ひとりごちるゆんず 2018年2月
銘板
2018.2.1 木曜
前日に飛ぶ
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神試合

バレーボールに限らず、こんなエキサイティングな試合、今まで見たことない。

笑い止まんねえwwwwwwwww

銘板
2018.2.2 金曜
前日に飛ぶ
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AI ウルフ その1

人工知能、今のとこ全く怖くないというか。

「今後 AI に奪われる職種リスト」とかよく出てるけど、今のとこ1個の人工知能って1個のことしかできんよな。それ今までの機械と同じじゃないかと。今までの普通の機械が入り込めなかったジャンルに、1個ずつ入り込むってだけじゃないかと。それだったら今までも、人がやってきた仕事を機械が1個ずつ奪ってきたわけで。

実は代わり映えしないことがしばらく続くだけなんじゃないかと。

「AI に仕事を奪われる」論者の言わんとしてることは、「今は世の中に与える変化が緩くても、加速度的に……」なんだろうけど、今のとこ全く実感できない。「まさにそこが怖いところなんですよ」も聞き飽きた。

質的なブレイクスルーがまだ来てないからな。

将棋や囲碁で今いろいろ話題になってる「それ専用」の人工知能って、「弱い AI」の部類らしい。プロ棋士よりも将棋が強い人工知能は、掃除・洗濯とかできない。株取引の予想もできない。会計処理もできないし、そこから経営状況を判断ってのもできない。他のジャンルに応用できるかもしれないけど、その場合は人間が改造してやらないといけない。つかどうも別ジャンルに応用させるよりも、それ専用の人工知能を最初から作ったほうがいいってことらしい。

イプシロンロケットの売りの一つは、新開発の "ROSE" っつう人工知能で、打ち上げ前点検を自動化させたこと。んでこれ、今開発中の H3 ロケットに応用するらしい。さすがにロケット同士なんで融通がきく。けど構造が全く違うロケットなんで、そのままじゃ使えないはず。その改造や設定変更は、人間の技術者がやるんじゃないかと。ROSE 自身が自分でどうにかするわけではないんじゃないかと。

こういう、取り扱い範囲の小ささはどっから来てるのか。

「弱い AI」はどう開発されてるかっつうと、製作者が自身で数式を解いたり条件を設定したりで、その結果をプログラミング化してコンピュータに入れてる。人工知能が自分で試行錯誤して学習していくのは、人手でのお膳立てが整った後の話。今注目を集めてる人工知能は、大抵がこんな感じらしい。やっぱし既存の機械の延長でしかないような。

おいらが思う人工知能って、召使いとか執事とか部下みたいな感じなんだけど。

経費と報酬を渡しといて「今度はこれやっといて」と言うと、「かしこまりました」とやってくれるイメージ。一つ一つの細かい「どうやるか」は人工知能が自ら考えてくれてさ。

今の普通の機械って、「これやりたい」と思ったら、人間が自分で機械を駆使して、自分で段取りを組んでやんなきゃなんないわけで。つまりそれは、機械やソフトウェアが「それ専用」でしかないから。気が利かないから。融通も利かないから。

そのせいでただでさえめんどいのに、「インクがなくなりました。カートリッジを交換してください」とか、一つの「どうやるか」をやるためにソフトウェアをどっかから拾ってこなきゃなんなかったり、そのソフトウェアの使い方を学ばなきゃなんなかったりで、結局自分でやってんじゃんって感じでな。決して「代わりにやってくれるもの」じゃなく。

いや実際は、全部が全部手作業だとやることが膨大でとてもやれないのを、機械がところどころ代行するから、自分でどうにかやれるレベルにまでハードルが下がってるんだけど、実感はどうもそうじゃない感じ。

執事や部下だと、ものにもよるけど、「大体こんな感じで」と注文するだけで、うまくやってくれそうじゃないですか。丸投げして、思ってたのと違うのが来たら「こんなのじゃなく!」とかキレたりしそうだけど、それやると相手は人間なんで、こっちに不信感を持ち始めて能率が落ちたり、「パワハラだ」と訴えられたりなわけで。けど機械が相手だと、そこは気にしなくてよくてラク。機械が学習しながら完成度を高めていくのだと、何十回もアバウトな注文を繰り返していくうちにイイものができてきたりするんじゃないかと。

ところがそう簡単にはいかなさそう。

電気自動車って充電プラグを自分で頻繁に脱着しなきゃなんないじゃないですか。あれめんどそう。例えば、家とか充電対応の駐車場のだいたい指定の場所に停めて、車内から充電ボタンを押したりすると、自動で充電を始めてくれるようになんないもんかなと。

それ考えるとさ、クルマ側はコンセントのフタを開けて充電モードにするくらいでいいだろうけど、充電機側はクルマに付いてるコンセントの位置と向きを検出して、プラグを確実に刺さなきゃなんないわけで。

充電機側がクルマ側のコンセントの大体の位置を把握できれば、あとはフツーに画像認識でいけると思うけど、最初の「大体の位置を把握」が難しそうなような。大がかりになりそうな感じ。人がやれば大した手間じゃないのに。その大したことない毎回の手間を省きたいから自動化してほしいのに、自動でやるとなると一大プロジェクトになってしまう。これ、人工知能で簡素化できるんだろうか。学習機能で本当に安く確実にやれるようになるんだろうか。たったこれだけの小間使い仕事さえできないような、今のロボットと人工知能ってそんなイメージ。

銘板
2018.2.3 土曜
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AI ウルフ その2

おいらが仕事で毎週1回やってる作業で、A4 サイズの印刷物1枚をスキャンして、色合いをレタッチして、B4 サイズで2枚プリントアウトして、A3 サイズのラミネかけて、ラミネの余った部分をカッターで切り落として、1枚あたり3カ所のとんがったカドをハサミで丸くして、職場の壁にセロテープで貼るっつう作業がある。めんどい。ほかの人にやってもらうのもいいけど、それだとおいらがラクになるってだけで、職場全体の消費労力は何も変わらない。

こういう単純作業を、ペッパーみたいな安いロボットに代わりにやってほしいわけで。知能が必要なら人工知能を内蔵してほしいわけで。んで、もしそういうことやれるんなら、拭き掃除とかハタキがけとか床を掃くとか、引き戸の溝にたまったホコリとゴミを掃除機で吸い取るとか、物をあっちからこっちへ運んで積み上げとくとか、誰かが使って忘れて放置してある文房具を元の場所に戻すとか、かかってきた電話の要件聞きとかもやれるでしょと。けどペッパーには、こんな明らかな雑用でさえ高度すぎてできんだろ。

人工知能ロボットに期待するのはつまり、「手持ちの機械・道具を使いこなして仕事してくれる、自分の手下」「手持ちのさまざまな機械・道具を部下にした中間管理職」「式神」「召使い」「奴隷」ですな。

けど全然できなさそう。囲碁や将棋がプロ並みに強かろうが、株と為替の読みが神相場師レベルだろうが、ロケットの打ち上げ前点検をその道ウン十年の職人と交代できようが、コレジャナイ感すごすぎ。

んでまぁここに書いててわかってきた。

人工知能にできることって今のとこ、情報処理だけなんだよな。外界から取った情報をいじったり分析したりまではできるけど、外界に対して物理的なアクションを仕掛けるのが苦手らしい。てことで、現実の外界からデータを取ることさえ、人間がいちいち面倒見てやらないと無理。

外界への出力も、人間がこなしてる仕事並みっつうと、その外界の状況や、出力が与える影響を読みながら出力するわけで、やっぱし外界からのアナログで雑多なデータを自力で取る必要がある。

そこの自動化はロボティクスの分野。てことで、ロボットと人工知能との連携がイマイチうまくいってない感じ。それでも自動運転はできつつあるけど、「ゲリラ豪雨ひどいな。ひとっ走り近所の川の様子を見てきてくれ」なんてのは絶望的に無理。

座学ばっか得意で、実演・実行がイマイチってわけ。一番肝心なとこが抜けてるんだな。

今、日本は労働力不足ですな。「そこはロボットで埋めよう」なんて意見が出るわけで、そんなら「人間の職を奪うぞ奪うぞ」との豪語で話題の「人工知能を活用しよう」となるわけで。

けど労働力不足の職種の多くは、1方面の情報処理専門の狭く深い頭脳労働よりも、頭も手足も五感も同時に使う、多能的な総合労働なんだよな。

そしてそれは、人間にとっては単純作業で給料の割がいいとは言えないものが主なのに、現状の人工知能+ロボットにとっては高度すぎて不可能。あるいは、やればできるけどべらぼうにカネがかかって、働いてくれる人をがんばって見つけてくる方がはるかに安く上がる。このギャップがどうも、ここしばらくは埋まる気配さえない。

機械による職業潰しがいつ本格化するかは、このブレイクスルーがいつ成されるかにかかってると思う。現状を見るに、かなりキツいブレイクスルーに思える。

その前に確かに、専門性が高い頭脳労働がヤバくなりそうではあるな。人間の仕事でいえば高給取りの部類の職種。情報処理だから、主に書類仕事かな。世の中的にそんなに大勢でもないでしょと。その中でも人数も影響も最大なのが役所だけど、役所の書類って何かにつけハンコが必要だからな。てことはしばらく紙ベース主体のままのはず。

電子の頭脳は紙の書類の扱いが大の苦手。役人も Excel 技によりをかけて、電子処理無視の、紙書類感覚のフォーマットを作ったりしてるそうで。住所や名前の記入欄、セル1個で1文字入れるようにしてたりするらしい。

