「並べて複製」ツール

Version 1.0
Rick van der Meiden. September 2001. (勝手翻訳: ゆんず)

最初に

「並べて複製」ツールって何?

「並べて複製」ツールとは、 モデリング・アニメーション・レンダリングソフトウェア Art of Illusion (AoI) のプラグインのつです。このツールは AoI ver. 0.9 以降で使えます。AoI の詳しい情報は www.artofillusion.org(英語サイト)にあります。Art of Illusion そのものと同じく、配列ツールも無料のオープンソースソフトウェアです。オープンソースソフトウェアについての詳細は GNU 一般公開ライセンス をご覧ください(訳注: 英語ページです。権利関係は誤訳でトラブルや実害が発生したりするので、勝手翻訳の範囲を超えています。どうかお許しくださいませ)。

何をするツールなの?

オブジェクトを複製して列に並べます。オブジェクト間の間隔は一定にでき、結果的に直線配置となります。もしくは曲線を選択でき、オブジェクトの複数のインスタンスをそれに沿って配置できます。

どうやって使うの?

(訳注: ver. 2.9.1 では標準装備なので、以下のインストール手順は不要です)まず配列ツールをインストールします。Art of Illusion の plugins directory に、単に ArrayTool.jar ファイルをコピーすればできます。AoI のセッションを起動すると、ツール → 並べて複製... という新規のオプションができているはずです。

マニュアル

大まかな使い方

配置を作るには、シーン内の1つかそれ以上のオブジェクトを選択し、メニューから ツール → 並べて複製... を選択します。表示されたダイアログ上で、さまざまなパラメータとオプションを設定できます。選択したオブジェクト(そのオブジェクトの子を含めることもできます)はすべて「並べて複製」ダイアログで設定したパラメータに従って向きを揃えて複製・配置されます。

linear arrays(直線配置)と curved arrays(曲線配置)のどちらかのタイプを選択できます。作成する配置のタイプの選択は、そのラジオボタンをクリックして行います。

デフォルトでは、オブジェクトのコピーは配置オブジェクトとしてグループ化されていて、オブジェクトの子もコピーされます。これらやほかの一般的なオプションは、選択した配置タイプを気にせず設定できます。

Linear(直線)配置

Linear(直線)配置を選択するには、「並べて配置」ダイアログ上で Linear ラジオボタンを選択します。こうすると、このオプションの右側のチェックボックスのみが使用可能になります。

Linear(直線)配置では、Number of Copies(コピーの数)、Step X(X のきざみ幅)、Step Y(Y のきざみ幅)、Step Z(Z のきざみ幅)のパラメータを設定できます。X, Y, Z のきざみ幅要素は、オブジェクトの各コピーからその次までの移動ベクトルの定数を表します。それぞれの要素の値にはプラス、ゼロ、マイナス、小数点が使えます。

きざみ幅の要素それぞれで Times X SizeTimes Y SizeTimes Z Size オプションをチェックできます。これできざみ幅要素の、オブジェクトが空間中に占める直方体の X, Y, Z サイズの同じ要素のかけ算となります。例えば X Step を1にして Times X Size をチェックすると、X のきざみ幅はオブジェクトが空間中に占める直方体の X 方向のサイズと等しくなります。言い換えると、X 軸沿いにオブジェクト同士がつながった形の配置が生成されます。

Number of Copies の入力ボックスで、配置するオブジェクトコピーを何個作るかを決定します。もとのオブジェクトはこの数に含めません。通常、コピーを作る数を N 個に設定すると、シーン内のオブジェクトのインスタンス数は N+1 個になります。N が並んで配置される数の意味、1がもとのオブジェクトの数の意味です。

以下に示す例は直方体16個の Linear(直線)配置で、間隔は直方体の X サイズの2倍にしています。

Curve(曲線)配置

Curve(曲線)配置を作るには、「並べて配置」ダイアログ上で From Curve ラジオボタンを選択します。こうすると、このオプションの右側のチェックボックスのみが使用可能になります。
注意: Curve(曲線)ラジオボタンは、シーン内に曲線オブジェクトが存在するときのみ使えます。

