ひとりごちるゆんず 2018年11月
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2018.11.1 木曜
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日本初ソル

ソル【sol】の意味 - goo 辞書

「太陽日。おもに地球以外の天体における太陽日を意味し、火星探査機の運用などで用いられる。火星の場合、1ソルは24時間39分35秒となる」

ほかのサイトによると、語源は "Solar days" らしい。「太陽日」ですな。

いやさ、9月に2機のミネルバ II 1 が小惑星リュウグウで活動したじゃないですか。そのときの記者会見で、はやぶさ2プロマネの津田先生が、「ソル」という言葉を使ったわけですよ。なんかもう感慨深くて。

リュウグウの自転周期(≒ソル)は7時間38分。ミネルバ II 1 の2機が着陸を果たしてから、けっこうすぐに夜になってしまってな。太陽電池で動く2機は、次のソルを待たなきゃならなかったってわけで。んで2ソル目から元気に活動を始めたと。大気のない星の夜は冷えるからな。いきなり越夜だったけど問題なくてよかった。夜が続く時間は3時間20分くらいか。そこまで冷え込まないってことなのかな。

日本の過去の他天体への軟着陸例って初代 はやぶさ だけだったからな。小惑星イトカワに2回着陸したけど滞在時間が短かったんで、ソルがどーたらの話にはならなかった。初代ミネルバは着陸できなかったし。

むしろ本体が小惑星上で夜を迎えてしまったら、電源なしでヒーターも効かず、いろいろやばいことになってしまうがな。その状況での設計されてないがな。

と考えると、ローバーってのは越夜を前提に作られてるってことで。

ミネルバ II 1 は越夜を重ねてもうまいこと稼働してくれてる。II 1B のほうは岩陰に入ってしまって太陽発電がうまくできなくなったらしく、移動できない状態が続いてるみたい。リュウグウの自転軸は公転面にほぼ直立とはいえいくらか傾いてるから、待ってれば季節変動で太陽光が充分に当たるタイミングが来るかも。

しかしミネルバシリーズって、言っちゃなんだけどローバー史上最も低スペックだよなw 搭載してる観測機器は、直接の科学観測に値しない、低解像度気味の民生用カメラと温度計のみ。外部には可動部がない。勝手に跳ね回るから、どこへ行くか、どんな画像が撮れるかは運任せ。母機からの放出後は地上や母機からコントロールできない(設定の書き換えはできるらしい)

世界各国の最大級・最小級の無人ローバーを見てみる。

アメリカ: キュリオシティ(火星) 質量 900kg
 
アメリカ: ソジャーナ(火星) 質量 10.6kg
 
ソビエト: ルノホート2(月) 質量 840kg
 
中国: 玉兎号(月) 質量 120kg
 
ヨーロッパ: MASCOT(小惑星リュウグウ) 質量 8kg
 
日本: ミネルバ II 1A(小惑星リュウグウ) 質量 0.9kg
 

おいらは MASCOT はローバーだと思う。でも当事者の ESA は「着陸機」とは言ってるけど「ローバー」とは言ってないんで、ローバーかどうかは微妙。

ミネルバ II 1A の画像は 魔法少女 モフ子☆様の Twitter から。原寸大模型だそう。大きさ(小ささ)の実感がこれほど掴める画像はないだろw

アメリカ以外は最大・最小どころか1種類ずつで、このジャンルはまだまだ開拓分野なんだなー。そのアメリカがこの前まで最小記録を持ってたのが、ミネルバ II 1はその約12分の1っつう破格の記録更新なわけで。できることがすごく限られてるけど。

中国の玉兎号ってでっかかったんだな。てっきり RC カーサイズだとばっかし。失礼しましたです。パラボラアンテナを備えてるのは、その向きから、母機(着陸機)との高速通信用ですな。んで母機が地球と中継する形なんだろう。パラボラってことは玉兎号は母機からかなり離れたところまで移動させるつもりだったんだろうな。

次にミネルバが投入されるのは、火星衛星サンプルリターンの MMX かと。フォボス、ダイモスともイトカワ、リュウグウよりだいぶ大きくて重力も強い。けどホップ式ローバーは行けるらしく。かつてソビエトがフォボスに着陸機を送った時、ホップ式ローバーも載せてったらしく。けど残念ながらフォボスに到達できずに終わってしまったそうで。

んで MMX に新型ミネルバが載るとして、そのときは観測機器を充実させるんだろうなと。今回のミネルバ II 1 の目的は、この構造や移動方式の実証だからな。

そういやミネルバ II 1 にはステレオカメラを積んでたはずだが。リュウグウのステレオ立体風景を見たいんだが。公開してくださらんもんですかねぇ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

ルノホート2号の太陽電池、モザイクすぎて何かヤバいもんを後ろに隠してるように見えてしまうww

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2018.11.2 金曜
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話が伝わらない話 1

ふと思い出した過去の仕事のこと。20年近く前のこと。ムカついたけど申し訳なくもあったこと。

取引業者の若手の営業さんに発注したんですよ。商品のパッケージ材で、今ある現物に追加で取り付けるものをお願いしたんですよ。

「こういうのを作ってください。個数は○○個で、仕様は……」と。

んでまぁ設計書や図面を作るのも面倒なんで、意図は口頭で、現物を見せて説明して、その現物の方も安いものだったんで1個あげて。大まかに自作してみた試作品も持たせて。図面はフリーハンドで書いたポンチ絵。

若手営業さん、「この案件に合った、型を作る業者が福島にいるんで、型はそこに製造してもらいます」と言ってた。けど若手営業の人が頼りなくも見えて「型のちゃんとした図面ができたら、型を作る前にその図面を持ってきて見せてくださいね」と頼んどいた。

持ってきてもらった図面を見て判明したこと。

このくらいわかるだろと思ってたのがまったく理解されてなかったのが衝撃で。意思伝達ってこんなにまで精度の悪いものだったのかってのがおもっきし見える化してたですよ。

納期にはまだ余裕があったけど、そうのんびりしてられるほどでもない。若手営業を待たせて、おいらその場で図面を書いたですよ。んで営業さんの「持って帰って業者に連絡します」というのが危なっかしく思えて、「今ここで福島に連絡してください。図面はうちの FAX で送ってください」と指定したですよ。

若手営業はそれでもいったん持ち帰りたいそぶりだった(たぶん上司へのホウレンソウ)。けどとにかくその場で、おいらが見てるところでやらせた。雲行き怪しい感じになってきた。

とにかくこれでようやく意図を汲んでもらえて、型は注文通りのができたらしく、製造に入ってもらった。でもその前に、型の完成で安心しちまって製品仕様を再確認しなかったのが悪かった。

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2018.11.3 土曜
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話が伝わらない話 2

若手営業が「できましたーお待たせしましたー」とイイ笑顔で大量に持ち込んだブツは、色が指定と違う。これは使えんって色で。

色の仕様を最初に言った言わないの水掛け論になっちまって。若手営業はテンパって「だってほら営業ノートにそんなこと書いてないですよ」とか見せてきたり。「そりゃ聞き落としたんじゃないですか」と返しつつも、言った自信はあるけど証拠がない。結局は仕様の確認をどっちも怠ったのが敗因なんだけどさ。

ていうか普通はいきなり全量を生産しないで、とりあえず少量の試作だけを作って発注主に確認してもらうもんなんじゃないかと思うが。

とにかく使えんものだからブツは持ち帰ってもらって、急いで作り直してもらうことに。

若手営業、上司から大目玉食らったらしく。たぶんこの案件1つで何回も大目玉だったろうな。んで「最初に作った色違いも買い取ってもらえ」と言われてきたらしく。この業者が持っててもどうしようもないもんな。

けどこっちはこっちで、それまでのグダグダも全部こっちで引き受けさせられるのかよとカチンときてしまって、拒否してしまった。若手営業、半泣きしてたわ。泣かれても、納期がヤバくて同情してる余裕なんてなかった。けどこっちも悪いんだから、色違いは安くでも買ってあげればよかった。

納期ギリギリだったけど、間に合ってよかった。そこはよかったけど、件の若手営業は二度とうちに来ることはなかった。

思い返すと、こっちもそういう発注に慣れてなくて、その不手際・不見識・甘えを思い出すたびにあーーってなる。そして若手営業もまたなんもかんも素人で、容量オーバーで混乱を起こしまくった。

