ひとりごちるゆんず 2008年6月
銘板
2008.6.1 日曜 前日に飛ぶ
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あゝ栄光の東宝アナログ特撮 7

うん、いや、まぁ、あの、おいら的にはアナログ特撮への愛は『帝都物語』(1988)(後で取り上げる予定っす)をピークに、しぼみっぱなしになっちゃうんだわ。んだから今回の『ZIPANG ジパング』(1990)はもうテンションがた落ちなんだけど、勘弁してちょ。

恐らく『ガンヘッド』(1989)で、東宝は判断したんだと思う。特撮ものの主要スタッフには話題の新人を混ぜよう、と。当時話題をかっさらってた新人監督と言えばこの人、『夢みるように眠りたい』(1986)で鮮烈なデビューを飾った、ああいあいおう(とりあえず伏せときます)。いや、おいら、「夢みる……」観てないけど。

てことでおいらは感知してなかったけど、かなり話題だったのよこの新人監督。で、松村冬風と違って芸能事務所の後押しもなさそうだったから、これは純粋に東宝が気に入って、スター映画人に育てようとしたケースかと思われ。んで、独立プロの作品だけど東宝が一枚噛んでた『帝都物語』の脚本家に起用(監督はベテランの実相寺昭雄)、さらに原作、脚本、監督を任せたのがこの『ZIPANG ジパング』。

ちなみに『帝都物語』はねぇ、脚本最悪だったよ。原作小説の10巻ぶんを2時間かそこらにまとめるって時点で無茶な荒技だったんだけどさ(続編の『帝都大戦』(1989)は1巻ぶんだったんで無理がなかった)、それにしてもズタズタでこれが。話が全然つながってなくて。てなわけで、『ZIPANG ジパング』にはそのあたりは全く期待してなかったのよ。てなわけで封切り公開中も、気になってはいたものの結局見逃して、後でビデオで鑑賞したんだわ。

『ZIPANG ジパング』も脚本がダメダメ。脚本がっつうよりストーリー構成が死にまくっててこれが。演出としては、時折訪れる最大瞬間はなかなか見どころがあったけど、それ以外はもう全然。「愛とは何か」がテーマらしかったんだけど(いきなり中二病だな)、肝心のそれを説明するところなんかもうグダグダそのもので、「早く場面切り替わってくれ〜」と切に願ったよ。他にも、焚火を囲んで談笑するなんつうただそれだけのシーンでも、全然間が持ってないしさ。

けど妙なこだわりがあったりして、バカみたいな演技を付けられてた縄文人(?)役の役者が、実は古代語の指導を受けてたりとか。ものすごい形の刀が腹にグイグイ突き刺さるっつうグロいカットを、あんまし意味もなく何度も挿入したりとか。最初に出てきた主人公軍団の特技を、最初に派手に1回使っただけで完全に忘れ去ったりとか。でもクライマックスじゃ段取り完璧な緊迫の長回しで盛り上げますぜ〜。

なんかもう映画っつう遊び道具を与えられて、期待の新人監督はしゃぎまくっただけでしたみたいな。要は、気合い入れてる場面と入れてない場面とで監督のテンションがダンチなのが、観客にモロ分かりなんですな。商業映画なら全部に気合い入れやがれよまったく。

そういやここでも主役は、『ガンヘッド』以来東宝のお気に入りで、後のゴジラシリーズでも活躍することになる高嶋政宏だったな。この作品だとどっちかつったら弟の方がキャラ的に合ってた気がするけど、政信はスクリーン映えしないから、これでよかったんかも。あと、ヒロインの安田成美が超かわいかったなぁ。もう全然映画本編と関係ないしww

特撮の方も、なんか別に大したものはなかった気がする。味方のキャラとして、特に意味なく子象が出てくるんだわ。これ、テレビ CM だと秒速12コマの人形アニメーションで動いてたと思うけど(きっとあれは真賀里文子の仕事だな)、本編じゃそんなカットがなかったような。で、子象は本編でどうしてたかっつうと、ぬいぐるみの中に人が入って、ぎこちなく歩いてたわ。特撮ってほどじゃありませんですな。これもまた画面に出たっつうだけで、ストーリーに一切絡まなかったし。監督、一体何がしたかったんだよ。

あと特撮っぽい場面としては、タイムスリップの前フリ映像かなぁ。技術的にはまぁ白黒フィルムで撮った素材をコマ落としで早回しにして、1コマずつネガとポジを入れ替えたってくらいで。見てたら目がやたらチカチカして具合が悪くなりそうで、「とっととタイムスリップしてくれ〜」とここでも切に願ったっけ。

と、思い出したら単に「出来が悪かった話題作」ってだけで、別に東宝特撮ウンヌンの話じゃなかったわ。なんか今日は後味悪くていろいろすまんかった。

んでまぁ強引にまとめに持って行くと、この映画もまた興行的にハズしたと思う。公開中も公開後も、まったく話題になんなかった。で、80年代全体で、東宝なりに特撮ものをいろいろやってみた結論は、「確実に売れるのはやっぱゴジラだな」ということだったかと。てなわけかと思うけど、バブル崩壊後の90年代はもう新しい試みは一切やめて、濃い人たちと子供客をターゲットに絞って、ずーーーーーっとゴジラシリーズのターンが続いたのだった。

おいらにとっては暗黒時代に突入でしたよ。ビデオでビオランテのやつとモスラのやつとキングギドラのやつを観たけど、新しい特撮技をほんとになんにもやってなかった。それどころか質が落ちたような気さえしたよ。そしてゴジラシリーズがようやく一段落したとき、世の中は誰が作っても大差ない、個性が薄い CG 特撮全盛の時代を迎えてた。アナログ特撮なんてものは、はるか昔の遺物と成り果てていましたとさ。

あの、東宝さん、おいらとしてはですね、ゴジラが売れるとかそうゆーのじゃないんですよ。その時その時の興行成績がどうたらとかそれ以前にですね、どの特撮映画も、映画としての基本的な骨法(脚本・演出・編集)をもっと普通の映画レベルで押さえ続けてれば、日本の特撮映画は大人も子供も楽しめる一級の娯楽ジャンルになれたと思えてしょうがないんですけども。

特撮そのものは、映像表現のための手段のひとつでしかないんですよ。それを忘れて特撮だけを売り物にして勝負しようとしたのが、そもそもの間違いの元と思えてしょうがないんですよ。作品を1本公開するごとに興行成績だけ気にして、作品の出来としてどこがまずかったのか、次はどうすべきかってのを、ちっとも検討・対策しなかったのが丸分かりなんですが。

今になって考えると、東宝のアナログ特撮ってさ、普通の映画より確実にカネがかかってたはずなんだけど、その割にはライバルのハリウッド SFX に比べるとしょぼさやチャチさモロ出しの出来しか提供できなかった、てのが衰退の主な原因だったんじゃないかと。相手が強過ぎましたな。あと、日本じゃこの手の娯楽ジャンルの地位が低くて、一流どころの脚本家、演出家、プロデューサーが付かなかったのもあるかも。

例えば『少林サッカー』(2001)って CG をバリバリ使ってるけど、誰も特撮ものだと思ってないじゃないですか。純粋な娯楽映画として幅広い客層を集めて、大ヒットしたじゃないですか。あの作品がなんで観客にそう扱ってもらえてるのかちょっと考えて、今後に活かしていただきたいですよ。東宝さんそこに気付いてんのかなぁ。まぁそんなエラソーなこと言ってるおいらも、特撮場面だけピックアップして楽しんでたから、観客の質としてアレなんですけどもね(ごにょごにょ)。けど『ALWAYS 三丁目の夕日』はその路線で大成功だったわ。いかんいかん、忘れててすんませんでしたです。

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『ZIPANG ジパング』、エンディングテーマに X JAPAN(当時の名前は単に "X" だった気がする)の『エンドレスレイン』を起用したあたりからしても、東宝がこの企画にどんだけ期待して予算を付けたかが分かろうというもの(一応、製作は EXE [エグゼ] という会社だったけど、東宝がかなり絡んでたような気がする)。普通この手のタイアップだと、芸能事務所は売り出し中の新人の曲を持ち込んで、「タダ(あるいは格安)でいいから使ってやって下さい」なんて感じだと思うんだけど、X JAPAN は当時既に売れっ子だったからな。東宝の側からカネを払って、曲を使わせてもらったんじゃないかな。でも映画と曲、全然合ってなかったw

銘板
2008.6.2 月曜 前日に飛ぶ
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職場 PC 環境とオレ

5月中から、職場の担当 PC もカナ入力にしちゃった。

11月の入社以来、「家では自分の仕様、職場では標準仕様」として、「世の中の普通」を習得すべく努力してきたんだけど、まぁ一定の習熟度に達したってことで。2月頃から職場も左手マウスにしてるし。

んで、やっぱ慣れてるセッティングはいいわ〜。文章の打ち込み、職場でもめちゃめちゃ気持ちよくて。てゆか、脳内じゃ「職場ではローマ字入力」が出来上がってたもんだから、カナ入力にしてから数日は打ち間違いだらけで、なかなか作業が進まなかったよ。ほんと脳みその内部で2つのセッティングがスパークし合ってるのが分かったぐらいにして。マジで頭の中で火花が散って、目眩がするんすよ。

いやいやいや、とりあえずこうゆーのも環境に順応しちゃうもんなんだねぇ。「日本じゃ右ハンドル、アメリカじゃ左ハンドル」ってのを難なくこなす人も多いかと思うけど、あんな感じかと。そんな順応をした人が日本で左ハンドル車にいきなり乗ったら、脳内スパーク発生しまくりかと。

ちなみにおいら、いっぺんアメリカでクルマを運転させてもらったらすごいことになった (^▽^;) マニュアル車でさ、シフトチェンジごとに左手でドアぶん殴ったり、ウインカーのつもりでワイパー動かしたり、交差点で曲がった後に対向車線をずっと走ってたり。他に誰も走ってない田舎道でほんとよかったw

現地でクルマを持ってる日本人は「全部逆だと思えばすぐに慣れるよ」と言ってたけど、ペダルは同じだろが〜!

てことで、仕事でしばらくローマ字入力やって雰囲気は掴んだし Windows もそんなに怖くなくなったんで、本来のスタイルに戻しましたですわ。ああ快適。おいらの担当 PC、もう他に誰も使えんww

しかも最近、マウスのスクロールホイールが死んじまってさ。でもまだ他の機能がちゃんと使えるからそのまんま使ってるんだわ。これが同僚にさらに不評で。いや、でもそいつはなくてもどうにかなるじゃん。90年代はそれが普通だったんだしさ。

っつうか、デバイスに何らかの不具合が出るとですね、日本の惑星探査機マニアはかえって闘志を燃やすもんなんですよ。火星探査機 のぞみ と小惑星探査機 はやぶさ が見せた熱き根性の戦いに感化され切ってるもんだから。ガンダム風に言えば、「メインカメラがやられただけだ!」ってノリで。んでまあ代替手段を編み出してどうにかして、悦に入るもんなんですよ。

でもスクロールホイールのトラブルは、どうもおいらのせいなんじゃないかと密かに思ってたりして。いや、使い方自体は普通だと思うんだけど、入社以来、仕事中やたら手のひらに汗をかくようになっちゃってさ、その汗のせいなんじゃないかと。マウスボタンもふやけたせいか、指が当たるところだけ色が落ちちゃってるしなぁ。

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ある日、昼休みに仲間とメシ食ってたら、「キーボードのひらがな表示って要らないよね。誰も使わないよ」と言ったやつがいたよ。てことで「ええ〜、おれカナ入力だよ」と返したら、珍獣を見るような目で見られたよ。たぶん職場でおいらだけなんだろなぁ。

なんでこんなにローマ字入力が圧倒的になっちまったんだろ。学校の PC の授業とかで、ローマ字入力だけを推奨してるんだろか。ちなみに一般向けのパソコン教室じゃそうだよね。カナ入力を学びたくても、先生がローマ字入力しか知らないっつう状況で。そしてなんだか、本来正道だったカナ入力は、なんだか邪道みたいに思われるようになっちまった、と。

いやあの、ワープロが出回り始めた80年代前半あたりは、標準がカナ入力で、ローマ字入力機能はオマケみたいなもんだったんすよ。そういや80年代後半に一太郎が売れまくった頃には、いつの間にかローマ字入力が普通になってたっけ。戦犯はジャストシステムか?

結局両方できるようになったから言えるけど、慣れを除いても、カナ入力の方が断然いいぞ。正直、記号の入力とかを考えると、「打数が少ない」っつうカナ入力のメリットは、一般に思われてるほどじゃないんだけど、それでも書きたい言葉が直接出てくるってのは気持ちいいぞ。ていうか、1文字1文字をいちいち子音と母音に分けて打つという日本語にそぐわない方法、気持ち悪い。おいらもう日本語をいじめるみたいなそんな入力、出来る限りやりたくねっす。

恐らく「キーの位置をあんまり覚えなくていい」ってのが、ローマ字入力普及の理由なんだろうけど、その言語にとってより自然な方法の方が理にかなってると思うけど。これをお読みの皆さんのほとんどは、既にローマ字入力をマスターされてるかと思う。ってことで、さらなるステップアッブとしてカナ入力、いかがでしょ?

銘板
2008.6.3 火曜 前日に飛ぶ
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「はきくま」の試練

そういや80年代のワープロ専用機って、タッチタイピング(当時は「ブラインドタッチ」と呼んでた)の訓練指南書も付いてきてたんだわ。これがまた殺人的でさw

「まずは『はきくま』『はきくま』……と打ち続けてみましょう。見ないで出来るようになったら、今度は『はまきく』『はまきく』……でやってみましょう。次は……」

こんな人間性無視の自主トレ、続けられる方がおかしいわww

まぁ日本語タイピングの黎明期だったし、タイピングソフトなんつう楽しくて便利なものなんてなかったから、いきなり適切な訓練方法を提示しろなんて無理な話だったろうけど、おいらは1日で諦めたよ。ありゃ相当の根性がなきゃ続かんぞ。結局、実際に文章や単語を打ち込んで覚えたけど。

思い出した。おいらその昔、独学でピアノの練習したことがあるのよね。フランス発の教科書で『メトードローズ』ってのがあってですね、これは良かった。童謡とか、簡単で短いけどかっこいい曲を次々と覚えていくやつで、なかなか楽しかった。でもこいつの役目は、学習者がピアノに抵抗なく触れていられるようになるまでなのよね。で、そいつを一通りやってから、本来の基礎訓練である、ドイツ発の『バイエル』に移行したわけだ。

ピアノを学んだことがある人なら、ほとんどみんなバイエルは知ってると思う。そのくらい基本を学ぶための有名な教科書なんだけどさ、ともかくこれが単調で。つまんなくて。3ページで挫折したよ。いや1ページだったかも。ピアノを弾ける人って、みんなあれを乗り越えたんだろか。いやもうあの驚異的なつまんなさを受け入れた人たち、おいら尊敬するですよほんと。あれってやっぱ、ピアノ教室の先生や家庭教師に褒められながら続けることを前提にしてるんじゃないかなぁ。

まあそうゆーことで、「はきくま」が出来なかったやつがバイエルを出来るわけなかったわけで。けど、ワープロなら実戦でどうにかなったもんだけど、ピアノはそうはいかなくてなぁ。運指からして分かんないもんなぁピアノ。キーの並びは単純なのになぁ。っつうことで、ピアノにもキートップにどの指で押すかを書いてほしかったっすよ。

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7年前、ガンダムのタイピングソフトが出てさ、めちゃめちゃ欲しかったんだよ。ほんと欲しかったんだよ。ちゃんと Mac 用もあったんだよ。けどローマ字入力専用ってことが判明して涙を飲んだっす(泣)。カナ入力を差別すんなぁ〜。

そそ、おいら左バッターなのよね(右投げだけど)。てことでさ、バッティングセンターでも差別的な扱いを受けたりするのよね。勘弁してくれよまったく。あと、左打ちだからって強打者だと勝手に期待するのは、頼むからおやめください。相手のピッチャーも、左バッターだからって気合い入れて豪速球かますのは控えていただきたい。チームの人も、左バッターのくせに下手だと分かった瞬間に露骨にイヤな顔をしないでいただきたい。右だろうが左だろうが、それなりに練習しなきゃうまくなんねんだよ!

