今建設予定の原発近くの海の生態系を調べて破壊の予測を立てても、「それは仮の話で、実際にそうなるとは限らない。我々の独自調査によれば影響はないから大丈夫」なんて言い逃れられもするだろう。けど今の原発長期停止の可能性っつう現状を利用すれば、ここらへんの具体的な実例データを蓄積できると思うんですがね。どうなんでしょ。

銘板左端銘板銘板右端

とりあえず原発を例に出してみたけど、火力も原発ほどじゃないけど海に温排水を垂れ流す。その影響も分かってきそうですなぁ。つまり大規模熱機関発電という行為、それ自体が自然環境に与える負荷がどのくらいなのかを知るチャンスなのかも。

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2011.7.5 火曜
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全否定の日

復興大臣やってくれましたな。結果は辞任でしたな。彼に気分を害された方々にはお気の毒だけど、おいらとしては愚か者の貴重な実例を見せてもらって、ちょっと得した気分ですよ。

まー今までいろいろと功績のあったお方らしいんで、辞任を惜しむ声、辞任に疑問を呈する声もあるね。けどおいらはこの流れで妥当だと思う。ああいう人は要職に就かせない方がいい。

放送されたあの宮城県知事への言葉と態度が事の始まりだったけど、あれだけじゃ辞任までは行かなかったと思う。問題はそのフォロー。

ツッコまれたら、自分の出身地や血液型のせいにして逃げ回る逃げ回る。ついに折れて詫びを入れるにしても、その文言はそういう人間の典型。「もし〜なのだとしたら謝る」と。付けなくていい if 分岐をわざわざ付けたりもして。if 分岐ってことは else がセットなわけでして。「もしそうでなければ」というのでして、そこが逃げ道なんですな。

てことで、「もし〜なのだとしたら謝る。もし〜でなければ(未定義)」という構文が一応できあがってるわけ。これ、「事象の如何によってこれこれの行動をしますよ」という宣言であって、まだ謝ってない。この宣言を出しただけじゃ謝ったことにはならない。だからこの発言でこの件を終わらすってのは、謝らずに済ますってこと。

なんでこんな狡猾なゴマカシをするんだろう。ゴマカシはギャンブルだよ。成功すれば得するけど、バレたら手ひどく損する。今回の件では、少なくともおいらにはバレた。彼はおいらを含む世の中相手に勝手に張ったギャンブルに負けた代償として、とりあえずここではおいらに、誰にも見られたくないところを丸裸にされて罵詈雑言を浴びせられてる。

てことで、やる必要のないこういう危険な言い回しでのギャンブルなんて、割に合わないんでどちらさんも金輪際やめた方がいいと思うよ(自戒込みで)。彼の末路を見てのとおり、不利な自分の立場をますます不利にするだけだし。

つか「相手の気持ちはさておき自分の気持ちも大事だ」なんて考え方、どっちにしろ謝罪の言葉として用を成してないんじゃないのかと。

どうもこの手の輩は、「自分が悪かった」「自分の責任」という選択肢を全く持ち合わせてないみたいですな。できるだけ責任を取りたくない気持ちまでは分かるけど、だから絶対に責任を取らない、責任を取る発想さえないっつう禁断の単純化を成してしまった状態。てことで何かやらかしてしまったとき、どんなに苦しい理由を付けてでも、ほかの人や状況のせいにしなきゃ気が済まない。思いがけずやらかしてしまうことなんて普通にあることなんだから、その後の始末こそが大事なのに。

人として必要な要素を切り捨ててしまったって意味で、道を外れてるわけで。短く言うと「外道」ですな。

こんなみっともない態度を晒して、それで自分への尊敬や自分の体面が保てると固く信じてるのがこういう人間のすごいところで。そのやり方で、どういう仕組みでそんな期待を持てるのかさっぱり分からん。何かどこかが理解不能な方面に超越してしまってる。

相手のことを自分より大事に思ってるなら、たぶんまともに思いやった態度になるはず。けどそこまで人間ができてなくても、要は「このままの態度を取り続けると、後でこれ以下がないくらい屈辱的な状況に自分が陥ってしまう」→「その事態になるのが一番怖いから、今、少しの惨めさを進んで甘受しよう」というたったそれだけの話。なのにその発想さえない。そんで取り返しのつかないところまで自分から行ってしまって、自滅するよりほかなくなるわけで。

むしろその過去の功績とやらも、「ほかの人のを横取りしたんじゃねーの?」「でっち上げじゃねーの?」と疑いたくもなるわけで。となると、ほんとにがんばって成果を挙げたてきたにしても、自らそれをドブに捨ててしまってるってことで。自分自身にも損失を与えてますな。

さて彼は地元を自分の身代わりにしようとした。次の選挙、彼の地元はどう判断するかねぇ。

つーかさ、出身が九州なのは別に何もやましいことはないんだ。九州出身の人がもともと東北に土地勘がないのも、それはしょうがないことなんだ。おいらも、九州の主な市町村でさえどこにあるか自信がないよ。けど東日本大震災の復興担当大臣に任命されたんならさ、付け焼き刃でも泥縄でもいいから、まずそういうところを勉強するもんだろ。自分に与えられた任務を遂行する気さえなかったのバレましたよ。そんなことさえしないで、丸腰で現地にノコノコ行ったってのがほんと理解できん。彼は一体何しに行ったんだろ。まずこそからギモン。そのうえ威張り散らしたという謎の行動。

このまえ蓮舫氏にフォローを入れはしたものの(2011.6.23)、今回のこの人についてはどうにもこうにもこんな評価になってしまう。いやもう自分では絶対になりたくない人格ダントツナンバーワンなもんで。

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2011.7.6 水曜
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原発行政迷走中

んで今日は今日とて九州電力がヤラセメールですか。何考えてんだかなぁ。こんなしょうもないズルしてバレたときの悪影響をどうして考えないかなぁ。たとえズルがバレずに成功したって、それで得るものなんて、失敗で失うものより全然大したことないのにな。

リスク管理とかよく聞くよね。何かをやるとき、それだけのリスクを負ってまでやる価値があるかどうか判断するってことだと思うけどさ、これほどの大企業でこの程度のリスク管理ができないのってどうかと思うよ。

そんで、国の方じゃこのタイミングでストレステストとか。より厳しい試験で安全を確保するのはいいことだと思うけど、そもそもストレステストとは何なのかとか、そのあたりから分かってないのにノリで言ってるっぽいのが怖いところ。

おいらもよく分かってないんで調べてみたらば、機械や建築物等に設計時の想定を超える負荷をかけて、耐久性をチェックするってことらしい。

機械や建物の設計には「安全率」というのが見込んである。「想定の●倍の負荷をかけても大丈夫」という数値をはじき出して(あるいは実物やスケールモデル、部品で実証的に出して)設計計算に使う、というもの。これ、モノによって法律で安全率の数値が決まってて、エレベーターの箱を吊るすワイヤーなんかだと安全率が10以上だったりする。想定の10倍の重さがかかってもワイヤーがちぎれないってこと。

重量制限がきつい航空機だと、安全率2〜3程度の部品やユニットが多いらしい。そのぶんは設計の精度を上げて、さらに整備を入念にやることにして対応する、と。無人ロケットの場合はもっと重量制限が厳しいし使い捨てだしってことで、安全率は大胆に1.4や1.2だったりもする。

けどやっぱし1.0ってのはないわけで。そこらは、設計時に把握できてなかった想定外の事象が発生することを考えてるわけ。

てことで、まともに作ってあるものなら、想定以下の負荷なら余裕でクリアできることになってる。そしてストレステストはそれを超える試験をする。てことは、「どの時点で壊れるか、どんな壊れ方をするか」を見るものだと思うんだ。破壊検査ですな。

原発が破壊されるまで意図的に負荷を加えるんかい? それってむしろ危険じゃないのかい? そのあたりどういう考えなのか、言い出しっぺから読めないのが怖いってことでひとつ。

んで九州電力の玄海原発は、ヤラセメール事件とストレステスト騒動のダブルパンチで完全に漂流状態になった感じですな。まー九州出身の元・復興担当大臣ががんばって事態を収束させでもすると、つい昨日失った信頼をなんぼか回復できるかもしんないね。がんばれー(棒読ry)

銘板
2011.7.7 木曜
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ウソツキ大盛り追加一丁

なんか世の中、ついこないだまで原発の再稼動に慎重だったと思いきや、猛暑の中での節電がキツいと見るや、いきなし「原発を早く再稼働させろ」ってな具合になってるね。ご都合主義ですなぁ。

周知のとおり昨年比の消費電力 15% 削減が目標でなく義務で、守れない企業はペナルティとかの強制措置が発動されてるわけでこうなってるんだよね。なんでそんな無理を強いられるかというと、「原発が止まってるから電力が足りないんです。大規模停電はあってはならないからこの措置に必ず従ってください」という主張。電力会社と政府がそう言って来てるわけでして。

……、

……、

……。

ウソじゃね?

この前もまったく同じ理屈を展開してたよね。東京電力が計画停電を強行したとき。

あのときは結局、東京電力が発表した電力供給能力は、揚水発電と「こんなこともあろうかと」とバックアップに用意してた火力発電を意図的に除いたもので、実際より小さく見せかけてたことが発覚しましたな。「原発が止まるとこういう困ったことになるんだぞ。あんたがたにとってこんなにもありがたい原発を叩くのはやめろ」「電力がなくなるとどうなるか考えてみろ。オレらはどうにでもできる立場なんだぞ」なんて感じの、示威や脅迫とも取れる行為だったわけで。

ついこないだウソついた舌の根も乾かぬうちに、同じ理屈で同じ主張を繰り返したら、そりゃ疑うに決まってるだろうに。それでうまく騙せてると思ってるのが不思議で不思議で。けどマスコミはまんまとこの口車に乗ってるみたいで、「今暑くてたまんないし、このままじゃ今度の冬にも電力危機が来るから」と原発再稼動に流れてる感じだね。憶測だけど、電力会社からスポンサー料を相当いただいてるんじゃないかと。電力会社ども、燃料を投下するのはそこじゃないよ。休止してる火力発電所だよw

まだ露骨にそうは言ってないけど、端的には「火力を使えばエネルギーコストがこれだけ跳ね上がる → 家計を現状維持したいなら、発電コストが安い原発を動かすしかないのです」をまた匂わしてるからなー。この理屈、既にかなり香ばしいのに。

とりあえず、「発電コストは火力が 11円/kWh、原発が 5円/kWh」の少なくとも原発のぶんの数字、ウソだから。そのことは前に書いてたわ。原発は隠しコストがあるからね。しかもこれから何十年かかるか分からん後処理(全国の原発での新たな防災対策、放射能汚染地の原状回復、事故被災者の救済、風評被害の補償、廃炉それぞれの電力会社負担分)を入れたら、それだけでもどう考えても火力の11円より高くなる。

つーか火力発電燃料の一種の重油、今は国内じゃダブつき気味で比較的安いはずだが。去年あんまし重油ばかり余るもんだから、コスモ石油が重油から軽油を精製するプラントを作って稼動させたほど。在庫処分に困るほどダブついてるってことですな。てことで未確認だけど、原油の国際相場は高騰してるみたいだけど、そのぶんは需要が旺盛なガソリンや軽油、灯油なんかの値上げで吸収してるはず。重油の場合、軽油転換の設備投資をしてさえ元が取れるほど国内相場が落ちてるはず。マスコミや政府、電力会社が言うほど火力発電の燃料代は高くはならんだろってこと。

火力発電のほかの燃料は、石炭と LNG(液化天然ガス)ですな。どっちも多くの場合、産地が原油とかぶらないんで、最近の原油相場の高騰とも特に関係がなさそう。これもエネルギーコストアップの理由として弱い。

てことでおいらの結論。根拠のない危機感を煽って世論を操作しようって動きがまた出てきてる。たぶん原発推進の人たちがまた裏工作してる。ここらへんの人たちが裏工作や世論誘導が大好きなのは、今回のヤラセメールの件でまたまたよく分かったし。

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七夕なのに野暮な話題に終始しちまった (^_^;)

そういや3月11日の夜は地上が真っ暗で、星空がものすごく綺麗だったっけなぁ……。

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2011.7.8 金曜
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ASTRO-G 終了のお知らせ

電波天文衛星 "ASTRO-G"、開発中止に決まったんだね。ミューゼスシリーズ2号機の系譜、1代でいきなり途切れてしまったか。(ため息)

ASTRO-G

読売新聞から

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電波天文衛星の開発中止へ…アンテナ精度不足で

宇宙航空研究開発機構は、超巨大ブラックホールなどを世界最高性能で観測する次世代電波天文衛星「アストロG」の開発を中止する方針を固めた。

宇宙で展開する大型アンテナの精度が想定より低いことが明らかになったためで、文部科学省宇宙開発委員会に近く報告し、正式に中止を決定する。アストロGの開発費は143億円で、2012年の打ち上げを目指していた。宇宙空間では直径9メートルの大型アンテナを展開。世界中の電波望遠鏡と連携し、地球の直径の3倍に相当する仮想的な超巨大電波望遠鏡として働かせる野心的なプロジェクトだった。

