ひとりごちるゆんず 2008年4月
銘板
2008.4.1 火曜 前日に飛ぶ
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そう来たかッ!

また素晴らしい歌が出来てたよ。いやいやいやこれもマジで凄い。

【初音ミク】森永ミルクキャラメルのテーマ【オリジナル】(YouTube)

ネタ曲ってことになるんだろうけど、それにしても見事すぎるよこれ。今めちゃめちゃ聴きまくってますですよ。まさかそんなところに歌詞があったとは……。ただのネタ曲じゃないのは、このメロディアスな味わいにあるのだね。キャッチーなリフもいいよ〜。それにピアノが涙出るくらいカッコイイっす。

初音ミクが売り出されて始まったアマチュア DTM ブームは半年以上を経過していまだに人気衰えず、というよりあまりにも面白いんでもうこのまま社会に根付いてほしいと切に願ってるんだけどさ、その間に、発表される曲のレベルが着々と上がってきましたなぁ。無責任に聴いてるだけのおいらとしては喜ぶべき状況なんだけど、クリエイターとして新規参入する人たちにとって、敷居が高くなったりしてなきゃいいなぁとか思ったり。

今回紹介した『森永ミルクキャラメルのテーマ』なんて、この人じゃなきゃ思いつきも料理もできないネタだよね。アマチュア DTM ってこうゆー商売ベースにしにくいような個性的なセンスを楽しめるのがイイんだから、敷居は低いまんまであってほしいなぁ。

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2008.4.2 水曜 前日に飛ぶ
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フィギュア道は遠く険しいみたいだから気にしない

ひとつ疑問。昨日の『森永ミルクキャラメルのテーマ』のニコニコ動画の方の、ニコニコ市場がちょいと気になって。

初音ミクねんどろいどが一番でっかく出てるんすけどなんで? 初音ミクが歌ってるって以外に別に関係ないんじゃないの? しかし現時点(4月25日)で4,077個も売れてるっての、なんかちょっと、ぇえ〜っ!? しかもこの動画で73人が買ってるし。ははぁ3月31日発売だったのか。それで売れまくってんのか。でもこれ買って何にどう使うんだろ。それがしちと想像つかんす。

少年ジャンプでも最近、連載中のマンガの女性ヒロインをフィギュア化して売ったりしてる(読者プレゼントかな?)けど、シリーズ化するっつうことはそれなりに人気があるってわけで。まぁ写真を見るとこれがかなり見事な出来で感心しちまうことしきりなんだけどさ。なんてーか、二次元専用で描かれたものを、元にそっくりなまま矛盾なく三次元で起こすってのが凄いわけだ。相当な技術とセンスが注ぎ込まれてるってのは想像に難くないわけだ。特に、モビルスーツとかじゃなく人間の造型ってのだと、見る人は自然とチェックが厳しくなるもんだと思うけど、そのあたりの不自然さを感じさせないしなぁ。

だから売れるんだ、ってことか? いやいやその前にさ、買ってそれで何するのかがよく分からんわけで。まぁ「フィギュア=人形」だからして、部屋に飾って時々眺めて楽しむってのが正解だとは思う。それでも、初音ミクねんどろいどで値段が ¥5,980(税込)って……。それだけのために6k円ですか……。おいらみたいな田舎者の野人には想像を絶するカネの使い道ですなぁ。

酔狂なお金持ちって多いんだね。そういえば何年か前に、日本のフィギュア作りのプロが作った作品が、ニューヨークのオークションでとてつもない金額で落札されたとか報道されてたっけ。ムチムチしたメイドさんのフィギュアだったと思った。リッチメン相手の商売はほんと分からんなぁ。

そーいえば3年前の今頃って妙に DIY に凝ってたんだわ。アルミ系の。金ノコとか鉄ヤスリとか、千円未満の工具が日ごとに充実していってさ。で、とうとうババーンと6,780円のボール盤を買っちゃいたくてたまんなくなったんだけど、我慢してたらそのうち熱が冷めてさ。買わなくてよかったなぁとか今になって思ったぐらいにして。ま、要は何千円もカネ出したくなかったってだけだったんだけどね。

銘板
2008.4.3 木曜 前日に飛ぶ
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日常のちょっとした冒険

このまえ野望をひとつ達成しましたですよ。まぁ別に前々から腹に溜め込んでたとかそういうのじゃなく、その場でいきなり燃え上がった欲望を遂行したってだけなんすけどね。それは仕事中に起こったことだったですよ。PC の画面睨みっぱなしのデスクワークなもんだから、ずっとやってると気が張ってきますわな。で、なんかそんな状態を毎日続けてると心身にいろいろ悪影響が出てくるそうで、時々息抜きしながらやってくれ、と言われてるんですわ。んでまぁ息抜きで職場の隣のコンビニに行ってみたりするわけです。午後4時あたりだったかなぁその日コンビニに行ったのは。

夕張メロンソフト。

なんでか知んないけどやたらめったら食いたくなって。その日はけっこう暑くてさ。一応そのせいってことにしといておくれやす。職場内がまた輪をかけて暑くてさ(1部屋に何十人もいて、各自に与えられた PC が朝からぶん回ってるんで、午後になるとやたら室温が上がっちゃうのだ。まだ冷房入れる時期でもないしな。あとボスが環境派らしいんで、かなり本格的な真夏になんないと冷房入れてくんないかもしんない orz)。

てなわけでおいら、何食わぬ顔で職場に戻りましたですよ謎の包みを片手に。おいらの席は隅っこなんですよ。壁際の。んでまぁ目立たないだろうってことで紙袋をごそごそ開けてですね、取り出しましたよブツを。したらなんか隣の人がその時に限って興味津々でさ、「何買ってきたんだよ」としっかり見られてたわけですよ。

「うわっマジかよ信じらんねぇ〜!」っていやあの、そこまで見事なリアクションしてくれるとは思ってもみなくてこっちもびっくりたまげたもんざえもんでしたですよ。そんで周囲がドヨドヨし始めてさ。あらららら〜ちょっと皆々様方こっち見ないで下さる? いささか食べにくいざますわよ。しっかり食ったけど。

いや〜それにしてもオイチカッタwww 食いにくいっつうか、周囲からの羨望のまなざしの中でソフトクリーム食うっつうのもなかなかオツなもんでござったよ。まぁ隣の人は呆れてたけどね。「お子ちゃまだぁ〜」「仕事なめてるだろ」「ソフトの匂いがプンプンして仕事になんねえよ」とか罵声を浴びせてきたぐらいにして。でもほんとは食いたかったんだろ? 分かってるってこのツンデレめww

でも女性ウケは良かったす。「うは★」「いいなぁ」「おいしそ〜」「あたしも食べたくなっちゃったよぉ」とか。女性は甘いのが好きな人が多いんだねぇ。けどそれに紛れて「カワイイ」って言うなよ。どう反応していいか分かんなくてアイスみたいに凍っちゃうんでw

ソフトの具を食ってる間はまだ良かったけど、後半戦、モナカの部分に着手したらさ、いや〜音が出るところまでは計算外だったですよ。

「パリッ モシャモシャモシャ…… パリッ モシャモシャモシャモシャ……」

あああ、その妙なる食料摂取サウンドを静寂なる職場内に響き渡らせてしまった。周りのみんな、必死に笑いをこらえてたですよ……。

結論。仕事中のソフトクリームはまずい。いや、この上なくうまいんだけどその意味じゃなくて、やっぱちょっと状況的にまずいっぽい。どうも職場内の緊張感を一気にとろけさせちまうって点で、控えた方がいいっぽい。まぁやってみて初めて分かったってことで、今回断行した意味は多分にあったぞ、と強制納得なのだよ。

昼メシ時なら食ってもいいかなぁ。今度ちょっとやってみよっかな(←反省の色なし)。

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2008.4.4 金曜 前日に飛ぶ
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こんなところも変動相場制

あれ? 初音ミクねんどろいどってメーカー希望小売価格が3,000円なの? おととい5,980円って書いちゃったんだけど。でも Amazon で今(4月29日)で確認したら6,100円だってさ。なんか微妙に値上がりしてるし。カスタマーレビュー見たら、どうも人気で値段が変動するらしい。時価ってやつですか。こんなもん(失礼)に相場制発動って何なんだよ。しかも希望価格の倍額以上ってあんた……。人気のほどは分かったけど、そのぶんの利益はちゃんとメーカーに還元されてるんだろか。高値で売ったぶん Amazon が丸儲けじゃまずいだろやっぱし。

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絵画の売買ってその意味じゃまずい気がする。画商や顧客が作家から買い付けるわけで、作家の収入はそれで全部なわけだ。んでそのあと作品の人気が出てオークションで高値で取引されるようになっても、その時の売買からは作家にお金が入んないらしい。まぁそれで有名になるってことで、新作の買い入れ価格が上がるってことらしい。それは当然として、それとは別に、人気が出たその作品自体から作家にお金が行くようにはならんもんかねぇ。

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2008.4.5 土曜 前日に飛ぶ
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チョコレイトは……

素敵なネタ曲を見つけちゃったよ。これ何回聴いてもオチでどーしても笑っちゃう。ぶははは。

【鏡音レン】 もっとテクノでチョコレイトはモリ○ガ (YouTube)

これ作った人、『ストラトスフィア』 (YouTube) の うたたP なんですわ。先生一体何やってんすかwww ほんと才能の素晴らしき無駄遣いだなぁ。成層圏を飛び回り過ぎて酸欠におなりになったんだろか。

それにしても今『ストラトスフィア』久しぶりに聴いたけど、10分03秒が一瞬だよ。超音速ですな。

んでまた返す刀でチョコレイトの無限ループ、と(YouTube でのタイトルだと「チョコレート」となってるけど、大元のニコニコ動画のやつだと「チョコレイト」となってますです)。あ〜もぉうたたPたまんなくイイっすよ。

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2008.4.6 日曜 前日に飛ぶ
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成層圏巡航のココロ

そーいえば『ストラトスフィア』聞き入ってて思い出したことがあって。昔、『まんがはじめて物語』って子供向け番組があったんだわ。「クルクルバビンチョパペッピポ ヒヤヒヤドキッチョの モ〜グタン」ってやつ。我ながらよくこんなしょーもない呪文覚えてるなぁ。そんで、飛行機の歴史をテーマにした回があってね、おいらその頃飛行機マニア入ってたもんだから食い入るように鑑賞して涙したんだわ。

ほんで話の最後の方で現代の様子を紹介したんですな。ジェット機が世界中の空をぶっ飛んでるのが現代なわけで。それ見て、飛行機の揺籃期や発展期に激烈な開発・記録競争を繰り広げたかつてのライバルたちが揃って天国から嘆くんですわ。「あんなもの飛行機じゃないね」「そう。ただ突っ走ってるだけ」なんて。子供心に空の偉人たちの言葉を重く受け止めたっけ。

いや、単に番組のシナリオライターが話の流れで死んだ人たちのセリフを勝手に作っただけなんだけど、ガキにはそこらへん分別できるわけもなくて。んでまぁジェット機に対しては後ろめたさみたいなものを感じてたんだわ。でもさ、ジェット機にはジェット機の世界が確固としてあるのよね。旅客機にも戦闘機にも。一部共通で。当時はまだその世界は出来上がってなかったのかな?

一番特徴的なのは『ストラトスフィア』で描かれてる成層圏での巡航なんじゃないかな。おいらも旅客機の乗客としてしか実体験したことないけどさ。まぁ第二次大戦当時でも B-29 がターボを積んで成層圏を巡航してたらしいけど、レシプロエンジン+プロペラだとちょっと違うかな。サウンドと振動的に。やっぱしジェットじゃないといかんのよね。

YS-11 は一応ジェットだったけど、ターボプロップ(ジェットエンジンでプロペラを回す形式)だからまた微妙に違うかな。今時のジェット旅客機はターボファンって形式。ターボプロップとは原理的には同じだけど、なんか雰囲気違うのよねぇ。軍用機だとハリアーがターボファンですな。ハリアーはかなりロートルで、今日びの戦闘機はたぶんほとんどターボジェットかと。これだと成層圏を超音速巡航できるってわけで、ジェットの中のジェットですなぁ。

んでそのターボファン以上の世界ってのが、名曲『ストラトスフィア』的な、非日常の高みの、胸が高鳴る静かな世界ってやつでして。宇宙まで行っちゃうとその風情がなくなっちゃうのよね。そこらへんがまた危ういバランスなわけで。

現代の飛行機は、鳥をモチーフに、飛行船をライバルにしてた昔のとは性能的に似ても似つかぬ別物になっちまったけどさ、そのぶん新たな世界を獲得したわけで、ただ突っ走ってるだけじゃないんだよなぁなんて子供の頃の自分に今になって言い聞かせてみたぐらいにして。旅客機でいいから、アメリカあたりまで成層圏を飛びたいのぉ。あの世界はほんと独特の魅力に溢れてるよ。

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2008.4.7 月曜 前日に飛ぶ
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バイオ燃料は実はヤバかった

今日は5月4日です。約1カ月遅れまで後退してしまいましたですこの日記。GW に突入してしまっただよ orz 一時期けっこう盛り返したんだけどなぁ。ワープしちゃうのも考えたけど、このまんまの調子だとまたぞろ同じことにしかなんないし。

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昨日付の新聞で、ちょいと聞き捨てならん記事が出てたよ。

デーリー東北 2008年5月3日付

希少生物

バイオ燃料で絶滅加速

原料生産が生息域破壊

二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないとして各国で急速に進むバイオ燃料の開発が稀少な生物種の生息地を破壊、絶滅を招き、世界の生物多様性減少の一因になっているとの報告書を、生物多様性条約の事務局(カナダ・モントリオール)が二日までにまとめた。

報告書は「バイオ燃料生産の拡大政策を進める科学的な根拠はない」と現状を厳しく批判。十九日からドイツのボンで開く条約の締約国再会議で、環境破壊につながらないバイオ燃料であることを認証する制度や国際基準づくりに向けた作業を進めるとの決議を採択するよう提案している。

報告書によると、原料作物の栽培方法によっては土壌中のCO2が大気中へ放出される量が増えるため、バイオ燃料の利用は温暖化防止に貢献するどころか、温暖化を加速させる恐れもある。

報告書は、トウモロコシやサトウキビ、アブラヤシなど現在のバイオ燃料の原料作物は天然の林や湿地、草地などを切り開いて生産され、生物の生息地を破壊して絶滅などを加速する危険性があると指摘。東南アジアなど多くの国で、既に森林破壊などを招いているとした。これらの作物を育てるために大量の水資源が必要で、淡水の生物の生息状況も悪化させるとの懸念も表明した。

去年あたりまではバイオ燃料ってのは地球環境を救うヒーロー的な雰囲気だったと思ったけど、ここへ来て警告が入りましたですな。まぁ食料需要との競合は前々から指摘されてはいたけど、さらに希少生物の絶滅を招いたり、かえって温暖化を加速させたりなんつう本末転倒な面が出てきましたですな。

けどいつまでも石油に頼るわけにもいかんでしょ。そういや石油に頼っちゃいかん理由っての、最近だと温暖化防止の面が強調されてるけど、80年代前半あたりまでは「石油は近い将来枯渇するから」だったよね。落合信彦の本を読んだら、確かにあのあたりでは「石油はあと30年」だったんだけどそれは「今ある油田での計算」で、次々と新たな油田が発見されてるから、あと100年は枯渇しないだろうって話だった。

だとしてもあとたった1世紀程度なわけで、やっぱし何か他の燃料が必要になるわけで、その開発に失敗したら地球文明崩壊なわけで。そこらへんの技術の発達っての、けっこうスピードが遅いしなぁ。もう2008年だってのにいまだに油を燃やしてエネルギー源にしてるし。

てなわけで現実的には、「動き出したバイオ燃料を、不具合が見つかるたびに方向修正しながら開発していく」ってのがその回答になるかと。ちょいと前途多難な感じがしてきたなぁ……。

銘板
2008.4.8 火曜 前日に飛ぶ
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日本が打ち出したけっこうナイスそうな対策

昨日の続き。で、丸1年前のニュースなんだけど、日本じゃ面白いことを研究してるんだよね。なんでも海藻を養殖してバイオエタノールを作るとか。食料用途との競合が起こりにくいってのが最大のメリットですな。あと、国内での研究なんで日本の海を利用して、売り先も国内でって方向で話が進んでるみたいだけど、地球は表面の7割が海だからね。陸の近場の浅い海だけ選んだとしても、3割しかない陸地でエネルギー生産するよりずっと豊富にエネルギーを取れる気がする。

んでその去年の記事が残ってないかググったら、今年2月の新しい新聞記事を見つけたよ。消される前にここに写しとこ。(去年のはとっくに消されてた)

海藻からバイオエタノール、日本海で生産構想

2008年02月27日09時20分(asahi.com)

地球温暖化対策で注目されているバイオエタノールを、海藻のホンダワラ類からつくる計画が進んでいる。養殖や製造の基礎技術がほぼ確立したことを受け、日本海に巨大養殖場を設ける構想。日本のガソリン販売量のほぼ3分の1に相当する量になるという。バイオエタノールの原料となる穀物の高騰が問題となっているが、ほとんど食用にならないホンダワラ類が解決策の主役になる可能性が出てきた。

研究を進めるのは、三菱総合研究所や京都府立海洋センター、東京海洋大などのグループ。3月12日に東京都内で開くシンポジウムで詳細な研究報告を行い、実現に向けた検討をする。

竹野功璽(こうじ)・京都府立海洋センター主任研究員らは01年から日本海で、ホンダワラの養殖実験を開始。ロープに付着させた30センチの苗が半年で1〜3メートルに成長することを確認した。一方、海藻のアオサ類を使った三菱総研などの実験で、乾燥重量100グラムあたり約30ミリリットルのエタノールが製造できるとわかった。ホンダワラ類にも応用でき、バイオエタノールの量産化に道が開けたという。

構想では、日本海沖合で比較的浅い「大和堆(やまとたい)」の水深約400メートルを中心とした海域に養殖場をつくる。ホンダワラ類を植え付ける太さ約3センチのロープを100本前後組み合わせた養殖ユニット(100メートル四方)を四国の半分強の広さにあたる約1万平方キロに並べる。沖合を活用するため、沿岸の生態系を守れる特長がある。

年間に乾燥重量で約6500万トンの収穫が見込まれ、約2000万キロリットルのバイオエタノールを製造できる計算になる。

だそうで。四国の半分強の面積ですか。日本の排他的経済水域は国土の何倍もあるそうだから、この計画がうまくいけば規模を拡大して、国内需要を上回る生産が期待出来そうですな。いろいろ条件があるだろうからそう単純でもないだろうけどさ。あと、南の地方は日光が豊富だし水温も高いから、台風対策さえどうにかすれば小笠原諸島や琉球諸島の新たな産業にもなるんじゃないかなんて……どうかな?

