ひとりごちるゆんず 2012年3月
銘板
2012.3.1 木曜
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後輪降臨チャリ神

子供の頃、こんなことできるようになりたかった。毎日チャリに乗ってたけど、このお方の足元にさえ及べなかったよ。

そうか、チャリで高いところから飛び降りるときはああやるんだ。普通に生身で飛び降りて足だけで着地すると、あの高さはかなりキツいはず。チャリの意外な使い方ですな。

タイヤ自体の緩衝効果も多少はあるかもだけど、なるほどなーチャリを自分の足の延長の、新たな関節・骨格にするんですな。さらにヒザも使って着地の衝撃を吸収するんだね。後輪が着地した瞬間、ハンドルをおもっきし引き上げてるっぽいな。足とペダルを支点にトルクが発生、重力に反発。

理屈では理解できても、おいらには無理。跳ぶ前に、ウィリーしたまま静止できることが基本っぽいんで。おいらは普通のウィリーにさえまともに到達できんかった orz

銘板左端銘板銘板右端

したら「おめぇウィリーもできねえで何ができるんだよ」ってなるわけで。全然大したことないけど、縁石程度の段差越えとか(<20cm くらいかな)。車道から歩道に乗り上げるときとか。地味技だよな。うん。分かってる。

まーでも便利なんですわ。チャリで八戸駅に行くと、自転車置き場が、バス停の歩道に上がった向こう側にあってですね。乗ったまんま行けるんでw

「んなもん誰でもできる」って? そう言われると返す言葉もないんですがね。

銘板左端銘板銘板右端

つか前に、2cm 程度の段差をナメて減速なしで乗り上げようとして大コケしたことあったわw ああもう10年も前の話なのか。この日記、ばかじゃねえのってくらい続いてるなぁと今さら実感。

銘板
2012.3.2 金曜
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名無しの野良 JavaScrpt ver.5

この5日間、戦ってた。

何と戦ってたかっつーと、過去の自分と。

JavaScript の腕前がどんだけ上がったかなーと、過去に作ったスクリプトを全とっかえしてみた。

何の JavaScript かっつーと、この日記のテンプレ自動作成のやつ。前にバージョン3までを作ってたときにかなり混乱してさ。JavaScript で HTML ソースを作り出すわけで、HTML ソースを作る HTML ソースを作るわけで。もう何が何やら。

けど今は、テキストエリアを作って、そこにテキストで書き出すっつー技を身に付けた。テキストボックスに入力したら、処理&結果をすぐさま表示する技もゲットした(前は月ごとに JavaScript ソースコードを開いて、設定値を手で書き換えてた)。function も一応分かるようになった。そして日付関数は全然分からんけど、今なら修得できる下地ができてるんじゃないかとも野心を燃やしたんですわ。

……、

……、

……。

5日もかかった orz

仕事で残業残業の日々で時間を取れなかった、なんてのは言い訳。とにかく引っかかりまくって引っかかりまくって。特にというかやっぱりというか、日付関数は難敵だったですよ。そういう仕組みになってたのかよ。

ver. 3 までのソースコードはもう参考にならんだろう&技術試験の意味もあって、古いソースコードを一切見ないでやってみた。んで完成してから「前は曜日を作るの、どうやってたんだっけ?」と見たら、ちゃんと日付関数でやってやがった。できてたんじゃん。かなり不完全な形だったけど。

そんで今日めでたく完成したんで、その成果とやらをソースの行数で見てみようと思って。下手なうちは使える手段が少ないんで、回りくどいやり方でソースコードが長くなるんですな。んで見てみたらば、前バージョンは191行、最新版は123行でしたよ。64.4% で3分の2弱ってとこか。まあまあですな。

ドヤ顔で晒しちゃう。

旧版(ver. 3)

新版(ver. 5)

新版では、一番上の箱に何月かの数字を打ち込めば、それだけで下の箱にソースがズバーッと出てくると。普通は入力したらボタンを押すってのが多いけど、おいらはなるだけボタン付けない派。そうできるやり方を覚えたもんだから。ボタンひとつでも、手間を省けると快適なもんなんですよ。ここ省いても別に便利に感じないんだけど、これに慣れてからボタン付きを扱うと、わざわざボタンを押さなきゃ何もしてくれないのってなんだか不親切に感じたり。

前のバージョンが3で、今のは5。だってさージョジョ第5部のミスタが

「イチゴケーキだっつーのは、見りゃあわかる! チョコケーキでもなきゃあ、チーズケーキでもないからな。そうじゃあねえーーーッ! ケーキが『4つ』なんだ!このオレに死ね!っつーのかッ!」「知らねーのかッ、マヌケッ。『4つ』のものから、ひとつ選ぶのは、縁起が悪いんだ! 3つのものから選ぶのはいい!3つのものから選ぶのもいい! だが、「4つ」のものから選ぶと、良くない事が起こるんだ」

とかすげーこだわってたしさ。その影響か知らんけど、ミューロケットも M-3SII の次が M-V (M5); だったしさー。あれぜってージョジョの影響だな。第5部スタートは1995年、M-V の1号機打ち上げは1997年で時期の辻褄は合ってる(けど全然違うのだった。公式の正解は「数字の振り方の定義が変わったから」。けどジョジョは関係ないにしても、「4」を避けたかった思惑も、もしかしたらあったのかも)

んでまぁ先例に学びw、こっちも4を飛ばして5にしてみた。そういえばフルモデルチェンジで番号を1個飛ばすのって、Netscape で 4.x → 6 もあったなぁ。ネスケ、Firefox と Thunderbird の合体で復活してくれないかなぁ。

てことで無事に落成できてホッとしてるとこ。今月分は旧版で作ってしまったけど、来月分からは新版で試しながらいってみますかー。

しかし、JavaScript って変なところが寛容なんだな。「2012年●月」の●の入力で、例えば「135」を入れても、さりげに3月ぶんってことで計算してくれやがる。たぶん「135月=11×12カ月+3カ月」てことで3月を出すんじゃないかと。

銘板
2012.3.3 土曜
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最小クレーター

イトカワ微粒子の研究報告がまた来てるね。人類が確認した最小のクレーターだそうで。いろいろなメディアが扱ってるけど、時事通信の記事が分かりやすいかなと。

超微小クレーターの謎が浮上=イトカワ微粒子分析で−岡山大など

イトカワ微粒子表面のクレーター

探査機はやぶさが小惑星イトカワから回収した微粒子5個を特殊な電子顕微鏡で詳細に分析したところ、表面に直径が100〜200ナノメートル(ナノは10億分の1)のクレーターが多数あることが分かったと、岡山大や宇宙航空研究開発機構などの研究チームが28日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

岡山大地球物質科学研究センターの中村栄三教授によると、このクレーターは直径10〜20ナノメートル程度の超微小な粒子が秒速数十キロの高速で衝突して形成されたとみられる。しかし、これだけ小さな粒子が宇宙空間でどのように加速されるのかは謎で、今後の解明が期待される。(2012/02/28-10:31)

言われてみれば、そりゃ微細なクレーターができるわな。イトカワは真空の宇宙に野ざらしなんだもん。飛び交う宇宙塵の雨に常に曝されてるんだもんな。おいらは言われるまでまったく思い及ばんかったよ。んでそこは今回の発見なわけで、今度はその加速のメカニズムが謎なのか。いいですなぁ謎が謎を呼ぶ展開。未知の領域に踏み込んどりますなぁ。そしてこれで、一歩先に進めたことを確かめられるわけで。

はやぶさ2 では発破的なものを現地に持ち込んで、爆破で穴を掘ってその中身を取ってくることになってる。そしたら表面物質じゃないから微細なクレーターは期待できないわけ。ていうかもしかして今回のも怪我の功名だったのかもな。

はやぶさ の当初計画だと、イトカワの表面に弾丸を撃ち込んで、舞い上がった砂や石を回収するはずだった。表層というより、そのちょっと下の試料が多く取れるはずだった。ところが本番でそれがうまく働かなかった。それで着地の衝撃で舞い上がった、ほんと表層の塵だけを持って帰った。もし弾丸の発射装置がきちんと働いて、表層より下の試料が多く混じってれば、今回見つかった微細なクレーターは発見できなかったんじゃないだろか。

はやぶさ2 の発破作戦は面白そうだけど、発破で掘らない部分も持ち帰るような気がする。はやぶさ はもともと複数回着陸して試料採取することを想定してて、ターゲットマーカーも弾丸も3個ずつ積んでた。サンプル容器も2室あった。はやぶさ2 でそこらの数を減らすとは考えられない。んで発破は1発のみ。これは深いところと浅いところ、2種類の試料狙いですな。

一見、同じ星なんだから2つ取るのは無駄な気もするけど、表面と内部は曝されてる環境が違うからね。その意味での違いが見つかりそう。クレーターの有無もそうだし、太陽熱や紫外線、太陽風なんかに当たって、表面の物質は風化してるはずだし。宇宙風風化の様子は、S 型小惑星では はやぶさ が詳細に調べた。はやぶさ2 が訪れる C 型小惑星ではどんな感じなのかねぇ。"C 型"の "C" は Carbon (炭素) の "C" ってことで、地球の生命の謎の手がかりになるかも。

観測とサンプルリターンが成功したら……深いところに既に有機物がもしあるなら、それはどんな物質なんだとか。んでそれが、浅いところでは宇宙風化で壊れてるかもしんないし、あるいは別の物質に変身してたりもするかもなー。それと地球生命との関係が何か見つかったら……とか考えてしまうよ。生命関係だけじゃなく、イトカワみたいにその星の生い立ちも分かる。太陽系の歴史がまたひとつ深く見えるようになる。オラなんだかワクワクしてきたぞ。

銘板左端銘板銘板右端

カガクニュース隊のまとめによると、件の微細なクレーター、

ポンデリングクレーター

研究者の間で「ポンデリングクレーター」と呼ばれてるらしいw

銘板
2012.3.4 日曜
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元祖と本家的ななにか

噂で、はやぶさ をきっかけに JAXA の費用対効果のあまりの良さが知れ渡ってしまって、アメリカじゃ NASA への風当たりがフンダララというのがあるみたいで。

まー確かにな。はやぶさ の値段は打ち上げた M-V ロケット代(後に「性能の割に高すぎる」という理由で廃止に追い込まれた)込みで210億円だった。アメリカ版 はやぶさ のオシリス・レックスはトータル800億円(10億ドル)のビッグプロジェクトらしい。

以前なら NASA はダントツのトップランナーだったから、開拓には、1位を維持するにはカネがかかるって方便も通じたろうけど、それでも厳しくなってきたのかな(今も火星やその向こうじゃダントツだけどさ)。

マーズ・パスファインダー

そういえばというデジャヴ。1997年、NASA は史上初の火星ローバー探査機を打ち上げた。マーズ・パスファインダー(左の写真)ですな。

これ、すごく安く作ったらしい。このあたりの為替レートが1ドル=100円前後だったとして、総費用2億8000万USドルは280億円。はやぶさ は210億円。あかつき は250億円。日本と同じくらいの予算規模で、火星ローバーを作って見事に運用してしまった。重力のある星で、着陸も走行もやってのけた。日本はどっちもまだできてない。着陸方法では前代未聞のエアバッグ方式を考案。冗談みたいな発想をきっちり実用化した。NASA、コストダウンもやればできるんですなぁ。

そういえば NASA にとって無人ローバーは初めてだったはず(それまでの実施例は旧ソ連の月面ローバー、ルノホート1号と2号のみ)。それを、月よりはるかに遠い火星で一発成功ですよ。やりますなぁ。

この探査計画はディスカバリー計画というのの一環だそうで、そのスローガンは「より速く、より良く、より安く」。んでまぁこの大成功は世界中で報じられたよ。てことでどっかのコラムで早速、「日本の宇宙開発も見習うべき」なんて話が出てた。

「より速く、より良く、より安く」は、NASA が日本の宇宙科学研究所(ISAS)を見習った結果なんだがw 当時の ISAS は、予算が少ないうえに自前のロケットがあまり強力じゃなくて、機能を絞った小型衛星を高頻度で打ち上げる方針だった。やってみると、普通はできるだけ多機能で大型の衛星を長く使うところを、単機能で寿命が短くていいわけで、観測機器に最新技術を常に盛り込めるなんつう利点があったりもして。

当時の NASA では、宇宙ステーションみたいな華々しい大型計画でさえ予算を削られる現状。しかもシャトルはカネ食い虫。しわ寄せはどうしても、実利や政治利用に遠い科学探査に来てしまう。てことで NASA の宇宙探査部門には予算が回らなくなって、おもっきし下火になってた。そして彼らはヒントを日本に見つけた。てことで、今までの技術と経験の蓄積を有効に使って、「より速く、より良く、より安く」で探査をしよう、となったわけで。まぁ「安く」と言っても、日本の大型計画と同じ規模なんだけどねw 映画と同じ。低予算で有名な『ロボコップ』の予算額が、超大作の触れ込みの『帝都物語』と同じくらいだった、というのと大体同じでww

ところがこの「より速く、より良く、より安く」のスローガンを守ることばかりが強くなってしまったらしい。マーズ・パスファインダーの成功体験に酔ったのか、その後はあまりにも宇宙をナメた設計をしてしまったみたいで、杜撰な失敗が立て続いてしまった。以下の2つは、火星探査分野は独立したんでディスカバリー計画には入ってないけど、ディスカバリー計画同じ思想で作られたそうな。マーズ・ポーラー・ランダーマーズ・クライメート・オービター。どっちも、ちょっとあり得ない感じの失敗で全損してる。

