ひとりごちるゆんず 2019年11月
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2019.11.1 金曜
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手段の普及はゴミづくり

昨日の続きで。

あーなるほど。人類の個体の記憶って揮発型メモリと同じなんだな。生きてる間だけ保持されて、死ぬと電源を落とした揮発型メモリと同じく、その記憶は消えてしまう。コンピュータだとパンチテープ・磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・不揮発性メモリなんかが時代ごとに開発されて、その難点を乗り越えてきたわけで。

そうか。人類も書物・写真・映像・データや物理的遺産を残して、遺伝以外の手段で知識・知性を積み上げて賢くなってるわな。文字筆記の前からも口伝や生活様式の継承で、世代を超えて知識・知性を磨き上げてきたし。ただ、それで伝えられるのってごく一部の情報だけでな。人の人生の記憶やノウハウ丸ごと保存・再生ってのはさすがに無理なわけで。

となるとまぁ世代を超えて後天的情報を残して積み上げていくってのは、地球の生き物じゃ人類にのみ許された特権ですな。ほかの動植物は遺伝子で残していくしかないわけで。遺伝子は先天的情報しか伝達できないわけで。例外として、鳥がさえずるメロディのなかには、親から子へと教育で伝えられるものもあるらしいが。

岩絵や洞窟壁画で情報を残して後世に伝えるのは、相当な労力と時間が要ったことだろう。それ用の塗料なり用具なりの調達から始まるわけで。そういうものの試作品が使い物になるかどうかをいちいち試しつつ。んで今は、記録の様式も出来上がって道具も洗練されて、そういう行為はこの日記みたいにやすやすとできるようになった。情報の記録・保存がここまで手軽になったことでの問題はというと、後世に伝える意味や価値なんか無視で、ゴミ情報ばっかり大量にひり出してしまってるってあたりかとww

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2019.11.2 土曜
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にわかのぼやき 1

南アフリカまじ強かったなー。優勝おめでとうございます。

ラグビーワールドカップ関係者の皆様へ。素晴らしい大会でした。とても楽しかったです。これまでの準備はもちろん、台風のせいで、決断もその後の再準備も大変だったと思います。そのご苦労の甲斐は充分に実を結びましたよ。こんな思いもせぬ楽しみを与えてくださり、本当にありがとうございました。

すべての参加チームの選手・スタッフの皆様へ。日本にラグビーの面白さと興奮をもたらしてくださったことに感謝いたします。それぞれの国や所属チームに戻っても、どうかお元気でご活躍くださいませ。

ということで、日本代表チームも解散しましたな。これからはそれぞれの所属チームで、敵同士として戦うんだなぁ。おいらズブの素人なもんで、なんかちょっと変な感じもするよw けど国内の試合であの選手たちの活躍が見られるってのは嬉しいなぁ。

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2019.11.3 日曜
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にわかのぼやき 2

なんでも、前回までのラグビーワールドカップ、優勝チームは全部とも予選リーグでも負けナシだったそうで。今回は南アフリカは予選リーグでニュージーランドに負けたわけで、そのジンクスを破った大会でもあったらしく。

4年前のイングランド大会じゃ日本が予選リーグで南アフリカを破ったってのが「スポーツ史上最大の大番狂わせ」と大騒ぎになったわけで。そこまでのこととされた理由のひとつが、ラグビーはチームの実力差がそのまま勝ち負けに出やすいスポーツだから、ということらしく。

今回何試合か見てて、それ納得したですよ。たぶんほかにバスケなんかもそうなんじゃないかな。つまり1試合で何十点も入る競技って、実力が試合での得点に反映されやすいってことで。サッカーだとオフサイドとかのルールで意図的に点数を入りにくくして、実力差が出にくくしてあるよね。そのぶん番狂わせが起きやすい競技ってことで。

けどなんてーか今回のラグビーワールドカップは、小さな番狂わせがいろいろあってのこの結果だった気がする。まぁおいらは今回だけしか、しかもちょっとしか見てないけどw

予選で南アフリカを負かしたニュージーランドは、決勝トーナメントでイングランドに敗れた。たぶんこれが決勝で南アフリカに有利に働いたんだろうな。南ア視点で、ニュージーと相性が悪くてイングランドと相性が良かった、んじゃないかと。

あとまぁ日本が全勝で予選突破ってのもまた番狂わせといえば番狂わせ。終わってみれば「それが日本の本当の実力」とでも何とでも言えるけど、事前は日本人でさえ「せめて予選2位通過できればなーでも同じプールにアイルランドとスコットランドかよ……」って感じだったかと。

調子がいいもんで、予選2戦目でアイルランドにまさかの勝利でもう全勝1位通過いける気がしてしょうがなかったww だってスコットランドはアイルランドよりランキング低いし。けど「今までスコットランドに1回しか勝ったことない」とか「しかも1980年代の大昔のこと」とか。いやー、やってみるまでわからんもんですな。

夢の決勝リーグじゃ南アフリカにコテンパンにやられちまってな。新聞記事の受け売りだけど、予選リーグで全力出しすぎて、日本の選手はみんな体がつらい状態だったみたいだね。それを言い訳にするつもりもないだろうけど、上位の常連チームってきっと、予選リーグのうちから決勝トーナメントも含めて配分を考えてるんだろうな。

日本代表チームの今回の目標が予選突破だったからな。何が何でもそれを達成するために立てた戦略の結果なんだと思う。決勝トーナメーントまで考えた配分したら予選落ちしましたじゃサマにならんもんな。ていうかそれで前大会で悲惨なことになったのが、地元開催で予選落ちを喫したイングランドらしいが。ラグビーワルードカップ初の失態だったそうで。けど下馬評で、日本はイングランド以上にそうなる可能性が高いとされてたわけで。今まで予選突破したことなかったからな。

それで考えると、予選リーグで全力を出し切って決勝トーナメントは力尽きた、というのは正しい方向性だったかと。

つか日本はトップクラスじゃないから地元の大会であっても「力尽きるまで全力」でよかったけど、自他共に認めるトップクラスの強豪・イングランドは地元開催じゃそうはいかんわな。前大会は、きっと配分の計算がほんの微妙なところで合わなかったんだろうな。

今回の表彰式で、イングランドの選手もヘッドコーチも銀メダルにもろに不満な様子でな。「潔くない」とか言われてはいるけど、そりゃそういう気持ちだろうとも思う。前大会での汚名をすすぐには優勝が一番だもんな。そのためにがんばってきたんだもんな。そのために、イングランド初の外国人ヘッドコーチを受け入れもしたんだし。それだけなりふり構わず頑張ってきたんだろう。

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2019.11.4 月曜
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にわかのぼやき 3

しかしこの4年間の、日本との面白い因縁というか(おいらが分かる範囲なんでかなり浅いもんだけど)

南アフリカは4年前、日本に大番狂わせされたわけで。この4年間はネタにされまくって辛かったと思うけど、今回、日本の地で日本と再び対戦して、見事にリベンジを果たした。しかもその勢いのまま優勝。もうあのことは完全に過去の終わった話にしてしまった。

イングランドは、上に書いたように前回はひどい結果になってしまった。それで新たに招いたヘッドコーチは、あの大番狂わせの日本を育てたエディー・ジョーンズだった。そして今回日本の地で、復活した晴れ姿を世界に見せつけた。優勝できなかった悔しさを隠せないほどがむしゃらに優勝を望んでた。全勝での決勝進出で、それだけの実力があることもきっちり示した。

そして最強ヘッドコーチとの誉れ高いエディー・ジョーンズは4年前、日本代表チームを率いてイングランドの地で大いに戦い、今回はイングランド代表チームを率いて日本の地で大いに戦った。負け続けだった日本を予選で3勝できるまで育て上げ、誇りを傷つけられたイングランドを決勝戦にまで連れていった彼は、今度はどこの国に招かれるんだろう。

今回のラグビーワールドカップ、前回悔しい思いをした強豪2チームがそれぞれ決勝まで上り詰めたっつうのでもドラマチックだったのかもね。そしてそれぞれにエディー・ジョーンズが絡んでるというなにか。

4年前までジョーンズの薫陶を受けた日本も過去最高の成績だったし。日本の場合はその後を受けたジェイミー・ジョセフもまた見事な仕事をしたってことで。

お二人ともニュージーランド出身らしく。史上初の3連覇は成らなかったけど、それを狙うほどのニュージーランド、監督もまた優秀な人材を輩出してるんだね。

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2019.11.5 火曜
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そろそろ来そうなデスマーチ

ほぼじゅびふぉ がしばらく止まっとりますが。

最近いささか気分が落ちてて、できませなんだ。

けど中身のちょっとした改良、今日やっと進められたですよ。原曲が英語の曲に入荷が増えてきてるんで、それに対応したというか。

  1. 「日本語原詩はありません」をなくした。
  2. 各作品ページの HTML ソースを作る下ごしらえツールを英語原曲の作品に対応。

既存の英語原曲の作品ページ、全部 1. に合わせて書き直したですよ。そりゃもう手で。あー大変だった。んで「日本語原詩はありません」をなくすとどうなるかっつうと、普通は「日本語原詩の列、英訳詞の列、反訳の列」の3列なのが、英語原曲の作品の場合は「日本語原詩の列」がなくなって2列だけになる。見た目がすっきりしたさー。

幅に余裕がなくて折り返してた歌詞は、これで広々とさせられた。見た目の全体的なバランスも良くなった。

2. てことで下ごしらえツールもそれに合わせて改造。英語原曲の場合は今までちまちまと手作業でいろいろ手で書き換えてたけど、もうほとんど気にしなくてよくなった。1. の絡みで、今まで「日本語原詩はありません」を既存ページからコピって新規ページに貼り付けてたのが、もうやんなくてよくなった。

「ありません」って文言もまた意味なく冷たい感じだったしな。

あと EFD 動画欄の「英訳曲」を、場合によって「カバー曲」「原曲」に書き分けてたのを自動化とか、原作動画を EFD 欄に載せる場合(作者様ご自身が英語ボカロを使った作品)、原曲動画欄に「○○ さんによるオリジナル作品です。ボーカルは△△」と入れるのを自動化とか。歌詞欄は2列化の他に、「英訳詞」→「作詞」「反訳」→「日本語訳」に替えるのも自動化。

いんやー今まで1回ごとにこんな細かいとこいちいち書き直してたんだよな。間違いもときどき出してたし。もうやんなくていい。もう考えなくていい。1個1個は小さい手間だけど、チリも積もれば系を削っていくのがラクチン化への道なのですじゃ。

とはいえ。わかっちゃいるけどなかなか取りかかれなくてな。

それから、「歌詞スクロール (クリックで切り替え)」の JavaScript ソースを久しぶりに見てみたら、なんだかおざなりな造りになってるなーと。きっと当時、とりあえず作ってみたらちゃんと動作したから、あとできちんと直すべと思いつつそのまま……だったんだと思う(そこらへん全く記憶にない)。やっとまともな形にしたですよ。ソースがちょっとだけ短く、アルゴリズムもちょっとだけ単純になった。はーよかった。

下ごしらえツールはもう1個、要修正点があるんだわ。ここを直すのは単純なんだけどさ、それに合わせて、既存の全ページを修正しなきゃなんなくて。とりあえず下ごしらえツールだけやっとくべ。

既存の全ページ修正、1200ページくらいあるが……。過去最大のデスマーチか?

シェルスクリプトわかんないけど、調べながら作ってみるべかな。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

ていうか知らないうちに、ピーナッツくんがゆるキャラグランプリ2019で優勝してたwwww

ピーナッツくんおめでとーーー!!!!

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2019.11.6 水曜
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ドイツのラグビーは

そういえばという感じで、ラグビーワールドカップでドイツが姿形も見えなんだが。

なんとなくドイツはラグビーも強そうなイメージがあるような感じなんだが。サッカーのワールドカップじゃときどき優勝してるし。

ということでランキングを見てみた。ソースは RUGBY REPUBLIC 2019 様のランキング表。

なぬ 2019.11.6 現在、ドイツは28位とな。これは意外。G7 諸国じゃイングランド3位、フランス7位、日本8位、イタリア12位、アメリカ17位、カナダ22位。これだけ見るとちょうどよくばらけて、たまたまドイツが最下位な感じでもあるけどさ(そこに日本が不自然に食い込んでるw)

北米大陸はアメフトが人気なんでラグビーはいささか分が悪いとして。日本はワールドカップ日本開催が決まった10年前から強化してきたから強くなったとして。そこらを除外してヨーロッパの G7 の国で見ると、ドイツだけ飛び抜けて弱いってのはどういうことなのか。

がっしりした体格と規律を重んずるイメージなドイツ。ラグビー強そうなのに。

そういやサッカーだとスペイン語圏・ポルトガル語圏が強いですな。ラグビーはというと、アルゼンチン10位、スペイン16位、ウルグアイ18位、ポルトガル21位、ブラジル26位、チリ29位、コロンビア33位ってあたり。アルゼンチンとウルグアイは今回のワールドカップに出場したわな。けどスペインが来なかったのは、ヨーロッパの枠が強豪揃いだからなのかもな。スペイン、ポルトガルが来れないんじゃドイツはなおさらだわな。

つかイギリスだけで3チームってずるいと思うww

つか歴史的にお互いに仲が悪いらしいんで、イギリス合同ドリームチームなんか組んだらかえって弱くなるのかもw

イギリス以外はサッカーの強さとラグビーの強さはあんまし比例しないんだな。つかイギリスはサッカーとラグビーの発祥国だもんな。両方強いのは当たり前か。そういやサッカーでニュージーランドってあんまし聞かんような。

ドイツ語圏のくくりで見るとどうか。ベルギー27位、ドイツ28位、スイス30位、ルクセンブルク61位、オーストリア88位。全然パッとしねぇ……。つかオーストリア弱すぎだろ。

日本はラグビーもサッカーもそれなりに強い中堅国になったってことでいいかなってあたり。サッカーでいうと、日本でワールドカップを開催してから、以後のワールドカップじゃ一進一退に見えるけど、じわじわと試合内容がよくなってきてるような。8年ごとに予選リーグ突破が3回。どれも決勝トーナメント初戦で破れてるけど、1回目は完敗。2回目は PK 合戦で惜しくも敗退。3回目は 2-0 から守りに入らずさらに攻めたら 2-3 で天晴れな逆転負け。

