ひとりごちるゆんず 2016年12月
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2016.12.1 木曜
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バックソナー

昔、バックソナーってのがあったよな。車の後ろのバンパーに超音波高のセンサーがついてて、バックのときに障害物を検出して警報を出してくれるってやつ。岸本加世子が宣伝した車がそうだった。

あれって当時はあまり普及しなくてな。当時聞いた説だと、「運転がヘタだと思われるのがイヤ」とか。つか単純に、黒い樹脂バンパーに等間隔で並んだタコの吸盤みたいな穴があまりカッコよくなかったのが原因だった気もする。

でさ、最近のやり方だと、その手のセンサーよりも、カメラ画像をモニタで見るのが主流なわけで。あれって死角が減る意味でも有効だよな。

けどさらに最近、バックソナー的な何かが復活の兆しを見せてるらしい。可視光による視覚情報を元にって意味じゃ現代的だけど。

めっさ笑ったwwwwww

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2016.12.2 金曜
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ドニエプルロケットが意外と変な件 1

ロシアの中型ロケットで「ドニエプル」というのがありまして。商用打ち上げの国際市場じゃ一定の人気があったりしまして。

元は核弾頭を飛ばす ICBM だったのが、軍縮で要らなくなったってんで商用衛星打ち上げに転用したものでして。JAXA も、衛星間の光通信実験衛星 きらり を打ち上げるのに使ったことがあるな。そういや きらり は元々は J-I ロケット2号機で打つはずだったのが、J-1 は1号機だけ打った直後に会計監査院に「高額すぎる」と突っ込まれてなぁ。そのまま開発打ち切りになっちまってな。てことで、きらり はドニエプルで打ち上げたと。

んでそのドニエプルって ICBM 出身なもんだから、どうも3段目の設計と機動がかなり独特らしく。今 Wikipedia 記事を初めて最後まで読んでようやく知ったですよ。

ドニエプルロケットは、MIRV放出用に設計された機体のため、3段エンジンの噴射口はロケットの上部に向いた形で取り付けられている。従って、減速ではなく、軌道投入のために加速するには、3段の点火直前に180度姿勢を変更しなければならない。 ペイロードフェアリングは2つ使用されており、2段の上昇中に外側のフェアリングが分離されるが、内側のフェアリング(Gas Dynamic Shield)は3段の燃焼終了後に覆いが外される方式である。これは、衛星を搭載する場所が3段の4基の燃焼チャンバの中央にある円筒の内部になっているため、3段の燃焼ガスが衛星に付着して衛星が損傷するのを防ぐために必要となる。通常の3段ロケットのように衛星を下から押すようにロケットを噴射するのではなく、衛星を引っ張る形でロケットを噴射する。このため衛星放出時は、衛星を放出した後、その上方に位置する3段は衛星との衝突を回避するためにさらに上昇を続ける必要がある。

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2016.12.3 土曜
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ドニエプルロケットが意外と変な件 2

な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ(コピペ)

3段目の設計とシークエンスを文章で理解するの、何度も読み返して大変だったですよ。

絵で表現したものとかないのかよと探してみたですよ。あったですよ。

これ、向かって右側の方向に加速してる最中の絵なんですわ。2段目を分離した後、3段目はぐるっと後ろを向いて、逆噴射しながら加速していく……。

どうも ICBM の3段目をそのまま使うとこういう形になるってことらしく。しかしほんと変態シークエンスだな。つか3段目エンジンのラッパを反対の向きに付け直すだけで、かなり単純になれると思うが。内側フェアリングもさっさと外せるし。ってそれは当事者の方々も考え済みのはず。その構造をいじるより、シークエンスをいじる方がイイっつう結論に達したんだろうなぁ。

まー ICBM を衛星打ち上げロケットに鞍替えさせるって時点でシークエンスをいじるのは必定だからな。

何事においても商用ナントカはコストが絡むわけで、結果的に最小になった方がイイわけで。その結論なんだろうなぁ。

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2016.12.4 日曜
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ドニエプルロケットが意外と変な件 3

んで きらり を打った当時は10億円だったのか。うむー、J-1 の1号機は43億円だったからな。設計がかなり変わった2号機もたぶん30億円は行ってたろうから、ドニエプル起用でかなり安く上がったってわけか。

そんなコスパに優れたドニエプルも、最近は30億円とか。かなりの値上げじゃないですか。Wikipedia によると、軍の倉庫から在庫を出して再整備と打ち上げ準備で2年もかかるってのがな。

イプシロンロケットの2〜3倍の能力で値段が同じとすれば、まだまだ安い方ではあるけど。

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2016.12.5 月曜
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ドニエプルロケットが意外と変な件 4