NASA はそれから、あまりこのスローガンを言わなくなった。それが普通になったのか、それとも行き過ぎを反省したのか。

日本の M-V ロケット時代の深宇宙探査機は 500kg が規格(のぞみ、はやぶさ、あかつき)。アメリカのディスカバリー計画に入ってる探査機を見ると、費用は分からんけど質量は 200〜1000kg ほど。サイズ的には似てきてる感じですな。つかスターダストが 300kg ってのが意外だったわ。もっと大きいかと思ってた。ディスカバリー以外でも、火星の着陸探査機フェニックスが 350kg、冥王星探査機ニュー・ホライズンズの質量が 465kg。小型路線は継続中みたいですな。

その一方で オシリス・レックスは はやぶさ と基本、同じミッションなのに、総費用は800億円で はやぶさ の4倍、質量は 1,529kg で3倍という謎。質量については、イオンエンジンを使わないぶん推進剤をどっかり積んでるのかな。主な推進器が 200N スラスタ4基ってどんだけパワフルなんだ(のぞみ と あかつき は 500N スラスタ1基。オシリス・レックスの倍の質量の かぐや でも 500N が1基だった)。メインエンジン4基ってのは はやぶさ と奇しくも同じだけど、はやぶさ のイオンエンジンは1基あたり 8.5mN(新品時)という非力さだったよ。

なんか、まぁ昔の NASA の大型探査機路線に先祖帰りしてきてるわけだけど(それでも昔は2トン超がけっこうあったりもした)、本当に必要なサイズと費用なんだろうか。確かに、日本の探査機は小型ゆえに冗長系をあまり組めなくてトラブルがちではある。大型化すれば安全面に余裕を持てるんだけど、どうなんだろ、後追いを4倍の費用をかけてやるというのは、本当に費用対効果で風当たりの強い組織のすることなのかねぇ。はやぶさ と はやぶさ2 を合わせても、まだオシリス・レックスの半分なんだが。

銘板
2012.3.5 月曜
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飛ぶ夢をしばらく見ないうちに その1

なんか『ジェットマン』という特撮ヒーローものがかつてあったらしいけどまったく関係なく、リアルでジェット噴射で飛ぶ人の話。

垂直離着陸が基本で、その延長で水平飛行もできますよ的なのはもうあった。1984年のロサンジェルスオリンピックの開会式で会場に飛んできましたな。もう28年も前なのか。

けど今日ご紹介なのは、飛行機ベースの水平飛行専門のジェットマン。これがすんげーかっちょよくて。

たまんねぇっす……。

開発者兼パイロットはスイスのお方らしい。そのまま離着陸できるわけじゃなく、スカイダイビング風に飛行機から飛び降りて、落下速度がついたらエンジン起動。水平飛行に移って高速飛行。着陸はパラシュートで、という流れですな。

んでまたおいらの癖で垂直尾翼の有無を確かめたけど、ウイングレット以外に見当たらない。なんで飛行が成り立つのかと。

と思ったら、インタビュー会場で展示してある状態でやっと分かったわ。ウイングレットがちゃんと垂直尾翼の役を果たしてるんだね。飛んでる状態だと多少後退角がついた先細翼だけに見えてさ、水平尾翼もないし、よく飛べるなーと思ったら、単体で見たら見たらデルタ翼でしたよ。なるほどなー。パイロットはまぁ縦長の荷物を積んでる状態というか。モーメント的にやっぱしこの垂直尾翼は不利な感じがするけど、問題なく飛べてるから、充分に機能してるんだろうなぁ。

人間の重心って肩甲骨近辺じゃなく、腰のあたりなんだよね(へその少し下らしい)。大昔から天使のイメージからなんとなく、羽根って背中の上部や肩甲骨にあるのが絵的に自然な感じなんだけど、実際に人間が翼で飛ぶなら、こうして腰のあたりに主翼がつくわけで。納得できたけど、やっぱしイメージって強烈なもんなんだな。そこらへん見た目の違和感ちょっとあったりもして。

しかしこれ、飛んでるときは腰のあたりでぶら下がるみたいに支えられてるわけで、体を水平に伸ばすのって疲れるんじゃないかと思うんだが。しばらく飛んでると、状態と足がダラーっと下がってくるんじゃないかと。それとも迎角を付けて、体に風圧をかけて自然に真っ直ぐになるようにしてるのかな。ってよく見たら、上体は翼に固定されてたわ。足は……どうなんだろ。

舵関係がないのも面白いね。姿勢制御は、行きたい方向に体を曲げるのみらしい。そんなテキトーでイイのかと思いきや、インタビューでそう言っておられる。本人が言うんだからそうなんだろう。

主翼が意外と小さい。これ、高速で飛ぶからここまで小さくできるんだと思う。てことで人間の足で離着陸やろうとしたら、スピードがついていけないんじゃないかな。

全体が小さいから燃料タンクもそんなに容積稼げなさそうに見えるけど、これでドーバー海峡を横断したってんだから充分なもんです。

実用性はおいらは分からんけど、まあ実用じゃなくてもイイじゃないかと思うわけです。ここまで素晴らしいことを実際にやってのけたんだから。たぶん、当面はスポーツとしての普及を目指すんじゃないかな。そのうちものすごい応用方法が考え出されるかも。考え出されない可能性も確かにあるんだけど、そういう将来があるかないかをウンヌンできるのは、モノが実際に存在するからでして。そのステップは見事にクリア済みですよってことで。

銘板左端銘板銘板右端

『ロケッティア』『ロボコップ』『アイアンマン』『鉄人28号』『鉄腕アトム』『ガメラ』がスクリーンやブラウン管で見せてきた、単体でジェット噴射で自在に飛ぶという夢。まあロマン的な夢でもあるし、寝てるときに、ジェットじゃなくてもそんな感じで飛ぶ夢を見たことある人は多いと思う。そのまんまじゃ確かに現実じゃあり得なかったけど、ついに現実との折り合いを付けた現物が出ましたなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

「空を飛ぶ」という行為は、ナリが小さい方が実現しやすい。飛べる鳥で最大のものでも、体重は 10kg に全然届かなかったり。昆虫なんてもうあのサイズと軽さなもんだから簡単に飛べて、さまざまな飛び方を実現させてる。つーかたぶん最大級の昆虫・カブトムシでさえ飛べるというのが昆虫のすごさ。てことで人が飛ぶ場合でも、トータル質量やナリが最低限であれば飛びやすいはず。

人間がなるだけ素の姿で空を飛ぶには、主翼だの動力だの何らかの装備が必要ですな(動力は人力でも飛べるけど、ジェットマンのスタイルでは無理そう)。エンジン付きだとしても、サイズ縮小のために非力なパワーで飛ぶには装備面を充実させる必要があるわけで、その装備がかえって全体を重く複雑にしてたかも。

このジェットマンウイング(今勝手に名付けた)、その意味で最小を実現してるんじゃないかと。てことは、あの超小型ジェットエンジンのパワーがこの企画を実現させた、と言えそう。パワーによる機体の小型化なんて、おいらは発想したことさえなかったですよ。

銘板
2012.3.6 火曜
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飛ぶ夢をしばらく見ないうちに その2

そういやナウシカのメーヴェ的なものを作る計画も、日本で進んでたと思った。低空での滑空実験は成功してたはず。ええとどれどれ……。

うほほー飛んどる飛んどる!!

そして、2010年にはジェットエンジンでの滑走テストまでこぎ着けとりましたか。

右の翼に書いてある "JX..." という記号、人が乗る航空機としての認可をきちんと取ってるんだなぁ。自在に空を飛ぶ姿を早く見たいよ。

銘板
2012.3.7 水曜
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飛ぶ夢をしばらく見ないうちに その3

スイスのジェットマンとリアルメーヴェの動画を漁ってるうちに、Quickie Q2 Q200 という珍しい形してる機体に行き当たった。

これおいら知ってる。昔、ウルトラクイズの優勝商品だったぞ。優勝者は女性で、クイズキングならぬ初のクイズクイーンになったお方。んでこれキットで販売されててさ、自分でウレタンを削って主翼を作ったりという飛行機だったよ。ウルトラクイズの賞品はもらって困るようなのが多かったよなww

この飛行機で当時のおいらがコーフンしたのは、それまで見たことがなかった形だったってこと。んでよくよくよーくよく見て、ようやく理解した。カナード型じゃないですか!(←カナード萌えの人) ていうかカナード型と串型の間くらい。むしろ串型に近いかな。

あり? 動画を漁ってたら "Rutan" という言葉が出てきた。もしかしてカナード萌えが神とも崇めるバート・ルータン氏の作品か? ていうかこんな飛行機を現実化できるの、あの人くらいな気がしてきた。あっはっは、やっぱし!

これ、前翼の翼端に主輪を埋め込むという豪快な発想をモノにした機体ではあるんだけど、今の目で見ると2輪式って時代遅れなんだよね。20世紀前半いっぱいまではそのシンプルさが買われてて、

てことで2輪式(+尾輪)が全盛だった。けど今主流の3輪式に比べてデメリットもあってな。

Quickie もその後、その点を改良して3輪式にしたらしい。

Quickie TriQ-200

んーーー、普通の軽飛行機っぽくなってしまったようでもあり、それでも「らしさ」がまだまだ残ってるようでもあり。んーーー。前翼が前翼でしかなくなった時点で、見た目のキョーレツな個性は収まる方向に行ってしまいましたなぁ。たぶんこの飛行機のファンは、2輪式の方が好みの人が多いんじゃないだろうか。

銘板
2012.3.8 木曜
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飛ぶ夢をしばらく見ないうちに その4

ルータンボイジャー

てことでバート・ルータン氏といえば ルータンボイジャー(左の写真)でしょう。 ルータン兄弟はこの機体での無着陸無給油世界一周飛行で名を上げましたなぁ。カナード型は奇抜さが身上かと思いきや、実はこういうやり方にイイんですと、カナードの名も上がったはずなのに、世間的にはそこらは特に何も言われてない気がする orz

カナード型は胴体容積に無駄が生じない。空洞部分を残す必要がないから、そのぶん機体を小型化できる。あるいは普通型なら空洞になるべき部分(胴体後部)に、燃料なんかを積み込める。

普通型の水平尾翼は揚力を発しない。むしろ機種によってはトータルバランスのため、わざわざ下向きの揚力を発生させたりもする(ボーイング747が確かそうだったような。ただしこのおかげで、胴体後部の空洞を小さくできた)。てことで胴体のみならず、翼面積がどうしても大きくなりがち。大きいぶんだけ重くなり、空気抵抗も増える。

対するカナード型は主翼にピッチ安定も求めるんで、主翼の揚力中心は必ず重心より後ろになる。てことで前翼でどうしても揚力を発生させる必要がある。結果、普通型の水平尾翼にあたるぶんの面積の前翼でも揚力を稼ぐわけで、そのぶん主翼を小さくできる。トータルの翼面積が小さくなって、重量も翼面積も小さくできる。ルータンボイジャーが超長距離飛行をするのに、カナード型が最適だった、というわけ。

当時の批評か何かで、ルータンボイジャーの成功の理由を2つ挙げてたのがあったよ。ひとつはローテクのプロペラ機ということ。まぁ燃費重視だったってことだろうなぁ。省エネフライトには低速飛行が効くし。もうひとつは、パイロット2人が恋人同士だった、ということ。狭い空間に長時間閉じ込められるなら、夫婦や同性同士ならケンカになったろう、ということでw なるほど。

んでパイロットの男性の方はディック・ルータン。バートのお兄さんですな。弟は超一流の航空機の設計屋、兄は本職のテストパイロットという最強コンビだったと。航空史ってモンゴルフィエの昔から、なぜか兄弟の活躍が目立つなぁ。んでディック氏の恋人。この人のお名前がジーナ・イェーガーなんですよ。

イェーガー。

航空ファンなら必ず聞いたことがあるであろう輝かしいお名前。

チャック・イェーガーといえば1947年、世界で初めて音速を突破に成功した伝説のテストパイロット(第二次大戦中にも、急降下中に思いがけず音の壁を破ってしまったパイロットたちがいたにはいた。けど当時の機体はそれに耐えられずに空中分解。音速突破直後にみんな命を落としてしまった)。映画『ライト・スタッフ』で、テストパイロット上がりのアメリカ初の宇宙飛行士たち全員が一目を置いた主人公ですなぁ。

んでもしかしてもしかして、ジーナさんはチャック氏のお子さん? ご親戚? と調べたら、赤の他人らしいw 紛らわしいなぁww

銘板
2012.3.9 金曜
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飛ぶ夢をしばらく見ないうちに その5

YouTube のヒコーキ動画を漁ってたら、また見つけちゃったよ。子供の頃に見たことあるやつ。確か「世界最小の飛行機」という触れ込みだった。

ははぁあの名前、Cri-cri ていうのか。「コオロギ」(Cricket)の略らしい。母国のフランス語版 Wikipedia 記事を見ると、"MC-10" というらしい。Cri-cri は英語圏での名前なのかな。

双発にしても、「えらいプロペラちっせーなー」っつう印象が強くて。んで単気筒エンジンのヘッドむき出しだもんな。2ストか。元ネタはラジコン飛行機なんだろうか。エグゾーストチャンバーもそれっぽいし。つかチャンバー付きとはいえ、排気口がコクピットの真横にってのは、操縦しててちょいとやかましいんじゃないだろうか。2ストだし。

さらに排気口でいえば、左右のエンジン本体の排気口が鏡対象だ。これどうなんだろ。エルボーとチャンバーはひっくり返せば同じものが使えるけど、エンジン本体はれぞれ別物なのかな。どうもコスト的に不利な気がするが。ていうか後方排気じゃダメだったんだろうか。

そこらへんどうでもよくなったのが電動型。

動画は音なしだけど、飛んでるときは静かだろうなぁ。見た感じギアで減速してる感じはないから、モーターのかすかな回転音と、プロペラと機体の風切り音くらいじゃないかな。快適そうですなぁ。