サッカーワールドカップ日本大会の前のフランス大会では、初めてアジア地区予選を突破して開催国の芝を踏めた。その前はアジア地区予選で落ちてしまったけど、かなり惜しいところまで行けた。日本開催に合わせて強化してきた形で、その後はそれまで獲得した経験を資産にして少しずつ力をつけてきてる形。

ラグビー日本代表も、ワールドカップ日本開催で一皮むけたわけで。サッカーの先例でいうと、これからもじわじわと実力を伸ばし続けていくんじゃないかと。

次のラグビーワールドカップはフランスだそうだけど、近いうちにドイツでもやったらどうかと。日本みたいにそれをきっかけに強くなるかも。

ラグビーのワールドカップは前回まで、ティア1の国ばかりで持ち回り開催だったらしく。日本での開催は組織委員会にとって相当な冒険だったらしく。そんなこんなの今回は大成功を収めたそうなんで、強豪国以外での開催もしやすくなったんじゃないかと。

まぁおいらは今回のラグビーワールドカップ関連にお金を支払っちゃいないんでエラソーなこと言っちゃいかんけど、晩酌のハイネケン率が爆増したのは確かwww

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2019.11.7 木曜
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親指の歴史

親指の関節はなんで1個少ないんだろう。別にそれで不便を被ることはないけど、それは人類の社会や文明がこの仕様に合わせて発展してきたからってわけで。

手の骨格画像を見ても、やっぱし骨が1個少ない。これって進化史じゃいつ頃から親指だけ特殊なんだろ。

とりあえず Wikipedia『親指』にはその由来は載ってなかったけど、特徴がもうひとつ載ってた。『親指#構造』から。前半は、骨(関節)がひとつ少ないことを表してる。その後半。

「指は爪が付属する末節骨、中節骨、基節骨という3つの指節骨からなるが、母指は他の指とは異なり2つの指節骨しか持たない。指節骨はいわゆる手のひら内部の中手骨に接続し、手根骨に至る。指節骨の関節はすべて蝶番関節である。したがって自由度は1である。しかしながら、手根骨中手骨間の関節(手根中手関節)は、鞍関節であり、鞍同士がすり合わさったような形をしている。したがって関節の自由度は2である。このため、母指端を使って円を描くような動きを与えられる。他の指は完全な鞍関節ではなく、中手骨同士の関節を含むため、このような動きは母指がもっとも得意とする」

おお、確かに親指の付け根の自由度は他の指より1個多いな。このおかげでかなり自在に物を持ったりいじったりできるわな。親指の立ち位置ってやっぱしというか、ちょっと特異なんだな。

猿の親指はどうなんだ。チンパンジーとかニホンザルとか。人間のは他の指と向き合ってるのが特徴で、猿はそうでもないらしいが。んでこの向き合ってるっつう特徴が、発達した脳といいコラボを炸裂されて文明を築くきっかけになったらしいが。

画像検索してみたら、ジオメトリに違いがあるにせよ関節が1個少ないのは同じらしい。

じゃあカエルなんかどうなんだ。一気に両生類まで遡ってしまうが。つか哺乳類の元になった両生類とカエルとは別な枝に属するらしく。いくつか種類があった両生類の中で、のちに人類になったものとカエルになったものとはまぁけっこう早い段階から枝分かれしちまってるらしい。けど参考までにカエルの親指はどうなってんだと。

3本? 4本? 5本? カエルの指について - 東邦大学 理学部 生物学科

カエルの前足の指は親指なしの4本が基本だけど、鹿児島県にいるオットンガエルには親指があるらしく。けどこの文献からだと、オットンガエルの親指が人間の親指と同じ由来を持つのか、それともまったく別の由来なのかはそう都合よくは語ってくれなかった。

両生類より前の魚だとさ、両生類になったのはその中での 肉鰭類 というものらしく。今のメジャー勢力な魚(条鰭類)とは違って、シーラカンスみたいな、ヒレの根元が腕みたいになってるやつらしく。

けどまあ肉鰭類の腕がそのまま腕や leg の脚になったのだとして、手や foot の足はヒレだよな。したら指の大元はヒレの中にある骨だよな。うちわや扇子の骨みたいなやつだよな。哺乳類の祖先になった肉鰭類や両生類の手足は、たぶんヒレの骨由来の指を持ってたんだろうな。それがたぶん前後とも5本ずつだったと。

んで、なんでまた親指だけ特殊になったのか。いつ頃から特殊になったのか。やっぱし全然わからんな。

爬虫類はどうなんだ。

てことで「トカゲ 指」で画像検索してみた。おお、明らかに親指というか。他の指より小さいぞ。トカゲって爬虫類の長い進化史の中の基本携帯を保ってるグループなわけで(だとおいらは思ってる)。爬虫類でも親指は特殊な立ち位置なんだな。

「ヤモリ 指」はどうなんだと画像検索。おおお、親指あるわ。他の指とあんまし変わらんけど、ちょっと小さい。

ニホンヤモリの指の骨格を載せてるサイト様があった。

No.10 ニホンヤモリ - CT生物図鑑

これで見ると、どうも親指と人差し指が、他の指より骨と関節が1個少ないらしい。

同じサイト様に両生類の アカハライモリ の骨格もあった。

左後ろ足ははっきりと、親指のみの骨と関節が1個少ない。左前足はカエルみたいに4本指だけど、親指に当たるものがこれまたはっきり確認できる。

とりあえず、人間の親指の関節が1個少ないのは両生類にまで遡れたってことで。その頃からこうだったのかー。

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2019.11.8 金曜
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我らがルーツは爬虫類じゃなかった件、そして肉

最近知った知識。おいらが子供の頃は、「哺乳類は爬虫類から枝分かれした」となってたけど、今は違うんだな。

哺乳類は 単弓類 に属するそうで、対して爬虫類は 双弓類。両者共通の上位カテゴリは 有羊膜類。有羊膜類が単弓類と双弓類に分かれて、それぞれ哺乳類、爬虫類になっていった、という解釈らしい。

ただまあおいらは、筋肉の構造からして、両生類ー爬虫類や鳥類 ってのが陸上脊椎動物の進化の主系統だと思ってる。カエル肉も鶏肉も食感が似てるからな。たぶんその間の爬虫類も食いごたえは同じようなもんだろうと。

となると恐竜類も進化の順番から間に挟まる形なんで、トリケラトプス肉もティラノサウルス肉もきっと鶏肉味なんだろうな。ゆでると筋繊維に沿ってほぐせるんだろ。

哺乳類の肉は明らかに、構造も味や食感も主系統と違う。てことで、だいぶ早いうちから肉の主系統から枝分かれしたんだろうなぁとは思ってた。爬虫類と同時成立だったか。けど肉の主系列からずいぶんと違う肉になっちまったわけで。これは何を意味してるんだろ。

単弓類として独立して以降、哺乳類になる筋の祖先は、比較的狭い生息域で長いこと暮らしてきたってことかな。あと小型で寿命が短かくて、世代交代が早かったんだろうな。この状態だと進化がどんどん進むらしく。んで主系統からどんどこ離れていったんじゃないかと。

初期の単弓類の 盤竜類 の画像を調べると、見た目は爬虫類と区別付かん。そこから激しく変わっていったんだろうなと。

恒温化も肉の変化に影響があったのかな。いやいや、鳥類は哺乳類とは関係なく恒温機能を獲得したけど、肉は主系統そのものだわな。

哺乳類の中でも、有袋類の分化はかなり早かったらしく。オーストラリア大陸がかなり早くから孤立した結果、ほとんどあの土地だけで有袋類が繁栄し続けることになったらしく。

有袋類の肉の食感・味はどんななんだろう。有袋類特有ってのはあるんだろうか。オーストラリアじゃ フクロオオカミ が絶滅した結果、カンガルーが繁殖しすぎて困っちゃってるらしく。頭数コントロールってことでカンガルー狩りが行われてるらしく。てことでカンガルー肉が特産品になってるらしく。

カンガルー肉を画像検索したら、見た目は普通の哺乳類の肉だな。生きてる時の姿形が独特なもんで、どんなもんなんだか想像つかんかったが。

食べてみた感想を載せてるブログ を発見(奈良ハンティング.net 様)

へえー普通に哺乳類の肉なんだな。においは「鯨に近い」「鉄っぽい」。味は「安物の牛肉」「牛に比べると薄味」「普通に食べれる感じの美味しさ」だそうで。

陸の脊椎動物で、哺乳類だけ肉質が違うってのが疑問だったけど、有羊膜類から双弓類と単弓類っつうのでいくらか納得が進んだ気がする。

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2019.11.9 土曜
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地球の反対側にまで轟いた不倫

もう20年くらい前かな、しょうもないことがあったの思い出してさ。

カーラジオで聴いたニュース。

米軍内で不倫してた人たちが発覚して罰せられた、というもの。

次の日、新聞にも小さく載った。

駐日米軍でのことでさえなくて、アメリカ国内での出来事。

そんな海外の小さなありがちなことが、そんな日本人にとって明らかにどうでもいいことが、わざわざ日本でニュースにされてた。

いやさ、どう考えても、当事者のお名前がフリンさんだったからとしか……。

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2019.11.10 日曜
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マウスと HDD

かなり久しぶりに PC 系の買い物したですよ。

マウスと外付け HDD。

マウスはおとといあたりからスクロールホイールが不調になってしまって。安物だからな。つかその前のも同じ症状で買い換えたんだった。結論: 安物はダメだ。てことで奮発して1,280円の ELECOM のやつにしたww 前まで安さ重視で780円とかもう異常な安物マウスだったからな。1,280円もまた安い部類だけど。

今回は久しぶりにコードレスにしてみた。電池がなくなるのがイヤでここ数年は有線派だったけど、なんか電池が2.5年持つとかいうやつを買ってみた。電池の持ちが嬉しいのはいいとして、スクロールホイールが長持ちしますように。

ずっと前に使ってた無線マウスより進化してて、電源が単三乾電池1本だけだから軽いしな。光源は赤外線か何からしく、いちいちビカビカ光らないのもいい感じ。

外付け HDD は、半年以上前にバックアップ用がついに死んでしまって。買い換えなきゃなーと思いつつめんどくて、という流れで。

512GB ですわ。それまで内蔵 512GB のバックアップ 256GB っつうバランスの悪さだったのが、今回で揃ったですわ。つか SSD けっこう安くなってるんだな。512GB が8,800円くらいで売ってたよ。

あとで内蔵 HDD を SSD に交換しようかな。メモリプレッシャーがヤバくなっても PC の反応がいいんじゃないかとか。

1TB とかな。またバランス悪くなるけど、自動バックアップ取れてるってことで交換しやすくなったってことでもあり。

つかマウスの電池が2.5年持つっての、きっと小まめにスイッチオフで、使うのは1日10分の週5日のみとか、そういう非現実的な条件での数値なんだろうなとか今さら思ってしまった。

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2019.11.11 月曜
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偉い人にはわからんのです

国際宇宙ステーションの船外活動用の宇宙服(EMU)ってさ、足が二股に分かれてる必要ないんじゃね? 下半身は寝袋みたいな1本の袋でいいんじゃね?

ってどうもアメリカ製のやつはスペースシャトルと同時期に開発・製造されたものらしく、かなり古いものを修理しながら使い回してるらしい。

Wikipedia『宇宙服#開発の歴史』『宇宙服#豆知識』によると、

「当時NASAが製作した宇宙服18着のうち、11着が約40年過ぎた2017年時点でもISS船外活動で使われ続けている。本来の設計寿命15年を大幅に超えて老朽化しており、トラブルも発生しているが、宇宙服の製造技術は継承されていない。NASAは火星探査など3つの宇宙計画で別々に合計2億ドルを投じて新型宇宙服を開発してきたが、難航している」

「アメリカでは、無重力下の船外活動用宇宙服と月面(惑星面)活動用の宇宙服を使い分けている。前者は両脚がほとんど役に立たないことを考慮し、腰から下は硬く曲がらないように作られているが、後者は歩行することを考慮し、可動部分が多い仕様となっている」

だそう。

そう簡単に仕様変更はできん感じですな。けど無重力仕様の EMU は腰から下がほぼギプス状態なんなら、下半身部分だけ新造できそうなような気もするが。比較的簡素で安く作れるような気がするが。

着用する宇宙飛行士にとっても、拘束感が減って快適なような気がするが。

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2019.11.12 火曜
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見た目でどうか

昨日の下半身が寝袋型の宇宙服の画像を作ってみたよ。まずは元画像。

んで以下が寝袋型。

見た目の違和感あんましないような。別にこれでいいんじゃないかって感じがますますしてきたような。

「服」にこだわる不便さな感じもしてきた。Wikipedia『宇宙服』のページに、参考画像として「硬式大気圧型潜水服」が載ってる。

Wikipedia『ヘルメット潜水』にもう1枚あった。

『宇宙服』のページの解説だと「大気圧潜水服は重量が300kgから500kgもあり重すぎるためこのようなタイプの宇宙服は開発されていない」とあるけど、あくまで超高圧の水中用だから重装備になるんじゃないかと。宇宙の船外活動だと服の内外の気圧差は最大で1気圧だからな。もっと軽くできそうなような。しかも無重力なら腕と手だけ動かせればいいんで、腕の部分以外は硬い外装でいいんじゃないかと。

今の船外活動服が不便なのは、気圧の調整らしく。宇宙ステーション内が1気圧なのに、船外活動服は0.3〜0.4気圧で、飛行士の体を順応させるのにどえらい時間がかかってしまうってことらしく。特に減圧行程は手を抜くとやばいらしく、少しずつ慣らしていかないといかんらしく。

これが1気圧のままなら、何も考えずにそのまま船外活動に行けるわけで。ところが今の『服』のスタイルで内圧を上げると、服がパンパンに膨れ上がって作業しにくくなるらしく。ロシアの船外活動服の気圧は若干高いんで、そのぶん順応までの時間が短くていいらしいけど、そのぶん船外活動がしにくいらしい。

いやでも硬式って腕の関節はいいとして、問題は指だよな。かなりぶっとくなって、繊細な仕事ができんだろ。んじゃあもう手首から先だけ軟式で0.3気圧とか? いやいや手がヤバイだろ。

んー、船外活動ってなんでわざわざそういうことするのかって、主に人間の手の機能なんだよな。それと、視覚による現場での認識。手の機能をどうやって生かすか。そのためにいろんな不便を囲って、今の船外活動服があるわけで。

いやさ、もう指5本のロボットハンドでいいんでないの? 円筒型の船外活動カプセルからロボットの腕が2本生えてる感じのやつでいいんでないの? カプセルの中には人が1人いて、操作用の手袋をはめて、窓越しに見ながら近距離遠隔操作って感じで。『2001年宇宙の旅』のポッドとか地球連邦軍のボールとか、あんな感じの乗り物でいいんでないの?

