ひとりごちるゆんず 2010年11月
銘板
2010.11.1 月曜
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その不死鳥は7年前の混沌から生まれた 10

はやぶさ は火星探査機 のぞみ の経験を活かしたのが特徴だけど、その中でも情報公開が徹底されてた。あの時代よりはるかに普及したインターネットを駆使して、ISAS の側から積極的に はやぶさ の最新情報や関係者のコメントが出て。ISAS メールマガジンも はやぶさ 打ち上げ後に始まって、はやぶさ ファンはいろんな関連情報をこれでもかと得られるようになった。

2005年のイトカワ探査でもその威力を存分に発揮できて、世界中に はやぶさ ファンを作って、大いに盛り上がった。2007年には はやぶさ が取得したイトカワの学術データを太っ腹に大公開。これでまた世界中のファンがいろいろ楽しく遊んで、その成果を公開しあったりもして。喜びのあまり、おいらも参戦したですよ。CG での再現でなく実物写真でイトカワの立体感を楽しめるコンテンツ、たぶんほかにないかとw

JAXA の はやぶさ 公式サイトとは別に、はやぶさチームは独自に プロジェクトサイト」 をやってて、はじめはこっちのほうが、最新情報がより詳しく載ってたと思う。まぁ後半は両方が同じ内容を出す形になったけど。

てことでプロジェクトサイトを折に触れてチェックする日々が続いたわけだけど、2007年10月30日ぶんの國中先生が書かれた記事は、最後がちょっと刺激的だったよ。全文転載。

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はやぶさ復路第1期軌道変換を完了
 
「はやぶさ」は、本年4月よりイオンエンジンによる動力航行を実施しておりましたが、予定通り第1期軌道変換が達成できたので、10月18日にイオンエンジンを停止させました。ここまで、イオンエンジンの宇宙作動時間合計は3万1千時間、軌道変換量1,700m/sに達していますが、推進性能も推進剤残量も十分に余力を残しています。精密な軌道決定の結果、目標通りの誘導が確認できたので、 24日に、リアクションホィールを停止して姿勢制御を一旦スピン安定モードに移行させました。
スピン安定に入っても発生電力を最大限に維持するため太陽を追尾し続ける必要があります。
キセノン推進剤を温存するためガスジェットを用いずに、太陽輻射圧を用いたスピン軸制御のみで、太陽電池を常に太陽指向させる微妙な姿勢制御を実施します。この方法で2009年2月まで運用し、その後第2期軌道変換としてリアクションホィールとイオンエンジンを再起動し、2010年6月の地球帰還に向けて動力航行を再開する予定です。今後も引き続き各搭載機器の状態に注意を払いつつ、最大限の努力をもって、「はやぶさ」運用に取り組んで参ります。地球帰還までの残り軌道変換量は、たったの400m/sです。
 
國中 均
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依然厳しい状況にあってなお前向きなご報告なんだけど、「地球帰還までの残り軌道変換量は、たったの400m/sです」って、「たったの」って……。なめてかかってるということはないはずで、現実を知る当事者として、自信のほどを示したんだと思う。それでファンを安心させたかったんだと思う。けど知らん人からすると「なめてかかってる」と取れなくもないわけで。しかも万が一のことがあったら、マスコミにとっては格好のエサなわけで。大丈夫かなぁ迂闊じゃないかなぁと別な意味で心配な感じがして。

でも当事者が言うんだからきっと本当に「たったの」なんだろうとも考えた。でも打ち上げから地球スイングバイまでのまる1年、エンジン3基全開での加速量が 700m/s くらいだった。今この満身創痍の状態で、新品時代の年間加速量の半分以上は本当に「たったの」なのか? とも思ったりして。

案の定というか、しばらくしたらこの表現が削除されてたと思う。で、まだ削除されっぱなしかと思って今つないだら、しっかり復活してたw 勝てば官軍ww

これ発表されたの2007年10月末か。そのちょうど2年後、エンジン停止でこのままじゃ帰れないっつう超ド級の大ピンチが訪れようとは、このときの國中先生は知る由もなかったってことですなぁ。まぁ先生が「こんなこともあろうかと」事前にイオンエンジンに仕込んでたバイパス回路で鮮やかに解決しちゃうんだけどさ。そして、軌道変換は再突入3カ月前っつうギリギリのタイミングで完了したんだけどさ。って結局あんまし余裕ではなかったですなw

こういう文面の操作、ウェブページじゃ自由自在だけど(おいらもよくこの日記のバックナンバーを加筆訂正してる)、メールじゃできんわけで。確かこの文書、ISAS メールマガジンに載ってしまってたような……。

銘板
2010.11.2 火曜
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その不死鳥は7年前の混沌から生まれた 11

はやぶさ の功績っつうと、学術的には小惑星科学への多大な貢献ですな。学問上の新見解・新展開を促す貴重なデータをかつてないほどどっさり送ってきたのみならず、最後には小惑星の地球衝突シミュレーション実験で、自らが小惑星の役どころになって本当に地球に突っ込んだ。

世間的には「感動をありがとう」ですな。つまずいてもつまずいても立ち上がり、最後まで諦めずにがんばり抜く姿は再突入前から新聞で「健気」とよく書かれてた。しかも、やっとの思いで故郷に帰って使命を果たすと同時に、自分は火に包まれて死んでしまう悲劇的な結末。しかもそれが事前に分かってるのに、誰も助けてやれないという現実の壁。間違いなく泣ける話なわけで。

ほかに「日本の実力を世界に示した」もあるし、民主党政権(とりわけ蓮舫)を困らせてやったことに価値を感じたりする人いるかも。

おいら的にはもう少し別な功績を感じてたり。

何よりこの冒険は面白かった! 復路での「続々やってくる難問をジョジョ顔負けの奇策で次々に解決」がことさら有名になってしまったけど、現地での小惑星探査、これ自体がキョーレツに楽しかった。

はやぶさ がイトカワを訪れるまで、小惑星はプロの研究者以外にとってつまんない/マニアックすぎる探査対象だと思ってた。あるいはレベルが惑星より一段落ちる探査だと思ってた。水星から海王星までの惑星にはもうソビエトとアメリカの探査機が飛んでる。小惑星・彗星だっていくつかは NASA が探査済み。もう太陽系には前人未到の処女地はないもんだと思ってた。

小惑星なんてどれも同じだと思ってたのに、はやぶさ がイトカワに行ってみたらば毎日が驚きの連続。「小惑星や彗星は、太陽系ができた当時の情報がそのまま保たれている、いわば『太陽系の化石』または『タイムカプセル』」という表現は、はやぶさ が打ち上げられる前から折に触れて何度も見てきた定型句的なものだけど、「ふーん」で流してしまってた。それを実感できたのは、はやぶさ がイトカワの探査を始めてから。もうセンス・オブ・ワンダーでしたよ。

それと、冒険そのものの楽しさ。小惑星なんてどれも同じじゃなかった。ひとつひとつに個性がある。ひとつひとつが人跡未踏。道なき道を切り開いて現地に赴いて、謎のベールをはいでいく楽しさったらないよ。旅の道すがらも一筋縄じゃない。アメリカやロシアならもう慣れた道かもしんないけど、自前の装備と技術と知見を、未熟と知りながら全部投入して、その過程すべてを自らの血肉にしながら進んでいく。これ、自前じゃなきゃ身に付かないことでして。はやぶさ の機体は純国産じゃなく、要素部品のいくつかはアメリカ製。その部分のノウハウは日本国内に積み上げられなかったけど、それ以外は全部、貴重な経験として自分のものにできた。

それまでの太陽系探査を登山に例えると、頂上を調査したら任務完了だった。けど はやぶさ は頂上を調査したうえにそこで採取した石を持って、山を下りて家に帰るまでをやりきらなきゃならんかった。帰りは猛吹雪で何度も死にかけた。でも成し遂げた。

惑星間空間にある別の星から地球に帰ってくることって、前例のない画期的なことなんだけど、無謀なことでもある。しかもアメリカでもロシアでもなく日本がいきなりそれをやろうってんだから、無謀にもほどがある気がするわけで。事実、MUSES-C 計画(打ち上げ後に「はやぶさ」と命名)が公表された折、NASA の科学者で本気で心配してくれて、思いとどまるよう助言した人がいた。「そんな大それたことをしたら、組織規模の小さいあなたたちはすりつぶされてしまうでしょう」と。本気で心配されるほどドン・キホーテな計画だったわけで。恐らく NASA 内部には、嘲笑する人たちもいたんじゃないかな。NASA でもそうそうできないことを、予算10分の1で経験も浅い ISAS ごときにできるもんか、と。でも成し遂げた。

ちなみに心配してくれた科学者さん、イトカワの探査が成功したあと賞賛と謝罪のコメントを出してくれたよ。5年も前なんでソースを思い出せないけど。今年の6月13日、彼はどんな思いで はやぶさ を迎えてくれたかなぁ。

銘板
2010.11.3 水曜
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その不死鳥は7年前の混沌から生まれた 12

はやぶさ の功績をもうひとつ。

惑星間空間の星から飛び立って帰って来たってのは、かなりエポックメイキングな事件だった気がして。それまでのサンプルリターンってのは、まずはお月様。これ地球の引力圏内なんだわ。領内の出城に行って帰ってきたノリ。

惑星間空間だと NASA の探査機2機が帰って来てる。太陽-地球のラグランジュ点 L1 に行って太陽風の物質を持ち帰った ジェネシス(カプセルのパラシュートが開かなくて地上に激突。残念なことにサンプルは地球環境に汚染されてしまったそうな)と、ヴィルト第2彗星の尾を通り抜けてその物質を持ってきた スターダスト。ジェネシスが行った L1 を惑星間空間と言いきれるかどうかはちょっと微妙だけど、スターダストの方は間違いなく惑星間空間を旅した。けどフライバイなんだよね。着陸してないからそこから飛び立ってもいない。自らの公転軌道のみを辿って地球に戻ってきた。

2005年あたり、はやぶさプロジェクトマネージャーの川口淳一郎先生が「月より向こうのサンプルリターンはスターダストの方が先ではないか」と質問されたとき、こんな回答をされた。「スターダストは、山手線にのって、新宿駅あたりで 電車の中から外を飛んでる砂粒を集めて帰って来るようなものです。 はやぶさがやろうとしているのは、新宿駅で途中下車して それでまた電車に乗って帰って来ること。 目的地で電車を降りて、帰って来てこその旅行だと思うんです」と(ソース不明。この文自体は2ちゃんねるのまとめを今さがして貼りますた)。

この違いってスターダストをやったアメリカ人だと「同じじゃないか」となるかもだけど、はやぶさ の国に住んでるおいらにとっては決定的に違う。

「異星発、地球行きの旅を体験できた」。

決定的なのはココ。はやぶさ の旅の最後に対する世間の盛り上がりは「帰ってくること」が主眼ではあったけど、おいらもそれで盛り上がってたけど、それでもときどき はやぶさ が異星からの来訪者にも思えて。それを迎えてる気もして。さらにイトカワ星人の気分になって、大気のない岩だらけの荒涼とした小さな星を飛び立って、空と海に包まれた、生命と知性が溢れるまったく別 の巨大な星に向かう苦難の道筋にも思えて。この視点を楽しませてくれたのが はやぶさ ですよ。

はやぶさ は往路と復路で、それぞれの星からの使者として2役をこなしたってことだね。どっちもお土産を携えて。地球からイトカワへは、88万人の名を刻んだターゲットマーカーを。地球名物の文明と知性と技術ですな。イトカワから地球へは、太陽系誕生の謎のヒントと新たな謎が詰まった微粒子を(これ、微粒子がイトカワ由来と確定した後に書いとります)。

やっぱりさ、スターダストとは違うのだよスターダストとは。

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帰りは結局、山手線を3周しちまったなw

銘板
2010.11.4 木曜
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その不死鳥は7年前の混沌から生まれた 13

はやぶさ の思い出。

2009年の紅白に さだまさし が出演してさ、『案山子」を歌ったんだわ。

はやぶさファンは出演者発表の時点で色めき立ってた。「来年 はやぶさ が帰ってくることを NHK が意識してるんじゃないか」「『エンジンが寿命で帰還不能→ニコイチ運用で鮮やかに解決』はそこまでインパクトあったか」なんて感じで。

いや結局、「故郷を思う歌特集」かなんかでたまたまそうなっただけだったんだけど、それでも妄想系 はやぶさ ファンは喜々として疑惑を捏造する。「いやいや、企画を通すためにそう見せかけただけで、発案者は絶対狙ってたはず。NHK さすがだ」。

……、

……、

……。

まぁなんてーか、ここで言う「妄想系 はやぶさ ファン」っておいらなんですがねw

銘板
2010.11.5 金曜
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電子書籍で復活希望 1

最近は電子書籍がいろいろ話題になってるよね。iPad が火を点けた感じだけど、その前からいろいろ出てて、iPad は爆発的普及の引き金の役割らしい。けどこれアメリカの話。日本でも iPad がすごい売れまくってるそうだけど、電子書籍の品揃えはまだまだこれかららしい。

で、新人やベテランの作家さんたちの一部は、出版社と組んで電子書籍リーダーに特化した新作を積極的に出していくって方針だそうで。まぁ普及を加速させるにはいいんだけど、おいらが電子書籍に期待するのはちょっと違ってて。

絶版本を出してほしいのよ。初版で終わってしまって第2版の予定が立ってないやつとか。そういうのを、古本屋を探しまわらなくてもいいように、Amazon の妙に高い中古価格にため息つかなくてもいいように、出してほしいなと。別に電子書籍リーダーに合わせてリニューアルなんてしなくていいから。

なんでも電子書籍は値段が安いらしいし。考えてみりゃそりゃそうだわ。いったん電子化して販売リストに入れてしまえば、印刷・製本も在庫管理もやんなくていい。返本もない。流通コストもほとんどタダ。そりゃぁコスト下がりまくりで値段も安くなるわな。あと契約内容によりそうだけど、作者への印税もパーセンテージが上がったりするとか。

これの真価って、メジャー作家の最新作の売り出しもいいけど、ジャンル的にどうしてもメジャーにはならない「その道のマニアックな有名人」の著書により脚光を浴びせるところにあるんじゃないかと。紙媒体はスケールメリットが黒字ラインを決めるから、部数をさばけるかどうかで出版できるかどうかさえ決まる。だから、読者層が少数という理由が、出版するかどうか、出版しても初版だけで終えるかどうかが決められてきた。情報の価値とは別なところだね。そういう商業的なハードルがどーんと下がるんだもん、今まで不利な立場に押し込められてたジャンルの作家たちへの福音ですよ。出版社にもメリットがあるわけで。今までそういう理由で絶版にしてた書籍は死んだ財産だったけど、リスクなしでまた稼働させられるんだもん。

「紙の本じゃないと」という向きもあるだろうけど、それだと絶版は絶版のまま。新たに読めない。インターネットが普及しだしたとき、「紙の手紙じゃないと」という人たちが多くいたけど、棲み分けの形でメールもしっかり普及したよね。書籍の電子化の場合はメールと完全には同じじゃないけど、こっちもまあそうやって反発を受けながらも、だんだん普及して紙媒体と折り合っていくんじゃないですかね。