おいらは福島の型製造業者さんとはストレンジャーだったんで、若手営業を挟んでやり取りした。けど結局は、福島とはおいらが電話と FAX で直接やり取りした方がだいぶラクだったろうな。仲介人だけ図面がわからん人って時点でおかしいことになった。

八戸って製造業者がいろいろあるし、業務用途の営業窓口も各種充実してるとは思うけど、自社内で製造できない案件を遠隔地に外注する率がけっこう高いっぽい。これがどうも話を面倒にする要素で。

直接会って話を詰めるのって、伝達効率最強なわけで。

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2018.11.4 日曜
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話が伝わらない話 3

別のケースで、製品ラベル製造を、元々埼玉の業者に発注してたのを地元業者に切り替えたってのもあって。素人仲介はなかったけど、それでもデザイン変更のたびにと隔靴掻痒で不便で。

メールも当時はダイヤルアップ接続で、デザインなんつうデータ量がでかい画像のやり取りなんてする気も起きず。向こうから試作デザインをプリントした紙が入った封筒が郵便で送られてくるのを待つみたいな状態で。届いたら電話で話をしつつ、直しを書き込んだ試作を FAX で返送するけど白黒だし画像が粗いわで、それ見ながらまた電話で何度も確認する状態で。

お互いにめんどい。図面なら FAX でどうにかなるけど、さすがにデザインものはな。

現代風のメールでのやり取りでも、やっぱしこのめんどさ・意思の伝わらなさは大して変わらんだろうな。画面の見栄えと印刷後の見栄えが違うのもあるし。

んで当時よくよく考えたら、なにもそんな遠くの業者を使わんでも、この程度なら、デザインから製造まで1社の中でやれる業者さんは八戸市内でいくつもあるんじゃね?と気づいて。

DTP がどんどこ進んでた時代。簡単なラベルなら、自分で PC とプリンタで作ってたし。けどツヤ紙とか特殊な外形とか素人くさくないデザインとかはさすがに自作できんから、そこは業者さんの出番なわけで。

在庫が切れそうなラベルを持ってアポなし突撃で1件行ってみたら、すぐ話がまとまった。納品までも早い早い。値段は埼玉と同じくらいだけど送料無料だし。

昔々なら首都圏と八戸じゃ技量差が圧倒的だったろうけど、今は差がなさそう。埼玉の業者に頼むのは前任者から引き継いだことだったけど、「なんで今まで気づけなんだろうなー」とか思ったっけ。

若手営業さんの話に戻すと、遠隔地の業者への取り次ぎも、仲介の人がベテランだとそこらへん不便を感じさせないんだけど、素人が仲介すると大変なことになってしまうケースだったわけで。つか途中でトラブル頻発で雲行きが怪しくなった時点で中堅さんが一人でもフォローに入ってくれれば、だいぶ違ってたんじゃないかと思ったり。向こうも向こうで事情があったんだろうが。向こう目線じゃ発注金額が大したことなくて、若手に投げてやらせる程度だったのかもな。

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2018.11.5 月曜
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スケール空隙

岩だらというか、岩しかない小惑星リュウグウ。そのゴツゴツぶりは、はやぶさ2本体が上空から撮影した画像からも、ミネルバ II 1 と MASCOT が表面から撮影した画像からもうかがえる。

けどどうも、なんかまだ両者の画像の、間のスケールが埋まってないような気がして。

いやさ、特にミネルバの画像って、見た感じの印象よりも随分小さい範囲を拡大して撮影してるんじゃないかって気がする。

トピックス 小型探査ローバMINERVA-II1 - はやぶさ2 プロジェクトサイト によると、ミネルバ II 1 の1機あたりのサイズは、直径18cm、高さ7cm だそうな。形から言って横倒しになる可能性が高いんで、撮影時のカメラの地面からの高さは最大 7cm ってことになる。足元の石に乗り上げてせり上がることはあっても、それでも 10cm くらいだろうと。たまたま車輪が立ってるような姿勢で撮影できても、やっぱし 18cm なわけで。

じゃあ上の画像の中心の岩ってでっかいように見えるけど、実際の大きさはブーツくらいなのかな。

この2枚の印象的な画像も、実は本の表紙程度の面積しか捉えてないのかもなと。

そのスケールで考えると、リュウグウの表面は自分で思ってたより平らなのかもなーって気もする。

下の画像は、あまりにも印象的で多くのメディアが取り上げたもの。

どっかの解説者は、手前の岩の大きさを数十メートルと読んでた。けどそこまでのサイズには見えんような。ホップ中の撮影なんで、高度がわからんことにはスケールもわからんけど、そんなに高く飛び上がるもんなのかなーというのも含めて、そこまででっかい岩なのかなぁと。ミネルバ II 1 のホップ移動の水平距離は最大で 15m くらいだそうで。射出角 45° とすると、最大高度は飛距離の4分の1で 3.75m と出た。

建物の2階に立って見た風景だとすると、やっぱし数十メートルはないだろ。ああでもレンズが広角だからな。でっかいものも小さく見えてしまうっつうのもあるか。いやーそれにしても、という感じ。

射出角がもっと立ってると到達高度も上がるけど、ミネルバ II の構造上、それはあんましないんじゃないかと。

もっとスケール感がわかるミネルバ II 画像もあったな。自身の影が映り込んでるやつ。

画像右寄りで、棒状のがミネルバ II のカドから生えてるトゲの1本。三角のが通信アンテナ。ミネルバ II の想像図から、ピンの長さは 2cm くらいらしい。そこからの想像で、ミネルバに見えてる地面は着地時でせいぜい 10cm 四方くらいなんじゃないかと。この画像で、ミネルバ II 自身の影がおもっきし見切れてるしな。

で、たぶんミネルバ画像はカマキリの視界くらいの広がりなんじゃないかと。

はやぶさ2本体が上空から撮った最接近画像は、1cm 単位まではさすがにくっきり見分けがつかなさそう。

間を埋めるスケールの画像が欲しいというか。おいらが個人的に見たいっつうだけだけど。

銘板左端銘板銘板右端

しかし一番上に出した、ミネルバ II 1 の活躍の想像図、やっぱしというか砂地なんだな。それが、全部が全部、岩しかない星だったとは。

初代 はやぶさ にまつわるあれこれで流行語になったのは「こんなこともあろうかと」。

小惑星リュウグウの姿については「こんなこともあるのかと」って感じですか。

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2018.11.6 火曜
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そろそろベンヌ 4

「小惑星の表面は砂地のはず」教のもう一方の雄、アメリカ。実際、過去に探査した大型の小惑星がみんなそうだったもんだから、その思いもまた強かろうと。

探査機オサイリス・レックスが、もうすぐ小惑星ベンヌに着こうかっつう頃合い。アメリカにとって今回初めて、直径が 100m オーダーの小型の小惑星の探査を始めるところ。

ベンヌの画像、オサレクから来ましたですよ。画像というか、自転動画も早速来てたんでソッコーがめさせていただいた。

おお、これはこれは……。

形も表面の様子もリュウグウそっくり。そろばん玉型(コマ型)でゴツゴツ表面。なんか申し訳ないけど笑っちまったですよ。あーあそっちも当てにしてた砂地がパアって感じですな。

自転方向は地球と同じかな。この動画の上下の向きがわからんけど。地球と同じだとしたら、そこはリュウグウとは逆ですな。

リュウグウがそろばん玉型なのは意外だったらしいけど、ベンヌは星のサイズと自転周期の条件が揃ってて、「きっとそろばん玉型(コマ型)のはず」と予測されてた。うまく当たりましたな。けど表面状態は問題アリかも。

100m オーダーの小惑星を過去に近接探査した例は、初代 はやぶさ によるイトカワしかない。イトカワは変則的な形をしてたんで土地によって表面状態が違ってて、その中で平地が一応あった。砂地ではなかったけど、玉砂利を敷き詰めました的な場所で。はやぶさ はそこに着陸してサンプルを取った。