お、丸一年前のニュースに言及したブログを見つけた。ははぁ。推進団体が違うけど、どうも去年のこの研究が順調に進んで、今回の日本海養殖構想につながってきたっぽいな。このまま順調に行ってほしいですなぁ。環境負荷も食料価格への影響も少なそうだし、それに日本のエネルギー自給率がもろに上がるわげたし。

銘板
2008.4.9 水曜 前日に飛ぶ
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そんでその技術を外国に転用したらどうかとか

んでまぁその流れで思いついたんだけど、これ、ポリネシアとかメラネシアとかミクロネシアとかの太平洋の真ん中あたりの国々の産業になったりしないかな。赤道近くの海なんで効率的に養殖できそうってことで。そこらへんの国々の今の主力産業は漁業や観光だそうで。失礼だけど、なんかちょっと弱いよね。で、国際的な発言力も今ひとつみたいなのよね。

でも今、この国々はかなりな危機に立たされてたりする。このまま地球温暖化が進んで海面上昇が起こると、サンゴ礁で出来た国土ってのは海抜ほとんどゼロメートルなんで、水没しちゃうのよ。んでまぁここらの諸国は世界に対して「早く何とかしてくれ」と必死に訴えてるんだけど、実質無視されてるっていうか。

そこでですな、この海域・地域で大規模に海藻バイオエタノール生産をして世界に輸出するようになればですよ、世界を見ると大手を振ってるのはエネルギー輸出国が多い現実を鑑みてですよ、彼らの国際的な発言力が強まるってことですよ。世界的な世論が無視できなくなるってことで、世界が脱石油に向かう流れを加速できるんじゃないかと。しかもバイオ燃料だから、その生産行為自体が温暖化を抑えて、自国を守ることに直接つながるわけで。

「そんな辺境なんてどうでもいいじゃんか」なんて言う人もいるかもしんないけど、彼らの歴史はなかなかすごいものがあるんですよ。もともと東南アジアに住んでたのが、アジア内陸部が農業革命で人口爆発したせいで、太平洋のただ中に押し出されちゃった。それでもそこに活路を見出してカヌーを漕ぎまくって、無人の島を次々と発見しては移住して、あのでっかい太平洋を制覇しちゃったんですよ。ちなみにハワイもミッドウェイもポリネシア系。しまいには南米大陸とは目と鼻の先のイースター島にまでたどり着いたぐらいにして。そこから先、南米大陸との交流があったともなかったとも言われてるみたい。おいらはそこらはよく分からんす。

あとね、ポリネシア諸語の発音の概念って日本語と近いらしいのよ。それで親近感を覚えるのよね。日本語の文法の方は朝鮮語と互換性があるそうで、大和民族は朝鮮から来たみたいだからそこんとこは別に何の不思議もないんだけど、日本語と朝鮮語って発音の概念が根本から違うのよね。これ、おいら的にはすごく謎なんすよ。で、近隣のアジアじゃ発音で日本語と互換してる例が見つからないそうで、日本語の発音は孤立してるみたいなんですな。

で、太平洋を挟んで対角線の位置にある日本とポリネシア。一見全く何の関係もないみたいだけど、ポリネシア人が昔々東南アジアにいたってことで、その一部が、原ポリネシア人の「出・東南アジア」で日本列島に黒潮に乗ってやってきて定住した、てなシナリオが考えられるわけです。んで後からやってきた大和民族と文化的に混交して、「文法は原・大和系、発音はポリネシア系」ってな日本語が出来上がったんじゃないか、みたいな。

アイヌの祖先とされる縄文人を忘れちゃ困るぜって感じもあるけど、ポリネシア系も縄文系も基本的に狩猟採取民族だから、たぶんどっちも人口密度が低くて、あまり頻繁にはぶつかり合わなかったんじゃないかねぇ。農耕民族じゃないから戦争にも消極的だったろうし(一般に思われてる「狩猟民族は好戦的で農耕民族が平和的」と言うのはそのイメージから短絡的に生まれた誤解で、実際は全く逆だそうだ。ジャレド・ダイアモンド著『銃・病原菌・鉄』からの受け売り)。それに狩猟採取だと生きるための営みそのものに費やす労力が大きかったろうから、かえって助け合ったりもしたりとか。

話それまくり(汗)。だんだん妄想の比率が高くなってきてるし(滝汗)。てなわけで(強引なまとめ)、日本で考え出されて研究されてる海藻バイオエタノール生産、うまくいくと本当の意味で世界の未来を救う、パーフェクトに近い技術なんじゃないかとか思う今日この頃。

銘板
2008.4.10 木曜 前日に飛ぶ
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サーベルタイガーの誤解を晴らす日

なんかこう、格言ってたまに、ひどいコジツケな時があるよね。実際の例に全然そぐってなかったりして。「百獣の王ライオンは自らの子を千尋の谷に突き落とし、這い上がってきた子のみを育てる」とか……。本物のライオンはそんなアホなことしないのはもうバレバレなわけで。誰が創作したか知んないけど、科学的根拠に基づかない時代遅れなスパルタ教育にいまだに使われてそうだなぁ。

考えられる反論。「もともとはライオンではなく、架空の動物『獅子』のことだ」。ってまぁそうだとしても、架空の動物だからこそ話を作った人の都合のいいようにどうにでも設定されちゃってるわけで、デタラメってことに何ら変わりはないかと。

で、前々からその方向性でなんだかアヤシイと思ってたのがあって。

「サーベルタイガーはその牙の長さゆえに絶滅した」

なんかなぁ、生物の進化史でそこまで間抜けなことが起こりうるのか、と。例えばその中の1個体だけが異常に牙が長く生まれついてしまって、そのせいで死んでしまったってんなら分からんでもないけど、それはつまり自然淘汰ってやつで子孫を残せる確率が低いわけで、生物種としての牙の長さは自然と最適化されるわけですよ。だから「牙が長くなり過ぎたせいで絶滅した」ってのはおかしいんですよ。

まぁこの格言の言いたいことは「過ぎたるは及ばざるが如し」とかぶってると思うんだけどさ、「過ぎたるは……」がもうあるんだから、わざわざうさん臭い話を捏造して語る必要もないだろ、と。

けどまぁサーベルタイガーは実際に過去に存在して絶滅してるわけで。で、その本当の原因を調べてみた(Wikipedia)。人類がマンモスを捕り尽くしてしまったせいで、サーベルタイガーは食べるものがなくなって絶滅した、ということらしいっす。やつはしじゃなくてやっぱしというか、牙の長さは関係なかったのね。マンモスの項目を見ると、「人類がマンモスを絶滅させた」と言うのはひとつの説に過ぎないみたいだけど、とにかくマンモスがいなくなったせいでサーベルタイガーもいなくなったってのは正解っぽいですな。

こんな具合に、世の中にはまだまだ、誰かが言い出した根拠薄弱なヨタ話がさもありなんとまかり通ってる例が他にもいっぱいある気がするんだけど、実際どうなんでしょ?

銘板
2008.4.11 金曜 前日に飛ぶ
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核融合発電の落とし穴なんぞ

前に Technobahn で見つけてネタ帳にメモったまんま忘れてたやつでも。

高校生が自作した核融合装置

センセーショナルな見出しはさすがにマスコミですな。見事に釣られちまったよ。ま、読めば分かるけど、別にティアゴ・オルソン君が独自に発明したものじゃないそうで、その道を志す人たちにとってはよく知られた装置らしい。それにまぁエネルギー収支を黒字(つまり投入したエネルギーよりも取り出したエネルギーの方が大きくなること。これが成り立たないと発電機としての意味がない)にできるようなものでもないらしいし。

しかし核融合発電の開発、遅々として進まんねぇ。いやまぁロードマップ通りなのかもしれんけどさ、「初の実用化は2050年頃」なんて記事を10年くらい前に読んだ気がする。今は実証炉 ITER(「イーター」と読むらしい。"eater" と同じ発音の名前からしてエネルギー収支が赤字っぽいような。エネルギーだけでなくカネ食い虫でもあるような)が国際協力で開発されてるね。まぁうちは青森県八戸市なんですよ。クルマで2〜3時間のところに六ヶ所村があるんですよ。ITER の建設候補地としてフランスのカダラッシュと一騎討ちになって、結局2006年にカダラッシュに決まったけど、それまでまぁまぁ話題をさらったかと。

でも六ヶ所に決まらなくてよかったかも。だってさ、核融合だって反核活動の矢面に立たされるのは目に見えてるからね。ただでさえ六ヶ所は現行の原発関連(核分裂型)の施設が建ち並んでて、いろいろと問題が起こったりしてお騒がせだからねぇ。ちなみに六ヶ所村はそういう政策方針なんで国からの補助金がじゃぶじゃぶ入って、日本一豊かな市町村のひとつなんだそうだ。なんだかなぁ。それって国が「原発はヤバい」ってのをもろに認めてるようなもんなんじゃないかとか。いや、もちろん政府は「原発は危険です」なんて口が裂けても言わないけど、東京電力の原発が全部首都圏以外にあるってのも、そのヤバさを認めちゃってる感じがしてなぁ。

そんでさ、ITER の六ヶ所村誘致ってのはさ、けっこう青森県的悲願だったりしたのよ。ま、要はカネの問題ですな。そんだけの巨大施設が作られるってことは地元の雇用が潤うってことで、国からの補助金も期待できるってことで、八戸商工会議所なんかでも90年代から ITER 誘致活動に一生懸命だったんだよね。

けど、なんかちょっとうさん臭くてなぁ。

あたりが売り文句だったと思う。太陽は核融合で光ってるから、「太陽を作る」は間違いでもないんだけどさ(燃料が少し違うけど)。でもいやあの、夢の新エネルギーは放射能が出ないってのはちょっと……。核融合って放射性廃棄物が出るんですけど。核分裂炉ほどの高レベルのものは出ないかもしんないけど、運転を続けてると炉心から出る強烈な中性子線に叩かれて、炉心材料がだんだん放射性物質に変わっていくんですよ。で、融合炉を廃棄する時には、放射線を発する困った廃材が大量に発生しちゃうってことでして。それ以前に、自然の核融合炉である太陽から放射線がバンバカ出てるんですが……。てことで「核融合は放射能が出ない」っつう売り文句は真っ赤なウソでした、と。

海からの無尽蔵の燃料ってのも、重水素と三重水素のことだと思うけど、それを海水から商業ベースで採取する技術が確立されたなんて話、聞いたことないし。なんか眉唾な気がするが。水素だからして、海水から取り出すとしたら電気分解になりますな。そこでいきなり電力を消費しちゃうわけですよ。で、今調べたら、水素中の重水素の存在割合は0.015%だそうで。これを普通の水素と分別しなきゃなんないんですな。ま、その過程で普通の水素が大量に発生するはずなんで、それを他の熱機関の燃料として利用すると、電力を投入する意味もあるって感じですか。ぶっちゃけその場で燃料電池を駆動させると、投入電力の何割かを賄えそうだし。燃料電池の効率が40〜50%くらいなんで、それで賄えるのは実質2〜3割程度か?

あと、今まで誰も全く語ってなさそうな問題点ってのもあったりして。もしかしてここでの記述が世界初とか日本初とかだったりする?ww それはですね、現行の原発よりも確実に多く温排水が出るってことなんですよ。周辺の海の生態系に影響が出るってことなんですよ。漁業補償とかどうなるんだろね。もうここに書いちゃったからね、推進派は「気付きませんでした」「知りませんでした」じゃ済みませんことよ。

核融合発電で、現行の核分裂発電より温排水が多く出る仕組みをちょいと解説。

今、商業稼動してる原発は核分裂型ってやつで、ウランとかプルトニウムとかを燃料にしてますな(プルトニウムは研究段階かな?)。あれ、放っておけば勝手に核爆発しちゃうのを騙し騙しゆっくり燃やすことで高温の熱を取り出して、その熱で発電機を回してるんだわ。ま、キレやすい人をなだめながら仕事してもらってますみたいな。

熱で発電機を回す具体的な方法は火力発電所と同じで、ボイラーで水蒸気を作ってタービンを回すんですな。熱機関なんで発電効率はがんばっても5割程度。核分裂炉が発生させた熱のうち5割が電力になって、残り5割が排熱としてその場で捨てられちゃう。大気に捨てられるぶんもあるだろうけど、そのうち多くはポンプでくみ上げた海水を温めて海に戻すんですな。それが温排水ってやつ。どこの原発もみんな水場の近くにあるのは、そういう理由からなんですな。

で、今度は核融合炉の場合。原理的に、大量の電力を炉心にぶち込み続けてなきゃ核反応が続かない。安全性の利点に数えられることが多いんだけど、つまり核融合だと暴走の心配がないんですわ。やばくなったら電力の供給を止めれば全部止まる、と。怠け者の力持ちを、ケツひっぱたいて無理矢理働かせるイメージだね。

てことで核融合発電の場合、せっかく作り出した電力の一部を炉心にぶち込み直さなきゃなんない。発生熱量あたりの、売り物にできる電力量がそのぶん減るわけですよ。そして熱を電力に変える仕組みはこれまた火力発電と同じ。ボイラーで水蒸気を作ってタービンを回すってやつ。ここは結局どの発電様式でも同じ。そうすると核分裂型と比べると、同じ規模の電力出力だとしても、自家消費分があるもんだから必要な熱量が確実に多くなるわけだ。てことで、そのぶん温排水も増える、と。

温排水問題って放射線とか放射性物質とかに比べてセンセーショナルじゃないせいかあんまし注目されてないけど、国内の原発の立地計画でいつも一番の問題点になってるんだよね。地元漁協への漁業補償がどうたらとか。そのいつも中心的な問題になる温排水問題が、核融合発電でますます望まれざるパワーアップを果たしてしまうってわけ。

うちの地元が ITER の誘致に躍起になってた頃、なんか小賢しい情報操作してやがるなぁとか思っとったよ。地元自治体とか商工会議所とかは推進派の偉い人の話を受け売りしてただけだと思うけど、なんてーの、おいらみたいな一般人でも分かることなんだから、もうちょっと自分で情報集めて考えろよとか思ったりして。それとも誘致活動の邪魔になる事実は意図的に伏せたのかな?