具体的にはですな、松浦晋也の『恐るべき旅路」。火星探査機 のぞみ を扱った、アツくて爆涙のノンフィクションストーリー。これ読むと はやぶさ の苦難の旅をより深く味わえるっつう、ロケットに例えるとブースター的役割を果たしてくれる本。固体燃料に例えると昇温添加剤のアルミ粉末の役を果たしてくれる本。そんな感じ(はやぶさ もちょっとだけ出演してる)。つうか はやぶさ 抜きの単体で素晴らしい読み物なんだけど、はやぶさ が帰ってきた今読みたい本。これの電子化を希望いたしますよ。今こそが売り時なのに、このタイミングで絶版なんだよ。おいらは持ってるけど、はやぶさ で世の中が日本の探査機に興味が向いてる今、多くの人に是非読んでほしくて。

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一般製品の説明書も、いずれは電子書籍リーダーに無料でダウンロードして読む時代になると思う。そうなるとまたこれはこれでコストダウンになるんじゃないかな。PC のソフトの説明書がこぞって付属 CD-ROM やウェブで済ますようになったのが参考になりそう。

つか、「あの本はこのリーダー専用」とかそういう、家庭用ゲーム市場みたいな囲い込みが始まってるらしいけど、そういうのは是非ともやめていただきたい。

銘板
2010.11.6 土曜
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格言と実際

うすぼんやりとしか覚えてないけど、なんか格言めいたものを思い出して。

「国民全員が片目の国では、両目が見える人間は超人だ」

ていうやつ。この両目君は自分で超人だと思うかもしんないけど、国民はそうは取らないと思うなぁ。

どう取るか。

超人じゃなく変人。異常者。

たぶんそれが発覚するやいなや両目君は取り押さえられて、片目を潰されるでしょうなぁ。元・両目君は嘆き悲しむだろうけど、国民たちは皆こう言うだろう。「分かってほしい。君の幸せを真剣に考えてのことだ。普通であることは素晴らしいことなんだよ」と。嫉妬とかではなく、純粋に良心からの行動と発言で。

片目の国なんてファンタジーじゃなくても、現実社会で普通よりも物事の向こう側がちょっとでも見える人、周りの人よりも物事の本質をいくぶん見抜ける人も、きっと両目君と同じ扱いを受けてるんだろなってことで。

銘板
2010.11.7 日曜
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電子書籍で復活希望 2

おとといの電子書籍ネタの続き。

電子書籍に期待するものは採算ラインが低い書物の刊行なわけだけど、絶版ものから発展して、雑誌や新聞のバックナンバーも行けるんじゃないかと思って。雑誌だとさ、80年代のラジコンマガジンをまた読みたいんですけど。81〜86年あたりまでドバーッと、特別号も合わせて持ってたんさ。けど部屋掃除するときに全部捨ててしまって。今すげー後悔してる。古本で探すのも面倒だし、ここはひとつ PDF にでもして1部50円くらいで出してくんないかと。大人買いするからさ。mixi でも『80年代RCカー」っつうコミュが盛り上がってるくらいだし。

あの頃は RC カーのメジャー4ジャンル(12分の1オンロード、10分の1オフロード、8分の1オンロード、8分の1オフロード)で技術革新の時代でさ、次々と新メカニズムやそのライバルが現れては淘汰されて、どんどん洗練されていってたエキサイティングな時代だったのよ。当然、徒花メカが多くて、そのほとんどは日本発のアイデアだったなぁ。欧米のはとにかく論理的で効き目があったのに、日本のはだいたいマンガを実物化したような代物だったわ。まぁワンウェイベアリング四駆システムは日本発で世界基準を果たしたけど。

新聞のバックナンバーは、できればタダで読みたい。広告とセットでどうですか。1部10円でもいい。1記事5円という形でもいい。過去の宇宙関係の記事を読みたくて。注目は、1994年8月28日打ち上げの H-II ロケット2号機とそれで打ち上げた衛星 きく6号。この記事を各社読み比べしたい。誰が最も凶悪な犯人なのかを知るために。

マスコミ各社、素人のまま報道したもんだからとんでもない誤報を出しまくった挙げ句に間違いに気付かず、ウソを垂れ流したまま訂正もせずにほっかむり。そのまま今に至ってるんですわ。そのウソは3つ。

  1. 「H-II ロケット2号機は打ち上げに失敗」→打ち上げに成功。H-II の仕事は静止トランスファ軌道までの輸送。これは完全に成功した。衛星が自力で静止軌道に行くまでに、衛星にトラブルが発生した
  2. 「きく6号はどこへ行ったか分からなくなり、行方不明のまま二度と見つからなかった」→行方不明になどなっていない。定常運用中の不測の通信途絶は一度もない。予定の静止軌道への投入には失敗。最大限に運用できる軌道に持っていって、寿命まで運用した。つまり最善を尽くした
  3. 「開発費440億円が無駄になった」→予定の実験の6〜7割をこなしたんで、少なくとも264億円ぶんは元を取った計算。さらに機器がヴァン・アレン帯に長く曝された場合の劣化状況のデータを取得して、その後の衛星開発に役立てている

上に書いたとおりの記述じゃなかったのかもしんないけど、マスコミはこんな印象を持たせる記事を出して、世の中は今もそのとおりに受け止めてる。このまえ喫茶店のカウンターで隣り合わせたオッサンは、あの時のマスコミが振りまいた間違った印象のとおりに信じてたよ。そうミスリードしたのはマスコミ。おいらも当時、その記事を読んだよ。読売新聞だったよ。今は記憶に頼るしかないもんだから、実際どうだったのか、どの新聞社がどんな歪曲をどれだけしでかしたのか、大変興味があるんだわ。

うちの地元・八戸は東京に遠いから、国会図書館なんて行けない。

……ハッもしや!

と、国会図書館にある全国紙バックナンバーをネット経由で自宅で読めるのかなと思ったら、やっぱ現地に出向いて専用端末から見ないといかんらしい。

それよりだったら、電子版のバックナンバーを出してる新聞社から買った方がいいわとなるわけで。で、今調べてみたら、新聞各社はバックナンバーのネット上での閲覧、とっくにやってたわ。PC で読めるらしい。朝日は内容によって、月額525円と3,150円。記事の検索サービスは1件84円。読売は月額1,575円。けっこう高いなぁ。

銘板
2010.11.8 月曜
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電子書籍で復活希望 3

ほかに電子書籍で復活してほしいものっつったらあんた、マンガでしょ。ええ。人気どころはもう電子化されてるみたいで、『あしたのジョー」はケータイで読めるらしい。

昨日の RC カーのネタから、『激突! ラジコンロック」読みたいっす。オフロード編の顛末が分かんなくて。ジョーと同じ講談社さん、ひとつよろしくお願いいたしますよ。あと藤子 F 不二雄の SF 短編集の評判がいいと聞いたことがあるけど、マンキツに行っても『ドラえもん」と『パーマン」しかないしな。安孫子氏の作品も耽読したいなぁ。

……、

……、

……。

ってアレ? ラジコンロックの古本がアマゾンで安い件。全9巻ぽっちだし買っちまおっかなぁ。

銘板
2010.11.9 火曜
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リメンバー・リメンバー・パールハーバー

「『真珠湾を思い出せ』を思い出せ」

アメリカ人は外国から受けた仕打ちには相当に根に持つ。見返してやるまで、あるいは報復をやりきるまで、絶対にその手を緩めない。

はやぶさ ってさ、その意味でさ、NASA の尾を踏んでしまったかなーとちょっと怖くなったて。

てなわけで、真珠湾というアメリカの出城を叩いた大日本帝国は、その報復として国全体を焼け野原にされた挙げ句、核攻撃まで食らった。

同時多発テロの仕返しで、アメリカはアフガニスタンとイラクの2カ国全体をそれまでよりひどい混乱状態に陥れたうえに、屈辱も与えた。勝つまでやめない&10倍返しの国ですなぁ。

2002年、日本がスパコン「地球シミュレータ」で計算速度世界最速を達成した折、アメリカではこれを衝撃をもって受け止めて、「コンピュートニクショック」と呼んだ。そんでなりふり構わず強力なスパコンを作って1位を奪還して、ようやく人心地がついたらしい。

コンピュートニクショックとは、1957年、ソビエトが世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げてアメリカ中が大騒ぎになった「スプートニクショック」に由来する。それまでアメリカは、自分以外に人工衛星をやれる国はないと信じてて、「いつでもいいや」とのうのうと構えてたところにいきなりやられて大慌てした、というもの。そこから米ソ宇宙競争が始まった。

アメリカは勝手に「月に人を送って着陸して、そこから地球に安全に帰ってこさせる」をゴールに設定。都合通りにアメリカがついに勝って世界の平和は守られたのだった、という、かなり手前勝手な解釈で仕返しを完了したことにしてる(米政府と NASA が、世界がそう思い込むように宣伝と印象操作をしたってだけ。宇宙競争全体で見ると、実はアメリカの方が負けが込んでる)。

しかしアメリカはスプートニクに慌てた理由として「ソ連はいつでもアメリカに核ミサイルを撃ち込めるようになったから」と言うけど、たぶんこれ方便。ほんとは単にナンバーワンじゃなきゃイヤだったからじゃないかと。コンピュートニクのときはもろにそうだった。「2番じゃだめですか?」ってレンホーさんアメリカに言ってくれよ。たまには2番でもいいだろうに。

宇宙競争の「勝利」は印象操作でのゴマカシだったけど、ともあれアメリカは、外国にプライドを傷つけられたと思うや否や、何倍もの仕返しをしないと気が済まないんだわ。田舎臭いと思われようが粘着質だと疎まれようが、何であれいつもこうなんですよ。

つか、ある出来事に対して自分のプライドを傷つけられたかどうかなんて本人の考えよう次第だから、あの国はいつも独り相撲の横車なんだなって見方もできちゃうな。

てことでさ、はやぶさ ってメリケンさんの仕返しリストに載せられる恐れがある気がしてきてさ、なんだか怖いような。連中はほんとなりふり構わんからな。向こうのどこがこっちのどこに何してくるのかほんとに分からんよ。みんな、くれぐれも無用の挑発はせんようにな。

特に NASA の本来の姿は、宇宙開発分野で外国を打ち負かすために作られた組織だからして。「宇宙開発のため」じゃなく「宇宙開発競争に勝つため」の組織だからして。なもんだから独自の路線を作るよりも、どっかが独自にやってることを真似して1位の座を横取りすることに長けてるんで。総合力でとっくに1位なのに、何みみっちいことやってんだか。

ほんとソビエトってアメリカと違って、宇宙開発の未来と方向性を常に示し続けたんだなぁ(しみじみ)。アメリカのプロパガンダで、悪の帝国が正義の合衆国に挑戦してきた、っつう構図にさせられちまってるけど。

真の宇宙開拓者のソビエトに対して、アメリカが描いた宇宙開発の未来は、月探査もシャトルもステーションも、結局1代限りであとが続かない。外国の企画をパクって乗っ取って「ざまーみろへっへーんだ」と言うのが活動目的なもんだから、いつもそうなるんじゃないかな。

……、

……、

……。

同業他社のアイデアを横目で見て商売を乗っ取るのってさ、マイクロソフトの手口に酷似してる気がする……。くわばらくわばら。はやぶさ がくれぐれも目を付けられませんように。

銘板
2010.11.10 水曜
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電気自動車が意識する大台

バッテリー式の電気自動車が最近出てきてるけど、気になる航続距離は妙に 160km を強調してる気がして。

なんでそんな半端な数字を、と思ってたんだわ。今の性能の限界がちょうどそこらへんなのかな、なんて思ったりもして。

けど分かった。これ、アメリカ市場を意識してるじゃないの? 160km は 100マイルだわ。

9,980円が10,000円よりも安い気がするのと同じで、心理的に、航続距離が99.8マイルより100マイルと言われた方が得した気分になるじゃないの。それで公称 160km なんじゃないかと。

ほんとは1回の充電で 320km(200マイル)は走ってほしいんだけど、今のバッテリーの性能とコストの兼ね合いじゃ、このくらいが限度なんだろうねぇ。原価の半分がバッテリー代だって話だし。

三菱と日産はそれぞれ販売ディーラーに給電スタンドを設けてて、相互に案内し合うよう協力し合うことになったそうで。日産リーフはカーナビに、現在行き着ける日産ディーラーを表示するようになってるそうな。そこに三菱のディーラーも表示されるってことかと。今のとこ足が短いバッテリー電気自動車の利用者にとって、すごくいい取り決めだと思うよ。

てかこの「ディーラーに給電スタンド」ってアイデア自体がすごくいいと思う。

世の中に給電スタンドがなかなか増えそうにないのが電気自動車のネックだったんだけど、実は設置はそんな手間じゃない。確かに、そういう設備は急速充電が必須だから 200V 電力が必要だけど、ガソリンスタンドみたいに地下に巨大なタンクを埋めて、危険物取扱免許を持った人が常駐しなきゃいかんとか、そこまで大規模な設備が要らないんだもん。設備費が大幅に安くなるし、規制も緩い。

けどデメリットとして、30分も居座られといて代金が何百円だから、メリット以上に回転率や資金回収率が悪そうってのがある。ガソリンスタンドなら10分で何千円か稼げるからな。仕入れ値は知らんけど。

さらに、電気自動車は基本的に家で充電するんで、給電スタンドはあくまでも緊急避難なんだわ。だからそのぶんだけ需要が少ないわけで。でも足が短いから、そのインフラが完備してないと、そんな危ないクルマなんて買う気がしない。

やっぱし給電スタンドはたくさん欲しいんだけど、それだけじゃ採算性が悪いから普及しない。それなら自動車メーカーが自分で整備すればいいわけで、だったら全国にある販売ディーラーに設置すればいい、となるわけ。どうせ充電は30分くらいかかるだろうから、その間は自分とこのショウルームを見てもらえばいいわけで。給電スタンド事業単体じゃ赤字でも、電気自動車の利用を便利になるし自社宣伝もできる、で一石二鳥ですわな。これ考えついた人ほんと頭いいわ。

これをヒントに、給電スタンドに価値が出ればいいなぁとか。

確か3年ほど前、イオングループが駐車場に給電設備を整える発表をしたと思った。イオンって郊外型ショッピングセンターで街の機能を再現する方針みたいだから(八戸の近くのイオン、歯医者とか入ってるもんな)、来てくれたお客に長く滞留してもらえる仕掛けについて、いろいろ趣向を凝らしてるはず。そして、郊外型だからお客はほとんどクルマで来る。てなことで、充電設備は願ったり叶ったりのはず。充電が終わるまで、そのお客さんに店内をぶらついてもらえるんだから。

給電スタンド、設置する側としては「ついで充電」が狙いってことですな。単体じゃ採算を取りにくいけど付加価値としての相乗効果があるわけで。てことは、例えば現行のガソリンスタンドの隅っこに給電設備を併設するのはいいけど、それメインでの商売は成り立ちにくい。だいいちお客が時間を持て余しちゃう。ガソリンスタンドで10分も20分も待つっての、けっこう退屈なんだよね。てことは、各地のガソリンスタンドがそのまま給電スタンドに置き換わっていく、という筋書きはなさそうですなぁ。

