ひとりごちるゆんず 2011年3月
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2011.3.1 火曜
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TRON 的チャンス

小惑星探査機 はやぶさ のおかげで NEC はずいぶん名を上げた。こっちは自分のサイトで激しく自己アピールしたからってのもあると思う。批判じゃなくて。企業側の開発者ならではの話を読めて面白いぞ。古河電池は自サイトじゃ特に はやぶさ を扱ってないけど、件の変態力動画のおかげでこれまた人気を博してると思う(「古川電工」となってしまってるけど)。八戸にも古河電池の工場があるんで、はやぶさ で功績を上げた企業はもっともっと知名度を上げて儲けていただきたいですよ。

企業や商品じゃないけど、これもブレイクしてほしいなーってのが、はやぶさ とミネルバに採用された国産 OS "TRON"。80年代は国内のパソコン用に有望だったけど、マイクロソフトの DOS で世界制覇したいアメリカに目を付けられて、政治圧力で潰されちまった。それでも TRON は組み込み OS として家電やデジカメや携帯電話、トヨタ車のエンジン制御なんかに使われてきた(携帯電話は高機能化に伴ってシンビアン OS や Android にやられてしまったけど)。そういう、使う人に意識されない環境、スペック的に厳しい環境でのシェアを伸ばしてきた。主に日本国内の製品の組み込み OS として広まったけど、確かアメリカのフリースケール・セミコンダクタ社の組み込み CPU も TRON に対応してたはず。

んで、そういう特殊環境に強い TRON のもうひとつの生息環境が、日本の宇宙機だった。

宇宙機器って超最先端のイメージがあるけど、実際はけっこう保守的。ていうか過酷な環境なんで地上用途の民生仕様じゃ耐えられないんで、特注なんですわ。電子機器は民生用の進化が速いんで、特殊な宇宙用はどんどん取り残されて、スペックはかなりしょぼい。はやぶさ に積まれてたコンピュータのクロック数、30MHz かそこらだもんな。国産の最新型でも 100MHz。アメリカはさすがにコンピュータ開発の本場だからもっと速いけど、それでも 180MHz 程度らしい。電子機器の環境がこんなにも限られてるんで、容量が小さくて動作が速い OS ってのが断然便利。たぶんそれが理由で TRON が使われ続けてる。プログラムを知り尽くしてる開発者が国内にいるってのも便利なんだと思う。それに国税を使ったプロジェクトだからね。国産のものがあるならできる限り使いたいってのもあるだろうし。

で、TRON はかつて、アメリカ政府からの圧力に負けた日本政府に、生け贄として差し出された。それで PC 用 OS としてかなり不利になってしまった。サードパーティーが有料 OS『超漢字』としてリリースしてるけど、一般客からほとんど相手にされてない感じ。けど今、はやぶさ なわけですよ。時代が来てるわけですよ。NEC はその潮目を読んでの宣伝がうまく当たった。古河電池はニコニコ動画に集まった はやぶさ ファンに広く認知された。

ここで TRON にも波が来ないもんかなー。

まぁ一般人の PC で使える TRON が超漢字しかないってのは痛いけどさ。

今のバージョンの超漢字 V って Windows の上に乗っかる形で稼働するそうで、もうそれ OS としてどうなのかって感じ。なんでも Windows の豊富なプリンタドライバを利用するためらしいけど、だったら Windows でいいよなと。つか Windows 向けプリンタドライバは各プリンタメーカーがネット上で無料配布してるんだから、超漢字の方でそのドライバを直接使えるようにすればいいと思うんだが。エミュレーションってことになるのかな。まぁ「言うは易し」なんだろうけど。90年代から考えるとプリンタを使う機会もめっきり減った。いっそ印刷機能を諦めるのも手かもしんないし。多彩な文字表現が売りの超漢字にしてみれば、印刷は譲れないところかもしんないけど。

ほかにあるプリンタドライバといえば Mac 向けか。これはそこそこ揃ってるはず。Windows 向けでできないなら Mac 向けでも難しいかな。つか例えばエプソンでもキヤノンでも、Windows 向けドライバと Mac 向けドライバがあるわけで、ハードウェアとしてはドライバソフトがあれば行けるわけだ。あとおいらは試したことないけど、UNIX 系で共通で使える汎用プリンタドライバソフトというのある。GIMP 開発チームによるものらしい。てことは、プリンタドライバはプリンタのメーカーじゃなくても作れるってこと(しかもボランティアベースで)。そうなるとさ、超漢字でだけ既存のプリンタを直接駆動できないのってさ、だから Windows と合体しなきゃ使えませんってさ、どうなのかと。

てことで、おいらは超漢字は変な方向に行ってると思う。んでそれとは別に、オープンソース開発で無料の PC 向け TRON があるらしいんだわ。どっかの大学でやってたと思った。既に BSD と似たような状態。まぁ派手な宣伝はしないだろうから、Windows や Mac OS ほど広がりはしないと思うけど、TRON の良さ(プログラム容量が小さいうえ恐ろしく速い)をうまく引き出せてれば、とりあえず「知る人ぞ知る」な OS になれるんじゃないかと。

「いいものを作ってさえいれば、みんないつかきっと分かってくれる」ってのは技術者の甘え。一般人向け市場は宣伝や売り方次第。営業活動のやりようで、ちゃらんぽらんなものでも不動のシェアを勝ち取ったりもするわけで(クズ同然の映画でも「超話題作」扱いで大宣伝されればみんな観に行ってしまったり、観た人の多くが激賞した映画なのに宣伝に失敗して赤字に終わったってのはよくある話で)。ものの本質のみがいいだけじゃ一般客は食いつかないのが現状だったりして。

で、いいものを作ってさえいれば「知る人ぞ知る」にはなれる。で、オープンソース開発ってほぼボランティアベースなんで、宣伝費をかけられないから、そこからが厳しいわけで。てことは、少ないチャンスを逃さないことが大事。で、TRON は家電やクルマのエンジン制御ですごいがんばってはいるけど、ここらへんは申し訳ないけどスター性に乏しいわけで。で、衛星や探査機、ロケットの OS ってのも最近まで全然注目されないものだったけど、はやぶさ が風向きを変えた。

もうかなり落ち着いたりもして、いつまで続くか分からない風向きだけどさ、おいらの感触じゃ はやぶさ は世間一般の認知の臨界値を超えたと思う。もう世の中全体の共通な記憶に刻み込まれたと思う。これ、TRON にとって財産になると思う。で、後で TRON 普及が本格化したときでも「探査機はやぶさ」の名を出せば、ご老公の印籠的な効果があると思うんだ。そしてまだ はやぶさ の話題が世間から消えきってない今、TRON をセットにして皆の記憶にとどめてもらうのって、そうなったときの効果を何倍増にもする大事な行程だと思うんだが。

まぁ TRON やってるところって基本的にみんなそれぞれらしいから、まとめてどーんとやれるかどうかにもかかってくるよなぁ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

はやぶさ帰還1周年まであとたった3カ月半か。早いもんだなー。

微粒子の分析はもう始まってる。今はデータ解析と論文書き、そしてさらなる精密分析が進んでる頃だと思う。以前、はやぶさ がイトカワから送ってきたデータで作られた論文6本が、イギリスの科学誌『サイエンス』を特集号として独占したことがある。この号の序文で、はやぶさ の理学チームは編集長から「発表の場にお選びいただいたことに感謝いたします」とお礼まで言われた。あの再来、あるかなぁ……。

銘板
2011.3.2 水曜
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全機大集合の図

スペースシャトルが国際宇宙ステーション(ISS)に無事にドッキングしましたな。これで ISS は現在の布陣での、最初で最後の全機大集合状態ですな。ロシアのソユーズ宇宙船がちょっと離れたところから全景の記念写真を撮ってくれるのを期待してたんだけど、必要な安全を確保できないからってことでそれは叶わんかったけど、見れれば壮観だろうなー。カナダのロボットアームをどっか ISS の端っこまで移動させてビデオカメラの首を振らせると、全景パノラマ写真を作れるんじゃないかなーとか思ったりして。

シャトルって今回の飛行で退役だとばっかり思ってたけど、あと2回あるんだな。いやーすっかり勘違いしてたわ。

ESA の無人補給機 "ATV" 2号機の名前はヨハネス・ケプラーか。前回の初号機はジュール・ヴェルヌ。宇宙にちなんだ歴史的偉人の名前ってさ、いいよな向こうは。世界に轟くビッグネームが、枡で計って荷車で運ぶほど(←諸葛亮孔明的表現)いるんだもんなぁ。100号機まで行っても全然問題なさそう。

今回、シャトルのドッキングの準備で、日本の無人補給機 "HTV(こうのとり)" 2号機はドッキング位置を替えたんだわ。こうのとり のドッキングで使ったロボットアームで付け替えたんだけど、シャトルが来ることは事前に分かってたのに、なんで今の位置に最初から付けなかったんだろ。こうのとり は地上側の1カ所でしかランデブーできないのかもしんないけど、同じロボットアームを使うんだから、掴んだら今つながってる天頂側まで一気に持ってけばよかったと思うんだが。こうのとり ドッキングのときニコ生を見てて、どなたかがそういう疑問を投げかけたけど、明快な回答はなかったなぁ。

もしかして天頂側のドッキングポート、地上側と仕様が少し違うのかな。それで、こうのとり 関連の作業をするには地上側につながないといかんとか、そういうことなのかもしんない。

つか、シャトルのドッキングの向きを逆にすれば、こうのとり の付け替えなんて面倒な作業をしなくてよかったんじゃないかとも思えてさ。まーそれもできなかったからこうなってるんだろうけど。

アメリカの ISS 運用はシャトルの引退後は使い捨てロケットでやることになるんで、有人も無人も、宇宙船は日欧ロ程度のサイズになる。シャトルはそれ自体が宇宙ステーションサイズ。そのシャトルを含めたフル装備な ISS という現状、これ以上にでっかい宇宙構造物なんて、これからしばらくは拝めないわけだ。

ダメ元でお願い。ロシアさん、ソユーズちょいと飛ばして記念写真を撮ってくれませんかねぇ。

銘板
2011.3.3 木曜
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ISS からサテライト

こんな衛星の打ち上げ方があったとは。おいらは思いつきもしなかった。

国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟 きぼう から小型衛星を放出するんだそうな(RBB TODAY 記事)。

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JAXAが初の試み!「きぼう」から小型衛星放出を計画!

2011年3月3日(木) 02時48分

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟からの小型衛星放出を行う計画を発表した。ISSとしても初の試みとなる。

「きぼう」のエアロックとロボットアームで小型衛星の放出機能を提供し、船外実験プラットフォームなど「きぼう」利用の拡大を図るのが目的。また、多様な小型衛星の打ち上げ機会を提供する。5月下旬に放出衛星の選定を行い、24年9月頃を目標に打ち上げを行う。

小型衛星は衛星搭載ケースに入れられ、船内貨物輸送用バッグにクッション材で包んで梱包し船内貨物として打上げられる。これにより、打上げ振動環境を緩和することができる。また、ISSに共通のバッグ(CTB)に入れて打ち上げるため、打上げ機を特定せず、打上げ時期をフレキシブルに設定できるなどの特徴がある。

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これは頭いいと思う。普通、小型衛星は大きな衛星を打ち上げるロケットに余裕があるとき相乗りさせてもらうんだけど、そのロケット専用の搭載・分離機構を用意したり打ち上げ基地に赴いて管制をしたり、とかく面倒さがつきまとってたと思う。まあ無理を言って乗せてもらう形なわけで、贅沢は言えないってことなんだろうけどさ、それが今回発表の方式になると、共通のバッグに入れて宇宙機関に渡せば、あとは放出のときまでけっこうオマカセでいけるんじゃないかと。

この形式で ISS まで運んでくれるロケットと宇宙船は恐らく、日欧ロのどれかだと思う(アメリカの新型宇宙船もあるかもだけど、まだ実績ないんで不明)。一応、ロケットの方はどれもそれなりの信頼性を誇ってる。宇宙船も、経験の浅い日欧でも今のところ2回、完全にこなしてる。

ISS 行きのどれでもいいってのはほんと助かると思うよ。普通のピギーバック方式だと、どのロケットのどの便に乗せてもらうかがはじめから決まってる。だからそれが延期になれば、もしかしたらいつまでもずるずると打ち上げられなくなるかもしんない。乗り換えしにくいもんだから。最悪その便が打ち上げ中止になれば(日本だと、開発中の月探査機がポシャったせいでお蔵入りした M-V ロケット2号機、ロケット計画自体が途中打ち切りになって飛べなかった H-II 7号機がある)、新たなロケットをまた探さなきゃなんなくなる。そのあたり融通が効くようになる。ISS 行きはどの便も、かなり前から貨物のメニューを決めるから直前で乗り換えなんてのはできないだろうけど、それでもずいぶんラクになるんじゃないかと。

あと、衛星軌道に放出されるまで、人がそばで見ててくれるってのもかなり助かるんじゃないかな。行程としては、ロボットアームが掴んでる状態で衛星のシステム起動、基本動作の確認までやると思う。うまくいかなかったらエアロックから船内に戻して点検なり修理なりできるんじゃないかと。無人打ち上げだと細かいところまでは分からんから、異常が出たときの詳細がなかなか掴めない。それが ISS から放出だとかなりのところまで分かるはず。目の前で人が付いてるからな。そして無人だと放出失敗が命取りになるけど、ISS 放出だとかなり確実な上に、なんだったらやり直しもできる。まぁ再回収して修理となると、バカ高い人件費の宇宙飛行士のお手を煩わせることになるんで、もしかしたら現実的じゃないかもしんないけど、それでも可能ではある。無人なら不可能。

記事から察するに、補給機の与圧部で運んで、いったん人手で ISS の内部に入れてからエアロックで宇宙空間に出すんだね。これ運搬機材を HTV(こうのとり)限定にすると、非与圧部(宇宙空間に曝されてる荷室)で運んで、カナダ製のロボットアームで掴み出していきなり放出という荒技もできるんじゃないかと思うけどどうだろ。便の選択肢がほかになくなっちゃうけど、世話する方としては簡単で済むから、かなり安く上がりそうな気がする。こうのとり2号機だと非与圧部の積み荷の質量にちょっと余裕があった。与圧部は余った場所には水なり食料なりを詰め込むだろうから基本的に余裕がなさそうだけど、非与圧部の荷台はほとんど ISS の外側に取り付けて使う機械専用なんで、スペースがちょっと余りがちな気もするし。

サーチナの記事(これ3月4日に書いてます)によれば、放出された小型衛星は100日程度で大気圏に再突入するそうな。たぶんこれ、ISS の高度が下がりきったあたり(だいたい 280km)に放出すれば、ということだと思う。一番高いときは 460km くらい。ISS は地球低軌道を周回してるから、薄い大気の抵抗で少しずつ高度が下がる。てことでときどきエンジンを噴かして高度を復活させてる。その直後が 460km。で、ブースト直後に放出すると、衛星は高度を稼いだぶん寿命が延びるね。1年以上生きてられるんじゃないかな。

この方法、軌道を選べないデメリットはあるけど、ISS 軌道の傾斜角はロシアの打ち上げ事情に合わせて 51.6°っつうけっこう深い角度なんだよね。地球表面のかなりの部分、特に人が多く住んでるところをカバーできる。極軌道ほどじゃないにしても、用途はかなり広そうだよ。

てことで衛星側にいろいろいいことがありそうだけど、きぼう を役立てる意味でもいいんじゃないかと。きぼう ができたのは嬉しい。でもけっこうスケジュールが空いてるらしくてさ、いろいろ稼働させて元を取りたいみたいで。星出さんだったかな、きぼう が完成したときの日本人飛行士。プラカードに「実験募集中」と書いてカメラの前に出してたよ。せっかく ISS でいちばんごっつい実験設備だけど現状はそういう状態らしいんで、実験以外の活用法もアリだと思うよ。

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これをヒントにすると、ISS って今まで衛星が自前でやってたことを安く簡単に済ませられる、便利なインフラなんじゃないかって気がしてきたよ。例えば宇宙望遠鏡って普通は単独の衛星なんで、電力供給も姿勢制御も自分専用の機材を積む必要があった。それが、貨物補給機で ISS に取り付けると、電力はもらえるわ姿勢制御はしなくていいわで、開発コストをかなり抑えられそう。しかも軌道上なのに人の手でメンテナンスしてもらえるかも。打ち上げも専用ロケットを調達しなくていいし。そのぶんサイズや質量の制限が厳しいし観測精度もそれなりになってしまうだろうけど、今までやれなかった選択肢が増えたのは大きいと思うぞ。

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打ち上げ費用が安くなるかどうかは微妙ですな。普通のピギーバックはロケットだけでいいけど、このやり方だと ISS に着くまで、日本で言えば H-IIB と こうのとり を使うことになる。こうのとり のコストは忘れたけど、H-IIB(コストダウンが成功すると約110億円)とだいたい同じ額だと思ったよ。ロケットが大型化すると輸送効率が上がるからコストダウンになるけど、そのぶん こうのとり でかかっちゃうからな。ISS と きぼう の運用コストも発生するかもだし。

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2011.3.4 金曜
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「操作系」

バソコンの "OS" の日本語ってそろそろ「基本ソフト」という意訳は実情にそぐわなくなった気がして。もう Windows の独壇場だからあんまし語ることもなくなったっぽいけどさ。けどサーバは Linux が強いし、Chrome も注目されてるしな。Mac OS も上がらなくていいシェアが上がってしまって、ウイルスが出始めてきやがった(頼むからマイナーなままでいて、ウイルスを作る人たちの目に触れないでいてくれよ)。一応、意識されることはほとんどないけど、組み込みは TRON が強いってのは言っとくべきだな。うん。

でさ、「基本ソフト」という言葉がいつできたのか知らんけど、Windows 95 から世の中に一気に知られるようになったわけで。あの当時はコンピュータに詳しい人なんてごく一部のマニアが主体だったんで、PC でインターネットだとかデスクトップうんたらだとかやり始めたほとんどの人たちは、まだアナログ感覚だったと思う。

てことで「OS は "Operating System" です」と言ったって「はぁ?」てなもんで、それでもコンピュータはソフトウェアとかプログラムがなきゃ動かんってことくらいは知られてたから、まず何をするにも必要なソフトだから「基本ソフト」というのが合点が行きやすい邦訳だったかと。そのあと怒濤の如くにヘンテコな横文字がパソコン用語として流入してきたのを考えると、日本語を混ぜてあるだけちょっと親切でもあった。

OS って今はもうあんまし気にされなくはなってはいるけど、世の中の理解は深まったと思う。「Windows のことだよ」と言えば、だいたいみんな分かってくれると思う(Mac ユーザとしてちょっとアレだけど)。てことでもう「基本ソフト」という表現は陳腐化したんじゃないかなと。

だったら何がいいかっつうと、これはもう直訳でいいんじゃないかな。

"Operating" =「操作」。"System" =「系」。

"Operating System" =「操作系」または「操作系ソフト」

めちゃめちゃ直訳。無機質だけど原語がそうだから。つか "OS" も「基本ソフト」も無機質だしな。

「操作系」。すごく分かりやすいと思う。機能を体現した言葉だとも思う。どうだろ?

