ひとりごちるゆんず 2008年12月
銘板
2008.12.1 月曜
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低テンション師走の初日

このサイトを立ち上げてから9年か。9月30日が9周年だったことをつい数日前まで忘れてたほど、細く長く、テンション低く運営しとります。

でさ、昨日のログはいったんアップした後確認したら文章が半分も見えてなくて。いや別に焦らんのよ。よくあることなんで。どうせ a タグか span タグの属性で、閉じるダブルクオーテーションが抜けてたんでしょ(" ←これのこと)。ああやっぱし。

もうね、これね、むかしむかーしからやらかしまくってんのよ。敵の手の内なんか知り尽くしてんのよ。それでもこの間違いがなくなんないあたりに執念のような何かを感じるんだけどさ、やっぱあれかね、いまだに手作りってところに根本的な問題があるのかねぇ。

そういや一番最初は、Macintosh Performa 6410 に付いてきたサイト作成ソフト(Adobe PageMill だったかな)に頼ってたっけなぁ。同時に HTML の書き方も学んで、そのソフトで大まかに作ってから、テキストエディタで開いて手で修正してたっけ。なんかそれ2001年頃まで続けてたような気がする。

そんで何かの機会にバージョンアップ版が手に入ったんで使ってみたら、いろいろと勝手が違っててさ。新しいやつは HTML 4.01 準拠だったのね。それまでの HTML 4.0 規格とはかなり体裁が違っててさ、「勝手に変えんなやバカァ〜」と頭に来たのよ。せっかく学んだことがパァになったってことで。いやまぁ基礎知識は流用できたから、完全にパァってわけじゃなかったけど、それでも許せんかったなぁ。途中であんなに路線変更するくらいなら、はじめからどうにかしとけよなぁまったくよ〜。

そんでそのソフトを使うのを完全にやめて、意地を張って旧規格のまんまサイトを続けてて、けどそれじゃ将来性がないからってんで、遅ればせながら HTML 4.01 を学んで、このサイトを少しずつ直していったんだわ。けどそのとき既に時代は XHTML になってて、またしても覚え直しを強いられるようになってたりして。でもう完全にキレちまって、いまだに XHTML は分からんまんま。HTML 4.01 も使いこなせてないんで、HTML 4.01 Transitional っつう何でもありなラクチン仕様に日和ってたりして。とりあえずこの日記だけはまともな 4.01 にしてはいるけどさ。

そんで、昨今の HTML 書類作成事情はどうなっておるのかねとか、ふと考えたのよね。書式が HTML 4.0 → HTML 4.01 → XHTML と移り変わるごとにどんどんめんどくさくなって、初心者には敷居が高くなっていったのよ。うちのサイトが始まった90年代後半のサイト作り、HTML 手書きで自作するのが一般的だったよ。作成ソフトはあったけど完成度が低くてさ。おいらが使ってたソフト上で、作っては修正して、を繰り返していくと、ソースコードが無意味なタグで埋め尽くされていく上に、改行がデタラメでやたら読みにくかった。それでもまともに表示されはしたんだけど、ネット上の他の方々が Word で作られた HTML 書類なんか、ソースが変ならブラウザ表示まで異常だったもんな。Word の HTML 機能、あれは終わってたなぁw

っつうか Windows で手作りしたサイトって英数字が全角と半角が混じってたりしてな。あれって Mac で見るとマヌケでなぁ。このカッコ悪さになんで気付かないんだろ、と思ってたら、Windows 上で見るとほんとに区別付かないんだもんな。マイクロソフト日本法人が偏愛した「MS Pゴシック」っつうフォントがすべて悪かったんだけどさ。

そうかー、当時はさ、おいら、「フォント」っつう言葉に反感を覚えてたわ。「書体」とゆー表現がとっくにあるのに、日本語表記をウンヌンするのになんでまた今さら「フォント」なんつう横文字に言い換えなきゃなんないのか、と。ワープロ世代なもんだから。これで悪いのはマイクロソフトよりもむしろ Apple。90年代前半から、Mac でそう表現してやがった。Mac はそこらへんが西洋かぶれっぽくてな(西洋のものだけどさ)。「ペースト」っていまだに馴染めんわ。今じゃもっぱらキーボードショートカットを使ってるから、「ペースト」の文字を目にすることもなくなったけどさ。マイクロソフトはその点は空気を読んで、「貼り付け」としましたな。これはいい判断だったと思う。「フォント」はどっちもいただけないけど。けどもう慣れちゃったよ。単語「フォント」に。いかんのになぁ。

んでまぁ最近の諸々のサイトを見るに、英数で全角と半角が混じったのってとんと見かけなくなりましたな。というかどこも明らかにプロが作った凝り凝りのサイトばっかしになったね。素人勢力はいったいどうしてしまったんだろ。下手でもいいから自力でサイトを作る人、いなくなってしまったんだろか。結局これは、W3C が HTML 書類の見栄えや機能を改善することばっか優先して、規格のバージョンアップごとに下位互換性を無視し続けた代償なんじゃないかと。

今生き残ってる HTML 作成ソフトつったら Dreamweaver くらいなもんみたいだし。あれってプロ用なんだよね。サイト作りの素人が気軽に手を出せるもんじゃない。去年、ウェブデザイナーの試験を受けに行った会社で初めて触ったんだけど、事前にある程度の HTML の知識がないと、とても使えるようなもんじゃなかったぞ。となると、やっぱし敷居が高くなってしまったのよね。しかもその高い敷居をまたいだ後も急勾配が続く、と。長年やってるはずのおいらだって、こんな半端なのしか作れてないわけで。

ま〜しかし、長年やってんのにいまだにダブルクオーテーションの入れ忘れやらかしてるくらいだから、HTML フル手書きってのも能率悪いのよね。一応テキストエディタ mi はタグの色付けくらいはしてはくれるけど、それ以上はしてくれないわけで。テキストエディタだからな。文句を言うのもお門違いなんだけどさ。けど作成ソフトみたいなのも、ソース書きの流儀がおいらとソフトで違うって点でどうも乗り気になれんし。結局は Dreamweaver みたいな、出しゃばんないけど気の効いた半自動ソフトがいいのかもしらんなぁ。いくらするんだろ。

……、

……、

……。

お、Amazon でディスカウントしてる

……、

……、

……。

無理! orz

この9年間で、ウェブサイト作りはほんと敷居が高くなったなぁ。けど、上を見れば限りなく高まってしまったってのが真相か。HTML 4.01 Transitional 規格なら 4.0 でも 4.01 でも、どっちの技を使ってもオッケーだからな。プロになるなら XHTML まで考えなきゃいかんけど、アマチュアでいいんならそのくらいで充分やれるわ。

てことで、自力で HTML 組んでサイト作りをするってのは、まだまだやれますぞ。それでまず経験を積んで、ゆくゆくはプロレベルを目指すのもアリだろうし。根性に自信あるなら、いきなり XHTML を学ぶってのも効率よさそう。おいらはまぁしばらくこのまんまでいいわ。勉強めんどいからw

銘板
2008.12.2 火曜
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グダグダ師走の2日目

あれ? このサイト作りに使ってるテキストエディタの "mi" の XHTML モードを試したら、ダブルクオーテーションでくくった部分を色分けしてくれてる。おおこれっすよこれ。今までずっと使ってた HTML モードじゃやってくれなかった、この機能が欲しかった。このモードのセット、比較的最近出たやつだから気が付かなくて、ついこの前『楔形文字ワープロ』を JavaScript で作るのにダウンロードしたモードセットのひとつだったわ。よぉーし、しばらくはこいつでやってみよっと。ダブルクオーテーションの閉じ忘れ対策にすごく効きそう。

昨日の話の続き。HTML 昔話的ヨタ話。

90年代の日本のネットって、通信料金が従量制だったじゃないの。あれがサイトの構造に与えた影響ってのもあったのよ。当時の通信状況はどんなんだったかっつうと、電話回線にモデムつないで、基本3分10円で。NTT のエリアプラスっつうサービスを使うと、特定の電話番号にかけるなら、月100円の支払いで3分8.5円になるってんで加入したっけ。あとテレホーダイに加入すると、月額1,800円で午後11時から朝8時までつなぎ放題でさ、おいらは昼間の仕事だったんでそれは次の日に堪えるってことでやらなかったけど、かなり人気があったよね。その時間帯はテレホタイムね。

まー、1日は24時間と決まってるんで、ずーっとつなぎっぱなしにしてもある金額以上には行かないんだけどさ、それでも今計算してみたら、一番安い組み合わせ(アナログ回線 + エリアプラス + テレホーダイ1800)で30日間で税込み82,315円。今に比べるとベラボーですな。最大 56kbps と聞くとなおさら。

てことでみんなもう忘れたかもしんないけど、あの頃は回線をちまちま切ってたよね。モデムのドライバソフトの設定にも、「○分以上通信がない時は回線を自動で切る」って項目があったりして。しかも通信速度が遅いもんだから、重いサイトは嫌われたもんさ。重いってのはどうゆーのかっつうと、

ほんと、容量が無駄にでかい画像があるページに当たるとイライラしてなぁ。しかもそれがどうでもいい背景画像でしたなんてときはもう……。おいら 11.4kbps モデムでネットにつないだことあるよ。いやもうほんと、重いサイトをあれほど憎んだことはなかったす。ま〜でもブラウザの性質として、文字を先に表示するようになってたから、文面を読みながら画像表示を待つことができたのはありがたかったな。

だからこそ、画像を表示し終えた時点で初めてレイアウトが決まるページは、ブラウザでの表示中に文章の位置がどんどん変わるんで「閲覧者への気遣いが足りない」とされてたりして(そういや昔は "browse" の直訳の「閲覧する」なんて堅苦しい言葉を使ってたなぁ)。img タグの width 属性と height 属性はちゃんと書きましょうね、という話でして。

てことで、当時 HTML を学んでからずっとタラタラやってる人ってのは、常時接続ブロードバンド環境(この言葉もめっきり懐かしいものになり申した)が普及した今でもなお、軽いサイト(簡単なサイト)作りを無意識に心がけちゃうのよね。だから構成に凝ることにあんまし関心がないのよね。JPEG 画像の画質が低くても、ページ全体の見栄えが悪くても、「軽さは正義!」 なノリで。だから、今どきな凝り凝りの格好優先のサイトにはいささか反感を覚えたりもするのよね。

で、ご理解いただけましたでしょうか。おいらが長いことサイト運営してるのに HTML の腕がない言い訳をw

銘板左端銘板銘板右端

あと、当時おいらは知らなかったけど、テレホーダイユーザ向けに便利なフリーウェアがあったらしいよ。テレホはネットに接続したまんま朝8時を1秒でも過ぎると、従量課金制になっちまう。けどテレホを出来るだけ有効に使いたい。ってんで、時間ギリギリに電話接続を自動で強制解除するやつ。その名も「8時だョ全員切断」w

ネーミングうますぎwww

銘板
2008.12.3 水曜
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混雑時報

この頃、ニコニコ動画で「混雑中です」って出るときが多くなったなぁ。特に検索かけたときにそうなるなぁ。うまくつなげても、読み込みが異様に遅かったり。運営が何かをいじったんだろうなぁきっと。早くどうにかしていただきたいものですな。

けど、混雑中でも時報だけはちゃんと来るのがいささか腹立たしいw

銘板
2008.12.4 木曜
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『デス・レース』

【ほぼ全部罵倒です。この映画のファンの方は読まない方がいいです】

つまんなかったよ『デス・レース』。製作者の野心を微塵にも感じさせない、通り一遍なプログラムピクチュアでしたよ。久しぶりに上映途中で帰りたくなった。観る前は話題作かと思ってたんだけど、今よく考えたら、書き入れ時の冬休み前に公開が終わる予定だからな。試写を見て、国内配給元の東宝東和もあんまし期待しなかったってことだったんじゃないかと。

けど、そうゆーのにもたまにすごいのが入ったりするからなぁ。作品的には素晴らしいのに、製作会社の力関係で書き入れ時に入れてもらえなかった、みたいな。古い話だけど、おいらが愛してやまない『ロボコップ』(1987) は、「お正月第2弾」っつうものすごく中途半端な時期の封切り公開だったわ。けど『デス・レース』は純粋にハズレ。

端的に言えば、マリオカート実写版。カーレース中にクルマに装備したドッキリメカで、オイル撒いたり飛び道具で攻撃したり。今時そんなのやられてもなぁ。本物のマリオカートの方が、自分でプレイするぶんだけ楽しいわ。ていうかカーレースになってないし。あと、見るに耐えない残虐場面がいろいろあったりしてな。

男性観客の目を楽しませるためだけの薄っぺらなヒロインとかも(登場人物全員が薄っぺらいけど)。まぁその目的を充分に果たす、確かに立派な見栄えの女優さんではあったな。ていうかナイスバディ美人なら何でもいい感じだったよ。今調べたら、ヒロイン役は駆け出しの新人女優ですな。なるほどやっぱしその線か。けどそれでも、日本のアイドルよりはるかに演技力があるんだよな〜。この地力の差、どうにかなんないもんかね。