そんな IT オンチぶりが、もしかしたら人工知能の職業侵略を防いでくれるのかもね。ていうかその領域こそ是非人工知能様に存分に侵略していただきたいんだけど。

去年あたりから「人工知能に職を奪われる!」と、やたらめったら煽ってくるネット記事が横行してるけど、しばらくは限定的というか、「オオカミが来るぞ」状態が続くんじゃないかと。記事を出す方も、そのネタがウケてるから繰り返し出してるだけなんじゃないかと。

銘板
2018.2.4 日曜
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そして舞台は本州最南端へ

SS-520 での衛星打ち上げ、ついに成功しましたな。続けてりゃ何回目かで成功するもんだととは思ってたけど、2回目でもう成功ですか。

しかし報道でどうかと思うのが「電柱ロケット」の連呼。わかりやすいんだけどさ、サイズが電柱くらいってだけで、別にコンクリの電柱が宇宙へ飛ぶわけじゃないわけで。呼び名としてあんましセンス良くないような。

打ち上げた衛星 TRICOM-1R の方の愛称は「たすき」になったね。「後へ繋げていくもの」ってことなんだろうな。TRICOM-1 はそれなりの機能を持つ衛星だけど、やっぱし試験衛星の位置付けですな。

んで、JAXA の世界最小ロケット計画は後へと繋げていくのかと思いきや、SS-520 での衛星打ち上げは、今回の成功を以っておしまいだとか。

けど続くんですな。

先月末あたり、キヤノンが小型衛星打ち上げ事業に参入するっつうニュースが出た。そのために和歌山県串本町に白羽の矢を立てたとか。どうも SS-520 での衛星打ち上げは、民間企業が引き継ぐらしい。だから JAXA 主体での SS-520 での衛星打ち上げは、今回1発成功しただけで終了ってことらしい。

民間ロケット発射場、和歌山県串本町に計画中との報道 - sorae.jp

串本町がどこなのか調べたら、本州最南端の土地でしたですよ。そう来たか。緯度では鹿児島県の JAXA の打ち上げ基地よりも多少不利だけど、北緯33° ってそんなに変わらんか。種子島宇宙センターが同29°、内之浦宇宙空間観測所が同31°だな。キヤノンと共同出資者にしてみれば、緯度が2〜4°高かろうが、本州ってのが重要なんだろうな。人やモノの現地へのアクセス性を重視したと。

けど事業主にすれば少しでも低緯度で行きたいのも本音だろうから、串本町のさらに南端の、潮岬半島か紀伊大島に打ち上げ施設を作るんじゃないかと。超小型ロケットってことは真東に打つ機会が多いだろうから、紀伊大島の東側かな。オスマン帝国海軍の エルトゥールル号 が座礁した場所の近くかも。

映画「海難1890」(2015)、観に行ったですよ。あの場所が串本町の紀伊大島の東端だったですか(涙)。細かいところはフィクションだそうだけど、大筋は歴史の事実だからな。テヘランの件では、日本はトルコに大いに助けていただきました。ありがとう。本当にありがとう。

んで、そんなあたりにロケットの打ち上げ施設ができる。キヤノンがロケットってのはあんましイメージに合わない感じだけど、たぶんロケット本体や燃焼系っつうより、制御系に自らの活躍の場を見出したんじゃないかと。

とはいえ SS-520 は基本的に高層大気観測用の弾道ロケットなんで、シンプルに作ってある。制御する要素はあんまし多くはなかったり。いきなり始めるからには、単純な構造の方がいいのかもな。2段目は姿勢制御があるから、そこが肝なのかな。

今のとこの日本のロケットの2本柱は、H シリーズが三菱重工、イプシロンが IHI で、どっちも重工なんですんなり理解できる。そこでキヤノンってほんと意外。超小型だから筆頭として参入可能ってのもあったんだろうな。

ただ、世の中のロケットが大型化してきたのはコストダウンのためなわけで。小型だとどうしても割高になってしまうわけで。JAXA が今開発中の次世代大型ロケット H3 は、低軌道打ち上げ能力だいたい10トンで、打ち上げ1回あたりの目標価格は50億円。たぶん実際は60億円くらいで落ち着くかと。んで SS-520 は能力 4kg で5億円。

値段が H3 の 8.3% でしかないのは嬉しいけど、能力が 0.04% しかない。ペイロード質量あたりで、SS-520 での打ち上げ費用は H3 の25倍もかかってしまう。

たぶんキヤノンのロケットは、SS-520 の1段目胴体の材料を替えたりして性能を稼ぐんだろうけど(素の SS-520 だと1段目の性能の限界から近地点高度が低すぎになってしまうんで、実用するなら1段目の高性能化は必須だし)、それでも低軌道打ち上げ能力は 10kg ってとこじゃないのかと。だとすると能力2.5倍で単価は H3 の10倍。

感覚的に、5倍くらいならって気がする。それならお値段5億円据え置きで能力 20kg か。スペックアップは2段目・3段目もやんないといけない感じだな。あるいはここまでの高性能化だと、4段目を足すのが手っ取り早いかも。

あとはコストダウンか。需要を掘り起こせば量産できる。今のとこ 1U のキューブサット4個の打ち上げで5億円なんで、1個あたり1億2500万円也。

今の超小型衛星の打ち上げ機会は、もっと大きいロケットに相乗りさせてもらう方法なわけで。荷主として脇役なんで融通が利かないのがツラいとこ。大口荷主の都合に振り回されるのを我慢しなきゃいかん。そこで超小型衛星を主役にしましょうってのが、超小型ロケットでの衛星打ち上げ。

けど大型衛星との相乗りでイイのは、格安なこと。H-IIA で国内の超小型衛星を相乗りさせる場合、特別な要件がない限り無料だったりする。ロケットへの取り付け・放出用のアダプタは実費で買わなきゃいけないけど、規格品なんでべらぼうに高いわけではないらしく。記憶頼みで申し訳ないけど、アダプタの値段は200万円くらいだったような。

1億2500万円 vs 200万円。上で書いた、低軌道 20kg の性能アップが成ったとしても2500万円 vs 200万円。差額の2300万円が「大口荷主の都合から解放されて得る自由」の値段。

ただ、新型ロケットに何個かの超小型衛星を混載して打つんなら、やっぱし自分以外の荷主に合わせる必要があるわけで。依然変わりなくッ!(ディアボロ) 超小型荷主の意向が無視されるってほどではないから、それだけでもラクにはなるだろうと。んでもう全部自分の自由にしたいなら、ロケット1機丸ごとチャーターしてくださいよと。

んで今までの最低チャーター価格がだいたい海外で20億円(ドニエプルロケット)、国内で40億円(イプシロンロケット)くらいなのが、なんと破格の5億円にまで大幅値下げ。4kg しか打てないけど、てな感じ。

顧客は「打ち上げに何億円かなら出せる、超小型衛星の事業者」層ですな。どのくらいの需要があるんだろ。民間の営利企業が始めるってことは、それなりの量を読んでのことのはず。つか植松電機やインターステラ・テクノロジーが、前々からその需要向けに自前のロケットを開発してる最中だからな。やっぱし潜在も含めてけっこうな需要が見込まれてるんだな。

けど SS-520 そのまんまのスペックじゃ物足りないというか、高価すぎるような。新設の発射場への投資も回収しなきゃいかんだろうけど、モノが小さいんで1回あたりの打ち上げじゃ利益も少ないだろうし。となると週1とか週3とかの頻度でバンバカ打ちまくらなきゃいかんような。キヤノンがそこらをどううまくやってのけるか、というあたりかな。

もともと SS-520 での衛星打ち上げ計画は、経産省から資金を得たものだったからな(失敗した4号機の分。今回の5号機でのリターンマッチのぶんは JAXA が負担した)。産業化を目論んでのこと、と考えるのが自然なような。

4号機の打ち上げ直前の時点で JAXA は「今後の計画は特にない」としてた。「衛星打ち上げロケット最小記録更新だーやったーバンザーイ」で終わりだなんて不自然な気がしてたけど、キヤノンの計画はその時点じゃ公表しちゃいけなかったのかもな。

銘板
2018.2.5 月曜
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マーズワンはどうなっておるのか 1

おとといのログの絡みというか。

オオカミ少年といえば、というのもひどいけど、マーズワン 計画はどうなったんだろ。オランダの民間団体が進めてるはずの、片道の火星旅行・移住計画。そのまま火星に住み着いてしまおうっつうやつ。希望者を世界中から募ってたが。

公式サイト(英語)の冒頭の文は以下。

人類の火星定住
マーズワンの狙いは、人類の恒久的な火星定住を確立することです。慎重に選抜された人間が火星へ旅立つ前に、いくつかの無人ミッションが遂行される予定です。これにより居住可能な施設を建設します。この計画の資金調達と実行は決して簡単ではなく、難しいものとなるでしょう。アドバイザーたちや既存の航空宇宙企業を含むマーズワンのチームは、リスクを評価・軽減・特定して、困難を一つずつ克服をしていきます。マーズワンは世界に先駆けるものであり、そのゴールは、あなたを含め、誰もが参加する火星ミッションとなることです。もし私たちみんなが一緒に活動すれば、実現できることです。私たちは火星へ向かいます。合流しましょう!