電動の飛行機のことをあまり見聞きしないのは、たぶんバッテリーがいまだに重すぎるからなんだろうと思う。けど飛行機は小型になるほどモーターに利が出てくるらしくて、ラジコンの飛行機だと昭和50年代から電動のモデルがあったよ。てことで Cri-cri が人が乗る飛行機なのに電動で行けたのは、超小型だから、だったのかもね。

飛行機の動力って、モーターの方が何かと便利だと思うんだ。思いついたメリットを挙げてみると、

てな感じ。とにかく手軽になって、いろいろ気にしなくてよくなると。対するデメリットは、バッテリーが大きくて重くて高価で、それなのに稼動時間が短いってとこかな。

しかし電気自動車でも、バッテリー+モーター式の航続距離が短いのはなんだかどっかおかしい気がする。ガソリンエンジン車のエネルギー変換効率はグロスで2割いくかいかないかだそうな。ネットで4割いかないのに、トランスミッションやクラッチ・トルコンとかでロスが出るからなぁ。回さにゃいかんシャフトの数もそのぶん多いし、冷却液とオイルもそれぞれ循環させなきゃなんないし。

して直流モーターのエネルギー変換効率は 90% 以上。この時点でバッテリー+モーターは5倍ほど有利なんだが、それでもえーと、日産リーフの充電1回での航続距離が公称 160km だっけか。ガソリンエンジン車の3分の1か4分の1かってとこですな。おいらは昔、ときどきワンダーシビックで八戸 ←→ 米沢の 700km を無給油で走ったもんだが、それで言うと 160km は約4.4分の1か。リチウムイオンというバッテリー界で最強クラスのブツを投入してるのに、どんだけ非力なんだと。

ラジコンではリチウムポリマー電池っつうさらに進んだものが既に市販されてる。単位重量あたりの蓄電量はリチウムイオンの1.5倍らしい。けど取り扱いがリチウムイオンよりちょっと危険らしくて(過充電で発火したりするそうな)、市場はいまのとこ趣味(つまり、事情を分かってる人の自己責任)の小容量の用途に限られるらしい。ケータイやノート PC だののモバイル端末用途で 1.5 倍は効き目がありそうだけど、どこも導入してないってことは素人が扱うには危険ってことかと。けど安全性をクリアできても、乗り物用途で1.5倍じゃあまだだよな。リーフが 240km 走れるようになったって、やっぱしガソリン車の航続距離に全然届かないという事実はそのままなわけで。

飛行機の動力源としてバッテリー+モーターはかなり有利だと思うけど、自動車と同じくバッテリーの性能と値段がまだまだってことで。燃料電池は輪をかけて高価だろうしな(バッテリー電気自動車がもう量産されてるのに、燃料電池車はほぼテストカーや特注車のみの現状からして)。

けどまぁ Cri-cri に実用性を求めるのは野暮だわ。これはどう見ても趣味の乗り物。趣味ならコストは度外視でいい。持ち主が手間暇カネかけたいぶんだけかければいい。んで残るのは、「人が乗るヒコーキが電動で飛んじまったよ」という輝かしい実績。機体を見るに、「CO2 を出さない環境にイイ飛行機」という、社会に提案する的な動機で作ったみたいだね。趣味なんなら「オレはやってやったぞ!」のためだけで全然いいけど。

世界初かは知らないけど、世界であまりない成功例ってことをドヤ顔で誇っていいんしゃないかと。これほとんど個人か有志レベルでやったプロジェクトだと思うよ。スポンサーがついてるかもしんないけど、小規模でやってのけたということも自慢できるぞ。しかもヨタヨタじゃなくブリブリ飛んでるし。

んでも動画だと、ドヤ顔というよりパイロットさんのカメラ目線がすげー気になったり (^_^;)

銘板左端銘板銘板右端

去年の今日、かなりでっかい地震があったよ。八戸で震度5弱だったと思う。まさかあれが前ぶれだったとは、まったく思いもよらなかったよ。

3月11日は震度5強だったよ。同じ震度5でも、実感も被害もずいぶん違ったですなぁ。

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2012.3.10 土曜
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飛ぶ夢をしばらく見ないうちに その6

超小型のジェット機も見つけたよ。これ確か昭和の昔、東芝のビデオデッキ「ビュースター」の CM で飛んでたやつだと思う。『サザエさん』を見るたびに、この CM のこの飛行機がかっこよくてなぁ(記憶が違うかもしんないけど)。てことで今日は "BD-5J"。

カッチョエエーーーーー!! カワエエーーーーー!!

サイズは Cri-cri よりちょっとだけ大きい程度。そんな小ささなのにジェットなんだもんなー。

もともとは BD-5B というプロペラの飛行機からの派生だそうで。プロペラ版もエンジンが同じ位置にある。胴体の後ろ端。珍しいプッシャー型ってことですな。

BD-5B

んでたぶん、初めからジェット化を狙ってたんだと思うよ。とはいえプロペラのプッシャーだと離着陸時の機種上げで、プロペラが滑走路面を叩く心配がある。BD-5B ではそれを、プロペラ軸を機体上部に持っていくことで回避してる。さらに胴体後縁下部を切り上げずに真っすぐ後ろに伸ばしてて、プロペラはそこより下に出ないようになってる。プロペラを守る構造ですな。ジェット版もまったく同じ位置にエンジンを付けたってことで、恐らくジェット版が本命だったとしても、設計はプロペラの影響が残ってると。

胴体後部が切り上がってない理由はもうひとつ。そのまま垂直安定板にしてる。エンジンが後ろについてるから、重心位置も後ろ寄り。垂直安定板の風見鶏効果が弱い。てことで、胴体後縁も動員して自律安定性を稼いどりますな。となると離着陸で胴体後縁が滑走路をこする可能性があるけど、プロペラでやらかしてエンジンそのものをオシャカにするよりはマシだわ。小型機ほど滑走距離が短くて済む傾向があるんで、無理に機種上げしなくてもよさそうだし。

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2012.3.11 日曜
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1年後に振り返る

あれから1年。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。行方不明の方々のが一人でも多く、早く見つかって落ち着けますように。

救助・捜索に尽力された方々、とても素晴らしい仕事ぶりでした。今も尽力されている方々、感謝いたします。

今も復興に汗を流しておられる方々、復興資金をご提供されている方々、その方面に便宜を図ってくださっている方々、本当にお疲れさまです。

そして応援してくださっている世界中の皆様、ありがとうございます。あなたがたのおかげで、着実に復興が進んでいます。

銘板左端銘板銘板右端

1年も経ったのに、まるで昨日のことのようだよ。「楽しい思い出は、いつまで経っても昨日のことのよう」とはよく言うけど、真逆でもあんまり度が過ぎるとそうなるもんなんだな。

おいらとその周辺は被害がほぼゼロだったからラクな立場でいられるけど、あのことがなきゃ経験できなかったこと、分からなかったこと、いっぱいあった気がする。導き出せたことやエピソードそのままをいくつか挙げると、

とりあえずこんな感じですかねぇ。

あとねぇ、マスコミもけっこう気分で動くんだね。後先の影響を考えないし、その場でもっともらしい言い訳を付けるのがうまいから始末が悪い。

原発事故の直後、菅総理(当時)が東京電力本社に乗り込んで幹部を面罵したそうじゃないですか。それに対するどこだったかのマスコミの見解は「そうしたことで東京電力を萎縮させ、その後に政府に率直に意見できない空気を作った可能性がある」とか。一瞬納得してしまったですよ。けどそれ詭弁。

おいら菅の肩を持つつもりはないけど、あれ以外になかったんじゃないかなと思ってるよ。面罵されて当然だと今も思ってるよ。だって東京電力、そのとき現場から逃げ出すつもりだったらしいから。自分の責任を丸投げして逃げ出したら、その後に率直な意見も何もあったもんじゃないだろ。

あと、これもあったな。

強い組織を作りたければ、トップは自分の感性に近い人ばかりを取り立てたくなるもんだろうけど、それは違うと。それで強くなるのは組織内限定でのトップの権力のみ。組織が受ける外乱への対応力という本来の意味での「組織の力」で言えば、かえって弱くなるんだね。去年でよく分かった。

近い路線でこんなのも。

九州電力は課長が勝手にやったということにしてたけど、課長レベルの一存だけで社内外の大勢があそこまで動かないと思う。課長はトカゲの尻尾切りに使われましたな。ていうかその課長とやらは名前とかが非公開なんで、実在したのか疑わしい。

いわゆる「組織の論理」とゆー、組織内で力の強い人に都合のいいなにがしかが存分に発動した結果でして。けど組織の論理が通用するのはその組織内だけってことを、発動させた側はよく理解してなかったみたいですな。世の中で見れば、この1件でその組織そのもの、つまり九州電力の信用を大きく傷つけたんですが。彼らは一体何を守るつもりだったんだろう。

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2012.3.12 月曜
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飛ぶ夢をしばらく見ないうちに その7

しかし Cri-cri だの BD-5J だの見てると、ほんと欲しくなるわ。はぁーこんなので飛べたらもうヒャッハーだよ。

日本で、個人の趣味として飛行機で空を飛ぶってのは、あんまし一般的じゃないわな。ハンググライダーとパラグライダーは普及してるけど(うちの近所、たまにモーターパラグライダーが飛んでるよ)、固い翼と固い胴体を持つモノホンの「飛行機」だとあんましないような。まぁ横山やすしは軽飛行機「月光号」を持ってたけどね。

んでこんな話になると必ず出てくるのが、「アメリカは国土が広いからできる。日本は狭いから無理な話」と。確かに日本はアメリカと比べるべくもなく国土が狭いわけだけど、世界的にはそんなに狭い国ってわけでもない。だいたい60番目くらいだそうだから、真ん中より上ですな。あと海上に出ると、領海や排他的経済水域を途方もなく持ってたりもして。

維持費がかかるってのもあるね。でもそれも、日本じゃ船のクルーザーとかヨットとか持ってる人たちがいるわけで。うちの地元の八戸港でさえ個人のクルーザーを係留してる波止場があるし。クルマは言わずもがな。船や自動車では楽しむための趣味の文化がもうできあがってるのに、飛行機はあんましないっぽいんですよ。大学のサークルでグライダーがあったり、研究室で鳥人間コンテストの機体を作ったりしてるけど、週末に楽しむ程度の趣味とはちょっと違うような。

Quickie Q2 も BD-5J も、キットを買って自分で組み立てるスタイルなわけで、アメリカではもう自家用飛行機は趣味文化として定着してるんだよね。「自宅の裏庭に格納庫があって、飛ぶ土地はすべて自分の私有地」なんてヨタ話も聞いたりもするけど、たぶんそこまでの人はそんなにはいないと思う。趣味で飛行機に乗ってる人たちって大抵、共同の飛行場の貸しガレージを使ってるんじゃないかなーと思って。クルーザーが共同の波止場を使ってるのと同じノリで。

小型機のキットの値段の相場さえ知らんけど、完成品のヨットよりは安い気がする。となると、日本の場合は単に、その趣味が市場として盛り上がってないってことになりそう。「アメリカだけで異常に盛り上がってる文化」とも取れるけど、おいらは羨ましくてさ。

日本で盛り上がらない理由のひとつって、小型機免許の取得の難しさがあると思う。子供の頃、軽飛行機を操縦したくてしたくて、図書館でそういう本を読んだんだわ。一応完読はしたものの、あまりのしちめんどくささにその時点で挫折。それでも日本には軽飛行機免許を欲しい人たちがいて、どうしてるかというと、渡米して合宿免許状態だそうな。あっちで取った方が、結局は早くて安くて簡単らしい(てことは、クルマの免許と違って国際的に通用するんだな)。国内の軽飛行機の免許取得、どんだけ大変なんだと。

そのときの本の内容はほとんど忘れたけど、「こりゃ無理」と思ったのをひとつ覚えてるよ。それは、けっこう長い英文の暗記。非常事態が発生したとき、その英文を繰り返し無線で発し続けるんですわ。生放送で。英文の長文を丸暗記するってだけでコタえるのに、非常時にそれを言い続けながら事態に対処するなんて、普通に考えて無理なんじゃないかと。

しかし旅客機の事故の様子なんかでは、操縦士か副操縦士が英文の呪文を唱え続けたなんてのは特にないわけで。あれって軽飛行機のみに義務づけられてるのか、もしかして実際は録音をエンドレスで流す装置を搭載してればいいのか。ただ、免許を取るテストのときにはそれを覚えてて言えなきゃいかんってことかな。クルマの免許で、「踏切では窓を少し開けて音を聞く」みたいなもんですかね。

んでまぁ日本の場合、超絶めんどい免許取得の壁が、趣味の飛行機文化の醸成・普及への一番の壁なんじゃないかと思ってるよ。超絶めんどい免許取得というと、かつての大型バイク限定解除がすさまじかったらしい。1回目じゃとにかく無理で、実地で一瞬で「はいダメ」とはじかれることもあったらしい。「受験10回は普通」と聞いたこともある。ところがハーレーダビッドソンを売り込みたいアメリカが外圧をかけてくれて、ずいぶんハードルが低くなったとか聞くよ。軽飛行機分野でも同じ外圧かけてくんないかなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

日本製の軽飛行機だとエアロスバルがあるね(1986年で生産終了だったのか……)。昔、マスコミにセスナ社の軽飛行機といっしょくたにされて「セスナ機」と呼ばれてたという、きっとスバルの中の人たちは苦笑いしてたろうってな過去があったりもして。