宇宙に打ち上げられればブラックホールや遠方の天体を米ハッブル宇宙望遠鏡の2000倍の精度で観測できると期待されていたが、アンテナの反射鏡の精度が想定に満たず、改良しても資金や計画期間が大幅に増えることが判明した。

(2011年7月6日03時04分 読売新聞)

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宇宙機って野心的なステップアップをやる前に、試験機を作って打ち上げることがよくあるんだわ。ただ、試験機でも唸るような血税が投入されてるから、工学的な試験だけするのはもったいない。てことでそれやるときは大抵は実用目的の機能も持たせて、その動作試験・運用試験もする。

例えば、一応「小惑星探査機」とされてる はやぶさ の本来の肩書きは「工学実験探査機 "MUSES-C"」。この機体の主目的は、小惑星サンプルリターン機器の宇宙環境での動作や航法理論の確認と、運用技術の修得。そのついでに小惑星に本当に飛んでいって、観測してサンプル採取をして地球に帰ってこさせよう、となった。てことで今建造中の はやぶさ2 こそが、小惑星探査&サンプルリターンが主目的の、本当の科学探査機なわけ。

ASTRO-G にも、その先駆けになった工学試験衛星があった。それが MUSES-B(和名「はるか」)。1997年2月打ち上げ。2005年11月運用終了。

はるか

はるか は素晴らしい衛星だった。主な目的は、「スペース VLBI」("VSOP" というナイスな名前でも呼ばれる)という新たな電波天文観測手段を成すための技術実証。さらに M-V ロケット初号機のペイロードだったんで、M-V の「乗り心地」を調べる役割も担ってた。すべての工学的目的を見事に達成して、その後どうしたか。設計寿命の3年を大幅に超える8年9カ月もの間、世界初の VSOP 天文衛星として科学的成果をガンガン挙げまくった。パーフェクトだったんですよ。

はるか の大成功を受けて、後釜にして初の、主目的が VSOP そのものの科学観測衛星 ASTRO-G が正式に動き出したのが2006年。けど開発が始まってしまってからの2009年に予算が停止。理由は、電波望遠鏡の最重要部分である「アンテナ鏡面が要求される精度に達しないという致命的な技術的課題が判明」(Wikipedia 記事より)ってことで。

開発チームは今までその問題の解決に全力で取り組んできたそうだけど、ついに断念の発表と相成ったわけで。

ASTRO-G の仕様って、大型ロケット H-IIA で打ち上げる前提で、質量で1.5倍に大型化されてたんだわ。はるか に比べて大幅な性能アップを狙って、そうなった。大型化は分かるとして、メカの仕様を知ったときにはちょっとビックリだったよ。

あとで問題になるパラボラアンテナが、旧宇宙開発事業団の技術試験衛星 きく8号のものの流用だと知って。せっかく はるか できちんと展開動作確認できて、VSOP としての性能も保証できたアンテナをやめて、ほかの衛星での他用途のものってのが意外で。ただこの時点で、きく8号のパラボラも宇宙空間で完全に展開に成功してたから(しかも2枚)、その意味での不安はなかった。選べる中でよりよいものがあるなら、それで選ぶのはよいことだ、とも思ってた。

んでどうも受信可能な周波数を はるか より10倍高めるのに、きく8号のパラボラじゃ精度を出せなくてだめだったってことらしい。

ここらへんよく分からんのだけど、周波数アップは数倍程度を落としどころにするってのはできんかったんだろうか。3倍なら赤く塗ればいいだけだし(←うそですよ)。あるいは はるか のブームマスト型のパラボラを改良する方向では行けなかったのかと。

はるか パラボラの改良は苦しいかな。衛星本体も きく8号ベースで行くことになってたみたいだし、はるか のパラボラは衛星に直付け、ASTRO-G のパラボラはアームで間接的に接合って形だから、単純な交換は無理かな。

つうか10倍も数倍も狙わなくても、ASTRO-G のこのままの性能がもし はるか と同程度だったとしたら、それだけでもやる意味あると思うんだ。VSOP は日本が はるか 1機でナンバーワンかつオンリーワンの地位を保ったままの状態なんで。そんで はるか はもう稼働してないから、同じ性能であっても新型に置き換える意味はあるわけで。

もし機体や部品、観測機器がかなりできあがってる状態なら、そのままで行ってみるわけにはいかんのかねぇ。

ていうかもしほとんどブツができてないなら、はるか をもう1回作って打ち上げるのでもいいと思うぞ。

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2011.7.9 土曜
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ASTRO-G 史を振り返ると見える気がする騒動

昨日の続き。

しかしなんてーか、この信じられないほどの見通しの甘さが ISAS らしくないなーって気がして。

外部の素人の考えだけど、専門家なら きく8号のパラボラアンテナの仕様を熟読すれば、それが VSOP-2 計画の要求性能を満たすものかどうかの判断はできたと思うんだ。そのままじゃダメなのはさすがに分かってて、改良案を盛り込んで、それがうまくいかなくて中止になってしまったってことみたいだけど、改良で行ける見込みを誤ったってことなのかな。それじゃそもそも、なんで きく8号ベースで行くことにしたのかってのが謎になるわけで。

きく8号のミッションは、地球上の通信を静止軌道経由で中継すること。パラボラアンテナは科学観測用途じゃなかった。通信と電波望遠鏡じゃ、同じパラボラアンテナでも要求精度が全然違うそうな。

地上のパラボラアンテナで比べてみる。通信用でたぶん最も条件が厳しいのは、深宇宙探査機との通信。探査機の低利得アンテナが放つ微弱な通信電波でも、背景に散らばる遠い天体から来る電波よりは飛び抜けて強い。そして電波望遠鏡は、まさにその背景の天体からの超微弱な電波を聞き分けなきゃいけない。それが要求精度の差になる。

結果論だけど、今になると、きく8号の通信用アンテナを電波望遠鏡の主鏡に流用するのはちょっと強引に思えるような。

VSOP-2 計画が動き出したのは2006年。JAXA 発足から3年。JAXA 以前は きく8号を開発してた旧宇宙開発事業団(NASDA。科学技術庁に直属)も、はるか を運用してた宇宙科学研究所(ISAS。文部省に直属)も、それぞれ独立の機関だった。省庁再編で文部省と科技庁が統合されて文部科学省になったのに合わせて、下部機関も統合の流れができた。それで JAXA が生まれた。組織規模の違いから、旧 NASDA が主、ISAS が従の立場になった。JAXA 内で実権を握る旧 NASDA 勢力は2006年当時、統合前は目の上のタンコブだった ISAS を "ONE JAXA" というステキっぽい標語のもとに、露骨にいじめてた。

その最たる例が、ISAS が開発・運用してきた M-V ロケットの強制廃止と、代替としてのイプシロンロケット(当時は単に「次期固体燃料ロケット」と呼ばれてた)開発のゴリ押し。しかもイプシロンの最初期の案は、あからさまにヘボかった。「何だこれは」とばかりに JAXA 内外から抗議を受けて、ようやくまともに使えそうな仕様とスペックに修正された。

イプシロンの基本仕様は、1段目に H-IIA ロケット(旧 NASDA が開発・運用)の固体燃料ブースターを流用、そこより上は M-V ロケットの上段を使うこと。接ぎ木ロケットですな。

接ぎ木ロケットのアイデアは過去に旧 NASDA で、J-I ロケットとして一度実現されてた。H-IIA の先代の H-II の固体燃料ブースターの上に、M-V の先代の M-3SII の上段を乗せる形で。そして1回打ち上げた結果、会計監査院から「高価すぎる」との評価を受けて廃止された。憶測だけど、それに不満を覚えた旧 NASDA 組の人たちが、ISAS から M-V を取り上げた上で J-I の復活を押し付けたのがイプシロンのような気がする。

M-V 廃止と次期固体燃料ロケット計画の発表があったのは2006年。VSOP-2 計画が動き出したのも2006年。

てことでまた憶測なんだけど、JAXA/ISAS として VSOP-2 衛星を作ることになりそうだと聞いて、旧 NASDA 組の M-V 潰し&次期固体ゴリ押しをした同じメンバーが同じ発想で、きく8号をねじ込んだっつう筋が考えられなくもない気がして。「この要求を呑むなら計画承認で便宜を図ってやる。もし呑まないなら……」的な脅し文句とともに。

無理があったといえば、メーカーもそう。きく8号の主担当企業は三菱電機。けど ISAS はずっと NEC と一緒に衛星を作ってきた。ここで きく8号を ISAS 衛星に仕立てるとすれば、担当者も企業文化もまったく変わることになるわけで、ISAS としてはそれだけやりにくくなるわけで。

衛星のサイズでメーカーを決めることがあるんかな。旧 NASDA と ISASじゃ衛星のサイズが何倍も違う。メーカーによって得意な衛星サイズが違うのかもな、と。けどそれも違うような。大型静止衛星規模の月探査機 かぐや は NEC 製だった。

なんかここらへんにも、ゴリ押しのニオイが感じられなくもないような。

完全に妄想で語ってしまったけど、なんか当時の JAXA の雰囲気だとあり得ないことでもないようなとか思ったりして。

今の JAXA の空気とか、JAXA 内での ISAS の立ち位置はどうなんだろ。

JAXA 発足時の2003年は、旧 NASDA は H-IIA 6号機の打ち上げ失敗に加えて、地球観測大型衛星 みどり II がわずか11カ月で死んでしまったという状況。ISAS の方はというと、火星探査機 のぞみ のトラブル対処で粘りに粘った挙げ句に運用を断念した年。はやぶさ が打ち上げられた年でもあったけど、はやぶさ は当時、のぞみ がそんな状態なのにあまりにもリスクが大きすぎる計画で、ほとんど誰も今の成功を信じてなかった(川口先生だけは信じてたと思う)。てことで双方ともあまりいい状態じゃなかった。

今は、旧 NASDA の領分である宇宙の実利用じゃ、国際宇宙ステーション関係がすべてうまくいってる。H-IIA ロケットの連続成功、日本人飛行士の活躍に軌道上実験室 きぼう の完成と運用、宇宙ステーション補給機 こうのとり と H-IIB ロケットの成功などなど。それに陸域観測衛星 だいち も長いこと大活躍したね。

ISAS の方は金星探査機「あかつき」が予断を許さない状況ではあるけど、はやぶさ は超巨大ブレイク、かぐや は完全成功(処理しきれてない観測データがまだ大量にあるらしい)、世界初のソーラーセイル実証機 IKAROS は所定の成果をノートラブルで挙げきって、今はボーナスミッションを遂行中。どっちの組織も華々しい成果を挙げてるいい時代って感じ。

最近の JAXA は信頼の回復とともに一般社会での人気も出てきたってことで、「組織の論理」「権力と政治の力学」的なヘンテコな行動はこれからは慎んでいただきたいですなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

スペースシャトル・アトランティス、打ち上げ成功しましたな。「最後のシャトル」というとなんだか歌謡曲っぽい風情があるなw しかしほんと最後なんだなぁ。シャトルが前宣伝通りの「安くて便利で安全な、宇宙が近くなる乗り物」だったなら、まだまだ現役でいられたろうに。実際はそうはならなかったね。引退が決まった直接のきっかけは、コロンビア号の事故だったし。結局、今から25年前のチャレンジャー号の事故と合わせて、(NASA ではなく)米政府が本質的な危険性と不採算性を認識したってことだったかと。

とはいえシャトルじゃなきゃできないことも多くあった。7人もの乗組員と20トン超の貨物を一緒に衛星軌道に打てるなんて空前絶後だよ。それ自体が簡易的な宇宙ステーションとして機能できた。この能力を活かした宇宙実験じゃ、日本もずいぶんお世話になったよな。

日本で初めてシャトルに実験機器を載せてもらったとき、不具合でうまく動かなかったんだそうな。原因は、機器の中でナットが外れて浮遊して、回路がショートしてしまったことだったそうで。原因をはっきり特定できたのは、機器を回収できたから。シャトルならではだね。

そのとき日本の技術者は、NASA の技術者に「有名な日本のテクノロジーはその程度かよ」とでもコケにされるかと思ってたらしい。けど実際は、「宇宙じゃそんなこともあるよね」と慰められたそうな。その分野の草分けの苦労を知る人の言葉ですなぁ。

再突入機能を持たない日本の無人実験衛星 SFU を、シャトルに乗った若田さんが回収して地上に持ち帰ったこともあったよ。

国際宇宙ステーション日本実験棟 きぼう には国産のロボットアームが付いてるよね。この試作品の動作試験はシャトルでやったよ。

そういうことがもうできなくなっちまうんですなぁ。

あと、効率のいい液体水素エンジンと強力な固体燃料ブースターの組み合わせは、性格が反対同士の燃料が互いの長所で短所を補い合うナイスな発想だと思う。再利用型往復宇宙船の後継はついにモノにならなかったけど、この基本構成は日欧の大型ロケットにそのまま受け継がれた。かつて「双子のロケット」と呼ばれたヨーロッパのアリアン V と日本の H-II シリーズは、両方とも賞賛されつつ活躍中だよ。そのオリジナルとして、スペースシャトルに敬意の念を覚えますですよ。

さてスペースシャトル最後のフライト、ミッションの完遂と無事の帰還を祈ってますですよ。

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2011.7.10 日曜
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【1日】シンクロ【1年】