てことでその時点での人類の知識は「全面砂地な大型の小惑星と違って、小型の小惑星は案外岩むき出しのゴツゴツ。でも平地はある。多くの場合で砂地もあるはず。イトカワはたまたま砂地に恵まれていない星。ひょっとしてイトカワだけ例外的にゴツゴツなのかも」あたりだったかと。

その後リュウグウを地上から観測した結果、岩がちらしいってことも判明してた。けど砂地があるのかどうかまでは、はやぶさ2が近接観測するまでお預けの形になってた。とりあえず はやぶさ2チームは「砂地くらいあるだろう」みたいに思ってた感じ。

ついこないだの今年の6月、はやぶさ2がリュウグウまで 20km の距離で撮った写真から判明したのは、「球形に近い小型小惑星はほとんど岩場しかない。砂地は、砂の平地は……、もっと近づけば小さいのがあるかもだけど今のとこ見当たらない」。

そして9月と10月、ローバーと着陸機の撮影と、探査機本体の最接近撮影が結論を出した。「砂なんてない。どこもかしこも岩しかない」。

その頃オサレクはとっくに打ち上げ後どころか地球スイングバイまで終えて、ベンヌへ向かってる最中だった。

オサレクのサンプル採取機構は、砂地の想定で設計されてしまってるわけで。

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2018.11.7 水曜
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そろそろベンヌ 5

ベンヌに近づいて調べれば、もしかしたらサンプル採りに適した場所が見つかるかも。けどベンヌの自転動画を見た感じだと、表面状態はリュウグウと似てる。

オサレクチームはサンプル採取量を最低 60g、最大 2kg を見込んでる。小惑星サンプルリターン分野で はやぶさ シリーズに出遅れてしまった分を量でカバーしようってことだと思う(はやぶさ2 の採取量の目標は 1g 超)

んでそれに合わせた形で、両チームはサンプル交換の協定を締結済み。その内容は。(2018.12.16 補足: 以下の情報・見解は間違いを含んでいます。0.3g じゃなく 0.5% でした。2018.12.5 のログ にて)

これってもしオサレクがサンプルを 0.3g 以下しか取れないと日本が総取りになるっつう、アメリカにとってなんだか危うい約束に思える。総量 0.5g でも、半分以上を日本に渡さなきゃいかんわけで。それだけオサレクチームはサンプル大量ゲットに自信があったってことなんだろう。

けどその自信の根拠は「どの小惑星も表面に砂があるはず」。それはついぞ先月あたりに「過去のもの」確定となった考え方。そしてベンヌもいざ見てみたら砂地がなさそう。

オサレクチームにとって、ちょいと雲行きが怪しくなってきたような。

銘板左端銘板銘板右端

先行と後追いってこういう関係になりがちなのかもな。

日本の新幹線は言わずと知れた世界最古の高速鉄道。もはや世界最速じゃないけど、これ以上の速度を求める意味をあまり感じてないような(リニアモーターカーが準備中だしな)。一方、海外の高速鉄道は後発組ほど速度にこだわる感じがする。

後発は一番乗りを名乗れないぶん、性能でのわかりやすい数字でアピールしたくなるんだろうなとか。

高速鉄道で言うと、その傾向の裏には何らかの何らかがあるような。営業速度最速を誇る中国、スペインともに、けっこう杜撰な原因で大事故をやらかしてるわな。後発であることの焦りなんかが、物事の優先順位をひっくり返してるような。

そういやリニアモーターカー部門も、イーロン・マスクが日本に対抗意識を燃やして、もっと速い「ハイパーループ」を開発中ですな。やっぱし速さで上回る方向なんだ。

けどハイパーループってけっこう無理がありそうに思うが。路線内全部を減圧するコスト、減圧に対応した車両と駅と路線の構造とコスト、に対して、1編成あたりの座席数の少なさ。コンコルド的な何かを感じさせるような。

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2018.11.8 木曜
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ネタのリュウグウ

ちょ、一瞬信じてしまったよ。

New photos fresh from the Minerva-II1A rover that just landed on Ryugu!! - imgur

「リュウグウに着陸したてのミネルバ II 1A ローバーから届いたばかりの新たな写真」ってさ、うおおおリュウグウの表面こんなだったんだーとか思ったりしてさ。

けど……、

現場で行き当たりばったりで撮った写真として美麗すぎる謎。

照明の光源を考えると、何やら説明がつかなさそうな謎。

決め手は 4272 × 2848 の超高解像度。

ミネルバ II 1 にそんなごっついカメラないし。

コーヒーカスか何かですかね。

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2018.11.9 金曜
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ミネルバ II 2 の実情 1

ミネルバ II 2 のほうは不具合があったのか。

はやぶさ2搭載の小型ローバー「MINERVA-II2」に不具合、復旧は困難か - マイナビニュース

状況はあまり芳しくない感じ。開発の最終段階で見つかった、回路の不安定性の解決が締め切りに間に合わず、そのまま はやぶさ2に搭載してしまったらしく。んで軌道上で何度かチェックしたけど、うまいことにはなってないのを確認、という状況のまま今に至る。

成功を収めたミネルバ II 1A/B (ISAS が開発)の話題が分離の少し前から盛り上がってた頃、分離後の A, B の2機が送ってきたかっこいい写真がバンバカ公開されてた頃、II 2 の話題があまり出てこないのが不思議だった。普通なら勢いに乗ってる段階で II 2 にも話題を振って、事前告知に務めて期待を煽るもんなんじゃないのかと。

その後 MASCOT の運用を優先させたのも、それがチームにとって一番都合がいいんだろうくらいにしか思ってなかった。その一方、II 2 の出番の予定があまりにも遅い感じがしてた。

そういう事情だったか。

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2018.11.10 土曜
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ミネルバ II 2 の実情 2

はやぶさ2のスケジュール上、今は合運用前。あまりニュースが多く出ない閑散期の入りばな。「心苦しい発表は、このタイミングに出しとくのが最良」っつう見方もあったのかもね。

関係者は本番前に科学的というか工学的な解決策を見出す努力をしてる一方、もしかしたら分離後に電源が太陽電池に切り替われば改善されるかもっつう期待も持ってる感じだね。今のところ投下予定は来年7月。時間はまだかなりある。解決策が見つかるといいな。

世の中の受け入れ方はたぶん、そんなにキツイものではないだろうと。テンション下がってる時期の発表だし。先にミネルバ II 1 と MASCOT が大成果を挙げて、はやぶさ2のローバー・着陸機ミッションについてはもうおなかいっぱい状態だし。何より、JAXA や企業じゃなく大学が作ったものだし。鳥人間コンテスト初出場チームみたいに、「作って参加できただけで上出来。うまくいかなくてもしょうがないだろ」なんて受け止められ方になるんじゃないかと。

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2018.11.11 日曜
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ミネルバ II 2 の実情 3

しかしミネルバ II 2 の開発費2000万円って(読売新聞の記事)、相変わらず唖然級の超低予算だな。大学だから人件費がほとんどタダってのはあるか。

おお、3機のミネルバ II の予算って はやぶさ2本体とは別枠だったんだ。

第9回小型ローバMINERVA-II - ファン!ファン!JAXA!