手先だけ5本指にしてさ。

いやもうそこまで行ったら視覚も遠隔で、今は HMD なんて便利なものもあるんだから、ISS の中から遠隔操作とか。なんなら地上からでも。

人の手の繊細な操作となると、圧覚のフィードバックも必要になるかな。操作用の手袋でそれを表現できるかどうかがカギになるかな。

とかしょうもなくいろいろ考えが暴走した果てに、そういうアイデアがもうあったことを思い出したですよ。

NASAとゼネラル・モーターズがロボット宇宙飛行士開発において提携強化を発表 - GIGAZINE

しかし頭部のデザインどうにかならんかったのか。ハリウッドの才能に発注するとかしろよ。

銘板左端銘板銘板右端

ポッドは開発してもいいような気がする。

近い将来か遠い将来、地球低軌道上に宇宙ホテルを作るっつう構想がありらしく。そこに行くまでの値段が下がれば、観光旅行で宇宙に行く人が増えるだろうっつう予測で。んでただそこに滞在して地球を眺めるだけじゃ飽きちゃうだろうしさ、リピーターをゲットするには、何か面白いものがあったほうがいいだろ。

んで、1人か2人乗りのポッドで、ホテル周辺の宙域を手動操縦でぶらぶらするってのはけっこう楽しいんじゃないかと。地球上空に浮かぶホテルの外観を眺めるってのでもなかなか見ものなんじゃないかと。手動で宇宙船操縦を味わったり。手動で許されるのは小さな出力のみで、ヤバくなりそうだったら強制的に自動に切り替わって安全確保。時間切れとか帰還ボタンひとつで、自動でホテルに帰る形とかどうかと。

今もソユーズ宇宙船で ISS に数日滞在して帰ってくるツアーがあるけど、お一人様30億円でな。数年に1人くらいしかお客様がいない状態。これが1億円くらいまで下がれば、リピーター込みで年に何十人かゲットできるんじゃないかと。

ソユーズは3人乗りだから、3人ともお客様だとして売り上げは1回あたり90億円。正直、大した儲けになってなさそう。ポッド遊びは後回しとしても、宇宙ホテルの実現には画期的に破格な旅客輸送手段の登場が待たれますな。

ホテルの収支はどうなんだ。ISS の日本実験棟 きぼう は製造費だけで3500億円かかった。日本にとって初めての有人宇宙施設で、実験用にいろいろ精密に組まれてるところもあるわけで、そのぶんお金がかかったかと。そして きぼう 単体じゃステーション機能はない。んでそこらへん均して、打ち上げと組み立てのコストも考えて、5000億円にしとくか。

年間50人受け入れて、宿泊代を5000万円とすると、元を取るまで200年。全然ダメだなこりゃ。移動費だけじゃなく、ホテル施設の打ち上げ・建設・維持のほうも大幅に安くできる技術が開発されんとやっていけんな。

3日滞在として年間50人っつうと年間150人日。宿泊客がいない期間のほうが長くなってしまうな。稼働率5倍くらいで、常時複数のお客が滞在してる状態になるかな。それでも元を取るまで40年かかる。まだきついかな。40年も経ったら、もっと性能とコストで有利な新しい宇宙ホテルが参入してそうだしな。もう少し頑張ればやっと儲けが出るって時に奈落の底のパターン。

償還期間は15年くらいかな。そのくらい経つと、修繕費やら飽きられ防止のリニューアル・アップデート費やらも嵩んできそうだな。

ポッドどころじゃないですなこりゃ。

ポッドで思い出した映画『2001年宇宙の旅』だと、地球低軌道ステーションはドーナツ型で、自転して人工重力を発生させてた。あれだと長期滞在で宿泊費を稼げそうだね。シャトルも何十人か乗せるほどの輸送力だった。現実じゃ2019年でも全然あのレベルに届いてないけど、あのくらいまで行かないと宇宙旅行は一般的って感じじゃないわな。

銘板
2019.11.13 水曜
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直立仲間

なんかもう素晴らしすぎるペンギン動画みつけたwww

何回でも繰り返して見てしまう……。

遠い将来、人類絶滅後の地球文明の担い手は是非ペンギンであってほしい。そう思わせてくれるような歩きっぷりww

太古のニュージーランドにいたという、人の身長くらいの巨大ペンギン。iPS とかジュラシックパーク的な手法とかで、なんとか復活されられないもんだろうか。

前にも書いたけど、おててつないで一緒にお散歩したいwwww

しかしなんでペンギンって鳥のくせに直立してるんだよw おかしいだろww

鳥の後ろ足だけでの二足歩行ってのは恐竜時代からの伝統。その姿勢は、体は水平なのが相場だろ。なのになんでペンギンはwww

とか思ったけど、人類だって哺乳類のデフォの四足歩行っつう伝統を捨てて直立二足歩行だわな。恐竜類・鳥類の「二足歩行だけど体は水平のまま」っつう時代も経てないのにな。

ペンギンってもしかして、人類の祖先よりも前から直立二足歩行してた? 先輩?

直立二足歩行がデフォってもしかして人類とペンギンのみ?

銘板
2019.11.14 木曜
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HTV-X

JAXA 天才かよ。新型宇宙ステーション補給機 HTV-X がすごいことになってた。

新型宇宙ステーション補給機(HTV-X(仮称)) プロジェクト移行審査の結果について(PDF) - JAXA

HTV-X 新型宇宙ステーション補給機(PDF) - JAXA

大幅な改良ですな。いや今の こうのとり の時点でかなり評判いいみたいだけど、性能を上げて、コストダウンして、もっといろいろやれることの幅を広げて、という虫の良すぎなことしようとしてるわ。それがまたできそうだし。

性能は、こうのとり で最大6トンの物資を運べるのが HTV-X だと7.2トンで2割増。そのくせして全備質量は1トン減の15.5トン。

来年デビュー予定の H3 ロケットの最大仕様で打つことになってる。たぶん1トンの軽量化は、H3 ロケットの最大仕様(ブースター4本)が今の H-IIB ロケットより若干弱いことからの要求だったかと。けど こうのとり が全備質量のうち貨物質量が 37% だったのに対して、HTV-X じゃ 46% にまで増えてる。これはすごい進化じゃないかと。

価格は半分程度を狙ってるらしく。じゃあ75億円くらいかと。ちょい高めで80億円として。H3 の最大仕様の値段は、本体60億円+ブースター10億円×4本=100億円くらいかな。合計180億円として。貨物1トンあたり24億円ってことになる。

現行の こうのとり は、H-IIB ロケットとセットで300億円くらい。貨物質量6トンで割ると、貨物1トンあたり50億円。HTV-X、半額未満じゃないですか。

使い勝手もよくなるらしく。打ち上げの24時間前までに、遅く届いた貨物を詰め込めるそう(「レイトアクセス」というらしい)。今の こうのとり は4〜5日前まで OK で、これでもかなり使い勝手がいいほうなのが、もっとよくなる。現状で生の野菜や果物を持って行って飛行士に人気だそうで。もっと新鮮な、もっといろいろな新鮮な食べ物を送れようになりそう。

こうのとり の与圧部は ISS に到着するまで1気圧で一定の温度を保ったままでいられるけど、その中の機材に電源を通したまま、というのがあまりできないらしい。HTV-X は供給電力に余裕ができるんで、そういうことができるようになる。これでマウスを ISS に運ぶというのも OK になりそうだそうで。医学研究が捗りますな。たぶん今のところ、ソユーズで人間と一緒に運ぶ以外に方法がないんじゃないかと。日本にとって、動物を地球から宇宙へ自力で運ぶのは初めてかも。

こうのとり ではできなかった、ISS の推進剤供給もできるようになるそうで。

ここらが成れば、有人宇宙船や独自の宇宙ステーション建造に一歩近づくって感じかと。

あと、構造の改良でほかにもやれることが大幅に増える。アメリカ主導の月有人探査にも対応ってのもあるとしても、日本独自で HTV-X でいろんなことができるようになるらしく。

とりあえず ISS からの物資の回収は、当面は こうのとり7号でやった小型再突入カプセルを継続ってことらしい。ほかに、与圧部とサービスモジュール(電力・推進・航法・通信などの機能をまとめた部分)とをドッキング機構でつなげる、サービスモジュール単体でも運用できようにする、サービスモジュールは ISS 離脱後に最大1年半の間、軌道上で衛星として稼働できる、与圧部は ISS ドッキングポートの反対側にもドッキングポートを設けて貫通構造にする、っつう改良点を利用して、いろいろ構想が広がってる模様。

その中でも、与圧部をつなげていって日本独自の宇宙ステーションを建造とか面白いかと。それだけじゃ機能しないんで、生命維持・居住用の機能もきちんとつけないといかんけど、その足がかりを準備できるわけで。

ISS 計画が終わった後、日本の実験棟 きぼう を日本独自のステーションに移植させようっつうアイデアを見たことがある。きぼう は ISS の売りになってるほどのごっつい機能があるんで、ISS と一緒に捨てちゃうんじゃもったいないからな。そのアイデアが現実味を帯びてきたですな。これがまた きぼう が ISS とつながってるドッキングポートの規格が こうのとり/HTV-X のと同じなんで、都合のいいことになってたり。

補給機をつなげてステーションっつう発想は、ヨーロッパの ISS 補給機の ATV がオリジナルだな。あっちは機体全部が与圧部で、前後両方にドッキングポートがあって、電車みたいにつなげられるようにしてあった。ISS 補給機としては、ロシア側のドッキングポートは ISS の高度維持やらソユーズ宇宙船の係留やらで重要なんで、塞がなくていいように、という配慮でそういう構造にしたらしい。けど同時に、将来的に ATV をそのまま宇宙ステーションの構造材にできるように、との思惑もあってのことだったらしく。

ATV はもう計画が終わってしまったけど、ヨーロッパはステーションを作る気になれば ATV を復活させればいいってことで。日本も HTV-X でそれができるようになる。

HTV-X は電力を長期間にわたって安定確保できるようになるんで、補給ミッションの後は最大1年半もの自由時間を持てるってことで。曝露部なり与圧部なりに無人の実験設備を積んで、軌道上に長期滞在していろいろ実験できるようになる。

与圧部とサービスモジュールがドッキング機構でつながるんで、軌道上で付けたり外したりもできるわけで。じゃあ複数の HTV-X が軌道上にあるときは、パーツの取り替えっこもできますな。それでいろんなことできそう。

とりあえずは、与圧部は ISS からの不用品を積んで再突入で焼却っつう役割があるんで、じゃあ ISS 離脱後はサービスモジュールの推進機能で減速していったん再突入コースに進入、切り離して与圧部だけ再突入、サービスモジュールは再加速して衛星軌道に復帰、曝露部に載せた機材で無人実験なりほかのミッションを開始、とかできそうだね。

この サービスモジュール+曝露部に載せた機材 の組み合わせで、デブリ捕獲・除去ミッションも考えてるらしい。今のとこ「技術実証ミッションの候補」っつう段階なんで、確定ではないっぽいにしても。JAXA って衛星軌道のデブリ除去技術の確立に執念を燃やしてるわな。サッカーやラグビーのワールドカップの試合後、観客席やロッカールームを掃除する国の宇宙機関だからなw

つか HTV-X の構造がなんかこう、ものっそいドラスティックに変わったっつうか。今やれる技術・これから習得できそうな技術をもとに、効率や機能を追求して考え抜いたらそうなったってことなんだろうけど、割り切りっぷりというか発想の転換っぷりがすごくて。

普通、軌道変更用の大出力スラスタって尾部に付けるもんじゃないですか。こうのとり はその意味で普通の構造。けど HTV-X は機械的部分のサービスモジュールへの集約化で、機体の中ほどに斜めに取り付けるっつう変態仕様。サービスモジュールの前後にそれぞれ曝露部と与圧部を取り付ける形で。てことで尾部はただの与圧カーゴ。推進系の機能は何も付けないことになった。スラスタの位置を割り切ったら、構造的な自由を得てしまったって感じかとww

こうのとり じゃ機体の真ん中に位置してた非与圧部が、HTV-X じゃ一番前。「曝露カーゴ」と呼ばれるただの台らしく、非与圧の貨物はここに固定されて、おもっきし宇宙空間に晒されつつ ISS に届けられる。どうせ ISS に取り付けられた後もそうだし、という割り切りっぷり。こうのとり の場合、その位置から、強度がかかる場所だったわけで。てことで頑丈な壁を持つ空洞っつう形で。その一部にぽっかりと口が開いてて、そこから非与圧貨物を出し入れしてる。

その開口部がまた機体構造で非対称なもんだから、設計での強度計算がかなり大変だったらしく。そして機体中央なもんで貨物の高さ制限もまたあるわけで。HTV-X だと一番前に露出。「H3 ロケットのフェアリングに収まるサイズ」っつう高さ制限があるにはあるけど、こうのとり に比べて相当の余裕ができた。よりかさばる貨物を運べるようになるわけで。そして、非与圧部の頑丈な壁を省いたぶん軽量化・単純化できた。

JAXA もだんだん、いい具合に変態技術を培うようになってきたな。今は JAXA の内部機関の宇宙科学研究所(ISAS)は設立当初からずっと変態技術の本場だったけど、JAXA 発足の主軸になった旧宇宙開発事業団(NASDA)は NASA からの技術導入に頼った時期が長くてな。真面目で物分かりのいい優等生的なイメージだったが。いつしか全部自分で考えて判断できるようになって NASA 臭が薄れていくにつれて、変態技術に花を咲かせるようになってきたw

そういや NASDA の頃から、技術試験衛星きく7号っつう変態技術衛星を運用してたしな。世界初の無人の全自動ランデブー・ドッキングを成した衛星で、現場でうまくいかないこともあったけどどうにか克服して技術を確立した。

そのうちのランデブー技術は こうのとり に応用され済み。アメリカの ISS 補給機もその方式を採用して、そのための日本製の航法装置を買ってくれてるらしい。んで HTV-X で自動ドッキング技術も実装。

さらに きく7号に載せてたロボットアームの試作機は、のちに きぼう のロボットアームの下地になった。

JAXA の旧 NASDA 系まで変態的になってきたのってたぶん、別に同居の ISAS の影響を受けたわけじゃなく、日本の宇宙技術の天才さんたちはどうしてもこうなっちまうってことなんじゃないかとwww いいぞもっとやれww