いずれにしても ITER はフランスに建てることにもう決まったわけ。しかしこれ、国としても別な理由でホッとしてる人が意外と多いんじゃないのかね。なんでもご当地の資金負担割合がやたら高いみたいだし。財政難でヒイヒイ言ってる日本政府としても、「これでよかった」と思ってる人、けっこういそうな気がする。

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ちなみに Wikipedia によると「たとえばプラズマ中の断熱層の発見によってITERの建設費を約半分にする提案を行い1998年以降に設計変更まで成し遂げるなど大きな成果を挙げてきた」だそうで。政治的な云々は別として、日本の技術力ってやっぱすごいんだなぁ。カネが全てでもないけどさ、巨大計画の中心施設の建設費を半分に、ってものすごく画期的だと思うぞ。

銘板
2008.4.12 土曜 前日に飛ぶ
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レーザー駆動蒸気ジェットエンジン

あのさ、旅客機って毎日毎日ばんばかばんばか飛んでるじゃないの。国内便も国際便も。そのうえ自衛隊やら世界中の軍隊も、戦闘機だの輸送機だのを飛ばしてるじゃないのこの原油高のご時勢に。まぁ原油の価格はちょっと置いとくとしてですね、いや、あそこらへんの分野の1日当たりの燃料の消費量ってどのくらいになるんかなぁとか考えたりして。

前に成田空港に行ったら、離陸したジャンボジェットの4基のエンジンから黒々とした排気が後ろに伸びてるのが見えてさ(別に異常燃焼してたわけじゃなく、飛行機をほぼ真後ろのアングルから見てたんで、排気に少量含まれるススが強調されて見えたんだと思う)、あまりにもあからさまな石油大量消費を目の当たりにして、ちょっと愕然としちゃったというか。

何が言いたいかっつうと、企業や国家の日常的な活動としてこんだけ派手に石油由来の二酸化炭素が堂々と吐き出される中、個人としてエコ意識を高めて生活に気を付けることにどれだけの意味があるのか、と。もちろんエネルギーの節約で光熱費が浮くなら環境保護との合わせ技として意味があることだけどさ、例えば志の高い人だと、10年やそこらじゃ投資を回収できないのを理解しつつ太陽光発電や風力発電を家でやってたりするよね。

意味がないとは言わないし思わない。けど飛行機が油を燃やした排気をまき散らしながら毎日飛び回ってるのを考えるとですね、ぶっちゃけ焼け石に水な気がしてしょうがなくて。個人個人のちまちました環境配慮の努力なんて、新航路が1本開設された時点で何千人分も一気に水の泡になっちゃうかと思うと、モチベーション下がりまくりですよ。そんなんで下がるくらいの半端なモチベーションだからいかんのだ、と言われりゃそれまでだけどさ、なんかこう、B-29 を竹槍で撃墜しようとする虚しさに近いものを感じたりして。

何が悪いのかを考えると、これ見よがしなまでに石油を馬鹿食いする飛行機が悪いってことになりますな。飛行機って20世紀最大の発明のひとつだとは思うけど、個人的には飛行機は種類を問わずみんな好きだけど、なんかこのまんまでいいわけがないんじゃないかと。

で、原油高ってのもあって、航空会社や航空機メーカーもこれじゃいかんってことでいろいろ対策を打ち出してますな。日本が久しぶりに売り出す旅客機 MRJ もそこを強く意識してて、同クラスの他社製よりも燃費が2割向上するんだそうで。燃料代、航空会社にとってはパーセント程度の違いで収益が全然違うそうだから、20%ってのはかなりな武器になるかと。同じ距離を飛ぶのに二酸化炭素排出量が今までより2割減るっての、環境的にも、絵に描いた餅じゃなく現実に供用される技術ってことで、画期的な部類に入りそうだし。

けどまだ現行の8割の化石燃料が必要なんですな。こう書くとまだまだ甘いって感じがしますですな。

それについて、過去の新聞記事で面白いのがあったんですよ。

2002年7月1日 デーリー東北

燃料いらず 超音速も可能

新エンジンの原理確認

レーザー照射で水蒸気噴出

東京−ニューヨーク間を三時間でひとっ飛び。しかも排出するのは、ほぼ水だけ。そんな夢のジェットエンジンの基礎となる技術を矢部孝・東京工業大教授(レーザー応用工学)らの研究チームが開発した。

燃焼を伴わず水蒸気の噴射で推進する次世代エンジン。燃料もいらず、環境にも優しい。当面は、小型模型飛行機を使った地球温暖化監視システムへの応用を目指している。

名称は「レーザー駆動蒸気ジェットエンジン」。水の膜を張った金属にレーザーを照射し、約一万度に加熱すると金属の蒸気が発生する。そのエネルギーで水は水蒸気となり一気に噴出する。これが推進原理だ。

研究チームは全長約5センチ、重さ約0.1グラムの紙飛行機で実験。水滴を付けた尾部のアルミ片に赤外線レーザーを照射した。すると飛行機は秒速1.4メートルの速度で飛び出して数メートル滑空。原理の正しさを証明できた。

あとは金属面に水を保つ工夫をし、レーザーを連続照射できればエンジンとして使えることになる。

金属にレーザーを照射し、表面近くの空気を加熱する方法は、宇宙空間での推進法として三十年前に米国で考案され、米航空宇宙局(NASA)などは数年前、百グラムの物体を浮かす実験に成功した。

噴射剤として水を加えた矢部教授らの方法は、それに比べはるかに効率がよく、大きな推進力を生み出せるのが特徴だという。

現在、大気中の二酸化炭素を詳細に測定するシステムに使うため、小型模型飛行機に地上からレーザーを照射して飛行させるエンジンの開発を進めている。強力な小型レーザーが開発されれば、レーザーを機内に搭載することも可能。  矢部教授は「大気から水を取り込んで連続照射し、超音速で飛ぶ航空機も実現できる。空気が薄いため普通のジェットエンジンでは使えない成層圏を飛べば、マッハ5までは出る計算だ」と話している。

この記事の冒頭の「東京−ニューヨーク間を三時間でひとっ飛び」って、糸川英夫が昭和20年代にぶち上げた「ロケット飛行機で太平洋を30分でひとっ飛び」みたいなアヤシサを感じさせるけど、それは基礎知識が何もない記者さんに面白い記事を書いてもらうための方便ってことで納得しとくことにするよ。

別にマッハ5まで出す必要性は特にないと思うんだけど、空気吸入が要らないから成層圏のかなり高いところを飛べるってのは、ナイスな発想だと思う。でも「空気が薄いため普通のジェットエンジンでは使えない成層圏を飛べば、」ってのは、んー、いや、ジェット旅客機が普通に巡航する高度10kmってのはもう立派な成層圏なわけで、この記述はつまり、記者さんの理解が今ひとつ足りなかったか、字数制限で大事なところまで端折ってしまったかってことかと。新聞屋さんってほんと科学や技術に疎いもんなぁ。共同通信(八戸地域の地方紙であるデーリー東北が全国版の記事を買ってるのだ)ってマシな方かと思ってたけど、他とあんまし変わんないみたいね。

この技術は夢みたいだけど、記事は肝心なことに触れてない。エンジン駆動用レーザーのエネルギー源が何かってこと。レーザーなんだから電力なのは分かるけど、金属を10万度にまで熱する大容量の電力をどうやって機内に搭載するかってあたり。地上からのレーザー照射の件は、局地的に完結する飛行プラン限定じゃないのかなぁ。太平洋や大西洋を横断するなんて場合、レーザー基地を設置できない空域をかなり飛ばなきゃなんないような気がする。

2008.1.19 で今までの10倍の容量のリチウムイオン電池が開発されたことを紹介したけど、それがあれば行けるかなぁ。なんかそれでもまだ足りない気がするんだけど(←計算したわけじゃないんで憶測で言ってます)。レーザーって確かエネルギー変換効率が10%程度だった気もするし。

それとも衛星軌道上からこの飛行機のエンジンを狙ってピンポイントで大出力レーザーを照射するとか? んむー、精度だけでも難しそうなのに、運用コストも考えると途方もないことのように思えてきた。

まぁ考えれば考えるほど技術的ハードルが高そうだけど、もしこれで飛行機がイメージだけでもクリーンな存在になってくれると、世の中の一般人のエコなモチベーションも高まりそうな気配ですなぁ。

銘板左端銘板銘板右端

これに似た構想、前に何かで読んだぞ。ロケットの打ち上げで、地上からエンジンにレーザーを照射し続けるってやつ。衛星軌道からよりも簡単に出来そうだけど、ロケットってのは超音速でどんどん空の高みに昇っていくから、ずっと追尾し続けるのが大変なわけで。んでも5km程度の低高度までのブースターとしてなら、このレーザー駆動蒸気ジェットエンジンと今の技術でどうにか出来そうかな。どうでしょこれ?

銘板
2008.4.13 日曜 前日に飛ぶ
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かわら版『ランボー 最後の戦場』

今日は5月4日なんだけど、いや〜やっちまった。八戸フォーラム かわら版の原稿、締切が昨日までだったことをついさっきまで忘れててさ。慌てて書いて発送しましたですよ。題材は『ランボー 最後の戦場』。300字。しかしこれ古くからのファンが多そうってことで、書くのに今までになく気を遣いましたですよ。でもまぁいつも40分くらいでサクッと書いちゃうのに、今回は特別に90分もかけましたって程度なんだけどさ。他の人、同じ300字を書くのに3時間くらい粘ってるみたいだからなぁ。なんかすごく申し訳ない気持ちで一杯だったりして。

しかし、情報収集込みでたった40分ってどう考えても短すぎだよなぁ。これからも今回みたいに、90分くらいは時間をかけることにしよっと。それでも、いつもの倍以上時間と労力を投入したからと言って、今回のが特にイイ出来ってわけじゃないのが痛いところですなぁ。

銘板
2008.4.14 月曜 前日に飛ぶ
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空回りしない記事の書き方

八戸フォーラムのボランティアスタッフの前回の集まりで、かわら版の校正を担当されてる方から苦言を呈されましたですよ。おいらに、と言うわけじゃなく、かわら版執筆陣全体に。でもこれが、どう考えてもおいらがおもいっきし当てはまってたわけで。

曰く「『……』や『!』なんかの記号は多用してはいけない」「これ見よがしに『感動した』と書くのも駄目」。

要は、書いてる本人だけ盛り上がっちゃって、読んでる方は逆に白けてしまうから、ってことらしい。なるほど〜。おいらやたら記号を使う派だったから、これを機会に使用量を削減しようと心に誓ったね。とりあえずこの日記でもその方向で行った方がいいのかなぁ。どーしよっかな。それと「感動した」とかそういうのもいかんのも分かるわ。映画の予告編やポスターなんかで「感動巨編」とか書かれると、『ふざけんな。ぜってぇ観に行ってやんねぇ』『とりあえずそうゆーこと自分で言うなや』って必ず思うもんなぁ。原理的にはそれと同じことかと。

んでまぁそこらへんは言われた時点でリアルタイムで納得したんだけど、どーもおいらは余計なことを言っちゃうのよね。

「逆に、記号の羅列だけで意味が通じたら、それはそれで凄いですよね」

「分かりました。今度から『感動しない』って書きます」

……、

……、

……。

ウケてよかった (^_^;A)

銘板
2008.4.15 火曜 前日に飛ぶ
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韓国マスコミも同じ穴のムジナ

少し古い話だけど(これ書いてるの5月4日)、韓国初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんが国際宇宙ステーション(ISS)から帰ってきたね。あと2年で退役するアメリカのスペースシャトル政策にべったりの日本と違って、韓国はロシアのソユーズを選んだんですな。冷静な判断だと思ったね。うん。そしたら最後にミソが付いちゃった。帰還行程で深刻なトラブルが発生したらしくて、いろいろ調べたら「生きているのが奇跡」みたいな言われ方さえしてる。あと、この問題について、国際政治的にもいろいろゴタゴタしてるみたいで。とりあえずいろいろ出てる記事のひとつを紹介。

朝鮮日報 2008/04/28 12:00:13

宇宙船に故障、21億円出してもダンマリの韓国政府

韓国初の宇宙飛行士、イ・ソヨンさん(29)と控えの宇宙飛行士、コ・サンさん(31)が28日午前9時25分、仁川国際空港に到着する。しかし、イさんが乗り込んだ宇宙船「ソユーズ」の帰還船が深刻な故障を引き起こしていたとの報道が相次いだことで、韓国人宇宙飛行士の育成事業をめぐり再び論議が巻き起こっている。韓国政府はロシア政府に膨大な資金を出資したにもかかわらず、宇宙飛行士の生命と直結した問題については意見することができなかった。

外信の報道や専門家たちの証言をまとめると、イ・ソヨンさんの今月19 日の帰還過程には「事故」の形跡が見られるという。米航空宇宙局(NASA)のウィリアム・ゲルステンマイアー副執行官は、米国のメディアとのインタビューで「大気圏に突入する前に帰還船とその後ろ側にある推進船を分離するが、この過程に問題があった」と話している。また、航空宇宙研究院のチェ・ギヒョク宇宙飛行士事業団長は「大気圏突入後に帰還船の姿勢を調整する過酸化水素燃料の推進体も作動しなかった」と明らかにしている。

結局、帰還船は予定よりもはるかに鋭角で落下することになった。このため予定よりも2分早く、着陸予定地点より420キロも西寄りの地点に着陸した。にもかかわらず、宇宙飛行士事業団の関係者は「否定的な報道が出ないよう、ロシア側と協力することで話し合いがついた」とし、これ以上問題には口を挟まない姿勢を示している。

韓国の宇宙飛行士

これに対し、宇宙航空分野のある大学教授は「200億ウォン(21億円)もの金額を出した顧客の言うことではない。宇宙飛行士事業は、政府の交渉力不足で甲と乙の関係が完全にひっくり返ってしまっている」と指摘した。

イ・ソヨンさんは22日、モスクワで行われたインタビューで「落下速度があまりにも速く、(軟着陸のための逆推進)エンジンが作動していたにもかかわらず、衝撃が大きかった。これでは死人も出かねない(という気がした)」と話した。さらに、ロシアのインターファクス通信は、匿名希望のロシア人関係者の話として、大気圏に突入したとき、胴体が逆さになったため放熱板が後ろに行ってしまい、ハッチが直接大気にさらされてしまった」と報じた。最悪の場合、大気との摩擦でハッチが溶け、宇宙飛行士たちの生命が危険にさらされる可能性があったというのだ。

こうした政府のあいまいな態度は、打ち上げ前日の記者会見でも確認されていた。当時韓国から参加していた取材陣は、記者会見に一人も参加することができなかった。中継権を獲得したテレビ局が来るため、これ以上、韓国の取材陣は受け付けられない、というロシア側の主張を韓国政府が受け入れたためだ。

また、宇宙服と発射体の表面に張り付けることになっていた企業広告が消えてしまったのも、同じ背景からだ。1社当たり30億ウォン(約3億 1500万円)以上の広告費を受け取っていたにもかかわらず、地上官制塔のモニター前にある立て看板にようやくロゴが張り付けられただけだった。

さらに、一部では「許可されていない教材を韓国国内に持ち込もうとしたことが引き金となって、コ・サンさんが正規の宇宙飛行士になれなかったという点にも疑問が残る」との声も上がっている。当時、韓国政府はロシア側の主張をそのまま国民に伝え、宇宙飛行士の交代の最終決定は韓国政府が下したとの点だけを強調していた。

イ・ヨンワン記者

記録を取り忘れてしまったんだけど、日本国内の新聞でもこのトラブルが報道されたね。まぁ乗組員3人全員が生きてたし日本は当事国じゃなかったしで大した騒ぎにはならなかったけど、この地球帰還行程のトラブル、けっこうヤバい部類だったんじゃないかな。今、ロシア宇宙庁は原因究明と対策で上を下への大騒ぎなんじゃないかと。

けど、こういうところの究極的な安全性がスペースシャトルとソユーズとの違いかと。結果が出てからだから何とでも言えるんだけどさ、スペースシャトルの場合、コロンビアが大気圏突入で完全に空中分解して乗組員7人原因が死亡したじゃないの。なんでもソユーズは、「何が何でも飛行士は生きて帰らせる」って思想が徹底してるらしくて。さすがに過去に何人か死なせてるだけあるわ。

「スペースシャトルだって過去にチャレンジャー号爆発事故があったじゃないか」って意見もあるだろうけど、あれは発射時だったよね。コロンビアの場合の再突入時の事故ってのは、アメリカにとっては初体験だったのよ。対してソユーズの過去2件の死亡事故は地球帰還時のみ(発射上昇時の事故も何回かあったそうだけど、全員とりあえず生還)。あと、すんでのところで助かった例も何件かあったらしい。そういうヤバかったり辛かったりした経験の蓄積と実装が、今回の事故で乗組員たちを生かしたんじゃないかとか思ったり。イ・ソヨンさんは背中に打撲を負ったみたいだけど後遺症が残らないみたいだし、事故の重大さに対して、その程度で済んでほんと良かったと思うよ。

でさ、日本の新聞記事の書き方なんだけど、記事の最後の方で「このことであらためてソユーズの安全性に対する疑問が浮き彫りになった」みたいなよくある表現をしてたんだわ。まぁそうフィニッシュすれば記事として格好がつく、みたいな教科書的な書き方なんだろうけど、なんか全然違うんだよなぁ。

っつうのもね、有人宇宙飛行ってのはまだまだ完成された技術じゃないんですよ。だから宇宙飛行士ってのはマジで命を賭けてるんですよ。スペースシャトルでも、乗組員は飛ぶ前に一筆書かされるらしいよ。「宇宙飛行でひどい目に遭っても文句言いません。死んでもそれはそれで仕方ないです」みたいな。2008年現在で有人宇宙往還の技術を持ってる国は、アメリカ、ロシア、中国の3カ国だけ。

中国はまだ2回飛んだだけだから、ちゃんと成功してはいるけど技術的に一番危うい。そのことを自分でよく分かってるから、打ち上げ間隔が2〜3年おきで、かなり慎重に開発を進めてる。ちなみに3回目は今年の予定らしい。何が中国で一番危ないかって、逆説的だけど、飛行士が死ぬような目にまだ一度も遭ってないってことかと。宇宙技術は経験工学だから、痛い目に遭って初めて得るものが多々あるって観点で。アメリカの有人飛行技術の実物は今、スペースシャトルのみ。この危険さはもう立証されてると思う。こっちは中国とは逆に殺し過ぎ(宇宙船1シリーズの運営で乗組員が14人も死亡って、これから半世紀は破られない記録かと)。てことで、消去法で一番安全なのはロシアのソユーズってことになるんですよ。不謹慎な言い方だけど、40年間運用して4人しか死んでない。