ソースが何だったか忘れた与太話だけどそれっぽい話。ドニエプルは状態のいい在庫から使ってるとかいう話。普通に考えるとそうなるわな。とすると、打ち上げが進むほど再整備コストがかかるようになってくってことかな。機体を保管してる倉庫はクリーンルームの空調完備ってわけじゃないだろうから、在庫は長く置けば置くほど状態が悪くなってくしな。それで10ウン年前は10億円だったのが今は30億円なのかもな。

けど正規分布で考えると、在庫の消化がある程度進めば、打ち上げごとの状態の悪化の進行速度が緩んで扱いやすくなっていく状況にもなるわな。倉庫内での劣化の進行と、正規分布での扱いやすさの進行と。

その線で考えると、正規分布の右半分を使い切ったあたりでおしまいって形になるのかもな。

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2016.12.6 火曜
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カメラコピー機 1

コピー機ってあるじゃないですか。オフィスとかコンビニとかの。あれっていまだに、読取機がスキャナじゃないですか。

カメラでいいんじゃねとか思うが。カメラ1台だと奥行きが必要で場所を取るから、複数台のカメラが一定間隔で並んでる的なのならいいんじゃねとか思うが。んで各カメラからの画像に歪み補正かけて並べて、1枚の画像として出力。

可動部がないから持ちがいいと思うぞ。読取時間もかかんないし。とりあえずはそんなに精度が要らん画像向けかな。

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2016.12.7 水曜
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カメラコピー機 2

A4 原稿なんかを PC に読み込むのに、スキャナ代わりにカメラで画像取得すると、長方形の被写体が樽型に写りますわな。あの補正ってけっこう面倒でな。GIMP のデフォ機能にはないらしくて。PhotoShop にはあるんだろうか。

んで開発した手段が、Art of Illusion で平板を作る → 平板をメッシュ化 → 樽型画像をテクスチャとして貼り付ける → 樽型画像が長方形になるよう調整かけまくる

ってこれもまた、完成まで持ち込めはするけど面倒でな。作業画面にテクスチャの絵柄が表示されないんで、いちいちレンダーして出来栄えをチェックしてはお直ししてっつうループが必要でな。

やっぱし 2D レタッチソフトでどうにかしたいところ。けどやり方わからんというか、検索すると世の中の皆さんけっこう同じ問題で悩んでおられたりして。そのうちの回答に、3D モデリングソフトで……ってのもあったなぁ。考えることは同じですか。

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2016.12.8 木曜
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「★新規入荷★」

ほぼじゅびふぉ、微妙に改良すますた。

新しく入荷した作品のタイトル部分に、赤字で「★新規入荷★」を入れるようにすますた。作成日から30日以内だとこの表示が出るようにしてみた。60日にしようかな。

11月26日付のログ に書いた、長らくかかってた改造で、とりあえずこれをやりたかった。まだ他に用途を思いついてないけど(汗)

いやさ、ほぼじゅびふぉ にせっかく来てくださった常連さんがたは、新規入荷分をすぐに見つけたいんじゃないかと思ってさ。

つか並べ替え機能があればいいんだよな。

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2016.12.9 金曜
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勝手な取らぬ狸

H-IIB ロケット6号機 と こうのとり6号機が打ち上げ成功ですな。

今月の1日に、ロシアのプログレス補給機が打ち上げ失敗したし。ロシアの無人補給船「プログレスMS-04」が墜落、ISSへの打ち上げ失敗 - マイナビニュース

実は H-IIB + こうのとり の方も事前に不具合が見つかって(どっちに発生したか不明)、当初予定の10月1日から延期して今日の運びとなったらしく。したら5号機と同じパターン(他国が失敗 → 日本が成功)っつう、妙に印象のいい状態になっちまったww

今回の報道で「国際宇宙ステーション(ISS)補給機で打ち上げ失敗がないのは日本だけ」っつうのがあったけど、それは現役機の話。退役済みだと、アメリカのスペースシャトルとヨーロッパの ATV が ISS 補給任務を無事故のまま全うしたよ。そこはちょいと誤解を与える何かがあるような。

こうのとり は当初計画だと7号機までってことになってたけど、延長かかったんだよね。ISS 自体が延命することになったこと(退役予定2020年 → 同2024年以降。ただしヨーロッパは途中で降りるかも)での判断らしい。こうのとり は唯一の機能がけっこうあるってことで、かなり頼られてるっぽい。

で、現行の設計は9号機までで、そこから先は新設計の低コストな HTV-X になるそうな。ってのを Wikipedia「宇宙ステーション補給機」をカンニングしながら書いてたりww おお、再突入機能付きの HTV-R は開発中止になっとったか。

HTV-X はコスト半減だそうで。しかし2021年度以降って、予定だと H3 ロケットの就任(2020年予定)以降なわけで。新開発の H3 が安定するまでは H3 と H-IIA/B とを共用するらしいんで、HTV-X も H-IIB で打ち上げるってことでいいのかな。