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「趣味はパソコン」「パソコンに詳しいです」と自己紹介する人ってぇと、インターネットの普及前は怪しいオタクなイメージがあった。と同時に、すげー専門的なことができる人、というイメージも。で、今はアウトドアやスポーツが好きな人でもけっこう普通にそうだったりする。

おいらはその前の段階の人なんでさ、そういう自己紹介を聞いたとき、昔感覚で納得してしまう人なんだわ。んでインターネット普及後なもんだから「怪しいオタク」のイメージはなくて、残ったのは「パソコンが趣味で詳しい人=ハッカーさん」というイメージ。てことでそういう人たちを思わず尊敬してたりしたけど、どうも事情が違ってきてるらしい。

まーなんてーか、雑誌に出てた便利なやり方を知ってるとか、Windows の見栄えのカスタマイズに詳しいとか、そういうノリだったわ。しばらく前、「詳しい人」に MS- DOS の使い方(そのとき UNIX コマンドでできるだけ対応してた)で分かんないところを聞いたら「んなもん普通知らねーよ。そんな真っ黒い画面なんか見たこともねー」と一蹴されてしまっただよ。

HTML は 4.01 Transitional 止まり、プログラミングは JavaScript をちょっとしかできんおいらは自分で全然パソコンに詳しくないと思って卑屈になってたけど、21世紀的な「詳しい人」からすると、おいらこそ怪しいハッカーに見えるらしい。ハッキングできませんが何かw

銘板
2011.3.5 土曜
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ちょい旅 1

昼から東京行きですー。ちと友達の結婚式と披露宴にお呼ばれー。

銘板
2011.3.6 日曜
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ちょい旅 2

はー結婚式よござんしたー。呼んでくれてありがとう。末永く幸せになー (^o^)/

てことで土曜の夜の披露宴は存分に酒かっ食らって大爆発(スピーチでどっかんどっかん笑いを取ってやったぜー)

日曜は憑き物が落ちた的なココロモチ。はにゃ〜って感じで (^_^;) 比較的おとなしく東京観光を楽しんで参りましたですよ。

午後、久々に上野の国立科学博物館に行ったんですよ。前に行ったのは今調べてみると、2004年の6月ですな。でさ、科博といえばおいら的にはラムダロケットの実物なわけです。日本初の衛星 おおすみ を打ち上げた、宇宙科学研究所(現 ISAS)の L-4S(ラムダフォーエス)。

このロケット、全段固体燃料ロケットで世界で初めて衛星軌道に届いて、それまでの「ロケット=ナチス兵器」という事実とフォン・ブラウン技術の独占を突き崩した。そういう誇りと由緒あるロケットなんですな。ついでに「衛星軌道に達した世界最小のロケット」という称号を今も保持中らしい。10トンに満たないロケット(9.4トン)でも軌道に届くんだなぁ(今の衛星打ち上げロケットは10トンどころか100トン超えが普通)。

今回撮った写真をちょいと出してみますか。

L-4S ロケット

ランチャーばっかし大きく写しちまった(汗)。

んで今日、初めて気付いた。L-4S ってブースター付きだったのか。当時の打ち上げ写真はボサボサで細かいところがよく見えないのが多くて、気にしたこともなかった。それにロケットにブースターを付ける発想って、当時はあんまし一般的じゃなかったんじゃないかな。

このブースター、頭部の傾斜が逆向きに見えるけど、どうもこれでいいらしい。分離するとき空気力で引き離すためにこうなってる、と笹川祐一の『宇宙へのパスポート2』で読んだような。このアイデア、調べてみたらば全段固体燃料ロケットで初めて地球の重力を振り切った M-3SII の直前の M-3S まで使われてたわ。こちらのブログ様のお写真で確認できるよ。

つーか M-3SII のブースターって L-4S の1段目を再利用してたのか(記事)。世界初快挙のロケット(固体燃料ロケットで地球の重力を初めて脱出。世界の専門家連中は不可能だと思ってた)に世界初快挙のロケット(固体燃料ロケットで初めて衛星打ち上げ。世界の専門家連中は不可能だと思ってた)が力を貸してたとは。

銘板左端銘板銘板右端

世界最小の衛星打ち上げロケットの記録を塗り替えるのはまた日本かも。ISAS が今運用してる宇宙空間観測用の弾道ロケットで最大の "SS-520" は2段式。てっぺんには観測機器 140kg が乗る。到達高度は 1000km で国際宇宙ステーションの3倍も高いんだけど、横方向の速度がほとんど出ないんで、地上に落ちてしまって衛星にはなんない。んで観測機器の部分を「3段目+小型衛星」にすると、高度も速度も臨界値を超えて、計算上は衛星打ち上げロケットが成立するってことで、実現への研究が進んでるらしい。

3段目を足すからにはたぶん全体の質量が増えるんだけど、現行の SS-520 の状態で2.6トンだもん、せいぜい3トンかそこらかと。だとしたら最小記録が一気に3分の1になっちまうよw

SS-520 の3段式の打ち上げ能力は 15kg だから、おおすみ(日本初の人工衛星。23.8kg。下の画像)は打ち上げらんないなーと思ってたのよ。

おおすみ

ところが。

おおすみの下の方(画像の左側)の黒い球ってロケットの最終段(14.9kg)なんだわ。衛星の本体は銀色の帽子的な部分(8.9kg)。SS-520 でいうと3段目も衛星軌道に乗るだろうから、その3段目に 8.9kg の衛星部分を取り付けた状態ってことになる。これは可能ですな。L-4S と比べて全備質量は3分の1、打ち上げ性能は7割増。ISAS が独自開発してきた固体燃料ロケット技術、ものすごい勢いで発展してきたんだな。1段少ないうえにブースターなしってことで、コストと信頼性もよさそうですなぁ。

単段式無誘導の弾道ロケットを発展させて衛星打ち上げロケットに仕立てるのは L-4S で既にやってるとはいえ、SS-520 でも小型衛星の打ち上げをやり始めると、また世界中の専門家たちを驚愕させることになりそうw

銘板
2011.3.7 月曜
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それとは関係のない OS

3月4日の絡みで。

パソコンの OS と関係ないけど、"OS" というと、ラジコン好きだとエンジンメーカーのイメージがあったりして。「小川精機」が "OS" ブランドを名乗ってて。今もあるかな……(検索中)。おお、めっさ営業中だわ。すげぇ。星形7気筒(¥367,500)が6月発売予定。70cc って原付以上かよ。そのページのようつべ映像を見たら、エンジンも機体も意外と小さいのね。しかし軽々と離陸。サウンドは4ストらしく、機械音が主ですな。

OS(小川精機)っつうとクルマ用って感じがしてたけど、航空機もすげーいけるんだー。となるとライバルのエンヤはどうなのかと。OS よりブロックの鋳造の表面が粗い印象があるなぁ。それはそれでいい味わいだったような。おお、きっちりやっとりますな。へぇーバイオディーゼル燃料とバイオエタノール燃料のエンジンも開発してるんだ。ラジコン用燃料はメタノール+ニトロ+潤滑油の混合(あるいはガソリン燃料)と相場が決まってたけど、進化しとりますなぁ。

80〜90年代のラジコン用エンジンはほとんど2ストロークだった。特にクルマは2ストロークのみ。4ストは飛行機専用って感じで、スタントで一部使われ始めてたような。排気音が小さい(爆発頻度が2ストの半分だから)ってことで、騒音に配慮すると4ストってことだったらしい。確かにラジコン用エンジンはめっさうるさかったもんな。マフラーも高音だけ消す程度で、あんまし性能のいいものでもなかったし。

そういや水平対抗2気筒もロータリーも80年代にはもうあった。キャブレターも回転式が普通だったけど、クルマはスライドキャブというのもあった。スライドキャブメーカーは MIKASA というのがトップメーカーだったんだけど、探してみたけどサイトは発見できなかった。OS は自社製のスライドキャブを出してるみたいだね。

80年代のエンジン RC カーは面白いようにどんどん進化して、メカニズムが普通のクルマにどんどん近くなっていった(おいらは雑誌で情報を得てただけだけど)。サスペンションの形式は12分の1オンロードを除いて、激しい淘汰の末に4輪独立懸架のダブルウィッシュボーンが生き残った。四駆の方式はチェーン、シャフト、ベルトが群雄割譲してたけど、日本式(RC 四駆のほぼオリジナル)のチェーン駆動は競争から脱落して、ヨーロッパ式のシャフトとベルトが棲み分けの形で生き残ったと思う。

8分の1オンロードの1985年の世界大会(日本で開催)のときには、オートマ2段変速がけっこう普及してた。決勝進出のクルマで四輪独立懸架サスペンションでも2段変速でもなかったのは京商ファントムだけだったよ。時代遅れのフラットパンシャーシに8分の1じゃどこも採用しなかった簡素な 3P サスペンション、そして慣性ロスが大きいチェーン駆動四駆。それでも2位になったんだよな。旧型車の最後の輝きだったな。そのあと京商もついに四独四駆マシンをリリース。あんまし覚えてないけどすげーかっちょよかったってのは覚えてるわ。フロントサス(当然ダブルウィッシュボーン)には沈み込み対策で微妙に逆キャスターが入ってたなぁ。

そういや当時、10分の1電動オフロードでも AYK 社で2段変速を搭載したマーベリックがリリースされて、原理は分かってたからおいらも自作で京商スコーピオンに積もうかと思ってたわ。そして計画倒れw 2段変速はそんな感じだったけど、フロントサスはダブルウィッシュボーンに改造したぜ。ピント合ってないけど↓証拠写真だ。

DW スコーピオン

こちらのサイト様にフルノーマル状態が出とります。アルミパーツはポリッシュ仕上げかぁ。アルミは磨いてもすぐに酸化して白濁するから面倒なんだよね。それにしてもほれぼれするほど綺麗な仕上げだなぁ(←おいらは AYK 401i サイクロンのフロントサスアームで、すべて手作業でやってこりごりだったよ。こんなに美しくできなかったし)。

おいらのダブルウィッシュボーン化、ハシゴシャーシのスキッドに取り付けたからキャスター角がすごいことになっちまって (^_^;) しかもそれやった頃にはスコピーオンは既に旧車で、レース場じゃ誰もこの逆転の発想的改造に気付いてくれんかった orz

で、8分の1エンジンカーはどんどん進化していったけど、エンジンそのものは結局、4ストがある程度普及した以外は実車寄りにはなってないみたいだね。キャブレターだもんなぁ。そこが電子制御になるのはいつだろうね。あと実車じゃ点火タイミングも電子制御だけど、これは RC じゃ無理かな。メタノール燃料の白金グロープラグだから、そんなのやるよりプラグそのものを取り替えてセッティングした方が早そうだし。RC 用のガソリンエンジンならできるかな?

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あと RC じゃプロポ(送信機。ゲームで言うコントローラー)のメーカーで "JR" ってあってさ、飛行機やヘリコプターで定評だったと思ったけど、国鉄が JR を名乗るようになって、世間的には変な誤解を受けるようになったと思うんだが。プロポの JR の方が鉄道の JR より早かったことは、ここで声を大にして言いたいw どーなったかなードキドキ……。

おおー、ご健在だーWikipedia 記事を見ると、生き長らえてるとかなんかじゃなく、2010年から新工場が稼動らしい。天晴ですなー。経営規模は鉄道の JR グループに比べるべくもないかもだけど、市場の範囲はプロポメーカーの方が広いぞ。世界で親しまれてるもんだから。

しかしほかのプロポメーカーも、双葉に三和、KO(近藤科学)と、世界のトップメーカーは日本企業ばっかなんだよなー。RC ってマシンや機体は世界各地に有名メーカーがあるけど、プロポっつう基幹部品は日本がダントツ強いのだね。けどなんでこんな最強なのかは謎。80年代前半にはもうそうなってたよ。そういや RC 界で最も 雑食 オールラウンダーで有名かつどのジャンルでも人気の京商も、セパレート型っつう面白いコンセプトのプロポを売ってたけど、こればっかりは全然売れてなさそうだったなぁw

銘板
2011.3.8 火曜
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再々犯と尻尾切り

NASA、ま た お 前 か。

ロイター配信の記事

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隕石から「地球外バクテリア」発見=NASA研究者

2011年 03月 7日 12:28 JST

[ワシントン 6日 ロイター] 米航空宇宙局(NASA)の宇宙生物学者リチャード・フーバー氏は、3つの隕石(いんせき)から小さな化石化したバクテリアが見つかったとの報告書を発表した。これらの微小な生命体は地球外のものだと主張している。

同報告書は4日遅く、専門誌「コスモロジー」の電子版に掲載された。仮に内容が事実だと確認されれば、宇宙にはほかにも生命体が存在し、地球上の生命が太陽系内の別の場所からもたらされた可能性も示すことになる。

同誌は7日から紙でも発行されるが、今回の報告内容が議論を呼ぶことは必至で、編集者は別の研究者の見解も求めている。

フーバー氏は、粉砕した3つの隕石の内部断面に、シアノバクテリア(藍色細菌)に似た微化石の痕跡を発見したと主張。6日のロイターの電話取材に対し、これらの微細構造体には炭素が多く含まれており、窒素はほとんどなかったと説明した。

窒素が存在すれば地球上生命の兆候にもなるが、それがなかったことは、微細構造体内の窒素は遠い昔にガス状のものに分解していたことを示すとフーバー氏は主張。「炭素質の隕石内に非常に興味深いバイオマーカーがあることは長く分かっていたが、いわゆる地球外シアノバクテリアに非常に近い構造体の発見は、生命の存在が地球に限られたものではないことを示す点で興味深い」としている。

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地球外生命体発見騒動の舌の根も乾かんうちにまたこのネタか。前回のアレ(DNA にリンの代わりにヒ素を使う地球の生物の発見)は確かに生物学者の間で驚愕の話題だったらしいけど、確かに宇宙生物の発見で考慮すべき範囲が広がったけど、前フリのやり方自体は、注目されることが目的の悪質なデマ演出だったですな。つか今回の記事、ロイターでも「世界のこぼれ話」の扱いなんだなw よく分かっていらっしゃるww

んで今回はこれ。つかこれ、15年前の「火星由来の隕石に生命の痕跡が!」騒動と同じですがな。結局結論なしでウヤムヤになって、後になって NASA の火星探査計画を盛り上げるためのネタだったんじゃないかとか言われる羽目になった。去年の12月2日のヒ素 DNA 細菌発見の発表の折には、「日本の小惑星探査機『はやぶさ』、ソーラーセイル実証機 "IKAROS"、金星探査機『あかつき』の12月7日(当時の予定)の金星到着で立場がなくなると浮き足立った NASA の暴走」と捉えられたりもして。じゃあおおかた今回も裏事情があるんだろな。もういちいち付き合うのめんどいから、無駄に引っ張らないでさっさと答え教えて終わりにしてくれよ。

ここまで繰り返しやられるともうあざといとさえ思わなくなるわ。今回がもし本当だとしても、世間が信じるまで無駄に時間と労力を使い込むことになるぞ。つまりこんなやり方、長期的には誰も得しないってこと。何より NASA の信用が落ちる。自分で自分の首を締めてる。