これだって万全じゃない。ぶっちゃけた話、往路でロケットなんつう巨大なエネルギーの塊な代物を使って、無重量、真空かつ放射線やら宇宙線やらが飛び交い、90分おきに灼熱の昼と極寒の夜がやってくる特殊な空間に何日も滞在して、復路の大気圏再突入で船の表面を数千度の炎に焼かれる。その時点で、乗員の生命に対して本質的に危ないことしてるわけですよ。鉄道みたいな、技術も運用も完成された乗り物で鼻歌まじりに隣町に行くのとは根本から違うんですよ。

てことで、記者さんだけが関係者ヅラして安全性がウンタラとか声高に訴えてるけど、本当の関係者は自分の仕事のヤバさをとっくに承知してんのよね。早い話、現在の有人飛行に関しては、ソユーズが駄目なら全部駄目ってこと。

てことで、今回のソユーズの事故に関して、韓国政府がロシアに何も言えないのを朝鮮日報は「こんなんでいいのか」とお怒りのようだけど、まぁなんてーか、韓国マスコミも日本のマスコミと同じ轍を踏んでるというか。これって事情を少しでも知る人からすると間抜けでしかないから、悪いことは言わない、わめく前に少し黙ってニュートン力学から勉強した方がいいと思うよ。

政府に責任を求めるあたりが日本のマスコミとは違うところかな。日本だったら真っ先に JAXA に集中砲火だもんな。どっちにしろ責任追求なんかより原因究明と対策が先でしょうが。あと、「200億ウォン(21億円)もの金額を出した」ってあんた安いよその金額。超破格値だって。いくらカネ積んでもそれだけじゃ宇宙に行けなかった時代を考えると、信じらんないくらい安いって。

しかしまぁソユーズで飛んで21億円ってさ、ほとんど最低限の飛行士訓練と運賃だけのはずだけど。独自の科学・工学実験をしたりとかとなると、ソユーズで宇宙に持ち込む設備の製作とかそのミッション専用の手順開発と飛行士訓練とかで、もっと金額が膨れ上がると思うんだけど。今回の韓国のミッションについては「彼女は宇宙飛行士ではない。ただ金を積んで席を買っただけの観光客だ」みたいな言われ方をしてて、それを裏付けてしまってるような気がするが。国内的には韓国が国を挙げて取り組む有人宇宙ミッションってことになってるんだろうけど。

それにしてもソユーズのシステムってほんと安いよな。乗る人一人あたま20億円だとして、ロケット、宇宙船、打ち上げから着陸までの地上支援込みで60億円。日本の H-IIA ロケットなんか、宇宙船なしで地上支援も打ち上げ完了までだけで90億円だもんな。これでも先代の H-II ロケット(180億円)の半額に抑えてるんだけどねぇ。

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それはそうと、イ・ソヨンさんに晴れ舞台を取って代わられたコ・サンさん、この記事だとその理由は「許可されていない教材を韓国国内に持ち込もうとしたことが引き金となって」と出てるけど、別の記事だと1回だけじゃなく、何度も違反を繰り返したって言うじゃないの。なんでそんな野暮なことするかなぁ(謎)。韓国の世論はこのせいで相当白けちゃったんじゃないかな。

もしかしたら上の方から、ロシアの宇宙技術の機密情報を持ち帰れっつう指令が出てたんじゃないかとか憶測しちゃったりして。で、そこらへんはロシアの側も充分に警戒してるだろうからね(別に韓国を狙い撃ちってわけじゃなく、外国全体に対して)。それでコさんは板挟み状態になっちゃったんじゃないか、なんて。

そうゆー情報は、全部頭の中に叩き込んで合法的に国外に持ち出すってのが基本なんじゃないかと思うんですが、なんでわざわざそんなヤバいやり方しちゃったんだろ。マジで謎。ん〜、数値データファイルとかだとしたら暗記は無理っぽいかな。

銘板
2008.4.16 水曜 前日に飛ぶ
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アパートの夢は夢のアパート

人の夢の話なんて聞いたって面白くないだろうってのは分かってるんだけど、まぁちょっと聞いてよ。いやマジでつまんない話なんだけどさ。

最近よく見る夢、アパートを1室借りてそこに1人で住むってのが多くて。どの例も、古くて狭くて汚くてボロいアパートなんだけどさ。戸の立付けもまともだったことなんかないし。昨日夢で見た物件なんかかっきり四畳半でね、家賃が4万5,000円。1畳1万ってバブル期の東京かよww どう考えてもぼったくりwww

それでもね、夢の中でさ、そんな狭いボロ部屋での暮らしになんだか言いようのない幸せ感じてたりしてさ。あの幸福感は一体何なんだろね。妙に落ち着くというか。昨日の物件での生活が一番良かったかな。ああそういえばアパートっつうより下宿みたいなのもあったな。住人たちが半共同生活してるって感じの。あれも捨てがたい風情があったな。

建物関係だとさ、嫌な常連シチュエーションもあるんだわ。学校か大学なんだけどさ、特定の階の特定のエリアが、出るんですよそういうのが。んで、必ずそこを通らないと目的の場所に行けないんですよ。しかも何回も往復しなきゃなんないんですよ。ああほんとあれはイヤだ。誰か何とかして下さいよ。

でも実際にお化けと遭遇するってことはまだなくて、なんかこう、そこに足を踏み入れるとですね、とてつもない嫌悪感に襲われるんですよ。これがもうたまんなくイヤでイヤで。頭が痛くなったり吐き気がしたりもするし。

大きい建物が苦手で、狭い部屋が好みってことですかね。あああ、こぢんまりと一人暮らししたいなぁなんて。ってまぁ現状の、母親と一軒家に住んでるってのに何の不満もないんだけどね。でも10年くらい前は、本気で隠れ家としてアパートの1室を借りたかったっけ。その揺り返しかな? 単なるワガママなんですかねこれ。

銘板
2008.4.17 木曜 前日に飛ぶ
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カワイイキャラたちにぼやいてみる日

2008.4.11 で我が県の六ヶ所村の話題が出てきたから、この自治体が何らかの代償に国からいただいた補助金で作ったハコモノを、今日はちょいと紹介しようかと。

六ヶ所原燃 PR センター ってゆうんだわ。いやいやいやここね、建てるだけじゃもったいないでがんしょ? 作っておしまいなのがハコモノ行政と言われてるけど、ここは違うんですよ。出来てから15年以上経つんだけど、今もちゃんと稼動してるんですよ。イベントとか精力的にこなして、地元に PR しまくってるんですよ。こいつがないと物足りない、地元にそう思わせる作戦は着々と進んでるんですよ。

んでまぁその業者さんのツテからの話によると、まぁなんてーか、結局やってることは自治体に対して国がやってることのコピーだったりして。バラマキwww イベントに来る人にひたすら景品を配りまくってるらしい。しかも鉛筆とかの粗品なんかじゃなく、ぬいぐるみとか、とにかく子供が喜びそうなものを配るんですな。それとヒーローショウとか。全部主催者持ち。業者に丸投げ。なんでそんな豪快なことできるのかっつうと、そりゃあんた国からドバドバつぎ込まれるおゼゼが唸りを上げてるからなんですな。

んでも、原発関係ってなんとなく世間的なイメージ悪いじゃないの。イメージが悪くちゃ来て欲しい地元の人たちが来てくんない。ってことで、徹底的にクリーンでカワイくて、来れば得するってイメージで頑張ってるってわけ。まぁ地元の人たちも今じゃすっかり貰い慣れちゃって、ちょっとやそっとの貢ぎ物じゃ有り難がらなくなったみたいだけどw

それで、あげるものだけじゃなく、安心して来てもらうための配慮がまたキメ細かいところにまで現れてたりするんですよ。ここのキャラ、トップページの右上で手を振ってる2人のカワイイ子供たちなんだけど、名前をアルファちゃん、ベータくんと言うらしい。これはもちろん放射線のアルファ線とベータ線から来てますな。

……、

……、

……。

ガンマ線はどうしたオイ。3種類ある放射線のうち、最も凶暴で始末におけないあのガンマ線はどこ行ったんだよ。遮蔽するには厚さ10cmの鉛の板が必要な、あのガンマ線をモチーフにしたキャラはないのかよ。原発の燃料や高レベル放射性廃棄物からガンガン出てるんだろ? 忘れたとは言わせないぜベイベ。っつーか意図的にその話題には触れないようにしてるんだべww

でさ、確かにアルファ線は発生直後に自然消滅するし、ベータ線も厚さ数mmのアルミ板程度で簡単に遮蔽できるからお手軽な印象があるけど(アルファ線ベータ線ガンマ線の特徴は Wikipedia で調べましたです)、内部被爆ってのを考えるとですね、こいつらも充分に恐いんですよ。放射性物質がチリ状になって大気に混じるとですな、呼吸で肺に入ってしまいますな。食べ物に付着すると気付かずにそれを食べてしまいますな。で、体内で体の組織に付着した状態で放射性物質がアルファ崩壊やらベータ崩壊やらを起こしてしまうと、アルファ線でさえも自然消滅する前に人体の細胞の DNA をぶち壊しちゃったりするんですな。ベータ線は言わずもがな。これが内部被爆。いやもうアルファちゃんベータくん体の中で大暴れ。

なんかなぁ、一番ヤバいやつ(ガンマ線)をなかったことにしたとしても、本質的に危険な奴らにこんなカワイイキャラ像を与えちゃっていいもんなんだろか。いや、まぁ、青森県じゃ原発関係は県の財政を支える超大口スポンサー様だから、昔からテレビとかで「大丈夫ですよ〜なんにも心配ないですよ〜」と暢気な CM や広告をやってんだけどさ(そのお陰で地元マスコミの報道は原発関係からおもいっきし腰が引けてる)、なんか地元民の知能を浅く見積もり過ぎな気がたまにしちゃって。高校物理でちゃんと教えてくれるんだけどね。

ああでも大学受験の物理じゃ原子の分野はあんまし出題されないみたいだから、授業をおざなりにする学校が多いっぽいけどね(『ドラゴン桜』の受け売り)。

原発政策っていろんな面でやたらうさん臭いけど(電力需要が大きい大都市圏に原発を1基も置かないで、財政難の地方自治体を札束ビンタして無理矢理設置しちゃったりするからますますうさん臭くなるんだよね。そんで「長距離送電はロスが大きくてコストが上がってしまう」とかわざとらしい溜息つくのいい加減やめれ)、おいら的には中立を保ちたいとこなのよ。実際、今はもう原発なしじゃ日本の日常は保てないわけだからして。偉い人たちにうまいことやられたっつうか。って原発の電気を一番使ってる、大都市の人たちが一番無関心って現状が不可解なんだけどさ。きっとこれも政策やってる人たちの誘導なんだろなぁ。

なんだかなぁ。大丈夫かこの国。なぁアルファちゃんベータくん(そして姿なきガンマ氏)、何か答えてくれよ……。

銘板
2008.4.18 金曜 前日に飛ぶ
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マスコミ的しがらみ

地元マスコミが腰が引けてると言えば、青森県唯一の民放 AM ラジオ局、ここのローカル放送ってけっこう好きなんだわ。やたら面白くて。伊奈かっぺいもそこの社員だったしね。でもご多分に漏れずラジオ部門は大幅赤字みたいなのよね。この放送局はテレビ部門の収入をラジオ部門に流してどうにかしてるっぽい。あと県あたりから補助金もあったりするのかな。分からんけど。まあどこの地方の民放ラジオも似たようなもんなんだろうと思う。

てことで、ラジオ部門への直接の大口スポンサーが大変貴重だってのは、子供でもよく分かる話でして。そんでその大口スポンサーってのがですね、あの、いや、アレなんですよ。原発もそうだけど、それに以上によく CM が流れてくるんだけどさ、とある新聞社なんですよ。

どんな新聞かっつうと、あのですね、政教分離という近代国家の理念をあからさまに踏みにじってる、あの国家権力 MAX な与党というか宗教というか。いや〜もう誰か何とかして下さいよほんと。っつうかこれ以上具体的に書いちゃうと実害が及びそうだから(信者に家を囲まれて太鼓を叩かれるとか)書けないんだけどさ。ってそこからカネもらってるわけでもないのに、おいらもおもっきし腰が引けてるなぁ orz

あそこまで派手にスポンサードされちゃ、あのラジオ局もいろいろ好きに報道できんだろよ。ってまぁそこらへんのニュースの裏読みというか心構えをちょっとでもしとくと、得る情報の精度が少しは上がる気がするよ。

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しかしまぁ件の新聞社のラジオ CM と来たら、その新聞自体の売りとか特色とかには一切触れないんだよ。漠然とした爽やかナイスイメージだけを振りまいたりして。あれって傘下の新聞社の名前だけ使った、母体そのものの宣伝だよなぁ。なんか信者以外であの CM で好感を持つに至る人が特にいるとは思えんけど、信者の人たちはあの CM を聴いたら幸せな気分になれそうねぇ。あと、CM の内容はどうあれ、そのスポンサー行為でマスコミを支配できるわけだしな。世の中、カネを支配した者が全てを支配できるってことですか……。

銘板
2008.4.19 土曜 前日に飛ぶ
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檀家のぼやき 前編

うちの宗派どうにかなんねえかなぁ。ケンカばっかりしてみっともないやら恥ずかしいやら。

まぁアレなんですわ。うちが檀家してるお寺が八戸市内にあるわけですよ。それがですね、なんかこう、しばらく前からおいら、なんだか疑問を感じるようになってきたんですよ。とりあえずさ、祭壇が変なんですよ。普通、日本の仏教の祭壇っつったら、仏像が1体安置されてるもんじゃないですか。で、せいぜいその周りを造りもののハスの葉っぱとかが飾ってるみたいな。

うちのお寺は違うんですよ。

一番目立つところに、開祖(日本人のお坊さん)の像がデンと座っててですね、お釈迦さんはその後ろに控えるみたいにいるんですよ。しかもなぜかお釈迦さんは2体。あまりにおかしいんで和尚さんに聞いたら、どっちもお釈迦さんじゃないんだってさ。ますますイミフ。

そんでその開祖像の前には、有象無象のいろんな姿形の小さな立像(木製?)がびっしり並んで、一般人が座る畳の間を見据えてる。近くで見たら、ド派手なカラーリングもあってこれがやたら恐い。なんかなぁほんと、何かどこか間違ってる気がしてしょうがないんだわ。だってお葬式なんかで他の宗派のお寺に行っても、そんなキョーレツな祭壇なんかどこにもないもん。

あとさ、祭壇の脇には太鼓が2,3個並んでてさ、法事とか何とかでお経を上げてる時とか、誰ともなしにその太鼓のところに行って、ドンツクドンツク鳴らし始めるんだよ。その太鼓の脇には手持ちの太鼓(胴なし1枚張り。うちわみたいなの)が何枚かある。お盆なんかの時に叩きたい人が多かったら、遠慮なくそのうちわ太鼓を使ってくれってことらしい。小さい頃からその風景に慣れ親しんでるはずなのに、おいらの中じゃその太鼓に対する違和感が全然消えないんだわ。

ぶっちゃけ新興宗教っぽい。

で、思うに、この宗派はもともと新興宗教としてスタートしたんじゃないのか、と。実際は現代の基準で「新興」とは呼べないくらいの歴史を持ってるんだけどさ、んでもその開祖の話がまた大風呂敷広げ過ぎというか。鎌倉時代のお上人様だそうで、その大風呂敷ってのがまた「このお上人様の法力で元の軍勢を追い返した」とか。あのさ、今なら別に法力じゃないってことバレバレだよね。元寇で日本が2回も勝ったのは、2回とも台風のおかげじゃなかったっけか。そう言うと「そのタイミングで元軍が攻めてきたのは、日本が勝つべく神が導いたからだ」みたいな戦前っぽい意見や、台風も知らずに攻めてきたモンゴル人は間抜けだな」「モンゴルには海がないから船の乗り方を知らなかったんだろう」とかの短絡的な意見も出てくるわけで。

渡辺昇一の受け売りでスマンけど、あの時の元軍の多くは朝鮮の軍人だったんだそうで。てことで、水軍の人材はベテラン揃いだったと考えるのが妥当。台風やそのシーズンだって朝鮮の人たちが知らないはずがない。だったらなんで元軍が台風で敗退したのかっつうと、どうもひとえに鎌倉武士の頑張りによるところだったらしい。元軍は台風シーズンの何カ月も前に来襲してたんだけど、小倉あたりで当時の武士たちが必死に防戦して、水際で食い止め続けたらしい。そうしてるうちに台風が来て、上陸できなくて船に本陣があった元軍は2度に渡って全滅した、と、まぁそういう展開だったんだそうで。

