ひとりごちるゆんず 2009年11月
銘板
2009.11.1 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091101
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

チキンウォーキング

日本政府がやろうとしてるっぽい無謀な計画「二足歩行ロボットで月探査」、なんだかすげぇ叩かれようだな(記事)。あれってツッコミどころ満載だったんですなぁ。おいらも「やる意味あんのか」程度は思ってたけど、そこまでアレなもんだとは思ってなかったよ。言われてみて初めて気付く衝撃の事実の数々。

確かに、荒れ地を走破するんならタイヤよりも二足歩行よりも、四足歩行の方がずっと便利そう。しかも動画に出てるビッグドッグ、悪路にやたら強そうだしな(もともと軍の輸送用、つまり歩兵の携行品があまりにも重いんで、それを軽減するために開発されたものらしい。ただ、ビービーうるさいのは搭載してる発電機だと思う。あの音をどうにかしないと戦地で使い物になんないんじゃないかと)。っつうか横から蹴り入れても倒れないってものすごい性能だろ。

あの瞬時のアクティブな足運び、日本の歩行ロボットなんか全然目じゃないと思うぞ。ジャンプや明らかな走行も軽々こなしてやがるし。日本のはどうも、ジャンプにしても走行にしても、ほんとに跳んでんのかよ、ほんとに走ってんのかよ、って感じの微妙なところだからなぁ。

そんなまだまだ出来の悪い人型ロボットを月面に送り込んで、何をどうしたいってんだろ。

っつうかおいら歩行ロボット開発で常々疑問に思ってることがあって。ビッグドッグは軍用だから、四本足で安定性と走破性を両立させようとした。これよく分かる。一方日本人はアトムやらガンダムやらの影響で、人型の二足歩行ロボット作りに執念を燃やした。で、まぁいいんだけどさ、ひとつその間のものが抜けてるんじゃないかと。ニッチがあるでしょニッチが。そこは誰が埋めとるんだね。つまりそれが Chicken walker。鳥型二足歩行ロボ。ヒザが曲がる向きが人間と逆なんだよね。これ、かっちょいいのになんで実物の二足歩行ロボじゃ誰もやんないんだろ。SF 映画じゃ一定の人気を誇ってるのに。

たぶん一番有名なのがこれ↓。『スターウォーズ エピソード VI ジェダイの帰還』に出てきた帝国軍の兵器 AT-ST。

AT-ST

いいねぇ。けどこれ原住民のイウォーク族(ぬいぐるみみたいでカワイイ。あんまり人気が出たんでイウォーク族を主人公にした映画ができてしまったほど)のベトコンチックな戦術にコテンパンにやられちゃうんだよなw

お次はおいらが愛して止まない『ロボコップ』からのエントリー。敵ロボの ED-209 だす。主役もいいけどこいつも超イカしてるやがるぜ〜。

ED-209

立体アニメーター フィル・ティペット入魂の職人技で、感情が皆無なくせに動作に「表情」「性格」を与えられた逸品。この画像は封切り公開時のパンフからのスキャン。場面は、ロボコップがいったんは悪玉のモートンを追い詰めたものの、モートンさんご自慢の用心棒 ED-209 に反撃されてるとこ。行け ED! 左腕は吹っ飛んじまったけど(右腕のマシンガンの弾丸が自分に当たってしまったのだ)、なんのなんの敵のブリキ野郎だって虫の息だ。今だ右腕のサイドに仕込まれたミサイルランチャーをセットしろ! そして発射だ!! っつう瞬間ですな。ちなみにこの直後のミサイルが飛ぶカット、吊り線が見えてしまってる (^^;)

っつうかさ、ED-209 って動作がカワイイと思ってはいたけど、こうして見るとデザイン自体がどことなくカワイイんだな。そして最後の散りっぷりもまたカワイかったりするw

こいつはチキンウォーカーとしてはちょっと特殊で、膝は関節がなくて90°で固定で、代わりに直線ギアか何かで伸縮する形になってる。あるいはその機構は全高の調整用で、歩行時はその部分の伸縮は固定なのかも。そこらへんどうだったか忘れたわ。そういやそういうノリでエッチラオッチラ歩いてた気もする……。

おっ? おおっ? あれ? もしかしてこの映画、ギャグ場面はチャップリンの影響を受けてるんじゃね? ED-209 のコントローラーをいじる白衣の科学者然とした人たち、初めは誇らしげなのに、ED が暴走し始めると途端にオロオロし出す。これ、『モダン・タイムス』の自動食事機の場面とそっくりだなぁ。それと、デトロイト市長が市庁舎の窓から転落したのを報道のテレビカメラマンたちの動きで表したアレ、『独裁者』の航空閲兵式のギャグに似てる。ポール・バーホーベン監督にその意図があったかどうかは知らないけど、『ロボコップ』ってこういう画面の隅の演出や間接表現がとにかくうまくてなぁ。

と、ここまでアメリカ映画のチキンウォーカーを紹介したけど、なんかこのアイディア、日本のアニメが元祖のような気がする。『スター・ウォーズ』はどうだか不明だけど、『ロボコップ』は封切前から日本のアニメや特撮ものの影響を指摘されてきたしね。で、その元祖と思しきものはですな、これです。『超時空要塞マクロス』。今の『フロンティア』の元になったやつね。1984年あたりの。この作品に出て来る戦闘機の「ガウォーク形態」がまさにチキンウォーカーだったよ。下の写真はそのプラモデル。今の版か当時の版か知らんけど、とにかくチキンウォーカーですな。

ガウォーク

しかしまぁ、頭で考えるだけだとものすごく中途半端な形にしかならないのに、実際にこうしてビジュアルを見るとなかなかかっこいい。とりあえずここじゃ実現性はウンヌンしないことにして、これってエポックメイキングなデザインセンスなような気がする。

そんでね、『マクロス』より『スター・ウォーズ』より『ロボコップ』より遅いんだけど、日本にはもうひとつチキンウォーカーが出てたんですよ。実写 SF 映画で。それが『未来忍者』(1988) の、通称「神社ウォーカー」だっ! とりあえずこのデザインモチーフについてはツッコミご遠慮願いますってことで。そういう世界観の作品なんで。

神社ウォーカー
けど、うーーーーーーん。

状態の悪い画像しか入手できんかったわ。これじゃ足の具合がよく分からん。この作品のコンセプトはとにかく、日本の特撮ヒーローものというかカブリモノものというかを下地にしつつ、最新のハリウッド SFX 作品の演出をところどころパクっちまおうっつう、志が高いんだか低いんだかよく分からん感じのものだった。で、件の神社ウォーカーが出てくる場面は、どうも『スターウォーズ エピソード V 帝国の逆襲』の冒頭で、帝国軍の四足歩行巨大メカ AT-AT がレーザー砲を連射しながら何台も歩いて来る場面をパクった感じ。けどモノはチキンウォーカー。そこは『ジェダイの帰還』の AT-ST から来てたのかも(どうでもいいけど封切り時の邦題は『ジェダイの復讐』だったな)。

しかしこの粗い写真でも一発で分かるほどのチャチさ加減w 質量感のなさは、模型の小ささのせいだけじゃない気がする。なんとなく、細部は凝ってるのに全体の外形に精度が足りないってのが原因のような気がする。輪郭がヨレてるというか。これでもまだ抽象的な言い回しなんで、自分でヤキモキだけどさ。あーそれはやっぱし模型の小ささから来てるってことか。

この当時、アメリカと日本の特撮技術の圧倒的な差に絶望したもんじゃったよ。資金力の差ってことで話を片付けたがる人が多かったけど、それだけじゃなかった気がしてしょうがない。カネだけじゃなく、イマジネーションも才能も足りなかった。ぶっちゃけ日本の特撮界には、科学や工学のセンスを持つ人があんましいないニオイがぷんぷんしてた。目分量だけで「こんなもんでしょ」で済ませてた感じと言うか。

一方ハリウッドにはそういう才能がひしめいてて、リアルさをひたすら追求した SFX 映像をガッチリ練り込んでた、んじゃないかと。そうじゃなきゃここまでの説得力の差は出んような。つまりそれが、今日出した画像の1枚目と4枚目との差。何もかもが違いすぎる…… orz

とりあえず、当時はもう映画撮影用のシュノーケルカメラ(胃カメラみたいなやつ)が存在してたんだから、それと同じレンズ径で35mmフィルムで撮影することもできたはず。それで撮れば、大きさ感をもっと演出できたんじゃないかと思うんだが。ああでもシュノーケルカメラと同じサイズのレンズって、光量確保のために広角しかなかったのかも。

もう眠いんで強引にまとめたくなってきたっす。

そんなこんなのチキンウォーカー、人型歩行ロボットみたいに実現すれば面白いしカッコイイ題材だとおいらは思うんだけど、いまだに映画やアニメの中だけの代物みたいなんですよ。ほんと誰か作ってくれる人いないかなぁ。

銘板
2009.11.2 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091102
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ハウルから人類の生物学的宿命

もしやと思って。

記憶が定かじゃないけど、もしかしたらハウルのお城ってさ、チキンウォーカーだったんじゃねーのかと。

善は急げと Goole 画像検索。

ハウルの動く城

……、

……、

……。

すんませんした。ガニ股だったんですね。

顔つきからも分かるのは、モチーフの生き物は魚類か両生類か現生爬虫類ってあたり。鳥類じゃないのよね。あのあたりの脚ってガニ股だよね(ハゼの仲間だと思うけど、胸びれが細い数本の脚になってるやつを見たことある)。体の横から横向きに脚が生えてるもんだから。

一方、鳥の脚は下向きに生えてる(正面から向き合うとすっくと直立して見える)。鳥類の先祖は恐竜の仲間らしいとされた根拠には、そこらへんの共通性もあるらしい。

ちなみに現生爬虫類(亀とかワニとかトカゲとかイグアナとか)みたいなガニ股な脚の付き方だと、支えられる体重に限度があるそうで(現生最大はコモドオオトカゲで、最高記録は166kgらしい)。恐竜が巨大になれた背景には、それに耐えられる骨格を獲得したから、なんだそうな。昔読んだ『恐竜ザウルス』って雑誌にそう書いてあったから間違いないw

てことはさ、爬虫類に遅れてこの世に生まれた我ら哺乳類もさ、もしかしたら恐竜が先祖なわけ?