つか今 Wikipedia「H3ロケット」を調べたら、ブースター4本仕様で H-IIB の能力をかなり上回るんだな(ロングコースト静止移行軌道での比較)。てっきり下回るもんだと。んじゃ HTV-X の打ち上げは H3 でってことでいいのかな。

そうなるとコストはどうなるんかと。現行の こうのとり の値段は140億円。H-IIB は初号機が147億円の目標が110億円なんで、今のとこ130億円くらいかな。合計270億円なり。

HTV-X はコスト半減っつっても実質4割減くらいとして84億円。H3 のブースター4本仕様って90億円くらいかな(本体60億円と仮定。ブースターは H-IIA 用が1本10億円として、H3 のは多少安くなるはずってことで)。したら合計174億円くらいかな。

現行の3分の2くらいの低価格化ですな。金額で言うと96億円削減。ほぼ H-IIA が1機ぶん。でけー。こうのとり の打ち上げ周期はだいたい年1回。JAXA 全体の年間予算は1800億円くらいらしい。これで年間予算の 5.3% が浮きますですよ。

この年間96億円のうちの半分でも、宇宙科学研究所(ISAS)に振ってほしいが。ISAS の予算は年間190億円くらいなんで、48億円も盛れば相当な規模拡大だな……というただの妄想。

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2016.12.10 土曜
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来年の準備まだ

そろそろこの日記の来年ぶんの台紙ページ作成しなきゃな。

来年ぶんも名無しの JavaScript で1カ月ぶんずつ作んなきゃなんないか。

Perl とかで組み直せば、(きっと)すごく簡単に12カ月ぶん全部一気に作れるはずなのにな。今年もそこらへんの勉強を何もしなくて、改良せずじまいになっちまった。

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2016.12.11 日曜
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映画だし

TOHO シネ○ズのシンボルマークってさ、

……、

……、

……。

変○仮面に見えてしょうがない……。

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2016.12.12 月曜
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「魚」の和語は幻か

「魚」の和語は本来は「さかな」じゃなく「うお」なんですよ、ってのを、昔聞いたことあるような気がする。

「さかな」の元は「酒肴」で、お酒のつまみの意味だったとか。まー今でも「酒席で盛り上がるトークネタ」を「酒の肴」って言うことあるしな。

けど「うお」の語源ってさ、「魚」の音読みの「ぎょ」から来てるんじゃないかと思うんだ。

もしそうなら、本当の和語の「魚」って何なんだと。

「馬」(うま)の語源はたぶん中国語読みの「ま」「ば」かな。馬は中国あたりから日本に持ち込まれたものだからな。これは不自然じゃない気がする。

しかし島国なんだもん魚なんて馴染みが深すぎるものだと思うが、なんでまた大元にあったはずの和語が途絶えてしまったのかと。あくまで「ぎょ」語源説にそえばの話だけど。

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2016.12.13 火曜
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アヒルはフランス鴨 1

鳥インフルエンザが青森県で流行し始めたようで。んでニワトリかと思ったら、アヒル(フランス鴨)なんだそうで。

知らなんだ。そういう飼育って県内でやってたんか。

しかしこのアヒルって何用なんだろ。食用ってのはあんましピンとこないような。えーとフォアグラ用かな。ってあれはガチョウだな。まーアヒルも似たようなもんなのかな。

いやいやもしかして布団とかダウンジャケットとかの羽毛? あれは確かアヒルだったような。しかしあれも中国製が主だった気がする。

もし食用なんなら、けっこうな高級料理の材料なんだろうなぁ。したら卸値もブロイラーより断然高いんだろうなぁ。

したら県外輸出でかなり稼いでくれてる産業なんだろうなぁ。

どうか業者さんたちが早く操業再開できますように。

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2016.12.14 水曜
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アヒルはフランス鴨 2

って、鳥インフルってなんでやばいんだっけ? 人に感染するからなんだっけ? それとも爆発的に広がるから畜産業へのダメージがでかいって話なんだっけ? いやそれは口蹄疫のことか。

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2016.12.15 木曜
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ハナアブの幼虫

ケータイのメモ帳を日記のネタ帳に使ってるんだけど、「ハナアブの幼虫」って何のつもりだったっけな……。

とりあえずググってみるか。

……、

……、

……。

ぎあああああああなんぞこれきめええええええええ!