日射と気温の追従というのをふと考えた。

1年で日照時間が一番長い日が夏至ですな。6月22〜23日あたり。で一番暑い月は8月ですな。この日射量に対する気温変動の遅れ、1日のサイクルでも同じ割合なんじゃないかって気がして。単位土地面積が受ける日射量が一番強いのは正午。んで一番暑いのが14時〜15時、と昔、理科で習った気がするけど、最近は16時にピークが来てるらしい。

ちょっと計算して比べてみよう。

1年で一番暑いのは8月前半あたりだとすると、夏至からの位相の遅れは1.5カ月。1日24時間での位相の遅れに置き換えると3時間。15時ですな。ぴったりじゃん。

1年間で8月後半が一番暑いんだとすると、位相の遅れは2カ月。24時間に置き換えると、正午から4時間後の16時。

四半世紀も前だと14時〜15時が1日の気温のピークのはずだったのが、最近の電力需給のアレの発表で16時になってるよね。このズレはどこから来てるのかと。これ、都市内でのエネルギー消費が気温を上げてるぶんが効いてきてるのかもしんない。とりあえずその線で考えと、本来の気温ピークの14〜15時に合わせてエアコン需要も激増して、1時間遅れで「日射+電力消費」合計のピークが来るのかなぁと。ヒートアイランド現象が起きればこうなるのかなぁと。

んで1日の気温変動と1年の気温変動が本当に連動してるもんだとすると、夏場に毎日のようにヒートアイランド現象を繰り返すと、1年での気温のピークも後ろにずれて、しかも激化するんじゃないかと。

1日の場合だともともと2〜3時間遅れだったのが4時間遅れになるってことは、1年の場合だとピークは8月後半から9月初めあたり。そして過去の時代よりもあっつくなる、と。

去年の夏も暑かったよね。もうこのまま夏のまんまなんじゃないかと思うほど、秋が来るのが遅かった。気温をチェックしてるわけじゃないから定性論止まりだけど、そういうことなんじゃないかって気がして。

今年の夏は節電の夏とはいえ、目標値でせいぜい 15% OFF 程度。電気以外のエネルギー消費は特に制限されてないんで、電力会社の発電量の落ち込み分は別のエネルギーで埋め合わせる形で、結局はヒートアイランド現象はろくに緩和されないってことなのかもしんないね。

ヒートアイランドが緩くなれば、それだけエアコンをぶん回さなくて済むから、どんどん消費電力が減る好循環が発生するはずなんだけど、そう都合よくは行かないもんかもなぁ。

つか去年までは首都圏の場合、原発ががんばって電力需要に応えてたわけだ。ご存知のとおり東京電力の原発は多くが関東圏外にある。新潟と福島だね。原発の発電効率は 30% 台だそうな。原子炉から出る熱エネルギーのうち、3x% が電力になって東京電力エリアに流れていく。残り 6x% の熱は廃熱として、新潟なり福島なりの空気や海に放出されてきた。首都圏は、原発の廃熱によるヒートアイランド現象を免れてきてたってわけ。

ところが今年の夏は東京電力の原発が止まってる。節電の要請とともに、今まで止めてた火力発電所を復活させてますな。東京電力の火力発電所は恐らく、その多くが関東圏内にあるはず。火力発電の効率は、20年前のタイプで 40% 台。燃料を燃やした熱のうち 60% 台が、関東の空気や海をただ温める。こりゃ節電でのヒートアイランド緩和より、火力の復活でのヒートアイランド激化の方が影響が大きいんじゃないかって気がしてきたよ。

ただ、今年の夏が暑いのは、もっと大きい変動の影響かもしんない。そこらへん関係ないはずのうちの地元・八戸でさえ猛暑なもんで。

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新聞とかを見てると、電力不足の話題は東京電力管内のことばっかだね。そりゃ関東が電力不足なのは事実だから理解できるけどさ、その勢いで今日の日記も関東の話になってしまったけどさ、東北電力管内の方が電力不足が深刻だってのは、マスコミの中の人たちは誰も気にしないのかよ。まず女川原発と東通原発が止まってますわな。加えて宮城・福島両県のでっかい火力発電所が軒並み津波直撃でいまだに止まりっぱなしなんだもん、そりゃそうなるわ。

うちの地元の八戸火力発電所が踏ん張ってはいるけど(ここも津波をかぶって止まったけど、比較的短期間で復活した)、もともと発電能力が小さいんで全然足りない。今は25万kW が1基で、急遽倍増させることになったらしい。でも新しい発電機が稼働するのは来年。できればコンバインドガスタービンで高効率を狙ってほしいなーとか思ってるけど、なるはやで作るんならコンバインドは複雑なんできついかなと。

つか「火力だと燃料代が高くつく」というなら、これから作る火力は全部コンバインドガスタービンにすりゃいいと思うが。稼動まで時間かかりそうだけど、長い目で見ると燃料代が2〜3割も安くなるぞ。

そういや「コンバインドガスタービン」の「ガス」って燃料が天然ガスだからだと思ってたら、燃焼ガスのことなんじゃないかって気がしてる。それだったら重油でもいけますわな。実際はどうなんだろ。

さらにそういえば、タイ国から貸していただいた火力発電設備はほんとありがたいなぁ。どこに設置されるんだろ。

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2011.7.11 月曜
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最近のバイオロジカルなギモン

恐竜って脱皮したんだろうか。

爬虫類なんなら脱皮しただろうなーってことになるだけど、とりあえず恐竜の脱皮なんて聞いたことないしさ。

爬虫類ではあるけど鳥類の先祖でもあるわけで、鳥は脱皮しないよなぁ。あんな羽毛だらけで脱皮なんかしにくいよなぁ。

最近、恐竜は実は裸じゃなくて、羽毛がけっこうその頃から生えてたとかって説もあるみたいだし。飛ぶためじゃなく、体温を保つためだったらしい。そうなると脱皮しなかったってことになるかな。

いろいろいた恐竜が全部鳥になったわけじゃなく、ごく一部、もしかしたらたったの1種だけが鳥になったのかも。したら恐竜みんながみんな羽毛を持ってたとも限らないわけで、種や時代によって脱皮したりしなかったりだったのかもなー。

しかし羽毛とか哺乳類の毛ってさ、進化の過程でのすごい発明だよなー。まー昆虫にも短い毛があるのがいるし、毛虫なんかめっさ毛むくじゃらだしな。植物でもキウイなんかゴワゴワだしな。毛という発想は生物界じゃ意外と一般的なのかな。

しかしその中でも羽毛って違うよなぁ。あたかもシダ植物か何かの枝と葉っぱをモチーフにしたかのような仕上がり。ほかの動物じゃ見当たらんよね。

さまざまな生物の器官で、働きがほぼ同じだけど起源が違うのを生物学用語で「相似」というそうな。哺乳類の体毛と鳥類の羽毛は、当初の保温目的じゃ相似ですな。けど鳥は前足に大きく生やすことで翼を得て、空を飛び始めましたな。哺乳類だと体毛は翼を作り得なくて、コウモリは翼竜みたいに体の膜を翼にしましたな。てことで、翼竜の翼とコウモリの翼も相似らしい。こういうのって探してみると面白いね。

イルカやクジラはもともとゾウみたいな陸上の哺乳類だったのに、水中に特化したら魚類みたいな体になった。けど哺乳類のまんまなんで、尾びれを縦に振りますな(魚類や両生類、爬虫類は横向き)。エラが復活することはなくて、肺呼吸で固定。んー、哺乳類の胎児はある時期、魚に似ててエラまで生えるときがあるそうで、だったらエラを作る遺伝子はまだ残ってるってこと。そのスイッチさえ入れば、哺乳類を経てからでもエラが復活しそうなものなのに、イルカやクジラじゃついにエラ発生スイッチが再起動に至らなかった。いったん切れるともう二度と復活の目はないのかねぇ。肺呼吸のまんまでも何の問題もないってことですなぁ。

あるいは、もしかしてそこらへんの生き物が環境変化で是非エラが必要になった場合、昔のエラの遺伝子を全く使わずに、エラと相似な器官を新たに発生させちゃった方が早いってことなんだろうか。

こうゆーの考え出すと止まんないですよ。

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2011.7.12 火曜
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恐鳥類

比較的最近知った生物種。

恐鳥類」って何なんだこいつらw

恐鳥1
恐鳥2

がめさせていただいた2枚の画像(すみません)を見るに、1枚目はいかにも凶悪そうな目つきがステキw そこらへんは絵師様の演出でどうにでもなるねってのが、2枚目のカワイイ顔立ちの絵で分かってしまったり。しかしバランス悪い姿形に見えちゃうなぁ。前足や翼に当たるものがほとんどないってのはどーも。

Wikipedia 記事から受け売らせてもらうと、恐竜絶滅直後に肉食恐竜の地位につく形でのしてきた肉食の連中らしい。いったんは鳥類として飛翔能力を得るも、地上に戻ってきたらしい。鳥が飛ぶには厳しい重量制限をクリアしなきゃなんないんで、必然的に体は小さくなるね。飛ぶことをやめた恐鳥類はその縛りが外れたらしく、かつての恐竜のように大型化が進んだ、と。んで孤立してた南米大陸で最強の座をほしいままにしてた。

けどあるとき、今現在「パナマ地峡」と呼ばれてるところで北米大陸と陸続きになってしまったら、侵入してきたネコ科やイヌ科の哺乳類と生存競争をする羽目になって、ついに絶滅してしまった、ということらしい。

肉食哺乳類は四つ足で機動力があるし、牙のほかに、特にネコ科なら鋭い爪もある。対して恐鳥類の主力武器はくちばしのみ。足にごっつい爪はあったろうけど、きっとそれも狩りに使ったろうけど、2本足だから片足の爪を武器に使うと体が安定しませんな。エサ取り競争で不利かも。それとも直接対決で、同じ理由で完敗してしまったか。ネコは鶏肉が好きだしな。

こんなのにもし出くわすとかなり怖いけど、ちょっと哀しい歴史を持つ生き物ですな。素直に鳥のまま空を飛んでればよかったのに。ていうか空は空でもうほかの鳥たちですでに飽和してて、負けたから地上に戻ったらちょうどいい空席があってよかったーって感じだったのかも。けどこの独占市場に外から参入してきた競合他社は百戦錬磨で、鍛え方が違ってた。そしていいようにやられてあえなく倒産、と。

んー、いったん陸に上がってから海に再デビューしたクジラやイルカみたいな、イメチェンで大ブレイクというわけにはいきませんでしたか。

ダチョウはなんでまたアフリカなんつう、肉食草食オールスター勢ぞろいの激戦区で繁栄できたんだろ。特に凶暴でもなさそうだが。逃げ足の速さかな(それ言ったら人類の祖先も相当な弱さだったらしいが)。

銘板左端銘板銘板右端

映画『紀元前1万年』(2008年)を封切りで観たとき、恐鳥っぽいのが出てた。あのときは何だかよく分からんくて、恐竜→鳥の中間の生き物を勝手に想像した生き物だと思ってたな。てか1万2000年前は恐鳥はとっくに絶滅後だったと思うぞw その恐鳥が最後まで生き残ってたのは南米大陸らしいけど、エジプト風のピラミッドが出てきやがるし。わけ分かんない映画だったww

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2011.7.13 水曜
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肺とエラと浮き袋

昨日の話の勢いで、なんとなく魚の浮き袋の進化史を Wikipedia で調べてみたんだわ(恐鳥と全然関係なし)。そしたら知ってたつもりだったのが違ってたらしいことが判明して。

おいらが受け売りで知ってたストーリーは、

てな感じ。ダーウィン以来、いろいろ改良されながらも大筋その線で信じられてきてたみたいだけど、前世紀の終わり頃にひっくり返ったらしい。そこで語られてる最新の説は、

Wikipedia 情報なんでどこまでほんとかよく分からんけど、つまりは魚類の呼吸器に関する重要な進化はみんな淡水環境でなされたって話でして。にわかには信じられないお話な感じ。どう考えても陸地の川や沼なんかより海の方がはるかにでっかいから、そんだけ圧倒的に多くの魚類が競争だの共生だのしながら生きてるわけでさ、生態系もそんだけ複雑なわけでさ、そのほうが進化しやすい気がするんだわ。

「広い環境のほうが進化が速い」っつう前提が間違ってそうだな。

海と川でのそのあたりの違いといえば、川の方が環境変化が激しそうってことかな。それで淡水魚は鍛えられたというか、めまぐるしい進化を強いられたのかもね。となると生物進化を促す要素って、弱肉強食の生存競争はサブ的なもので、メインは物理学的・地学的な環境変化への適応ってことなのかな。

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2011.7.14 木曜
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読み込み信号機

JavaScript でちょいとある装置を開発する必要に迫られますて、意外とすぐにできますた。

信号機なんだけどさ。

iframe でページを読み込んでるときのステイタスを表すやつ。読み込み中が赤信号、読み込みが終わると緑信号、と。サンプルコードを検索して探したらいろいろ見つかってラクだったわ。教えてくださったウェブマスターの皆様、ありがとうございました。