さすがに NASA 内部でもこのオオカミ少年体質に危機感を持つ向きがあるのか、今回のニュースに対して NASA 内部の別の人から否定的なコメントが出てるらしい。

RBB TODAY の記事はこんな↓感じ。

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NASA、“地球外生命体”に関する論文へ公式声明を発表

2011年3月8日(火) 17時29分

米航空宇宙局NASAは7日(現地時間)、NASA所属の研究員リチャード・フーバー氏が、隕石からバクテリアのような生物の化石を発見したという旨の論文を「The Journal of Cosmology」にて掲載したことをうけ、公式な声明を発表した。

NASAの主任研究員 ポール・ハーツ氏は、「専門家にレビューされ実証された主張でない限り、支持することはできない」として、否定的なコメントを寄せている。

この論文は2007年に「International Journal of Astrobiology」に同じ内容で寄稿されているが、ピアレビューの後に掲載が却下されている。

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だそうで。NASA としては、「リチャード・フーバー単独の発表であって、NASA の公式発表ではない」というスタンスで火の粉を振り払おうってとこか。ヒ素 DNA 細菌でのガセ前フリからたったの3カ月だもんな。そりゃぁみんなまだあのときのガッカリと苛立ちをよーく覚えてるわ。それでこの発表だもん、よっぽど激しくツッコまれて泣きを入れた形じゃないのかと。つか、もろにトカゲの尻尾切りしとりますな。発表前は「でかしたぞフーバー君。思う存分やりたまえ」。発表後は「フーバー君、困ったことをしてくれたな」って感じか?ww

それより今年の8月に木星探査機 "JUNO" を打ち上げるんでしょ? だったらそれに向けて、日本の あかつき プロジェクトがやった金星探査のプロモーションみたいに、正攻法で JUNO での木星探査への関心を高めてもらえるよう努力したらどうだね。

NASA、一体何やってんだか。組織腐敗の腐臭を隠すことさえしなくなってきたよ。NASA には宇宙探査の輝かしい歴史がある。それは有能で情熱溢れる多くの人たちが、誇りを持って築いてきたもののはず。彼らに恥ずかしい思いをさせるなよ。

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2011.3.9 水曜
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久々の大揺れ

(3月13日記入)このときの揺れが、まさか2日後の大震災の前ぶれだったとは思ってもみなかったよ。

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2011.3.10 木曜
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サボり

(3月13日記入)この日は日記をサボってました。あとでネタ帳をもとにいつも通りのテキトーなこと書こうと思ってましたよ。

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2011.3.11 金曜
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津波……

(3月13日記入)とりあえず、おいらの家族や親戚は全員無事でした。ご心配くださった皆様、本当にありがとうございました。

八戸は震度5強でしたよ。三陸はるか沖地震のとき(震度5。当時の震度判定は強弱の区分がなかった)と同じくらいかも。三陸はるかのときはおいらは八戸にいなかったけど、周りの人の話だと今回の方が激しかったらしい。

地震もひどかったけど、もっとひどかったのは津波。あんなに恐ろしいものだとは。おいら、津波と高波の区別がちゃんとついてなかったよ。

津波は波の周期が異常に長いんだな。周期が短ければ、あるいは波頭が防波堤より低ければある程度防げたり減衰できたりするだろうけど、はるかに高いと、防波堤が海底に沈んだのと同じことになってしまうんだな。軽く考えてた自分がイヤになる。んでこれ、今後の対策として防ぐ手だてがあるんだろうか。なさそうに思えてしょうがなくて。被害を防ぐには「これからは低い土地はなるべく利用しない」なのかなぁ。海辺の低い土地は便利だからこそ、歴史上、世界中で発展してきたんだけどさ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

こういうことがあると「ムーンパワーが」とか言い出す人がいたりするけど、とりあえず今回はまったく関係ない。

3月11日の月齢は7で三日月。太陽−地球−月の成した角は87°。ムーンパワー論者の「満月の力が……」の主張は恐らく、月と太陽の潮汐力が合わさることを指してると思う。実際に潮の満ち引きは満月と新月のときは幾分大きくなり、「大潮」と呼ばれる。けど今回はほぼ 90° の位置関係だったんで、月と太陽の潮汐力が相殺し合う「小潮」に近い。時刻も満潮からも干潮からも外れてた。

だから月の力はまったく関係ない

てことで、こういうことを言い出す人は何か別な目的あってのことなんで(「儲けたい」じゃなくても、「感心されたい」とか「世の中の人たちを自分の思った通りに動かしたい」とか)、信じちゃダメだよ。

ついでに、星座や惑星の配置が原因とする人も出るだろうけど、安易に信じない方がいいと思う。実証不能の「神秘の力」はおいらには理解不能なんで除外すると、関係ありそうなのはその星々の重力と潮汐力。月と太陽のそれに比べて、地球に影響するぶんはゼロと言い切っていいほど小さいっす。

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2011.3.12 土曜
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むしろ情報源が衆愚

11日、ケータイのバッテリー残量を気にしつつネット接続でニュースを見てたら、夕方あたりで出てきたのは東京都内での地震関連ニュースばかり。そのときには東京も八戸と同じ震度5強の揺れに見舞われてたのは分かってたけど、おいらが知りたかったのはそれじゃないんだわ。地元や震源近くの情報が欲しかったんだわ。地元ってのは八戸だけってわけにいかんから、被災各地の情報ってこと。で、中にはそういう情報が少しは混じってたのかもしんないけど、これが東京のニュースばかりで埋められてて。電車がどこそこの路線で運休になって乗客が困ってるとかそういうの。

もちろん東京に住む人にとっては一大事だし、ケータイでニュースを見たときすぐに状況が分かるのは便利だろうけど、東京人にとって青森県のことなんかどうでもいいように、東京以外の土地の人にとっては今すぐ知らなくてもいい情報の羅列だったわけで。マスコミが仕切るニュースってのは、肝心なときに限られた資源を強い人が独り占めしてしまう、使えないサービスなわけです。似たようなことはよくあるけどね。国会議員の選挙があると、次の日はすべての全国系新聞がそのネタで全部埋まってしまったりとか。

全国系マスコミの本社って東京にばっかりあるから、東京ローカルにくくるべきニュースと全国扱いにすべきニュースの分別がついてないんだよな、と前々から思ってたけど、今回ほんとにそうなってやがった。

こっちは地域一帯が停電してて、ケータイの貴重なバッテリー残量をぶち込んで情報を得ようとしたわけで。人によってはパケ代や操作の時間も気にしながらの人もいたかも。マスコミのこのヘンテコな体質、もしかして自分たちじゃ気付いてさえいないのかなぁ。

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地震があった5分後くらいにケータイで YAHOO! ニュースを見たら、時事通信だけが「宮城県北部で震度6強の地震」と簡単に速報してた(「震度7」への修正はきっとその後だったんじゃないかと)。超速報だから簡単でよし。とにかくそれを知りたかった。時事通信、よくやったと思う。

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2011.3.13 日曜
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自粛というより自制すべき時なんで

うちでは12日夜に電力が復旧、急いでケータイに充電を始めつつ、安否を気遣うメールに返信しまくったよ。PC の復旧は今日になってから。11日、帰宅したら iMac がひっくり返っててさ。ハードディスクが壊れてるんじゃないかと思ったけど問題ないみたい。ふぃぃ。しかし Intel iMac って地震で倒れやすい構造だよなぁ。

電力といえばってわけでもないけど、福島県の原発がすごい騒ぎになってるね。一応言っとくと、あれは東京電力だからね。東北電力じゃないよ。東北電力の女川原発も要注意っぽいけど。

2007年の新潟県中部地震で柏崎刈羽原発が小規模なトラブルで騒がれたときは、原発事故として核心的な要素はなかった。自動停止後も安定な状態に持って行けたし。マスコミが的外れな論調で騒ぎすぎた感が強かった。けど今回はちょっと違うみたい。

続けていろいろ書いてみたけど、どうも非難がましい感じになってしまって。マスコミがそこらへん、ここぞとばかりに暴走中ですな。おいらは、それなら、ともうちっと別な視点でも考えたりもしてるんだけど、控えますわ。事実として、やばそうな事態になってる。今進行中でどうなるか分からない事態について、それを止めようと必死になってくれてる人たちがいる。彼らによりよい仕事をしてもらうには、ここは見守ろうかと。

言うだけなら誰でもできる。責任のない外野の立場ならなおさら。けど当事者にとってはそれこそが、自分らの足を引っ張る邪魔者だったりする。

てことで、過程の途中結果が確定していくのを押さえながらいろいろ考えていこうかなと。

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今のところの事実からの判断として、原子炉に海水を注入したね。これやっちゃうともうこの原子炉は使えなくなるとか。もしそれをやらずにいると、炉心容器が爆発して放射性物質をぶちまけてしまうらしい。そうなると、どっちみちその原発は今後使用不能はもちろん、もっと取り返しのつかないことになるよね。

それなら現状じゃこれが正しい処置なんじゃないかと。起きてしまったことの原因究明だの責任追及だのは後でいい。「だから言わんこっちゃない」な話も後。今はこれ以上の被害を出さんようにするのが一番大事だと思うよ。

ここからまた思わず続けて書いちまったけど、「見守る」ってさっき書いたばっかしだからズバーッと消したった。

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2011.3.14 月曜
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思いがけずリラックス

松浦晋也氏の Twitter で何かコメント出てるかなーとちょっと見てみた。いつも宇宙機関係の情報でお世話になってるけど、機械テクノロジー一般にお詳しいお方なんで、原発関係で何か拾えるかな、と。したらご本人のつぶやきは見当たらず、不特定多数のつぶやきが載ってる感じ。ああこれリツイートってやつなのかな。おいら Twitter やってないんで、そこらの仁義が分からんくて。

そんでテクノロジー関係じゃないけど、ステキすぎるつぶやきを見つけてしまって。

コンビニで

「こんなときに不謹慎な!」とご立腹された方、本当に申し訳ありません。

11日の午後からずっと気を張ってたもんで、笑わせてもらったのがありがたくて。

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ていうか、ちょ……、

ボイジャー2

ボイジャー2号様からお見舞いのお言葉!! 金星探査機 あかつき のときも励ましてくれたんだよな。今回もわざわざ日本語で出してくれた。なんて素晴らしいお人なんだ(人じゃないけど)。

ありがとう。あなたにご加護がありますように。

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2011.3.15 火曜
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燃料と破滅

国道や高速道路の通行規制、少しだけでいいから緩めてほしいんだが。

今は自衛隊や救助隊の通行が優先なのは分かってる。けど車両の通行数はたかが知れてるはず。生活道路は地元民も使えてるのも分かってる。でさ、ガソリン、軽油、灯油、LPG、都市ガスの残量がヤバいんですよ。今あるぶんがなくなると、次いつ手に入れられるか全然分かんない状態で。

「燃料が不足」と聞くと、被災地以外の人たちはたぶん反射的に「政府何やってんだ! 自衛隊をもっと使ってもっと届けろ!」とお考えになるかもしんない。無理もない。報道を見れば見るほど、そう考えがちかと思う。けど実際はそうじゃない。政府が自衛隊を使ってもたらす燃料は、避難所や病院、役所、発電所とかのへのもの。一般消費に回すためのものではない。もちろん公共機関優先だよね。そこも理解できる。けど幹線道路にいつまでも規制をかけてるもんだから、石油会社のタンクローリーが来ない。おいらたちが一般生活で使う燃料が、もうどこでも買えない。

エネオスだの ESSO だのコスモ石油だのの商用タンクローリーをバンバカ通してほしいんだが。

報道だけで被災地情報を見ると、あたかも東北全部が震災で更地になってしまったかのよう。壊滅的な被害を受けたところが多数あるのは本当だけど、もう復旧して、燃料と多少の食料を買えさえすれば全開で稼働できる地域も多くある。八戸で言えば、浜の産業はテレビでご覧の通りの有様。すべてにおいて支援が必要な状態。でも津波の被害を受けてない中心街やもっと内陸の土地は、さすがに完調じゃないにしてももうかなりガッツリ行ける状態。ちなみにうちの会社は昨日からフル稼働。

けど燃料がない。

東北地方って日本のほかの地方に比べて人口密度が低いから、公共交通機関が軒並み赤字で普段から充実してない。てことで自家用車に頼った暮らしをしてるんだわ。特に通勤。おいらは幸い、日曜(13日)にガソリンを満タンにできた。職場も遠くないから、無駄遣いしなきゃこのまま2週間は通勤できる。徒歩通勤もできなくはない(片道1時間弱)。けど1つ2つ隣の町から通ってる人たちってさ、もう手持ちのガソリンが心細いのよ。そういう場所はガソリンスタンドも少ないから、先週末必死こいてやっと10リッター確保できたとかそんなもん。節約しても2日で使い切っちゃう。

貧弱な電車でもないよりマシのはずが、ずーっと運休しっぱなしでないのと同じだし。バスもただでさえ本数が少なくて不便で人気がないほどなのに、燃料不足で間引き運転中。

うちの職場は昨日・今日こそフル稼働できたけど、明日以降はどうなるんかな。ガソリン供給がなきゃ、日ごとに出社する人数が減っていくのは確実。そう、コーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!(JOJO)

被災地の現地経済の一刻も早い再始動が復興を早めるってのは、別に前例を検証しなくても自明のことかと思う。「元に戻っていく」んだから。で、(これでもかと報道されてる)援助が必要な地区がある一方、(報道されない)今すぐ経済活動できる地区もけっこうある。特に個人経営のお店なんかは、できる限り早く営業再開しないと干上がっちゃう。

そこに基幹国道と高速道路の通行規制の壁。これで一般向け商用燃料が届かない。震災というよりこのせいで商売できない。モノもカネも動かない。ただ減っていくだけ。マスコミは「被災地は震災で経済がマヒ」と言ってるけど、人為的にマヒさせられてる面も多分にあるってこと。

自立できるところはさっさと自立すれば、本当に援助が必要なところに援助を集中できると思うんだが。このままじゃ自力でやれるはずのところが要援助地域に転落しちゃうよ。そうなれば援助のモノもカネも人手も薄まって、ますますひどいことになっちゃうよ。

ていうか凍死者が出るかも。東北の春は遅い。今日は雪が降って、積もり始めた。もしこの状況があと何日か続いたら、一般向け燃料の不足が限界を下回ると思う。ほとんど二次災害だよ。燃料会社にしても、正当な商行為を不当に阻害されてる状況だろうし。

とりあえず燃料業者の輸送だけでいいから、八戸につながる国道や高速道路を業者に通らせてほしい。まさにこんなこともあろうかと、「無駄だ」とのそしりを受けつつも、基幹国道に並行した高速道路が作られたはず。こんなときのために、市街地を通る旧道とバイパスの両方が整備されてきたはず。迂回路も含めて、道路の使える部分を交互に乗り継げば、タンクローリーの車列は八戸まで来れると思うんだが。もちろんその手前の土地にもその先の土地にも。

地元・手元にあるものだけを日々食い潰しつつ、いつ来るか分からないものをただひたすら待ってる。待った末に来るのは燃料か、それとも破滅か。

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11日の地震の最中からの停電、うちは12日の夜10時ちょい前に復旧したよ。でさ、停電中はいつ電気が戻るかまったく不明でさ、そりゃしょうがないんだけど、そのとき思ったのは「電気自動車はこんなときダメだろうなぁ」と。ガソリン車の良さを実感しまくってた。クルマの中で過ごした人も多かったらしい。暖を取れるしテレビは見れるしケータイの充電もできるし(おいらのクルマは寒いしテレビないしケータイの充電もできないけどねw)。電気自動車のバッテリー容量を考えると、そんな余裕かましてらんないわけで。

して思いのほか電力の復旧が早くて(復旧数時間前、寄り集まった家族同士で「ローソクを節約しよう」と決めたっけ)、今度はガソリン不足が表面化。今は「やっぱり電気自動車だよなぁ」とww

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携帯電話の基地局は復旧したけど、まだつながりにくい。メールは問題ないけど、通話は10回に1回くらいしかかからない。本当かどうか分からんけど、基地局や交換局の修復がほとんど進んでないとかいう話。なんでって、人の移動も極端に制限されてるんで、修理業者や技術者が来れないからとか。JR 東日本は物理的ダメージが大きくてしばらく稼動できないみたいだし、長距離バス会社を儲けさせてもいいんでないの? そのぶん地域経済が動くよ?