とか言いながら、左投げの人を見るととっさに「野球うまいんだろなぁ」と思っちゃうおいらは『巨人の星』世代。

銘板
2008.6.4 水曜 前日に飛ぶ
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東宝アナログ特撮 70's

いやは〜そういえば『東京湾炎上』(1975)っつうナイスな特撮映画があったわ。こいつはけっこういろいろと紙一重だったなぁ。中学生の時にテレビのロードショーで観たんだけど、もうノリノリで楽しめましたですよ。

以下、ネタバレを含みます。

テロリストが日本政府に出してきた脅迫がいきなりすごくてさ。石油満載のタンカーを乗っ取った後、要求を聞かなきゃそのまんま東京に突っ込むと言ってきたんですな。そうなるとどうなるかってぇと、東京湾中に原油が流出。何かのきっかけで引火すると、東京中が火の海ですよ。八戸人としては別にどうでもいいんだけど、東京に住む人にとっちゃアッチッチ〜で大変ですなこりゃ。

まぁ日本の機能が失われるから全国の観客の皆さん、大変なんですよってことなんだろうけど、ま、ウルトラ怪獣もほとんど東京一極集中でしか現れてくんないわけでね。地方人としてはちょっと醒めモード入り気味な設定なんですわ。でも、そんな田舎者でもこのストーリーと演出の見事さにはハマったですよ。

でさ、この映画のすごいところは、特撮が主役になっちゃうところなんですな。テロリストの要求は、日本の石油備蓄基地を日本政府の手で破壊しろ!ってな内容だったんですよ。つまり自衛隊機で攻撃を加えろ、と。それをテレビで生中継してちゃんと見せろ、と。

当時は石油ショックのあたりってことで、石油備蓄は国家の貴重な財産だったんですな(今も変わらず貴重)。みすみす破壊するわけにはいかないですな。ということで政府の考えた奇策によって、なんと劇中で、映画の特撮チームが招聘されるんですよ。で、自衛隊機による備蓄基地への攻撃と破壊をミニチュア特撮で表現して、それをテレビ中継して犯人を騙そう、と。

んでまぁ緊迫の特撮シーンが出てくるんですよ。この映画では夜に備蓄基地攻撃を行うことになるんだけど、特撮ってのは、夜というシチュエーションとなぜか妙に相性がよろしいんですよ(昼が苦手ってことでもあるけど)。てことで、かなり臨場感があったなぁ。けどまぁやっぱしアナログなミニチュア特撮なわけです。自衛隊機のスピードが決定的に遅いし、模型の表面加工の粗さも見えちゃってた気がする。被写体表面の平滑度が実物より粗く見えちゃうのは、ミニチュア撮影の宿命ですなぁ。でもスローモーションを駆使して、スケール感を出してはいたな。爆炎、爆煙もけっこうそれっぽかったと思う。

んでまぁ、おいらが中学の頃ってのはそんなに特撮映画を観てたわけでもなくて、でもウルトラマンとか戦隊ものなんかではよく特撮に触れてたか。そんな感じの眼力でさ、いや、それでも、「これどう見たって特撮じゃん!」って思っちゃったなぁ東宝には悪いけど。でもテロリストたちは真に受けちゃうんですよ。話がそういう設定だからってことで、強引に納得させられたって感じが少しはあったかも (^▽^;)

で、うまくいくかと思いきや、意外なハプニングが起こってバレちゃうんだわ。うーん、今思えば、仕掛け側の登場人物が誰一人としてその可能性を考えつかなかったというのがちょっと不自然ではあるんだけど、でも話の展開が見事なもんだから、少なくともおいらは、観てる最中にはその可能性に全く気付かなかったよ。

政府のトリックがそんな感じで失敗して、テロリストたちは自分たちが騙されてたことに気付くんだけど、その後、結末がどうなったかは覚えてない。ちょっと気になるなぁ。まぁでも、観終わっておいら、かなりのコーフン状態になったことは覚えてるよ。確かに特撮は意外と良かった。特撮映画だとは思わないで観たせいかも。けどね、コーフンしたのは決してそのせいじゃないのよ。映画自体がハラハラドキドキの超一級サスペンスだったからなのよ。

とゆーことでですね、確かに部分的に強引なところとかあったけど、本筋の方も特撮の方も、映画のプロ集団としてのテクニックがそれをうまくカバーしてたと思うんですよ。翻って80年代の東宝アナログ特撮映画は一体何だったのか。もう映画としてボロボロだったじゃないですか。それでも好きだけど。時代を追っての進化とか発展なら分かるけど、なんで退化したかねぇ。ほんと不思議で不思議でしょうがないよ。

なんてーか、もろに憶測だけどさ、あの当時の日本の社会って、あんまし世界を意識してなかったのよね。既に工業製品じゃ先進国のひとつではあったけど、自分の国のことを文化的には二流国だと強く思ってたんだよね。遅れてるんだ、劣ってるんだ、と。だから映画でも何でも、世界(欧米)にはかなうわけがないんだ、と。そんな感じで、いささか屈折した根性を持ってたんだよね。日本の社会全体の雰囲気として。

てことで、世界レベルかどうかってのはウンヌンしないのが普通だったのよ。当時の少年漫画の主人公たちも、世界一を目指すのは稀で、みんな日本一になりたがってた。そんな漫画たちじゃ、欧米人キャラってのはどいつもこいつも超人的で金持ちで、どこか日本人を見下した感じがあった(で、劣ってるはずの日本人主人公に負けて、めちゃめちゃ凹むってのが定番だった)。だから、特撮映像の見栄えがハリウッドに比べるべくもなくても、それは当然のことで、それよりも日本で唯一最高の特撮技術を保有してるということが、東宝を慢心させたんじゃないのか、と。

ところが80年代後半あたりから、日本は世界からの視線を強く意識するようになるんですな。つまり、あまりにも日本の技術と経済が急成長したもんだから、欧米から叩かれ始めたんですよ。「ジャパン・バッシング」ですな。ウザがられてはいたけど、他の先進国から注目を浴び始めたわけですよ。少年サンデーで『機動警察パトレイパー』が連載されててさ、未来の話だったけど当時の世相が織り込まれててさ、アメリカ大統領のことを「外圧大魔王」とか呼んでたっけなぁww そのくらいアメリカは日本に無茶な要求をしまくってたよ。

それまでは日本は、国際的には田舎者で半ば無視されててさ、当の本人もそれを当たり前に思ってたんだけど、気が付いたら「世界の中のニッポン」ですよ。急に国際社会の先輩たちと上手にお付き合いすることを求められるようになっちゃって。いや〜あの頃の国際ニュースから得る情報はほんと混乱してたよ。

こっちが普通にしてるつもりでも、欧米諸国が揃って日本にキレたりして。「日本人は働き過ぎで異常だから、もっと休むように」とか上から目線で言われても、何のことだか意味分かんなかったもんな(当時の日本は週休1日が普通で、祝祭日も今より少なかった)。今だから分かるけど、欧米諸国ってのは歴史が始まって以来のお隣さん同士だから、お互いに気心が知れてる。そこに全然違う文化の違う人種が割り込んできたってことで、向こうもかなり当惑してたんだろうな。

ってことで、日本はもう以前みたいに、自分のことだけ考えてやりたいことだけやるだなんてさせてもらえなくなっちゃったんですな。で、慌てて欧米諸国の顔色を伺うようになったものの、それと同時に、既に工業製品で世界を取った分野も出てきて自信をつけたりして、「日本のこの分野は世界で通用するかどうか」って概念が、日本国内で生まれ始めた。そこであらためて映画ファンは、洋画と等しい目線で邦画を観始めた。だめだ、全然。特に娯楽映画はひどい(寅さん除く)。ことさら SF とかの特撮は話にならん。

けど東宝は、日本の観客のこの質的変化に気付かなかったんだと思う。実際、東映も松竹も、その前に潰れた大映も、特撮技術は東宝の足元にも及ばなかった。で、東宝は「ご近所さんの中じゃ自分が一番だ」って考えにすがり続けたんだと思う。太平洋の向こうの、もっともっとすごい連中のことは敢えて見ないようにして、安心していたかったんだと思う。だからこそ、日本全体にとって激動だった80年代(幕末以来、激動じゃなかったことなんてなかったけど)に、自分だけの安定を求めたために、東宝の特撮映画は腐ってしまったんだと思う。70年代の作品はそれなりに面白かったのになぁ。

今現在、東宝は日本最強の映画会社なんだよね。実際、東宝の娯楽作品は、東映や松竹その他より面白いのが多いと思うし、それほどの出来でないものもきっちり稼げてると思う。テレビ局の企画との連動やタイアップでの話題作りがうまいってのもあるね。で、人気作で作った金で、より面白い、つまり娯楽として質の高い作品の提供を目指してるように見える。ようやく娯楽の本質に気付いたみたい。いいモノを作って、自信を持ってきちんと宣伝すれば、お客はガンガン来てくれる、ってことに。それが本当に面白ければ信用が増して、リピーターが新規の客を引き連れてますます来てくれる、と。

いい例が『三丁目の夕日』シリーズ。2作ともおいら感動しただよ。もし3作目ができたら絶対観に行く。で、あれ、一昔前だと「SFX 超大作」と言ってもおかしくないんだけど、誰もそうは思ってないよね。だってあの映画、話を見せることに全てが向いてるからね。ボロが全くない上に空気感や暖かさまで表現し切ったあの VFX(←最近流行りの言葉に日和ってみました)は、そのための単なる道具なんだよね。ようやく正しい方向性に気付いたか東宝さんって感じで、ちょっと感慨深かったりする。

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映画人によっては、まだ今の状況をよく分かってないのもいるけどね。『男たちの大和』(2005)のこと。これ東映なんだけど、東映らしくというか VFX のクオリティが低くてさ。CG とかのデジタル特撮で観客が要求する水準を、かなり低めに見積もってやがった。戦艦大和の実物大の部分セットを作ったことで話題になったけど、どうせメインじゃ CG での表現になるんだから、割り切って CG だけにした方が良かったんじゃないのかな。それで浮いた予算を CG の品質向上に充てた方が良かったんじゃないのかな。実物大セットに不満があったわけじゃなくて、CG に不満だったですよ。

商業映像にジャギーが出てるってのどうよ。どうなのよ。そこまで質が低い CG、商業映画で初めて見たよ。モデリング(コンピュータ内にデータを打ち込んで、仮想の戦艦大和を作り上げること)に凝ったのは分かるけど、レンダリング(仮想のデータを基に、光の当たり具合や空気感、動きなんかを全部計算して、戦艦大和のリアルな映像を仕上げること)の手間をケチった。上を見ればきりがないけど、それでも「こんなもんでいいだろ」の落としどころがやたら甘かった。

モデリングもレンダリングもコストがかかる作業だけど、質が違うのよね。モデリングは主に人件費がかかる。専門職の人が、元データからバーチャル戦艦大和を丹念に作り上げていくわけで。対してレンダリングは、静止画や低解像度の映像で何回も試し打ちをして動作とセッティングを決めたら、あとは解像度を上げての動画作成自動処理。細密な画像になればなるほど処理に時間がかかる力仕事で、早く仕上げるには、処理速度が速いコンピュータをたくさん揃えるって手しかない。こっちのコストは機材費と時間と電気代ですな。

てことで、限られた時間と予算で仕事を終える下策として、レンダリングの解像度を低く設定するっつう選択肢があるっちゃあるんですよ。『男たちの大和』プロデューサーは愚かにも、その下策を選んでしまったのよね。なんかなぁ。10年前に 500MHz 未満の PC(Power Mac G3)で作ったガメラの CG の方が完成度が高いんだもんなぁ。どーなってんのよこれ。

今の邦画の観客は、「それが世界で通用するのか」って見方をするのよ。その見方で、『男たちの大和』の CG は、世界レベルより格段に下にしか見えんかったよ。もう CG 特撮は完璧なのが当たり前なんだから、資金不足や手間不足でボロが出るなんてのは論外だと思うぞ。

人物と背景の合成も粗くて。映画の最後の方で、海に逃げた乗組員にロープが投げられるところが合成モロ分かりだったよ。振った腕に不自然なパラパラ感が出まくってったぞ。21世紀のデジタル特撮時代に何やってんだか。

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バブルあたりから、日本では過労死が問題になったですな。確かにあのあたりから自殺者数が増えてきた気がする。で、これが、あの頃から週休二日制が徐々に始まったんだよな。祝祭日も増えたしハッピーマンデーも始まって、ゴールデンウィークも振替休日が活かされるようになった。てことで、働き過ぎとストレスとは直接は関係がないような気がするんだけどどうでしょ。

銘板
2008.6.5 木曜 前日に飛ぶ
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最終兵器

昨日の話の絡みで、ちょっと似てる「事件」を思い出したよ。いやね、数年前の八戸でのことなんだけどね、市街地のビルから、核テナントの全国系の大型スーパーが、賃貸契約の更新時期をめどに撤退しそうな雰囲気になったのよ。けどそのビルの大家さんは、全然危機感を持ってなかった。「大丈夫、店子さんは絶対に逃げて行かないよ」と、根拠もなく鷹揚に構えてた。けど賃貸の更新期限が迫ってきたら、どうも撤退が本当っぽい感じが出てきた。そうなったら、普通は契約を更新してもらうために、店子さんにいろいろサービスするじゃないですか。

確かに、自前で立体駐車場を作って提供したりして便宜を図ったんだけど、どうも店子さんにとっては、モノの整備や充実より何より、大家さんの、客を客とも思わぬ不遜な態度が気に食わなかったらしいのよ。「ビル貸してやってんだ」ってノリだったらしい。こう言うと、店子は大企業のくせに感情論かよって感じだけど、店子さんにしてみれば、ビジネスのバートナーが信頼できるかどうかってのは大きいわけで。

けど大家さん本人は相手がそう思ってることに気付きもしない。ていうかそれだと格好悪いから、自分が気付かないように自分を騙してたというか。で、自分は何も悪くないと思い込んでる大家さんは、この店子撤退問題にどう対処したか。

どっかからありがたい神主さんを呼んで祈祷した。

……、

……、

……。

実話です。

……、

……、

……。

店子さん、出て行きました。

銘板
2008.6.6 金曜 前日に飛ぶ
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勝てよニッポン! ああでも別に……

(これ書いてるの6月21日)北京オリンピックも迫ってきたね。チベット争乱に聖火リレーの混乱、大地震でいろんな意味で話題になってるけど、なんか大会自体への注目はあんまし盛り上がってないような……。けど出場選手の人たちにとっては、舞台がどこであろうと、どういう状態であろうと、4年に1度の檜舞台ですなぁ。モスクワオリンピック(1980年)のボイコットで、日本の選手団は泣いてたからなぁ。大会マスコットの小熊のミーシャの人文字も、西側諸国のボイコット攻撃のせいで、閉会式で涙を流したそうだ。