まーなんてーか、後半で感じる怪しさは、民間から寄付やスポンサーを募る関係上しょうがないものなのかもしらんが。

ロードマップ では、

2011年 マーズワン設立
2013年 乗組員の選考開始
2017年 乗組員の訓練開始
2022年 デモミッション(火星有人ミッションのための重要技術を実証)
2024年 通信衛星ミッション(火星の静止軌道に通信衛星を配備)
2026年 ローバーと通信衛星の打ち上げ(候補地周辺で定住の最適地を見つけて、貨物ミッションの到着に向けて準備する。また、2番目の通信衛星を太陽周回稼働に打ち上げる。通信衛星2機体制で、地球との常時通信を確立)
2029年 貨物ミッション(6機の貨物機で、ローバー2号機、居住ユニット2棟、生命維持ユニット2機、供給ユニット1機を運ぶ)
2029年 前哨基地オペレーション(居住者の到着前に、ローバーで居住施設を整備する。全資材をトレーラーを使ってローバーで引き出し、資材を正しい位置に置き、薄膜太陽電池を展開して生命維持ユニットに電力供給、などなど)
2031年 第一次乗組員が出発(火星での準備が全て整ったら、地球周回軌道上で組立員が宇宙船を組み立てる。その後、訓練済みの火星行き乗組員が乗り込んで組立員と交代。機材点検をしてエンジン点火。火星遷移軌道に乗る。以降、乗組員は引き返せない)
2032年 第一次乗組員が着陸(着陸約24時間前、乗組員は軌道船から着陸船へ乗り換え、その後着陸船が分離。軌道船は太陽周回軌道に放棄される。着陸技術は先の貨物ミッションで何度も実証済みのもの。着陸後、48時間かけて重力に慣れた飛行士たちは、火星服を着て着陸船の外へ出て、ローバーに乗って前哨基地へと向かう。彼らはエアロックを通から施設へ入り、居住区で数日を過ごしつつ、体力の回復と新環境への順応を行う。その後、乗組員は太陽電池パネルの残りを展開し、着陸機同士を接続通路でつなぎ、食料生産ユニットを立ち上げる。万一の非常時でも飛行士はミッションを放棄できないので、冗長性は非常に重要である。最初の乗組員の着陸時から、出来上がっている前哨基地には十分な冗長性がある。居住区画は2つで、それぞれ4人で暮らすのに十分な広さがある。生命維持ユニットも2つで、乗組員全員用の十分な水、電力、呼吸できる空気を供給する。さらなる冗長性として、第一次乗組員の着陸から2〜3週間後、第二次乗組員用の貨物が到着する。この機材を含めると、4人の乗組員は、4つの居住ユニットと4つの生命維持ユニットを利用できる。これは飛行士16人を余裕を持って支えられる)
2033年 第二次乗組員が出発(第二次乗組員が地球を発ち、第三次乗組員用の貨物が打ち上げられる。飛行士たちが着陸すると、第一次乗組員たちが歓迎する。彼らの居住区は既に用意されており、2〜3週間後には第三次乗組員用の貨物が着陸し、施設に接続される。この行程は増員ごとに行われ、貨物モジュールは26カ月ごとに着陸する)

となってる。しかし軌道船や着陸船の設計や試験ってどこまで進んでるんだろ。たぶん全然まだ構想段階なんじゃないかと。ていうか上の文だと省略したけど、原文だと地球から火星まで6〜8カ月かかることになってる。てことは普通のホーマン遷移軌道だな。人類が地球のバン・アレン帯より外に出たのはアポロ計画だけで、全行程で長くて2週間程度だったが。深宇宙での長期テストなしでいきなり火星旅行ってのは無謀というか。

火星行きの宇宙船の基本設計さえ、多分まだできてないんじゃないかな。

集まった資金はウン千億円に達したとかいう発表を読んだことがあるけど、国際宇宙ステーションの日本実験棟 きぼう の製作費だけで3500億円かかったんだが(打ち上げ・取り付け費用は別)

有人で7カ月も旅して火星に軟着陸して、自給自足できるようになるまでの当面の物資も積んで、なんてそんなごっつい宇宙船を新規開発って、たったのウン千億円じゃ無理だろ。見積もりがすごく甘い気がするが。

甘いといえば、前哨基地を無人で作るのにローバーを活用することになってるけど、ロボットとしてここまで高性能なものって今のこと存在してないぞ。人工知能はここしばらくは、そんなに都合のいいものにはならなさそうだし。それに、可動部がある機械はあまねく壊れやすいもの。作業用無人ローバーの開発だけでも、現地での長期試験が必要なような。自分で修理って、機械はまだまだそんなことまで自己判断できなくてな。地球からの遠隔操作と言ったって、火星までの通信タイムラグは数分〜40分くらいあるわけで、全然はかどらんだろ。

んでまぁ冗長性をガッツリ取ってるってのを担保にしていろいろ順調な様子が描かれてるけど、その冗長性の確保に至るまでがすごくクリティカルの連続なような。つかローバーの予備部品だけでも、がっつり持っていかんとやばいだろ。

このページ の画像、基地の周辺に何らかの植物が生えてるね。自給自足していくからには、こういう環境にしていくことになるんだろうな。空が地球みたいに明るく描かれてるってことは、火星全体をテラフォーミングするってことかな。早くて1000年くらいかかるとか聞いたことあるが。

最近の NASA の火星無人探査で、実は火星表面は、地球の生物にとって有害な物質が堆積してしまってる説も出てきたが。そこをろくに確かめもせんでいきなり地球人を送り込んでから「やっぱり毒まみれでした」だったら、まんま逆『宇宙戦争』じゃないですか。

お金や技術の面もそうだけど、火星って地球人が自給自足で定住するにはまだまだ不明なことだらけなんじゃないかと。

銘板
2018.2.6 火曜
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マーズワンはどうなっておるのか 2

映画『オデッセイ』(2015)じゃ火星の土を使って、室内でジャガイモを育ててた。やっぱし屋外じゃ無理だろうな。寒すぎ。大気中に酸素も窒素も二酸化炭素も少なすぎ。太陽風と有害な紫外線と宇宙放射線がもろに降り注ぎすぎ。そしてたぶん日射量が足りなさすぎ。さらに、『オデッセイ』製作中やマーズワン構想中の時点じゃ考えも及ばなかった、表面の土壌が地球の生物にとって有害な物質まみれかもしれないってのも。

地表の有毒物質の話はまだ確定じゃないらしい。仮にその問題がないとすると、地球上の生き物も、地衣類とかなら行ける可能性があるらしい。もしかしたらヨモギも行けそう、と書いてたのは、昭和時代に子供向けの宇宙本に載ってた話。火星表面の調査なんてバイキング探査機からのデータしかなかった時代だからちょっとアレだけど。んでまぁ火星表面で、屋外で植物栽培ってのはやってみないとわからんことかも。

けどそれやるなら、いい結果が出るまでしばらくかかりそうなわけで。成功に賭けるしかない有人片道ミッションでいきなりやるってのはどうなのかと。有人なら往復ミッションで、片道なら無人ミッションで開発していくべきことなんじゃないかと。

主催者は「有人火星旅行は往復だととんでもない装備が必要だが、片道なら実現可能」と主張してるらしいけど、現状じゃ火星へ向かう軌道上でも火星の現地でも、想定外の非常事態が出まくりになるのが目に見えてるわけで。「ヤバくなったら地球へ安全に帰れる」っう道がどうしても要るんじゃないかと。

つか『オデッセイ』だと、火星基地じゃエネルギーを好きなだけ使えるかのような設定だった。数人で暮らす用の火星基地に一人だからエネルギーは余ってるってことかもだけど、現実じゃそうもいかないだろ。

『オデッセイ』での地球ー火星往復用の宇宙船ってのがまた、今の技術じゃ絶対できないってくらいゴージャスでな。サイズは国際宇宙ステーションをはるかに超えるほどの大型で、遠心力での人工重力区画付き。地球から補給物資を打ち上げるロケットは今風だったんで、この地球ー火星往復用の宇宙船がどうも非現実的な感じでな。マーズワンの宇宙船は、それよりだいぶ小さなものになるっぽい。人工重力もない。片道だし軌道船は使い捨てだから、最低限に絞ってる。んでその狭い船の中で、4人で半年間耐えるんですか。

火星行きの行程は、火星周回軌道に入らず着陸船でいきなり大気圏突入。一発勝負の はやぶさ 地球帰還スタイル。って周回軌道投入も一発勝負だよな。直接突入の方がやること少ない分だけリスクが低いか。とはいえ「ここまででトラブって着陸不能になりました」となったらどうすんだべ。火星表面には潤沢な資源が用意されてるけど、航行中の軌道船・着陸船には片道分しかなさそう。

初物なのに初回から失敗が絶対に許されないのって、いまだ時々失敗するのが当たり前の技術開拓時代の宇宙計画としてどうなのかと。有人の場合、目標達成までとにかくカネと時間をかけて、1回のミッションで1個ずつステップを増やしながら進めていきますわな。例えばアポロ11号の月面初着陸に至るまでは、7号から一歩ずつ足を遠くへ伸ばしながら確認していったわけで。

さて、地球を発った後、もし火星に到達できないことが判明してしまった場合。

火星をやり過ごしてホーマン軌道に乗ったままでいると、もう7カ月なんとか我慢すれば地球の公転軌道に戻ってくる。

けどそのとき地球はそこにない。地球離脱から12カ月で、地球は離脱の位置に戻ってくる。それが14カ月経ってる。2カ月のズレ。地球はそのとき、宇宙船が地球を離脱した時の位置から公転軌道上で60°ズレたところにある。

火星探査機 のぞみ の例だと、火星行きのホーマン軌道に乗ったのが1998年12月。その軌道のまま、スイングバイするために地球へ戻ったのが2002年12月。同期の周期4年。火星近傍まで7カ月かかった時点で「地球へ戻ろう」となると、そこから3年5カ月かかるってこと。

つかマーズワンのサイトに、地球を発った時点で「火星遷移軌道に乗る。以降、乗組員は引き返せない」と書いてあるわ。機材トラブルがなくても、恐らく火星の前哨基地よりも狭い船内に、4人で7カ月。でも一生を共に過ごす覚悟の仲間なんだし、飛ぶ前に入念に適性・相性は調べてあるか。人間関係よりも、火星の指定場所に正確に着陸できなきゃ未来がないわけで、もしそれができないとなったらどうなるのか。