旧 NASDA のほかの変態技術っつうと、H3 ロケット1段目の LE-9 エンジンとか。H-II シリーズ2段目用の LE-5A/B エンジンは、エキスパンダブリードサイクルという日本オリジナルな方式を使ってる。構造がシンプルな割に高性能なのが売り。これだけでも若干変態気味なのに、大型エンジンに向かないはずのこの方式で大型化しちゃったのが LE-9。しかも出力が現行の LE-7A エンジンの4割増っつう大スペック。完全に変態wwww 今開発中だけど順調らしいww

ISS 日本実験棟 きぼう。1980年代、アメリカ主導の国際宇宙ステーション計画に日本がお誘いを受けたのは、単に財布を目当てにされたからだった。けど誘ってもらって有頂天な日本は、ものすごい高性能な独自の実験棟をステーションに取り付ける決定をして開発着手。ステーションに物資を運ぶための大型ロケットも開発着手。そのロケットで打ち上げる小型スペースシャトル(HOPE)の開発にまで着手。

NASDA はそこらへんを一手に引き受けた。国際宇宙ステーションに大いに貢献して大活躍する日本という将来像に向けて、NASA のドン引きなんか気にせず、それぞれの項目の開発に勤しんだ。ことに きぼう は ISS の目玉機能になるほどの大盛りスペック。

長い開発期間を通して、苦労を重ねつつ順調に開発が進む きぼう。そこまでのごっついブツを提供する立場から、アメリカの政権交代ごとにフラフラと仕様が変わり続ける国際宇宙ステーション計画に文句つけられるようにまでなった。実験棟も輸送手段も全部開発中で、まだ何もモノになってない頃なのにw

宇宙ステーション補給機 こうのとり。来年の9号機の後は HTV-X に入れ替わる予定。日本版スペースシャトル HOPE が開発凍結になってしまって、代わりに往路専用の機体を作ることになった。それが こうのとり。ISS のアメリカ側のドッキングポートを使う。こうのとり は ISS とのランデブーまで行う。ISS 付属のロボットアームで把持してドッキングさせる。

この仕様を NASA に持ちかけたら、前例なさすぎでかなり疑問視されたらしい。けどアメリカ側のドッキングポートは自動ドッキングに対応してないんで、こうしないと成り立たない。きく7号での全自動ランデブー・ドッキングの実績を担保に交渉を進めて、日米共同で細部の仕様決定をしていった。

こうのとり デビュー時点で、ISS には他に3つの輸送手段があった。まずは言わずと知れたアメリカのスペースシャトル。輸送機としては こうのとり の上位互換だけど(しかも人員まで運べる)、2001年のコロンビア号事故の影響で、ISS が完成したらまもなく(2011年)引退することが決まった。

ロシアの補給機プログレスは、ソ連・ロシアのミール宇宙ステーションの時代から稼働してる古株。信頼性が売り。ISS から物資を地球に届けられるっつう絶対的なメリットもある。ロシア側ドッキングポートの位置の関係もあって、ISS の高度を維持するリブーストができる。リブーストは ISS 自体のエンジンでも可能で、プログレスはそのための推進剤の輸送もできる。

その一方、仕様が古いんで輸送能力は4つの輸送機のうち最小。ロシア側のドッキングポートは口径が小さいんで、あまり大きなものは運べない。非与圧部がない。という点でいうと、こうのとり は与圧部のドッキングポートがでっかいから ISS 船内用の大物を運べるし、非与圧部があるんで、船外取り付け用の機材は船外に出したまま取り付け作業に入れる。

ヨーロッパの補給機 ATV は日欧露の無人機の中じゃ輸送能力が最大。ロシアのドッキングポートを使うんで、ドッキングポート絡みのメリット・デメリットはプログレスと同じ。非与圧部がないのも同じ。そして ATV は既に退役済み。

シャトルも ATV も退役してしまって、今は代わりにアメリカの民間企業が運営する補給機2機、ドラゴンとシグナスが稼働してる。ドラゴンには非与圧部があるけど、どっちも輸送量はあまり大きくない。てことで現役の補給機だと こうのとり が最大で、大量輸送と大型機材の輸送で頼られてる。

こうのとり はそのドッキングの仕様が変態wっぽかったけど、今はドラゴン・シグナスが採用して、普通の仕様になった。

そして後継の HTV-X は補給機としての最適化をさらに煮詰めた結果、かなりな変態仕様になったとwww

ただ、おとといの共同通信のニュースだと、HTV-X を月周回ステーションの補給にも使うのはいいとして、打ち上げ手段が悩みらしいね。ロケット側の事情になるけど、これからこの問題を JAXA がどう解決するかが見どころかと。

  1. H3 ロケット2機で HTV-X と月ミッション用の推進モジュールをそれぞれ打ち上げて、軌道上でドッキングさせる。ドッキング技術が難度高いとのこと。
  2. H3 ロケットのヘビーリフターを新規開発して一度で打ち上げ。ただし開発は2025年には間に合わず、2030年頃までかかりそう。JAXA の見解では、ロケットの開発費に加えて打ち上げ施設の改修費もかかるんで 1. の方が安く上がるとのこと。
  3. 海外のロケットに打ち上げてもらう。たぶん米スペースX社のファルコンヘビーのことかと。

1. について。ドッキングの難度が高いといっても、月周回ステーションへの物資補給は自動ドッキングが前提らしいが。ISS だとランデブーしたらロボットアームが捕まえてくれるけどさ。どっちにしても行程中でドッキングしなきゃなんないんだから、「一人殺すも二人殺すも同じじゃー」理論で納得すればいいのでは?

んー、ドッキング機構は1個余計に積まなきゃなんないのかな。

HTV-X は与圧部が最後尾になる形。そしてその与圧部の最後端がドッキングポートになってて、月行き仕様はそこに自動ドッキング機構のオス型が付くことになってる。これで月周回ステーションにドッキングする。

HTV-X の月行きには、大容量の外付け推進モジュールを取り付けなきゃなんないわけで。この推進モジュールのドッキングポートをメス型にすれば、なんかもう何も問題ない気がするが。月周回軌道に入れば外付け推進モジュールを切り離して捨てる。空いたオス型でステーションのメス型にドッキング。やっぱし問題ないだろ。

月周回軌道上でのドッキングが必須なのに、地球周回軌道上でのドッキングが難しいなんてことも特になさそうなような。

つか予定通り2025年に月周回ステーションが稼働するんだとして、日本は1997年の きく7号以来はるばる28年ぶりの自動ドッキングってことになる。当時の主要チームメンバーの多くが引退された後の頃だろ。ドッキング機構もあの時と違うものだし。

そんな状況で月周回ステーションぶっつけ本番は怖すぎる。さすがにその前に ISS 行きの HTV-X で、ISS を相手に自動ドッキングを練習するらしい。つまり地球周回軌道上ですが何か。

2. について。なんかあんまし見込みのない案のような。

共同通信の記事に出てる説明図を見るに H3 ヘビーリフターのスタイルは、アメリカのデルタ IV ロケットやファルコンヘビーと同じく、1段目を3本並べる形っぽいね。真ん中が本体で両脇がブースター。H3 の1段目はエンジンの数を2基か3基かで選べる。てことで本体はエンジン2基で長時間運転、ブースターはエンジン3基で短時間パワー型運転の形になるんじゃないかと。

H3 の基本形はブースターなし。そのぶん1段目がすごくでっかい。機体の製造コストの大半は1段目なんじゃないかと。てことはヘビーリフターの値段は基本形の2.5倍くらいかな。対して 1. の方式で2回に分けて打てば2倍で済む。初期コストもランニングコストも余計にかかる 2. を選ぶメリットって何もない気がする。

ヘビーリフターを開発しとけば他の用途にも使えるっつうメリットが記事に書かれてたけど、そんなに需要があるもんなんだろうか。現状だと日本最大の H-IIB ロケットの需要は こうのとり の打ち上げのみで、他の仕事は官需からも民需からも受注できてないみたいだが。

三菱重工は、開発するなら2030年までかかるとのこと。てことは今から開発してもしばらくは別の手段に頼らなきゃなんないし。たぶん上段の新規開発も必要になるからなんじゃないかな。

H3 は上段の開発を後回しにした。とりあえず H-IIA/B と同じ LE-5B エンジンを使った上段でしばらく運用することになってる。ところが LE-5B の出力が、こうのとり 打ち上げの時点でちょっと弱いかなってくらいでして。月仕様 HTV-X の質量は外付け推進モジュールと合わせて こうのとり の2倍くらいになるだろうから、そのままだと力不足かと。ヘビーリフターの開発にカネと時間がかかるのって、そこなのかなと。

どうでもいいけど個人的に、1段目を3本並べるヘビーリフターの見た目がどうもあんまし……。天地を揺るがす轟音とともに空の彼方へブッ飛んでいく超巨大門松ってどうなのか。

そういえば H-IIA の開発初期、こうのとり 打ち上げ用に門松スタイルが検討されてたことあったな。1段目の胴体に LE-7A エンジンを2機取り付けたものを液体燃料ブースター(LRB)にする案。特に2120型と呼ばれる、LRB を1本だけ取り付けたやつの見た目が気持ち悪いの悪くないのww 結局 H-IIB の形の方が高信頼で開発コストも安いってことで廃案になったっけ。

あくまで見た目でだけど、やっぱしこれはないと思う。かっこいい H-IIB が採用になってよかったww

3. はどうも意義的に現実的じゃないような。アメリカじゃヘビーリフターのロケットがもう稼働してるんで一番安全確実な案に見えるけど、ロケットと補給機が別々の国ってのはかなり面倒なことになるんじゃないかと。

補給機に積む貨物は参加各国から集めるものなわけでさ。それを補給機チームが責任を持って搭載して、責任を持ってステーションに届けるわけで。

ロケットは基本的に専用の打ち上げ施設が必要なんで、海外のロケットを買ってきて種子島から打つってのは不可。つか種子島宇宙センターの射場は今のとこヘビーリフターに対応してない。対応させるにはカネかかるのがどーもなーってのは既に 2. に書いてある。

てことで考えられる段取りは。月行き仕様 HTV-X と外付け推進モジュールと運用チーム丸ごとをアメリカに持って行って、そこで各国からの貨物を集めて管理して HTV-X に搭載。HTV-X をロケットに搭載。打ち上げた後は、運用チームがアメリカにいるんだから NASA の管制センターを借りるか、急いで筑波に戻って管制をするか。どっちにしろ空白期間を置くわけにはいかんので、NASA 管制に頼る割合が上がる。

だったらむしろ準備・運用・管制は NASA に丸投げの方が話が早いのでは? 月仕様補給機セットを自腹で作ってはアメリカに発払い発送するだけ。

その状態は、日本が月周回ステーション計画に積極的に参画してると言えるのか?

てことで、1. の2回に分けて打ち上げが一番現実的なような。

あーそうかと今さら気づいたこと。軌道の同期がめんどいんだよな。打ち上げる順番としては、まずは日持ちするほう(推進モジュール)を上げといて、重要なほう(貨物を積んだ HTV-X)が後だな。鮮度が大事な貨物もあるし。

軌道上でランデブーとドッキングするには、両者の軌道要素と位相を同期させないといけない。ISS 行きの便で考えると、今のとこ こうのとり は打ち上げから5日かけて軌道を ISS と同期させる。けど頑張れば2日でできる。ソユーズ宇宙船での飛行士の輸送の場合、打ち上げから最短5時間で行ける。これは位相の同期の話。

軌道要素の同期は、だいたい24時間単位で打ち上げタイミングが来る(より正確には23時間56分ほど)。1発目を打ち上げた24時間後、48時間後、72時間後……に正確に2発目を打ち上げないといけない。許容誤差はたぶん1分以内かと。映画『アルマゲドン』じゃ2機のスペースシャトルを同時に打ち上げてたけど、実際にやったら地上組がてんてこ舞いすぎるだろ。つか空中衝突のリスクが怖すぎ。映画じゃ地球の危機だったから NASA が超本気出したっつう解釈でいいかとw

てことで種子島から月行き HTV-X を2回に分けて打つ場合、24時間以上の時間差を設けることになるだろうと。

H-IIA/B は打ち上げの定時性のよさで評判がいいけど、それでも天候条件や機械トラブルで遅れることがある。そして、打ち上げ直前の推進剤注入が始まってから延期が決まってしまうと、推進剤を抜いて配管を全部チェックしなきゃいかんので3日遅れることになる(推進剤注入前の延期決定だと1日遅れで済む)

液水液酸ロケットっつう高効率だけどめんどくさい仕様なのに定時性がいいっつう、かなり高度な無茶をやってるわけで。こうのとり の場合、それでも打ち上げが遅れたことが今まで2回ある。電車の発着みたいなわけにはいかんってことで。

打ち上げ失敗はもうほとんど考えなくていい段階かな。H3 はまた1から積み上げ直しになるけど、H-II シリーズでの技術・経験も活かしてくるから大丈夫かと。

HTV-X も こうのとり の経験があるから、特に大きな問題はないんじゃないかな。構造が簡素になるんでむしろ信頼性が上がりそうな気もする。

こうのとり は長い開発期間で、部品枯渇対応や仕様変更がいろいろあったらしく。なにぶん初物だったんで、完成までに全部の変更点を綺麗には消化しきれなかったらしく。特に電源系。

こうのとり じゃ補給船としての効率よりも、とにかくまともに動作するものを目指したんだろうな。NASA から厳しい要求もあったらしく、いったん決めたところは簡単には変えられないとかの事情もあったかと。NASA にとっても ISS 用の無人補給機を扱うのは初めてだったんで、日米とも手探り状態の部分が多かったかと。てことで こうのとり の開発で消化しきれなかったツッコミどころを、HTV-X で一気に改善するらしい。そのぶん軽量化・高信頼化・低コスト化を図れるわけで。

HTV-X の開発は何年か前からもう始まってる。一方で HTV-X の月行きが本決まりしたのはつい最近なんで、その対応はこれから HTV-X の仕様に後付けしていく形になるかと。てことはまたそのぶんのツッコミどころを搭載したまま月行きの本番を迎えそうですな。その改善はさらに次世代の補給機で、となるかな。それが洗練てやつだわな。

そういや月周回ステーションに物資を運んだ後の HTV-X はどうなるんだろ。次々とたまっていったら邪魔なんで、1回ごとに捨てる形にになるかと思うが。与圧部はもったいないからとっとけば、ステーションの拡張に使えそうだな。

って ISS じゃ使用済み こうのとり は ISS 船内の不要物を積んで大気圏再突入で焼却処分なんだよな。月周回ステーションでも人が暮らすからには不要物がたまるだろ。与圧部に入れるか、袋にでも詰めて非与圧部に固定するかで、HTV-X サービスモジュールもろとも廃棄することになるかと思うが。どこにどうやって捨てるんだ?