ああそうだった。あまりにもあまりにもなあれで、忘れまいと思わずメモったんだった。

てことで、見たい人はご自分でどうぞ。YouTube に動画も出とりますよ。

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2016.12.16 金曜
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『君の名は。』

話題の映画、ようやく観てきたです。えかったー見応えあったー。

ていうかあのー新海監督、『グランド・ツアー』(1991)観たことあるでしょwww

んでまぁ『君の名は。』はそのジャンルのさらなる進化版のような印象。つか「そのジャンル」でおいらが知ってるのは『グランド・ツアー』と『君の名は。』だけだけどw

どっちの映画も、少しずつ明かされてく真実ってのがもうなんか見事でな。

そういや観る前に知ってたのは、『転校生』(1982)みたいに高校生の男女の心と体が入れ替わるっつう設定だけだった。てことでてっきりコメディ主体かと。なのに感動作として大人気とか。わけわからんまんま観に行ったですよ。何も知らんでってのはほんとよかった。ネタバレはあれな映画だもんな。てことでまだロングラン上映中なんで、ネタバレ防止ってことで今日はこんなとこで。

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2016.12.17 土曜
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役の交代はまだっぽい今 1

世の中、案外古臭い体質が今も脈々と生き永られてるというか、今もまだ主流なんだな。最近そのことを実感したですよ。

「この不都合は誰のせいだ」「誰々の体面を気遣って」

いやまぁそれも人的組織運営において大切なのはわかるけど、それが本当に大切なことなのかと。

組織自身が設定してる目的を、その組織自身が遂行することが最も大切なわけで。んですぐ下の2番目に、「不都合は誰のせい」「体面が大事」っつう流れを置くってのがどうもね。

いやさ、「誰のせい」「体面が」って発想は、不具合が起きたときの原因究明の邪魔になるわけですよ。原因究明はあくまでも「何が起きたか」「なぜ起きたか」を発見・理解することなんで、早々に「誰のせい」にしてしまうと、原因究明はそこから先に進めないわけですよ。「体面を気遣う」は、これまた原因究明活動の自由さを奪うわけですよ。

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2016.12.18 日曜
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役の交代はまだっぽい今 2

とはいえ特に体面については、無視したらしたでハラスメントになるんで、そこはある程度考慮しなきゃいかんわけで。けどそれはあくまで原因究明活動を邪魔しない程度に収めなきゃいかんもんじゃないかと。あるいは、やっぱしそこは気遣いながらの原因究明活動だわな。つか原因や原因となる仕組みの解明後・確定後の結果公表時に気遣えばいいわけで、調査中はけっこう無視しちゃうってのがイイ形なのかも。

あとまぁ組織運営の主体・中心っつうか、会社なら創業者や社長や最大株主さんやオーナーさんの場合は、まーこの人の望むことをするためにその組織全てが作られ、社員はそれを実現するために雇われてるわけで。したら原因究明活動もそこらへんの意に背かない形限定ってことで。となると、その特別な立ち位置の人が古臭いか今風かで変わってきそうなわけで。

つか問題発生後、即座に「誰のせい」で片付けるのって圧倒的にラクなんだよな。原因究明できた気分になれるし。だからやっちまうわけで。問題発生を起こすバグが組織内に存在するんだとして、「誰のせい」のターゲットになった人って、運悪くそのバグに捉まった人ってことなんだわな。

重要なのはバグフィックスなわけで。

同じ不具合が起きないように/起きにくいようにするのが大事なわけで。

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2016.12.19 月曜
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役の交代はまだっぽい今 3

対して、バグを放置して、バグに捉まった人を叱って解決とするってのはほんと何なんだろ。意味ある行為のようにも見えるけど、そんなにまで意味ある行為でもないようにも見えるような。

対象が機械なら、人はけっこう素直にトラブルシューティングをするもんだと思う。原因の究明や特定、それと再発防止ですな。けど対象が人的組織の場合、本質的には機械を対象にするのと同じはずなのに、それでも気がつくと「誰のせい」「お前のせい」「自分のせい」で片付けちゃってたりして。

「誰のせい」にやたら固執するのって、人類の本能なのかねぇ。

んで「誰のせい」をやると、とかく誰かの体面が傷ついてしまうわけで。

なんか「誰のせい」と「体面」ってそういう、無価値って意味でのゴールデンコンビな気がしてきた。

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2016.12.20 火曜
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イプシロン2号機と あらせ 1

H-IIB と こうのとり に続いて、イプシロン2号機でのジオスペース探査衛星 あらせ の打ち上げ。こっちも成功しましたなー。とはいえ あらせ が定常運用を始めるまでソワソワが止まらないのは、X 線観測衛星 ひとみ の全損事故があったから。あれはほんと痛かった。よりによって大型衛星だったってのが特に痛かった。

イプシロンは2号機にして早くもパワーアップしましたな。低軌道打ち上げ能力1.5トンですわ。表向きの理由は、あらせ の質量が当初より増えてしまったからってことらしい。けどロケット側としてはたぶん、さっさと増強して、ペイロード質量あたりの単価を下げたかったから/初号機の低軌道1.2トンが需要を満たすものじゃなかったから、あたりが本音なんじゃないかと。