てことは日本にもちゃんと個人的な趣味の飛行機文化はあるわけで。んでもセスナにしてもエアロスバルにしても、あのカテゴリは今の目で見て機体のフォルムがそんなにかっこよくなくてな。正直「効率よく飛べればいい」的な雰囲気で。見た目の高級感やコダワリというか、余裕をあまり感じさせないというか。自分の飛行機を持ってるってのは確かにそんじょそこらにはないステイタスだけど、モノがすげーかっこよくないことには、フェラーリ持ってる人に負けちゃうわけですよ。そこも人気がマイナー止まりな理由かなぁと思って。

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2012.3.13 火曜
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大発生のヒーロー

1年ちょい前、伊達直人さんがたの善行が話題になったもんだけど、あれって今年はどうしたんだろう。まったくと言っていいほど聞かなくなったが。

実は同じくらいあったけど、もうニュース性がないからとかで報道されないだけなんだろうか。

ていうかこの1年、日本の国内外に大勢の伊達直人が出現して、被災した方々を今も救い続けてるわけで。ありがたいことです。

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2012.3.14 水曜
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忘れられた破滅

そういえば誰も言わなくなったけど、今年の12月23日って地球破滅の予定日じゃなかったっけ? マヤ文明の予言だかどうだかの。ミヤネ屋とかついこの前までさんざん自作自演で煽っといて、ふっつり言わなくなったですな。

やりすぎてすっかり飽きられて、カネになんないネタになったってことですかねぇ。この中だるみの時期を過ぎて、だいたいお盆あたりからまた終末キャンペーン大実施中になるんだろうなぁ。

それより今はオセロ中島ってことですかね。

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古代マヤ人:「そんなことは言っていない」

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2012.3.15 木曜
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絶体絶命が生む革新

ソーラーセイル "IKAROS" のプロジェクトマネージャー・森治先生の著書『宇宙ヨットで太陽系を旅しよう』で、1ビット通信がものすごい進化を遂げたことを初めて知ったよ。

1ビット通信てのは、1998年打ち上げの火星探査機 のぞみ が窮地に陥ったときにその場で開発された技。

探査機側からの発信モードは2つ。ビーコンモードとテレメトリモー」。ビーコンモードは一定の電波を出し続ける。何の情報も載せられないけど、このモードに切り替えると軌道を精密決定できる。探査機が非常事態に陥ると、自動でこのビーコンモードに切り替わるようになってる。もうひとつのテレメトリモードでは情報のやり取りができる。非常事態でビーコンモードになってる探査機を立て直すには、まずビーコンで軌道を決定、テレメトリモードに切り替えてからさまざまな情報を引き出して対策する、という手順を踏む。

のぞみ は電源系統のトラブルの影響で、ビーコンモードからテレメトリモードへの切り替えができなくなった。それでも探査機内部の状況を把握しなきゃならない。ということで主担当企業の NEC から出たアイデアが、「地上からの問いかけへの Yes/No の返答をビーコンの ON/OFF で表現させて、情報を引き出す」。これで のぞみ の現状把握に成功した。絶体絶命の状況下で役立つ方法ということが分かって、通称「1ビット通信」として、小惑星探査機 はやぶさ には最初からこの機能が搭載された(松浦晋也著『恐るべき旅路』からの受け売り)。

たぶんビーコン OFF の間が無言というのが不安だったんだと思う。はやぶさ では返答が No のときはビーコンを切るんじゃなく、周波数を変える、となった(ON/OFF での回路への負荷を考えたのかも)。のぞみ のときはひとつの質問に対して、返事は「ピー」か「……」の Yes/No だったけど、はやぶさ だと「ピー」か「ポー」かで答えるようになった、と。はやぶさ も通信途絶から回復した直後は、1ビット通信で探査機の情報をひとつずつ得ていったらしい。

これが IKAROS だと、ひとつの質問に対して「ピポピピポピポポ」みたいな返事ができるようになったそうな。もはや「1ビット通信」じゃなくなりましたよ。

深宇宙は電波が届くのに時間がかかる。1往復で Yes/No の1ビットでしか答えられないと、ものすごく時間を食うわけで。地上のチームにしても忍耐との勝負なわけで。IKAROS じゃその苦労がずいぶん減ることになった。どのくらいまでの長さで出せるのか知らんけど、例えば数字で返事できたりもするはず。3択や10択の中から選ばせたりとかできるんじゃないかなと。1回の返答で1バイトいけるなら、半角英数字が使える。通信速度は……低利得アンテナでのテレメトリモードでの通信速度が 8bps(=1Bps)だからそれよりは少ないと思うけど、通信の1往復で情報を一気にゲットできる利点は大きいですなぁ。

んでまた IKAROS がその「こんなこともあろうかと」を本当に使いそうだしな。今、IKAROS は太陽電池に太陽光が当たらなくなって冬眠中。コマンドでシステムをシャットダウンして安全に止まってるわけじゃなく、PC で言うとコンセントが抜けて止まってしまった状態。また発電できてシステムを起動できるようになるのは、おいらの予想では半年ほど先。てことで無事復旧の暁には、IKAROS はビーコンを出し始めるはず。

んで地上チームとしては、状況が分からんままいきなりテレメトリモードに切り替えるよりは、たぶん はやぶさ のときと同じように、ビーコンモードのまま状況把握をするかなと。したら旧称「1ビット通信」が活躍ですよ。その日がちょっと待ち遠しくなったり。

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2012.3.16 金曜
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冷戦と日本 〜平成延長戦〜

来ましたなーテポドン3発目の予告。ソースは読売新聞

テポドン3射点

弾道ミサイルか、北朝鮮が衛星打ち上げを予告

ソウル=門間順平】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会は16日、4月12日〜16日の間に、北朝鮮北西部から地球観測衛星「光明星」3号を打ち上げるとする報道官談話を発表した。

北朝鮮はこれまで、人工衛星の名目で長距離弾道ミサイルの発射実験を行っており、今回も同様の可能性がある。北朝鮮が弾道ミサイルを発射すれば、2009年4月以来3年ぶり。

北朝鮮が発射を予告している期間中の4月15日は金日成主席の100回目の誕生日で、新指導者となった金正恩氏の実績を誇示する狙いとみられる。談話は「強盛国家建設を急いでいる、わが軍隊と人民を鼓舞し、わが国の平和的宇宙利用技術を新たな段階に引き上げる重要な契機だ」と強調した。

談話によると、衛星は北西部・平安北道鉄山郡の「朝鮮西海衛星発射場」から南方方向に打ち上げられる。実際に、朝鮮半島の北西部から南方に撃つ場合、軌道は黄海上を通過し、日本列島上空は避けられる可能性が高い。北朝鮮側は、「国際規定や慣例を守り、透明性を最大限に保障し、宇宙科学技術と衛星打ち上げ分野で国際的信頼を増進させる」としている。

(2012年3月16日13時31分 読売新聞)

3年ぶり3回目ですか。甲子園かシャブ中の芸能人の逮捕報道かってなノリだけど、今回は日本はちょっと蚊帳の外っぽいね。完全にそうだとは言えんけどさ。

今までは日本海を横切るコースで東向きの打ち上げてたのに、今回は黄海上空を通る南向きコース。なんで変えたんだろう。

人工衛星の打ち上げは東向きが基本。地球の自転の速度と遠心力を最大限に活かせるんで。てことで2回目まではそこから、その目的が大きかったんだろうと取れた。もちろんミサイルの性能確認も同列に最重要だったとは思う。

ちなみに弾道ミサイルも衛星打ち上げ用ロケットも基礎技術はまったく同じなんで、自前の技術で衛星打ち上げを目指してる国の新型ロケットが、軍事目的なのか平和目的なのかをこの時点で議論するのは無意味。どっちに行くかは、成功後のその国の決定による。ただ、本心から平和目的だったとしても、基礎技術が共通なんで、その技術を軍事転用しやすいのは事実。日本のロケット開発がはじめから平和利用目的に限定してきたのに、海外から警戒されてたのはそれが理由。そして今では偵察衛星を打ち上げてたりもする。

今回の北朝鮮は地球自転ブーストを捨てて、南向きの極軌道を狙ってるわけでして。じゃあ露骨にミサイル技術開発が目的なのかというと、やっぱり衛星打ち上げも同じくらい重視してるような。だったらなんで東向きじゃないのか。とりあえず「私たちが任意の方向で正確に軌道に進入させられることを実証する」は何とでも言えるんで無視。おいらが予想できる理由は3つ。

  1. ウソをつき通すため
  2. 東向きだと日本がうるさいから
  3. 韓国の打ち上げコースが南向きの極軌道だから

それぞれの説明は以下。

1. ウソをつき通すため。国際的な記録上、テポドン1号2号は失敗ってことになってるけど、あの国の主張ではどっちも成功したことになってる。国外に向かってさえそう言ってるんだから、国内ではなおさら成功を謳ってることだろう。てことで3度目は新たなチャレンジをする形にしたほうが、ウソの完成度が高まる、ということなのかもな。「私たちが任意の方向で正確に……」はこの線かな。

2. 東向きだと日本がうるさいから。どうにかして日本から援助を引き出そうと一生懸命な現政権としては、日本をあまり刺激したくないのかも。南向きだと、打ち上げコースの近隣国は韓国と中国と台湾。韓国は初めからシカトしてるから問題なし。とりあえず後のトラブルを避けるため、打ち上げコースに向こうの領土をひっかけなきゃ OK て感じかな。中国様にはまぁ平伏して目をつぶっていただくあたりかと。台湾は北朝鮮の解釈だと中国の一部のはず。対中国でひとくくりですな。

3. 韓国の打ち上げコースが南向きの極軌道だから。競争状態にある国同士ってのは、子供みたいに張り合っては当てつけたりってのが大好きなわけで。韓国がロケットの独自開発路線を捨てて、外国から技術を買い付けてまで羅老ロケットを開発したのは、恐らく北朝鮮のテポドンに対抗するため。羅老の打ち上げコースは、日本に配慮して南向きの極軌道コース。北朝鮮からすると、追いすがってきた韓国と同じ条件で打ち上げて、向こうより先に成功してやったらさぞかし気分がいいだろう、てなノリなんじゃないかな。

今度の打ち上げが南向きなのは本当なんだろうけど、それで本当に日本にまったく影響ないのかどうか。ロケットが制御不能になってコースを外れることはあり得るけど、何十°も違う向きに 1,000km 以上も飛びっぱなしってのはちょっとない。ということで北海道・本州・四国・九州への直撃はなさそう。んでも基本、韓国の打ち上げと同じ向きってことは、沖縄が引っかかるんじゃないかと。Google Earth で見て確かめてみよう。

テポドン3号のコース範囲予測

韓国、台湾、中国それぞれの本土を避けるコース範囲を考えると、図のような感じ。この真ん中が最も安全なわけで、その線を狙うとしたら方向は真南だね。してその最も安全なコースに、石垣島、宮古島、西表島ほかの日本の領土があるわけですが。日本は今回のテポドン打ち上げ計画で、完全に無関係ってわけではないね。まぁ朝鮮半島はいろんな国々に囲まれてるんで、どの方向の打ち上げでも、どうしてもどこかの近隣国が引っかかってくるんだけどさ。しかし韓国でも北朝鮮でも、その東や南を囲むように位置する日本はほんと必ず引っかかるんだな。今度は日本の南端の人たちがあの不安を味わうことになるのか(過去2回の打ち上げで、うちの地元は経験済み)。

地図では中央より沖縄本島寄りに、日本のどの島にも当たらない海域があるね。そこを狙うのかな。

要するに朝鮮半島は衛星打ち上げに不適な土地柄なんだけどなぁ。これがまた半島の2つの国が張り合ってるもんだから。その「冷戦」のステージが宇宙開発になってるもんだから。昭和の米ソ冷戦の縮図がまだ続いてる。そしてまたしても日本は妙な場所にあって、妙な影響を受ける、と。

おいらは前は「早く韓国が北朝鮮を併合してくれ」と思ってたけど、今は「どっちでもいいから早くどっちかを併合してくれ」になってきてるわ。そろそろ決着付けてひとつになってくれと。なんかどうでもよくなってきた。ていうか騒々しくてかなわん。

銘板
2012.3.17 土曜
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進化と退化

近所の交差点の信号機、ようやく LED 型になったんだわ。今日気付いたんだけど、もしかしたらけっこう前からだったのかも。

んで気になることがあって。LED 信号機自体は問題ない、というか朝日・夕日を正面から浴びてても見やすいから歓迎なんだけど、非常用の自家発電機が撤去になったらしくて。そこがちょっと気になって。

1995年12月の三陸はるか沖地震とその直後の1996年1月の阪神・淡路大震災のあと、八戸のでっかい交差点に自家発電機が設置されたんですわ。んでその記憶が褪せる前に去年のあの震災。3月11日の本震と4月7日の余震の両方で大規模停電が起きたんだわ。そんな中、非常用自家発電機付きの信号機は、電力が復旧するまできちんと稼働し続けた。

んでその発電機が見当たらなくなったんですわ。

LED 化と同時に廃止になってしまったんだろうか。あんだけの威力を実証してみせたのに。

それとも、小型高性能化で外からは見えなくなったのかな。LED 信号機の消費電力は電球型の5分の1程度だそうで、単純に考えて5分の1サイズになりそうではある。けど実際は消費電力量にあまり関係のない部品もあるだろうから、5分の1より大きくなるんじゃないかな。てことは、視界から完全に消えるほどの小型化にはなんない気がする。

見た感じ、災害時の安全保障的に後退したかのように思えるんだが、実際はどうなんだろね。

銘板
2012.3.18 日曜
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カーゴ・カルト

最近知った言葉と概念。「カーゴ・カルト」。おかしいというか、ちょっと悲しくなっちゃって。画像を探すと、もっとおもしろ悲しくなるよ。

なんかこの現象に、宗教の本質がチラッと見えるような気がしないでもない。

銘板
2012.3.19 月曜
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人のことより……

なんか面白いこと言ってる記事を発見しましたですよ。あの国のマスコミは相変わらず低質だよなぁ。日本もあまり人のこと言えんけどさ。ふーん、YTN ってニュース専門チャンネルですか。日本で言うと、東スポ的立ち位置なんだろうか。それならこれも分かるわ。視聴者も笑いながらニュースを見てるといいが。