大気圏再突入はないと思う。地球に向かわせるだけで相当な量の推進剤が必要になるんで。月面に落とす? ゴミを撒き散らすのは気がひけるような。でも有り得るかも。ステーションの軌道はかなり細長い楕円軌道らしいんで、遠月点でちょいと逆噴射するだけで月面直行コースに入れそう。ほとんど月の第二宇宙速度で落下なんで、月面に派手にゴミをぶちまけることになるな。むしろ反対運動がすごいことになりそう。

じゃあ惑星間空間に投げ出しちゃうのが得策なような。月周回軌道からだと、けっこうわずかな推進剤消費で惑星間空間に行けるはず。この場合は近月点で加速だな。月と地球の第二宇宙速度を同時に突破できるタイミングで。

じゃあついでに曝露カーゴに観測機器なり小型の探査機なりを載せるとですね、ゴミ捨てついでに惑星間空間観測の貴重な機会も得られるってことになりそうなような。

その観測機器や探査機は月周回ステーションまでの運賃を支払うことになるわけで、自前でロケットを調達するより安く上がるかどうか、そこが大事なところになるかと。

銘板
2019.11.15 金曜
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元祖変態

JAXA 旧 NASDA 組の変態技術のついでに。

日本の変態宇宙技術の元祖 ISAS だと、とりあえず初代 はやぶさ の変態技術ぶりは有名だね。今運用中の はやぶさ2含めての変態ぶりは、サンプルリターンなんて大それたことやる割にガタイがやたら小さいってこと。しかも現地でいろいろやるための、世界初の飛び道具を詰め込んでる。初代でその飛び道具をあまりうまく作動させられなかったくせに、はやぶさ2でさらに盛り盛りにした挙句に全部成功。

今ちょうど別の小惑星を探査中の NASA のサンプルリターン機オサイリス・レックス。観測機器の性能はいいけど飛び道具は全然積んでない。たぶん NASA 初の小惑星サンプルリターンってことで、慎重になった結果かと。常識で考えてそういうもんだろと思う。そしてガタイは はやぶさ シリーズの何倍もでかい。

あと 2021年打ち上げ予定の月着陸機 SLIM もキてる。着陸機は一般的に、空中で逆噴射してる時は重心が高い方が姿勢制御しやすい。けど脚が地面に着いた瞬間からは重心が低い方が転びにくい。そういう矛盾を抱えてる。その解決が面倒なわけで。

SLIM の解決方法は頭おかしい(褒め言葉ですよ)。逆噴射時は縦長状態。接地寸前にわざと横倒しになって着陸。そのために着陸脚を機体側面に生やしてる。それでこの矛盾を解決することにした。やっぱし発想がおかしいww(褒め言葉ですよ)

銘板
2019.11.16 土曜
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『荒野のコトブキ飛行隊』

アニメの技術ってどんどん進んでるんだな。

YouTube いろいろ見てたら、『荒野のコトブキ飛行隊』という作品が出てきて。今年の1月あたりから始まってるものらしく。第1話は無料公開ってことでなんとなく見てみたらば。

第二次大戦中の戦闘機が活躍するお話だけど歴史戦記ものじゃなく、パラレル世界というか、文明崩壊後の遠い未来というか、の設定。エースパイロット級の腕前の少女たちが隼に乗って空賊たちと戦う……という感じ。

空中戦の迫力はまぁ当然というか売りになるんで、CG でばっちしキメてる。その演出もすごいかっこいい。これがまた SE が今までにない感じで。弾丸が機体に当たる音は単なる金属打撃音。素っ気ないけど装飾的じゃないぶんリアルな感じ。機体が軋む音もイイね。単に CG の威力に頼るつもりじゃないのを見せつけてる。

派手に撃ちまくらずチビチビと撃つのは、きっと大戦中の実戦がそうだったんだろう。飛行機っつう軽さが大事な乗り物の特性上、弾丸はそんなにたくさん積めるもんじゃないからな。数発当たっただけでやられちゃうってのも、たぶん実際がそうだったんだろう。

ただフィクションなもんで、少女が凄腕の戦闘機乗りってのはそういうコンセプトの作品だからってことで流すとして、普通の私服の格好のままでってのはちょっと違和感というか。サラサラロングヘアの女の子、空中戦なんかしたら髪バッサバッサ顔に振りかかって貞子みたいになるだろうに。けどそうはならない。フィクションだからw みんな急旋回でGがかかっても平気そうだし、高空でも全然寒そうじゃないし。リアルとフィクションとのそこらの線引き、そこはおいらにはちょっと合わない感じ。

んでまた別口で、今のアニメ技術ってすげーなーと思ったのが、登場人物が CG なんだな。てことで立体感が完璧だしヌルヌル動くし。でも CG なのに絵柄はいわゆるジャパニメーションのタッチのままで違和感なし。ここまでできるんだな。

けどよーく見たら、その回だけ登場の人物はパラパラした秒速12コマの動きで。CG できっちり動かしてるのはレギュラー登場人物のみらしい。たぶん CG キャラの造形と演技付けは旧来の方式に比べてテマヒマカネかかるんだろうな。てことで、使い回しが効く、出番の多い登場人物のみ CG なんだろうと。CG キャラが女の子主体なのは、ターゲットの視聴者層を意識してのことかと。

つか第1話無料公開を鑑賞したわけで。テレビドラマの例でいうと、第1話はやたらカネかけてゴージャスにして、第2話以降は普通というかしょぼいというかになったりするわけで。第1話は番組自体の宣伝の意味合いが強いからな。じゃあ CG キャラを使うのも実は第1話だけなのかもな。第2話以降はおいらは観ないだろうけど(無料コンテンツにしか興味ない豚野郎ですよええ)

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そういや前に、第二次大戦時の零戦の離陸の様子の動画を見たんだわ。戦時中に本物を撮った白黒映像。空母じゃなく地上の滑走路だったな。したらさ、滑走中、パイロットはキャノピーを全開にして、立って操縦してたんだわ。昔はずいぶんテキトーだったんだなーと思ったもんだけど、あれって実用的なやり方だったのかもなと思い直した。

二輪式の飛行機って地上にいるときは斜め上を向いてるわけで、操縦席に行儀よく座ってると前が全然見えんはずなわけで。んで、立ってれば視界をきちんと確保できるんだろうと。

戦闘機ってことは曲技飛行するんだからさ、シートベルト必着じゃないですか。じゃあ立って離陸した後、上昇しながら急いでシートベルトを締めてたんだろうな。

『荒野のコトブキ飛行隊』だと座ったまま離陸してた。滑走路の上に信号機が並んでて、それを見上げながら滑走をする形なんで、その信号を信用すればいちいち立って視界を確保しなくていいって設定なのかもな。その主観映像があってさ、前の様子が全く見えない状態だってのがよくわかる。

本物零戦の離陸に戻るよ。当時の滑走路ってアスファルトじゃなく土そのままなもんでデコボコしてて、離陸するまで派手にバウンドしてた。今の飛行機の常識といろいろ違ってたんだな。

イモヅルで坂井三郎の武勇伝を思い出した。仲間2人と一緒に(たぶん訓練の名目か何かで)零戦3機で、無断で敵基地の様子を見に行ったらしく。んで米軍基地の真上で3機編隊で3回宙返りしてみせたら、地上の米兵たちがやんやの喝采を送ってるのが見えたと。

無事に自分の基地に帰って何食わぬ顔してたら、米軍の飛行機が飛んできて連絡筒を投げ込んで行ったと。

連絡筒に入ってた手紙には「見事な宙返りでした」と書いてあって、上官に全部バレてぶん殴られたそうなwwww

銘板
2019.11.17 日曜
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詰めが甘すぎる人

ほぼじゅびふぉ の入荷作業をずーっとサボってたら、ついに新規入荷リストがゼロになっちまった orz

けど今日ついに意を決した。入荷じゃないけど、入荷作業に使う下ごしらえ JavaScript の改造途中だったのを完成させた。このまえ英語曲の場合の仕様変更に対応させたけど、そのあと微妙に仕様を整えようと思ってて。最後の詰めのところをなぜか踏ん切れなくて踏ん切れなくて。

やっとやってやったんだけど、なんでか全然充実感ないのはなんでだ。

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もうひとつ、すごい小さいけど積年のすべきことだったやつをやったという、ほんとこれも充実感ないやつ。

いやさ、部屋の PC スピーカーの配置をやっと替えて。iMac のスピーカーってあんまし音質よろしくないわけで。別に悪いわけじゃないけど、低音の再現性がイマイチで。ウーハーが欲しいってほどじゃないけど、それにしてももうちょっとってわけで、外付けスピーカーを付けてるんですわ。

30年前に買ったケンウッド製。当時がんばって、今は亡きサンヨーの21型サラウンドテレビを買ってさ。そのサラウンドスピーカーとして後で揃えたやつ。そんなロートル機材だけど、きちんと動作しとります。

んでこれを PC 用スピーカーとして使ったら、音質がすげー改善したぞやったーってやつで。

で、もともとはこのスピーカー、オーディオ用にアンプに繋いでたんですわ。サラウンドスピーカーってことで付属のケーブルがやたら長いんですよ。その長さを活かしてというか、部屋の端っこ同士に置いてたんですわ。

けどオーディオも特に聴かなくなって(機材が劣化して聴けなくなってきた)、いつしかスピーカーは iMac と直結となり。アンプはまだ生きてるけど、iMac を使う・使わないでいちいちアンプのスイッチを ON/OFF するのがめんどくて、iMac のヘッドホン端子に直接つなぐようにした。けどヘッドホンの音って普通のスピーカーに通せば出力が弱いわけで。ボリューム最大にしてもそんなでもなくて。まぁ爆音で聴くわけでもないけど。

さらに iMac のヘッドホン用アンプってちょっと問題あって(おいらのだけかな)。ボリューム最大近辺にすると音が割れるというかノイズが入るというか。てことで出力 80% くらいにしかできんわけで。さすがにボリュームが物足りない。

てことで、部屋の端ー端に設置したスピーカー。これをですね、もっと近くに寄せようと思ってですね。

PC が壁沿いだから、PC の両脇の位置の壁に吊るす、というのをずっと考えてですね。もう何年も考えっぱなしのまま、めんどくてやってなかった。意を決してさっきとうとうやった。ほんと工程としてはすごい簡単なのに。

壁に意味なくねじ込んである木ネジ2本。いつ、何の目的でねじ込んだのか全く覚えてないけど、どうもこの木ネジの頭のサイズが、ケンウッドスピーカーの背後にある吊るし用の穴とぴったりな気がしてて。ほんとずっと前々からそんな気がしてて。けど試すのがなんでかだるくてだるくて。

んでさっき、確かめもせずその木ネジをだいたいちょうどいい位置にねじ込んで、スピーカーをはめてみた。

思ったとおりぴったんこ。

実質の音量も適度なとこにやっと持ってこれた。

これしきのことやるのになんで何年もかかったんだか。

ただなぁ。背後に柱がない薄い合板の壁にねじ込んだだけの木ネジ1本。そんなもんに引っかけてるだけのスピーカー。震度4くらいで破綻するかも。

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2019.11.18 月曜
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衛星 つばめ

1カ月以上前の JAXA 関連のニュースだけど、衛星 つばめ の運用が終わったんだな。

超低高度衛星「つばめ(SLATS)」が運用終了 - sorae

おととし打ち上げの、久々の技術試験衛星だったんだな。もしかして JAXA 発足後に企画を立てた技術試験衛星ってこれが初かな。

設計寿命2年だけど実質のミッション予定期間は1年9カ月。んできっちりその期間内に仕事を終えて、運用終了と。

超低高度軌道での衛星運用はどんなもんなのかのを実地で知るためのものってことで。高度 200km 以下の軌道を維持し続けるのには常に軌道修正を続けてないといかんから、延長ミッションはありえんだろ。これで問題なしかと。

過去にヨーロッパ宇宙機関(ESA)の GOCE という衛星が超低高度運用をしてた。試験機じゃなく実用機としてやってた。

てことで、つばめ は後追いかなー技術的に周回遅れかなーと思っとったが。


遠地点高度 (km) 近地点高度 (km)
GOCE 254.9 254.9
つばめ 268 180

つばめさん、余計なこと考えてすんませんした。つばめ の方がかなり低いところまで突っ込んで飛んでた。ここまでの低高度は未知の領域。試験衛星やんないといかんですわ。

ふむふむ。「高度220 kmまではイオンエンジンのみで高度の維持が可能であるが、最低高度180 kmではイオンエンジンとガスジェットエンジンを併用して高度を維持することになる」。なるほどな。こりゃ衛星は長持ちしませんわ。

このくらい軌道が低いとポリイミドがやられちゃうんだな。原子状酸素とかいうやつが悪さするらしく。ポリイミドってのは、よく衛星や探査機の外装に貼られてる、金色のフィルム状のシートのこと。大抵シワシワになってて、「なんか宇宙機って案外テキトーな造りなんじゃね?」なんて誤解の元になってそうなアレ。軽くてかさばらない断熱材として重宝されてるらしい。たぶん原子状酸素がないなら宇宙空間での耐久性もいいんだろう。

古くはアポロ計画の着陸船に貼りまくられてた。ソーラー電力セイル実証機 IKAROS の胴体も当然のようにこれで包まれてたほかに、ソーラーセイルの膜としても使われた。セイル部分のは反射率を上げるためにアルミを蒸着してあって、金色じゃなく銀色に光ってたな。

どうでもいいけど、あれって機体の外板に貼り付けるのにマジックテープを使ってるとか聞いたことあるが。本当かどうか確認取れてないが。だとしたら機体の開発中に付けたり外したりするんだろうな。だからあんなにシワシワなのかな。

さらにどうでもいいけど、宇宙機の広報画像に CG を使うことが多いけど、CG モデリングであのシワを表現するの大変そうだな。

んで、ポリイミドにとって危険な超低高度を飛ぶのに、敢えてポリイミドで全身ラッピングしちゃう つばめ の男気に惚れそうwwww そしてその劣化の様子を観察するのも試験項目に入れてあった。ちなみに GOCE の外装は太陽電池とアルミか何かの金属で、ポリイミドは使ってなかったっぽい。