つうことで、うちの宗派の開祖さんの法力で追っ払ったなんてもんじゃ全然なかったんですよ。ところがまことしやかにその話が現代にまで伝えられてる。考えられることは、当時新興宗教だったうちの宗派、客寄せのためにそんなホラ話をそこらじゅうで吹いて回ったんじゃないかなってこと。鎌倉時代だからねぇ。「1192作ろう」ってあたりだからねぇ。客観性や科学性、論理性を重視した報道なんてなかったろうし、今よりずっと迷信深かったろうし、ってことで、この噂話を信じた人たちが続々と入信したんじゃないかと。

んで、いかに必死に会員勧誘をしたかの名残が、あのうちわ太鼓なんじゃないのか、と。今も昔も、新興宗教が一番やりたがる勧誘方法は辻説法かと思われ。で、今と違って街の通りはどこも静かですな。街頭アナウンス宣伝も自動車も BGM も、ハンドマイク片手の絶叫議員さんも右翼も左翼もいない。そんな環境でより効率的に客寄せをするには、鳴りものを鳴らすことですな。ということで、持ち運びにも便利なうちわ太鼓が重宝されたんじゃないかと。

それで、開祖が生きてるときは彼のカリスマ性で人は半自動的に集まったもんだろうけど、初代を超える二代目カリスマってのは、ちょっとなかなかないっぽい。てなわけで開祖亡き後は信者が集まらなくなりますわな。それどころか正気に返って脱会する人も出てきたりして。それでどうするかっつうと、ラッピング効果を狙うわけです。ほら、同じ品物でも、綺麗に豪華にラッピングされたものの方が価値があるように感じるじゃないですか。そんでそれをどんどんやってった結果が、あのよくわからない祭壇になった、……んじゃないかな。それと、「ただでさえ後発参入組なんだから、他と同じようにお釈迦さんを祀ってたんじゃ出し抜けない。うちは開祖が売りなんだから、ここはひとつ強気に開祖メインで売り込むべし」なんて営業戦略とか。

ここまでの話、全部憶測だけどさ、なんとなく感じるうちの宗派のギラつきというか生臭さというかは、出自をこう考えるとおいら的にはものすごくすっきりと腑に落ちるんだわ。

おもっきし半端だけど、長くなったんで以下次号ね。

銘板
2008.4.20 日曜 前日に飛ぶ
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檀家のぼやき 後編

それでやっと本題に入るわけだ。でさ、うちの宗派、700年以上の歴史を持ってるくせにさ、昨日書いた感じでいまだに新興宗教臭さが抜けないのよ。なんかそれが個性だと勘違いしてるような気もする。んでまぁ変な意味で元気というか、身内同士でお互いを否定し合ってケンカしてたりするんだわ。もうほんとトホホでこれが。

うちのお寺の流派は露骨にはそんなことしないみたいだけど、でもこの流派を始めたお上人様ってのがさ、なんか一旦途絶えた流派が実は自分が今いる流派よりも素晴らしいものだったということに気が付いて、創始者のお墓の前でその跡を継ぐことを報告して、自発的に開いたものなんだそうで。だから他の流派より正しいんだそうで。こんな話が今の今まで伝わってるってあたりからして、古巣への対抗意識むき出しなのがありありと汲み取れますですな。いやいやいや、出自からして他を貶める話でどうする気よ。

あとさ、こんなこともあったなぁ。去年、古タイヤの回収業者さんがうちに飛び込みで来てさ、ちょうど処分して欲しいタイヤがあったんだけど自宅にはなくて、業者さんが乗ってきた軽トラでタイヤを置いてる場所まで連れてってもらったんだわ。その帰り、世間話してたらお寺の話になってさ、業者さん「うちは○○宗でして」って、うちと同じ宗派の名前を出してきたもんで、おいら「そうですか。奇遇ですね。うちは××寺なんですよ」って話を合わせたのよ。そしたら、

「ああ、あそこはダメですね」

はい? 今何と?

……、

……、

……。

おいら固まってたら、同じ宗派でも、いかにうちの流派が間違ってて、自分の流派が正しいかを説明し出してさぁこれが。で、それを信じて生きてたら幸せになれたんだとさ。生き甲斐を感じる毎日で充実してるんだとさ。しかし、いくらおいらが不信心者で、自分ちの寺に対してさえ『なんかアヤシイ気がする』なんつう疑いの念を持ってるにしても、他の人から面と向かって否定されるとさすがにカチンと来るもんなんだなぁ。

この人が感じる幸せや生き甲斐って、他の人をけなして自分が一段上に立った気分になる、自作自演の優越感のことなんじゃないだろか。確かにそれ、充実した気分になれるけどさ。その場限りだけど。ていうか将来心に余裕ができてもっと視野が開けたとき、過去の自分のあまりのみっともなさに恥ずかしくなること請け合いなんだが。

回収業者さんのご高説を、家に帰り着くまで我慢して聞いてあげたけどさ、最後にその流派の偉い人が書いた本を手渡されちゃったよ。うーむ、こんなひどい布教活動やってる限りは、広まんねえだろうなぁ。んでまぁここでも新興宗教っぽい青っぽさを感じちゃったのよね。

この内部抗争、やってる本人たちは自分たちがお互いに道を外れたことをし合ってるってことに気付かないもんなのかねぇ。

お釈迦さんだって人間だったわけで、一人の人間が言った言葉ってのは、受け止める人が違えば解釈が違って当然。言い出しっぺだって人間の言葉を使って伝達する以上、言わんとしてることをいつでも 100% 表現できるわけじゃない。受け止め方それぞれが部分的に正しく、同時に部分的に間違ってると考えるのが自然。その意味だと、それぞれの解釈は同じ価値を持つわけだ。そんな単純な真理を忘れてみんながみんな「俺が正しいお前は違う」なんて上から目線で同門の同輩と接し合ったらあんた、諍いが起きない方が不自然だよ。

そこでだ。あのさ、お釈迦さんってのは「同門同士でケンカしろ」と教えたわけ? 「派閥争いして細かく分派しろ」と言ってたわけ? それと、論理的に意見を戦わせるのと感情的に言い争うのは全然違うんだが、そこらごっちゃにしてない? なんかなぁ。現状の日本の仏教(ていうかうちの宗派)の姿を見たら、お釈迦さん、泣くと思うぞ。

もしかしてこの不毛ないがみ合いさえお釈迦さんの手のひらの上での出来事なんだとしたら、お釈迦さんもずいぶん罪作りだねぇ。

銘板
2008.4.21 月曜 前日に飛ぶ
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檀家のぼやき 余談

そんで、うちの宗派のしょうもない争い、なんだか暴走族とか不良のグループ同士のケンカに似てるなぁとか思ってさ。

一般人から見れば、暴走族なんてどいつもこいつもみんな同じにしか見えないんだよね。いくつかに分類できる程度のお決まりのヘアスタイル。サラシに特攻服。機能性を殺されて、無意味な改造や塗装をされた可哀想なバイクとクルマ。やってる本人たちは一般社会との違いを意識してるんだろうけど、みんな揃いも揃っておんなじ方向性なもんだから、外から見れば区別が付かない程度の違いでしかない。あの不良ファッションって、北海道から沖縄まで地域差が全くなさそうだしなぁ。見事に統制されてるよ。それでいて「俺は正しいお前は違う」とグループ同士で言い合って明け暮れる抗争の毎日。本音は単純に「アンニャロウ ムカツクンダヨ!」ってだけだったりして。

学校ごとにグループが形成されるってのも不条理と言うか。別に自発的に集まったわけじゃなく、たまたまその学校に入学しただけなのに何の疑問も持たずに学校付きのグループに入会して、これまたたまたま結成されただけの他の学校のグループと憎しみ合う、と。自分は何かの弾みで、その敵対する学校に入ってたかもしんないのに。そんで学校の看板背負って戦ってるくせに、学校そのものには何の貢献もしない。

言われたことと反対のことをやればそれが個性だと思ってる。仲間みんなと一緒じゃないと出来ないことをみんなと一緒にやって、何がどう個性なのかよく分からん。個性を叫ぶこと自体が定番になってる今の世の中で、今さら個性を叫ばれてもそれは没個性的な行動でしかないわけだが。「みんながやってるから自分もやっていいんだ」を超える理由が特に見えないんだが。って、そうしたい衝動は理屈じゃないから、ここで「説明してみろ。ほらできないんじゃねーか」なんて嗤うのも野暮かなぁ。けど、外から見るとそういう感じに見えちゃうってことで。

ああいう人たちって、一人一人に切り分けてガリ勉グループの中に放り込めば、フツーに空気を読んでガリ勉し始めるんじゃないだろか。ていうかさ、ある方向性の真反対をやるってことは、実は同じ基準に見事に乗っかってるってことで、やってる方も内心かなり相手を意識した行動だったりする。何かと「自由」を口にしたがる人たちがそういう傾向にあるけど、まず「期待されたことの反対をやる」という固い原則で自分を縛って、さらに期待されたことをきちんと理解した上で反対のことをきっちりとやり通す、その律儀さがいじましいですな。全然自由そうに見えんwww

束縛を超えた自由ってのはさ、グラフを考えると分かりやすいのよね。期待されてることとその反対のことってのは、例えば x 軸上のプラスとマイナスの値なわけだよ。同じ軸に乗ってるから直接比較が可能。どっちも同じルールに縛られてるってわけ。お互いの方向性と大きさをすぐに認識できる。これ、次元をひとつ増やせば一気に自由度が上がるんですな。x 軸に直行する y 軸を考えるってこと。そうなると自分がいる点は x 軸上にこだわることなく、象限の平面のどこにでも位置することが出来るわけで、自分の敵とされるものが x 軸上から動けない場合、つまり1次元的な考えに固執してる場合、その支配から抜け出せるってことなんですよ。確かに x 軸が定義するものに影響を受けるけど、それだけじゃ自分の立ち位置は決定されないんだから、もともとの敵のしがらみはもうあんまし意識しないで済むわけです。

映画『木村家の人々』だったかな、すごい概念を提唱してたよ。人生の敵への最大の報復は、仕返しすることじゃないんですよ。それじゃ敵と同レベルになっちゃうじゃないですか。最も素晴らしい報復とはですね、つまり「忘れること」なんですよ。これはやられたことを忘れて許すなんつう聖者みたいな行動じゃないんですよ。それよりもうちょっとラク。「相手の存在そのものを忘れて、そんなやついないものとして暮らす」ってこと。つまり一生村八分ですな。

相手への恨みや反感が強すぎると、さっきの話で言えば x 軸から離れられないってこと。これ、心に新しい次元をひとつ用意すれば、もうそんなつまんないことどうでも良くなっちゃうし、x 軸上に戻るときもちょっと踏んづけて一瞬で通過って感じ。ぷっちゃけ相手の存在価値を否定どころか抹消しちゃうってわけだよ。これやられたら、おいらだったら恨むよりもすげー落ち込むだろうなぁ。

さらに自由になりたきゃ z 軸を足せばよし。立体空間ですな。これでもともとの x 軸に一切触れずに何でも出来るようになる。もっとなら t つまり時間の概念を導入。もっともっとなら温度や熱量、色彩、明度、彩度や匂いもある。ここまでいろいろいじれるんならさぞかし自由を満喫できるかと思いきや、実際はそれぞれのパラメタにはそれぞれの制限や条件があったりして。パラメタを増やせば増やすほど、理解不能な理由でがんじがらめになっちまったり。いきなり欲張り過ぎるのもよろしくないってわけ。それだけの広大な自由を使いこなすにはそれなりの熟練が必要ってことで。つまりは、自分の中になんにもないやつが自由を求めるってのは、宇宙服なしで宇宙遊泳させろと言ってるみたいなもんでして。何のために宇宙服ってものがあるのか考えてから出直せってことですな。

話それまくりですな。

不良や暴走族の行動様式は単純にあまのじゃくなわけですよ。だから基本的に、自分より偉い人にぶら下がって命令を待ってるんですよ。その命令を綺麗にひっくり返して実行することしかできないんですな。だから例えば反抗する対象が「私の言うことを聞くな」とでも言った途端、どうしていいか分かんなくなるんじゃないかと。で、彼らが反抗する対象(命令をくれる偉い人も、ぶつかり合ってくれる他のグループも)がみんな揃って彼らの前からいなくなってしまえば、もう何に対して反抗すべきかっつう目標を失ってしまうわけですよ。

実際それやるのは物理的に無理だけど、もしそうなったとしても、いつまでもツッパラカッてらんないと思う。反抗する張り合いがなくなっちゃうもんだから。鏡に向かって虚勢を張っても虚しいだけだしね。

んでまぁ仏教界(というかうちの宗派)もですね、この無益な争いをやめさせるにはどうすりゃいいかっつうと、各流派の檀家衆が団結して、「おまえらもういつまでも好きにケンカしてていいよ。俺達はよその宗派に移るから。じゃあね」とやると、すごく効き目がありそうな気がする。ていうか檀家ってスポンサーだからな。不良の扱いよりもテキメンに効く気がする。

クドクドといろいろこねくり回した割には、ものすごく一般的なオチにしかなんなかった orz

銘板
2008.4.22 火曜 前日に飛ぶ
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こだわり

最近は何かにこだわることがカッコイイとされてるみたいだけど、みんながみんな何かにこだわり出してるのを見ると、なんだかなぁって気がする。おいら的には、こだわりを人に見せるのってけっこう恥ずかしいことのような気がするんだよね。変かなこれ。

とりあえずおいらはコーラが好きなんだけど、コカコーラでもペプシでもどっちでもいいんだ。まぁこの2つならどこでも買えるからってだけで、うまかったら別に他のでもいいや。そしたらおいらのその話を聞いた人に嘆かれたよ。「ポリシーないなぁ」って。そこにこだわる意味がおいらにはよく分からん……。あと、コーラ一筋でもなくて、果物ジュースも牛乳も好きだし。

飲み水はミネラルウォーターにこだわる人が多くなったけど、実際、水道水と値段ほどは変わらんだろよ。うちの水道水は川の水を浄化してるやつだから、比較的まずいと言われる部類なんだけどね。東京の水道水は飛び抜けてヤバいらしいから(うまいまずい以前に、衛生状態がかなりキてると聞いたことあるけどほんと?)、ミネラルウォーターが売れるのも分からんでもないけど。

つうかミネラルウォーター、ペットボトルに入ってるせいでプラスチック風味が少し気になるんだが、こだわり派の人たちがそこらへんに限って全くこだわんないのが不思議。ガラス瓶入りのミネラルウォーターも特に普及してるわけでもなさそうだし。謎ですな。

ビールも好きなんだけど、大手ならどこのメーカーのでも別に味が変わんない気がする。メジャーと地ビールの違いならさすがに分かるけど。「のどごし」「キレ」「コク」「爽快感」とか言われてもねぇ。何がどうやらよく分からんって感じ。ビールで聞き酒した日にゃおいら外しまくる自信やたらあるよ。とりあえずうまけりゃ何でもいいんじゃね? ってことで発泡酒でも全く気にしないで飲めたりとか。こだわることで初めて見えてくるものもあるんだろうけど、たったそれだけのために努力する気がしないと言うか。

別にこだわらないことにこだわってるわけでもないし。

まぁ Windows をほとんど知らないで Mac ばっか使ってるわけで、これはこだわりに入るんだろか。最近じゃ会社で Windows をいじってて、慣れてきたらけっこう使いやすいのよね。そんじゃなんで家にも導入しないのかってぇと、このバアイ、趣味としての突っ込んだ操作を新しく覚えるのがめんどい(仕事なら最低限の使い方を覚えてれば間に合うし)。それに OS くらいで安くないカネ払うのイヤ。あと、今使ってる Mac はまだ使える。みたいなしみったれた理由だったりしてww

テレビほとんど見ないのはポリシーとかこだわりなのかな? つまんないから見ないなんてまっとうな理由でもなくて、テレビを見る習慣がなんとなく消滅しちゃったってだけで。テレビって毎日のように連続して見続けないと、すぐに置いてけぼりにされちゃうんだよね。だから2カ月で5分とかのペースでチラッと見る程度だと、何も面白くなくて。楽しめるように順応するまでは我慢という名の苦痛だしさ。それでどうにも腰が引けちゃうのよね。

もともと「こだわる」ってのは悪い意味の言葉だと思ったが。漢字で書くと「拘る」。んーやっぱあんましいい意味じゃなさそうね。なんとなく、「こだわる」はある惑星の引力に捕われてしまった衛星軌道、「こだわらない」は惑星の引力を振り切った惑星空間軌道か太陽系脱出の双曲線軌道って感じで、こだわらない方がステイタスがずっと上なような気さえするんだけど。ていうか、物事に何かとこだわることってさ、意味的には「老醜」とセットだったんじゃなかったっけ?