別枠なのに超安い……。

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2018.11.12 月曜
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空から降ってくる虎マジックボトル 1

国際宇宙ステーション(ISS)からの日本の再突入カプセル、無事に回収できたみたいだね。めでたしめでたし。

タイガー魔法瓶の株、爆騰じゃないだろうか。

けどとりあえず「日本初」と言ってはいるものの、今回は ISS からの回収が、という意味だわな。軌道上からだと、古くは H-IIA ロケット3号機で打ち上げた USERS っつう低軌道衛星が無人で軌道上実験したのち、試料を入れたカプセルを分離して再突入、回収に無事成功してる。これが2003年9月。そして初代 はやぶさ の再突入カプセル。2010年6月。

今回が3例目ですな。それまでも観測用ロケットで弾道軌道からってのは何回もあったらしく。あと2002年に H-IIA 2号機で打ち上げた DASH という再突入試験機は はやぶさ のカプセルのための実証機だったけど、ロケットからの分離に失敗して再突入できなかった。

もっと前だと、ISAS の M3S-II ロケット8号機で打ち上げた再突入カプセル EXPRESS ってのもあったな(1995年)。ロシア製の再突入カプセルをドイツが購入して実験設備を乗せて、打ち上げを日本に依頼っつう形だった。再突入実験は日独共同を予定。けど打ち上げ失敗でカプセルは行方不明になった。打ち上げから1年後、実はアフリカのガーナの村の畑にパラシュートを開いて無事着陸してて、村で保管されてることが判明。それを回収して、とりあえず再突入・回収の知見がそれなりに得られたらしい。

日本版スペースシャトル HOPE の要素実証試験機で HYFLEX(1996年)もあった。弾道飛行だったけど、高速で再突入して操舵と操縦性をチェックした。当初は太平洋に着水したらそのまま放棄する予定が、開発途中で洋上回収する方向に変更。浮き袋やザイルを追加で取り付けた。必要なデータは降下中に全部テレメトリで取れて、さぁ着水したってんで船で回収に行ってみたら、そこには浮き袋しかなかった。機体と浮き袋とをつなぐザイルが切れてた。

海面に浮いてる間、ザイルが機体の尾翼に当たってて、波の力でギコギコブッツンしてしまったらしく。機体は深海に沈んでしまって回収は断念。

機体の回収は追加というかオマケというかだったのに、マスコミは容赦なく「失敗」と叩いた。そういう時代でしたなぁ。

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2018.11.13 火曜
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空から降ってくる虎マジックボトル 2

HYFLEX の前に OREX(愛称「りゅうせい」)っつう再突入試験機も運用したことがあったな(1994年)。これは最初から回収なしで、中華鍋型の再突入機で基礎データを取る、というやつ。HOPE 開発のための実験だったけど、今回成功した再突入カプセルは軌道の条件も機体の形状も りゅうせい と近いんで、ここから得た知見がかなり入ってるんじゃないかと。

1994〜1996年と2002〜03年。ここらへんで NASDA、ISAS ともに大気圏再突入の試みを集中的にやっとったと。ってこれ妙にアレな時期な気がするが。

どっちも日本の宇宙開発の、2回あった厳しい冬の時代の寸前というか。別に再突入実験が冬を招いたわけじゃないけどさ。

きっと再突入技術の習得ウンヌンって日本にとって新技術なもんだから、主流のプロジェクトがうまくいってて余裕と勢いがあるときにしか進められなかったんじゃないかなと。

1990年代半ばの NASDA, ISAS とも、ロケットの大型化を進めてたり完成したばかりだったり。合わせて衛星も大型化路線に舵を切ったばかりで、経験不足で不安定な時期でもあった。「うまくいってると思ったらいきなり……」って展開でな。それで再突入系の技術・経験の蓄積が進みにくくもあったってことかも。

ロケットや衛星・探査機が「行き」なら再突入は「帰り」。宇宙技術開発は、無人ならとりあえず「行き」を攻めるだけで当面どうにかなる。その「行き」で問題が出てしまうなら、そこの完成度を高めるのが先。「帰り」の技術開発は後回し。そんな感じじゃないかと。

さて今回の再突入カプセルの最大積載量は 20kg らしい。ロシアのプログレス M だと、地球に持ち帰れる量は 150kg。アメリカのスペース X ドラゴンだと3トン。日本のは今のとこダントツに小さい。その一方、「行き」の こうのとり は ISS の現役補給機で積載量が一番でっかい。行きは最大、帰りは最小。日本の宇宙技術の偏り具合を如実に表しとりますな。

プログレス M もドラゴンも、ISS にドッキングする貨物区画そのものが再突入カプセルだからな。対して日本の場合、再突入カプセルを別個な積荷として こうのとり の中に入れて運ぶスタイルだから、どうしてもそうなってしまう。そして再突入技術の蓄積があまりないってのもあり、こういう形になった。

かつては、米ロの補給機みたいに こうのとり の与圧部全部を再突入カプセルにする案も出てた。けど同時に提案された、小型カプセルを積荷として運ぶ案が、開発のリスクとコストが小さい → 実現のハードルが低い → つまり手っ取り早い ってことで採用されたわけで。

この形式だと、こうのとり で運んだ再突入カプセルはいったん ISS の中に入れる形になるから、最大サイズはドッキングポートの寸法未満っつう制限がある。現状で制限ギリギリなのかはわからんが、大型化については伸び代があんましない形式ではある。ほんと「とりあえずの形」なわけで。それでも使っていけば、そのぶんの物資回収はできるし、ノウハウも溜め込める。今回日本で初めて、再突入時に揚力を使ってコースを制御できたし(という発表だけど、過去に HYFLEX がそういうことをしたわけで。けど HYFLEX は弾道飛翔だった。「衛星軌道からの再突入で、日本で初めて」ということかな)

再突入技術は今までは断片的に要素技術を得てきたのが、ここへきて断片要素同士をまとめて下地にして、その下地に新技術(揚力操縦と、タイガー魔法瓶と共同開発の断熱技術)を盛って、一気に実用レベルに持ってきた感じでもあるね。

てことで既存の ISS 発の再突入カプセルよりだいぶ小さいけど、海外の回収手段に頼るしかなかった状況からは脱却できた。ここは「帰りの輸送手段が」「大きい/小さい」の量的な違いよりも、「ある/ない」の質的な違いに着目したほうがよさそうだね。

銘板
2018.11.14 水曜
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空から降ってくる虎マジックボトル 3

今回のニュースじゃ「再突入カプセル技術を持つのは米ロに続いて3番目」なんて言ってたりするけど、中国を忘れてるだろ。あの国のカプセルは人を乗せて再突入してるが。

「ISS からの再突入カプセル技術は……」「無人の……」だよな。つか「無人の……」だと はやぶさ が2010年にやってるが。しかも地球の重力圏の外から。ていうか USERS が2003年に……とか蒸し返したりして。

今回は再突入中に揚力の制御で操縦したのが日本初だったわけで。USERS も はやぶさ も、そこはできてなかったと。

はやぶさ のカプセルは見事に予定地の真ん中に着陸したけど、かなり深い進入角度で再突入したからできた技で。進入角度を深く設定した主な理由はカプセル内の加熱を抑えることだったけど、大気圏内での操縦なしで着陸の位置精度を高めるのにも役に立った。

これが地球の低軌道からの再突入だと、浅い角度で進入するしかない。こうなると着陸・着水地点の位置精度が落ちてしまう。カプセルを探す手間がかかってしまう。地上に着陸だと探す時間をかけられるけど、海に着水だと、もたもたしてると沈んでしまうかも。流れてしまうかも。てことで、大気圏内で操縦できたほうが後々の効率がいいわけで。

中国は有人の再突入カプセルで、とっくに揚力で操縦してるだろ。国の威信と国の英雄の命が賭かってるからな。地上に降りるとはいえ、位置精度が悪くてどこらへんに降りるかわからないってのはリスクありすぎなんで。

てことは日本は今回の成功で、ちょっと中国に追いついた形。日本は相変わらず独自の有人計画を持ってないけど、部分的にだけどまたひとつ必須技術を手にしましたですな。まー今のままじゃ人が乗るには小さすぎるし、着水時の衝撃 40G ってのも人が耐えられるものじゃないけど、ここをやっとかないと有人に繋がらんからな。

しかし着水場所が南鳥島の沖合 660km の地点だったそうで、なんでそこまで不便な場所にしたのかと。

日本の領土で唯一、日本海溝・小笠原海溝の向こう側にある。そして排他的経済水域が唯一、日本の本土のやつと繋がってない。そのくらい離れてる。日本国内で最も「絶海の孤島」。それが南鳥島。ということらしい。

んでカプセルを洋上回収したら、南鳥島にカプセルの中身の貨物だけを陸揚げする。カプセルは回収船にまた乗せて、時間をかけて本土へ帰る。再利用するかはわからんけど、状態を確かめるのに必要だろと。肝心の貨物は、南鳥島から飛行機のチャーター便で急いで茨城空港へ。そして筑波の JAXA 本部へ。

銘板
2018.11.15 木曜
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空から降ってくる虎マジックボトル 4