てことでメカ的な部分は何も問題なく作れたんで、おいらのやつでこだわったのは信号機のデザインだったわw それっぽく見えて、見やすくて、それを文字と文字色と背景色で作る、というので。簡単な画像を作ってもよかったけど、文字だけで作った方がなにかとツブシが聞くと思ってさ。実際、見やすい色合いの調整で何度も試し打ちする必要があって、文字だけなんでソースいじるのラクだったですよ。

それがどうしたと言われちゃそれまでなんだけど、珍しく完全成功で達成感あったんで。

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2011.7.15 金曜
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直列1系統

福島第一原発の汚染水浄化システムってさ、なんで1系統しかないんだろ。

急いで作り上げたものですな。日米仏の企業からパーツを寄せ集めましたな。これだけで、そうはうまく動かないだろうってのは作る前からわかってたと思うが。しかも各パーツが直列に配置されてる。てことは、どれかひとつが止まるとみんな止まる。原理的にそういうこと。

で、急いだからというのもあるんだろうけど、1系統しかない。だから何かあるごとにすぐに全部停止。

主にフランス製の部分が設計通りに動作してないらしい。だったらそこだけでも並列に2つ用意して(冗長系ですな)、交互に使ってメンテナンスを挟み込んだりできそうなもんだが。

2つ用意するとなると、別会社のモノ同士で比べることもできそうだし。もうコストうんぬん言ってられる状況じゃないし。なんで冗長系を組まないのかよく分からんなぁ。

フランスやアメリカがいくらそのあたりの先進国だからっても、ここまで大量の汚染水を浄化するなんてのは恐らく初体験でしょ。てことはどこの技術だってほとんど初物だから、使い物にならないものもあるかも。もしかしたら今から国内で開発した方がいいモノができるかも(試運転環境がすぐそこにあるしな)。

邪推かもしんないけど、「汚染水浄化システムが直列1系統のみ」という本質的に脆い現状を見るに、東京電力ってあんまし真面目にやる気がないように思えて。あるいは、この程度の技術の常識が分かる人が運営に入ってないか。

つーかさ、放射性物質はゼオライトという多孔質の鉱物で濾過することになってるわけで、運転し続ければ、放射性物質を多量に含んだゼオライトが続々と産出されるわけ。当たり前だけど、放射性物質を水から濾し取るだけで、消滅させるわけじゃないんで。んでその「放射性ゼオライト」の処分はどうするのか、現実的な処分方法が今あるのかないのかさえまったく耳に入ってこないんだが。単においらが知らないだけでありますように。

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2011.7.16 土曜
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殺し合いの螺旋から降りるきっかけ

今さ、全国的かどうか知らないけど、とりあえず本州の東側は節電ブームなわけで。

人口とメディアの集中度の関係で東京ばかり話題にあがるけど、東北の電力事情の方がさらに逼迫してるわけで。

てことで、いろんなお店じゃ「節電に協力するため」なんて張り紙を出して、エアコンをかけなかったり照明を減らしたりしとりますわな。

実は各店舗の社長さんや旦那さんたち、「経費節減のいい口実ができた」とばかりにほくそ笑んでるんじゃないかって気がして。別に悪いことじゃないから、口実だろうが何だろうが、そのまま続けてくれて大いに結構だけど。

商売は競争。客商売は人気競争。夏場にあっちの店がガンガン涼しくしてるとなれば、こっちも涼しくしなきゃなんない。あっちが昼夜を問わずビカビカ光らせてるんなら、こっちはもっとビカビカにしなきゃなんない。そうやって張り合ううちに、小売り商売はいつのまにか電力消費競争の様相を呈してきてたよね。

古めの巨大商用ビルなんかだとエアコンが旧型で効率が悪かったりして、夏場は冷房の電気代がとんでもなくかかったりするらしい。それでもライバル店が涼しくしてりゃ客を取られちまうってなわけで、無駄と言われようがなんだろうが、来る日も来る日もエアコン大全開で売り場全域冷蔵庫状態で、電力をただただ使ってきた。去年の夏までは。

エアコンってヒートポンプなわけで、室内の熱を汲み出して外気中に捨てるんですよ。んで汲み上げた端から、出入り口から暑い外気がまた入ってきて、その熱をまた汲み上げて外気中に捨てて……という、なんだか賽の河原の石積みみたいな業の深い行いなわけです。

だからほんとは、断熱と密閉をしっかりやってりゃそんなに冷房代=電力消費はかかんないはずなんだわ。バブル崩壊後の経費節減の時代に建った最近のビルは、恐らくはじめっからそういうケチケチ仕様になってるはずなんだわ。あと、窓に赤外線反射シートを貼ったり自動ドアがけっこうすぐ閉まるようにしたりすると、さらに節電効果が出るね。

てことで、そういうとこなら売り場をまともに冷やしても大丈夫な気がする。特に土日は普通の会社が休んでて電力供給に余裕があるから、そういう小売店は変に遠慮しないで冷やしてもいいと思うんだ。でも世の中「節電=正義」のイメージになっちまったから、室内を冷やすのはとにかく反社会的行為だと決めつける節電厨っていそうだしな。そのうえで電気代をケチって暑くしても大義名分が立っちゃうんだもん、そりゃエアコン弱めますわな。照明も落としてるわけで、そのぶん発熱量が下がってるからますますエアコンを回さなくてよくなるっつう合理性もあったりしてね。

あと闇雲に節電すりゃともかくいいんだって雰囲気でもあるから、環境意識や社会意識の高い従業員がここぞとばかりに「すぐできる節電案」とか出したりもしてるだろうし。そりゃ構わないんだけど、根性出すようなものなら長続きしないのは目に見えてるし、電気はきちんと使うぶんは使わないと、電力会社の売り上げが落ちてしまうしな。

電力会社ばかり是非に儲けさせようと世の中ががんばることもないけど、東京電力の場合、迷惑かけてる土地や人々への莫大な補償金を気前よく払ってほしいんで、その前に潰れられるのは都合が悪いというか。ぶっちゃけあの会社はこれからは、利潤の追求よりも罪を償うのが第一目的の存在になっていただきたいんだけど、死んじまったら元も子もないというか、「逃げられておしまい」っつう腹立たしいことになっちゃうんで。

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ソース忘れたヨタ話で申し訳ないけど、確か何年か前に東京の地下鉄で車両を更新して省電力型にしたら、列車が路線のトンネルや駅構内に出す発熱量が下がって、駅や車両内のエアコンの効きがよくなって、ますます節電効果が上がったとか。冷房すると排熱が何かと正のフィードバックを起こすから処理が難しいけど、大もとの発熱(消費電力)をちょいと抑えれば全体に効果が波及して、ますます効率が良くなるんだね。正のフィードバックならでは。ここが知恵の絞りどころですなぁ。

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これまたヨタ話。そういえばどっかの工場で、用地を掘り込んで「地下工場」にしたところってのが震災後に新聞に出てたな。地下って外壁に触れてるのが空気じゃなくて土なわけで、1年を通して快適な温度なもんで、これで夏場も冬場も冷暖房費をガッツリ浮かせられるんだとか。考えたなー。

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2011.7.17 日曜
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ケータイカメラが読む暗号は縦書きブストロフェドン

最近ちょいと QR コードのことを調べててさ。生成するプログラムを自作できないもんかと。

2年前にそういう野望を持ったことがあって JIS 規格の X 0510 文書を勉強したけど、思いのほか複雑で挫折したんだわ。もっと前にやった1次元のバーコードの規格が簡単だったからなめてかかっとったよ。

最近また QR コード熱が勝手に再来して、再び規格文書を読んでみた。前はほんと大ざっぱにかつ部分的に読んだ段階だけでだめだったんだなぁ。全体の流れを理解する前に、はじめのあたりでいきなり細かいこといっぱい出してくるもんだから、それで心が折れちまって。

今回は流れを掴むとこまでいけた。それで初めて知ったんだわ。QR コードの配列って「縦書きブストロフェドン」だったんだなーと。てっきり普通の文書と同じく、左上から始まって右に進んで、改行したらまた左から右へ、とコードが並んでいくもんだと思ってたら、全然違ってた。

スタートはなんと右下隅。そこから上に向かって記述していく。上端にぶつかったら、そこから1行ぶん左側に折り返して下向きに進む。下端にぶつかると今度はその左隣から上に向かう、という驚異の記述法で。まったく予想だにしてなかったわ。考古学の古文書の解析だと、牛で畑を耕すルートに似てるんで「牛耕式(ブストロフェドン)」と呼ばれる方式だそうで。Wikpedia だとイースター島のコハウ・ロンゴロンゴと古典ギリシア語が出てるけど、どれも左右方向。縦書きの実例ってあるのかねぇ。なくても何も悪くはないけど、QR コードのこれは発想がかなりぶっ飛んでるというか。

この規格を作ったのはデンソーウェーブ。日本の会社ってことで、横書きにこだわらない発想があったのかもしんない。しかし、下から始めるのとブストロフェドンはほんと意外だったわ。

銘板左端銘板銘板右端

英語版の Wikipedia 記事だと、エジプトのヒエログリフもブストロフェドンだったそうな。

古代の文書のブストロフェドンなんて何のいいことがあるんかいな、普通の改行形式の方が便利なのに、と現代人的感覚で今まで思ってきた。けど今気付いた。その文を読んでて、視線が改行したときに行がずれないっつうメリットがあるね。行が長い文章だと、けっこう同じ行を読んでしまったリ1行飛ばしてしまったりって、きっとおいらだけじゃないと思う。

QR コードも画像から白黒の暗号を読むんで、改行でのそういうエラーを減らすのにこの方法を採ったのかもね。

それでも「縦書き」「下からスタート」の謎は解けないわけだけど。

銘板
2011.7.18 月曜
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まさかの優勝

なでしこジャパン優勝キタ━━━━(・∀・)━━━━━!!

おめでとーございまーす!!

つうかおいら調子よく浮かれてたりするけど、恥ずかしながらもともとサッカーに詳しくないし、女子は勝ち目なさそうな気がしてて注目してなかった(ときどきスポーツ記事の写真を見て、体格差が絶望的に思えたというのもあって)。決勝進出の報を聞くまでノーマークだったですよ。ほんと失礼しました。すみませんでした。

そんで決勝進出と聞いたときは「ここまで来たらもう充分だよ。もちろん勝ったら嬉しいけど、負けても何も文句はない」とか勝手に燃え尽きてた。本人たちは「銀メダル以上は確定」なんてもので全然満足してなかったわけで、最高の栄誉を見事にもぎり取ってきましたなぁ。こんなすごいことないよ。

来年のオリンピックの準備もあるだろうけど、今は無事に帰国して、しばらくゆっくりしてつかぁさい。現場組だけじゃなく運営の方々も、なでしこジャパンの皆様、ほんとお疲れさまでした。大成果をありがとう。日本がこんなにつらいときなんで、ことさらに嬉しい驚きでした。

銘板
2011.7.19 火曜
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第3次接近遭遇か?

先月28日、ロイター配信ですげーニュースが出たよ。

人類は20年以内に地球外文明と遭遇へ=ロシア研究者

2011年 06月 28日 14:06 JST

[モスクワ 27日 ロイター] ロシア科学アカデミー応用天文学研究所のアンドレイ・フィンケルシュタイン所長は27日、人類が今後20年以内に地球外文明と遭遇するとの見通しを示した。インタファックス通信が伝えた。

所長は地球外生物をテーマにした国際フォーラムで講演し、「地球以外の星に生命は存在しており、人類は今後20年以内にそれを発見するだろう」と明言。地球に似た環境の惑星はあるとし、そうした惑星に水があることが確認できればそこに生命も存在しうると述べた。

所長は「異星人」について、人間と同様に1つの頭、手足2本ずつを持つ可能性が高いとし、「皮膚の色が人類と異なるかもしれないが、人類でもすでに皮膚の色には違いがある」と語った。

同研究所では、冷戦期の宇宙開発競争の一環として1960年代に開始されたプログラムを現在も継続中。宇宙に向けて電波を発信し、地球外から送られた電波を受信しようとしている。

所長は「地球外文明の発見に取り組んでいる時間は主に、地球外からメッセージが送られてくるのを待つことに費やしている」と述べた。

毎日そういう作業をやりすぎて、単にそんな気がしてきたってだけなのかもしんないけどさ、明言しちゃってるわけですよ。「人類は今後20年以内にそれを発見するだろう」と。

続く「地球に似た環境の惑星はある」「そうした惑星に水があることが確認できればそこに生命も存在しうる」で常識的な線に戻してきたけど(グリーゼ581星系が最近それで注目されてますな)、「20年以内に」と年限を切ってきた根拠が謎なわけで、フィンケルシュタイン所長はそれを言えるだけの未公開情報を持ってる、と考えられなくもないわけで。

異星人の姿についてはかなり具体的に、人類と似てる可能性が高い、としてるね。まぁおいらたちは地球の場合しか実例を知らないから、そう考えるのは自然なわけで。けどここで深読みすると、所長は既にその異星人を具体的に知ってて接触済み、と取れたりもして。ヤバいこれ面白くなってきたw てことでその事実を公表するにあたって、いきなりじゃ世界中が混乱するってんで20年計画が策定されてて(ロシア単独か国際的なものかは謎)、その第一歩が今回の発表だとかさww

矢追さーん出番ですよー!