日本の宇宙開発が「東南アジアへの援助と絡めて衛星の製作と打ち上げをやろう」となったのは、北朝鮮絡みの話じゃないんだが。まず関連各社が商業打ち上げの実績と利益が欲しいってこと。んで、ヨーロッパが既にそれをよくやってるってこと。まあ後追いビジネスなんですわ。

国としても早いとこ国内の衛星打ち上げが商業的に一本立ちしてほしいとこなんだけど、なかなかそう簡単には進んでくれないんですわ。

衛星打ち上げはギャンブル的要素がまだある。何十回に1回は失敗する。日本の H-IIA ロケットは今のところ、20回打ち上げの19回成功。成功率 95% だから合格ラインなんだけど、もし次で失敗すれば 90.4% にまで一気に落ちる。だいたい同じ成功率でも、99回で94回成功だとしたら(成功率 94.95%)、100回目に失敗しても 94.0% までにしか落ちない。H-IIA は今までの打ち上げ累積回数が少ないんですな。顧客から、そこを不安定要因と見られるかも。

んで、衛星打ち上げを発注する側としては、リスクがある以上は実績でロケットを選びたい。打ち上げ成功率が同じくらいの2つのロケットがあるとして、実績が40回 vs 20回だと、40回の方を取りたくなりますわな。なんか安定してそうで。あと外国から受注した商業打ち上げを何回こなしてきたかも気になるところ。てことでどうしても経験豊富な方に流れやすい。経験が少ない方はあんましお客が寄ってこなくて、実績の差がますます開く。ちょっとまずい循環にハマるわけで。

これは衛星でも同じ。三菱電機は最近、ようやく初の海外の商業衛星の製作を受注したらしい。それが少しでも呼び水になればいいですな。実績1回は少ないけど、ゼロ回とは雲泥の差だし。

そんなわけで、「日本政府が ODA でお金を持つので、こちらで実質タダで衛星を作ってタダで打ち上げてあげますよ。ただしそちらが発注したことにしてくださいね」とやってでも海外受注の実績を稼ごう、というわけ。

この話は去年かおととしあたりから動いてたことなんで、今、北朝鮮が打ち上げ実験をする動きとはまったく関係ないんですわ。

まーあと、衛星用のロケット技術は確かに弾道ミサイルと互換性があるんだわ。北朝鮮のロケットはもともと ICBM として作ったものを衛星打ち上げに応用してる感じだね。ところが H-IIA は基礎設計段階から普通の衛星打ち上げに特化してるもんだから、軍事転用はそれはそれでいろいろ無理があるんですよ。

軍用なら、まず日本の自慢の液体水素燃料とそれ専用のエンジンなんて役立たず。しかもロケットのサイズがでかすぎ。無駄に性能がありすぎ(最小仕様で低軌道打ち上げ能力10トン)。色が目立ちすぎ(本体は断熱材むき出しでオレンジ色)。打ち上げ場所がバレすぎ(種子島宇宙センターしかない)。打ち上げ準備に手間と時間がかかりすぎ(200人がかりで3週間ほど)。

むしろ韓国の羅老ロケットの方が、サイズも燃料の種類も ICBM 向きなんだが、あっちはあっちでそのままじゃ性能が足りなさすぎ。

銘板
2012.3.20 火曜
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飛ぶ夢をしばらく見ないうちに その8

「オートジャイロ」(ジャイロコプターまたはジャイロプレーン)とゆー航空機もあったっけな。ヘリコプターの亜流みたいなの。画像は個人のブログ様にいろいろあるす(その1その2)。こっちにもちょっと欲しいな。Wikipedia からがめると安全っぽい気がする。日本語版はあまりいいのがなかったけど、英語版でいいのあったわ。

オートジャイロ1
オートジャイロ2

なんでだろう、なんかほのぼのな感じがする乗り物。ヘリコプターはほのぼのとはほど遠いのにな。「頭の上でなんかプルプル回ってる」てあたりかなぁw

正直モーターパラグライダーがあれば実用上はこれはもう要らんような気がするんだけど、何かメリットがあるのかな。と思ったら機動性が売りみたいだね。ヘリコプターほどではないにしても、跳躍離陸(ジャンプ・テイクオフ)というやり方で垂直離陸できたりするのか。オートローテーションで垂直着陸も一応できそうだしな。

あと回転翼だと、地上で静止してるときや運ぶとき、固定翼機よりは場所を取らないっつう利点があるかも。機種によってはヘリコプターみたいに、ブレードをひとまとめに重ねたりもできるかもしんないし。ああでもモーターパラグライダーだともっと小さくなるか。

つかその歴史はヘリコプターより古かったんだな。初飛行は1923年(ヘリコプターの初飛行は1937年)。知らんくせにヘリコプターの亜流みたいなのだなんて言ってすまんかったですよ。

オートジャイロ3

飛行機の魔改造だったのかー。しかし前方視界が最悪そうだなこれ。まぁ航空機はクルマと違って、前方視界が悪くてもどうにかなるみたいだしな。リンドバーグのスピリット・オブ・セントルイス号なんか、前を見るときは横の窓から顔を出したらしいし。

映画で印象深かったのは『マッドマックス2』。ジャイロキャプテンなる登場人物の乗り物だったよ。動いてるオートジャイロをあれで初めて見たわ。離陸前に手で回転翼を回してたのを覚えてる。そのぶん滑走距離が短くなりますなぁ。あと大橋巨泉の『世界まるごとハウマッチ!?』でも出たことあった気がする。あの頃既にこの乗り物はマイナーだったけど、その後に登場したモーターパラグライダーで一気に存在感が薄くなった気がする。

どっちも乗ったことないけど、実際に乗ってみたらどっちが楽しそうかな。オートジャイロは運動性で低空をブリブリ、モーターパラグライダーは高めの空をトンビと一緒にのんびり、てなイメージかなぁ。ああでもオートジャイロも上の写真みたいに雲の上まで行くと、頭の上にでっかい翼がないっつう小さくまとまった感じが、何か浮くものにぶら下がってる感覚もないのが、「オレ飛んでるー」っつうイイ意味の頼りなさをより実感できそうかも。

銘板左端銘板銘板右端

天気のいい日曜はこれに乗って、盛岡あたりにブラッと映画でも観に行ったら楽しいだろうな(離着陸場所は特に考えない)。ていうか帰りは夜間飛行か。青森−岩手の県境はほんと真っ暗だぞ。中山峠の山中で消息を絶ちそうでコワイw あそこらへん熊がいそうだしww

そうか飛ぶのが怖けりゃ国道4号を滑走していけばいいんじゃん(道交法は特に考えない)。後続車はビックリするだろうな。前の変なクルマ、バルルルーとか音立ててプロペラ回して走ってるんだもんなwww

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2012.3.21 水曜
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記憶の中の旗

アメリカの国旗って、今思い出そうとしたらなんかすごくテキトーに覚えてたんだなと思って。左上の青の地に並んでる星の色、何色だったか分かんなくなってさ。

黄色だったかなーとか。

アメリカ国旗

白だったわ。そういや全体像を思い浮かべると、アメリカ国旗って黄色なんて使ってねーし。部分で考えると記憶っていい加減になるもんなんだな。

イギリス、フランスと同じ感覚なのかな。ここらへんみんな赤・青・白の3色だよねってあれ? イギリスの国旗って黒とかで縁取りしてなかったっけ? どうだったっけ? ……(確認中)

イギリス国旗

うわー黒なんてこれっぽっちもないよちょっと。

おいら意外とすげーテキトーだったんだなー。

ていうかロシアとフランスの国旗の区別、パッと思い出した感じではおいらにはどっちだったっけーとチト難しいんだが。

フランス国旗
 
ロシア国旗

上のほうに出てる画像がフランス、下のほうはロシア(国家の上下を表しているわけではありません)。

イタリアはレイアウトはフランスに似てるけど、1色違うだけで印象が全然違う気がするよ。

イタリア国旗

違うといえば、ドイツって全然違うセンスの配色だよな。

ドイツ国旗

んー、けど3色で、その3色にそれぞれ何らかの象徴の意味を持たせてて、最もシンプルなデザインってところは同じ発想かも。その意味はおいら分かってないけど、色の並び方がなんかこう、夜明けの空を表してるかのようですな。

Wikipedia の「ドイツの国旗」によると、「この色は1813年のナポレオン戦争時のルートヴィヒ・アドルフ・ヴィルヘルム・フォン・リュッツオウ(Ludwig Adolf Wilhelm von Lützow)が率いる義勇軍の軍服、黒地に赤の襟、金のボタンをシンボルカラーにしたのが由来といわれている。また、神聖ローマ帝国の紋(金地に赤のくちばしとつめをもった黒い鷲)に由来するともされる。黒は勤勉、赤は情熱、金は名誉を表すともされる」だそうで、夜明け空とは関係なさそうですな。

あと言えること。イタリアの色合いは食欲をそそられますなぁw

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2012.3.22 木曜
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天上の灼熱地獄

今年の冬も寒かったよ。ようやく寒さが緩んできてホッとしてるとこだよ。

んでもっとあったかくなると、まあ風物詩と言えるほどのもんじゃないけども、よく見かけるようになりますな。河川敷とかの遊歩道なんかでの、ミミズの日干し。あれを見るとなんだか可哀想で。同情するほど愛らしい生き物でもないんだけど、それでもなんだかちょっとね。

アスファルト道路の対岸の土があとどのくらいの距離にあるのか、というより対岸があることさえも知らんまま死んでいくんだろうなぁ、と思うと。

ミミズに目があるかは知らん。光を感じる器官はあるかもだけど、焦点に像を結んで取得した画像情報を脳神経に伝えるほどのものはなさそう。そんな器官があったとしても、せっかくの情報を処理して認識する脳の力もなさそう。そもそもそこまでの知能があったとしても、視点の高さが地面とほぼ同じじゃ、幅2メートルの遊歩道の対岸さえ地平線の向こうの未知の世界かも。

てことはそんな運の悪いミミズは、意を決して灼熱の川を渡ろうとしたわけじゃなく、地上を移動中に何も知らずにアスファルトに乗り上げてしまったわけで。

「なんじゃこれなんじゃこれ。ここあっついよちょっと。きゅうにあっつくなったよ。すずしいじめんにもぐろうもぐろうはやくもぐろう。あれれじめんかたいってば。かたいかたい。すげーかたい。もぐれないってばどうしよう。あああ、あわててうごきまわってたら、さっきどっからきたのかもわかんなくなっちゃったよ。もうぜんぜんわかんないよ。もどれもしないよどうしようどうしよう」

その間じゅう、上から照らす太陽に、下からあぶるアスファルト。あわれ不運なミミズさん、過熱と脱水症状であっけなくこの世を去ってしまいましたとさ。そして亡骸は動きをとっくに止めたのに、体から水が失せていくのはまだ続く。まだまだ続く。それさえも止まったとき、夏の風物・日干しミミズのできあがり。

そうして事切れたミミズの死骸を見るたび「こいつバカだよなー」と思いつつ、やっぱしなんだかちょっと哀れで。地上になんか出てこないで自分のテリトリーの地中にいれば、その方向に行きたかったらアスファルトの下をくぐりさえすれば、こんな目に遭わずに済んだろうに。

おいらは地球最強の知能を持つ人類という生物種の1匹なわけだけど、それでもよく分からんうちによく分からん領域に踏み入れて、「なんじゃこれなんじゃこれ」となったりする。だからってそうそう命の危険を感じることなんてないけど、のたうち回るうちに自分が傷ついたりほかの人を傷つけたりってのはよくあったり。ミミズとあんまし変わらんなぁ。

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2012.3.23 金曜
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あんまし誰も気にかけない国産エネルギー&輸出技術

日本の火力発電設備をもっと輸出するといいんではないかと。エコだよ。

火力発電って地球温暖化に関して最大の悪者扱いされてるわけだけど、日本製の火力発電設備って効率がいいから、例えばガスタービン+蒸気のコンバインドなんかだと、50万kW くらいの規模でも電力変換効率が 50% 近くまで行っちゃう。熱機関は規模が大きいと効率が上がるんで、もっとでかいと 59% とか叩き出すぐらいにして。

とある外国の古い火力発電の効率が 30% 程度だとして、これを日本製のコンバインドガスタービン火力発電に更新すると、同じ出力で二酸化炭素排出量が半分程度になるわけで。

地球環境ウンヌンも大義名分だけどさ、まぁ温暖化で危機を煽ってたのは実は詐欺だったんじゃないかっつうのもあるよね。そこらへんのスキャンダルは「クライメイトゲート事件」でググるといろいろ出てくるよ。発覚したのは2009年。おいらは、主に世界中の原発業界が調査団体にカネ積んで、自分らに都合のいいウソが混じったデータを出させてたんじゃないかと思ってるよ。温暖化危機説ってこのせいでなんだか灰色になっちゃった感じだけど、最近は原油代も高騰してるんで、単に燃料代がガッツリ下がるってだけでもずいぶんと助かるんじゃないかな。

日本じゃ2011年に原発業界のいろんなことが一気にバレて、全国の原発が止まりまくりで火力発電に頼り切った状態になってるわけで、「油代が嵩んでるんで電気料金を上げたいんですが」っつう流れになってるよね。火力発電の燃料は石油系・石炭・LNG・バイオマスその他といろいろあるけど、ここは石油系で考えてみる。原油そのものや重油や軽油あたりですな。

