ひとりごちるゆんず 2019年6月
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2019.6.1 土曜
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12に見せかけ実は13

令和になって1カ月。

まだ全然平成気分のおいら。

1カ月。

1年は12カ月なわけで、これってまぁ読んで字の如しで、お月様が1年で満ち欠けを12回繰り返すってことでして。ぴったしじゃなく端数が出るけど、今回はそこまでは考えず。

いやさ、実はお月様の公転というか自転というかってさ、実は1年で13回なんじゃねって思って。12回じゃなく13回。

地球から見ての年12回と、地球系(地球と月のセット)が太陽の周りを公転するので年1回。合わせて年13回。

言い換えると、地球を座標の中心にすると年12回。太陽中心の座標だと年13回。

うむー。

お月様の公転12回で1年って、12進数のもとになるほどキレのいい数字なわけで。約数が 6, 4, 3, 2 といろいろあって、実用的な数字でもあるわけで。

もともとはお月様の動きから時間を計れるよってことでできた12進数なんで、1日内の時間の表現もその応用で、昼12分割の夜12分割の計24分割制だわな。日本旧来の「今何時(なんどき)?」はもろに12分割だし。

時間関係で12進数を使い始めたのは、太陰太陽暦を使ってたメソポタミア文明発らしく。

とはいえ「お月様の満ち欠けが12回続くとだいたい1年」ってのは世界中どこからでも確認できるんで、メソポタミアじゃなくてもみんなとこで12進数の概念は持ってたかも。

10進数や20進数は人間の手や足の指の数が元だから、それはそれで実用的ではあるけど、約数が少ないってのはあんまし便利じゃないわけで。

人間、たまに生まれつきで指6本ずつの人がいるわな。おいらの親戚筋で一人そういう子がいてさ。赤ちゃんの時に切り取って5本ずつにしたんだわ。指6本のままでも健康面に何の問題ないらしいけど、無駄に気味悪がられたり、世の中のすべての人工物が指5本の人用に作られてたりで、社会生活で不利・不便を被るのは明らかだからな。

けど12進数で数えるのには便利だよな。

人間の指の数がたいてい片手で5本なのは、哺乳類がそうだから。馬や牛は中指だけやたら発達してあのスタイルになったけど、基本は5本指なんだよな。

いやーこれ、なんで6本が標準になんなかったかなーとか思ったり。12進数って慣れるとすごく便利そうだが。10だろうと12だろうと、人間の知能にとって、ひとくくりにするのにちょうどいい数字と思うけどさ。

アメリカなんかは12進数の感覚がけっこう強く残ってるらしく、1ダース(12個)、1グロス(12×12=144個)みたいに、普通にモノを数えるのに使ってもいるらしく。あーそうか1フット=12インチだからかな。将来アメリカ人が普通にメートル法を使うようになれば、ダース・グロスも廃れていくんだろうな。すごい遠い将来になりそげだけど。

ていうか完全に今さらすぎだけど、1ダースmm=1cm、1グロスcm=1mでどうですか(誰に言ってるんだろう)

つか12進数感覚がおもっきし生き残ってる業界ってあったわ。それはプラモデル業界。縮小スケールが12分の1、24分の1、36分の1、48分の1とかけっこう普通にある。144分の1ガンダムとか。

RC カーもそのノリで、かつては12分の1スケールがメインだった。けど小さくて反応がクイックすぎて、初心者にとっては敷居が高くなっちまってな。マシンの構造の複雑化もあって、その意味でも小さすぎた。昔からタミヤがときどき使ってた10分の1スケールが、今は一番幅を利かせとりますな。

てなことで、まぁアメリカ人がいつまでもインチなんて使ってるからダース・グロスなんて非アメリカ人にわかりにくい表現をしてくるってのは、メートル法の人たちにとって若干迷惑な時があるけど、12進数そのものは約数が多くて便利なんだよな。

映画のコマ速度が秒速24コマになったのは、その先駆けになったムービー装置の発明者のエジソンがアメリカ人だからってのもあったかもだけど、約数が多くて開発時に扱いやすかったってのもきっとあったろうと。

そんなそんなで12進数の大元になった、お月様の1年での満ち欠け12回。

地球から見た満ち欠けの数はそうだったけど、実は公転数は13回だったと。

13回。

なんか気持ち悪い。どの数字でも割れない。素数じゃないですか。

13って数字が縁起悪いってのは西洋発だけど、大元はインドとか聞いたことがある。発祥はどこであれ、どうも経験則から来てるっぽい。人間、いっぺんに取り扱えるモノの数は最大12個までらしく。13個になると途端に間違いが増えるらしく。それで嫌われる数字になったらしく。

おいらとしては、12が約数で取り回しやすい数字なのに対して、13になると途端に、それ以外にいじれない剛直な存在(素数)になってしまうのが気持ち悪いような。11も素数だけど、その後に控えてる12より小さいんであんまし気にならないというか。そういう感じがする。

なんてーか、12進数は天体の運行の奇跡が作った美しき偶然な気がしてたけど実は進数で言えば13進数だったっつう、なんだか残尿感な現実を見つけてしまったっつう話。

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2019.6.2 日曜
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名残りは大陸の彼方

英語での数の数え方も、12までは個別の名前が与えられとりますわな。

13から19は「ティーン」(-teen)がつきますな。「ティーン」っつうと甘酸っぱい青春ど真ん中なニュアンスになっちまってるけど、まあイギリスの諸先輩がたは特にそういうつもりで英語での数詞を作り上げてったわけじゃないんだろうな。

そういやドイツ語も確か、11(エルフ)、12(ツヴォルフ)だかそういう呼び方だったような。英語と同じ形かも。

おいらは日本に生まれてコテコテの日本語環境で育った普通の日本人なもんで、日本式のガチガチの10進数の数え方と発想なわけで。これが英語圏、ドイツ語圏だと、言語の中に当たり前に12進数の発想が織り込まれてるわけで。そこらへん、数字や数え方に対する意識やセンスに違いが出たりするもんなんかな。

ネット上だと、西洋人が「日本語での数え方が最も合理的・効率的」と賞賛してるってのを見かけたことがあるけど、それは事実上の世界標準になった10進数に、たまたま最初からぴったり合ってたからっつうだけでな。別に日本が10進数を世界に広めたわけでもないし。

英語・ドイツ語は、元になった言語の揺籃期に12進数を使ってた名残りを留めてるわけで。10進数が制覇しちゃった現代世界の中で、そういうのも趣があってイイと思うが。

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2019.6.3 月曜
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初代とフェライト1

(これ書いてるの6月30日。日記が遅れてるんで、長いネタを小分けにして出しますです)

初代 はやぶさ のリアクションホイール、(たぶん)モーターの磁石はフェライトだったんだな。

ふとそう気がついて。

あまりにも普通の磁石なもんで、なんかこう、なんかなーって気がして。意外と古臭い感じというか。

設計が1990年代だから、それに合ったリアクションホイールを想定しといて設計を進めたはずなわけで。もう20年以上前だろうってことで。そりゃそうなるか。

初代 はやぶさ のリアクションホイール。小惑星イトカワへの現地到着寸前に、3個あるうち1個が故障。観測中にもう1個故障。このせいで、リスクが大きくて最後に回してた着陸工程が、なおさら至難の技になってしまった。しかもそのあと地球へ帰らなきゃなんなかったわけで、これがかなりの障害になってしまった。