配置を作るための曲線は、From Curve ラジオボタン右側のドロップダウンメニューから選択できます。この曲線は、開いた曲線、閉じた曲線、補間、近似、平滑化なしのどのタイプでも使えます。シーン内の曲線の位置と向きは、このシーン内で作る配置の位置決めに使われます。デフォルトではコピー元のオブジェクトの位置と向きは、配置を作るときに考慮されません。このため、これらはシーン内のどこにでも支障なく配置されます。

オプションの値をデフォルトのままにすると、10個のコピーが曲線沿いに、まるでネックレスのビーズのようにきちんと並んで配置されます。以下の例では、直方体15個を曲線沿いに並べて配置しました。生成された直方体の並びが、どのように曲がっているかにご注目ください。「最小回転枠」と呼ばれるものです。

Number of Copies(コピーの数)か定数の Step Size(きざみ幅)のどちらかを設定できます。Number of Copies を設定すると、コピーは曲線沿いに等間隔で配置されます。Step Size を設定すると、曲線の長さからオブジェクトの数が自動計算されます。

デフォルトでは、コピーのオブジェクトの向きは曲線に従います。厳密にはオブジェクトの向きは、曲線の方向が最小限となる向きと平行な軸まわりの回転の総量です。Orientation Follows Curve(向きは曲線に従う)オプションのチェックを外すと、一定の向きとなります。このときはオブジェクトのデフォルトの向き、あるいは Use Orginal Orientation(もとのオブジェクトの向きを使う)をチェックしたときの、もとのオブジェクトの向きと同じになります。

場合により、曲線上でのオブジェクトの配置をさらに調整できると望ましいときがあります。Use Orginal Orientation(もとのオブジェクトの向きを使う)と Use Orginal Position(もとのオブジェクトの位置を使う)を選択すると、もとのオブジェクトの位置/向きで、曲線と関連させながら、曲線上でのコピーの位置と向きを決定します。

次の例は、右の図の円柱オブジェクトと曲線で、円柱を「並べて配置」したものです。
曲線を使って配置を作るデフォルトのパラメータでは、右の図の結果になります。
Use Original Orientation(もとのオブジェクトの向きを使う)をチェックすると、円柱の向きは最初はもとの円柱から与えられ、以降は曲線に従います。ただし、もとの円柱はシーン内に残っています。
最後に、もとのオブジェクトの位置と向きを同時に選択すると、円柱の位置と向きは曲線に影響されて、自然な感じで連続的に配置されます。

共通のオプション

Include children(子を含む): 選択したオブジェクトのすべての子もコピーされます。子の位置と向きの親との関連性は保存されます。
注意: 関連のない複数のオブジェクトを選択すると、生成された配置では相対的な向きは考慮されません。各オブジェクトは個別で処理されます。

Group(グループ化): 配置で生成されたすべてのオブジェクトは、ひとつのオブジェクトとしてグループ化されます。つまり生成されたすべてのオブジェクトは、Array of ... という名前の NULL オブジェクトの子となります。曲線を使っての「並べて配置」では、この NULL オブジェクトの位置と向きは曲線の起点と同じになります。直線配置を作る場合、NULL オブジェクトの基準位置は、直線配置の長さの中間となります。

Skip First Copy(最初のコピーを省略): 配置を作るとき、最初のコピーを省略します。グループオブジェクトを作らず、もとのオブジェクトの位置が配置の最初のコピーと同じ場合に便利です。

Live Duplicates(クローンを作成): 生成されるのは普通のコピーではなくクローンです。クローン同士は異なる位置と向きを持ちますがすべて同じ形状となり、パラメータの変更に同じように反映します。

著者との連絡

ご質問・ご提案・ご意見は、メールで私までお寄せください。kwikrick@users.sourceforge.net
(訳注: 英語原版では作者様へのメールリンクがありますが、この勝手翻訳版では割愛させていただきます。またスパムメール防止のため、上記のアドレスは「@」を全角にしています。ご承知とは思いますが、著者様にメールされる場合、英語でお願いいたします)
Copyright 2001 Rick van der Meiden.
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