んで原油って米ドルで買いつけるのが普通だそうで、そこは相変わらずの円高ドル安でかなり薄まってる。そのうえ日本の火力発電はもともとあんまし燃料を食わないってことで、国民が実感できるダメージは限定的だったりもする。

てことで円高で原油高の危機感が薄らいでるから、日本の世の中じゃ日本製の火力発電の性能があんましピンと来ないのかもしんないわけで。それに国内じゃ国産の発電設備が普通だから、ありがたみもあんまし感じないしな。

んでこれが、日本円ほどの通貨高ではないほかの国々からすると、原油代の高騰って相当頭の痛い問題なんじゃないかな。したら燃費のいい火力発電って喉から手が出るほど欲しいもんなんじゃないかと思ってさ。

今は原油だけでなく、たぶん LNG の相場も上がってるんじゃないかな。どっちも日本が発電用にバンバカ買い付けてるんで、相場にまさに「火に油を注いでいる」状態なんじゃないかな。てことでこんな現状を煽ってしまってる日本から火力発電設備を輸出するってのはなんだかマッチポンプな気配もするけど、絶好のビジネスチャンスなんじゃないですかねぇ。

あと石炭火力も、おいら最近知ったけど「超臨界圧石炭火力発電プラント」なるものがあるそうで。温度と圧力を上げるとそりゃ効率が上がりますわなぁ。つかこのページの中段あたりを見ると、「従来型の亜臨界圧発電と比較して、超々臨界圧発電ではCO2排出量を7%削減することが可能となりました」だそうで。「超々臨界」で、従来型よりもっと効率が良くなっとるってことですか。そのうえさらなる高温化も研究中と。広報宣伝ページだから景気よく書いてる面はあるとは思うけど、ずいぶん行けそうな感じですなぁ。

あと火力発電での「臨界」って何のことかと思ったら、その対象は蒸気らしい。蒸気を高温高圧の超臨界流体の状態に持っていくと、熱を効率よく運べるってことらしい。

超臨界流体」の意味はというと、

超臨界流体(ちょうりんかいりゅうたい, supercritical fluid)とは、臨界点以上の温度・圧力下においた物質の状態のこと。気体と液体の区別がつかない状態といわれ、気体の拡散性と、液体の溶解性を持つ。

なお、原子力工学で扱う「臨界状態」は、全く意味を異にするので注意が必要である。

なんだそーだ。

こーゆー技術って、何もないところから燃料を生み出すのと同じことなわけでして。日本はエネルギー資源がないんだーないんだーと言いつつ、実はしっかり国内生産&国内消費してたってことでして。そしたらこの技術を海外に輸出っての、やっぱし行ける考えなんじゃないかなと思うが。

太陽電池や風力はエコっぽくてわかりやすいけど、発電量も安定性も、ベース電力にするには頼りないですな(太陽電池は電力需要ピークカットに有効ではある)。超高効率の火力発電での実質的な「エネルギーの産出と輸出」、よっぽど現実的ではないのかと。理屈では「CO2 による人為的な地球温暖化」説にご執心な人たちからも支持が得られるはずだし(←ただ、けっこうな割合が「火力発電=悪」と単純に割り切ってそうな感じだけど)。

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2012.3.24 土曜
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節電の夏に役立たない自家発電

今年も節電の夏になりそげな気配だけど、ちょっと考えたしょーもない自家発電方法でも。

かなり昔、足踏みミシンってあったじゃないですか。あのパドルというかペダルというかを机の下に仕込んで、デスクワークの片手間に発電ってのはどうかなと思って。

前にダイエット自転車で発電ってのを考えてもみたんだわ。こっちのがミシン形式より発電量が多そうだけど、わざわざそこに行ってまたがってってのは面倒だよね。すぐにやんなくなって、ホコリかぶり放題になるのが目に見えてる。

けどデスクトップパソコンでネットやったりこうして日記を書いたりしてるとき、そこに足踏みミシン形式の発電用のペダルがあるとですね、作業しながら発電できるんじゃないかなと。慣れると無意識で漕ぎ続けられるようにもなるかも。それやってないと落ち着かないとかw

足踏みミシン方式のほかのいいところって、はずみ車(フライホイール)がついてることじゃないかな。あれで回転速度を安定させられる。まぁ発生電力を安定させるっつう理由もあるにはあるけど副次的で、狙いはペースを保った発電ですな。無意識にやる仕事なんで、リズムやペースを保てるとラクそうな気がする。

ただ、夏場はこの手の自家発電、実はあんまし役に立たないかも。

だってさ、運動するんだもん、暑くなるからさ、部屋のエアコンをガンガン回すよね。たぶん自転車形式でも足踏みミシン形式でも、エアコンの消費電力ほどは生み出せないと思う。そして発熱体(その人の体と発電機)が部屋の中にあるってことで、エアコンの効率が落ちる。電気をますます食う。そのますます食ったぶんのなんぼかを自家発電で補う、となるとさ、まったく何の意味もないわけで。

冬場とかの寒い日限定ですかねぇ。暖房代は確かに浮くわ。けど電力が一番必要な夏場に使えないってのはちょっとアレですなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

足踏みミシンの足踏みって、子供の頃にやったことあるんだわ。実際に服を縫ったわけじゃなく、遊びの空回しで。フライホイール独特の始動の重みってのがなかなか気持ちいいもんで。漕いでくうちに、どんどこ速くなっていくしな。

んでフライホイールがあるから、足をペダルから放してもすぐには止まらない。手でペダルを押さえても、バタバタがそう簡単には止まらない。フライホイールを手で押さえるとすぐに止まるけどさ。

あの床のすぐ上のペダルの止まらないバタバタ、危険じゃなかったのかなぁ。足の指を床とペダルの間に挟んだりしてひどい目に遭った人とかって、なんだかけっこういそうな気がしてきたよ。指を挟まないくらいのギャップを開けたとしても、今度は足の甲まで突っ込んでしまって……なんてことになりそうだし。あんましギャップを開けると踏みにくいだろうし。昭和時代は諸々の安全基準が緩かったしな。

飼い猫を挟んでしまったらとか考えたりもしたりして。うぶぶぶっそんな惨事を想像してしまうと、フライホイールどころか寒気が止まんないですよ。

銘板
2012.3.25 日曜
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『おかえり、はやぶさ』

はやぶさ映画のトリを務めたのは松竹版。唯一の 3D 映画との触れ込みはよかったけど、予告編の最後でまーまー多くの はやぶさ ファンたちを不安のどん底に叩き落とした罪深い映画でもあったりする。

だってさー、これはないだろと。いくら子供客重視の作品っつっても、

『おかえり、はやぶさ』

子供が? はやぶさに乗って地球に手を振ってると? なんだすかそれ? スケールもめちゃめちゃだし、てな感じでさ。

主に mixi のはやぶさコミュじゃ事前にそのあたりで騒然となってたよ。mixi 以外でも、「劇場映画で はやぶさ の擬人化はやめてくれ」っつう意見はけっこう前からあったしさ。おいらもそう思ってたよ。自分でもなんでかよくわからんけど、ニコニコ動画で萌え擬人化はどうでもいいというか、慣れてしまったよ。けど劇場の大スクリーンで、ほかのお客とともに擬人化 はやぶさ を観る気にはどうしてもなれんくてな。

はやぶさ に乗っかる子供ってのは厳密には擬人化ではないけど、そういう演出はしてくれるなと、ていうのをもろに予告編のラストでここぞとばかりに出されて、まーまーどうなるかと思ったわ。

それは杞憂でござんした。製作者さんたちはさすがにそこは分かっていらした。あれは地球スイングバイの説明場面でのイメージ映像でしたですよ。しかも、スイングバイって分かりにくいものなのに、その説明はすげー分かりやすかったですよ。予告編、紛らわしいことすんなよww

藤原竜也演じる主人公・大橋は若手エンジニアでイオンエンジンの担当者。リアル はやぶさ での國中先生の下の、チーフアシスタント的な位置づけ。彼が父親(三浦友和演じる、火星探査機のぞみ のプロジェクトマネージャー)との葛藤を乗り越え、はやぶさ プロジェクトを通して父親を理解していく、というお話。モデルの実在人物がいるのかは不明。まーでもストーリーと設定全体の雰囲気から、創作色の強いキャラかと。

んでまあ はやぶさファンとしては、リアルでの川口淳一郎プロマネにあたる配役とその活躍ぶりがどうしても気になるんですわ。

で、川口先生にあたる江本教授の役は大杉蓮。やーさんか刑事か平和なパパかってイメージだけど、今回は平和なパパの引き出しでしたわ。てことで今までの川口先生役で一番迫力ない感じでw 大杉蓮は凄味出しは得意だから(ていうか何の役でもハイレベルで得意そう)、これは監督の意向なんでしょうな。うん。正直、メジャー はやぶさ 映画3作で出番も一番少なかったしww

けどクライマックス直前の将棋サロンの場面はよかったわ。三浦友和と語るとこ。映画の中じゃ初顔合わせ、という場面。あまり多くは語らなかったけど、ほんといい場面だった。

三浦友和の役は大橋教授。引退して悠々自適状態なんだけど、のぞみ の火星探査計画失敗でマスコミにこっぴどく叩かれたのを今も気にして(実際、当時のマスコミは好き放題叩きまくった)、ふさぎ込みがちな毎日を送ってる、という設定。息子は父の仕事に憧れて はやぶさ のエンジニアにまでなったものの、父の現在の姿を嫌ってると。

のぞみ の実在のプロジェクトマネージャーは鶴田教授というお方。探査計画失敗とマスコミの攻撃はさすがにキツかったと思うけど、別にふさぎ込んでたわけではなかったらしい。松浦晋也著の『恐るべき旅路』によると、のぞみ の火星到達が5年遅れていろいろやってるうちに宇宙科学研究所(ISAS)を定年退官されて、本業のオーロラ研究でアラスカに長逗留したりだったそうな。んで のぞみ と のぞみ チームが運命と闘ってる間に、ISAS 所長として相模原キャンパスに復帰されたとか(記憶で書いています。違っていたらすみません)。

けどこの映画では のぞみ プロマネはまぁプロジェクト失敗に囚われて、失意のうちに暮らす人の設定。そして趣味が日曜大工で、自宅のインテリア・エクステリアのセンスがとっても良かったりするw

まーそれで一応、主演は藤原竜也で、ヒロインてわけでもないけど準主演は杏ってことになってはいるけど、ほんとの主演は三浦友和だった気がする。大杉蓮の出番と演出が薄味だったこともあって。テーマは「自我の克服。そして日曜大工」ww

んーでもそこは観客の好みによるのかな。ほかに重要キャストの子供がいて、その家族の物語もまた織り込まれてたりもして、観客めいめいはそのうちの誰か一人に共感できればいい、という構造のような気もしてきた。群像劇ってやつかな(言葉に自信なし)。おいらの場合は三浦友和の役だったと。奥さんの役は宮崎美子。三浦さんって映画でも私生活でも……くっそーw

杏が演じた野村という役は、まー男性都合での完璧な女性というか。ひたむきで純粋な心が、結果的に大橋父子の和解を導くという流れ。女性客からするとクセがない役でちょっと物足りないかもだけど、そこらへんの物語の運び方、脚本家の手練を感じさせますなぁ。

同時に「宇宙科学・宇宙技術を話の縦糸にしてギッチリと群像ドラマを描く、しかも子供客をメインに狙う」ってのはちょっと欲張り過ぎだったかも。正直、どの方向も群を抜いたところがなくてな。はやぶさファンとしては、前提の宇宙科学・宇宙技術の描写がほかの公開済み作品("HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-" 含む)よりも甘い感じがしたってのもあって。思い出すと特に甘かったわけじゃないんだけど、それまで3作も観て慣れちゃったもんだから、共通部分はマニアも納得なくらいデラゴッテリに盛ってほしかった気がして。

その共通部分、はやぶさ映画で唯一 IKAROS を取り上げたのはデラゴッテリ要素だったけど、あんましいい扱いでもなくてw 主人公の逃げ道に使われてしまってww 飛ぶ場面なかったしwww(実際の IKAROS は はやぶさ 帰還の前月に打ち上げられて、3週間ほど同時に宇宙を飛んでた) はやぶさ が主役の映画だからしょうがないか。

伝説級のエピソード満載のリアル はやぶさ の生涯。それを成した科学技術的な展開、メジャー3作の中ではこれが一番薄かったしな。FOX 版では、有名エピソードが軽妙な演出でテンポよく飛び出した。東映版では逆にあまり知られてないと思われる(おいら知らなかったのがけっこうあった)苦労話をコッテリ盛り込んで、ずっしり感な演出をしてた。どっちも独自の調理方法がおいしかった。けど松竹版はちょっとそこらで印象に残ったものがそんなになくてな。群像ドラマとのバランスの関係だろうけどさ。

んでまぁ唯一の 3D はやぶさ 映画でもあるんだけど、ご多分に漏れず、おいらの頭に残った記憶は普通の 2D 映画と変わんなかったりして。ただ、各作品それぞれが気合いを入れまくった大気圏再突入の場面は 3D 効果抜群でしたなぁ。あの映像は「それを観たかった」って感じでしたですよ。けどそこ以外は別に立体じゃなくても何の不都合もなかったよ。もっとお客に「得した」感を与えるべく、これ見よがしなほど立体感強調の演出をしてほしかったす。ていうかこの立体感の物足りなさの問題、どの 3D 映画を見ても感じるわ。

3D 映画って今のとこほんと中途半端だよな。3D 特有のシネマトグラフィがあるのかもしんないけど、今は旧来の 2D 上映も同時に考えてるもんだから、2D 用のシネマトグラフィで作られてるんですなぁ。そこが中途半端さの原因なんじゃないかと。早いとこ 3D 専用の映像づくりの手法を確立して 3D 専用映画ですげー大ヒットを連発しないと、映画業界がせっかく貴重な単価アップ手段として開発して普及させた 3D 映画そのものが飽きられて廃れてしまいそうな気がするよ。