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2019.6.4 火曜
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初代とフェライト2

ほかにも故障・不調が次々と発生、そのたびにジョジョ的な奇想天外技を次々と編み出しては繰り出し、ついに地球へ帰還を果たした。

このリアクションホイールで変に有名なのは、アメリカ製だったってこと。てことで「もうアメリカ製は使うなよ。日本製にしろよ」という意見がファンから多く出るに至ったわけで。

映画『はやぶさ 遥かなる帰還』の冒頭の機体内部の映像で、部品に "MADE IN USA" と書いてあるのが目立つように出ててさ、ファンなら「あーあれがリアクションホイールな」とわかるようになってた。つか映画館内で、それ出た時スクスクと笑う声も聞こえてきてたですよ(おいらではない)

なんかアメリカや製造元にとって不名誉な伝わり方になってるんだよな。

前にも書いたけど、はやぶさ 計画というか当時の名前は MUSES-C 計画、が要求するスペックを満たす特注品を作ってくれるメーカーがなかなか見つからなくて、唯一そこが手を上げてくれたらしいんだわ。だから、悪く言うのはお門違いなわけで。

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2019.6.5 水曜
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初代とフェライト3

今の日本の探査機は、リアクションホイールはフライト実績がある既製品をそのまま使ってるはず。特注する理由がなくなったんで。んでまぁ はやぶさ の場合、その特注というか特別改造というか、そこが裏目に出てしまってな。

打ち上げ時の衝撃・振動で、モーターの磁石が割れてしまう恐れがあった。そのまま宇宙空間に出ると、モーター内部に破片が漂って、磁石とローターの間に噛んでしまったり、粉末が軸受けに入り込んでしまったりしそうなわけで。

磁石が割れない、割れても破片が飛び散らない工夫が必要だった。

これでどのリアクションホイールメーカーも MUSES-C チームにゴメンナサイしたわけで。んでただ1社、アメリカのメーカーさんが引き受けてくれた。特注の対策はシンプルで、磁石を粘着テープでぐるぐる巻きにしておく、というもの。割れても破片が飛び散らないってわけで。

MUSES-C チームがその案で OK した(ここ大事)から、その特別仕様のリアクションホイールが はやぶさ に実装されて、打ち上げられた(以降は「はやぶさ」命名後の話)

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2019.6.6 木曜
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初代とフェライト4

ところが実際は、運用中に粘着テープが剥がれてきてしまったらしく。モーターのローターがそれを叩くわけで。ますますむしれたり剥がれたりしていくわけで。はやぶさ チームはリアクションホイールの異常な温度上昇を見て、何が起きているのかをメーカーと一緒に考えた上で運用を止めた。

リアクションホイールを特注することになった元の、打ち上げ時の衝撃・振動ってのは何なのか。

それは打ち上げた M-V ロケットが、そういうロケットだったから。

固体燃料ロケットとして最高性能を狙ったもので、そのためにいろいろ犠牲にした設計になってた。このロケットで打ち上げる衛星・探査機の「乗り心地」も犠牲になったひとつ。今はこの「乗り心地」も重視される時代になったんで、後継のイプシロンロケットはそこを配慮した設計になってるそうだ。

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2019.6.7 金曜
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初代とフェライト5

M-V は当時、固体ロケットとして最大級でもあったんで、開発費も運用費もかかった。ISAS は特に裕福な組織なわけじゃなく(むしろ貧乏なので有名)、経費節減は打ち上げ施設の変更の簡素化にも向けられた。それまでのロケット組み立て・整備施設や打ち上げ施設を、小改造だけでほとんどそのまま使うことにした。

ということで、煙道の新規設置が見送られた。

煙道とは。

打ち上げ時、1段目から出る超音速の噴射炎が吹き込まれるトンネルですな。噴流はこのトンネルを通って、少し離れたところから外に出る。

何のための設備か。

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2019.6.8 土曜
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初代とフェライト6

超音速流なんで、衝撃波が発生するわけで。これが近くの壁や地面で反射して機体に当たると、機体やペイロードが強い衝撃を受けることになるわけで。

煙道は、この反射衝撃波が機体に向かわないようにするためのもの。

M-V はその先代の M-3SII ロケットより大型化して、倍以上の性能を得た。もちろん1段目の出力と反射衝撃波もそれだけ強くなる。けど予算の関係で、煙道の設置は見送られた。噴射炎が地面に当たって広がるあたりを 2m くらい掘り下げて、そのぶんペイロードに達する反射衝撃波を弱める措置が取られたけど、「何もしないよりはまし」な程度だったらしい。

M-V までの ISAS ロケットは「斜め打ち上げ」っつう世界でも珍しい形式で、ランチャー(打ち上げ前のロケットを固定しておく&打ち上げ時に方向を整える、クレーンのアームみたいな装置)の回転で方位角を設定する仕組みになってた。

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2019.6.9 日曜
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初代とフェライト7

ランチャーの旋回中心がロケットの噴射口とはズレてるんで、打ち上げごとに変わる噴射口の位置に合わせて煙道の吹き込み穴を移動できるようにするには、かなり資金がかかりそうってのもあったらしく。それが煙道設置を見送る理由にもなってたらしい。前例がなさそうだし。

イプシロンもまた M-V で使ってたランチャーを再利用してるけど、垂直打ち上げになったんで「打ち上げ方位角」の概念がなくなった。相変わらずランチャー旋回はするけど、いつでも同じ位置にロケットを持って来ればよくなった。これでためらいなく煙道を設置できるようになった。

ちなみに M-V までが斜め打ち上げだった理由は、M-V 以前のロケットは1段目の姿勢制御機構が無いか、あっても貧弱で、打ち上げ直後の方向安定性に弱点があったから。まかり間違えば地上に落ちて大惨事になり得るわけで、そのリスクを減らすべく、打ち上げたらなるべく早く海上に出るよう、最初から海に向けた斜め方向に打ち上げるようにしてた。

M-V の1段目には充分な姿勢制御機構が付いてたけど、安全重視の考え方で、斜め打ち上げ方式は残すことにしたらしい。つか液体燃料ロケットだと垂直打ち上げ一択なんで、斜めがいいかか垂直がいいかで悩めるってのは固体ロケットならではと思う。

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2019.6.10 月曜
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初代とフェライト8

そんなこんなで、煙道のない打ち上げ施設で打たなきゃいけなかった M-V。その M-V 5号機に乗ることになってた はやぶさ(MUSES-C)。反射衝撃波がきついことは判明してた。M-V 初号機で打ち上げた電波天文衛星 はるか は、運用初期に観測機器の一部が故障してしまった。どうもその原因として、打ち上げ時の衝撃が疑われたらしく。

対策しなきゃいけないわけで、その対象のひとつとして挙がったのがリアクションホイール。モーターの磁石が割れてしまうリスクがあった。どのメーカーも逃げ出す中で、アメリカのメーカーが仕事を受けてくれて、そのメーカーからの対策案を MUSES-C チームは了承した。