日本全国ともに旧市街地・商店街の衰退が激しいそうだけど(とりあえず八戸はそう)、このままじゃ給電スタンド設置でますます郊外型ショッピングセンターにお客を取られてしまう。てことで、街なかで給電できる仕組みを作ることが肝要なんじゃないかと。充電してる間、街で買い物してもらったり遊んでもらったりってことで、そのメリットは大きいと思うよ。

充電はなかなか無料にはならないと思う。てことは、旧来の商店街に対しての郊外型ショッピングセンターの魅力が半減するってことだね。郊外型ショッピングセンターの魅力は無料駐車場。その力で商店街からお客を奪ってる。これが、商店街より安いとはいえ充電代で有料になると、風向きが変わってくる気がする。どうせカネを払うなら、と市街地の商店街を選ぶお客が増える要因になると思う。なんせ今までは駐車場代が有料 VS 無料だったのが、こうなるとどっちも有料。お客の心理としては、街に行く敷居が相対的に低くなる。

郊外型ショッピングセンターでも「クーポンや○○円以上お買い上げなら充電無料」というのはできるだろうけど、そのくらいなら駐車2時間無料とかなんとか、商店街はどこでもとっくにやってる。さてさて、本当にできるかどうかの検討は必要だろうけど、街に活気を戻すのに役に立てばいいなと。

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しかし家でも出先でも、充電ごとにクルマのコンセントに充電設備のプラグをいちいちはめ込むのって面倒な気がする。頻度は1日どれだけ乗るかによるけど、だいたい2日ごとにくらいになりそうだし。全自動充電ってできんもんかねぇ。

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2010.11.11 木曜
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短時間充電

バッテリー電気自動車のめんどそうなことのひとつは、1回の充電で2〜5時間程度しか走れないのに、充電にはその倍の時間がかかるってこと。家庭用 100V だと、空っぽから満充電まで8時間かかるらしい。そこまで使い切らなきゃもっと短いだろうけど、3時間とか4時間はやっぱり長い気がする。おいらのクルマの使用状況は、ほとんどが通勤用途で往復10kmくらいかな。自分の用事を合わせても1日 15km 程度かも。ガソリンタンクが小さいクルマだけど、それでも20日に1回くらい。1給油で約19リットル。電気自動車になると3日に1回くらいになるのかな。

しかしおいらのクルマ(ローバーミニ)、街乗りでリッター 15.8km かい。ロートルマシンでこの数字は立派だぞw

で、航続距離はバッテリーの進化を待つしかなさそうだけど、充電方法でちょっと思いついたことがあって。

電気自動車のバッテリーってどうつながってるか分からんけど、巨大な1個じゃなく、何個とか何十個とかなんだよね。で、直列でひとつなぎか、直列が何個か×それを並列でつなぐ、の形のなってるはず。モーターの電力は電圧が大事だけど、電池1個じゃそれがどんなに巨大でも大した電圧が出ない。てことでいくつものバッテリーを直列つなぎして電力を稼ぐ。

直列つなぎって充電に時間がかかる気がする。そんなら充電時は配線を組み替えて、各バッテリーセルを並列つなぎにすればいいんじゃないかと。

ちょっと感覚で語ってるけど、とりあえずバッテリーを並列にすれば、充電電圧はそんなに高くなくてよくなるはず。てことは家庭用 100V 電源の電力契約のままでも、アンペア契約を増やすだけでけっこうな急速充電が出来るんじゃないかと。8時間も待たなくていいんじゃないかと。

となるとやっぱし出先での急速充電もこれでやれば、充電時間を半減できそうな気がする。

電気自動車のバッテリー配列がどうなってるのか知らんけど、例えばもしセルの数が16個で、直列4個つなぎが4本、並列でつながってるんだとする。これを充電するときは16個の並列つなぎにしてやれば、充電時間は4分の1になる……と思う。

配線ははじめから走行用と充電用で用意しといて、スイッチひとつで切り替えればいいんじゃないかな。充電コネクタをつないだときに自動切り替えとか。

さっき考えついたばっかしなんだけど、これどうでしょ。あまりにも単純なのにどこからもこんな話を聞かないんで、もしかして致命的な欠陥があるのかもだけど(汗)

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2010.11.12 金曜
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給電スタンド新商売

昨日の続きというか。昨日の方法だと、急速充電だと長くても1時間かそこらで済みそうな気がする。てことで、それに合わせた給電スタンドを考えてみたよ。

おいらのこの妄想設定の場合、充電の供給電力をバッテリーに流しつつ、車内の各機器に別ルートを用意して流してやれば、充電中にクルマの中でカーステ鳴らしてエアコンかけて、iPad で本でも読みながらまったりな暇つぶしができそう。電気を余計に買ってくれるんだから、給電スタンドも大助かり。

てことはこの給電スタンドってもしかして、スーパーとかの併設ものじゃなく、独立採算でいけるかもしんない。とするとですな……(さらに容赦なく突き進む我が妄想)、縦横にクルマがずらーっと並んだ、駐車場みたいな形になりそうだね。けど雰囲気は昔のセルフじゃないガソリンスタンドにちょっと似てるかも。

充電に来た人たちが所定の位置にクルマを止めるやいなやスタンドの人が駆けつけて、充電コネクタをクルマにつないでくれる。そこまでは昔のガソリンスタンドに似てる。違うのは、止まってるクルマの窓際を売り子さんがカートを押して歩くこと。ジュースだのスナック菓子だの弁当だのの新幹線の車内販売みたいなの(ただしアルコールはナシ)に加えて、電子書籍や音楽、映像のデータも売り歩いてる。

飲み物・食べ物は、ガソリンスタンドと違って油臭くないんで、けっこう凝ったものも出せそう。データものは無線 LAN のホットスポットだか(おいらよくわかってない)経由で自前でダウンロードもできるんだけど、売り子さんからも買える。販売ルートは複数あった方がいいのです。売り子さんにとってデータものは「ついで売り」。それにかさばらない商品だから、商品の種類が増えてまとめ買いしてもらいやすくなって、給電スタンドにとってかえって都合がいいんじゃないかと。まーさすがに今どきドライブインシアターはないと思うけどw

そうなると、そこには屋根が欲しいね。ここは屋根だけで壁なしにすると、建築法とか消防法とかの規制が緩くなりそう。建築費も安くなるしさ。っつうか電気自動車の場合はガソリンと違って爆発・炎上の危険が少ないんで(リチウムイオン電池を使う以上、ゼロにはならんけど)、消防法の規制もさらに緩いのでよくなるんじゃないかな。壁付きの密閉空間もいけるかも。北国は冬場、寒くなくていいですな。

もしその施設のサービスが娯楽としてできあがって、お客に居心地のいい空間と時間を提供できる自信があるのなら、マンキツみたいに時間制で滞在料も取れるかもしんない。1台のクルマが占有する土地面積はマンキツのパーティションより大きいんで、よっぽど土地が安いところに作って、マンキツより割高の料金を撮る形になりそうだけど。となるともう独立採算の給電スタンドじゃなく、ここでもクルマの充電サービスは添え物になっちまうなww

っつーかマンキツやカラオケルームと違って、自分のクルマの中は私有地なわけで、お客各自のプライバシー空間なわけで。いっときはブームでもてはやされたとしても、寂れてしまってからは結局は風俗営業法に引っかかる業種・業態になっちまうのかもw

給電スタンドはそれだけじゃなかなか商売になりにくそうだけど、別な商売と組み合わせれば面白いものができるかもってことでひとつ。スーパーの駐車場でもいいんだけど、それだけに限定するのはもったいない気がして。前にも書いたけど、

ここらへんで考えると、その線が出てきますなぁ。

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2010.11.13 土曜
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時の流れに身をまかせる作法

「武士の情け」って言葉、ニュアンスが違ってるんじゃないかと思ってさ。

「相手の気持ちを慮って、それ以上苦しませない」

という大筋は共通だと思うけど、「苦しませない」の解釈が違う気がして。

現代語だとこの部分は「責めない」「攻めない」「ツッコまない」だと思うんだ。やリ込めてる方が「武士の情けだ」と言うとそれは、「もう勘弁してやる」となると思うんだ。

けど武士が現役だった頃はどうも違ってたみたいで、「それ以上苦しませないために、ひと思いに介錯してくれる」の意味だったらしい。それを聞いた相手は、「かたじけない」と安心して腹を切った、と。

おいらは命に関わる重傷を負ったことがないけど、死ぬほどとなれば出血多量か、内臓まで損傷した状態だと思う(うぇぇ……)。その痛みって死んだ方がマシなほどひどいんじゃないかな。で、剣客なら傷の具合で、自分が助からないことも悟ると思う。どっちみちもうじき死ぬなら、そのときまで痛みに苦しむよりだったら、ここはひとつ相手に面倒をかけるけど介錯してくれるとありがたい、という考えかと。

現代の合法的な状況下で、どういう場面で原義通りの意味が通るんかな。

口論や論争の〆の場面になるかな。どっちかが圧勝しちゃったとき。けどこれで介錯に当たるものって何だろ。相手の再起不能を早めてやる、確実にしてやる行為って何だろ。半端な仕打ちなら追い打ちにしかなんないわな。けど負けた人はその後も生き続けるわけで。けど再起不能にするってのはどういうことを指すのか。

んー、とりあえずその場じゃ再起不能。リターンマッチの可能性も残らないくらい精神的に叩きのめすってことかな。うーん。

オリジナルだと、負けた方は勝った方にそのことで感謝する。でも勝負がついた上に精神的にも叩きのめしちまったら、むしろ激しく逆恨みされるよなぁ。次の年の雪の日に、陣太鼓を BGM に討ち入られてしまうよ。

結局、「武士の情け」という表現は、ニュアンスを変えないと今の世の中じゃ使いようがないってことですかね。

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2010.11.14 日曜
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宇宙ネズミ花火の恐怖

パルサーという天体は、その存在がちょっと怖い。ご多分に漏れず自転してるんだけど、その自転速度が恐ろしく速い。速いやつは自転周期がミリ秒単位だったりする。発見済みで一番遅いやつでも5秒くらいらしい。太陽系内の惑星だと、一番速いのでも木星と土星が10時間ほど。衛星は主星からの潮汐力を常に受けてるから、むしろ自転は遅いのばっかじゃないかな。

小惑星はどうだろ。イトカワの自転周期は12時間。NASA が探査した小惑星の自転最速はガスプラで7時間ほど。準惑星じゃケレスの9時間ってとこ。

地球の近場の状況を普通だと考えると、パルサーの異常さがよく分かるわけで。その異常さが怖いわけで。

バルサーの場合、原子が重力崩壊を起こして密度が恐ろしく高まった状態なんで、重力がやたら強い。そのキョーレツな重力のおかげで、超高速自転の遠心力でばらけてしまわないってことらしい。ものっそい力技で成り立ってる星なわけで。そんなわけでパルサーってなんとなく怖いんだけど、地球の近くにないのが幸いって感じ。

じゃあ近くにあってもおかしくない、超高速自転しながら宇宙に浮いてる物体ってどんなのがありそうかなと考えてみた。ビジュアル的にすげー恐怖感を覚えそうで、おもしろそうだなとw

軌道上の人工物体で一番大きいのは国際宇宙ステーション。その次は、もうないけどロシアのステーション・ミール。その次はスペースシャトルじゃないかな。たぶん。

宇宙ステーションは高速自転するとモジュールのつなぎ目がけっこう簡単に壊れそうだから、この用途の役には立たなさそう(「用途」といえるのかどうかは訊かないでください)。となるとターゲットはスペースシャトルですな。打ち上げ時の 3G の加速度にも繰り返し耐えてきた逸品。

シャトルの全長は約 37m。重心はどう見ても後ろ寄りだけど、面倒だから真ん中だとすると、自転の最大半径は 18.5m ですな。この端っこが 3G の負荷に耐えるとして、端っこの自転速度を計算してみる。

遠心力の公式はコチラ。左辺の「F」を「ma」にすると、公式は「a=v2/r」となる。整理して

v = √ar

a = 3G≒30[m/s2]、r = 17.5[m] を代入。

先端の回転速度は 22.9[m/s] と出ましたよ。いまいちピンとこないんで時速に直すと、82.4[km/h]。うおお、これけっこう怖そう。周期だとどうなんだ。

先端の回転周長は 37[m]×π=116.2[m]。速度は 22.9[m/s]。

116.2[m]÷22.9[m/s]≒5.07[s]

うむー、5秒か。シャトルの頭とケツが来るタイミングは2.5秒。もっとネズミ花火みたいにビュルビュル回るもんだと思ってたら。たまたまだけど、一番遅いパルサーと同じ周期だな。

加速度は角速度の2乗に比例する。てことは、周期を2倍の2.5秒にすると、先端部分での遠心力の加速度は4倍で 12G か。シャトルの機体は耐えられんよなぁ。

なんかさ、宇宙 SF 映画ってグロ狙いのホラータッチのがけっこうあるんだわ。アメリカものが毎年のように来るもんな。もうすっかり定番。今年の出し物は『パンドラム」。その手の映画の演出に、「狂ったように回転し続ける巨大人工物」ってイケるんじゃないかと思いついて、今回の日記ネタにしてみたんだけど、リアルさを追求すると不可能っぽいなぁ。

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2010.11.15 月曜
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かぐや復権案

一般認知度で かぐや の影が薄いのは、やっぱ Twitter やらなかったからかなぁ。あんだけ素晴らしいハイビジョン映像を送ってきてくれたのに、なんとなくおカタいイメージが人を寄せ付けない感じ。

ISAS が Twitter を始めたの、はやぶさ 帰還のちょっと前だったもんな。2010年に入ってからだったかも。今からでもやればいいのにな。かぐや 本体はもうないから擬人化ツイートは出せないけど、研究者による研究の紹介や、開発者からの機体の見どころの案内ならアリじゃないかな。はやぶさ だってまだ Twitter 続けてるしさ。

現役のあかイカ・みちびきと絡めば場も盛り上がるし、かぐやの成したことももっと知ってもらえると思うんだ。

ISAS さんひとついかがでしょ?