南鳥島には、そこを現住所に登録してる住民がいない。基本、出向の公務員しかいない。主に気象庁と自衛隊の方々。あと何らかのジャンルの科学研究者もいらっしゃるかも。住民じゃなく滞在者なわけで。一般人が観光で上陸することもない(国からそう簡単には許可が下りないらしい)。てことで、飛行機はどっちみちチャーター便しかない。

アメリカやロシアに貨物を降ろして日本へ運ぶよりも距離も時間も断然短いけど、コストじゃそんなに変わらん気もする。

今回は大事を取って、ここまでの僻地を選んだんじゃないかと。USER のカプセルは小笠原諸島沖に降ろしたらしい。揚力操縦なしでそのくらいの精度を出せるんなら、次からはもっと近くでも良さそうだね。航空機の航路を避けないといかんから制限があるだろうけど、USERS でやれた小笠原沖なら、かなり便利がいいんじゃないかと思うが。

いやいや、USERS は種子島から打ったから、軌道の北限が種子島の緯度だったはず。てことは、再突入コースは本土には引っかからずに済んだはず。

ISS の軌道傾斜角は約 52°。日本の近くだと、樺太の北のほうがその緯度。今回は日本の北陸地方の上空から再突入を始めたらしく。本州上空を横断してるんですな。しかも首都圏近くをかすめてる。ただ南鳥島は日本の本土から大きく南東に外れてるんで、本土上空を通るときは高度が充分あるわけで。そこからいきなり直下に墜落ってのはありえないんで。着水点が小笠原沖だと関西地方上空を通ることになるかと。本土との距離が南鳥島より近い分、本土上空通過の高度が下がる。飛行機の航路が……ちょっと怖いような気もしてきた。

いやいや、ISS 軌道から小笠原諸島や南鳥島近辺に着水するには、今回みたいな北西からの進入の他に南西からのルートも考えられる。安全を考えると南西ルートのほうがいいような気もしてきた。小笠原だと南西ルート限定ですかね。

いやいや、今回は大事を取って南鳥島なんなら、もっと大事を取れば南西ルートになってたはず。なんでわざわざ本土横断の北西ルートなんだ?

本土の充実装備で再突入の飛跡を観測したかったからかな。コース取りと自動操縦ぶりの観測。機体で取れた主観データと、外から観測した客観データを後で照らし合わせて精度を見るためとか。

いやいや、着水後のカプセル捜索を考えると昼間の再突入のはずだろ。昼間じゃ青く光る空の中の様子はよく見えんだろ。

いやいや、再突入時に長く伸びるプラズマの尾(はやぶさ の再突入映像でおなじみ)は電波をよく反射しそうな気がする。じゃあレーダーでカプセルの飛跡を観測したんじゃないのか、ってことになる。たぶんそれかな?

銘板
2018.11.16 金曜
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空から降ってくる虎マジックボトル 5

そういや再突入とは関係ないけど、2003年からの日本の宇宙開発にとって2度目の冬の時期は、宇宙三機関統合で JAXA が誕生した直後に訪れたんだよな。

ここで新生 JAXA が始めたのは対外イメージアップ。マスコミに広告費をぶち込むようにした。これがよく効いて、マスコミや世間から揚げ足を取られることがなくなった。仕事しやすくなった。職員が素直に誇りを持てるようになった。

それもあってか、以後は旧 NASDA 系は大きな失敗なく順調に計画・開発を進めてる。そんな JAXA をマスコミは大いに持ち上げてくれてる(ここが広告費投入効果)。ISAS 探査機の場合、不具合が相次いでた はやぶさ をマスコミは神様のように祭り上げ(ファンが増えつつ盛り上がってたんで同調したってのもあるが)、あかつき の金星周回軌道投入失敗にもすかさず激励と応援を送る、という展開に。

X 線天文衛星 ひとみ 全損事故も、けっこうアレな事故原因だったにもかかわらず、主要マスコミは公式発表を淡々と報道したのみ。これが1990年代だったら、「税金の無駄遣い」「○○○億円が宇宙のゴミに」「杜撰な管理体制」とか、ジャンル外の識者のコラムや社説で「このような体たらくでは困る」「気の緩みを引き締めろ」なんてぼんやりした批評で散々叩かれてたパターンだったはずだが。

日本国民の大部分は宇宙開発への関心が特には高いわけじゃないんで、マスコミが「こうだ」と言えば世論は「そういうもんかな」と追従してしまう。H-II ロケットや 火星探査機 のぞみ への冷たいあしらいから、まさに手のひらを返したわけで。世の中ゼニや。

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2018.11.17 土曜
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空から降ってくる虎マジックボトル 6

再突入カプセルを船で回収した現場で、カプセルの中身をドローン飛行機に積み替えて、そのまま本土に飛ばすってのはどうかと。近くの島に立ち寄って積み下ろしする手間が省けるが。

カタパルトだと離陸滑走距離そんなにいらんし。なんなら水上機でも。離水したらフロートを捨てて茨城空港へ直行。なんなら着陸行程をパラシュートにすれば、JAXA 敷地内に直接行けたりしてな。

JAXA = 宇宙 航空 研究開発機構なんだから、きっとそのくらい開発できるでしょ。パラシュートで敷地内にピンポイント着陸は、JAXA 筑波宇宙センターの航空写真を見たらば、充分行けそうな土地面積と空き地がある感じ。けど周囲が住宅地ってのは認可を取りにくいかな。

お、霞ヶ浦まで直線距離 6km ほどの立地。フロートを捨てず、ここに着水でもいいかと。

銘板
2018.11.18 日曜
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あまり考えたくない生物学的現実 1

学術の世界だと、宇宙生物学ってのがけっこう盛り上がってるらしく。地球外に生命があるのだとしたら「どんな形態なのか」を科学的に想像したり、生命の発生・維持に適した地球外環境を設定したり、とからしい。今のとこそういう地球外生命は見つかってないけど、この研究を積んどくと、「あの星にはもしかしたらこういうのがいるかも」「その星には絶対いないっしょ」っう判断がしやすいわけで。

地球外生命探索って、とりあえずは地球型生命を探してるわけで。地球人が知ってる実例が地球型生命しかないもんだから、しょうがないっちゃしょうがない。

地球型生命ってのは、タンパク質でできた体で、代謝で生命維持して、代謝には酸素が必要とは限らないけど水が必要で、DNA か RNA に書き込んである遺伝情報のコピーで繁殖して、だから元素のリンも必要で、という形。

地球型以外の生命らしきものが見つかったとしても、まずそれを生命と呼べるのかどうかを考えなきゃいかんわけで。

むしろ地球に確かにいる生き物らしきもので、ウイルスってがある。こいつらは生物学で扱う範疇なんだけど、生物の定義を満たしてない(代謝しない)んで生物か非生物かの判断が微妙だったりする。けどウイルスも、RNA に書いてある遺伝情報をコピーして繁殖する。RNA に載ってる情報の記述様式も地球型生物そのものらしい。

ウイルスみたいに生物としての条件を満たしてない微妙なやつでさえ、備えてるものはきっちり共通っつう事実。やっぱし地球型生命は、大括りで1種類しかない。

んで知ってる唯一の例とはいえ、地球型は現実に生命として成り立ってるんで、やっぱし地球型と同じものを探したくなるわけで。

けどなんで地球型生命って1種類しかないんだろ。この星の環境に適応した形で、物理・化学的に矛盾なく成り立つ形として地球型生命があるのはわかるけど、地球上に複数の型の生命がいてもおかしくはないような。けど1種類しかない。

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2018.11.19 月曜
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あまり考えたくない生物学的現実 2

過去にその他が試された時期もあったのかもだけど、今はこの種類だけ。化石を探しても、かつて違う型の生命体が存在した痕跡もないっぽい。あっても気づかないだけかもだけど。

早合点すると、この1種類の型しか発生・存続が成り立たないってことかと。やっぱし早合点と思いたいけど、とりあえず地球環境下での自然発生だと、現行の型の生命1種類しか成り立たなかったっつう結果になってる。

30年くらい前、炭素じゃなくケイ素を主体にした体の宇宙生命体の可能性が議論されたことがあるらしい。有機物の炭素をケイ素に置き換えたものってことで。化学的な原子の結合の腕が同じく4つだから、できないことはなさそうってことで。そういう生命が文明を発展させてる星があるかもみたいなノリで。

けど原子の特性がやっぱし異なってる部分があって、のちの研究で、それで生命は成り立たないことが証明されたような。

"We are not alone."