で、今日は何の話かっつうと、「屁理屈こねて言い訳するくらいなら国際大会になんて参加すんな」ってこと。選手や関係者は最近言わなくなったけど、マスコミあたりはいまだに言うんだよ同情のつもりか知らんけど。「体格や筋力で劣る日本人選手は……」みたいなことをさ。

それは事実なんだろうとは思う。けどさ、こういう世界最大の競技大会で、生まれつきのものを強調してウンヌンするのってどうよ。それを勝てない理由にするのってどうよ。だったらさ、性別で体格や筋力の差が歴然とあるからってんで、多くの競技が男子、女子でカテゴリ分けしてるんだから、人種でも分けちまえよってことになるわけで。

そこらへん、人種による体格差は性別での差ほどは大きくないからこそ、人種を問わずに一緒くたに競技することになってるわけで。そんな違いは努力と発想力で自分でどうにかしろよってわけで。日本の選手や関係者自身も最近はそれを正面から受け入れてるみたいで、そういう不満を公の場で言う日本人選手ってもういないんじゃないかな。平等な場で生まれつきのことを盾に不満を言うのって、逆の意味での人種差別だしね。そんな思想に支配された人ってのは、オリンピックにはふさわしくないわけで。

とはいえ、ある競技で日本人が活躍したりすると、欧米人の体格に合わせてルールを変更しちゃうっつう裏技がまかり通ってるみたいだけどさ。けど、今はそれでも努力と発想力で対応するしかないんじゃないですかね。

まぁ選手の人たちがそういうことを言わなくなってきたのには、別の理由もあるかもしんないけど。実際に日本人選手で世界最強の人たちが出始めたってことで。水泳に女子マラソン、スピードスケートその他。実は人種による体格差なんて、指導方法や練習方法の善し悪しでけっこうどうにでもなることが判明したからね。あと、なんだかんだ言って、中国が日本よりも金メダルをバンバン取ってるっつう事実もあって、もうそんな陳腐な言い訳が通用しなくなったってのもあるかも。

そういやこの「体格差の問題」が一番よく言われたのって、ロサンジェルスオリンピック(1984年)のあたりだった気がする。けど、当時の日本代表が弱かった理由はまさに、指導や練習方法のまずさだったのよね。まぁ東欧の選手団がドーピングしまくりだったってのもあったけど、東欧はそれだけじゃなく、練習方法でも世界最先端だったのよ。それがまた日本の伝統と全く逆でさ、結局、ドーピングを差し引いてもあっちの方がずっと優れてるってことが判明しても、日本はなかなか路線変更できなくてなぁ。国内でその道の権威とされて神様扱いされてきた、古い人たちの面子とか体面とかがおもっきし邪魔したんじゃないかって気がするけど、実際どうなんでしょ。

それまでの日本の方針は、理論に基づかないガムシャラな根性主義と、都合でどうにでもなる経験主義で、とにかく選手を行き当たりばったりに追い詰めて追い詰めて、「火事場の馬鹿力」を出させるって感じでしたな。これ、コーチも選手も練習のときにノリやすいっつう利点があったけど、「肝心の本番で多くの選手が萎縮して勝てない」っつう本末転倒で間抜けな欠点もあってさ。でもそれで当然のように結果が出せない。すると選手は「自分の心が弱かったから」。指導者は「自分の不徳の致すところ」。観念的な反省で終わってしまう。んで論理的な原因究明と対策を怠ってたんで、指導者層の方は全く成長しないで済んでたわけで。いつまで経っても進歩がなくて、「日本人じゃダメなんだ」っつう間違った劣等感だけが募っていった、と。

気持ちも分からんでもないけど。日本には西洋から来たスポーツの他に、古来からの武術が混在してたわけで、西洋のスポーツ分野にもきっちりその精神が移植されてたのよね。しかも柔道がオリンピック種目になっちゃったんで、「洋ものはこっちの精神で、和ものはこっち」で、なんつう使い分けがしにくかった。「どんな種目だろうが日本はこれで行く」って感じですか。その伝統的な精神様式を一気にひっくり返すってことは、体制の崩壊を意味したんじゃないかと。組織がなくなっちゃ元も子もないし。

けどやっぱ、都合の悪いことをいつまでも見ないようにしておくってのは出来ないわけで。その意味で、ロサンジェルスオリンピックの開会式は衝撃だったなぁ。日本の選手団はそれまで通り、選手たちの調整を中断させてまで行進の練習をして、軍隊風の一糸乱れぬ行進をしたんですよ。現地ウケは全くしなかったけど、日本人視聴者は当時、神聖なオリムビック開会式の行進たるもの、そうでなきゃいかんって人が多かったっぽいからして。

で、オリンピック開会式の行進って、主催国が一番最後じゃないですか。そんで出てきたアメリカ選手団、おもっきしお祭り騒ぎで大はしゃぎなんですよ。思い思いの派手でヘンテコな格好して、テレビカメラを見つけるや我先にそっちに走ってってやたら映ろうとしたり。それを見た地元観客もやんややんやの大喝采。式の進行じゃ有名人続出だわ、背中に小型ジェトエンジンをしょった謎の飛行士たちが飛んできてフィールドに着陸するわで、娯楽としてめちゃめちゃ盛り上がってた。最後は観客に事前にお願いしてた、観客席じゅうでカメラのストロボがキラキラ光りまくりのナイスな演出で、テレビの観客もまた「すげー!」と度肝を抜かされたりして。

もうのっけからギャップ感じまくりでしたよ。

結果はどうだったかってぇと、地元開催の利もあったろうけど、アメリカの金メダル獲得数はダントツの83個(2位のルーマニアは20個)。我らが日本は6位タイの10個でござんした。それでも頑張った方なのかもしれんけど、日本伝統の「歯ァ食いしばり根性主義」崩壊の端緒を開いてくれた、貴重な大会でしたなぁ。そんな必要以上に過酷な状況で結果を出した選手たちもすごいけど。

ひとつ思い出したよ。1998年の長野冬期オリンピックでのこと。競技は、当時の長野知事による問題発言で一躍脚光を浴びたスピードスケート。来る北京大会じゃスピード社の水着が必勝アイテムとなりつつあるけど、長野の直前だと、「スラップスケート」とゆうスピードスケート靴が最新技術だったよ。とにかくこれからはスラップじゃないと勝てないって感じだった。そんな中、北朝鮮の選手がスラップじゃない旧式のスケート靴を履いててさ、おいら同情したさ。そんで、道具の優劣なら見て分かりやすいけど、練習方式の優劣はテレビ中継を見ただけじゃ分かりにくくてな。1984年当時はおいらも、「やっぱ体格がなぁ」とか思ってしまったり。

ちなみに長野県知事の問題発言ってどんなのだったかっつうと、「(スピードスケートは)ミズスマシみたいで面白くない」。これ聞いてスケート連盟激怒。確かに競技自体には娯楽要素が少ないけど、この人、その前のリレハンメル冬季オリンピック(1994年)のスピードスケートの中継を見てなかったんだろ。ドリーとクレーンの移動カメラでものすごい迫力だったぞ。早く次のレース、早く次のレース、とおいらコーフンしまくりだったぞ。長野じゃクレーン撮影はなくなっちゃったけど、第2コーナー全部を使ったドリーカメラの映像がめちゃめちゃキョーレツだったよ(リレハンメルのドリーは直線部分だった)。

で、ミズスマシ発言についてツッコまれまくった知事、弁明のつもりだったと思うけど、さらなるイミフコメントを出して恥の上塗りしてたなぁ。「真意が伝わらず残念だ。私はミズスマシを尊敬している」。ミズスマシの方をフォローかよ!www 弁明じゃなく逆ギレでしたなこりゃ。「謝る」→「自分の間違いを認める」のが徹底的にイヤな人って、自分で傷口を広げるよなぁ。哀れというか滑稽というか。まぁ正義の味方ヅラして、人のちょっとした失敗を必要以上に追い詰めまくるマスコミもかなりアレだけどさ。自分だって失敗を認めたがんないくせに。

んで話を戻すと、ロサンジェルス以来、日本の指導の仕方が遅れに遅れてるってことが、国民全体にバレてしまったんですよ。で、遅ればせながらスポーツ医学とか心理学とかのアカデミズムを導入するようになって、ようやく世界に付いていけるようになったわけですな。それにしてもほんと、当時はスポーツに科学的思考を導入するって考えがなかったもんな。

「運動中は水分を取るな」なんて迷信がまかり通ってたりしてな。そんなこと言ったって、ロスオリンピックじゃマラソン選手は走りながら水を飲んでたじゃんとか。バレーボール選手はタイムごとにスポーツドリンク飲んでたじゃんとか。で、そう言ったりすると、そんな屁理屈を言い出すのはお前に気合いと根性がないからだお前みたいなクズは世の中に必要ない死ねみたいな。太平洋戦争で大負けした理由を全く分かってなかったと言うか。

日本じゃずっと、戦争で負けたのは「資金力と物量には精神主義じゃ勝てなかった」と思われてたんだけど、違ったんですよこれが。もちろんカネとブツは重要だけど、本当の正解は「相手の力を冷静に分析して、その相手に確実に勝てる兵器や戦術・戦略を徹底的に研究する。失敗したら誰かに責任をおっ被せておしまいじゃなく、失敗理由をしゃぶり尽くして対策して、二度と同じ失敗をしない。そしてそこから何かを学び取って応用する」だったんですな。論理と科学ですわ。そして、それを実現するためのカネとブツなんですわ。「カネとブツさえあれば」じゃなく「今手元にあるものを全部活用するのにアタマをどう使うか」だったんですな。

日本人は、そこらへんをまず自分の失敗から学んでなかった上に、競技に科学を導入するってのはこう、なんとなく、汚い手だみたいな意識があったのかもしんない。「昔から戦は弓矢と刀ですると決まっておるのに、飛び道具とは卑怯なり」的な。

さらに武士道な観点からすると、「勝ちだけが全てではない」もあったかと。「スポーツを通して○○を学ぶ」みたいな考え方、今もけっこうあるっしょ。まぁおいらも日本人だからそれ嫌いじゃないけど、日本国内だと負けた時の言い訳として通用しちゃうのよね。その点海外は武士道なんかないから、スポーツでも経済でも戦争でも、勝利が全てなんだよね。勝つことへの執着が違うわけで。「そうまでしてまで勝ちたいか。そんなみっともないことをするくらいなら負けた方がましだ」と思ってる人が、勝つためなら何だってやる連中と試合をしたら、結果は火を見るより明らか。これじゃ日本は勝てんわな。

本番ももうすぐだし、そこらへんの意識改革も進んできてると信じたいですな。金を勝ち取る選手(取れるだけの実力があるってだけでなく、本当に取る選手)も出てきてるしね。とりあえず国民は金メダルを欲しがってるからなぁ。まぁマスコミとか、テレビを作ってる家電メーカーとか販売店とかが一番欲しがってるけどね。金(きん)は金(カネ)になるもんだから。

それでも「勝てはしなかったけど」のドラマも素晴らしいものがあるよね。おいら的には、テレビでたまたま観た、長野オリンピック男子カーリングの準決勝進出決定戦、日本 vs アメリカが凄まじかった。最後の最後、先攻の日本チームが「これでどーだ!」っつうものすごい配置を作ってみせてさ、このまま僅差で逃げ切るぞってとこまで来たんだ(ルールをよく理解してなかったけど、解説が見事で状況がよく分かった)。その配置の攻略法はただひとつ。しかも常軌を逸した精密さが必要。破るのはまずムリだね。日本、勝ったと踏んだね。メダルが見えてきたと確信したね。

そしたら対するアメリカチーム、長い作戦会議の後のプレッシャーまみれの中、土壇場で渾身のスーパーショットをパーペキに決めちゃったんだ。マジで両チームとも神がかってたよ。それで試合終了。買った方も負けた方も、選手は全員マジ泣きしてた。おいらも泣いた。確かアナウンサーも涙声だったと思う。選手の気持ちの正確なところは本人じゃないと分からんだろうけど、なんかこう、双方の涙は、勝った負けたの単なる嬉し涙、悔し涙だけじゃなかったと信じてるよ。

ついさっき「勝たなきゃ意味がない」みたいなことを書いたけど、自国のチームが負けたってのに試合内容の感動の方に心動かされるおいらはやっぱし日本人ですな。

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ついでにオリンピックマスコットの話とか。そんな辛い思いをしたミーシャに対して、その次のロサンジェルスオリンピックのマスコットのイーグルサムはやたらパカっぽかったなぁ。共産圏から報復ボイコットを受けたってのに。そもそも全然かわいくなかったし。サラエボ冬期オリンピックのマスコット(オオカミのブチコ)はけっこうかわいかった気がしたな。けどサラエボは後のボスニア紛争で破壊し尽くされてしまったよ(泣)。

上段左:ミーシャ 上段右:イーグルサム
下段左:ブチコ 下段右:スノーレッツ

東側は素材の良さを活かした素朴さがいいですなぁ。

長野のスノーレッツは、大会終盤や終わった後に大人気。ていうか長野は、オリンピック自体が大会直前まで全然盛り上がんなかったのに、いざフタ開けてみたら大盛況だったね。国際的にも評判よかったみたいだし。2002年のサッカーワールドカップでもそうだったけど、日本で開催するとみんな幸せになるのだよ。日本人選手だろうが外国人選手だろうが、勝者だろうが敗者だろうが、全力を出し尽くした人みんなに惜しみない賞賛を浴びせるのだよ日本の観客は。

で、今回の北京のマスコットだけどさ、狙いは分かるけど、イマイチかわいくないっつうか。イーグルサムもそうだけど、オリンピックのマスコットは、凝りすぎるといかんっぽいな。

いやまぁカワイイにはカワイイんだけど、キモ要素が混じってしまってるような。ウツロな目がいささかアレかな、と。そういえばこの5つのマスコットがそれぞれ、中国と北京オリンピックにまつわる昨今の災厄を暗示してしまってるっつう話も出てるとか……。

日刊スポーツ 2008年6月5日付

五輪マスコットが災いの元?中国で風説広まる

北京五輪マスコットが災いのもと−。チベット暴動や四川大地震など大事件や災害が相次ぐ中国で、北京五輪の5つのマスコットに関連して災いが起きているとの風説が庶民の間に広がっている。5つのマスコットは(1)チベットカモシカ(2)聖火(3)ツバメと、ツバメの形のたこ(4)パンダ(5)水、魚−をそれぞれイメージにデザイン。

3月14日にチベットで大規模な暴動が発生、4月上旬から聖火リレーへの妨害が世界各地で相次いだ。4月下旬には山東省で70人以上が死亡する列車衝突事故が起きたが、現場に比較的近い山東省の都市、■坊はたこが有名。そして5月12日の四川大地震で大きな被害が出た場所はパンダの生息地だったというわけだ。

まだ起きていないのは「水にまつわる事件だから注意を」というインターネット上の書き込みも。1、2月に中南部で起きた雪害がこれに当たるとの説や、5月下旬から貴州省などで被害が深刻化している水害を関連づける声もある。中国紙、北京青年報のコラムはこうした風説について「なんの科学的根拠もない。迷信を信じるべきでない」と戒めた。

※■はサンズイに維

どーなるんだ今度のオリンピックは。こんなときは常識的に「がんばれ中国!」と言うべきなんだろうけど、なぜか特にそんな気になれないしなぁ。なんかどうも、朱鎔基・前首相のエナジェティックコテコテなお顔がチラついてしまって。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

おおお、歴代オリンピックマスコットを紹介したレアマニアなページ発見! グルノーブルの初代のマスコット "Schuss" ちょっと恐いなぁ。40年前に現代センスなカワイさを求めるのもなんだけど。いやあの、モントリオールの "Amik" なんだかよくわかんないんすけど。ビーバーですか。写真のアングルが悪いっすね。ソウルのホドリは可もなく不可もなくって感じか。あ、ちょっと、いやんアルベールビルの "Magique" にリレハンメルの "Haakon & Kristin" カワイイっ!