って調べてみたら、爬虫類と哺乳類は 有羊膜類 てのからそれぞれ分岐したらしい。で、爬虫類→恐竜の進化はその後、

竜弓類
爬虫類
双弓類
主竜形類
主竜類
恐竜

と、けっこうなステップを踏んでる。下から2番目の主竜類まではワニも含まれてるんで、下向きの脚はこの時点じゃまだ獲得してなかったっぽい。哺乳類の方は、爬虫類になったやつらとは有羊膜類から袂を分かって、

単弓類
獣弓類
獣歯類
キノドン類
哺乳形類
哺乳類

で、こっちもかなりの段階を経過しとりますな。このどの段階で下向きの脚をゲットしたんかは知らんけど、とにかくそれを武器に、こっちも恐竜ほどじゃないけど大型化に成功。アフリカゾウ(約7トン)とかキリン(約1トン)、牛(約700kg)、馬(サラブレッドで約500kg)なんてよく知られてるのでもコモドオオトカゲよりずっと重かったり。下向きの脚ってのが生物史上でどんだけすごいエポックだったかよく分かるわ。んでこれ上で見た通り、爬虫類と哺乳類で個別にこの同方向な進化が起きたっぽい。んんーすごいことですなぁ。

ていうか人間でも200kg超の人が相撲取ってたりするし。2本の脚だけで直立っての、他の四つ足の動物に比べて背骨や骨盤に凄まじい負荷がかかってるはずなんだよね。上半身の全重量が、直列に並んだ骨&軟骨のライン1本にかかるもんだから。そこから下は負荷は2本の脚に分散されるけど。

てことは、スッと背筋を伸ばしたいわゆる「姿勢が良い状態」ってのは、その体重が圧縮応力だけで済んでる状態で無理が少ないってことなのかも。曲がってると座屈につながる曲げ応力が発生するからね。うう、背骨の座屈なんてグロすぎて考えたくないわ (T_T)

人類が腰痛や椎間板ヘルニアに悩まされる理由がちょっと分かった気がする。

銘板
2009.11.3 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091103
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

「信用」の正体 1

「俺が上。お前が下」

「俺が正しい。お前は違う」

ろくな根拠もなくこう決めつけてこんな態度を取るのってさ、おいらも思わずやってしまってたりして、そういう場面を思い出すだに恥ずかしくなるんですわ。けどこれを是として生きてる人たちって実際にいるんだよなぁ。

こういうことをされてみてイヤなのは、もうおいらのことを「自分より立場も人格も何もかも下」と勝手に設定しちまってるってとこ。こっちが下手(したで)に出れば露骨につけあがって手を付けられなくなるし、無視したり論破したりすれば子供みたいにあられもなく怒り狂ってなおさら手に負えないし、ってあたり。まぁどっちにしてもおいらには手の施しようがなくなってしまうわけで。お手上げなんですわ。けど相手にとっては全部おいらが悪いっつうことで一方的に結論されてたりして。どうも「下のくせに生意気な」ということらしい。

「立場が下」だけだと分かりやすくていいんだけど、そこよりも、人間性を下に見てるのが手に取るように分かるのよね。こうされるともう相手の底が読めちゃって、醒めるだけなんだよな。こっちが醒め切ってるのを読めずに暴走をやめない彼ら。

この手の人たちに共通なのは、「『それが真実かどうか』より『それを誰が言ったか』で物事を決める」、という衆愚政治的な判断基準ですな。エラソーに言ってるおいらもけっこうやらかすから、あんまし言えんのだけど。

これってそういえば、一部の頑迷な外国人の日本人に対する態度と同じだね。自分の国が何でも上で日本は何でも下。この無理な前提を手放せないもんだから話が全然噛み合ない。矛盾が出て話がおかしくなると逆ギレして席を蹴って逃げて終わり。向こうは言いたいことを相手にぶつけて不愉快にさせるのが目的だから、そんな幕切れでも目的達成ってことで勝ったことになる。そして日本人はその国の人たちを信用できなくなる。アレと同じかと。

銘板
2009.11.4 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091104
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

「信用」の正体 2

昨日のログで

「『それが真実かどうか』より『それを誰が言ったか』で物事を決める」、という衆愚政治的な判断基準ですな。

と書いたけど、おいらはこの前半はとりあえず理解できる。人間ってそうしがちだよねーこれってちいとばかし危ないよねーって感じで。けどそれをそのまま衆愚政治的と直結していいのかどうかは、実はちょっと自信なかったり。てのは、この前半部分こそが「信用」というやつの正体のような気がしてるんで。

「あの人が言うんだから間違いない」「この出版社が出してるんだからこの本の内容は信頼できる」って判断、よくやってると思う。っつうかおいらすごくやってると思う。これそのまんま「『それが真実かどうか』より『それを誰が言ったか』で物事を決める」だね。肩書きや学歴でその人を大体決めてしまうとかさ。

これがそのまま衆愚政治的なんだとしたら、世の中の基軸が衆愚政治だってことになる。だから、後半部分は自分でもアレレ?なんですわ。これを断定するほどの大胆さはおいらは持ち合わせてないってことで、腰が引けとります。

本来なら、どんな事象であれ刑事や探偵のように平等に疑いを持って判断しなきゃなんないんだけど、普段からいちいちやってらんない。そこで話者の信用度を足して考えれば、とりあえず物事の真偽を間接的に判断できる。しかも人付き合いを円満にしとくと、重要情報や確実性の高い儲け話なんかを持って来てくれる。自分が変な方向に行きそうなのを止めてくれる。人付き合いに大事なのは信用。信用ってのは、「あの人は大丈夫」っつう、言ってしまえば思い込みの一種。実体はない。けどそれがいろんな局面で自分を助けてくれるのよね。で、その相手の自分に対する好ましい思い込みを保つためには、それが正しいことを自分が常に実証し続けること。

商売や人付き合いには信用が大事。これは国や文化を問わない。その表現や解釈にいろいろ地域的・民族的な個性はあるだろうけど、本質は変わらない。てことは、こいつは人類の遺伝子にあらかじめ植え込まれた先天的な性質と思われ。となると理性や理屈だけじゃどうしようもないこともあるんだろうけどさ、まぁどうしようもないことなんだから、うまいことバランスを取って、なあなあで折り合わせるってしか答えがなさそう。

てことは人間関係を考えるときは、その落としどころの個人差も計算に入れるべきってことになるのかな。てゆうか自分で言っててなんだかよく分からん観念論になってしまったよ(汗)

銘板
2009.11.5 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091105
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

日本独自の宇宙ステーションはどう飛ぶか

日本の宇宙開発界の重鎮・五代富文氏、なかなか面白いことを考えとったんだなー。まぁこの人、いつも発想が面白いんだけどさ。

将来、国際宇宙ステーション(ISS)が廃棄されるとなったとき、その余剰部品を使って日本独自のステーションを作ってはどうか、なんてアイディア。記事はこちらこちら

一番の売り物になる実験棟は、今 ISS に取り付けられてる きぼう をそのまま使う。それだけじゃ居住区画も発電とかのユーティリティもないんで、それは ISS から安く、あるいはタダで譲ってもらう、と。そのあたりの生命維持関係はほとんどアメリカが権利者だからね。日本は現状でロシアの宇宙開発とはあんまし交流ないみたいで、アメリカにべったりの状態なんで、けっこう都合いいかも。けど ISS 計画に共同参画してるヨーロッパやロシアも同じことを考えてたりすると面倒かも。入札になっちゃうと値段がつり上がるよね。そうなると、売り主のアメリカだって少しでも高く売却したくなるだろうし。

ロシアにはまぁ、飛行士の往復にソユーズ宇宙船を有料で使わせてもらうからってことで手を引いてもらったりもできるかもしんない。したらヨーロッパがライバルか。連中は長い歴史でロシアともアメリカとも気心が通じてるし、国際政治でも日本より発言力あるからなぁ。けどそこらへんクリアしたとして、日本独自のステーションができたとして、ひとつ疑問。

軌道傾斜角は何度に設定するんだろ。

今、ISS の傾斜角は51.6°。これロシアの打ち上げの都合に合わせた数値で、日本の種子島からモノを打ち上げるとすると、種子島宇宙センターの北緯と同じ、約30°が一番都合がいい。これだと真東に打ち上げられるから、ロケットの能力を最大限に活かせる。けど部品にばらした後とはいえ、宇宙ステーションなんつう巨大な物体の質量の衛星を21.6°も軌道変更するのってかなりキツいと思うんだ。

21.6°って図にするとこのくらい↓。

21.4°

かなりな軌道変更量な気がする。sin21.6°≒0.368 なんで、軌道速度の変換量はあの高度だと7.8(km/s)×0.368≒2.87(km/s)と。うむー、ステーションの総質量をとりあえず40トンすると、H-IIA ロケット(10トンのペイロードを真空中で10km/sくらい加速できる能力)まるまる1機必要ですなぁ。H-IIA(289トン)そのものをペイロードとして高度400kmに打ち上げるのって、どんだけでかいロケットが必要なんだと。ちなみに過去に打ち上げられたことがある巨大ロケットの低軌道打ち上げ能力は、アメリカのサターン V が118トン。旧ソビエトのエネルギヤが88トン。アメリカが現在開発中の史上最強のロケット・アレス V が130トン(予定)。全然足りん。この線は現実的じゃないことが判明しましたな。

無理にやるとしたら、H-IIA なり H-IIB なりのペイロードとして軌道変更ロケットを何十回も運び上げては、ステーションに自動ドッキングで取り付けて噴射して、ちびちび軌道を変えていくってなあたりですか。H-IIA は1発85億円。H-IIB はコストダウンが順調に進んだとしても1発110億円。軌道変更だけで数千億円かかるってことか。やっぱ無駄だわ。それよか、ペイロードの搭載量が毎回ちょっと目減りする不便を我慢して、軌道傾斜角51.6°を維持した方がいいわ。

っつうか人員の打ち上げはソユーズに頼るから、カザフスタンから打ち上げってことで、やっぱ51.6°を保つのが正解のような気がしてきた。

銘板
2009.11.6 金曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091106
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

視点ごとのアレ

どっちが正しいとかってのじゃなく、モノの見方っていろいろあるんだなぁっつうのを思い出して。

かなり前にさ、友達(あんまし仲のいいやつじゃなかったから「友達」と言っていいのか微妙)と、その当時の最新のクルマの話題をダベったのよ。で、そいつがホンダのインスパイアがイイと言い出して。内装のゴージャスさを語り出して。成金の息子でさ。まぁそれっぽい褒め方でしたな。けどそこはおいらは全く興味のないところでして。そんなん超どーでもいーよ、と。

んでまぁこいつのことキライってのもあってイラッとしてしまって、おいらはケチつけたくなった。

「そぉかー? あの FF ミッドシップって形式なんてダメだろ。納得行かねぇ。なんじゃそりゃ」

したら彼、

「そんなとこ気にするやつなんて1人もいないよ!」

「1人も」って、おいらがいたんですが (^_^;)

何を話しても通じ合えないっぽかったんで、もうインスパイアの話題はそこでおしまい。とりあえず新鮮だったのは、男なのにクルマの構造にまったく無関心なやつが実在したってこと。嫌味じゃなく、素直にすげぇびっくりだったよ。それまで、クルマが好きな男はみんな、メカ以外にこだわりどころなんてないと思い込んでたよ。

あと、おいらが全く気にしたことがなかったクルマの内装なんてものが、そこまで大事なもんだったのも初めて知ったわ。

けどまぁこの2人の極端な視点って、今考えるとお互いに的外れもいいとこでさ。FF ミッドシップを好きかどうかは別にしても、CM じゃそのことを盛んに宣伝してた。メーカーとしては客に気にしてほしいポイントだったってこと。

内装の重要性は言わずもがな。気にしないのはおいらくらいなもんで、外観と同じくらい内装に力を注がないと、売れるはずのクルマも全然売れないんだとか。確かに、クルマなんて走ればいいや程度に思うやつは中古車でも漁ってればいい話で(実際おいらは中古車専用)、新車を売りたいメーカーとしては、新車を買う人の気持ちを察しますな。そりゃ内装にも力が入るわ。

ターゲットが若い男性層だと、女のコを乗せたときにイイ雰囲気を演出できなきゃ(少なくともぶち壊しにしないようにしなきゃ)なんないし。30代あたりまでの女性が対象ならカワイく、あるいは上品にしなきゃ見向きもしてくれなさそうだし。金持ちのオッサンがターゲットだと、光り物を適度にギラギラさせたくらいが高級感を醸し出せるだろうし。

まーほんとそこらはものの見方だねぇ。

銘板左端銘板銘板右端

とまぁ理屈じゃ内装の大事さは分かってるつもりだけど、そこらを審美する感覚さえないんで、「内装なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです」としか思えん……。実際、運転中は窓の外しか見てないしさw

っつうかおいらの愛車のローバーミニ、外見はカワイイのに、中身はほんと殺風景。おいらのやつの仕様はダッシュボード下がガバッと開いててそこに何でもモノを放り込めるようになってる。巨大グローブボックス。フタがないんで中身丸見え。そこに詰まってるものと言えば、とりあえず運転席の前は3連メーター。

メーターはいいとして、中央あたりには書籍が5,6冊積み上げられてる。これ、夜中にラーメンとか食いに言ったときに食いながら読む用。内容は一般向け宇宙論とか一般向けのヒコーキ本とかそういうやつ。で、注目の助手席の前は、非常用のタオルと軍手w エアコンないもんだからさ、雨の日は窓が曇るんだよね。タオルはそれを拭くやつ。軍手は、なんかトラブったときの対処用。女性ウケ完全無視ww