イプシロンは最初の構想では2段式だったんだよな。んで低軌道 500kg っつうショボさで。当時の JAXA 理事は「地球低軌道500kgのところに需要がある」(記事)と言ってたけど、いやそれどうなんだって感じだった。言わされてたのかもな。んでまぁイプシロン2号機はその3倍の能力を獲得したと。3段目を追加したって値段が3倍になるわけじゃなし、能力 500kg のロケット3機集めても1.5トンの衛星を打てるわけでもなし。

銘板
2016.12.21 水曜
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イプシロン2号機と あらせ 2

んー、ロケットの発想ってどうしても「大は小を兼ねる」になっちゃうんだよな。そのうえまとめて打ち上げればコストが薄まるってことで、大型・超大型ロケットってのが続々と出てきてる。けど、積荷の衛星の側は技術の進歩で小型化がトレンド。こっちは小型軽量化で運賃割り勘の持ち分を薄めたい。荷物の届け先はそれぞれなわけで、混載の組み合わせが合うまで待たされることになる。超大型ロケット1機に超小型衛星がたくさん乗る構図。荷主にとっては、順番がなかなか回ってこないとかありそうなわけで。

てことでロケットの主流が大型化するにつれ、小型ロケットもまた必要になる。ペイロード質量あたりの単価は大型に比べて不利だけど、現状の不整合を埋める存在になるわけで。けど単価も能力も大型からかけ離れすぎると、これはこれで需要を満たせない。んでまぁ大型と同じく、能力を稼いで単価を薄めるのが有効ってことになるわけで。増強した能力が余ってしまう打ち上げでも、1機あたりのコストが同じなんなら無駄でもないだろと。

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2016.12.22 木曜
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イプシロン2号機と あらせ 3

さて2号機のスペックを見ると、能力は初号機と比べて 25〜30% アップってとこですな。2段目の5割増強のみでここまで行けるんだな。つか初号機の段階で、2段目が1段目の性能に対して軽すぎたもんな。今回でかなり最適化が進んだかと。

今後は3段目の増強をどうするかになるかと。初号機ですでに、3段目も2段目に対して軽すぎだった。2号機は2段目増強の3段目据え置きってことで、軽すぎの度合いがむしろ増えてしまった。3段目もガッツリ盛れば、打ち上げ能力ハデにアップでコストがそのぶん薄まるかと。

って2号機の時点で、先代の M-V ロケット前期型の低軌道1.8トンにかなり近づいた。3段目の増強で1.8トンは越せるんじゃないかと。となると キックモータを付けると 500kg 級の惑星探査機を打てるようになるんじゃないかと。現状でもキックモータ付きで 400kg 級が行けそうだけど。

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2016.12.23 金曜
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イプシロン2号機と あらせ 4

あと、2号機の2段目増強って径を太くする方向なのは知ってた。初号機だとフェアリングの中に収まってたのが、1段目と直径を揃えることで大径化したんだよな。んで、おいらはそのぶんフェアリングを短くするもんだと思ってた。

それでコストダウンと軽量化を図るもんだと思ってた。けどフェアリングは同じものを使ってるらしい。2段目を覆わなくてよくなったぶんフェアリングを上方向にずらして、それだけ荷室のスペースを多く確保したんだそうな。

なるほどなー。

能力アップで衛星も大きくなるもんなー。フェアリングも設計し直さなくていいしなー。

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2016.12.24 土曜
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イプシロン2号機と あらせ 5

クリスマスイブだけど関係なくww

イプシロン2号機で無事に軌道投入された衛星 あらせ。愛称が付く前は開発名の ERG(エルグ)で呼ばれてた。

この愛称の由来は JAXA によると(ソース

  1. 地球周辺の宇宙空間であるジオスペースの中で最も荒々しい高エネルギー粒子に満ちたヴァン・アレン帯という宇宙の「荒瀬」(水が激しく波立ちながら流れている川のこと)に漕ぎ出していくことから。
  2. 内之浦宇宙空間観測所の所在地である鹿児島県肝属郡肝付町に流れる「荒瀬川」にちなんで。荒瀬川には鳥の美しい歌声に関わる伝説があることから、「コーラス」を観測する本衛星にふさわしい。(コーラス: 宇宙空間に自然に存在する電波の一種。周波数が数kHzの可聴帯の電磁波で、音声に変換すると、 “小鳥のさえずり”のように聞こえる)

とのこと。

一方、イプシロン初号機で打った科学衛星「ひさき」の場合(ソース)、

  1. 内之浦の地名である「火崎」(津代半島の先端部の岬)
  2. 観測対象が、太陽(ひ)の先(さき)