銘板
2008.6.7 土曜 前日に飛ぶ
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後出しジャンケンの人々

あのさ、これ書いてるの6月21日なんだけどさ、最近、衝撃的な事件・事故・災害があったよね。事件の方は、秋葉原の通り魔。事故の方は、小学校の天窓が破れて、自動が転落したあの事故。災害は岩手と宮城の県境の大地震。一緒くたにしちゃいけないことではあるけど、それでも、それぞれの出来事で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、ご遺族や関係者の方々の心痛をお察しいたします。

んでまぁマスコミの人たちが活躍してくれて、それぞれの件の詳細を知ることが出来て感謝してはいるんだけど、やっぱどうも、関係ないところをやり過ぎなんじゃないのかねぇ。いやあの、お決まりの責任追及祭りのことですな。なんかその、張り切る気持ちは分かるんだけど、イマイチ的を外してるというか。

秋葉原通り魔事件だと、青森市の容疑者の実家に押し掛けて両親に謝らせてたね。容疑者、もう大人じゃん。親の責任を問い詰めて、何をどう出来るってのよこの場合。奇しくも最近あの宮崎勤が死刑になったけど、確かあの父親、自殺したんじゃなかったっけ? 自分の息子のしでかしたことに耐えられなかったってのが一番大きかったろうけど、マスコミからの容赦ない余計なプレッシャーも、精神的にかなりの負担だったんじゃないかと。

天窓転落事故も、担任とか校長とか天窓を設計に採用をした人とかメーカーとかの責任をウンヌンしてるみたいだけど、それって警察の捜査や専門家チームの分析、そこらをまとめた裁判なんかではっきりすることであって、マスコミが勝手に決めていいもんじゃないんじゃないのかと。

あと、地震の方じゃ、誰の責任なんてないはずなのに変に頑張っちゃって、一部のマスコミは気象庁と「緊急地震警報」に噛み付いてるよね。緊急地震警報の仕組みをなんも分かってないし(まともに理解してるマスコミもある)。導入前から、NHK であんだけしつこく説明してたのになぁ。だから、震源の真上の一番揺れる土地じゃ警報が間に合わない、原理的に不完全なシステムなんだってば。それでも今の技術で出来る限りのもので、なんにもしないよりよっぽどマシってことで導入されたんだってば。そこを分かってりゃそうそう責められないもんだと思うけどねぇ。初物なもんだから、稼動してからしばらくは初期不良を起こしたんだよね。で、いざ本番とも言える今回、設計通りに動作したってんだから、褒めてあげてもいいくらいかと思うが。

なんか、通り魔事件と天窓事故、これから関係者の自殺者が出そうな気がするんだが。的外れな責任追及が人を殺すってこと、力を持ってるあの人たち、イマイチよく分かってない気がする。

てゆーか、立場が悪い人を見つけ出しては権力振りかざして威張る前にさ、そんなに自分が正義で賢いと思うんならさ、事件や事故が起こる前に危険性を言い当てろよなー。事件や事故は、いくら対策してもどうにも防ぎようのないものもあるし、それまで誰も気付かなかった死角で発生してしまったってのもある。いろんな関係者たちが知恵を絞って「万が一」をひとつずつ想定して対策した挙げ句に起こったことなんだから、そう簡単に誰々が悪いなんて言えないないと思うぞ。

銘板
2008.6.8 日曜 前日に飛ぶ
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とりあえずネットのせいにして片付けちゃう人々

昨日の続きだす。通り魔事件だと、またしてもネットに責任を求めてるよね。社会悪が出ると何でもネットのせいにするっての、なんだかなぁ。「マスコミはネットが嫌い」「古株(旧来のマスメディア)は新参者(ネット)を叩きたがる」という、それだけのような気がする。

新聞がめちゃめちゃなこと言ってた。NTT ドコモが公式として認めていない携帯サイトが無数にあって、ドコモだけではとても全部確認し切れない、とか。おやおやおや、ドコモのキャリア公式サイト以外は無法者扱いかよ。いや、特定の管理者がいないのがインターネットの売りなんだけど。そこでは違法じゃなきゃ何やっても自由だからこそ人気が出たわけだし(NTT が仕切ることが前提だったキャプテンシステムが、誰にも見向きもされなかったのと好対照だね)、人気があるからいろんなサイトが次々と出ては消えていくわけで。全部確認できませんだなんて、インターネットが出てきた直後に決着し切ってる議論について、何を今さらですな。

ネットにも、目の届く限りで警察が目を光らせてるし、違法な行為を見かけたら通報する人たちだっている。実社会でだって、人目に付かないように悪いことをする奴らってのは昔も今もいるわけなんで、BBS に犯行予告が書かれたからって、「だからネットが悪いんだ」とはなんないのよね。今回の事件に関しては、あの容疑者は別にインターネットに興味がなかったとしても、何か同じようなひどいことを結局やったんじゃないのかねぇ。つまり、悪いのはネットじゃなく、あの容疑者自身なんじゃないのか、と。

あとその記事を書いた記者さん、ケータイ各社のキャリア公式のことをまるきし誤解してるし。ドコモ、au、ソフトバンクケータイはそれぞれ「キャリア公式」っつう制度を持ってる。内容はどこでも同じ。サイトの持ち主がケータイ各社に申請すると、各社が「キャリア公式」としてそのサイトを認可して、分野ごとに仕分けして公表するっつう仕組みで、一応それにふさわしいかどうかの審査があるんだわ。そこまで聞いてこの記者さんは「キャリア公式サイトは安全。無認可サイトは悪の温床」と早合点したみたいね。

今さら野暮なこと言っちゃうけど、インターネットって誰の持ち物でもないのよ。携帯電話屋さんが管理してるわけじゃないのよ。だから例えばドコモが認可したからって、ネット全体に認められたってことにはなんないのよ。てか全体の管理者も責任者もいない以上、インターネット公式/公認のサイトなんてありえねっす。

じゃあ「キャリア公式」って何なのさ。いやあの、実はこのキャリア公式制度って有料制なのよ。早い話が、「広告料を払うと、あなたのサイトを宣伝してあげます」ってこと。ケータイ各社が自分たちの収入のために運用してるというだけのもんで、社会的に優良なサイトを選別するってのは副次的な効果でしかないのよ。あんましヘンテコなサイトの宣伝をすると、ケータイ各社の良識を疑われるもんだから登録審査をしてるってことで。

たぶん1申請で5万円くらいかな。申請ページを見つけられなかったから正確なところは分からんけど、相場からってことでひとつ。その影響で、キャリア公式に登録されてるケータイサイトって、商売目的が多いのよね。そういうのはサイトの出来映えも、明らかにプロのウェブデザイナーの仕事だし。そんなわけでキャリア公式サイトは事前にカネかけてるから、とりあえず投資分を回収しなきゃなんないわけで、出来れば黒字に持って行きたいんで、ほとんどが月額何百円かの有料会員制なのよね。

そんなわけで、ゲームの攻略サイトや芸能人の非公式ファンサイトとかだと、無料で作ってるから無料で使ってくれってのが多くなりますわな。そんなサイトの管理者は、わざわざ何万ものカネを自腹で払ってまで宣伝しないのよ(PC 向けで言えば、このサイトみたいなもんだな)。しかも3つのケータイ会社をカバーするとなれば、出費は3倍なわけで。そんな気前のいい人なんてなかなかいないと思うぞ。

ということで、趣味のサイトはキャリア公式の申請なんて普通しないんですわ。あとアフィリエイターにとっても、1クリックあたりの収入が1円行くか行かないかだったりするから、キャリア公式かどうかってだけで万単位も払いたくないだろうし。てことで、「ケータイ会社に登録されてないケータイサイトは怪しい」っつう判断は、確実に間違いなのよ。むしろそうゆー有料サービスにいちいち登録してない雑多なサイトこそが普通なわけで。っつうか、各市役所のケータイサイトって全然キャリア公式じゃないんですが。犯罪の温床ですか地方自治体サイトはww

iモードキャリア公式サイトの実例として、 「占い/診断」カテゴリでも見てみますか。これ全部キャリア公式サイトなのよ。ドコモにお金を払って宣伝してもらってんの。

どうでもいいけど、色使いが気に食わないっす。ははあ、西洋占いが100件、東洋占いが97件、診断・心理テストが56件、オリジナルが13件ですか。おいら占いを全く信じない人だからさ、これ見ちゃうと、「うさん臭いギラギラした奴らが最近の占いブームを嗅ぎ付けて、荒稼ぎしようと群がってやがる」って感じがしてしょうがないww その実態を確かめない早とちりなマスコミさんが、「ドコモが認めてるんだから安全なインターネット。最近はインターネットに悪いやつがどんどん増えてるから、ドコモの認定が追いつかない」とか勝手な判断をしちゃうわけよ。カネ次第のただの広告だってのに。

ってことで、記事を書いた人もチェックした人も、ろくに調べもしなかったことが判明したわけで。けどあの記事、あんましケータイサイトを見ない人たちは思わず信じちゃうんだろなぁ。「そんな危ないものが出回ってるなんて。学校はなんで禁止にしないのか」なんて。まぁ子供に関しては、ケータイ各社がフィルタサービスを用意してるけどね。ていうか一番いい親心は、子供は判断力が足りなくて危ないから、ケータイなんか持たせるなってことだと思うけど。

あと、デタラメを書くバカ記者には記事を書かせるな、とww

銘板
2008.6.9 月曜 前日に飛ぶ
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ペネロペテタンレール

おフランス出身の、ちょっとカワイイキャラを見つけたよ。これなんだけどどうよ

"Nouvelles" を見ると「再放送のお知らせ [2006.12.20]」とある。けっこう古いんだね。なんかこう、意思を感じさせないたたずまいって、うるさくなくていいよね。絵画っぽいタッチもいい感じだなぁ。カワイイ系のキャラと言えば日本製みたいな感じだけど、もうなんてーか、切磋琢磨の果てに洗練され切った感じがあってなぁ。Adobe Illusrator で描いたみたいなフラットなイラスト調ってのも、まぁカワイさの演出と言えばそうなんだろうけど、ペネロペを見た後だとなんとなくカッチリし過ぎな気がしてきた。

ちなみに、職場の女のコ(18歳)に見せたらやっぱし「カワイイ〜!」だそうで。うむうむよしよし (==)

銘板
2008.6.10 火曜 前日に飛ぶ
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日本人は実は一神教信者か

Wikipedia サーフィンしてたら、なんとなく「多神教」に行き着いたんだわ。その記事の「現代思想との関連性」によりますとですね、「一神教が多神教の進化形態で優れているといった主張よりも、現代思想にも一神教的な考え方と多神教的な考え方のそれぞれが適合する面が生きており、」だそうで。

まぁ人間、場面によって考え方を切り替えるってことかと思う。で、世の中の一神教ってけっこう拘束力が強そうだよね。一番きついのはイスラム教っぽい。その中でも原理的な人たちは、多神教の信者に殺意を覚えるらしいし。

多神教の人たちはおおらかな感じがするな。てか日本人のことだけど。神道と仏教だけじゃ飽き足らず、ヒンズー教やキリスト教のアイテムも普通に取り込んだりして。けどさ、日本人の多くが多神教なのはまぁみんなそう思ってると思うけど、実は概念的には一神教的なんじゃないかと、ふと考えちゃって。

「ああ、神様助けて!」とか「神様お願い!」とかって時なんてどうよ。八百万の神々をイメージする人ってそんなにいないんじゃないかな。おいらだったら1個の絶対神みたいなのをイメージしちゃうなぁ。それを神と呼ぶのなら、他のは八百万柱もあったところで、もはや神とは呼べないみたいな。そのくらい質的に違うんすけど。で、まぁそれはつまり、一神教的なんじゃないかと。

そうゆー感覚は、文明開化でキリスト教の概念が広まってからかもしんないな。だったら戦国時代や江戸時代なんかだと、神頼みってのはどんな感じだったんだろ。「神仏に祈願」だから、仏さんと、あとは神道の特定の神様か。仏さんの場合は先祖に祈るみたいな色合いが強い気がする。そういえば上杉謙信は毘沙門天専門だったっけ。てことは、ちょっと苦しいけど、個人レベルだと神様と言えば特定の神様だから、感覚的には意外と一神教的な気がする。

「商売繁盛ならこの神様、安産ならこの神様」っつう使い分けもあるから、やっぱ多神教は多神教なのかもしんないけど。

銘板
2008.6.11 水曜 前日に飛ぶ
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ワープロを懐かしむ日

昔々、と言っても四半世紀くらい前。ワープロはでかかった。存在自体がでかかった。家にワープロがあるってことは、ある意味ステイタスだった。うちにはあった。実は仕事の付き合いで親父がタダでもらってきた旧モデル(売れ残りとも言う)。存在感はでかかったけど、ノート PC サイズで比較的小さい方だったよ。けどプリンタ付き。ていうか当時のワープロはほとんどどれも本体-プリンタ-モニタ一体型だったけど。んでこれがまたスペックが強烈でw

その頃既に1文字24×24ドット(ようやく明朝体を表現できる解像度。ジャギー見えまくり)のがちらほら出始めてたんだけど、うちでもらったその機種は16×16ドット。ジャギーどころかドット丸見え。明朝もゴシックもあったもんじゃない。半角英数字(8×16ドット)はそれでも味わいがあったけど、カナや漢字はそりゃあもう汚いもんじゃった(Windows XP のディスプレイ字体が酷似してることは内緒)。

しかも液晶表示が1行だけだったもんなぁ。幅も全然足りないし。いや実際は2行だったんだけど、下の1行は漢字候補を表示する専門だったりして。なんかこう、細い窓から覗き込んでる感じだったよ。そんでさ、モデルチェンジ後の最新版をカタログで見せてもらったんだけど、なんと24ドットなのよ。そのうえ3行も表示できるのよ。で、なんか一瞬羨ましくなったんだけど、子供って無い物ねだりをする一方、手元にあるやつに異常に愛着を持つじゃないの。もううちのワープロ、おいらの持ち物になったねw

それでタッチタイピングを覚えましたですよ。もちろん当時主流だったカナ入力で。しかしほんと当時のワープロはバカでさ、前回使った漢字の記憶機能は一応あったんだけど1文字だけで、ほとんど使えなかったなぁ。まぁ後々の高度化への布石ってことだったかと。てことで単語も熟語も、基本的にあらかじめ設定された順番でしか出てこないのよ(文字コード順かな?)。それで腹が立ったのが、「ほんとう」と打つと必ず最初に「奔騰」が出てくる点w いやあの、どう考えても真っ先に出てほしいのは「本当」なんですけど。そこらへん全く考えられてなかったなぁ。まだ「本島」の方が使いでがあるよ。

とりあえず今まで生きてて、「奔騰」って単語、このワープロ以外でいっぺんも使ったこともお目にかかったこともない。せっかくだから調べてみるか。YAHOO! 辞書によると「[名](スル)非常な勢いであがること。『物価が—する』」だそうで。そうか相場の言葉だったのか。そこらへんの相場師を相手に売り込むつもりだったんだろうか。ポータブルタイプだから便利ですよおひとついかが?