船内の限られた必須資源の、一番薄い部分を使い尽くしたら一巻の終わり。それは確実に来る。そして誰も助けに来てくれない。そこが怖いとこ。人間が地球を発つのは、現地施設の完成を確認できた後。てことで一番のクリティカル工程は、火星までの航行中ですな。

ちなみに、今まで宇宙空間で死んだ人はいない。宇宙飛行ミッション中での死亡事故は何件かあるけど、全部とも高度 100km 以内の大気圏内だった。

死者のお骨を宇宙に放出というのはあるけど、生きている人が地球外で死ぬ、その遺体を回収できず、宇宙を永遠にさまよう、は、人類はまだ経験したことがない。それが初めて起きたとき、世の中へのインパクトはどうなのか。今はまだ誰にもわからない。

おいらの個人的な感覚だと、死んでから宇宙空間を永遠にさまようよりは、火星で死んで、遺体は現地のそこらへん邪魔になんないとこに捨ててもらうほうがまだ嬉しいような。けど火星じゃ死体の微生物分解が進まんだろうな。砂嵐での物理的な風化オンリーってことで、長い年月にわたってボロボロの醜い骸を晒すことになるな。遠い将来、火星生まれの子供たちが遠足でたまたま見つけて、石ぶつけて遊ぶ感じですか。

じゃあ埋めてもらうか。埋められたらまったく風化しないか。ミイラだな。後で発掘されて標本にでもされるのか。それもまた……。じゃあ火星で死ぬなら火葬してもらって、骨も砂利程度にまで砕いてもらって、火星の地表にテキトーに投げ散らかしてくれれば。いやいやそこまで迷惑かけるくらいなら、宇宙空間さまよいでもいいやって気もしてきた。何億年かすれば地球か火星に落ちて、大気圏突入で自動火葬でしょ。なんかのはずみで地球か火星でスイングバイしちゃって、死体のくせに金星とか木星とか土星とか行っちゃったりしてな。

話を戻す。火星に着いた後の自給自足生活をどう組み立てていくのか、っつうのがまた不確かでな。

エネルギーは太陽電池か。火星の公転軌道上での太陽光の強度は地球のそれの4割しかないけど、大気が薄いぶん減衰も少ないはず。地球周回軌道上じゃ1平米あたり 1.4kW の太陽エネルギーも、地表じゃ 1kW まで減ってしまうもんな。火星表面に届く太陽光の成分は、地球上に比べると紫外線の成分が多い高いはず(オゾン層がないからな)。紫外線も積極利用する太陽電池ならけっこういけるかもな。

太陽からエックス線やガンマ線も火星表面にけっこう届いてるのかな。そこらも直接電力に変換できるれば、エネルギー密度が高い帯域なんで、割合は少量でも結構な発電量になるかも。ちなみにここらへんの電磁波は地球上だと大気でおもっきし減衰してしまって、地表にほとんど届いてなかったりする。いやだったらそんなテクノロジーは、むしろ月面基地でこそ活躍できるんじゃないかって気がしてきた。つか全然できてない技術だろ。できてるんなら人工衛星や探査機でとっくに使ってるわな。

んでまあ電力の自給ができたとして、物質面はどうするんだと。食料はもちろん、日用品とかどうするんだと。特に身だしなみと健康の維持は大事だろ。なんたって火星暮らしの様子を地球で放送し続けることで運営資金を賄うんだからさ、あんましひどい格好、ひどい心身の状態じゃ人気を保てないだろ。ぶっちゃけ、ポーズでも、地球の視聴者たちが「自分も火星へ行きたい」と憧れるような場面を見せ続けないといかんだろ。

銘板
2018.2.7 水曜
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マーズワンはどうなっておるのか 3

食べ物も、地球に見せるんなら、毎回じゃなくてもそれなりの料理じゃないとな。限られた食材で素敵な現地料理を、てのはやっぱしプロじゃないとな。けど実際「南極料理人」よりも条件が厳しそう。

本来の仕事である探検・調査・実験の様子や成果でウケが取れれば、暮らしぶりが貧相でも志願者が後を絶たないと思うけど、国際宇宙ステーションからの公開映像を見るに、やっぱそれなりにきちんとした身なりで楽しそうに、ってのは人気を保つ上で必須かと。

んで、火星での有人探査ってのは意味があるわけで、火星に定住ってのも意味があるわけで、けどいつまでも地球からの仕送りに頼るのもどうかと。地球から火星行きの定期貨物便を送り込むらしいけど、1回ごとに莫大な費用がかかるわけで。それを減らしていくためにも、現地でモノを生産していかなきゃなんないでしょと。エネルギーは太陽電池の電力のみ。資源は自分らが出したゴミや老廃物と、基地周辺から現地調達できる物質。これだけで生産していかなきゃなんないわけで。

木綿とかプラスチックとか、そういう素材はどうするんだろ。木材なんか絶望的だしな。鉄は、火星表面は酸化鉄だらけだから(だから赤い星になってる)どうにかなるかもな。って酸化鉄を還元するには水素が大量に必要だな。それは地下から調達した水から電気分解で作ればいいか。ついでに酸素もゲットできるな。

木綿は…… iPS 技術で直接作っちゃうとか? プラスチックは、プラスチックは……、石油がないからな。植物由来のやつになるか。植物は室内での栽培になるな。耕地面積あんまし取れんな。食料生産の他に余裕があるんだろうか。

動物性タンパク質はどうするのかっつうと、JAXA が開発した宇宙メニュー、カイコのさなぎの天ぷらですかねえ。味はエビに似ててイケるらしいけど、そればっかじゃ飽きるだろうなぁ。天つゆどうするんだと。じゃあ塩でいきますか。抹茶塩も諦めて、ただの塩で。塩の調達は? そこらへんに岩塩があればいいが。

カイコの生産も、火星基地の限られた条件でできるんかねぇ。食用動物の飼育はダントツで昆虫が簡単らしいけど、カイコにはエサの桑の葉が大量に必要なわけで。天ぷら油も含めの調達どうするんすか JAXA 御中。

んでまぁしばらくは地球からの仕送りで暮らすにしても、資金源のメディア露出も、何年もやってりゃ飽きられるだろ。かの きゃりーぱみゅぱみゅ でさえ、デビューから5年も過ぎたらさすがに衝撃的な存在じゃなくなってきてしまったし(おいらが最近ファンになっちまったのは内緒)

てことで、いつまでも超高額な仕送りに頼りっぱなしな暮らしは続けられないはず。ある程度は自分で調達できるようにならなきゃいけなくなっていくはず。そこがどうも不透明というか、楽観的すぎるというか。

火星の自然環境はおもっきし過酷だぞ。月や金星や小惑星イトカワよりはよっぽどマシだけど、やっぱし地球の生物を受け入れるような造りにはなってない。目に見えるほどの大きさの火星生物も皆無。いるとしてもせいぜい単細胞生物止まりっぽい(それさえまだ見つかってない)。そのくらい生物にとって過酷。

自給自足できるようになるまで、相当な年月がかかりそう。作物の栽培には、地球から土壌を持っていくか、水栽培にするか、火星の土から有害物質を取り除いて使うか。相当限定された偏食生活を強いられそうですな。持ち込んだ昆虫以外の肉なんてもう絶対に無理っぽい。現地調達できる肉なんて、先に亡くなった仲間の体しかないだろ。

自給自足できるようになるまでって、何年か程度じゃ利かない気がする。その間は、定期的に地球から無人宇宙船で補給するしかないんじゃないかな。

銘板
2018.2.8 木曜
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マーズワンはどうなっておるのか 4

マーズワン計画って、まず火星に行きつけなさそう。ていうかいつまでも打ち上げさえできなさそう。そこをなんとかして現地にたどり着けても、けっこうすぐ全滅しそう。行きたい人はそれを理解した上で世界中から応募してるみたいだけど、どうも「死にに行く」的なイメージがどうも。

Wikipedia 記事で、

アラブ首長国連邦の宗教機関GAIAEは2014年2月、ムスリムが火星へ旅行したり移住することを禁ずるファトワー(宗教見解)を発表した。理由は、死ぬ確率が高い火星への旅行が、イスラム教が禁じる自殺行為に等しいと判断したためである。

とある。現状じゃ GAIAE の判断は正しいかと。てか現状じゃ大気圏外にさえ行けそうにない雰囲気なんで、あんまし心配しなくていいのかも。

夢を描くのも想像の翼を広げるのもそりゃ自由だけど、現実の今の宇宙技術って、最先端のアメリカが、無人火星探査機を2年ごとに1〜2機送り込むのが精一杯。有人技術はというと、長期でも短期でも、ヤバくなったらいつでもすぐ地球へ帰れる低軌道でのみ。月への有人飛行は45年前のアポロ17号が最後で、行程日数は12日だった。

マーズワンは技術的な下地がない状態なわけで。運営の本体はオランダとイギリスの財団だけど、宇宙船や火星での設備の発注先は、ほとんどアメリカになるだろうな。最も信頼できる宇宙技術の蓄積があるからな。けどそのアメリカが持つ技術がその程度。とてもとてもマーズワンの要求に応えられるレベルではないかと。

アメリカはアメリカで、国家が独自に有人火星探査の将来計画を持ってる。往復が前提だから難度が高いってこともあるけど、まだ研究段階から抜けられないでいる。ていうか月・火星・小惑星で、目標をコロコロ入れ替えてる。「行きたい」「行けそう」がせめぎあってるわけで。んで結局どれも全然具体化してない。

政権が変わっても目的地を変えても有人深宇宙探査をやる方針を変えないってことは、有権者や献金者や役所からの熱い要望と期待があるんだろうなぁ。

技術的難度は

月<<火星周回軌道<火星着陸(片道・けっこうすぐ絶滅)<<地球近傍小惑星(往復)≦火星離着陸(往復)