最近の NASA の手口を見習って、世間の注目を集めて予算を獲得すべく大ボラぶっ放してる可能性もなくはないけどさ (^o^;)

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おととしの映画でおいら的に最恐だった『フォース・カインド』、このタイトルを邦訳すると「第4次接近遭遇」らしい。まーそんな感じで恐ろしい内容だったですよ。異星人と会うのはこれが怖いのよ。向こうから見て、人類を同等の相手として尊重してくれるとは限らんもんで。尊重という概念さえあるのかないのか、あったとしても人類的な尊重の概念と一致するのかしないのかも、その時点からして不明なわけで。

去年、ホーキング博士が「宇宙人との接触は危険」との発言をしたね(記事)。それもまたそれで正しいと思われ。『フォース・カインド』にほだされたわけじゃないけど、人類の道徳観は人類の精神性から来てるわけで。その精神性とは、人類の脳や体の構造や進化の過程とは無関係ではないわけで。てことは、人類とはまったく無関係に発展してきた宇宙人に、同じ常識や人情や道徳はあんまし期待できないわけ。あるいは人類が何の気なしにすることでも、向こうさんたちにとっては理解を超えた非常識かも。

『フォース・カインド』は商業映画だから別としても、ホーキング博士の人間原理からの転身とその発言内容。そして今回のロシアの博士の妙に具体的な発表。そういう未来を暗示してる感じがちょっとしないでもないような……。ここらへんの科学者たちが遠回しに、世界の人々に心の準備を促してるんだったりして。だとしたら興味としてちょっと面白いかなとw

いくつかの事象を、自分の都合のいいように選んでつなぎ合わせてそれっぽく見せてるってだけですがね。ええ。

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「興味としてちょっと面白いかな」なんてそういう他人事な反応ってさ、自分で言うのもなんだけど、しょうがないじゃんとも思う。いざそれが起きるまでは実感がなくてさ、心の準備も何もなくてさ、起きてもしばらくは現実として全部は受け入れられなかったり。東日本大震災のとき、まさにおいらはそうだった。しばらくほげーっと思考停止してしまいそう。

銘板
2011.7.20 水曜
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放射線防護服のヒミツかもしんないこと

ちょっとした希望的妄想を語る日。

プルトニウム239の原子が崩壊するときはアルファ崩壊だそうで、アルファ線が出るね。福島第一原発事故で一躍知名度が上がった放射性物質のヨウ素131とセシウム137、この2つはベータ崩壊をするらしい。てことはそのときベータ線が出る。

アルファ線は大気中を何 cm か飛んだだけで消滅するんで、ちょいと離れてれば問題ない。ベータ線は何 m かは飛ぶけど、問題ないところまで離れるのに不可能な距離ではない。けどこれは外部被曝の話。体内に取り込んでしまった場合の内部被曝だと、飛距離が何 cm ぽっちだろうが、摂取量によっては致命的だったりする。

また外部被曝の話に戻る。アルファ線は実は紙1枚程度で遮蔽できたりもするらしい。「透過力が弱い」というやつで。ベータ線にしても、厚さ何 mm かのアルミ版で OK らしい。たぶん、アルファ線の正体がヘリウムの原子核とゆーほとんど原子そのもの、ベータ線の正体が電子とゆー粒子そのものってことで、一応の実体があるからどうにかなるってことなんじゃないかと。

問題はガンマ線。これって純粋な電磁波なわけで、しかも X 線に近い性質なもんだから、物質を簡単に透過してしまう。遮蔽しにくいわけ。昔聞いた話だと、厚さ 1m 以上の鉛の壁じゃないと完全遮蔽できないとか(この数字はちょいと自信ない)。

ガンマ線ってどういうときに出るのかなと思ったら、Wikipedia「放射性崩壊」での記述によると、「それぞれの崩壊を終えた直後の原子核には過剰なエネルギーが残存するため、電磁波(ガンマ線)を放つことにより安定化をしようとする反応」だそうで。アルファやベータの崩壊があるたび、いちいちガンマ線も出ると考えた方がよさそう。だとしたら厄介きわまりない敵ですな。

福島第一原発の現場での放射線防護服ってさ、この対策で鉛の板があちこちに仕込んであるんだそうで。けど厚さはたぶん 1cm とかその程度かと思う。それで防げる放射線量は 13% 程度で、それでもだいぶ助かるみたいなことが新聞に出てた(記憶に頼ってるんでこの数字は怪しいかも。とりあえず今回は「13%」で行かせていただきますです)。具体的には、放射線計のブザーが鳴るまでの時間を少し稼げるってことで。安全地帯からの往復の手間を考えると、13% ってのはやっぱし実効的なんだとも思う。

でさ、もしかしてこの防護服、予想より効いてるんじゃないかと思って。

ヨウ素131やらセシウム137やらプルトニウム239ってアルファ線とベータ線を出すわけで、それならこの防護服の装甲でほぼ完全に守れるわけで。となると「13% しか防げない」のは専らガンマ線に関してのことなんじゃないかと。

作業員が携帯してる放射線計って、防護服の外側に着用するんだそうな。その積算量をもとにその作業員の被曝量を計算するんだそうで。放射線計ってアルファ線かベータ線かガンマ線かの区別なく積算するみたいなんで、ガンマ線を 13% 遮るのを勘案して長めに作業したとしても、アルファ線とベータ線をほぼ完全に防げるぶん、人体への実際の被曝量は低めになってるんじゃないかと思って。

そうなってくれてるといいなぁと思って。

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2011.7.21 木曜
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HOPE と X-37

前からちょっと気になってた宇宙機があって。それは NASA の実験機 "X-37"(記事)。NASA の、というより米空軍のものみたいだね。

軍事用ってことでどんなミッションをやってるのか不明だけど、これさ、1980〜90年代に日本で研究してた "HOPE" 計画に似てるなーと思って。

X-37HOPE

画像は左が X-37。右が HOPE。

どっちもロケットの先端に乗せて飛ばすタイプの有翼無人往還機ですな。かたやフライト成功で実用化(X-37)、かたや計画凍結(HOPE)。うーん、軍事ミッションじゃないと需要なかったんかなー。

HOPE の開発で問題になったのは、宇宙と航空っつう異なる技術同士の折り合わせが大変だったことらしい。本家のスペースシャトルもそこで苦労したみたいだしなぁ。特に、打ち上げ時の全体の格好がウインドシアーという高空での横風現象に弱い形で、そこをうまく克服できなかったらしい(尾翼が前にのみついてる状態だもん、そりゃ不安定だわな)。

X-37 はそれを、「機体の主翼・尾翼を小さめにして丸ごとフェアリングで包む」という荒技で乗り切りましたな。これなら打ち上げ時は普通にロケット+ペイロードとして扱える。ただしロケットのサイズに比べてシャトル部分は小さくなってしまうんで、効率は落ちますな。

HOPE の場合、胴体直径が H-IIA とほぼ同じ。それやるんならばかでかいフェアリングが必要 → 中身スカスカで横風を受けるとその影響がでかい → それはそれでウインドシアー対策になり得なかったんじゃないかと。フェアリング自体の重量も気になってくるだろうし。X-37 はそこらへんうまいこと調整して、いちばんいい妥協点を見いだせたんじゃないかな。

しかし X-37、リフティングボディでもないくせにずいぶんと小さな主翼ですな。再突入の後、滑走路までかなり深い角度で「落ちてくる」んだろうなぁ。無人だからほとんど真っ逆さまでも恐怖感とも無縁だし、進入角度が深い方が滑走路に正確に誘導しやすくもあるかも。あるいはもしかして、着陸はパラシュートなのかも。

ぶっちゃけ HOPE を元ネタにしたっぽい X-37。だったら日本も X-37 を参考に HOPE の開発を再開してもいいような気もしてきた。

銘板左端銘板銘板右端

とはいえ HOPE って総質量20トンのうち、運べる荷物はわずか3トン。もう実用化されてる使い捨て型の無人貨物機 "HTV"(こうのとり)は総質量16.5トンで貨物が6.5トンだよ。HOPE は再突入・再利用できるとはいえ、ちょっと量的に無駄かなぁ。HTV に再突入機能を持たせた "HTV-R" を開発した方がまだいいのかも。

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2011.7.22 金曜
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シャトルと NASA と長官

最後の宇宙飛行をしてたスペースシャトル、無事に帰ってきましたな。よかったよかった。コロンビア号の事故の後は結局、ほとんどノートラブルで完走でしたですよ。関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。

今さら余計なアレだけど、結局は政治力だの印象操作だのの力技や汚れ技を駆使しないで、技術屋さんたちに主導させれば、NASA はヘンテコなトラブルを起こさずにやってのけられるんだよなぁとか思ったり。こんなにも複雑な宇宙機の運用なのに、終盤の運用は本当に見事だった。アポロ以降の NASA の迷走ぶりは前に書いたことあったけど、もし NASA 内のそういうことばかり得意なやつらが静かにして、技術開発の進むがままにしてれば、今に至る迷走も起きなかったのかもしんない。結果論だからどうとでも言えるけど。

さてこれからの NASA はどう出ますかねぇ。飛行士の乗り物はロシアの独占を許すことになってしまった。いつまでも成功しない次世代シャトル開発を優先するあまり、アポロまで続いたカプセル型宇宙船に戻るオプションを忘れ去ってた NASA(忘れてたわけじゃなく、プライドが許さなかったのかも)。

シャトル退役が決まって慌ててカプセル型の新型を開発し始めたものの、交代のタイミングに間に合わなかった。30年以上前、シャトルの開発が遅れて、NASA 自前の宇宙ステーション・スペースラブが大気圏に再突入するのを、NASA は見てるだけしかできなかった。あれとかぶるなぁ。

このとき、かのユリ・ゲラーが超能力でスカイラブの軌道を引き上げると宣言して実際に挑戦したけど、有意な結果は得られなかったそうなw NASA としては超能力でも偶然でも、軌道高度が上がるもんなら上がってほしかったろうなぁ(この時代はまだ、この手の超能力はもしかしたら実在するんじゃないかなっつう雰囲気だったっぽい。アポロ計画でテレパシーの実験をしたとかいう噂もあるみたいだし。そういや最近は世の中でテレパシーの話なんてとんと聞かなくなったね。携帯電話が普及したからなw)。

アポロ以降、NASA は長期的な計画立案能力と遂行能力が不足してると思う。技術的に妥当な考察ができないというか。本人はそれを特に意識してないっぽいのが気になるところ。ここらへんから、技術組織のくせに技術センスのない人たちだけで組織が牛耳られてるっつう構図が垣間見えて。

レーガン政権の頃、「アメリカでの衛星打ち上げはシャトルに一本化する。旧来型の使い捨てロケットは全廃」という高校生でも疑問に思うような方針を打ち出して実行してしまったり(チャレンジャー号爆発事故の遠因になった。事故後、衛星打ち上げ顧客をヨーロッパの無人使い捨て型ロケットに丸ごと持って行かれた)。

最近だと、「オリオン宇宙船で飛行士を火星や小惑星に送る」なんて無茶を言い出したり(オリオンはアポロ宇宙船の容量を多少大きくしたもの。複数人での有人飛行は恐らく2〜3週間が限度。火星や小惑星への往復は2〜3年の飛行が必要。全然足りない。後で「もっと大きな居住用モジュールとセットで」ということになったけど、その居住用モジュールの情報が全然出てこない。たぶん何も決まってないんじゃないかと)。

アポロ以降ってことは、希代のスーパーエンジニア、フォン・ブラウンが NASA を去って以降ってこと。やっぱゴマカシや我田引水をよしとする感覚じゃなく、技術的な妥当性で考えるセンスがないことにはこの手の組織を引っ張っていけんて。

てことで歴代の NASA 長官の系譜を調べてみた(資料)。どうゆー人たちがやってきたのかなと。

長官名 着任 退任 在任日数 専門/出身 特記事項
Dr. T. Keith Glennan 1958/8/19 1961/1/20 885 電気工学学士
多数の実業、研究に参加
1957年10月、
ソ連、人工衛星世界初成功
1959年9月、
ソ連の探査機が月面に到達
Dr. Hugh L. Dryden 1961/1/21 1961/2/14 24 流体力学博士
James E. Webb 1961/2/14 1968/10/7 2,792 大統領行政府予算局監督 1961年4月
ソ連、有人宇宙飛行に成功
1965年3月
ソ連、宇宙遊泳に成功
Dr. Thomas O. Paine 1968/10/8 1969/3/21 164 冶金工学博士 1969年7月、
アポロ11号月面着陸
Dr. Thomas O. Paine 1969/3/21 1970/9/15 543 冶金工学博士
Dr. George M. Low 1970/9/16 1971/4/26 222 航空工学博士
Dr. James C. Fletcher 1971/4/27 1977/5/1 2,196 物理学博士
航空機・誘導ミサイル研究
1972年、
スペースシャトル計画公表
Dr. Alan M. Lovelace 1977/5/2 1977/6/20 49 生化学博士
Dr. Robert A. Frosch 1977/6/21 1981/1/20 1,309 海洋物理学
国連環境計画長官補佐