そんな凄まじい使い勝手ではあったけど、自分を強制的に馴らしたよ。よく使う言葉は変換何発目で出てくるか体で覚えちゃって、かなりのスピードで打てるようにまでなっちゃった。まだ覚えてる。「かんがえる」と打ってから候補「考える」が出るまで、変換キー9回連打だ。子供の順応力ってすごいなぁ。ちなみに、何をそんなに書いてたのかは忘れてしまったよ。レコードからダビングしたテープの曲目を書いてたりしたけど。あと、親父の手紙の清書代行をしたりもしたな。

で、おいらが楽しそうにワープロやってるのを見てか(本当に楽しかった)、そのワープロをくれたセールスにそそのかされたか、親父は70万円の据え置き型ワープロってのを買っちまったのよ。いやもうセールスさん、ツボにハマっちゃって笑いが止まんなかったろうなぁ。

この70万円ワープロってのがもうひどくてひどくて。確かに1文字24ドットだから、ポータプルのやつよりは綺麗に印字できたよ。画面表示も24ドットだから、Windows XP より字が美しかったぞ(ただし印刷すると立場逆転)。モニタだって12インチ CRT でひろびろのびのびだよ。けどさ、黒地に緑文字(単色)ってのはなかったんじゃないのかと。5分くらいいじってから新聞を読むとですね、白抜きの見出しの白文字がピンク色にしか見えなくなるっつう素晴らしい仕様で。人間様のことを全く考えてなかったなぁ。単色で原価を安く上げようって考えだったんだろ。

カラーブラウン管を流用したと思うんだ。当時はもう白黒専用のブラウン管なんてなかったから。そんで光の三原色(赤、緑、青)で一番まともそうな色ってことで、緑だったかと。そういう意味じゃ少しは人間のことを考えてたってことになりますかね。緑は可視光の中波長だから、3色の中じゃ目に負担が少なさそうだしね。いやまぁ確実に目の負担だったけどさ。

で、熟語のデフォルト登録数も増えた。これも良かったんだけど、意味分かんないデフォルトもあってさ。「ほ」とだけ打って変換すると、最初の候補がいつも「邦和工務店」……。何がしたかったのかいまだにさっぱり分からん。とりあえず「邦和工務店」が何なのかググってみるべ。

(有)邦和工務店,011-785-1013,北海道札幌市東区本町二条5-4-30,建築リフォーム工事業

だそうです。四半世紀前はまた別な工務店のことだったかも。これもやっぱしあれですか、相場師仕様ってことで、当時株価が急騰してた注目企業だったんですかねぇ。聞いたことないけど。

あと、このワープロでひどかった仕様が、カタカナを打ち込む時は、入力前にモードを切り替えなきゃなんなかったってとこ。これはほんと使いにくかった。ポータブルのやつは今と同じく、打ち込んでから変換できたのにな。仕様設計の人がどういうつもりだったのか知らんけど、まぁ「ワープロは普及し始めたばっかりだから、いろいろやってみてお客の反応を見よう」ってことだったのかな。

けど、後知恵じゃなくたって、どう考えてもこのやり方は問題だったと思う。ていうかそんなん、試作段階で何人かに試してもらえば分かったと思うんだけどな。てことは、試験や調査をする余裕がほとんどなかったことが予想されますな。ワープロは、メーカー同士の激しい新製品競争の最中だったのかも。でも、ダメなやつをリリースしたらいかんだろうよ。

さらにイラッと来たのが、起動ごとに5インチフロッピー2枚を読み込まなきゃなんなかったっつう煩雑さ。ハードディスクがなかった時代とは言え、どうにかなんなかったのかよ。ポータブルのやつの起動時間はわずか2秒程度だったぞ。しかも不揮発性メモリもなかった時代のはずなのに、どういう仕組みか、電源を切る前の文書をそっくり覚えていて、起動とともに表示してくれた。ここらへん今の PC よりもすごいなぁ。

その後、後に「国民機」と呼ばれることになるパソコン、NEC PC-98 シリーズが出たら、ジャストシステムが一太郎っつう名ソフトを出して、ワープロ専用機はだんだんジリ貧になっていったっけ。それでもワープロ需要はしばらく続いて、96年でもまだ電器屋の店頭に出てたな。モデム内蔵で「インターネットできます」ってのもあったわ。っつうかその頃、衝動で1台買っちゃったんだけどね。インターネット可モデルは高くて買えなくて、そこはないけどすごく魅力的に思えたカシオの Darwin。

カシオ Darwin

くっはーたまんないねこのエセっぽいエルゴノミクスデザイン。あああこのマシンがかつておいらの手の中にあったとは。なんか鼻の奥がツーンとしたよ今。そういや液晶がカラーなのは良かったけど、TFT じゃない単純マトリクス型だったから反応がやたら鈍かったなぁ。今主流の TFT 液晶ディスプレイでも、反応が CRT と差がなくなったのは比較的最近だけどね。

けど悲しいかな衝動買いなもんで、打ち込む素材がなかった。こいつはいつも、おいらの所有欲をひっそりと満たすだけの哀しい存在だったよ。結局一度もプリントアウトしたことがなかったんじゃないかな。しかも既に、Macintosh LC 575 を人からもらって使ってたし。てことでこれ、物好きな知り合いに破格値で売っちゃった。例の70万円ワープロを無理矢理セットにしてwww もちろん両者は互換性なし。

結局パソコンに慣れちゃったんで、もうワープロ専用機を持ちたいなんて思わないけど、ワープロをいじってた頃ってちょっと独特のシアワセがあったですよ。人と機械とのイイ関係っつうか。PC と違ってバカだしアップデートもないから、融通効かない代わりに挙動を予測しやすいんだよね。機能の数も、すぐに全部覚えられる程度だったし。コンピュータってぇとおいらの感覚だとどうしても「計算機」ってな感覚があってね。シミュレーションみたいな、気が遠くなるような複雑な数値計算仕事を正確にこなすためのもの、みたいなノリで。そこへいくとワープロは「一般の皆様の営みをお助けいたす」なイメージかな。

80年代も後半になると、学校の職員室にフツーにワープロがあって、先生がプリントを作ってたりしたよ。オジサンたちも、使い方を一生懸命覚えてたんだね。なんかこう、強圧的な感じがなかったんだよね。だからオジサンたち、あんまし抵抗なくワープロに取り組んでた。プリンタ一体型が普通だったから、頑張って打ち込めばすぐさま清書できるっつう単純さも良かったなぁ。

そういえば「キーボードアレルギー」って言葉、ワープロ全盛の時代にはなかったのよね。Windows 95 以降の言葉。その前は多くの人が普通にワープロのキーボードをぽちぽち叩いてたのにな。だからほんとは「PC アレルギー」と呼ぶべきなんじゃないかと。

ワープロでもパソコンでも、主だった使い方は大して変わりないんだけど(ワープロでも絵を描いたり簡単な表計算が出来た)、なんでこんなにプレッシャーが違うんだろ。DOS や Windows だからってわけでもなくて、Mac でもそこは変わらない気がする。一応、Mac は「取り残された人のためのコンピュータ」とゆー触れ込みで出て来たのになぁ。

なんか結局、PC の特徴である「特定の目的を持たない」「だからいろんなことが出来る」「つまりあなた次第」ってのが得体が知れなくて、それがプレッシャーになったような気がする。PC が一般家庭に爆発的に普及したのも、インターネットっつう一応の目的が出来たから、世の中がようやくちょっとだけ安心して受け入れたんじゃないのかねぇ。その点ワープロは、「文書を作って清書する」っつう分かりやすい目的があったもんだから、客は余計なことを考えなくて済んでた、ということかと。

そんな感じで、上のまぶたと下のまぶたを合わせて、ワープロの思い出を振り返ると隔世の感を覚えたりするんだけど、今おいらがこれ書いてる Mac OS X ver. 10.4 でも、「きのう」でいまだに「昨日」と「機能」をかなりの確率で間違えたりww むしろ間違える方が多い気がする。「呼んで」と「読んで」とか。ちょっとは前後の文脈から推測してくれよ。OS 付属の日本語入力システム「ことえり」を使ってるんだけど、ATOK なら大丈夫なのかなぁ。買わないけど。

銘板
2008.6.12 木曜 前日に飛ぶ
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TRON を応援する日

あれ? 携帯電話の OS って TRON じゃなかったの?

これ書いてるの6月25日なんだけど、昨日のニュースでこんなのがあったよ。

YAHOO! JAPAN ニュース 6月24日17時18分配信

Symbian陣営がプラットフォーム統一団体設立——ドコモ、Nokiaらが参画

NTTドコモは6月24日、Symbian OSベースの共通プラットフォーム構築を目指す非営利団体「Symbian Foundation」への参画を発表した。

Symbian Foundationは、ドコモのほか、Nokia、Sony Ericsson、Motorola、AT&T、LG電子、Samsung電子、ST Microelectronics、Texas Instruments、Vodafoneの合計10社が設立する団体。NokiaはSymbianの全株式を取得し、保有するSymbian OSおよびS60をSymbian Foundationに提供する。また、Sony EricssonとMotorolaは「UIQ」を、ドコモは「MOAP(S)」をSymbian Foundationに提供し、Symbianをベースとしたオープンな共通プラットフォームを開発。この共通プラットフォームを利用することで、端末開発のコスト低減や開発期間の短縮を図る。

また、Symbian Foundationに加盟する団体には、共通プラットフォームおよび共通UIフレームワークが提供される予定で、特許使用料不要ですべてのソフトウェアが使用できる。さらに、複数コンポーネントをオープンソースとして利用可能にするだけでなく、今後2年間で携帯電話向けソフトウェアプラットフォーム「Eclipse Public License (EPL) 1.0.」として提供する予定だ。

ドコモの移動機開発部長三木俊雄氏は、「ドコモはSymbian Foundationの設立を歓迎します。ドコモは、当社のMOAP(S)資産をSymbian Foundationに提供することで共通プラットフォームの開発に極めて大きな貢献を果たせるものと考えています。共通プラットフォームの実現により、海外の先進的なサービスを日本で導入することが容易となり、ドコモのお客様に新たなサービスを提供できる可能性が拡がることを期待しております」とコメントを寄せた。

Symbian Foundationは、NokiaによるSymbian買収完了を経て2009年上半期から活動を開始する。

なんか内容はほとんどチンプンカンプンだけど、Simbian OS ってのが次世代モバイル OS として有力っぽいな。基金に参加すると、特許使用料不要ですべてのソフトウェアが使えるってのが買いっぽい。で、Simbian OS とは何ぞや。ほほう、ケータイ向けに特化したイングランド産の OS なのか。今の今まで存在すら知らなんだ。しかし Nokia ならまだしも、NTT ドコモもドライですなぁ。ギョーカイでは日本の代表的企業なんだから国産 OS の TRON を使おう、ってことにはなんないのかねぇ。

で、TRON の方はどうなってんのよ。とりあえず リアルタイム OS のうちのひとつなんだよな。すんません何が何やら…… (-_-;) ケータイ用ってわけじゃなく、組み込み用一般なんだね。ケータイってのはもうかなり高度化してコンピュータっぽくなってるから、専用 OS の方が状況に則してるってことなのかも。

けどさ、おいらドコモの D903i を使ってるんだけど、反応が遅くてけっこうイラッとくるんだこれが。OS は何使ってるんだろ。もしかして TRON でこれだとしたら、なんだかなぁって感じもする。って今調べたら、かの Simbian OS だそうで。ええ〜っこんなトロい OS が標準になんのかよ〜。ウソだべ〜。

あ、こんな記述を発見。そうかやっぱしケータイの高機能化で TRON は合わなくなってきたんか。けど「汎用OSを使い開発期間を縮める」ってあるけど、Simbian OS の項じゃ「Symbian OSのC++コードは非常に特殊化したものとなっており、プログラムすることはかなり難しい」と書いてあるんすけど。まぁそりゃソフトを1から起こす場合か。既存ソフトの使い回しや改造なら大したことないってことかな。

けんど、これから携帯端末の OS はどんどん速くなるらしいとは言え、こんなトロい OS、あんまし嬉しくないなぁ。でも他の候補と言えば Linux らしいし。こいつもまたトロくてなぁ。Unix 系列ってなんか知んないけどみんなそうらしいのよね。いろんな便利機能と信頼性を実現するためにリソースを食いまくってるんじゃないかと。

てことで、Mac OS X もまた Unix 一派なんで、反応が鈍いの鈍くないのって。仕事で Windows 使うようになってから、そのモッサリ加減をイヤと言うほど実感してるぐらいにして。バージョン上がるごとに速くなっては来たけど、そろそろ限界っぽいし。まぁおいらのマシンが古いからってのもあるけどね。OS はどうしようもないとして、ハードウェアでいえば、クロックも大事だけど、ボトルネックになるのは二次キャッシュとバスの容量だと思うね。んーそろそろ新しい iMac でも買おっかな(やっぱし Mac を考えちゃう人)。

話を戻すと、最近 TRON の話題を聞かなくなったもんだから、どうしちゃったかなぁと思ってたんだわ。そっかーケータイに捨てられちゃったかぁ〜。しかしその理由が「高機能化してきたから」ってのがもうなんだかなぁ。単純作業にしか向かないんか TRON は。てことは PC の OS にはもうなれんのかなぁ。超漢字には密かに期待してたのに、いつの間にか Windows 上で動くっつうわけ分かんない仕様になってたし(超漢字 V のこと)。そんなことしたら売りの爆速が台無しになるんじゃないのかね。速さは商品的魅力だってのに。

てゆーか国立大(東大)が作った OS なんだから、オープンソースで開発してフリーで配布しろよって思ってたんだわ。そしたらですね、それやってるプロジェクトをやっと見つけたわ。TOPPERS。東大じゃなく名古屋大だそうで。話が違うけど、名大って天文学分野が得意っぽい。確か南米のチリに電波天文台を自前で持ってた気がした。理論天文学の方でも活躍してると思った。TOPPERS はその名大の高田広章教授が中心になって開発が進んでるそうで。

作って公開してるのは μITRON のカーネルだけみたいだから、やっぱし組み込み用途がターゲットなんだろうけど、ここでひとつそのカーネルを元に、PC 用の OS を作っていただけないもんでしょか。素人考えだけど、そこで PC Unix そっくりに挙動するガワを作ってカーネルに被せるとですね、Linux や FreeBSD 用の膨大なフリーソフトが、爆速で稼動しちゃうんじゃないかと。エミュレーションはコマンドラインインターフェイスが動けば充分。PC Unix の GUI はフリーソフトとして別に提供されてるから、それを使えればいいってことで。

そうなったらおいらもうソッコー使うよ。世の中全体でも、捨てるしかなかった 500MHz 未満の古い本体がいきなり大復活ですよ。いいことじゃありませんか。っつうかうちにある Mac 以外の PC、333MHz と 400MHz だし。Linux と FreeBSD が入ってるけど、反応遅いの遅くないのって。

どなたか徳と志と能力の高い御仁、ひとつやってみてはくださいませんでしょか。

銘板
2008.6.13 金曜 前日に飛ぶ
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『スティール・ボール・ラン』

ヤバい。『ジョジョの奇妙な冒険』第7部『スティール・ボール・ラン』("STEEL BALL RUN", "SBR")がめちゃめちゃ面白い。ほんとヤバいくらい面白い。シリーズ最高傑作かも。