この映画、プロデューサーがエログロだけでウケを取ろうとしてるのが丸分かり。このプロデューサーの態度が、劇中の刑務所長(デス・レースの主催者。ペイ TV で世界中に放送して莫大な利益を上げてて、本来の職務の刑務所運営よりも金儲けの方が目的になってしまった人)と全くおんなじなのが、手に取るように分かってしまったよ。

けどプロデューサー、自分の下劣さが自作の劇中の刑務所長と同じだとは微塵にも思ってないらしい。刑務所長は悪役としてお約束通りに主役の逆襲に歯ぎしりさせられた挙げ句、最後に報いを受けるわけです。けど、所長は報いを受けたけども『デス・レース』興行は大人気を維持してた。もう映画製作陣の「大衆にはこうゆーのがウケるんですよ」っつう勘違いが聞こえてきそう。プロデューサー、観客をナメた罰としてお前が制裁を受けろよ。ちなみにおいらが観た時は客入りが2人 (ゆんず含む)。映画の興行、ヤバくないか? このプロデューサー、映画業界で「干される」という制裁を受けるかも。

ヴィジュアル面だと、色調がおいら好みだったのは良かった。ハリウッド映画伝統の、低彩度・高コントラストな霜降りセッティング。んー、これは美しい。最近流行りの、ジェイムズ・キャメロンの形だけを真似した、別に美しくもない青っぽい色調にイヤ気がさしてきたとこだし(キャメロンの青はいい)。けどモノトーン風を強調したかったのか、レースのコースもマシンのボディも色彩に乏しくてな。あれをテレビ中継して高視聴率ってのはないんじゃないかと。

っつうか、そんな人気番組だったらスポンサー付くでしょ普通。殺伐とした雰囲気作りなら、悪趣味でどぎつい看板をコース脇にぎっしり並べてもできそうなもんだが。そこらのイマジネーションもちと足りんかったですな。けどやっぱ、フィルム上でのあの色彩設計は好きよ。そういえば北野武の "BROTHER" (2000) はそんなわけで、日本パートとアメリカパートで色彩設計が全然違ってたなぁw

大きなイベントでの企業広告と言えば、1984年のロサンジェルス大会以来だと思うけど、オリンピック中継は企業や商品の広告に埋め尽くされるようになったよね。あれで感じるのは、広告の看板って1品1品はデザイナーが設計してるんで綺麗だけど、そうゆーのが無節操にいっぱい並んでるロングショットはすごく醜いのな。それぞれが好き勝手に、隣に負けまいと必死に自己主張してる有様が、ぶっちゃけグロい。まぁコラージュ系の現代アートっぽいっちゃそうだけど。

この秋に初めて『東京オリンピック』(1965) を観たら、当時のオリンピックは徹底的なアマチュアリズムの時代だったらしく、そんな看板もなけりゃ選手のユニフォームや水着もものすごく地味。その牧歌的な雰囲気が新鮮だったよ。ドーピングしてまで金メダルを欲しがるって雰囲気じゃなかった。選手それぞれは今と同じようにプレッシャーを感じてるみたいだったけど、今のオリンピック選手は、それぞれひとつのプロジェクトチームの部品だからなぁ。東京オリンピックの当時は、選手が選手そのものでいられた、いい時代だったと言うか。

商業化(選手や運営のプロ化)って、物事をとんでもなくエスカレートさせるんだね。それが技術の洗練だけならいいことなんだけど、誰も望んでない変な方向への先鋭化が進んだりするからねぇ。で、黒字を取れなくなったらさっさとやめてしまうし。オリンピックや FIFA ワールドカップもいずれ、「人気のため」と『デス・レース』みたいに変テコな方向に進んだ挙げ句、「視聴者に飽きられた」なんて理由で自分たちの間違いをごまかす無責任な主催者に、ポイと捨てられるんじゃないだろか。

『デス・レース』の内容に話を戻すっす。メインのレースの様子もどうもね。アメリカのカーチェイスものにやたらありがちな、横並びでのぶつけ合いの応酬。ツマンネ。そういや『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(2006) も、華麗でワイルドなドリフトテクニックをひたすら魅せつける映画のはずが、やっぱしクライマックスで同じ展開で興醒めだったっけ。ていうか "TOKYO DRIFT" なのに、クライマックスが山奥の峠道だったりしてな。一応中盤で、東京の街なかでのドリフト場面はあったけどさ。

ハリウッドチェイスの横並びでのクルマのぶつけ合いがなんでつまんないかっつうと、それがただの時間潰しやにぎやかしでしかないから。その行為が後の展開のための伏線になったりとか、その前にいろいろあった結果そうせざるを得なくなったというのじゃないのな。不要なのよ。どうでもいいのよ。なんかこう、それで何か起こっちゃいけないみたいな不文律があるのかもしんない。

この場面はいろんなハリウッドアクションに出てくるけど、ほんと必ずと言っていいほど、ストーリーに全く絡まずに終わるのよね(展開に絡むときもごく稀にはある)。日本映画のカーチェイスが、観客にとっくに飽きられてるカウンターステアを必ずやんなきゃ気が済まないのと同じだね。それが分かっちゃってるから、いざ始まっちゃうと「はいはい早く済ませてね」と瞳孔収縮しまくり。

今年観た『最高の人生の見つけ方』でも、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが楽しそうにぶつけあってた(あの映画、ピラミッドの頂上の場面が合成なのが分かっちまって、一気に醒めたなぁ)。アメリカ人にとってこのアクションは、「父親と息子はキャッチボールしなきゃイカン」みたいに、カーアクション場面に絶対必要なお約束なんだってことなのかねぇ。あと「正義の味方は綺麗に並んだ歯が白く輝いてなきゃイカン」とかさ。結局そんな退屈なローカルルールに、観客はいつもいつもだらだら付き合わされてる、と。

それから、最近のアクション映画って、見せ場で無闇にカメラをガクガク揺らすよなぁ。あれ見づらいからもうやめてほしい。昔に戻してくれ。たぶんドキュメンタリー映画やニュース映像っぽい臨場感狙いなんだろうけど、劇場の大画面で観ると車酔いしそうになるんだよ。それにさ、映画のコマ速度って秒速たったの24コマだから、激しい動きを表現し切れないのよね。それなのに無理矢理フレーム全体を揺らしまくるもんだから、何やってんだかさっぱり分かんなくてな。

おいらがこの演出を初めて観たのは『ダイ・ハード3』(1995)。あれはあれでよかった。1カットだけで邪魔に感じなかったし、ドンピシャな使い方だったし、本当にドキュメンタリーっぽかったから、かえってその効果の斬新さに随喜のヨロコビを感じましたですよ。で、それが現在大流行中の、しつこいだけのカメラ揺らしに繋がったんじゃないかと思う。実際、見慣れるとドキュメンタリーの手ブレとは全然違って、わざと揺らしてるようにしか見えないし。誰かハリウッドに伝えてくれ。「それ飽きたから即刻やめろ」と。

結局これは、映像の表現力に自信がないのをごまかしてる、と捉えとるよ。このまえ久々に観たジョン・ウー作品『レッド・クリフ Part 1』でもこれ見よがしにやられた日にゃ、ほんとにがっかりだった。アクション演出の現人神ジョン・ウーでさえも逆らえない流れってことか。だったら『デス・レース』の製作陣ごときに逆らえってのも無理な話か。

この映画を作った人たちの姿勢は、「これは表現者による『作品』では決してなく、製造規格の遵守を第一とした単なる『製品』です」じゃないのかな。そう考えないと、おいらはこの陳腐さを理解できん。何をそんなに恐れてるんだろ。いい子ぶりは模範的な配役にも現れてる。主要な登場人物にはヨーロッパ系、アフリカ系、東洋系を安全に配置しとりましたな。うんうん政治的に正しいね。自分は言い付けをよく守るいい子なんだって言いたいんだね。分かるよ。ついでに、これまたハリウッドに脈々と受け継がれる、あのしきたりにも従順でな。題して「東洋人は死ねばいいのに」。ま、今回の東洋人役はある程度持った方かな(醒)

作品自体が1975年公開の『デス・レース2000』のリメイクだそうでさ、リメイク流行りのハリウッドの現状そのまんまなわけですよ。しかも、自分なりの表現を練るよりも、ありきたりであろうと腐心する、そんな臆病者な映画でしたよ。これが今のハリウッド娯楽の実力だとすると、ほんと寂しい。

新しい何かを作る能力を失ったかつての「映画の都」に、おいらをコーフンさせるすっげえアクション映画なんて、もう二度と作れないんじゃないだろか。80年代はルーカス、スピルバーグを筆頭に、ハリウッドの娯楽映画は自信に満ち溢れてた。次々と出るとんでもなく面白い作品に世界が喝采を送ってた。対して日本映画は自信の喪失から何も新しいことが出来なくて、超つまんない映画ばかり作ってますます信用をなくしてた。これからのハリウッド、当時の負け犬な日本映画みたいになりそうな気がすごくする。カネと信用がまだあるうちにどうにかした方がいいような……。

銘板左端銘板銘板右端

勧善懲悪ものなのにイマイチすっきりしないのは、主人公が自分の手で悪の親玉にとどめを刺せなかったことから来てる気がする。「あいつを倒せなくて悔しいな」なんて言うなや主人公。『ファイナルファンタジー』(2001) でも同じ感じがしたな。あの時は善玉が完全に他力本願で、悪玉が自分の間抜けで勝手に自滅したんだったっけ。いやあの、善玉と悪玉がいて悪玉が滅ぶ映画なら、善が悪を倒した話にしようよ。「風が吹けば桶屋が儲かる」的なご都合話でいいからさ。それ以外にも『ファイナル……』は品質面で映画以前でしたな。編集のノロマさ加減とか、棒読み気味な声優とか。それに比べたら、『デス・レース』の方が映画の形式だけは真面目に踏んでたぶんだけ薄皮一枚くらい上か。どっちもクズなのには変わりないか。

銘板
2008.12.5 金曜
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『アキレスと亀』

北野映画が復活した感じ。『アキレスと亀』を観てきたよ。『TAKESHIS'』(2005)『監督・ばんざい』(2007)はどう考えてもスランプの産物でしかなかったよね。まぁ『TAKESHIS'』の方はまだ古めの北野ファンならどうにか楽しめる内容だったけど、『監督・ばんざい』の方はねぇ、申し訳ないけど付いていけなかったわ。『座頭市』(2003)で周りに頼まれて娯楽映画を作って、ついに念願の黒字を出したそうなんだけど、望まないことをやって成功してしまったってのがストレスになってたのかもね。

で、『アキレスと亀』。北野節が久々に唸りを上げてましたですな。正直、タイトルに使われてる数学のパラドックスはストーリーとうまく繋がってないし、主人公「真知寿(まちす)」の幼少期のエピソードは冗長で退屈なんだけど、青年期で面白くなってきて、グダグダな壮年期に入るともうフルスロットルですな。ビートたけし樋口可南子タッグの暴走が止まんないw

真知寿は年代に合わせて3人の役者がやってて、それぞれ全然似てないんだけどw 境遇を引き継いでるからまぁあんまし違和感なかったかな。かつて『おしん』の小林綾子→田中裕子→音羽信子のバトンタッチで慣らされたってのがあるかも。

話の筋としておもしろいなーってのが、子供の頃になんだかアヤシゲな画家に褒められたことで画家を志して、その息子のこれまたいい加減な画商と付き合うことで、真知寿の人生と作風がどんどんダメダメになっていくって展開。誰が悪いのかって考えると、流されっぱなしな真知寿本人が一番悪いかな。本人と奥さんが一途に筋を通してるつもりでいるってのが、もう救いようがないわけで。

北野っぽさでは、登場人物がつまんない理由で次々と死んでいくってあたりかな。頭のいい人たちは、逆境にぶち当たると簡単に自分を諦めちゃう。そうじゃない人たちは思いもかけずに突然の死。なんか北野作品を観てると、自殺も選択肢かなぁってなんとなく思っちゃうのがコワイ。で、ふと突然死を迎える登場人物が羨ましく思えてしまったり。

あと、女優が生きてたってのは新しい要素かも。樋口可南子、超よかったよ。聞くところだと北野の演技陣への演出は、その場面の撮影当日にいきなり段取りのメモを渡して、アドリブ的にやってもらうらしい。てことで北野映画に出る役者さんたちは、どんな名優でも荒削りな芝居をすることが多いんだけど、今回の樋口は違った。何なんだあの演技の輝きは。「それであたしはいつ寝ればいいのよ」なんて、ときどき正気に返って愚痴をこぼすけど、真知寿とゲージュツを始めるとスイッチ入っちゃって……w

特に風呂場の場面が出色でしたな。普通に考えると、そうゆー演技って一生懸命さを表すのに腐心しちゃって、その結果、現実感が乏しいというかこれ見よがしというかのウザい演技になりそうなもんなのに、樋口が演じた「幸子」ってほんとフツーっぽいんだもん。ああいう趣きの人、現実の世の中で絶対に普通にいるよ。

この映画について他の観た人の感想を聞いたら、どうも独特の反社会性が受け入れられなかったってのがあったな。交通事故現場をコミカルに演出した悪趣味さとか、自分の娘が売春した金を無心して、それをヤクザに踏んだくられたりとか、まぁ現実でそんな目にあったらもう生きていくのも嫌になるわけで、そこらが観客の不興を買ってるんじゃないかと。けどもうちょっと考えを進めると、それでも真知寿は自分の道からぶれずに生きていくわけですよ(流されてはいるけど。他の道が見えてないだけだけど)。この前向きさ、「死にたい」一色だった『座頭市』前までの北野映画にはなかった流れなんじゃないかと。結末もハードボイルド色がなくなって、かなり後味が良くなったしね。