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2010.11.16 火曜
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微粒子祭り 1

はやぶさのカプセルに入ってた微粒子1500個、ほとんどが小惑星イトカワ由来なのが確認されたよ。

……、

……、

……。

「感無量」「万感」ってこれか。この気持ちのことなのか……。

ミッションフルコンプリートだよ。はやぶさ と はやぶさ チームを讃えよう。本当に素晴らしいよ。

工学班は今度こそ肩の荷が全部下りたかと。機体を失ってもまだ半年近くも緊張し続けたかと思うと、本当に本当にお疲れさまでした。次の「はやぶさ2(仮称)」ミッションの稼動に向けて、つかの間だけど羽根を休めてくださいませ。

さて、これから本番なのは理学班だね。待望の小惑星サンプルがついに手に入った。たぶんはじめは、5年前に はやぶさ が送ってきた、イトカワの実地調査データとの照らし合わせだと思う。ていうかそれがおいらが察せる唯一の研究テーマw

おっとそれから、日本が保有する隕石カタログとの照合という大事業があるね。『小惑星探査機 はやぶさの大冒険」(山根一眞 著)によると、日本は世界第2位の隕石コレクションの持ち主なんだそうで、それぞれの隕石にかかわる未確定要素が、イトカワのサンプルの分析結果を基準にドバーッと決定されていくらしい。日本が南極観測開始以来集めてきた科学資産の価値が、これで爆発的に上がるってこと。

日本が保有する隕石コレクションって、主に南極の氷原上で拾ってきたものらしい。地面が雪と氷で白いから、落ちてるのを見つけやすいんだそうで。昭和基地もたまたま隕石がよく拾える場所に近いってのもあって、今までに膨大な量の隕石が集められたんだとか。

イトカワ微粒子の分析結果が学界に公表されると、世界中で保管されてる隕石にも同じことが起きる。隕石は今までも宇宙のいろんなことを人類に教えてくれたけど、はやぶさ のやってのけたことが、その膨大な標本を再び輝かせる。古い古い標本から、いろんなことが発見・再発見される。これすごいことだよ。

かつて科学界には博物学というジャンルがあった。広い意味じゃ自然科学と同じらしいけど、狭くは今で言う生物学に加えて、動植物の化石や鉱物を収集・分類・分析をして、そこから科学的にいろいろ学び取る学問だったらしい。これが廃れたのはたぶん、それぞれのジャンルが独立した学問に分化・発展したからじゃないかな。宮沢賢治が生きてた時代は、博物学はまだ健在だった。生物学も地質・鉱物学も天文学も気象学も未分化な状態の原始の科学が、彼の作品にはよく登場するよね。

隕石学は今は隕石学としてまとまってると思うけど、これからもしかしたら、かつての博物学みたいにたくさんの新たな学問の母体になるかも。そのきっかけになるのが、はやぶさ が持ってきてくれたイトカワの微粒子かも。そんな妄想するだけでワクワクが止まりませんですよ。

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2010.11.17 水曜
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微粒子祭り 2

イトカワ微粒子祭りじゃー!! ってんで、新聞各社の記事を記念に集めて提灯行列にしてみた。YAHOO! ニュースって便利だわーw

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「はやぶさ」見事、小惑星の粒子1500個

読売新聞 11月16日(火)9時21分配信

6月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の試料容器から、小惑星イトカワの微粒子約1500個が見つかったと、宇宙航空研究開発機構が16日、発表した。

粒子は大きさ0・001〜0・01ミリ・メートル前後で、電子顕微鏡で調べたところ、大半がイトカワの岩石と同じような成分で出来ていることが分かった。月より遠い天体の表面から試料を持ち帰ることに成功したのは、人類史上初の快挙となる。太陽系の成り立ちをひもとく重要な成果として、世界中から注目されている。

はやぶさは2003年に打ち上げられ、05年11月、約3億キロ・メートル離れたイトカワに着陸。離陸直後、燃料が漏れ、7週間にわたって通信が途絶した。しかし、故障した機体を研究者らが巧みに遠隔操作し、今年6月、地球帰還を果たした。イトカワの試料を収めた容器も回収された。

容器には、イトカワの砂を採取する計画だった。採取は、装置が作動せず失敗したが、宇宙機構は「着陸の衝撃で舞い上がった微粒子が容器に入り込んだはずだ」と期待。試料容器内を特殊なへらでかき取り、へらに付着した微粒子を顕微鏡などで分析していた。

その結果、約1500個の微粒子は、大半がかんらん石や輝石などの鉱物で、鉄の含有量が非常に多いことがわかった。はやぶさは、イトカワを周囲から詳しく観測しており、その時のデータと比較したところ、鉱物の成分がほぼ同じだった。隕石(いんせき)分析の専門家らを加えて会議を開き、「微粒子はイトカワのもの」と結論した。

一部の粒子からは、地球にない結晶構造の物質も見つかった。小惑星の物質は、地球上と違い、太陽系が誕生したころの様子をとどめる。容器内には、まだ多くの粒子が残っているとみられる。宇宙機構は分析を進め、小惑星がどうやって出来たのか、初期の太陽系はどのような物質で出来ていたのかなどの謎に挑む。

◆イトカワ=細長いジャガイモのような形をした小惑星。岩石や砂のかたまりで、体積の4割はすきまになっている。1998年に発見された。小惑星帯(火星−木星間)より内側を、地球の軌道と交わるように公転している。小さな探査機でも到達しやすいことから「はやぶさ」の目的地に選ばれた。

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小惑星の砂粒と確認=「はやぶさ」、世界初回収−微粒子1500個分析・宇宙機構

時事通信 11月16日(火)9時28分配信

宇宙航空研究開発機構は16日、小惑星「イトカワ」から帰還した探査機「はやぶさ」のカプセルに入っていた微粒子約1500個を調べた結果、ほぼすべてをイトカワの砂粒と確認したと発表した。小惑星の砂粒回収は世界初の快挙。今後の分析成果は、約46億年前に誕生した太陽系や地球の形成過程、生命の起源の解明に役立つことが期待される。

開発責任者を務めた宇宙機構の川口淳一郎教授は記者会見し、「7年間の飛行が本当に完結して良かった。信じられないくらい幸運だ」と話した。

微粒子にはカンラン石や輝石などがあり、これら鉱物の割合や、含まれる鉄とマグネシウムの比率を調べた結果、地球の岩石ではなく隕石(いんせき)の特徴と一致。はやぶさがイトカワ近くで観測した地表成分データとも整合した。宇宙機構は外部の有識者を交えた検討会で、10日にイトカワの砂粒と断定した。

地球にほとんどなく、隕石に含まれる硫化鉄の結晶が見つかったことも決め手となった。分析チームの中村智樹東北大准教授は「隕石のふるさと(の大半)が小惑星であることが、これで確定した」と話した。カプセルには未開封の部分があり、宇宙機構は今月末にも内部を調べる。微粒子は来年1月をめどに大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)などで詳しく分析し、年代や生命につながる有機物の有無などを探る。

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「はやぶさ」人類初めての入手 太陽系誕生の解明に迫る

産経新聞 11月16日(火)9時30分配信

「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」の物質を持ち帰っていた。数々のトラブルを乗り越えて地球への帰還を成し遂げた宇宙航空研究開発機構(JAXA)のはやぶさチームにとっても、最高の成果といえるだろう。人類が初めて直接入手した小惑星の物質からは、46億年前の太陽系誕生当時にまで迫ることができる。

イトカワの岩石は太陽系が誕生したころに形成され、浸食や地殻変動などの影響を受けずに、当時の状態をよく保っているとされる。太陽系の惑星は無数の小惑星がもとになっており、イトカワの試料を調べれば地球などを構成する物質の初期状態がわかる。

イトカワ由来と判明した微粒子は、2回目の着陸時に使用した試料保管容器の一部に付着していた。残りの部分や1回目の着陸で使った保管容器は手つかずで、試料はさらに増える可能性が高い。詳細な分析が進めば、太陽系への理解は大きく深まるだろう。

はやぶさチームは、高い理想を掲げて世界一の試料回収技術を実証した。その技術をさらに確実なものにする必要がある。JAXAは後継機「はやぶさ2(仮称)」で、生命の元になる有機物を多く含む小惑星を目指す。「生命の起源」への挑戦だ。速やかな実現が期待される。(小野晋史)

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はやぶさ 快挙 微粒子は小惑星「イトカワ」のものと確認

毎日新聞 11月16日(火)9時42分配信

今年6月、地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル内の微粒子の大半が、小惑星「イトカワ」のものであることが16日分かった。高木義明文部科学相が同日朝の閣議後会見で公表した。小惑星の物質を、直接入手したのは世界初。今後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が詳しく分析。太陽系の成り立ちに関する科学的な手掛かりが得られると期待される。はやぶさが持ち帰った試料が小惑星の物質であることが確認されたことで、数々のトラブルを乗り越えて7年あまりの旅を終えた「はやぶさ」の使命は、これで完全に達成された。

はやぶさの帰還後、JAXAはカプセル内の円筒状の試料容器からフッ素樹脂製のヘラで直径0.01ミリ以下の微粒子約1500個を回収。電子ビームを当てて成分の分析ができる走査型電子顕微鏡で全個数を調べた。

その結果、大部分が、地球では玄武岩などに多く含まれる「かんらん石」で、一部は火成岩などに含まれる「輝石」と判明。いずれもマグネシウムと鉄の含有比率が地球上の岩石とは大きく異なり、鉄の比率が5倍以上多いことが分かった。

こうした成分上の特徴が、イトカワの反射光の観測から推定された物質や「LLコンドライト」という種類の隕石(いんせき)と一致。「ほぼすべての微粒子が地球外物質で、イトカワ由来だ」と結論づけた。【山田大輔、八田浩輔】

 

◇小惑星イトカワ

地球と火星の間の軌道を周る、最も長いところが約540メートルの小さな天体。米国のチームが1998年に発見した。はやぶさの打ち上げ後、日本初のロケットを開発した故・糸川英夫博士にちなんで名付けられた。もともとイトカワより大きな天体が何らかの理由で壊れた後、破片が集まってイトカワができたと考えられている。重力は地球の10万分の1程度。

 

◇はやぶさ

地球以外の天体から岩石などを回収する技術を実証するため計画された。本体は軽自動車の半分程度の大きさ。新型電気推進エンジン(イオンエンジン)による航行、画像などを使った自律航行と小惑星への接近・着陸、ほとんど重力がない環境での試料採取、カプセルを大気圏に突入させての回収など、人類初の技術をいくつも実証した。多くのトラブルを克服し「不死鳥」と呼ばれた。

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小惑星の砂粒と確認=宇宙機構

時事通信 11月16日(火)10時54分配信

宇宙機構は16日、小惑星探査機「はやぶさ」が回収した微粒子を調べた結果、小惑星「イトカワ」の砂粒と確認したと発表。写真はオーストラリアの砂漠に落下した「はやぶさ」のカプセルを回収する様子=宇宙機構提供

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小惑星の砂粒と確認=「はやぶさ」回収

時事通信 11月16日(火)10時54分配信

宇宙航空研究開発機構は16日、小惑星探査機「はやぶさ」が回収した微粒子約1500個を調べた結果、小惑星「イトカワ」の砂粒と確認したと発表した。小惑星の砂粒回収は世界初。はやぶさの想像図=池下章裕氏提供

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はやぶさ 人類初の快挙 小惑星「イトカワ」微粒子と確認

毎日新聞 11月16日(火)11時23分配信

7年間に及ぶ探査機「はやぶさ」の旅は、通信途絶やエンジン故障など数々のトラブルの連続だった。そのたびに研究者や技術者が知恵を絞って打開策を編み出した。今回の成果は、月より遠い天体を往復する技術に加え、さらなる人類初の快挙となった。

はやぶさの分析チームは今年6月、特設の密閉実験室でカプセルを慎重に開封したが、中の試料容器には光学顕微鏡で見えるものがほとんどなく、見える粒子の大半は容器から出たアルミ片と判明。関係者には一時「何も入っていなかったか」と失望が広がった。

チームは特注のヘラで容器の内壁をこすり、ヘラごと電子顕微鏡で観察する新手法を開発。極めて小さい微粒子が多数あることを確認できた。

今回入手した試料は、地球環境の影響を受けておらず、米アポロ計画の「月の石」に匹敵する貴重なものだ。詳しい分析によって、太陽系の歴史を塗り替える科学上の発見が期待される。微粒子の一部は国内外の研究者に公募で提供される予定で、日本の成果が世界の科学研究に貢献するかたちとなる。

文部科学省とJAXAは後継機「はやぶさ2」を計画中だ。生命の存在を示す有機物があると予想される小惑星に向け、14年度の打ち上げを目指す。今回実証された技術をどう「次」に生かすか。政治の判断が試される。【山田大輔】

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はやぶさ イトカワ微粒子確認 「500点満点」の成果

毎日新聞 11月16日(火)11時54分配信

7年間、計60億キロに及ぶ前人未到の旅に挑んだ小惑星探査機「はやぶさ」が、人類の宝ともいえる大きな「土産」を持ち帰っていたことが16日明らかになった。プロジェクトを率いた川口淳一郎・宇宙航空研究開発機構(JAXA)教授は「胸がいっぱい」と声を震わせ、関係者は称賛した。「500点満点」の成果を元に、今後は世界中の科学者が太陽系の誕生の秘密に迫る。【八田浩輔、足立旬子】

「帰ってきただけでも夢のよう。夢を超えたことで、どう表現してよいか分からない。点数はない。付けたくない」と川口さんは語った。03年の打ち上げ当時、はやぶさが数多くの人類初の技術に挑むため、イトカワの試料の採取成功まですべて達成した場合「500点に値する」と話していたが、喜びを抑えきれない様子だ。

昨年11月中旬、はやぶさのイオンエンジンにトラブルが生じ、暗雲が漂ったが、奇跡的に復活した。川口さんは「想定を超える成功が重なった。7年間もさることながら、プロジェクトを始めて15年。その前から数えると四半世紀になる。感慨無量。苦労が報われ、よかったなと心から思う」と顔を紅潮させた。

会見には、藤村彰夫JAXA教授、微粒子を電子顕微鏡で分析した中村智樹・東北大准教授らも同席。藤村さんは「最初カプセルを開けた時に真っ青になった」と明かす。採取された微粒子が0.01ミリ以下で、目に見えるものがなかったからだ。地球外物質と特定された1500個の微粒子の中には、地球上の物質に含まれるものもあれば、まったく存在しないものもある。中村さんは「初めて微粒子をみた瞬間は緊張した。分析を進め、地球にほとんどない結晶を見つけた時は、ガッツポーズの瞬間でした」と語った。

18日の政府の事業仕分けでは、JAXAの運営費交付金削減も議論される。川口さんは「イノベーション(革新)には時間がかかる。将来への投資として近視眼的にならないでほしい」と注文を付けた。

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イトカワの微粒子、写真公開 はやぶさが回収に成功

ITmedia News 11月16日(火)12時31分配信

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月16日、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った微粒子がイトカワのものと確認したと発表し、微粒子の写真を公開した。

特殊なへら(テフロン製、幅3ミリ×長さ6ミリ)を使ってサンプルキャッチャー(サンプル容器)「A室」の側面をこすり取って調査。1500個程度の微粒子を地球外の岩石質と同定し、イトカワ由来と判断した。

イトカワ由来と判断したのは、「かんらん石」「輝石」などの微粒子で、ほとんどが10μメートル以下。微粒子の成分(鉄・マグネシウム比)を調べたところ、はやぶさのリモートセンシング機器で推定したイトカワ表面の物質データと整合したという。

はやぶさのサンプルキャッチャーは「A室」「B室」の2つがあり、先に採取作業を行っているA室からイトカワ由来の微粒子が見つかった。当初、B室の方がイトカワ由来の物質が入っている可能性が高いとみられていたため、B室の採取作業に対する期待も高まっている。

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はやぶさから地球外物質を採集---1500個

レスポンス 11月16日(火)13時45分配信

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、はやぶさ搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた、サンプル収納容器から採集した微粒子の全てが地球外物質で、小惑星イトカワ由来であると発表した。

JAXAでは、6月13日に豪州のウーメラ実験場に着陸したはやぶさの帰還カプセルのサンプルキャッチャーA室から、特殊形状のヘラで採集した微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察・分析した上で、1500個程度の微粒子を岩石質を確認した。