前に7巻あたりまで読んでてさ、そこまでは正直、イマイチな感じがしてたんすよ。アメリカ大陸横断レースがまだ盛り上がってくる前だったし、そこに『遺体』の回収とか大統領の陰謀とかが出てきて、「ええ〜っ 何だよそれ〜」って感じだったのに、8巻から、ルーシー・スティールが話に巻き込まれてからがもう怒濤の展開。それまでただのネタキャラだと思ってたよルーシーは。けどそこからが彼女の真骨頂。圧倒的に弱い立場なのに、自分の行動に後悔しつつも、それでも愛する人を守ろうと決然と意志を固めて戦ってる。「スティールの姓あってのルーシー」。その心意気にそれがし心打たれまくりですよ。

ジョジョ第5部のトリッシュと状況がちょっと似てるかも。トリッシュは途中でスタンドが発現して、それをきっかけに、ただ守られる存在からパッショーネの戦力に昇格したけど、ルーシーは最後までスタンドなしで戦い抜いてほしいなぁ。

あと敵役のリンゴォ・ロードアゲイン。彼が物語全体の大きな転換点になってるかと。『男の世界』。彼の高潔な哲学が、主人公ジャイロ・ツェペリのその後に影響を与えるのよね。それまでは自信満々で無敵っぽかったジャイロの弱点も発覚して、相棒のジョニィ・ジョースターとともに成長していく。

ブラックモアも凄かった。驚異的な洞察力と推理力で容赦なく真実を追い詰めていく。今までのジョジョになかったタイプだよね。でも常に冷静な彼が一瞬だけ心を乱す。そこが命取りだったな。ある意味最強の敵だったのに。敵役に魅力があるのがジョジョシリーズの特徴だけど、"SBR" だとそれが最高なんすよ。主人公側だってみんな過去に影を負ってる。だからどっちが正義でどっちが悪なんてないのよね。

みんな必死に生きてる。自分の人生の泥沼の中で輝こうともがいてる。その意志たちがぶつかりあったり手を取り合ったりしてストーリーが進む。これが涙なくして読めますか。意外だったのがホット・パンツ。謎めいた雰囲気が先行してたけど、ついに明かされたその過酷すぎる罪。これを知って、おいら泣きに泣いたよ……。ウェカピポは真っ先にその背景が語られるよね。そして対決後の予想外の成り行き。勧善懲悪じゃこの展開はないよなぁ。

一応これで全部の要素が出揃ったんじゃないかと思う。で、その要素たちが絶妙にくっついたり離れたりで、話全体が大陸横断レースみたいに全力疾走モードに入ってきた。登場人物全員の思惑を清濁一緒くたにして。

あああなんだか全然まとまりないなぁ。けどまぁそんな感じで今日はひとつ。

銘板
2008.6.14 土曜 前日に飛ぶ
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本丸陥落

何日かぶりに、お気に入りのあの曲を聴こうと思ったんですよ。MEIKO の『隣に…』。PC を立ち上げっぱなしの上にタブで開きっぱなしなわけで、聴くのは超簡単なんですよ。けどニコニコ動画の最新コメントを読むには、再読み込みしなきゃなんないですな。で、そうしたらあんた、削除されてたよ orz

この曲はまたしても、遠い彼方へ旅立った 私を一人置き去りにして(歌詞より)。思えば MEIKO にハマったのはこの曲あたりからだったよ。YouTube で出会ってから毎日聴いてたのに、権利者の申し立ててで削除されちゃってなぁ。そのあと重複投稿されてたやつを見つけてそっちを聴いてた。で、ニコニコ動画の会員になって本体を発見してからは、そればっかりだった、と。

確かに権利者の権利は大事だから、こうなるのはどうしようもないんだよね。けど、MEIKO 版(正確には「ぼか主版」)は今のとこ、アングラな形でしか聴けないのよね。原版も魅力だけど、おいらは MEIKO 版のファンなのよ。まぁようつべにコピーが残ってるけどね。でもいっぺん消されたことがあるんで、いつまで持つか……。

で、こんなこともあろうかと、おいらの手元にはニコニコから抜いた FLV 動画があったりする。個人で楽しむぶんには問題ないかと思われ。けど今ローカルで聴いてて思うのは、同じこの曲のファンたちと一緒に聴いて応援する、あの楽しみはでかかったな、ってこと。幸せな夢から覚めちゃった感じで、いささか寂しい気持ちとともに聴いとりますです。

銘板
2008.6.15 日曜 前日に飛ぶ
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いつの間にか日欧逆転

ISASメールマガジン 第194号【発行日− 08.06.03】でちょっと興味深い事象を発見。今、日本の宇宙科学研究本部(ISAS。宇宙虚空研究開発機構 [JAXA] の内部機関)と欧州宇宙機関(ESA)とが協力して水星探査機開発が進んでるんだけど、その会合の様子について、こんなことが書かれてたよ。

プロジェクトの開始当初からESAのプロジェクトチームとは年に3〜4回ほどお互いに顔を付き合わせての会議(ESA-JAXA Progress Meetingで略してPM)を持ち続けています。最初の頃はお互いの人となりもわからず、組織の違いによる考え方の違いなどもあり、ESA側が建前論を展開し押し問答を繰り返すばかりになり、会合の途中で机をたたいて引き上げようかと日本側の参加者間で相談したこともありましたが、最近はお互いの相互理解も進んだこともあり、PM等では本音を話してくれるようになって来た様に思います。ESAという機構は基本的に官僚機構のようで、(私から見ると行き過ぎた)証拠主義な事もあり、やたらテクニカルノートなどを要求され辟易する事が多々ある事には変わりはありませんが…(後略)

時代は変わったんだなぁ。「ESA側が建前論を展開し押し問答を繰り返すばかり」「会合の途中で机をたたいて引き上げようかと日本側の参加者間で相談したことも」ってこれ、すっかり逆じゃないですか。二昔くらい前に欧米人が抱いてた日本観って、上の記述の立場を反対にした感じだったみたいでさ。曰く「日本人は感情を表に出さないから、何を考えているのか分からない」「はっきりと主張しないから、何が言いたいのか分からない」。これで欧米人は日本人に対してキレまくってたもんなんだが。

実際、日本人の言葉の表現って英語に比べると形式的なものが多くて、文の長さに対して内容が薄めなんだよね。ただでさえ単語あたりの音節数が多くて長くなりがちなのに。しかもそのものズバリを言うのははしたないって感覚だし。どんどん冗長になっていく。そこへいくと英語表現ってのは、電報的な高速伝達に適してるわ。単語あたりの音節数が少ないのは、音素の数が豊富な上に子音止まりも多いからですな。1音節だけでもかなりの数の単語が用意されてる。さらに英語は、断定口調の単純な表現を重んじますな。日本語は何を置いても礼儀正しさを言葉で表さなきゃいかん感じだけど、英語で重要なのは、意味がはっきり伝わることそのものなもんだから。

てことで、日本語感覚のまま英語を話すと、どんなに発音がうまくても、聴いてる人はまどろっこしい上に何だかよく分からなくてイライラしてくる、と。逆に、日本語感覚のまま英語圏の人の話を聞くと、日本人としてはキツすぎてドッと疲れたりもして。

言葉単体じゃなくて、文化や考え方の面もありそうだけど。けっこう日本以外の外国の多くが、自分の主張や立場を他の人たちにはっきり表現できることを美徳としてるらしいよ。対して日本は、相手の気分を害するかもしれないことを言ってしまわないようにするのが美徳みたい。「思いやり」ってやつですな。

なんか外国だと、「思いやり」っつう言葉をその言語に訳せない、つまり「思いやり」の概念がない文化があるらしくて。で、ちょっと不安になってプログレッシブ和英辞典を見てみたら、"consideration", "thoughtfullness", "sympathy", "compassion" あたりが出てきた。なんかどれもちょっとずつ違うような。そんでさらに「*omoiyariも英米で少しずつ用いられるようになってきた」だと。うおお、英語にも「思いやり」ドンピシャはなかったか。こりゃあ相互理解がなかなか進まんわけだわ。

話を ISAS と ESA の会合に戻すと、組織文化の違いもありそうな気がする。ISAS は比較的小さい組織で、理学と工学の2分野が同じ屋根の下で協力しあって研究してるんだそうで、てことは、理学だけでや工学だけででもかなり風通しがいいのが予想できる。日本人でありながらも、ズバズバ話を通すのに慣れてるって感じか。対して ESA は組織がでかそう。詳しくは知らんけど、JAXA よりもでかい気がする。ISAS は JAXA の内部組織だけど、結構な独立性を獲得してるらしい。ESA の理学部門はそれに比べると、あんまし独立してないような雰囲気を感じるなぁ。

というのも、「建前論で押し問答」ってのは、自分で責任を持ちたくない人がやることだからね。惑星探査なんつうでかい企画で初めて組むパートナー相手に慎重になるのは分かるけど、それで間違いが発生した時の責任追及が厳しい環境なんじゃないかと。それって大組織の体質だよね。って文末に「ESAという機構は基本的に官僚機構のようで、(私から見ると行き過ぎた)証拠主義な事もあり、やたらテクニカルノートなどを要求され辟易する事が多々ある事には変わりはありませんが…」と書いてあったわ。国や地域の文化の違いっつより、組織文化の違いだったわ。これって程度の差はあっても、けっこう万国共通なんじゃないかと。

とりあえず、「どんな状況でも日本人はまどろっこしくて欧米人はズバズバ」ってことじゃなかったってことが、今回の発見だったってことでひとつ。今ひとつ歯切れ悪いけど (^_^;)

銘板
2008.6.16 月曜 前日に飛ぶ
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"celluloid/celluloid 修正版"

6月10日、初音ミクの初期を大いに盛り上げた名曲 "celluloid" の修正版が出た。原版は、ミクの立場や心情を歌ったいわゆる「ミクうた」全盛の中、誰が歌ってもおかしくない一般的な題材を取り上げた、画期的な曲だった。クリプトン(初音ミクのメーカー)の伊藤社長も、自らのお気に入り曲であることを思わずバラしてしまったくらいの見事な完成度だった。

今回の修正版では全体的に音質が上がって、さらにミクの歌唱がより自然になったと思う。前から既に人間っぽかったのに。ていうか修正版のミク、なんでこんなに声に張りがあるんだ? ますます心の琴線に触れるようになりやがった。やばい。やばいこれは。なんか今さらになって毎日リピート曲になりそげな予感。

と同時に、作者の baker さんの引退宣言が出た。

今回でボーカロイドのための楽曲制作は最後になります。

これからは純粋にこのシーンを楽しみ、サポートして行く側として見て行きたいと思います。

おおお、こんなに美しい引き際があろうか。心を決めた人に、今さら引き止めの言葉をかけるのも野暮だね。サクッと笑顔で門出をお祝いしなきゃ。

baker さん、本当にありがとう。あなたの音楽のお陰で、とっても素敵な時間を過ごせました。これからも聴き続けます。あなたの曲の、そしてボーカロイド曲のファンを続けていくつもりです。これからは一緒にこのシーンを楽しんでいきましょうよ。

涙が止まんね……。

銘板
2008.6.17 火曜 前日に飛ぶ
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ツボ

ひとつ発見。

夜、寝る前に、電気を消してから、

鼻毛を抜いたら、

閉じたまぶたの裏側に閃光が走ったよ。

人類の神経系統、一体どうつながってるんだ?

銘板
2008.6.18 水曜 前日に飛ぶ
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アンチエイリアス

あのさ、Windows の XP までの日本仕様が一貫してデフォルトフォントに採用してる「MS Pゴシック」、なくなってくんないもんかねぇ。最悪ですよあれは。全角英数と半角カナ、このフォントだと判別しにくいのしにくくないのって。おいらの都合上の話だけど、迷惑この上ないんですが。

それでもね、XP ってアンチエイリアス機能があったはず、というのを思い出して。MS Pゴシックがいかに汚らしいフォントとは言え、そりゃビットマップフォントだからだろ、と考えてたんだわ。紙に印刷すると綺麗に出るから、フォントセットにはビットマップフォントだけじゃなく、アウトラインフォントも組み込まれてるはず。で、XP は2001年発売だから、当然の如く画面上じゃアンチエイリアス機能でさらに美しく表現してくれるはず。これで文字の見栄えの面で Mac に追い付くはず。

けどいざ XP をいじってもみると、やっぱし字がコ汚い。どうもデフォルトだとアンチエイリアスは OFF らしい。早速設定してみたよ。いや、せっかくその機能があるのに、なんでデフォルトでその設定しないかな。

……、

……、

……。

何も変わらない orz

もっと調べたら、やたらでかいポイントじゃないと効かないらしい。Firefox に表示されたサイトの文字を 「ctrl +」で何回か拡大したら、16ポイントくらいかなぁ、ようやくMS Pゴシックがアウトラインフォントに換わって、アンチエイリアスがかかった。なんでこんな滅多に使わないサイズ以上でのみそうなるのかねぇ。ってよく見たら、英数のフォントはかなり小さくてもちゃんと綺麗に表示されてたぐらいにして。

日本の利用者だけ不利益を被ってるんかい。この出来が悪すぎるフォントをマイクロソフト日本法人が頑に偏愛し続けるせいで。まぁ2001年に出た OS を今になってけなすのも変な話ではあるけどさ。

っつうか、アンチエイリアスが効いてる英数字の方も、よく見るとなんか変。文字の縁に虹色のマボロシが現れたりしてる。で、そこらへん調べたら、なんでも Windows が採用してるアンチエイリアスは不完全なんだそうで。横方向だけボカシをかけるみたいで、しかもはじめから虹色にボカしてる。白地に黒の文字で何やってんの。意味分かんね。

CPU の負担を軽減するためのものらしいけど、Windows って基本的に処理と反応が速いんだから、少しくらい仕事が増えたって別に大した遅れにはなんないだろ。っつうか Mac は日本語でも、1993年にはアウトラインフォントを画面に出してたぞ。1998年には完全なアンチエイリアスを実装してたぞ。CPU クロック的には Windows の方が常に勝ってたんだけど、別に当時の Mac OS (Classic) で操作がもたつくことはなかったぞ。

ダサいビットマップに半端なアンチエイリアス。世間的にかなり評価が高い XP っつう OS の、このあまりにもひどい日本語フォント表示環境に、ほとほと愛想が尽きとります。正確には XP がっつうより、ほとんどMS Pフォントが悪いんだけどさ。皆さんよろしいですか? マイクロソフト日本法人の意味不明なこだわりのせいで、日本だけがひどく損してるんですよ。この腹立たしい現状、どうにかならんもんかね。

っつうかこの事態、マイクロソフト日本法人の怠慢と言うか、せっかく OS に搭載した機能をろくに活用できてないっつう点で米国本社への背任に近いと思うけどどうなんでしょ。

銘板
2008.6.19 木曜 前日に飛ぶ
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詐欺

昨日の続き。ちなみにアウトラインフォントとかアンチエイリアスって技術、Windows ユーザにはほぼ全く知られてないみたい。知られてないというか知らされてないというか。職場の人たちに訊いてみても、Windows に詳しい人たちも「何それ」「聞いたことない」だそうで。前に職場で飲んだ時、ある一人といろいろ話し込んだんだけどさ、話が Windows のことになってさ。