かと思う。地球近傍小惑星の場合は離着陸が火星よりもラクチンだけど、公転軌道が地球に近いぶん公転の同期周期が長くて、火星の往復より結局は長くかかる。有人の場合、この時間のかかりっぷりが壁になる。てことで ≦ にしてみた。

でも小惑星イトカワなら3年で往復できるな。現地滞在は半年。はやぶさ の当初計画は4年だったけど、はじめの1年は EDVEGA の準備に費やしたからな。強力なロケットを使って、地球スイングバイ行程なしでイトカワに直行できれば全行程3年で済むかと。それでも3年だもんなぁ。

有人で月よりも遠くの天体ってのは、まだまだ技術的に非現実的ってことでして。「それでも片道なら」ってのがマーズワンなんだけど、どうもまだ杜撰というか、楽観的すぎるというか。まーその穴だらけっぽい計画でさえ資金が全然足りてなさそうで、ちっとも実現段階に進めなさそうなのが、安心できるところっちゃ安心できるところというか。

銘板
2018.2.9 金曜
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マーズワンはどうなっておるのか 5

あとさ、太陽光が地球の 40% しか来ないわけでさ、いつでも薄暗いってのは、なんかちょっと永住するのは、精神的にちょっとな感じのような。

ちょっと調べてみた。

照度と明るさの目安 - 大阪市立科学館

晴天の昼の太陽光の照度(約100,000ルクス)を基準に、晴天午後3時の太陽光(35,000ルクス)、曇天の昼の太陽光(32,000ルクス)あたりが近い感じ。それよりもう少し明るめなのが、火星表面での正午の太陽の明るさ。

薄暗いってほどじゃ全然なかった。慣れでどうにかなりそう。けど基本的に、景色は室内から窓越しに見る形。室内の明るさを基準にすると、景色の明るさは最大で午後3時の晴天か、曇りの正午並み。その窓ガラスには地球仕様の何倍もの性能の紫外線カットフィルムが貼ってあって、余計に暗く見えてしまうってあたりか。その暗さが気になるかどうか、そこは人次第で済むっちゃ済む感じかな。

植物にとっては、太陽の照度が 40% しかないのはキツいだろうな。しかも大気圧が地球の 1% 未満ってのも、かなりキツいだろ。磁場がほとんどないから太陽風がモロに降り注ぐってのもな。つか大気圧が低すぎて、太陽からの、地球型生物にとって有害な紫外線が来すぎってのもヤバいかと。気温は摂氏マイナスの時が多いしな。

となると作物の栽培は、ビニールハウス的な採光のいい室内に照明を足す感じですか。その窓には紫外線カットフィルムが必要。地球並みに近い気圧が必要なんで、窓を大きく取りつつ頑丈に。

だったら有害成分が多くて必要成分が足りない太陽光なんかあてにしないで、『オデッセイ』風に全部人工光で割り切ったほうがいいかな。それやるならもう最近流行りの野菜工場と同じく水栽培で、照明の LED の色合いも野菜栽培に特化させてと。

あくまで窓を開ける方式なんなら、可動の鏡で農地に太陽光を集中させるのが効くかも。ってこの鏡もまた砂嵐でホコリが付くわけで。定期的に掃除しないといかんわけで。やっぱし掃除するのは太陽電池だけにして、栽培は人工光のほうが効率いいのかもな。

火星コミュニティ人口が増えるにつれて、太陽電池パネルの必要面積もどんどん増えていくわけで。パネル掃除が手動の場合、それ専用の人力の労働力が必要になるわな。だんだん間に合わなくなっていく気がするが。

そのうち、太陽電池掃除をする人・しない人で専業化が進んだりしてな。最初の数人程度なら当番制でいけると思うけど、人口規模が大きくなっていけば、専業化の方が全体として効率が良くなるわけで。それって都市の形成そのものだけど、上下格差の発生でもあるわな。どのくらいまで人口が増えればそういう格差が合理的になっていくのか、という社会実験にもなるかもな。マーズワンがまともに稼働したらの話だけど。

現状じゃ稼働しないと思うけど。

銘板
2018.2.10 土曜
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ファルコン・ヘビー

ファルコン・ヘビー初打ち上げが見事成功。ファルコンシリーズを擁するスペース X 社の CEO イーロン・マスクの私物のテスラが、地球ー火星遷移軌道に無事に投入されましたですよ。ウケるwwwww

さすが大富豪が動かすベンチャー企業。発想とやることが違いますですなぁ。

ロケットは低価格化が進んではいるけど、やっぱし高価なんだわな。というのも、いまだに使い捨て思想の影響下にあるうえに(ファルコンは部分的に再利用を実現してるけど)、大型化でペイロード質量あたりの単価を薄める方針が主流なんで、1発あたりがどうしても高くつく。1発あたりがあんまし安くなんない代わりに積載量が増えてる形。

その一方、ロケットが運ぶ積み荷の衛星はというと、ロケットとは逆に小型化がトレンド。なるべく軽くして、できるだけ小さなロケットで、あるいは大型ロケットで混載されるときは割り勘の案分を減らす方向。結果的に、たまにしか打ち上げられない超大型ロケットにみんなして乗っかるっつう形になる。軌道の要求は衛星それぞれなんで、希望の行き先の共同チャーターがなかなか企画されなかったり、企画があってもあぶれたりで、いつまでも足止めを食う衛星があったりもする。

小型でそれなりにお安いロケットもまた必要だったり。

となるとファルコン・ヘビーの方向性とは対極の、イプシロンロケットや和歌山キヤノン計画もまた意味を持つことになるわけで。サイズの多様化でにわかに盛り上がってきたかに見える衛星打ち上げビジネス、さてこれからどんな方向に行くんかねぇ。

ロケットって「大は小を兼ねる」の面があるからな。ファルコン・ヘビーが主にどんな用途を目指してるのかイマイチおいらわかってないけど、でっかいペイロードを打つってのは、やっぱ能力がでっかいロケットじゃなきゃできんわけで。その需要は超大型ロケットの独壇場なわけで。

宇宙ステーション補給機 こうのとり の打ち上げは H-IIA ロケットじゃ無理で、その倍近い能力の H-IIB で打ってるしな。けど、たまに取れてる商用打ち上げ受注って H-IIA で間に合ってしまうケースばっかで、H-IIB って今のとこ こうのとり 専用なんだわな。超大型貨物の打ち上げ需要ってなかなかないのな。

H-IIB を上回る能力のアリアン V ロケットの場合、複数の衛星を相乗りで打ち上げるっつうサービスをやってる。荷主にとっては割り勘で安くつく。アリアンがこんな芸当ができるのは、長年の信頼で、衛星打ち上げのバックオーダーをたくさん抱えてるから。

H-IIA/B はこのバックオーダーがないもんだから、H-IIB に商用打ち上げの声がかからないってわけで。なんかもったいないような。

銘板
2018.2.11 日曜
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飛行機操縦の難しさの元凶

最近なんとなく、航空機事故の Wikipedia 記事を漁ってたり。

航空機の場合、ニアミスみたいなヒヤリハットでも、事故と同じく徹底的に原因調査するわな。そんで再発防止のネタを拾いまくるわけで。

乗組員のヒューマンエラーの場合もまた公開されてるってので、職場の事故やヒヤリハットの対処や予防のヒントになるんでないかとか考えたり。

つか今「ヒント」って打ったつもりが「コント」になっちまったwwww カナ入力ならではwwwww

ヒューマンエラーって普通の職場でもよくあることだけど、大抵はエラーやらかした人を注意するっつうか責めるっつうかで終わりなんだよな。けど航空機事故を見てると、「システムが現場の人たちの心理にそぐってないことが問題」っつう結論でして、システムを改良することで改善、っつう考え方で。この方が合理的なんだわな。

一口に「システム」っつっても、機械的なものもあれば、チームワークのありようみたいな人間的なものもあったりして、いろいろ参考になりそげなことがいっぱい書いてあると。

飛行機操縦の本質的な難しさって、動作の応答が速度感応ってとこなんじゃないかってのも、読んでて思ったり。特に上昇へ転じる操作が、そのせいでワンテンポもツーテンポも遅れてしまうわけで。その操作が間に合ったかどうかが、事故とヒヤリハットの境目になってるような。

ニューデリー空中衝突事故 なんかがその例かと。

操縦者たちが高度低下とか、目の前の山とか、ニアミスの相手機とかに何らかの理由で気づいてなかったってのは、事故の中じゃよくあるパターンらしく。「ヤバい! 上昇しなきゃ!」となっても、そうすぐには上昇できないってわけで。

上昇するってのは、位置エネルギーを高めることなわけで。それは燃料消費を伴う行為のはずなわけで。

飛行機の場合、いったん速度を上げて、運動エネルギーを溜め込むことで成す。運動エネルギーを位置エネルギーに変換するのが「上昇」ってわけで。

人の心理として、進行方向に地面なり山なりが迫って来てるとき、エンジンをフルスロットルにして速度を上げる判断ってそう簡単にできるのかと。

そして、速度がつかなきゃ満足に上昇できんわけで。スロットル開けて加速を始めてから、上昇するのに充分な速度に達するまではタイムラグがあるわけで。巡航中なら、スロットルを開けつつフラップを降ろせばけっこう瞬時に(それでも数秒かかるけど)上昇できるけど、これが着陸進入中だともうフラップを降ろした状態で機体が下降してしまってるんで、すぐさま上昇ってのは無理な話なわけで。

飛行機の運動や操縦って、力やエネルギーとかの物理学で考えると納得できる話なんだけど、感覚的には人間にとっては難解のものなのかもなと。

銘板左端銘板銘板右端

アホらしいといえばアホらしい考え。

鳥って墜落事故を起こさないじゃないですか。そりゃまぁ飛行中に心臓発作を起こしたりマタギに撃たれたりで墜落ってのはあり得るけど、設計ミスや操縦ミスで、ってのはなさそうじゃないですか。これって飛行機に応用できんもんかなーと思って。