大体、北野でもビートでも、たけしに社会性を求めるってのが無理なわけでして。その才能を比較的「正しい」方向に向けさせて興行的に成功した『座頭市』の後に、監督北野の調子がおかしくなったわけでして。彼は大衆観客のニーズに応える「製品」なんか作れんてことよ。なんか噂で、北野映画は実は全部ゴーストディレクターが撮ってるとか聞いたことがあるけど、ここらへんの浮き沈みを振り返ると、それは噂でしかないような。

もしかしてこれ、半自伝的映画なのかな。グダグダになり切ってるのにまだ絵画に執着する真知寿は、映画人として自分の中で迷子になってた北野自身なのかも。真知寿との違いは、北野は既に世界的な名声を得てるってこと。それでも周囲からの黒字へのプレッシャーが緩むことがないわけで。それが監督を狂気に駆り立ててるんじゃないかと。

しかしさ、別に黒字じゃなくてもいいんじゃないかと思うよ。オフィス北野内部での、芸能商品としてのたけしに関するカネの流れって、ビートたけしで稼いで北野武で使うって感じなんじゃないかと。たけし自身が映画だけでやっていくつもりなら『北野武』の黒字化は火急の問題だろうけど、今で充分やっていけてるんだから、何も気にすることはなさそうだけど。

ていうか、オフィス北野の営業が悪いんじゃないのか。映画の興行的成功/失敗って、作品的成功/失敗とは違うのよね。作品的評価は大体、公開中盤以降か公開終了後に決まるもの。それなのに、世の中じゃ封切り前から話題の超大作ってのがいつも存在する。まだほとんど誰も観てないのに、みんなが「面白そう」と判断してワクワクする。これって映画の内容以前に、営業チームによる前宣伝戦略の成せる技なんですよ。それ以外にないでしょ。

これで恐いのは、前評判が臨界点を超えちゃうと、封切り公開が始まってからも「この映画つまんねぇ」と言いにくい雰囲気になっちゃうってこと。もう大衆の評価は、宣伝で公開前から決まっちゃってるんですよ。この戦略を利用し切った例が『いつかギラギラする日』(1992)。あれにはほんと掴まされたわー。けど宣伝で催眠術かけられたもんだから、観終わっても「面白かったよ。いやあれ? 面白くなかったはずがない。面白かったに決まってる」と自分を騙してる自分に気付いたりして。落ち着いてからもっぺん観たら、古臭いだけのダメ映画だった、と。

オフィス北野も、そんなに北野映画で黒字が欲しければ、電通にでもカネぶち込んでこの営業戦略をやればいいと思うんだけど、なんでやんないんだろ。どんな映画だって、できる営業が付けば黒字になんて簡単に出来ちゃうでしょ。電通の力技がすごかったのは『もののけ姫』(1997)だったね。かの「失われた10年」まっただ中の日本市場で興行収入200億を叩き出した。この結果は映画の内容を考えるとおかしい。作品テイストは基本的に暗くて地味でスプラッタもあり。そのうえ観念的で難解。商品としての力なんてむしろ弱い方だったのに(ナウシカやラピュタ、ハウルの方が見栄え的に売りやすそうだしな)、電通様の力魔法が不可能を可能にしたんですな。特に、あんな大人向けな内容なのに、宮崎アニメなんだから子供客を大量動員しようっつう現状を無視した無茶。その無茶を最後まで押し通してしまった強引さ。そしてそのまま大成功。もう電通様にはかないませんです。

あとさ、ハリウッド製の駄作が毎回確実に世界中で評判になって何十億も稼いでるってのもおかしい。あれも前評判命の宣伝戦略の仕業なんだよね。確かに資金を有効に使ったゴージャスな見栄えはいい。演技のレベルも高い。ハリウッド製っつう信頼感もある。けど、特に最近は設定とストーリーと演出にマンネリ感が漂ってますな。危ない橋は絶対に渡らない。確実に稼げる道が出来上がってるから、変な気を起こさずにそれで稼いでいきましょうって感じ。飽きてしまった客としては勘弁してほしいわけで。けど世界中で売れてる。まぁマンネリを「安心感」として買う層も確実にあるだろうから、そこに訴求してるのかもしれんね。

で、北野映画を売りまくるにはどっちがいいか。電通式かハリウッド式か。どっちも対象作品のブランド力を足がかりにしてるけど、北野はもうブランドとしていけるでしょ。そしたらここは、どんな作風でもオッケーな電通式ですな。ハリウッド式はフォーマットに乗っ取った「製品」としての映画しか売れないからね。あと、北野映画は「知名度は高いけどマニアック」っつう定評がありますな。この「マニアック」と思われてることが一般客を遠ざける要員になってるかと。作風に馴染めない人たちも確かにいるけど、食わず嫌いの人たちもまた多いはず。とにかく一見さんとして観てもらって、観客それぞれに自分の感覚で決めてもらいたいわけです。うまく反りが合った観客は、おいらみたいに北野映画のリピーターになる。そんな人を増やして行こう、ということで、やっぱし一見さん候補に訴えかける宣伝戦略ってのは大きいわけですよ。

オフィス北野の営業の人たち、何でも出来る看板スターに心労かけてばっかいないで、自分たちで何でもやって北野映画を売りまくれよ。『アキレスと亀』なんか『座頭市』の次に売りやすい出来映えじゃないですか。

ただまぁどんな場合でも、マニアックなファンってうるさ方が多くなりがちなのよね。そういう連中が新人ファンの皆さんを追っ払ってるんじゃないかって気もする。とりあえず黒澤ファンってそんな感じの人たちがけっこういて、正直なとこやかましくてたまらんから距離を置くことにしてる。

銘板
2008.12.6 土曜
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楔形文字のアレの経過 1

楔形文字ワープロ、完成完成言いながら、いまだにいろいろいじっとります。確かめてるうちに不具合が見つかったり、もう少し完成度を上げようとか考えたり、そうしていじってるうちに不具合を誘発してしまったりとか。

けどまぁ、完成度が着実に上がってるわけですよ。大まかな機能はもう固定なんだけど、ちょっとエッジな部分に凝ってる最中でして。完全完成まであとちょっと(と11月から言ってたりする)。

銘板
2008.12.7 日曜
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楔形文字のアレの経過 2 - 今度こそ完成編

とりあえず、タイトルを変えることにしましたよ。今までの『身代わり王ガルズ』はなんとなくタイトルとしてピンと来なかったんで、けっこう悩んだ挙げ句

『くりごはん』

に決定しました。いやこれもまたアレなんだけど、ともかくこれからはこれで行きますです。

元ネタは『雲の遺跡』っつう楽曲。yanagi 様という方が Vocaloid を使って作られた、おいらの脳内殿堂入りしてる名曲だす。そういやこの曲の修正版が出たのはちょうど去年の今頃になるのか。1年が過ぎるのは早いもんですなぁ。この曲、民族調なのよ。中近東っぽい感じで。リスナーの中ではファンタジー RPG 的な何かを感じられる方々もいらっしゃるみたいだけど、おいらはそこは疎いんで、古代の中近東、オリエント文明に思いを馳せたのよ。で、そのあたりで知ってるネタと言えば、漫画の『王家の紋章』と『天(そら)は赤い河のほとり』。……のみ。

それまではねぇ、マヤ文明にお熱だったのよね。なんでまた古代文明が好きなのかっつうと、大もとを辿ったら、幼少のみぎりに見た NHK アニメの『太陽の子エステバン』だったわ。あれはマヤじゃなくインカとナスカだったけどさ。他に、これまた NHK の人形劇『紅孔雀』もアステカ文明を題材に取ってたけど、こっちはあんまし影響なかったかな。けどエステバンはかなりキた。ドラマもまぁ良かったんだけど、番組の最後の『ドクトル順平の なるほど!百科』で現地ペルーの様子を実写で見せてくれてさ。マチュピチュとかの遺跡から現在の人々の暮らしぶりから何から。そんでもう。

で、そんな記憶はしばらくの間忘却の彼方。そこらの趣味が復活を遂げてしまったのが、マヤ文明紹介の超優良サイト、今は亡き "Rabbit in the Moon" by Mancy Mcnelly 博士。そういやさ、この12月8日でおいらのウェブ接続10周年だったわ。忘れてたけど。で、そのあたりに自室でネットにつなぎまくってたどり着いたのがこのサイト。「おいら的にはなんかマヤは違うんだよなー」とか思いつつも大ハマり。あれれ、でも確か "Rabbit in the Moon" に入り浸ってたのって、ゴールデンウィークに上野の科博にマヤ文明展を見に行った少し前だったから、早くても2002年頃か。時間的に隔たりがあるな。その前にもういっちょ、なんかきっかけがあったはず。

……、

……、

……。

あ、少年ジャンプの "ONE PIECE" だわ。1997年の第1話以来のファンですはい。ルフィ海賊団がグランドラインに入って間もなく、ロビンちゃんが話に絡んできますわな。そのままアラバスタ編に突入しますわな。で、ロビンちゃんが古代文書を解読する場面が出てくるんですよ。なんかもうここで「かっちょえ〜」と。で、その文字がなんとなくマヤ文字に似てた気がする。古代文明とその遺跡に敬意を払うロビンちゃんの姿勢に、また心動かされるものがあって。うん、まぁそんなノリで。

おいらの古代文明趣味って、ほとんど漫画とアニメの影響だったんだな。ちょっぴり自分でがっかりというか。まあいきさつはともかくとして、そうゆーのを好きになった人が一丁上がり。でもその愛を表現するはけ口がないまま、ただ漫然と、思い出したときだけ古代文明ネタを昆虫的自動制御で漁ってたのよね。

その間に『王家の紋章』『天は赤い河のほとり』をなんとなく読破(特に古代文明だからってわけじゃなく、昼メシで行きつけの喫茶店に、『いいひと。』とか『サラリーマン金太郎』とかと一緒に置いてあったってだけ)。そして去年の年末あたり、運命の刻を迎えた。

Vocaloid 音楽にハマってたけどなんでか意地張ってニコニコ動画に会員登録せず、YouTube でのみ楽しんでたあの当時。ようつべだと有志によるニコニコからの転載が多いから、作者情報やどれが流行ってるか、他作品とのつながり、みたいなのが見えないのよね。かなりの情報的辺境なわけで。そんな感じであてずっぽでボカロ音楽を聴いてて、あてずっぽで探り当てたのが『雲の遺跡』。これにハマった。そんでもうおいらの古代文明への興味は急転直下でオリエントに舵を切ることになった、と。てことで実は新参者ですはい。高校の世界史でオリエントを学んだ時分には、全くピンと来るものがなかったのになぁ〜。

この時点で、愛のはけ口は出口の方向くらいはぼんやりと探し当てた。けどまだどうしていいか分かんない。悶々としたまんま4月。仕事で使えそうな JavaScript プログラム開発を思いついて、しばらくそっちに没頭。ゴールデンウィークを潰して5月中旬に完成。大成功ってわけじゃなかったけど、お役所言葉でいえば「一定の成果は挙げた」感じ。6月。仕事用の別のツール開発を思いついて、こっちは仕事時間中に暇を見て開発。職場内にリリースした後もバージョンアップを繰り返して、安定版まで漕ぎ着けた。そのついでに、隣の作業グループの仕事に役立ちそうなのを30分くらいでささっと作ったら、けっこう重宝された。

どいつもこいつも発想も内容もすごく単純なんだけどさ、本当に作ってしまう人って意外といないみたいで。そんで妙な自信を付けたあたりにようやく閃きが訪れた。『あ、なんだか楔形文字を出すプログラムが作れそうな気がする』。

試しに考えてみたら、JavaScript だけで出来ちゃいそう。仕組みは1入力1出力だから、今までやったことある技だけでいけそう。よしやってみよう。古代文明への愛の悶々はついにはけ口を見つけて、そこに向かって流れを成すことになったっす。

して、確か6月末頃か7月の早いうちに、暇を見て盛岡のでっかい本屋にシケ込んだら、思った通りありましたですよ楔形文字で日本語を書く教本『楔形文字を書いてみよう読んでみよう』。ついでにそのシリーズの『マヤ文字を書いてみよう読んでみよう』も買ったけど、マヤ文字は構成が複雑すぎてプログラム化は断念。やっぱしってな感じで、楔形文字ワープロ作成への心を決めたおいらであった。

けど締切がないもんだからウダウダしてなかなか実作業に入れなくて、7月末頃にようやく着手。基本的な部分が2日くらいでできたらなんだかもう勝った気がして、もうあと1日くらい頑張ればすぐ出来るような気がしてまたウダウダ開始。気が付けばもう秋。