Dr. Alan M. Lovelace 1981/1/21 1981/7/10 170 生化学博士 1981年4月、
スペースシャトル初飛行
James M. Beggs 1981/7/10 1985/12/4 1,608 ビジネス管理学修士 1984年、
国際宇宙ステーション
初の発表
Dr. William R. Graham 1985/12/4 1986/5/11 158 電気工学博士 1986年1月、
スペースシャトル
爆発事故
1986年2月、
ソ連、ステーション「ミール」着工
Dr. James C. Fletcher 1986/5/12 1989/4/8 1,062 物理学博士
航空機・誘導ミサイル研究
1988年9月、
スペースシャトル復帰
Dale D. Myers 1989/4/8 1989/5/13 35 航空工学博士
VAdm (Ret.) Richard H. Truly 1989/5/14 1989/6/30 47 海軍副将軍(退役)
VAdm (Ret.) Richard H. Truly 1989/7/1 1992/3/31 1,004 海軍副将軍(退役) 1991年、
ステーション計画変更
Daniel S. Goldin 1992/4/1 2001/11/17 3,517 機械工学博士 1993年11月、
ステーション計画変更
1998年11月、
ステーション着工
Dr. Daniel R. Mulville 2001/11/19 2001/12/21 32 機械工学博士
Sean O'Keefe 2001/12/21 2005/2/11 1,148 合衆国行政管理予算局局長
専門は運営・管理
2003年2月、
スペースシャトル
空中分解事故
Col (Ret.) Frederick D. Gregory 2005/2/11 2005/4/14 62 空軍大佐(退役)
Dr. Michael D. Griffin 2005/4/14 2009/1/20 1,377 物理学・航空工学博士 2005年7月、
スペースシャトル復帰
Christopher Scolese 2009/1/21 2009/6/16 146 NASA 主任エンジニア
Maj. Gen. Charles F. Bolden, Jr. 2009/7/17 --- --- 海兵隊少将(退役) 2011年5月、
スペースシャトル退役

ちょっと意地悪ゴコロで調べたのに、短期間の代理長官に至るまで、多くが技術組織の長として立派なご経歴でして。科学・技術畑じゃなくても、組織管理がご専門だったりもして。軍人さんも、大佐以上なら人を使うのはプロだよね。武器やそれを駆使した戦術・戦略を通してテクノロジーに土地勘があるはずだし。

となると立派なトップに対して何なんだこの体たらくは。NASA の長官ってもしかして置物扱いなのか?

ていうかフォン・ブラウンは長官じゃなかったんだな……。

銘板左端銘板銘板右端

スペースシャトル初飛行のときの長官は、代理2回目の Lovelace 氏。いい時に当たりましたな。NASA は未来の宇宙船を手にして、西側世界から賞賛されたり羨望の眼差しで見られたり、東側からは悔しがられたり恐れられたりで、アポロ以降の最高の瞬間だったはず。けど長官の立場なら、シャトルの舞台裏が決して宣伝通りじゃなかったこともよく分かってたはず。そのあたりのジレンマはたった数十日の任期の間じゃどうにもならなかったろうなぁ。

そしてシャトルの矛盾はそのままに、Beggs 氏が長官を引き継いだ。この方の退任は1985年12月。なんとあのチャレンジャー号事故の前の月。あとで追及されもしたんだろうけど、長官としてはすんでのところで事故の直撃を避けましたな。そして、シャトルの一番幸せな時期の NASA を仕切ったという、まさに幸運の人。ただし NASA 内部じゃシャトルの矛盾が拡大していって、それを隠すためにホワイトハウスにいろいろ働きかけて結局それが組織自らの首を締めていった、その意味では最も黒い時期の長官でもあったわけで。

Graham 長官、就任から2カ月もしないうちにチャレンジャー号爆発事故を経験されましたか。そして事故の2カ月半後に退任。引責辞任というわけじゃなく、代理長官だったらしいんで、もともと次が決まるまでの短期の中継ぎだったんだと思う。運がお悪いというか。けどその年の10月1日にはホワイトハウスの科学技術政策室に入ってたりする。経歴の汚点にはなんなかったってことか。ここらへん、人物が纏ってしまったイメージで人選を決定する日本とはえらい違いだね。

時代は下り、コロンビア号空中分解事故が起きたのは、O'Keefe 長官就任から約1年後。そこから2年間在任されてた。シャトルの復帰は彼の退任から5カ月後。彼の任期中に、シャトル廃止の命令がブッシュ大統領(当時)から下った。ツラかった時期をがんばられましたなぁ。

今の Bolden 長官はシャトルなき後の NASA を引っ張っていくお立場。カネ食い虫で不祥事とスキャンダルまみれだったけど、不世出の大スターだったシャトル。大スターゆえに NASA の象徴でもあったシャトル。規模縮小を続けるこの芸能事務所にとっては何もかもビッグすぎて手に余る、そんな大スターを円満引退に導いてホッとしたとこかもしんないけど、現役の人気タレントがほかにいない NASA はこれからどうなるのかと。Bolden 長官の采配にご注目、と。

Bolden 長官がもし NASA 上層部の旧態然とした体質を直せないなら、オリオン宇宙船の開発までも頓挫して、NASA はだんだん溶けてなくなってまうんじゃないかって気がする。オリオンを打ち上げるロケットもはっきりしてないしな。そうなるとアメリカの国家としての宇宙開発は、地球観測衛星部門と科学衛星・探査機部門と軍事部門の3つだけが生き残って、商用ロケットを利用しての無人技術に特化してしまうんじゃないかとか。そうなると日欧の宇宙機関とあんまし変わらないことになってしまうが。

そういえば有人の方も、アメリカは地球低軌道は私企業のスペース X 社のロケットと宇宙船に任せることになりそう。シャトルが活動した領域を明け渡すことになってるわけで、NASA はオリオンの開発に成功しても、深宇宙に向かうしかない。けどオリオン単体じゃ月に行くのが関の山。てことは行き先は月しかない。オリオンが失敗したら後がないけど、成功しても『今さら月に人が行ったって』って感じがあったり。

有人月探査の積極派の根拠の大きなものとして、「月の表面に大量に積もっている(と言われる)ヘリウム3は核融合の燃料として超有望。人類をエネルギー問題から救う切り札になり得る」というのがある。

けどヘリウム3を地球に運ぶ時点でとんでもないコストがかかるのは明らか。月で発電した電力をマイクロ波で地球に送るにしても、距離がありすぎてロスが大きい。静止軌道からの伝送でも直径数百 m の受信アンテナが必要だってのに、その10倍以上の距離だよ。何より核融合発電技術がまだ全然できあがってない。地上でもやれてないのにそれを月面でとか。時期尚早というか、モノにならなさそうな雰囲気満々なんですが。てことでこの「ヘリウム3で人類に未来を!」は一見は実用的に見えて、実は別の本当の目的を隠すための方便でしかないと思う。で、隠すほどだから世間からの支持をそんなに受けられそうにないものじゃないかと思う。

確かに漫画 "Moonlight Miles" と『宇宙兄弟』じゃ有人月探査がアツいけど、NASA、意外とマジで存亡の危機なんじゃないのかね。

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そういや『宇宙兄弟』で、「なぜ国家が大金をかけて宇宙なんかに行くのか。国がお金をかけるべきことはほかにたくさんあるのに」という問いに対して、きちんと答えてたね。人類が新たな感覚(だったか認識だったか概念だったか)を得るため、みたいな感じだった(つまりよく覚えてない)。月に人が多く行けば、そうしないと得られない新たなものが、人類全体として得られるのかもしんないな。

けどそれはもし NASA が語るとしても表向きの理由で、実はいろいろドロドロした近視眼的なものが本当の理由なんじゃないか、と今の NASA を見てると思えたりして。

銘板
2011.7.23 土曜
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隣国に対する温度差

中国の高速鉄道、すごい事故やらかしたなぁ。高架線から2両がまるまる落ちて、1両は縦になってしまってる(2011.7.25 補足: あと1両落ちたらしい)。亡くなられた方々にはご冥福を、怪我をされた方々にはお見舞いを申し上げます。

6月30日のいわゆる「パクリ新幹線」開業の折には「日本に技術供与したい」なんて息巻いてたのになぁ。開業早々やらかしちまったかーと思ったら、新しい路線じゃなく何年か前から営業してる路線の方らしい。どっちでも同じことだけどさ。しかしその6月30日に新規路線&新型車両が日本で大きく報じられたときでさえ、安全面での不安が言われてたよね。このタイミングで来るとは。

ていうかもしかして、中国の高速鉄道って実はこの規模の事故がよくあって、今回たまたま例のことがあった直後だったから大きく取り上げられてるだけだったりしてとか考えたりもして。分からんけど。

でさ、件の事故と関係ないんだけど、6月30日あたりの報道で「お?」と思ったことがあって。

おいらは『ミヤネ屋』を見てたんだけど、批判口調だったんですよ。安全性が怪しいことのほかに、パクリ技術を特許として申請したとかなんとか。日本のマスコミって中国をこんなにあからさまに批判できたんだっけ? ミヤネ屋は読売系列だからできたとも考えられるけど、共同通信から記事を買ってるうちの地元の地方紙でも同じ論調だったよ。

これが韓国ならそうはいかないよね。報道しないか、しても韓国側に同調か。何日か前に韓国のビルに謎の振動が発生した、とゆーニュースが出たね。これは当然、1995年のソウルのデパートの崩壊事件を連想させるんだけど、ニュースはどこもそれを結びつけなかった。謎の振動を話題に出しはしたものの、日本の視聴者が韓国に不信感を持たせるような展開にはしない方針というか。考えすぎかな。

でさ、日本のマスコミって中韓両国に対して恭順を示すもんだと思ってたら、温度差があることにようやく気付いて。つーか去年の尖閣問題のとき、民主党の対応を「弱腰だ」と叩いてたなー。海上保安庁の流出動画も(たぶん無断で YouTube から落として)ガンガン流して、非が中国の漁船にあることを強調してたしな。そういや毒ギョーザ事件の時点で既に対中批判やってたなぁ。

最近のテレビが韓国べったりなのは、彼の国からカネがじゃぶじゃぶ流れ込んできてるかららしい。NHK までもが韓流なのは謎だけど、確かにそう考えるとなんか納得できる。ゴールデンタイムのチャン・グンソク特集の視聴率が深夜番組並みだったらしいけど、それでもおカネ貰えるならそりゃー民放だって営利企業だもん、その方針でいきますわな。視聴者がおカネ払ってくれるわけじゃないし。

普通は視聴者とスポンサーが客と売り手の関係でおカネで繋がってて、そのおカネがスポンサーを通してテレビに行って、番組を作って、それを視聴者が見てスポンサーの商品やサービスに対価を払って、という三角形のおカネの流れができるんだけど、韓流の場合は視聴者とスポンサーとの関係がほとんど切れてる。だから視聴者が見向きもしなくても、スポンサーは気にせずテレビ局にどんどんおカネをぶち込んで、韓流番組を作らせる。だからこういうおかしいことになる。

韓流のスポンサーがどういう戦略でそんな鷹揚なバラマキをしてるのかよく分からんけど、噂では「日本で大人気」と箔を付けると本国で人気が出るという流れ(プロダクションの思惑説)とか、ともかく韓国の国としてのイメージをよくして、韓国人が日本でビジネスをしやすくする、という壮大な洗脳商法という考え(国家プロジェクト説)とかがあるらしい。

となると、中国政府からは日本のマスコミにおカネが流れてないってことになるな。日本のマスコミは金次第(「キムしだい」ではなくて。それは北のほうw)ってのは分かったけど、それでも以前は「中国だから」ってんで迂闊に叩けないって空気があったと思うんだ。最近は容赦なくなってきたなぁ。マスコミの偉い層から、学生運動に染まってた人たちの影響が抜けてきたのかもしんないね。しかし1960年代に学生だった人たちって今は65歳前後なわけで、会社の幹部としては脂が乗ってるあたりだよな。でもアカで経営者とか重役ってのも変だしな。

社員としては定年退職前後か。やっぱその色に染まった人たちは労働者になって、最近は続々と定年退職してて、職場への影響が年々薄れてきてる、と考えるのが自然かな。幹部の方針というより、編集室の雰囲気がマスコミの赤寄りな体質を作ってきてたのかもな。

赤寄りは内部事情的なアレでよく分かりにくかった。おいらは学生運動の時代を知らんし。左向きな情熱の切れ目が中国との縁の切れ目ってことでようやく理解できたわ。それに最近の中国は共産主義を捨てて、実質は独裁政権下での資本主義国家だからな。上海で株式市場が立ってるなんて、労働者の天国を夢見てた、今は亡きいにしえの中共幹部たちが見たらツバを吐くような醜悪な様相なんじゃないのかと。昭和40年代に彼らと同じ夢を見てた日本の元・学生運動家たちも、21世紀のこの現状に幻滅したのかもね。

けど韓流のほうは、日本のマスコミには明らかにカネがラブ以上に注入されてんだなーって容易に想像がつくな。

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NHK が韓流に必死なのは、冬ソナとヨン様で韓流ブームを作り出したんだぞ、自分がオリジナルなんだぞっつうプライドがそうさせてるんだったりしてなw

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マスコミが遠慮なく中国叩きをするようになったのってさ、もしかして韓国側のスポンサー様のご意向だったりもするのかなーともちょっと考えたりもして。韓国として直接中国を叩くと叩き返されるから、日本のマスコミを買収して叩かせてるとかさ。完全に憶測だけど。