おお、つばめ を使った企画が。面白いことやってたんだな。

【大成功!】人工衛星「つばめ」が九州新幹線「つばめ」を撮影 - JR九州

横断幕の「つばめ」、かろうじて読める感じだな。

もともと超低高度衛星の主な目的は、地表により近づいて、より高解像度のリモセンをすることだからな。そのためのノウハウもきっちり得られたかと。

けどこれ、寿命が大事なはずの衛星にここまでのことさせて高解像度センシングする用途ってさ、主に軍用なんじゃないかと。日本だと情報収集衛星ですな。今の情報収集衛星の高度は400〜600km なんで、半分から3分の1くらいの距離まで地表に近づくわけで。同じカメラなら2〜3倍の解像度になるわけで。同じ解像度で撮る場合、被写体に近ければそれだけ安いカメラでいいし、手ブレを抑える仕組みも簡単でいい。

そういやかつて政府の構想として、小型の「使い捨て衛星」を固体燃料ロケットで必要な時にすぐさま打ってすぐさま情報収集する、ってのが出てたな。なんかこれのための技術試験な気がしてきた。

「使い捨て衛星」って無人衛星は基本的に再利用はないんで全部使い捨てなんだけど、この場合は「短寿命」ってことかと。つまり超低高度衛星ってこと。衛星・ロケットのセットを即時対応で打つってことは、いくつか作り置きしとくってことで。だから固体燃料ロケットなんだろうと。で、短寿命でその時のミッションだけできればいいと割り切った衛星だから、カメラも衛星も、今の情報収集衛星ほどのこだわり仕様の超ハイスペックってわけにいかないだろ。で、超低高度はなおさら都合がいいと。

コストと解像度で有利なほかに、公転周期が短いってのもある。現場に急行できるってやつで。まぁ情報収集衛星の公転周期が95〜100分なのが90分になる程度だけど。

って再来年あたりから発動するキヤノン主導の小型固体ロケットビジネス、もしかしたらこれが主な顧客なのかな。極軌道に質量 150kg 程度の衛星を打てるロケットを用意するらしい。

てことはロケット丸ごと新規開発になるんだけど、JAXA は SS-520 ロケット5号機で世界最小ロケットでの衛星打ち上げに成功したわけで、その技術を応用するらしい。SS-520 で打った衛星の質量は 3kg だったんで、それよりだいぶ大きなものになるはずだけど、イプシロンロケットよりはかなり小振りになるはず。

「使い捨て衛星」構想の固体燃料ロケットはイプシロンじゃもったいなさすぎるなーと思ってたけど、なんか話がつながってきたような。

キヤノンロケットの打ち上げ基地の予定地は、本州最南端の和歌山県串本町。ここから南向きに打つらしい。極軌道なんで、1個の衛星で地球全部の上空を通れる。しれっと「地球観測衛星に最適な軌道」として民間市場に売り込む姿勢に見せて……な気がしてきた。本州っつう立地は即時対応性も高そうだしな。

おっと SS-520 5号機で打った衛星の近地点高度は 187km だったぞ。衛星としちゃ異常に低いよなーロケットの能力と仕様の関係でこうなってしまったんだろなーとばっかり思ってたけど、実は技術を引き継いでくれるキヤノンの意向でその高度を狙ったのかな。

「使い捨て衛星」構想、キヤノンロケット、つばめ。わーおパズル完成!? まだ陰謀説レベルだけどww

関係者の方へ。

どうかおいらに一言だけお願いいたします。いっぺん言われてみたい憧れの言葉があるんで。

……、

……、

……。

「勘のいい素人は嫌いだよ」とwwww

銘板左端銘板銘板右端

日本の宇宙開発も規制緩和が進んできたというか。昭和の昔や平成1桁あたりまではいろいろとあってな。国内の反対勢力ありアメリカの圧力あり。

超低高度衛星ってのも、そういえば規制に引っかかってたんだよな。研究してたらアメリカに目をつけられて潰されたことがあったらしい。五代富文さんの本に書いてあったから、たぶん昭和時代のことかと。

記憶頼みで申し訳ないけど、確か超低高度の軌道だか衛星だかは D.A.S. と呼ばれるもので、スパイ衛星に有用ってことで。さらに再突入技術にも関連してるわけで。昭和時代ってことは米ソ冷戦の最中ってことで、再突入技術は ICBM と直結するものでもあったりして。アメリカとしては関連技術の拡散に神経を尖らせてた時期なわけで。その時代の超低高度衛星の構想はアメリカの圧力で、研究さえもまかりならんとされてたらしく。

んでまぁ日本国内でも、ロケット技術は弾道ミサイル技術と同じってことで、弾道ミサイルは攻撃的兵器だから憲法9条違反になるはずだとか、海外から疑われてしまうぞとか、当時はそういう言論が強かった。

アメリカの政治圧力っていつの間にかあんまし聞かなくなったな。トランプさんがまたぞろ外圧してきてるけど、もう日本経済が世界で一人勝ち状態じゃないし、その意味じゃ今は中国の方が目立ってるしな。

日本国内も、日本の宇宙開発を危険視・無用視する風潮じゃなくなったわな。

JAXA が頑張りながら成果を出しつつある姿が世の中に浸透してきたのもあるし、国際宇宙ステーション計画に積極参加で日本人飛行士も出してますっつうわかりやすいイメージアップが効いてるのもあるし。鍛えてきた技術がついに実用レベルに達して、国の運営の手段として必要とされるようにもなってきたし。

あと、JAXA が発足したら世の中に広告を出すようになってな。そしたら大事な大事なスポンサー様ってことで、マスコミが手のひら返して応援するようになったってのもあるかと。NASDA 時代はその発想がまだなくてな。技術も当時は未熟で、うまくいかないことがときどきあって、その度にマスコミが素人丸出しな言いがかりふっかけてぶっ叩いてたっけな。

銘板
2019.11.19 火曜
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宇宙猫

猫ってまだ宇宙に行ったことないっぽい気がする(2020.6.12 補足: フランスが弾道で打ち上げことはあるらしい)

犬はソ連がスプートニク2号で打ち上げましたわな。かわいそうに片道の旅だったけど。

ネズミは、実験用のマウスが過去にあるのかも。スペースシャトルなんかで行ったことあるんじゃないかと。あとシャトルだとメダカが有名だよな。水の中でずっと宙返りして、セルフ人工重力状態だったらしい。

秋山 TBS 宇宙特派員がミール宇宙ステーションに持ち込んで観察したのはカエルだったな。

アメリカは蜘蛛を宇宙に持ってったこともあったな。無重力で蜘蛛の巣を張れるかの観察で、少しイビツだったものの見事成功したらしい。

猫。宇宙ステーションに猫。

ステーションでの単調な暮らしに彩りを。飛行士みんなを和ますアイドル。ロシアの缶詰宇宙食を開ける音を聞くとまっしぐら。かまってほしくて仕事の邪魔。だからってカゴに閉じ込めれば、むしろ気になって作業に集中できない。

とかいろいろ想像が弾んでしまうな。

長く宇宙にいると骨や筋肉が弱っちまうんだよな。何も対策しないと、地上に戻ってからリハビリで苦労するらしい。人間の乗組員はそれをできるだけ防ぐべく、1日2時間の決まったエクササイズが義務付けられてる。ルームランナーと自転車こぎですな。

猫はどうなのか。猫用宇宙エクササイズ。せっかく作ってやっても、やれって言っても、聞いてくれないよな。猫の世話係が1人必要になっちまうのかな。なんかそれ一番幸せな宇宙ステーション業務だな。

銘板
2019.11.20 水曜
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継ぐ者の夜明け

いずれ人類が地球を去るか滅んだ後は、あいつらが地球の知性の担い手になってくれそうな気もしてきた。この前はペンギンのような気がしたけど、今日は違うような。その日の気分でやってますww

とりあえず以下の曲を聴きつつ、スクロールしていってくださいませ。

『ツァラトゥストラはかく語りき』が終わったら、以下の動画もどうぞ。

……こいつら既に覚醒してやがる。

なお宗教界も認めている模様。

我々人類は、運命として受け入れねばならぬのですぬのですぬのです(エコー)

銘板左端銘板銘板右端

猫つながりで。

ときどき思い出す変な単語。それは「ヤマピカリャー」。

インパクトありすぎな語感。

これなんだったっけーこれなんだったっけーと思い出してはすぐ忘れ……ってようやく調べて思い出したというか、内容を初めて知ったというか。

イリオモテヤマネコ#ヤマピカリャー

UMA の一種ですな。でっかいイリオモテヤマネコのことなのか、別種の猫なのか、本当に存在するのか、個体の情報が曖昧なんではっきりしない生き物。

名前の由来は ヤマピカリャー - 怖い話投稿サイト 怖話(こわばな)様によると、西表島の方言で「山の中で目の光るもの」という意味だそう。

UMA の中では実在する可能性が高い方らしく。早く見つかってほしいですなぁ。

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2019.11.21 木曜
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8分遅れのパラレルワールド

いやーなんだかもう香ばしくて素敵な都市伝説。

衝撃!パラレルワールドと現実世界が8分違ってるとしたらあなたは信じますか - ひでもんるーむ

しばらく前にこのネタ見つけて忘れてたですよ。

こっちの世界と枝分かれしたのはバブルの頃らしく。昭和65年の硬貨だしな。一万円玉って、あっちの世界じゃバブルが円満に続いたんだろうか。

ネット上じゃ時空のおっさん系の話が後を絶たんしな。本当にあったらこりゃ面白いだろ(小並感)

東日本大震災のくだりはかなり胡散臭いな。あっちの世界でも起きた災害だってのは、まあそりゃそうだろうよ。枝分かれがつい30年前かそこらなんなら、地震エネルギー蓄積や破断のメカニズムに双方で違いが出ないだろうからな。

両方繋がって被害が拡大ってのは、それぞれで起きて同じ被害を出したってことでさ、別に拡大はないだろと。東日本大震災の科学的な解析も、別に不可解な矛盾とか特になく進んでるみたいだし。

面白いのは、あっちの世界じゃこっちの世界の存在が社会的に広く認知されてるってとこ。意識が進んでるなぁ。

星新一の戯曲で『夢魔の標的』ってあったな。異世界からの侵略が題材。こっちとほぼ瓜二つの世界ってわけじゃなく、全然違う世界らしいが。

ってその発想は、けっこう昔からハリウッド映画でよくやってるわな。地獄とかなんとかから、空間の裂け目を伝ってやってきそうなヤバイ連中を阻止するってので。『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』(1986)とか。主演のリー・トンプソンがかわいかったな。シュワちゃん主演の世紀末を題材にした映画とかな。タイトル忘れたわ。「あーまたこのパターンか。ハリウッドってこれ好きだよなー」っつう感想しか。

『ナイトミュージアム2』(2009)もそのパターンで、相変わらず安定のフォーマット主義だなーと。アメリア・イアハートを演じたエイミー・アダムスが素敵ですた。この手の作品は女優しか印象にないのかよ……。

パラレルワールドって実在するのか知らんけど、フィクションじゃよくある発想ってことで。

以下、ネタにかこつけてグダグダと説教っぽいこといったん書き連ねたけど、つまんないだけだったんでバッサリいっちゃいますた。

銘板
2019.11.22 金曜
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H3 ヘビー

H3 ロケットのヘビーリフター構想の、もうちょっと詳しい話を拾ったですよ。

この動画中の画像をキャプってみた。この日記の企画の関係上、元画像が横一列だったのを2列に換えとります。

なるほどねー。最初の2回打ち上げの段階だと、2回目はほぼ空荷なんだね。だったら2回目は SRB 要らねんじゃね? なんで4本も付いてんの? 絵柄を間違えてるんじゃね? とか思ったけど考え直した。たぶんこれでいいかと。

2回目のほうのペイロードは H3 の2段目丸ごとなんだな。てことで1段目+SRB のみで地球低軌道まで持って行っちゃうんだろうと。足りなかったら2段目もちょっと使うんだろうけど。

んで先に打っといた1回目の HTV-X と地球低軌道上でドッキングして、2回目の H3 の2段目の推進剤を全部使って月遷移軌道に一気に投入ってことだろ。

キックモータが H3 の2段目ってことは、燃料は液体水素。賞味期限が短い。時間とともにどんどん蒸発していくから、さっさと使ってしまわないといかん。

てことでこのキックモータは月遷移軌道に投入するまで。例えば「そのあと月周回軌道投入の逆噴射にも」なんて使い方は無理。片道3日かかるんで、それまでに液体水素がみんななくなっちゃう。

とすると、月周回軌道投入は HTV-X に積んである推進剤だけで賄わなきゃいかん。足りるんか? ISS 行きなら消費量はたかが知れてるけどさ。月周回ステーションは軌道もかなり長い楕円軌道。てことでそこまで大量の推進剤は要らんことになってるけど、なんせモノがデカいんで必要な推進剤も半端じゃなさそうなような。HTV-X の月仕様、胴体を伸ばして推進剤を多めに積むとかになるんだろうか。

あと、燃料の賞味期限が短いってことは、2回の打ち上げのどっちを先に、どれだけの間隔で、とかがかなりシビアなことになりそうだな。上じゃとりあえずキックモータの打ち上げを2回目と書いてるけど、どっちも鮮度が大事なものだからな。

んー、やっぱし HTV-X のほうが先かな。軌道上で数日くらいの待ちぼうけなら耐えられるだろ。

2回目がキックモータの打ち上げだとして、打ち上げ窓はかなり限られてくるよな。1回の窓につき1分あるかないかなんじゃないかな。

どっちかが打ち上げ失敗したらどうなるのか。

HTV-X 側が失敗したらどうにもならんですな。キックモータ側の H3 ロケットが丸っこ余っちゃうけど、次の HTV-X 用に取っとくか、別な H3 の打ち上げに回すかでどうにかなるかと。って失敗したら原因究明と再発防止なんで、H3 での打ち上げが長期にわたって止まってしまうわな。そこを早く対処できるかどうかにかかってるな。HTV-X だって急いでやり直さないと、月周回ステーションがやばいことになるし。