10月末頃に人づてで中古 iBook G4 を入手したらいきなりモチベーション上がって、楔形文字ワープロ開発再開。で、当然というかあと1日なんかじゃ全然なくて、11月末にようやく完成……したにはした。けど入り口ページの体裁がまったくなってなくてさ。ひらがな→楔形文字 の変換ルールを明記しなきゃいかんし。プログラムパートの方も改良点や機能追加したい点がまだまだある状態。んで、これ書いてるの12月14日なんだけど、さっきようやく「できたー」ってレベルのものができたよ。リンクしとくべ。記念にバージョンの数字を 1.0.0 にしてみた。

あと、新アッカド語には限定符っつう独特のルールがあって、その機能を追加したいとこなんだけど、おいらにとって新しい技術要素が必要なんで、まぁ追々、気が向いたらじりじりとやるってことでひとつ(←「やんない」と言ってるようなもんかw)。

銘板
2008.12.8 月曜
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楔形文字のアレの経過 3 - のど元を過ぎたあたり編

アルゴリズムの組み立て、今回も素人技だけで全部切り抜けちゃったなぁ。ていうかおいらフローチャート(長方形とか菱形とかを線でつないだシナリオみたいなやつ。論理の設計書ですな)を書けない人なのよね。プログラミングやるならまずフローチャートを作んなきゃいかん、といろんなプログラミング本に書いてはあるんだけど、どうしても途中でこんがらまっちまって。で、いつも出たとこ勝負でプログラムを書いちゃうのよね。

要は、フローチャートの出来映えが勝負を決めるほど複雑なもんじゃなかったってことで。工程の並びが直列だからね。入力系統が1つ、出力系統もまた1つってことで。面倒の元の条件分岐は各工程内で収まっちゃってるし。まぁ一気に何カ所も手を入れてしまって動かなくなって、バグの特定にめちゃめちゃ苦労したってのはいつも通りだったわ。これ、なるべく気をつけてるようにしてるけど、どうしてもそうしなきゃなんないときもあってなかなか大変だったりして。

プログラマーって脅威の高速キーボード打ちのイメージがあるよね。でも実は皆さんけっこう、すごくゆっくりポチッポチッと打っては止まり、悩んでは打ち、やっぱり消してやり直し、みたいな、新聞の詰め将棋問題を解いてるよーな、パッと見た目しょぼいよーな感じなんじゃないかなぁ。とりあえずおいらはそうだなー。まぁ考えながら打ってるからなかなか進まないんだけどさ。やっぱこれは、フローチャートをきっちり書けばサクサク打てるんですかねぇ。なかなかそうは思えないんすけどね。

主に iBook G4 を使って作ってさ、せっかくノート PC だからってんで、喫茶店に通って作業したんだわ。で、ポチポチやってはウームと悩むわけ。電力は内蔵バッテリーから。刻々とバッテリーがなくなっていくわけ。3時間くらい持つことは分かった。けどさ、CPU はあんまし稼動してないのよね。打つ手が遅いもんだから、CPU にとってはほとんどが待ち時間。それでも PC は電力を消費する。てことで、液晶画面のバックライトの消費電力って意外と馬鹿になんないんだなーとか。最近のノート PC のバックライトは蛍光管じゃなく、白色発光ダイオードなんだそうだ。これ、電気食わなそうだなぁ。蛍光管の半分くらいかもなぁ。いいなぁ。

銘板
2008.12.9 火曜
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その次の計画

楔形文字ワープロはとりあえずこれでひと区切り。で、次の計画が動き出すわけです。内容はまだヒミツw

今度は因縁の Java。JavaScript なんつう、ブラウザ上でしか動かない簡易なプログラム言語じゃなく(そういや Mac OS X のDashboard ウィジェットって JavaScript で作れるとか聞いたことあるけど、技術的においらの守備範囲外っぽい気がする)、コンパイルものの本格的なアプリケーションを作ろうかと思って(超単純なやつだけど)。で、おいらにできそうな手段が Java しかないってことで。

けど Java ってさ、数年前にバーコード作成プログラム "Barcodia" ってのを作っててさ、見事に途中で挫折してんのよね〜。しかもアプレットっつうブラウザ上で動くやつから開発を初めて、後に独立したアプリに育てようとしたら、アプレット段階で止まってしまった。飽きたっつうのが一番でかかったんだけど、技術的につまずいたような気もする。

ま〜ともかく、今度のは技術面でおいらとしてはけっこうな冒険になるんで、ちょいと身構えてる部分があったりして。仕組みはかなり単純になるはずだけど、Java アプリを今まで完成させたことがないし、具体的にどうやっていいか現状で分からんことも目白押し。しかも事前に実験用のアプリを作って状況を見て、行けそうだったらそれとは違う本番を作るっつうめんどくささ。

そう考えただけでもう自分で作ったプレッシャーに潰されそうっす。

けど『くりごはん』をやってて分かったことは、「モノ作りはある程度出来上がると勢いがつく」ってこと。そうなるまでの辛抱に耐えることが肝要ですな。

銘板
2008.12.10 水曜
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くりごはん - まだかよ

完成完成言いながら、まだちまちま手を加えとります『楔形文字ワープロ くりごはん』。

プログラムの部分、勘違いしてたとこがあってさ、使えるはずの楔形文字6個を死蔵させてたわ。で、何日かかけていろいろいじって、そこらも完全に行けるようにしたわ。こいつら「子音-母音-子音」の形でさ、ローマ字で書くと "bit", "mash", "nim", "shar", "shum", "tum" に当たるのよ。で、日本語の表現で使いようがないと思っとったら、小さい「っ」で使えるじゃないのさ。状況がかなり限定されてはいるけど、使えるときがないわけじゃないわ。

「びったーん(bit-ta-a-an)」とか「まっしぐら(mash-shi-gu-ra)」とか。この時点でいささか苦しいんだけどw 残りのやつらはもっと苦しい。「にっ +(マ行)」「しゃっ +(ラ行)」「しゅっ +(マ行)」「とぅっ +(マ行)」ってこんな繋がり、日本語だと普通ないだろ。けどカナ文字で表現できるものはすべてクサビーちゃんでだって準備いたしますですよ。難航を予想したけど、先に作ってたやつの応用でどうにかなったわ。

あとさ、"q" 絡みと "l(エル)" 絡みの楔形文字も画像を作って用意してあるんだけど、今の くりごはん は日本語表記のみに対応だから、出番がないのよね。アルファベット対応版を作ればいいんだけど、かなりめんどそうで。キーボード風のインターフェイスを考えてるんだけど、おいらの技術の壁があって、今はちょっとなーって感じ。

各楔形文字に対応するアルファベット表示のボタンがずらーっと何段かで並んでて(確か108個だったかな)、"nu" とか "tum" とか "al" とかをマウスで押していくんですな。打ち込んだ文字がリアルタイムで入力欄に並んでいって、変換ボタンを押すと楔形文字が出る、と。これなら用意したすべての楔形文字を使ってもらえる。変換のアルゴリズムも今の くりごはん に比べると超簡単。けど、入力をリアルタイムで画面に出す JavaScript、今のおいらの腕じゃ無理。今までの経験から言って、習得には多大な時間と労力が必要そう。

てことで、ここはひとつ逃げさせていただこうかと。

銘板
2008.12.11 木曜
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くりごはん - 合字で Go!

でっち上げは、ときには必要だと思う(いきなり言い訳)。

楔形文字、2つほどでっち上げますた。ひとつはねぇ、「ゆ」なんですよ。普通の楔形文字の用法だと、「ぴ」「や」「ゆ」「わ」が同じ字なんですよ。区別が付かないんですよ。「や」は他に「い」と「あ」を合わせて作った「や」があるからそれを採用することにしたけど、おいらのハンドルネーム「ゆんず」じゃないですか。これが「ぴんず」とか「わんず」とか読まれるのがイヤで、「い」+「う」で「ゆ」の専用文字を捏造した話は前に書いたですな(2008.11.23)。

でさ、他の何人かに使ってもらったらさ、大抵は自分のとか他の人の名前を試しに打ちますわな。そしたら人名だと意外と「わ」の需要が高いことが判明して。

そこで「う」と「あ」の合字をまたしても勝手に作って、「わ」ってことにしちゃたーよ。こいつ↓が問題の偽造「わ」。

もうさ、おいらの楔形文字ワープロなんてさ、学術的な価値なんてケシツブほどもないのよ。だからもうさ、正確じゃなくていいのよ。テキトーで全然いいのよ。いいの!(逆ギr)

新たな問題と言えば、そうして「わ」が楔形文字化でやむを得ず「ぴ」になってしまった、「わ」をお名前に含む人ってさ、それはそれで面白がってた風なのよね。余計なことしちまったかなぁ。

銘板
2008.12.12 金曜
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くりごはん - タイトルなんかも

くりごはん のトップページ、いったん作りはしたんだけどなんかダサくてさ。ちょいと眺めてたら、どうもタイトルがよろしくない気がして。Table 技を駆使してはみたんだけどねぇ。けど凝ったタイトル画像を作るのもめんどいし。それでかえって悪趣味になったらイヤだし。シンプルに行きたいのです。

しかも、楔形文字画像は目立つからいいとして、背景画像のレンガ壁(メソポタミア文明は日干し煉瓦の文明だったってことで)が邪魔で、日本語の字が読みづらくてな。どう読んでいいか分からんのじゃタイトルの機能としてどーよって感じ。

てことで、そのダサいタイトルを叩き台にして改良してみた↓。

くりごはんタイトル

いやあの、これ改良前じゃないですよ(汗)。とりあえず前はもっとひどかったのよ。うん。あ、それから、table 組んで作ってるんで、文字とか table の見栄えはご覧になる環境に左右されますです。配色の方針は変なことを狙わずに、全体の背景色も含めてドミナントカラー配色っす。おととし取った色彩検定2級の知識、初めて役に立った気がするw 今度機会があったらドミナントトーンを試してみようっと。

っつうかおいら、こうゆーときタイトルを無駄にでかくする癖があんのよね。これでも小型化したんだけど(当社比72%)、もっと小さい方がいいかなぁ。

銘板
2008.12.13 土曜
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宇宙旅行の上がりは11億円

先週の土曜、すごい久しぶりに『世界ふしぎ発見!』を見たよ。いつ以来だろ。ああ、2003年4月の科博のマヤ文明展とタイアップしたコパン遺跡特集以来だから5年と8カ月ぶりか。しかしこの番組も長いなぁ。今回の特集は宇宙開発。晩メシ食いながら新聞のテレビ欄で見かけて、「これは見ねば!」と。

主に国際宇宙ステーション(ISS)での有人宇宙開発の話。で、ロケット関係も出たけど、スペースシャトルばっかしで、ソユーズにはほとんど触れなかった。なんかちょっと偏ってるような。でさ、番組の中で、「一般人でも宇宙旅行ができるようになった」って話が出たのよ。超お金持ちが対象だけど、とにかくできるようにはなった、という話題で。ISS に何日間か滞在するってプランで。

日本じゃ JTB が窓口らしい。うんうん。ソユーズだね。って見てたけど、なんかこう、JTB のロビーでもスペースシャトルの模型が飾ってあって、ソユーズロケットもソユーズ宇宙船も出てこない。ちょっとおかしいんじゃないかと。あれだと知らない人は、スペースシャトルで行くもんだと思っちゃうだろ。

シャトルは一般人乗客を募集してないのよね。2010年までに全機が退役することが決まってて、それまでに ISS 建造を最優先に、飛行予定が目一杯詰まってるんで。スケジュールをあんまし過密にすると1986年のチャレンジャー爆発事故の再来になっちまうから、トラブルでの打ち上げ延期があるたびにますます余裕がなくなっていく。ますます一般人を乗せるどころじゃなくなっていく一方。

っつうかおいらとしては、どっちか選べるんなら迷わずソユーズを選ぶね。スペースシャトルの方が船内が断然広くて乗り心地も良くて快適なのはよく分かるけどさ、それでも実績に裏付けられた安全性でソユーズ。シャトルはソユーズより確実に危ない。あとさ、シャトル運用末期は、比較的状態の悪い機体を早めに退役させて「共食い整備」の部品取りにするつもりとか。たぶん毎回莫大な費用が発生するメインエンジンや耐熱タイル整備のコストダウンが目当てなんだろうけど、そんなことしたら現場の士気が落ちまくるのが目に見えてる。ますます危なくなる気がする。持ち機が減るからスケジュールもますますキツキツになりそう。

でさ、ミステリーハンターのかわいこちゃん、宇宙旅行の気になるお値段を伺ってくれたのよ。してその額はなんと30億円。たっけー! JTB の人、「最近は円高でお安くなっています」と期待させつつこの数字かよ。

今年の4月、韓国の人が国費で宇宙旅行したのよソユーズに乗って。それでまぁ韓国人初の宇宙飛行士誕生ってことにして、韓国は国内的に盛り上がってたのよ(単なる観光旅行と変わらなかったんで業界的には「宇宙旅行関係者」扱いで、宇宙飛行士認定は受けられなかったけど)その時のお値段が21億円。当時1ドル110円くらいかな。この番組の収録をした時点で100円くらいだったとして、単純に計算すると、現在の旅行代金は19億円くらいになるはず(実際はこの計算にはウォンとルーブルも絡んでるんで、そう単純じゃないかと)。これ、ロシアの窓口と直接交渉した場合の額ね。てことで、JTB はこのツアー1件で11億ものマージンを取るつもりでいる。いくら超お金持ち相手とは言え、ちょっとふっかけ過ぎな気がする。