それらを分析したところ、鉱物種と存在割合、鉱物の成分比率が隕石の特徴と一致したことや、はやぶさに搭載したリモートセンシング機器で推定した表面物質のデータと整合すること、回収した容器内から地球上の一般的な火成岩の破片が見つかっていないことなどから、採集した微粒子のほぼ全てが地球外物質で、小惑星イトカワ由来であると判断した。

採集された微粒子のほとんどは、サイズが10ミクロン以下の極微粒子であるため、取扱技術について特別なものが必要。

JAXAでは今後、回収されたサンプル収納容器から微粒子の採集を引き続き行うとともに、イトカワ由来の微粒子のより詳細な分析を進め、太陽系の起源と進化の解明に貢献していく。

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はやぶさの微粒子「イトカワのもの」と判明、研究続行=JAXA

サーチナ 11月16日(火)17時26分配信

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は16日、はやぶさ搭載の帰還カプセルに1500個程度の小惑星イトカワ由来の微粒子が含まれていたとの判断結果を発表した。

走査型電子顕微鏡を使って観察・分析し、さらに分析結果を検討したところ、微粒子の鉱物の成分比率が隕石の特徴と一致する一方、地球上の岩石とは合致しないことが確認できたので、「そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断」することができた。

採集された微粒子のほとんどは、サイズが10ミクロン(=10マイクロメートル、=0.01ミリメートル)以下の極微粒子であるため、取り扱いには特別な技術や方法が必要という。JAXAは、より詳細な初期分析ために、必要な取り扱い技術と関連装置の準備を進める。(編集担当:如月隼人)

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はやぶさ:微粒子確認でJAXA理事長談話「人類共通の財産」

サーチナ 11月16日(火)17時44分配信

「はやぶさ」が持ち帰った微粒子が小惑星イトカワに由来するものと判断できたことを受け、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の立川敬二理事長は16日、談話を発表した。立川理事長は、「人類にとって共通の価値ある財産を獲得」、「応援をしてくださった国民のみなさま、政府関係者やマスコミの方々にも心から感謝」などと、気持ちを表した。

立川理事長の「談話」は以下の通り。

**********

平成22年6月13日にオーストラリアのウーメラ実験場に着陸し、小惑星探査機「はやぶさ(MUSES−C)」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られたサンプル収納容器から採集した微粒子のうち、イトカワ由来の微粒子が現時点で1500個程度確認されました。

幾多(いくた)の困難に見舞われながらも、カプセルを無事地球に届けた「はやぶさ」がもたらした成果の総仕上げとして、始原天体である小惑星からの微粒子が極めてクリーンな状態で世界で初めて地球に持ち帰られたことは、人類にとって共通の価値ある財産を獲得した大変画期的なことであり、大きな喜びを感じております。

採集微粒子由来の確認にあたり、関係された研究者の方に厚く御礼を申し上げます。また、応援してくださった多くの国民のみなさま、政府関係者やマスコミの方々にも心から感謝いたします。

今後は、回収されたサンプル収納容器から微粒子の採集を引き続き行うとともに、小惑星イトカワ由来の微粒子に対してより詳細な分析を進め、太陽系の起源と進化の解明に貢献できることを期待しております。

**********

◆解説◆

はやぶさのカプセル内には、人工物微粒子(アルミニウム粒子)にまじって、カンラン石や輝石などの鉱物質の微粒子が存在した。地球上の火成岩の破片と見なせる鉱物質微粒子は存在せず、成分も、はやぶさがリモートセンシング(遠隔測定)で推定したイトカワ表面物質の組成と一致したことから、カプセル内の微粒子を「イトカワに由来するもの」と判断することができた。(編集担当:如月隼人)

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川口教授「本当に信じられない」 はやぶさの“おつかい”成功に「感激」

ITmedia News 11月16日(火)18時19分配信

感慨を語る川口教授。「ちょうど1年前にイオンエンジンが停止し、再開したことをここ(JAXA会見室)で発表した。この1年大きな変化があり大きな成果に恵まれ、本当によかったと思う」とも

「信じられない気持ちだ」−−宇宙航空研究開発機構(JAXA)で「はやぶさ」プロジェクトを率いた川口淳一郎教授は、はやぶさが持ち帰ったカプセルに入っていた微粒子約1500個が、イトカワの物質だと判明したことを受け、会見で感慨を語った。【岡田有花,ITmedia】

地球外の天体からのサンプルリターンとしては、米航空宇宙局(NASA)の探査機「スターダスト」が、エアロゲルを使ったすい星からのサンプル回収に成功しているが、「小惑星からのサンプルリターンは世界初。エアロゲルなどを使わない、コンタミ(汚染)のない状態の回収もはやぶさが初めて」と川口教授は話す。

はやぶさプロジェクトがスタートしてから15年。「夢のようなゴールを目指してきたが、夢のもう1つ上をいくような、信じられない気持ち」で、「わたしにとってはたいへん、感激的な日だった」という。

●1500粒のサンプル 「そんなにたくさんいらないのに(笑)」

はやぶさカプセルの中身を収集・分析する「キュレーションチーム」が、特殊なへらを使ってサンプルキャッチャー(サンプル容器)の側面をこすり取り調査。1500個程度の微粒子を地球外の岩石質と同定し、イトカワ由来と判断した。

イトカワのものかを判断するには当初、大型放射光施設「SPring-8」(兵庫県佐用町)を使った同位体分析など「初期分析」の結果を待つ必要があるとみられていたが、電子顕微鏡による分析の結果からのみから断定。「微粒子が1粒や2粒では結論を出すのが難しかったが、1500もあり、統計的な処理をした結果、イトカワ由来と確信を得た」(JAXAの藤村彰夫教授)という。

川口教授は、サンプル分析の状況を随時、専門の会合などで聞いていたという。サンプルがイトカワ由来と断定し、プレスリリースを発表することに対しては、「本当か? と、わたしが一番慎重だった。サンプルは逃げていかないんだから、初期分析が終わってからでいいのでは、と言っていた」と振り返る。

だが、初期分析とは異なるアプローチでイトカワ由来と確認できると聞いたとき、「本当に信じられない」気持ちに。「わたしは1粒でいいと思っていたが、1500粒もあると聞いた。そんなにたくさんいらないのに、と正直そう思った(笑)」

●「1粒でいいからあってほしい、あるはずだ」

はやぶさプロジェクトが始まってから15年、はやぶさが宇宙に飛び立ってから7年。「考えてみると、当初は夢のようなゴールを目指して飛行させてきたが、今回、1500個というイトカワ起源の物質を判断するにいたったことは、その夢の1つ上をいくような信じられない気持ち」と感慨深げに語る。

特に後半の4年半の飛行は「艱難辛苦、たいへんな苦労だった」という。はやぶさは、弾丸を打ち込み、飛び散ったサンプルを回収する計画だったが、弾丸発射に失敗。「弾丸を発射していないと訂正発表した経験があり、その時たいへん苦しかった」と述懐する。

それだけに、「最後の最後まで確認したいなと思っていた。心の底では(イトカワのサンプルが)あってほしいなと。帰りの飛行が始まった時から、1粒でいいからあってほしい、あるはずだ、あると信じているからこそ、帰りのプロジェクトをみんなで支えられた」。

●「はやぶさ自身も喜んでいることだろう」

はやぶさに今、どんな言葉をかけてあげたいか、という質問に対して、「はやぶさが打ち上がってから、いろんなしつけをつけて、育て上げ、取り組んでもらった。(はやぶさとプロジェクトチームが)協働して持ち帰ったと言える」と、我が子のように語る。

「はやぶさには燃料がなく、大気の中で燃え尽きないといけないことは予測されており、カプセル・試料の回収を最優先してきた。はやぶさにとってベストなのは試料を回収すること。はやぶさ自身も、今回の成果はたいへんに喜んでいることだろう」

プロジェクトに関わった全員の成果とも。「プロジェクトのみなさんが献身的に努力してくれてこの発表を迎えられたことに、プロジェクトみんなで喜びたい。宇宙科学研究所(JAXAの前身)時代からのべ40年以上にわたる宇宙開発の積み重ねがあってこそこういう結果にたどりつけた。先輩諸氏と一緒に喜びたいし、感謝したい」

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「500点満点のはやぶさ」に群馬で「万歳!」−カプセル製造、IHIエアロ富岡 /群馬

みんなの経済新聞ネットワーク 11月16日(火)18時33分配信

「はやぶさ」のカプセルの開発・製造を手がけた「IHIエアロスペース」の富岡事業所(群馬県富岡市)が11月16日、「500点満点」の偉業の知らせを受け歓喜に沸いた。(高崎前橋経済新聞)

はやぶさは帰還が予定より遅れたため、カプセルは寿命を3年オーバーしていた。それでも帰還まで機能が完全に働いていたため、微粒子採取にも期待が寄せられていた。JAXAの川口淳一郎教授は「カプセル回収で400点、カプセルの中に何かが入っていれば500点満点」と話していた。

当日、IHIエアロスペースの富岡事業所には8人のスタッフが勤務していた。カプセルに歴史的な土産が入っていたことは同社の石井潔社長から直接メールで伝えられた。

広報担当の河西さんは「6月13日、はやぶさのカプセルが無事に帰還した時、涙が出るほど感動した。どうか何か入っていてくれと祈っていた。信じられないくらいうれしかった。誰ともなく『万歳』の声が上がった」と声を弾ませる。

同社は10月19日、カプセルのレプリカを群馬県に寄贈。11月17日まで、同レプリカは「ぐんまこどもの国児童会館」(太田市)に展示されており、11月19日から「群馬県立近代美術館」(高崎市)など県の関連施設で巡回展示される。

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え、どうしよう」から一転 「イトカワ」サンプル回収の意義と“ドキドキ”

ITmedia News 11月16日(火)21時43分配信

「へらを持つ手は震え……なかった。冷静だった」──小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った微粒子が小惑星「イトカワ」のものだったことが判明したが、空っぽに見えたカプセルから微粒子を見つけ、分析にかけてイトカワ由来と断定するまでの道のりは、はやぶさの旅と同じくらい「波瀾万丈でハラハラドキドキ」だったという。【岡田有花,ITmedia】

微粒子はわずかな量だが、現在の微量分析の精度は高く、“生”の状態の小惑星のサンプルを人類が直接調べられる初のチャンスになる。「新しい学問が立ち上がる材料になる」と、サンプルの回収・分析を担当する「キュレーションチーム」の科学者陣は声を弾ませる。

●「え、どうしよう」から一転 1500ものサンプルが

キュレーションチームは6月下旬、カプセルの「サンプルキャッチャー」(サンプル容器)「A室」を開封。第一印象は「非常にきれい」(JAXAの藤村彰夫教授)だったと振り返る。「お、きれいと思い、次にすっと汗が引いた。真っ青になり、え、どうしよう。こんなにお金をかけて(何も見つからなかったらどうしよう)……と」(藤村教授)。そこには、肉眼で見える石や砂粒はほとんどなかったからだ。

そんなこともあろうかと、肉眼でとらえきれない微小な試料を回収・解析する体制は整えていた。光学顕微鏡で見える大きさのものはマニピュレーター(針)で取り上げ、50〜60個採取。さらに小さな微粒子を回収するため、テフロン製の特殊なへらでカプセルの内容物をかき出し、電子顕微鏡で分析、1500個程度のイトカワ由来の微粒子を発見した。

へらを使った調査を行ったのは、サンプルキャッチャーに2つある部屋の片方「A室」の一部のみで、「B室」は未開封。A室の未調査の部分からさらに多くのサンプルの発見が期待できるほか、一度目のタッチダウンで使った「B室」は、A室より良い条件でサンプルを回収できたと期待されており、B室の開封も現在、準備中という。

マニピュレーターで採取した大きめの粒子を電子顕微鏡にかけるのも今後の作業。「まだ、へらでひとかきという非常に狭い範囲。サンプルはまだあるし、これからだと思っている」(藤村教授)

●はやぶさの旅のように「波瀾万丈でハラハラドキドキ」

「イトカワ由来のサンプルがありそうだ」「いや、なさそうだ」−−サンプルの回収作業は、はやぶさの7年間の旅と同様「波瀾万丈でハラハラドキドキ」。最後に「非常にうれしい結論にたどりつけた」と、藤村教授は話す。

へらを操作した東北大学大学院の中村智樹准教授は「A室の右側半分、決められた範囲を優しくなでるように、粒子がひっついていることを願ってスイープした。へらを持つ手は震え……なかった。冷静だった」と振り返る。

電子顕微鏡での解析で最初に見つけた岩石質の粒子は「かんらん石」。「かんらん石だけだと地球のものとも宇宙のものとも断言できないが、これを見たときは非常にうれしかった。分析が進むに連れ、地球上にあまりない物質が見つかったので、確信を深めてきた」(中村准教授)

当初は「何百ミリグラム」(JAXAの向井敏典技術参与)単位のサンプル回収を計画していたが、回収できたのは「1500個集めてもマイクログラムのオーダー」(向井技術参与)。ただ「今の微量分析の技術は相当なもの」で、基本的な分析は、現在のサンプルだけで「十分可能」(中村准教授)という。

●新しい学問が立ち上がる材料に

見つかったイトカワ由来の微粒子はまず、国内で精密な分析にかけて分類し、カタログを作って世界各地の研究者に広報。世界中で分析・研究してもらう予定だ。

「隕石学の基盤の上に、新しい学問が立ち上がる材料を手にれることができた」と藤村教授は言う。隕石は地球上で水や大気と反応したりショックを受けたりしているが、カプセルに守られていたイトカワのサンプルはそういったことがない。「小惑星と隕石の関係を明らかにできる。隕石学で分かっていたことを凌駕し、隕石にはなくなってしまったものが見つかる可能性が高い」(藤村教授)

茨城大学の野口高明教授によると、小惑星由来の隕石は、ある程度は小惑星の内部にあったものと考えられる。だがはやぶさが持ち帰ったサンプルは、「小惑星の本当に表面にあった物質。太陽からの放射線の反応など、いろんなことが記録されている。われわれのデータや、天文学の研究者などが持ってるデータを直接比べられるようなデータも取れるのでは」(野口教授)。

イトカワ本体の特性だけでなく、ほかの天体の物質もあるかもしれないと中村准教授は期待する。「まずはイトカワ本体の物質を把握することに集中したいが、表層の物質なので、他の天体の物質がちりとして小惑星の表面に降り積もっている可能性が高い。S型小惑星以外の、ほかのタイプの小惑星や彗星の物質も見つかるかもしれない」(中村准教授)

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「はやぶさ」の微粒子イトカワ由来と判明、市内でも快挙に喜びの声/相模原

カナロコ 11月16日(火)22時0分配信

小惑星探査機「はやぶさ」が組み立てられた宇宙航空研究開発機構のキャンパスのある相模原市内でも、快挙に喜びの声が上がった。

市立博物館(同市中央区高根)では、今夏にカプセルを初公開したほか、はやぶさの旅をたどった映画を上映。これまでのべ約3万人が観賞するなど、大好評を博した。井上明夫館長は「大変な成果。日ごろの交流から、研究者の方たちの努力を知っていたので、感慨深い」と感激。映画は年度末まで上映するといい「あらためて、偉業を振り返ってもらえれば」と期待を込めた。

