楔 形 文 字 ワ ー プ ロ
ひらがな、全角・半角カタカナでボックスに入力 (キー入力で反応)
2013.2.16: モバイル版ができますた→
 
 
http://yunzu.qee.jp/cunei/index_mb.html
 
 

楔形文字をお持ち帰りの際は、お手数ですが1文字ずつローカルに落としてくださいませ m(_ _)m


出自とか出典とか変換ルールとか。

●作ったきっかけ:「雲の遺跡」by yanagiP

「雲の遺跡」とゆーものすごく素晴らしい楽曲を聴いてしまったんで。

タイトル「くりごはん」の由来は、「雲の遺跡」の出だしを聴くとなんとなく分かるかとw

●出典:「楔形文字を書いてみよう読んでみよう」池田潤 著 白水社

このスクリプトは、出版 白水社、著 池田潤 の「楔形文字を書いてみよう読んでみよう 古代メソポタミアへの招待」をもとに作りましたが、権利者の権利を侵害する意図はありませんです。

●変換ルール

このプログラムでの「ひらがな→楔形文字」の変換ルールは、1. 出典ルール、2. 勝手ルール の2つです。以下で説明します。

1. 出典ルール:出典書籍「楔形文字を書いてみよう読んでみよう 古代メソポタミアへの招待」にあるものです。

・楔形文字表記は新アッカド語のものを用います。

・新アッカド語には「お」列がないので、「う」列で代用します。例:「の」→「ぬ()」。

楔形文字を書いてみよう読んでみよう

・同じように「え」列がない行がいくつかあるので、その時は「い」列で代用します。例:「ぺ」→「ぴ()」。

・かな文字にあって新アッカド語楔形文字にない時は、できるだけ近い表現で代用します。例:「じ」→「ずぃ()」、「ち」→「てぃ()」。

・上の例に当てはまらない小さい文字「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ゃ」「ゅ」「ゎ」はそれぞれ「あ」「い」「う」「え」「や」「ゆ」「わ」に置き換えます。例:「ふぃ」→「ふい()」、「きゃ」→「きあ()」。

・音引き「ー」は、直前の母音を拾って続けます。例:「さー」→「さあ()」。

・「ん」に直接対応する楔形文字はないので、"an()", "in()", "un()", "en()" を、直前の母音に合わせる形で利用します。例:「たんにん」→ "ta-an-ni-in()"

・「っ」はローマ字表記法と同じく、子音を重ねます。ただし "sh" を重ねる場合は "..s-sh.." ではなく、本物の楔形文字の用例に従って "..sh-sh.." とします。例:「はっしゃ」→ "ha-ash-sha()"

・同じように「っ」に続いて「つぁ」「つぃ」「つ」「つぇ」を書く時の処理は、"..t-ts.." ではなく "..s-ts.." とします。例:「がっつ」→ "ga-as-tsu()"

詳しくは出典書籍をご確認下さいませ。

 

2. 勝手ルール:出典ルールだけだとプログラム化するのに曖昧なところが残ったりしたので、自分の都合で勝手にルールを追加させていただきました(汗)

基本、できるだけ多くの種類の楔形文字に出番を与えること、1回で出る楔形文字の数をなるべく減らすこと(楔形文字は横長なのが多くて、見た目だらーっと長くなってしまうので)、アッカド訛り化で失われたかな文字情報をなるべく復元することです。なので、本物の楔形文字用例とはかけ離れた表現が出るかもです(滝汗)

・「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ゃ」「ゅ」の特例:「しゃ()」「しゅ()」「しぇ()」「すぃ()」「つぁ()」「つぃ・つぇ(どちらも )」「てぃ()」「とぅ()」「どぅ()」はそれぞれ対応する楔形文字があるので、それらを使います。

・「がん()」「だん()」も対応する楔形文字を使います。出典ルール通りに "ga-an", "da-an" でも問題ないですが、楔形文字出力を短くしたかったんで。

・"bit()", "mash()", "nim()", "shar()", "shum()", "tum()" みたいな一見日本語に関係なさげな楔形文字も、使えると見るや無理してでも使います。例:「びったーん」→ "bit-ta-a-an()"、「まっしぐら」→ "mash-shi-gu-ra()"

・通常の「っ」に使う子音止まりの楔形文字("ek", "ud" など)は、1文字でいくつかの発音を兼ねるものが多いので、アッカド訛りのローマ字表現では、そのうちの1つを代表して使います(楔形文字では同じことなので)。例: "eb", "ip", "ep" → "ib"(どれも「」)

・小さい「っ」専用文字の出番: 子音重ねが使えない場合(直前の母音か直後の子音を拾えない場合)にのみ、「っ」専用の楔形文字「」を使います。

・「っ」「ー」「ん」「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」では直前の母音と合っていない時がありますが、それは、直前の母音がかな文字の入力と違う代用のもので、そこをできるだけ復元しようと必死こいた結果(「けん」→ "ki-en" とか)ですんで、あんまし気にせんでくだされ。

・音引き「ー」の直前の母音を拾えない時は、その「ー」はなかったことにします。例:「あっー」→「あっ()」、「ひえーー」→「ひええ()」

・「ん」で直前の母音を拾えない時は "an()" を使います。例:「んだ」→ "an-da()"

・「や」の楔形文字は普通では「ぴ」「ゆ」「わ」と同じで区別不能ですが(どれも「」)、「い()」と「あ()」の合字「」もまた別の「や」として存在するので、この合字の「や」を使います。

・「ゆ」の楔形文字も普通では「ぴ」「や」「わ」と同じで区別不能で、「や」のような合字も存在しないのですが、「い()」と「う()」の合字を力ずくで捏造して「ゆ()」ということにしちゃいました。

・調子に乗って「う()」と「あ()」の勝手合字で「わ()」もでっち上げちまいました。

・正調の「や」「ゆ」「わ」(どれも「」)をお求めであれば、ひらがな入力の段階で「や」「ゆ」「わ」を「ぴ」に置き換えると OK です。

・新アッカド語での楔形表記の特徴のひとつ「限定符」には今のところ未対応です。やりたいと思ってはいるんですけどね(汗)。

以上、「楔形文字ワープロ くりごはん」はこんな味付けで ひらがな→楔形文字 変換します。

●文字の由来

出典書籍「楔形文字を書いてみよう読んでみよう」の文字画像をスキャンして、ほぼそのまま使わせていただいています。

Wikipedia の「楔形文字」から Unicode の文字表を落とせるのでそれを使うべきでしたが、出典書籍と照らし合わせたら10個程度しか一致しなかったので断念しました(このプログラムでは楔形文字を89個使っています)。出典と Unicode では、恐らく文字のサンプルを取った時代か地域が異なるんじゃないかと。

●感謝

最後になりましたが、このプログラムを作るきっかけと決心をくださった名曲「雲の遺跡」の作者 yanagi 様と、資料として使わせていただいた、初心者にもとても分かりやすい「楔形文字を書いてみよう読んでみよう 古代メソポタミアへの招待」の著者 池田潤様に深く深く感謝いたします。ありがとうございました。

記: 2008.12.9 作者: ゆんず ゆんず


姉妹サイト:  Art of Illusion 勝手日本語訳マニュアル

「英語で歌ってみた」反訳 ほぼじゅびふぉ