ロシアの担当会社(アメリカとかとの合弁会社かな)にしてみれば、JTB を通そうが通すまいが、自分とこに入る金額が同じであれば、同じようにお客を大事にするはず。高額の国際サービス業なんだから、ロシアの商品とは言え英語だけで全部完結するはず。で、JTB にできるサービスと言えば、ロシアへの旅行と滞在の手助けと、宇宙旅行関係の手続きの代行と日本語の通訳を付けることくらいかと。

ってことで、もし ISS ツアーに行かれる日本人の方がいらしたなら、まず自力で英語を学ぶことをオススメしますです。で、訓練場所のロシアと打ち上げ場所のカザフスタンへの旅行の手配は JTB に頼んでもいいとして、本題の宇宙旅行関係の手続きは、相手方の担当さんと英語で直接相談しながら自分でやればよし。どうせ通訳を宇宙に連れて行くわけにはいかないんだから(それだけで料金が倍額になってしまう)、どっちみち宇宙旅行中は自分で英語を喋れなきゃなんないんだし。

英語学習は、例えばアメリカに1年間語学留学したとしても、向こうは日本より物価が安いし今は円高だから、超高級プランでも500万円もかからないでしょ。差額11億に比べたらチリアクタですよ。いくらカネ払いに鷹揚なセレブでも、ここまでの値段差は見逃せないんじゃないかな。実際の支払いが額面の63%になるんだもんなぁ。

ここまで書いて思ったんだけど、当の JTB 、こんなにまでふっかけるってことは、自分とこに ISS ツアーの申し込みが本当に来るなんて思ってもいないってことかなぁ。話題作りでの自社宣伝の意味でやってるってだけかも。

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

そういや番組に日本の宇宙開発研究本部(ISAS)も出てたな。火星有人飛行の食糧として有望視されている生き物は一体何でしょう? とのクエスチョンで。あはは、ISAS ニュースを愛読してるおいらはすぐ分かったよ。あの話題はことさらインパクト強かったしw それよか、ISAS 相模原キャンパスに最近屋外展示されるようになった M-V ロケット、ISAS ニュースでその「号機」の数字は一体何でしょう? と問題を出されてたのよね。番組でチラッと映った現物で答えを見ちゃった。そっちの方が嬉しかっただす。

 

 

 

 

答え: 火星有人飛行の食糧候補は「カイコのサナギ」。

展示 M-V ロケットの号機は「2」。

銘板
2008.12.14 日曜
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合体技への野望

プログラミングってほんと電気を食わん作業なんだな〜。

さっきさ、iBook G4 でニコ動をずーっと見てたのよ。いつもは Power Mac G4 で見てるんだけど(オーディオとつないでるから音がいいのだ)、iBook の方が画面の動きが滑らかなんで。それでもやっぱカクカクだけどさ。念願だった Quartz Extreme の性能もまぁそんなもんだった、と。マシではあるけど。で、ず〜っと見てたら異音がしてきて。なんと iBook のファンが回る音。初めて聞いたわ〜。

左手を置くあたりもけっこうあったかくなってたさ。本体を持ち上げてその真下に手を突っ込んだら、もっとあったかくなってたさ。こりゃ回らなきゃまずいですわファン。

今まで、iBook G4 はほとんど『楔形文字ワープロ くりごはん』作成専用マシンだったのよね。で、冷却ファンの出番なんぞ一度たりともなかった。てことで、動画の再生って PC が能力全開なのよね。プログラミングとその動作確認あたりはお茶の子さいさいだった、と。実際、作業中はほとんど指示待ち状態だし、JavaScript で350行程度なんで、ブラウザ上での処理時間は一瞬だし。

てことで、うちの PC 環境って Mac 2台でどっちも PowerPC G4 の 1.2GHz くらいなんだけどさ、プログラミングやこの日記書き、サイト作りなんかだとオーバースペックなのに、動画を見るっつうもうひとつの重要な目的にはスペック足んないのよね。2台あるから、合体できれば 2.4GHz でいい感じになれるんだけどなぁw

あれ? Mac ってグリッドコンピューティングができるんじゃなかったっけ? 今使ってる OS 10.4 で行けたんじゃなかったっけ? その話を前に何かで読んだときは、部屋に Mac が2台っつう環境を想像したこともなかったもんだから、全然掘り下げてなかったわ。それどーなってんのかな。おお、そうそう、 "Xgrid" じゃよ。どりどり……?

Xgrid(エックスグリッド)とはアップル社が製作したMac OS X Server, Mac OS X用の分散コンピューティング/コンピュータ・クラスター環境。

ローカルネットワーク及びインターネットを介して複数台のMacに計算作業を分担させる事が可能。Bonjourテクノロジーを用いて、ネットワーク上で主コントローラのマシンがエージェントとして使えるマシンを自動検知することができる。

Mac OS X v10.3 以降で動作し、Mac OS X Server/Mac OS X v10.4から標準機能として搭載されている。

うおおおおおこれだあああああ!

んでんで、どうすりゃやれんの? 何にでも効くの? うむ、こちらのブログ様に詳しく書いてあるぞよ。なになに?

……、

……、

……。

う゛……グリッドコンピューティングに対応したアプリじゃなきゃダメなんすか? そうか。そうですか。Firefox と Adobe Flash Player、絶対対応してないよなぁ。っつうかさ、動画をローカルに落として見ると、うちの環境でも滑らかに動くのよね QuickTime なんかで。ブラウザ + Flash Player の効率の悪さがよく分かったぐらいにして。特に Flash Player がいかんような気がする。勧められるがままにうまうまとバージョンアップしたらますます重くなりやがった。許せんなぁ。

今さらだけど、Adobe さんには Flash Player for PowerPC Mac を、Velocity Engine に最適化する方向で洗練していただきたい。時代はとっくに Intel Mac だから望み薄だけどさ。ははぁなるほど QuickTime は Velocity Engine 全面対応なのか。だからうちの遅いマシンでも動画再生がサクサクなのか。Flash Player もお願いだから、PowerPC G4 の能力を最大限に活用しとくれよ〜。

銘板左端銘板銘板右端

JavaScript はコンパイル要らずだから、プログラミングで電気を食わないってことかと。Java とかみたいなコンパイルが必要なやつはその度に CPU 全開だもんな。まぁおいらが作る程度の Java プログラミングならコンパイル1回あたり2,3秒ってとこだけど、FreeBSD のフリーソフトでソースコードを落としてローカルでコンパイルとなると、でかいやつだと何日か回しっぱなしな時があるからなぁ。

銘板
2008.12.15 月曜
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起き抜けのどん底

朝、変なタイミングで目が覚めると、特定の感情に支配されることってない? その頃に気に病んでたことが増幅された状態というか。最近2回もあってさこれが。気に病んでたことだからどっちもマイナス感情ってやつで。「ああもうオレだめだ〜」なんて堂々巡りぐるりぐるり。イテテテ。で、どっちもたまたま休日だったもんだから、「うぎゃー」ってなりながら二度寝したらウソみたいにすっきり直ったんだわ。

これ、二度寝しなかったらこの感情を何時間くらい引っ張り続けるんだろ。昼頃までは直るかな。それともまる一日? ぬはー考えたかねー。あの朝イチの最悪状態からの脱出方法、二度寝以外でないですかね。

銘板
2008.12.16 火曜
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永遠の学習者

ここしばらく Java を復習しとります。これから作ろうと画策してるモノは JavaScript なんかじゃもう間に合わないんで Java でやるつもりなんだけど、何年もやってないもんだし、やってた当時でさえよく分かってなかったもんだから、学んでた当時の教科書を引っ張り出して、例題を順に打ち込んで、やり方と動作を少しずつ思い出してるんだわ。

いざやってみたら、内容を完全に忘れちまってるってことをあらためて思い知らされたわ。物覚えが悪くて、しかもやっとの思いで覚えたものをあっさり忘れてるとは。歳は取りたくないもんですな orz まあでも完全に初めてだった頃よりはサクサク進んでるから、前に学習したこと自体は無駄じゃなかった感じっす。

で、新作作りの準備もトロトロ始めてはいるんだけど、なかなか製作作業に入る踏ん切りが付かなくて。もうそろそろやり始めてもいいくらいの感覚は取り戻したんだけどさ。いや、なんてーか、やったことないことの連続になるはずだから、悶絶するのが目に見えてんのよ。それ以前に、Java アプリケーションを自分で完成させたことなかったわ。こりゃ確実に七転八倒しますぞ。

けどやんなきゃ何も始まらないしなぁ。単機能だから構造はそんなに難しくはないはずなんだけど、やっぱこう行く先々に地雷やらトラバサミやらがうじゃうじゃ埋まってそうで。これからもずーっと学習者のまんまでいたいなぁとか本末転倒な弱音を既に吐いてたりして。

きっと、超簡単なやつでいいから Java アプリケーションをいくつも自作してれば、そこらへんの恐怖感も健康的に消えていくんだろうけどなぁ。てんでそんな殊勝な性格じゃない泥縄体質な自分が呪わしい。

できれば年内に完成させたかったんだけど絶対に無理。ていうか構想では、楔形文字ワープロを11月中に完成させて、まる1カ月かけて今やろうとしてるのを作り上げる手はずだったんだけど、楔形文字の方が12月半ばまで食い込んじゃってなぁ。と楔形のせいにしたりして。とりあえず今の目標は、来年1月中にベータ版の完成ってとこですか。

てことでとっとと復習を済ませて、とっとと実作業に入んなきゃなんないんだけど、ああ〜トラバサミが恐い。

そういや前に挫折した "Barcodia" のときは、画像操作の作り込みでトラバサミにかかったんだっけ。Java のことろくに理解してないくせにダブルバッファリング(アニメーションでチラつかせないための技)の実装が成功して調子に乗っちまってなぁ。「トリプルバッファリング」なんてアヤシゲな技を自主開発して先に進もうとしたら、かえってわけ分かんなくなって開発が膠着して、そのまんま放置しちゃったんだよなぁ。今回は画像はあまり冒険しないけど、やったことないジャンルなんで、やっぱし恐い(万年初心者なんで何をやろうとしても未知なわけで)。

恐い恐い言うから必要以上に恐くなるのは分かってるんだけどさ。だったら思い切って明日あたりから製作に入ってみようかな。いやいや、も〜ちっと復習して思い出してからにしよ。うん。

銘板
2008.12.17 水曜
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攻撃的防衛

『デス・レース』のことをこの前書いたっしょ(2008.12.4)。あれでちょっと思うことがあって。いや、どんなクズ映画でもさ、カネ払って観ちゃった以上、そこから何か引き出したいじゃないですか。

今回気になったのは、アメリカ人的な「防衛」のセンスについて。この映画について、実写版マリオカートだなーって思った理由が、攻撃アイテムのルールなのよね。機関銃とかミサイル弾とか敵をスピンさせるオイル(次の周回で自分がオイルを踏む可能性は考えてないらしい)とか、そうゆーのをそれぞれがクルマに装備してるんだけど、好きに使っていいわけじゃないのよね。使用権をゲットして始めて使えるわけ。

その使用権ゲット方法は、コースの路上にある、盾のマークのマンホールみたいなスイッチをタイヤで踏むこと。セリフでも "shield" と言ってた。「盾」って防御の道具だよね。けどそれで武器使用権獲得なわけ。そこらへんに、アメリカ人と日本人の「防御」「防衛」に関する意識の違いが垣間見えた気がして。

確かに「攻撃は最大の防御」って言葉があるけどさ、それにしても、露骨に相手をぶっ叩くのを「防衛」と見なすってのは、日本語的感覚だとなんか違うような。あとアメリカじゃ「護身用の拳銃」なんてのをフツーに認められてるしなぁ。泥棒対策にタンスに忍ばせてる家とかかなりあるみたいだし。スタンガンや催涙スプレーじゃダメなのかなぁ。確かに銃は護身用としてきちんと機能しそうではあるけど、それが普及してみんなそうなっちゃったら国全体が殺伐とするわけで、そこまでは考えてなさそうでして。ていうか家の銃で子供が遊んでたら暴発して取り返しのつかないことになった、なんてアメリカ発のニュースをちらほら聞くけど、こういうのは「しょうがないこと」として割り切られてしまってるんだろか。アメリカ以外じゃほとんどあり得ん事故だと思うけど。

で、「防御」「防衛」の概念について、日本式が正しいのかアメリカ式が正しいのかを考えるのはあまり意味がないことではありますな。文化が違えば単語のニュアンスだって違って当然。で、大事なのは、「ここがこう違う」というツボどころを、お互いがしっかり押さえとくってことかと。違いを知らないまんまだとずーっと相手を誤解しっぱなしで、いざってときにいきなりそのことが問題になったりするからね。

防衛問題。日本とアメリカは一応仲良くやってきてはいるけど、こんな根本的な違いを本当にお互いに認識してるんだろか。関係者間での認識はありそうな気がするけど、一般国民と担当大臣っつう素人は、なんとなく全然理解し合ってない気がするんですが。一応、文民統制のリーダーということになってるんですがね一般国民と担当大臣は。とりあえず、おいらはこの映画を通して、ようやくそこらへんに勘付いたような気がしてきたって状態。