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2011.3.16 水曜
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燃料破滅は続く

はい、ええ。だいたい昨日書いた通りになりましたですよ。タンクローリーが東北道を通行する手続きが簡単になったそうで。まあこのタイミングでこの措置取らないんじゃもう終わってるわ。ていうかどうも、今まで重度の被災地にさえ1滴のガソリンも回ってなかったらしい。そりゃうちのあたりの一般向けガソリンスタンドに燃料が来ないわけだわ。

以下の記事2本は、11日の大地震の速報で(おいらの中で)名を上げた時事ドットコムから。時事通信様、すみません、「引用」ということで記事を使わせてくださいませ。

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「寒さしのぐ燃料ない」=ガソリン不足深刻に−我慢限界、暴動懸念の声も

東日本大震災で、被災地の燃料不足が深刻になっている。宮城県の太平洋沿岸では大津波で貯蔵施設やタンクローリーが流され、外から運ぶための道路や港が損傷。重機や救急車両の運行に支障が出て、多くの遺体を火葬する燃料も当てがない。燃料不足は寒さに震える避難所や市民生活も直撃。「支援はいつ来るのか」。被災者は焦燥感を募らせている。

「ガソリンがありません。今晩をしのぐには50リットル要ります。ぜひ皆さんの車から提供を」。厳しく冷え込んだ15日午後、同県南三陸町の避難所にまとめ役の高橋長泰さん(57)の声が響いた。暖房機を動かす唯一の発電機の燃料はわずかとなり、ボランティアで来た男性が即座に予備の燃料を提供。避難中の年配の女性も「津波でひっくり返った車から使って」と申し出た。

16日は雪に。集めた燃料で何とかしのいだ。津波で多くの同僚を失った町役場職員佐藤宏明さん(41)は「きょうは運よくボランティアの支援が届いた。行政からの支援は一滴もない。定期的補給がなく不安だ」と話した。

仙台市郊外にある遺体安置所は、車でしか行けない。ガソリンが切れる寸前の車で訪れた鈴木信義さん(70)は、津波に妻きよ子さんをさらわれた。市内の給油所は在庫切れで閉まったり、緊急車両限定だったりと入手は困難だが、身元確認の作業は進まない。「何とかガス欠の中来たのに。きょう見つからなかったら、あす遺体が見つかっても来られない」といら立ちを隠さない。

給油所に続く長い車列に並ぶ男性は、福島第1原発事故に触れ、「他県の親戚宅に逃げようにも車が動かない」と話す。給油量や順番をめぐり小競り合いが起きたり、救難車両を装った車が専用の給油所からガソリンを入れるトラブルも起きた。「我慢や譲り合いも限界。暴動が起きてもおかしくない」。県幹部は切実な口調で対策を訴えた。(2011/03/16-17:29)

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高速道で通行証発行=タンクローリーに特別措置−被災地にガソリン供給・警察庁

東北自動車道などで一般車両の通行を規制する緊急交通路の指定に絡み、警察庁は16日、タンクローリーについて通行許可証の発行要件を緩和すると発表した。被災地でガソリン不足が深刻化しているため、円滑な供給を目指す。

同庁によると、タンクローリーに関しては、事前に通行許可証を取得していない場合でも、被災地に向かう高速道路のインターチェンジなどに設置した検問所で警察官が許可証を発行する。

物資輸送を加速するため、8トンを超える大型車も要件を一部緩和。車検証の写しを警察署に提出すれば通行許可証を発行し、一括して複数台の申請も可能とする。

緊急交通路は、通行許可証の交付を受けた生活物資搬送車、被災施設の復旧作業、高速バスなど以外の通行を規制する措置。許可証を取得するためには、警察署で運転手の免許証、搬送する物品、目的地などを事前申告する必要がある。(2011/03/16-19:46)

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もしかして物資供給の責任者って、憶測だけど、東京や大阪の人なんじゃないの? 自家用車なしで充分に生きていける土地でしか暮らしたことがないんじゃないの? だから今頃になって東北全体での極度のガソリン不足が何を意味するのか、せっつかれてやっと分かったんじゃないの? 現地に暗い人だけで組織のトップを固めちゃうと、周りみんなを困らせちゃうんだよね。それなんじゃないの?

それでも記事に出てる通行許可の簡略化は嬉しいわ。「もしかしたらこのまま燃料を干されて、軽度の被災者が軒並み重度の被災者にされてしまうんじゃないか」とも思ってたもんだから。それって援助物資が本当に必要なところにますます行き渡らなくなるってことでして。想像してぞっとしてたよ。

けど燃料って電気と違って、各地に一瞬で行き渡るわけじゃないからね。そのタイムラグで、間に合うか間に合わないかの明暗が分かれる人や会社が出てきそう。

まずは援助が本当に必要な重度の被災地や避難所、病院の自家発電への燃料供給が最優先だから(命や健康が懸かってるからな)、一般のガソリンスタンド向けは後回しになるだろうな。こりゃ地元経済の回れるはずの部分が回れるようになるには、まだまだタイトロープを渡り続けるしかないねぇ。

あるスタンドにローリーが1台来たとして、それがガソリンを10キロリットル持ってきてくれたとして、客のクルマ1台に20リットル詰めるとして(震災以降、各スタンドはできるだけ多くの人にガソリンを渡すためにこの上限を設けてる)、500台ぶん。2,3日でなくなる程度じゃないかな。燃料不足はしばらく続きそうですな。

うちの職場は今日もまだ出勤率が高かったけど、「ガソリンを買えなきゃ明日から出社できない」って人が出始めてる。うちの職場の人じゃないけど、既に手持ちのガソリンが尽きた知り合いに、おいらは自転車を貸した。けど今朝は冬の気候に戻ってて、雪も積もってた。出勤できたかなぁ。燃料がないとバスの運行だけじゃなく、地元経済を回すはずの労働力まで間引かれてしまうってこと。町全体が強制的に引きこもりにさせられるのと同じだもんな。

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八戸港に漁船が来て、魚市場に水揚げがあったらしいね。連日、八戸港は「壊滅的な打撃」と報道されては陸に横倒しの大型漁船が映し出されたりしてたけど、ほかの三陸の港はもっとひどいそうで、岸壁が使える港は今は八戸だけってことらしい。コンテナ埠頭も、ばらけたコンテナが片付けばけっこうすぐに使えるようになるかな。同じく津波被害を受けたフェリー埠頭とグレーンターミナルと火力発電所も臨海工業地帯(工場萌えな人々が鼻血を出して喜ぶような設備多数あり)も、早いとこ再稼働してくれー。

八戸の港ってかなりいろんなものがあるんだなーと今さらながら気付いたぐらいにして。

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あとさ、思ってた通りというか、「不謹慎だ」が横行してるね。日本は災害発生時に暴動がなかなか起きないことで世界から羨ましがられてるらしいけど、そうゆーのを抑える性質が行き過ぎた状態が、「不謹慎狩り」と「自粛圧力」なんじゃないかと。暴動はいただけないけど、行き過ぎた自主規制・隣人監視もちょっとなんだかなって気がして。

太平洋側なら愛知から西は震災での経済ダメージはほとんどないわけで、日本海側なら実は東北地方は軽傷なわけで、北海道も死傷者が出たのは痛ましいけど、経済活動には問題なし。てことで、ノーダメージな地域が普通に経済活動を続けてれば、日本の健在を世界に示せるわけですよ。そしてその生産と消費自体が日本経済を正常な姿に戻す力になるわけですよ。

パーッとお金を使う、派手に営業をかける、それもそれで日本の復興に役立つことだよ。ちょっと気遣ってほしいことはあるにはあるけどさ。おいら個人の状況に限ればの話だけど、被災地や被災者を見下したことしてくれなきゃそれでいいよ。こんなつらいことが起きたんだし、復興は長期戦。たまの気晴らしもいいんじゃないかな。特に、近しい人に被災地の人がいない、という方々にまでお付き合いで沈んだ顔を四六時中続けさせるのはかえって申し訳なく感じちゃうし。

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楽しむといえば、ヤシマ作戦とウエシマ作戦、楽しそうなうえに成果が上がってるみたいだね。言い出しっぺの人も、賛同して作戦を遂行してる人たちも、すげーかっこいい。

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2011.3.17 木曜
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事態がキツくなると気分もキツくなることを如実に表したキツめのログ

昨日のログじゃちょいと余裕かましたつもりだったけど、自粛じゃなくても事態はそうも言ってられなくなってきた感じ。

燃料事情は、今日1日じゃ予想通り何も進展なし。会社に出社できない人は思ったほど少ないくらい。間引き運転とガソリンスタンド渋滞でいつ来るか分からないバスを捕まえて出社する人が多いんだ。みんなほんと根性あるよ。

あるガソリンスタンドで整理券を500枚配ったという噂。けどいつ買えるのかは不明らしい。うちの近所のでっかいスタンドにはまだ在庫があるらしくて、毎朝クルマが長い行列を作ってる。1時間も2時間もアイドリングして虎の子のガソリン減らして、ありつけるガソリンはお1人様たったの10リットルか20リットル。けど頻繁なアイドリングストップは控えた方がいい。おいら昔やったことあるけど、数日続けてたらバッテリーが死んでしまったよ。ダイナモの発電量よりスターターの電力消費の方が上回ったらしい。

夏場にやってそれだったもん、今みたいに寒いときにやればますますバッテリーにキツい。根性あるならエンジン切りっぱなしで、移動のときはクルマを手で押すのが無駄がないと思う。けど待ってる間の車内は寒いよな。移動のたびにドア開け閉めして外気が入りまくりだし。

それでもまだまだいい。被災地の特に状況の悪いところじゃ、『避難所にいるのに、食糧がなく、子供が餓死してる』らしい。辰巳琢郎のブログにはそう書いてある。気温はここ2,3日、冬に戻ったみたいに寒い。雪も降ってる。援助物資が行き届かないうちに、せっかく地震と津波から生き延びたのに命を落とす人たちが出そう。どうしたらいいんだろ。

八戸はそこまでの極限状態じゃないけど、燃料も食べ物もなくなった挙げ句に略奪するやつらが出てきたよ。見たわけでも会ったわけでもないけど、地元新聞に記事が出てる。津波の恐れが減って避難所から家に帰ってきたら、ホームタンクに半分残ってたはずの灯油がなくなってたとか。それなら、もっと震災被害がひどい土地ほどもっと凄まじい状態になってるだろうって想像がつく。

茨城は茨城で後に続いた地震にもひどくやられたんだけど、どうもマスコミは福島原発と都心部の生活事情だけに関心があるみたいで、茨城は無視されてる感じ。長野と静岡もだね。つか計画停電に茨城を含めるってのがそれを象徴してる。

その計画停電も批判・不満が続出だね。東京電力については福島第一原発の件が一段落するまでなるべく黙ってようと思ってたけど、とりあえずそれは修羅場が今も続いてる原発関係に限定するわ。まぁうちは東北電力なんで部外者だけど、目に余るんで。

停電する直前になってそれを知らされた浦安市役所(たたでさえ震災で上下水道の多くが止まって、てんてこ舞いらしい)の市民へのお知らせ

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東京電力からの計画停電実施のお知らせ(午後0時55分発表)

2011年3月17日

東京電力から一方的な通告があり、浦安市全域で、本日17日午後2時30分から3時間程度の計画停電を実施することになります。

浦安市では、東京電力に、計画停電の実施をやめるよう、強く申し入れをしましたが、全体の電力供給量が許容量を上回る恐れがあるための非常措置で行うとの通告があったものです。

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落ち着いた文体ではあるけど、浦安市役所の憤りを感じさせるよ。

この「計画停電」、はじめは「輪番停電」と呼ばれてたよね。何年か前にカリフォルニアでこれをやったときも、ニュースでそう呼んでた。たぶん「輪番停電」というのが電力業界の標準的な呼び名だと思う。ところが東京電力で採用した正式名は「計画停電」。イメージ優先でそうしたんじゃないかな。んでいろいろ見えないとこでガチャガチャやって、スケジュールは直前の発表で途中変更もありって、もうその無計画さで「計画停電」なんて悪趣味な冗談にしか聞こえん。この名称、利用者にとっての「計画」ではないことだけよく分かる。確かに電力需要は天候次第ってのもあって賭けの要素があるけど、このグダグダさはあんまりだ。

この前も書いたけど、首都圏のマスコミは東京の地域ニュースと全国ニュースとの分別をつけられない。てことで、こんな関東オンリーネタでも全国に無駄に響き渡るんですよ。東京電力のこの思考停止な態度が震災後の不安感を全国的に煽ってること、当事者は分かってんのかな。つか原発事故の方じゃ世界中を恐怖のどん底に叩き落としてるけど。経営陣は今すぐ総退陣した方が世界のためにいいんじゃね? おいらがやったほうがまだマシだろ。との思いを同じくしてる人は多いんじゃないかと。

そのぶん市民ががんばって尻拭いしてるわけで。それが絶賛発動中の「ヤシマ作戦」と「ウエシマ作戦」。記事はコチラ。楽しんでやってる趣きではあるけど(笑)、こうゆーのは楽しいからこそ広まるし続くんだよね。成果が大事なんだから、きっとこれが一番の正解なんだと思う。つかもう決行してる人たちが、電気も物資も消費を減らしてるのにまぶしくてまぶしくて……。どうか無理だけはしないでくださいね!

皆さんユーモアのセンスがおありのようで、こんな言葉を見つけたよ。

ヤシマ作戦に参加するご褒美: 『翌 月 請 求 さ れ る 電 気 代 が 安 い!!』

笑ってしまったよ。

けどこれでひとつ考えてしまって。

東京電力って、利用者のみならず域外の人にまでここまでなことしでかしといて、まさか来月、利用者にいつも通りに使用電力に応じた請求書を送るつもりなんだろうか。普通の企業やお店の感覚だと、こういうときは代金を受け取らないんだが。自分の仕事にプライドを持ったプロなら個人経営のお店でもきちんとそうしてるんだもん、立派な巨大企業ならなおさらそうするはずだと思うよ。大企業がどんな安全対策を取ってるのか知らないけど、中小企業の多くは「PL 保険」というのに加入してる。零細規模だと組合を通して共同加入したりして。で、こんな事態に備えてる。大企業なら自動車メーカーは恐らく、リコールが対象の保険に入ってると思う。んで、お代をいただかなかった欠損分を保険で埋めるわけ。

東京電力は経営基盤がしっかりしてるはずだから、こういう保険的な何かを用意してるはずだと思うんだ。けど「日本の原発は5重もの安全対策を施しているので、放射能漏れ事故が起きる確率は 0.0000000...% という天文学的に低い数字ですから、実際には絶対に起こり得ません」と言い切ってた企業だからなぁ。ろくな根拠もなく「うちでは払い戻しするような事態は発生しない」と変に信じて、準備してなかったりもするんじゃないかなとも思ったりして。

ま、請求書を出したとしても、保険に入ってる入ってないじゃなく、単に面の皮が厚いってだけなのかもしんないけどさ。ここは企業判断。良心の問題。そして企業判断なんかが及ばないところで、福島県に巨額の賠償金を支払う命令が下ることだろうな。実被害と風評被害の賠償、原状回復費、事故対応時の立て替え分などなど。福島県にとっては、今さらお金なんていくら貰ったってもう遅い……てのはあるだろうけど。

"Made in Japan"。この文言に世界が憧れた。それは先週までの過去の話。今は外国の税関がその文言を見ると、ガイガーカウンターをかざすらしい。この責任、1企業が負いきれるものじゃないと思う。ここまでのことやらかしちまって、東京電力も日本国もこれからどうなるんだろ。

その影響で早速株安になってるのは理解できるとして、為替相場の方はなぜか円高がさらに進行。世界中から続々と届いてる貴重な善意の義援金を、禿鷹どもが盗んでる形……。アフガニスタンからもご寄付をいただいてるんだよ。どんな思いで作ったお金かを考えるごとに、ありがたくて涙が出る。それをかすめ取るとは……。連中、鬼畜だろ。

鬼畜といえばとある球団会長。いったん実名を出したけど、気遣いや自粛ってわけでもなく、なんだかけがらわしくて伏せることにしたよ。

セ・リーグの開幕、今や誰も予定通りの開幕を望んでないのに、彼だけがそれを強行しようとしてる(記事)。どうも周りにやいのやいの言われて面白くなくて、単に意固地になってるだけに見える。ある業界全体がたった一人の個人のメンツなんてしょぼいものに付き合わされるっての、見てて不愉快だよ。理屈も滅茶苦茶。「大戦争のあと、3カ月で選手から試合をやりたいと声があり、プロ野球を始めました」って戦争が終わって3カ月も経ってからだろ。今は大災害発生の初日から1週間も経ってないよ。二次災害が始まって悲劇が拡大中だよ。「大戦争」に例えるなら、今日の局面はミッドウェイ諸島で敗走して、これからどんどん追い詰められていくところだよ。全然終わってないよ。

おいらとしては、プロ野球は予定通り開幕してもいいと思ってるよ。被災者や被災地を思いやりながらの形で。けどのこの態度はアウトだろ。今この輩に同調するのは、単にこいつ一人を喜ばせるだけのこと。それ以外にメリットを感じない。むしろ絶対に思い通りになってやんないって気分になったわ。こんなときに自分の権力をそんなにひけらかしたいのかね。そんなに権力あるなら、その権力でほかにすることあるだろ。

前科あるしなぁ。いろいろあるみたいだけど、おいらが覚えてるのはアテネオリンピックの監督騒動。監督に決まってた長嶋茂雄が病に倒れてしまって、オリンピックまでに回復できるかどうか不明だった頃。世間的には『アテネにはもう間に合わなくていいから、今はきちんと治療を受けてリハビリをして、また元気な姿を見せてほしい』と願ってたと思う。少なくともおいらとおいらの周りの人たちはそうだった。みんな長嶋さんのこと大好きだからさ。