銘板左端銘板銘板右端

6代目か7代目のスカイラインの販促パンフだったと思ったけど、冬の北海道で走行テストをするのは素直に理解できたけど、ドアが閉まる「バムッ!」という音までも開発項目に入ってるとは思いも寄らなかったなー。売れる商品を作るってのは、そんなところまで神経を使うってことなんですなぁ。

銘板
2009.11.7 土曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091107
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

カステラ語源ちびっと探検

ふと思いついた。お菓子の「カステラ」の語源ってさ、英語の "Castle"(お城)と同じかなー、と。

んで「Castilla ポルトガル語 意味」でググったら、こちらのブログ様がお墨付きを与えてくださった感じ。

ポルトガルのあたりにかつて「カスティーリャ王国」と言う国があって、そこから来たお菓子だからってことで、日本に来たら訛って「カステラ」。そこまでは知ってた。上記ブログ様によれば、「カスティーリャ」(Castilla)は「お城」の意味で、その国にはそう呼ばれるくらいたくさんのお城があった、ってことらしい。

って、あれ? "Castilla" ってスペイン語なの? ポルトガル語じゃないの? と Wikipe ったら、ははぁポルトガルのお隣にかつて存在した、現スペイン領のお国でしたか。なるほどなるほど。

お、「カスティーリャ王国」の項目だと、

菓子のカステラは、王国名のポルトガル語発音である「カステーラ」(Castela)からとされている。

だそうな。ポルトガル訛りが間に入ってたのかー。ふむふむ。

別にオチとかないんだけど、すっきりしたもんで。

銘板
2009.11.8 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091108
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

日本の資源輸出は世界をちょっと救うか

なんかこれから、世界では慢性的な水不足の問題が表面化するとか。

特にアジア・アフリカで、人口増加と産業発展で増え続ける水の需要に供給が追いつかなくなるのは時間の問題、ということらしい。

けどその情報は来ても、とりあえず我が国にはその切迫感まではなかなか伝わってこない。というのも日本って資源小国ではあるけど、水資源は豊富なもんだから(他に自給できてるのはコメと石灰と温泉くらいか。あとプルトニウムも。ていうかそれ余ってるっぽい (-▽-;))。アジアで言うと、東南アジアは大丈夫っぽい気がするけど、中国やインド、中央アジアや西アジアの内陸部がやばいっぽいような。

んでまぁまさに焼け石に水なのかもしんないけど、日本はちょっとだけでも貢献できるんじゃないかなって気がして。

原油タンカーの行きの便に、日本の川で汲んだ淡水を入れて運んではどうかと。石油貿易の相手国ってことでアラビアあたりしか対象になんないだろうけど、やんないよりマシなんじゃないかと思って。

原油タンカーって、空荷だとバランスが取れないんで、日本から行く便は、日本の港で汲んだ海水を入れてるんだそうな。で、現地でその海水を海に捨てて空荷にしてから原油を入れる、という段取り。でもこれちょっと環境保全の面で問題があるらしい。日本の沿岸に棲んでる生物を一緒に向こうに持ち込んでしまって、彼の地の海の生態系に悪影響を与えてるとか。そういう問題もあって、海水よりは淡水の方が都合がいいんじゃないかと。

川の水だとすると、浄水してないからそのままじゃ工業用にさえ使えないけど、積み込みまでのコストは最小限にできますな。それにタンクの内面はもともと原油が付着してるから、どっちみち水としては汚れるわけで、手間ひまカネかけた綺麗な上水を入れるのは無駄ってことでもある(でも泥抜きは必要ですな。タンクにたまるとそのぶん無駄だし、除去の手間がかかるんで)。

で、現地でタンク内の淡水を汲み出してそのままパイプラインででも浄水場に流し込んでしまえば、そのぶん水不足が解消されるってことで。どうせもともとタンカーは日本から中東まで海水を無駄に運んでるんだから、代わりに同重量の真水を運ぶってんなら燃料代は上積みにはならない→運賃ゼロですな。そのうえ生態系には影響がないし。もし相手国がこの淡水の代金を支払ってくれるんなら利益が出るでしょ。元は日本の川から汲んだだけの、原価ほとんどタダの水なんだし。

利益が出るなら、限度一杯まで積んでいけばますます効率が上がるし。とりあえず原油満載と同じ重量は詰めますな。原油の比重は0.9くらいらしいんで、同じ重さの水を入れても、タンク容積は1割くらい余裕がある、と。荷物を多く積めばそれだけタンカーの燃料代がかかるから、折り合いのいいところまで積むってことでどうでしょ。

そのうえ、海水に替わって淡水なら、タンカー内のタンクや配管が錆びにくくなって長持ち/補修代が浮くっつうメリットまでありそう。

と、いいことだらけのような気がするんですが。問題は日本の港での川の水の供給施設、それと現地での受け入れ施設のカネを誰が払うか、だけど、こういう国際貢献なインフラなら、それぞれの国が税金で整備しちゃっていいんじゃないかと。いったん作れば、基本は揚水ポンプ+泥抜き設備だけなんだから、工業用水よりランニングコストは安いだろうし。

砂漠が多い国で農業用水が増えれば、点滴灌漑で食料生産量を一気に伸ばせるかも。この農法で使える土壌(砂漠)は現地に有り余ってるはずだしさ。

銘板
2009.11.9 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091109
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

もう何度目かの絶体絶命 - 小惑星探査機はやぶさ

♪元気でいるか 宇宙(そら)には慣れたか

 再起動できたか

 寂しかないか 燃料あるか

 今度いつ帰る

銘板左端銘板銘板右端

今日はめでたいベルリンの壁崩壊20周年ってことでお祝いのログを書きたかったんだけど、そういう気分になれないニュースが舞い込んで来て。統一ドイツの皆さん、お祭りに馳せ参じられなくてすみません。おいらのことは気にせず、この歴史的記念日を楽しんでください。

そのバッドニュースってのは、なんかまた小惑星探査機 はやぶさ に危機が襲いかかっている、という話。公式発表はこちら。前々からいつ死んでもおかしくない状況のまま、来年6月の地球帰還に向けて航行を続けてるんだけど、頼みの綱のイオンエンジンのうち1機がついにオダブツらしくて。今は4機のうち2機を稼働させなきゃいかん時期なのに、その推力が半分になってしまった、ということ。このままだと来年が予定の地球帰還に加速量が足りない。帰還できない。

ちなみに残りの2機はとっくに昇天済み。設計寿命を超えてたからしょうがないって考えもあるけどさ、それでも、それでも……。

イオンエンジンは推力がものすごく小さい。1機あたりたったの0.87グラムしか出ない(ミリニュートンとグラムの換算が合ってるかちょっと自信なし)。指で軽く触れる程度の力。それで質量500kgの探査機を動かす。太陽電池で作った電力でこのエンジンを長い時間噴射し続けることで、少しずつ探査機の速度を変えていく。空気抵抗も重力もない宇宙空間だから可能な技(正確には太陽の重力は存在してる。探査機が太陽を公転する遠心力と、太陽の重力が釣り合ってるんで、見かけ上の「無重力」ということ)。

なんでこんなまどろっこしいことをするのかっつうと、普通の化学エンジンが燃料に内蔵されたエネルギーを使うのに対して、イオンエンジンは外から太陽エネルギーをもらって利用するんで、そのぶん同じ速度を出すための燃料消費量が10分の1に減る。だから搭載する燃料(正確には推進剤)も10分の1でいいのだ。

で、「この時期にこの方向にどれだけのパワーで噴射し続ける」というのを計算して軌道を割り出して、地球にちょうどぶつかるように持ってくんだけど、何しろ力が弱いぶん稼動時間で稼ぐわけで、ひとつの予定軌道を決めたらもう他のプランは成り立たなくなる。瞬発力がある化学エンジンだと、探せばその後にもチャンスがあったりもするんだけど。で、今回みたいな急な事態になってしまうと、その後の選択肢があんましないっぽくて。

それでもチームの人たちは、どこかにこの問題の出口があるはず、と、手を打てるいろいろな可能性を探って頑張ってる最中らしい。はやぶさ チームはもう今まで、充分過ぎておつりの方が多くなるくらい頑張ってきた。そしてそれに見合った、あるいはそれ以上の成果を挙げてきた。けどここへ来てまた新たな試練(厳しいようだけど、「最後の」とは敢えて言わんよ)。

21世紀初頭時点の日本の宇宙科学の技術力じゃ、この計画(小惑星に行って、表土の試料を採取して地球に持ち帰る)が半ば無謀だってのは分かってるつもりだった。現にプロジェクトチームは計画の発表後、アメリカの科学者に「君たちには無理だからやめた方がいい」とまで言われた。それでも計画は進められ、いくつかのトラブルを乗り越えて、目標の小惑星イトカワにたどり着いた。

現地での精密な観測と着陸/試料採取行程/離陸を終えた時点で、はやぶさ は一度力尽きた。運用チームの努力でなんとか復活したときには、もう機体はズタボロになってた。地球に帰れるかどうか、かなり怪しくなってた。次々と発生するトラブルが はやぶさ を痛めつけるごとに、おいらを含むファンたちは、この冒険が分不相応なものだったことを実感してきたつもりだった(分相応ならもうそれは冒険じゃないんだけどさ)。

もう何度も絶体絶命の瀬戸際を味わったよ。その度に胸を締め付けられる思いをしてきたよ。でもそのたびに はやぶさ とチームは乗り越えてきたよ。奇跡を起こし続けてきたよ。きっと今回もどうにかしてくれると信じてるよ。信じてはいるけど、根拠のない楽観は控えるよ。そうじゃないと、常に全力で難局に当たってきた彼らに失礼だからね。

おいらは今回も何もできない。だから祈るしかない。どうか神様、もし神様がいるのなら、地球へと続く蜘蛛の糸を、はやぶさ に掴ませてやってください。どうか、どうか……。

銘板
2009.11.10 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091110
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

宇宙デュアル CPU

はやぶさ みたいな宇宙探査機の CPU って、おいらたちが普通に使ってるパソコンの100分の1程度のクロック数しかないらしい。

なんでまたそんな質素なのかっつーと、宇宙用に品質が保証された電子部品って特製だし宇宙機なんてそんなに需要がないから。いったん生産ロットぶんを作ってしまうと、それを消化するのにえらく時間がかかる、捌けるまで古くて性能の低いものを我慢して使い続けなきゃなんない、ということみたい。

けど開発の人たちは技術のエキスパートなもんだから、性能に制限があるならあるで、それにぴったり合わせた恐ろしく無駄のないプログラムを書いてしまうらしい。彼らに言わせると、一般のソフト屋さんたちはハードウェアの性能をちっとも引き出せていない、のだそうで。

んでまぁそれは分かるんだけど、やっぱし爪に灯を灯すようにして動かしてる感は否めないなぁ。そこで考えたんだけど、バックアップ兼用として、マルチ CPU にしちゃどうかと思って。今の CPU はデュアルコアとかクワッドコアとかが主流だけど、その少し前は同じシングル CPU をふたつ並べるデュアル CPU ってのがあった。Mac だと PowerPC G4と G5 でやってたな。あのノリで。んで、片方が壊れたときや電力に余裕がないときはシングル CPU として動かせるようにもする、と。そうすりゃ平時はデュアルで高速処理できるんじゃないかと。3個以上でもいいし。

別に現状で困ってないならわざわざそんな面倒な仕掛けを組む必要もないんだけどさ。宇宙機の CPU が壊れたなんて話も聞いたことないし。けど最近は宇宙機搭載の高利得アンテナがパラボラからアクティブアレイに替わってきてるから、大容量通信に合わせて矢継ぎ早にデータを送信するには、高速なデータ処理が必要になってくるんじゃないかって気もするしさ(来年打ち上げの金星探査機 あかつき の通信速度、6年前に打ち上げた はやぶさ の4倍だからなぁ)。

