スコアの上に並んでいる数字は、秒で示した時刻です。 |
ダイアログ左側のボックスに、このメッシュで定義された「ジェスチャ」すべてがリスト表示されます。初期は Default Pose のみで、これは作成されたままの手のメッシュです。上の右側のボックスには、現在のポーズを作る「ジェスチャ」がリスト表示されます。「ジェスチャ」と「ポーズ」の区別はほんのわずかです。「ジェスチャ」はメッシュの特定のインスタンスです。「ポーズ」は「ジェスチャ」の組み合わせです。事実これは、Default Pose(デフォルトのポーズ)からの置換としての、ジェスチャの重み付け合計です。今回の例を進めるにつれ、この意味が分かってくるでしょう。 この例では、手を握ったり開いたりのアニメーションを作成します。 Default Pose は手の指を伸ばした状態なので、必要なのは、指を曲げたジェスチャをいくつか作成することです。ポーズは Default Pose からの 置換 としてのジェスチャの重み付け合計なので、いくつものジェスチャを作ることができます。例えば、指を順に1本ずつ曲げて、現在のポーズリストに追加したりできます。事実、すべての指の曲げ方について個別に制御しようとして、指をすべて曲げたジェスチャを1つだけ作るよりも効率的です。 新規のジェスチャを作成するには、ジェスチャのリストで Default Pose をクリック、 続いて をクリックします。これで Default Pose の直接的なコピーが作られます。このコビーをその時刻のものとして編集します。プロンプトが表示されたら、まずジェスチャに名前(「人差し指の曲げ」など)を付けます。その名前をリストで選択して、 をクリックすると、見慣れたメッシュ編集画面が表示されます(以下の図)。 |
人差し指についての作業を行っていますが、その考え方は、指を曲げることです。何かを動かす前に、左の図のように、3番目の骨の下の方の関節(上から4番めの十字マーク)を 基礎 に設定しましょう。<shift> キー併用でクリックするとできます。この設定で、骨のつながりの下部の骨のいかなる動きも止めます。図のように、その関節の十字マークは緑色に変わります。 今度は一番上の関節をクリックしましょう。ピンク色に変わるはずです。この作業の場合、視点を回転させたほうが便利です。下の図のように、横の視点にします。そして関節をクリック&ドラッグして、下の図の位置に持っていきます。 |
指を要求の位置へうまく動かせましたが、結果として指自体は、関節の周りで少し潰れてしまいました。点の編集ツールで逆向き関節の重みの値を変えれば修復できますが、右側の図のように良い見映えを保つなら、メッシュを手動で編集したほうが恐らく簡単です。方法は簡単で、メッシュ編集ツールで頂点をよりよい位置に移動します。Art of Illusion では頂点の中間の位置を補間するので、自然な見映えとなるはずです。 |
OK をクリックして確定します。実際にこのポーズを現在の時刻点に設定するには、アニメーション → 位置を設定 を選択します。これで右の図のように、Pose Track(ポーズトラック)に新規のキーフレームが作成されます。 |
時刻を 0.2 にして、オブジェクトリストで手のオブジェクトをダブルクリックすると、ポーズダイアログが表示されます。作成したジェスチャすべてを現在のポーズに追加します。これで右の図のように、拳を握ったようなポーズとなります。 OK をクリックすると完了です。その後は先の説明のように、ポーズトラックをキーフレームします。少し本題から外れて、タイムメーカーを 0.1 に合わせて手のオブジェクトをダブルクリックすると、再びポーズのダイアログが表示されます。そこではすべてのジェスチャが先ほどのまま現在のポーズリストに出ていますが、重みが違っているはずです。これはもちろん、指が曲がる途中だからです。実際の重みの値はポーズトラックで採用している 平滑方法 によります。スコア上でポーズトラックをダブルクリックすると、平滑方法を変えるダイアログが表示されます。選択肢は、不連続(ポーズが突然変わる)、直線(線形補間: すべてのジェスチャで重みが 0.5)、そして2タイプの平滑補間(補間と近似)です。ここでは「直線」にしますが、より滑らかになる平滑方法を探してみるのもいいでしょう。 |
アニメーションをレンダーするには、シーン → レンダー... を使います。このダイアログでレンダー方法を選び、適切に設定します。右の図に例を示しました。ここではアンチエイリアスが ON のレイトレーサーで、最小光線数/ピクセルを4に、最大光線数/ピクセルを16にしました。これできれいな結果が出るはずです。 "Movie" をクリック、アニメーションの時間幅は、開始 は0に、終了 は1に設定します。フレーム/秒 ではアニメーションの再生の滑らかさが決まります。この数字が大きいほど滑らかになりますが、アニメーションのファイルサイズが大きくなり、全体のレンダー時間も多くなります。普通は30で充分です。画像/フレーム は、モーションブラーを使うときに設定します。ここに入力する数値はレンダーする画像数で、この画像をフレームごとに平均化します。フォトリアリスティックな効果が得られますが、ここでもレンダー時間が増えてしまいます。モーションブラーは速い動作で特に効果的です。 |