けど彼が、何が何でも長嶋をアテネオリンピックでの野球の日本代表監督にとどまらせようと固執。あろうことか長嶋さんに『早く治せ』とばかりに、アフガン復興支援中の自衛隊員と読売新聞を使ってまでプレッシャーを与えた。あのときほんと鬼畜だと思ったわ。相変わらずだな。

シンディ・ローパーは東京公演を予定通りの日程で敢行したけど、件の球団会長とはまったく逆だよ。気遣うからこそ、奮い立たせるときだからこそ来てくれた。なにしろ彼女、ついこないだブエノスアイレスの空港で奇跡を起こしたばかりだからな。これはご利益がありそう。

彼女の往年の名曲『トゥルー・カラーズ』、今まさに日本のためにあるかのような心地いい錯覚。

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2011.3.18 金曜
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発電機付き電気自動車=直列ハイブリッド≒プラグインハイブリッド

震災後の停電中は、「電気自動車なんかまだまだだよなー」って思った。電気が戻ってからのガソリン不足じゃ、「やっぱし電気自動車だよなー」って思った。ご都合主義なわけだけど、両方のいいとこどりならいいわけで。てことでさ、よく行く喫茶店のマスターが言うには、「電気自動車のトランクに緊急用の発電機を常備してればいいんじゃね?」。

そうなるよなー。だったら発電機をもう車体に組み込んじゃえばいいわけで。バッテリーをそのぶん減らせば安くもなりそう。しかも、iMiev やリーフみたいな完全なバッテリー電気自動車より航続距離も伸びるんじゃないかな。エンジンを常に最適効率で稼働させられるんで。で、基本的に家で充電したバッテリーで走って、足りなくなったら走りながらでも発電機を回して充電する、と。

これ、90年代後半に日産が発表だけした「直列式ハイブリッド車」と同じなんだわ。時期的にはトヨタが初代プリウスを発表したあたり。プリウスのハイブリッドは並列式。てことで、日産は焦った挙げ句に違う方式のハイブリッド車の構想をでっち上げて慌ててぶち上げたんじゃないかと。直後に社長がカルロス・ゴーンに替わって、今ある商品ラインナップで短期で黒字を出さなきゃいけなくなってしまって、開発に時間とコストがかかる直列ハイブリッドはお流れになってしまったけど。

これとは仕組みがちょっと違うけど、トヨタが開発中のプラグインハイブリッド車ってかなり近いなーとも思って。プリウスと同じ並列方式だけど、エンジンかモーター、どちらか片方での運転を選べる。はじめは家庭で充電しといたバッテリーだけで走って、バッテリーが心細くなったらエンジンで走る。同時に充電して、エンジンが苦手な加速時にモーターを併用すると、燃費がグンと良くなる、と。

直列ハイブリッド車もプラグインハイブリッド車もまだ発売してないみたいだけど、今回のこともあって、出ればすごく売れそうな気がする。

つか iMiev やリーフで直列ハイブリッドがあってもいいと思う。発電機があるぶんバッテリーの量を半分にでもすれば、値段も安くなりそう。

とにかく言えることは、震災後の東日本じゃエコカーが売れるだろうなってこと。「環境のため」「温暖化防止のため」「みんながてをつなげばちきゅうにもっとやさしくなれる」なんてヌルい理由じゃなく、「自分の生活を守るため」に。

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救援が進まない現状を見かねて、メディアには「私だったらこうする!」的な意見が出てたりするね。じゃあやれよと。やらないなら言うなと。

Gackt なんかいろいろ誤解やら批判やらを受けつつも、自分が言ったことを実行してる(Gackt ブログ)。やりながら、はじめに思ってたようには行かなかったことは忍耐で調整してどうにかして、仕組みについて誤解が出たことは今後そう思われないよう修正して、実行を続けてる。顔やイメージに似合わず、泥臭いことを自分でしてるっぽい。おいらはこの活動におかしな点は見つけられない。募金は SHOW YOUR HEART 基金じゃなく日本赤十字に直接でも嬉しい旨も、ブログに書かれてるしさ。

まぁなんだ、今回の援助は素早い行動が肝要ってのは誰にも理解できるわけで。その線で走り出してから具体化するまで、いろいろ決めたり情報を集めて検討したりだったろうから、当初の明快な形のままざっくり行けなかったってだけなんじゃないかと思ってるよ。公的手続きの煩雑さが Gackt ブログに書いてある通りなら、そりゃー物資が全然こっち来ないわなーって納得できるわ。国は被災地を援助したいのか兵糧攻めしたいのか分からん。

状況が落ち着いたら、がくっぽいど の未発見曲を漁らせてもらいますよ。

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2011.3.19 土曜
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ご愛顧

外国のメディアや有名人が、日本をすげー応援してくれてるみたいだね。

メッセージよりも物資と救援が必要な立場の方々が多くいらっしゃるのは承知してるけど、おいらの立場だとこの応援は嬉しい。救援活動をしてる人たちの励みにもなってると思う。

これが80年代や90年代だとここまでにはならなかったと思う。80年代は日航機墜落事故、90年代だと阪神・淡路大震災があったね。海外の反応は「驚き」は同じだったけど、あとは報道を見て「驚き」続けるのが多かったかと。被災地・被災者への愛あるメッセージも多くあったと思うけど、今回ほどには至らなかった気がする。これは災害や被災地ごとに海外での受けが違うのじゃなく、時代を経るごとに日本が愛されてきてるってことじゃないかと。実際ほとんどの外国人にとって、被災地が東日本か西日本かなんて区別ないだろうし。

80年代のハリウッド映画じゃ、日本人を意地悪くからかってた。90年代じゃ、日本人をどう捉えていいか分からない感じだった。そのモヤモヤがついに晴れたのかも。

インターネットとブロードバンドの普及とともに、世界は右傾化してきた気がしてた。国粋主義・排外主義が首をもたげてきてた気がしてた。印象で語っちまってるけど、現実じゃそれとは関係なく、日本は着実に味方を増やしてきてたんだな。

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2011.3.20 日曜
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真っ当だと思うのは自分だけかもしれない支援

おとといは Gackt やるなぁとか他人事みたいに言っちまった。おいも消極的だけどそれでも少しはやってるつもりではあるよ。コンビニの義援金募金にちょっとずつ協力したりとか。

あと、「仕事して稼いで、地元のものやサービスをいつもより買う」とかそんな感じ。八戸は被災地ではあるけど、援助が必要ない人はたくさんいる。おいらもその一人。だから自力でモノを買う。おいらの給料は被災地じゃないところから来てる。その稼ぎから払うカネをなるだけ地元に還流させる。口座残高がちょっと心配だけど、それが地元の立て直しに幾分でも役立つと信じてる。被災の程度が限界を超えてる方々や企業には無償援助や制度での優遇が必要だけど、そこまでじゃなく済んだ人々への支援は、貰うカネより稼ぐカネのほうが真っ当と思ってる。

金曜は仕事帰りに、このまえ新しくできた中華料理屋さんがお店の前で、テイクアウトの料理を出してるのを見つけた。買って家で食べた。おいしかったよ。その前の日はお菓子屋さんが自家製の彼岸だんごと洋菓子を出してたから、ちょっと多めに買って、半分は妹夫婦に届けた。

昨日は友達がやってる居酒屋が1週間ぶりに開店したと聞いたから、情報交換も兼ねて飲みに行った。いつもはクルマで行って帰りは運転代行だけど、ガソリン節約で片道1時間かけて歩いた(代行屋さんゴメン!)。

居酒屋の通りはほかに開いてる店が多かったけど、通りも店内も案の定ガラガラ。店を開けるってことは、その店にとってはそれだけで一定の出費をするってこと。開けなきゃ開けないで家賃支払いばかり嵩む。それになんぼかでも報いたくもあって。貢献してやったぞとか押し付けがましく自慢ってわけじゃなく、互いの無事を喜び合って、酒を飲みつつの2時間ばかり、震災後の息苦しさを忘れていられた貴重な時間だったよ。それに値するお金を払ったってことで。友達特価じゃなく定価で(いつもそうだけど)。

飲んだ酒は陸奥男山、菊駒、杉玉(2杯)、田酒で、すべて地場の酒。食べた料理の食材は地場産品が主。うまかった。援助を受けるほどじゃない人や店だって、この震災で損害が出てる。自粛の流れで客が減るのもそのひとつ。それでも自分の商売で稼いで損失を埋めなきゃいけない。その友達は誇りを持ったプロの板前だから、「お見舞」よりも店で自慢の料理と酒を楽しんでもらって、きちんとお代を取ったほうが断然嬉しいはず。その店が使ってる食材業者や造り酒屋でもそれは同じはず。おいらが飲み食いしたぶんだけでも早く地元経済が復興してほしいっす。

平時でもワーキングプアだから、ほんとに微々たるミジンコ級の働きだけどさ。

「食べ物さえ満足にない被災者がいるのにお前は酒かよ」とお思いの方もいらっしゃるかも。ご気分を害してしまったのでしたら謝ります。すみません。

銘板
2011.3.21 月曜
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74式の出番です

福島原発での戦い、ついに戦車まで動員らしい。毎日新聞の記事から。

福島第1原発:がれき除去に戦車派遣 防衛省

防衛省は20日、東日本大震災で被災した福島第1原発内の放射性物質で汚染されたがれきを除去し、放水作業を円滑に進めるため、陸上自衛隊の戦車2台を派遣した。陸自駒門駐屯地(静岡県御殿場市)所属の74式戦車(約38トン)で、21日早朝に前線基地の福島県楢葉町の運動施設に到着する予定。災害派遣での戦車出動は異例だ。

防衛省によると、津波や爆発などに伴い原発敷地内には大きながれきが散乱しており、自衛隊などの放水や電源ケーブルの敷設作業の障害になっている。74式戦車は装甲が厚く、放射性物質の防護能力が高い。東電がブルドーザーを手配することも検討されているが、放射性物質の防護能力がないため、戦車の派遣が決まった。戦車の前面に土砂をすくう「排土板」を装着することで、ブルドーザーと同様にがれきの処理ができるようになる。戦車2台は20日夕に駒門駐屯地を自衛隊の輸送車両に積まれて出発。戦車回収車1台も派遣された。【犬飼直幸】

毎日新聞 2011年3月21日 0時45分(最終更新 3月21日 0時48分)

「74式」っつうと1974年ってことで、なんでまたずいぶんと古いのが……と思ったら、鋼の装甲の厚さが買われたってことか。単純に重量で言うと、74式(38トン)の後の90式が50.2トン、最新の10式が44トンだから重量級の方がいいような気がするんだけど、どうも90式以降は装甲部分の軽量化が進んで、鋼じゃない材質らしい。90式はセラミック複合装甲、10式はセラミックに加えてカーボン材も装甲に使ってるそうで。

装甲が同じ強度で軽いのはいいことなんだけど、それは戦車同士で砲弾を撃ち合うときの話。今回の戦いは敵がちょっと違う。その敵は放射線。特にガンマ線。この破壊力から乗員を守るには、厚手の重金属が望ましい。ガンマ線の遮蔽効果が一番高いとされる金属は鉛。鉄はそこまでじゃないけどそこそこってことで、あとはできるだけ厚い方がいい。それでこの旧式戦車が最適、となったんだと思う。

あと、総重量が一番軽いのって別な利点があるかも。任務は原子炉周辺のガレキを撤去して、放水車が近づきやすくすること。あんまし重たい戦車だとアスファルト舗装を壊してしまいかねないっつう判断もあったのかもなーと。ガレキを撤去できてもそれじゃ放水車が近づけないわけで。

被災地の救援でもだけど、自衛隊、原発事故でも大車輪の活躍だなぁ。

それに警視庁も消防庁のハイパレスキューもほんとよくやってくれて、ありがたくて目汁が止まらんですよ。消防が火事場で放水作業するのはまだしも、原子炉の冷却なんて警察の仕事じゃないだろうに。どうか現場の方々がご無事のままお仕事が完遂されますように。

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不謹慎というか、心ない発言ってきっと出ると思ってたわ(記事)。

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「この地震、本当に起きてよかった」大阪府議長が発言

2011年3月21日9時4分(朝日新聞)

4月1日告示の大阪府議選に立候補を予定している長田義明府議会議長(自民)が、20日の事務所開きのあいさつで、東日本大震災に関連して「大阪にとって天の恵みというと言葉が悪いが、本当にこの地震が起こってよかった」と発言した。長田氏は朝日新聞の取材に「不謹慎な言い方で、反省している」と話している。

長田氏は、橋下徹知事が目指す大阪湾岸の府咲洲(さきしま)庁舎(旧大阪ワールドトレードセンタービルディング、大阪市住之江区)への府庁舎全面移転に反対。東日本大震災で咲洲庁舎が被害を受けたことを「天の恵み」と発言し、「橋下知事の考えが間違っていたということが示された」と続けた。

長田氏は取材に対し、「大阪の府庁舎移転問題の面でよかったと言ったつもりで、地震が起きてよかったと言ったつもりではなかった」と釈明した。

11日に起きた震災で、55階建ての咲洲庁舎ではエレベーターに人が閉じこめられたり、壁面パネルが損傷したりした。

橋下知事は2009年に咲洲への庁舎移転案を2度提案。府議会はいずれも否決する一方、ビル購入予算案は可決。府はビルを第2庁舎として使用している。長田氏はビル購入に賛成したが、庁舎の移転には反対していた。

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震災の生々しさが伝わらない外国ならまだしも、きっと国内でも出るだろうなぁとは思ってた。けど大阪の議員ってあんた、すぐ隣で起きた阪神大震災のこともう忘れちまったのかよ。東京まで機能不全なんで大阪の経済が活発化してるだろうってのは想像つくけど、それで仕事が助かってる人たちも実際に多いだろうけど、大阪の方々のお気持ちがこの議員の言葉と同じではないことは分かっておりますです。

映画『影武者』で、「武田信玄死す」との間者情報を得た家康に側近が「これは天佑神助」と言うと家康、「黙れ! そのようなことに喜ぶ家康ではないわ!」と一喝。もし今回の報道がすべて本当だったとしたら、大阪の人もこうあってほしいなぁ。

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ネタにしてしまって件の大阪府議長には申し訳ないけど、ひとつ大阪っぽく損得勘定を考えることがあって。

失敗・失言は誰にでもあること。んでそのフォロー如何で、あとあとの結果が変わってくると思うんだ。

政治家先生の釈明って、どうもにも苦しいのが多い気がする。「意図が正しく伝わらなかった」として、無理やりな解釈を後付けしたり。言い訳して少しでも部分点を拾おうとするやり方というか。その行為や態度を尊敬できる人ってあんましいないと思うんだけど、それやって信用が回復するわけでもないと思うんだけど、それでもこうすると保てる何かがあるんだろうと思う。

科学者のやり方は別。論文の提出や発表の前に自分でいろいろ検証して完璧を期すけど、たまに間違った結果を出してしまうこともある(前人未到の領域を探ってるんだから、そうなりがちでもある)。ほかの科学者に間違いを指摘されることもあれば、発表後に自分で気付くこともある。どうするか。これ、心苦しいのをこらえて、全面的に間違いを認めて訂正するんですな。仕事の対象が普遍的真理そのものである以上、一切のごまかしが効かないってことで。技術者もまっとうな人なら同じ。

小惑星探査機はやぶさ が2回目の着陸に成功したとき、その状況から「試料採取成功」と発表したけど、その後に詳細データを解析したら、試料採取装置が作動しなかったらしいと判明。けどチームはそのことを隠さず言い訳もせず、すぐに公表して先の発表を撤回、謝罪した。

はやぶさ がその後、世間からどれほどの支持を得たかは言わずもがな。

おととし、おいら失敗をやらかしてさ、そのあと政治家的に部分点を拾おうとしてる自分に気付いてさ。きつかったけど科学者的な方法にした。それで報われた感触はまったくないんだけど、もし政治家的な方法を選んでたらどうなってたかを想像すると、たぶんおいらの気分は今よりマシになってたかもしんない。と同時に、ほかの人たちを今以上に、無駄に傷つけてたのは確実。んだからまぁそれはそれでよかったかなぁと。失敗しないのが一番いいんだけどさ。

おいらの感覚というか願望というかでは、政治家的な方法よりも科学者的な方法のほうが、最終的に得られるものが大きいと思う。最終的に到達できる位置が高いと思う。長期の損得で言えば得だと思う。そうあってほしいわけで。「損して得取れ」ですな。

はやぶさチームはついに誰の目からも明らかな勝利を手にしたけど、おいらのほうはそうでもなかった。確実にそうなるってわけじゃないんだな。そして政治家が失言すると十中八九、バレバレな屁理屈で必死に取り繕うわけで。そうしない政治家を見たことないから比較できんけど、例えば今回は「本当にこの地震が起こってよかった」→「地震が起きてよかったと言ったつもりではなかった」。何だこれ。自分で墓穴を掘ってハマるだけなら、人間だいたいみんなそんなもんだからそこまではアリ。そしてハマったのをごまかそうとそこに地雷を置いて自爆した人ってさ、その行為でこれからも尊敬され続けようってのはちょっと無理があると思う。