ただ、CPU 単体は小さくて軽いものだけど、熱を出すからその対策がかさばって、全体で大きく重たくなるかもしんない。そこが避けられる理由なのかも。

んー、いや、やっぱし計算能力は高い方がいいと思うわ。はやぶさ が難儀したひとつは、小惑星イトカワへの着陸ミッション。現地到着前までは、イトカワの表面は砂に覆われてて、比較的滑らかなんじゃないかと思われてた。ところが実際は岩肌ゴツゴツ。地形が複雑なもんで、はやぶさ の自動着陸機能は誤作動しまくり。なかなか着陸できなかった。これ、大容量の画像データを高精度のまま高速処理できてたら、つまり はやぶさ の頭の回転がもっと速かったら、もしかしたらもっとスムーズにこなせてたのかもしんない(違ってるかもしんないけど)。そこらへんの余裕を確保しとくって意味でも、役立つような気がするなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

そういえば、もし はやぶさ にアクティブアレイアンテナが載ってれば、着陸ミッションのときは各天体の位置関係から、地球と高利得アンテナでつながったままやれてたのかも。実際は中利得アンテナ(32bps)で、かなり心細い通信でしかつながってなかった。着陸時は機体に固定したパラボラアンテナがわずかに地球に向く線からずれてたんで。擬似的に首振りできるアクティブアレイならどうにかなったかと思う。だったら、刻々と迫るイトカワの表面を生中継でどんどん見れてたかも。

イトカワへの初めての着陸は不時着だった。地上じゃそんな細い回線での薄い情報しか得られなくて、何が起きたのかしばらく分からない状態だった。これが着陸までの画像データだったら、もっと素早い状況判断と対応ができてたかも。そしたら機体へのダメージも少なくて、その後の致命的トラブルを回避できてたかも。まぁ後知恵だからどうとでも言えちゃうんだけどさ。

銘板
2009.11.11 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091111
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

バーチャル地球儀でバーチャル 3D

くだらないこと思いついてさ。

最近ようやく Google Earth を楽しみ始めてて。6月に iMac 買って、初めて Google Earth やれる環境が手に入ったってことで。いやいやいや忘れてたわ。

で、ただただ地球をぐりぐり回していろんな街を見に行ったり、世界のロケット打ち上げ基地の経度・緯度情報をどっかのブログ様で見つけて打ち込んでみたり、とかやってたんだけど、ま、ひとつくだらないこと思いついてさ。で、

地球の立体画像

まぁ確かに球に見えるんだけど、地球儀そのまんまなんだよね。この画像の地球をぐるぐる回せるわけでもないから、地球儀の方がずっと使えるんだけどさ。

とりあえずやってみましたってことでひとつ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

もしかしたら山岳地帯や海溝なんかも立体で表現できるんじゃないかと思ったんだけど、山はどうもただ衛星や飛行機から撮った写真を、海底は海図を元に作った画像を貼り付けただけみたいで、立体になってくれないっぽい。八戸みたいな、ろくな航空写真がない地方の中小都市の市街地は、灰色一色の3DCG な建物が出てくる。バードビューができるんで立体を作れるんだけど、この建物群、平面形はともかく高さはかなりテキトーだね。なんかやる気なくなっちまったわ。

銘板
2009.11.12 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091112
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

チキンウォーカー最新型

日本映画で最新チキンウォーカーが出てたわ。それは『20世紀少年 <最終章> ぼくらの旗』。今年の夏の作品ですな。おいらは未見だけど、公式サイトの予告編から画像をがめてきた。

チキンウォーカー@『20世紀少年』

ちいと不鮮明だけど紛れもなくチキンウォーカー。

しかしこれ両足の間が開きすぎだなぁ。原作漫画を読んだときから思ってたけど、この間取りじゃまともに動歩行できんと思うぞ。

松葉杖を片方だけ使うのと似てるね。この境遇の患者は、初めのうちは怪我をしてる足の側で松葉杖を使うけど、やってるうちにだんだん歩きにくいことが分かってきて、何も言わなくてもそのうちみんな、健常な足の側で松葉杖を持つようになるそうな。

はじめの方のやり方は「使えない方の足の代用」ってことで理解しやすいんだけど、足と足の間が広いとモーメントが発生して、それを押さえるのにかなり力を割かなきゃいかん。その支点が一歩ごとに大きく移動するしな。ところが後の方だと、立ってる患者を真上か真下から見て、使える足の支点(股関節)と松葉杖の支点(脇の下)が近い。モーメントが弱いわ支点の移動も少ないわで、楽にスムーズに歩ける、と。

おいら前に足を骨折して、しばらく松葉杖2本の生活をしたことあってさ(2002.11.4)。そのとき治りかけのときにチャンスとばかりにこのやり方を試したら、ほんとその通りだったよ。ちょいとコツが要ったけど。

まぁそんなわけですよ。松葉杖は人型二足歩行での話だけど、鳥型でも本質的には同じ。

つか映画と原作じゃ子供の空想をそのまま実現化したっつう設定なんで、そんな理屈なんかどうでもいいわな。「ともだち」が「よげんの書」を再現するため、無理矢理だろうが効率無視だろうが、とにかくその巨大ロボが実際に歩ければそれでいいってことなんだけどさ。

銘板
2009.11.13 金曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091113
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

酷似動作

あのさ、ブーイングのジェスチュアあるじゃないの。親指を下に向けるやつ。

不満の度合いによってさ、両手でやったりするじゃないの。

あのポーズと動きってさ、

……、

……、

……。

ホットドッグにケチャップとマスタードをかけるのにすごく似てるなーと思うけどどぉ?

……、

……、

……。

この件についてのブーイング、慎んで承ります (^_^;)

銘板
2009.11.14 土曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091114
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

何度でも繰り返す愚

2009.11.10『宇宙デュアル CPU』 の続きだす。

巨額の税金をぶち込んでの宇宙開発の利点と言えば、一般的な産業へのフィードバックってのがある。けどそれができる分野とできない分野とがあるわけで。ハードウェアだと、宇宙用 CPU は上に書いたみたいに、世間一般から遅れてるのを我慢して使ってる後追い状態。他分野への応用と言えば、耐放射線能力で原子力産業ってあたりかな。重要だけど市場としては小さそう。でもハードウェアの能力を最大限に引き出すソフトウェア作りのノウハウは行けるんじゃないかって気がする。この市場は間違いなくでかい。

90年代に恐ろしい勢いで増え続けた PC のクロック数も最近は頭打ち。そしてその成長期、ソフト屋はハード屋が血を吐く思いで工面した貴重なリソースを、計算能力向上よりも余計な機能を満載する(処理速度を遅くする)方向に費やしてきた。結局 CPU の能力向上って主に「買わせるため」に利用されてきたわけで。けどとうとう CPU 処理能力の低成長時代に入ったっぽいんで(GPU まで動員するっつう苦肉の策を使うようになったし)、今現在の宇宙開発分野が格闘してる「限られた処理能力をプログラミングの工夫で使い切る」が、これからの一般向けソフトウェアの売り物になれるんじゃないかと。

ああでもどうだろ。一般消費者って宣伝用の分かりやすい数字に騙されがちって面があるからな。と、おいらあたかも「あなたとは違うんです©元首相」な言い方したけど、値段が「1万円」より「9,998円」の方に確実に転ぶ orz

かつて「シーマ現象」てのがあった。シーマのそこまでの人気を支えたもののひとつが、「国内最大の280馬力」っつう宣伝文句。これが顧客に満足感を与えた、てのがあったそうな。けどクルマの運動性能を語るには、馬力単体の数値じゃなく、車重を馬力で割ったパワーウエイトレシオの数値なんだよね。シーマは高級車なもんだから車体が重いんですよ。てことで、せっかくの馬力がそこで殺されてた。てことで、「国内最大の280馬力」ってこけおどしだったのよね。その数値を利用して性能的に何をどうするってわけじゃなく、単にドレスアップのパーツだったってことで。

PC の性能を CPU のクロック数で語るっての、なんかこのシーマ現象の馬力の話に似てる気がしてさ。時代は繰り返しますなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

あれ? もしかして CPU のクロック数が伸びなくなったのって、PowerPC が PC 市場から撤退して Intel の競争相手が減ったからなのか? ほんとはもっと伸びる余地があるのに、急ぐ必要がなくなったってことなのか?

銘板
2009.11.15 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091115
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

その原典

『未来忍者』に登場した和風チキンウォーカー・通称「神社ウォーカー」の新たな資料を発見したですよ。しかも公式。ちなみにこの前までおいらはこいつを「お宮ウォーカー」と書いてたけど、公式資料に「神社ウォーカー」と書いてあったんで、過去ログ分を「神社ウォーカー」に直しましたですよ。

で、プロの作品を勝手にがめるのは気が引けたけど、やっちゃいました↓。

神社ウォーカー

『未来忍者』美術を担当された サトシ・キタハラ様のサイト からっす。こちらが その画像の掲載ページ。って、あれ? なんか実際に映画に出たの↓とはけっこう違う気がする。

神社ウォーカー実写

風にはためく旗はまぁミニチュアの立体アニメーションじゃ表現しにくいだろうから外したと思うんだけど、なんかこう、足とか胴体の構造とか、かなり違うくね? デザイン画(「これはその最終バージョン」のはずなのに)じゃシンプルながらもここまでかっこいいのに、ミニチュア化でなんでこうなってしまったんだろ。予算的に厳しいプロジェクトだったみたいで、そこらの影響を受けちまったのかなぁ。

そういえば作品の出来も、急いでバタバタ作ったみたいな感じだったしなぁ。いやまぁ日本映画はタイムスケジュールをギチギチに組んで慌ただしく作るのが普通みたいで、その余裕のなさがやっつけ仕事ぶりになって、作品に見えてしまいがちなのが昔からの難点なんだけどさ。特撮ものの特撮場面は特にそうだった。ってさ、特撮映画は特撮場面が売りなのに、そこで手間ひまカネ惜しむのって本末転倒なんじゃないかとか。

銘板
2009.11.16 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091116
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

衛星萌え: イオ(木星)

前々からすごいんじゃないかと思ってた。

太陽系の惑星8つと冥王星ってそれぞれ個性があってかなり面白いけど、その衛星たちってのもまたヤバいくらい面白くて。「惑星のお伴」でしかない無愛想で殺風景な岩くれかと思いきや、そればっかしじゃなくて。

今ざーっとランダムに Wikipedia で観光してるんだけど、なかなかですよエエ。見た目からしてもう魅惑的でヤバい。

地球の月の次に有名な気がする、木星の4大衛星(ガリレオ衛星ですな)でも見てみますかい?

てことでまず衛星たちのご主人、木星の写真でも。

木星

いつ見てもゴージャスな木目調ですなぁ。ていうかなんかこのシマシマと目玉、いつもすげぇ怖いんですけど。しかも直径、地球の12倍ですよ。こいつだけは怒らせないようにしなきゃなぁっていつも思うよ。それがあるもんだから、衛星たちが余計にカワイく感じられるんだよね。

そんじゃとりあえず、今日はそのうちで一番内側を回ってる イオ いってみますか。上と下の写真じゃあたかも木星とイオのサイズが近いみたいだけど、実際は木星の衛星はどれも木星に比べるとお話になんないくらい小さいっす。一番大きなガニメデでさえ直径は木星の30分の1くらい。イオは40分の1。

イオ

壮観ですなぁ。

イオは今のところ、地球以外で唯一、火山噴火が確認されてる星だよ。なんかこの異様に赤いというかオレンジというかの風貌、いかにも「おらぁもぉばぐはづしたぐってよぉ」なんて意気込みを感じさせますなw 火山のエネルギーはどっから来てるかというと、木星からの潮汐力らしい。この衛星、地球の月と同じく、いつも同じ面を主星(この場合は木星)に向けてるらしい。テザー効果 ですな。テザー効果って、主星に近い側は公転の遠心力より主星の引力が勝って主星に落ちる向きに力が働く、主星に遠い側は主星の引力より公転の遠心力の方が強いんで力が外向きに働く、ということで、お互いに引っ張り合いっこをする現象。

一方、天体の公転軌道はどれも楕円軌道なんで、公転軌道の場所ごとに主星からの重力の影響が変わって、テザー効果の強弱が出る。そんでイオは公転周期の42.5時間ごとにおもっきし引き延ばされたり弱く引き延ばされたり、というのを繰り返してる。それで起きる地殻変動が熱エネルギーになって溶岩を作って、噴火が起きるってことらしい。溶岩を噴き上げるキネティックな仕掛けって何だろ。水蒸気爆発かなぁ。分からんけど。

そういうめんどくさそうな話も面白いけど、カビが生えたミカンみたいにも見えるこの特異な外観、そこにとりあえず目を奪われますなぁ。

銘板
2009.11.17 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091117
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

衛星萌え: エウロパ(木星)

次はガリレオ衛星の2つめ、エウロパ

エウロパ

間違いありません。どう見てもメロンです。いやいやいやw

で、なんかタイミングよく今日飛び込んできたエウロパに関するニュース

銘板左端銘板銘板右端

木星の衛星エウロパに魚が生息?

