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手のモデリング・テクスチャ・アニメーション

by Julian MacDonald (勝手日本語訳: ゆんず)

手のアニメーション


まず アニメーション メニューから スコアを表示 をクリックして、スコアが見えるようにしましょう。これでスクリーンの一番下に時刻のバーが表示されます。ここにキーフレーム(さまざまな トラック で、その時刻でのキーモーメントでのプロパティを定義する)が配置されます。オブジェクトリストで手のオブジェクトをクリックすると、スコア上にこのオブジェクトが現れます。オブジェクトの下に並んでいるのは、アニメーションで制御するトラックです。デフォルトで Position(位置)トラックと Rotation(向き)トラックがあるはずです。しかし手をアニメーション化するためには、ポーズトラック が必要です。アニメーション → トラックを追加 → ポーズ を選択します。このとき、「ポーズトラックを作る前に "手" をアクターに変換します。変換後は点の追加や削除はできません。それでも実行しますか?」という警告ダイアログが表示されます。Yes をクリックすると、以下の図のように、ポーズトラックがスコアに追加されます。
スコアの上に並んでいる数字は、秒で示した時刻です。

この状態でオブジェクトリストで手のオブジェクトをダブルクリックすると、普通のメッシュ編集機能ではなく、以下の図のようなダイアログが表示されます。

ダイアログ左側のボックスに、このメッシュで定義された「ジェスチャ」すべてがリスト表示されます。初期は Default Pose のみで、これは作成されたままの手のメッシュです。上の右側のボックスには、現在のポーズを作る「ジェスチャ」がリスト表示されます。「ジェスチャ」と「ポーズ」の区別はほんのわずかです。「ジェスチャ」はメッシュの特定のインスタンスです。「ポーズ」は「ジェスチャ」の組み合わせです。事実これは、Default Pose(デフォルトのポーズ)からの置換としての、ジェスチャの重み付け合計です。今回の例を進めるにつれ、この意味が分かってくるでしょう。

この例では、手を握ったり開いたりのアニメーションを作成します。 Default Pose は手の指を伸ばした状態なので、必要なのは、指を曲げたジェスチャをいくつか作成することです。ポーズは Default Pose からの 置換 としてのジェスチャの重み付け合計なので、いくつものジェスチャを作ることができます。例えば、指を順に1本ずつ曲げて、現在のポーズリストに追加したりできます。事実、すべての指の曲げ方について個別に制御しようとして、指をすべて曲げたジェスチャを1つだけ作るよりも効率的です。

新規のジェスチャを作成するには、ジェスチャのリストで Default Pose をクリック、 続いて をクリックします。これで Default Pose の直接的なコピーが作られます。このコビーをその時刻のものとして編集します。プロンプトが表示されたら、まずジェスチャに名前(「人差し指の曲げ」など)を付けます。その名前をリストで選択して、 をクリックすると、見慣れたメッシュ編集画面が表示されます(以下の図)。


人差し指についての作業を行っていますが、その考え方は、指を曲げることです。何かを動かす前に、左の図のように、3番目の骨の下の方の関節(上から4番めの十字マーク)を 基礎 に設定しましょう。<shift> キー併用でクリックするとできます。この設定で、骨のつながりの下部の骨のいかなる動きも止めます。図のように、その関節の十字マークは緑色に変わります。
今度は一番上の関節をクリックしましょう。ピンク色に変わるはずです。この作業の場合、視点を回転させたほうが便利です。下の図のように、横の視点にします。そして関節をクリック&ドラッグして、下の図の位置に持っていきます。




指を要求の位置へうまく動かせましたが、結果として指自体は、関節の周りで少し潰れてしまいました。点の編集ツールで逆向き関節の重みの値を変えれば修復できますが、右側の図のように良い見映えを保つなら、メッシュを手動で編集したほうが恐らく簡単です。方法は簡単で、メッシュ編集ツールで頂点をよりよい位置に移動します。Art of Illusion では頂点の中間の位置を補間するので、自然な見映えとなるはずです。
うまくできているか見てみましょう。タイムメーカー(スコア上の緑色の縦線)を時刻0に置いて(タイムメーカーをドラッグするか、アニメーション → ジャンプ... で0を入力)、アニメーション → 位置を設定 をクリックします。これで、手についての最初の Pose(ポーズ), Position(位置), Rotation(向き)が設定されます。次にタイムメーカーを 0.2 に動かし、ここで次のポーズを設定します。これをするには、オブジェクトリストで手のオブジェクトをダブルクリックして、下の図の左側のようにポーズダイアログのウインドウを再び表示します。この時点では、現在のポーズのリストには何もありません。これが Default Pose からの置換ジェスチャのリストであることを思い出しましょう。リストに何もないということは、現在のポーズは Default Pose そのものということです。しかし「人差し指の曲げ」ポーズを使いたいので、ジェスチャのリストでこれをクリックして、現在のポーズのリストに追加します。それには をクリックします。結果は下の図の右側のようになります。