中途半端で困るのが、キックモータの打ち上げ失敗。月行きの貨物は健全で軌道上にあるのに、月に行けない。急いでキックモータ側を再準備するにしても半年くらいかるんじゃないかと。あーでも H3 はライン生産するらしいから、在庫の機体を回してもらえれば早めにどうにかなるかもな。とはいえここでも原因究明・再発防止の壁が立ちはだかってしまうな。とりあえず代替のキックモータがうまくいっても、HTV-3 搭載の生鮮食品はダメになってしまいそう。

そして H3 ヘビーリフターは。

やるとしたら種子島の射場の大幅改修が必要な JAXA はあんまし乗り気じゃなさそうってのは、この前の記事に出てた。建物の改造もそうだけど、射点周辺の安全エリアをさらにでっかく取らなきゃいけなくなるはず。用地取得とか法改正とかすげー大変そう。さらに月行き HTV-X の打ち上げには、普通の H3 で2回に分けたほうが安いとも言ってたし。合計8本の SRB-3 をどんだけ安くできるかで変わってきそうではあるな。けど H3 ヘビー案を出した三菱重工は鼻息荒い感じ。

JAXA を説得できたとして。打ち上げ能力は ISS 軌道に28.3トンですか。H3-24 型の倍増弱くらいかな。デルタ IV ヘビーと同じくらいの能力ってことは、ファルコンヘビーよりも劣ってしまうんだな。うーん、SBR を2本追加できそうだが。それやると何割か増えそうだが。

そうなると H-IIA からほぼそのまま受け継ぐ2段目エンジン LE-5B のひ弱さが目立ってしまうかな。もともと低軌道に10トンのペイロードを打てればいい仕様なのに、能力9割増の H-IIB にも使われて、その時点で既に出力が余裕なさそうでもあって。H3 用の2段目の新規開発は後回しにすることになってるけど、開発を急いだ方がいいんじゃ……。

HTV-X 打ち上げで考える。H3 ヘビー構想も、2段目を丸っこペイロードにして、LRB と1段目だけで HTV-X + H3 の2段目を地球低軌道に投入するんだな。そこから先は同じと。打ち上げが1回で済むんで、タイミング調整とかあんましシビアにならなくていいわな。

しかしこのヘビー仕様、三菱としてはこれで受注機会を増やしたいんだろうけど、出番そんなにあるんかいなってのがどうも疑問で。この前も書いたけど、H-IIB で商業打ち上げを1回も受注できてないってのが気になるところ。

ただ、Amazon の CEO が進めてるロケット計画・ニューグレンはファルコンヘビーをも凌ぐ超巨大なものらしく(地球低軌道打ち上げ能力41トン)。大富豪がやってるってことで信用があるらしく、まだロケットができてもいないのに商業打ち上げを受注できてるそうで。これからのロケットはヘビーリフターが主流になりそうな感じもあるわけで。

大型ロケットはまさに「大は小を兼ねる」面があるからな。大型衛星を打てもすれば、中型・小型衛星を複数乗せても打てる。小型ロケットにも小型ロケットの利点があるけど(バスとタクシーの違い)、例えば質量3トンの低軌道衛星は、軌道が同じなら2個でも3個でもまとめて H-IIA で打てるけど、イプシロンじゃ1個も打てないわけで。

1個の低軌道衛星で20トンとかになると、現状の H3 じゃ打ち上げられないわけで。1個で41トンなんてのもちょっと考えられないけど。いやいや、宇宙ステーションなり宇宙ホテルなりの建設ラッシュの時代が来ればアリになるかも。人間の輸送コストも下がらなきゃいかんから、すぐってわけじゃなさそうではあるけど。

動画じゃ H3 ヘビーの静止衛星の打ち上げ能力を14.8トンとしてる。低軌道の半分って強気すぎじゃないかと。H-IIA 202型で静止遷移軌道の打ち上げ能力で4トンだから、これも静止遷移軌道までの話だろ。んで衛星自身の推進剤で静止軌道に行くとして、正味の衛星質量は半分の7.4トン。このくらいサイズの静止衛星って現状でも需要あるかも。

てなことで、三菱重工はニューグレンほどじゃなくてもヘビーリフターをラインナップに加えたいんだろうな。もしかして来るかもしれない、大型衛星打ち上げのビッグウェーブに乗りたいんだろうな。未来がもしそうなってヘビーリフターがありませんとなったら、指をくわえて見てるしかなくなっちまうもんな。

銘板左端銘板銘板右端

うーん、もしかしてアレか、H3 ヘビーリフターって全部液体燃料のロケットになるわけで、製造は全部三菱重工のターンになるわけで。三菱の鼻息が荒いのはそれか。

三菱から見ると、固体燃料ブースターは IHI への外注だからな。使うぶんだけ分け前を渡さんといかんからな。これがヘビーリフターになると三菱が総取り。そこか?

銘板
2019.11.23 土曜
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破局的ななにか

見てたら最後の方、ガチでgkbrした動画2本。

破局噴火は怖いっつうのは何かで聞いて知っとったが。1億年前2億年前のやつ規模がおかしすぎる。別な動画から、ロシアのやつは大陸移動で大陸が特定の配置になった時に発生するやつらしく。てことで今はそれは起き得ないらしい。ちょっとだけ安心。

問題はチクシュルーブ隕石だろ。Wikipedia『チクシュルーブ衝突体』によると、直径 10〜15km の小惑星だそうで。これで起きた気候変動で恐竜が絶滅したんだよな。より小型の生き物は生き残れたけど、たぶんだいぶ数を減らしたかと。

映画『アルマゲドン』は「テキサス州のサイズ」ってことで直径 1000km くらいの設定だったらしい。地球の生き物全滅どころの騒ぎじゃないですな。

今は直径 10km オーダーで地球に当たりそうな小惑星があるならもう発見済みだろうから、そこまでのものは特に存在しないって感じかと。木星や火星の引力で小惑星帯のこのサイズのやつが地球に向かったとしても、事前に発見はできるだろ。って衝突を防げなきゃあんまし意味ないわな。

もし来るなら、どうかブルース・ウイリスの存命中でありますようにw

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2019.11.24 日曜
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教育エンペラー

ローマ教皇が来日滞在中ですな。

日本政府が「法王」「教皇」と2つある日本での単語を「教皇」に統一したそうで。なんでも政府は今まで主に「法王」という言葉を使ってきたけど、日本のカトリック信者の間では「教皇」が広く使われてることから、合わせることにしたとか。マスコミもその判断に従って、以後は「教皇」とするんだそうで。政府もマスコミもナイス判断かと。

字面でも、「王」よりも「皇」のほうがふさわしいかと。

んでどうも海外でこのことが報道されてるらしく。「教皇」の英訳は "Emperor of Teaching" と紹介されてるらしく。

いやあの、この場合の「教」は「教育」じゃなく「キリスト教」や「カトリック教」の意味だろ。「宗教」の「教」だろ。

"Emperor of Christianity" とか "Emperor of Catholicism" がより正しいかと思うが。

たぶん "Emperor of Christianity" だとキリスト教の他の宗派が納得いかないだろうから、"Emperor of Catholicism" の方がいいんじゃないかと。

けどまあ "Emperor of Teaching" でも、違うと思うけど、いい印象ではあるね。海外でも受けがいいみたいだし。やっぱし違うと思うけど。

銘板左端銘板銘板右端

「法王」の「法」もこの場合は「法律」じゃなく「宗教の教義」の意味だね。てことで「教皇」の「教」と同じ意味なんだね。

(2019.12.3 補足)そういえば宗教の指導者だと「説教」(preach) がふさわしい気もする。字の通り「教えを説く」なわけで。となると英訳は "Emperor of Preaching" が最も正しいのでは?

と思いつつも "preach" を辞書で見ると日本語の単語「説教」と同じく、「宗教の教えを説くこと」のほかに、いわゆるガミガミクドクドの「退屈なお説教」の意味もあった。

皮肉として受け取られてしまう恐れを考えると、やっぱし英訳は "Emperor of Teaching" がいいのかな。

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2019.11.25 月曜
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過剰じゃなかった件

こないだの 月行き HTV-X を打つ H3 ロケット のやつでさ、なんかやっぱしちょっと何だべなってのがあって。

(a) の2回に分ける打ち上げの、2回目というかのドッキングポートのみを打つやつ。

H3-24型で2段目そのものをペイロードにするっつうコンセプトはわかるけど、ほぼ空荷でブースター4本って加速度ヤバいんじゃね?

ブースターの出力を抑えるんだろうけど、抑えて1本あたりの推力200トンくらいだろ。4本で800トン。1段目の推力140トン×2。合計940トン。

ロケットの総質量は Wikipedia「H3ロケット」によると H3-24L で574トン。

てことでパワーウエイトレシオは離床直後で1.63。ああなんだ普通くらいだったわ。むしろ少し弱いくらい。

いやさ、じゃあ HTV-X を打つ方の H3-24 は弱すぎるんじゃね? ペイロード質量20トンとして、総質量594トン。ブースターの出力を同じく1本200トンとして、パワーウエイトレシオは1.58。思ったより違いがなかった。大丈夫だけど弱いような。

こりゃブースター全開設定かもな。それで1本あたりの推力がだいたい220トンらしい。推力合計は80トン増しで1020トン。パワーウエイトレシオは、HTV-X を打つ方は1.72、ドッキングポートのみを打つ方は1.78。

あ、出力は真空中かな。だとすれば大気圧中は大まかに1割減として、これで計算し直せばそれぞれ1.54と1.60になる。んー、かなり控えめだな。大型ロケットの普通といえば普通だけど。

とりあえず、「ドッキングポートを打つ方の H3-24 は加速度がヤバいんじゃないか」は間違いだったってので今日はよしとするか。

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2019.11.26 火曜
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謎スペック H3

H3 ロケットって諸元がいまだにはっきり出されてないんだよな。特に最小構成の H3-30 型とかどうも謎で。ちょっと考えてみるか。

24L 型の総質量は574トンってことで。フェアリングの質量ってどのくらいなんだろ。30 型のフェアリングは S だろうけど、とりあえず L と同じにして。

24 型についてる4本のブースター。この質量は1本で75.5トン(資料)なんで4本で302トン。1段目の LE-9 エンジンの質量は2.4トン(資料)。LE-9 はブースター付きだと2基だけど最小構成だと3基。てことで、

574-302+2.4≒270

おお、H-IIA の最小構成(202型。289トン)よりも軽い。お、LE-9 の海面上推力も出てきた(資料)。思ったより低かった。125トン。こんなもんか。これが3基で375トン。離床時のパワーウエイトレシオは1.38。うわ、低すぎ。おいらが知ってるうちでパワーウエイトレシオがダントツ低い韓国・羅老ロケットの1.21よりはマシだけど、羅老と比べられるほど低いんか。

実効加速度はそれぞれの数値から1を引いて、0.38G と 0.21G。羅老の8割増ではあるが。両方ともブースターなしの純2段式ロケット。H3 のほうは2段目が高効率だわな。けどこりゃ H3 って、最小構成の性能はそれほどよろしくないってことでいいんかね。H-IIA 202 よりかなり見劣りしそうな気がする。低軌道打ち上げ能力、8トンいかないかも。

H3-30 の性能をはっきり言わないのって、もしかして原因はこれかいな。

現状で H-IIA の打ち上げは今も官需が主。JAXA 衛星の路線は地球観測衛星 みどり、みどり II の連続喪失以来、大型じゃなく中型。官需衛星打ち上げの方針は H-IIA 6号機の事故以来、複数機の衛星をまとめて打つのに消極的(リスク分散の考え)。その結果、H-IIA は余裕ガバガバで打つことが多い。H3-30 でのスペックダウンは実用性で見て妥当ってことなのかもな。

もっと能力が欲しいときは、ブースターの追加であと2段階アップできるしな。ブースターも順調に簡素化(=コストダウン)できてるらしいし。となると、H-IIA でいうと204型に当たる H3-22 の出番が増えそう。

H-IIA じゃ官需打ち上げのガバガバの余裕部分を、商用打ち上げの相乗りで埋めることがあるわけで。H3-30 じゃそれがあんましできなくなってしまうかも。そこは、出番が増える(増えそうな)H3-22 がどうにかするのかもな。

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2019.11.27 水曜
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クールジャパンの新たな鉱脈

世界的な日本ブームというやつはまだ続いてるらしく。ラグビーワールドカップの反応を見るに、このきっかけで初めて日本に興味を持った人たちが世界じゃけっこういらしたようで。

じゃあこれから日本好きになってくれそうな、潜在的なお得意様はまだまだ多いかと。つかまだ「ブーム」のノリなんで、ある程度飽和して人気の定着、という段階まで来てないんじゃないかと。途中で中折れすることなく、これからも盛り上がっていただいて、安定・定番の地位を確保したいところかと。

2011年の東日本大震災と原発事故でブームの行方が危ぶまれたけど、2013年からこのかた訪日観光客の増え方は昇竜の勢いですな。でもまだ天井じゃないだろってことで。


(画像は本文と関係ありません)

いやさ、日本発でいけそうな新コンテンツらしきものに気づいてしまって。直接的にはカネにならんけど、話題や楽しみの提供になれそうなような。それはゲゲゲ系。

まとめサイトや YouTube によく出てる、2ちゃんねる、5ちゃんねる発の「洒落にならないほど怖い話」とかのネタ。嘘くさいのも相当あるけど、いやこれほんと読んでて飽きないというか。探せば「これでもか」ってくらいザクザク出てくる。

んでこういう話って、たぶんほとんど英訳されてないんじゃないかと。

西洋の怖い話だと、主に幽霊系、それ以外は悪魔系と狂人系でだいたい全部な気がする。それが日本のだとそのカテゴリに収まりきらんわけわからん話が多いような。土着信仰ベースでなんかもう何でもあり的でパターンが多彩というか。はっきり分けられない不可解なものが、不可解なまま出されるのが怖いような。つか妖怪とか物の怪って、西洋だとひとくくりにモンスター扱いのような気もする。猟奇犯罪者も一反木綿もフランケンもゴジラも同じモンスターって、日本人としてはなんだかどうかと思うが。

定番の流れだと、神主さんやお坊さんが解決してくれたり解釈を与えてくれたりでホッとするんだけど(それでも解決になんないストーリーも多いが)、神父さんや牧師さんがどうにかしてくれる話は見たことない。キリスト教の出番じゃないわけで。語り手も読み手も最初からそこを当てにしてないし。そこらも海外の視点だと新鮮なんじゃないかと。