2009年11月17日(火)19時12分配信 ナショナルジオグラフィック

太陽からはるか遠く離れた木星の衛星エウロパの海に、魚のような生命体が生息している可能性があるという。エウロパは氷の外殻に覆われているが、地下の全域に深さ160キロの海が広がっていると考えられている。ちなみに衛星表面に陸地は存在しない。この海に従来モデルで想定されていた値の100倍の酸素が含まれているという画期的な研究結果が発表され大きな論争を呼んでいる。

酸素がこれだけ存在していれば、顕微鏡サイズを越えた生命体をはぐくむことが可能だ。研究チームの一員でアメリカのアリゾナ州ツーソンにあるアリゾナ大学のリチャード・グリーンバーグ氏は、「理論上、エウロパでは魚のような生命体が少なくとも3トンは生息できる。

“生命体が存在する”と断言はできないが、生命活動を支える物理的条件が整っていることは確実だ」と話す。同氏の最新研究は、先月プエルト・リコのファハルドで開催されたアメリカ天文学会惑星科学分科会(DPS)で発表された。

マサチューセッツ州のウッズホール海洋研究所に所属する深海分子生態学者ティモシー・シャンク氏は、今回の研究を受けて次のように話す。「判明している情報に基づくと、エウロパの海底の一部には、地球の深海に存在する熱水噴出孔周辺と非常によく似た環境があるはずだ。この条件下で生命体が存在しないとなると、その方が驚きだ」。

ただし今回の研究が示した結果だけでは、エウロパでどのように生命が進化しているのかは想像に任せるしかない。結論を出すにはあまりに早急すぎるだろう。

エウロパは1610年、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイにより発見された。しかし、この衛星が詳細に研究できるようになったのは、NASAの木星探査機「ガリレオ」が木星系に到達した1995年以降のことである。

探査機ガリレオは非常に興味深い調査結果をもたらした。特に、エウロパの表面下に塩分を含んだ海が広がっていることがわかり、生命が存在する可能性を見出した。万が一ガリレオがエウロパに墜落すると環境汚染の恐れがあったため、2003年、NASAはガリレオを意図的に木星に衝突させた。

ガリレオ本体から分離されたプローブ(小型探査機)が海をダイレクトに観測したわけではないが、エウロパ表面に広がる氷の外殻の年代や構成物資、地質的構造から、地下に海が広がっていることは確実だと考えられている。

前出のグリーンバーグ氏はこう話す。「例えば、エウロパのキラキラと輝く表面は年代が比較的新しいことを示している。太陽系に属する惑星や衛星はすべて誕生してから40億年以上たっているはずだが、エウロパの表面には衝突クレーターがあまりなく、氷の外殻は形成後わずか5000万年しか経過していないと考えられる」。

なぜ表面の氷が若いのか、それを解くカギは潮汐力(ちょうせきりょく)である。地球が太陽の引力により膨張・収縮するように、エウロパも木星の引力の影響を受ける。この潮汐力から生じる摩擦熱がエウロパを温め、太陽から7億7800万キロ離れていても、液体状の水が維持できるというわけだ。

また、氷の外殻は潮汐力によってひび割れを起こし、そこから比較的高温の地下の海洋水が染み出てくる。表面に達した海洋水は凍り付くが、それと同じ比率で古い氷は沈んで地下の海に溶けていく。このようにして、氷の外殻と地下の海は循環していると考えられる。

この“再製氷”サイクルにより、表面の氷が若々しく保たれる理由を説明できる。同時に、表面で生まれた酸素が地下の海まで運ばれている可能性も示される。エウロパの酸素は、木星の磁場から放たれた荷電粒子が氷にぶつかるときに生まれる。「再製氷のペースから推定すると、最初の表面酸素が地下の海に到達するまでに10〜20億年かかったと考えられる」とグリーンバーグ氏は話す。

同氏の推測によると、再製氷プロセスの開始から数百万年後には、エウロパの海の酸素レベルは地球の海を超える現在のレベルにまで達していたという。

変化がこのようなプロセスで進行したのであれば、私たちの知るような生命体がエウロパに定着した可能性は大いに高まる。グリーンバーグ氏は次のように話す。「まず、最も原始的な生命体が誕生するとき、無酸素の環境が必要となる。酸素はほかの分子体を分離させる性質を持つので、酸素があるとDNAなどの遺伝物質が自由に集結できなくなる」。

また、酸素レベルが急激に増大すると、活性度の高い酸素に未順応の単純生命体は生きていくことができなくなる。しかし酸素レベルがゆっくりと上昇すれば生命は耐性を持つように進化することが可能になり、それどころか酸素に依存するようにもなる。これが初期の地球で起こったと考えられているプロセスである。

このような主張に対し、反論も出ている。例えば、「魚のような生命体が存在するという可能性は、再製氷が5000万年ごとに周期的に行われていたら、という前提に立っている。しかし、再製氷はもっと断続的なプロセスだった可能性もある。その場合、酸素レベルは研究結果よりも低くなり、生命体の可能性も低下する」といった意見である。

アメリカのカリフォルニア州パサデナにあるNASAジェット推進研究所の上級研究員ロバート・パッパラルド氏は、次のように話す。「おそらく、5000万年前に大規模な循環があったのだろう。しかし現在では循環ペースは遅くなり、どんどんと緩慢になっている」。

パッパラルド氏によると、このシナリオでも酸素が海まで到達する可能性はあるが、複雑な生命体をもたらすようなレベルにはならないという。「エウロパの潮汐活動が断続的なものだとすると、岩石のマントルからもたらされる熱や栄養素の度合いも大きく変化することになる。環境の変化に対して耐性を高めるような進化が起こるだろうが、必ずしも地球で生まれたような複雑な生命体が誕生するとは限らない」。

また、パッパラルド氏は、潮汐摩擦がエウロパのコアまで温めるほどのものかどうかも、生命の可能性に大きく影響すると指摘している。

地球外知的生命体探査(SETI)研究所の宇宙生物学者シンシア・フィリップス氏も同じ意見で、「たとえ水中に酸素が大量にあったとしても、エウロパに微生物以上の生命体が生息している可能性は低い。生命を支える化学的栄養素の量が十分ではないと予想されるからだ」と話す。

それでも、ウッズホール海洋研究所のシャンク氏などは、「微生物だとしても生命の可能性があるのであれば、研究する価値は十分にあるはず」と考えており、いずれエウロパに降りた宇宙探査機が氷を突き進み、地下の海を探索する将来に備えて研究を進めている。その際には、地球の深海で熱水噴出孔から湧出する栄養素を遠隔操作無人探査機(ROV)で探知するような方法になると考えられる。

ただし、地球で使うような装備では役に立たない。まずは、DNAや RNAなど生命を示す化学的サインを探知できるセンサーを開発しなければならない。そして、小型化・軽量化などはもちろん、確実な通信機能が欠かせない。「地下の海にたどり着いて生命を見つけても、それを知らせることができなければ何の意味もないからね」とシャンク氏は話す。

しかしながら、NASAがエウロパ探査の次のステップとして行うのは、オービター(軌道周回観測機)によるものとなる可能性が高く、海中探索はおあずけのようだ。NASAは欧州宇宙機関(ESA)と共同でミッションを行う計画も立てている。

NASAジェット推進研究所のパッパラルド氏は、次期エウロパ・ミッションを担当しており、「NASAが計画しているオービターは、放射線などさまざまな影響に対しておよそ1年は持ちこたえられるはずだ。エウロパに“複雑な生命体”が存在する具体的な証拠を見つける可能性もあるが、それは楽観的と言えるだろう」と話す。「まず、有機体の成長に十分な化学エネルギー量が存在するかといった基本的な証拠が必要だ。可能性はゼロではないので、今後の探査活動に期待しよう」。

Victoria Jaggard for National Geographic News

銘板左端銘板銘板右端

なんか生命がいるかもしんないってことで。いたとしても微生物でしかない可能性が高そうだけど、それでもいるかもしんない。これはワクワクですな。

地球にも熱水噴出孔まわりに独立した生態系が実際にできてるからなぁ。もしかしたら同じ仕組みでエウロパにも、と考えるのは真っ当かと。ていうか元来、地球の生き物はいきなり光合成ベースで暮らしてたわけじゃなく、まずは熱水噴出孔の熱を利用する形で生まれて、太陽エネルギーを活用できるようになったら爆発的に繁殖したらしい。

エウロパは太陽から遠いんで太陽エネルギーを当てにはできんけど(太陽から木星までの距離は、地球までの約5倍。その位置で受けられる太陽エネルギーは地球の約25分の1しかない)、もし熱水噴出孔があれば、もしその熱が熱水噴出孔近辺だけでなく海の多くの範囲を温めるくらい、対流で海水を循環させられるくらいのものなら、もしかしたらいけるんじゃないかと。

とりあえず計算と観測から、エウロパの氷の表面の下に、水が液体で存在してるってことで、そのくらいの平均水温だってこと。平均だもん、場所によっては生命維持にちょうどいいくらいの湯加減かもしんない。

あ、もしかしたら木星からの熱放射で直接温められてるぶんも無視できないかも。木星自体が熱を発してて、その見積もりは太陽から受けるぶんの倍くらいだそうで。木星の軌道上で受けられる太陽エネルギーは地球の約25分の1。4%。エウロパが受ける太陽エネルギーも同じ。で、木星から別口で放射熱で受けるとしたら、まぁけっこうな助けになるような気がする。エウロパは木星の周りを公転してるから、その時その時によって太陽と木星の位置が違う。

てことでひとつの場所がいつも両熱源から放射熱を得られるわけじゃないけど、それでも熱的に意外と不利じゃないような気がしてきた。ただ、表面が氷で覆われてるってことで アルベド が高くて(0.67)、そのぶんせっかくの輻射熱をどんどこ反射してしまってるっぽいけど。

んで、イオと同じくここでも地熱のエネルギー源は潮汐力。木星の重力キョーレツだなぁ。イオじゃ火山噴火を起こすほどすごいもんだけど、エウロパじゃ水を温めるくらいのちょうどよさって感じですかな。

銘板左端銘板銘板右端

「エウロパ(Europa)」って名前、ギリシア神話の美女の名前から来てるみたいだけど、これきっと「ヨーロッパ(Europe)」と同じ語源だね。

銘板
2009.11.18 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091118
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

衛星萌え: ガニメデ(木星)

3番目は ガニメデ。木星の衛星の中で最大ですな。ていうか太陽系の衛星の中で最大らしい。っつうか水星よりでかいのかよ……。

ガニメデ

見た目は地球のお月様↓に似てるね。似てるところは似てるんだけど、けどなんか違う。

お月様

似てるのは、基本の部分より暗いところと明るいところがあるってとこ。両衛星ともそれがあるのが同じだけど、表情に違いがあるね。暗い部分は、地球の月じゃ「海」と呼ばれてる(水があるわけじゃないけど)。小麦粉をぶちまけたみたいな明るい部分は何て言うのか知らんけど、大昔の火山活動の跡のような気がする。あるいは隕石が落ちたのかな。

ガニメデの「海」は「陸」との境界がはっきりしとりますな。シマシマになってるところもあったり。これ、地殻運動で引き裂かれたのかな。地球の月はそこらの輪郭がぼんやりなんで、ガニメデと違って大陸移動みたいなことは起きなかった、んじゃないかと。