失敗・失言はとりあえず、言った/やった本人にとっても言われた/やられた対象にとっても損なわけだ。んでそのフォローでどう振る舞うか。例えば今回の大阪府議長の場合、その場で部分点を確保して自分の損害をすぐさまいくらかでも埋める、という方法を採った。自分のメンタル面を守るにはいいだろうが、被災地に嫌な思いをさせて、それをごまかそうとしてる。嫌な気分、倍増ですな。少しでも謝らずに済まそうとしてるから、やられた対象の気分がそれで改善することはない。

交通事故に例えると、交通事故そのものは誰でも起こし得る。んでその対処が当て逃げってどうなんだと。

大阪は被災地と縁がある人はあまり多くないかもしんないけど、今回の被災地と縁のある有権者はもうこの人を信用しなくなるんじゃないのかと。あるいは阪神大震災での心の傷がまだ癒えてない人もどう感じるか。とっさに自分の損害を減らしたはずが、あとでかえって大損する羽目になってるんじゃないかと。まぁ非を全面的に認めて自分の損を確定しても、あとで黒字になるとは限らんけど、それ以上に損することはないわけで。

読売新聞の記事だと「会場では黙とうもしており、被災者を思う気持ちはみんなと同じ。ただ、発言は不謹慎で、言ったことが悔やまれる」とのこと。言ったことでの損の大きさは固定だけど、それを埋めるべきフォローの悪さこそ悔やんだ方がいいと思うが。あとで大損こくよ。

銘板
2011.3.22 火曜
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バチのモラル

日本人のモラルの高さが賞賛されてるらしいけど、その理由はこれかもなーってな記事があって。

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遊ぶ金ほしい…女子高生コンビニ震災募金箱盗む

東日本巨大地震の被災者支援のため、コンビニエンス店に置かれていた募金箱を盗んだとして、相模原署は20日、相模原市中央区の女子高生(16)を窃盗の疑いで緊急逮捕した。

発表によると、女子高生は同日午前2時45分頃、同区並木のコンビニ「セブン―イレブン相模原並木2丁目店」のレジカウンターに置かれていた現金約5000円入りの募金箱を盗んだ疑い。

同署幹部によると、店員が募金箱がなくなっているのに気付いて同署に通報。防犯ビデオの映像などから女子高生を突き止めた。調べに対し「遊ぶ金がほしかった」と話し、署員が「こういうお金を盗むとバチがあたるよ」と諭すと、「そうだね」と答えたという。

(2011年3月20日19時42分 読売新聞)

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5000円だしお店の所持金じゃなく誰のものでもないお金だから、罪は軽いと思う(お店の預かり金ではあるな)。んでお巡りさんの戒めの言葉がふるってる。「バチがあたるよ」かぁ。そんで「そうだね」。

「悪いことをするとバチが当たる」の文言をおいらが忘れたのは何歳くらいからだったろ。たぶん日本人の子供は大抵、この言葉を聞かされながら育ってると思う。大人になってそれを意識はしなくなっても、それが躾になって身に付いてるのかもなーと。

この考え方はどっから来たんだろ。あれかな、仏教の「因果応報」かな。Wikipedia の記事を読むと、もともとは現世で悪いことをすると来世にその影響が出るってことだったらしい。これが今の日本社会だと、現世で悪いことをすると現世のままその報いを受ける、って意味になってるかと。

けどまぁ大人になっても悪いやつ、ずるいやつはたまにいるもんでして。それを見てしまって、別にバチ当たらないんだな、と思った瞬間にこの言葉を忘れてしまうのかもな。

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八戸のガソリン事情、ほぼ相変わらず。少しは入ってくるようになったらしいけど、それでもすげー並んで待って10リッターとか。足りないからハシゴして6時間潰したとか。交通が全部止まらないだけマシだけど、カツカツなのを騙し騙しやってるのはそれまでと変わらん。

3連休のうちに八戸石油備蓄基地の生きてるタンクからガソリンや軽油が出荷され始めた。行き先は市内のガソリンスタンドじゃなく岩手の被災地。そりゃそうですわな。貨物鉄道でも日本海沿岸の羽越本線回りでガソリンが1日に1便で届いてて、これ青森市から東北本線を使ってて、八戸駅を素通りして盛岡に行っちゃうらしい。これまた岩手沿岸の被災地向け。宮城にも行くんだろうなぁ。

しょうがないけど、しょうがないことだけど、こっちもガソリン足りないっす。贅沢言っちゃいけないのは分かってるんだけど。

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ガソリン不足問題でさ、日本の政治家ってマジで頭おかしいんじゃねーのってネタ発見。

【東日本大地震】民主党 「ガソリンをプールに貯めようと検討した」

消防法でダメだとか以前に、普通はこんなの思いついたって脳内の段階でボツだろ。被災地をさらに炎上させてどうする気だ。暴君ネロかよ。てか揮発油なんだから、運よく爆発しなくたって風下の住民が病気になるよ。どんだけ二次被災者を作りたいんだ。

まぁそんなものまで検討するくらい、我が身と同じこととして本気で焦ってくれてるってことなのかもしんないけどさ、それにしてもこの動画見たときアゴが外れたわ。こりゃ非常事態があるとそこからさらに非常事態を作り出しちゃうわけだわ。大いに納得した。

つか恐怖を覚えるよ。

銘板
2011.3.23 水曜
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揚水発電はどうなっておるのか

日本の交流電力の周波数は、東日本で50Hz。西日本で60Hz。この違いのせいで西日本の電力を東日本に融通できなくて、東北・関東で電力不足が慢性化してるわけで。

このダブルスタンダードって何のメリットもないと思ってた。ところがそのおかげで、日本が全体的に電力不足になる可能性がなくなってる、ともなるんじゃないかと。周波数変換施設は3つあるそうで、変換できる電力量は合計最大 100万kW らしい。それがフル稼働中だけど、これで原発1基ぶん。現状で全然足りてない。東日本の原発、福島で10基、女川で3基、東海村で1基、柏崎刈羽の3基(定期点検中)の計17基が止まってるらしいからな。火力は八戸のはようやく動き出した。東北の太平洋沿岸のほかの火力発電所は、まだ復旧してないかも。

けどまぁこの電力周波数の東西分断のおかげで、西日本は節電も停電もしなくて済んでる。東日本の産業が災害と計画停電でエンスト気味なうえに物資不足なぶん、今の西日本は増産体勢のはず。それなら電力には余裕あった方がいいしさ。とりあえず東日本の電力不足の原因、東北じゃ天災のせい、関東は天災と東京電力のせいってことで納得してるよ。関東の計画停電は電力会社の自業自得の面もあるだろってことで。

で、もうやってるとは思うけど、東日本は揚水発電をフル稼働させたらいいんでないかと思って。それでも間に合ってないってことかな。

揚水発電ってのは水力発電の一種だけど、普通のと違って水を流しっぱなしにはしない。昼間の電力需要ピークのときには普通に水を落として発電するけど、その水は溜め池に溜めておく。夜や未明の電力需要が下がりきった時間帯、余った電力でその水をポンプで汲み上げて、上の溜め池に溜める。昼になったらまたその水を落とす。発電所ではあるけど「超大型バッテリー」と言った方が分かりやすいかも。

これ、原発とセットで作られるらしい。原発は出力の調整ができないうえに起動から電力発生まで数日かかるから、1日の電力需要の増減に合わせた出力調整ができない。てことで揚水発電っつうバッテリーを外付けして、合計で出力を調整してる。今、東日本の原発は多くが止まってる。けど揚水発電の施設は問題なく生きてるはず。それなら、いつもは揚水発電と一緒に電力需要の波に合わせた運転をしてる火力発電を24時間フルパワー稼働させて、夜間や未明の余った電力で揚水発電を利用しちゃどうかと。それで計画停電を少しでも回避できないかと。

「しちゃどうかと」と言ったはいいけど、向こうはプロだからたぶんとっくに分かっててやってるはず。それでも電力が足りないってことなんじゃないかと。

新聞記事を調べてたら、そこらへん出てきたよ。毎日新聞3月13日付から

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東日本大震災:「計画停電」14日から実施…1回3時間

(前略)東電によると、14日は夜間電力でくみ上げた水で発電する「揚水式」発電所用の水がほぼ枯渇。電力供給は、13日より500万キロワット少ない3100万キロワットにとどまる。これに対し平日の14日の電力需要は、企業活動の本格化で、休日の13日を400万キロワット上回る最大4100万キロワットとなる見通し。供給不足は1000万キロワットに達する。(後略)

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揚水発電もちゃんと勘定に入れてたはずが、ここに来て使えないとなったか。たぶん「水がほぼ枯渇」というのは、3月11日の原発緊急停止から電力供給の底上げに使い続けて、13日の時点で水が全部下の溜め池に落ちてしまったってことじゃないかと。夜間電力での汲み上げが間に合ってなかったってことじゃないかと。そのくらい深刻な事態ってことですな。

柏崎刈羽の定期点検中の原子炉3基が動き出せば、多少はフォローになるよなぁ。いつ再稼働するんだろ。とプレスリリースその別紙 (PDF) を見ると、点検終了予定は4月9日。順調ならそこから数日で動き出すかと。それで上積みされる電力は3基合計で 330万kW。現状の 10% 増し。この記事によると、この時期の平日の電力需要見込みは最大 3700万kW。現状の供給力が 3300万kW。ギリギリ間に合うかどうかの瀬戸際ですなぁ。んで夏場は 5000万kW 見込みってことですか。いったんいいとこまで行くけどまた突き放されるのが目に見えてるってことか。殺生ですなぁ。

東北電力の発電所が復活すれば、東京電力と同じ 50Hz なんで余ったぶんはなんぼでも融通できるはずだけどさ。今までそうしてきたらしいし。それには女川原発の再稼動が条件だろうなぁ。けどいつもより念入りに点検しないことには、宮城県がきっと納得しないだろうし。ていうか津波対策をもっと充実させるまで GO サインが出ないかもなぁ。3月11日に福島原発を襲ったのと同じ規模の津波に余裕で耐えられる新型防波堤、女川に建設するのに日数どのくらいかかるかな。

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つか東電、また勝手なことぶっこいてるなー

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夏休みの分散、長期化も一案=電力使用抑制で−東電

東京電力の藤本孝副社長は23日の記者会見で、冷房の使用で電力使用量が増える夏の対策として「夏休みを分散して(日数を)多めに取得してもらう形が可能ではないか」と述べ、企業や工場の夏季休暇の分散・長期化で関東地方および山梨、静岡両県の全体的な需要を抑えるのも一案との考えを表明した。

藤本副社長は、猛暑になれば夕方の時間帯の電力需要が約6000万キロワットに高まり、「1000万キロワットの(大規模な)需給ギャップが生じる」と指摘。計画停電と節電だけでしのぐのは難しいため「アイデアを出し合って方法を考えなければならない」と訴えた。(2011/03/23-21:27 時事通信)

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「……が可能ではないか」

「……も一案」

「アイデアを出し合って方法を考えなければならない」

ってさ、なぜ他人事なんだろう。

ほんとなんで他人事なんだろう。

一体なにゆえ他人事なんだろう。

人にもの頼むってレベルじゃねーぞ。

この会社の考えややること、ほんと理解できん。こんなにも投げやりな副社長、もしかして早晩、問題山積みの東電をほっぽらかして自分だけスタコラ逃げるつもりじゃね? それが辞職なのか自殺なのかは知らんけど。

「猛暑になれば」と。うんまぁそうなんだけどさ。それたぶんね、計画停電と節電を夏場でも続ければそんな猛暑になんないよ。もし夏までに必要な電力を調達できて、節電も計画停電もなくなれば今年も猛暑になる確率が高まるよ。なんでってヒートアイランド現象の原因は、都市部の電気や燃料の使いすぎだから。東電の幹部、その原理さえ分かってなさそうだなぁ。幹部で高校物理を習ったことある人いるのか? 独学でもいいぞ。

要は、エアコン回さなきゃそんなに暑くなんないんだよ。暑いからってエアコン回して自分の建物やクルマの中だけ冷やして、外気を暑くする、それで暑くなったからってますますエアコン回す、ますます外気が暑くなる、それで暑くなったからってますますエアコン回すっつう無限増加スパイラルが真夏の風物詩になってるんだよ。その仕組みをちゃんと説明して、皆々様がたに、特に冷房での節電をお願いするのが先だと思うぞ。

あと今のうちに除湿器を原価で大量に提供するとかさ(冷房より電気を食わないぞ)。オール電化住宅はもう売らないとかさ(つかもう買った人は停電でひどい目に遭うことがはっきりしたんで、客のほうから自発的にオール電化離れすると思う)。発電所の遊休地や自社ビル、政府・自治体関係のビルの屋上に太陽電池を並べてちょっとでも穴埋めするとかさ(八戸火力発電所でこれからやるよー)。

「原発の発電コストは太陽電池の3分の1以下」が方便だったのはバレちまったからな。東京電力福島第一原発、何兆円の損害を出すことになるかねぇ。そしてこのまま廃炉になると倍率ドン!さらに倍!(古っ)

てことで、「アイデアを出し合って」とかまたお客に無理強いする案をお客自身に考えさせるなんて蒙昧なことしてないで、自分がやれることを自分で考えつけよと。

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どうでもいいけど、与党の先生方みんな作業着みたいの着込んで非常時な雰囲気を演出してるけど、あれって北の王国の将軍様の真似してるみたいでちょっとなぁ。スーツに戻したらどうかと思って。サッカーの監督も試合中はスーツだしさ。事が起きてる現場に行かずにベンチから指示出す頭脳労働の係なら、スーツのほうがむしろかっこいいと思うけどどうなんでしょ。

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2011.3.24 木曜
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一部対処済みでした

東京電力がどこまで頭悪いのかと、意地悪ゴコロに駆られてググってみたのは「オール電化住宅」。まさかこの状況下でも販売を続けてるんじゃないだろうなと。したら一番上に出てきた啓蒙サイトと思われる URL (http://www.tepco-switch.com/know/all-denka/index-j.html) は 404 エラー。消滅ですな。検索リスト2番目にあったホームと思われる URL (http://www.tepco-switch.com/index-j.html) はつながったけど、3月18日で終わってた。

オール電化住宅終了のお知らせ

さすがにこのくらいの分別はあったか。侮ってました。申し訳ありません。

けどオール電化で作りかけの個人住宅だのアパート・マンションだので、設計変更できないとこまで作っちゃったのはもうそれで行くしかないんだろうなぁ。資産価値激減なのが見えてても、完成まで持って行って運用しないといかんだろうなぁ。同情いたしますです。

しかしまぁよくここまでウソついてきたなぁオール電化住宅。あんまし興味なかったから調べなかったけど、いざ調べてみましたら、つか公式情報がもう消滅してるんだけどさ、それでも調べてみたらさ、All About が特集してたよ。んで今さら精読する価値もないんだけど、建築家さんの肩書きを借りて「オール電化のライフスタイルは既に市民権を得ていると考えていいでしょう」と持って行ってるなぁ。

ふむふむ「エコキュートは熱効率が従来の電気温水器に比べて極めて高いために『省エネ』と認定され、国から補助金制度が出ている給湯方式です」でしたか。あざといなぁ「従来の電気温水器に比べて」かよ。灯油やガスのボイラーとは比べないのかよ。

石油・ガスの化石燃料系のボイラーは、燃焼で発生した熱の 90% 以上を給湯に利用する。業務用の大型だと 95% 越えもあったりして。さて、エコキュートがエコ認定を取った基準の、「従来の電気温水器」つまり、ニクロム線とかで電力のみで水を熱する方法の効率はどうか。

日本の発電方法の出力での割合はおおよそ、火力5割、原子力3割、水力ほか2割(震災前。現在は不明)。電力会社が「ベストミックス」と自画自賛してたっけ。電気温水器が使う電力の半分が火力由来ですよ。火力発電の発電効率を 50% とすると、発電所内のボイラーで既にエネルギー損失が 50% ってこと。この損失が「ベストミックス」で半分に薄められて 25%。二酸化炭素排出ベースでの効率は 75% ってことになる。たった75% かよ。基準値がいきなり低いんですよ。それに比べて効率がいいから省エネ認定ってさ、だったら何十年も前から普及してる灯油ボイラーも重油ボイラーもガスボイラーも自動的に省エネに認定されるはずだね。認定されてないけど。

エコキュート自体の技術的意味はあると思う。ヒートポンプは省エネとして実効的なんで。けどその補助金ゲットが、多分にウソと政治力でゴリゴリ進められた形跡がアリアリでしたと。エコ活動はクリーンなイメージが身上だと思うけど、これあからさまに汚れてるだろ。

んでそうゆーやり方をしてきたのがオール電化住宅。今回の原発災害で、東京電力がオール電化住宅に見切りを付けたのは、おいらは意外と早かったと感じてる。まぁ各界からやいのやいに言われてたんだと思う。自分でも「今オール電化を売るのははまずい」と判断できた面もあったと思う。けどきっと、混乱のさなかでここまで早く実行できたのは、東京電力の社内でも、オール電化住宅のマヤカシに反発する勢力がけっこうあったからじゃないのかと。

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うちの妹一家の住まいがオール電化住宅でさ、地震で停電したらなんもかんも使えなくなって、停電が直るまでうちに避難してたわ。うちはプロパンガスと反射式石油ストーブが使えるもんだから。6カ月の姪っ子をあやしながらで、おいらは比較的楽しい非常時生活ができましたわ(笑)