なんとなくだけどこの「こだわりブーム」、実態はしかるべき仕掛人が仕掛けた商売に踊らされてるだけって気がしてるんだが。バブルのあたりに突然やってきたしさ。高額商品の消費を喚起するのにかなり都合がいいしなぁ。

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部屋が汚いってのは、これはこだわりになりますかね……まぁいいや。そいつは考えるのやめとこ (-_-;)

銘板
2008.4.23 水曜 前日に飛ぶ
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グダグダぼやく日

しばらく前から見なくなったなあっつう、街の風物を思い出したよ。それは回転看板。昭和の昔には街路上のあちこちに立ってたんだけどな。風が吹くとぐるぐる回って、裏表の文字や絵柄が360°どの方向からも見えるってやつ。

仕組みは簡単で、真ん中に軸が通ってて、看板の板の形が上から見ると ┏━━┛みたいな形になってて、片側だけが風を多くはらむっつう原理で回転してた。やっぱあれかな、危ないから禁止されちゃったのかな。風が強い日はすごかったもんな回転速度。人の動体視力を超えて、背景が半透明に透けて、裏表の絵柄が完全に合成されてたもんな。で、板の素材はたぶんアルミかな? とにかく金属板でさ、板の周りを囲うように両側から柱が立ってて、上側の軸を支えてたんだな。その柱と回転板の間の隙間がまた、子供が指を突っ込みたくなるような微妙な間隔だったりして。

でもまぁその子供でさえ、これに指挟んだらとんでもないことになるよな〜なんて恐怖心を呼び起こさせる看板だったよ。それが人の手が届かない高さに設置されてるならまだしも、目立つためか、どいつもこいつも路上に置かれててさ(風で倒れないように、脚の部分にはおもりが取り付けてあった)、風でぶん回ってんのよこれが。ちょうど子供が手で触りやすい高さで。あんまり背を高くするとテコの原理で風で倒れやすいから、低めに設定されてたかと。手指じゃなくても、回転板のカドなんかちょうど子供の目の高さだったりしてね。

今考えるとほんと子供にとって危険なブービートラップだったよ。まぁそれで実際に事故が続発したんじゃないのかねぇ。目に入ったとか、指を挟んだとか切断したとか。

アイディアを思いついた段階で分かりそうなもんだけどなぁこの問題点。でもきっと、同じタイプの看板が街じゅうにたくさんあったから、きっと特許製品だったんだと思う。ってことは、発案した人も特許庁の審査員も、それを使ってた商店主さんも、誰もその危険性に気付かなかったか、大したことないと思ってたか、ってとこだったんだと思う。ん〜確かに、昔の安全基準はアバウトだったからな。そんなので怪我する方が間抜けみたいな感じでもあったし。子供が外で怪我するのがある程度当たり前みたいな感じもあったし。毎日の生活が危険と隣り合わせな、子供にとってはハードボイルドな時代だったよ昭和はwww

そういや公園の定番遊具で回転ジャングルジムってのがあったんだけど、あれ、死亡事故があってからみんな撤去されちゃったよね。何十年もの歴史を持つ遊具っぽかったんで、「なんで今さら」って感じがしたなぁ。危険かどうかで言えば、昭和時代から既に危険だったぞあれは。転落、打撲、流血なんてしょっちゅうだったぞ。でもそれ以上に面白いから回転ジャングルジムで遊び続けたわけで。

おいらの頃はヤッターマンみたいに三角乗りして全速力で回すのが流行ったな(あれを三角乗りと厳密に言えるのかどうか知らんけど)。んであれやってると、近くに突っ立ってる他の子に激突するんだよね。そんな感じで頭突きになっちゃって、マジで目から火花が飛んだりして。どうも脳の視覚野が物理的な衝撃を受けると誤信号を発して、視界に火花が光るように見えてしまうらしい。あと、頭部を強打すると鼻がツーンとなるのってなんでだろ。嗅覚に関する脳の部位も誤信号を発するのかな。

んでも当時、死亡事故はたぶんなかった。ハードボイルドな時代でも、さすがにそこまで行けば問題になったろうし。それが平成の世の中になったら子供が死んで大騒ぎになった。あと4人掛けのブランコでも、平成になって死亡事故があったと思ったな。んー、具体的に何がどう違ってこうなってしまったのかよく分からん。「最近の子供はあまり外で遊ばないから運動神経が発達していないのです」ってのが説得力ありそうだけど、本当にそのせいで死んだのかどうかってのはまた別問題な気がするし。

子供にとって危ないものは、予見して設置しない、もうあるものは撤去するってのが今の常識だろうから、それで子供が遊びの最中に事故に巻き込まれる確率が減っただろうから、世の中マシになった、と言えるんだろうけど、なんかこう「危険な時代」をフツーに生き延びた身としては、「それでほんとに完璧 OK なのか?」って気がしちゃう。

もちろん、死亡したり大怪我したりってのはない方がいいに決まってるけどさ。そういや小学生の頃、鉄棒から落ちて前歯(永久歯)を折ってしまった同級生がいたけど、「だったら鉄棒は危険だから撤去しろ」って流れにはなんなかったなぁ。大人だったら差し歯を差して治療完了なんだけど、成長期の子供の場合は部分的な入れ歯を作るんですな。で、成長に合わせて取り替えていく、と。そいつは明らかにそのせいで生活に不便を被ってた。八戸から100km以上離れた盛岡の病院に定期的に通わなきゃなんなかったし。でも、そいつの家じゃ事故の責任追及とか一切しなかったと思う。「子供にはよくあること。うちの子は不幸な貧乏くじを引いただけ。この程度で済んでよかった」みたいな認識だったんじゃないかと。ああそういえば別件で、何歳か上で、鉄棒から落ちて頭を打って、知的障害者になってしまった子もいたらしい。それでも鉄棒や管理責任者が悪い、ってことにはなんなかった。当時はそういう考え方がなかったんだと思う。

で、書きながらなんとなく分かって来たんだけど、いつの時代から「責任者出せ」「お前どうしてくれるんだ」って風潮になったんだ? 実際、何か変な事件や事故が起きたとき、マスコミも被害者も責任者を吊るし上げて公共の場で謝らせるのが普通になったけど、それも必要と言えば必要だけど、それだけで済まして安心してるような気がして。こう言うと「再発防止も検討したり要求したりもしてるよ」って意見も出るだろうけどさ、なんかまだ違うような。

回転看板や回転ジャングルジムでそうだったけど、一番手っ取り早い再発防止策は、問題が明らかになったブツの撤去と設置禁止だよね。まぁ簡単に撤去できない場合は、使用禁止って手もあるな。そんで〆に責任者を探し出して責任取らせて、本当にそれで問題解決の一件落着なのかね。

なんかこう、それに代わるより良いもの対策で補完して、初めて解決になるんじゃないのかと思うが。「撤去&もう設置しない」だけだと結局「なかったことにする」ってだけな気がするんだが。ただの事なかれ主義な気がするんだが。とりあえずそのぶん、利用したい人たちは不便を被るわけだが。回転ジャングルジムだと、子供が外で遊ぶ理由が1つ減ったまんまってことで。さらには、何十年か後には社会がすっかり教訓を忘れて、類似した事故をやらかすような気がするんだが。そうなると再発防止じゃ全然ないですな。

回転看板の場合、LED 看板が出て来て補完したね。人間は動く物にどうしても目が行くってのが回転看板の根拠かと思うけど、LED 看板は物理的に動くんじゃなく簡単なアニメーションに動きを代行させて、可動部分をなくして安全性を上げたわけだ。初期投資が大きい&電気代が幾分かかるっつうデメリットはあるものの、暗い所でもよく見える、表示や表現を変えたいときにある程度自由に変えられるとゆー、風力の回転看板じゃ出来なかった芸当まで成し遂げましたな。

看板はこれで問題ないと思う。で、回転ジャングルジムの方はどーなんだよ。そんな感じの代替品は開発されたのか? 利用者がより安全に、かつ以前と同じくらい楽しめる遊具が代替品として公園に配備されつつあるのか? 遊具がある公園なんてずっと行ってないし、通りかかっても別に見ないしでろくに確認してないけど、なんか代替品って特に出て来てないような……。んー、回転ジャングルジム、おいらが小さい頃はみんな大好きだったんで、なんとか安全対策を施して復活して、今の子供達も同じように楽しませてほしいんだがな〜。

鉄棒は、下に砂場を併設する形が増えてきたんじゃないかな。上に書いた鉄棒は、下がおもっきし地面だったからな。あれじゃ落ちたら確かにヤバい。で、全国でそういう事故が続いたりしたんだと思う。それで砂場付き鉄棒が普及してきたんじゃないかと。砂だったらまぁ口や目に入ったら気分的には最悪だけど、一応それだけで済むもんな。

回転しない、普通の四角いジャングルジムもけっこう危険だったような。鉄パイプを塗装しただけだから、濡れてるとやたら滑るんだよね。濡れてなくても滑りやすいし。で、足を滑らすと体のどっかをめちゃめちゃ強打するんだわ鉄パイプに。子供に人気の公園遊具って基本的に危険と隣り合わせなんじゃないかと思えて来た。で、子供を守るためには外で遊ばせないのが事なかれ主義的に基づいて完璧、と。

しかしほんと、昭和の昔に比べると、子供にとっては安全面でずいぶん環境が整備されて来てるはずなんだよなぁ。クルマだって、チャイルドシートは存在さえしてなくて、シートベルト締めてる人なんてのも誰もいなかったし。メインストリートや幹線道路以外じゃ道路には歩道がないのが普通で、あっても非現実的なまでに狭い道路がかなり多かったし。

ってことで現実的には子供の事故はこの20年30年で減ってるはずなんだけど(子供のアタマ数自体も減ってるし)、なんてーか、昔の感覚からすると、社会が過剰に騒ぎ立てるようになったんじゃないかって感じがするんだよね。事故に遭った子自身やそのご家族の気持ちは、今も昔もそう変わらなそうに思うけど。で、責任者を捜し出して報道陣の前で謝らせたらもうそれは終わりってことで、マスコミは次の仕事に移る、と。責任者にされちゃった側は、散々ぶっ叩かれた後はどうせ何やっても誰も褒めてくれないしみんな忘れちゃってシカトされるってことで、「危ない物は撤去」みたいなお座なりな対策をして完全に終わり。

なんかやっぱし、ちょっと違うような気がする。

銘板
2008.4.24 木曜 前日に飛ぶ
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さらにグダグダ

そんなわけで昨日言いたかったことは、「危険な香りの回転遊具を制する者は世界を制す」だ(違)。

しかしまあなんだね。昔はなんで回転ジャングルジムで死亡に至るような事故が起きなかったのかを考えてたら、その原因のひとつと思われることを思い出してさ。子供に危機察知能力がないのはきっと変わらないわけで、じゃあ何が違うのかっつうと、親の危機察知能力なんじゃないかと。昔は、どこかの親がその遊びの危なそうな部分を見抜いて、自分の子供に注意してたんだと思う。回転ジャングルジムの場合だと、「地面とこすれそうな下の部分は危ないから、そこに潜り込むなよ」みたいに。

で、言われた子供は一緒に遊んでるやつらにそれを伝える、と。おいらは自然と危ない所には近付かないようにしてたのは覚えてるけど、子供の予見能力じゃ限界があるはずなんで、きっと遊び仲間に言われたんだと思う。で、その仲間は親か誰か、大人のアドバイスを受けてた、と考えるのが自然な気がして。最近の大人ってそこらへんの勘が鈍ってきてるんじゃないのかな。でなきゃ、「事故が起こったからあの遊具は危ない。全面撤去しろ。だって現に事故が起こったんだから危険に決まってるじゃないですか」みたいなデジタルな反応をしないような気がして。その遊具の存在全体が危ないわけじゃなくて、危険な部分があるから、そこに気を付けさえすれば楽しく遊べるってことなわけで。

子供にとっては体を動かす遊びが楽しいわけで、人類出現以来子供はずっとそうしてきたろうから、今さらオモテで遊ぶなって方が無理な気がするが。まぁ子供の方も遊び道具の発達で危険度が増してるって面もあるだろうけどね。でもこのまま行ったら、「18歳未満は自転車禁止だけどバイクは16歳から OK」みたいなアホなことになりそうな気もしないでもない……。

「子供は体が小さくて軽いから、派手にコケても滅多に大怪我に至らない。だから自転車は子供の頃に練習して乗れるようになるべき」って気がするんだけど、これって乱暴な考え方ってことになるのかなぁ。まぁでもチャリゴケは基本的にめちゃめちゃ痛いし、血が出ることもあるからなぁ。親にしてみりゃいつだってそんな事態は避けたいもんでもあるか。けど大人になっても自転車に乗れないってのは、人にもよるだろうけど、本人にとってはけっこう屈辱なんじゃないかと。

それと同じで、ろくに外で遊ばなかったがために運動のセンスがアレだってのも可哀想な気がする。実際おいらなんかも当時としてはインドア寄りなやつだったから、同世代の連中に比べて運動神経が育たないまんま大人になっちまったのよね。それがどう影響したかっつうと、スポーツを愛する感性が育たなかったのよね。世の中こんなに多種多様のスポーツがあるってのに、どれやっても楽しめない人間になっちゃって。スポーツに熱中できる人たちが羨ましくなることがけっこうあったり。結局ジョギングも長続きしなかったなぁ。

銘板
2008.4.25 金曜 前日に飛ぶ
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歩道の舗装材はこれでいいのか(いやだめだ)

そんでまぁ世の中いつの間にか「悪いのはお前だ。責任取れ。謝罪しろ」な時代になっちまってるわけだけど、コトが大ゴト(つまり手遅れ)になってから初めて大騒ぎっつうのは今も昔も変わりませんですなぁ。まぁ大事に至る前に危険の芽を摘み取っておくってのも、騒ぎにならないから注目を浴びないってだけで、各方面でちゃんと機能してるんだろうけど。

ってことで、公共関係で大ゴトになる前の状態にある、ちょっとした問題みたいなのにひとつ気付いたんで、ちと挙げてみようかと。それは舗装道路の材質。おお、今「舗装道路」と書いて、軽く感慨に耽ってしまったぞ。おいらが小さい頃、まだまだ砂利道とか砂利さえ敷いてない土の道とかがけっこうあったんだよなぁ。で、舗装されてる道路をわざわざ「舗装道路」と区別することがあったんだけど、今じゃ「道路」と言えばほぼ自動的に「舗装道路」の意味になりましたな。自民党の道路政策の賜物ですかこれはww

でさ、道路がくまなく舗装されたのはいいんだけど、そのアスファルトで転んで怪我する人ってけっこう増えたんじゃないの? 特にお年寄りに。車道は大型車の重量に耐えなきゃなんないから、ある程度硬くなきゃいかんのは分かるけど、歩道まで同じ硬さでいいもんかねぇ。人間ってのは体を立てて2足で歩く生き物なんだから、陸上の脊椎動物の主流である4足歩行に比べて、本質的に転倒しやすいんですな。転んだとき落差が大きいから怪我しやすいんですな。どうもそこんとこ、歩道を作る人たちは全然気付いてない気がして。年代別に大まかに傾向を見ると、子供はよく転ぶけど、体が小さくて体重も軽いから、ダメージが比較的少ないですな。一般的な大人は「歩く」という動作に慣れてるし、転びそうになっても運動神経と筋力と経験で体勢を立て直せるから、滅多に転びませんわな。でも高齢者は筋力も神経の反射も弱ってるから転びやすくて、骨粗鬆症の人が多いから、転んだ時に骨を折りやすいですな。

日本は高齢化社会に突入しましたな。しかもこれからもどんどん高齢者の比率が増えていきそうですな。街じゅう至る所で、転倒による骨折事故が激増しそうな気がするんですけど。これ、後々、社会的な大問題になるかもしれない気がするんですけど。そこを「高齢者だから仕方がない」と割り切る前に、何とか対策できないか、と考えたりしてはどうか、と。

お年寄りに「転ばないで下さい」って注意を促すって方策がラクだけど、本人だって転びたくて転ぶわけじゃないからね。実質こいつは何の効き目もないかと。

となると、転んだ時に怪我を少なくさせるって方向性になりますな。それで問題になるのが「25トントラックの荷重に耐えるガチガチに硬い舗装を、なんでわざわざ歩道にも施すのか」ってこと。呆れるほど明白にオーバースペック。この舗装が柔らかければ、転んで怪我してもより軽症で済みますわな。骨折だったはずが骨にヒビで済んだり、骨にヒビだったはずが打ち身で済んだり、打ち身のはずがほとんど無傷で済んだり。

黒澤明が亡くなって今年で10年。道路でじゃなかったけど、彼は転倒での骨折が元で歩けなくなって、衰弱して他界したそうな。新作映画の脚本を書いてる最中だったそうで、その転倒がなきゃきっと監督作31作目を完成させたろうと思うと、なんだか悲しいやら悔しいやら。特に黒澤監督は背が高かったから、転んだ時のダメージも大きかったんじゃないな。

ってことで、転んだ地面や床が柔らかくて衝撃を吸収するようになると、骨のダメージがずいぶん軽くなるはずなんだわ。衝撃ってのは加速度や重力と同じ「G」って単位を使うんですな。ぶつかる物同士の材質にもよるけど、例えば紙ヒコーキがコンクリート壁にぶつかる時って、機首には1000Gくらいの衝撃がかかるらしい。見た目には大したことのようには感じられないけど、重量が小さいし一瞬なんでそう思えるだけ。これが人の体の部分や全体みたいに何kg、何十kgとなると、受ける被害が洒落になんなくなる。弱った骨が折れるのもさもありなんって感じ。

で、体のぶつかり相手が、感覚で違いが分かるくらいに柔らかくなると、衝撃は一気に100Gあたりまで減るそうで。相変わらず数字がでかいけど10分の1だよ。ってことで、現状では折れてたはずの骨が折れなくなる可能性が出てくる。

そんな舗装材があるのかっつうと、ちゃんとある。商品名とかは知らないけど、八戸の市街地の屋台村の通路で実際にそういうタイル材が使われてたりする。歩いた感触だけで柔らかいのがすぐに分かるくらいなんで、普通のアスファルト舗装と比べて、骨にかかる衝撃は10分の1よりずっと下回るんじゃないかな。これがまさに、お客さんが転んで怪我をしないようにってことで採用されたんだそうで。確かに派手に酔っ払うと転ぶ確率が増えるからなぁ。大変ナイスな決断だと思うよ。

んでまぁ実際に実用化されて商品になってるみたいだから、歩道に使わない手はないと思うんですが。車庫があってクルマが出入りする所以外の歩道はそれで行くといいと思うんですが。でも八戸市内を見てると、それを採用しようとかその方向で街を改善しようって動きが全く見えないのよね。「街を安全に歩ける」っつうことの価値に気付いてないか、気付いてても面倒だとか利権を行使できないとかの理由で採用されないってやつですかねぇ。

商店会もそこらへん検討したらどうですかね。なんか歩道の整備って、あのネズミ色の道路用アスファルトに舗装するのだと道路管理者(国とか自治体とか)の持ちで、独自の舗装やタイル貼りとかの場合は、商店会とかの持ちらしい。つまり役所は今ある基準を守るだけで、歩行者の転倒事故への配慮は一切考えないみたいだけど、商店会が自腹で飾る場合は、ある程度好きにやれるってことなんですな。お年寄りには自家用車や免許を持たない交通弱者が多いから、クルマで行くことが前提の郊外型ショッピングセンターよりも、公共交通の便利がいい市街地の方が買い物しやすいはず。ってこれは今さら言うまでもないか。

つまり地元の商店街が復活するには、これからどんどん増えるお年寄りを取り込むことが大事になるわけですな。そしたらもうあんた、歩道を柔らかくしてそのことをお年寄りの方々やそのご家族に周知しまくらない手はないと思うんだがどうじゃろ(なぜか老人口調)。転んでもあんまし痛くないんだから子供も連れて行きやすくなるし、ジーサンバーサンも安心して連れて行けるんなら、一家の財布の紐を握るおとーさんおかーさんも、週末のお出かけに市街地を選ぶ可能性が高まるでしょ。郊外型ショッピングセンターにやられまくってすっかり寂れた地方都市の市街地、これで多少なりとも復活できるんじゃないの?