初代 はやぶさ のリアクションホイールの製造元を悪く言う理由は何もないと思う。

事故の原因究明について、「誰のせい」「誰の責任」ってのは意味がないわけで。ていうかその考え方は原因究明活動じゃご法度なわけで。あくまで「何が起きたのか」が焦点なんで。けど世の中的には、「誰のせい」「誰の責任」で考えたくなってしまうのが人のサガだったり。

敢えて誰のせいかで考えれば MUSES-C チームのせいで、遠因は M-V ロケットにあった。すべて「ISAS のせい」で片付いてしまう。

敢えてに重ねて敢えてリアクションホイールのメーカーに責任をなすりつけるのなら、割れやすいフェライト磁石を使ったってことかと。とはいえ普通の宇宙機の打ち上げならフェライト磁石で充分だからこそその仕様になってたわけで。

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2019.6.11 火曜
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初代とフェライト9

磁石の種類 - 磁石の種類と時期特性を学ぼう! Magnet Kids

磁石の種類と特性 - http://www.tp-mag.com

によると、フェライト以外だとアルニコとネオジムくらいかな。サマリウムコバルトは衝撃に弱いみたいだし。

アルニコ磁石#欠点「保磁力がそれほど大きくないため、反磁界の大きい薄板形状では自己減磁のために使用することが出来ないという欠点がある」

アルニコ磁石、これじゃモーターに使えないじゃん。とはいえ、

アルニコ磁石#用途 「アルニコ磁石は電動機やセンサなどに主に使用される」

モーターに使えるのかよ。フェライト磁石のモーターが普及しまくってるせいで、アルニコ磁石のモーター自体が特注品になっちまうのがアレかな。

今をときめく ネオジム磁石 はどうだ。電気自動車のモーターに使われてるみたいだし。欠点は、

「ネオジム磁石の結晶粒径を小さくすることにより、熱減磁を改善する研究が行われている。しかし、ネオジムは酸素との反応性が強く、磁石の結晶粒を小さくすると、空気と触れる表面積が増えるため、自然発火することがある。このため、磁石製造は酸素を除外した状態で行う必要がある。また、非常に錆びやすく、製品として用いられる際にはニッケル等でコーティングしてから用いる」

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2019.6.12 水曜
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初代とフェライト10

宇宙は酸素がないから余裕だべ。それに磁力が強いから、フェライトを使うよりもモーターを軽くできるだろ。

なのになんで初代 はやぶさ のリアクションホイールの駆動に使われなかったのか。んー、

「1984年にアメリカのゼネラルモーターズ及び日本の住友特殊金属(現、日立金属)の佐川眞人らによって発明された」

発明が80年代か。初代 はやぶさ(MUSES-C)開発中の1990年代だと、まだまだ新しすぎて怪しかったのかもな。宇宙用の部品は失敗できないんで、できるだけ枯れた技術を使おうとするしな。

やっぱし「フェライト磁石を使ったのが悪い」とは言えんわ。

んじゃ今時のリアクションホイールはネオジム磁石を使ってるのかな。地上じゃもう普及しまくって、HDD のヘッドなりヘッドフォンなりの駆動なんつう、別に高級品ってわけじゃない分野でおもっきし使われてるんだな。

つか100均で売ってたわ。お試し用のホワイトボードに恐ろしい勢いでビシビシくっついたわ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

M-V は件の反射衝撃波からペイロードを守るべく、フェアリングの内貼りにコルク材を使ってたそうな。コルクは湿度の変化で膨張・収縮が起きてしまうわけで、雨の日は打ち上げできないっつう制約の元にもなってたりして。

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2019.6.13 木曜
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憶測込み雑感 1

初代 はやぶさ の地球帰還9周年のこの日、マイナビニュースの はやぶさ2記事の内容はけっこう濃かった。

はやぶさ2の着陸候補地点はC01-Cに一本化 - TMの投下精度はなんと3m! - マイナビニュース

おとといの記者説明会の記事だけど。

とりあえず、そうだったよなーと思ったのが、「リュウグウへのターゲットマーカーの投下は今回が2回目(はやぶさ初号機は1回だけだった)」

だよな。初代も2回着陸したけど、2回目はターゲットマーカーなしでやったんだったっけ。

んで、今の はやぶさ2の5個あるターゲットマーカーで面白い対処したなーと思ってたのが、一般公募した署名を5個全部に同じものを作って入れたってこと。どれでも1球ストライクなら、応募した人たちへの約束を果たせるわけで。

これが初代だと、3個あったうちの2個目だけに署名を乗せてたわけで。署名なしの1球目はイトカワ表面に届かず。初代 はやぶさ はこのとき既にリアクションホイール2個が死んでて、姿勢制御に難があって暴投になってしまった。運命の2球目。運用チームにかかる重圧はいかほどだったかと。その重圧をはねのけて、見事に成功したわけで。

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2019.6.14 金曜
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憶測込み雑感 2

さて1球目で暴投してしまって、絶対に失敗できない2球目を前に悩んだ彼らが採った策は、「2球目の前にミネルバを投下する」。

2球目が成功したっつう結果論な観点だと、「ミネルバを先に投げて正解だった」となる。けど1機しかなかったミネルバは、ミネルバは……。1球目と同じ結果になってしまった。

あの時はイチかバチかの局面が多かった。

往路で太陽フレアに当たって太陽電池の出力が落ちて、電力駆動のイオンエンジンの出力が落ちて、到着が3カ月遅れ。そのせいでもともと6カ月しかなかった滞在予定が半分に。小惑星イトカワ上空へ着いてみたら、着陸に適さない星。滞在期間が短くて大わらわで観測中、リアクションホイールに不具合。姿勢制御系がおかしくなってから着陸という無茶(とはいえ「故障リスクのある行動は最後に回す」という妥当な判断。想定外だったのは、その前に機体が故障したこと)。容赦なく迫る出発期限。

さらに結果論だけど、はやぶさ2でミネルバ II-1 が大成功して、あのときの借りは返せた。

はやぶさ2は機体の不具合はまだ特にない。滞在期間は1年以上取れることになってて、遅れもなく到着できた。小惑星リュウグウへの着陸条件がイトカワ以上に厳しいのが辛いところだけど、チームの人達の技術と努力、初代での経験も活かして、今のとこスケジュールを想定内でこなせてる。イチかバチかの局面はまだなさそう。

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2019.6.15 土曜
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憶測込み雑感 3

と思ったら、ミネルバ II-2 がイチかバチかなんだよな。大学コンソーシアムで作られたこのミネルバの主な目的は、各大学が考案・作成した独自のホッピング機構を試すこと。けど完成直前にコンピュータ系統の不具合が出てしまった。製作期間に余裕がなかったせいもあって(作ったのはメーカーや ISAS じゃなく、経験が少ない大学の研究室だからな)、とうとうバグを潰しきれないまま はやぶさ2に積まれて打ち上げられてしまった。

