Art of Illusion で、簡単な分割操作で作る人型キャラクター

by Julian MacDonald (feel free to email comments and suggestions)

初版執筆: 2002/7/6 対象: ver. 1.1

更新: 2002/8/18

(勝手翻訳: ゆんず)


このチュートリアルでは、三角メッシュ編集機能での表面分割の使い方を、簡単な人型モデルを作りながら解説します。

基本モデル

手を追加




基本モデル

早速始めましょう。立方体を作り、三角メッシュに変換します(オブジェクトリストでオブジェクトを右クリックして メッシュに変換... を選択、"OK" をクリックすると変換します)。次はこのメッシュオブジェクトをダブルクリックして、メッシュ編集機能を表示します。右の図のような直方体メッシュが表示されるはずです。


表示方法を「滑らか」(画面 → 表示方法→ 滑らか)に、分割方法を「近似」(メッシュ → 平滑方法 → 近似)にします。これでメッシュの見映えは右の図のようになります。これを人体モデルの頭部にします。

ここからのモデル作成での基本的な方法は、頭部から作り出した胴体からさまざまな部位を押し出して行います。では次は首を作りましょう。"FACE" モードで右の図のように立方体の底の面4つを選択し、メッシュ → 押し出す... をクリックします。これで下の図のようなダイアログが表示されます。


押し出す高さ傾斜の幅 は 0.0 のままにします。プレビューでは底が平らになっています。確認したら OK をクリックして、メッシュ編集機能に戻ります。(訳注: ver 2.9.1 では 0.0 のままでは何も変わりません。以降は 押し出す高さ のみ 0.01 にして話を進めます)

視点を「下」にすると、押し出し操作で作られた5つの点が選択されています。拡大縮小ツールをクリックしてから、下の図のように、<shift> キーと <ctrl> キー併用(一様かつ中心合わせ)で、コーナーハンドルのひとつを首の次元の内側にドラッグします。



首のほかの部分を作りましょう。FACE モードに戻り、先ほどと同じように選択中の面を押し出します。今回は 押し出しの高さ を 0.0 より大きくします。右の図の例では高さ 0.5 にしましたが、これはあなたが作ったモデルのサイズによります。もちろんこの高さは、後でも点を引っ張るだけで変えられます。

プレビュー画像で、首の形が見られます。OK をクリックすると、押し出し操作が実行されます 。

選択中の面を再び押し出します。今回の 押し出しの高さ は 0.0 です。(訳注: ここも 押し出しの高さ 0.01 で話を進めます)


再び視点を「下」にして、拡大縮小ツールで新規の点を横に伸ばし、肩のてっぺんを作ります。また、ほかの次元も少しだけ拡大縮小します(「下」視点の場合の垂直軸)。これで右の図の、斜め上から見た様子と同じになります。


さらに2回、押し出し操作をします。1回目の 押し出しの高さ は、腕を作る位置のすぐ下までに設定します。2回目も下向きに、腰の位置まで大きく伸ばします。右の図を参考にして下さい。

2回目の押し出しでできた点を右の図のように縮小して、腰を細くします。

腕を押し出しましょう。右の図のように、肩のそれぞれの脇にある2つの面を選択して下さい。


最初に、肩の部分で小さな値の 押し出しの高さ で押し出してから、より長い 押し出しの高さ で上腕を押し出します。そして再び、ひじの部分で 押し出しの高さ を短くして押し出し、前腕を長く押し出します。さらに手首を短く、最後に 押し出しの高さ を長くして、手を作ります。

そうです、これで腕のすべての部品が作られました。あとは以下の図のように、外形を適度に調整するだけです。


視点を「上」に切り替えて、腕のいろいろな部分を拡大縮小ツールでサイズ調整します。このときの作業は、関連する頂点を選択して行います。このモデルの手のひらは地面に平行なので、この腕を下に曲げると、手は現実と同じく、体の側面のすぐ横に来ます。ですから、「上」視点で手を広げた状態にしましょう。


「上」視点での外形のサイズ調整が終わったら、「前」視点に切り替えて、右の図のようになるようサイズ調整をします。

次は足です。

分割表面で綺麗な平滑効果を得るには、押し出しのときに面のペアで作業することをお勧めします。この方法で、三角形ではなく四角形で作業できます。これは既に行ったことですが、問題があります。胴体の底から2本の足を押し出すつもりですが、その作業にちょうどいい四角形がありません。足を作るには、まず分割をする必要があります。

方法を1つ紹介します。胴体の底面を選択して、小さめの 押し出しの高さ で押し出しをします。EDGE モードに切り替えて、押し出し操作で作られた、対角線になっている辺4本を選択します。右の図に示します。


そして選択した辺を分割します(メッシュ → 辺を分割...)。これで右の図のように、新規の点が作成されます。

モデルの底部を見ると、まるで押し出されるのを待っているかのような、2つの菱形があるのが分かります(下の図)。


しかし、まずはすべての面を互いに平行にしなければなりません。押し出しは選択した面に垂直方向に行われるので、すべての面の法線が同じ向きである必要があります。関連する面を選択して、POINT モードと「前」視点に切り替えます(左下の図)。拡大縮小ツールを選択して、上の真ん中のハンドルをできるだけ下に持っていきます。これですべての面が平らになります(右下の図)。