って言葉の原典は知らんけど、意訳すると「宇宙にいるのは人類だけじゃない」らしい。ちなみに直訳は「我々は孤独ではない」。

おいらがこの言葉を知ったのは、少年チャンピオンの連載漫画『らんぽう』の第1巻でだったwwwww 当時の流行り言葉だったんだろうな。つかあの漫画めっさ面白かったww Amazon で中古売ってるかな。

つか Weblio 辞書 だと作品名として『僕らはみんな生きている』だそうな。なるほどー。

けど今のとこの結果として、実際に生命がいる地球には1種類しかなくて、地球外だとまだ地球と同じ型もそれ以外も1例も見つかってない。

火星や金星に探査機が飛ぶ前は「もしかして」と考えられてたらしい。てことは1950年代あたりまでは「もしかして」と思われてたってこと。

タコ型火星人は H. G. ウェルズの創作だけど、何か複雑な多細胞生物くらいはいるかも、ひょっとして高度な都市文明が、とか。金星の厚い雲の下には恐竜がのし歩いてるかも、いやいや性別が7つもある生き物がいるかも、とか想像されてたりしたらしい。けどどっちも適わず。

銘板
2018.11.20 火曜
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あまり考えたくない生物学的現実 3

火星は今もまだ、地下に微生物くらいは、とか、太古は地磁気も海も厚い大気もあったらしいからその頃の生物の痕跡はあるかも、とかで辛うじて希望が潰えてはいない状態。けど金星は絶望だね。これまた太古に温暖期があったかも、とも考えられてるけど、高圧灼熱硫酸地獄になってから久しいらしいんで、かつて生命があったとしても痕跡さえ残ってなさそう。

ってここでも、前提として地球型生命が、火星や金星にいるんじゃないのか、なんだよいないのかな、っつう話になってる気がする。

いやほんと早合点なんだけど、生命溢れるこの惑星に、広義でたったの1種類しか生命の型がないっつう事実。タンパク質を少なくともメインでは使わない生物とか、DNA や RNA 以外で遺伝情報を保持して繁殖する生物とかって、いてもよさげなのに、なんでいないのか。

生命が発生・維持できる環境って、地球型の場合はかなり厳しいような感じなんだけど。この惑星の両隣の惑星でさえほぼアウトってのは。しかも本拠地でさえ単一の共通祖先を持つ1種類しか成り立たないってのは。

それこそ宇宙生物学に答えていただきたい疑問なんだけども。

けどおいらでさえそう思うってことは、本職の宇宙生物学者はこんな程度の疑問を乗り越えて、もっと突っ込んだこと考えてるはずなわけで。

けどどーもすっきりしなくて。

早く地球外生命が見つかってくれよ。それが一番すっきりすると思う。

すっきりしなさの原因って、結局は実績ゼロだからってことなんじゃないのかと。

銘板
2018.11.21 水曜
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あまり考えたくない生物学的現実 4

「ないんじゃないか」とされるものを「ある」とするのに、学術界だと「創作」っつう動きがあったりしますな。「捏造」とも言うけど。

いやさ、もしどんだけ探しても地球外生命が見つからない場合、現行の地球型以外の生命を人工的に創り出すっつうのもアリなのかなと。

この現状だと「地球型以外は生命として成り立たない」って結論になってしまいそうだけど、それ以外の型だってちゃんと成り立つんだぞっつう証明にはなるな。

っていやその「創作」じゃないけど、なんかそれっぽい話があったよな。現行の地球型では考えられない特異な生物が地球上で発見されたとか。

……、

……、

……。

NASA だ。NASA のお騒がせ確信犯ニュースだ。あれって2010年だったかな。ああこれだよこれ。くそったれが。

NASA、地球外生命体探査に影響を及ぼす研究成果発表へ - AstroArts

特異なバクテリアを発見、猛毒のヒ素をDNAや細胞膜に取り込み成長 - AstroArts

発表が日本時間の早朝ってので、夜型のくせにめっさ早起きして、速報が出るの PC に向かってずっと待ってたですよ。結果を見て「NASA ざげんなぐぬやるぉぁぁぁ!」と叫んだですよ。たぶん世界同時多発でそんな人続出だったかと。

しかも後でこの研究、間違いだとか言われてたな。ヒ素は観察環境でのコンタミだった可能性が高いとかで。

このバクテリアも困ったろうな。身に覚えのないガセネタで注目されるなんてさ。

おいら中学のみぎり、「体育館でダンクシュートをキメた」と噂になったことあったよ。できるわけねーだろバスケなんてルールもろくに知らねーよ本人でさえそんな姿想像もできねーよっつか体つき見た瞬間不可能だってすぐわかれよボケナスどもが。

件のバクテリアさんもさぞかしそんな気持ちになられたことだろう。

……、

……、

……。

ちょっと落ち着いてきたぞ。よしよし。なんだか多重フラッシュバックな憤りに、しばし我を忘れとったですよ。

NASA としても、普通の地球型生物じゃあり得ない元素を使う生物が地球上にいたら、それが生命として成り立つことの実証になるから、そのぶん地球外生命の定義を広げられるっつうつもりなんだなーとわかる。だからこその「地球外生命体探査に影響を及ぼす研究成果」ってことだったんだろう。たぶんガセだったけども。

それにしても NASA が発表ってことで、要らぬ期待をかけられたネタでしたなぁ。つか NASA もわかっててやった節があるからな。しかもこのあと2回くらい似たようなことやらかしてな。この10年以上前にも火星由来隕石でまた似たようなことやったし。

真意は「予算もっとちょうだい」だったんだろうなーって感じでな。けど同じ手口を繰り返すもんだから、「いいかげんにしろ」(裏拳)状態になっちまってな。かえって地球外生物ネタの発表は怪しまれる方向に行ってしまったと。

自業自得ですな。

あーなんか書きながら調べたら、ちょっと見つけたわ。

NASAが「地球外生命体の存在を認めざるを得ない」 という公式見解を発表、ヒ素を吸収し生命維持できるバクテリアの存在を確認 - カラパイア

このカラパイア記事は、おいらが上に書いた内容そのまんまが書いてあるよ。

Wikiepdia「GFAJ-1

「しかし2012年になって、この説は否定的となった。名前は『Give Felisa AJob(フェリッサに仕事をあげて)』の頭文字から」

やっぱり否定されたんだ。つか命名由来こんなテキトーでいいのかよ。

追試の判定は「なわけーだろ」だったと。

てことは、"We are still alone." ってことで。

銘板
2018.11.22 木曜
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あまり考えたくない生物学的現実 5

もし異星文明のなにがしかが地球を訪れるんだとしたら、それは生身の本体じゃなくロボットなのかもなとか。

いやさ、今はほとんど太陽系内ばっかしだけど、実際に地球人が宇宙へ進出してるわけでさ。けどこれがまた最前線は全部ロボットだからな。探査機。地球人が体ごと行けた異星ってまだ月だけだから。アポロ計画ですな。

人類は、っつうか地球型生命は地球外の環境に適してないんで、宇宙で生きていくには、それ用の環境を提供する入れ物の中にいないといけない。そのためだけに膨大な装備が要るってわけで。ロボットやドローンだとそこらへんかなり自由度が上がる。装備自体の機能を保てればいいわけで、生命維持に比べてハードルがだいぶ低いわけで。

SF 作品には、コンピュータ内かネット内に意識を移植した人物が出てきたりしますな。

じゃあさ、将来の深宇宙探査って、人間の意識がインストールされてたりしてな。今の無人探査機の歯がゆいところって、融通が利かないことなわけで。あんまし頭が良くなくて、現地で自分で考えて適切に判断する機能がどうもイマイチでな。そこは地上のスタッフが代行する形だけど、遠さが障害にもなるわけで。何十分ものタイムラグと少ない通信量。