はやぶさ2の航行中に何度かミネルバ II-2 に通電してみたけど、たまたま直るようなことは起きてないよう。つかそこに希望を持てるってことは、かなり微妙な、「回路ってぐずるときあるよなー」的な気まぐれな不具合なんだろうな。

これ、ミネルバ II-2 の機体全体のシステムは問題なく起動するけど、データ入出力ポートから見て奥の方の機器の様子が見えない状態らしく。カメラとか加速度計とか温度計とか、ローバーとしての移動や姿勢の変化を把握する術を確保できない状態らしく。

いくつかあるホッピング機構の中で、山形大学のはバイメタルを使ってて、着陸地点が夜から昼になって温度が上がると勝手にホップする、となってる。電力を使わないんで、今のとここれだけは動作する可能性があるっつう状況。けどそれを確かめる術がない状況でもある。

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2019.6.16 日曜
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憶測込み雑感 4

はやぶさ2が上空から見るのはどうか。

ミネルバ II-2 の大きさは山本山の海苔の缶くらいらしく。よっぽど近づかないとわかんないだろ。地球に持ち帰らなきゃなんない貴重なサンプルを抱えた はやぶさ2を、岩に衝突の危険にさらすわけにはいかんわけで。それはやらんと思う。

んでイチかバチかってのは、ミネルバ II-2 投下で はやぶさ2本体から切り離されると、電源は自前の太陽電池に切り替わるわけで。これで不具合が直ってしまう可能性がもしかしたらあるかも、てなことになってるらしい。

ただもうそれってほんとイチかバチかの最後の望みなわけで。ミネルバ II-2 チームはただその幸運を待つんじゃなく、その時までに、部分的な成功も含めて、行ける筋道を見つける努力を続けてるらしい。

JAXA や はやぶさ2チームにとっては MASCOT と同じく、外部組織による便乗ミッションを受け入れて付き合ってあげてる形なんで、頼まれたぶんは協力するけど余計な口出しまではしない方針かと。

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2019.6.17 月曜
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憶測込み雑感 5

けど はやぶさ2チームとしては、今度の2回目のタッチダウンでアクロバットな運用は最後だよな。今はそのことでいっぱいいっぱいなはず。無事に済めば、そしてミネルバ II-2 ミッションを除けば、残るはリモセンでの補足的な科学観測と復路行程しかない。今のとこ機体に不具合はない。運用内容は経験済みのものだけに戻る。はやぶさ2チームは、心理的にも体力的にもおもっきし余裕ができるはず。

これはタッチダウン完了後は ミネルバ II-2 チームに全面協力の熱い展開あるか? はやぶさ2チームにとっても、ミネルバ II-2 に成功してほしいのはやまやまだろうし。

つかミネルバ II-2 はこれまでずっと はやぶさ2本体にくっついて、数々のアクロバット運用に付き合ってきてるわけで。

デジタル機器を直すのにゴンゴン叩くのは禁物ってことになってはいるけど、たぶん HDD は入ってないだろうしな(かつての宇宙機は、データを貯めるのにテープレコーダーを使ってたらしいが)。問題の原因がアナログ的な端子接触がどーたらの場合、「叩けば直る」を期待できるんじゃないかと。

リュウグウに接近するたびに輻射熱で炙られて、最初のタッチダウンでサンプラーホーン越しに衝撃を食らって、直後に急上昇離陸で加速度を受けて。サンプラーホーンの「返し」に乗った砂粒を取り込むのに急停止かけられて。

SCI 運用じゃ SCI 放出直後に横方向ダッシュ。少しして急停止。DCAM3 放出直後に下方向ダッシュ。

そして今度またタッチダウン運用。輻射熱炙り+着陸の衝撃+急上昇離陸+急停止がまた1セット。

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2019.6.18 火曜
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憶測込み雑感 6

アクロバット運用のリハーサルも何度あったしな。こんだけの物理的な外乱を受けて、ミネルバ II-2 がうまいこと回復したりしてな。

とはいえモノがホッピングローバーなんだから、岩にぶつかることを考えて頑丈に作られてるはずで。少々の揺さぶりじゃビクともしないんじゃないのか、とか。仮に揺さぶりで直ったとしても、1回ホップしたら症状がぶり返しちゃうんじゃないのかとか。

まだ起きてもいないことをあれこれ考え出すときりがないわな。

「機体損傷のリスクがあるタッチダウン行程は、現地探査ミッションの最後に回す」、というのは初代 はやぶさ からの方針で、はやぶさ2でもその通りになってる。けどミネルバ II-2 運用だけは着陸ミッションよりも後になってる。これ、現地到着前からそうだったんだよな。ミネルバ II-1 と MASCOT は立て続けで投入したのに。

たぶん、打ち上げ時にはもうミネルバ II-2 が具合よくないことがわかってたから、一番最後に回しといたんだと思う。回復までの時間を与えるのと、スケジュールの途中に挟んで面倒なことになるとその後の計画に支障が出ちゃうんで、それを防ぐのと。あと、成功率が低いミッションになってしまったんで、本来一番最後に回すべきタッチダウン行程の前に本体チームの士気が下がるリスクを防ぐ目的もあったかもな。

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2019.6.19 水曜
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憶測込み雑感 7

ぶっちゃけミネルバ II-2 の扱いが低くなってしまったわけだけど、これはしょうがないことかと。

さて2回目のタッチダウン地点は人工クレーターの中じゃなく、その近くの、クレーターを掘っくり返した土砂が 1cm くらい降り積もってる場所だそうで。人工クレーターの中にはでっかい岩が残ってしまってたからな。リュウグウ内部の物質を採取するっつう同じ成果をより安全に挙げられるなら、そのほうがいいわな。ターゲットマーカー2球目も、決定した場所にぴったりの場所に落ちてくれたみたいだし。

リュウグウ表面のサンプルはもう取った。内部のサンプルも取れれば、両者の比較で判明・確定できることがいろいろありそうだね。

ターゲットマーカーの投入精度が上がった理由も出てるね。あーなるほど、1回目は軌道の補正が強すぎたんだね。そこを適正化して精度を上げたんだ。ふむふむ。

事前に設定した航路をなぞっていくだけ、と思ってたけど、そんな簡単な話じゃなかったんだな。航路に沿ったロープやガイドレールがあるわけじゃなし、航路に沿って移動するには探査機自らが、見えない線に沿うように姿勢と軌道を制御しないといけないんだもんな。

銘板
2019.6.20 木曜
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憶測込み雑感 8

1回目のターゲットマーカー放出のあたりに比べて、今は SCI と DCAM3 が機体からなくなって、推進剤も消費して、そのぶん軽量化されてることになる。それだけスラスタ出力に機体が敏感に反応するようになってるわけで。なのに補正を適度に弱めて、精度の高い誘導ができるようになったと。

「はやぶさ2は降下時、『GCP-NAV』と呼ばれる手法で探査機の軌道を制御する。これは、人間が専用ツールを使い、探査機から届く小惑星の画像を見ながら、探査機の相対位置を推定するという、日本独特の手法。表面に特徴が乏しい小惑星でも、人間の画像認識能力を使えば、大間違いする恐れが小さいという特徴がある」