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2011.3.25 金曜
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半減期だの崩壊モードだの

放射性物質が気になる人たちが増えてそうですな。おいらも気になる。とりあえず一番騒がれてるヨウ素131について考えてみようかと。んで何が気になるかというと、まず半減期、そしてどんな放射線が出るか(崩壊モード)ですな。

半減期については、「8日で比較的短いので」という安心側に誘導する「専門家」の意見が各新聞社に出てるね。確かにセシウム137の30年に比べると一瞬。で、おいら専門家じゃないしいたずらに不安をかき立てたくもないんだけど、そのまま安心していいってわけでもない。用心はやっぱり必要。

とりあえず新聞が言う「専門家」ってさ、匿名の場合が多いね。本人が匿名を希望してるのか、知識がおいら程度の人間がいい加減なことを言ってるだけなのか、それとも政府が「こういう形で(政府や関係者にとって都合のいい)話を広めてくれ」とマスコミに要請したでっち上げなのか分からん。と考えると余計に不安になったりして。

んでまず「半減期」。これって「その放射性物質が生成されてから放射線を出す量が半分になるまでの時間」だから、ゼロになるまでの時間でも安全になるまでの時間でもないのよ。だから、例えば安全な放射線量の基準値が「1」以下なんだとして、ある日その100倍の放射線量のヨウ素131が生成されたとして、8日経ったとする。放射線量は50。基準値の50倍だよ。それ二、半分になるのが8日だからって、倍の16日経てば全部消滅するわけでもない。

ついでに、「8日経てば半分」は「ヨウ素131が生成された日から」だからね。毎日生成され続ければ、放射線量は一向に減らないわけで。

てことで、半減期は現状や将来を予測するためのただの目安。それ以上でもそれ以下でもない。この数字だけで判断をするのは危険だよ。

次はどんな放射線が出るか。崩壊モードは「β」。ベータ線が出ますな。これはヨウ素131を体内に取り込まなけりゃどうにかなるもの。この放射線は放射性物質から飛び出てから数 m 飛ぶと勝手に消えてくれる。厚さ数ミリ程度のアルミ板で遮蔽できる。何 m か離れてれば安全で、間に何か物があればもっと安全ってこと。「屋内退避を」という指示はこの性質から来てるんだわ。家の屋根や外壁にヨウ素131が乗っても、屋根材や壁材と建物の内部空間が守ってくれる、と。

問題は体内被曝だね。水道水から検出されて騒ぎになってるのはコレ。体内に入ると、至近距離から細胞が攻撃されてヤバいと。これ一応、生物の DNA は自己修復機能があるから、ほんの少し損傷を受けるくらいなら問題ないらしい。

宇宙からは日常的に高エネルギーの放射線が降ってきてる。地球磁場や大気でかなり防がれてはいるものの、たまにとんでもなくでかいのが地上にまで届く。それでも生物は問題なくこの星の上で暮らしてきた。頻度が少ないからってのもあるけど、 DNA に自己修復機能があるからってのが主なところ。もともとこの機能は、細胞分裂するときのコピーミスを正すためのものらしい。

どうやってデータを修復するのかまではおいらは知らんけど。推測してみると、そうねぇ、バーコードの一番右側の数字は「チェックデジット」といって、その左側の12桁(標準型)や7桁(短縮型)の数字を正しく読み取れたかどうかを確認するためにある。それに似た仕組みかもしんない。てかおいらそれしか知らんw

で、その放射性物質がヤバいかどうかも、その水道水に含まれる放射性物質の濃度(≒発表されてる放射線量)も大事だけど、摂取の絶対量にもよる。つまり、危険な数字が出てるからといっても、ちょっと飲んだくらいじゃ大したことないってこと。基準値以下の水だからといってまさに湯水の如く大量に摂取すると、そのぶんリスクが高まるってこと。

その「ちょっと」「大量に」の判断、どのくらいが目安にしたらいいのかっつう、肝心なところが分からんくて。新聞は「専門家」の意見として、誰が言い出したか分からん情報を垂れ流してやがるしさ。

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当てにならん情報ばかり見てても怖くなるだけなんで、ヨウ素131について、Wikipedia の「半減期」に出てる、放射線の減衰 をもとに放射線量の減衰具合のグラフを自力で作ってみた。

ヨウ素131の放射線量減衰グラフ

横軸の「8」で 50% だね。8日で半減してるって意味。30日経つと 7% くらいまで減るんだな。

グラフの元の表の数値で分かったのは、半減期の長さを Th とすると、放射線強度は半減期の2倍の長さの 2Th で4分の1(25%)、3Th で8分の1(12.5%)、4Th で16分の1(7.25%)に一致するってこと。長いこと指数関数をいじってなかったから、そのあたりを事前に予測する勘どころがなくなってしまってたよ。これ、かなり単純ですな。放射性元素が生成されてから n 回の半減期を迎えた時点での放射線量の減衰率 R(n) は

R(n) = 1/2n

でしたと。これで計算すると、放射性物質が生成された日から放射線量が100分の1になるまでにかかる時間は、半減期のだいたい6.64回ぶんの時間がかかる。ヨウ素131だと100分の1になるには53日。2カ月近くですなぁ。

それはそうと、例えば基準値の1万倍って数値が出たとする。福島原発内で最近、作業員が被曝した水、原発内部の水の基準値の1万倍だったね。まぁ絵空事の数字じゃないってことで。それがヨウ素131だとして、生成されたばかりだとすると、53日経って 1% まで放射線量が減衰したとしても、それでも基準値の100倍ってこと。率とか割合も大事だけど、絶対量はもっと大事ですな。半減期という数字は結論じゃなく、結論を得るための部品でしかないってことで。

つか繰り返しになるけど、放射性物質が次から次へと新たに生成されて供給される状態だと、状況はいつまでも改善しないよ。

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あと謎なのが、セシウム137の検出についての情報があんまし出回ってないこと。半減期30年という点がヨウ素131よりはるかに厄介なわけで。放射性元素が出す放射線量が、その元素が生成されたときの 1% に減衰するまでの期間は、さっきの計算から「6.64×半減期」でしたな。

6.64×30[年]=199.2[年]

……、

……、

……。

これどうすんだ(汗)

とにかく絶対量を出さないことですな。出ちまったもんはどうしようもないけど、その量が少なければそれだけ早く許容値以下まで下がるよ。つか福島第一原発の半径 20〜30km 圏内が「自主避難」の勧告が出たそうで。避難ってのは勧告レベルだと自主的にやるもんだから、別に普通の「避難勧告」でいいと思うんだが。この妙な言葉遣いで誰がどんな責任を逃れられるのか、その意図がよく分からんけど、まぁ「自主避難」だそうで。その理由は放射線強度が由来じゃなく、運送業者が怖がって物資を届けにくいからだそうで。ここでもほんと意図が分からんけど、避難してほしい理由を運送業者に押し付けたいらしい。

てことで責任逃れしたいか、何か重大なことを隠したいか、のどちらかあるいは両方を思わせる怪しさ満点の「自主避難」。まぁ普通に、放射線量が高くてヤバいから避難してくれってことなんだと思うけど、はっきり言えない何かがあるんじゃないかと勘繰らせますなぁ。

チェルノブイリの例から、人体への毒性で行くとセシウム137よりヨウ素131のほうがヤバいらしい。あの原発事故じゃ、セシウム137が原因での内部被曝症例は特になかったらしくて(セシウムは体内に取り込まれると筋肉にたまるそうだけど、周辺住民の筋肉での発ガンは特になかったらしい)。けど今回の事故で真っ先に検出・発表されたセシウム137(福島原発の敷地内だった。あの頃がもう懐かしいよ)が今はほとんど語られないっての、なんだか不自然な気がして。関係者はあまり触れられたくないのかなぁ。まぁヨウ素131のほうが人体にヤバいことが知れ渡ったってのが主だろうけど。

ぶっちゃけ原発の半径30km以内にセシウム137がどっさり積もっちゃったんじゃね?

その土地のセシウム137由来の放射線量が 1% 未満に落ちるまで200年かかるってことを、知られたくないからからじゃね? 当てずっぽで語ってしまってるけど、「自主避難」の口実の歯切れの悪さがそんな連想をかき立てさせるのですよ(と、おいらも無責任発言した上で責任逃れの構え)。

ヨウ素131と同じ計算をセシウム137に当てはめてみたら、なんだか切れのいい数字が出てきたわ。放射線量が半分になる半減期が30年ですわな。10% になるのがちょうど100年後。1% になるのが約200年後でしたな。以下、0.1% になるのが300年後、0.01% になるのが400年後。0.001% になるのが500年後。福島第一原発がセシウム137を10倍多く放出するごとに、復興開始が100年ずつ延びていくってことですわ。セシウム137の排出累積量が問題ないほどの微量のうちに原子炉を安定させる以外に早期復興の道はないわけで、今日も自衛隊や消防や、東京電力の社員の方々が現場でがんばってくれてる。

で、不可解な「自主避難」。ここまでの流れだとなんかいろいろ裏の理由がありそうだけど、真実がバレると作戦遂行や復興計画が妨げられて、数字を発表してる人たちにとってもっとひどい結果になってしまう的なもののような気がする。つうことでまた無責任なことをここにいったん書いたけど、どうせ検証できないし、おいらはデマを作って広げた犯人ってことにもなりかねないんで、アップロード前に削除しましたですよ。

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東京電力の計画停電、今度から25グループに細分化らしいですな。自分のところが停電するのかしないのかがより正確に分かるようになったってことで、個人も企業も一日の予定を立てやすくもなったかと。

んでまぁ東京電力の計画停電って長期化するみたいだしさ、自分のエリアに来るときは来るわけで、そしたらどうだろ、計画停電やられると分かったら、その時間はシエスタ導入でお昼寝しちまったら。と考えたんだけどどうだろ。実際に計画停電やってる最中の皆さんって何やってるんだろ。

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サマータイム制導入で節電を……という案があるけど、やるなら是非東京電力管区のみにしていただきたい。東北電力管区を巻き込まないでいただきたい。サマータイムは生活リズムが恐ろしく崩れるからイヤなんだよ(経験済み)。夜8時台でも空が明るいんだもんなぁ。つかサマータイムの変わり目って朝めちゃめちゃ寒いぞ。緯度が高くなるとこの気温差が激しくなるんで、健康を損なう人も出てくると思う。てことで東北地方にはあまり合わん制度だと思う。

つか「サマータイム」って和製英語らしくて、本来は "daylight saving time" と言う。「日照活用の時間制度」って感じかな。日照を有効利用するとどんな節電ができるかっつうと、屋外の照明電力ですな。しかし戦後間もなくじゃあるまいし、今どき屋外照明1時間ぶんなんて大した節約効果じゃないと思うが。

あとアメリカじゃ「外がなかなか暗くならないから犯罪が起きにくい」ってのにも価値を見いだされてるらしいけど、日本ってサマータイムを導入してないのに犯罪発生率がアメリカより低いからな。これも日本での導入の理由にはなんないよな。

あと「サマータイムを導入すると市民に節電・省エネ意識が生まれて、その効果も見逃せない」なんてエコ派の意見もあるかもだけど、あったとしてもウソですから。サマータイム制を続けてるアメリカ人の節電・省エネ意識を、サマータイム制をやってない日本人と比べてどうですかね、と。

とりあえずやってみて節電効果とその程度を検証するってのはアリだね。そしたらそのときもくれぐれも、東北電力を付き合わせないでいただきたい。東北電力に実験を肩代わりさせるのもやめていただきたいw

むしろ関東と東北で時差が生まれると、需要ピークの時間帯がずれて効率的な発電・給電ができるんじゃないかと。おお、だったらなおさら、サマータイムやるなら東京電力管区のみでひとつ。

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東京電力これから経営ヤバそうだけどね。そんな中でサマータイム導入なんて、またまた自分の都合だけでお客に負担をかける仕組みをやろうってのが、なんだか自分の今の立場をよく分かってないっつうか。電力足りなくて苦しい立場なのは分かるが、経営陣の自業自得だから。

今回の福島県への損害補償、見積もりが出る前から早速「支払い能力を超えている」とか言い出して、でき得る限り国に負担させる気満々だしな。国はそれ以前から借金まみれで首が回らないってみんな知ってるだろ。そしてそれを押して、政府は原発被害とは無関係の震災被災地域も含めた総合的な復興で10兆円以上かける意気込みだし、東京電力が補償すべき部分まで、国の懐は当てにできんと思うよ。

まぁ原発政策は国策だったから(とりあえず過去形にしとく)国もいくらかは負担するだろうけどさ、なんでこんな1地方企業のポカの尻拭いに、日本全国から集めた税金を投入しなきゃなんないのかと。その中には福島県民が支払ったのも入ってるだろうに。

なんかもう原理的におかしい。

とりあえず新規の原発への投資を凍結すれば、年間100億は浮くでしょ。オール電化住宅みたいな他業種への横車も一切やめて、あとは強電各社と共同で取った特許で作った高効率な発電・給電関係メカを国内・海外の電力会社売ったりして、プロとしてのプライドがあるなら100年かけてでも自力で支払ったらどうだね。

大手銀行各社は合計2兆ウン千億円を東京電力への特別低利融資用に準備完了したらしいから、とりあえずまとまったカネを福島県に支払えますな。足りないぶんは後で追加融資を受けるなりすればよし。んでその借金を、セシウム137の放射線量が10分の1なり100分の1なりに減るだけの時間をかけてでも銀行に返せと。それが企業の社会的責任ってやつですよ。

ただ東京電力の計画停電、25グループに細分化するってのはいいことだと思う。発表や実施がまたバタバタだったみたいだけど、それでもはじめの5グループ制は目が粗すぎたことを受け入れて、改善してきたってことで。判断がまともに機能してるところもちゃんとあるんだな。

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今回の大災害は国難だけど、唯一ホッとしてるのは自民党だろうなぁ。「与党やってるときじゃなくてよかった」と。そういや阪神淡路大震災の折は社民党政権だったな。自民党ってその意味じゃほんとツイてるw

「自分たちならもっとうまく対応できてるのになー」とヤキモキしてもいるだろうけど。

銘板
2011.3.26 土曜
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普通感覚での最悪がまだよく思える件

福島県って今、死者数が少ない割に行方不明者数が多いんだね。岩手・宮城は遺体の特定が進んで、確定した死者数が増えるぶん行方不明者数が減っていってるのに。

原発事故が捜索の邪魔をしてるもんだから。

死亡確定が順調に進むのがマシに思えるのってどうなんだと。

銘板
2011.3.27 日曜
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うそつき

なんかデータ公表とかの「大丈夫」発表も大本営発表になってきたなぁ。

とりあえず東京電力には放射線物理学の実験・測定・評価がきちんとできる人材がいないらしい。おいらはそう判断してる。てことで、公表されるデータの信憑性を疑ってる。真実は公表データよりいい方にも悪い方にもあり得るってことで、何も分からないのと同じ。

つか、東京電力の偉い人たちってさ、物理学や工学の音痴だろ。なんでこんなへなちょこどもが、国の未来を左右するほどの巨大なリスクを扱う技術企業のお偉いさんなんだろう。理解も説明もできないんじゃこういうとき手も足も出ないだろ。部下に適切な指示出せったって無理だろ。タッグを組む政治家が各専門について泥縄になるのはしょうがないとして、東京電力のこの体たらくは何なんだと。専門知識もプロ感覚もなしに「日本の原子力は絶対に安全です」と長年言い切ってやがったのか。東北電力もそうなのかなぁ(ぶるっ)

どうも発表側、ステルスマーケティングを使いだしたみたいだしさ。

国内の第三者的立場を思わせる機関や人物がしきりに「安全です」を強調してる。もしかしたら本当に発表側と無関係で、正しい情報を伝えようとしてるだけのもあるかもだけど、どうもそうでもないようなのも混じってる感じがして。

東大病院放射線医療チーム、怪しいよなぁ。公式 Twitter でのおかしな見解がいくつもツッコまれて、そのたびに訂正して、プロの研究者なら絶対やらかさない杜撰な間違いまで出して、そしてついに3月25日で更新が止まったよ。たぶん、まともな知識を持ってる一般人から総攻撃を食らって、自分たちでも「もうこんなじゃ世の中の不安を煽るだけだ」と判断したんじゃないかな。それでもう何も言わないことにしたんじゃないかと。

もしかしたら書き込んでたのは、下っ端のわけの分かってない学生だったのかもしれない。それでこんな無責任な情報を出してしまったのかもしんない。けどさ、権威ありありの看板をしょってるんだぜ。一般人がそれ読んだら普通、信用して鵜呑みにするよ。

科学者だって間違う。そこをツッコまれたら確認して、間違いを認めたらすぐ訂正。まぁ科学者らしい姿勢を貫いてる面は好感を持てる。けど、緊迫した場面で、頼ってる人たちに向かって何度もそれを繰り返すのってなぁ……。いやほんと更新を止めたのは正解だよ。できればこのままアカウントを削除してネット上から消えていただきたい。今のままじゃ混乱を招く過去ログ垂れ流しまくりだからな。