だそうだ。共通するのは地元指向。ISAS の中の人たち、きっと内之浦宇宙空間観測所(所在地は現・肝付町、旧・内之浦町)から科学衛星をまた打ち上げられるのが嬉しいんだろうな。

イプシロンの打ち上げ場所は種子島宇宙センターにする話も出てたんだけど、周囲を説得しつつ、地元の応援もあって、内之浦に帰ってきたんだよな。ずーっと協力してくれてる地元への感謝の気持ちがよく伺えますなぁ。

銘板
2016.12.25 日曜
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イプシロン2号機と あらせ 6

クスリマスだけどやっぱし関係なくwwww

今でこそロケットの打ち上げ見学はツアーが組まれたり交通規制したりするほど大人気だけど(松浦晋也氏、笹本祐一氏ほかのプロモーションが奏功した)、はやぶさ が打ち上げられたあたり(2003年)じゃそんな多くの観光客が押し寄せたわけではなかったっぽい。んでまぁそんな時代は、漁業の街に、どこの誰だかわからんし漁業とも関係ない人たちが出入りするのって、下手すると歓迎されなかったりだったかも。昔はロケット開発は軍事絡みと思われたり税金の無駄遣いと言われたりで、あんましイメージ良くなかったしな。

けど ISAS の人たちは自分たちがよそ者なことをよく理解してて、とにかく内之浦の人たちと仲良くすること、内之浦に貢献することに務めたそうな。うまい方法だなーと思うのが、打ち上げ施設内に宿泊施設を作らなかったこと。ロケット関係者は町内の旅館に寝泊まりするわけで、そのぶん地域経済に貢献できるうえ、施設にこもりきりってことがなくて、土地の人たちと交流するようになると。それもあって内之浦の人たちは心を開いてくれて、以来ずーっと協力してくれてるっつうイイ流れで。

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2016.12.26 月曜
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後夜祭の日

12月24日: クリスマス イブ

12月25日: クリスマス

12月26日: クリスマス ブイ?

クリスマスってなんでこんな突然に終わりを告げるもんなのかと。前夜祭があるんなら、後夜祭もあって良さげなもんだろうに。

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2016.12.27 火曜
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イプシロン2号機と あらせ 7

衛星の名前に内之浦近辺の土地の名前を付けるのってさ、地域への貢献の度合いもまた半端ないんじゃないかと。そういや小惑星イトカワ上の地名にも「内之浦湾」って付けてたな。協力への恩返しとして、これほどのことはなかなかないんじゃないかと。

平成の大合併で、住所の地名としての「内之浦」は消滅したけど、内之浦宇宙空間観測所は今もその名前のままだし、イトカワでその地名が正式に(国際的に認められた形として)復活もした。はやぶさ の次のイトカワ便の予定がないんで、手紙を出してもいつ届くかわからんけどww

んで、荒瀬川は合併前の旧内之浦町の中を流れてるのかわからんけど、打ち上げ施設の今の住所の肝付町に敬意を表してるわけで。衛星の名前って、衛星が活動を止めた後も永遠に記録に残るからな。肝付町の人たちはこのシリーズの命名を誇りに思ってるだろうなぁ。ほんと羨ましい。

ISAS 御中におかれましては、イプシロン+科学衛星でこの命名シリーズをこれからも続けてほしいっす。

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2016.12.28 水曜
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イプシロン2号機と あらせ 8

あらせ の軌道は、傾斜角31° は内之浦からの打ち上げの標準として、高度は近地点 460km の遠地点 32,100km なんだよな。

これさ、静止遷移軌道に近いわけで。この軌道は科学衛星 あらせ の観測目的にとってベストなものとして設定されたんだとは思うけど、「イプシロンは静止衛星を打てる」アピールにもなりそう。

ロケットの側で軌道傾斜角をもっと0°近くに持っていかないと商売的にきついけど、とにかくやれるぶんにはやれると。

あらせ の質量は 355kg。てことでイプシロンは、静止衛星打ち上げ用としての性能は N-I ロケットN-II ロケットの間ですな。まーかなり小型の静止衛星限定というか。

イプシロンの先代の M-V だと N-II くらいだったけど、M-V は科学衛星打ち上げ専用で、科学衛星は静止軌道に用がない。そこがウンヌンされることはなかった。イプシロンは商用打ち上げも視野に入ってるんで、静止衛星打ち上げできるかできないか、できるんならどこまでやれるかってのは見せないといかんところかと。んでまぁ今回の打ち上げでそこをはっきりさせた、という面もありそげ。