今の機械の限界ってことで。

探査機に載ってるコンピュータは制限ありすぎで貧弱なわけで。んでどうせ地上に画像を送って判断してもらうんなら、地上のごっついコンピュータで画像解析して、解析から得られた制御データを探査機に送り返せばいいのに。そこら全自動でやればいいのに。とか思っちまうけど、現状じゃ結局は人間が判断したほうがいけてるってことで。

銘板
2019.6.21 金曜
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憶測込み雑感 9

世の中、AI がどーたらこーたらでブームになってるけど、画像認識なんつう人間にとってけっこう余裕な作業が、機械にとっては至難の技らしく。コンピュータや人工知能って、まだまだ限定的な用途オンリーだなー人間の労働力の代替というには遠いなーと感じてしまう。

けど GCP-NAV って月面着陸には使えなさそうなような。使えるかどうかわからんけど。

月には有意な重力があるわけで。着陸機にはいくらでも推進剤を積めるわけでもなく、限られた推進剤で軟着陸しないといかんわけで。となると、着陸行程に入ったら、さっさと着陸場所を特定して、さっさとそこに降りなきゃいかんわけで。迷っちゃって悩んじゃって空中でホバリングして考え込むなんてすると、その間に推進剤がどんどん減っていくんで。

地球と月との通信遅延(往復)は最短で2.5秒。機上でのデータ処理や地上での通信網内での遅延があるんで、実際はもう少し延びる。遅延は3秒あたりかと。

地上から操縦できるかできないか、微妙なところかと。けど着陸はもたもたしてられない。てなわけで、着陸行程は現場任せにするのが話が早いわけで。たぶん月面軟着陸はいつでもそうなってるんじゃないかと。

銘板
2019.6.22 土曜
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憶測込み雑感 10

JAXA/ISAS は再来年、SLIM という月着陸計画をやることになってる。目的が高精度着陸技術の確立なんで、地上からの人力支援なんてなおさら当てにするわけにいかんくて、機上で自動で画像処理しながら自動で軌道制御をかけることになってる。はやぶさシリーズでの GCP-NAV のノウハウは使われないんだろうな。

まぁ有意な重力がある天体への軟着陸はそれだけ難しいのと、それとこれとはってことかと。SLIM の着陸地点の誤差の目標は 100m だしな。今の月着陸の誤差は 10km オーダーらしく。それに比べればだいぶ精度が高いわけで。

となると、月なんかより遥かに遠い現場とはいえ、小惑星への着陸は 1m のオーダーってとこまで来てるわけで。月に比べれば案外余裕なのかな。

月の場合、大抵は月周回軌道から降下するもんな。結構な横方向速度を殺しながらなわけで、それで着陸位置が進行方向軸にずれるんだろうな。はやぶさ2の場合は、最初からおもっきし真っすぐにリュウグウへ向かうわけで。そりゃ精度が高くもなるわってことか。

降下の途中で「ヤバい」となったら緊急離脱できるしな。実際 はやぶさ2は2回やってる。初代 はやぶさ は2回どころじゃなくやった。月着陸はそうはいかんわけで。アポロ月着陸船の場合は緊急離脱できる構造だったな。ただ、下降段を捨てることになるんで、そのミッションは月着陸を諦めて地球へ帰ることになってたはず。

銘板
2019.6.23 日曜
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憶測込み雑感 11

そういや着陸リハーサルが主な任務だったアポロ10号は、下降中に下降段の動作確認した上で、まさに上に書いたように下降段を捨てて上昇したんだったな。

ところが分離がうまくいかなくて、このままだと不本意に月着陸してしまうことになってしまい。それはそれでいろいろとまずいことになりそうだったらしく。

その段階の技術で着陸・月面活動するには安全性がしっかりとは確保されてなかったはずで(それを現場チェックするのが10号の任務だった)、その意味で怖すぎたのかも。

んでまぁ船長と乗組員1名が、地上スタッフと交信しながら必死に対処したそうで。刻々と迫る月面。時間がない。焦りのあまり、船長は汚い言葉を言いまくったらしい。そしてその音声は全て、固唾を呑んでテレビ生中継を見守る全米の国民に届けられてしまったらしいwwww

努力の甲斐あって、着陸船の下降段がようやく分離。このトラブルはミッションスケジュールに大きな支障をきたすことなく、アポロ10号は役割を全て果たして地球へ帰ってきた。ということで、あのときの船長の汚い言葉は、アポロ計画を語る上での笑い話となりましたとさ。結局は、問題をうまく処理できたからこそ笑い話になったってことで。

その後アポロ13号っつう、シャレになんない大事故と奇跡の生還劇があったしな。

銘板
2019.6.24 月曜
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18周年

この日記、今日で18周年wwww orz

手作りサイト全盛時代の遺物が、いまだに細々と生きて更新が続いてるという気持ち悪い何か。

この日記を始めた時は ADSL で常時接続を始めたあたりだったんだけど、サイト自体はその前の年からやっとりまして。

モデムだったよな。いやーもう。モデム。最初にインターネット接続した時、28.8kbps だったわ。遅いの遅くないのって。

外付け 56kbps モデムに切り替えたときの感動ときたら。倍速だよ倍速。

ADSL がまたモデムと比べ物にならないくらい速くて、しかも定額制で常時接続ってので嬉しかったけど、うちは NTT の収容局から遠くてな。ADSL としてはかなり遅い方でな。1Mbps なんてとてもとてもっつう状況で。

今は光回線ですわ。もう何のストレスもない。

しかし、こうなっちゃうともはや何も意識することがなくなったわけで。光回線を使ってるよっつうことを普段忘れてしまってるわ。ていうか回線の存在すら忘れてしまってる。

「便利になる」「手間がかからなくなる」ってのは、「影が薄くなる」ってことなんだな。

5年前に光回線の契約を NTT から au に乗り換えたんだけどさ、今度また NTT に戻すことにしたんだわ。5年前も今も、なんかこうあんましテンション高くない状態でな。

モデム接続 → ADSL → 光回線 のときは、各段階ごとに並々ならぬ興味と熱意を持ってたのに。

光回線を手に入れて満足しちゃった途端、もうどうでもよくなってしまったwwwww そうなるともうコモディティ商品としか思えんわけで、より安い方へと流れるのみ。

通信速度もそうだけど、PC もな。もうスペックスペック言わんでもいいくらい充分な性能になってしまってな。

18年前はもちろん、10年くらい前まではスペックにうるさい人たち多かったのにな。注目してたのはクロック数だけでな。あれもまた。CPU の実質の処理速度を縛る支配的な要素は、実はクロック数よりも2次キャッシュ容量とバス速度だった。というのがわかってしまって。

とはいえクロック数がわかりやすいってことで、その数字を引き上げる競争が続いてたっけな。

クロック数を増やせなくなってきたら、デュアル CPU とかデュアルコアとか。クワッドコアとか。CPU コアの数で競うようになり。デュアル CPU のほうはアレか、カネかかるからその路線は消滅したってことでいいのかな。つか2006年あたりに Mac が PowePC をやめて Intel にしたことで、競争も収まってしまった。PowerPC、開発が進むごとに期待外れ度合いが高まってったもんな。