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

安全を考えると、そういう舗装材を一番採用して欲しいのは、交差点近辺の車道だったりするのよね。ほら、人身事故が起こりやすい環境だからさ、徒歩で横断歩道を歩いてる人がクルマにひかれた時を想像すると、クルマにぶつかった時よりも路面に叩き付けられた時の方が怪我が大きい気がして。頭から落ちるともういきなり致命的だし、横にぶっ飛ばされるから着地時にこすれるし。けど大型車の荷重に耐えられる(カーブじゃことさら変な力が路面にかかるし)上に、歩行者の転倒にも優しい舗装材なんて、そんな都合のいいものあるんかなぁ。

こすれると言えば、交差点じゃないけど、最近話題の機能性アスファルトで、水はけが良くて騒音も少ないってやつがあるじゃないの。ついでに雨の日でもブレーキがよく効くってんで評判だけど、いやあの、あの舗装をしてる所でだけはクルマにはねられたくないよな〜っていつも思うよ。だってあの表面、めちゃめちゃ粗目のヤスリみたいじゃん。あんなのに顔とか肌とか擦り付けたら絶対すごいことになるぞ。ってことで、あの路面の道路は極力渡らないようにしとるよ。

銘板
2008.4.26 土曜 前日に飛ぶ
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70年代的特権誇示法

おとといのログで昔の道路事情を回想したら、イモヅルで当時(70年代後半〜80年代前半)の、今とは全然違うクルマの常識を思い出しちゃったよ。いやあの、例えばどっかにクルマで出かけて、人の家に寄って拾う時ってあるじゃないの。今だったら家の前に来たら携帯で呼び出しますわな。80年代後半とか90年代前半あたりだと、クルマから降りてドアチャイムを鳴らしますわな。

でもね、それより前の時代だと、クルマから降りないでクラクション鳴らして呼び出してたんだよなぁ。「プン」なんてもんじゃなく、しっかり聞こえるように「プップー」て感じで。なんかすごく横柄っつうか野蛮っつうか (^_^;) まぁさすがに上司をそうやって呼び出すなんてことはなかったと信じたいけど、親戚や友達みたいな近しい仲だと、普通にそうやってる人たちってけっこういたっぽい。しかし住宅街でそんなことやると、近所の人たちがみんな「自分かな?」とぞろぞろ出てきたり。のどかでおおらかな時代だったってことですかねぇ。それで特に苦情がなかったんだもん。今それやったら、「うるせえバカヤロー」とか言われそう。

しかしまぁそれ、もしかしたら「諸君、おれマイカー持ってんだぜ」っつうささやかな自慢だったのかもなぁ。んでそれはマイカー持ちの特権として認められてたのかもしれんな。証拠はないけどさ。

運転中でも、その頃はやたらクラクションを鳴らしまくる人が多かった気がする。椎名誠の本で、「その国の民度はクラクションのやかましさに反比例する」みたいな話が出てた。中国を訪れた時、あまりにみんなクラクションを鳴らしまくるんでそう感じたらしい。ま、日本も80年代前半やその前は、今より民度が低そうだったもんな。一億総中流意識で、狭く決められた常識からちょっとでも外れてたりすると白い目で見られるみたいな。自分が外れてるんじゃないかと不安になったり。あと、小学校に入ったら便所が水洗式で感動したっけ。そんな時代のカビ臭い話さね。

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2008.4.27 日曜 前日に飛ぶ
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ちょっと換えてみただけ

また小学校の頃の回想話。

いやね、小学生の折、おいらバレーボール部員だったのよ。運動神経が鈍い上にルールの理解がイマイチ、そのうえやる気もないってことで、一軍になれなくてあんまし面白くなかったんだけどさ(一軍になれなくて当たり前だ)。んで隣の学校に試合しに行ったことがあってね、そこの体育館の壁に、標語みたいなのがでっかくかかってたのよ。

「明日を生き抜く○○(学校の名)児童」

なんて感じで。未来で活躍する逞しさをこの学校で得ようって意味だと思うんだけど、その当時でも意味は汲み取れたんだけど、かっこいいなぁと素直に思ったんだけど、いや、ひとつしょうもないことを思いついちゃってさ。

「これ、『今日を生き抜く』だとかなりカッチョ悪いな〜」と。

すんませんほんと不謹慎ですね。ええ(汗)。けど、目の付けどころはそんなに悪くないんじゃないかといまだに思ったりして。

銘板
2008.4.28 月曜 前日に飛ぶ
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ハードボイルドな話題

2008.4.17 で放射線のことを「本質的に危険」と書いたけど、なんかこう、放射線を無条件に忌み嫌ってる自分の態度にちょっと違和感を覚えてしまって。まあ人間として、生物として、自分の生命や健康を脅かすような危険なものを忌避するのは当然っちゃ当然なんだけど、これまた人間として科学的であろうとするとですね、「恐いからイヤ」ってだけじゃあまりにも情けない気がして。

だからといって、今勉強してここでそれを書き出そうとするほど勉強熱心でもないわけで。ま、興味ある人は Wikipedia とかででも調べて下さいませ。

なんとなく違和感を覚えた理由ってのが、危険かどうかで物事を判断するって点で、人間の都合のみの考え方だってのがあるかと。人間独自のものに対する見解なら人間中心で考えても問題ないだろうけど、放射線は人類の存在なんかに全く関係なく、宇宙にあまねく存在するポピュラーなものだからな。たまたま地球の表面ではレアな存在ってだけで。天文学にちょっとでも興味がある身としては、「恐いからイヤ」なんてのは筋違いなわけで。

ちょっと似てるものとして、「害虫」って概念があるのよね。この字だけ見るとなんかもう絶対的な悪を感じさせるけど、対義語を見るとアレレ?って感じになっちゃう。その対義語とは「益虫」。つまり人間が自分だけの都合で、「あの虫は邪魔」「あっちは役に立つ」と分類したに過ぎなかったってことで、虫自体は別に人間なんかにどう思われようと関係ないのよね。虫からすれば、人類なんて地球上に数多くいる他の生き物のうちの一種でしかないんだから。自然の摂理を反映した生物学的な分類ってわけでもないし。

てなわけで、これからは放射線も、学ぶ機会があったら偏見なしに受け入れようってことで。基礎知識はあった方がいいからね。場合によっては国の政策の方便を見抜いたりも出来そうだし。とりあえず 2008.4.11 で国際熱核融合実証炉(ITER)の誘致運動の時の変な誘導はある程度見抜けたってことで。なんかでも、六ヶ所村は ITER の誘致では負けちゃったけど、候補地として最後まで頑張ってやる気を見せた見返りとして、関連研究施設の誘致が決まってさ。廃棄する時に問題あり過ぎな ITER 本体に来られるよりも、そっちの方が良かったんじゃないかって気がしてるよ。

それで、記事の記録を忘れちゃったんだけど、早速日本発の核融合関連技術の実験設備が六ヶ所村に建設されることになったとか。なんでも超伝導技術を利用することで、その部分の消費電力を2〜3割減らせるとか。で、実験設備なんで発電する機能はないから電力をひたすら食いまくる装置らしくて(ITER 本体にも発電機能はないけどね)、その節約量は電気代に換算すると年間10億円くらいになるとか。うおお、どんだけ電気食う設備なんじゃ。

核融合炉って稼動させるには電力が必要だから、核融合発電って自分で作り出した電力の一部を自分で食う形になるんだけど、こんなにも凄まじく大食らいなんじゃ、やたら巨大な発電施設を作っても、売り物として出力する電力は案外チョロチョロなんじゃないかって気がしてきた。ま、今回の超電導技術は、その自家消費分を2〜3割カットできてそのぶんを売り物に回せるってことになるわな。あるいはそのぶん、同じ出力でも規模を小さくできるとか、ともかく核融合発電を「より使える」方向に持って行けるわけで。

この新技術、まだ実際に使われたことはないけど理論的には行けるんだそうで、期待できそうですなぁ。おいらなんでか知らないけど、エネルギー変換効率アップとかエネルギー伝達ロス低減のカラクリって大好きなのよ。おいらとしては核融合発電はそんな感じで、最先端技術として興味があるのよね。「放射能が出ない」とか「燃料はタダ同然で海から無限に取れる」ってキャッチフレーズは方便だと分かった上でさ。核分裂炉の方はねぇ、うーん、技術は興味ないわけじゃないけど、それ以上に運営側のうさん臭さが鼻につき過ぎちゃって、ちょっとねぇ。核融合も普及の暁にはこんなうさん臭さをまとう羽目になるんだろか。

って今日(5月18日)の東奥日報(青森県南の地方紙)を見たら、なんと日本って、世界で3番目の原発保有国(55基)なんだってさ。1位がアメリカ(104基)。2位がフランス(59基)。確かアメリカは、70年代を最後に今まで新規に建設されてないと思った。フランスは自他ともに認める原発先進国。てことで、フランスに僅差の日本って意外と原発の国だったのだね。ただ、フランスが国内電力需要の8割を原発で賄ってるのに対して日本は3割ってことで、日本は小規模分散型なんじゃないかな。熱機関型発電の常識として、小さいのが一杯なのよりも、一基ずつが大型の方が発電効率が上がるんだけどね。

うむー、そうか日本が世界的に見ても原発先進国だったとは、ちょっと意外だったよ。核アレルギーが世界一強いはずなのにな。そんで実情はと言うと、どこの電力需要地も近くに原発を置きたくなくて、しょうがないから財政難に喘ぐ田舎自治体の頬を札束ビンタして、原発や関連施設を設置してるといううさん臭さ。いや、だったら電力需要地近くの自治体を買収した方が送電効率が上がるわけだが。架線の土地管理やメンテナンス費用も浮くし。それが電力会社に健全な利益をもたらすわけだけど、そうしないってのは、

  1. 「日本の原発は絶対安全です」っつう宣伝文句は嘘っぱちで、やっぱし原発は危ないんで、大都市圏近くには置けない。
  2. カツカツの田舎自治体を買収した方が足元を見れて安く上げられる。

のどっちか、あるいは両方が理由かと。ってことはあれかい、買収された地方自治体ってのは、「お前くらいの人口なら死んでもいいよ」と思われてたり、「お前にはこの金額で充分だろ」と買い叩かれたりってことですかね。なんかもうなめられっぱなしですなぁ青森県。

けど最近、根性見せたけどね。核廃棄物の最終処分場として青森県は選ばないっつう言質を国から取ったらしい。以前の約束だと「知事の同意なくして青森県に決めたりしない」みたいな感じだったらしい。つまり知事に国サイドから圧力をかければどうにでもなるって内容だったみたいで、つまりもろになめられてたわけ。そんで今回、今まで国からのゴリ押しを受け入れっぱなしだった青森県側が、ついに反撃に成功したって感じ。

まぁでもこれ、「暴力団は出て行け」みたいな問題でさ、出て行ったら行ったで、暴力団は別の街に流れて行って同じように疎まれるだけで、問題の本質的な解決になってないのよね。青森県としては最終処分場になるのを免れたけど、他のどこかが受け入れてくれるまで、国は最終処分場候補地を探し続けるんだよね。いやもう韓国と共同で竹島に縦穴掘って埋めたらどうかとか思ったり。穴掘って出た岩や土を近くの浅瀬にまとめて捨てれば、島がもうひとつ出来て領土問題も少しは緩和するんじゃないかとかw

しかし原発行政を「トイレのない住宅」とはまたうまいことを言ったもんだよ。どなたが言い出しっぺか知らないけど。で、ITER で本格化する核融合発電の開発、いずれは技術がモノになると信じてはいるけど、地球上で実用して欲しいかっつうとちょっと言葉が濁っちゃう。核分裂炉より放射性廃棄物が出なさそうではあるけど、解体する時にやっぱし出ちゃうしね。ていうか炉心近くは人が近づけなさそうなんで、解体自体出来るのか? って気がする。それを言うならこれからどんどん耐用年数が過ぎて退役していく核分裂炉の、融合炉なんかよりガンガン放射線を吐く炉心はどうやって解体するのかって疑問の方が先になったりして。

とりあえず、今までに退役した外国の原子力潜水艦とか原子力空母とかの解体はどーなってるんだろ。それと、日本で作った唯一の原子力船「むつ」は原子炉を取り出してディーゼルエンジンに積み替えて、海洋地球研究船「みらい」に生まれ変わったけど、取り出した原子炉は今どうなっておるのだ? どう処理しておるのだ? それは原発の解体の手本になり得るのか?