日本の有事と言えば、対象は北のあの王国ですな。中国の方は世界経済にがっちり組み込まれたんで、挑発はして来ても暴発することはほとんどないかと。韓国は国内的には今にも日本と戦争するみたいな空気で国民を鼓舞したりしてるみたいだけど、今日本と戦争したってデメリットしかないことは承知のはず。例えばサムスンの液晶テレビが世界で売れてるそうだけど、日本からの部品の輸出が戦略的に止められれば一瞬で干上がるってことで。その他の工業製品もそんな傾向らしい。日本にケンカを売るのは自殺行為ってことで。中国と韓国には、日本の側から余計な挑発をしなけりゃよし、と。

まー日本の側としても、韓国への技術部品の輸出禁止は避けたいところだしね。とりあえずそれで儲けてるし、そんなことして韓国を締め上げたことが知れると、他の国々も恐がって、同等の部品を自前で作るようになる→日本製の部品が売れなくなる、って流れで。

で、北の王国。東アジアの経済発展に自分だけ取り残されてるわけ。本格的に食い詰めればいつヤケを起こしてもおかしくない感じなわけ。つうか同じ共産主義のはずなのに中国だけ我が世の春ってのは、北にとってはことさら我慢ならんのじゃないかと。キューバだってそこそこの水準を維持してるしなぁ。今は六カ国協議をワガママで振り回して、主に弱腰の韓国から援助を受け取れてるけど(北政府が自国民を人質にしてる構図は分かり切ってても、さすがに飢えてる同胞を見殺しにはしにくいよなぁ)、それが効かなくなった時にどうなるもんだか。

で、小泉政権の時ほどじゃないけど、あの国は相変わらず日本に対して暴発するかもしんないってことで、「防衛」の概念はけっこう大事なわけ。その時が来たら日米が揃って「お互いに誤解してました」ってのじゃまずいってことで、今からでも間に合うから、マスコミを通してこの「防衛」の意味の違いを国民に知らせておくべきじゃないのかねぇ。

ていうかそのときは、できれば米軍に最前面で戦っていただくと、日本的な意味で厳しく「専守防衛」に縛られた自衛隊よりも、「これアメリカ的な防衛の範疇だから」ってな理屈で、汚れ役さえも徹底的にやってくれるんじゃないかって気がしてきた。

銘板
2008.12.18 木曜
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「わ」

北の話ついでに。

前になんか妙にキレた北の政府が「日本が我が国を『北朝鮮』と呼び続けるなら、我が国は日本を『倭』と呼ぶ」とかいうヘンテコな声明が出されたことがあったね。いや、だったら日本政府に「これこれこういう理由で『北朝鮮』の呼称は不適切だから使わないでくれ、と論理立てて正式に要請すりゃいいのに。おかしな人たちだなぁ。

「倭」は確かに古代日本の蔑称なんだよね。当時ダントツの先進国だった中国は、当然の如くに周囲の遅れた国々を見下してて、いちいち悪い内容の漢字を当ててたのよね。で、日本は「倭」と呼ばれた、と。意味は、人が背中を曲げてかがんでる様子らしい。蔑称としては意外と間接的と言うか。「鮮卑」「蒙古」「南蛮」あたりよりはマシなんじゃないかと。こっちは「卑」とか「蒙」とか「蛮」とかモロだよ。

日本ではそう名付けられたのを逆手に取って、「和」を当て字したら自分で大いに気に入って、「和を以て尊しと成す」となった、らしい。そんなエピソードもあるんで、「倭」と呼ばれても別にそんなに屈辱には感じないのよね。むしろ「和」のオリジナルとしての親しみを覚えるぐらいにして。だから「『倭』と呼ぶぞ」と当てつけられても、じゃあそうすれば? てなノリだったりして。

俗説では、中国人が日本を「倭」と呼んだ元ネタは、当時の日本人が自分のことを「わたし」の意味で「わ」と言ったから、というのも聞いたことがあるな。もし本当にそうだったとしたら、古代中国の人もそれなりに工夫してくれてたんだなとか思ったり。

ていうか「『倭』と呼ぶ」の件でほんとしょうもないのが、「倭」って、漢字で表現して言葉の意味を含めなきゃなんにもなんないってとこ。だから中国人がそう呼ぶなら侮蔑のニュアンスが出るんだけど、北のあの国は漢字を廃止してるのよね。表音文字のハングルだけで世の中が成り立ってるのよ。だからさ、単に「わ」と言われてもなぁ、言われた外国人としては単なる発音の「わ」でしかないわけで。好きにしていいなら、伝統に沿って「和」を当てることになりますけど。もうほんとにどうにもなんない。

もともと無意味なネタをいじくり回して、結局無意味なことにしかなんなかったわw

銘板
2008.12.19 金曜
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暴走ソフトカタカナ

最近また不景気の波が来まくってるね。先進国全部がこの突発的世界不況の波をかぶってるわけだけど、今度のは犯人がアメリカなことがはっきり分かってるし、その中でも日本の傷は浅いと評価されてるところで、日本の政府や財界は堂々としたもんで、悪びれる様子がないですな。

てことで、なんつうか、大企業による首切りが横行してますな。「悪いのはうちじゃない。アメリカが悪いんだ」との錦の御旗をかざして、どこも堂々と首を切ってますなぁ。こうも派手に報道されると、おいらが今勤めてる会社はどうなるんじゃいと不安になるわけ。かなり上の方の人が「大丈夫だから安心して仕事をしてくれ」と言ってくれてはいるんで、その言葉を信じて頑張ることにしますか。信じるしかないわけだけどさ。っつうか毎日へとへとになるまで頑張ってるのに、現状で仕事を捌き切れてないんすけど。

でさ、90年代の頃からおかしいよなぁと思ってるのがあるんですよ。「解雇」の意味での「リストラ」って表現。語源は "restructuring" 。"re" は「再び」。"structuring" は「構築すること」。「再構築」ですな。これ、会社の内部組織の構造をがらっと変えて、より効率的にするという意味。その中には余剰人員の削減も含まれたりもするってこと。だから、幹部への報酬カットもそうだし、部署の統廃合や新設もそう。20世紀の最後あたり、日本は省庁再編をしたよね。人減らしがあったかどうかは知らんけど、運輸省と建設省が合体して国土交通省になったり、大蔵省が財務省と金融庁に分かれたりもしたね。ま、ああいうのが本来の "restructuring" なわけですわ。より効率的になったかどうかも知らんけど。

これがどういうわけか、「リストラ」っつうカタカナ略語になったとたん、「解雇」の代用の言葉になっちゃった。いや、なんで素直に「解雇」って言わないんだろ。まぁ派遣社員の場合は「解雇」じゃなく「契約打ち切り」なんで、それにも対応させました、って方便も立つっちゃ立つけどさ。

どうも「解雇」って言葉は忌み嫌われてるっぽいのよね。てことで、昭和時代には「合理化」と呼ばれてたりして。これも "restruturing" と同じく、採算が取れてなかったり効率が悪い部署や部門の無駄をなくして、つまり合理的にしますっつう考え方で、結局はクビ切りの言い訳として使われたわけ。で、雇う方も雇われる方もなんでかこの言葉を気に入ってしまって、「合理化を断行する」と言えば「職員のクビを切る」の意味、「合理化反対」は「雇用を継続しろ」の意味だったそうで。「合理化反対」って、字義通りに受け止めればほんと変な言葉だよな。

時代が変わって言葉も変わったけど、使われ方が全く同じで、しかも代用の言葉の意味を間違ってるのも同じってのがもう何だかトホホで。ていうか「合理化」だろうが「解雇」だろうが「リストラ」だろうが、対象者が遭う目は違わないわけで、言葉を少し遠回しにされたからって何もマシになるわけじゃないのな。そんなケシツブなこだわりより、退職金を少しでも多く積んであげろよ。

なんかこう、横文字ならソフトな感じがするっつう安易さがどうもねぇ。

そういや前にさ、地元 FM 局の番組に不定期で出て映画トークをしてたんだわ。で、その日のテーマをチャップリン映画に決めたんだわ。で、いつも通り、収録前にパーソナリティさんと打ち合わせしたんだわ。チャップリン映画といえば、ドタ靴に山高帽に竹ステッキの浮浪者チャーリーが定番じゃないですか。あれって本来は役名がないのよ。一応 "trump" っつう一般名詞が当てられてるけど。てことでチャップリン解説本に従って「浮浪者」と言おうとしたら、「放送禁止用語なんで……」とダメ出し。「ホームレス」なら OK とのこと。

ルールなんで従ったけど、チャップリンのあれはホームレスのイメージともちょっと違うんだよなぁ。大体 "homeless" って言葉を日本語にすると「宿無し」なわけ。実はけっこうキツイ言葉なんだわ。ていうか結局は「浮浪者」と大まかに同じ。けど日本では「横文字はソフト」の法則で、「浮浪者」は放送禁止用語で「ホームレス」ならダイジョブという、なんかものっそねじけた現状になっちまってる。

この横文字への代用ってさ、言いにくい表現で使われるってところが、なんかすごく嫌らしいんだよな。最近すっかり定着してしまった例としては「レイプ」。「強姦」が露骨な感じがするからってんで、横文字にしてみたらなんだか言いやすくなりましたみたいな。いやこれ我慢して日本語を使おうよ。せっかくあるんだし。

ていうかこういうずるい逃げ方って、英語圏の人たちにモロに失礼だと思うぞ。例えばイギリス人が悪い言葉に限って日本語で言ってたら、日本人としてイヤでしょ。他人の気持ちを思いやれるのが日本人の美点、なんてよく日本人は自画自賛するけどさ、外国人は思いやりの適用外なわけ? なんかよく分からんなぁ。

銘板
2008.12.20 土曜
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正月番組

久々にラジオ収録してきたよ〜。来年1月1日午後4時放送の特別番組ってやつ。BeFM 開局10周年記念でさ(1999年1月1日開局)、あと、今年は八戸フォーラム開業5周年でもあったんで、かつて放送してた『八戸フォラーム シネサロン』 特別編ってことで、旧来のメンバー勢揃いでにぎやかに収録しましたですよ。

まぁ暗黙の了解的生放送的雰囲気ってことで、「今日は1月1日」っつう設定でやったんで、あんまし「収録したよ」と言っちまうのもアレだけどさ (^_^;)

〓ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ⊂<回 ←仕切りジッパー

そして放送当日、まさかあんなことが起こるなんてなぁ〜。

銘板
2008.12.21 日曜
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無意味に渋滞に巻き込まれた昨日

で、ラジオ番組『八戸フォーラム シネサロン SP』の収録が午後2時からでさ、この日、会社の有志での飲み会があったのよね。それが午後6時から。ラジオ収録が終わったのが5時。どうしてくれようこの中途半端な1時間。でさ、今さ、Java の復習してる最中なのよ。「楔形文字ワープロ くりごはん」に続く新プロジェクトのために。

そんでいったん家に帰って Java いじりしようかと思ってね、クルマに乗ったらなんかもうすごい渋滞。年末進行、クリスマス進行ってやつですかこれは。もう全然進まないわけ。こりゃもう家に着いてクルマから出ないでソッコー街に引き返すだけで遅刻だわってことで、途中でまた街に逆戻り。それだけじゃなんだか虚しいから、ミニストップに寄って肉系のミニ弁当を買って一人で食ったらやっぱし虚しくなったぐらいにして orz

あ、とりあえずクルマで飲みに出かけたわけで、帰りは当然運転代行ですよ。ええ。飲酒運転は罰金がきついし、本当に人身事故でも起こしたらほんと一生を棒に振るからなぁ。いい子ぶるわけじゃなく、割に合わないことはしたかないってことでひとつ。

ていうか前に知り合いでいたわ。飲酒か酒気帯び運転でけっこう大規模な物損事故をやらかして、全身打撲するわ免停食らうわ罰金払わされるわ、酒気帯びで保険が下りなくて、数百万円に上る修理費を、貰ったばかりの退職金から全部自腹で払った人。人身じゃなかったのはラッキーだったけど(本人は怪我をした)、家族からも呆れられて、見るからにかなり辛そうだったよ。あれを見ちゃうとなぁ。

てことで代行屋さん、いつもお世話になっとります〜。

んで街に舞い戻って、飲みに出かけましたとさ。

銘板
2008.12.22 月曜
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ハプニングカフェ

飲みに出かけたっつうよりさ、職場の人が参加してるバンドのライブがあってさ、初めて行ってみたってことでして。そのライブのスタートは8時半だったのよ。だから職場でなんとなく集まった観客の面々は、直前にどっかに集まって、それからライブに行こうかなってあたりをユル〜く決めてたみたいな決めてないみたいな状況で。

して、そろそろちゃんと決めなきゃな〜」となって、前日にバンドのメンバーさんと相談したらさ、「先に飲まなきゃやってらんなくて」とか言い出して。そんでもう6時頃に居酒屋に集まって、景気付けにガンガン飲むぞで決定w っつうか幹事おいらですか? あう〜大丈夫かよ。

んでまぁ暫定幹事権限で、はじめは居酒屋にする予定だったんだけど、そのすぐ近くにある、おいらの行きつけの喫茶店に変更。ついこないだまで iBook を毎日のように持ち込みまくって『楔形文字ワープロ くりごはん』を作ってた店でさ、マスターに「会社の人を連れてきてよ〜」と頼まれてたんで、やってみますた。