銘板左端銘板銘板右端

はやぶさ映画のメジャー配給の3作はどれも、はやぶさプロジェクトチームの人間ドラマを描いた。それは劇場映画の正攻法だし、リアルの はやぶさチームがたどった事実を下敷きに描いてた。んでも、どれも揃って描かなかった部分があってさ。はやぶさファンとしてはそこも正面から描き切ってほしかったなーってのがあって。

それは、プロジェクトチームはなんとかして はやぶさ の本体を生かそうと懸命になったってとこ。

はやぶさ が完調だった頃は、地球にカプセルを投下した後はまた惑星感空間に戻り、適当な探査対象を見つけて再び探査に向かうことになってた。けどトラブルが続発。通信途絶まで起こして、通信復旧したときにはもう地球帰還が危ぶまれるほどズタボロの状態だった。化学スラスタ全損が判明した時点で、地球にカプセルを投下すると、本体まで大気圏に突入してしまうことが分かった。

この時点(2005年末〜2006年始)で、はやぶさ は今までの日本の探査計画にないほどの多くの熱いファンを世界中で獲得してた。その声援のおかげで死にかけた はやぶさ が復活した、ということになってる。そこは ISAS 公式 はやぶさ 動画『祈り』(2007年10月公開)の、最後のクレジットタイトルを見れば分かるよ。

そんなファンのためか、それとも自分たち自身のためか、川口プロマネたちはカプセル投下後にも はやぶさ 本体が消滅せずにすむ道を、思いつく限りすべて検討したそうな。けど計算するとどれも、本体は大気圏内で消滅する結果となってしまった。川口先生はそれを「冷たい方程式」と呼んだ。チームの皆さん、きっと愛機の未来に立ちはだかる冷酷な事実を受け入れたくなかったんですな。

そしてその発表を聞いたファンたちの失望たるや(思い出し orz)

でも2009年11月から不意にマニア層を超えてファンが爆増した背景には、はやぶさ の存在や数々のエピソードと一緒に、その悲劇性が広まったのもまたあったと思う。そして人気が高まったからこそ、映画メジャー配給のうち3社が映画製作に名乗りを上げた。

次々に襲いかかる不運と、その不運を毎回一発逆転で覆す幸運はもちろん娯楽映画にぴったりの要素だよ。そして、それでも抗えなかった、最後に残った宿命。

そこに至る事実の流れからは、20世紀 FOX も東映も松竹もドラマ性を見いださなかった。なぜなんだろう。なぜ彼らはそこを気にかけなかったんだろう。

映画業界が人間ドラマを描くのが得意なのは分かる。日本の映画業界はサイエンス&テクノロジーの描写があまり得意でないのも分かってる。だから得意分野に傾注したんだろうってのも理解できる。けどもう少しだけ丁寧に はやぶさ にまつわる諸々をファンたちからでも取材してれば、はやぶさ という特別な機械とそれに関わった人たち(ファンを含めて)との、3億 km と7年間もの時空をつなぎ通した絆の強さをもっと深く描けたろうに。

あと「こんなこともあろうかと」のほかに、はやぶさ で忘れちゃいけないキーワードがあった。それは「根性」。はやぶさ の7年に及ぶ旅は、はじめから最後までほんと根性で飛んでたよ。しかもゴールに近づくにつれ根性の重要度が上がっていってた。機械に根性という表現に違和感がおありなら、そこはプロジェクトチームの根性と読み替えて構わないっす。川口先生自身がことあるごとに「根性」を口にしては、隙あらばヘタレてそのまま息絶えてしまいそうな はやぶさ をむち打って、むち打っては脈を診て、本当に無理矢理に動かしてた。それでようやくあの栄光を勝ち取った。帰還後、川口先生は全国津々浦々で講演会に引っ張りだこ状態らしいけど、そこでも「技術自体はそれほど重要ではない。大切なのは根性だ」とぶってるらしいしww

「いつ死んでもおかしくない、生きていること自体が奇跡」なボロボロの体になってもなお、地上のプロジェクトチームからの指令を実行しようとする はやぶさ。そんな はやぶさ に付き合い続けるうちに川口先生、機体そのものに宿る根性を感じ取ったらしく、『はやぶさ、そうまでして君は』なる名言を発した。そしてファンは機体もチームもひっくるめたものに対して、「そうまでして君は」とその天晴な根性に心打たれたというわけです。

そこを描ききった映画作品、なかったなぁ……。

銘板左端銘板銘板右端

火星探査機 のぞみ の飛行中の姿を出したのは FOX 版とこの松竹版だったけど、どっちも5本のセンサーを機体の外に伸ばしてたような……。リアルの のぞみ のセンサーは火星周回軌道投入後に進展するはずだったんで、結局は収納したままだったと思う。ま、「こまけぇこたぁいいんだよ」てやつか。

銘板
2012.3.26 月曜
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黒くはないが3連星

仕事帰りに駐車場に向かって歩ってたら、正面になんか知らんけど天体ショー的なものが出現してて。思わずケータイで写真に撮りましたですよ。画像の記録から、19:35分ですな。八戸の西の空ですな。

金星・月・木星

うほほーなんぞこれ。見た感じ、お月さんの上下にあるのは惑星らしい。上は明るさからして金星。下は……色からして木星かな。撮れた画像を見たら木星らしきものが闇に溶けかかってたんで、レタッチで強調してみましたですよ。レタッチの「レベル」に「入力レベル」と「出力レベル」があるのに初めて気づいたわー。両方いじって、木星的なものを画像上で確保できたですよ。

あとで調べたら、記事が出てたんですな。やっぱし上が金星、下が木星ですな。

知らなかったら知らなかったで、偶然見かけてなんだか得した気分になりましたわ。

そういやおととしの年5月、金星探査機 あかつき が飛び立つ1週間ほど前、月と金星がすげー近くに来た日があったっけ。あれも壮観だったなー。

この記事によると、さらに真上には昴が輝いてたとのこと。さすがにそれは気づかなかったな。この記事を事前に読んでりゃよかったですなー。

銘板
2012.3.27 火曜
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『ヒューゴの不思議な発明』

今しがた『ヒューゴの不思議な発明』を観てきたですよ。

ナイスな映画でしてこれが。3D の使い方も、アバター以来の試行錯誤でようやくイイ感じになってきたしさ。映画の創成期に触れられたのは、映画ファンとして嬉しかったしさ。色彩もすげー綺麗だったしさ(照明で、背景には青、被写体には黄系統のツタンカーメン配色って王道だよな)。

ただまぁひとつツッコミどころが……。

『ヒューゴの不思議な発明』って主人公のヒューゴ君、物語を左右するほどのものは結局何も発明しなかったんだが。

あとまぁ物語のカギは、ヒューゴが父親から受け継いだ自動筆記ロボットが握ってるんだけどさ、あれって元ネタは

学天則1
学天則じゃね?
"
学天則2
映画『帝都物語』での学天則

映画『帝都物語』にアレンジされたものが出演して、毛筆で「光」って字を書いてたよ。

西村真琴教授が開発。ドイツの博覧会に出品したら行方不明になってしまって、そのまま現在に至ると。こんなところにあったかー。意匠もサイズも時代も違うけど。ああそうか、フランスはオートマタの国だからな。自動筆記ロボットは独自に作れてたのかもしんない。まぁ映画ほど書けるかはギモンだけど。

おおお、Wikipedia 「オートマタ」によると、1900年の作品で『手紙を書くピエロ』というのがあるぞ。ああでも「右手が滑らかに文字を書くように動き」か。書くふりだけなのかな。

日本のからくり人形だと「文字書き人形」とゆー、名前のまんまの機能を本当に持つものがあったらしい。筆に墨を付けて書くんだ。

『ヒューゴ……』で、書く前にペンにインクを付ける動作があった。学天則の影響はどうか知らんけど、どうもこの映画、日本のからくり人形の影響があるような気がしてきた。デザインや仕組みというより、あの時代より前に筆記ができた自動人形が実在した、という事実がよりどころになったというか。

年代で考証してみるか。映画技術の発明者リュミエール兄弟の映画『ラ・シオタ駅への列車の到着』の公開が1896年。『ヒューゴ……』登場人物のジョルジュ・メリエスが自動人形を作り始めるのはそのあたり。学天則は1928年デビューだから関係ないですな。『手紙を書くピエロ』は1900年だから微妙なあたり。けど「文字書き人形」ができたのは1840〜1850頃だそうで。上に書いたポンチ説、年代だけ見ると辻褄は合ってるかな。

ただまあ今のフランスには日本好きな人たちが多いみたいだけど、100年以上前は遠い異国だったろうからな。ジャポニズムが隆盛を極めてたとはいえ、フランスにまでに本のからくり人形の名声が届いてたかどうか、現物をフランスにまで持ち込んで見てもらえたかどうか、かなりギモンですなぁ。

銘板
2012.3.28 水曜
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ヒミツのカンケイありやなしや

昨日の流れで、Wikipedia 「ジャポニスム」を読んでちょっと感動してたとこ。

とりあえず、呼び名は正確には「ジャポニスム」なんだな。「ズ」じゃなく「ス」。「ズ」は英語訛りってことかな。「ジャポン」はフランス語だからね。きっと「ス」が正解なんだろうってことで。

日本の文明開化後、西洋の文物が日本にたくさん入り込んできて、絵画じゃその写実性が驚きの的だったと何かで読んだような。たしかになぁ、日本風や、遠くてせいぜい中国風までの絵柄しか知らない目にとって、西洋のリアルな油絵は驚愕だったと思うよ。技術も完成されてたことだし、それまで西洋人を「毛唐」「南蛮人」と呼んでちょっと下に見てた日本人でも、なんかもう絵画で敗北感にまみれ切った向きも多かったんじゃないかなとか考えたりして。

一方ヨーロッパでは。フランスを中心に日本の浮世絵が大人気。はじめは単なる日本趣味(「ジャポネズリー」。中国趣味は「シノワズリー」)だったのが、西洋芸術に存在しなかった表現技法がその中に発見されて、芸術表現そのものに新風を吹き込んでしまった、てなことらしいですな。そして日本発の技法は主流に完全に取り込まれて根付いてしまって、「このようなジャポニスムの影響は、20世紀に入るとヨーロッパのあらゆる視覚表現に普遍的に見られるようになり、これはジャポニスムでこちらはそうではない、と区別することが意味を成さなくなっていく」というわけですな。

ここで注目なのは、2つのまったく異なるスタイルが初めて出会ってひとつに融合するまでに、対立や激突、反目、競合、張り合い、潰し合い、相互不信みたいなのがまったくなかったっぽいってこと。振り返ったり立ち止まったり脇見したりさえなく、真っすぐに溶け合ったっぽいってこと。

これ、愛だろ。いや冗談じゃなく。なんか泣けてきた。

いまだによく信じられてそうな俗説で、「異なる文明・文化同士が初めて出会えば必ず戦争になる」てのがあったり。まー太平洋戦争なんかそれで説明できるかもしんないけど、それは「必ず」ではないのですよ。太平洋戦争という歴史上の事件がその説をいかに支持しようとも、ジャポニスムというもうひとつの歴史上の事件が、そんなヨタ話を明確に否定するのですよ。

フランスの芸術界が一体どのくらいの深さで日本の芸術を愛してくれてるのかはおいらは分からんけど、実は鼻息で飛ばす程度の影響しかないのかもだけど(西洋の絵画技法はレオナルド・ダ・ヴィンチの昔 [日本は室町時代] にもう完成の域に達してたしな)、それでも文化大国を名乗りつつ諸外国をおしなべて見下すイメージなおフランス様が認めてくれたってのは、なかなか痛快ですなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

1997年あたり、かの国で「フランスにおける日本年」という1年にわたる催し物があったんですわ。映画監督・北野武はその少し前にヨーロッパでブレイクしてて、既にかなりの大物扱いされてたな(日本ではまだ色物扱いだった)。

そのとき新聞で読んだんだわ。日本の映画評論家がパリで講演をした、と。そのトピックは「日仏映画史の秘密の関係」だったそうで。そのときは「そんなもんあるんかよ。でっちあげじゃねーの? フランス人に失笑されるのがオチじゃねーの?」と思ったんだけど、「ヒューゴの不思議な発明」で描かれてる映画の創成期の直前に、同じパリでジャポニスムが開花したんだよね。昨日初めて知ったわ。

リュミエール兄弟の頃には映画はまだ遊園地の見世物だったのが、ジョルジュ・メリエスが、複数の場面をフィルム編集でつなぐやり方でストーリーものを作り始めた(『ヒューゴ……』でのメリエス、切ったフィルム同士をセロテープみたいなのでつないでた。たぶんその後に専用テープができたんだろうけど、原理もやり方もメリエスが自身で作ったと思われ)。その後メリエスの跡を継ぐ者たちが世界中に現れて、映画は最新の芸術表現としてどんどん発展していった。もちろんフランスでも。

時代と場所が連続してるんですよ。

パリでジャポニスムが開花 → パリで映画そのもの(映像の撮影・上映技術と上映スタイル)の発明 → パリで映画芸術の核心(映像編集の概念)が誕生 → 世界中で、現代につながるストーリースタイルの映画が作られ始める、と。

ちなみに映画はエジソンの発明でもある。そこらへんどうなってるのかと思ってたよ。Wikipedia「リュミエール兄弟」では、映画の原理を発明したのがエジソンで、このときは覗き穴を1人で覗いて鑑賞する形。劇場でスクリーンに投影して大勢で鑑賞するスタイルを発明したのがリュミエール兄弟、ということらしい。ただしリュミエール兄弟がエジソンの機構をパクったのかは不明。前に『世界ふしぎ発見』で見たら、リュミエール兄弟はカメラと映写機を開発するのにミシンの機構を応用した、と言ってた。