加山俊夫市長は「相模原市の宇宙機構が中心となり、誇りを感じる。あらためて敬意を表したい」と祝福した。

20日に市内で行われるイベント「潤水都市さがみはらフェスタ」では、市がははやぶさプロジェクトチームを特別表彰するほか、宇宙機構の川口淳一郎教授の講演も行われる。

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大きめ粒子もイトカワ産?観察精度の向上期待

読売新聞 11月17日(水)3時5分配信

小惑星イトカワから地球に帰還した探査機「はやぶさ」の試料容器から見つかった細かい粒子はイトカワの鉱物であることが確認されたが、同じ試料容器内で見つかっている0・1ミリ・メートルほどの大きめの粒子もイトカワのものである可能性が高いことが16日、明らかになった。

大きい粒子を試料として使えれば、たとえば結晶構造などがより詳しく観察でき、太陽系がどのような温度変化を経て現在に至ったのかがより詳しくわかるという。宇宙航空研究開発機構は、この大きめの粒子がイトカワ由来かどうかを年内に確認する予定だ。

はやぶさの容器内では、0・001〜0・01ミリ・メートルほどの細かい粒子が電子顕微鏡による観察で見つかった。分析の結果、1500個ほどあった岩石質の微粒子すべてがイトカワ由来であることが確認され、宇宙機構が16日、発表した。

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小惑星探査機「はやぶさ」が世界初の快挙、「日本の底力はまだ健在」−韓国

サーチナ 11月17日(水)10時18分配信

今年6月、地球から3億キロメートル離れた小惑星・イトカワの岩石採取に挑み、オーストラリア・ウーメラ地域に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル内の微粒子約1500個の大半が、小惑星「イトカワ」のものであることが16日、明らかとなった。高木義明文部科学相が同日朝の閣議後会見で発表した。月以外の小惑星の物質を、直接入手したのは世界で初めて。

この微粒子がイトカワから実際に収集されたことが確認されたことで、太陽系の初期形成過程や地球誕生の解明に弾みがつくとみられている。

韓国のメディアも次々とこの話題を報じている。日本は「はやぶさ」の無事帰還に続いて、人類史上初めて月以外の惑星での物質の採取に成功、再びその技術力を誇示し、基礎科学の分野で先駆的な地位を固めたと伝えている。これまでは小惑星の物質を手に入れる手段がなかったが、日本の技術が突破口を開いたと評価。

はやぶさは、エンジンが故障した際には、宇宙で迷子になったと報じられるなど紆余曲折(うよきょくせつ)もあったが、当初の予定より3年多くの7年余りの長い宇宙の旅を終え、6月にオーストラリアの砂漠に戻ってきたと紹介。

日本の国民は、宇宙での逆境を乗り越えた「はやぶさ」を「はやぶさくん」と呼び、国民の息子のように扱ってきた。その国民の息子が成し遂げた世界的な快挙は、日本の底力がまだ健在であることの証といえる、と伝えている。(編集担当:李信恵・山口幸治)

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「はやぶさ」採取のサンプルは小惑星の微粒子、世界初の試料

ロイター 11月17日(水)15時28分配信

[東京 16日 ロイター] 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は16日、今年6月に地球に帰還した探査機「はやぶさ」のカプセルから、小惑星イトカワで採取された微粒子が確認されたと発表した。月より遠い小惑星のサンプルを持ち帰ったのは世界初。

2003年に打ち上げられた「はやぶさ」は、2005年に小惑星イトカワに着陸。往復7年のミッションを終えて、本体から分離したカプセルが今年6月に地球に帰還し、世界で初めてとなる貴重な小惑星の土壌サンプルを搭載しているのではとの期待が高まっていた。

JAXAは、採取されたサンプルの一部を来年、さらなる検査のために国外の研究者に提供する可能性があると説明。

研究者らは、今回確認された微粒子が、46億年前にどのようにして太陽系が生まれたのかを解明することなどに役立つと期待している。

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もーしばらくはここらへん読み返してニヤニヤする日が続きそうだよw

銘板
2010.11.18 木曜
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微粒子祭り 3

イトカワ微粒子記者会見で、「はやぶさ の探査は、多くの隕石のふるさとが小惑星だということを明らかにした。たくさんの小惑星のカケラが宇宙を飛び交っていることになり、微粒子からもしかしたら C 型やほかのタイプの小惑星由来のものが見つかる可能性も」、という話が出てた。

そしたら月の石でもその可能性が高いんじゃないのかと。月のサンプルは量が半端なく違うぞ。NASA やロシア宇宙庁が保有してる月の石を再スクリーニングしてみるといいんじゃないかと。

今回、S 型小惑星の確かなサンプルが手に入った。これで S 型のパラメタはかなり埋まる。ほかの型のパラメタもある程度狭められるはず。月の石の小惑星由来スクリーニングがとっくに終わってるとしても、小惑星の最新データとの比較ができるんなら、再スクリーニングや再データ処理の価値はあるんじゃないかな。小惑星由来の石や砂がそれで新たに見つかるかもしんないしさ。量がすごいから、それでさらにテータの確度を上げるのもいけるかも。イトカワのサンプルは電子顕微鏡レベルのサイズだけど、月の石に混ざってるやつなら砂粒サイズでもイトカワサンプルより大きい。1個でも、はやぶさ が持ち帰った総量より多くなるかも。

イトカワのサンプルの半分は、分析技術が将来より進むことを見越して、何もしないで保管するんだそうだ。これってきっと、米ソの月の石でそういう方法が採られたのに倣ったと思うんだ。おいらは米ソが本当にそうしたかどうかは知らんけど、当時でも研究には充分な量があったと思うんで、きっとそうしたと思う。

今がその、月の石の保管サンプルの使い時なんじゃないかと。あの頃から30年以上経って分析技術が発達したんで、超微量でもデータを出せるようになった。保管量をほとんど減らすことなく研究できると思うよ。

銘板
2010.11.19 金曜
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微粒子祭り 4

そうなると、これからだと中国が月サンプルリターン計画を持ってるんで、日本にデータ提供をお願いしに来るかもな。

ほかのサンプルリターン計画だと、ロシアが火星の衛星フォボスで計画してる。フォボス・グルント という計画名。打ち上げは来年を予定ってことは、帰還は最速で2年2カ月後くらいかな。

フォボスはもともとは C 型小惑星なんじゃないかとされてるそうな。てことは、はやぶさ2 とバッティングですなー。こっちも C 型小惑星狙いなんで。はやぶさ2 の打ち上げ予定は2014年。帰還予定は2020年。フォボス・グルントに先を越されちゃうかな?

けど はやぶさ2 は価値を減じないのだ。フォボスは長らく火星の衛星として暮らしてきた。火星の磁場の様子はよく分からんけど、あるなら、太陽風でたなびいた磁気圏の尾の中を何度も通過してる。そのあたりの影響で、表面物質は一匹狼の小惑星とは違った性質を持ってるかもしんない。ロシアの別な探査機の調査結果で、火星は毎年大量の酸素を宇宙に放出してもいるらしい。この影響も受けてるかも。つまり、フォボスは純粋な小惑星というより、まさに「火星の衛星フォボス」としての個性を持ってる可能性がある。あと公転軌道が低いんで、火星の日陰に出たり入ったりを定期的に経験してるはず。けど小惑星はずーっと日なた。この違いが溜まってるかもしんない。

さらに、火星にはかつて活火山があった。その火山が噴き上げた物質が積もってるかもしんない。クレーターを作るほどの巨大隕石の火星への衝突で宇宙に飛ばされたものも、フォボスの表面にあるかも。火星の重力は地球のより小さいから、あり得ない話でもないと思う。フォボスの公転軌道の高度はたった 6000km だしな。持ち帰った試料の一部が火星本体由来だってことが特定できたりすると、間接的ではあるけど史上初の火星サンプルリターンの成立にもなりますな。

てことは、ほかに何もない宇宙空間でずーっと暮らしてきた純粋な C 型小惑星のサンプルと比較すると、火星からの砂かぶりも含めて、フォボスらしさとは何かが分かる。何がその元・小惑星をフォボスたらしめたのかが分かる。C 型小惑星との違いがなかったならなかったで、それもまた発見。なぜ違わなかったのかの研究は、意外な事実を教えてくれるはず。して比較対象になる純粋な C 型小惑星のサンプルは、はやぶさ2 が持ってきてくれる。

すげーよ。各国が国運を賭けて集めた天体サンプルが、相互作用で輝きだす。もちろん地上で保管されてる数多の隕石もますます輝きだす。マジすげーよ。

そして、惑星間空間での天体サンプルリターン熱に火を点けた者。その者の名は はやぶさ。

……、

……、

……。

感涙。

銘板
2010.11.20 土曜
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エヴァアンチ、はやぶさアンチ。

おいらエヴァアンチなんですわ。

一応、テレビシリーズを全部観てさ(ビデオで)、映画シリーズも今のとこたぶん全部観てる(古いのはビデオで。今のは映画館で)。

一応付き合ってきてはいるけど、なんかこう肌に合わなくてさ。詳しく書こうとすると文句タラタラになっちゃうんで、今日はそこらは書かんけど。なんでか意地悪なこと言いたくなっちゃうんだ。けど言った後しばらくして思い出すと、めちゃめちゃしょうもないことばっかりだったりするんだ。ほんと意地悪でしかないっつうか。

それはそれとして、はやぶさアンチがいることを最近知って。人気者には必ずアンチが付くからなぁ。

エヴァに文句付けるのも はやぶさ に反感を持つのも、結局は同じ心理的理屈なんじゃないかなーと思ってさ。

肌に合わないってだけなのにな。けど周りがあんまししつこく絶賛したりすると、自分がのけ者にされた気分になるわけで、その不愉快さがアンチな人々をますますいらだたせるんじゃないかと。

エヴァは新作映画が出るとなると、気が気じゃなくなる狂信的ファンがそこらじゅうで騒ぎ立てる。商売になるから各種関係業者がまた騒ぎを大きくする。まあカネを回すことは国の経済にとっていいことだから、健全な活動ってことで文句を言っちゃいけないんだけどさ。でもおいら個人としては、「チッ!」とか舌打ちして、クサクサした気分になったりして。のぼせ上がってるファンを一匹二匹捕まえて嫌味の一つでも言いたくなるぐらいにして。

はやぶさ は「偉業」「国民的快挙」なんて、時の政権やマスコミがバンバカ持ち上げまくってる状態。前から応援してたおいらとしては、こんなに嬉しいことはない(アムロ風)。世間のこの雰囲気にしても、政権もマスコミも、持ち上げれば自分も人気にあやかれるからやってるわけで。エヴァ関係の業者さんたちと同じですな。

このまえ本屋に行って天体関係のコーナーを覗いたら、表紙や呼び込み文に はやぶさ が出てる本がやたら増えてた。ファンとして気になって立ち読みすると、はやぶさ とほとんど関係ない内容だったりしてw いくら宇宙の本でも、太陽系外の星間・銀河間空間の話は はやぶさ の守備範囲じゃないだろww

「事実と違う」「誇大な表現」は JARO に相談すべきじゃろうけど、こうなる前の、世間から無視されてた頃から はやぶさ を愛してきた身としては、こんなのもまたヨロコビの種だったりもしてね。いやほんと去年の今頃って、その半年後からまる1年後に至る現在まで、ここまで はやぶさ を知ってもらえるなんて、露ほどにも考えてなかったもんだから。地球帰還の日も、ワールドカップサッカーで世界中がお祭り騒ぎしてる隅っこで、コア〜なファンだけでひっそり盛り上がるんだろうなぁと思っとった次第で。

てことで、はやぶさ は世間的には突如降って湧いたネタだったと思う。7年も前に打ち上げられたのに、はやぶさ がオーストラリアの空に消えた後に初めて知った人たちってけっこう多そう。別にそこは責めるところじゃなくて、今たくさんの人たちが はやぶさ を知ってくれてる現実、おいらはこれが嬉しいっす。

で、それをあまり快く思ってない人たちもまたいるってことで。

実際なんでそんな気分なのかは当人に訊かないと分からんけど、おいらとエヴァで言えば、「ノれないから」ってことかなと。自分を差し置いて、旬の話題でノりまくってるやつらがいちいち鼻につくんじゃないかと。結局それだけのことなんじゃないかなーと。

アンチ心理で不思議なのってさ、嫌ならそこに行かなきゃいいのに、話の輪に加わらなきゃいいだけの話なのに、なんでかそこに出向いてはファンの人たちに毒を吐いちゃうってことだね。

はやぶさアンチもそんな感じ。ニコニコの はやぶさ 動画に来ては嫌なコメントを落としていくんだわ。おいらもエヴァに関しては、これからはそうならんよう気をつけるべ。

そういやおいらには「アルマゲドンアンチ」というのもあったな。あの映画を絶賛する声を聞くとマジで罵倒したくなるんだけど、公開からもう12年も経ったんである程度はほとぼりが冷めたかな。

銘板
2010.11.21 日曜
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未知の使い方はあるのか

ふと思ったことがあって。

なんとなく、人類はまだインターネットの使い方をろくに知らないような気がして。

古代オリエントの諸文明・諸国家は、5000年も前から馬を使いこなしてた。農耕や戦争だね。けど乗馬という使い方が発明されたのはおよそ3500年前。ヒッタイトという国が初めてやって、あまりにも便利だったから周りがみんな真似した。それまでは、移動のために動物の背に人がまたがるっつう概念がなかったらしい。それがシルクロード沿いにインドや中国に伝わって、日本も弥生時代が始まると同時に、人はもう馬に乗ってた。そのくらい革命的な発明だった。

ほんとなんとなくだけど、今のインターネットって、乗馬を知る前の馬みたいな感じがして。この後、何かの偶然かどこかの天才の発想で、質的な変化が起きそうな気がして。

おいらが考えつくのは大したことないけど、「地球規模のひとつの脳」かなぁ、と。ネットを使う人たちクライアントでもサーバでも、そこらへんをひとつひとつの脳細胞に置き換えて考えると、インターネットでつないだ無数の電脳は、地球規模のひとつの脳として考えられるかなと思って。今はそれぞれがてんでバラバラに稼働してるけど、その能力や意向の一部だけでも共通の土台でつながったとき、それである臨界を突破したとき、そこに巨大なひとつの知性が生まれるんじゃないかって気がしてて。

形としては SETI@home(現・BOINC プロジェクト)がもうやったことだけど、それを踏み台に、質的に何かもっと違うことができそうな、そんな根拠のない予感。

あまりにも漠然としてるし、それで何がどう変わるかも分からんから、「発明」とさえ言えんことだわな。

乗馬を参考にすると、インターネットのもっと単純でもっと普遍的なすごい使い方って、ほんとはあるような気がしてさ。

銘板
2010.11.22 月曜
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嗚呼幻のメイドインジャパン

新聞・雑誌でよく「日本ブランド」という表現を見かけますな。おしなべて、クルマや電化製品が韓国とかの経済新興国に押されまくってまずい、という論調で。

それでつらつら考えた。「日本ブランド」ってもともとかなりあやふやで危うい構造だったんじゃないの? と。ぶっちゃけ、現時点でそんなものは存在しないんじゃないの? と。