お店はまあまあ好評だったかな。居酒屋ともまた違う雰囲気もいいんではなかったかと。いや〜それでねえ、うん、ちょっとおいら的にはハプニングがあったぐらいにして。いやあの、職場で向かいの席の超カワイイおにゃのこにですね、いきなりその、使用中のトイレのドアを開けられたっつうアレでしてw

いやもうお互い「うわーーー!! (!@o@)(@o@!)」

席に戻ってからはもちろんその話題ですよ。ネタに使わんわけにはいかんでしょ。「あのコに生殖器見られた〜!」「見てません!」それはもう大盛り上がりw(←セクハラです)

ブツは角度的に見られてなかったはずだけど、おいら的にはまぁそれくらいなら見られてもいいかって感じ(いいのか?)。それより放尿シーンを確実に見られたってことの方がショックだったかなぁ。あんなカワイイコに……ハドゥカティ〜 (/o\)

銘板
2008.12.23 火曜
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ドカ雪(涙)

いやはーやられましたですよ雪には。まさにゲリラ降雪。

21日(日曜)夜からかなりヤバい状況で。それでもなんかこう街に出かけたくて、iBook 持って喫茶店にこもって、『楔形文字ワープロ くりごはん』の仕上げをしてたんですよ。で、めでたく仕上がったその帰りは深夜。

まず駐車場にてクルマの発掘 orz

素手で OTZ

そんで駐車場から恐々と道路に出て、徐行しつつ帰路についたんだわ。けどさ、うちの近くの道路はかなり奥まってるから、もしかすると相当積もっちゃって、ローバーミニちゃんじゃどうしようもないかもしんないんすよ。気がはやりますな。てことで直線で時速40kmくらいまで上げたら、もうハンドル取られまくって危ないの危なくないのって。

道路には既に轍が出来てたんだけど、ミニは普通のクルマよりトレッドが狭いもんで、タイヤがうまく轍にはまんないわけよ。んで勝手にヨタヨタするのを必死に押さえながら走ってたけど、ついにバランスが破綻。リアタイヤのサイドスリップがさっくり限界を超えてテールスライドが始まっちゃって。クルマは歩道を向いてさ、「うわわー!」とホントに声出してパニクったら、歩道に乗り上げてようやく止まったわ。

ラッキーなことに、歩道はそこんとこはクルマが出入りできるように段差が低くなっててさ、おいらのクルマは縁石への直撃を避けられたわけで。ほーっと一息ついてから、バックして元の轍に戻って、何事もなかったかのように運転を再開しましたですよ。ああほんとなんにもなくて良かった。

家にもそのまま帰り着けたけど、次の日の出勤は諦め切ったね。雪は止む気配がなかったんで。てことで明朝月曜(22日)は徒歩で出勤すべく、目覚ましを1時間早くセッティングして、布団にとっとと潜り込みましたとさ。

銘板
2008.12.24 水曜
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ドカ雪(嗚咽)

めりくり〜。けど関係なく進行すます。

そんでまぁ早起きしたらですね、雪が溶けてたなんて超展開は全くなくて、予想通り、おいらのクルマでの出勤は完全にアウト。早起きしてよかったわ〜。ていうか外、おもっきし真っ暗だったのにちょっとびっくりしたぐらいにして。

んで腹くくって家を出て歩き出したら、近所の人も出勤するところでさ、「おう、乗ってけ」と声をかけていただいて。しかしまぁこんな状況で無事にクルマで行けるんかなーと思いつつ、お言葉に甘えることにしたわ。だって寒いんだもん。

おクルマ、四駆だそうで。フツーの乗用車にしか見えなかったもんだから、ちょいと侮ってたわすんませんでした。

こんな時、四駆はいいねぇ。何の問題もなく職場近くまで送ってもらってしまっただよ。本当にありがとうございました。ま〜でもやっぱしというか四駆は燃費がイマイチだそうで、「年に1日2日のこんな時じゃなきゃ役に立たなくてな」だそうで。けどこのお方は本家が青森市で、ちょくちょく行ってるのよね。普通の八戸人以上に四駆の恩恵を活用しておられるかと。あっちは半端なく積もるからなぁ雪。

てことで、予想外にラクができて嬉しかったわ。けどまぁ贅沢を言えば、あんまし早く行っても職場のカギがかかってるのよね。時間つぶしにちょっと困ったぐらいにして (^o^;)

んでまぁ帰りはもちろん徒歩ですよ。バスなんてこんな状況じゃいつ来るか全然分かんないし。帰り道、吹きっ晒しのところはおもっきしツルツルに凍ってて、もうしつこいくらい何度もこけそうになっただよ。滑ってなかなか前に進まないし。なんかもう必死になればなるほどギャグっぽかったよ。

そんで帰宅後は、次の日のクルマ出勤に備えてひたすら雪かき。なんか水を含んでてさ、やたら重たかったよ雪。で、1日で終わんなくて、2日がかりで一応使えるようにしたわ。あとはもう、クルマで家に出入りするごとにちょっとずつ踏み固める作戦でお茶を濁すってことで。はひー。自分にお疲れさん。ていうか日本海側の人たちの苦労は全然こんなもんじゃないんだけどさ(←日本海側に在住経験アリ)

銘板
2008.12.25 木曜
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"Love Potion"

飲み会とライブの話が中断してしまってたわ。

そんで飲んだ後ライブに突入したんだけどさ、その間に一人脱落しやがった。気が付いたら行方不明になっちゃっててさ、電話したらもう運転代行で走ってるとか。あほ〜! ていうか何しに来たんじゃw

ライブはね、50's バンド "Love Potion" ですよ。命名の由来は名曲 "Love Potion #9" からですな。まぁその晩の曲目には入ってなかったけどさ。

しかしま〜、いいもんですなぁ 50's は。客層は、リアルタイムで楽しんだと思われるオッサンオバサン方もいらしたけど、お若い方々もいっぱいいらしたわ。観客にとっては、敷居が低いってのはほんと魅力ですな〜。それがこの年齢層の広さに現れてたかと。おいらも初めてなのにすごく楽しんだですよ。

まぁ50年代当時は不良の音楽だったとは思うんだけど、半世紀経った今はもうこんなにフツーに楽しい。その長きを生き残った曲たちのカバーだし、そういう理由で、知ってる曲もけっこう多くて。お、でも時代的に50年代にこだわってるってわけでもなかったのね。今調べたら、ショッキング・ブルーの "Venus" って1969年のリリースだわ。ライブの後半でこれ出て来たときは嬉しかったわ〜。ていうかブレイクで「ワーオ!」って間の手入れたら、一緒に行った連中にウケてた。いやあそこはウケるとこじゃなくて、みんなで「ワーオ!」ってシャウトするとこでしょ、と思ってたのはおいら一人だけだったってことか orz

あとね、こいつは是非書かないとイケナイ。"Love Potion"、全員腕が半端なくイイ!(拍手)

そんな感じでライブで盛り上がったまんま、またしても飲みに突入〜。なんかもうここらへんになるとあんまし覚えてないっす。とりあえず、「また次のライブも行こう〜」と決めたことは覚えてるな。次はいつだろ。職場で "Love Potion" のメンバーさんに伺っとくべ。

銘板
2008.12.26 金曜
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被発見の謎

最近の検索エンジンって情報拾うの速いんだね。

12月23日調べで、『楔形文字ワープロ くりごはん』で検索したら、もう YAHOO! と Google と goo で検索1位にヒットしたわ。この名前でアップしたのが12月9日だから、2週間以内に拾われたことになるわ。けど、このページ『ひとりごちるゆんず 2008年12月』はまだどこも拾ってないな……。

今調べたら、拾ってるの YAHOO! だけか。しかも完全一致なのに検索結果2位って何よ……。ちなみに1位は『ひとりごちるゆんず 2008年7月』。意味分からん。

くりごはん は別によそのどこのサイト様にも自己紹介したわけでもなく、このサイト内でもトップと11月の日記からリンクを貼ってる程度なんだけど、検索エンジンのクローラー、どうやって発見したんだろ。しかも、うちのドメイン直下のディレクトリに入れてるから、『さんでー立体写真館』をとっかかりにして、という線も考えにくいし。ていうかそれだったらこの12月分の日記を YAHOO! 以外は拾ってないってとこから、やっぱその経路で くりごはん にたどり着いたわけじゃなさそう。どうやって拾ったんだろ?

んでまぁ謎は謎なんだけど、最近話題の中国製検索エンジン 百度(Baidu)は くりごはん を全然拾ってなかったわ。けっこう話題になってるけど、日本語サイトに関してはまだまだっぽいですな。

銘板
2008.12.27 土曜
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節約の日

最近はねえ、特に今年の後半はねえ、この日記の容量、少なめで来てたのよ。80KB台もあったのよ。ここ数年の目標、100KBを下回ってたのよ。

そしたらあんた気が付いたら10月分、162.5KB。

まるまる2カ月分かよ orz

無駄な長話が大杉。てことで今日はこれにて〆。

銘板
2008.12.28 日曜
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電離層で地震予知

大地震の数日前の予知、衛星を使ってできるようになるかもしんない。

12月9日発行の ISAS メールマガジンに出てた記事がそれ。Web 版はこちら。とりあえずメールマガジンから転載。

地震が電離圏に及ぼす影響を「ひのとり」のデータで研究

米国地球物理学連合学術誌に論文掲載

1981年に宇宙科学研究所が打ち上げた太陽観測衛星「ひのとり」は赤道、および低緯度の電子温度・密度を系統的に測定しました。観測期間中、フィリピンで発生したマグニチュード6.5以上の3つの地震に伴う電離圏電子温度の変化について調べた結果、地震の発生約5日前から震央上空周辺の電離圏電子温度が通常の状態から低下しはじめ、地震発生日にはその差が最大となり、地震後約5日をかけてまた通常の温度に回復することが見出されました。

ちょ、5日前に分かるのって画期的じゃね? 勝手やって申し訳なく思うけど、あまりにもすごいんで Web 版を全文転載(文章のみ)。

論文「地震に伴う電離圏電子温度低下」アメリカ地球物理学連合の学術誌に掲載

地震発生前に地震が電離圏へ及ぼす影響を見出す試みは、旧宇宙科学研究所宇宙プラズマ系・小山研究室及び東京学芸大学物理学科・鴨川研究室の協力により、2003年に旧宇宙開発事業団宇宙利用推進本部システム技術開発部が行った「将来宇宙利用ミッションの研究」の一環として開始され、JAXA統合後の2006年まで実施されました。

第一著者の小山教授は電離圏の電子温度の研究では世界的に知られている研究者で、2006年に宇宙科学研究本部を定年退官し、現在台湾國立中央大学太空科学研究所客員教授として、電離圏にみられる地震前駆現象を研究しています。上記の成果は、アメリカ地球物理学連合の権威ある学術誌 Journal of Geophysical Research に投稿され、「地震前電離圏擾乱の存在を立証し、地震が電離圏へ及ぼす物理に迫る糸口を与えた論文」と評価されました。

Oyama, K.-I., Y. Kakinami, J.-Y. Liu, M. Kamogawa, and T. Kodama (2008), Reduction of electron temperature in low-latitude ionosphere at 600 km before and after large earthquakes, J. Geophys. Res., 113, A11317, doi:10.1029/2008JA013367.

