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9. テクスチャの例

手続き編集機能について、すべてお分かりになったかと思います。これでできることを、いくつかの例で見てみましょう!

例1: レンガ

最初の例はレンガです。

これを作成する手続きは以下です。

かなり単純なテクスチャです。レンガモジュールの出力がブレンドモジュールに送られ、2つの異なる色の選択に使われます。赤はレンガに、グレーはモルタルに。単にそのままでレンガテクスチャと言えるものとなりますが、納得できる見映えにはなっていません。完璧すぎるのです。本物のレンガを見ると、レンガそれぞれの色の違いや、さまざまな変色やシミなどがあるのがわかるでしょう。これを再現するには、ノイズモジュールで出力の明るさを増減させて、表面の不規則なシミを作り出します。もっと凝ることもできますが、この単純な変更だけでも、このテクスチャの見映えを大きく改善できます。

さらにこのレンガパターンは凹凸マッピングを使っていて、レンガ的な見映えを際立たせています。レンガの辺を、にじみモジュールでわずかに傾斜させていることにご注目ください。これで凹凸マッピングが少し目立つようになります。

例2: 木目

次の例は木目テクスチャです。

手続きは以下です。

細胞モジュールの Distance 1 出力を、グラデーション色彩関数からの色選択に用いています。これで、たくさんの中心を持つ同心円を作り、「絡み合った木目」効果を生成します。もちろん、これ単体では木目のようには見えません。輪の模様は完全に一様で、かつ対称になっています。この輪を乱流関数でかき乱しましょう。パターンの見映えは、乱流関数の振幅やノイズのオクターブ数を変えると大きく変わります。

例3: モザイク

最後の例はやや複雑で、明るい色の石で作ったモザイクです。

以下がその手続きです。

この手続きは、理解するのに少し手間取るかもしれません。もとにしているのは細胞モジュールです。D=(Distance 2)-(Distance 1) の計算で減算モジュールを使うところから始めます。これは細胞のふち(宝石の間の隙間の真ん中)で0に等しく、細胞それぞれの中心に向かって増加する関数です。比較モジュールで、D と0.05とを比較します。これで宝石の中には1を、隙間では0を出力します。

ブレンドモジュールを使って、拡散反射色を選択します。これで、モルタル部分にはグレーを、宝石には HSV モジュールで生成したさまざまな明るい色を付けます。同じように、鏡面反射の計算に乗算モジュールを使います。モルタルは0(つや消し)に、宝石は1(光沢あり)にします。

最後に、グラフ関数 D を凹凸マッピングとして使います。この関数は0.05以下では水平(モルタルが平らになります)で、その後は水平になるまで鋭く立ち上がります。これで滑らかに丸まった宝石のセットがモルタルにはめ込まれた見映えになります。

ついでながら、この画像の地面と空もまた手続きテクスチャで作られています。それぞれ、マーブルモジュールとノイズモジュールを使って、カラーマップから色を選択しました。

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