火山活動か隕石が落ちた跡みたいな白い部分の組成は何だろ。石灰?w 地球の月は、写真の下の方のやつが特に派手だね。かなり遠くまで物質を飛ばしてますな。対してガニメデのはそこまで飛距離を出してるのはない感じ。これ、巨大だから距離が出てないように見えるんだね。月の直径は地球の25%程度。ガニメデの直径は地球の41%くらい。表面重力も今大ざっぱに計算したら月の2.7倍くらいらしい(ちょっと自信ない)。てことで、表面物質をぶちまけても、ガニメデじゃ月ほどは飛び散らないように見えるって感じですか。

謎なのは、ガニメデはこの白い痣がけっこうまんべんなくあるってとこ。海の部分にさえ構わずにある。大物は陸の部分にある感じだけどさ。海って黒っぽい物質が集まってるからそう見えてるわけで、けどそれってあんまし深いところまではないってことなのかな。ちょっと深いところはどこでも、明るい色の物質で満たされてる、と考えた方がいいのかな。あるいはもしかして、そこらへん実は全部同じ物質で、表面にあるのは風化して黒ずんだってことなのかも。宇宙放射線を受け続けたとか、くっついてた水素や酸素が宇宙空間に吸い出されてしまったとか。で、比較的最近地表に出てきたものはまだ風化が進んでなくて白く見える、とか? まったくの憶測で語ってるけどさ、想像は尽きませんなぁ。ていうか似てるものを比べると、ますます妄想が膨らみますな。

あれれ、Wikipedia の記事によると、ガニメデ表面の暗い部分は明るい部分より古いらしい。月の「海」は明るい部分より新しかったはず。ていうかガニメデの表面の物質はエウロパと同じく氷らしい。お月様の方は玄武岩とかカンラン岩とかそんな感じのだったような。見た目は似てても、成分も成因も全然違ってたっぽいや。

銘板左端銘板銘板右端

どうでもいいけど「ガニメデ」って名前、なんかすごくすごそうだよね (^_^;) 由来はギリシア神話に出て来る美少年「ガニュメーデース」の名前だそうだけど、なんか字ヅラは節足動物の化け物みたいな風味がするような……。名を付けた親の顔を見てみたいわ。そういえば山下洋輔の著書『ピアニストを笑え』にときどき「ガニメデ衛星人」っつう単語が出てきたと思ったなぁ。きっと山下洋輔もこの言葉の響きに似たような感慨を持ったんじゃないかと。

ちなみに

鍋底の地獄にゆだる蟹どもの 泡吹き山の甲羅雲かな

は、山下洋輔が椎名誠とともにカニ漁の船に乗り込み、捕れたてのカニを船上でゆでて食った際、そのあまりのうまさに詠んだ歌らしい。

もう全然衛星とか関係ないw

銘板
2009.11.19 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091119
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

衛星萌え: カリスト(木星)

木星の代表的な4衛星・いわゆるガリレオ衛星のトリは カリスト

カリスト

一言で申し上げますと、この衛星の外観、大変、松本零士っぽいww

ダークな地表に無数の明るい色のクレーター。この星に住むは金髪のほっそり美人か青い肌の独裁者か(一応言っとくけどそういう人たちは住んでないらしい)。例によって何らかの果物に見えないこともないけど、何の果物かちょっと自分でも分からんw

こっちも表面が氷で覆われてる。けどアルベドはガニメデの0.43をさらに下回る0.2。エウロパは0.67。表面は3つとも氷なのに、なんでこんなに違うんだろ。かぶってる埃の種類が違うってことなのかな。

Wikipedia の記事は4衛星の中で一番薄い。あんまし調査が進んでないんだろうな。ははぁ他の3衛星に比べて地形の変化に乏しくて影が薄いってことですか。けどエウロパみたいに内部に液体の水が存在してるかもしんない、ですか。てことは生命の存在が考えられないわけでもない、となりますな。ふむふむ。

いやいやこれフルーツじゃなく、ごまアイスに似てない!?

銘板
2009.11.20 金曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091120
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ボストーク湖

エウロパの Wikipedia 記事を読んでて、地球上の面白そうな場所を見つけたよ。それは「ボストーク湖」。南極大陸の氷の下4kmのところに実在する、液体の湖だそうで。

なんで凍らないんだろ。って誰でも思うだろうけど、学者さんたちの間でも諸説出てるみたいだね。こちらのサイト様こちらのサイト様はそのうちの高圧説を採ってるね。水が凍ると体積が増えなきゃいけない→圧力をかけて体積を増やさないようにすると凍れない、という理屈か。なるほどなるほど。

生き物がいるかもしれないってのもワクワクするね。長く隔絶された特殊な環境だもん、どんな風に進化したのがいるのか分からんのね。もし微生物しかいないとしたら、視覚に訴える分かりやすい「怪物」がいないのは残念だけど、微生物として固有な進化を遂げてる「ミクロの怪物」はいるだろう、と。

しかしまぁボーリング調査に慎重になるのも分かるわ。湖面に超高圧がかかってるから、穴が貫通した瞬間、ブッシュワーと水が吹き出しちゃうかもだもんね。それで氷床が下がり続けると湖が干上がって消滅してしまう。氷床が下がらないと圧力が下がって、湖水が凍ってしまう。おいそれと手を出せませんですな。

ああでも中がどうなってるのか早く知りたいですなぁまったく。

銘板
2009.11.21 土曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091121
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

縄文海進

昨日のボストーク湖の Wikipedia 記事に

「約5000年前に終わった温暖な時期に……」

とあった。南極も5000年前まであったかかったのか。日本で言う 縄文海進 の時期ですな。そうか全地球的にあったかかったから、海進だったんだなぁ。二酸化炭素のせいじゃないと思うけど、当時は地球温暖化ってわけで、海面が今より数メートル高かったらしい。てことで、縄文時代の日本の海岸線は今よりずっと山寄りだったそうで。ふむふむ5000年前というと、縄文前期から中期 あたりかー。ってどういう時代だったのかおいら分かってないけど。

でさ、5000年前ってさ、メソポタミア、エジプト、インダス、黄河のユーラシア諸古代文明が芽吹いてきた頃なんじゃないかと。メソポタミアとエジプトに比べてインダスと黄河は遅れ気味だったみたいだけど、後の文明につながる文化と農耕技術はもう発生してたかな、と。ユーラシアの古代文明の大どころが大体同じ時期に一気に生まれたのってなんとなく不思議に思ってたけど、もしかしたら温暖な時期に助走に成功してたのかなぁとか考えたり。

銘板
2009.11.22 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091122
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

地球温暖化の意外なアレ

昨日の流れで、最近問題の、人類の経済活動での地球温暖化についてもちょっと考えてみた。

鳩山政権は「日本は CO2 を25%削減」なんてろくな具体案もないまま景気のいい大砲をぶっ放してしまって、国内の産業界からは「無茶だ」とブーイング、外国からは「素晴らしい決断」と賞賛されてる感じ。まぁ賞賛は実行できてからの方がいいんじゃないかと。とりあえず橋本政権の頃の京都議定書の約束「1990年と比べて6%削減」が全然絶望的っぽいわけで。むしろ増えてるし。

で、まぁなんで温暖化がヤバいのかっつうと、「生態系と気候にどんな悪影響が出るか分からない。どんな自然災害のしっぺ返しが来るか……」が一番大きいかと。ニューオーリンズを壊滅させた巨大ハリケーン、温暖化の影響じゃないかって言われてるね。あと、海に面した国は海面上昇で国土の一部または全部が消滅するしね。「地球温暖化=海面上昇」は縄文海進で証明されてるからね。

けどさ、一時的な温暖化、周期的な温暖化って実は経済界じゃ待望されてたりする面もあるのよね。世界の経済の周期って、いろいろな要因のいろいろな年数のが重なり合ってるみたいだけど、11年周期のものがあるそうで。これの由来は太陽の活動周期。活発になったり弱くなったりが、大体11年周期で繰り返されてる。で、この活発期には世界中の農作物が豊作になって、それが経済全体を刺激して好況気味になるらしい。

けど、なんか今はそこに問題が出てるらしくて。前回のピークは1999〜2000年だった(そういえばこの2年間、夏場は異常なほど暑かったなぁ)。次回は来年あたりを予定。てことで、普通ならもう今頃ピークにさしかかっててもよさそうなのに、おてんとさん、極小期のままらしい。みなぎる活発ぶりを示す太陽黒点、ほとんど出てないそうで。次は空振りの公算が大きいってことで。(参考資料

まあ極地の氷が溶けるペースが少し遅くなるのはいいことだろうけど、100年に一度のリーマンショック不況なのに、なんでこのタイミングでこうなるかねぇ。

てことで大きな声じゃ言えない空気だけど、実は温暖化ってそういう嬉しい側面もあったり。

銘板左端銘板銘板右端

あと、太陽活動のピークは人類の宇宙活動にもけっこう影響を与えるよ。磁気嵐が多発して人工衛星がぶっ壊れるのは悪い影響だけどさ、いい影響も見逃せないよ。

地球全体の気温が上がると、大気圏が膨張するんですな。これが役に立つ。

人類の宇宙活動歴はもう半世紀を超えとりますな。で、その間、何千個の人工衛星が打ち上げられて、使用済み人工衛星や打ち上げロケット上段、外れた部品やら何やらが地球軌道上を無駄に回っとりますな。「スペースデブリ」と呼ばれてるやつ。ネジ1本サイズでも、宇宙船や宇宙ステーション、現役の衛星にこいつが衝突するとかなりの被害が出る。相対速度が拳銃の弾丸より速かったりするし。船外活動中の飛行士に当たったら、と考えると特に怖い。デブリ同士がぶつかって砕けて、数が増えたりもする。かなり始末が悪い。

けど近点高度500km程度までのものは、薄い大気の抵抗で少しずつ高度が落ちて、いずれ流れ星になって消えてしまう。で、太陽活動のピーク期には大気が一時的に膨張するんで、まぁデブリを定期的に大掃除できるわけです。高度が低いものは一気に大気圏再突入。比較的高いものはより低い軌道に降りて寿命が縮まる、と。

けど、そうして自然消滅する数より、打ち上げごとに新たに生まれる数の方が多いらしい。そのうえ今回のデブリ大掃除は太陽の具合が悪くてお休みみたいだしな。

銘板左端銘板銘板右端

っつうかさ、今、望まぬ恒久的な温暖化が進行してるってことで世界が慌ててるわけだけど、本当に人類が出す温室効果ガスのせいなのかイマイチ確証を持ててないって聞いたことあるんだけど。何年も前に聞いた話。そろそろ科学的に決着ついたのかなぁ。たぶん、正確な結論が出るまで悠長に待ってれば手遅れになるから、今から温室効果ガスを減らそう、ということのはず。確証が出てくれれば「それなら」と今よりずっとみんな乗り気になるだろなぁ。

とりあえず日本の温室効果ガス観測技術衛星 いぶき が、今までにない精密なデータを出してくれてるっぽいよ。

銘板
2009.11.23 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091123
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

ボストーク湖脳内シミュレ

南極の分厚い氷の下にあるボストーク湖(2009.11.20)にもしかして魚みたいな複雑な構造の動物がいるんだとしたら、いっぱしな生態系が必要ですな。で、その生態系を駆動する熱源がどうしても必要になりますな。あと酸素の供給も。そこらへんどうにかなっててほしいけど、どうなんだろうねぇ。

熱水噴出孔から酸素を多量に含んだ熱水が出てたりして。そうだといいですなぁ。まぁ酸素がなくても、それに代わるものがあれば嫌気性細菌が生きていけそうだけど。

けど例えば硫黄が出てるとしたら、硫黄の濃度が上がる一方になりそうな。と心配してみたけど、それならそれで高濃度の硫黄を気にしない生き物が生き残れるか。って水が供給されるなら、同じ量の排水もなきゃいかんわけで。どこにどうやって排水されるんすかね。