「そういうものがある」と知ってから、自分で開発したってことかな。しかしエジソンのファインダー方式ならまだしも、劇場でスクリーンに投影するなら光源から出る熱量が相当あるわけで、映画が普及してからしばらく経ってからでも、光源の熱でフィルムが燃えてしまう問題があった(『ニューシネマ・バラダイス』でその場面があるね)。世界初の映写機の開発はそのあたりの折り合わせもきっとあったろう。大変だったろうなぁ。

んで、映画表現にジャポニスムが絡んできても不自然じゃない状況でして。

けど、おいらは映画とジャポニスムの関連性について何も知らない。昨日観た『ヒューゴ……』でも特にそういう表現はなかった。表面上はその形跡は感じられない。だから日仏の映画史は「秘密の関係」なのかもね。

んー、おもっきし強引だけど、メリエスの映画のセットは舞台形式だったんで、背景は書き割りが多かった。その構図にもしかしてジャポニスムの影響があったのかも。おいらが想像できるのはそのくらい。たぶん「フランスにおける日本年」での講演じゃ、もっともっと突っ込んだことが語られたんじゃないかなと。あるいはジャポニスムじゃなく、日本映画とフランス映画との関係なのかもだし。ていうか「日仏映画史」なら普通そうだわな。

銘板左端銘板銘板右端

「リュミエール」ってフランス語で「光」の意味だったんだ。すごい偶然だな。彼らが生んで世界に遺したものは、まさに光の芸術だよ。

銘板
2012.3.29 木曜
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10番目の椅子

北朝鮮の3回目の「衛星」打ち上げ実験でいろいろといろいろな状況だけど、一番やきもきしてるのは韓国なんじゃないかと。2つの理由で。ひとつはまぁ中国や日本、台湾みたいな、打ち上げコースに近い各国と同じ悩み。「こっちに落ちるんじゃねーだろーな」というやつ。そして韓国は恐らく、もうひとつの懸念に悩まされてるんじゃないかなと。

「うちより先に衛星打ち上げ国の称号を手にするんじゃないか」と。

自力で衛星打ち上げに成功した国のランキングで、なんか今10番目が空席らしくて(数え方にもよるだろうけど。仏英伊を欧州宇宙機関 [ESA] でひとまとめにするか別々に数えるか、別々ならさらに ESA も別でカウントすべきか、とか)、んでまぁ今度成功した国はトップ10にギリで入るらしい。おっ、都合のいいランキング表を見つけたですよ(Wikipedia「人工衛星#打ち上げ能力を有する国」から。ネタ元は英語版の "Timeline of first orbital launches by country" [初めて衛星軌道に打ち上げた国別タイムライン])。

自国による人工衛星の打ち上げ
順位 ロケット 人工衛星 重量 (kg)
1 ソビエト連邦 1957 スプートニク-PS スプートニク1号 83.6
2 アメリカ 1958 ジュノーI エクスプローラー1号 13.7
3 フランス 1965 ディアマン アステリックス 42
4 日本 1970 ラムダ-4S おおすみ 23. 8
5 中国 1970 長征1号 東方紅1号 173
6 イギリス 1971 ブラック・アロー プロスペロ 65.8
- 欧州宇宙機関 1979 アリアン1 CAT-1 1,602
7 インド 1980 SLV ロヒニ 35
8 イスラエル 1988 シャヴィト オフェク1号 155
- ロシア 1992 ソユーズ-U コスモス2175号 6,600
- ウクライナ 1992 ツィクロン3 ストレラ(x3, ロシア製)  ?
9  イラン 2009 サフィール-2 オミド 27

これを見るに、やっぱし10番目がまだ埋まってないですな。数え方としては、独自に打ち上げた仏英はそれぞれでカウント、後で仏英込みで統合した欧州宇宙機関(ESA)はノーカン。ソビエトはカウント、後でそこから分裂したロシアとウクライナはノーカン、となってる。

まぁ北朝鮮は今まで、1998年と2009年に衛星軌道に挑戦していまだ成功してない(自称「成功」だけど)。韓国もまた2009年、2010年の2回とも軌道に届かなかった。そして運命の今年2012年、韓国は10月に3回目の挑戦を控えてるけど、北朝鮮は来月。もしかして北朝鮮って、韓国の動向を見て先んじようとしてるのかな。それでこの時期の打ち上げなのかな。

つーか韓国が自国独自の弾道ロケット開発を打ち捨ててまで急に衛星打ち上げにこだわり出したのは、北朝鮮がやり始めたことに対抗したくなったからなんじゃないかって気もしてきた。さー今年、どっちの国に軍配が上がるんだろう。あるいは今年で決まらないかもだけど。

テポドンと羅老のコース予測

んで来月の北朝鮮の打ち上げコースが、今までの東向きじゃなく南向きなわけで。変更の理由は、日本の本土を飛び越えるといろいろ面倒なことが分かったから、というのがたぶん一番大きかったんじゃないかとは思う。その一方で、韓国と同じコース取りにして対抗しようとしてる、なんてのもありそげ。地球の自転の利用を諦めるんなら、北朝鮮からだとオホーツク海の方角に打てば、面倒が一番少ないはず。けど南向きってことは、やっぱし韓国への対抗なのかなと。あーそうか北東向きはアラスカやニューヨークの方面ってことでもあって、アメリカが難癖付けてくるか。

ただ韓国の場合はコース直下や付近の国は日本と台湾だけだけど、北朝鮮の南向きコースだとほかに中国、韓国が絡んでくるからな。それはそれでめんどくさいというか。

しかし北朝鮮も1回ごとに作法を学んでるよな。ていうか日本の動向をすげー気にしてるというか。初めて打ち上げたときは、日本の東北地方上空を通るコースなのに、国際法で規定された関係国への事前通告がなかった。たぶん知らなかったか、知ってても軽く見てたか、じゃないかな。いきなりやられた日本は蜂の巣をつついたような大騒ぎ。んでそれが導いた結果はどうだったか。日本では「我が国は宇宙を軍事利用しない」という国会決議が過去にあったにもかかわらず、「情報収集衛星」という名の偵察衛星を独自に開発・運用して、北朝鮮を監視し始めた。

てことがあってか、2回目も同じコースだったけど事前通告があった。その内容で1段目と2段目は日本の領土には落ちないように設定されてて、軌道投入は失敗だったけどロケットの部品は事前通告どおりの海域に落下した。

そして3回目。今回も日本の石垣島あたりの上空を通りそうだけど、日本の領土内に落ちる確率はかなり減ってる。

代わりに中国・台湾・韓国に落ちる可能性が出てきたわけで、それでももしかして、それに比べたら日本に落ちるほうが怖いのかも。衛星打ち上げってさ、外国に落ちたらその損害分の全額を、打ち上げ国が賠償することになってるんだわ。北朝鮮は過去2回の打ち上げで、そのルールも学んだんじゃないかなと。日本で被害が出たら円高でもあるし、相当な額を請求されそうなわけで。

ただ、北朝鮮の東向きコースの下にある日本の人口密集地って、最大で函館市・秋田市・青森市・盛岡市で、人口は30万人前後。八戸市が24万人。弘前市・黒石市の合計もそのくらい。横手市が10万人。十和田市と三沢市を合わせて10万人。大曲市・二戸市・久慈市がそれぞれ3万人。日本にしては小粒ですな。

んで、そこを避けての南向きコースで間違えて上海市(2300万人)や台北市(2650万人)にでも落ちようものなら、それどころでない額を請求されそうなんだが。ていうか南向きに打ってもやっぱりコース付近に日本の那覇市(32万人)があったりもするんだが。北朝鮮、その計算は大丈夫か?

かつてイスラエルが衛星を打ち上げたとき、いろんな国々がその南北にひしめく地中海の上空を横切るっつう芸当をやってのけまして。それと状況が似てるかも。決定的に違うのは、アメリカの後ろ盾の有る無しですな。

左の図は、赤い領域が北朝鮮の今回の発射のコース範囲。おいらの勝手な予想。黄色の領域は、韓国の羅老ロケットのコース範囲。2009年の打ち上げでの事前通告のもの。どっちも日本の本土を外してくれてるのは分かるけど、やっぱし島嶼部が引っかかってしまう日本であった。しかし韓国のコースって沖縄本島モロかぶりなんだな。

銘板左端銘板銘板右端

ってランキングにイタリアが入ってないのはなんでなんだと。打ち上げたのがアメリカのロケットだったからかな。

……、

……、

……。

だとすると、例えば韓国が先に成功したとしても、このランキングに入るかどうかは微妙なような。ロシアのロケットなんで。1段目は明らかにロシア製。2段目は韓国製とされてるけど、実はこっちもロシア製という噂があったりもして。あと打ち上げ管制システムと運用も、ほとんどロシア人がやってるらしいし。

銘板
2012.3.30 金曜
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かつての飛跡

前に北朝鮮が東向きに衛星打ち上げ実験をしたときのコースはどうだったっけかなと。2回とも「衛星打ち上げかミサイル実験か」と騒ぎになったけど、まぁどっちも基礎技術は同じなんで、その分別自体はあまり意味をなしてなかったよ。てことで本来の焦点は、衛星軌道に到達する気があるのかないのかってことでして。あるんなら衛星が本当に乗ってるわけでして。んで2回とも真東に打ち上げた。これ加速に地球の自転を利用するってことで、本気で衛星打ち上げを狙ってたことが分かる。弾道ミサイルの技術修得がてらに衛星を打ち上げて、国内外に向けてマンセーしようって計画だったと思ってるよ。

んでまあ日本の東北地方北部を飛び越えていったわけで。うち(八戸)にどんぐらい近かったかなーというのを確かめてみたくなって。

とゆーわけで、打ち上げ場所から真東に直線を引っ張るとラクそうなんだけどそうも行かない。真東打ち上げでそれができるのは赤道上のみ。北半球からこの方向に打ち上げれば、だんだん南側に曲がっていくんですな。赤道を越えると北に向けて曲がっていく、とゆーサインカーブを描くわけで、そこらを計算式にしてみた。

起点からの経度の増分: θ(°)

あるθでの緯度: α(°)

打ち上げ場所の緯度: β(°)

とすると、

α=βcos((π/180)θ)

となるはず。Google Earth で見てみたら、経度の刻み幅は 2.5°だった。あと、このときの打ち上げ基地の座標はおおよそ、北緯41°の東経130°。そこらへんをもとに表計算で出してみた。

θ(°) 0 1 2 3 4 5 6 7
東経(°) 130 131 132 133 134 135 136 137
α(°) 41.00 40.99 40.98 40.94 40.9 40.84 40.78 40.69
 
θ(°) 8 9 10 11 12 13 14 15
東経(°) 138 139 140 141 142 143 144 145
α(°) 40.60 40.50 40.38 40.25 40.10 39.95 39.78 39.60

んでこれを、Google Earth から取った画像にプロットして折れ線でつなぐぞと。ついでに拡大図も同じ方法で計算して作ってみた。

テポドン1号2号のコース
テポドン1号2号のコース_拡大

うわーお 俯瞰で弘前(人口18万人)と八戸(24万人)から 30km 程度かよ。近い近い。能代(秋田県の日本海側にある市。6万人)からは 20km。ていうか久慈(岩手県の太平洋沿いにある市。3万人)なんか真上を飛ばれたんだな。

とはいえこの飛行コース周辺の圏域人口って100万人もいないと思う。東北全部で900万人くらいだしな。そして来月の飛行コース、上海はちょっと外れてる感じだけど、台北は2600万人。うーん、ほんと大丈夫か?

銘板
2012.3.31 土曜
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実感なき利便

来月の日記の台紙を作るのに、新型の野良 JavaScript を初稼働させたんですわ。

意外とそんなにラクチンになった感じがしないわ (-▽-;)

前回までの手順はこんな感じ。

  1. 名無し JavaScript のソースをテキストエディタで開く。
  2. 1か所書き換える。
  3. 保存して閉じる。
  4. 名無し JavaScript をブラウザで開く。
  5. 全部コピー。
  6. 台紙テンプレ(ひな形)書類を開く。
  7. 全選択 → 貼り付け。
  8. 保存して閉じる。
  9. できた書類の名前を書き換える。
  10. アップロード。

今回からの手順は、

  1. 名無し JavaScript のソースをブラウザで開く。
  2. 1か所書き込む。
  3. 出力ボックスに出たやつを全部コピー。
  4. 台紙テンプレ(ひな形)書類を開く。
  5. 全選択 → 貼り付け。
  6. 保存して閉じる。
  7. できた書類の名前を書き換える。
  8. アップロード。

ってな感じ。工程を10手から8手に減らしたんだけど、手間を2割削減ってのは体感的にはあんましって感じ。

実質、手間が2割減って大きそうなのに。

仕事でも手間を減らすプログラムとか作ったりしてるんだけど、そんなに決定的にラクになったりしないんだよね。質が変わった気がしないというか。けど実際は削ったぶんだけの効き目が出てるってことなんだよね。1手減らせば1手ぶんの効率化ができてるはずでして。

体感できるくらいまでとなると、割合としては一気に半分以下あたりに持っていくってくらいですかねぇ。

自動化での工程減らしの面白いところは、場合によっては「0手」で行けるようになるってこと。全自動ですな。こうなると効率は限りなく無限大に近くなるわけで。マグネットコーティングですなw 実際はそれを起動する手間とかがあるんで、完全な0手にはなかなかならんけど。

とりあえず職場で0手に一番近づけたやつだと、1回5分ほどかかってたのが5秒になったわ。効率60倍(ドヤ顔)。けどそれ1日1回しかやんない作業なんで、1日5分しか浮かせられないww

銘板
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