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2011.7.24 日曜
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ウソから出たマコトにならなきゃゾンビ

今の韓流ブームってネット上でよく捏造だと言われてるよね。おいらもあれは捏造だと思う。けどこのままずーっと続くと、本物になってしまうんじゃないかって気がする。しつこい宣伝ってけっこう成就しちゃったりするからね。

そうなりそうな気配も出てるしさ。

おいらときどき、40歳半ばと後半の主婦お2方とダベる機会があるんだわ。ミヤネ屋を見ながら。どちらもお詳しいんですよ韓流アイドル。別にお好きならお好きでいいのに、「うちの子がさぁ……」と子供のせいで無理に詳しくさせられたんですよ的なお話しぶりで。ちなみにどちらのかたも在日韓国・朝鮮人ではないらしい。

てことでどこまでお子さんのせいなのか不明だけど、お話ぶりだととりあえず、韓流アイドルはティーン世代に一定の知名度はあるらしい。そしてその母親たちも、イケメンアイドルがかなり気になってるらしい。韓国の男性アイドルの筋肉の付きかたを詳細に講釈されたに至っては、それはティーンのものの見方ではないでしょうとツッコみたくなるのを必死にこらえるしかないおいらであったw

大人な淑女は気遣いも忘れない。「でもあんたみたいなポヨンポヨンのほうがあたし安心するんだ」。アイドルと比べられてけなされないだけマシではあるけど、ここでわざわざ引き合いに出すこともないでしょうとツッコみたくなるのを(略)

ただ世の中がまだテレビでやってるほど韓流を受け入れてる雰囲気じゃないこともお感じのようで、小出しにしながら様子を見てるような感じ。てことは韓流が市民権を得たと判断した途端、ここらへんの方々は一斉にその立場を表明して韓流ブームを大いに加速、捏造を本物にしてしまうんじゃないかって感じ……がする。

過去に営業戦略でこんな強引さで市民権を得てしまったものって Windows があるね。1995年の怒濤の Windows 95 宣伝攻勢はすさまじいものがあった。駆け出しの Mac ユーザだったおいら、Mac に Windows 95 を入れなきゃ時代についていけないのかとマジで不安になったよw 当時の Mac の日本語 OS は漢字 Talk 7.1。CD-ROM に入ってた。Win95 はフロッピーディスク15枚だったか。見栄えも操作性も、当時は Mac のほうが進んでたんだよね。

Mac はハードウェアと OS がセットのうえに値段が高かった(おいらは人からタダで貰えたけど)。Win95 は既存の NEC とかのハードウェアにインストールできて、企業でのシェアも Mac なんかよりそういう PC/AT 互換機のほうがずっと大きかった。つーかそれまでの OS が DOS/V だったしな。てことで、OS のシェア競争で Windows にかなうライバルははじめからいなかった(日本製 OS はその前に米政府が圧力かけて潰してあったし)。てことであそこまで徹底的に宣伝しなくてもよかったと思うんだけど、おかげで Windows はただでさえ小さかった Mac のシェアをも奪って、日本でほぼ独占にまで持って行けた。いったんここまで行くと、慣れた OS を乗り換えるのはみんな面倒なもんだからもう安泰なわけで。

韓流の日本市場への売り込み方が Windows の場合と違うのは、既に地元の同業者がいるってこと。日本の芸能界ですな。彼らの仕事を横取りする形になってる。日本側は今は仲よくやるのが得策って感じみたいだけど、あんまし長く居座って先住民のえさ場を荒らし続けてると、「いいかげんにしろよ」的な流れになるんじゃないかなーって気もして。

ただ彼らは手ぶらで来てるわけじゃなく、民放各社を好きにできるほどの莫大な軍資金を持ち込んでる。となるとそのおカネのお世話になる日本の芸能人や事務所、レーベルも当然出てくるわけで。

民放の財政のこのところ何年かの動きといえば、リーマンショックでのスポンサー激減から立ち直る途上で大震災の CM 自粛があって、激減どころか一時的に広告収入ゼロ。そのうえここ数年、視聴者もスポンサーもネットに持って行かれ放題。そんな窮状に玄界灘の向こうから現れた超大口さん。これは地獄に仏とばかりに大事にしますわなぁ。「いいかげんにしろよ」は起きないかもな。

んで作られた韓流ブームが嫌な人たちはテレビを見限って、ネットにますますどんどこ流れてるってとこかな。ネット上にまでは韓流宣伝戦略はあまり届いてないからな。この媒体には特定の管理者も権利者も支配者もいない。インターネットそのものを運営してメシ食ってる人がいないってことは、充分なカネさえ渡せば自分に都合よく仕切ってくれる便利な人がいないってこと。そこじゃそんな「大人の理屈」が通らない。むしろ「大人の理屈」を通そうとすればするほど嫌われる。

そして「大人の理屈」がバッチリ通じるところをまんまと狙われた挙げ句、視聴者を失いつつあるテレビ。ぶっちゃけ誰も見てない番組で韓国の宣伝しまくっておカネ貰ってるという、かなり間抜けな情景が浮かんでしまうんだが。

こんな腐れた民放なんていっそこのまま衰退して消えちまえとも思うんだが、観客がいないという興行として死んだ状態でも、資金調達が順調なら死なないわけで。まさにゾンビ状態になるんじゃないかと。韓流と同居じゃ番組視聴率が稼げないとなると、既存の国内スポンサーもテレビから手を引いてしまうかもしんない。そうなったらますますゾンビ化に拍車がかかりますな。

さてどうなるか。おととい話題に出した NASA だけじゃなく、日本の民放もイチかバチかの崖っぷちのような。韓流ブームが本物になるのが早いか、ゾンビになるのが早いか。

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つーか今は、大都市圏での視聴率調査をほぼ独占してるビデオリサーチ社が、健全にデータを出してるっぽいのが救いなわけで。ここさえ籠絡されてデタラメな数字を出すようになったら一巻の終わりですな。私企業である以上、カネに関していろいろ弱点があるはず。攻める方にしてみれば、手はいくらでもある、なんて感じじゃないかと。

あるいは統計を取る企業に直接カネをぶち込まなくても、その集計システムの協力者を突く方法もあり得るかな。噂だけど、既にオリコンが韓流の好きなようにやられてるらしい。CD 販売のモニター店に予約注文を大量に入れると、予約ランキングみたいなのがあるらしく(それとも売り上げに予約分も含めるのかな)、そのジャンルでドカーンと上がる。そうなってから発売日までにその予約をほとんど解約、という流れだとか。

そんなことして何になるのか。買わなきゃ意味ないんじゃないのか。

消費者って「今売れてる」「今話題の」という宣伝文句にほんと弱い。文房具屋の値札売り場に行くと、そんな文言がはじめから印刷してある POP カードがいろいろ売られてるよ。んで「予約殺到!」も殺し文句なわけ。ましてやオリコンとゆー信頼されてる集計システムのランキングで上位となると、そりゃもう凄まじい宣伝効果だろうなーと予想できるわけですよ。

噂だからどこまで本当か分からんけど、日本の民放をこんなにまでできちゃうあの連中ならやってもおかしくないかもなーって感じ。買収するより安上がりだし。

視聴率もそんな感じで操作されてたりしてな。何らかの手段でモニター世帯を特定して、1軒1軒、影響を出せる数になるまで買収していく、と。何かのバラエティ番組のディレクターがそれやったのが発覚して問題になったことがあったよね。ビデオリサーチ社もその後に何か対策をしたのかもしんないけど、原理的に可能ってことと、実際にやれちゃったことまで発覚してしまった。

モニターさんの個人情報ってリサーチ会社にとって極秘レベルの情報だろうから、そこらのデータベース情報の直接持ち出しは難しそう。けど会社の担当部署とモニターさんとの間のやり取りやその記録を見るなら、盗聴やクラッキングの壁が比較的低そう。

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2011.7.25 月曜
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いいアイデアは単純なアイデア

ちょ、原発事故の作業現場向けに、見事なアイデア出てきたですよ。その手があったかー。時事通信の記事から

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ブラウン管を放射線遮蔽材に=鉛含むガラス、実験で効果−廃品活用、一石二鳥

物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は25日、原発保守管理会社「アトックス」(東京都中央区)と協力し、鉛を含むテレビのブラウン管ガラスが放射線の遮蔽(しゃへい)材として使えることを実験で確認したと発表した。東北3県を除いて24日にアナログ放送が終了し、古いブラウン管テレビが大量に家電リサイクルに回される一方、福島第1原発では安く使い勝手の良い遮蔽材が求められており、一石二鳥の解決策になるかもしれないという。

ブラウン管からは微弱な電磁波が漏れるため、ガラスには遮蔽効果のある鉛が1割程度混ぜられている。福島第1原発の内外に放出された放射性物質のうち、主要な放射性セシウムからは放射線の一種のガンマ線が出ているが、ガンマ線はエネルギーの高い電磁波。鉛は遮蔽材として優れているが、バッテリー用などの需要があり、コストが高い。

同機構の原田幸明・資源循環設計グループリーダーらは、砕いたブラウン管ガラスを箱詰めし、コバルト放射線源(800兆ベクレル)と線量計の間に置いて遮蔽能力を測定した。その結果、砕いたガラスの厚さが約55センチあれば、放射線を100分の1まで低減できることが判明。この遮蔽能力は、厚さ約9センチの鉛板に相当する。(2011/07/25-15:55)

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加工や輸送にいくらかコストがかかるとはいえ廃品だもん、原価はタダ同然ですな。それ専用の機器を用意するよりはずっと効率的かと。調達も早いだろうし。

鉛 100% よりは遮蔽効果が薄いけど(単純に厚さで比べると、ブラウン管ガラスは鉛の 16% ほどの効果)、とにかく量を用意できるはずだから、ある固定領域の周りにどーんと積み上げて放射線から防護する、という使い方に適してそう。居住区や休憩所、管制室の周りとか。

現場で実際に使ってみて不都合がないかどうか確認しなきゃなんないだろうけど、いけるんなら強力な味方になってくれそうですなぁ。

この鉛入りブラウン管ガラス自体は、作業が順調に進んで放射能漏れが収まったらまた処理に困ることになるんだけど、それでも防護用の鉛製品を新たに調達する量を減らせるってのはいい。防護材はいくらでも欲しいところだろうし、鉛自体が毒物だから、あまり多く生産したくないところでもあるし。ついでに、ブラウン管ガラスだと鉛材はほとんどガラスに包まれてる状態なんで、環境中に漏れ出てもモロ出しの鉛よりは影響が少ないような気がするし。

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2011.7.26 火曜
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白塗りな引用

しょうもない話題だけど。

今月からこの日記、引用記事の背景を白塗りにしましたわ。

なんかどうもパッと見、おいらが書いた駄文との区別がつきにくくてさ。そこだけ特別に仕切れないもんかなと考えてはいたんだわ。感謝の証として、おいらの文より上質感がある演出もしたくて。そのあたり去年あたりから考えてて。

で、まぁ HTML のブロック要素の背景色は変えられるってとこまでは分かってたんだわ。2007年に「Web クリエイター上級」とかいう資格を取ったときに学んだ。CSS でできるはず。

けどやりかた忘れたw 復習するのだるいww てことで長らくやってこなかったけど、今月になってようやく踏ん切りがついて復習してみたらばあんた、超簡単でやがんの。案ずるより生むがナントカですな。記事は <blockquote>〜</blockquote> で囲うようにしてるから、<blockquote style="background-color:white"> で一気に片がついたわ。

ついでに今、これまで便利でなんとなく使ってきてた <blockquote> って何のために使うのか初めて調べてみた(このタグ覚えたの、よそのサイト様の表現を見て真似したくて、そのソース読んでいきなり使ってたんだよなぁ。2006年のことだから、本来の意味を知らないまま5年も経ってしまったw)。

そうかそういうことか! その部分が引用・転載であることを示すんだ! なんだこのやりかたでいいんじゃん! マジで知らなんだーw

んで引用記事は背景を白くすると、ちょっと高級感も出るかなと。このサイトは基本、JavaScript で読み込みごとにランダムな背景色が出るようにしてる。トーンはある程度固定で、たぶん真っ白が出ることは理屈ではあり得ないこともないだろうけど、確率的にほとんどあり得ないはず(あんまし昔に作ったもんだから仕組み忘れたw 今ソース読み直すのだるいww)。てことで、引用記事は全体の背景より際立つ「驚きの白さ」で視覚的に区別できる、と。

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2011.7.27 水曜
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過剰書き日記

ここ半年くらいこの日記を書くのがどうにも億劫でさ、またしても遅れが続いてるんだわ。このまえ10周年いったばっかりなのにな。

んでさ、前にも億劫で億劫でたまんなくなったときがあって、なんでだったっけなーと考えたらすぐに思い当たった節があって。

そんで調べてみたですよ。

ファイル容量_最近のやつ

やっぱし書きすぎ。結局またそれかよ。なんぼ書いても書いても追っつかないわけだわ。

100KB 以下に収めようと、今まで何度心に誓っては思わず破ってきたことか。正月からいきなり 165.5KB って……。2月はいい線いってたけど、震災の3月以降またぶり返してやがる。そして5月の 176.3KB。何やってんだ orz