……、

……、

……。

人工知能? ってもうこういうギモンって、解決は将来のものとしちゃうと、何でもかんでも人工知能に押し付ければいいような気もしてきたwww 何でもかんでもやってくれるかどうかって意味じゃ、まだろくなもんできてないっぽいしwwwww

そういやチェルノブイリ原発事故の Wikipedia 記事も読んでみたんだけど、管制室じゃ一気にいろんな警報が鳴り響いて、かえって混乱してしまったらしい。航空機の非常時でも、操縦室内でいろんな警報ランプがクリスマスツリーのように光りまくって、同じく事態がさらに悪化ってのがあった。

こういうときに対処の優先順位をササっと決めるのって、人工知能が得意なような気がする。

非常事態と緊急事態ってほとんどセットだったりするわな。「急いで対処しないといけない」「でもそれがベストな対処かどうかわからない」「熟慮してる時間がない」。そんな中でもとにかく対処行動をしないといけない。そのときやるだけやって失敗ってのは、関係者はわかってくれるだろうけど、外部の野次馬にはわからんことで、結果が悪けりゃ叩かれる。

じゃあどうすりゃいいのさ。

過去の事例をできるだけ多く覚えとくってことなんじゃないかと。

けどそういうのって、いくら覚えてもキリがない。忘れてしまってたり、まさにその事例の知恵が必要な時に、その事例を思いつけなかったりもあるし。今の工学関係の業界だと、事故の事例から「じゃあどうすりゃよかったのか」を抽出して、再発防止対策をしとくなり、教育カリキュラム化やマニュアル化しとくなり、というのが機能してるっぽい。

再発防止策を完成させていくのはオッケーとして、教育とかマニュアルとかはどうなんだろ。限界があるんじゃないのかと。教育を受ける人への負担が増えていく一方ってことなわけで。覚える項目が多くなりすぎると結局は、管制室や操縦室で一気に鳴ったり光ったりで対処の邪魔をする警報が、作業者の脳内に移るってだけなんじゃないかと。パニックの誘発要因なのは同じなんじゃないかと。

教育やマニュアルはそりゃ必要だし洗練していかなきゃいかんもんだけど、一定の教育期間と一定の根性の量で人間が受け入れられる知識に限界がある以上は、カリキュラムやマニュアルの分量を抑える方向も必要と。

銘板
2018.2.12 月曜
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キングス・クロス駅

嫌な偶然ってあるもんなんだな。

ペットショップ・ボーイズが1987年にリリースしたセカンドアルバム "Actuually" の最後の曲『キングス・クロス』。イギリスの鉄道駅の名前で、歌詞はここを舞台にしてる。おしゃれなイメージの割には、ときどき重いテーマもやるグループでな。大ヒット曲の『哀しみの天使』もまた、かっちょいいサウンドが日本でもウケたけど、歌詞の内容は、高圧的な父親との心理的な対峙と葛藤だった。

『キングス・クロス』もまた「重い組」の曲。音も歌詞も、寂寥感と哀愁溢れまくり。

けどこれがいいんだわ。このアルバムの中で一番好きな曲かも。暗くて寂しいけど、サウンドは濁りのない感じというか。

歌詞の日本語訳は コチラのブログ様 でどーぞ。自分で訳すのめんどいしww 紹介したブログ様のは正確だし読みやすいし。

当時、日本の経済はバブルに入り始めだったけど、欧米全体があんましパッとしてなかったらしく。歌詞はそんな世相を、主人公を含めて、職を求める失業者が駅に集まってる様子や、近くで嫌な事件があったよとかで綴って、明日が見えない様子を淡々と描いてる。

サウンドには、列車が走っていく音がときどき控えめに入れられてる。これがまた侘しさを醸しててな。

んでさ、ここ数日、Wikipedia でいろんな事故巡りしててさ。たまにやるんだわな。航空機事故に飽きてきたんで、今度は鉄道事故巡りですわ。3年前、明石歩道橋圧死事故が残してくれた教訓を応用して、仕事上での危険を回避できたっつうのもあってさ、過去の重大事故とそこからの教訓が宝の山に思えたりしてさ。

そして見つけてしまった。

キングス・クロス火災(1987年11月) 死者31人、負傷者100人

ちょ、ペットショップボーイズ、この火災のことを歌ったのか?

いやいや、それはご遺族や負傷者や関係者にはキツすぎだろ。

いやいや、歌詞には火災を思わせるような表現はなかったぞ。

いやいや、もしかして曲のリリースは火災の前か?

……、

……、

……。

アルバム "Actually" の発売は同年の9月だったわ。キングス・クロス火災のほんの2カ月前。偶然の一致ってやつだったよ。

こういうのってアーティストはバツが悪いだろうなぁ。偶然ってのは誰にでもわかることだけどさ。

モノがモノだけに、あんましいろいろ書くと逸脱しちゃいそうで怖くなってきたんで、今日はこのへんで。

銘板
2018.2.13 火曜
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カワサキロボ

ええと川崎重工業ってバイクのカワサキのことだっけか。(……検索中……)ああやっぱし。んでバイクだけじゃなく、船とか工場プラントとかも作ってるのな。重工だもんな。

おお、航空宇宙も。自衛隊の C-2 輸送機ってカワサキだったんだ。おおお、P-1 哨戒機もブルーインパルスの T-4 練習機も、水上飛行機の US-2 もか。いやいや、バイクメーカーの中でもマニアックなイメージだったんで、そこまですごいメーカーだったとはつゆ知らず。

つか宇宙ものもかなりだな。H-IIA/B ロケットとイプシロンロケットのフェアリング、きぼう の曝露パレット周辺や曝露実験装置用エアロック、技術試験衛星 おりひめ・ひこぼし のドッキング機構、再突入型無人実験室衛星 USERS の回収カプセル、再使用ロケット実験機 RVT と来たもんだ。どれも核心技術。ここらへんカワサキが作ってたとは。

カワサキって実はすごかったんだな。一般消費者向け製品があんましないせいか、そこらへん全然ピンと来てなかった。

けどイメージがどうも若干もっさりなのは、やっぱしカワサキ自身のプロデュースの塩梅よくなさもあるんじゃないかって気がする。

いやさ、カワサキも人型ロボの試作を作ってたってのを今しがた知りまして。YouTube に出てまして。それがどうもおいらとしては、ちょっとなーって感じ。もっとウケがいい状態にまで開発してから公開すればいいのに、とか思ったりして。

とりあえずその映像を出してみるですよ。

なんかもうツッコミどころ多すぎというか。

いきなり完璧や最先端を期待するのはいかんとは思いつつ、これを展覧会で公開するのってどうなんだろ。

今時の人型ロボが四つん這いで歩けて何がどうなんだと。子供の遊び相手を想定ってわけでもないと思うが。

個人宅への配達仕事をすると、たまに独居老人が「はいー今行きますーイテテテあーっこわいあーっこわい」とか言いつつ、つらそうに四つん這いでようやく出てきてくれたりして、ものすごく申し訳ない気持ちになったりするわな。なんかこのロボ見てたら、そんな感情が湧いてしまったが。同情されてどうする。

全体の動作がすごく遅いし。周囲の状況を読みながら行動してるわけじゃなく、単に動作の段取りを設定してあって、その通りに動いてるだけにも見えるし。動きが遅いのは、慣性を考慮に入れてないからにも思える。乗り物メーカーなのに……。

四つん這いから正座は問題ないけど、正座から懸垂に移るのに、自分で鉄棒の位置を探すんじゃないんだな。介助の人がウインチをロボの襟首あたりに引っ掛けて吊り上げて、床にバミってある目印まで、介助の人が確認しつつ移動させるんだな。つかその介助人も作業服って……。本職の作業員さんらしいのは信頼できていいことだけど、清潔な作業服なのは観客への気遣いをある程度感じるけど、展示なんだから、ステージなんだから、服装はキメキメのモデル風か、少なくともスーツか、あるいは黒子でしょ。

ウインチの吊り帯はそのまま、懸垂するときの安全ベルトでもあったり。いやあのロボットの懸垂の見世物なら、落ちてブッ壊れるリスクがあるから価値があるんじゃないのかと思うが。

けどアナウンスは「ロボット技術で日本をもっと元気に」「ロボット技術でもっと人々の生活を豊かに」。いやあの、見てる人間が助けてあげないといけない気分になってしまう、同情を買ってしまうロボットってどうなんだと。実際、介助が必要だし。言ってることとやってることが噛み合ってないというか。

ほかにスペックでわかるのは、腕の強度は自重を支えるのに十分で、腕のモーターは懸垂できるくらいパワーに余裕があること。でもぶっといアンビリカルケーブルが繋がってるってことは、外部電源を使ってるってことかと。バッテリーなしじゃそりゃ軽いだろ。

恐らくこの人型ロボ、人型ロボそのものの基礎研究のためのものなんだろうな。「このロボットをあんな場面のこんな作業に役立てよう」なんて具体的な当てがあるわけではなく。

スレた観客としては正直、今頃こんな程度のブツを見せられてもなーって感じ。

銘板左端銘板銘板右端

この場合の「助けてあげないといけない気分になってしまう」ってのは、なんかこう同情とか悲しみみたいなネガティブ寄りの感情ですな。その対象が人間なんならまだしも、ロボットがってのがな。「なんでロボットを助けなきゃなんないんだよ。逆だろ」っつう、これまたネガティブ寄りな感情を持ってしまうというか。