おいら「あの非現実的にコ汚いデフォルトフォントにマジ耐えらんないよ」って言ったら、その人はそれが普通だとずっと思ってきて、何の問題も感じたことがなかったそうで。Windows だけ使ってきて慣れ親しんでる方々は、みんなそんな感じで平和に暮らしてるんだろうか。嫌味を言うつもりじゃないけど、Mac と PC UNIX で TrueType フォントとアンチエイリアスに慣れちゃったおいらにとっては、許しがたいものがあるんだが。水洗便所にいったん慣れるとボットン便所にいささか抵抗を感じるみたいな。

っつうか有料 OS の Windows のフォント表示が、完全無料の FreeBSD や Linux のより途方もなくひどいっての、詐欺だと思うぞ。なんてーの、騙されてる人に「あんた騙されてるよ」と言うと、大抵は憤慨するからまぁ言わないで自分で気付いてくれるのを待つってのが常道だけど、敢えて言わしてくれ。あんたマイクロソフト日本法人に騙されて損してるよ。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

おいらがアンチエイリアスを初体験したのは、Mac OS 9 でだったよ。見慣れた Osaka フォントが見違えるように綺麗になったときはほんとびっくりしたですよ。「え? いいの? こんな綺麗でいいの?」なんて遠慮しちゃったぐらいにしてww 確か機能する最小限のサイズが9ポイントだった。限界がこのくらい小さいと、ほとんどどんな場合でもアンチエイリアスが効くし。

銘板
2008.6.20 金曜 前日に飛ぶ
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がくっぽいど/GACKPOID

(これ書いてるの7月3日っす)新しい Vocaloid がくっぽいど/GACKPOID が出ますですな。声の主はあの Gackt。日本語 Vocaloid じゃ久々に本職の歌手を起用ですな。4月1日にニワニュースで発表した上に、クリプトン製じゃなかったから(ニコニコ動画とゆかりがあるらしいインターネット社製)完全にネタだと思ってたんだけど、マジだった。

当初は6月中旬の発売予定だったそうだけど、パッケージキャラの作成とかが難航して、7月31日の発売予定になったそうで。初音ミク以来、Vocaloid 製品にはパッケージキャラの絵柄が、売り上げ的な意味でめちゃめちゃ大切なことが発覚したからなぁ。で、やっとそのパッケージが完成して、記事になったよこっちが公式サイト。なんかちょっと狙い過ぎな気がするけど、そこらへんを珍重する人たちの感性にどう訴えるかはおいらはよく分からんから、まぁ様子を見るとしますか。

肝心の声の方はどうかっつうと、この前までのデモソングは何の調整もかけてないベタ打ち状態の『大きな古時計』だけだったんだよな。正直、ボーカロイド臭さがけっこう出ちゃってた。今の公式サイトの『大きな古時計』はパラメータをいろいろいじったやつで、製品的にも磨きをかけたみたいで、かなり自然な感じに仕上がってますな。まぁビブラートが機械っぽいし、子音がところどころアレだけど、ここは打ち込む人の腕でごまかしが効きそう。

っつうか Gackt ってデフォルトで鼻声気味だから、Vocaloid 技術との相性がいいかもww ってオイ! 2曲目の "Lovers Again" やばいって。ほとんど本人が歌ってるだろこれ! マジか〜。3曲目『島唄』はどうよ。早く聴かせなさい! うおお、こぶしと抑揚すげぇ自然だよ。声優じゃないから滑舌は究極レベルじゃないけど、ちゃんと聞き取れる。

最後の4曲目は『RETURNER〜闇の終焉〜』。ちょ、今度の Vocaloid、とんでもないハイスペックだなぁ。それと Vocaloid の製品クオリティは、音声サンプリング後の調整がかなり大きいことがよく分かったよ。鏡音リン・レンはそこらへんが明らかに不足しててなぁ。初音ミクが予想をはるかに超えて売れまくって、開発・発売元のクリプトンがてんてこ舞いになったってのもあったんだと思う。それでリンレンの開発にあんまし手間をかけられなかったんじゃないかと。しかも声が2人分じゃ労力も2倍だろうし。

結局、ソフト1本で2人分の声でお得なはずのリンレンはイマイチ盛り上がってなくて、扱いやすいとされてるミクのターンがずーっと続いてるってのが現状なんだよね。初期状態で完成度が高いのは大事だわ。そこに、キャラ画で難航してるうちに音を洗練させてきた GACKPOID が乱入してくるわけですよ。いやこれはもうクリプトンとしても手をこまねいてるってことはないでしょ。どうなることやら、単なるギャラリーとしては楽しみなところですなぁ。

クリプトン側の迎撃としては、今年発売されるらしいキャラクターボーカルシリーズ第3弾の開発を急ぐって手もあるだろうけど、おいらとしては、実質まだブレイクしてるとは言いがたいリンレンのバージョンアップを望むよ。リンレンは両方とも、他の Vocaloid 製品にない個性的な素敵な声をしてると思う。使いやすくなりさえすれば、きっとミク並みに大爆発すると思うんだ。

ここは「限られた市場でのクリプトンとインターネットの潰し合い」じゃなく、「お互いに正面からぶつかり合って話題を振りまいて、市場をさらに拡大させる」って方向になってほしいっす。Vocaloid を使ったアマチュア曲を聴いて感動してる人は、おいらだけじゃなくもっとたくさんいるはず。話題性が出れば、興味を持ってくれる人たちが増える。観客が増える。その中から新たなクリエイターが生まれて、Vocaloid がますます売れていく、という流れでひとつ。今活躍してるクリエイターの人たちだって、観客が増えればますますモチベーションが上がるってことで。

観客やクリエイターにとっては、その Vocaloid はどこの会社が出してるかなんてどうでもいい話なんで、曲によっては GACKPOID と鏡音リンのコラボなんて普通にやるでしょ。実際、初音ミクと Sweet Ann(POWER FX 社製)の共演なんてのも出てるし。客としても、バリエーションが増えるのは嬉しいぞ。特に男声は希少価値があるからなぁ。そのせいで旧型の KAITO が、ロボ声がきついのにも関わらずひっぱりだこだし。

いやいやいや、ここしばらく落ち着き気味だった Vocaloid 界隈に、面白そうな動きが出てきましたですなぁ。GACKPOID 曲が出てくる8月が待ち遠しいっすよ。

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2008.6.21 土曜 前日に飛ぶ
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これから来る波

昨日紹介した GACKPOID の記事に重大なリンクが貼ってあったのを見逃してたよ。

やっぱしというか、ついにというか。鏡音リン・レンのバージョンアップ計画が開発元のクリプトンによって着々と進んでたらしいのよ。この記事を読んでくれ。やったー! クリプトンさんあんた偉いよ。よくぞやってくれた。お値段は据え置きで、既存ユーザがアップデートするなら無料ってのもいいね。この会社は、少なくともおいらがその存在を知ってからこのかた、いつでもユーザやファンに対して誠実だった。それが正当な利益となって、この会社に返ってくることを期待してやまないよ。

発売は7月中旬か。もうすぐだな(これ書いてるの7月5日)。バージョンアップの要望は現モデルの発売直後からあったけど、この時期設定はやっぱしあれですか、対 GACKPOID ですか。やばいよこれは。8月あたりから、リンレンとがくぽとで仁義なき歌の戦いが始まりそう。このエキサイティングなシーンを見逃すわけにはいかんなぁ。しかも8月31日には、初音ミク発売1周年っつうのもあるではないか。こいつぁ面白くなってきやがったぜ。

で、今年発売とされてきた、クリプトンの新型 Vocaloid はどうなってるんだろ。商品名さえまだ発表されてない。開発はほんとに進んでるんかね。たぶん、話は動いてるんだけど、それ以上にリンレンのテコ入れに注力してきたってとこなんですかねぇ。まぁそれが正しいやり方かと思う。

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Vocaloid の製品同士の競合って、排他的じゃないところがいいね。普通、何かソフトウェアを買うっつったら、競合する製品いくつかをじっくり比べて1つを選ぶじゃないですか。で、一旦選んだらなかなか乗り換えないじゃないですか。Vocaloid はそうゆーことあんましなさそうね。

共通してヤマハの規格とプログラムを使ってるとは言っても、製品には人間の声データが必須だから、製品ごとに個性が強く出るのよね。だから「1個買うと他を買う理由がなくなる」とはならなくて、買い足すごとにやれることがどんどん広がって、ますます楽しくなるってなわけで。値段も1個ずつなら買える程度だし(Mac に非対応だし音楽センスもないんで、おいらは買ったことないけどね)。

発売予定の GACKPOID も含めると、世界で4企業が Vocaloid 製品11個を出してるけど(日本2社5製品、イギリス1社4製品、スウェーデン1社2製品)、一連のシリーズとして買い揃えていく楽しみがあるっての、PC ソフトとして画期的なんじゃないでしょか。

で、鏡音リン・レンのバージョンアップが現実となった今、がめついと自分でも思うけど、クリプトンさんにさらにお願いがありまする。

MEIKO と KAITO を Vocaloid 2 で作り直してくれ〜。

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2008.6.22 日曜 前日に飛ぶ
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逆さセメタリー

日本の考古学好きなら死ぬまでに一度は掘ってみたい遺跡。それが大仙陵古墳。かつては「仁徳天皇陵」と呼ばれてたけど、今は正式には「大仙陵古墳」と呼ぶことになってるらしい。

名前は今回いかようでもよろしい。問題はその「向き」の定義にある。とりあえず Wikipedia からがめてきた件の画像をお見せしよう。

大仙陵古墳

●が上に、■が下になってますな。社会の時間に習った時も、教科書の写真はこんな感じだったと思う。

けどね、名前がね、「前方」で「後円」って言ってるんですよ。ってことはですよ、それに従うんなら、

正しい?向き

こうならないといかんわけで。ちなみにこの画像は、上の画像と同じもので、真上から撮ったかのように GIMP で加工してみましたです。GIMP でいろいろいじるの久しぶりだわ〜(ちょっと感慨)。

けど絵的な据わりからいくと、どうしても上の方の写真みたくなっちゃうよなぁ。ていうか、そもそもこの型のお墓って、上から見られることを想定してなかったんじゃないかとか。なんか明治か大正のあたり、飛行船が日本の空を飛び始めたら、「皇居を上から覗くのは不敬に当たる」みたいな議論が出たみたいだし。

しかしまぁ●と■のどっちが上かよく分からんけど、天皇家のものと限らんでも、お墓を逆さに表示しちゃうことの方が礼儀的にまずいような気がしてきたんだが。てことで、どっちを上にした方がいいのかはっきりさせてほしい今日この頃。今日出した2枚の写真のうち、1枚は大変失礼なことになってるわけだ(汗)。

なんで「前方後円」と名付けられたのかって理由は、こうゆーことだそうで。江戸時代の学者さんが状況証拠から便宜的にそう呼んだってだけのことらしくて、確たる由緒があったわけじゃないらしい。後の世の研究でその説が覆されてるし。ということで、名前からはどっちが前なのか判断できませんですな。

実は●と■とは左右の関係なのかも。けど軸対称ってとこからすると、そいつは不自然ですな。やっぱ●か■のどっちかが前あるいは上、とした方が落ち着くなぁ。しかし、軸対称の軸が縦だと落ち着くってのは、人間の体がそうなってるからじゃないかとか、ちょっと違う方向に心が飛んだりしてみたり。

っつうか「前方」の「方」ってこの場合、正方形や長方形を表すと思うんだけど、どう見たって台形だよなぁ。「上底たす下底わる2」のあの台形。江戸時代は台形も「方」だったのかな。

なんかこう、世界最大級の陵墓って割には全然メジャーじゃないよね大仙陵古墳。これって結局、形としてすっきりしてないってのがあるような気がしてきた。面積で劣るエジプトのピラミッドの方がはるかに有名なのは、あの幾何学的な形のインパクトが強いからなんじゃないのかとか。あとやっぱし高さか。マヤやアステカのピラミッドも、写真を一目見ただけで「うおおおおお」って感じがするもんなぁ。そこへ行くと日本の陵墓は、たぶん横から見てもただの小山にしか見えないんじゃないかとか。まぁ墓地全体が森になってるってのが自然に恵まれた風土を表してる感じで、その意味じゃ好感を持てるけどさ。

せっかくこんなすごい遺跡があるんだから、諸外国にも知らしめたいところですなぁ。けど一番最後に(というか唯一かも)発掘調査をしたのが明治時代で、後は宮内庁が許可してないってことらしい。宮内庁さん、そろそろ最新設備での発掘調査を許してみてはいかがですかねぇ。外国人考古学者(トレジャーハンターみたいなやつらは無視)も交えれば、国際的な話題にもなると思うよ。

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2008.6.23 月曜 前日に飛ぶ
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『悪ノ娘』『悪ノ召使』

いやいやいや、鏡音リンもそっちはそっちでけっこうやってます。ネタ曲が多い気がするけど。てことで今日はリン曲支援の日。紹介するのは

『悪ノ娘』(YouTube)

いやぁ笑っちまったよ。オチのセリフが見事すぎ。リンって性悪なキャラが妙に合ってるなぁ。っつうかまぁボカロ曲のファンとかクリエイターとかがみんなでワイワイ言いながらなんとなく作り上げたキャラなんだけどさ。権利者のクリプトン社はそうゆー設定には全くタッチしてないのよね。やっぱあれか『逆襲のロードローラー』(YouTube)が決定しちまったかこのベクトル。あれはキョーレツだった。うん。で、この『悪ノ娘』は、YouTube 版はアップロード時に音のタイミングがずれちゃったのが残念。

んでまぁ♪悪の華(チャチャ)可憐に咲く(チャチャ)って独特なノリのこの曲を楽しんでたら、なんとシリーズで鏡音レンの曲もあるって言うじゃないですか。その名も

『悪ノ召使』(YouTube)

曲調はポップスっぽくなったけど、『悪ノ娘』の設定を引き継いでますな。で、この曲のクライマックスが圧巻。レンかっこよすぎ!

両曲ともそうだけど、特に『悪ノ召使』で惜しいのが、ボーカルの音質があんましよろしくないってこと。これが鏡音リン・レンの弱点なんだよな。特に低音でアラ強くが出ちゃうっぽい。でも、でも、今月末(これ書いてるの7月8日)、今月末に待望のアップデート版 鏡音リン・レン act.2 がリリースされるのじゃよ。公式発表によると、「音のつなぎの滑らかさが向上し、ノイズ成分が軽減」だそうで。うおおまさにリンレンの弱点そのものの克服じゃないですか。

てことで、『悪ノ』シリーズのうp主様には早々にリンレンをアップデートしていただいて、両曲もまたアップデートしていただきたく願い奉りそろ。act.2 版の『悪ノ娘』と『悪ノ召使』、一刻も早く聴きてぇ〜。

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2008.6.24 火曜 前日に飛ぶ
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あの話の真意(か?)