衛星は一般に、コストダウンのため小型化が進んでるわけで。けど静止衛星は大型化の波がまだ止まってないというか。

もともと低軌道の衛星より小さいってのもあり。同じロケットだと低軌道の5分の1くらいの質量しか打てないっつう事情から。それは運賃の高さにもつながるわけで。最近は大型ロケットの低価格化が進んできてるんで、それに合わせて衛星も大きくなりつつある感じ。

さらに、静止軌道上の衛星の席数に限りがあるし。経度0.5°間隔と決まってるんで、720席が上限ですな。役目を終えた静止衛星は 墓場軌道 に移って席を空けることになってるけど、途中でトラブって死んでしまったやつは、ずっとその席を占有してもいたりして。

てことで1機の静止衛星になるだけ機能を盛り込んで、長く使うことにもして推進剤をたっぷり積んで、となると大型化なわけで。

Wikipedia『墓場軌道』を読むと、墓場軌道への遷移に成功するのは全体の3分の1程度とのこと。これ今までの累積かな。アメリカでは2002年以降の通信衛星は義務化されてるそうなんで、最近は成功率がかなり上がってそうな気がする。

んでまぁ静止衛星ってそこらの事情の兼ね合いで2〜3トンくらいのが多いらしく。

静止遷移軌道までロケットが運んで、そこからは衛星が自力で移動っつう普通のパターンだと、衛星は本来の質量と同じくらいの推進剤を積まないといかんわけで。衛星の全備質量は4〜6トンあたり。

そこで考えると、イプシロンで打てる静止衛星の質量は あらせ の半分で 180kg 弱と。N-I と N-II の間と。かなり小さな静止衛星ってことでして、今のとこの時流にはあまり沿ってない感じ。

それでも将来は静止衛星も小型化していくかもだし。静止遷移軌道の打ち上げ能力ってロケットの能力を比べる目安にもなるし。現状で需要がゼロとも言い切れんし。

しかし大型の静止衛星との相乗り打ち上げでよければ既存の大型ロケットを使えばいいわけで。そうなると打ち上げ費用は衛星の質量あたりの割り勘で安く上がる。イプシロンの場合、運賃が高くてもいいからチャーターで小型の静止衛星を打ち上げてほしい、という需要向けだな。相乗り相手の都合を気にせずってことか。軍事系ですかねぇ。

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2016.12.29 木曜
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イプシロン2号機と あらせ 9

あらせ は ヴァン・アレン帯 の中に入って荷電粒子とかを測定するんだけど、電子機器にとってかなりのことですわな。ヴァン・アレン帯そのものはアメリカが宇宙開発を始めた初期に見つかってるんで、今から60年近く前のことか。んでまぁ衛星にとって危険な領域なんで、その中に滞在して積極的に探査する衛星が今までほとんどなかったってことらしい。

けど静止衛星や探査機を打ち上げる時だと、短時間だけどこの中を通過しなきゃいかんわけで。ヴァン・アレン帯を知りたいってのは、科学的な興味からってのもあるけど、実用上も求められてることなんじゃないかと。GPS 衛星なんかの高度は 20,000km くらいで、ヴァン・アレン帯の一番外側をかすってるわけで。実用衛星の運用にもその知見がもっと必要とされてるのかも。

あらせ の開発では、事前に予見不能な要素が見つかって、完成が遅れた上に質量まで増えてしまったそうな。まーイプシロンロケット2号機にとっては福音で、能力増強を前倒しできたのと、その開発期間を確保できたってのがあった。

その予見不能だった要素って、荷電粒子からの防御策だったのかもな。あるいは観測機器の最適化か。いずれにしても、ヴァン・アレン帯の中に繰り返し入って探査する前例がないってのが原因だったのかもな。

衛星バスは ひさき と共通。ひさき の軌道高度は 1,000km 前後で、ヴァン・アレン帯の内側。比較的穏やかな環境ですな。あらせ は衛星バスも相当な強化を強いられたんじゃないかな。

あらせ 完成に至るまでの前段階として、きく6号かけはし は外せないだろ。どっちも静止衛星だけど、それぞれトラブルで静止衛星にたどり着けなかった。で、静止遷移軌道に近い軌道での運用を強いられた。この時に追加されたミッションが「ヴァン・アレン帯を繰り返し通過することでの搭載機器の劣化具合を調べる」。

結果、その研究テーマでより詳しい調査に価値が見つかったおかげで開発されたのが、民生部品・コンポーネント実証衛星 つばさ。これ H-IIA ロケット2号機試験機のペイロードで、ロケット自体は静止衛星打ち上げの性能評価のため、静止遷移軌道に打ち上げられた。つばさ は静止遷移軌道のまま周回を続けて、つまヴァン・アレン帯を出入りし続けて、過酷な放射線環境で宇宙専用じゃない民生部品がどれだけ耐えられるかを試験した。Wikipedia 記事によると「ミッション期間は1年とされたが、静止軌道での10年分に相当する量の放射線を浴びる厳しい放射線環境下で運用された」だそうで。