じゃあ、「かまってあげたくてしょうがない」を誘発する、カワイすぎるデザインにしたらどうかと。

例えば猫。役立たずというか、役に立とうという気さえもないことで昔から定評の猫。

猫好きな人はとにかく猫がかわいくてかわいくて、時間が経つのを忘れるほど夢中でかまっちゃってかまっちゃって、猫が明らかにうんざりしててもやっぱしかまいたくてかまいたくて、かわいさのあまりだっこして、だっこしたら寝っ転がって、寝っ転がったら胸に猫を乗っけて、胸に乗っけた猫の背中をゴシゴシ搔いてやって、ゴロゴロ言うまで健気なまでに掻いてやって、やっとゴロゴロが出たらもう幸せの絶頂ってなもんでして。

猫が人に懐くのではない。人が猫に懐くのだ。

カワサキロボもそういう外見にしてはどうかと。

人が助けてやらないと何もできないってのは、外見が醜いと「甘ったれんな!」とイライラ。かわいいと「ああーもうしょーがないなー」とデレデレ。カワサキロボみたいに醜くもかわいくもないと、同情で胸が痛くなる。

カワサキロボをこのスペックで一般公開するには、ここらへんの塩梅加減がまだイマイチなような。

ってその路線、ソニーの AIBO が今まさにやってるし。ホンダの ASIMO も、カワサキロボよりはるかにやれるのに、実用じゃほとんど役に立たない感じ。けどかわいさでかなりごまかしてる埋め合わせてるよな。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

じゃあ赤ちゃんっぽいデザインとか? 四つん這いでも違和感ないぞ。鉄棒をガッチリ掴んで懸垂する赤ちゃんって何なんだよ。

「四つん這い+懸垂」っつう、演目の組み合わせ自体もまた難ありな気がしてきた。

カワサキは相当なハイテク企業だったってのはサイトを見て理解したけどさ、ロボット研究はかなり遅れてるんだな。

というイメージを、展示会のデモンストレーションでわざわざ広めるってのはどうなんだと。

正直なのは大事だけど、見せるほどじゃないレベルで、しかも悲しくさせる演目しかできないブツを、わざわざ展示会で見せることもないんじゃないかと。

銘板
2018.2.14 水曜
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グダグダな幸せ 1

最近ね、この日記を書いててもあんましはかどらないんすよ。あんまし進まないんすよ。

だらだらながなが垂れ流しスタイルな書き方が悪化してるからってのもあるんだけどさ、

YouTube で きゃりー動画を見始めちまうんですわ。見始めるとハマっちまうんですわ。

銘板
2018.2.15 木曜
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グダグダな幸せ 2

なんかもういろいろツボで、めちゃめちゃ楽しくてこれが。

海外ツアーで、盆踊りや応援団の太鼓の音を鳴らしてウケまくってるとか、昭和の人の感覚じゃ絶対ありえない珍事がフツーに起きてるwwwwww

そういやズンドコ節でフランスのてっぺん取ってしまった日本人デュオがいたな。「フランス ズンドコ節」で調べたらすぐ出てきた。そだそだレ・ロマネスクだ。

銘板
2018.2.16 金曜
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グダグダな幸せ 3

今、関連動画見てウケまくってるとこwwwwww

……、

……、

……。

やべえレ・ロマネスクやべえ。日本語のオリジナルソングと MV もめっさおもしれえ。振り付けもすごくいいぞ。

きゃりーさんごめんね。ちょっとの間だけウワキさせてね。すぐ戻るからさ。

つか『原宿いやほい』毎日1回は聴いて1カ月くらい経つな。

ってソッコー『原宿いやほい』MV 再生。もう戻ってきた。

あーもうやっぱしこれ最高。なんでこんなに好きなのか全然わかんないよ。

まとまりないけど楽しいからいいや。

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2018.2.17 土曜
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グダグダな幸せ 4

そういやおいら、きゃりーぱみゅぱみゅ のコンテンツに1円もお金を払ってないってのが申し訳ない気分だったけど、いやさ、何年か前にちょっとだけ払ったことあったわ。

居酒屋のカラオケで きゃりー曲4曲くらい立て続けで歌って、居合わせた酔客をうんざりさせたことあったwwwww "PON PON PON"『つけまつける』『ファッションモンスター』『にんじゃりばんばん』だったような。店を出てから「しまった『キャンディキャンディ』歌ってねーし」とか後悔したぐらいにして。

飲み屋のカラオケって機械にお金入れるじゃないですか。1曲200円くらいで。あれって著作権の権利者にも行くんだよな。

きゃりー曲の場合、印税として主に中田ヤスタカに入るんだろう。もちろんそれに異存はない。きゃりーぱみゅぱみゅ っつう楽しいコンテンツを構成・演出する、ほんと楽しい曲ばっかだしな。『インベーダーインベーダー』と『もんだいガール』と『み』も最近よく聴いてるですよ。

んで著作権には「演奏権」だったかな、そういうのがあって、オリジナルを歌った人や演奏した人にもいくらか行くらしい。てことで、きゃりー 本人にもおいらからのお金がちょっとだけ(ほんとにちょっとだけ)だけど、たぶん流れてったことがあるんだなと思ってさ。そのこと思い出して、少し安心したですよ。

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2018.2.18 日曜
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グダグダな幸せ 5

何年遅れでヒット曲を楽しんでるんだってな。

きゃりーぱみゅぱみゅ のステージで欠かせないのは、女装のダンサーたちかと。4人とか6人とかで、完璧なチームワークで踊ってる。真ん中で歌って踊る きゃりー の分身というか残像というか拡張というか、そういうコンセプトじゃないかと。

レ・ロマネスクは男性(TOBI)がメインだけど、横で一緒に踊る女性(MIYA)がどうしても必要な気がする。

つかおいら、ド派手なビジュアルが好きなんだな。今さら自分を知ってしまった。とりあえず黒澤映画で鍛えられたことにしとこう。うん。

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2018.2.19 月曜
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新聞記事で動向を知る日々

羽生くんすごいですなぁ。遅ればせながら、金メダルと2冠達成おめでとうございます。

演技見てないけど。

すんません仕事中だったんで。

今回のオリンピック、おいらまったくテレビ観戦できない模様。

オリンピックは冬派なのに orz

スピードスケートの小平選手も金メダルいきましたか。おめでとうございます。オランピックには魔物がいるとかよく言われるけど、たぶんその正体は独特のプレッシャーなんだろうな。魔物を跳ね返したのか、それとも飼いならしたのか。そんなのどうでもいい。大舞台でも強かったってのがイイね。

所属先の相澤病院も嬉しくてたまんないだろうな。

んでその相澤病院って聞いたことなかったけど、きっとスポーツ振興に熱心で、たくさんの選手やチームをようしてるんだろうなと思ったら、そういう所属者は小平選手1人だけとか。ニュースからの受け売りだけど。相澤病院は、義を以って小平さんの面倒をみることにしたらしく。そしてサポートしつつメキメキと頭角を表してきた小平さんには嬉しかったろうとは思うけど、オリンピックで金メダルを本当に取れるとまで思ってたんだろうか。

側から見ると、見事な1点賭けで大勝ちしたみたいにも見えるww

結果で応えてくれた選手はもちろん、小平さんをずっと支えてきた相澤病院も、もっともっとみんなに祝福されて欲しいと思う今日この頃。

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2018.2.20 火曜
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高速腕回し 1

この前まで何日間かのマイブーム的な何か。

仕事で PC をずっと操作してると、肩が凝ってくるんですよ。いったん肩が凝ると、なかなか回復しないじゃないですか。てことで休み時間には腕や肩を回して、少しでもほぐすわけですよ。

腕と肩の力を抜きに抜いて抜き去って、肩の前後動だけで腕を回すとですね、けっこうすごいスピードが出ることに気づいて。120rpm くらい出てる気がする。腕の長さだいたい 1m なら周長だいたい 3m で周速 360m/min か。時速 21km って全然そんなでもなかったw

とりあえず、なんだか面白くなってしまって、この前までとにかく腕を回しまくってたwwwwwww

終わるとさ、手がむくんでるんですよ。当たり前だけど遠心力で血とか体液とかたまるんだな。

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2018.2.21 水曜
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高速腕回し 2

その遠心力はいかほどか。

周速 360m/min = 10m/s, 遠心力 a = v^2/r = 100 [m/s^2] ≒ 10.2G

おお、これはこれはけっこうな数値が出ましたですよ。全身なら気絶してますですよ。生身の人体の一部が、本体の人力オンリーでここまでの加速度を作れるっつうのがけっこう驚き。つかもっと小規模でもいいんなら、デコピンなんてもっと加速度出てそうだけど。

いやさ、なんか座りっぱなしからいきなりそういうことすると、血栓とか怖くなってきて。エコノミークラス症候群だかそういうのあるでしょ。

腕回すからって影響あるのか全然わからんけど。

もっと素直に言うと、飽きたんですわwwwww

あとさ、稼働中に気づかずにモノとか人とかに当たると、けっこうな破壊力なんじゃないかと。迷惑もいいとこ。ていうか自分が痛そう。

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2018.2.22 木曜
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高速腕回し 3

そういや片腕ずつでしかやったことないけど、もしかして両腕同時にヒュンヒュンやったら、なんだか強そうなオリジナル必殺技を持ってるみたいに見えるかなとか余計なこと考えたww

漫画でありそう。ヒュンヒュンヒュン「この技が見切れるかな?」と余裕の薄ら笑いで、相手に向かって歩いていくわけですよ。

……、

……、

……。

主人公に1コマでやられるザコじゃねの orz

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2018.2.23 金曜
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ところ変われば

もしかしてレ・ロマネスクって、仮にあの格好でアメリカに行ったら、「人種差別だ」で野暮な叩きしたりする人っていたりしそうなんだろうか。

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2018.2.24 土曜
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ハダカデバネズミ不老不死説