おいらが今使ってるのは iMac の2009年モデル。もう10年になっちまったか。この10年、性能的にまったく不自由なく使えてる。世の中でももう性能競争はあんまし話題になんなくなったな。ハイエンドモデルはそれでも競争してるのかもな。ていうかスマホがいろいろ便利なおかげで、家庭用としては PC が売れなくなってきてるんだったっけか。

光回線を引き込んでる家ってのもな。世帯普及率は頭打ちってことなのかな。家族みんながスマホを持ってて、固定電話がない家とか普通になってきてるみたいだもんな。

家で PC やるならネットなしじゃイヤだろうし、やるならわざわざ固定電話の契約しなきゃいけないし。スマホでテザリングすればいいか。料金がどうなるか不明だけど。

この日記を始めた当時、インターネットやるなら PC と固定電話回線が必要だったなんてなー。

ていうか 2001年なら i-mode あったな。メールはガラケーでいけたんだよな。時代は mova で、i-mode でサイト閲覧はやれなくはなかったけど、対応サイトもろくになくてな。この日記なんて1ページで1カ月ぶんなんで、FOMA でも読み込んでる最中にオーバーフローしてたなww

確かこのあたりのケータイメールは文字数制限があってな。docomo だけかな。半角のみなら500字、全角のみなら250字だったかな。制限解除されたのは、まだ mova の頃だった気もする。

メールを受信する側にもパケ代がかかるっつう変な料金設定でな。んで当時社会問題になってたのがスパムメール。PC 宛のメールならまぁいいっちゃいいんだ。モデム接続でも、サイト閲覧のついでにメールのやり取りしてたからな。スパム受信のためにカネを払う感じはなくて。けどケータイメールだと、スパムを強制的に受信させられつつパケ代を取られるっつう理不尽が起きてたっけ。

んで docomo はなかなかこの問題に対して腰が重くて、ずっと放置してたんだよな。そりゃそうだ。放置してればそれだけ儲かるんだから。スパム業者様々。不正行為に便乗で荒稼ぎしてやがるっつう風評が出回ってたなぁ。

2000年あたりに docomo 本社が、都心にできたてのでっかいビルに入居しまして(ビルのうち半分を docomo が使ってるらしい)

どなたかが計算されまして。そのビルの建設費の額よりも、それまでのスパム受信のパケ代の方が大きかったとか。

ほんとかどうか知らんけど、かなり説得力あったww まー実際、スパムメール受信でパケ代を稼いでたからな。

なんかもうイモヅル止まんなくなってきたんでこのへんでw

銘板
2019.6.25 火曜
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ジャガーノート

「ジャガーノート」って何だったっけ?

すごい昔、何かの本で目にした言葉。

いやさ、ぷよぷよってゲームあるじゃないですか。最近このゲームの YouTube 実況動画にハマっててさ。

なんのことはない、巷で話題の eスポーツってどんなもんなんだろと、ふと思ってさ。おいらのイメージとしては、VR 空間で格闘する感じだったんですわ。あるいは、クルマのレースのゲームで、コクピットで運転するとかさ。昔からゲーセンにあるやつの超リアル版とか。とにかく体技といえるものだと思ってたんですわ。

ぷよぷよテトリスって……。そのまんまゲームじゃねえか。しかも昔からあるやつじゃねーか。

たぶんセガが「eスポーツ」を商標登録してるのかな。

けど達人技って見てて見事でさ。eスポーツっつうネーミングは置いといて、おいら鑑賞を楽しんじまってて。

ぷよぷよとテトリスの異種格闘技戦も普通にやってて、これもまた面白くてな。つかもうおいらぷよ対テトしか見てない。つかそのうちぷよ側しか見てない。

んで、連鎖とかライン連続消しとかキメますと、プレイヤーが選んだキャラがセリフを言うわけですよ。そのセリフは、キャラごとの特定のテーマや性格付けに沿ったもので。

んで、「ジャガーノート!」と言うキャラがあるわけで。このキャラの他のセリフも聞くと、災厄の呼び名縛りらしく。

んで、気になったんで調べてみたですよ。

Wikipedia「ジャガーノート

「止めることのできない巨大な力、圧倒的破壊力の意味を持つ単語。イギリスでは巨大な重量を持つトラックの意味も持つ」

「語源はヒンドゥー教のヴィシュヌ神の八番目の化身であるクリシュナの異名、ジャガンナート (Jagannāth) である。イギリスの植民地時代のインドでは、ラト・ヤートラー(山車の行進)祭に際して狂信的ヒンドゥー教徒が救済を求めてジャガンナート像を載せた山車の車輪の下に身を投げたとキリスト教宣教師が本国に伝えたことによる」

ああーあ思い出した。おいらが目にしたのは映画評『黒澤明の映画』(ドナルド・リチー著)でだ。『影武者』(1980)を「ジャガーノート」と呼んでたんだっけ。訳注では確か、「インドの祭りの山車。これに飛び込んで死ねば天国へ行けるという迷信がある」とかなんとか、そういうエキセントリックなことが書かれてた。岸和田だんじり祭でさえそこまでじゃないだろとか思ったっけな。

まぁ Wikipedia に書かれてることの方がより正しいかと。『黒澤明の映画』初版は1979年だし。おいらが持ってる文庫本は1993年に買ったし(増補版で、1991年公開『八月の狂詩曲』まで載ってた)

増補版は1991〜93年出版ってことで。Wikipedia はおろかインターネットさえこの世にほとんどない時代。言葉の意味のチェックは今と比べ物にならんほどめんどかったろうなぁ。今はもう、こんな軽く調べるだけでわかっちゃうんだもんなぁ便利な世の中になったなぁ。

謎が判明してスッキリですわ。

軽く調べるついでに、「ジャガーノート!」を言うキャラも調べてみた。

サタンさま だそうだ。

あとまぁ気になったキャラっつうと、ええと ゼット だな。

ロボットのくせにセリフの縛りは健康オタクっつーのが。なんだこいつww

その設定 を読むと、ハウスキーパーで、乗組員たちの健康管理をしてるらしい。ようやく納得いったw

銘板
2019.6.26 水曜
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西洋ロマン生物

ジャガーノートもだけど、どうも西洋人って「東洋の神秘」のセンスがアレだよなーとか時々思ってしまって。

昔はしょうがなかったとはいえ、とりあえずすごいアバウトってのが。

だってヨーロッパ視点でさ、ヨーロッパより東側は全部東洋なんだもんな。トルコもアラビアもインドも中国も東南アジアも日本も、全部「東洋」でくくってさ。まぁ日本も「西洋」っつうと欧米だからな。欧米っつうと主にヨーロッパと北アメリカ大陸だけど、南アメリカ大陸も含めたりしてな。こっちもかなりアバウトだわな。

んでまぁ「東洋の神秘」って、いやさ、どうも中世あたりのヨーロッパ人は、木綿が何なのかよくわからんかったらしく。東洋から輸入される綿織物を見て、素材が植物由来だとだけ聞いて、西洋人はこの手の素材はウールしか知らなくて、「東洋には羊がなる木がある」と信じ込んだらしく。