ブランドっつうと一般的に、少量生産でバカ高いものでしょ。値段は言い値で、少数の金持ちに取り入ってやっていくものでしょ。だから利益率は高いけど市場規模は小さい。オンリーワン型の商売なんだから、シェア争いとは無縁のものでしょ。

韓国の安い製品に押されてアップアップって現実は、日本製品はブランドを確立してないってこと。

大量生産でコストダウンを図る、その産業の規模や裾野の広さが日本の経済を支えてる、という現状って、やっぱし高級ブランドとは逆だよなぁ。「それでなければ」という高級品じゃなく、どうでもいい普及品の話だよなぁ。

日本製品のブランド化を本当に押し進めるのなら、シェアは捨てなきゃ。数少ない金持ち相手に少量生産に特化しなきゃ。となると産業規模はどうしても、国の経済がそれに依存できなくなるくらいにまで小さくなる。

「日本ブランドの危機」って、そんなわけでどうも辻褄が合ってない気がして。その対策として「ブランド化をさらに進める」ってのまた違う気がして。

もう少し意味を考えてみると、例えば韓国じゃできない本物の高級ブランド品を提供する国として世界に君臨して、その威光で普及品のイメージに箔を付けるってあたりかな。

そうなっても、普及品市場でも他国に勝る人気を得るには、普及品の宿命である価格競争でほぼ対等であることが条件だよね。ある同じ製品を複数のメーカーが出してて、お客がどっちを買おうか迷ったとき、決め手になるのは値段とイメージ。値段の不利な差をイメージが埋め合わせてあまりあるとき初めて、高めの商品は安めの商品より売れる。

と、切り分けて考えてようやく分かってきた。けどこれ「素人なりの意見」ってやつなんで、正解は全然違うかも。

それでも現状でマスコミが説明してる「日本ブランド」は、上に書いたとおり矛盾なわけで。そこまでは分かってる。

銘板左端銘板銘板右端

「日本人はブランド好き」とかよく聞くよね。それがブランドである、ということが飛びつく理由というか。確かめたわけじゃないけど、海外だとブランド品って一部の金持ちだけが使うもので、大衆層はそこらにあまりこだわらないとか。

本当だとすると、「日本経済の衰退を防ぐには、日本製品のブランド化を進めること」って理屈、日本国内で日本人が聞くぶんには説得力があるけど、現実の海外市場じゃあんまし効き目がないってことになるじゃないのかねぇ。

銘板
2010.11.23 火曜
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どなりっち

最近になって、ようやくちょっとわかってきたこと。

「怒鳴る」行為って、効果を考えるとだめだわ。使い物になんない。目的を果たせない。あるいは、予期せぬ思わしくない状態に相手が陥ったり。

怒鳴った側がそのときだけちょっと胸がスッとするってだけ。すぐにまたイライラするし、肝心の言うこと聞かせる相手も、大抵は期待通りにはなんない。ヘソ曲げてやってくれなかったり、そのときだけやってはくれても、萎縮したりイヤになったりして、怒鳴った人から距離を置いてしまったり。そのあと必要以上に自分を責めて落ち込んでしまったり。

原状回復にかかる時間と労力がものすごくかかっちまうもしくは、原状回復不可能だったり。

怒鳴るほどじゃなくても、無駄に嫌な態度ってのも同じ方向になりがちかと。

けど、ときどきやってしまいたくなるんだわ。やってしまったり。

人間、おしなべてみんなそうなんだろうか。みんなそうなんだとしても、なんか安心する気になれんなぁ。そういう心持ちにならん方法ってないもんかねぇ。マザー・テレサ並みとは言わなくても。

続けていろいろグダグダ書いたけど、「ととのいました」とはなんなかったんでバッサリ削除しましたよと。

銘板
2010.11.24 水曜
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軌道の帝王

ロバート・ファーカーという名を知ったのは、松浦晋也氏の『恐るべき旅路 火星探査機『のぞみ』のたどった12年』だったよ。NASA の宇宙機の軌道設計をしてる人で、日本だと はやぶさ プロジェクトマネージャーの川口淳一郎先生に当たる人。この本でファーカー先生は「軌道の帝王」と呼ばれている、とされてた。んでその対比として川口先生が登場してて、先生の負けず嫌いさを表すエピソードとして、ファーカー先生がかつてやってのけたアクロバティックな軌道をして「あんなの全然大したことがない」とコメントしたとか。

てことで川口先生が作ったのが、火星探査機 のぞみ の地球離脱軌道。のぞみ は M-V ロケットで打ち上げることに決まってて、事実そうなった。で、のぞみ の開発中って M-V の開発中でもあって、のぞみ の仕様は M-V の開発具合に影響を受けまくった。

M-V の打ち上げ能力は先代の M-3SII の2倍。M-3SII が打ち上げた深宇宙宇宙機は さきがけ、すいせい の2機。どっちも質量は140kg くらい。てことは、M-V が地球の引力を振り切って惑星間空間に持っていける質量は単純計算だと 280kg 程度。

ところが のぞみ の質量はその倍近い 540kg。これでも相当無茶なダイエットをした結果。しかも M-V は開発が難航。問題が出た1段目の再設計したときには、打ち上げ能力が目標値より1割落ちた。これじゃ のぞみ は火星に届かないどころか、地球の引力圏から脱出さえできない人工衛星止まり。

それでも開発がそのまま進んだのは、川口先生の軌道力学の貢献があったから。月スイングバイを2回、地球スイングバイを1回。地球のときはメインエンジン噴射も足すと、ちょうど火星に行けて、逆噴射で火星の衛星になるぶんの推進剤も確保できる、となった。前にその図をもとに GIF アニメを作ったんで、もっぺん出してみる。

のぞみスイングバイ軌道アニメーション

背面宙返りですな。この図を初めて見たとき、呆気にとられたですよ。たぶん川口先生、もっと複雑な軌道も、必要があれば作ちっゃうんじゃないかな。

で、80年代のアメリカで、もっと複雑な軌道を作って実際に探査機を飛ばした人がいた。それがロバート・ファーカー先生。

1985〜86年、世界の宇宙機関は次々と探査機を打ち上げた。76年ぶりに地球近くに戻ってきたハレー彗星を観測するために。さきがけ、すいせい の2機体勢で参加した日本は、このときが深宇宙デビュー。そのあと再び深宇宙に返り咲くのは、1998年打ち上げの のぞみ まで待つことになるけど。

ほかに参加したのはヨーロッパ連合とソビエト。当然のごとくアメリカも参加するはずだったのに、ハレー彗星観測装置(地球周回軌道上から観測する衛星で、探査機ではなかった)を積んだスペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げ途中にまさかの大爆発。あのときは乗組員7人の命とシャトルの機体を失ったことが大いに注目された陰で、実はこういう損失もあった。

けど NASA は当時から財産を持ってた。ファーカー先生みたいな人材も、ハレー彗星探査に流用できそうな探査機も、シャトル事故で組織が大変なことになってる中で、このミッションを遂行するだけの余裕も。

ファーカー先生が白羽の矢を立てたのは、3機セットの太陽風観測機のひとつ ISEE-3。これ、地球と太陽の間にあるラグランジュ点 L1 の空域を漂う軌道を取ってた。この観測機器をハレー彗星探査に流用できる目処が立った。あとはどうやってハレー彗星まで届けるか。

で、ファーカー先生が設計した軌道が以下。

ISEE3_ICE の軌道図 その1

いやもう何が何やら。ただひたすら「すんませんすんません」と謝ることくらいしかできんよ。つかもうおかしいってこれ。上の方、妙にとんがってるし。8の字飛行を3回もやってるし。どーなってんだこれ。

この軌道図は「スパゲティを天井から床に落とした形」とか「悪魔の軌道」とか言われてたそうで。軌道図を見る前には「アメリカ人は誇張が好きだもんなぁ」とか苦笑いしてたのに、川口先生も「あんなもの全然大したことない」と言ってたからこっちもそのつもりだったのに、見たらあんた「天井からスパゲティ」は別に誇張じゃないし。そのまんまそうだし。

もうちょっと分かりやすい解説図があったよ。こっちはカラーかつ立体的で分かりやすい代わりに、距離や軌道の形がちょっとアバウトらしいけど。

ISEE3_ICE の軌道図 その2

と言いつつも、やっぱし何がなんだか……。時系列で色分けしてて、「オレンジ→赤→緑→青」の流れ……だと思う(汗)

L1 って主星の引力圏の縁ギリギリのあたりで(太陽-地球系だと、地球から太陽寄り 150万km の場所)、惑星間空間と呼べるかどうか微妙なところなんだわ。そこでうろうろしてる探査機をああやってこうやってとグリグリ回してるうちに、ポンと飛び出たら地球の引力圏を脱出してハレー彗星に向かって飛んでいけるほどの速度を獲得してたというマジック。月スイングバイを5回してるらしい(複雑すぎてうまく数えられん)。なんかこう、のぞみ の軌道にはコーフンを呼び起こされたけど、こっちからくる感覚は恐怖に近い。ここまでされると背筋がぞっとするわ。しかも完璧に実行したんだもんな。なるほど確かに「悪魔の軌道」だわ。

この遷移軌道、L1 から始まってるんだけど、途中、L2 を経由してるね。L1 の、地球を挟んで反対側の空域。地球からの距離も同じくらいらしい。そんな正反対まで飛んだついでに、太陽風に吹き流されて伸びてる地球磁気圏の観測までやってしまってる。太陽風観測機だもんなぁ。そりゃこの空域に来たら観測できちゃうよなぁ。で、晴れて地球からの脱出速度を獲得してハレー彗星探査機になったとき、この宇宙機は ISEE-3 (International Sun-Earth Explorer-3) から ICE (International Cometary Explorer) に改名したとさ。

てなわけで Wikipedia の記事を見ると、「太陽風・磁気圏・彗星探査機」と書いてある。すげえなぁ1機3役をこなしたんだ。しかもいったんは運用終了で捨てられたのに、おととしチェックしたらまだ使えることが分かって、2017〜2018に彗星探査機としてまた仕事を貰うことになったの!? NASA の探査機ってモノによってはターミネーター並みのしぶとさだもんな。ボイジャーもまだ元気だし。

はやぶさ も最初は、つつがなくミッションをこなせて4年で地球に戻ってカプセルを放出できたら、本体は地球スイングバイして別な天体の探査に向かうことが考えられてた。けど結果はご存知のとおり。本体が大気圏再突入した理由は、傷ついた機体でも正確にカプセルを放つために地球にギリギリまで引きつけたからだけど、カプセルのことを考えなくても、もうボロボロだったからボーナスミッションなんて余力はなかった。日本の深宇宙探査機はまだまだ華奢ですなぁ。

銘板
2010.11.25 木曜
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GEOTAIL

太陽風で地球の夜側に大きく伸びた磁気圏の観測って、日米共同の観測衛星 GEOTAIL が初めてだと思ってたら、実は昨日書いた ICE がご先祖だったのか。恐らく ICE がハレー彗星への行きがけに、ロバート・ファーカー先生が設計した鬼神のスイングバイをしてる最中に取った磁気圏データ。これが興味深かったんだろうなぁ。

GEOTAIL はその目的に特化して開発された。打ち上げは1992年。その2年前、1990年に打ち上げられたスイングバイ技術実証衛星 ひてん の成果を早速使って、月スイングバイを繰り返しながら、地球の磁気圏の尾の部分にできるだけ長くとどまって観測した。「観測した」というか、なんと今も現役だったりする。今年で18歳記念だったかー。つうかオーロラ観測衛星 あけぼの は21歳だよ。日本にも長寿な衛星・探査機があるんだなぁ。

その GEOTAIL のスイングバイ軌道図を入手したですよ。これがもう!

GEOTAIL_軌道0
わけわからんw

こいつもまた鬼のようなんですが……。縦回転してるのが4カ所あるね。X-Z 平面のグラフとも突き合わせると、たぶん月の極を通るスイングバイをしたんじゃないかと。四角く回ってるのも1本ある。X-Z 平面を見ると、このときも縦移動がある。Z-Y 平面で見ると(左向きがマイナス、右向きがプラスな点に注意)、+Y → -Y に移動したんだとして、天の南極側から天の北極側に、たすきがけしたんですな。

いやいやちょっと待て。別な軌道図を入手したんだが、

GEOTAIL_軌道1

縦回転とかスクエアなコーナリングとか、月軌道よりはるか向こう側でやってたのかよ。もう何が何やら。この手の軌道図は太陽−地球の方向の固定してるんで、往々にして軌道は楕円じゃなくなったりするもんではあるけど、それにしてもこれほんとどーやって設計するんだ? いや、設計の前の発想からして、一体どーやるんだ?

銘板左端銘板銘板右端

はやぶさ の川口先生はこのくらいやっちまうわけだよなぁ専門家だもんなぁ。GEOTAIL の軌道は川口先生、ファーカー先生のどっちが作ったんだろ。両雄のコラボかな? 松浦晋也氏は『恐るべき旅路」で、ファーカー先生が「軌道の帝王」と呼ばれてるのに対応して、川口先生を「軌道の魔術師」と呼んでる。帝王でも魔術師でもいいんだけど、どっちにしろ人間業じゃないわw

つか川口先生というか はやぶさ チームというかの場合、「魔術師」の普及度よりも、「日本の誇る変態技術者(集団)」の方が通りが良くなってしまった気がするw

銘板
2010.11.26 金曜
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薄っぺらい人

「薄っぺらい人」てのはよく聞く言葉ではあるけど、どんな人が薄っぺらいのか、漠然としててよく分かってなかった。人によって定義も違ってたりもするんだろうけど、おいらようやく実例を目の当たりにしたですよ。

長期観測期間中、ときどき受動的に入ってくる情報やこっちからの試し打ちとかを総合して、こいつは本当にそうなんだろうと断定したんですがね。もっと手早く労力をかけずにできると話が早いというか、弊害も少ないんだけどさ。

そこらの判定がよく分からん状態だった頃にいっぺん、そいつの不見識からとんでもないことされてさ。イラッと来たまんまの感情をぶつけちまったら逆ギレされて。その理由が「体面を潰された」だもんな。自分のしでかした事態よりも、体面のほうがそんなに大事なのかよ。結局おいらの主張の方が通ったわけで、そいつはダブルで体面を潰された、というかダブルで自分で潰した、というか。そもそもヘンテコなことやらかさなきゃ何も被害がなかったのにな。つうか、変なことやられたおいらの体面はどこに行ったんで?