っつうかさ、湖水面の上にかぶさってる氷が、湖水が凍れないほどの圧力を与えてると予測されてるわけで。したら湖底は水の重さも加わって、さらに高圧のはず。その圧力に抗って熱水が噴出できるんか? ああでも海底の熱水噴出孔だって、深度数 km の深海にもあるしな。

んー、素人がなんぼ頑張って考えても全然分からんということがよく分かったわw

銘板
2009.11.24 火曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091124
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

収入源が謎の件

潮汐力のエネルギー収支ってどうなってるんだろ。この前紹介した木星の衛星で言うと、イオの火山を噴火させたり、エウロパの海を加熱したりってのは、星系の主の木星の潮汐力の成せる技。衛星上でエネルギーは確実に放出されてる。で、そのエネルギーの供給源は何なのか、と。その影響で、どこのどういうエネルギーがどんな形で減るのか、と。そこがどうにも分からんくて。

潮汐力は、主星に近い側と遠い側での、主星から受ける重力と公転の遠心力との不均一から発生するわけだ。衛星を公転軌道の内側と外側に引っ張る力を作るわけだ。公転軌道は楕円だから、その力の強さは周期的に変わる。たぶんこれでイオじゃ地殻変動が起きて、エウロパじゃ海の水に流れができて、それで熱エネルギーが発生するってことかと。で、エネルギーが熱として発生して放出されてるんだから、供給源が必要。

とりあえず公転の位置エネルギーか運動エネルギーから来てるような気がする。それ以外に思いつかん。例えばそのぶん公転軌道半径が落ちて位置エネルギーが減る、とかさ。けどその仕組みをおいらはうまくつなげらんなくて。

うむー、公転のエネルギーじゃなく、「衛星が変形して、内包するエネルギーがより少ない形になった」がエネルギーの出どころなんかなぁ。いずれはシューメーカー・レヴィ第9彗星みたいにバラバラに破壊されるってことか。いやいや、固体の天体のイオはそうだとしても、エウロパなんかほとんど液体の水でできてるんだから、単に水が流動して熱が発生しっぱなしの永久機関になっちゃうぞ。まだ違うなぁ。

専門の方々になら分かり切ったことなんだろうけどさ、なんか自分で思いつけないってのかちょいと悔しいんで、しばらく自力で考えてみますわ。

銘板
2009.11.25 水曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091125
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

それが普通になる日

今 YouTube 観てたら、フランスで日本がなかなか人気だよっつうのがいろいろ出てきてさ。前々からそういう話は聞いてたけど、かなりすごいことになってるっぽくて。ジャパンエキスポが毎年大盛況らしいし。あの自他ともに認める文化大国の主に若者たちが、さすがに全部や大部分ってわけじゃないだろうけど、一大市場が形成されるくらい日本の漫画やアニメ、ポップミュージックあたりにハマってくれてるらしい。サブカル以外にも、日本の料理や食材、盆栽みたいなのは年齢を問わずに受け入れられてきてる雰囲気。

……、

……、

……。

時代は変わったねぇ(しみじみ)。

80年代まで、日本が何かと西洋人に拒絶されてきたのを思うと、ほんと時代は変わったよ。おいらはナマでその拒絶を体験したわけじゃないけどさ。とりあえず日本のマスコミは全体的にそういう基調でさ。日本人は自虐的になるしかなかったよ。

第二次大戦の敗戦国ってことから来てたかと思う。で、日本人はその時までの非道な行いを罪として、償い続けるつもりでいたんじゃないかと。その線で考えると、ようやく赦してもらえたってことなのかなぁ。言っちゃなんだけど、「戦犯」と断ずる人もいた昭和天皇の崩御でやりやすくなった面もあったのかもしんない。

単に、日本が国際的に田舎者なセンスしか持ってなかったってのもあったかも。思いやりとか助け合いとか、そういう意識は当時は日本国内でしか、日本人同士でしか考えない風潮だった気がするし。そのあたりまでの日本は後にバブル経済へと続く経済成長のただ中で、世界に対して変化を強いて圧力をかけてるのと同じ状態だったしね。まぁ西洋人ってのは昔からの由緒ある金持ちって感じだけど、日本はその例えでいくと成金ってことで、低く見られがちだったのかも。

「独自の大した文化もなく、西洋の猿真似で成り上がってきた」

よくそう言われてた(当時のマスコミからの伝え聞きです)。その時の日本の輸出商品は文化じゃなく、工業製品ばっかりだったよ。鉄鋼とか工作機械とか自動車とか電子機器とか。出すものが何もないよりずっとマシだったけど、それにウォークマンみたいな独自色の強いものも確かにあったけど、おいらは日本の個性を世界にもっと認めてほしかったよ。けどあそこまで無視されると、やっぱ日本の文化は世界じゃ価値がないのかなぁなんても思ったり。

ところが実はどうも西洋人の中でも、インテリ層じゃ日本文化に傾倒する人たちはけっこういらしたっぽい。もうないけどゲーム会社の "ATARI"。この社名って聞いたときから「これ絶対に日本語だよな」と思ってたけど、どうも社長が囲碁の用語から持ってきたらしい。囲碁は中国にも韓国にもあるけど、「アタリ」って言葉は日本語だよなぁ。

チャールズ・チャップリンは戦前からの日本文化ファンだったね。観光化される前の長良川の鵜飼いの風景に感動したり、映画の中で盆栽の枝ぶりを真似したり。第二次大戦末期、日本がただただ傷ついていくのに耐えられなかった彼は、「ソビエトを助けて日本に早く戦争を諦めさせよう」っつう一人キャンペーンを張ったくらいだし(そのせいで戦後、赤狩りでハリウッドから本当に追放された)。やばっ、かたじけなくて涙出てきた。

結局アレですかね、伝統文化だけじゃマニア層に受けるだけで、ブレイクしにくいのかもねぇ。ポップカルチャーっつう大衆消費によく合う文化が火種として必要ってことなのかねぇ。それにプロモーション戦略も必須なのかも。

日本政府はここしばらく、外国に日本のカッチョイイ印象を売り込み続けてきたみたいだし。けどそれだけじゃ成り立たなくて、売り込めそうなモノの目星がついてたからできたのかもしんないけどさ。具体的な主力品目はアニメと漫画。90年代、欧米で日本のアニメと漫画がかなりな人気を博してるっつう情報が来たよね。はじめにそれ聞いた時は「漫画じゃなぁ」って感じだったかもしんないけど、80年代までの日本が、喉から手が出るほど欲しがってた西洋からの評価「クリエイティブ」が含まれてるのに色めき立ったって感じですか。その時代はバブル崩壊後で意気消沈してたから、何でもいいから自分を励ますものが欲しかったあたりだし。

で、今のこの現象、「クールジャパン」と呼ばれてるそうで。なんか韓国の新聞の Web 版を読むと時々そのことが書かれてたよ。何やら日本政府主導でこのキャッチフレーズで日本のイメージアップを図ってきた、というような感じだったけど、Wikipedia じゃ外国で自然発生した現象みたいな説明だね。どっちが本当なのか分からんけど、韓国じゃそれを参考に政府主導で「ダイナミックコリア」というのをやってるらしい。具体的にどういうことしてるんだろ。とりあえず2002年の FIFA ワールドカップ日韓共催の開会式で、大統領の祝辞にこの表現が出てたらしい。

でもそういえば、日本が西洋に評価されるのって初めてじゃなかったわな。ジャポニズム っつう偉大な先達がおられましたわ。単に浮世絵が異国趣味としてウケたもんだと思ってたら、それもきっとあったんだろうけど、構図や遠近法の使い方が西洋の画家たちに「その発想はなかった」とインスピレーション与えまくりだったってことらしい。ほほう、線画と絵画との融合、大胆な配色もでしたか。

「このようなジャポニスムの影響は、20世紀に入るとヨーロッパのあらゆる視覚表現に普遍的に見られるようになり、これはジャポニスムでこちらはそうではない、と区別することが意味を成さなくなっていく」

てことで当時は騒がれたらしいジャポニズム、今は完全に世界の美術表現に組み込まれて機能してるってことですな。昔はとんでもないことだったのが今は「それ普通」と誰も驚かないってのは、とっても名誉なことだと思うよ。

そんなら今の日本文化ブームも、いつかは「それ普通」になるんだろか。前までジャパニメーションを敵として捉えてたディズニーも、『スティッチ』はジャパニメーションのスタイルだったりして。「今それが顧客に受けるのであれば」と日本のアニメ製作会社に発注したようで。そういやディズニーは CG 技術も自社の表現文化とちぐはぐにならないように、少しずつ慎重に取り込んでたなぁ。そうやって今の日本文化ブームも時代に融合していくのかな。商業的な勝者が誰になるのかは分からんけど、1地域の文化が未来世界の普遍の一部になるのって、やっぱすごいことかと。

まぁ一発だけで、後で「そういえばそんなのあったよね」「懐かしい〜」でも十分なんだけどさ (^_^;) その一発を出すのにどこの国も腐心してるんだろなってことで。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

前にどっかのサイト様で、昔懐かしいアニメ版ウルトラマン『ザ☆ウルトラマン』の動画を見たよ。80年代前半かなぁ。あの頃のアニメの表現がいかに子供騙しだったかをまざまざと見せつけられたわ。特に構図。実写映画に慣れた身としては、まともに見てらんなかったわ。けど数年後の1988年の "AKIRA" になると、原作漫画家が自ら監督しただけあって見応えある映像で。てことはまず漫画が構図をカッコ良くして(たぶん実写映画を参考にしたんじゃないかと)、それがアニメに波及したって流れかな。

けどアニメ製作側だって "AKIRA" でいきなり出来たわけでもないだろうし。どのあたりが分岐点になったんだろ。劇場公開用アニメ映画ってそこはかなり進んでた気がする。

ていうか『ザ☆ウルトラマン』の質が、その時代の水準よりかなり低かっただけなのかも。

銘板
2009.11.26 木曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091126
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

それは一体何に使ったんだと

『ジュラシック・パーク』(1993) を観て以来、ティラノサウルス の体つきにちょいとギモンがありまして。

ティラノサウルス

前足、何の役に立ってたんだろ。ここまで退化しちゃうと、付いてる意味ないような気がするんだけど。

歩くのは完全に後ろ足だけだし、口に食べ物を運ぶにも届かなさそう。ていうか強力そうな口の方が前足より前に付いてるから、獲物を襲うのにも使えなさそう。

コケたときの衝撃緩衝用かな。けどその用途でも小さすぎるような気がする。けどコケて思わず手をついたとしたら、こんなに華奢なんだもん、骨が折れたりもしたと思う。痛いぶんには確実に痛いだろうなぁ。ほんといいことなさそう。

自分の子供の抱っこでも、卵を産みっぱなしだったんだとしたらやらないだろうし。「子育て恐竜」としては マイアサウラ が有名だけど、ティラノが子育てしてた証拠はまだ挙がってないと思う。

「ティラノサウルス 前足」でググったら、様々なブログ様が同じような疑問を呈してらっしゃったわ。んでまぁ結局、何の役に立ったのかは謎のまま。

本当に何の役にも立たなかったんじゃないかって気がしてきた。要らないもんだからどんどん退化して、こんなにも使えない代物にまでなってしまった……とか? 絶滅しないであと10万年も放っとけば、人間の尾てい骨みたいに、外からは完全に見えないくらい小さくなってしまってたはず……とか?