なんか生き物科学系ニュースで、おもしろそうなの2個見つけた。

不老不死の鍵を握る哺乳類「ハダカデバネズミ」。老化を見せず生殖も(今のところ)永遠に続ける - GIZMODO

とりあえず、老化しない生物が何種類かいるってのが初耳。つか魚とか老化するのかしないのか不明な気がしてる。40年生きてる金魚とか。スーパーで売ってるそこらの魚よりも余裕ででっかかったりする。

んで、ハダカデバネズミなんつう、哺乳類、人類のご近所さんにも不老不死っぽいやつがいたとは。

生物一般や人類の老化の研究って、20年くらい前にけっこう盛んに報道されてたような。細胞内のテロメアっつうものが細胞分裂ごとに少しずつ短くなっていって、これがなくなると、その細胞の寿命だとか。

ES クローンでテロメアの長さがリセットされてくれるかどうかが、けっこう熱い議論を繰り広げてたような。今は iPS 細胞でそこらへんの研究が進んでるんだろうか。

「ハダカデバネズミはテロメアを常に取り替えられる能力を持っていると言われ」と書いてるのは、下の記事。

まったく老化しない奇妙な生物「ハダカデバネズミ」に隠された長寿の仕組みとは? - TOCANA

TOCANA だしww、「と言われ」でぼかしてあるんでアレだけど、そういう仕組みなんだろうか。んでその仕組みを実現するのは、どういう仕組みなんだろうか。解明が待たれますなぁ。

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2018.2.25 日曜
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キツツキ脳損傷説

もうひとつの生き物科学系ニュースは、

キツツキの「つつき行動」、脳に損傷与えている可能性=研究 - ロイター

ダメ生物じゃねのwwwww

本当だったらけっこう笑えるww

今までの解釈だと、「キツツキのつつき行動での衝撃は、頭蓋骨や舌でうまく吸収されて、脳は大丈夫」とされてたらしい。

そこへ来て衝撃の新説。

さてさてこの謎も、解明と結論が待たれますなぁ。

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2018.2.26 月曜
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航空謎かけ

航空力学についての、しょうもない謎かけみたいなのを思い出した。昔、雑誌「ラジコン技術」に載ってたやつ。

「飛行機は、水平飛行中も上昇中も下降中も、揚力は同じなんですよ」

当時わけがわからんかった。上昇するなら揚力は強いはずだし、下降中は逆のはずだろと。

今ならわかる。あーそういうことかと。

わかりやすい例だと、「一定の上下の移動速度で上昇または下降」ってのは、そういうことだわな。

揚力と重力は綺麗に対向してて、機体をただ浮かしてるだけ。そこで試しに機体の重心位置を、指でツンと上か下かに突っつくと、機体は一定速度でその方向にゆっくり移動していく、ってだけのことだった。なるほどなるほど。

この理屈がわからんかったのは、機首を豪快に上下に向かせつつの上昇・下降を考えてしまったからだった。この条件だと原則か加速していくんで、しかも揚力が斜めに発生してるんで、考えると途中でわけわかんなくなるんだわな。そういう話ではなかったと。

まーちょいとイジワルなアレに引っかかっちまってたなと。

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2018.2.27 火曜
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火星都市

100年後の火星には、人口60万人の都市が……。アラブ首長国連邦(UAE)が、すごい構想をぶち上げとった。

アラブ首長国連邦が掲げる「火星移住計画のイメージ」が超ゴージャス! ウルトラリッチな国の発想はやはり違う!! - ロケットニュース24

アラブ首長国連邦が「100年後の火星移住」をイメージした動画を公開! まるで近未来SF映画みたい!! - ロケットニュース24

構想図(↓)だけじゃよくわからん感じ。

けど2本目の記事に出てる動画で、都市の規模のでかさがわかる。

開発の最初期がマーズワン風なのかは知らんけど、プロジェクトの開始は30年後ってことで、マーズワンより時間に余裕があるね。そうか民間からの寄付やスポンサーを集めるとなると、早く実現しないと意味がないんだわな。お金を出した人が生きてる間に、忘れる前に、投資の回収まで持ちこたえられる間に、やらないといけない。

UAE の計画は国家がやる形なんで、人の一生の長さを超えるスパンで計画を立てられる。個人・民間 vs 国家 の事業規模の違いって、こういうことなんだな。

とはいえ共通なのは、巨額の資金をぶち込む以上は、計画に目的がないといけないってこと。最終的な黒字化をどう作るかと。

どっちもそこはあまりはっきりさせてないのがアレな感じ。

マーズワンだと、火星での生活ぶりのライブ中継とかでスポンサーを集めて儲けようってなってる。それだけじゃなんか心許ない感じ。じゃあ火星探査で得られたデータを世界各国のその道の研究機関に売ったり、研究テーマを募集して資金を受けるとかもあるかな。独自に火星探査をするよりも、現地に常駐してる人たちにやってもらう方が、話が早いからな。これだと比較的短期間で儲けられるかなと。

UAE の構想だと、大勢が住む都市を建設して、それでどうするのかってこと。都市まるごとの生命維持そのものが経済活動なわけで。そこで生まれた利益を得ることになる。環境・インフラ・土地・建物の使用料や税金で、てことかな。アメリカ映画『トータル・リコール』(1990)は火星の都市が舞台で、酸素が有料だったか課税品目だったか、そういう設定だったな。

UAE の火星都市の特徴は、完全に孤立してるってとこ。地球上の普通の都市だと、額面で60万人くらいだと、近場に衛星都市がいくつもあったりする。もう少し離れたところに、もっと大きな都市もあったりする。そこらへんの広域経済圏の連携が、UAE の火星都市にはない。てことで広域でのスケールメリットが効かないぶん、経済規模や便利さは、地球上の60万人都市よりはるかに分が悪くなる。

あと、潤沢・多種で採掘コストの低い天然資源を、どこでどう調達するかも大事。投資者(UAE)に安定して利益を送るには、工場でいうと原料とエネルギーに当たるものが必要なわけで。資源ですな。これを消費することで、都市は生命を維持できる。マーズワンがサービスを地球に直接売り込み続けないといけないのと違って、都市の場合、うまく生命維持するだけで利益が生まれる。

お金もそうだけど、都市を建設・運営するってことは、その場所の所有権を主張できるってことでもある。UAE の火星都市構想って、まさに火星で自国領土を取得・拡大していくってことなわけで。

国家が今の国土の外に都市を作るってことは、そういうことだわな。今なら火星は無人地帯なんで、最初に開発を始めた国が圧倒的に有利。現状だとアメリカがやっちゃいそうなのを、UAE がライバルとして登場ってことで。

まーどれだけ本気かってのもあるけど。

つか、そんなテキトーな構想でもないかも。

UAEドバイのMBRSC から火星探査機打上げ輸送サービスを受注 海外顧客から4件目 - 三菱重工

受注なんで、UAE の火星進出計画はもう動き出してたりする。

たぶんこの火星無人探査計画の結果次第で、火星都市計画を本当にやるのかどうか決めるのかな。

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2018.2.28 水曜
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マーズ・ダイレクト その1

火星への有人往復で、比較的安く上げる方法も研究されてるんだな。「マーズ・ダイレクト」 と呼ばれるもの。

普通の考えだと、地球から復路の分の推進剤まで持っていくから、宇宙船が非現実的なとこまで巨大になってしまう。「じゃあ推進剤は現地で原料を調達して生成すればいいんじゃね?」というアイデア。マーズワンの場合は「じゃあ火星へ行きっぱなしなら、復路そのものが要らないよね」だったね。

マーズワンと似てるのは、有人宇宙船よりも先に、無人で装備を現地に送り届けて準備しとくってとこ。違うのは、その装備は地球帰還のためのものが主ってとこ。推進剤を作るための化学工場と、復路用の宇宙船ですな。居住ユニットは有人打ち上げで一緒に持っていく。んでこの居住ユニット、その後の同じ計画で使い回すんだね。それでコストを下げると。

マーズワンにないものとしては、往復の航行で、けっこう単純な仕組みで人工重力を作るってとこ。どのくらいの強さかはわからんけど、無重力よりだいぶ都合がいいんじゃないかな。行き先の火星にも重力があるんだし。健康維持の面で特に有効かと。

いずれ地球へ帰れるとはいえ、やっぱしというか、けっこうな長旅になるんだよな。

片道6カ月ずつ。火星滞在は1年5カ月。計2年5カ月。って地球と火星の公転の同期周期は2年2カ月のはず。てことは、移動のための軌道はちょっと無理して、火星滞在期間をなるべく延ばしつつ、往復の期間をなるべく短く、という形かと。

以前に新聞でこの発想を見たとき、有人宇宙船が推進剤の生成装置とセットで行くもんだと理解してて。「現地で推進剤が作れなかったらアウトじゃん。あぶねーなー」と思っとった。けど事前なんだね。先に無人で送っといた装備が問題ないことを確かめてから、人が行くんだわな。さすがにそこは考えるわな。

しかしやっぱし綱渡り的なような。先に打っとく無人は、有人の2年2カ月前の打ち上げ。8カ月かけて火星に着いてから稼働開始。有人の打ち上げのタイミングは、そこから1年6カ月後。そこまでで、有人を出していいのかどうか判断できる状況に持っていかなきゃいけない。主に、推進剤や帰りの分の酸素と水の生産・確保が順調かどうかってとこかと。

何らかの不具合で有人をやれないとなると、もう計画のほとんどが消滅するわけで。

現地での不具合発生のタイミングが、有人の打ち上げの前か後かで運命が変わってくる。そこはマーズワンと同じか。「無人 → 有人」っう2段構えの宿命ですな。なんかまだおっかないような。

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