現場の判断に任せて、地上スタッフは事後報告を待つ、というのをやれてはいるけど、人間がやるほど高度なものはできてない。はやぶさ2の着陸行程は、ギリギリまで人間が関与する形になるらしく。そこから先はタイムラグの関係で地上からの指示が間に合わんから、はやぶさ2自身が自律的に判断すると。初代 はやぶさ でもそうだったけど、2はかなり性能が上がってるわけで。ただし今回の小惑星リュウグウはイトカワ以上の相当な難物……という展開ですな。

んでまぁイトカワやリュウグウに知的生命体がいる仮定で、自分が住んでるところに突如やってきた異星文明からの使者はロボットだったってわけで。

てことで、ある日地球に異星文明からの使者が来たとして、それはロボットの可能性が高いんじゃないかな。きっと太陽系外から来たロボットってことで、はやぶさ シリーズをはるかに超える知性を持ってるだろうな。通信のタイムラグや細さを考えると、地球人並みに高度な自己判断ができる独自の知性を持ってるだろうな。

はやぶさシリーズは1個の小惑星に1機。予算の都合ってやつで。異星文明が貨幣文化かどうか知らんけど、地球に1機で来ると決まっちゃいないわけで。バックアップ含めて、一挙にいっぱい来るかもな。

つか はやぶさ2は探査機計画として1機だけど、既にローバーと着陸機を3機も投下しとりますな。ターゲットマーカーも1個投下済み。これからは、本体が1〜3回着陸して、そのたびに弾丸を撃つ予定。その間に表面を1回爆破する予定。ターゲットマーカーを最大あと4個投下予定。さらに1機、動作が怪しいローバー投入予定。

リュウグウ星人にとっては侵略戦争を仕掛けられてる状況そのものじゃないかとww はやぶさ2が去れば、そこから何十年かは地球人のロボットがリュウグウをいじりに行くことはなさそうだけど。

銘板
2018.11.23 金曜
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まだ年の瀬じゃないのにそれっぽい事件

せっかちな日産。除夜の鐘にはまだ早いだろゴーーーーーン。

どうすんだろ日産。けど罪人を大企業のトップに据え置くってのは、少なくとも日本じゃちょっとアレだろ。大企業ほど企業イメージ大事だし。

けど面白いなーと思うのは、おいら中古の日産ティーダに乗ってるんだけどさ、今回の事件はユーザーとしては特に気になんないというか。

リコール隠しとか検査の不正とかの技術的なものだと、なんだか恥ずかしいというか、周囲にからかわれそうな気がするような。でも企業トップの脱税事件だとそこらへんは気になんないというか。不思議なもんで。中古ユーザーだしな。

おととしだったっけか、フォルクスワーゲンのディーゼル排ガス不正事件。実際に走ってるのかテストベンチに乗ってるのかをクルマ自身が判断して、ディーゼルエンジンの設定を変えてたっつうセコい不正がバレたやつ。

たまたまあのあたり、友達夫妻が遠方から遊びに来てくれてさ。たまたまそいつのクルマがフォルクスワーゲンでこれが(ガソリンエンジンだから事件に関係なし)。とりあえず容赦なく笑ってやったわ。夫妻ももう慣れたもんで、おいらと一緒に笑ってうまくいなしてたwww いやもう VW の企業イメージ、あの頃はド最低だったわな。

んでまぁ今回のゴーンさん逮捕も不正事件なんだけど、関係者おのおのがた好きにやってつかぁさい。忠臣蔵にもやっぱしちょっと早いな。

銘板
2018.11.24 土曜
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あまり考えたくない生物学的現実 6

イトカワ星人の場合、結果的にそこまですごいことはされなかったですな。

普段と変わらない黒い空に突如現れた異星からの使者は、ときどきレーザーをギラギラ光らせる。この星を調べてるっぽい。そのうち地上に何度も近づいては急いで逃げてくようになった。別にこっちからは何をしようってわけでもないのに、何を怖がってるんだか。ていうか動きがなんだかぎこちない。どこか調子が悪いのかも。
丸いものが1個放出されたけど、地面に落ちずにどっかへ飛んでった。今度はトゲトゲが生えた円筒を放ってきたけど、これまたどっかへ飛んでった。また丸いものが1個出てきて、地面にそっと落ちた。ああ、あいつはこれをやりたかったのかと思ってたら、丸いもの目がけて本体そのものが降りてきて、ついに着陸した。
っつうか二、三回バウンドして斜めな姿勢でしばらく止まってた。かと思ったら急いで飛び立ってった。また本体が降りてきて、今度は先っぽで地面にチョンと触れだけで上空へ戻ってった。その後もよくよく見てたら、体のいろんなところからガスが噴き出て、でたらめにぐるぐる回り始めた。あいつ大丈夫か?
しばらく経ったら回転がだいぶ落ち着いてきて、そのうち回転も止まって、ヨタヨタとどこかへ去ってった。見るからに危なっかしかったあいつ今どうしてるだろ。
♪元気でいるか 宇宙(そら)には慣れたか 再起動できたか 寂しかないか 燃料あるか 今度いつ帰る

おいらの脳内イトカワ星人は、はやぶさ がまたイトカワへ顔を見せに来てほしいらしいw

ハリウッドの地球侵略ものだと、いきなり大軍来襲だったり、斥候が来てからどばーっと攻めてきたりって感じか。どっちにしても星人が直接地球やすぐそばの宇宙に出張って来るんだよな。んでまぁ実際に地球が侵略される場合、来るのは無人の機械なんだろうなと。人類が排除されるのかどうかわからんけど、侵略者本人たちが地球へ来るのは安全確認できた後だろ。

侵略的だろうが友好的だろうが、結局ロボットしか来なかったりしてな。ロボットだけで維持されてる機械文明で。技術的特異点を越えた後、その星のネイティブな星人なんて、文明の発展にとって不要になってしまったとかで。

銘板左端銘板銘板右端

そういや故スティーブン・ホーキング博士は「異星人との接触は危険だ」と言ってたっけな。環境が違う星でそれぞれ独立に進化した生き物同士っつう設定だからな。論理ではわかり合えるだろうけど、感情や常識観ではわかり合えんだろ。そういう危険を言ってたんじゃないかと。

地球じゃそれは異なる生物との付き合いってことになるわけで、ペットとか家畜とか害虫とか森林とか海産物とか。そこらへん人類はけっこうわかってるつもりではあるけど、人類並みの知性を持ったやつはいないからな。

異星人の知性が地球の動物並みならいいけど、それじゃ地球にまでは来れんだろ。地球人がその星まで出張ればいいか。つか無人探査機でさえそのレベルにはないわけで。

つか人類に匹敵する/上回る他の知性を、人類はまだ知らないわけで。それに出くわしたときの人類側の混乱が怖いってのもあるかも。

銘板
2018.11.25 日曜
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世の中なかなか進まない 1

日本じゃ日産の話題がテレビや新聞を賑わしてるけど、海外だとドルチェ&ガッバーナっつうブランドの炎上がすごい話題らしく。

一晩で中国市場を全て失ってしまったドルガバ炎上事件の衝撃 - Yahoo!ニュース

おいらブランドまったくわからんので完全に他人事だけど。ほんの4時間で巨大な中国市場に嫌われてそっぽ向かれたとか。事の重大性に気づいた本人たちは、かなり早い時期に謝罪動画を公開したけど、それでももう遅かったらしい。

つかどうも騒ぎを見るに、「中国を侮辱するツイートは自分が書いたものではない」(アカウントをハッキングされた)なんて主張とか、謝罪動画で「私たちがもしあなたたちの文化の解釈を間違えていたなら」「もし間違えた表現をしてしまっていたなら」っつう仮定をわざわざ付けるとかもうなんてーか、炎上テンプレだろと。今時それかよというか。

日本の大企業はここらへん、総務や広報の部署なんかが謝罪の作法をよく知ってて、社長とかもそれによく従って、効率的に火消しするのが普通な感じだが。日本マクドナルドのアメリカ人社長もよく心得てる感じ。アメリカでも作法が浸透してるのかもな。つかアメリカだとえひめ丸事故での対応が印象的だった。米政府はそこをよくわかってたけど海軍がわかってなくて、なかなか火が消えなくてな。

日本で重大な転換点になったのは、えひめ丸事故と同じ年発生の雪印乳業食中毒事件だわな。社長も広報も対応がグダグダで、そりゃもうひどいことになっちまってな。

たぶん日本の大企業が謝罪がうまくなったのって、この事件の顛末を見て危機感を持たれた社長さんたちが多かったからじゃないかと。

銘板
2018.11.26 月曜
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世の中なかなか進まない 2