近年、地震前に震源付近の上空における統計的な放送波の散乱[Fujiwara and Kamogawa, 2004]、TECやfoF2の変動[Liu et al., 2004 & 2006]及びCNESの地震電磁気観測衛星DEMETERによる電波強度の減少[Nemec et. al, 2008]などが報告されていますが、これまでの論文は決して多くの研究者が納得するものでなく、懐疑的な電離圏研究者も少なくはありませんでした。

1981年に宇宙科学研究所が打上げた太陽観測衛星「ひのとり」は、高度600キロメートルのほぼ円軌道にあり、同時に搭載された電子温度・密度測定器により赤道、および低緯度の電子温度・密度を系統的に測定しました。これらの測定器は日本が開発した非常にユニークなもので、精度が高いことで知られています。「ひのとり」による観測期間中、フィリピンで発生したマグニチュード6.5以上の3つの地震に伴う電離圏電子温度の変化について調べた結果、地震の発生約5日前から震央上空周辺の電離圏電子温度が通常の状態(電子温度経験モデル温度)から低下しはじめ、地震発生日にはその差が最大となり、地震後約5日をかけてまた通常の温度に回復することが見出されました。「ひのとり」による観測結果により地震前兆電離圏擾乱の存在が多くの人に納得できる形で示されました。

電離圏擾乱の原因は電場によるものとすると観測データを矛盾なく説明できますが、この電場が、どこで、どのように作られるのか、メカニズムの詳細は現時点では明らかでありません。電場発生のメカニズム解明には更なる詳細な観測が必要でしょう。

地震によっては電離圏に影響が見られない時もありましたが、地中深く起こった地震、海岸から遠く離れた場所で起こった地震の場合でした。また、磁気嵐が発生すると磁気嵐の影響と地震の影響が区別ができない場合があるようです。

これらの謎を解明するため、地震で苦しんでいる、特にアジアの国々と協力して約50-100キログラムの小型衛星を複数機打上げて、徹底的にデータを集めることが必要です。

私たちの研究に限らず、今世紀入りロシア、フランス、ウクライナ、イタリア及び中国等の宇宙機関により、衛星や国際宇宙ステーションを利用した地震電磁気現象の観測が次々と実施・計画されています。このことは約80年の歴史を持つ電離圏研究が新たな展開を迎えつつあることを意味しており、衛星観測により信頼できる前兆現象が明らかにされれば、短期地震予知の実現も可能になるかもしれません。近い将来、我が国においても地震電磁気現象解明のための衛星を打上げることに、多くの人々から賛同が得られるものと期待しています。

参考文献

だそうです。なんかすごくね? 確かに、地震の前兆で電離層に異常が見られるってのは聞いたことがあるけど、どうも今回初めてそれをはっきりと示したらしい。

太陽観測衛星 ひのとり ってけっこう古いと思ったけど。もう大気圏に突入したんじゃなかったっけ? やっぱし。1991年7月11日に地球に落ちてるわ。で、観測した地震の発生年は1981年と1982年か。データも年季が入ってるな。なんで今頃こういう研究が出て来たんだろ。まぁもともとが太陽観測衛星だから、オマケ的なデータを調べたのかと。「この衛星で地震時の電離層の以上のデータがたまたま取れてるんじゃないか」と最近になって思いついた方がいらしたってことかと。

観測衛星ってセンサーが目的専用に特化してるから、他の用途へのデータの流用って考えにくいのかもね。

それにしてもこりゃすごいよ。で、しっかりとこれからの展開を宣伝してたりしてw 50〜100kgの衛星を複数機か。JAXA/ISAS が今開発してる次期固体ロケットの積み荷でどうかってことなのかな。あれは真東の打ち上げでペイロード1.3tだから、極軌道なら650kgかな。おお、一気に打ち上げられるじゃないですか。

今の日本の緊急地震警報は数秒前〜数十秒前に知らせてくれるよね。でも原理的限界から、激しく揺れる地域は余裕が少なくて、一番激しいところは間に合わなかったり。それでもないよりずっとマシなんだけどさ。で、今回はそれを補完する技術ができそうってことで。衛星で電離層を調べるこの方式だと、かなりアバウトにしか震源地を特定できなさそう。例えば、断定に時間がかかりそうだから「2日以内で東北地方北部のどこか」くらいかな。てことで、緊急地震警報に替わるものじゃなく、併用する形になるんじゃないかな。

で、その2,3日くらいはそのアバウトな範囲の人や企業は心の準備をして、緊急地震警報を待つ、と。外国の場合は、緊急地震警報がなくても、それでも数日前の警告はかなりありがたいはず。

弱点としては、近い場所での別々の複数の地震や、同じ場所での近い時間に複数回ある地震を、それぞれをしっかり分別するのが難しそうってとこかな。それでも技術を磨いてだんだん精度を上げていけば、相当使えるようになるんじゃないかと。

この計画をやるとしたら日本が中心になると思うんだ。この技術で一番恩恵を被るはずだし。で、ひのとり は軌道傾斜角31°だから、赤道を中心に62°の範囲しか調べられなかったと思うけど、南極と北極の上空を通る極軌道の場合、世界中をくまなくスキャンできるわけ(日本の情報収集衛星がその極軌道で、世界中を監視してる)。観測頻度は、情報収集衛星を例に取れば4機セットで1地域最低1日1回。緯度が高いほど頻度が上がるから、赤道近くにある地震国はデータが少なくてちょっと不利かも。まぁそれでも衛星の数を増やせば観測頻度が上がるんで、不安なら物量で対処すればいいかと。あるいは ひのとり みたいな緩い軌道傾斜角の衛星も飛ばして、赤道に近い地域を補完するか。

そうすると、日本の出番なんですよ。 ひのとり の独特のセンサーが適してる。そういう衛星を作る技術がある。打ち上げる次期固体ロケットは……2年後あたりに出来上がる予定(汗)。日本は自分でもかなりの資金を出すだろうけど、地震の不安を抱える他の国々からも援助を得て、計画を進められる。日本の宇宙ビジネスにチャンス到来。日本の打ち上げ基地からは、極軌道にも傾斜角31°の軌道にも飛ばせる。

地震国と言えば、中国がそうだよね。四川省で今年、相当大きいのがあったよね。大陸だから地盤が安定してるもんだと勝手に思い込んでたわ。関係ないんだね。で、中国もまた宇宙開発大国なわけで、政治感情的なプライドも高いわけで、日本の提案にただ乗るだけとは思えんのよね。そこらへんどうなるか分からんけど、ことがことだけに、足を引っぱり合わずに、両国が協力して最大の効果を挙げられるようになればいいなぁとか。

ちなみに韓国は地震がほとんどない国みたいなんで、あんまし当てにならなそうですな。いっぺんソウルに行ったら、高速道路の橋脚の太さが日本の半分程度でさ、こちとら日本でぶっとい橋脚を見慣れてるもんだから、見ててなんだか不安になっちまっただよ (^▽^;)

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ってかなりコーフンして書いちゃったけど、この研究が成功する保証はまだないんだよね。未解明の部分が多いってことは、実はこの説が覆されるかもしんないし、電離層での電子温度の他の要因での変動と分別し切れないかもしれないし。ま〜でも、期待しちまいますなぁワクワク。

って、また語りが長くなっちまった (-_-;)

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2008.12.29 月曜
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Mac でフリーでサウンド編集

ソフトの使い方を覚えんのがめんどくてたまんないおいらが来ましたよ〜。

けど最近は、うちの Mac に入ってるマルチメディア系のソフトをちょっといじってたりして。とりあえずさ、今作ろうかと思ってる Java アプリ、サウンドを決まりに沿って自動加工するやつにしようと思っててね、Java で使うためには事前にサウンド素材を WAVE 形式に変換しなきゃなんないのよ。他に AU 形式とかも扱えるけど、あんまし一般的じゃないんで。そんでやり方をググったら、WAVE への変換は iTunes でできる、と出まして。けどその説明、どれも Windows 用の iTunes での変換。本家の Mac はなんか違ってて、どうしていいのか分かんなくてこれが。で、iTunes の設定を片っ端からめくって、ようやく設定の仕方が分かったわ。

お次はサウンド素材の要らない部分を切る方法の開発。音質の編集は今は不要。まともにサウンド編集ソフトを探したら、バンドルソフトでそういうのはナシ。シェアウェアが2つほど見つかった。で、なんかちょっとなぁって思ったのが、Windows 用のフリーソフトを Mac 用に移植しましたってやつ。こいつがシェアウェア。フリーウェアと同じ機能でカネ取るんかい。まぁその移植の労力ぶんを支払うってことなんろうだけど、どうも面倒で。ていうか Intel Mac だと Wine っつう無料ユーティリティソフトで Windows 用アプリが動くのよね(全部じゃないそうだけど)。それで Windows 用の無料のサウンド編集ソフトを動かせばいいんじゃないかとか。まぁうちのは PowerPC Mac だから関係ないけど。

そんなわけで、独自の方法を開発しましたですよええ。それはなんと、編集に iMovie を導入するっつう強引な手法。で、映像素材として加工して映像素材として書き出して、後で音だけ抜き取る、と。すんごい無駄だし手間もかかるんだけど、それ以外に方法が見つからんくて。

iMovie ってマニュアル要らずのお手軽操作が売りらしいんだけど、いきなりこんな邪道な使い方なもんで、期待通りに動いてくんない事態頻発。ビデオカメラ持ってないから映像編集なんてしたこともないし。とにかく分かったのは、音だけじゃ編集不可能で、無理に写真1枚でも付け合わせなきゃイカンってこと。めんどくさ〜。

なんか最新バージョンはサウンド編集ができると聞いたことがあるけど、映像なしでできるっつう意味なのかは不明。どうもこの前までの iMovie 、もうひとつ前のやつの劣化版でさ、機能がかなり削られたらしくてすごい不評だったのよね(上級者向けの有償ソフト Final Cut Express との差別化のつもりかと思われ)。それで使えなくなった機能が確かサウンド関係だったと思った。んで、単に復活しただけってことかも。それならおいらのバージョンの iMovie に付いてるし。

とグダグダ書いてたら、iMovie でサウンドだけ WAVE で直接書き出す設定をとうとう見つけた。おおお、これで作業がかなりラクになるわ。それまでは iSquint(フリーウェア)とiSkysoft Video Converter(機能制限付きシェアウェア)を使ってサウンドを抜き出すっつう力技を強いられてきたのよね。てことで、これからはそこらのソフトはおろか iTunes さえも要らんわ。iMovie だけで MP3 を取り込んで編集して WAVE に書き出すってことで。あ〜よがっだ〜(玉の汗)。

あとはイコライジングしたのを出力する方法を編み出せば初心者向け無料サウンド編集としてかなり行けると思うんだけど、そこまではやり方知らんす。iMovie だと他は、音量を一律またはタイムラインで調整できますな。アバウトにしかできんけど贅沢は言えんわな。

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ついでに、ニコニコ動画や YouTube から動画を抜くには mitter が便利ですな。なんか Mac 用は Firefox 向けしかない上に、たまに抜けない時もあるけどさ。で、そこらから抜いた動画は FLV 形式で、そのままじゃ Mac に付いてくるソフトで再生できない。そこで QuickTime プラグイン Perian をインスコすると、QuickTime で FLV 動画を再生できる。QuickTime で扱えるものは iMovie でも扱えるってことで、そのまま編集できる、と。

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2008.12.30 火曜
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規格書類閲覧にたどり着くまでの話

JIS 文書閲覧にひと苦労の話。

久しぶりに JIS(日本工業規格)の規格文書を覗いてみようかなと思ったんだわ。で、Firefox でググってトップに来た『日本工業標準調査会 (JISC)ホームページ』を開いたらなんだかヘンテコで。

HTML ソースもろ出し。Safari でもそう。IE ならちゃんと表示されるのよね。んー、公的機関のサイトで IE 専用ってどんなもんでしょ。んで、代わりにこのサイトを見つけてきてさ、文書の検索がちゃんとできるのよ。使いにくいけど。そんで文書を見つけて閲覧しようとしたら、なんかうまくいかなくて。Adobe Reader で白紙が表示されちゃうのよ。

JIS は無料閲覧は大丈夫だけど、著作権があるんでちょいと規制がかかってる。以前はダウンロードしたものを閲覧しても問題はなかった。それが、どうも今年の3月から運用を厳しくして、ストリーミング的な閲覧しかできなくなったらしい。

それは分かった。けどうちの環境じゃどうしてもダウンロードしちまうのよ。だからどうしても文書を読めないのよ。そんでいろいろ調べてようやく分かった。PDF Browser Plugin が必要だったわ。そうだったのか。こいつでようやく問題なく閲覧できるようになったわ。ふーい。そんじゃ読み進めますかね。

JIS 文書は販売もしてるんだけど、けっこう高いのよ。4,000円台とか平気で取るからなぁ。設計会社とかなら安いもんだろうけど、個人が趣味で何かを作るとき、参考情報が無料か有料かの違いはでかい。しかし JIS って日本工業規格だからさ、国が管理してることになると思うんだ。これに沿ってモノ作りをすると、安く効率的に作れるし、自然に汎用性と互換性もできるから便利なわけですよ。その情報って誰でも得られるように、原則的に無料公開されるべきじゃないかと思うんですが。日本国憲法と同じように、無断転載してもいいような気がするんだが。

けど実際は著作権に守られてて、今年3月からの規制強化でかなり使い勝手が悪くなった。ていうか古い規格だと紙の書類をスキャンしただけだからさ、読みにくかったりするんだよ。画像がつぶれてたりしてさ。規制で守るほどのものなら、そこらへんを改善しとくれよ。

まぁローカル保存がどうしてもできないのかっつうと、スクリーンキャプチャっつう手段があるんだけどね。

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2008.12.31 水曜
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2009年もよろすく

さてさて大晦日。今年ももう暮れてゆきますな。今年はさ、なんかこう、仕事に邁進してしまってさ、うちに帰るとどっと疲れてなんもやる気が起きないって感じでして。てなことでこの日記も毎日書き連ねるっつう方式が崩壊しちまって、何日かに1ぺんまとめて書く形になっちゃったわ。しかもまとめ書き直後でも何日か遅れてるのがが常態化。いかんですなぁ。

遅れてるとさ、時事ネタを書きにくくてね。書きたい時事ネタ、実際に書くまで何日間もいちいち覚えてないし。たまに覚えてたとても何日も経っちゃってコーフンが醒めまくってたりして。どうもいかんのですよ。来年はなるべくタイムラグを減らすように努力しますですよ。ええ。

けどまぁサイトの活動は悪いことばっかりだったわけでもなくて。このサイトの本業のはずの立体写真は新作作りが止まってしまってるけど、とりあえずそれは気にしないで下され(汗)。で、良かったことといえば、久々の新コンテンツ『楔形文字ワープロ くりごはん』をリリースできたことですよ。こいつには脳汁と根性をぶち込みましたですよ。こいつは充実しましたですハイ。

てな感じでしたよ。それじゃ今年も読んでくれてどうもありがとう。来年も遊びに来てね。

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