『裸の王様』って童話、童話だと思ってたらちょっと違うっぽい。いや、子供の頃この話を聞いて、何がそんなに面白いのかって感じで。オチの意図がよく分からんくて。保育園や小学校の先生その他が折に触れて解説を加えたけど、今ひとつピンとこなかった。

偉い人が虚勢を張るのをおちょくるのが目的と捉える向きも、子供の素直さの表現だと見る向きもあるみたいだけど、なんかね、そうゆーのもとちょっと違うような。どっちかつったらそこらは重箱の隅みたいな。って最近はたと気づいたんだけど、これ、童話じゃなくてむしろ寓話なんじゃないかと。知ってる人からすると「何を今さら」なのかもしんないけど、おいらほんと今さっき気付いたもんだから。

んじゃあこの「寓話」に織り込まれた意図ってのは一体何なのか。

これ、事なかれ主義が異常事態に接したときの挙動を表してるんじゃないのかねぇ。事なかれ主義ってめんどくさいのがとにかくイヤだから、何かイレギュラーなことが発生すると、とりあえず無視して何も見なかったことにしちゃうよね。見なくたって起こることは起こってるのに。んでまぁ何の気なしに周りの人たちと調子を合わせ続けてると、しまいには取り返しのつかないことになってるよね、ってことなんじゃないかと。

見栄っ張りの王様や素直な子供に焦点を当てた解釈はよくあるけど、家来や国民とかの周りの大人の意向を中心にしたのって、おいらには誰も教えてくんなかったよ。で、そう考えると、まぁそういう寓意が見えてくる気がするわけですよ。おいら的にはこの解釈が一番しっくり来るなぁ。

真意はアンデルセンに訊かんと分からんとこだけどね。

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こちらのブログ様では、この物語の真意について、かなり論理的に掘り下げられてりおますです。

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2008.6.25 水曜 前日に飛ぶ
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石川さん

職場の同僚に、なかなかナイスなキャラを教えてもらったよ。

石川テレビの石川さん

なんかいいなぁこの人。そのまんまだし。「石川さん」って名前、登録商標要らないんだろうなぁ。便利だなぁ。

やばい。石川さんショップのせんべい、なんかうまそうな気がしてきた。「在庫: 10 コ」って少なさも購買意欲をそそるなぁ。ケータイストラップは……うん、いや、自慢のおぐしがそこらじゅうにグサグサ刺さりそうでちょっと。ていうか折れそう……。

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2008.6.26 木曜 前日に飛ぶ
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Wine 1.0 と Vocaloid

UNIX 系 OS で Windows アプリが動くことになったらしい。Mac OS X でも Linux でも FreeBSD でもだ。ぬおおおお〜 ついに Vocaloid を我が手に出来る時が来たか!?(Vocaloid は Windows 版しかない)

そのカラクリはこれ。Wine 1.0。紹介記事はこちら(ITpro)。けど、ちょっとイヤな予感がしたさ。んで、やっぱし的中したさ。Mac の場合は Intel CPU じゃないとダメだそうで。うちの PowerPC G4 は蚊帳の外かよ〜(啜泣)。

「まだだっ、たかがメインカメラがやられただけだっ!」(アムロ)

てなわけで、おいらは Intel 搭載の PC をあと2台持ってるわけで。FreeBSD 機と Linux 機。Wine 1.0 動くじゃん。けどクロックがそれぞれ 400MHz と 331MHz……。Pentium III だもんなぁ orz OS 動かすだけでめちゃめちゃもっさり。ものすごくしんどそう。そこで別 OS のためのソフトを無理矢理動かすのってどうよ。どうなのよ。

Vocaloid が動くのかどうか、Wine プロジェクトの公式データベースで調べてみた。うむう Vocaloid じゃヒットしないぞなもし。洋物ソフトだけなんだろうか。次は MEIKO でどだ。これもヒットなしか。MEIKO が使えないんじゃなぁ。したら Hatsune Miku はどうよ。あまりにもスタンダードであんまし買う気はしてないんだが。おおお、しっかりヒットしたよちょっと。使えるんじゃん。

Vocaloid 2 は行けるのか。だったら Kagamine で検索。あら、ないわ。ミクでしか動作チェックしてないみたいね。けどボカロが1種でも動くってのは福音だなぁ。ああでもやっぱ現実的じゃないかも。

  1. 作詞作曲と編曲の能力がない。
  2. インストもそれ用のソフトを買って、一から学ばなきゃなんない。
  3. うちの Linux 機も FreeBSD 機もなぜかサウンド機能が不全で、音が出ない。

無い無い尽くしもいいとこですな。どれも致命的だけど、3番目がちょっと気合いだけじゃどうにもならんですな。音なしで DTM ってそれどんな無謀な挑戦よ。まぁ、Linux か FreeBSD かでボカロの WAV ファイルを一旦出力して、それを Mac に転送して聴くって手も考えられるけど、めんどすぎ。

新しい Intel Mac 買っちゃおっかなぁ iMac とか。問題点1も2も、いろいろやってるうちに力が付くかもしれん。けど結局 Vocaloid を買ってたとしても、なんもせんうちに手を付けなくなっちゃいそうな気が多分にする。六角大王がいきなりそれだったからな。全然モトが取れなかったよ。クリエイション系のソフトは、とりあえずフリーウェアをてれてれ使ってるのが一番ですな。ボカロにはフリーウェアはないから、ま、結局何もしないのが一番安全、と。

Windows ソフトをうちの環境で動かせる画期的なツールが出たってのに、やたらつまんない決着を見ちまっただよ orz

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2008.6.27 金曜 前日に飛ぶ
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『紀元前1万年』

(ネタバレ注意)(しかも罵倒)

5月にさ、ゴールデンウィーク超大作の『紀元前1万年』を観たのよね。その日、他に観たい映画がなかったからそれにしたってだけで。いや、全然期待してなくて、もろにその通りだったんだけどね (-_-)

話が面白い面白くない以前に、設定のいい加減さが気になって気になって。野暮なツッコミとは分かっちゃいるけど、インディジョーンズもそうだったけど、考証が素人目にもドシャメシャですがな。何ですかあの鳥類になりかけの恐竜は(2014.7.13 たぶん恐鳥を表現したんだと思うが、恐鳥は鮮新世という、紀元前1万年よりはるか前に絶滅したらしい)。時代と場所めちゃめちゃじゃんか(クライマックス近くで場所がアフリカ北部らしいことが明らかになる。何なんだ一体)。

馬が大きいのは、時代ものの映画で古来からやられてきたデフォルメ描写と解釈できるけど、なんでそれに乗ってんだ。そして鉄に見える金属製の檻。人類が乗馬を知り鉄を広く使い出したのは、そこから遥か7500年後ですよ。『天は赤い河のほとり』読者なめんな! まぁ乗馬も鉄も、アトランティス大陸から来た謎の文明ってことで納得してくれよって雰囲気だったけど、だったらそこをちょっとセリフで説明すりゃ「分かっててやってるんですよ」てな具合にでも出来たろうに。

ローランド・エメリッヒ監督作品、相変わらずだなぁ。「売れりゃ何でもいいんだ」ってな態度モロ見えですよ。ついでに、『スターゲイト』(1995)で初めて見て以来の、古くてクサいスローモーションも健在ですなぁ。お前のセンスが紀元前1万年だろ。あんなにダサい演出なのに大作のオファー殺到っての、きっとあの監督、世渡りが並外れてうまいんだろなぁ。

演出はもうあの人自体がもうアレだから諦めるとして、設定面を収束させるいい方法は考えついた。なんで企画段階でそれやんなかったのかねぇ。まっとうに考えれば脚本に大掛かりな改造が必要っぽいんだけど、逆に考えて、タイトルを換えてパラレルワールドでのファンタジーにしちまえば良かったんだよ。

そしたら、「村の長老が運命の娘に念力で自分の命をあげました」なんつうファンタジーに日和った展開も、それなりに説得力を持ったかもしんないのに。タイトルをなんか適当に濁点付きのカタカナにしてさ、「ダヂヅデードの巨塔」とかさ。あと登場人物全員の耳をミスタースポックみたいにとんがらせるとかさ、それだけで良かったんだよ。『紀元前1万年』なんつって地球人類のリアル歴史を匂わせた時点で間違いだった、と。

いや、そうなると話が『スターゲイト』そのものになっちゃうってことに今気付いたww なんかなぁ、話がつまんないとさ、何か他に、ためになる小ネタを拾いたくなるんですよ。ギャグでも雑学ネタでも演出テクでも。観客として少しでも元を取りたいってことで。でもその面でも何も得るものがなかった。ほんと大変残念な時間を過ごしたよ。

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ああでも今回のエメリッヒはいつもとちょっと違ってたよ。米軍マンセーじゃなかった点で。いつもならクライマックスは、米軍が無敵の武力で全部解決するんだけど、今回はなぜかそうなんなかったww

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2008.6.28 土曜 前日に飛ぶ
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ついに合体ロボ登場

もうみんな鏡音リン・レンでやりたい放題だなw

【鏡音リン・レン】ロードローラー・ロボのテーマ【曲を付けてみた】(YouTube)

こんなにまでやらかしちゃってどうすんだよ。素晴らしすぎるぞ職人……。無報酬の趣味でここまで作り上げちゃうからすごいよなぁ。っつうかめちゃめちゃすごかった『逆襲のロードローラー』の 3D PV をようつべで探してたら、 原版(静止画版)に中国語の歌詞を付けたのが出てきた(YouTube)。いつ聴いてもインストのクオリティ高え〜。そうか「ぺちゃんこ」って「洗衣板」なのか。ってことで、中国語圏でもボカロ人気に火がついてますなぁ(字体から見て台湾かな?)。

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2008.6.29 日曜 前日に飛ぶ
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今日もリンレンネタ動画

あああ、ずっと前にいっぺん観てから探し続けてた動画めっけたー。もう逃がさないようにここにリンクするのだ。

レンにもロイツマを振らせてみた。(YouTube)

まぁオリジナルのニコニコ動画版の方が、視聴者の「うああああ」なコメで笑えるけど。当時ニコニコの会員になったばっかしだったおいら、このドンドコ流れ続ける視聴者コメントの威力に圧倒されて、一緒に手に汗握ったもんさ〜w

リンレンとも、キャラとしては人気あるのよね。今は曲の方は初音ミクが踏ん張ってる状態だけど、鏡音リン・レンはミクと同じ値段で2人分の声だから、製品品質さえ同じになると超お買い得なのよね。GACKPOID より安いし。せっかくいい声してるんだから、act. 2 発売で音楽的にも大ブレイクを期待してしまうですよ。

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2008.6.30 月曜 前日に飛ぶ
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日本人離れ

最近めっきり聞かなくなった言葉をひとつ思い出してさ。いや、いい傾向だと思って。子供の頃からこれに違和感を覚えてたもんだから。その言葉とは「日本人離れしたウンタラ」

なんかもう外国人(欧米人)に対する劣等感むき出しですな。「日本人離れしたスタイル」「日本人離れした顔立ち」「日本人離れした発想」などなど。まぁ発想は少しは納得できるかなぁ。外国人だって日本人独特の発想ってのはしにくいだろうし。でもやっぱし、自分を貶めての賞賛に使われるケースが多くてね。でもそりゃ劣等感を抜きにしちゃうと「日本から出さえすればありきたり」ってことで、実は全然褒め言葉になってなかったりする。

それと「島国根性」ってのも。これもさ、昔、日本人の視点がアメリカや中国大陸あたりに偏重してたところから出てきたんじゃないかと。いや、実は世界地図を見ると、島国ってけっこうあったりするのよね。日本が自重するだけならまだしも、関係ない他の島国まで一緒くたに巻き込んでけなすってのはいかんでしょ。よくニュージーランドやイギリスあたりから抗議されなかったもんだ。アイスランドもトンガもモルジブもそうだね。

なんかこう、そういう言葉や表現っての、知ったかぶりのエセ知識人が作って流行らせたみたいな気がする。特に証拠もない憶測だけどさ。

そういや人の見栄えに関する美意識って、実は西洋美術の影響をもろに受けてただけなんじゃないか、なんてことは 2008.3.19 に書いたっけ(これも根拠がないヨタ話)。

とりあえず言い出しっぺなんでそのヨタ話を元にすると、その観点からすれば日本人の顔立ちってのは、美的観点からずれてるんすよ当たり前だけど。で、人口が1億人もいるんだもん、たまたま西洋人っぽい顔の人ってのがいらっしゃいますわな。で、幼少から刷り込まれた西洋基準な美意識で、その人が美しく見えちゃうってだけのことのような気がする。さらに第二次大戦で負けた影響での、西洋人に対する劣等感。こいつが拍車をかけたかと。

おいら顔つきも体つきも、骨格からして西洋的な美学からかけ離れてるのよね。でもなぁ、しょうがないじゃん西洋人じゃないんだもん。整形してまでとか思わんしな。

西洋芸術を知る前の日本人の身体的美意識ってのは、江戸時代あたりまでの肖像画で確認できますな。登場する皆さんリアルにほとんどが細い目してたりして。でもなんか整った感じがあるのよね。描いた人が、その当時に隆盛だった、和風な美的センスをフル投入してるのがよく分かるというか。

これ、元をさらに辿ると、中国の絵画やもっと遠くから来た仏像に至るんじゃないかな。東南アジアなんかの南伝仏教は日本の大乗仏教とはあまり接点がないのに、仏像の顔立ちはけっこう似てたりする。南伝の方がスリムだけどね。やっぱデブは暑苦しいからなぁ。南の国じゃスリムなスタイルがもてはやされたってことですかね(ていうか大乗が勝手に太ったというか)。てことは仏像のデッサンは、仏教が発祥したインドまで遡れるってことになりますな。

しかしここで意外などんでん返しに会ったりする。意外というかもう知られてることだとは思うけどさ、ってことでたった今思い出したんだけどさ、仏像のデザインの元ネタって、オリエント経由でギリシアから来てたのよね〜(Wikipedia「仏像」で調べたら、仏像発祥の地のひとつであるガンダーラがそれらしい)。中学あたりの歴史か美術の教科書に載ってて、愕然としたっけ。

結局、西洋でも東洋でも、人体の美の規範を作ったのはギリシアだったのか。ギリシア芸術侮り難し。仏像ってのは日本に来るまでの間に、ギリシアの様式を元に、幾多の経由地の美意識が混ぜ込まれてきたんだろうなぁ。日本で作られたものはもちろん日本の美意識が入ってるんだろうけど、日本人の顔立ちそのものじゃありませんですな。そこへ行くと、西洋ってのはギリシア芸術のお膝元ですがな。そらオリジナルの美的感覚に近い顔つきや体つきが多いのは当たり前ですがな。

ああなんか、「日本人離れした顔立ち」なんつう表現に反感を覚えてたはずなのに、おもっきし自爆しちまっただよ orz けどまぁ人にもよるんだろうけど、欧米人の中にはけっこう、東洋人の顔立ちの方が美しいと感じる方々もいらっしゃるみたいよ(ちなみに現代の西洋で、特に地位のある人が東洋人の細い目を馬鹿にすると、差別主義者として社会的に抹殺されるらしい)。まぁ彫りの深い濃ゆい顔に囲まれて暮らしてると、周りにいないアッサリ顔に憧れるってことなのかもね。裏を返せばギリシア彫刻についても、自分たちと似過ぎててあんまし面白くないのかも。あ、これも憶測ね。

結局は単なる無い物ねだりなんですかねぇこれ。と、かなり強引に結論付けてみたり。

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そういえば前に、アメリカ白人に対して、本で読んだメキシコのジョークを言ったらやたらウケてたんだが。あれはどういう理由でそんなにウケたんだろ。そのジョークってのは「日本が戦争で負けたのは、目が細くて銃でうまく狙えなかったから」というもの。話の流れで言っただけで、おいら的には別に面白くも何ともないんだけど。

ていうか目を細めた方がかえってよく見えるのでは? 「日本人が言ったから安心して笑えた」ってことだったとか? 「ありえねー!」ってツッコミ入れたかったけどツッコミ文化がなかったからとか? 単に笑いのツボが違うだけとか? 人種差別意識が全くない人たちだっただけに、いまだによく分からんなぁ。

礼儀で笑ってもらえたってことかもな。

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