OK をクリックして確定します。実際にこのポーズを現在の時刻点に設定するには、アニメーション → 位置を設定 を選択します。これで右の図のように、Pose Track(ポーズトラック)に新規のキーフレームが作成されます。

アニメーションの第1段階は完了です。タイムメーカーを0から0.2の間で動かすと、視点ウインドウ内でその中間の位置が変わっていくのが分かるでしょう。アニメーションをプレビューする別の方法は、アニメーション → プレビュー... です。これでそのアニメーションのワイヤーフレームプレビューが表示されます(訳注: ver. 2.9.1 では滑らかモードで表示されるようです)。

あとは、ほかの指のジェスチャを作る必要があります。それぞれでデフォルトポーズをコピーして、そのコピーを、骨を利用して指を曲げる編集します。このとき、必要に応じて頂点を微調整します。大きな点は、現在のポーズのリスト上でジェスチャを単に追加/削除するだけで、指の曲げ伸ばしのどんな組み合わせでもできるということです。
重み でもまた、部分的に伸ばした指にできます。重み1では、ジェスチャはメッシュで定義されたものと同じです。0では、ジェスチャは現在のポーズと少しも混じり合うことはなく、その中間は部分的に混じり合ったジェスチャとなります。この例では、すべての指を曲げた状態を初期状態にして、1本ずつ伸ばすようにしています。

時刻を 0.2 にして、オブジェクトリストで手のオブジェクトをダブルクリックすると、ポーズダイアログが表示されます。作成したジェスチャすべてを現在のポーズに追加します。これで右の図のように、拳を握ったようなポーズとなります。

OK をクリックすると完了です。その後は先の説明のように、ポーズトラックをキーフレームします。少し本題から外れて、タイムメーカーを 0.1 に合わせて手のオブジェクトをダブルクリックすると、再びポーズのダイアログが表示されます。そこではすべてのジェスチャが先ほどのまま現在のポーズリストに出ていますが、重みが違っているはずです。これはもちろん、指が曲がる途中だからです。実際の重みの値はポーズトラックで採用している 平滑方法 によります。スコア上でポーズトラックをダブルクリックすると、平滑方法を変えるダイアログが表示されます。選択肢は、不連続(ポーズが突然変わる)、直線(線形補間: すべてのジェスチャで重みが 0.5)、そして2タイプの平滑補間(補間と近似)です。ここでは「直線」にしますが、より滑らかになる平滑方法を探してみるのもいいでしょう。

タイムメーカーを時刻 0.4 に移し、先のように手のオブジェクトをダブルクリックします。今回は現在のポーズリストで「人差し指の曲げ」ジェスチャを選択して をクリックします。これで人差し指のみが初期の位置に戻ります。OK をクリックしてこの新しいポーズをキーフレームします。

時刻 0.6 で中指でも繰り返します。時刻 0.8 の薬指では、現在のポーズのリストから薬指のジェスチャを削除すると同時に、小指の重みを 0.5 にします。これで小指が立つタイミングが少し早くなります(小指を立たせずに薬指を立たせられるでしょうか!?)
最後に時刻 1.0 で、現在のポーズリストからすべてのジェスチャを削除すると、Default Pose(デフォルトのポーズ)に戻ります。

アニメーションをレンダーするには、シーン → レンダー... を使います。このダイアログでレンダー方法を選び、適切に設定します。右の図に例を示しました。ここではアンチエイリアスが ON のレイトレーサーで、最小光線数/ピクセルを4に、最大光線数/ピクセルを16にしました。これできれいな結果が出るはずです。

"Movie" をクリック、アニメーションの時間幅は、開始 は0に、終了 は1に設定します。フレーム/秒 ではアニメーションの再生の滑らかさが決まります。この数字が大きいほど滑らかになりますが、アニメーションのファイルサイズが大きくなり、全体のレンダー時間も多くなります。普通は30で充分です。画像/フレーム は、モーションブラーを使うときに設定します。ここに入力する数値はレンダーする画像数で、この画像をフレームごとに平均化します。フォトリアリスティックな効果が得られますが、ここでもレンダー時間が増えてしまいます。モーションブラーは速い動作で特に効果的です。



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