んでまあ解決してくれるヒーロー側のはずの神道関連のものが、そういうわけわかんないものの元になったりっつうのも、勧善懲悪じゃない複雑な設定の元になったり。地域の土着信仰は厳密には神道と言えるのかわからんけど、神道ってそういうものでも受け入れて神様として扱うからな。人間に害をなすヤバいものもまた神様として祀るし(封じる意味で)

お坊さんは仏教だけど、これ系で登場するお坊さんはお釈迦様の教えとか関係なくてな。そういう能力や知識を持ったヒーローってことで、神主さんと同じ役回りですな。違いは、トピックになるヤバいものの発生に仏教が特に関わらんってことくらいで。

とかつらつら考えても、おいらははっきりとは構造の理解ができませんわ。民俗学とかに詳しい人ならもっと深くまで理解できるだろうけど。

日本のホラー映画が既に世界的に人気ってのもあって。どうも西洋とは作り手側の感性が違うらしいんだわな。けどそれがおもっきし通じてる。

だったら、普通の日本人が素の感覚で書いた(とされる話)、普通の日本人が素で受け止めて「怖い怖い怖い」となる、そういう話って、海外でも相当ウケるかもなーって気がしてさ。

偏見かもしれないけど、キリスト教みたいな世界的な宗教だと、土着信仰な感覚はタブー気味な気がして。たぶん世界中に土着信仰感覚はあると思うけど、あんまし数が揃ってないんじゃないかと。神道はそこらへんのも神様として祀るわけで。日本の仏教も土着信仰と混ざって発展してきた感じなんで、そこは特に否定するわけでもなく。そんなわけで、そういう話がザクザクとあるわあるわ。こういうの好きな人にとっては宝の山の状態かと。

そういやうちが檀家のお寺は、人魂が出るので昔からちょっと有名だったらしく。数年前の妖怪ブームの折、八戸市博物館が市内妖怪マップを作成。それでおいらも初めて知った程度だけどw

てことで、日本じゃこういう話は数々の民話になってるくらい全然オッケーだし、ネット上で「体験談」としても盛り上がってるわけで。『ゲゲゲの鬼太郎』が時代を超えて変わらぬ人気を誇ってる現状とかもあり。そういうものの存在を信じる感覚も、日本社会じゃ文明化後のノスタルジーも相まって、「良い物」の扱いのような。

話の内容だと、発端がかなり昔のことが多い。現代の視点から、医学や科学のなかった時代の迷信とか口減らしとかで仕方なくそうなった、といういたたまれない話とか。日本も長くそういう暮らしだったことを、日本人でもよく忘れてるわけで。海外からすると日本って豊かで先進的な国に見えるそうだけど、意外さの提供にもなるかなと。

てことで和文英訳できる人、これどうですか?(丸投げ)

土俗な歴史があんまし長くないはずのアメリカでも、ニュージャージー・デビル みたいな話があるし、そういう感覚自体はあると思われ。

銘板左端銘板銘板右端

あんまし関係ないけど、最近 "Silent Library" っつうアメリカのネット番組(?)を知ったよ。これめちゃめちゃおもしろくてさ。公式映像と思われるものが YouTube に出てる。投稿は2012年あたり。けっこう古い。

もともとは日本のお笑い番組内の企画『サイレント図書館』で、たぶんアメリカのメディアが権利を買って番組化したものかと。

「しゃべっちゃダメ」がルールなんで、英語がわからなくてもそのまんま楽しめるぞ。

でさ、見ればわかるけど、至る所に日本を思わせる演出が入ってるんだわ。司会者のゼロ・カザマも日本人っぽいしな(調べたら、和歌山市出身らしい)。製作側の意図として、コンテンツを日本から買ったことを隠すどころか、わざとそれを見せてるわけで。

日本発のネタってブランド価値を持ってるんだなーと実感してさ。

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2019.11.28 木曜
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海外のトンチンカンさん

なんてーか、ド素人さんがトンチンカンな知ったかをいけしゃあしゃあと語るの図。

海外「日本が超大国に!」日本のはやぶさ探査に隠された裏の目的に海外が仰天 - どんぐりこ 海外の反応

小惑星の鉱物採掘って、採算を取れるのは遠い遠い未来の話だよ。初代 はやぶさ の頃から一般人はそういう話を出してたけど、関係者はそういうこと考えてやってるわけではなく。

この発想を語り始めたのって JAXA じゃなく、オサイリス・レックス計画を立ち上げた後の NASA だからな。ミッションへの一般からの注目を得るためのものだったかと。

てことで動画で得々と自説を語るこの人、NASA の主張を丸呑みして はやぶさ2にあてはめて陰謀論に仕立てただけってことで。

NASA の、あたかもすぐに実現するかのようなビッグビジネスの主張はどうもアメリカでは大受けしたらしく、小惑星採掘の会社も立ち上がってるらしい。これから何十年も利益を出さないだろうから、出資者が出したお金はただただ会社の人たちを当面食わすためだけに使われるんだろうなと。ほとんど詐欺に近い形かと。

んなもん はやぶさ シリーズが何をどう考えてやってきてるのかってのを見てれば分かるだろと。

表面爆破っつう手段も、はやぶさ2チームの人たちが成功を喜んでるのは、これからの科学探査の新たな手段を確立できたからなんだわな。これでできた おむすびころりんクレーターを見ればわかるけど、抉ったら表面と同じような物質があったっつうだけで、金銭的価値のある鉱物をそこから見つけたわけじゃなし。それを目的にやったわけでもなし。

けど太陽系の起源を探るっつう学術的な目的と価値があるわけで。

小惑星の表面に露出してる物質は何億年も宇宙空間に晒され、太陽風に晒され、っつう状況(宇宙風化)。抉った中の物質とは基本的に同じものでも、置かれてきた環境の違いで物性も少し違う。そういう仮説はあったものの、あくまで仮説止まりだった。これを初代 はやぶさ が「確定」にした。はやぶさ2はそこから一歩進めて「両者はどう違うのか」に踏み込むことになった。

その化学的な違いに学術的な価値を見出せる。それに、小惑星でクレーターが生成する瞬間って人類はまだ見たことがなかったけど、それを詳細に観察できた。はやぶさ2での小惑星表面爆破ミッションはそこらへんの用を成した。はやぶさ2チームの人たちが喜んだのはそこだろと。

はやぶさ2が小惑星リュウグウから見つけたいものは貴金属じゃなく、主に水と有機物だしな。それでそういう小惑星を選んだんだし。あくまでお金で考えるなら、貴金属を売って儲けるんじゃなく、惑星間空間の宇宙ステーションで人が生きていくのに必須の素材の調達で、って形になるかな。どんだけ遠い未来の話だよ。

仮に持ち帰ったサンプルに金銭的な価値がある物質が入ってるとして。それで世の中が沸き立つとして。けどそれ再突入カプセルが地上に届いてフタ開けた後の話だから。たぶんそんな都合いいものなんて入ってないだろ。上空からのリモートセンシングでもそういうのはまったく見つかってないし。持ち帰ったサンプルでそういうのがあったならあったで、じゃあリモセンは何を見てたんだってことにもなるわ。

中国も小惑星サンプルリターンを始める雰囲気なんで、このジャンルは米中の競争になるかも。開発速度が遅い日本なんて簡単に置いてけぼりにされる可能性が高いような。

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2019.11.29 金曜
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星と生命

地球外生命の関連ニュース、けっこう頻繁に出てきますなぁ。

エンケラドゥス、生命存在の可能性高まる。噴出した水溶性の有機化合物を発見 - sorae

古代火星の水質、生命の誕生や生存に適していたことが判明 - sorae

地球外生命の可能性が日増しに高まってる感じはするけど、今のとこまだ痕跡さえ1個も見つかってない。

いやさ、地球人が知る生命って、今は地球の生命だけなわけでさ、どうもそれも、地球の環境変化でいろんな偶然が重なった結果にできたものらしくてさ。静的な条件が整いさえすれば勝手に生き物が生えて勝手に進化するわけでもなさそうで。

単細胞生物が生まれるまででも大変なのに、複雑な多細胞生物への進化となると、さらに様々な環境変化を経験して乗り越えないといかんらしく。んでどうも、基本的に巨大な領域とたくさんの地域差が要るらしく。試行錯誤できる環境をどれだけ多く持てるかが、豊かな生態系を作っていく秘訣らしく。

あくまで地球での生物進化史で考えると、生物の発生と繁栄については地球並みの適地ってそうはないような。

「実はそうではなく、生物は案外簡単に発生する」という意見も聞いたことあるけど、現物の証拠がまだ見つかってないのが弱いとこ。

「材料と環境を揃えた試験管の中で、生物や生物の前駆状態が勝手に生えてきた」ということも未確認らしい。「原始地球を模した環境で(タンパク質の元になる)アミノ酸が生じた」ところまではかなり古い実験で実現したみたいだけど、そこから先にはまったく進んでないっぽい。アミノ酸は超新星爆発の現場近辺の宇宙空間で大量生成されたりもするらしく、そこまでは化学反応としてはけっこう偶発的に起きることかも。

でも生命発生の環境が揃いまくってるはずの地球でさえ、生命は1系統しか発生しなかった(地球のすべての生命は、元をたどれば1種類の生き物)っつう事実もあったり。アミノ酸までは簡単に行けても、そこから先の生命誕生まではそんなに簡単なもんじゃなさそうなような。地球じゃかつて別系統も発生したかもだけど、生き残ってるのは現生の1系統のみっつう事実。

地球外で別系統の生命の現物が見つかりさえすれば、生命の発生・進化の仕組みがいろいろ判明してもくるんだろうけどな。

そこらへんを通俗本やネット上でだけだけど学んでいくにつれ、もうひとつ、地球と生命の関係がわかってもきたような。

地球そのものにとっては、生物なんてどうでもいいんだよな。いようがいるまいが一向に構わん。生命は、地球という惑星が存在し続けるための必須の要素では決してない。生命はあくまで、地球の環境中にたまたま条件が合致して生えてきたものでしかない。ましてや地球が自らの意思で生命を生み出したわけでもない。

地磁気や地球大気は、宇宙背景や太陽から降り注ぐ放射線や荷電粒子や紫外線をブロックして、地表にまであまり届かないようになってる。別に地球なり誰かなりが意図をもって地球の環境をそう設計したわけじゃなく、たまたまそうなっただけ。それがたまたま生命にとっては生きやすい環境なわけで。

んでまぁ巨大隕石の衝突は「生命が大量絶滅しないように」なんて言って地球が防いでくれるわけでもなく。事実それで恐竜が絶滅したと。あと、超巨大噴火で大量絶滅ってのもあったらしく。地球自身には生命を育む意図なんて特になくて、生命の方が勝手に地球上に生えて、勝手に地球に住んでるっつう状態。

環境保護論がここ20年くらいで大いに盛り上がってるね。んでどうもわかりやすさを追求するうちに、ちょっとそこらへんズレた解釈が生じてるんじゃないかって気がしてきたような。ズレタかグレタか知らんけど。

生命のために地球があるわけではなく。地球のために生命があるわけでもなく。生命全部が絶滅した地球なんて人類視点じゃ望ましくないけど、仮に地球に意思があったなら、「じゃあそれならそれで」ってだけかと。どっちかっつうと生命の方が地球に従属してる。

一部の環境保護論者は「地球のために」「地球に優しく」とか言ってるけど、じゃあ地球を思ってのことで人類が滅亡したほうがいいってなったらテメェ喜んで滅亡しやがるんだよな、じゃあお前から先に死んで示しつけやがれコノヤロウ、となると、いやそれはって感じかと。結局は人類は地球環境を利用したい立場なわけで。滅亡しちゃ利用できないわけで。それがイヤだから地球環境を保全しようってわけで。いくら「地球のために」っつったって、おためごかしでしかないわけで。

豊かな生態系は地球の象徴な気がするけど、人類が勝手にそこに価値を感じてるってだけで。価値という概念は人類が持つもので、地球や生態系が持ってるわけではなく。ていうかそもそも概念というものも同じこと。

火星やエンケラドゥスに生命があったとして、その地元の星が与える環境に付き従う立場なわけで。そのことを知れば、なんか人類も新たな理解を得られそうなような。

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2019.11.30 土曜
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ガイア仮説

「地球もまた1個の生命体」っうのがあるらしく。「ガイア仮説」だったかな。

地球は「巨大な一つの生命体」。「ガイア仮説」を説明する新理論が発表される - ナゾロジー

ガイア理論 - Wikipedia

ははぁ。昨日書いたことはガイア仮説に真っ向から衝突しとりますな。地球が生命環境を提供してるってのは同じだけど。

おいらはまぁそれがランダムに、地球の状態からたまたま火山噴火とかプレートテクトニクスとかを起こして、生命が勝手にそれに合わせて発生・繁栄したり、衰退・絶滅したりっつう考え(たぶん普通の科学の考え)

対してガイア仮説は、地球が生命環境をある意味能動的に制御してるっつう考えですな。地球の地質・気候の活動と生命の活動の相互作用を、ひとつの生命活動として捉えるってことかと。

しかし全球凍結とか、ナゾロジーさんの記事に出てる大酸化イベントとか、そこらへんは植物性の生物が引き起こした全地球的な現象(大気圏を含む全地殻的な現象。地殻の深部より下は含まない)なわけでさ。これ地球にとっては「別にどうでもいいよ」な感じがするが。

これで激しく影響を受けて、生き延びるのに必死になって、耐え抜いたり進化したり、それでも絶滅したりなのは生命のほうだけで。

ガイア仮説って、地球に対して何らかの、人類視点での素晴らしいというか都合いいというかの期待が下地になってるような匂いがするような。なんかそんな気がして。

エコブームな近頃というかここ20年ほど。地球に対して優しくすれば望ましい見返りが、厳しくすれば望ましくない見返りが来るっつう因果応報的な考えが根付いてますわな。人間の経済活動が地球環境に影響するほど拡大してるんで、そういう面ももちろんあると思う。けど一方で地球はまったくそれとは関係なく地質活動をしてるわけで。巨大地震とか巨大津波とか破局噴火とか、人のせいじゃ全然ないことも起き得るわけで。

因果応報というかアクション・リアクションのギブアンドテイクというかでばかり考えると、そういう「地球にとってはたまに起こす普通のことだけど、運悪くぶち当たった者にとっては存亡の危機な強制イベント」まで何か誤解してしまいそうなような。「天変地異は為政者の徳がないから起きる」みたいな、人類が捨て去ったはずの勘違いに近づいてしまうような。

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