さらに最近発覚。こいつ立場を利用して、仲間内の誰と誰が付き合ってるとか、そんなパパラッチネタを収拾するのが何よりのお楽しみだったとは。とんだ出歯亀野郎でしたわ。自分の体面がそんなに大事なのなら、ほかの人の体面も同じくらい大事にしようなんて発想に至らないのが不思議で不思議で。

けど普段の表向きは、イイ話を出したりして相手を心服させようと必死だったり。よく聞くとその前に言ってあったことと辻褄が合ってなかったり。実は自分の言葉じゃなく、ただの受け売りだったことが分かったり。そんな「バレればおしまい」な間抜けな綱渡りを執拗に繰り返す意味も意図もまったく分からん。綱から落ちまくって見てらんないし。そのやり方のほかに自分を誇示する方法を知らんってことなのかなぁ。いろいろあるのに。

そんな虚ろに過ぎる彼の観察を通して今まで分かった作法は、

  1. 自分の体面を大事にしてほしければ、自分の体面を捨てること
  2. 自分を誇示したければ、今の実力以上の自分を誇示しないこと

反面教師ですなぁ。この人物の見極めに時間がかかったのは、ひとえにおいらの洞察力不足のせいなんだけど、具体的には表向きの取り繕いに引っかかったってのがあるな。どうもイイ方向に自分でバイアスをかけちゃってて。「イイ方向」ってのはきっと「自分に都合のイイ方向」なんだと思う。「それだったら安心できるんだがなぁ」という向きで。

最近まで見抜けなかったのはおいらの力が足りなかったせいなんだから、彼に対して被害者意識はないんだけどさ、あんまし近づかんようにしてるよ。つうか気持ち悪いから自動的に近づかないようになるわけで。不用意に近づくと、ケガレたなにがしかをうつされそう。はらわた腐れてるよ。

向こうもおいらにあんまし関わらんようにしてるっぽい。向こうからすれば、おいらは理解できんキチガイかもな。彼の常識がことごとく通用しないもんだから。

銘板
2010.11.27 土曜
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常識に逃げる人

昨日の続き。

常識人であることはけっこうなことなんだけど、彼の常識はなんてーか、とっても狭いのよ。自分の常識、自分の周りの常識、世の中の常識、世界の常識、ここらへんの区別が一切ないのよ。自分の常識が世界の常識なんなら、左ハンドルのクルマで右側通行しろってのw

古い言葉だけど、「まず常識を疑え」てのはけっこう当たってると思うよ。常識ってのは「今はとりあえずそれで行きましょう」っつう暗黙の合意。基本、その時代のそのコミュニティでしか通用しないローカルなもの。だから、よそのコミュニティだと通じない。時間が経てば古くさくなる。だから状況によって自分で考えて更新すべきもの。けど常識ってその場その場でいちいち方針を考える面倒を省くためのものなんで、あんまし常識にばかりとらわれると、物事を自分で考えないようになるっつう副作用がある。「常識に従うのは常識」なんて理屈で。

てなわけで、自分に都合のいい常識だけをつなぎ合わせて、ちょっとでも考えれば分かる矛盾をやらかすの、あんましカッコイイとは思わんくて。そして指摘されて逆ギレってさ、彼の中じゃ指摘した人が悪いことになっちゃうみたいだし。明らかに自爆なのにな。つか、それじゃ道理を学ぶ機会がなくて永遠に堂々巡りなんじゃないかと。ああそうか、体面を傷つけないように配慮しなきゃいかんのか。そっちが最優先なんだった。どんだけだだっ子よめんどくせえ。

なんだかかわいそうになってきた。

っつうかこの蒙昧君、おいらとは遠いけどまったく無関係ってわけでもなくてさ。一皮でも10皮でもむけてくんないとこっちが迷惑なんですが。

銘板
2010.11.28 日曜
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ごく一部がイタいんですが

世の中、体育会系と呼ばれる方々がいらっしゃいまして。その中のごく一部だけど、どうしようもないやついるよね。どうにかなんないのかね。

昨日の常識に関する話の続き。

体育会系の独特なしきたりや考え方が常識だと固く信じてる人たちってさ、付き合うのがすごく手間なんですが。それ以外を下に見てるから聞く耳持たないし。常に気遣ってないと、すぐに腹立てて難癖付けはじめるし。それを受け入れれば調子に乗ってますますつけあがるし。はねつければますますキレるし。もうどうにもなんない。

話し合おうにも、気分だけで理屈じゃないもんだから成り立たないし。ツッコミどころまみれなんで思わず矛盾点を突いてしまえば、また怒って手ぇ付けらんなくなるし。

自分の常識が世の中の常識だと思ってるってことで、世の中はそれに従わねばならんと思ってるってことで、その常識外にいるおいらみたいな輩の存在が許せんらしいのよね。

「体育会系に非ずんば人に非ず」

という根も葉もない洗脳を受けてしまってるのな。ああそうか洗脳か。だったらもう放っとくしかないのか。

てことで、我らこそ世界を支配する種族なのだからして被支配民どもは我らに従っておればよいのだ的な錯覚しまくりなんで、身内のゴシップネタを集めてはニヤニヤ笑って楽しむなんつう女々しくてグロテスクなことをしでかしてても、何ら恥じ入ることはないってことなんですかね。道義として異常じゃないかとおいらは思うがなぁ。こんなみっともない輩に従うの、自分が情けなくなるからイヤなんだがなぁ。

オリンピックで日本が弱いのは、10年くらい前まで「西洋人と体格が違うから」「農耕民族では狩猟民族には勝てない」と外部原因説がよく言われてた。けど中国や韓国が金メダルを量産するようになったもんだから、そんな陳腐な言い訳は通用しなくなった。そろそろさ、日本独自の体育会系というシステム自体に一部でも、日本のスポーツの弱さの原因を求めるわけにはいかんのかね。

システムはシステムでしかない。より実情に即したシステムがあればさっさと鞍替えすべきなのに、旧態然としたポンコツなシステムに余計な意味付けをするから組織の自己目的化が始まる。てことで危機感を持った内部の人がこの改革をしようとしても、ごく一部の頭悪い勢力がそれに反発して妨害するのは目に見えてるわけで。体制の崩壊と自らの崩壊との区別がつかんってのは、やっぱし自己目的化の成せる技ですな。

で、こういうどうにもなんないのは体育会系のごく一部なんだけど、それを見分ける方法を発見したよ。

ことあるごとに「自分は体育会系だから」と強調する人。自分に責任が発生しそうになると、体育会系そのものに責任転嫁する気マンマンの証。体育会系の本体でもこんなの迷惑なはずなんで、体罰なり破門なりで内部的に処分していただきたい。けど体育会系って組織的な実体がないからね。責任を横流しされても別に誰も困りもしないと。しかし体育会系っつう組織が実在したとして、自分の責任は自分の立ち位置の母体におっかぶせればオッケーってのどうなんだろ。チンピラでさえ上部組織の面子に傷を付けないよう注意を払うってのに。

体育会系って日本でスポーツを極めるのに必要な仕組みなのかもしんないけど、虎の威を借りたい一部の姑息な人間にとっては、その用途で利用し放題の便利な仕組みですなw つか実体のないものに責任を転嫁するのってさ、卑怯というか。そんな輩は「自分は体育会系だから」と粋がる前に、スポーツマンシップやフェアプレイ精神を最初から学び直した方がいいと思うよ。体育会系の健全な発展のためにもなると思うよ。

銘板左端銘板銘板右端

10年以上前、テレビで面白い企画やってたわ。スポーツじゃないけど、どっか東京の有名大学のバンカラ系の弁論研究会の人がね、当時いっぱい出てたコギャルに、お前らなってないから説教してやるとかいうやつ。スタジオに集まったコギャルは30人くらいかな。で、彼はそこで一席ぶった。完全に上からな態度で。

けど質疑応答タイムで2, 3人に突っ込まれて敢えなく撃沈。自分が常識だと思い込んでることって、それを共有してない人にはほんと通じないんだねー。特に、押し付けがましいと絶対に通じないんだねー。いやーこのときそのことを初めて実感しましたですよ。貴重な示唆を与えてくれた番組企画でございました。

「愚弄するな!」

「(ヘア)ブロー?」

もうこれがすべてを表してたw

番組は弁論の人の頭の固さ加減とコギャルのバカさ加減を対比で強調したかったみたいだけど、とりあえず、人に話を聞いてもらうには、道理もそうだけど態度も大事なんだね。うん。おいら基本、態度でかいからこのこと忘れがちなんだよな。いい機会だからまた肝に銘じとこっと(←肝に銘じられてない)。

銘板
2010.11.29 月曜
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続・微粒子祭り

はやぶさ 微粒子祭り、まだ続きがあったよ。容器を逆さにして工具で叩いたら、大きめの粒子がいっぱい落ちてきたとか(笑)

また記事を寄せ集めて提灯行列だす。とはいえ今回のご参列は3紙のみ。さすがに世の中は別な話題に興味が移り始めたかな。それでもおいら的には最重要ニュースってことで。

銘板左端銘板銘板右端

大きめ粒子、新たに数百個=はやぶさカプセルから―宇宙機構

時事通信 11月29日(月)19時15分配信

小惑星「イトカワ」の微小な砂粒が約1500個入っていた探査機「はやぶさ」のカプセル容器について、宇宙航空研究開発機構は29日、皿の上に逆さに置き、工具で軽くたたいたところ、やや大きい直径数十マイクロメートルの微粒子が新たに数百個出てきたと発表した。

肉眼では見えず、光学顕微鏡で見つけた。人工の粒子の方が多いが、イトカワの砂粒も含まれているとみられ、今後電子顕微鏡で詳しく調べる。大きい砂粒の方が、鉱物の結晶構造などを調べるのに有利という。

宇宙機構の向井利典技術参与らによると、この容器はアルミ製の円筒形(直径4.8センチ、長さ5.8センチ)で、内部が「A室」と「B室」に仕切られている。これまで調べてきたのは、はやぶさが2005年11月26日、イトカワに再着陸した際に舞い上がった砂粒を収納したA室。先に確認された約1500 個の砂粒は、小さなへらでかき出されていた。

まだ開けていないB室には、同月20日の初着陸時の砂粒が入っているとみられる。初着陸時は機体が3回バウンドして約30分間着陸していたため、砂粒がA室より多く入っていると期待される。 

銘板左端銘板銘板右端

はやぶさ 大粒の微粒子数百個 「イトカワ」の物質か

毎日新聞 11月29日(月)20時11分配信

6月に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルから、最大で直径0.1ミリの微粒子が新たに数百個見つかった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が29日発表した。発見済みの微粒子に比べ、直径で10倍、体積で約1000倍大きい。100個以上が小惑星「イトカワ」の物質の可能性があるという。宇宙誕生の謎に迫る今後の分析作業が格段に早まると期待される。

JAXAは11月16日、光学顕微鏡で見えない直径0.01ミリ以下の微粒子約1500個をイトカワ表面の物質と発表した。人類が直接小惑星から採取した初の成果となった。

その後、微粒子が入っていた円筒容器(直径約5センチ、長さ約6センチ)を下向きにし横から工具で軽く数回たたくと、下に置いたガラス皿に直径0.1〜0.01ミリの顕微鏡で見える粒子が数百個落ちてきたという。

粒が大きいほど調べやすいため、12月中に電子顕微鏡でイトカワ由来かどうかを判別後、発表済みの微粒子より先に詳細に分析する。これまでの経験からアルミ片以外はイトカワの物質の可能性が高いとみられる。

今回の発見について向井利典JAXA技術参与は「コンコンとたたき、何とも原始的な方法だが『何もない』という先入観で今までやらなかった」と説明した。【山田大輔】

銘板左端銘板銘板右端

はやぶさカプセルに大きめの微粒子 新たに数百個以上

産経新聞 11月30日(火)1時42分配信

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日、今年6月に小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰り、小惑星「イトカワ」の微粒子が見つかった試料保管容器の中から、新たに比較的大きな微粒子が数百個以上も発見されたと発表した。イトカワ由来の可能性があり、詳しく調べる。JAXAによると、見つかった微粒子のサイズは100分の1ミリ以上。これに対して、イトカワ由来と判明した微粒子は約1500個のほとんどが100分の1ミリ以下だった。上野宗孝・JAXAミッション機器系副グループ長は「(大きければ)微粒子の結晶構造を楽に見ることができ、手順も迅速になる」と話している。

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向井先生のコメントが振るってるなぁ。

「コンコンとたたき、何とも原始的な方法だが『何もない』という先入観で今までやらなかった」

もしこれが失敗事例なら「先入観でやらなかった」は叩かれネタになり得てしまうけど、「遅ればせながら、思いついてやってみたらうまくいった」成功事例だからな。愉快ですなぁ。

思えば はやぶさ の旅はタイミング勝負の連続だった。「もう時間がない」「これを逃したら次はない」「正確に、とにかく時間までに/時間カッキリに正確に」。手に汗握るこんな展開ばっかだった。それでうまくいったのもあった。そうでなかったのもあった。

けど今 はやぶさ はすべての仕事を成し遂げて、サルプル容器は神奈川県相模原市の、宇宙科学研究所内のキュレーション設備にしっかり確保されてる。イトカワ由来の物質も、超小さいのは1500粒も発見済み。あとは時間を気にせずゆっくりじっくりやればいい段階。MUSES-C 計画全体を通して、ここまで余裕かまして作業できる環境って初めてじゃないのかな。

既に発見済みの電子顕微鏡レベルの微粒子は、小さすぎてどう取り扱うかまだ決まってないみたいだけど、今回見つかったのは容器を叩けばパラパラ落ちてくるほどの大きさ。格段に扱いやすそうだね。サンプルの総質量も相当稼げたんじゃないかな。

今回調べたのは容器の2つある区割りのうち、初めに開けた A 室の方。A 室より有望視されてる B 室の開封はこれから。たぶん B 室の方は、開けて一応中を見たら、すぐに容器ごとひっくり返して工具で叩くんじゃないかとw

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2010.11.30 火曜
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講談でやられた話

はやぶさ は確かに快挙で偉業なんだが。いや世相にケチ付ける気はさらさらなくて。

そのとおりそう思ってたんだけど、半月近くも経つと、ちょっと違う感傷が湧いてきて。

もういろんな人たちがとっくに感じたことを、今さら。

かわいそうだな、と。ほんと今さら。

だってよー はやぶさ もういないんだもんよー(泣)

あんだけすごいことやり遂げたのに、存在しないなんておかしいってば(滂沱)

カプセルは日本に帰ってからすぐに各地で公開された。9月に宮城県角田市の JAXA の施設に来たから、観に行って対面してきたよ。そのカプセルから取り出されたサンプル容器を専用施設で調べたら、小惑星の物質が本当に入ってた。人類が初めて手に入れた現物だよ。

そこまでやってのけた、祝福されるべき本体がもう存在しない。この超貴重なお土産を届けるのと引き換えに、故郷の空に溶けて消えた。あれだけ苦労して苦労して、死ぬ思いまでして、ようやく命をつないで帰り着いたのに、目的の完遂が死ぬことだなんてあんまりだよ。

それが美しい話だからこそ、こんなにもたくさんの人たちが気に留めてくれてるわけでさ。それは分かってるけど、分かっちゃいるんだけど……。

再突入のかなり前から、「はやぶさ をどうにかして助けられないか?」という話はネット上で何度も見かけたよ。「うちの子供が『はやぶさ助からないの!?』と泣いて困った」、とか。納得行かないドイツ人がシャトルでの救出を力説したりとか(スピードが違いすぎて無理なんですよ)。

最近まではそういう意見には「どうしたって無理だからねぇ」「もう何年も前にこの運命は決まってたから」とかそんな理屈をこねては距離を置いてたんですがね、もう逃げられないと観念せざるを得ない動画を見てしまって。

探査衛星「はやぶさの最期」 【講談】ニコニコ動画

恥ずかしながら講談って今までまともに聴いたことなかったんだけど、完全にやられちまって。これでもう自分の気持ちに素直になってしまいましたとさ。

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