手続きテクスチャ/材質プラグインの作成
著者: Peter Eastman
発行日: 2000/10/4
最終改訂: 2001/1/15
改訂時の対象: v0.7
もくじ
- 概要
- Texture と TextureSpec
- 単純なテクスチャ
- ユーザインターフェイスの追加
- アンチエイリアステクスチャ
- Texture2D クラスと Texture3D クラス
- 便利なクラス
- Material と MaterialSpec
- Material3D クラス
- サンプル Material
- あとがき: これはいい方法では?
- 付録: イメージマップ
1. 概要
手続きテクスチャと手続き材質の作成について、Art of Illusion は2つの異なる方法を提供します。手続き編集機能で、手続きを素早く簡単に定義できます。これは、それぞれが異なる値やパターン、数学関数を表すさまざまなモジュールを「一緒に書けます」。 もしくはプラグイン API で Java クラスを記述できます。この場合、完全に新規のタイプのテクスチャや材質を定義できます。これは手続き編集機能よりはるかに効果があり、手続きの定義について実質的に無限のパワーを提供します。Java コードで実行できるものはすべて、Art of Illusion で使えます。このチュートリアルでは、プラグイン API の使い方を紹介します。手続きエディタについては別の文書で説明しています。
このチュートリアルには、パッケージプラグインの書き方の基礎は含みません。それは別のチュートリアルで説明しています。まだお読みでなければ、ここを続ける前にお読みください。
またこのチュートリアルは、手続きテクスチャのアルゴリズムの設計や実装を教育するものではありません。それ自体がとても大きなテーマで、今日でも進行中の研究領域なのです。このテーマをより学ぶのであれば、以下の書籍を強くお勧めします。
Ebert, D. S., Musgrave, F. K., Peachey, D., Perlin, K., and Worley, S.
Texturing & Modeling: A Procedural Approach. 2nd edition, AP Professional, 1998.
このチュートリアル全体にわたり、テクスチャと材質のプラグインをいくつも作っていきます。このチュートリアルをダウンロードしたなら、そのすべてが入った TutorialTextures.jar というファイルがあるはずです。Art of Illusion の Plugins ディレクトリ内に単にそれを置いて、AoI を起動させてください。オンラインでこれをお読みなら、ココ をクリックして jar ファイルをダウンロードしてください。
このチュートリアルの残り部分に、以下の内容をまとめてあります。
- 第2章: テクスチャの動作の基本コンセプトと、それを実装するための重要な Java クラスを紹介します。
- 第3〜5章: 手続きテクスチャを作成する工程を見ていきます。とても単純なものから始めて、それに機能を追加していきます。
- 第6章: Texture2D クラスと Texture3D クラスのメソッドすべてを詳しく解説します。
- 第7章: Art of Illusion が提供する、ほかのさまざまなクラスを紹介します。これらはテクスチャと材質を開発するとき便利です。
- 第8〜10章: 手続き材質の書き方を解説し、例を示します。
- 第11章: プラグイン API と手続き編集機能を比較し、結論をいくつか述べます。
- 付録: 補足的な詳細です。手続きでイメージマップを使いたいときのみ、これが関係します。
この文書に載っていることはすべて、Art of Illusion のバージョンが 1.0 になるまでに「開発中」とすべきことです。つまり、この API の内容は将来、変更するかもしれません。その一方で私は、既存のプラグインにほんの最小限でも修正を要求する変更すべてについて確かめることにベストを尽くします。それまでは、このAPI で改善できるアイデアがあれば、どうかお知らせください。
次: Texture と TextureSpec