なるほど、ヴァン・アレン帯での劣化もそうだし、静止衛星の部品の劣化も見ることでもあったんだね。

運用主体は、きく6号と かけはし と つばさ は旧 NASDA。あらせ は宇宙科学研究所。その違いはあるけど今は同じ JAXA ってことで、この時のデータが あらせ の設計にかなり反映されてると思う。おお、かけはし と つばさ の主担当メーカーは あらせ と同じ NEC か。これはおもっきし反映されとるでしょ。

あと、あらせ は ひとみ の後の科学衛星なんで、あの事故の対策も盛り込まれてることだろうと。完全にソフトウェア的な問題だったんで、これはけっこう早めに実装できたかと。つか ひとみ 全損事故の原因特定が、あの悪条件の中でかなり早めに確定されたからな。あらせ チームにとって幸いなことだったと思う。

どうかこの冒険的な科学衛星が、過去の衛星たちの遺してきたものを昇華させて、末長く活躍しますように。そして今後の宇宙科学・宇宙開発に有意義な功績を提供できますように。

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2016.12.30 金曜
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イプシロン2号機と あらせ 10

あらせ の軌道はほぼ静止遷移軌道なわけで。近地点高度は 460km。静止遷移軌道にしては高い方。

普通の静止遷移軌道の近地点高度 200km 台ってのは、衛星としての寿命を意図的に短くするためなんだよな。静止衛星の打ち上げでこの軌道に残るのは、ロケット上段の燃え殻。いつまでも軌道上にあるのは好ましくない。他の衛星と衝突したり、それでデブリを撒き散らしたりってことがないよう、放っとけばいずれ大気圏に突入して消えるよう、てことで近地点高度を低く設定してる。

あらせ はその軌道で仕事する衛星なんで、そうそう簡単に消えられると困るわけで。それで近地点高度が倍くらいになってると。

とはいえ、静止遷移軌道にあるロケットの上段が消滅するまでって10〜20年くらいはかかってしまうらしく。古の H-II ロケットの上段は、多分もう全部消えた頃合い。H-IIA のは初期のは消えたかな。

あらせ の近地点高度は、すぐに大気に落ちるほどでもないけど、ずーっと待ってれば落ちてしまう高さでもある。どのくらいの時間がかかるのかな。

高度 400km 台の低軌道衛星の場合も、放置して大気圏突入までってのは5〜10年ほどかかるらしい。

静止遷移軌道みたいな、近地点が大気の上限に微妙に引っかかる軌道の場合、衛星が近地点付近に来るごとに大気の抵抗を受ける。この結果、遠地点高度が少しずつ下がっていく。対して近地点高度はほとんど変わらず。いずれ全部が近地点高度の円軌道に収まって、そこからは螺旋状に軌道が落ちていく。そして大気圏突入と。厳密には円軌道になる前に近地点高度も下がり始めるけど、だいたいこんな段取り。

あらせ の場合、円軌道に入るまでが長そうですな。そのあとは10年くらいだけど。

そういえば似てる軌道の先達に、電波天文衛星 はるか があったな。停波から10年以上経つなぁ。

んで はるか の軌道寿命、なんか数万年らしくwww ISAS メルマガでそう書いてあったのを読んだような。プロジェクトマネージャーの平林先生によると「ほぼ永遠」だそうな。

はるか の近地点高度は 560km。遠地点高度は 21,400km。560km って大気の抵抗をかなり受けるくらい低い気がしてたけど、そうでもないんだな。

あらせ の近地点はさらに 100km 低いわけで。感覚的には(あてになんないことが判明したばかりだけど)、軌道寿命は数百年な感じかなぁ。

衛星の運用者にしては、運用終了後もずっと軌道上にあってほしいのが本音だと思う。けど低軌道を含む長楕円軌道の場合はデブリ化が怖いわけで。近地点近くではかなりぶっ飛ばした速度になるしな。おいらはそこらへん、長くかかってもいいからいずれは消える方向でってのが安全な気がする。

はるか の場合、姿勢制御できない状況に陥ってしまったんでしょうがないかなと思う。あらせ は恐らく運用期間は特に設定してないと思うけど(税金を使った、短期的な実利を生まない科学衛星なんで、とにかくできるだけ長く使い倒すのが大事ってことで)、「もう充分に元を取った」てな頃合いまで健全だった場合、近地点高度をできるだけ下げる方向でどうでしょうか。

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2016.12.31 土曜
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また来年

今年もお付き合いいただきありがとうございました。

なんか日記の更新が滞りがちになってるけど、また内容を薄めたりして取り返していこうと思いますww

ではでは皆様、良いお年を!

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