いよいよ足を押し出します。菱形を2つ選択して、右の図のように太ももを押し出します。


押し出した面がより正方形に近くなるよう、また胴体とのつながりがきれいになるよう再調整します。右の図のように、「下」視点に切り替えて、菱形のひとつを作る4つの点を選択します。図のように回転ツールで向きを調整して、移動ツールで「正方形」に近づけます。もう1本の足でも繰り返します。


少し面倒な工程でした。足の押し出しを続けましょう。ひざの部分を少し押し出し(下の左の図)、今度はすね(下の中央の図)を、そして足首(下の右の図)を押し出します。


足首から下は、足首の前の部分を選択して(下の左の図)1回押し出して主な部分を作ります(下の中央の図)。そしてもう一度押し出して、足の指を作ります。サイズ調整で先端部分を先細にします(下の右の図)。




以下の図が基本モデルの最終形です。


手を追加


以下の図は、前腕と手のクローズアップです。先のセクションで作った頂点を、図のように手首のほうへ戻します。


以下の図は「上」視点です。端の面を2つとも選択して、再び押し出して図のような手のひらを作ります。


親指を作ります。手のひらの手首に近い部分の横で、四角形を作る面を2つ一緒に選択して、図のように外側に押し出します。


新しくできた点を手の側に戻すように移動し、関節の近くに頂点が多く集まるようにします。そして新しい面をあと3回押し出して、点が関節になるよう、図のように移動します。


ほかの4本の指を作りましょう。ここでの狙いは、手のひらの端から指それぞれを押し出すことです。理想的には、面を4つの四角形に分割して押し出したいところです。ここで技を伝授しましょう。平滑方法なし に替えて、以下の図のようなカクカクな見映えにします。一時的なものなので気にしないで下さい。こうすると分割の方法が変化して、要求にかなうきれいで真っ直ぐな辺が得られます。分割方法は以下です。


まず下の左側の図のように、指の作成を始めるすぐ手前の、手のひらの一部の辺を選択します。また、手の反対側でも同じように辺を選択します。メッシュ → 辺を分割 を選ぶと、下の中央の図のようになります。この方法のポイントは、頂点/辺の対称のセットを作ることで、これで後の段階でより良い結果の元となります。

指を作るため、手のひらの端を実際に分割します。この「四角形」を2つに切るには、ここを横切るすべての辺を分割する必要があります。そのためには、これら3つの辺を下の右側の図のように選択します。


これで辺を分割すると、下の左側の図のような結果になります。要求どおり、「四角形」を横切ってきれいかつ直線的に切れていることに注目しましょう。もし近似平滑でこの操作を行うと、結果はこのようにはなりません。また新規の「四角形」を構成する3つの面が実際にできことにも注目してください。ここは今は要求どおりでは ありません が、あとで修正します。

新規の「四角形」を再度2つに分割します。先のように「四角形」を横切る辺を選択して(下の中央の図)分割すると、下の右側の図のようになります。


これで要求どおり、4つのきれいな「四角形」が得られました。あいにく、構成する面は少しごちゃごちゃしています。ここをすつきりさせる方法は以下です。

最初に、1つの「四角形」を構成する面すべてを選択します(下の左側の図)。ここを少しだけ、「これに適用 → いっしょに」で押し出すと、下の中央の図のようになります。この狙いは、下の右側の図のように、指の基底部を作るすべての面を選択することです。そして メッシュ → 単純化... を選びます。しかしここで問題が出ます。これをすると、手のひらにある面まで単純化したメッシュと一体になってしまいます。なぜなら、指の基底部が、手のひらの側面と完全に並んでいるからです。このため、表面はメッシュのより簡単な形として表現されて、表面精度のレベルが同じに保たれてしまいます。


解決するには、「上」視点で、下の左側の図のように、押し出した点を横方向に移動します。そして下の中央の図のように、指の基底部の面すべてを選択します(コツ: 押し出した点を POINT モードで選択して、編集 → 選択範囲を広げる を選び、FACE モードにすると簡単です)。ここで メッシュ → 単純化... を選択します。デフォルトの許容誤差 0.01 そのままで操作を続けます。画面をよく見ていて下さい。下の右側の図のように、「四角形」それそれで、ほんの2つの面でできたきれいなメッシュになります。


隣の面1組を選びます(下の左側の図)。先のように、押し出し・単純化を行います(下の中央の図)。残り2本の指でも同じ工程を繰り返すと、下の右側の図のようになります。


指の残りの部分を作りましょう。下の左の図のように、指の端の「四角形」全部を選択します。これを、下の中央の図にあるメッシュのように、押し出す高さを変えて何度も押し出します。先に述べたように、頂点は関節の周りに集中させた方がいいです。そして近似平滑に戻すと、下の右側の図のような滑らかなメッシュになります。


あともう少しです! 5本の指を拡大縮小して、下の図の例のように、本物の指に近い形と大きさにしましょう。



このチュートリアルはこれで全部です。それでは!




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