その前の日本はというと、

渡辺美智雄 - アメリカ人の経済観念に関する発言

吉村知事“ミズスマシ”発言 「軽率だった」と撤回 - 信濃毎日新聞

渡辺美智雄の場合は「誤解を与える不用意な発言があった。米国民の感情を傷つけていたとすれば遺憾」がダブルプレーのアウトですな。「誤解を与える」(「受け取る方も悪いんじゃないですか」の含み)、「感情を傷つけていたとすれば遺憾」(if 分岐を示しただけ。「遺憾」に至るには if が yes という条件が必要だが、その条件が成立してるかどうかをボカしてる。今回のドルチェ&ガッバーナも同じ)

吉村知事の場合、「若干」で言い訳がましくなってるのがまずい。「ほんのちょっとのことでしょ」と。それ自分で言っちゃ謝罪の意味がないでしょ。って本人は「謝罪ではない」としてたりして。記事には出てないけど、「ミズスマシを尊敬している」なんつうあからさまな逆ギレ発言もあったりしてな。

インチキ・ゴマカシと取れてしまうこの手の言動って、この場合は禁物と思うが。相手に見せなきゃいかん姿勢・態度は「この件について全部自分がかぶります」と思うが。それが「不愉快な思いや迷惑をかけた人たちから不快感・損失を取り除きたいです。だからその良からぬものは私が全部引き受けます」っつう意思表示になるってことで。とりあえずはその意思表示だけでも、相手はだいぶ安心してくれるのに。

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2018.11.27 火曜
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世の中なかなか進まない 3

なのに「確かにこっちも悪いけどあんたもいくらかは悪いんじゃないですか」で相手の不快感を消せるのかと。

当時は通じたテクニックかもしれんけど、最近じゃ謝罪の作法の重要性が知られる世の中になったっぽいわけで。雪印乳業のときはインチキはなかったと思うけど(炎上の原因は事故対応とマスコミ対応のまずさ)、「明日は我が身」と感じた人たちがこれで謝罪の作法を学ぶようになり、ついでに謝罪時にやっちゃいけないことも学び、今はインチキ謝罪を見抜く人が多くなったような。

そういや今年5月の日大アメフト部の不正タックルの件でも、対応のまずさが問題になったっけな。記者会見での日大広報部の司会者がそこらへんまったくわからん人だったらしく、火消しどころか燃料投下してしまったっつうか。本人的には大学と関係者を守ったつもりだったんだろうが、今時ありえないことやらかしたというか。

日大もドルガバもブランド商売ですな。広報部とかに、こういう時にこそブランドの価値を守る人たちを用意してなさそうですな。

なんておいらエラソーに言っといて、「じゃあお前はどうなんだ」と言われるとグウの音も出ないけど。

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2018.11.28 水曜
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世の中なかなか進まない 4

ドルガバの将来には楽観論も出てますな。

「中国差別動画」で締め出されたドルチェ&ガッバーナの哀しき未来 - 現代ビジネス

見出しは悲観的だけど、ネット上でこの見出しのリンクを見かけたらとりあえずクリックして読んでもらうためのもんだろ。このほうが関心を集められそうってわけで。

んで内容はだいたい、独自の味を持ってるブランドだし、その味は中国人受けがいいし、ほとぼりが醒めればどうにかなるでしょうって感じ。

まーそういうことかもな。そういやまた古い話だけど、サントリーの会長が東北蔑視発言したってのがあってな。当時それで東北地方でのサントリーの売り上げが壊滅的になってしまって、会長が泣いて詫びてとりあえず収まったってのがあった。

ご高齢の方の中にはいまだにサントリーを飲まない人もいるし、おいらもなんてーか、そんなに積極的にサントリー製品を買う気が起きない。他社製品で同じようなのがあったらそっち買うって感じで。サントリーにしかない製品なら買っちゃうけど。これ明らかにあの事件の影響。

けどもうずーっと前の話だし、世の中的にはそんな昔のこと気にしないで売ったり買ったりしてるっぽいような。

商売は強さが正義でもあるんで、ブランドとして勝ち組であり続ければ、消費者は「そういうもんかな」で再度受け入れたりもするんじゃないかと。

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2018.11.29 木曜
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世の中なかなか進まない 5

モヤっと気づいてたような気づいてなかったようなで、最近もうちょっとはっきりした感じの、インチキに関する法則。

「相手が話してる内容がインチキや間違いでも、同時に見せてる態度が真摯ならけっこう受け入れてしまう」

インチキするにはこれが効きそうだな。おいらやんないけど。

けど間違った内容を天然で真摯に語られると、つられてしまうってのもあって。これはやっちまいそうでな。

特に若者はこれをやりがちなわけで。熱き心を露わに浅い素人考えを語るとかさ。んでまぁその対象ジャンルに同じく素人の人たちが思わず同調して、数の圧力と声の大きさで、そのジャンルのプロに素人考えをゴリ押ししようとしちゃうわけで。

とりあえず勝手に「青春バイアス」と呼んでるわ。

青春バイアスで自分がやらかしちまうのもアレだけど、それを受ける側になっちまう時ってのもけっこうあって。これどういなしたらいいんですかね。

「やりなさい」系ゴリ押しなら、基本的な返しで「じゃあそれ自分でやってみせろ」がいいのかも。

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2018.11.30 金曜
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カギムシ

カギムシ(鉤虫)っつう生き物の存在を、ついさっき知ったとこ。

これがまあなんてーか、意外にかわいくて。けどここに画像を貼るにはちょっとかもなビジュアルでもあったり。いや正直なとこ気持ち悪さもあるんで。

興味ある人は「鉤虫」「カギムシ」で画像検索・動画検索どーぞ。

「となりのトトロ」のネコバスに似てるのもいるそうで。カラパイア記事に出てるよ。

ネコバスに似ているので「トトロ」と名付けられたカギムシが本当にかわいいぞ! - カラパイア

あんよがカワイすぎ。つか、あんよの動きもまたカワイかった。

ビロードのようになめらか、でも粘膜噴射がやばすぎる。ベルベットワームの新種「トトロカギムシ」がベトナムで発見される。 - カラパイア

この手の生き物って気持ち悪さオンリーな感じがするけど、カギムシもまた件のキモさがあるけど、なんでカワイさも感じてしまうんだろ。んー、

たぶん、

「アリやクモなどの節足動物と違って、ベルベットワームは外骨格をもっていないが、薄い皮膚で覆われたその体は液体で満たされていて、液体の加圧によって強度を保っている。静水圧で歩くことができるが、非常にゆっくりで、ずんぐりした四肢に関節はない」

ここからかな。節足動物の近縁のくせに外骨格がなくて、体に内圧をかけて体型を保ってる。足も例外でなく、その基本構造のせいか関節がない。その結果、ぬいぐるみみたいにプクプクしてるのがカワイさの理由なのかな。水風船状態というか。

けど食性は肉食獣。獲物(昆虫など)にスライミーな液体をかけてがんじがらめにして食うとな。そんなことしたら内圧を保てないだろと思うが。けどそこはうまくやってるんだろうな。捕食用の液は、体液とは独立した別の入れ物に入ってるってことかな。

あとまぁ、こんな感じの変なスタイルでも生きていけるってのは、生息域が熱帯だからこそなのかも。

熱帯は気温が恒温動物の体温に近い=酵素が活性化しやすい温度=変温動物が生きやすい=虫サイズの超小型の動物が生きやすい

ってことで。間違って八戸くんだりに来ちゃった日にゃ、冬に体の中身が凍ってしまいそうだしな。

「節足動物や緩歩類動物の祖先から枝分かれした5億4000万年前の古代から、その姿をほとんど変えずに生き残ってきた生物だ。ベルベットワームの研究によって、節足動物の進化の過程が明らかになる助けになるだろうという」

おお、生きた化石ってやつですか。

最近、無脊椎動物の進化史に興味が湧いてきたとこで。けど種類をまだあんまし知らない。カギムシも知っとくとけっこう面白いかもな。

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