ついでにランキングを見てみたらば、

ファイル容量ランキング_2011年6月まで

その5月、昨年6月の はやぶさ 帰還祭りを抜いて堂々の歴代1位かよ……。しかも1月と3月も食い込んでやがる。まぁ3月は震災があったからしょうがないかな。あのうそつき電力会社の吊るし上げが稼いじゃったのかも。

今月のこのファイルは、今のとこ 112.7KB で歴代39位。それでもけっこう来ちゃってるなぁ。全部で120カ月分だから、上位3分の1に既に入ってしまってる。今月分を書き終えるまで、なるべく容量増やさないように気をつけようっと。

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2011.7.28 木曜
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仲裁か地球侵略か

ノルウェーのテロのニュースで思ったんだわ。

世の中、アメリカが中心になって15年以上かけて、「イスラム=テロ」「イスラム=狂信」「イスラム=危険」「イスラム=人殺し」「イスラム=やつらに殺される前に殺せ」っつう固定観念を植え付けてきましたわな。原理主義の人たちの中にはそういう危険なのもいるんだろうけど、イスラム教の原理主義が危険だっつうなら、キリスト教の原理主義も同じくらい危険だわ。

日本にもイスラム圏の人たちが住んでらっしゃるけど、特に怒っておられるわけじゃなく、何も暴力的じゃないような。体制の転覆だの社会の混乱だのも別に狙ってないような。ごく普通に、稼ぐために来日されてるような。まあなんだ、「イスラム=テロリスト」国際キャンペーンがどうもうさん臭いってのは、その手の情報と自分のナマの感覚との違いで分かったりもするわけで。日本の場合、むしろ近隣国から来た人たちの犯罪の方が多いみたいだしな。

てことでキリスト教とイスラム教、似たような原理主義者同士がいがみ合ってはお互いを相手に破壊活動する今の世なわけで、それがまた相手に対する反発を生んで、偏狭な原理主義が正当化されていって、ハマる人たちが増えていく、と。殺す人と殺される人が増えていく、と。

それをどうにかしようってのは大事だろうけど、どっちからも距離がある国の人間としては、我が身の安全が大事。

要は、おいら関係ないから喧嘩に巻き込んでくれるなってことでひとつ。

当人同士じゃどうにもならなくなったこういう事態って大抵、仲介者が出てきてどうにかするもんだけどさ、一応、宗教上の立場じゃ日本や中国ってことになりそうだけどさ(インドは近隣のイスラム勢力とちょっとアレな立場ですな)、仲介者は両者から一目置かれてなきゃ役に立たんわけで、割って入ってもなぁ……。"One Piece" のアラバスタ編。ルフィとゾロが喧嘩してる最中に、チャンスとばかりに二人に攻撃をしかけてきた、キロキロの実の能力者がいましたですな。んで二人に「うるせぇ!」「邪魔するな!」と1コマで瞬殺されましたですな。今の場合は攻撃じゃなく仲裁だけど、余計なくちばし挟むと間違いなく瞬殺されるw

喧嘩を止めるもうひとつのケースは、双方に共通の強敵が現れること。

冷戦時代、東西とも互いに譲らずのっぴきならなくなった世界情勢に、「宇宙人が地球に攻めてくる以外に解決方法はない」って意見がよく語られてたよ(もちろん皮肉で)。

今の宗教紛争じゃどうか。ロシアの科学者先生が「今後20年以内に地球外文明と接触の可能性あり」とかいうほとんどヨタ記事を出したばかりだね。万が一本当にそうなると、宗教紛争どころじゃなくなるかもしんない。けどそれがもたらすのは、恐らくはさらなる混乱。そこから何がどうなるのかまったく分からん。これはこれで来てほしくない事態ですなぁ。

地球上の既存の国家や文化圏が、イスラム教とキリスト教の共通の敵になるっつう筋書きはどうだろ。

日本はだめだから。うん。どの勢力の敵にもなりたくないから。瞬殺されたくないし。てことは、中国様が圧倒的なパワーと無茶な理屈をかざして、問答無用で世界を強圧的に支配すれば、キリスト教圏もイスラム教圏も区別なくいじめれば……それが一番現実的かなぁw 中国はいかにもそれやりたそうだしさww つまり悪い宇宙人の役をやっていただくことに異存がなければwww

ただこれだと隣国が一番ひどい目に遭いそう。日本が蚊帳の外でいられるのは、結局はいびつな現状が維持された場合ってことですか。

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2011.7.29 金曜
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映像でもひとつお願いいたします

Amazon.com では今、電子書籍がかなり売れてるらしい(記事)。レコードが CD に切り替わっていったバブル時代を彷彿とさせますなぁ。もともと Amazon はネット上の仮想店舗だから、紙の本を発送するより、電子書籍の方が性に合ってるってのもあるんだと思う。

特定の商品分野を一手に取り扱うお店って便利だよね。

いやさ、おいらたまに、古い映画や古いテレビ番組を見たくなるときあるんですよ。レンタル屋に行けばいいんだけど、借りに行くのも返しに行くのも面倒で、ここ何年も足を運んでないんだわ。しかも実際の店舗って広さに限りがあるもんだから、回転率の悪そうな商品は置かないわけで。ディスカバリーチャンネルなんてあるのかな。あるのかないのか確かめに行くのも億劫。

映像の商品化は、DVD やらブルーレイみたいに実体のある形なら製造も流通も店頭に並べるのも、まとまった数がさばける見込みがなきゃ難しい。けどデータのみの姿なら製品の製造・保管の単価はほとんどゼロだし、流通はネット上ならもともと個別発送だから、単一の商品の数がまとまって出るかどうかはあまり関係ない。ぶっちゃけ売れ線かどうかはそんなに気にしなくていい。

音楽と書籍も同じで、データ配信形式にすると売り手側としてはひとつの商品にかけるコストが激減するんで、リリースの敷居が下がる。あまり数が出そうにないジャンルの新作や、古い商品の復刻も商売として成り立つ、と。

んで映像もそのノリで、ネット上で各社がオンデマンドサービスを展開しとるわけですな。んでそれぞれの配給元が独立に契約を求めてくるわけよ。そりゃ当たり前なんだけど、手間要らずのはずのネットで唯一面倒なのがおカネの移動。いちいち個人情報を登録するのがめんどい。パスワードとかアクセス方法とか忘れそうだしさ。しばらく経ったら契約してることさえ忘れて、基本料金だけ毎月ひたすら払ってるってことにもなりそう。てことで、おいらまだ一度もそういう契約をしたことがない。

てことで、映像オンデマンドサービスも一手に引き受けてくれる代理店ってほしいなーと。Amazon さんどうですかねえ。むしろニコニコ動画さんのほうがいけるかな。どっちもおいら顧客登録済みだから、どっちかがやってくれると個人的にすごく助かるんですが。書籍では Amazon、音楽では iTunes ストアがそれぞれ代表的なビジネスモデルとして成り立ってるんで、映像も行けそうな気がするんですが。

ファーストガンダムの『大気圏突入』の回だけとか、ディスカバリーチャンネルの深海生物特集とか、昭和の風物たっぷりの昔の日本映画とか、そのときの思いつきでサッと見たいんだよなー。

ついでに新聞のバックナンバーも、どっかのネットサービス屋さんが各紙をまとめて、号単位でも記事単位でも扱ってくれるとうれしいな。

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2011.7.30 土曜
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かの国の鉄道は宇宙開発に追いつくか

中国の新幹線、なんかいろいろアレげな感じが出てきましたなぁ。

事故車両の先頭部分を破壊の上、事故現場近くの地中に埋めて、そのことで批判が出たら掘り返して回収。事故から1日半で営業再開。意味不明ですなー。

事故原因は落雷のせいってのもどうなんだろ。なんかテキトーに言ってみただけみたいな気がしてしょうがない。今のところ、運行管理の装置にバグがあって、落雷でそれが誤作動、赤信号になるはずのところが青信号になってしまって、運転士がそれを信じて……という説明だけど、はじめに「落雷が原因」と言ってしまったから辻褄を合わせるのに必死な感じがして。

バグはバグであって、条件が揃えば落雷じゃなくても誤作動は起こり得たはず。つまり落雷は原因じゃなくきっかけ。口先で責任逃れしたいのがミエミエですなー。

落下した先頭車両を破壊した理由として、「軍事機密級の技術が使われているから」とか言ってたけど、その手の技術なら、秘匿のために真っ先に回収するはず。これもウソだろ。

機械的・システム的な不具合は、おかしいところを直せばそれでいいんだわ。いい機会だから全部洗い直すと、ほかの問題点もどんどん出てくると思う。そこをひとつひとつ潰すなり、全体的に調整していくなりすれば完成度は上がっていくはず。技術は嘘をつかないから。

本当に問題なのは、運営してる組織がウソつきだってこと。そこを直さんとまた同じような事故を繰り返すよ。

問題点の総点検って、まともな技術組織ならこんな機会に必ずやりますな。おいらが覚えてるものだと、NASA と旧 NASDA(現 JAXA)はそうやって、まず組織を叩き直すことで自分たちの技術を改良してきた。中国の高速鉄道の組織にもそれができるのか、ちょいと見させていただきますか。

つーか中国航天局(中国の宇宙開発局)は1990年代には目も当てられない有様だったけど、見事に乗り越えた。国内に立派な前例がちゃんとありますがな。

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2011.7.31 日曜
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神と最高神

話題の高岡蒼甫、例の Twitter 発言で事務所を解雇されましたな。彼の言ってる内容は理解できるけど、クビになるのはしょうがないことかとも思うよ。

芸能界では「お客様は神様です」と三波春夫も言ってた。芸能プロダクションにとってテレビ局はお客様。単なるお客様というより大口お取引先様。テレビ局が今どんなに異常だろうが、芸能プロダクションにとっては神様。神様に突っかかる人間を内に抱えてると、社員教育ができない事務所だと思われる。あるいは事務所自体が何らかの主義を持ってると思われる。面倒なところだと思われる。その神様はもちろん、ほかの神様にも敬遠されてしまう。事務所は干上がるしかない。

本人に詫びを入れさせて、客たちが許してくれれば元通りの商売ができるようにもなるだろうけど、彼は詫びなかった。だったらプロダクションにとっては、見せしめを兼ねて問題あるやつを切ってしまうのが現実的な対処なわけで。

芸能人の本来の客は一般大衆なんだけど、芸能人に代金をくれるのはプロダクション。プロダクションに代金をくれるのはテレビ局。テレビ局に代金をくれるのはスポンサー。そしてスポンサーに代金をくれるのが一般大衆。おカネの回遊ルートがこんなにも長いと、途中の意向がもともとの意向をかき消しちまうってことですな。

しかしこれ踏み絵になるね。今回の件に関して、何人かの芸能人がそれぞれの反応をしてるよ。

奥さんの宮崎あおいは体制派(記事)。旦那の Twitter を通して、自分が巻き込まれるのを回避。彼女は稼ぎ頭だから、彼女の事務所はほっとしただろうな。ただ個人的な内心は不明。夫婦だもん、ほんとのところは旦那さんを「よくやった」と支持してるのかも。そうあってほしいっつう個人的な希望だけど。

浜村淳はもっと体制派(記事)。もしかして番組のディレクターやらテレビ局のもっと上から「この方向で」と指示されたのなら、そうするしかないよなぁ。映画ならこんな場面、番組放送の途中で「こんな茶番やってられるか!」と真実暴露のかっこいい展開になるんだけど、現実はそうはいかないですな。映画はクライマックスから30分もすればすべて終わりだけど、人生はそこからが長い。これからもその業界で生きてくことをよく考えて行動しないといかんもんなぁ。

山本太郎は高岡蒼甫をフォローしつつも、自分に火の粉がかからないようにうまく立ち回り(記事)。好意的な解釈という意図的な誤解がカギですな。大人ですなぁ。ここらへんが、周りの人としての模範解答かもね。

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2011.8.2 追記: この一件で、ついに世の中もマスコミの無理な韓流押しとその反発を無視できなくなってきたね。これ書いてるの8月2日でさ、フジテレビ公式 YouTube アカウントの「チャンネルのコメント」が凄まじい事態になってる。

暴走フジテレビ

もう取り返しのつかないところまで来てしまった感じだなぁ。視聴者をなめすぎてたというか。おいらは家でほとんどテレビ見ないから関係ないんだけどさ。

青森県にはもともとフジテレビないだろがって? いやいやこれがあるんですよ。八戸って岩手県に近いから、岩手めんこいテレビが見れるんですよ。岩手の放送局としても八戸を一定のマーケットとして捉えてるみたいで、合法の範囲内で越境放送してるんだわ。どっちにしろ見ないからほんとどうでもいいんだけどw 対岸の火事を高見の見物状態ww

おいらスポンサーがテレビ局にゴリ押ししてるのかと思ってたら、どうも株主が……という話も出てるね。日本の経済や社会、国政への影響の大きい企業の場合、外国人や外国企業による株の保有割合って、トータルで 20% 以下だか未満だかに法律で制限されてるそうで。そんでフジテレビはこれを超してしまってるとかいう噂。ほんとかどうか知らんけど。

本当だとしたら、フジテレビも現状が嫌なのにやめられないのかもしんないね。企業にとって、株主様はお客様以上の最高神だからして。

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