なんかこう、燃料由来の廃棄物もそうだけど、解体と処分を考えると、原発ってやっぱ将来的にアヤシイよなぁ。二酸化炭素排出を削減するための、一番現実的な対策として注目されてるのは分かってるんだけどね。

銘板左端銘板銘板右端

原発の反対派の人たちってのもいらっしゃいますな。で、いろいろ自分で勉強して理論武装する人たちは見上げたものだと思うんだけど、デモ行進の垂れ幕を見た感じ、感情論だけでやってる人たちがけっこう多そうでなぁ。あれが悪い意味で気になるところ。結局、理性と論理での話し合いや議論を、ギャアギャア騒いで邪魔するだけの存在にしかならない気がして。推進派が専門家を何人も用意してるんだから、対等に渡り合うには反対派も専門知識を縦横無尽に駆使できなきゃ話になんないでしょ。相手の言ってることを理解すら出来ないんじゃ、話に織り交ぜられたウソやハッタリを見抜けるわけがない。

上にも書いたけど、「原発は恐いからイヤ」「気持ち悪いから反対」ってな論調の人たちのことね。誰が何にどう汚染されるかもろくに分からずに、「汚染される!」と叫んで恐怖心だけをいたずらに煽ってみたり。悪いことは言わない。理性ある反対派の人たち、そういう身内はガッツリと科学教育して(「結果だけ分かりやすく教えてあげよう」なんて考えない方がいい。それだと自分で考えずに言い含められたことをおうむ返しするだけだから、何も変わらない。原子物理学の基礎から教育すべし。あと、反対理由は放射線による人体に対する害がメインだから、DNA を中心とした分子生物学も大切ですな)、付いて来れない人は切り捨てた方が身のためだと思うぞ。

銘板
2008.4.29 火曜 前日に飛ぶ
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消滅炉 - 未来を拓く技術はそれ自体が消滅しそう

昨日の話題が原発とか核廃棄物どーすんだみたいな話になったんで、今日はその方向で、夢みたいなネタを紹介しましょうか。核分裂炉(現行の原発で使ってる原子炉)から出る高レベル核廃棄物を消滅させる技術ってのが、一応存在してるんですよ。正確には消滅じゃなくて、高レベルで半減期が長い放射性廃棄物を、特殊な原子炉の中でより低レベルで半減期が短い物質に転換しちゃうという技術。しかも発電しながら。最近とんと聞かなくなったけど、この研究、進んでるのかなぁ。これが実現すれば地球の未来はかなり明るいんだけどな。ってことで新聞記事のストック2本をご紹介。まずは国内発の話題。

朝日新聞 1995年7月5日付

 高レベル廃棄物を消滅

 原研が新プラント建設へ

原発の使用済み燃料を再処理した後に残る高レベル廃棄物のうち、数十万年から数百万年にわたり生活環境から隔離する必要がある長寿命放射性物質を、大型加速器と特殊な原子炉を組み合わせたプラントで消滅する計画の実現に向け、日本原子力研究所は四日までに、技術開発用加速器を茨城県東海村の東海研究所に建設する方針を決めた。

既に要素技術の開発、設計を進めており、予算要求が認められれば、来年度から建設に入りたい考えだ。

高レベル廃棄物は地中深く埋設する計画だが、数百万年にわたる安全性実証は困難なのが現状。消滅処理ができれば、厳格な隔離が必要な期間を廃棄物容器の耐久期間とされる千年以下に短縮でき、埋設処分の技術開発、実施の負担が大幅に軽減されそうだ。

消滅処理の対象として計画しているのは主に、高レベル廃棄物に含まれるネプツニウム237(半減期二百十四万年)などマイナーアクチノイドと呼ばれる物質。量は少ないが、半減期が極めて長いため、高レベル廃棄物が発生してから三百年以降には放射性毒性の大部分を占める。

計画では、使用済み燃料の再処理の際、プルトニウムとともにマイナーアクチノイドを取り出し、燃料に加工。未臨界炉と呼ばれる特殊な原子炉で核分裂させ、安定した物質や半減期が短い放射性物質に変え、結果的に長寿命の廃棄物を消滅する。

未臨界炉内は十分な数の中性子がないため、それ自体では核分裂の連鎖反応を維持できないのが特徴。そこで、大型加速器で陽子を加速。炉心中央に置いたタングステンの標的に中性子をたたき出し連鎖反応を起こす。

通常の原子炉では、燃料に加えるマイナーアクチノイドの量を増やすに従って炉の制御が難しくなり、暴走事故の危険が増える。しかし、未臨界炉と加速器を組み合わせたシステムでは、加速器側の調節で炉を制御できるため、安全な大量消滅処理が可能という。

今回、原研が建設の方針を決めた技術開発用加速器は将来、同システムに用いる加速器の入射器に当たり、全体の性能を左右する重要部分だ。

 

 ガラス固化、再処理に一石か

解説 高レベル放射性廃棄物に含まれる厄介な長寿命の放射性物質の消滅研究には日本のほか、フランス、米国など各国が取り組んでいる。

フランスの場合は高速増殖炉実証炉スーパーフェニックスを使って燃焼する方法だ。日本でも、増殖性能を確かめた後の高速増殖炉原型炉もんじゅで、同様の方法を試そうとの構想もある。ただ、この方法では消滅できる量に限りがある。燃料に混ぜる長寿命廃棄物を増やすと、安全に炉を運転することが難しくなるからだ。

日本原子力研究所が取り組もうとしている方式は、それ自体では臨界に達しない炉に加速器を使って中性子を補給するため、暴走事故の危険がない。もんじゅ規模の炉心なら十基で発電しながら全国の原発から出る長寿命廃棄物を消滅できるという。

問題は、今年四月フランスから輸入された高レベル廃棄物のようにガラスで固めてしまった廃棄物(ガラス固化体)は使えないということだ。国内でもガラス固化体の製造が始まっているが、消滅できる見通しがあるなら、それまでガラス固化や使用済み燃料の再処理をやめるべきだ、との議論が出てくる可能性もある。

 

キーワードは「未臨界炉」ですな。核反応の臨界点未満で運転するから、暴走の危険性がないんですな。この性質は核融合炉とちょっと似てますな。で、より安全ってだけでなく、その安全性を利用して消滅処理をバンバンやれるってのが売りですな。日本のこの方式は、マイナーアクチノイドというかなりタチの悪い放射性物質を狙い撃ちで消滅させるみたいだけど、次に紹介するヨーロッパ方式は、もっといろんな放射性物質を大人しくさせられるっぽい。以下がその記事。

デーリー東北 1997年5月20日

 伊の物理学者が新型炉考案

 核廃棄物を無害化

 トリウムに陽子線を照射

【ロンドン18日共同】18日付の英紙オブザーバーは、プルトニウムなど危険な核廃棄物をより無害な短寿命の低放射性物質に転換処理できる新しい原子炉が考案され、その原子炉の建設を検討する国際共同企業体が設立されたと報じた。

新型炉は素粒子加速器の原理を利用、危険な廃棄物を出さないだけでなく、既存の原子炉から生じた廃棄物を安全に処理できる画期的なもので、同紙は廃棄物問題が解決する可能性があると指摘している。

新型炉を考案したのは一九八四年にノーペル物理学賞を受けた素粒子実験物理学者のイタリアのカルロ・ルビア博士。燃料としてはトリウムを使用、炉心のトリウムに陽子線を照射して核反応を起こさせる。

その際に生じる中性子は大きなエネルギーを持ち、陽子にぶつかると、どんな原子であれその核を破壊する能力があることが実験で分かったという。

このため、トリウムの中に核廃棄物を混ぜておくと短寿命の低放射性物質に変わってしまう。通常の原子炉からは一年間に二百五十キログラムの廃棄物が出るが、ルビア博士によると、新型炉では一日に一・一キログラムの廃棄物処理が可能だという。

欧州合同原子核研究所(CERN)でこの2年間、実験したが、この方法で半減期が約二十万年のテクネチウム99を処理したところ、数秒間で短寿命な同位体に変化した。

またこの新型炉は、陽子線が照射中だけ核反応が起きるため、チェルノブイリ原発のような制御不能事故は避けられる仕組みになっており、炉自体の安全性も高いという。

ルビア博士は実験の結果を六月に同研究所理事会で報告する予定。原子炉建設に五年はかかる見通しだが、ことし初めに、スペイン、イタリア、オランダ、スウェーデンの核関連会社が建設を検討する国際共同企業体を発足させた。

日本方式の記事だと、具体的にどのくらいの量の放射性廃棄物をどれだけの時間で消滅させられるかの直接的な記述がないけど、ヨーロッパ方式の記事だと、普通の原発1基が排出するよりちょっと多い量の放射性廃棄物を、その新型原子炉で無害化できる、ってことですな。あ、日本方式は「もんじゅ規模の炉心なら十基で発電しながら全国の原発から出る長寿命廃棄物を消滅できるという」とあるな。今現在の日本には商用原子炉が55基あるから、消滅炉1基で商用炉5〜6基くらいを担当できる計算ですな。その点じゃヨーロッパ方式より効率がいいわな。その代わり消滅処理できる物質が少ないけど。日本は一点突破型で、ヨーロッパはオールラウンド型ってとこですか。

どーですか奥さん、今はこんなにすごい技術があるんですよ。ってどっちも10年以上前の話題なわけだが。けどその後の顛末を全然聞かないなぁ。今ネット検索で調べようかとも思ったけど、日付をまたいで「未明」って時間帯になっちまってるんで、めんどいわ。すまぬ。

しかしまー、もしかしてこうゆー夢みたいな素晴らしい研究が冷や飯食わされてるんだとしたら、疑わしいのは現行の「地層処分」を進めてる人たちですなぁ。原発から出る放射性廃棄物を地下深くにずーっと保管し続けるってやつ。何百万年も管理しなきゃなんないんだから、「廃棄物の処分」って表現が全然似つかわしくないんだが。んでこれ、関係者にとっては絶対に潰されたくない「処分」方法な気がして。

だってさ、これを商売にするってことはですよ、これから何百万年にも渡って、国や国際社会からカタい収入が得られるってことじゃないですか。将来もっといい発電手段が開発されて、原発がこの世から消えてなくなった後も、廃棄物の管理はもう半永久的と言っていいくらい続けられるんですよ。ここまでおいしいビジネス、関連企業の経営者としたらみすみす逃す手はないですよ。いずれかなくなるべき、現行の核分裂型の原発をやってる人たちにとって、これくらい安心できるメシの種はないんじゃないかと。そしたらありがたい放射性廃棄物を消滅させてしまうような邪魔な技術なんか、彼らにとってはない方がいい、と考えられるわけで。

何十万年、何百万年っつったらあんた、生物が進化したり別種が枝分かれしたりできちゃうくらいの時間の長さですよ。地球全体の気候だってかなり変化するぞ。大陸移動で地形も地下の様子も変わっちゃうよ。んでさ、それなのに「地層処分には断層のない安全な土地を選びます」みたいなこと言って何の意味があるのか、と。その地層が将来どうなるかもろくに分かんないのに。そこらへんから既に論理が破綻してるのに、彼らはとにかく、上に記事で挙げた消滅炉を利用できないガラス固化体をどんどん作って、地層処分に向けての準備を着々と進めてますですなぁ。いろいろ疑いたくもなるってもんです。

現生人類が地上に現れたのが20〜10万年くらい前らしいんで、世界的な全面核戦争とか巨大隕石の衝突みたいな破滅的なことが起きない限り、人類もまた進化しまくりですな。もうホモ・サピエンスとは呼べないそんな新型人類も、今の人類が一時期だけ妙に凝ってた、原発ってものの廃棄物に悩まされることになるんですな。なんかもう情けないやら恥ずかしいやら。

今、日本は「地球温暖化を防ぎ、持続可能な経済発展をもたらす」みたいな宣伝文句で原発の新規建造に躍起になってるわけだけど、せっかく消滅炉っつう技術(エネルギーを食うのではなく、発電しながら処分するとゆーのがナイス)を発想したんだから、それにヨーロッパも同じ目的で違う技術を考え出したんだから、お互いに協力したりして、放射性廃棄物のまともな処分方法を全力で実用化したらいいのに、と思うんだけどどうでしょ。

あとさ、地下とは言え、何百万年も無傷で耐えられる建築物ってどんなのよ。ものすごく非現実的に思えてしょうがない。とりあえず人類は今までそんなご大層なモノなんて作ったことないだろ。現生人類の歴史は甘く見積もっても20万年しかないんだから。

銘板左端銘板銘板右端

そういえばいつだったかの新聞記事で、面白いことを提案してた学者さんがいたよ。放射性廃棄物の地層処分を管理してる間に、現代の人類文明が滅亡する可能性ってのが多分にあるわけだ。『風の谷のナウシカ』みたいに、文明を失った後も人類が存続したり、あるいは別の知的生命体が地球上で暮らし始める未来ってのもあるかもしれないわけで。で、そんな知性達に「ここは危ないですよ。近付かないでね」と知らせるために、地層処分施設の真上に目印としてピラミッドを造ったらどうか、って話だった。

ピラミッドの耐用年数ってどうなのよ。エジプトのやつだと現在までで3000年くらい経ってるかな。全然足りない。しかもけっこう風化してしまってる。現代ならではの新素材を使ったとしても、その100倍の30万年も持てばいい方かと。やっぱし足りない。野ざらしだからねぇ。

っつうかこの学者さん、もうひとつ大事なことを忘れてる。地上に建てた構造物ってのは、そこに人がいなくなって放棄されると少しずつ地面にめり込んで、しまいには跡形もなく埋もれてしまうんですけど。その原理があるからこそ、大抵の遺跡は地下から発掘されるわけで。

エジプトのピラミッドが埋没しないで済んでたのは、高さもあるけど、ずっとそこに大勢の人が住んでたからだと思うよ(憶測だけど)。埋もれる間もなく住人が常にその土地を手入れして、そんな意識はしてなかったろうけど、ちょっと埋もれてはちょっと発掘みたいな感じでメンテナンスされてきたからかと。あ、ちなみにエジプトの有名なスフィンクス像はピラミッドより古いらしくて、近代ヨーロッパ人が見た時には地面に半分埋まってたらしいよ。

で、その地層処分ピラミッド案の場合は、長いこと放置され続けることを想定してるって時点で、地面に埋没する可能性が高いわけよ。だからまぁ作るとしたら、やたら高く作らないと意味がなくなっちゃうのよね。まぁそこはピラミッドにする意味はあるか。でも、危険性を伝えるという用件の役に立つのかって疑問があるなぁ。

それに、今現在の感覚で言うと、エジプトだろうがアステカだろうがマヤだろうが、ピラミッドってのは有力な観光資源なんですよ。世界中から観光客が押し寄せてる。そこらを鑑みると、危険性を訴えての人払いどころから、逆に人を集めてしまうんじゃないのかねぇ。あとまぁ青森県の新郷村(我が八戸市の西隣の西隣)には、明治時代のかなりデムパがかった人が「これは日本の超古代文明が造ったピラミッドである」と主張した土地があるんですよ(見た感じただの自然の山です)。で、そこの地元としてはそれをネタに観光客誘致に必死なんですよ。やっぱピラミッドには、人を集める効果が期待されちゃうのよね。

何百万年先の知的生命体って、人類とは違う存在だと思うんだ。現生人類がそのまま居座ってるとしても、そのくらいの時間があれば進化しまくって、ホモ・サピエンスとは違うものになってるだろうし。んでまあ人類的な感性での話だけど、すごい昔に異生物文明が残した遺跡って、めちゃめちゃ興味が出るんじゃないかと。そりゃあもう件のピラミッドが埋没しない工夫をすればするほど、いつもそこは物見高い知的生命体で賑わっちゃうわけで。

違う生き物とは言え、地球の生態系で発生・進化してきた生物なら遺伝情報は DNA に頼るわけで、放射線は DNA を壊すわけで、この危険性は全ての生物にとって共通なのよ。彼らを無駄に殺しまくりですがな。

てことでそのアイディア、面白いけどどうなんだろう……。

銘板
2008.4.30 水曜 前日に飛ぶ
http://yunzu.qee.jp/threedstudio/copages/htrgtr/htrgtr0804.html#LOG20080430
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半減期のウラ

昨日、「半減期」ってのが出てきたけど、この言葉、ちょっと注意を要すると言うか。

新聞記事とかで「半減期○年の放射性物質」みたいな書き方をするじゃないの。この「半減期」って別に放射性廃棄物が安全になるまでの年限ってわけじゃなく、ただの目安なんですよ。要は「その放射性物質が出来たばかりの頃と比べて、放出する放射線量が半分になるまでの時間」ってだけ。放射線が出なくなるわけじゃないのよね。で、こちらのサイト様からグラフをお借りすると、こう↓なるわけだ。めんどくさそうな記述は無視して、グラフの曲線だけに注目してね。

半減期のグラフ

横軸が時間、縦軸が放射線の放出量なんだけど、時間が経つにつれて、グラフの線が寝そべってくるわけだ。てことで、放射線量が半分になるまである程度待ったとして、そこからもっと減っていくのを期待すると、やたら長いこと待たなきゃなんなくなるわけよ。

具体的には、昨日お見せした新聞記事に出てきた「ネプツニウム237」の半減期は240万年。これ、ネプツニウム237が安全になるまでの時間じゃなく、あくまでも原子炉内でこの物質が出来てから、この物質が発する放射線量が半分になるまでの時間。これが4分の1に、10分の1にするとなると、半減期のさらに2倍、5倍なんつう長い長い時間が必要になるわけ。

何千万年、場合によっては何億年とか。いやもうそのくらいの時間が経てば、今までの流れから行って、地球全体の環境は勝手に大激変してますですよ。植物が進化して地球的に植生が変われば、大気の組成が変わって気候が変わる。大陸は移動し続けて地形も変わる。それに巨大隕石が少なくとも1個は落ちるなこりゃ。そんな環境でも放射性廃棄物を安全に保管できるんかね。って記事をあらためて読み直してみたら、

「消滅処理ができれば、厳格な隔離が必要な期間を廃棄物容器の耐久期間とされる千年以下に短縮でき、……」

( ̄- ̄c) → (  ̄o ̄)っ☆彡 オイ! 今進められてる地層処分の技術って、最後まで面倒見る気さらさらナッシングだな。廃棄物容器の耐久期間たった1000年かよ。全然足りねぇ。たぶんその時代までなら、現生人類は何の進化もせずにそのままの姿で生きてると思うぞ(古代文明発祥以来5000年くらい経ってるけど、その程度の時間じゃ人類の生物学的な進化はほぼ全くなかったらしいんで)。文明も保ったままかもしんない。

そんな近い将来の人たちに大迷惑かけるのが目に見えてるのに、消滅処理できないガラス固化体作りまくって地層処分やんのか? なんか話を進めてる人たち、「その頃は自分は生きてないからダイジョブ」って無責任に考えてるみたいに感じられてしょうがないんだが。

んでまぁこんなこと書いててもさ、今の日本で文明生活してる以上、使ってる電気の3割が原発由来なんだよな。じゃぶ漬けですなぁ。人類の未来の子孫たちに申し訳ない気持ちで一杯ですよ。ってことで、地球と人類のよりまともな将来のために、放射性物質の寿命を劇的に短くする「消滅炉」っつう技術の紹介をさせていただきましたですよ。と自分だけ責任逃れした気分になってみるテスト。

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