前にも書いたけど、名無し顔無しの謎の「専門家」も出てるしな。そういう記事をここに列挙しようかと思ったけど、YAHOO! ニュースで検索して、配信元の URL を探して、リンクを貼って、本文をコピペしてこのページに合わせた HTML タグを入れて……とか考えてたけど、吟味する時点でヘトヘトになっちまったんで、選んだ8本を、YAHOO! ニュースからそのまんまコピペした .txt 書類を作るにとどめたわ。コチラ。選んだ基準は、

8日間で計8件。産経新聞4件、読売新聞4件。そうかこの2社か。世論誘導の疑いアリと。誘導してるんだとしても、自社の独自判断でなのか、発表側から頼まれてるのか、それとも阿吽の呼吸でどっちつかずなのか。どうなんだろねこれ。

マーケティング学じゃ一応、程度によるだろうけどステルスマーケティングの手法は基本的に邪道ってことになってるみたいだし。ヤラセだからね。本人が認めなくても、怪しまれればそれだけで信用ガタ落ちっつう、そこまでリスクを踏む価値のない手口だと思うが。

過去にあったステルスマーケティングの例でおいらが覚えてるのは、映画『ハリー・ポッター』1作目。公開前から週刊誌のページを買い取って、提灯記事を書かせてた。まだ誰も観てないのに「なぜここまで面白いのか」とか書いてたもんな。それ以外に正攻法の宣伝も合わせて、公開前から「素晴らしい」としか言っちゃいけない空気作りにまんまと成功してたよ。んでその偽記事、隅っこに小さく「これは広告です」と書いてあったんだわ。この文言を入れるとセーフらしい。

だから今回の「安全です」誘導も、付け足し程度でいいから「これは世論誘導です」と書いたり言い添えたりしろよって話。それが仁義らしいからさ。

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3月31日補足: 東大病院放射線医療チーム、28日からまた書き始めてる。復活のお言葉は、

”放射線のひみつ”を知って頂きたい。そんな願いから、Twitter: team_nakagawaを立ち上げました。現在、24万に近い方からフォローされてますが、Twitterという形式(だけ)では、誤解や混乱を招くことも分かりました。本日から、ブログ形式で、情報発信を開始します。

全部 Twitter が悪いことにしましたな。つか呑気な文体だなぁ。自分がどんな立場で何をやらかしたのかまだ気付いてないのか、気付いてないふりしてるのか。

ブログも一応見てみたけど、そもそも論から入るんだね。そりゃまぁ読む方に基礎知識が身に付けば話もしやすいんだろうけど、そこから始めるんかいっつう感じがして。熟読して理解したときには手遅れかもしんないってときに。3月29日のログの結びは「このことを皆様との共通認識としておくことはとても大事なことと思いブログに記載いたしました」。

いやーどうだろ。それは信用がある人や組織が呼びかければそうだけど、自爆しまくりで信用なくなっちゃったじゃん。そんな状態の人に「私の言うことを信じてください。話はそこからです」と言われたって。その前に、なんであんなひどい事態を起こしてしまったのかの仕組みを解明して、再発防止対策とその実行ぶり、改善ぶりも公表したらいかがかと。

銘板
2011.3.28 月曜
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タガを外すと取り返しがつかなくなりそうな話

また世論誘導の話。

「放射線量が基準超え」となるとすかさず「直ちには健康に影響はない」と来るけど、ごまかしなのがそろそろバレてきてるね。すぐさま具合が悪くなったりはないだろうけど、数年後や数十年後はどうなのか、そこでずっと暮らせるのか、ここが心配なんだよね。そこには答えずに、「安全です」の印象を植え付けようとしてるのがバレバレ。

東京の水の方もそんな感じだね。この忙しいときにパニックや訴訟を避けたいのは分かるけど、「基準値を超えたが問題のないレベル」とか言うと、それはそれで混乱を招くでしょ。基準値ってのは「ここから上は問題あり」っつう決まり事なんだからさ。

「基準値は厳しめに設定している」てのも当たり前の話。こういうのはグレイゾーンがあるから、どこから安全を保証できるかってのはいつでも厳しめにするものだよ。で、その値を超えたら品質を保証しないってんだから、やっぱし問題ありなんだわ。超してしまってから基準の方を甘くするなんてのもご都合主義じゃないかと。ルールを守らせる側が時々の都合でこんな特例を乱発し続けると、ルールの価値も存在意義も揺らぐよ。世の中を無法地帯にする気かね。

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放射線量と対処のゴマカシ報告、今はあんましツッコまないほうが事態の収束が早くなるってことですかねぇ。で、事態の結果が全部出て、もうどうにもならなくなってからツッコめってことですかねぇ。まぁ確かに発表側の都合だとそうなりますわな。んで、こっちがわざわざ発表側の都合に合わせるべき理由が見当たらないんだが。つか、ごまかされたせいで被害が拡大したりってのもありそうな気がするんだけど、具体的にどこがどういう具合にそうなるのか指摘できんと、こっちがデマ野郎になっちまう危険もあったりして(汗)

東大病院放射線医療チームの例もあるから、半可通な科学知識で判断するのは自分に関することだけにして、この状況でそういう自説をひけらかすのはなるべく控えますわ(放射線量の減衰についてはもう出しちゃったけど。間違ってないみたいだし、あれはいいか)。無責任に世間を騒がせないようにっつうより、重ねて東大病院放射線医療チームの例から自爆予防として。

銘板
2011.3.29 火曜
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半減期アゲイン

なんて舌の根も乾かないうちにアレだけど、もういっぺんリマインダー的なソレで。

「半減期」って放射線物質が生成されてから放射線量が半分に弱まるまでの時間だよ。「半減期を過ぎれば安心」って意味にはなんないよ。例えばヨウ素131が生成された日に基準値の1000倍だったとしたら、8日経ったら500倍でまだまだ全然危険ってことだよ。だから「ヨウ素は半減期が短いから比較的安全」っつうコメントは信用しない方がいいよ。「比較的」もミソ。なんとなく安心できそうな表現だけど、何と比較してるのかっつうと、当然もっとヤバいものとの比較ですな。大量の放射性物質は何でもそれなりにヤバい。「比較的安全」なヨウ素131でも量があればヤバい。そしてそれより危険なやつもあるってこと。

だからさ、放射性物質がいろいろ出まくってる中、ヨウ素131だけ話に出して「ヨウ素131は半減期が短くて比較的安全だから安全です」はゴマカシだと思うがなぁ。

チェルノブイリの周辺住民のその後の健康調査から、人体への作用で言うとセシウム137(半減期30年)はヨウ素131よりヤバくないってことになってるらしい。けどあれから25年なわけで、セシウム137は半減さえしてないはず。てことで、「セシウム137なら摂取し続けても健康被害は気にしなくていいレベル」とはまだ結論できなさそうだし。

銘板
2011.3.30 水曜
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NanoSail-D

あんまし気詰まりな話題ばっかりで、ほんとに気詰まりになってきたよ。読まれてる皆さんにもそんな気分にさせてしまったかも。ほんとごめんなさい。

けどエンタメ系な話題ってのも出すのがまだちょっと気が引けるというか、そんな気分にもあんましなんないというか。

てな感じで、久しぶりに宇宙機もののナイスな話題でも。

アメリカのソーラーセイル機、いろいろあったけどうまく飛んでるらしい。

Wikipedia によると、今飛んでるのが "NanoSail-D2" で、それに先立つ "NanoSail-D" は2008年に打ち上げ失敗で失われたってことらしい。持ち主の NASA では、今の機体も "NanoSail-D" と呼んでるね。ロケットからの分離が1月20日で、それから70〜120日で大気圏に再突入しちゃうそうだから、もう軌道上にないのかもしんないけど、そうかーソーラーセイルがまた飛んだかー(感慨)

写真を見た限り、"NanoSail-D"(以下 "NSD")と名付けられた機体、日本の IKAROS と共同で打ち上げ前キャンペーン(資料)を張ってた "LightSail-1"(以下 "LS1")とまったく同じに見えるけど、その関係はおいらは分からん。同じものかな。

NanoSail-D
↑NanoSail-D
 
Solarsail-1
↑LightSail-1

違いが分からんw

日本の IKAROS のほうは目標完遂で後期運用(さらにデータと経験を積む段階)に入ってて、今も元気につぶやき中。地球から1.4億km も離れて通信がキツくなってきてるみたいだけど、はやぶさ はその倍以上の距離できちんと通信できてた。まぁこれからもしばらくは大丈夫でしょう。

ていうかアレ?……こ、これは……。

探査機・衛星からの応援

IKAROS、あかつき、はやぶさ、みちびき の4機だけじゃなく、DCAM1 と DCAM2、それに はやぶさ の再突入カプセルとミネルバも。みんなありがとう!(激涙)

長野県でもでっかい地震があったけど、うすださん無事だったみたいだよ。

ていうか「宇宙から」って はやぶさ とカプセル、あんたらは地球に戻っただろw

NSD に戻ろっと。原因不明でロケットからの分離に失敗したかと思いきや、打ち上げから1カ月以上経って勝手に分離に成功(こっちも原因不明だけど結果オーライだね)、生きてソーラーセイルの展開に成功したみたいだけど、光子推進は確認できたんだろうか。

……そうか通信機能はビーコン発信のみなのか。んでバッテリーが切れると運用終了。このサイズだもん、バッテリーはそう長くは持たないよなぁ。数日程度かな。

LS1 だと本体が花みたいに開いてる部分は太陽電池に見えるけど、NSD はそうじゃないのかな。NASA の公式サイトに大きな写真があったから、その部分をアップにしてみる。

NanoSail-D 本体

太陽電池、つけてないね。

憶測だけど、NSD はセイルの展開確認のみが目的の衛星だったのかなぁ。で、同じ展開機構で太陽電池も積んだ LS1 が後から打ち上げられて、それで光子推進を確認するってことなのかなぁ。

もしかして NSD と LS1 ってサイズが違うのかな。

NSD の帆の面積は 10m2 なんで、正方形だから1辺の長さは約 3.16m。LS1 計画を進める惑星協会の公式サイトによると、帆の面積は32m2。1辺の長さは約 5.66m。これが違いだったか。となるとやっぱし NSD は LS1 の縮小型の機能限定試験機だったと思われ。そして、LS1 は将来計画の試験機の位置づけなんじゃないかな。IKAROS も日本の木星探査機の機能限定試験機だしな。

とりあえず NSD でセイル展開に成功したのは確認できたわけだ。骨がない IKAROS 方式(自転の遠心力で帆を張る)と違って、こっちはマストに帆を張る仕組み。2通りの方式が実証されたってのは、ソーラーセイルのこれからの見通しがますます開けたってことになるね。用途や条件で適した方を選べるんで。競合して戦うことになるかもしれんけど、それはまだまだ先の話。棲み分けで共存するかもしんないしさ。

NSD の通信は恐らくもう途切れてる。再突入したかどうかは、公式 Twitter だと3月26日時点でまだ飛んでるね。おおお、日本に励ましのメッセージをいただいてるぞ。

NSD から日本へメッセージ

To my friends in Japan, I hope that you are safe and well. To those who have experienced tragedy, you have my condolences. Best wishes, NSD.

日本の友人たちへ、これからのご安全とご復興をお祈りいたします。悲劇に遭われた方々へ、哀悼の意を捧げます。願いを込めて。NanoSail-D。

日本語訳はちょっと適当な部分あり(汗)。NSD、ありがとう。君も軌道から日本を眺めたことだろう。今はこんなになってしまったけど、また立ち直って衛星や探査機を飛ばせるようがんばるよ。

銘板
2011.3.31 木曜
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LightSail 計画

LightSail 計画の画像を見つけたよ。

LightSail 計画

計画によると

「L1」ってのは「ラグランジュ点1」のこと。文脈から、太陽 - 地球の L1 ですな。地球から太陽の方向に150万km 離れた空間領域。

ラグランジュ点

なんだ IKAROS より近いじゃんってのは言いっこなしでひとつ。IKAROS は自力じゃなく、H-IIA ロケットのパワーで地球の引力から脱出した。自力じゃ地球の強力な引力に逆らったことないのよ。LS 計画はそこをやろうとしてますな。

L1 って特別な場所で、かなり便利なんですわ。地球と L1 とを低コストで連絡する手段を確立するのって大事なんですよ。はやぶさ& IKAROS の川口淳一郎先生も将来構想として、この L1 に宇宙基地を作って太陽系第航海時代を展開しよう、と言ってるしな。

川口先生の構想だと「地球 ←→ L1 は従来型の化学ロケットと再突入機で、L1 ←→ 深宇宙はイオンエンジンやソーラーセイルで」となってるけど、アメリカの惑星協会は「地球 ←→ L1」をさらに「地球 ←→ 地球低軌道」「地球低軌道 ←→ L1」の2つに分ける。このうちの「地球低軌道 ←→ L1」をソーラーセイルに担当させようというわけ。そのぶん、地球発の化学ロケットと地球帰還の再突入機はより近いところとの往復でよくて、そのぶん輸送コストを下げられる。まだどっちのやり方が行けてるのか分からん。だからそれぞれが信じる道をそれぞれで進むわけですよ。こういうの、開拓者の特権だなぁ。

川口構想は外堀から埋めてますな。惑星間空間でイオンエンジンとソーラーセイルが使えることを実証して、データも豊富に取った。L1 より向こうの領域ですな。アメリカは実はもう L1 の常連客。いろんな探査機が従来型の化学ロケットで L1 まで個別に飛んで、その空域に滞在して科学観測をしてきた。だから川口構想の「地球 ←→ L1」側はもうアメリカは確立しちゃってるわけ。てことでたぶんアメリカはさらなる技術を求めて、LS 計画で L1 に行こうとしてるんじゃないかな。

2010年に LS1 を打ち上げるはずが、それは成らなかったらしい。けど NanoSail-D が成功。LS 方式の太陽帆が軌道上できちんと展開できるっつう実証はできた(日本も太陽帆の展開は何回か予備実験したけど、結局きちんとした実証データを得られなくて、IKAROS はぶっつけ本番に近い形だった)。そしたらメリケンさんこれからどう来るかだな。アメリカは開発・実行のスピードが日本よりべらぼうに速いからな。てか日本の宇宙開発がことさらに遅いんだけどさ。

アメリカって外敵がいるとやたら本気出して、勝つまでやめないからなぁ。NASA はソビエトとの宇宙競争に勝つために生まれた組織だしさ。

日本が第二次大戦後に経済成長し続けたら、80年代になってアメリカはそれを一方的に「経済戦争」としてとらえるようになった(日本側は「貿易摩擦」としてとらえてた)。それから20年、アメリカは中流層を潰して貧富の差を拡大してまで経済成長にこだわって、ついに日本を負かした(実は日本がバブル崩壊で自滅しただけ)。ところがアメリカが強くなったのはどっちかつうと工業生産よりもマネーゲームの分野で、その意味でより強くなった上流層がサブプライムローンで低所得層からさらに搾り取るようになって、それが原因で自国経済がガタガタになった上に世界に大不況をまき散らしたけど、そこは特に気にならないらしい。

んで東日本大震災で日本の部品や素材の輸出が止まったら、世界中の多くの製造工場が止まってしまった。アメリカからの輸出が止まったとしても世界はここまで困らないだろう、つまり日本との経済戦争に勝ったというのは幻想だったのだ、なんてニューズウィーク誌が書いてたな(記事)。日本としてはアメリカと経済戦争なんてやった覚えないから、前提からして幻想なんだがね。ここまで円高が続いて(1ドル140円を割ったのってここ20年ほとんどないと思う)、日本企業としては外国に売っても売っても利益はトレーダーが横取りっつう状況だしさ。

金融先進国アメリカのファンドはそうやって日本企業の横にひっついてたってことかな。それで見かけ上、日本よりアメリカが稼いでる形になってたってことかな。そりゃ今のアメリカの稼ぎ頭の投機屋が災害で止まったとしても、世界はそんなに困らんわな。むしろ代金の横取りがなくなって、商品を売る方も買う方も助かる。

「今度も負け戦だったな。……勝ったのはあの為替屋達だ。わし達ではない」(七人の侍)ですな。

てことで、マネーゲームで差額を抜き取るんじゃなく、昔も今も変わらず商品の価値で富を生み出し続けてたことがバレちゃった日本を、アメリカはまた敵視し始めたりはしないかと。80年代のアメリカからの無茶な外圧、思い出すのもイヤだよ。ニューズウィークさん、その指摘をしてくれたのは日本人として嬉しいんだけど、もしかしたら日本の将来にとってヤバい指摘だったかもしんない(ただでさえ超赤字財政と震災と原発事故でキツいのに)。

そうなっちゃうと IKAROS の成果も、LS 計画を発展させてなりふり構わず追い落とそうとするんかなぁ。はやぶさ の成果でも NASA がピリピリしてるみたいだしさ。

てなことで NASA ひいてはアメリカとしては、「私をあまり怒らせない方がいい」(ハシビロコウ)ですか。

どうか「オペレーション・トモダチ」が日米友好の最後の輝きになりませんように。

メリケンの旦那様、LightSail-1 がかつて、ともに盛り上がりがいまひとつだった IKAROS と一緒にキャンペーンしたことを忘れないでいてくれー。

銘板
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