バロメッツ

んなもんあるわけねーだろwwww と、今の感覚で言ってしまったけど、テレビも生物の教科書もない昔はわかんなかったってことか。

「スキタイの羊、ダッタン人の羊、リコポデウムとも呼ばれるこの木は、本当の名を『プランタ・タルタリカ・バロメッツ』といい、ヒョウタンに似ているものの、引っ張っても曲がるだけで折れない、柔軟な茎をもっているとされた」

「時期が来ると実をつけ、採取して割れば中から肉と血と骨を持つ子羊が収穫できるが、この羊は生きていない。実が熟して割れるまで放置しておくと、『ぅめー』と鳴く生きた羊が顔を出し、茎と繋がったまま、木の周りの草を食べて生き、近くに畑があれば食い散らかしてしまう。周囲の草がなくなると、やがて飢えて、羊は木とともに死ぬ。ある時期のバロメッツの周りには、この死んだ羊が集中して山積みになるので、それを求めて狼や人があつまって来るのだと言う。この羊は蹄まで羊毛なので無駄な所がほとんど無く、その金色の羊毛は重宝された。肉はカニの味がするとされた」

「本当の名を『プランタ・タルタリカ・バロメッツ』といい、ヒョウタンに似ている」「肉はカニの味」とかどっから出してきたんだよww 「口裂け女は 100m 走が3秒」みたいなノリかなwww サニブラウンさんがんばって。

本当の名とされるものの「プランタ」って、plant (植物) から来てそうだな。

Google 翻訳で ラテン語 → 日本語 にしたら「植物タルタルbarometz」と出た。

「タルタリカ」はタルタルソースのアレなのか。「タタール」「韃靼」の意味だな。ってその意味は特定の民族を指すものじゃなく、「東洋の遊牧民」っつう、これまたアバウトな言葉なんだよな。中央アジアのイメージかな。

「バロメッツ」は意味・語源とも不明だったですわ。

Mac 付属の辞書で "Tartar" を引くと、

  1. タタール人, ダッタン人
  2. タタール語
  3. 手におえない[凶暴な, 気性の激しい]人; 執念深い人; 始末におえない女.

だそうで。3番目は、東洋の遊牧民に対して侮蔑的な意味合いを含んでる感じ。まぁチンギスカン軍に情け容赦なく虐げられた記憶の成せる技かな。

そんなチンギスさんコメントどーぞ。

「男たる者の最大の快楽は敵を撃滅し、これをまっしぐらに駆逐し、その所有する財物を奪い、その親しい人々が嘆き悲しむのを眺め、その馬に跨り、その敵の妻と娘を犯すことにある」チンギス・カン#人物

……、

……、

……。

手におえない[凶暴な, 気性の激しい]人とはまったくその通りかと(震え声)。侮蔑というより恐怖じゃないですかね。

んでバロメッツ。一度も見たことないくせによくもここまで設定を作り込めるもんだなって感じで。

Wikipedia「Category:中世の伝説の生物」で、昔のヨーロッパ人のそれ系の想像力が拝めるぞ。

ビショップ・フィッシュ なんかがけっこうお気に入り。おいらはその正体はエイの腹だと思うが。

生きてるやつはカワイイけど、干物にするとすごいことにwwwww

エイの干物は怖い!|エイの特徴とエイの干物について3つ - uranaru

エイの干物が怖すぎると話題!地球外生命体としか思えないレベル! - macaroni

禍々しすぎて食える気がしないwwww

銘板
2019.6.27 木曜
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パーシバル・ローウェル

「火星には運河がある」もまた、誤解と迷信から生まれたものらしくて。

昨日のバロメッツは中世ヨーロッパだから、科学的な考え方がなくて当然っちゃ当然だけど、火星の運河は19世紀の科学者たちを巻き込んだ、壮大な誤解だったらしい。

今は答えが確定した後の時代だから、ヨユーかましてその誤解を見てニヤニヤできるんだけどさ。

Wikipedia「火星の運河

1877年、イタリアの天文学者ジョヴァンニ・スキアパレッリが天体望遠鏡で火星を観測して、表面に多数の線を見つけた。彼はこの線を「溝」の意味で、イタリア語で "canali" と表現した。この論文が英訳された時、誤訳で「運河」(canals) と書かれた。

「溝」なら自然物の含みも持たせられるけど、「運河」っつうと完全に人工物なわけで。んでまぁ英語圏の人達は「火星には運河がある」(運河をるほどの知的生物がいる)と解釈してしまったと。現代では、運河はもちろん、スキアパレッリが主張した溝さえ、何かの見間違いか思い込みと判断されてる。

モヤっとした物体をじーっと見てると、見たいものがそこに「見えてしまう」ってあるからな。

んでその「見えてしまった」もう一人のメインプレイヤーが、なんてーか、思い込みと決めつけが人一倍激しかったらしい天文学者パーシヴァル・ローウェル。

彼もまた火星表面に見えた筋状のものをはっきりとスケッチに残してて、「運河は火星の知的文明によって灌漑のために開削された」という説を強く支持したらしい。そして、他にも、火星表面に線が見えたと主張する人たちが続出したらしい。

望遠鏡の性能が上がって、写真も撮れるようになって(それまではスケッチに頼ってた)、20世紀前半には運河説も溝説もほとんど否定されたそうな。

実際の火星表面には マリネリス峡谷 っつう、かなり大規模な谷がある。そこくらいは本当に見えてたかもね。

しかし当時は、火星って今知られてるよりもっと空気が濃くて、もっと温暖で、と思われてたらしい。生き物もワンチャンあるんじゃね的な。金星もそう思われてた。

両隣の惑星の様子はまだまだ軌道と大きさくらいしかわかってなくて、望遠鏡で見るにしても、性能の限界でそのくらいしかわかってなかったってことで。

んでまぁ地球は生命溢れる星なもんだから、人類っつう知的生命がいるもんだから、両隣の惑星もひょっとしてそうなんじゃないかと想像してたらしい。わかんないのをいいことにというか、いろいろ想像を膨らませたのはバロメッツと同じ。

1917年刊行の SF 小説『火星のプリンセス』は、火星を、人類に似た知的生命がいる惑星として描いてる。地球人が普通に、宇宙服とかなしで生きていけることにもなってる。年代的に、宇宙服の発想もあったかどうか定かじゃないけど。

んで今からちょうど100年前あたりまでは、火星は地球に似た環境を持ってる可能性は充分にある、てな理解だったと。

銘板左端銘板銘板右端

ローウェルって迷惑なことにというか、日本研究者の肩書きも持ってて。

持ち前の思い込み力と決めつけ力で、「個性のなさ、自我の弱さ、集団を重んじる、仏教的、子供と老人にふさわしい、独自の思想を持たず輸入と模倣に徹する」と評してる。実際に日本に滞在してる。ええと明治時代の日本に5回訪れて、通算約3年滞在か。

なんでこんな人がそんなに影響力を持ってしまってたのかっつうと、商売上手だったからじゃないかと。天文学者なのと同時に実業家で、私財を投じて立派な天文台を作ってしまうくらいだからな。んで、日本文化に関する本を多数出版したらしく。それがまたよく売れてよく読まれたらしく。