けどティラノの直接の末裔ではないけど、その近縁の、後ろ足だけで歩く恐竜一派のひとつが、使わない前足を翼にして空を飛び始めて、どうもそれが後の鳥類になったらしいですな。そう考えると、一見役に立たないようなものってすごい可能性を秘めてるかもなんですなぁ。ナントカとハサミは使いようってアレですかね。

銘板
2009.11.27 金曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091127
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

立体パリ

ちょいとパリに行ってきますた。

……、

……、

……。

Google Earth ですが何か (^_^;)

んでさ、都市部の建物が灰色の 3D 箱モデルで表現されてるのは分かってたんだわ。その箱モデルの高さがめちゃめちゃテキトーだってのも分かってたんだわ。

けどその他に、有志が作った精巧な 3D モデルの建物が出てるんだね。今回のバーチャルパリ紀行で初めて知ったわ。Google Earth ってマウスドラッグで地図をスクロールするとき、マウスが動いてる状態でボタンを離すと、そのままスクロールが続くよね。そんでセーヌ川(←たぶん)沿いにずーっとゆっくり見てたらなんか高層建築物が本物の空撮みたいな立体感で見えてさ。うぉぉこれは! と。そんなわけで画面をキャプチャして、立体画像を作ってみましたわ。てことで、立体パリの

パリッタイ
パリッタイ。

まぁパリと言っても全景じゃなくほんの一部だけど。

真ん中の八角形の建物は……んー何だろ。"Bercy" という名前だそうだけど、説明がなくて。ググったら「ベルシー駅」というのが出てきた。いや駅はその上に方にあるやつじゃないだろか。謎ですな。

その左にある高くて平べったい建物。これがスクロールで目に留まったのなんだけど、国の省庁の建物らしい。"Ministère de l'Économie, des Finances et de l'Emploi" だそうで。フランス語は分からんので単語を英語から類推すると、「経済・財政・雇用省」ってあたりなのかな。

あ、見つけた。「フランス経済・財政・産業省」なのか。ははぁ「ベルシー」って普通にこの土地の名前なのか。で、この省庁も「ベルシー」と呼ばれてるわけか。日本の中央省庁を「霞が関」と呼ぶのと同じノリなのかねぇ。

銘板
2009.11.28 土曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091128
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

立体霞が関

昨日「霞が関」って出てきたんで、また Google Earth で行ってみたよ。したら3D モデルのビルがものすごくいっぱいできてた。ああびっくり。

そんな立体霞が関はコチラ↓。

立体霞が関1

ビルまたビルですなぁ。けどその足元あたりにけっこう緑があるね。真ん中向こうあたりに公園らしき平地があるし。「東京砂漠」「コンクリートジャングル」なんて東京の人たちは自嘲気味になったりするけどさ、人間関係や競争の熾烈さはさておき、とりあえず物理的にはそこそこ木が生い茂ってるんじゃないかねぇ。東京みたいに土地の価値が高いところだと、小さな緑地でもどんどん買われて建物が建っていくイメージがあったんだけど、そこらちょいと考えを変えましたわ。

で、この周辺を見回してみたらば、東京タワーってこのあたりだったんだね。知らなかったよ。てことで、東京タワーを中心にした立体画像はコチラ↓。

立体霞が関2

東京タワーの周りにも緑地帯があるね。それにこの近辺って高い建物がないですな。放送電波障害の予防とかで、建物の高さに規制がかかってるのかもね。

そしたらついでに、と東京スカイツリーに行ってみたよ。そしたらスカイツリー本体は完成時の(大まかな)3D モデルが出てたんだけど、その近くはほとんど 3D モデル化されてなくてこれが。ステレオグラム化は見送りましたわ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

あとロンドンのビッグベンも覗いてみたよ。3D モデル化はスカイツリー近辺よりはマシだけど、さすがに霞が関ほどは凝ってなくて。なんでまた霞が関ってこんなに凝られてるんかねぇ。官庁街だからって、そうじゃなさそうなビルもおびただしく立体化されとるんですが。

銘板
2009.11.29 日曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091129
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

温暖化の未来 独自シミュレ

2009.11.21 の「縄文海進」でちょっと分かったこととギモンが。

分かった(ような気がしてる)ことは、地球が温暖化すると本当に海面が何メートルか高くなるってこと。そのまんまなんだけどさ、これってさ、つまりさ、

……、

……、

……。

今住んでるおいらんちが確実に水没するってことなわけでして!(←海抜ゼロメートル地帯)

あああえらいこっちゃー (@o@;)

それってつまり、日本に限らず、海岸を持つ国々の国土の価値ある部分が消えるってことなわけでして。日本の国土は急峻な山が多いんだそうで、利用しやすい平地というと、海に近い、低いところが多いってことで。ヤバいよなぁこれ。あんまし語られてないことだと思うんだけど。ていうか八戸には90年代から人工島があってさ。今拡張工事してるんだけどさ。

八戸港ポートアイランド

これ、温暖化の海面上昇対策なんてまったく考えてなさげ。一体どーすんだよ。

それと、国土が珊瑚礁でできてる島国って平均海抜高度が数メートルで完全水没する可能性ありと前々から言われてたけど、リアルにそうなるってことですか。かなりヤバいよなぁ。

歴史ではさ、『王家の紋章』でさ、「この当時のティグリス川とユーフラテス川は河口がひとつになっていない」って設定があるんだわ。あれって何がどうしてそうなったのかギモンだったんだけど、当時は温暖で海面が高かった→現在の合流点は海の下だった、と考えれば腑に落ちるわ。

2つの川が河口近くで合流すると、大雨が降るたびにそのあたりが洪水になるのよね。昔の我が八戸がそうだった。てことで河口を分離する土木工事が戦前からずーっと続けられて、いつ開通したか分からないけど、とにかく今は馬淵川(まべちがわ)と新井田川(にいだがわ)2つの川がそれぞれの河口を持ってるもんだから、その近辺の洪水がなくなったのよね。

上の写真だと、「舘鼻公園」のあたりがかつての合流地点。馬淵川の河口はその上の方に新たに掘られたってわけ。開通は戦後だけど戦前から工事をしてて、今の地元の爺さんたち、勤労奉仕でモッコを担がされた話をしてくれたりするよ。それを覚えてる人たちもめっきり少なくなってしまったが。

それを考えると、ティグリス、ユーフラテスの河口は昔は別々だったのに今は合流してひとつってのが分かんなくてさ。「治水工事でわざわざ災害が起きるようにするもんなのか?」と。でも、とりあえず暫定見解だけど、数千年前に比べて今は気候が寒冷→両極や高山に蓄えられた氷が増えてる→海面が低くなってる→陸に近かった昔の海底が今はかなり干上がってる→それで河口までの途中が合流した、と解釈できそう。

んでさ、新たに発生したギモンの方なんだけど、

「このまま地球が温暖化すると、ホッキョクグマは棲む場所がなくなって絶滅する」ってウソじゃね?

だってさ、哺乳類みたいな複雑な生物の進化って、5000年程度じゃほとんどなんも変わらんでしょ。ホッキョクグマってあの姿と生態のまんま何万年と生きてきたわけでしょ。氷河期の寒い時期も経験しただろうけど、もしかしたらそれで今の姿と生態に進化したのかもしんないけど、その後に来た縄文海進の温暖期もきちんと乗り越えてきたわけで。

なんかさ、前に観た BBC 製作のドキュメンタリー映画『アース』は「ホッキョクグマを温暖化の被害者にしないように頑張ろう」って論調でさ、ホッキョクグマが海を泳いでる映像で〆てた。その時からなんだかバイアスを感じちゃってたけど、やっぱバイアスだったってことでいいんですかねこれ。

てことでズバッと今日のまとめ。問題の切り分けってやつになり申した。

  1. 地球温暖化が起こると、本当に海面上昇が起こる。
  2. (程度によるだろうけど)地球温暖化が起こっても、ホッキョクグマはたぶん絶滅しない。

なんもかんも一緒くたにすると、どこから手を付けていいか分かんなくなるからね。それと、問題提起はいいけどデマで煽動はダメよ、と。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

しかし、下エジプトのナイルデルタのあたりも今の海抜ゼロメートル地帯のような気がするんだけど、『王家の紋章』の時代はリアル歴史では水没してたような気がするんだけど、そこは作品では触れてないと思う。実際はどうだったんだろ。

銘板
2009.11.30 月曜
前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0911.html#LOG20091130
 この記事へリンクを貼る時は↑の URL をコピペしてね。

そしてまた復活 - 小惑星探査機はやぶさ

ちょいと遅いけど。またしても危機に陥ってた小惑星探査機 はやぶさ(2009.11.9)、またしてもすごい発想で危機を脱したよ。

11月9日に発表されたトラブルは、設計寿命を超えて運転してたメインエンジンが劣化、とうとう止まってしまった、というやつ。4台あるうち2台を使ってきたんだけど、そのうちひとつが止まった。どっちも劣化が進んでて、2台合わせてようやく1台ぶんの推力を出してた状態で、どっちかひとつが止まったら、もう2010年6月の地球帰還のタイミングを逃してしまう計算。不幸にしてそうなってしまったんで、残った1台のエンジンを無為に動かす意味がなくなって、それで全部止めたらしい。

はやぶさ のメインエンジンは「イオンエンジン」というやつで、太陽エネルギーを利用するから燃費はすごくいいんだけど、太陽エネルギーなもんで、探査機に搭載してる太陽電池で作れる電力に限りがある。てことで出力はすごく小さい。しかもこのイオンエンジン、使ってるとだんだん劣化して、同じ電力をかけても新品の頃より出力が落ちてしまう。てことで、最近は2台同時運転でやっと1台ぶんの出力を稼いでたらしい。

そのうち1台が寿命を迎えてしまった。このままじゃ来年6月に地球に届かない。軌道のタイミングがあるんで、これを逃すとまた3年待ち(既に3年遅れで進行してる)。現状でいつ死んでもおかしくないほどズタボロなのに、そんなに長く飛んでれば、またどんな致命的なトラブルが出るか分かんない。それで全国の はやぶさ ファンたちは焦りまくってたのよ。

して、わずか2日で解決策が編み出されて、実行された。松浦晋也氏のブログに、記者会見での詳しい公式発表 が出てるよ。ていうか はやぶさ チームのイオンエンジン班は「こんなこともあろうかと」、厳しい重量制限を満たしつつ、探査機に仕掛けを仕込んでたらしい。すげーよ。マジすげーよ。

こういう緊急時の事前想定が効いたのは前にもあったよ。それは はやぶさ がイトカワから2回目の離陸をした直後に姿勢制御系が壊れて通信途絶したとき。途絶直前に探査機が変な回転をしてるのは分かってた。でも放っておけば通信に適した回転に収まっていくように設計してあったおかげで、7週間後、見事に通信回復。今回のもすごいし、あれもすごかった。宇宙探査機ってギリギリの設計を保ったまま単に壊れなきゃいいもんだと思ってしまうけど、いろいろな事態を考えて、その対策を他の機能と矛盾なく折り合わせる発想と技術の結晶なんですなぁ。故障からの復旧はメインの機能にはならないし、過剰だとデッドウエイトになってしまう。こういう機能や対策を盛り込むかどうかの吟味って、ものすごく大変なんだろうなぁ。

今回の復旧で、とうとう虎の子が出てきましたですよ。それは、打ち上げ直後のチェックで調子が思わしくなくて放置されてた「エンジン A」(4つのエンジンは A〜D と呼ばれて区別されてる)。おいらイオンエンジンの構造に詳しくないんだけど、松浦氏のブログによると、イオンエンジンの劣化は主に中和器という部分で起こるらしい。で、エンジン B のイオン加速器とエンジン A の中和器を組み合わせて、エンジン1台分の出力を得ることに成功した、とのこと。このままあと3カ月くらい順調に稼働し続けると、来年6月に地球に帰れるメドが立つ、と。

事前に想定してたとはいえ、どうもけっこう無理矢理な方策らしい。てことで、完全な新品だと 8mN(ミリニュートン)の定格出力のはずだけど、このやり方だと中和器がほぼ新品なのに 6.5mN だそうで。まぁトラブル前の劣化したエンジンは2台合わせて 5mN くらいだったみたいだけど。

それに、エンジン A と B を部分的に使ってる影響で、推進剤のキセノンガスが漏れてるんだね。それを見込んでも現時点で残量に余裕があるみたいだけどさ。

とりあえずまた延命できた。はやぶさ はもう4年も前から「いつ死ぬか」の瀬戸際に立たされっぱなし。でも生きてる。持ちこたえてる。そのたびにチームが底力を出して、裏技、隠し球、起死回生の一発逆転で乗り越えてきた。ほんとすげーよ。

銘板
銘板