明治期の日本って、たぶん西洋じゃかなり関心が高かったんじゃないかと。開国したばかりの、世界から見て謎だらけの国で、アジアなのにまだ植民地になってなくて、それどころか産業革命がうまくいってて軍事強国になりつつあって、芸術分野ではジャポニスムでヨーロッパを驚愕もさせたり。それまで知ってたアジアの国々とはかなり毛色の違う国に見えてたんじゃないかと。

同時にこの時代、欧米人は欧米以外を見下すのが当たり前で。今の視点だとかなり偏狭な考え方でも、当時はそういうものだったと。

SF 作家の H.G.ウェルズでさえ、この時代は『ダイナモの神』(1894)でアジア差別丸出しだもんな。

1894年って今から125年前か。明治27年。この年を調べると、

という出来事があった。

日英通商航海条約は、それまで諸外国との間でいろいろ結ばされてた不平等条約を改正していく第一歩だったらしく。

日本は日清戦争で勝利してから、欧米から対等な国家として認められ始めたらしく。

奇しくも『ダイナモの神』発表の年から、欧米視点で、日本が認められる方向に動き始めてた。

日本が認められ始めたっつっても、欧米人全員が揃って認めるようになったわけでもないだろうし。自分が生まれた頃には世の中で普通になってた常識観を大人になってから改めるのって大変だしな。

ローウェルやウェルズが生きてた当時はそれが普通だったとはいえ、もうローウェル日本観もだいぶ薄らいだと思う。とはいえ、少なくとも20世紀いっぱいまでは、海外の人も日本人さえも、ローウェル日本観の影響を引きずってたと思う。

バブル期でさえ劣等感を持って自虐・自嘲をしてた日本人は、バブル崩壊後、あまりにもあまりにも自信をなくした。その反動というか逆ギレというかで、ついに自らの良さを認める動きが発生。21世紀に入って、それが表に出てくるようになった。外国からのまともな賞賛をきちんと受け止められるようになった。

バブル崩壊期までの劣等感って第二次大戦の敗戦の影響も大きいと思うけど、劣等感の内容からすると、ローウェルの影響を受けてしまってたことがわかるわけで。

ローウェルさん、西洋じゃ結構な著名人らしく。自費で当時の世界最大の天文台を作って、天文学の発展に寄与した功績はもちろんあるけども。その裏で、件の天文台で火星の運河なるものが見えてしまったり、偏見に満ちた日本人像を作ってしまったり。それを著作物で西洋世界に深く定着させてしまったというのはちょっとなぁって感じがするが。

銘板
2019.6.28 金曜
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金屏風と市松模様

G20 サミット。

大阪城で各国の首脳をお迎えする安倍首相、金屏風の前に立って握手しとったわな。

金屏風……。

賓客を歓迎するスタイルとして、日本は金屏風なんだろうな。

いやさ、もうなくなった風習だけど、昔はハリウッド映画のプロモーションで来日したスターも金屏風を前にインタビュー受けてたよなと思い出して。

外タレと金屏風って、なんかなかなかな組み合わせだなーと思っとったが。

現場だと日本人の司会者や通訳がいて、金屏風の前にはホストとゲストの両方がいる形なわけで。不自然さはないかと思う。けどニュースを見るとどうしてもゲストばっかり映してあるんで、違和感が目立ってしまっててな。

しかし屏風ってのは都合がいい面もあるかと。特にギラギラなやつだと、正面からストロボを焚くと正反射してしまうわけで。これが屏風だと角度がついてるんで、背景ばかり輝いてゲストの顔がよく見えないなんて事態が避けられる。

そういや元号の発表の額縁、ガラスなりアクリルなりの透明のカバーを抜いてあるんだそうで。ストロボの反射でギラつくのを防ぐためだそうで。平成でも令和でもそうしたらしく。

今の記者会見での背景は市松模様。

と言うと和風かと思いきやそうでもなく。どのアングルから撮っても広告やら主催者やらのロゴが背景にフレームインするっつうアレ。スポーツのインタビューでも JAXA の発表でも、記者会見には欠かせないアイテムになりましたわな。

あれはあれで外国でもそうだし、事実上の世界標準ってやつなんだろうな。

金屏風はゴージャス感の演出にはいいけど、写真だけだと何のための記者会見なのかわからんからな。市松ロゴは宣伝の意味もそうだけど、そこらへん一発で判断できるってのも実用的だわな。

あれ考えた人って、もしかしてかなりの特許収入を得てたりするんだろうか。

銘板
2019.6.29 土曜
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ビリ猫

そこらへんから拾ってきた GIF 動画wwww

最後に「え?」ってなるネコかわいすぎww

いやさ、もし地球に来れるくらいの異星人がいたらさ、人類の知能なんてこのネコくらいなもんにしか思えんのかもなーとか唐突に思ったぐらいにして。

銘板
2019.6.30 日曜
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ロ馬ンチック

「ロマンティック」「ロマンチック」っつうと女性の感性や趣味っぽいけど、「ロマン」「浪漫」だと、けっこういい歳した男性のイメージがあるような。

すごく昔に流行したと思われる、「男のロマン」って言葉からそうなってしまったような気もする。

んじゃあ「男のロマン」って言葉ができる前は、「ロマン」「浪漫」もまた女性主体の概念だったんだろうな。「男だってそういう感覚あるんだぞ」ってので、「男のロマン」って言葉が広く受け入れられた、のかなぁ。

けどなんてーか、おいらは個人的には、「男のロマン」はクサすぎな気がしてなんかちょっと。

昭和の昔、『宇宙戦艦ヤマト』の TV シリーズの何回目かで、終わりの歌かな、歌詞に堂々とこの言葉が入っててさ。聴くたびにこっ恥ずかしくなったってのを覚えてて。

かなり濃ゆい言葉なんで、あんまし安直に使うとか耳にするのがためらわれるというか。

けどさ、漢字の当て字の「浪漫」ってなんだか男のものな字面だよな。この当て字ができた時から、日本で「男のロマン」っつう概念が生まれるのは時間の問題だったってことなのかな。

西洋だと相変わらずというか、女性のためのものな感じらしく。

白馬に乗った王子様とか、スローモーションで走る馬車とか、ユニコーンとかペガサスとか……。馬なのか? 本場じゃ馬必須なのか?

つか言葉面から行くと、どう見てもローマが元だよな。古代ローマ帝国か? それとも近現代イタリアのローマか?

「ローマ」で画像検索でしてみたけど、なんかロマンチックとは違うような感じもするが。

もしかしてオードリー・ヘップバーンの『ローマの休日』(1953)から来てるのかな。

行きずりのおじさんとスクーター乗り回したり、ギターでパパラッチをぶん殴ったりってそんなロマンチックか? けど、王女様が退屈な毎日から市井へ逃げ出す設定とか『真実の口』のドキドキなんてのはロマンチック要素かもな。

ていうかあの映画のオードリーやばいかわいい。ギターでぶん殴る場面が特にイイ。「王女様がそんなこと」な感じで笑っちゃうしな。

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